JP3064042B2 - 銀ロウ材 - Google Patents
銀ロウ材Info
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- JP3064042B2 JP3064042B2 JP3133389A JP13338991A JP3064042B2 JP 3064042 B2 JP3064042 B2 JP 3064042B2 JP 3133389 A JP3133389 A JP 3133389A JP 13338991 A JP13338991 A JP 13338991A JP 3064042 B2 JP3064042 B2 JP 3064042B2
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- Japan
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- silver
- alloy
- brazing material
- brazing
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- Prior art date
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は宝飾品の製造に用いられ
る銀ロウ材、特に金合金と白金合金とを接合するための
銀ロウ材に関する。
る銀ロウ材、特に金合金と白金合金とを接合するための
銀ロウ材に関する。
【0002】
【従来の技術】金色の金合金と、白色の白金合金とを組
み合わせた宝飾品は「ツートーン」あるいは「コンビネ
ーション」と呼ばれ、そのデザインの多様性が好まれて
いる。金合金(75%Au、18K)の融点は850℃
前後であり、白金合金(Pt90%、#Pt900)の
融点は1600℃前後であるから、この両者の温度差が
ロウ接作業上の問題となる。一般には融点が800℃以
下の、金合金用ロウ材が用いられているが、これらのロ
ウ材に多量に含有されている亜鉛、スズ、カドミウムな
どがロウ接作業中に白金と反応を起こし、界面に脆弱な
化合物層を形成する。また、これらのロウ材は白金との
濡れ性も不良である。一方、白金合金用のロウ材として
は一般にパラジウム合金が用いられているが、融点が1
000℃以上であるため金合金との接合作業には細心の
注意と熟練とを要する。
み合わせた宝飾品は「ツートーン」あるいは「コンビネ
ーション」と呼ばれ、そのデザインの多様性が好まれて
いる。金合金(75%Au、18K)の融点は850℃
前後であり、白金合金(Pt90%、#Pt900)の
融点は1600℃前後であるから、この両者の温度差が
ロウ接作業上の問題となる。一般には融点が800℃以
下の、金合金用ロウ材が用いられているが、これらのロ
ウ材に多量に含有されている亜鉛、スズ、カドミウムな
どがロウ接作業中に白金と反応を起こし、界面に脆弱な
化合物層を形成する。また、これらのロウ材は白金との
濡れ性も不良である。一方、白金合金用のロウ材として
は一般にパラジウム合金が用いられているが、融点が1
000℃以上であるため金合金との接合作業には細心の
注意と熟練とを要する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、融点が600℃前後であり、金合金および白金合金
のいずれとも濡れ性が良く強固に接合し、耐食性にも優
れたロウ材を開発することである。
は、融点が600℃前後であり、金合金および白金合金
のいずれとも濡れ性が良く強固に接合し、耐食性にも優
れたロウ材を開発することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明においては銀あるいは銅を主体とする合金に2〜
10%のゲルマニウムを添加することにより融点を下げ
てロウ材を構成し、さらにこれに少量のリン、亜鉛、ス
ズ、ガリウム、インジウム、カドミウム、アンチモンな
どを加えて脱酸効果、流動性、粉砕性などを改良した。
本発明においては銀あるいは銅を主体とする合金に2〜
10%のゲルマニウムを添加することにより融点を下げ
てロウ材を構成し、さらにこれに少量のリン、亜鉛、ス
ズ、ガリウム、インジウム、カドミウム、アンチモンな
どを加えて脱酸効果、流動性、粉砕性などを改良した。
【0005】
【作用】従来の銀ロウ材は銀−銅系合金に多量の亜鉛を
添加して融点を600℃前後に調整したものであるが、
亜鉛が白金と反応して脆弱な化合物を形成し、耐食性に
も劣ることが欠点であった。これに対して銀−銅系合金
にゲルマニウムを添加すると、比較的少量の添加で融点
が低下し、白金との反応も少ない。
添加して融点を600℃前後に調整したものであるが、
亜鉛が白金と反応して脆弱な化合物を形成し、耐食性に
も劣ることが欠点であった。これに対して銀−銅系合金
にゲルマニウムを添加すると、比較的少量の添加で融点
が低下し、白金との反応も少ない。
【0006】
【実施例】銀15〜90%、銅3〜83%、ゲルマニウ
ム2〜10%からなる合金およびこれに少量のリン、亜
鉛、スズ、ガリウム、インジウム、カドミウム、アンチ
モンなどを加えた合計21種の合金と、従来の銀−銅−
亜鉛系ロウ材3種とを作成し、その融点、金および白金
に対するロウ接性(濡れ性、流動性、接合強度)、加工
性(細線あるいは粉末にする場合の作業性)について調
べた。これらの合金の組成と、種々の雰囲気で評価した
ロウ接性の結果を表1、表2に示す。なお、これらの合
金の融点はいずれも600℃〜650℃であった。
ム2〜10%からなる合金およびこれに少量のリン、亜
鉛、スズ、ガリウム、インジウム、カドミウム、アンチ
モンなどを加えた合計21種の合金と、従来の銀−銅−
亜鉛系ロウ材3種とを作成し、その融点、金および白金
に対するロウ接性(濡れ性、流動性、接合強度)、加工
性(細線あるいは粉末にする場合の作業性)について調
べた。これらの合金の組成と、種々の雰囲気で評価した
ロウ接性の結果を表1、表2に示す。なお、これらの合
金の融点はいずれも600℃〜650℃であった。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】 注:イ・・・金合金とのロウ接性、ロ・・・白金合金と
のロウ接性 (◎・・極めて良好、○・・良好、×・・劣る) ハ・・・ロウ接雰囲気、 A・・不活性雰囲気(アルゴンまたは窒素) B・・弱い酸化雰囲気 C・・大気中
のロウ接性 (◎・・極めて良好、○・・良好、×・・劣る) ハ・・・ロウ接雰囲気、 A・・不活性雰囲気(アルゴンまたは窒素) B・・弱い酸化雰囲気 C・・大気中
【0009】
【発明の効果】多量の亜鉛を含有する従来のロウ材(比
較例22、23)においては、不活性雰囲気中での作業
を必要とし、なおかつ白金合金に対するロウ接性に劣る
が、本発明のロウ材においては金合金、白金合金の両者
に対して優れたロウ接性を示し、特に合金番号12、1
3、20、21などにおいては、大気中での作業も可能
である。
較例22、23)においては、不活性雰囲気中での作業
を必要とし、なおかつ白金合金に対するロウ接性に劣る
が、本発明のロウ材においては金合金、白金合金の両者
に対して優れたロウ接性を示し、特に合金番号12、1
3、20、21などにおいては、大気中での作業も可能
である。
【0010】ここで成分限定の理由について説明する。
基本成分である銀と銅の共晶温度は約780℃である
が、これにゲルマニウムを添加することにより融点を6
00℃前後に下げることができる。この場合、銀(A
g)15%〜90%、銅(Cu)3%〜83%の範囲を
越えると固相線と液相線の間隔が広がり、流動性が低下
するので上記の範囲が好ましい。銀−銅系合金にゲルマ
ニウム(Ge)を添加すると、融点を下げると同時に流
動性が改善される。特に白金合金に対しては、極めて薄
い金属間化合物を形成するので濡れ性が改善される。ゲ
ルマニウム添加の効果は2%以上から認められるが、1
0%を越えると白金合金との界面に形成される化合物層
が厚くなり脆化するので、10%以下が好ましい。
基本成分である銀と銅の共晶温度は約780℃である
が、これにゲルマニウムを添加することにより融点を6
00℃前後に下げることができる。この場合、銀(A
g)15%〜90%、銅(Cu)3%〜83%の範囲を
越えると固相線と液相線の間隔が広がり、流動性が低下
するので上記の範囲が好ましい。銀−銅系合金にゲルマ
ニウム(Ge)を添加すると、融点を下げると同時に流
動性が改善される。特に白金合金に対しては、極めて薄
い金属間化合物を形成するので濡れ性が改善される。ゲ
ルマニウム添加の効果は2%以上から認められるが、1
0%を越えると白金合金との界面に形成される化合物層
が厚くなり脆化するので、10%以下が好ましい。
【0011】リン(P),亜鉛(Zn)、スズ(S
n),ガリウム(Ga)、インジウム(In)、カドミ
ウム(Cd),アンチモン(Sb)などの添加はいずれ
も融点の低下に有効であるが、特に脱酸剤として機能
し、ロウ材の細線化を可能にするもの(P,Sb)、流
動性を良くするもの(Zn,Sn,Ga,In、C
d)、ロウ材の粉末化を容易にするもの(P、Sb,I
n、Sn)などの効果があるがある。しかしながら、請
求項2に記載の範囲を越えるとロウ接強度、耐食性など
が低下する。
n),ガリウム(Ga)、インジウム(In)、カドミ
ウム(Cd),アンチモン(Sb)などの添加はいずれ
も融点の低下に有効であるが、特に脱酸剤として機能
し、ロウ材の細線化を可能にするもの(P,Sb)、流
動性を良くするもの(Zn,Sn,Ga,In、C
d)、ロウ材の粉末化を容易にするもの(P、Sb,I
n、Sn)などの効果があるがある。しかしながら、請
求項2に記載の範囲を越えるとロウ接強度、耐食性など
が低下する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 5/08 C22C 5/08 9/00 9/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/30 310 A44C 25/00 B23K 1/00 330 B23K 1/19 C22C 5/08 C22C 9/00
Claims (2)
- 【請求項1】 銀(Ag)15〜90%(重量%、以下
同じ)、銅(Cu)3〜83%、ゲルマニウム(Ge)
2〜10%からなる銀ロウ材。 - 【請求項2】 銀(Ag)15〜90%、銅(Cu)3
〜83%、ゲルマニウム(Ge)2〜10%を含有し、
残部が10%以下のリン(P)、8%以下の亜鉛(Z
n)、6%以下のスズ(Sn)、12%以下のガリウム
(Ga)、9%以下のインジウム(In)、7%以下の
カドミウム(Cd)、2%以下のアンチモン(Sb)の
中から選ばれる少なくとも一種の金属からなる銀ロウ
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3133389A JP3064042B2 (ja) | 1991-05-10 | 1991-05-10 | 銀ロウ材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3133389A JP3064042B2 (ja) | 1991-05-10 | 1991-05-10 | 銀ロウ材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04339590A JPH04339590A (ja) | 1992-11-26 |
JP3064042B2 true JP3064042B2 (ja) | 2000-07-12 |
Family
ID=15103603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3133389A Expired - Lifetime JP3064042B2 (ja) | 1991-05-10 | 1991-05-10 | 銀ロウ材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3064042B2 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5531962A (en) * | 1992-09-02 | 1996-07-02 | Degussa Aktiengesellschaft | Cadmium-free silver alloy brazing solder, method of using said solder, and metal articles brazed with said solder |
DE4323227C1 (de) * | 1993-07-12 | 1994-07-28 | Degussa | Verwendung einer kadmiumfreien Silberlegierung als niedrigschmelzendes Hartlot |
US6168071B1 (en) | 1994-11-17 | 2001-01-02 | Peter Gamon Johns | Method for joining materials together by a diffusion process using silver/germanium alloys and a silver/germanium alloy for use in the method |
GB2408269B (en) * | 2003-11-19 | 2006-02-22 | Paul Gilbert Cole | Silver solder or brazing alloys and their use |
GB0328603D0 (en) * | 2003-12-10 | 2004-01-14 | Cole Paul G | Silver chain manufacture |
GB2428046A (en) * | 2005-07-07 | 2007-01-17 | Middlesex Silver Co Ltd | A silver-copper-zinc-germanium brazing alloy |
KR101157494B1 (ko) * | 2010-08-25 | 2012-06-20 | 부산대학교 산학협력단 | 용가재 합금 조성물 |
EP2505680B1 (en) * | 2011-03-30 | 2015-05-06 | MEDIKA S.r.l. | Copper metal alloy |
KR101255596B1 (ko) * | 2011-05-11 | 2013-04-16 | (주)알코마 | 브레이징 합금 |
JP5609774B2 (ja) * | 2011-05-27 | 2014-10-22 | 株式会社弘輝 | 5元系合金粒子 |
KR101159502B1 (ko) * | 2011-11-25 | 2012-06-25 | (주)알코마 | 브레이징 합금 |
EP2756914A1 (de) | 2013-01-18 | 2014-07-23 | Umicore AG & Co. KG | Lotlegierung |
GB201311114D0 (en) * | 2013-06-21 | 2013-08-07 | Argentium Internat Ltd | Silver alloy compositions and processes |
CN106381415A (zh) * | 2016-09-30 | 2017-02-08 | 无锡日月合金材料有限公司 | 一种铜基无银封接合金材料及其制备方法 |
IT201600107558A1 (it) * | 2016-10-26 | 2018-04-26 | Diego Peretti | Lega madre per uso orafo, metodo di realizzazione e uso della lega madre per l'ottenimento di manufatti in oro bianco |
-
1991
- 1991-05-10 JP JP3133389A patent/JP3064042B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04339590A (ja) | 1992-11-26 |
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