JP5609774B2 - 5元系合金粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、合金粒子、金属フィラー、はんだペースト、及び実装基板に関する。
近年の情報化社会の発達に伴い、携帯電話を中心とした電子機器では、高機能化、軽薄短小化が求められ、それに伴い高密度実装技術も急速な進歩を遂げている。
部品を基板に内蔵したり、複数のLSIを1パッケージ化したり、限られた容積を有効利用するため、多様な実装技術が開発されているが、一方で、高密度化が進めば進むほど、基板内部やパッケージ内部に組込まれた部品のはんだ接続部は、後工程で熱処理を受ける回数が多くなり、部品と封止樹脂の隙間で起こる、はんだ再溶融によるショート問題が顕在化してきている。
その為、基板内部やパッケージ内部に組込まれた部品の接続において、後工程で複数回の熱処理を受けても、再溶融しない耐熱性を有する鉛フリーはんだ材料の開発が望まれている。
本発明者等は、鉛フリーはんだのリフロー熱処理条件で溶融接合でき、接合後は、同じ熱処理条件では再溶融しない鉛フリーはんだ材料を提案した(特許文献1、2参照)。
鉛フリーはんだのリフロー熱処理条件とは、代表的なSn−3.0Ag−0.5Cu(融点217℃)で、はんだ接続する場合の一般的なリフロー熱処理条件であり、ピーク温度240〜260℃の範囲のことである。
また、本発明者等は、更に前記鉛フリーはんだの一般的なリフロー熱処理条件よりも低温条件(例えばピーク温度160℃)で接続ができ、且つ接続後は、鉛フリーはんだの一般的なリフロー熱処理条件では、再溶融しない鉛フリーはんだ材料を提案した(特許文献3参照)。
該はんだ材料の導電性フィラーは、Cu主成分の第1の金属粒子とリフロー熱処理において溶融する第2の金属粒子との混合体からなり、リフロー熱処理において、新たな安定合金相を形成することで、再度のリフロー熱処理においても、再溶融しない特徴を有するものであった。
一方で、Cu粒子とSn粒子の混合体を導電性フィラーとするはんだ材料が提案されている(特許文献4参照)。
該はんだ材料は、熱処理により、Cu6Sn5を含むCuSn化合物とCu粒子を有する接続部により接続され、且つCu粒子同士は、該CuSn化合物で連結されていることを特徴としている。
特許第4667455号公報 特開2010−149185号公報 国際公開第2010/098357号パンフレット 特許第3414388号公報
しかしながら、高密度実装技術は日進月歩で発展しており、特許文献1〜3に記載のはんだ材料においても、更なる耐熱性の改善が求められている。
また、特許文献4に記載のはんだ材料においては、Cu界面に形成されるCu6Sn5は、接続内部で粗大な晶出物として成長するため、接合強度等の機械的性質が劣化し易く、接続信頼性の観点から、なお改善の余地を有するものであった。
本発明は、上記問題を鑑みて成されたものであり、鉛フリーはんだのリフロー熱処理条件で溶融接合でき、接合後は、同じ熱処理条件では再溶融しない耐熱性を持ち、高い部品接合強度を示し、接続信頼性に優れた鉛フリーはんだ材料を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討し、実験を重ねた結果、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりものである。
[1]Sn13.5〜16.5質量%、Ag9〜11質量%、Bi4.5〜5.5質量%、Ge0.1〜5質量%、残部Cu及び不可避不純物からなることを特徴とする5元系合金粒子。
[2]前記[1]に記載の合金粒子とはんだ粒子との混合体からなることを特徴とする金属フィラー。
[3]前記混合体が、合金粒子100質量部に対して、はんだ粒子を50〜300質量部含む前記[2]記載の金属フィラー。
[4]前記はんだ粒子が、Sn又は、Sn95質量%以上を含有するSn合金である前記[2]又は[3]記載の金属フィラー。
[5]前記はんだ粒子が、Bi40〜70質量%、残部にSnを主成分として含む合金である前記[2]又は[3]記載の金属フィラー。
[6]前記[1]記載の合金粒子又は前記[2]〜[5]のいずれか記載の金属フィラー粒子を含有することを特徴とするはんだペースト。
[7]前記[6]記載のはんだペーストを用いて、電子部品又は電子部品が回路基板に接続された電子デバイスと、回路基板とをリフロー熱処理することで接続した実装基板。
本発明の金属フィラーを含むはんだ材料は、鉛フリーはんだのリフロー熱処理条件で溶融接合でき、接合後は、後工程で複数回の熱処理を受けても、はんだ接続部が再溶融しない耐熱性を持つ。また、高い部品接合強度を示し、接続信頼性に優れる。
実施例1で作製した5元系合金粒子Aの示差走査熱量測定により得られたDSCチャートである。 実施例1で作製した金属フィラーの示差走査熱量測定により得られたDSCチャートである。 実施例1で作製した熱処理サンプルの示差走査熱量測定により得られたDSCチャートである。
以下に、本発明を実施するための形態(以下、実態の形態と略記する)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形して実施することができる。
本実施の形態の5元系合金粒子は、Sn13.5〜16.5質量%、Ag9〜11質量%、Bi4.5〜5.5質量%、Ge0.1〜5質量%、残部Cu及び不可避不純物からなる。金属フィラーは、前記5元系合金粒子とはんだ粒子との混合体である。
5元系合金粒子におけるCuの含有量は、熱処理において溶融したはんだ粒子と合金化して機械的強度を発現させる観点から62質量%以上が好ましい。Snの含有量は、熱処理時において前記合金化を促進する観点から13.5質量%以上16.5質量%以下とすることが好ましい。Agの含有量は、はんだ溶融時の濡れ性を向上させる観点から、9質量%以上が好ましく、粗大な針状のAg3Snの晶出により、はんだ接続部が硬く、脆くなることを防ぐ観点から、11質量%以下が好ましい。Biの含有量は、はんだ溶融時の濡れ性を向上させる観点から、4.5質量%以上が好ましく、Snに固溶できないBiが偏析して、はんだ接続部が硬く、脆くなることを防ぐ観点から5.5質量%以下が好ましい。Geの含有量は、はんだ溶融時に優先的に酸化して、Sn等の他のはんだ成分の酸化を抑制する効果を得る観点から、0.1質量%以上が好ましく、酸化物がはんだ流動を阻害し、接合性に悪影響を与えることを防ぐ観点から、5質量%以下が好ましい。また、Geを添加することで、Snと他の金属、例えば一般的な電極材料であるCuと形成される金属間化合物の成長を抑制する傾向があり、接続部の信頼性を向上させ得る。また、本実施の形態の5元系合金粒子には、その性能を損なわない範囲で、任意の成分を含有させることができる。
また、5元系合金粒子は、内部に準安定合金相を有することが好ましい。準安定合金相は、反応性が高く、熱処理において溶融したはんだ粒子との合金化を迅速に行うことができる。尚、準安定合金相は、示差走査熱量測定(DSC)において発熱ピークとして確認することができる。示差走査熱量測定(DSC)における発熱は、新たな合金相が形成される際に発生する潜熱の検出であり、粒子に準安定合金相が存在することを示す。
本実施の形態の金属フィラーは、リフロー熱処理において、はんだ粒子の融点以上の熱履歴が与えられるとはんだ粒子が溶融し、5元系合金粒子、部品電極、基板電極と接合する。これにより金属間の熱拡散反応が加速的に進み、高融点の新たな安定合金相が形成され接続される。この熱拡散反応により、はんだ粒子の融点を構成する金属成分は、新たに形成される安定合金相となり減少するか、消失する。
このリフロー熱処理前後のはんだ粒子の融点挙動は、示差走査熱量測定(DSC)によって確認することができる。つまり、吸熱ピーク面積から観測されるはんだ粒子由来の溶融熱量は熱処理前に比べて減少するか、または消失する。新たな安定合金相の融点は、鉛フリーはんだの一般的なリフロー熱処理(ピーク温度260℃)より高いので、後工程で複数回の熱処理を受けても再溶融しない耐熱性を有する。このことで、部品と封止樹脂の隙間で起こる、はんだ再溶融によるショートを抑制することができる。
リフロー熱処理後の、鉛フリーはんだの一般的なリフロー熱処理(ピーク温度260℃)以下の温度において吸熱ピーク面積から観測されるはんだ粒子由来の溶融熱量は、熱処理前の90%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下、更に好ましくは50%以下、特に好ましくは30%以下である。該吸熱ピーク面積が90%以下であることで、リフロー熱処理(ピーク温度260℃)では溶融しない新たな安定合金相の存在によって耐熱性を示す。尚、0%とは、熱処理により吸熱ピークが消失することを意味する。
部品の接合強度は、1005Rの部品接合強度評価で、5N以上が好ましく、6N以上がより好ましく、7N以上が更に好ましい。
本実施の形態の金属フィラーの5元系合金粒子とはんだ粒子の混合比は、5元系合金粒子100質量部に対して、接続内部に発生するボイドを少なくし、室温における強度を高くする観点から50質量部以上であることが好ましく、82質量部以上であることがより好ましい。また、接続部が鉛フリーはんだの一般的なリフロー熱処理(ピーク温度260℃)を受けても再溶融しない耐熱性を発現させる観点から300質量部以下であることが好ましく、186質量部以下であることがより好ましい。
本実施の形態の金属フィラーに用いられるはんだ粒子には、Sn又は、Sn95質量%以上を含有するSn合金を用いることができる。はんだ粒子は、Snを含有し、鉛フリーはんだの一般的なリフロー熱処理(ピーク温度260℃)以下で溶融する粒子であれば、特に限定されないが、例えば、Sn(融点232℃)、Sn−3.5Ag(融点221℃)、Sn−0.3Ag−0.7Cu(融点217℃)、Sn−3.0Ag−0.5Cu(融点217℃)、Sn−4.0Ag−0.5Cu(融点217℃)が挙げられる。また、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することもできる。更に好ましくは、Sn、Sn−3.5Ag、Sn−3.0Ag−0.5Cuである。Agは高価なので、Sn単体が価格面で優れるが、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu合金であれば、Sn単体より融点が約10℃低く、熱処理温度を低く設定できる。
また、本実施の形態の金属フィラーに用いられるはんだ粒子には、Biを40〜70質量%、残部にSnを主成分として含む合金を使用することもできる。なお、本実施の形態において主成分とは、特定成分が当該特定成分を含むマトリックス成分中に占める割合が、好ましくは50質量%であり、より好ましくは80質量%であり、100質量%であってもよいことを示す。前記合金は、Sn95質量%以上を含有するSn合金に比べ融点が更に低いため、熱処理温度を更に低く設定できる。その中でも特に、融点138℃のSn−58Biが好適に用いることができる。
尚、本実施の形態における5元系合金粒子、はんだ粒子及び金属フィラーの元素組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析等で確認することができる。
5元系合金粒子の粒子サイズとしては、平均粒径で2〜30μmの範囲が好ましい。平均粒径が2μm以上であると、粒子の比表面積が小さくなり、例えば後述するフラックスを用いてはんだペーストを形成した場合、粒子とフラックスの接触面積が少なくでき、はんだペーストの寿命が長くなる傾向となり好ましい。更にリフロー熱処理においては、フラックスによる還元反応(粒子酸化膜除去)で発生するアウトガスも少なくなるため、接続内部に発生するボイドが低減される傾向となり好ましい。また、平均粒径は、粒子間の隙間の制御により粘着力を維持し、はんだ接続される部品の搭載からリフロー熱処理が終わるまでの工程で、部品が外れることを防ぐ観点から30μm以下が好ましい。はんだ粒子の粒子サイズとしては、前記5元系合金粒子同様、フラックスとの反応性、ペースト特性の観点から平均粒径で2〜40μmの範囲が好ましく、5〜40μmの範囲が更に好ましい。
5元系合金粒子及びはんだ粒子の粒度分布は、ペースト用途に応じて定めることができる。例えば、スクリーン印刷用途では、版抜け性を重視して、粒度分布はブロードにするのが好ましく、ディスペンス用途及びビア充填用途では、吐出流動性及び穴埋め性を重視して、粒度分布はシャープにするのが好ましい。粒度分布は、レーザー回折式粒子径分布測定装置で測定することができる。
5元系合金粒子及びはんだ粒子の製造法としては、微粉末の製造方法として公知の方法を採用できるが、急冷凝固法が好ましい。急冷凝固法による微粉末の製造法としては、水噴霧法、ガス噴霧法、遠心噴霧法等が挙げられ、粒子の酸素含有量を抑えることができる点から、ガス噴霧法、遠心噴霧法がより好ましい。ガス噴霧法では、通常、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用することができるが、ガス噴霧時の線速を高くし、冷却速度を速くする観点から、比重の軽いヘリウムガスを用いることが好ましい。冷却速度は、500〜5000℃/秒の範囲であることが好ましい。遠心噴霧法では、回転ディスク上面に均一な溶融膜を形成する観点から、材質は、サイアロンであることが好ましく、ディスク回転速度は、6万〜12万rpmの範囲であることが好ましい。
本実施の形態のはんだペーストは、前記5元系合金粒子又は、前記金属フィラーを含有している。はんだペーストは、フラックス成分を含有することが好ましい。また、必要に応じて熱硬化性樹脂を加えることで、接着強度を補完することができる。
金属フィラーの含有率としては、ペースト特性の観点からはんだペースト100質量%に対し、84〜94質量%の範囲が好ましい。更に好ましくは、ペースト用途に応じて定めることができる。例えば、スクリーン印刷用途では、版抜け性を重視して、87〜92質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは、88〜91質量%の範囲である。ディスペンス用途では、吐出流動性を重視して、85〜89質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは、86〜88質量%の範囲である。前記フラックス成分は、変性ロジン、溶剤、活性剤、及びチクソ剤を含むことが好ましい。フラックスは、5元系合金粒子、金属フィラー、及び接続する電極の表面処理に最適で、リフロー熱処理時に酸化膜を除去し、はんだの溶融、及び熱拡散による合金化を促進する。フラックスとしては、公知の材料を使用することができる。
また、本実施の形態では、前記はんだペーストを用いて電子部品、又は電子部品が回路基板に接続された電子デバイスと回路基板とをリフロー熱処理することで接続した実装基板を提供する。実装基板を形成するはんだ接続方法としては、例えば、基板電極にはんだペーストを塗布した後に搭載部品を載せてリフロー熱処理で接続する方法や、搭載部品電極、或いは基板電極にはんだペーストを塗布、リフロー熱処理にてバンプ形成後、部品と基板とを合せて、再度リフロー熱処理で接続する方法等が挙げられる。
なお、上述した各種パラメータについては特段の記載のない限り、後述する実施例における測定方法に準じて測定される。
次に実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体例に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
各金属粒子および金属フィラー、はんだペーストの物性は、下記に示す方法で評価した。
(a)示差走査熱量測定(DSC)
島津製作所(株)製「DSC−60」を用い、窒素雰囲気下、昇温温度10℃/分の条件で、温度範囲30〜550℃の範囲で行った。発熱量または吸熱量が±1.5J/g以上あるものを測定対象物由来のピークとして定量し、それ未満のピークは分析精度の観点から除外した。
(b)平均粒径
レーザー回折式粒度分布測定装置(HELOS&RODOS)(Sympatec社(ドイツ)製)により体積積算平均値を測定し、平均粒径値とした。
[実施例1]
(1)5元系合金粒子
Cu6.9kg(純度99質量%以上)、Sn1.5kg(純度99質量%以上)、Ag1.0kg(純度99質量%以上)、Bi0.5kg(純度99質量%以上)、及びGe0.1kg(純度99質量%以上)を黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウム雰囲気で、高周波誘導加熱装置により1400℃まで加熱、融解した。
次に、この溶融金属を坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%未満、圧力2.5MPa)を噴出してガスアトマイズを行い、5元系合金粒子を作製した。この時の冷却速度は、2600℃/秒であった。
更に、この5元系合金粒子を気流式分級機(日清エンジニアリング:TC−15N)にて、1.6μm設定で分級し、大粒子側を回収後、もう一度10μm設定で分級し、小粒子側を回収した。回収した5元系合金粒子の平均粒径を測定したところ、3.0μmであった。
次に、この5元系合金粒子を試料として示差走査熱量測定を行った。この結果得られたDSCチャートを図1に示す。この図が示すように499℃、516℃で吸熱ピークが検出され、複数の融点から、複数の合金相の存在を確認することができた。また、263℃では発熱ピークが検出され、準安定合金相の存在を確認することができた。ここで得られた5元系合金粒子を以後、5元系合金粒子Aと表記する。
次にCu6.99kg(純度99質量%以上)、Sn1.5kg(純度99質量%以上)、Ag1.0kg(純度99質量%以上)、Bi0.5kg(純度99質量%以上)、及びGe0.01kg(純度99質量%以上)にて前記同様にガスアトマイズし、分級して5元系合金粒子(平均粒径3.0μm)を作製した。この5元系合金粒子を試料として、示差走査熱量測定を行ったところ、497℃で吸熱ピーク、266℃で発熱ピークを検出、準安定合金相の存在を確認した。ここで得られた5元系合金粒子を以後、5元系合金粒子Bと表記する。
次にCu6.5kg(純度99質量%以上)、Sn1.5kg(純度99質量%以上)、Ag1.0kg(純度99質量%以上)、Bi0.5kg(純度99質量%以上)、及びGe0.5kg(純度99質量%以上)にて前記同様にガスアトマイズし、分級して5元系合金粒子(平均粒径3.2μm)を作製した。この5元系合金粒子を試料として、示差走査熱量測定を行ったところ、487℃、528℃で吸熱ピーク、266℃で発熱ピークを検出、準安定合金相の存在を確認した。ここで得られた5元系合金粒子を以後、5元系合金粒子Cと表記する。
次にCu6.5kg(純度99質量%以上)、Sn1.5kg(純度99質量%以上)、Ag1.0kg(純度99質量%以上)、Bi0.5kg(純度99質量%以上)、及びIn0.5kg(純度99質量%以上)にて前記同様にガスアトマイズし、分級して5元系合金粒子(平均粒径2.5μm)を作製した。この5元系合金粒子を試料として、前記同様の条件で示差走査熱量測定を行ったところ、499℃、519℃で吸熱ピーク、251℃で発熱ピークを検出、準安定合金相の存在を確認した。ここで得られた5元系合金粒子を以後、5元系合金粒子Dと表記する。
(2)はんだ粒子
山石金属(株)製AT−Sn No.600(Sn99.8質量%以上)を気流式分級機(日清エンジニアリング:TC−15N)用いて、5μm設定で分級し、大粒子側を回収後、もう一度40μm設定で分級し、小粒子側を回収した。回収したはんだ粒子の平均粒径を測定したところ、7.5μmであった。
次に、このはんだ粒子を試料として、示差走査熱量測定を行ったところ、240℃に吸熱ピークを検出、融点232℃(融解開始温度:固相線温度)を有することが確認できた。尚、特徴的な発熱ピークは検出されなかった。ここで得られたはんだ粒子を以後、Sn粒子と表記する。
(3)金属フィラーの製造
前記5元系合金粒子AとSn粒子とを重量比100:82で混合し、金属フィラーとした。この金属フィラーを試料として、示差走査熱量測定を行った。この結果得られたDSCチャートを図2に示す。この図が示すように232℃に吸熱ピークが存在することが確認された。232℃の吸熱ピークは、融点226℃で、吸熱量(溶融熱量)22.31J/gである。また、特徴的に383℃に発熱ピークが存在していた。
(4)はんだペーストの製造
次に金属フィラー89.5質量%、ロジン系フラックス10.5質量%を混合し、ソルダーソフナー(マルコム:SPS−1)、脱泡混練機(松尾産業:SNB−350)に順次かけてはんだペーストを作製した。
(5)熱処理サンプルのDSC測定
前記はんだペーストをアルミナ基板に載せ、窒素雰囲気にて、ピーク温度250℃でリフロー熱処理した。熱処理装置は、(株)マルコム製リフロー炉(RDT−165CP)を使用した。温度プロファイルは、熱処理開始(常温)から145℃までを2.8℃/秒で昇温し、145℃から170℃までを115秒かけて徐々に昇温後、2.7℃/秒で昇温し、ピーク温度250℃で25秒保持する条件を採用した。
この熱処理したはんだペーストを試料として、示差走査熱量測定を行った。この結果得られたDSCチャートを図3に示す。この図が示すように195℃、342℃に吸熱ピークが存在することが確認された。195℃の吸熱ピークは、融点185℃で、吸熱量(溶融熱量)2.13J/gである。
DSC吸熱量に関して、一般的なリフロー熱処理(ピーク温度260℃)以下における金属フィラーの吸熱量(熱処理前)と熱処理サンプルの吸熱量(熱処理後)との比率を求めると熱処理後は、熱処理前の9.5%となった。
(6)1005R部品接合強度の測定
次に高耐熱エポキシ樹脂ガラス布からなるプリント基板のCu電極上に前記はんだペーストを印刷塗布し、1005サイズの0Ω抵抗部品(以下、1005Rと表記)を搭載後、窒素雰囲気にて、ピーク温度250℃でリフロー熱処理してサンプルを作製した。印刷パターン形成は、マイクロテック(株)製スクリーン印刷機(MT−320TV)を使用した。印刷マスクはメタル製で、スキージはウレタン製を用いた。マスク開口サイズは、1005R電極部分に合わせて400μm×500μmと設定し、マスク厚みは、0.08mmとした。印刷条件は、速度50mm/秒、印圧0.1MPa、スキージ圧0.2MPa、背圧0.1MPa、アタック角度20°、クリアランス0mm、印刷回数1回とした。
次に前記作製サンプルの剪断方向の部品接合強度をプッシュ・プルゲージにより、押し速度10mm/分で測定、15点の平均値は6.6Nであった。
[実施例2〜21及び比較例1〜2]
前記5元系合金粒子A〜DとSn粒子との混合体を金属フィラーとして、実施例1と同様に、はんだペースト化、リフロー熱処理(ピーク250℃)、DSC測定、部品接合強度測定した結果を表1に実施例2〜21及び比較例1〜2として示す。
表1の実施例1、12、19と比較例1、実施例4、10、17と比較例2を比較すると、同一混合比の金属フィラーにおいて、各実施例の5元系合金粒子が再溶融しにくく高い耐熱性を持ち、高い部品接合強度を示していることが分かる。尚、耐熱性は5元系合金粒子の混合比が増えると高くなり、部品接合強度はSn粒子が増えると高くなる傾向がある。
Figure 0005609774
[実施例22〜33]
次にはんだ粒子にSn−0.3Ag−0.7Cu(山石金属:Y−SnCu0.7Ag0.3−Q 3820D:平均粒径29.8μm)、Sn−3.0Ag−0.5Cu(三井金属鉱業:ICP Type5(1010S019):平均粒径22μm)、Sn−3.5Ag(山石金属:Y−SnAg3.5−Q 2510:平均粒径22μm)、Sn−4.0Ag−0.5Cu(三井金属鉱業:ICP Type5(1008S048):平均粒径21.8μm)を用い、5元系合金粒子A〜Cとの混合体を金属フィラーとして、実施例1と同様に、はんだペースト化、リフロー熱処理(ピーク250℃)、DSC測定、1005R部品接合強度測定した結果を表2に実施例22〜30として示す。
また、はんだ粒子にSn−58Bi(山石金属:Y−SnBi58−Q 2510D:平均粒径20.4μm)を用い、5元系合金粒子A〜Cとの混合体を金属フィラーとして、実施例1と同様に、はんだペースト化、ピーク温度160℃でリフロー熱処理、DSC測定、1005R部品接合強度測定した結果を表2に実施例31〜33として示す。
ピーク温度160℃のリフロー熱処理は、実施例1と同じ熱処理装置を使用し、温度プロファイルは、熱処理開始(常温)から105℃までを2.2℃/秒で昇温し、105℃から120℃までを115秒かけて徐々に昇温後、0.9℃/秒で昇温し、ピーク温度160℃で20秒保持する条件を採用した。
表2から明らかなように、はんだ粒子を変えた場合でも、耐熱性と実用的な部品接合強度を有することが確認された。尚、部品接合強度は、はんだ粒子にSn−3.5Agを用いた場合が高く、Sn−58Biを用いた場合は低い傾向があった。
Figure 0005609774
本発明は、電子部品、電子デバイスの基板接続、及びビア充填等による回路形成に使用される金属フィラー、はんだペーストに用いられる合金粒子を提供し、後工程で複数回の熱処理を受ける用途(例えば、部品内蔵基板やパッケージ内部に組込む部品の接続材としてのはんだペースト、導電性接着剤)に適用することができる。

Claims (7)

  1. Sn13.5〜16.5質量%、Ag9〜11質量%、Bi4.5〜5.5質量%、Ge0.1〜5質量%、残部Cu及び不可避不純物からなることを特徴とする5元系合金粒子。
  2. 請求項1に記載の合金粒子とはんだ粒子との混合体からなることを特徴とする金属フィラー。
  3. 前記混合体が、合金粒子100質量部に対して、はんだ粒子を50〜300質量部含む請求項2記載の金属フィラー。
  4. 前記はんだ粒子が、Sn又は、Sn95質量%以上を含有するSn合金である請求項2又は3記載の金属フィラー。
  5. 前記はんだ粒子が、Bi40〜70質量%、残部にSnを主成分として含む合金である請求項2又は3記載の金属フィラー。
  6. 請求項1記載の合金粒子又は請求項2〜5のいずれか記載の金属フィラー粒子を含有することを特徴とするはんだペースト。
  7. 請求項6記載のはんだペーストを用いて、電子部品又は電子部品が回路基板に接続された電子デバイスと、回路基板とをリフロー熱処理することで接続した実装基板。
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