JP4703581B2 - 導電性フィラー、及びはんだペースト - Google Patents

導電性フィラー、及びはんだペースト Download PDF

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Description

本発明は、電子機器の接合材料に用いられる導電性フィラーに関するものであり、特に鉛フリーはんだペースト、及び導電性接着剤に関する。
従来、電子機器等のはんだ実装では、Sn−37Pb共晶はんだ(融点183℃)が、一般的に用いられてきたが、Pbによる環境汚染、人体に対する有害性が問題視されるようになり、2006年7月から欧州共同体(EU)ではRoHS指令が施行されるなど、世界的にPb規制強化の動きが高まり、Pbを含まない代替はんだ材料及び接合技術の開発が進められている。
このような状況の中で、Sn−37Pb共晶はんだに代わる接合材料、鉛フリーはんだとして、Sn−3.0Ag−0.5Cu(融点220℃)はんだ(特許文献1参照)が広く知られているが、Sn−37Pb共晶はんだに比べ融点が高く、実装温度、即ちリフロー熱処理温度、も上がるため、電子機器や基材への熱的負荷が大きくなり、耐熱性の低い材料では使用できないことから、低温で実装可能な低融点の鉛フリーはんだの開発が求められている。
尚、一般的に、リフロー熱処理温度は、はんだ合金融点+10〜50℃の範囲で設定される。
これに対し、低融点の鉛フリーはんだとしては、Sn、In、Biを主成分としたSn−52In(融点117℃)はんだ、Sn−58Bi(融点139℃)はんだ(特許文献2、3参照)等がある。これらは、Sn−37Pb共晶はんだよりも融点が低く、実装温度も150〜180℃の範囲の低温で使用できる利点があるが、Sn−52Inはんだでは、Inが希少資源であり、また非常に高価な金属であるため、安定供給やコスト面での問題があり、Sn−58Biはんだでは、材料自体が硬くて脆く、延性が低いなどの機械的性質に加え、熱疲労強度が低く、接続性に問題がある。
また、組立プロセスでは、複数回のはんだ実装が必要であり、前工程で実装した部分が再溶融して外れないように、徐々に融点の低いはんだを用いて実装温度を下げ、複数回のはんだ実装を行うが、上述した低融点の鉛フリーはんだでは、融点が低く、耐熱温度が低いので、最終段階のはんだ実装にしか使用できない、という問題があった。
なお、本発明者等は、以前、上記問題の解決手段の一つとして、Sn−37Pb共晶はんだより低い実装温度で接続可能な鉛フリーの導電性材料で、且つ実装後は260℃でも接合強度を保持でき、複数回のはんだ実装にも対応可能な3種の金属粒子の混合体からなる導電性フィラーを提案した(特許文献4参照)。
特開平05−050286号公報 特開平08−252688号公報 特開平11−221694号公報 特開2006−281292号公報
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、Sn−37Pb共晶はんだの実装温度(リフロー熱処理温度)条件よりも低温条件(ピーク温度149℃以上)で溶融接合でき、実装後は、耐熱260℃の接合材料として使用できる導電性フィラーを提供することを目的とする。また、前記導電性フィラーを用いたはんだペーストを提供することも本発明の目的である。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を成すに至った。
即ち、本発明の第一は、示差走査熱量測定(DSC)で発熱ピークとして観測される準安定合金相を250〜285℃の範囲に少なくとも1つと、吸熱ピークとして観測される融点を50〜95℃の範囲と400〜475℃の範囲の2箇所に少なくとも1つずつ有している金属粒子からなる導電性フィラーであって、上記金属粒子が、Ag10質量%、Bi20質量%、Cu15質量%、In20質量%、及びSn35質量%の組成を有する合金からなる第1の金属粒子と、Ag10質量%、Bi5質量%、Cu65質量%、In5質量%、及びSn15質量%の組成を有する合金からなる第2の金属粒子との混合体であり、その混合比が、該第1の金属粒子100質量部に対し、該第2の金属粒子53〜147質量部であることを特徴とする導電性フィラーである。
また、本発明の第二は、示差走査熱量測定(DSC)で発熱ピークとして観測される準安定合金相を250〜285℃の範囲に少なくとも1つと、吸熱ピークとして観測される融点を50〜95℃の範囲と400〜475℃の範囲の2箇所に少なくとも1つずつ有している金属粒子からなる導電性フィラーであって、上記金属粒子が、Ag10質量%、Bi20質量%、Cu15質量%、In20質量%、及びSn35質量%の組成を有する合金からなる第1の金属粒子と、Ag10質量%、Bi5質量%、Cu65質量%、In5質量%、及びSn15質量%の組成を有する合金からなる第2の金属粒子と、Ag32質量%、Bi5質量%、Cu10質量%、In5質量%、及びSn48質量%の組成を有する合金からなる第3の金属粒子との混合体であり、その混合比が、該第1の金属粒子100質量部に対し、該第2の金属粒子53〜105質量部、該第3の金属粒子26〜144質量部であることを特徴とする導電性フィラーである。
本発明の第三は、本発明の第一、第二の導電性フィラーを含有することを特徴とするはんだペーストである。
本発明の導電性フィラーは、Sn−37Pb共晶はんだの実装温度(リフロー熱処理温度)条件よりも低温条件(ピーク温度149℃以上)で溶融接合することが可能であり、実装後は、耐熱260℃の接合材料として使用することができるので、実装時の部品や基材、周辺機器への熱損傷を低減できると共に製造コスト、環境負荷を低減できる、という利点を有する。
本発明の導電性フィラーは、示差走査熱量測定(DSC)で発熱ピークとして観測される準安定合金相を250〜285℃の範囲に少なくとも1つと、吸熱ピークとして観測される融点を50〜95℃の範囲と400〜475℃の範囲の2箇所に少なくとも1つずつ有している金属粒子からなることを特徴とするものである。
尚、本発明における示差走査熱量測定(DSC)での測定温度範囲は、30〜600℃とし、発熱量又は吸熱量が±1.5J/g以上であるものを測定対象物由来のピークとして定量し、それ未満のピークは、分析精度の観点から除外するものとする。
また、本発明でいう「融点」とは、融解開始温度のことであり、示差走査熱量測定(DSC)において固相線温度を指す。
本発明の導電性フィラーとして好ましい金属粒子を例示すると、示差走査熱量測定(DSC)で吸熱ピークとして観測される融点を50〜95℃の範囲に少なくとも1つ有する金属粒子(以下「第1の態様の金属粒子」ともいう。)と発熱ピークとして観測される準安定合金相を240〜290℃の範囲に少なくとも1つと、吸熱ピークで観測される融点を480〜520℃の範囲に少なくとも1つに有する金属粒子(以下「第2の態様の金属粒子」ともいう。)の混合体が挙げられる。
また、第1の態様の金属粒子と第2の態様の金属粒子、及び発熱ピークとして観測される準安定合金相を110〜130℃の範囲に少なくとも1つと、吸熱ピークで観測される融点を165〜200℃の範囲と320〜380℃の範囲の2箇所に少なくとも1つずつに有する金属粒子(以下「第3の態様の金属粒子」ともいう。)の混合体が挙げられる。
熱処理により、金属粒子の最低融点以上の熱履歴が与えられると、金属粒子が溶融し、接合する。これにより、金属粒子間の熱拡散反応が加速的に進み、準安定合金相が減少して、最低融点よりも高温側に新たな安定合金相が形成される。即ち、DSCで発熱ピークとして観測される準安定合金相の存在が、該熱拡散反応を助長する効果がある。
第1の態様の金属粒子としては、Ag5〜15質量%、Bi15〜25質量%、Cu10〜20質量%、In15〜25質量%、及びSn15〜55質量%の組成を有する合金からなる金属粒子(以下「第1の金属粒子」ともいう。)が例示される。より好ましくは、Ag8〜12質量%、Bi17〜23質量%、Cu12〜18質量%、In17〜23質量%、残部Snの組成を有する合金からなる金属粒子である。
第2の態様の金属粒子としては、Ag5〜15質量%、Bi2〜8質量%、Cu49〜81質量%、In2〜8質量%、及びSn10〜20質量%の組成を有する合金からなる金属粒子(以下「第2の金属粒子」ともいう。)が例示される。より好ましくは、Ag8〜12質量%、Bi3〜7質量%、In3〜7質量%、Sn12〜18質量%、残部Cuの組成を有する合金からなる金属粒子である。
また、第3の態様の金属粒子としては、Ag25〜40質量%、Bi2〜8質量%、Cu5〜15質量%、In2〜8質量%、及びSn29〜66質量%の組成を有する合金からなる金属粒子(以下「第3の金属粒子」ともいう。)が例示される。より好ましくは、Ag30〜35質量%、Bi3〜7質量%、Cu8〜12質量%、In3〜7質量%、残部Snの組成を有する合金からなる金属粒子である。
第1の態様の金属粒子と第2の態様の金属粒子との混合体における第1の態様の金属粒子と第2の態様の金属粒子の混合比は、第1の態様の金属粒子100質量部に対して、第2の態様の金属粒子50〜150質量部が好ましく、更には、第1の態様の金属粒子100質量部に対して、第2の態様の金属粒子80〜120質量部がより好ましい。
また、第1の態様の金属粒子と第2の態様の金属粒子と第3の態様の金属粒子との混合体における第1の態様の金属粒子と第2の態様の金属粒子と第3の態様の金属粒子の混合比は、第1の態様の金属粒子100質量部に対して、第2の態様の金属粒子50〜150質量部、第3の態様の金属粒子1〜150質量部が好ましく、更には、第1の態様の金属粒子100質量部に対して、第2の態様の金属粒子80〜120質量部、第3の態様の金属粒子80〜120質量部がより好ましい。
上記金属粒子の粒子サイズと形状は、用途に応じて定めることができる。例えば、はんだペースト用途では、印刷性を重視して、平均粒径で2〜40μmの比較的真球度の高い粒子を使うことが好ましい。また、導電性接着剤用途としては、ビア充填では、穴埋め性を重視して、比較的真球度の高い粒子を使うことが好ましく、部品等の表面実装では、接触面積を増加させるために、異形粒子を使うことが好ましい。
尚、通常、微細な金属粒子は表面酸化されていることが多い。従って、上述の用途における熱処理による溶融、熱拡散を促進するためには、酸化膜を除去する活性剤を配合すること、または、加圧すること、の少なくとも一方を行うことが好ましく、両方行うことが更に好ましい。また、リフロー熱処理雰囲気は、大気より窒素の方が、加熱時の酸化を抑制できるのでより好ましい。
本発明の導電性フィラーである第2及び第3の態様の金属粒子の製造方法としては、該金属粒子内に準安定合金相や安定合金相を形成させるために、急冷凝固法である不活性ガスアトマイズ法を採用することが望ましい。不活性ガスアトマイズ法では、通常、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスが使用されるが、本発明に関しては、比重の軽いヘリウムガスを用いることが好ましく、冷却速度は、500〜5000℃/秒の範囲であるのが好ましい。
本発明のはんだペーストは、本発明の導電性フィラー、並びにロジン、溶剤、活性剤、及びチクソ剤等の成分からなるフラックスで構成される。はんだペーストにおける該導電性フィラーの含有率としては、85〜95質量%が好ましい。フラックスは、金属粒子からなる導電性フィラーの表面処理に最適で、熱処理時の該金属粒子の酸化膜を除去し、粒子の溶融、及び熱拡散による合金化を促進する。フラックスとしては、公知の材料を使用することができるが、更に有機アミンを酸化膜除去剤として加えるとより効果的であるので好ましい。また、必要に応じて、公知のフラックスに溶剤を加えて粘度を調整して使用しても良い。
更に接合性を強化するためのバインダーとして、熱硬化性樹脂を含有させても良い。熱硬化性樹脂の種類には特に制限はなく、公知のものが使用可能である。例えば、レゾール型フェノ−ル樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、1分子中の1個以上のグリシジル基を有する液状エポキシ化合物、メラミン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。尚、これらの樹脂中では、エポキシ樹脂が最も好ましい。また、熱硬化性樹脂は、モノマーの形態で含有させていても良い。バインダーには、硬化剤が含まれていても良く、アミン系エポキシ硬化剤、酸無水物系エポキシ硬化剤、イソシアネート系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等が挙げられる。これら熱硬化性樹脂、硬化剤は、何れも1種単独で使用しても2種以上を併用しても良い。更にバインダーには、必要に応じて熱可塑性樹脂を含有させても良い。
以下、本発明を実施例などに基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
尚、示差走査熱量測定は、島津製作所(株)製「DSC−50」を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件で、30〜600℃の範囲において行った。
[実施例1]
(1)第1の金属粒子の製造
Ag粒子1.0kg(純度99質量%以上)、Bi粒子2.0kg(純度99質量%以上)、Cu粒子1.5kg(純度99質量%以上)、In粒子2.0kg(純度99質量%以上)、Sn粒子3.5kg(純度99質量%以上)、を黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウム雰囲気下で、高周波誘導加熱装置により1400℃まで加熱し、融解した。次に、この溶融金属を坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%未満、圧力2.5MPa)を噴出してアトマイズを行い、第1の金属粒子を作製した。この時の冷却速度は2600℃/秒とした。
得られた第1の金属粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製:S−2700)で観察したところ球状であった。この金属粒子を気流式分級機(日清エンジニアリング(株)製:TC−15N)を用いて、5μmの設定で分級した後に、そのオーバーカット粉を15μmの設定で、もう一度分級して得られたアンダーカット粉を回収した。この回収された第1の金属粒子の体積平均粒径は5.5μmであった。
このようにして得られた第1の金属粒子を試料とし、示差走査熱量測定を行った。その結果、66℃、87℃、380℃の吸熱ピークが存在し、複数の融点を有することが確認された。
(2)第2の金属粒子の製造
Ag粒子1.0kg(純度99質量%以上)、Bi粒子0.5kg(純度99質量%以上)、Cu粒子6.5kg(純度99質量%以上)、In粒子0.5kg(純度99質量%以上)、Sn粒子1.5kg(純度99質量%以上)、を黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウム雰囲気下で、高周波誘導加熱装置により1400℃まで加熱し、融解した。次に、この溶融金属を坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%未満、圧力2.5MPa)を噴出してアトマイズを行い、第2の金属粒子を作製した。この時の冷却速度は2600℃/秒とした。
得られた第2の金属粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製:S−2700)で観察したところ球状であった。この金属粒子を気流式分級機(日清エンジニアリング(株)製:TC−15N)を用いて、1.6μmの設定で分級した後に、そのオーバーカット粉を10μmの設定で、もう一度分級して得られたアンダーカット粉を回収した。この回収された第2の金属粒子の体積平均粒径は2.9μmであった。
このようにして得られた第2の金属粒子を試料とし、示差走査熱量測定を行った。その結果、496℃の吸熱ピークが存在し、融点を有することが確認された。また、254℃に発熱ピークが存在し、準安定合金相を有することが確認できた。
(3)第3の金属粒子の製造
Ag粒子3.2kg(純度99質量%以上)、Bi粒子0.5kg(純度99質量%以上)、Cu粒子1.0kg(純度99質量%以上)、In粒子0.5kg(純度99質量%以上)、Sn粒子4.8kg(純度99質量%以上)、を黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウム雰囲気下で、高周波誘導加熱装置により1400℃まで加熱し、融解した。次に、この溶融金属を坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%未満、圧力2.5MPa)を噴出してアトマイズを行い、第3の金属粒子を作製した。この時の冷却速度は2600℃/秒とした。
得られた第3の金属粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製:S−2700)で観察したところ球状であった。この金属粒子を気流式分級機(日清エンジニアリング(株)製:TC−15N)を用いて、5μmの設定で分級した後に、そのオーバーカット粉を15μmの設定で、もう一度分級して得られたアンダーカット粉を回収した。この回収された第3の金属粒子の体積平均粒径は4.9μmであった。
このようにして得られた第3の金属粒子を試料とし、示差走査熱量測定を行った。その結果、196℃、359℃、415℃の吸熱ピークが存在し、複数の融点を有することが確認された。また、120℃に発熱ピークが存在し、準安定合金相を有することが確認できた。
(4)金属粒子混合体の製造
上記第1の金属粒子、第2の金属粒子、第3の金属粒子を重量比100:105:103で混合して製造した導電性フィラーを試料とし、示差走査熱量測定を行った。この測定により得られたDSCチャートを図1に示す。この図1が示すように、66℃、86℃、194℃、330℃、433℃に吸熱ピークが存在し、複数の融点を有することが確認された。また、262℃、283℃に発熱ピークが存在し、準安定合金相を有することが確認できた。
(5)はんだペーストの製造
上記導電性フィラー90.0質量%、ロジン系フラックス10.0質量%を混合し、ソルダーソフナー((株)マルコム製:SPS−1)、脱泡混練機(松尾産業(株)製:SNB−350)に順次かけてはんだペーストを作製した。
(6)融点、接合強度の確認
上記はんだペーストをアルミナ基板に載せ、大気雰囲気にて、ピーク温度149℃でリフロー熱処理した。熱処理装置は、ニホンハンダ(株)製のメッシュベルト式遠赤外線リフロー装置「RQ−TC235」を使用した。温度プロファイルは、全工程が5分15秒で、熱処理開始から1分で69℃に達し、その後は徐々に昇温、3分で114℃、4分でピーク温度149℃に到達後、徐々に温度が降下、熱処理終了時は、108℃になる条件を採用した(以下「ピーク149℃熱処理」ともいう)。
次に、この熱処理後のはんだペーストを試料とし、示差走査熱量測定を行った。この測定により得られたDSCチャートを図2に示す。この図2に示すように、105℃、323℃、356℃、434℃に吸熱ピークが存在し、複数の融点を有することが確認された。260℃を境として吸熱量の量比を熱処理前と比較すると260℃以下の吸熱量が減少し、260℃以上の吸熱量が増加したのが判る。これは、低融点合金相が、熱処理により、拡散して高温側にシフトしたことを示すものである。また、244℃に発熱ピークが存在し、準安定合金相を有することが確認できた。熱量的には、熱処理前に比べ、約22%減少しているのが判る。
次に、上記はんだペーストをCu基板上に2mm×3.5mmで印刷し、チップを搭載した後、大気雰囲気にて、前記の熱処理方法で、ピーク149℃熱処理してサンプルを作製した。印刷パターン形成は、マイクロテック(株)製の印刷機「MT−320TV」を用い、マスクは、メタルマスクで、スキージは、ウレタン製のものを用いた。マスクの開孔は、2mm×3.5mmであり、厚みは、100μmである。印刷条件は、印刷速度10mm/秒、印圧0.1MPa、スキージ圧0.2MPa、背圧0.1MPa、アタック角度20°、クリアランス0mm、印刷回数1回とした。また、チップは、2mm×2mmで、厚みが0.5mmのCuチップを用いた。
次に、常温(25℃)で、前記作製サンプルの剪断方向のチップ接合強度をプッシュ・プルゲージにより、押し速度10mm/minで測定し、単位面積で換算したところ7.1MPaであった。更に前記作製サンプルをホットプレート上で260℃まで加熱し、260℃で1分間保持した状態で、前記と同じ方法で剪断方向のチップ接合強度を測定したところ、3.2MPaであり、260℃でも接合強度を保持できる耐熱性を確認することができた。
[実施例2〜7]
実施例1記載の第1の金属粒子、第2の金属粒子、第3の金属粒子の混合比を変えた混合体を導電性フィラーとして、実施例1と同じ方法によりペースト化、熱処理した後、チップ接合強度を測定したものを、表1に実施例2〜7として示す。
[比較例1〜9]
また、表1には、比較例として、第2の金属粒子が下限未満の場合(比較例1)、第2の金属粒子が含まれない場合(比較例2)、第2の金属粒子が下限未満の場合(比較例3)、第1の金属粒子が単独の場合(比較例4)、第3の金属粒子が含まれず、第2の金属粒子が上限を越える場合(比較例5)、第3の金属粒子が含まれず、第2の金属粒子が下限未満の場合(比較例6)、第3の金属粒子が上限を越える場合(比較例7)、並びに従来のはんだ材料を測定した結果を示す。比較例8は、Sn−37Pb共晶はんだ、比較例9は、Sn−58Bi共晶はんだの例である。
表1の結果から明らかなように、260℃に加熱した状態において、比較例8、9の共晶はんだが再溶融するのに対し、実施例1〜7では、2MPa以上の接合強度があり、接合状態を保持できる耐熱性があることが判る。また、実施例1では、In比が9.9質量%まで低減されている。
以上、説明したように本発明の導電性フィラーを用いることで、Sn−37Pb共晶はんだの実装温度(リフロー熱処理温度)条件よりも低温条件、即ちピーク温度149℃以上、で溶融接合でき、実装時の部品や基材、周辺機器への熱損傷を低減できると共に、実装後は、耐熱260℃の接合材料として使用できるので、耐熱信頼性が高く、また、一種のペーストで複数回のはんだ実装に対応できるので、製造コストも低減できる接合材料を提供することができる。
Figure 0004703581
本発明の導電性フィラーは、Sn−37Pb共晶はんだの実装温度(リフロー熱処理)条件よりも低温条件(ピーク温度149℃以上)で溶融接合でき、且つ、実装後は、高耐熱の接合材料としての活用が期待できる。
実施例1で作製した第1の金属粒子、第2の金属粒子、第3の金属粒子を重量比100:105:103で混合して製造した導電性フィラーを試料とした示差走査熱量測定により得られたDSCチャートである。 実施例1で作製したはんだペーストを大気雰囲気にて、ピーク温度149℃でリフロー熱処理したものを試料とした示差走査熱量測定により得られたDSCチャートである。

Claims (3)

  1. 示差走査熱量測定(DSC)で発熱ピークとして観測される準安定合金相を250〜285℃の範囲に少なくとも1つと、吸熱ピークとして観測される融点を50〜95℃の範囲と400〜475℃の範囲の2箇所に少なくとも1つずつ有している金属粒子からなる導電性フィラーであって、上記金属粒子が、Ag10質量%、Bi20質量%、Cu15質量%、In20質量%、及びSn35質量%の組成を有する合金からなる第1の金属粒子と、Ag10質量%、Bi5質量%、Cu65質量%、In5質量%、及びSn15質量%の組成を有する合金からなる第2の金属粒子との混合体であり、その混合比が、該第1の金属粒子100質量部に対し、該第2の金属粒子53〜147質量部であることを特徴とする導電性フィラー。
  2. 示差走査熱量測定(DSC)で発熱ピークとして観測される準安定合金相を250〜285℃の範囲に少なくとも1つと、吸熱ピークとして観測される融点を50〜95℃の範囲と400〜475℃の範囲の2箇所に少なくとも1つずつ有している金属粒子からなる導電性フィラーであって、上記金属粒子が、Ag10質量%、Bi20質量%、Cu15質量%、In20質量%、及びSn35質量%の組成を有する合金からなる第1の金属粒子と、Ag10質量%、Bi5質量%、Cu65質量%、In5質量%、及びSn15質量%の組成を有する合金からなる第2の金属粒子と、Ag32質量%、Bi5質量%、Cu10質量%、In5質量%、及びSn48質量%の組成を有する合金からなる第3の金属粒子との混合体であり、その混合比が、該第1の金属粒子100質量部に対し、該第2の金属粒子53〜105質量部、該第3の金属粒子26〜144質量部であることを特徴とする導電性フィラー。
  3. 請求項1又は2に記載の導電性フィラーを含有することを特徴とするはんだペースト。
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