JP2013211993A - 積層鉄心およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】かしめ手段の占有領域を増大することなく、かしめ強度を向上させて、高強度の積層コアを有する積層鉄心および当該積層鉄心を安価に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】コアシート2に打ち抜き形成するかしめ手段3として、かしめ部5をなす一対の舌片5a、5bを観音開き状に対向させて打ち抜くと共に、その打ち抜き孔によって一対の舌片5a、5bを相互に画することなく収容する単一開口の孔部6を設けることにより、かしめ手段3の占有領域Wを最大限に活用して有効長の長い舌片5a、5bを得ることができるようにし、また、単一開口の孔部6にはかしめ工具を圧入して、一対の舌片5a、5bを同時にかしめることができるようにし、高かしめ強度の積層コア4を有する積層鉄心1と当該積層鉄心1を安価に製造できる製造方法を実現した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば自動車用交流発電機のごとき回転電機の固定子鉄心として好適な積層鉄心およびその製造方法に関する。
(従来の技術)
従来より、この種の積層鉄心およびその製造方法としては、種々な積層構造やその積層構造を効率的に実現するための製造方法が開発され、実用に供されてきた。その基本的な積層構造は、薄板状の磁性体からなるコアシートを複数層積み重ね、上下に層状に重ねられたコアシートをコアシート自体に形成された複数のかしめ手段によって結合して積層鉄心とするものであり、当該積層鉄心を例えば上記固定子鉄心のような円筒状巻形鉄心用として製造するに際しては、長尺状のコアシートにあらかじめかしめ手段を加工しておき、このコアシートを螺旋状に巻回、積層して円筒状の積層コアを形成し、上下層のコアシートをかしめ手段にて相互に結合する方法が採用されている。
ここで、重要なのは、積層コアの強度、つまり各層のコアシートを強固に結合するために、かしめ手段を如何に工夫するかであり、目下のところ、打ち抜きにより折曲形成した舌片とその打ち抜き孔とを利用して相互に結合する手法が好適とされている。そして、各箇所のかしめ手段には、1つの舌片を設けているのが一般的であるが、舌片の数を増やせば結合強度が向上させ得るとの着想から、強度向上の有効策として、一箇所に一対(2つ)の舌片を設けるかしめ手段も検討されている(例えば、特許文献1参照)。
(従来技術の問題点)
しかしながら、特許文献1に記載のものは、図9に示すように、積層コアQの各コアシートRに対し、かしめ手段SHを設けるにあたり、一対の舌片S1、S2をハの字状に打ち抜き、同時に一対の打ち抜き孔部H1、H2を形成して、一対の舌片S1、S2間に切り残し部分Tを設ける構成であるが、舌片を増やすことによってかしめ手段SHの占有領域Wが増大し、それだけ積層コアQの有効磁路面積を減らすことになるため、積層鉄心の磁気特性を犠牲にする割には強度向上効果をさほど期待することができない。
その主因としては、次のようなことが考えられる。
第1に、かしめ手段SHの占有領域Wが同一面積であっても、一対の舌片S1、S2と切り残し部分Tとの比率により、各舌片S1、S2の有効長さが制約される。
第2に、一対の舌片S1、S2を例えばかしめ工具によってかしめ(押圧変形させる)ようとすると、一対の舌片S1、S2を同時に押圧変形させるためには一対の孔部H1、H2に二股状の特殊なかしめ工具を挿入することになるが、かくしても、かしめ工具のストロークが切り残し部分Tとの干渉によって制約され、各舌片S1、S2を充分に展延(圧延)することができない。
もっとも、後者(第2)の不具合は、一対の舌片S1、S2を片側ずつ個別にかしめることによって解消することも考えられるが、積層コアQに歪が生じるという品質上の問題を招く虞があるほか、製造工数が増える、製造装置が複雑になるなどのコスト上の問題が生じ、実用的ではない。
実用新案登録第3046084号公報
一方、近年、回転電機にはますますの小型高性能化、低コスト化が追求される中、その中枢部品である積層鉄心においても、優れた特性を有する薄肉の磁性板が採用される傾向にあることを視野に入れながら、限られたかしめ手段の占有領域を有効活用して高結合強度の確保とコスト低減を図ることが必須の課題であり、高結合強度の積層コアを有する積層鉄心と当該積層鉄心を安価に製造する方法の実現が切望されている。
本発明は、上記のごとき課題に鑑みてなされたもので、かしめ手段の占有領域を増大することなく、積極的にかつ充分にかしめることができるかしめ手段によりコアシート間の結合強度を向上させて、高結合強度の積層コアを有する積層鉄心を得ると共に、かしめ手段を効率的にかしめて当該積層鉄心を安価に製造できる製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明(積層鉄心)によれば、コアシートに形成されたかしめ手段(一対の矩形状舌片および孔部からなる)に特徴を有している。コアシートから打ち抜いて折曲形成された一対の矩形状舌片は、各舌片が一方の端部である根元部分でコアシートに繋がっていると共に、他方の端部である先端部分にかけてコアシートから切り離され、折曲形成されることにより観音開き状に対向している。また、この一対の舌片を打ち抜くことによって形成された孔部は、一対の舌片を相互に画することなく収容する単一の開口として構成されている。
そして、上下に層状に重ねられたコアシートは、上層側のコアシートの舌片が、下層側のコアシートの孔部に嵌入され、かつ下層側のコアシートのかしめ手段に巌入されることにより結合していることを特徴としている。
上記構成によれば、かしめ手段を、一対の観音開き状に対向する舌片とその抜き孔をそのまま活用できる単一開口の孔部とで構成することにより、かしめ手段の占有領域全域を最大限に有効活用して舌片を形成することができるため、有効長の長い舌片を確保することができる。また、孔部は、一対の舌片を相互に画することなく収容する単一の開口として構成されているため、一対の舌片を同時にかつ充分に巌入することができ、かしめ手段によって高い結合強度を確保することができる。
特に、請求項2に記載の発明のごとく、各舌片を根元部分から先端部分にかけて幅が大きくなるテーパ形状にすると共に、その抜き孔で形成される孔部を菱形状にすることにより、舌片の接触面積(かしめ面積)の拡大と、舌片と孔部との嵌合代の増大を同時に図ることができ、より一層結合強度の高い積層鉄心を得ることができる。
請求項7に記載の発明(積層鉄心の製造方法)は、コアシートに対し、かしめ手段をなす一対の観音開き状に対向する舌片およびこの一対の舌片を相互に画することなく収容する単一の開口として構成される孔部を打ち抜き形成する第1工程と、コアシートを、上下に重なるコアシートのかしめ手段の位置が合致するように複数層積み重ねることによって積層コアを形成する第2工程と、一対の舌片を、同時に巌入して積層コアのコアシート相互間を結合する第3工程とを備えることを特徴としている。
上記製造方法によれば、単一開口の孔部に簡単な形状のかしめ工具を圧入することにより、一対の舌片を同時にかつ充分圧延して積層コアを一体化することができ、請求項1の積層鉄心を安価に製造することができる。
本発明の積層鉄心を適用する自動車用交流発電機を模式的に示すもので、(a)は交流発電機の全体構成を示す半断面図、(b)は(a)のA−A断面に沿って固定子鉄心単体の形態を示す上半部分の正面図である(実施例1)。 本発明の積層鉄心の要部を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である(実施例1)。 本発明の積層鉄心の製造方法における基本的な製造工程を工程順に示した模式図である(実施例1)。 図3の第1工程の説明に供するコアシートの一実施例を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のC部(かしめ手段部分)の拡大平面図、(c)は(b)のX−X断面図、(d)はかしめ手段の第1工程での最終形態を示す断面図である(実施例1)。 図3の第2工程および第3工程の説明に供するもので、図4に示すコアシートを用いた場合の積層コアの製造過程を示すものであり、(a)は第2工程で得られる積層コアの縦断面図、(b)、(c)は第3工程で実施するかしめ工程の2つの態様を示す縦断面図である(実施例1)。 図3の第3工程の説明に供するもので、(a)、(b)は第3工程で実施するかしめ工程の2つの態様を示す縦断面図である(実施例1)。 図3の第1工程の説明に供するコアシートの他の実施例を示すもので、(a)はかしめ手段部分の拡大平面図、(b)は(a)のY−Y断面図である(実施例2)。 図7に示すコアシートを用いた場合の第2工程および第3工程の説明に供するもので、(a)は第2工程で得られる積層コアの縦断面図、(b)は第3工程で実施するかしめ工程を示す縦断面図である(実施例2)。 従来検討されているかしめ手段の説明に供するコアシートの断面図である(従来例)。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
[実施例1]
この実施例1は、本発明の積層鉄心およびその製造方法を自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心に適用したものである。
〔交流発電機の基本構成〕
図1(a)に示すように、交流発電機Gは、エンジンにより駆動される回転軸GAに取付けられた回転子GRと、ハウジングGHに担持された固定子GSとを有しており、この固定子GSには、固定子コイル(多相巻線)Dを装着する鉄心として、図1(b)に示すごとき環状(円筒状)の固定子鉄心Eが用いられている。この固定子鉄心Eは、内周側に固定子コイルDが巻かれる多数のティース(歯、突出部)E1とスロット(溝部)E2を交互に備え、外周側に各ティースE1を環状に連結する連結部E3を備える円筒状の積層鉄心(通称巻形鉄心)1で構成されている。連結部E3は、固定子コイルDが巻かれない非巻線部分であり、ここに後で詳しく説明するかしめ手段3が設けられている。
〔積層鉄心1(固定子鉄心E)の基本構成〕
積層鉄心1は、図2(a)、(b)に示すように、薄板状の磁性体からなるコアシート2が複数層積み重ねらており、上下に層状に重ねられたコアシート2がコアシート2自体に打ち抜き形成された複数のかしめ手段3によって結合されている円筒状積層コア4で構成されている。
各コアシート2は、内周側に固定子コイルDが巻かれる多数の突出部(ティース)2aと溝部(スロット)2bを交互に備え、外周側に各突出部2aを環状に連結する連結部2cを備えており、非巻線部分である連結部2cには、占有領域Wを有するかしめ手段3が円周方向に展開した状態で複数設けられている。
本実施例では、連結部2cにかしめ手段3を設けるにあたり、特に、突出部2aに対応する位置にかしめ手段3を配設している。
また、各かしめ手段3は、コアシート2から打ち抜いて折曲形成されたかしめ部5と、このかしめ部5を打ち抜くことによって形成された孔部6とを有しており、かしめ部5は、一対の舌片5a、5bで構成されている。
この一対の舌片5a、5bは、各舌片5a、5bが一方の端部である根元部分51でコアシート2に繋がっていると共に、他方の端部である先端部分52にかけてコアシート2から切り離され、折曲形成されることにより観音開き状に対向している。
また、孔部6は、一対の舌片5a、5bを相互に画することなく収容する単一の開口として構成されている。
なお、かしめ手段3の占有領域W、つまり円周方向の展開長さは、一方の舌片5aの根元から他方の舌片5bの根元までの間、つまり、孔部6の円周方向の長さの全長に相当し、一対の舌片5a、5bは、この占有領域Wを最大限に有効活用し、有効長ができるだけ長くなるようにして設けられている。
そして、上下に層状に重ねられたコアシート2は、上層側のコアシート2の舌片5a、5bが、下層側のコアシート2の孔部6に嵌入され、かつ、圧入・圧延されることによって多層にわたって深く傾倒しながら充分な面積で下層側のコアシート2のかしめ手段3(舌片5a、5bおよび孔部6)に厳入している。したがって、各層のコアシート2相互間はかしめ手段3によって強固に結合しており、高い結合強度(高いかしめ強度)の積層コア4が得られる。
〔積層鉄心1の詳細構造およびその製造方法〕
以下、図2に示す積層鉄心1(固定子鉄心E)の特徴的な構造、とりわけ、かしめ手段3の詳細構造並びにその機能を、製造方法と共に説明する。
積層鉄心1は、図3に示すごとき、4つの工程に大別される製造工程に基づいて製造される。
図3において、まず、最初の第1工程では、長尺状(帯状)の磁性体からなる薄板状シート(例えば鋼板シート)10をプレス装置11、12に順次投入し、長さ方向に2分割して2枚の連続したコアシート2を定寸プレス成形または連続プレス成形により作製するプレス工程が実施される。次に、第2工程として、このコアシート2を巻取り装置20により螺旋状に巻回しながら、所定の巻回数(積層数)で定寸切断して積層コア4の原形4aを形成する巻取り工程が実施され、つづいて、第3工程として、この積層コア4の原形4aをかしめ装置30に投入し、かしめ手段3を積極的にかしめる(押圧変形させる)ことにより各層のコアシート2が強固に結合された積層コア4を作製するかしめ工程が実施される。そして、最後に第4工程として、各種装置(図示せず)により積層コア4を所定形状に整形するための各種成形、バリ取りなどの仕上げ工程が実施される。なお、第3工程で高いかしめ強度の積層コア4が得られることから、第4工程では積層コア4の溶接工程(コアシート2間の接合)を省略することができる。
次に、上記の各製造工程の子細について、図4および図5に基づいて説明する。
〔第1工程(プレス工程)〕
この工程では、薄板状シート10から2分割され、図4(a)〜(c)に示すごとき形態を呈する長尺状のコアシート2が作製される。
コアシート2には、突出部2aおよび溝部2bと共に、巻線が巻かれない非巻線部分をなす連結部2cにかしめ手段3が打ち抜き形成されている。ここで、長尺状のコアシート2を薄板状シート10から2分割するにあたり、かしめ手段3を打ち抜き形成する前に分割する方法とかしめ手段3を打ち抜き形成した後に分割する方法が考えられ、いずれの方法でも採用することができる。
図4(a)に示すように、かしめ手段3は、突出部2aに対応して設けられるものの、最終的な積層コア4の要求かしめ強度に応じ、突出部2aと同数もしくは適宜の間隔をおいて所要数だけ設けられるものであって、本実施例では、図1(b)のごとく、全周に30°間隔で12箇所に設けている。
また、各かしめ手段3は、かしめ部5(一対の舌片5a、5b)および孔部6(単一の開口)が、長さ方向に展開して配設され、占有領域Wを有している。
なお、かしめ手段3は、かしめ部5(一対の舌片5a、5b)および孔部6(単一の開口)を径方向に展開して配設することもできる。
そして、一対の舌片5a、5bと孔部6との関係は、図4(b)、(c)に示すように、観音開き状に対向している各舌片5a、5bが、全体として矩形状をなしているものの、根元部分51から先端部分52にかけて幅が大きくなるテーパ形状を呈していると共に、その打ち抜き孔で形成される孔部6が、当然のことながら両端部分61の幅が狭い菱形状を呈している。
特に、本実施例においては、一対の舌片5a、5bに対し、図4(d)に示すように、各舌片5a、5bの先端部分52を孔部6内に収納すると共に、各舌片5a、5bの根元部分51から先端部分52にかけて湾曲状に折れ曲がった曲がり部53を形成している。
なお、図4(d)に示す形態は、まず図4(b)、(c)に示す形態をプレス成形によって一旦形成した後、曲がり部53を形成しながら先端部分52を孔部6に押し込むようにプレス成形する2段階の工程で作製してもよいが、先端部分52を半抜き(完全に打ち抜かずに板厚の半分程度にとどめる)しながら同時に曲がり部53を成形することにより1段階の工程で作製することもできる。
かくして、第1工程が終了し、かしめ手段3の占有領域Wを最大限に活用して、有効長の長い一対のテーパ状舌片5a、5bを形成することができる。
打ち抜き代を除外すれば、一対の舌片5a、5bのトータルの最大長さを占有領域Wの長さと実質的に同じにすることができる。
〔第2工程(巻取り工程)〕
この工程では、長尺状のコアシート2を、上下に重なるコアシート2のかしめ手段3の位置が合致するように複数層螺旋状に巻回、積層して、所望厚さの積層コア4の原形4aが作製される。具体的には、コアシート2を、図5(a)に示すように、曲がり部53が重なるように巻回、積層していくわけであるが、この巻回過程において、各層を密に巻回しても、各舌片5a、5bは先端部分52が孔部6に収容されており、図4(c)のごとく飛び出した状態になっていないため、各舌片5a、5bが各層の巻回作業の障害となるようなことが抑制され、各層を円滑に巻回することができる。勿論、各舌片5a、5bが座屈したり、折損することも抑制できる。
〔第3工程(かしめ工程)〕
この工程では、積層コア4の原形4aが、図3に示すように、スロットガイド31、ダイ(下型)32、パンチ(上型)33等から構成されるかしめ装置30に投入され、スロットガイド31で溝部2bをガイドしながら、ダイ32とパンチ33で各かしめ手段3をかしめることによって、積層コア4が作製される。
このかしめ工程で、本発明によれば、上層側の一対の舌片5a、5bを下層側の孔部6に巌入することによって各層のコアシート2を強固に結合し、高いかしめ強度を有する積層コア4が得られる。そのメカニズムの概要は、次の通りである。
図4(b)、(c)に示すように、一対の舌片5a、5bは、先端部分52の幅が大きいテーパ形状をなしており、孔部6が菱形状をなしているため、かしめ面積の増大とかしめ力の増強を同時に図ることができる。即ち、第1に、テーパ相当分だけ舌片5a、5bの周囲長さが長く、表面積が増大することにより、かしめられる相手側の孔部6および舌片5a、5bとの接触面積(かしめ面積)が増大する。第2には、菱形形状の孔部6は、その両端部分61が舌片5a、5bの幅の小さい根元部分51の打ち抜き孔で形成され、幅が狭くなっているので、舌片5a、5bが、その先端部分52を孔部6に巌入されることで根元部分51を基点に先端部分52が傾倒する結果、この幅の狭い孔部分に幅の広い先端部分52側が圧入されていくわけで、この圧入代(嵌合代)に応じてかしめ力を増強できる。ここで、巌入とは、かしめ作用=押圧変形作用を奏する行為を総称している。
さらに、各舌片5a、5bは、有効長が長いため、多層にわたって深く傾倒し、かつ圧延されて、順次、下層側のコアシート2のかしめ手段3に厳入する。
以上により、積層コア4には、高いかしめ強度を確保することができる。
具体的には、上記かしめ工程において、各舌片5a、5bの曲がり部53を積層コア4の外側一方より内側に押し込みながら先端部分52を根元部分51側へ押圧、展延させる。その方法としては、図5(b)に示すように、曲がり部53の凸側を上向き(各舌片5a、5bの押圧開始側を上向き、押圧終了側を下向きとすると)に位置させた状態でかしめる第1の方法(凸側かしめ)と、図5(c)に示すように、曲がり部53の凹側を上向きに位置させた状態でかしめる第2の方法(凹側かしめ)のいずれかを選択採用することができる。
図5(b)に示す第1の方法は、図6(a)に手順を示す通りで、積層コア4を、曲がり部53の凸側が上向きになるようにしてダイ32に載置し、押えパンチ33aでかしめ手段3の周辺を押さえ込みながら、圧入パンチ33bで曲がり部53を凸側から押圧すると共に、圧入パンチ33bを孔部6に圧入していく方法である。
かかる方法によれば、各舌片5a、5bは、曲がり部53の凸側が反対方向(凹側方向)に変形しながら、下向きの先端部分52が根元側(円周方向)に向けて押圧され移動することにより、上層側の下向きの急傾斜角を持つ先端部分52においては、押えパンチ33aとの互いの接触角度が傾斜するため、さらに根元側への押圧力が強まることで、上下層のコアシート2を隙間なく確実に厳入させることができる。
図5(c)に示す第2の方法は、図6(b)に手順を示す通りで、積層コア4を、曲がり部53の凹側が上向きになるようにしてダイ32に載置し、押えパンチ33aでかしめ手段3の周辺を押さえ込みながら、圧入パンチ33bで曲がり部53を凹側から押圧すると共に、圧入パンチ33bを孔部6に圧入していく方法である。
かかる方法によれば、各舌片5a、5bは、曲がり部53が凹側に沿って押し込まれながら、上向きの先端部分52が根元側(円周方向)に向けて押圧され移動することにより、上層側の上向きの先端部分52が反対方向に反転変形しながら緩く傾斜して展延するため、上層側の舌片5a、5bを下層側のかしめ手段3に対し広い面積で厳入させることができる。
したがって、いずれのかしめ方法を選択採用しても、良好な高かしめ強度を得ることができる。
しかも、孔部6は単一の開口であるため、単一の圧入パンチ33bで一対の舌片5a、5bを同時にかしめることができ、かつ圧入パンチ33bのストロークを自由に選定することができる。
〔第4工程(仕上げ工程)〕
かくして得られた積層コア4には、積層コア4の真円度など所定の形状を整形・保持するための各種成形、バリ取りなどの仕上げ工程が実施され、最終的な積層鉄心1を完成する。なお、バリ取りとは、第3工程によって発生した突出部分、つまり図6(a)、(b)に示すように、下層側の舌片5a、5bの一部が積層コア4の端面から下方へ突出するため、この突出した部分を積極的に除去する工程であって、この突出部分を削除する方法と孔部6に押し込む方法がある。
〔巻線工程〕
上述のようにして完成した積層鉄心1には、図1に示すように、ティースE1(突出部2a)に固定子コイル(巻線)Dを装着し固定子GSとするが、固定子コイルDに対してかしめ手段3が障害になることはない。つまり、かしめ手段3は、固定子コイルDが巻かれない連結部E3(連結部2c)に位置しており、巻線時には勿論のこと、巻線後においても、かしめ手段3が固定子コイルDと干渉することが一切なく、かしめ手段3によって固定子コイルDを損傷することがない。
〔実施例1の効果〕
上述した積層鉄心1の構造、製造面での主な効果を以下に要約列挙する。
(1)かしめ手段3は、一対の観音開き状に対向する舌片5a、5bとその抜き孔をそのまま活用できる単一開口の孔部6とで構成している。したがって、かしめ手段3の占有領域W全域を最大限に有効活用して舌片5a、5bを形成することができるため、有効長の長い舌片5a、5b(多層にわたってかしめることができるかしめ片)を確保することができる。
かかる構造は、かしめ手段3の占有領域Wを最小化し、積層鉄心1の有効磁路面積の犠牲を最小限にとどめることができると共に、打ち抜きによる廃材を少なくして省資源化に貢献でき、さらには積層コア4の溶接工程を省略できるなどの付随効果を期待することができる。
(2)一対の舌片5a、5bは、先端部分52の幅が大きいテーパ形状をなしており、孔部6が菱形状をなしているため、かしめ面積の増大とかしめ力の増強を同時に図ることができる。つまり、テーパ相当分だけ舌片5a、5bの周囲長さが長くなることにより、かしめ面積が増大し、かつ、菱形形状の孔部6は、その両端部分61が舌片5a、5bの幅の狭い根元部分51で形成され、幅が狭くなっているため、この幅の狭い孔部分に幅の広い先端部分52側が圧入されていくことにより、かしめ力を増強できる。
なお、一対の舌片5a、5bのテーパ形状は、積極的に形成するものであり、そのテーパ形状の緒元(テーパの角度や最大幅)は、コアシート2の材質、板厚、最終的に確保するかしめ強度等に応じて適宜設定することは勿論である。
(3)一対の舌片5a、5bは、図5(b)、(c)に示すように、かしめ工程で先端部分52が根元部分51より薄く展延されて厳入されている。したがって、上層側のコアシート2の一対の舌片5a、5bを、下層側のコアシート2の孔部6内に深く傾倒させ、かつ多層にわたって展延させることができる。
(4)巻線を装着する積層鉄心1には、かしめ手段3を、コアシート2の巻線が装着されない箇所に配設している。かしめ手段3を例えば突出部2aに配設した場合には、巻線とかしめ手段3とが干渉するために、かしめ手段3が巻線を傷つけたり、切断し、絶縁不良や断線事故などの障害を惹起する虞があるが、そのような障害を抑制することができる。
なお、本実施例では、突出部2aに対応する連結部2cにかしめ手段3を配設したが、
溝部2bに対応する連結部2cも巻線が装着されない非巻線部分であるため、ここに配設してもよい。
(5)特に、積層鉄心1が円筒状の巻形鉄心の場合には、かしめ手段3を円周方向に展開して配設している。かしめ手段3を径方向に展開して配設すると連結部2cの径方向寸法の制約からかしめ手段3の占有領域Wが小さくなるのに対し、連結部2cのスペースを有効活用して占有領域Wの大きいかしめ手段3を配設できる。
[実施例2]
この実施例2は、積層鉄心1およびその製造方法の別の実施例として、とりわけ、かしめ手段3の構成およびそのかしめ方法を工夫したものである。
以下、実施例1と相違する部分を中心にして、図7、8に基づいて説明する。なお、実施例1と同一もしくは均等部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図7(a)に示すように、かしめ手段3は、コアシート2の連結部2cに形成されていて、観音開き状に対向している一対の各舌片5a、5bが全体として矩形状を呈し、根元部分51から先端部分52にかけて幅の大きいテーパ状になっており、その打ち抜き孔で形成される孔部6が、菱形状を呈している。
したがって、かしめ手段3の基本的構造は、実施例1と実質的に同じであるが、実施例2におけるかしめ手段3およびそのかしめ方法は、次のような特徴を有する。
実施例2の特徴点について、図3に示す第1工程〜第3工程で実施される製造方法と共に説明する。
まず、第1工程(プレス工程)では、一対の舌片5a、5bおよび孔部6を打ち抜き形成するにあたり、図7(b)に示すように、一対の舌片5a、5bを、コアシート2の板厚より小さい範囲(板厚の約半分くらい)で半抜き状態にして打ち抜くと共に、先端部分52で対面するように平坦部分54を有するL字状に折曲形成している。この半抜き加工により、各舌片5a、5bは、根元部分51からL字状に折曲された平坦部分54(先端部分52を含めて)が孔部6から完全に飛び出すことなく、孔部6内に半分収容されている。つまり、上記の半抜き構成は、舌片5a、5bの先端部分52を、孔部6内に収納する一手段である。
なお、一対の舌片5a、5bを半抜き構成とする場合には、後工程(かしめ工程)の関係で、対面する先端部分52間に所定の間隔Vが必要となる分だけ必然的に廃材を要するため、一対の舌片5a、5bのトータルの最大長さは、かしめ手段3の占有領域Wの全長より短くなる。
もっとも、上記の半抜き構成は、一対の舌片5a、5bを全て完全に打ち抜いた後に半抜き状態に戻す要領で形成することもできる。
そして、第2工程(巻取り工程)で、このコアシート2を、上側のコアシート2の舌片5a、5bが下側のコアシート2の孔部6に嵌まるようにして、所定回数螺旋状に巻回し、図8(a)に示すような原形4aの積層コア4を作製する。この際、各舌片5a、5bの先端部分52が孔部6内に収容されているため、コアシート2を螺旋状に巻く際に、各舌片5a、5bが各層の巻回作業の障害となるようなことがなく、各層を円滑に巻回することができる。勿論、各舌片5a、5bが座屈したり、折損することもない。
つづいての第3工程(かしめ工程)では、積層コア4のかしめ手段3周辺をダイ32aと押えパンチ33aで押え込み、舌片5a、5bの平坦部分54(先端部分52を含む)を、積層コア4の両端面側から圧入パンチ33bと移動ダイ32bとにより挟んだ状態で、圧入パンチ33bおよび移動ダイ32bを下降(積層方向に移動)させながら更に中央パンチ33cを孔部6の中央部分に圧入する。
積層されたコアシート2は、平坦部分54を挟むことにより重ね部分の浮き上がりを防いで、上下に重なる各コアシート2を密着させることができる。また、平坦部分54を積層方向に平行移動させることにより、各舌片5a、5bは、先端部分52が矢印のごとく押し下げられると共に、特に根元部分51が引っ張られ薄く展延していくため、多層にわたって深く傾倒すると共に、下層側のかしめ手段3に対し広い面積で厳入する。
かくして、実施例2においても、構造面、製造面で上述の実施例1と実質的に同様な効果を得ることができる。
以上、2つの実施例について詳述したが、積層鉄心1の構造面および製造面で共通する特徴事項を整理し、以下に要約列挙する。
○[積層鉄心1の構造面]
(1)一対の舌片5a、5bは、各舌片が根元部分51でコアシート2に繋がっていると共に、先端部分52が切り離され、折曲形成されることにより観音開き状に対向しており、孔部6は、一対の舌片5a、5bを相互に画することなく収容する単一の開口として構成されている。
(2)各舌片5a、5bは、根元部分51から先端部分52にかけて幅が大きくなるテーパ形状をなしており、孔部6は、両端部分61の幅が狭い菱形状をなしている。
(3)各舌片5a、5bは、先端部分52が根元部分51より薄く展延されて厳入されている(実施例1)。
(4)各舌片5a、5bは、根元部分51が先端部分52より薄く展延されて厳入されている(実施例2)。
(5)積層鉄心1に巻線(固定子コイルD)が装着される場合には、かしめ手段3は、コアシート2において巻線が装着されない箇所(突出部2a)に配設されている。
(6)積層鉄心1が、長尺状のコアシート2を螺旋状に複数巻回、積層して円筒状に形成された巻形鉄心1である場合には、コアシート2が、内周側に巻線(固定子コイルD)を装着する複数の突出部2a、外周側に突出部2aを環状に連結する連結部2cをそれぞれ有しており、かしめ手段3は、連結部2cにおいて円周方向に展開して配設されている。
○[積層鉄心1の製造面]
(1)第1工程において、一対の舌片5a、5bを相互に画することなく収容する単一の開口としての孔部6を形成し、第3工程で、この孔部6に圧入パンチ33b、33cのごときかしめ工具を圧入することにより、一対の舌片5a、5bを、同時に圧延して積層コア4のコアシート2相互間を結合している。
(2)第1工程では、一対の舌片5a、5bとして、根元部分51から先端部分52にかけて幅が大きいテーパ形状の舌片5a、5bを形成すると共に、孔部6として、菱形状の孔部6を形成し、第3工程では、上層側に位置する舌片5a、5bの幅の大きい部分を下層側に位置する孔部6の幅の小さい部分に圧入している。
(3)第1工程で長尺状のコアシート2を作製し、第2工程でこの長尺状のコアシート2を螺旋状に複数巻回、積層して円筒状積層コア4を形成する場合には、第2工程の前工程(第1工程)として、舌片5a、5bの先端部分52を、孔部6内に収納する工程を具備している。
(4)第1工程において、一対の舌片5a、5bを打ち抜き形成するにあたり、一対の舌片5a、5bをコアシート2の板厚より小さい範囲で半抜きもしくは完全に打ち抜いた後、半抜き状態に戻し、先端部分52で対面するすると共に平坦部分54を有するL字状に折曲形成する工程を具備している(実施例2)。
(5)第1工程において、一対の舌片5a、5bに対し、根元部分51から先端部分52にかけて湾曲状に折曲された曲がり部53を形成する工程を具備しており、第3工程では、曲がり部53を積層コア4の外側一方より内側に押し込みながら先端部分52を根元部分51側へ押圧、展延させる工程を具備している(実施例1)。
(6)第3工程は、L字状の舌片5a、5bを、その平坦部分54を積層コア4の両端面側から挟んだ状態で積層コア4の積層方向に沿って圧入することにより、根元部分51を引張り、展延させる工程を具備している(実施例2)。
(7)第3工程を実施した後の後工程として、舌片5a、5bの積層コア4の端面から突出する部分を除去する工程を備えている。
[変形例]
以上本発明を、自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心に適用した例について詳述したが、積層鉄心1の適用範囲、かしめ手段3の配置や形状・大きさ・個数は、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変更することができるものである。
例えば、積層鉄心1が上述のごとき巻形鉄心ではなく、電動機の電機子鉄心(回転子鉄心)のごとく、円盤状のコアシートを複数枚積層して積層コアを構成するタイプの積層鉄心にも適用することができる。また、矩形状のコアシートを複数枚積層して積層コアを構成する変圧器などの回転電機以外の積層鉄心にも適用可能である。
上記のような積層鉄心の場合には、コアシート2を巻回して積層することがないため、かしめ手段3は一対の舌片5a、5bを図4(c)のままの状態、つまり先端部分52を孔部6から完全に飛び出させたままで用いることができる。
また、上記のような積層鉄心の場合にも、非巻線部分にかしめ手段3を配設することは、巻線の損傷を防ぐために効果的な手段である。
さらに、かしめ手段3は一対の舌片5a、5bの有効長を長くとれることから、舌片5a、5bおよび孔部6の形状は、長方形のごとく単なる矩形状であってもよい。
1…積層鉄心、2…コアシート、3…かしめ手段、4…積層コア、5…かしめ部、5a 、5b…舌片、6…孔部、51…根元部分、52…先端部分。

Claims (14)

  1. 薄板状の磁性体からなるコアシート(2)を複数層積み重ねて構成され、上下に層状に重ねられた前記コアシート(2)がコアシート自体に形成された複数のかしめ手段(3)によって結合されている積層鉄心(1)において、
    前記かしめ手段(3)は、前記コアシート(2)から打ち抜いて折曲形成されたかしめ部(5)と、このかしめ部(5)を打ち抜くことによって形成された孔部(6)とを有しており、
    前記かしめ部(5)は、全体として矩形状を呈する一対の舌片(5a、5b)で構成され、
    この一対の舌片(5a、5b)は、各舌片が一方の端部である根元部分(51)で前記コアシート(2)に繋がっていると共に、他方の端部である先端部分(52)にかけて前記コアシート(2)から切り離され、折曲形成されることにより観音開き状に対向しており、
    前記孔部(6)は、前記一対の舌片(5a、5b)を相互に画することなく収容する単一の開口として構成されており、
    上下に層状に重ねられた前記コアシート(2)は、上層側のコアシート(2)の舌片(5a、5b)が、下層側のコアシート(2)の孔部(6)に嵌入され、下層側のコアシート(2)のかしめ手段(3)に巌入されることにより結合していることを特徴とする積層鉄心。
  2. 請求項1に記載の積層鉄心(1)において、
    前記舌片(5a、5b)は、根元部分(51)から先端部分(52)にかけて幅が大きくなるテーパ形状をなしており、
    前記孔部(6)は、菱形状をなしていることを特徴とする積層鉄心。
  3. 請求項1または2に記載の積層鉄心(1)において、
    前記舌片(5a、5b)は、先端部分(52)が根元部分(51)より薄く展延されて厳入されていることを特徴とする積層鉄心。
  4. 請求項1または2に記載の積層鉄心(1)において、
    前記舌片(5a、5b)は、根元部分(51)が先端部分(52)より薄く展延されて厳入されていることを特徴とする積層鉄心。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層鉄心(1)において、
    この積層鉄心(1)には、巻線(D)が装着されるものであり、
    前記かしめ手段(3)は、前記コアシート(2)において前記巻線(D)が装着されない箇所(2c)に配設されていることを特徴とする積層鉄心。
  6. 請求項5に記載の積層鉄心(1)において、
    この積層鉄心(1)は、長尺状の前記コアシート(2)を螺旋状に複数巻回、積層して円筒状に形成された巻形鉄心(1)であり、
    前記コアシート(2)は、内周側に前記巻線(D)を装着する複数の突出部(2a)、外周側に前記突出部(2a)を環状に連結する連結部(2c)をそれぞれ有しており、
    前記かしめ手段(3)は、前記連結部(2c)において円周方向に展開して配設されていることを特徴とする積層鉄心。
  7. 薄板状の磁性体からなるコアシート(2)を複数層積み重ねて構成され、上下に層状に重ねられた前記コアシート(2)がコアシート自体に形成された複数のかしめ手段(3)によって結合されている積層鉄心(1)の製造方法であって、
    前記コアシート(2)に対し、前記かしめ手段(3)をなす一対の舌片(5a、5b)および孔部(6)を打ち抜き形成するにあたり、前記一対の舌片(5a、5b)を各舌片が一方の端部である根元部分(51)で前記コアシート(2)に繋がっており、他方の端部である先端部分(52)にかけて前記コアシート(2)から切り離されて、観音開き状に対向するように折曲形成すると共に、前記一対の舌片(5a、5b)を相互に画することなく収容する単一の開口として前記孔部(6)を形成する第1工程と、
    前記コアシート(2)を、上下に重なる前記コアシート(2)のかしめ手段(3)の位置が合致するように複数層積み重ねて積層コア(4)を形成する第2工程と、
    前記一対の舌片(5a、5b)を、同時にかつ巌入して前記積層コア(4)の前記コアシート(2)相互間を結合する第3工程と
    を備えることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  8. 請求項7に記載の積層鉄心(1)の製造方法において、
    前記第1工程では、前記舌片(5a、5b)として、根元部分(51)から先端部分(52)にかけて幅が大きいテーパ形状の舌片(5a、5b)を形成すると共に、前記孔部(6)として、菱形状の孔部(6)を形成し、
    前記第3工程では、上層側に位置する前記舌片(5a、5b)の幅の大きい部分を下層側に位置する前記孔部(6)の幅の小さい部分に巌入することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の積層鉄心(1)の製造方法において、
    前記第1工程では、長尺状の前記コアシート(2)を作製し、
    前記第2工程では、長尺状の前記コアシート(2)を螺旋状に複数巻回、積層して円筒状積層コア(4)を形成することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  10. 請求項9に記載の積層鉄心(1)の製造方法において、
    前記第1工程は、前記舌片(5a、5b)の先端部分(52)を、前記孔部(6)内に収納する工程を具備していることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  11. 請求項7〜9のいずれかに記載の積層鉄心(1)の製造方法において、
    前記第1工程は、前記一対の舌片(5a、5b)を打ち抜き形成するにあたり、前記一対の舌片(5a、5b)を前記コアシート(2)の板厚より小さい範囲で半抜き形状に成形し、先端部分(52)で対面すると共に平坦部分(54)を有するL字状に折曲形成する工程を具備していることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  12. 請求項7〜10のいずれかに記載の積層鉄心(1)の製造方法において、
    前記第1工程は、前記一対の舌片(5a、5b)に対し、根元部分(51)から先端部分(52)にかけて湾曲状に折曲された曲がり部(53)を形成する工程を具備しており、
    前記第3工程は、前記曲がり部(53)を前記積層コア(4)の外側一方より内側に押し込みながら前記先端部分(52)を前記根元部分(51)側へ押圧、展延させる工程を具備していることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  13. 請求項11に記載の積層鉄心(1)の製造方法において、
    前記第3工程は、L字状の前記舌片(5a、5b)を、その平坦部分(54)を前記積層コア(4)の両端面側から挟んだ状態で前記積層コア(4)の積層方向に沿って巌入することにより、根元部分(51)を引張り、展延させる工程を具備していることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  14. 請求項7〜13のいずれかに記載の積層鉄心(1)の製造方法において、
    前記第3工程を実施した後の後工程として、前記舌片(5a、5b)の前記積層コア(4)の端面から突出する部分を除去する工程を備えていることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
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