JP2021069147A - 金属積層体の製造方法 - Google Patents

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和彦 梅田
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正浩 宮地
紀行 谷口
Noriyuki Taniguchi
紀行 谷口
英昭 小山
Hideaki Koyama
英昭 小山
聖史郎 滝本
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聖史郎 滝本
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Abstract

【課題】本開示は、占積率及び直角度の高い金属積層体を形成することが可能な金属積層体の製造方法を説明する。【解決手段】金属積層体の製造方法の一例は、第1の金属板における第1の加工部位に第1のバッファ空間を形成することと、第1の金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、第1の金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第1のカシメを第1の加工部位に形成することとを含んでいてもよい。当該方法はさらに、第2の金属板における第2の加工部位に第2のバッファ空間を形成することと、第2の金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、第2の金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第2のカシメを第2の加工部位に形成することとを含んでいてもよい。加えて、当該方法は、第2のカシメの窪みに押込部材を挿入して、第2のカシメを第1のカシメに押しつけることにより、第2のカシメの突起を第1のカシメの窪みに締結させることを含んでいてもよい。【選択図】図8

Description

本開示は、金属積層体の製造方法に関する。
特許文献1は、帯状の金属板を間欠的に送り出すことと、金属板の所定箇所に貫通孔又はカシメを形成することと、金属板のうち貫通孔又はカシメを含む領域をパンチで打ち抜いて、打抜部材を形成することと、複数の打抜部材を積層しつつ貫通孔及びカシメを介して複数の打抜部材を締結して、積層鉄心を形成することとを含む積層鉄心の製造方法を開示している。
カシメは、打抜部材の表面側に形成された窪みと、打抜部材の裏面側に形成された突起とを含む。積層鉄心に含まれる複数の打抜部材のうち一の打抜部材のカシメの窪みには、当該一の打抜部材と隣り合う他の打抜部材のカシメの突起が嵌合される。
特開2007−014122号公報
本開示は、占積率及び直角度の高い金属積層体を形成することが可能な金属積層体の製造方法を説明する。
金属積層体の製造方法の一例は、第1の金属板における第1の加工部位に第1のバッファ空間を形成することと、第1の金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、第1の金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第1のカシメを第1の加工部位に形成することとを含んでいてもよい。当該方法はさらに、第2の金属板における第2の加工部位に第2のバッファ空間を形成することと、第2の金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、第2の金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第2のカシメを第2の加工部位に形成することとを含んでいてもよい。加えて、当該方法は、第2のカシメの窪みに押込部材を挿入して、第2のカシメを第1のカシメに押しつけることにより、第2のカシメの突起を第1のカシメの窪みに締結させることを含んでいてもよい。
金属積層体の製造方法の他の例は、帯状の金属板における第1の加工部位に第1のバッファ空間を形成することと、金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第1のカシメを第1の加工部位に形成することと、第1の加工部位を含む所定領域に沿って金属板を打ち抜くことにより、第1のカシメを含む第1の打抜部材を形成することとを含んでいてもよい。当該方法はさらに、金属板における第2の加工部位に第2のバッファ空間を形成することと、金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第2のカシメを第2の加工部位に形成することと、第2の加工部位を含む所定領域に沿って金属板を打ち抜くことにより、第2のカシメを含む第2の打抜部材を形成することとを含んでいてもよい。第2の打抜部材を形成することは、金属板を打ち抜く際に、第2のカシメの窪みに押込部材を挿入して、第2のカシメを第1のカシメに押しつけることにより、第2のカシメの突起を第1のカシメの窪みに締結させることを含んでいてもよい。
本開示に係る金属積層体の製造方法によれば、占積率及び直角度の高い金属積層体を形成することが可能となる。
図1は、回転子積層鉄心の一例を示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3(a)は打抜部材のカシメを斜め上方から見た様子を示す図であり、図3(b)は打抜部材のカシメを斜め下方から見た様子を示す図である。 図4は、回転子積層鉄心の製造装置の一例を示す概略図である。 図5は、貫通孔を形成する加工ユニットの一例を示す断面図である。 図6(a)は、カシメの貫通孔部分を形成する加工ユニットの一例を示す断面図であり、図6(b)は、カシメの窪み及び突起を形成する加工ユニットの一例を示す断面図である。 図7は、打抜部材を形成する加工ユニットの一例を示す断面図である。 図8は、カシメ同士が嵌合する様子を説明するための概略断面図である。 図9は、図7の加工ユニットにおいて、積層体を金型から排出する様子を説明するための断面図である。 図10は、打抜部材を形成する加工ユニットの他の例を示す断面図である。 図11(a)は、カシメの窪み及び突起を形成する加工ユニットの他の例を示す断面図であり、図11(b)は、打抜部材を形成する加工ユニットの他の例を示す概略断面図である。 図12(a)は、カシメの窪み及び突起を形成する加工ユニットの他の例を示す断面図であり、図12(b)は、打抜部材を形成する加工ユニットの他の例を示す概略断面図である。 図13(a)及び図13(b)は、プッシュバックによりカシメの窪み及び突起を形成する加工ユニットの他の例を示す断面図である。 図14(a)は、カシメの窪み及び突起を形成する加工ユニットの他の例を示す断面図であり、図14(b)は、カシメの窪みに係合突起を形成する加工ユニットの一例を示す断面図である。 図15(a)は、バッファ凹部を形成する加工ユニットの一例を示す断面図であり、図15(b)は、カシメの窪み及び突起を形成する加工ユニットの他の例を示す断面図である。 図16(a)、図16(b)、図16(c)及び図16(d)はそれぞれ、カシメの他の例の近傍を概略的に示す上面図である。
以下に、本開示に係る実施形態の一例について、図面を参照しつつより詳細に説明する。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[回転子積層鉄心]
まず、図1〜図3を参照して、回転子積層鉄心1(金属積層体)の構成について説明する。回転子積層鉄心1は、回転子(ロータ)の一部である。回転子は、図示しないシャフトが回転子積層鉄心1に取り付けられることにより構成される。回転子が固定子(ステータ)と組み合わせられることにより、電動機(モータ)が構成される。回転子積層鉄心1は、埋込磁石型(IPM)モータの一部を構成してもよいし、他の種類のモータの一部を構成してもよい。
回転子積層鉄心1は、積層体10(金属積層体)と、複数の永久磁石12と、複数の固化樹脂14とを備える。
積層体10は、円筒状を呈している。積層体10の中央部には、中心軸Axに沿って延びるように積層体10を貫通する軸孔10aが設けられている。軸孔10aは、積層体10の高さ方向(上下方向)に延びている。積層体10は中心軸Ax周りに回転するので、中心軸Axは回転軸でもある。軸孔10a内には、シャフトが挿通される。
積層体10には、複数の磁石挿入孔16が形成されている。磁石挿入孔16は、図1に示されるように、積層体10の外周縁に沿って所定間隔で並んでいる。磁石挿入孔16は、中心軸Axに沿って延びるように積層体10を貫通している。すなわち、磁石挿入孔16は高さ方向に延びている。
積層体10は、複数の打抜部材Wが積み重ねられて構成されている。打抜部材Wは、後述する金属板MS(例えば、電磁鋼板)が所定形状に打ち抜かれた板状体であり、積層体10に対応する形状を呈している。本明細書において、図2に示されるように、積層体10の最下層以外を構成する打抜部材Wを「打抜部材W」と称し、積層体10の最下層を構成する打抜部材Wを「打抜部材W」と称することがある。
積層体10は、いわゆる転積又はスキューによって構成されていてもよい。「転積」とは、打抜部材W同士の角度を相対的にずらしつつ、複数の打抜部材Wを積層することをいう。転積は、主に打抜部材Wの板厚偏差を相殺して、積層体10の平面度、平行度及び直角度を高めることを目的に実施される。「スキュー」とは、中心軸Axに対して捩れ角を有するように複数の打抜部材Wを積層することをいう。スキューは、コギングトルク、トルクリップル等の低減を目的に実施される。転積又はスキューの角度は、任意の大きさに設定されてもよい。
積層方向において隣り合う打抜部材W同士は、図1及び図2に示されるように、カシメ部18によって締結されている。具体的には、カシメ部18は、図2に示されるように、打抜部材Wに形成されたカシメ20と、打抜部材Wに形成された貫通孔22とを含む。
カシメ20は、打抜部材Wの上面S1側に形成された窪み20aと、打抜部材Wの下面S2側に形成された突起20bとで構成されている。カシメ20は、図3に例示されるように、全体として円柱状を呈していてもよい。この場合、窪み20aの内周面及び突起20bの外周面は、円柱面を呈していてもよい。このような形状のカシメ20は、「丸平カシメ」ともいわれる。
カシメ20には、図2及び図3に示されるように、上下方向に延びる貫通孔20c(第1のバッファ空間、第2のバッファ空間)が設けられている。貫通孔20cは、例えば、窪み20aの底面から、突起20bの先端面に至るように延びていてもよい。貫通孔20cは、上方から見たときに、窪み20aの内側に位置している。すなわち、貫通孔20cの大きさは、上方から見たときに、窪み20aの内形及び突起20bの外形よりも小さくてもよい。
ここで、複数の打抜部材Wのうち、一の打抜部材W(以下、「打抜部材WM1」という。)と、打抜部材WM1の上面S1側において隣り合う他の打抜部材W(以下、「打抜部材WM2」という。)と、打抜部材WM1の下面S2側において隣り合うさらに他の打抜部材W(以下、「打抜部材WM3」という。)とに着目して説明する。打抜部材WM1(第1の打抜部材)の窪み20aは、打抜部材WM2(第2の打抜部材)の突起20bと嵌合している。すなわち、打抜部材WM1の窪み20aは、打抜部材WM2の突起20bを収容している。打抜部材WM1の突起20bは、打抜部材WM3の窪み20aと嵌合している。すなわち、打抜部材WM3の窪み20aは、打抜部材WM1の突起20bを収容している。
貫通孔22は、カシメ20の突起20bの外形に対応した形状を呈している。貫通孔22には、複数の打抜部材Wのうち打抜部材Wに隣接する打抜部材W(以下、「打抜部材WMB」という。)の突起20bが嵌合される。すなわち、貫通孔22は、打抜部材WMBの突起20bを収容している。貫通孔22は、積層体10を連続して製造する際、続いて形成された打抜部材Wのカシメ20が、既に製造された積層体10のカシメ20に対して締結されることを防ぐように構成されている。
永久磁石12は、図1に示されるように、各磁石挿入孔16内に一つずつ挿入されていてもよい。永久磁石12の形状は、特に限定されないが、例えば直方体形状を呈していてもよい。永久磁石12の種類は、モータの用途、要求される性能などに応じて決定すればよく、例えば、焼結磁石であってもよいし、ボンド磁石であってもよい。
固化樹脂14は、永久磁石12を収容する磁石挿入孔16内に充填された溶融状態の樹脂材料(溶融樹脂)が固化したものである。固化樹脂14は、永久磁石12を磁石挿入孔16内に固定するように構成されていてもよい。固化樹脂14は、上下方向で隣り合う打抜部材W同士を接合するように構成されていてもよい。
[回転子積層鉄心の製造装置]
続いて、図4〜図7を参照して、回転子積層鉄心1の製造装置100について説明する。製造装置100は、帯状の金属板MS(電磁鋼板)から回転子積層鉄心1を製造するように構成されている。製造装置100は、図4に示されるように、アンコイラー110と、送出装置120と、打抜装置130と、磁石取付装置(図示せず)と、コントローラCtr(制御部)とを備える。
アンコイラー110は、コイル材111を回転自在に保持するように構成されている。コイル材111は、金属板MSがコイル状(渦巻状)に巻回されたものである。送出装置120は、金属板MSを上下から挟み込む一対のローラ121,122を含む。一対のローラ121,122は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて回転及び停止し、金属板MSを打抜装置130に向けて間欠的に順次送り出すように構成されている。
打抜装置130は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作する。打抜装置130は、送出装置120によって間欠的に送り出される金属板MSを複数のパンチにより順次打ち抜き加工して、複数の打抜部材Wを形成するように構成されている。打抜装置130は、打ち抜き加工によって得られた複数の打抜部材Wを順次積層して積層体10を製造するように構成されている。
打抜装置130は、ベース131と、下型132と、ダイプレート133と、ストリッパ134と、上型135と、天板136と、プレス機137とを含む。
ベース131は、床面上に設置されており、ベース131に載置された下型132を支持する。下型132は、下型132に載置されたダイプレート133を保持する。ダイプレート133は、複数のパンチと共に金属板MSをプレス加工するように構成されている。ダイプレート133は、複数のダイを含む。複数のダイはそれぞれ、各パンチに対応する位置に配置されており、対応するパンチが挿通可能なダイ孔を含む。
ストリッパ134は、各パンチで金属板MSを打ち抜く際に、金属板MSをダイプレート133との間で挟持するように構成されている。ストリッパ134は、各パンチが金属板MSを加工する際に各パンチに食いついた金属板MSを、各パンチから引き剥がすように構成されている。上型135は、ストリッパ134の上方に位置している。上型135には、各パンチの基端部が取り付けられている。
天板136は、上型135の上方において上型135を保持している。プレス機137は、天板136の上方に配置されている。プレス機137のピストンは、天板136に接続されており、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作する。プレス機137が動作すると、ピストンが伸縮して、ストリッパ134、上型135、天板136、各パンチが全体的に上下動する。
磁石取付装置は、打抜装置130の下流側に配置されている。磁石取付装置は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作する。磁石取付装置は、打抜装置130において製造された積層体10の各磁石挿入孔16に、永久磁石12をそれぞれ挿通するように構成されている。磁石取付装置は、永久磁石12が挿通された磁石挿入孔16内に溶融樹脂を充填するように構成されている。
コントローラCtrは、例えば、記録媒体(図示せず)に記録されているプログラム又はオペレータからの操作入力等に基づいて、送出装置120、打抜装置130及び磁石取付装置をそれぞれ動作させるための指示信号を生成し、これらに当該指示信号をそれぞれ送信する。
ここで、打抜装置130に含まれる複数のパンチ及び複数のダイについて、より詳しく説明する。打抜装置130は、例えば、図5〜図7に示されるように、加工ユニットU1〜U4を含んでいてもよい。
加工ユニットU1は、図5に示されるように、金属板MSに貫通孔22を形成するように構成されている。加工ユニットU1は、ダイD1及びパンチP1の組み合わせにより構成されている。
ダイD1は、ダイプレート133に保持されている。ダイD1には、ダイ孔D1aが形成されている。ダイ孔D1aは、貫通孔22に対応する形状を呈している。パンチP1は、ダイD1の上方に配置されている。パンチP1は、上型135の上下動に伴い、その下端部がダイ孔D1aに至るまで(金属板MSの下面よりも下方に至るまで)、降下可能に構成されている。そのため、パンチP1が下死点に至ると、金属板MSがダイD1及びパンチP1によって打抜加工され、金属板MSに貫通孔22が形成される。パンチP1の外形は、ダイ孔D1aの内形よりも若干小さく設定されていてもよい。ダイD1及びパンチP1によって金属板MSから打ち抜かれた廃材は、図示しない排出孔を通じて、打抜装置130の外部に排出される。
加工ユニットU2は、図6(a)に示されるように、金属板MSに貫通孔20cを形成するように構成されている。加工ユニットU2は、ダイD2及びパンチP2の組み合わせにより構成されている。
ダイD2は、ダイプレート133に保持されている。ダイD2には、ダイ孔D2aが形成されている。ダイ孔D2aは、貫通孔20cに対応する形状を呈している。パンチP2は、ダイD2の上方に配置されている。パンチP2は、上型135の上下動に伴い、その下端部がダイ孔D2aに至るまで(金属板MSの下面よりも下方に至るまで)、降下可能に構成されている。そのため、パンチP2が下死点に至ると、金属板MSがダイD2及びパンチP2によって打抜加工され、金属板MSに貫通孔20cが形成される。パンチP2の外形は、ダイ孔D2aの内形よりも若干小さく設定されていてもよい。ダイD2及びパンチP2によって金属板MSから打ち抜かれた廃材は、図示しない排出孔を通じて、打抜装置130の外部に排出される。
加工ユニットU3は、図6(b)に示されるように、金属板MSにカシメ20を形成するように構成されている。加工ユニットU3は、ダイD3及びパンチP3の組み合わせにより構成されている。
ダイD3は、ダイプレート133に保持されている。ダイD3には、ダイ孔D3aが形成されている。ダイ孔D3aは、カシメ20の窪み20aに対応する形状を呈している。パンチP3は、ダイD3の上方に配置されている。パンチP3は、上型135の上下動に伴い、その下端部が金属板MSに接し且つダイD3よりも上方の高さに至るまで、降下可能に構成されている。そのため、パンチP3が下死点に至ると、金属板MSがダイD3及びパンチP3によって半抜き加工され、金属板MSにカシメ20が形成される。パンチP3の外形は、ダイ孔D3aの内形よりも若干小さく設定されていてもよい。
加工ユニットU4は、図7に示されるように、金属板MSから打抜部材Wを形成するように構成されている。加工ユニットU4は、ダイD4及びパンチP4の組み合わせにより構成されている。
ダイD4は、ダイプレート133に保持されている。ダイD4には、ダイ孔D4aが形成されている。ダイ孔D4aは、打抜部材Wに対応する形状を呈している。パンチP4は、ダイD4の上方に配置されている。パンチP4は、上型135の上下動に伴い、その下端部がダイ孔D4aに至るまで(金属板MSの下面よりも下方に至るまで)、降下可能に構成されている。そのため、パンチP4が下死点に至ると、金属板MSがダイD4及びパンチP4によって打抜加工され、金属板MSから打抜部材Wが形成される。パンチP4の外形は、ダイ孔D4aの内形よりも若干小さく設定されていてもよい。
パンチP4の先端面には、複数の押圧突起P4a(押込部材)が設けられている。押圧突起P4aは、当該先端面から下方に突出している。複数の押圧突起P4aはそれぞれ、打抜部材Wの各カシメ20に対応するように位置している。
ダイD4の下方の空間132a内には、払出装置200が配置されている。払出装置200は、打抜装置130によって形成された複数の打抜部材W(積層体10)を空間132a内において支持して、打抜装置130の外部に払い出すように構成されている。払出装置200は、昇降シリンダ210と、プッシャ220と、搬出路230とを含む。
昇降シリンダ210は、支持台211と、直動機構212とを含む。支持台211は、ダイD4のダイ孔D4aの直下に配置されている。支持台211は、パンチP4及びダイD4によって金属板MSから打ち抜かれた打抜部材Wを支持するように構成されている。
直動機構212は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて、支持台211を鉛直方向に沿って直線的に動作させるように構成されている。直動機構212は、例えば、支持台211上に打抜部材Wが一枚ずつ積み重ねられるごとに支持台211を間欠的に下方に移動させるように構成されている。支持台211上において複数の打抜部材Wが所定枚数積層されることにより、支持台211上に積層体10が形成される。
直動機構212は、パンチP4及びダイD4によって金属板MSから打ち抜かれた打抜部材Wを支持するための上昇位置と、積層体10を搬出路230に払い出すための下降位置との間で支持台211を昇降させるように構成されている。直動機構212は、例えば、油圧アクチュエータ、空圧アクチュエータ、電動アクチュエータ、電磁ソレノイドなどであってもよい。
プッシャ220は、押出部材221と、直動機構222とを含む。押出部材221は、積層体10を支持している支持台211が下降位置にあるときに、積層体10の周面に当接して積層体10を押し出すように構成されている。直動機構222は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて、押出部材221を水平方向に沿って直線的に動作させるように構成されている。直動機構222は、例えば、油圧アクチュエータ、空圧アクチュエータ、電動アクチュエータ、電磁ソレノイドなどであってもよい。
搬出路230は、空間132aの下部と連通しており、水平方向に沿って延びている。搬出路230は、天壁、側壁及び底壁で囲まれた空間である。これらの天壁、側壁及び底壁は、下型132の一部を構成している。積層体10は、搬出路230内を通って打抜装置130の外部に搬出され、図示しないコンベア等により後続の磁石取付装置に搬送される。
[回転子積層鉄心の製造方法]
続いて、回転子積層鉄心1の製造方法について、図4〜図9を参照して説明する。
まず、打抜装置130により金属板MSを順次打ち抜きつつ打抜部材Wを積層して、積層体10を形成する。具体的には、図4に示されるように、金属板MSが送出装置120によって打抜装置130に送り出され、金属板MSの加工対象部位が所定のパンチに到達すると、軸孔10aに対応する貫通孔の形成(いわゆる内径抜き)、各磁石挿入孔16に対応する貫通孔の形成、カシメ20又は貫通孔22の形成、及び金属板MSからの打抜部材Wの打ち抜き(いわゆる外径抜き)がそれぞれ行われる。
カシメ20及び貫通孔22は、選択的に形成される。すなわち、金属板MSのうち打抜部材Wが形成される予定の領域にカシメ20が形成され、金属板MSのうち打抜部材Wが形成される予定の領域に貫通孔22が形成される。
貫通孔22は、次のように形成される。まず、金属板MSが送出装置120によって間欠的に送り出され、金属板MSの所定部位が加工ユニットU1に到達する。次に、コントローラCtrからの指示信号に基づいて打抜装置130が動作すると、図5に示されるように、金属板MSがダイプレート133及びストリッパ134によって挟持される。次に、パンチP1が降下して、パンチP1の先端部が、金属板MSの所定部位をダイ孔D1a内へと押し出す。これにより、金属板MSの所定部位に貫通孔22が形成される。
一方、カシメ20は次のように形成される。まず、金属板MSが送出装置120によって間欠的に送り出され、金属板MSの所定部位が加工ユニットU2に到達する。次に、コントローラCtrからの指示信号に基づいて打抜装置130が動作すると、図6(a)に示されるように、金属板MSがダイプレート133及びストリッパ134によって挟持される。次に、パンチP2が降下して、パンチP2の先端部が、金属板MSの所定部位をダイ孔D2a内へと押し出す。これにより、金属板MSに貫通孔20cが形成される。
次に、金属板MSが送出装置120によって間欠的に送り出され、金属板MSのうち貫通孔20cを含む部位が加工ユニットU3に到達する。次に、コントローラCtrからの指示信号に基づいて打抜装置130が動作すると、図6(b)に示されるように、金属板MSがダイプレート133及びストリッパ134によって挟持される。次に、パンチP3が降下して、パンチP3の先端部が、金属板MSのうち貫通孔20cを含む部位をダイ孔D3a内へと部分的に押し出す。これにより、金属板MSに、貫通孔20cを含むカシメ20が形成される。
金属板MSからの打抜部材Wの打ち抜きは次のように行われる。まず、金属板MSが送出装置120によって間欠的に送り出され、金属板MSのうち貫通孔22を含む部位、又は、金属板MSのうちカシメ20を含む部位が、加工ユニットU4に到達する。次に、コントローラCtrからの指示信号に基づいて打抜装置130が動作すると、図7に示されるように、金属板MSがダイプレート133及びストリッパ134によって挟持される。次に、パンチP4が降下して、パンチP4の先端部が金属板MSをダイ孔D4a内へと押し出す。これにより、金属板MSから打抜部材Wが打ち抜かれる。
パンチP4による金属板MSからの打抜部材Wの打ち抜き時には、押圧突起P4aは、貫通孔22内に挿入されるので、金属板MSに接触しない。一方、パンチP4による金属板MSからの打抜部材Wの打ち抜き時には、図7及び図8に示されるように、押圧突起P4aがカシメ20の窪み20aを押圧しつつ、パンチP4の先端部が金属板MSをダイ孔D4a内へと押し出す。例えば、金属板MSの板厚が0.35mmである場合、押圧突起P4aによるカシメ20の圧縮量(押込量)は50μm程度であってもよい。
これにより、支持台211上に打抜部材Wが載置されている場合には、カシメ20の突起20bが打抜部材Wの貫通孔22内に圧入され、両者が嵌合する。一方、打抜部材W及び一つ以上の打抜部材Wが支持台211上に積層されている場合には、カシメ20の突起20bが、金属板MSの下方において隣り合う打抜部材W(以下、「打抜部材WMX」という。)のカシメ20の窪み20a内に圧入され、両者が嵌合する。
パンチP4によって金属板MSから打ち抜かれた打抜部材Wは、支持台211上において積層され、積層体10が構成される。積層体10は、図9に示されるように、プッシャ220によって支持台211から搬出路230に払い出され、さらにコンベア又は人手によって磁石取付装置に搬送される。続いて、磁石取付装置において、磁石挿入孔16内に永久磁石12が挿入され、さらに、磁石挿入孔16内に溶融樹脂が充填される。その後、溶融樹脂が固化して固化樹脂14となることにより、永久磁石12が固化樹脂14によって磁石挿入孔16内に固定される。これにより、回転子積層鉄心1が完成する。
[作用]
以上の例によれば、パンチP4及びダイD4によって金属板MSから打抜部材Wが打ち抜かれる際、図8に例示されるように、金属板MSのカシメ20(第2のカシメ)が、押圧突起P4aと、打抜部材WMXのカシメ20(第1のカシメ)との間で圧縮される。そのため、金属板MSにおける突起20bの外周側の部分は、金属の展性により、径方向外側に向けて拡がるように変形する。したがって、金属板MSにおける突起20bの外周面が、打抜部材WMXにおける窪み20aの内周面に対して加圧されつつ当接する。その結果、金属板MSにおける突起20bが打抜部材WMXにおける窪み20aに対して強固に接合される。
一方、金属板MSにおける突起20bの内周側の部分は、金属の展性により、径方向内側に向けて拡がるように変形する。以上の例によれば、カシメ20に貫通孔20c(第1の貫通孔、第2の貫通孔)が形成されているので、金属板MSのカシメ20の内側部分の変形は、金属板MSにおける貫通孔20c(第2の貫通孔)において吸収される。そのため、金属板MSのカシメ20が打抜部材WMXのカシメ20に締結する際に変形しても、金属板MSにおける突起20bが打抜部材WMXにおける窪み20aに収まったままとなり、金属板MSの他の箇所に対して当該変形による影響が生じ難い。したがって、複数の打抜部材Wが積層された状態において、これらの間に隙間がほとんど生じなくなる。また、カシメ20同士の締結に際して打抜部材Wに歪みがほとんど生じないので、複数の打抜部材Wがほぼ真っ直ぐに積み上がる。以上の結果、占積率及び直角度の高い回転子積層鉄心1を形成することが可能となる。
[変形例]
本明細書における開示はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲及びその要旨を逸脱しない範囲において、以上の例に対して種々の省略、置換、変更などが行われてもよい。
(1)図10に例示されるように、押圧突起P4aの長手方向(上下方向)に沿って延びる挿入突起P4b(突出部材)が、押圧突起P4aの先端面(下端面)に設けられていてもよい。挿入突起P4bの外形は、上方から見たときに、貫通孔20cよりも小さくてもよい。この場合、押圧突起P4aが金属板MSのカシメ20を打抜部材WMXのカシメ20に押し込む際に、挿入突起P4bが金属板MSの貫通孔20c内に挿通される。そのため、挿入突起P4bの存在により、金属板MSにおける突起20bの内周側の部分が、径方向内側に向けて過度に変形することが抑制される。したがって、金属板MSにおける突起20bの変形が、径方向外側に向かいやすくなる。その結果、金属板MSのカシメ20を、打抜部材WMXのカシメ20に対して、より強固に締結させることが可能となる。
(2)図11(a)に示されるように、先端に向かうにつれて先細り(テーパ形状)を呈するパンチP3を用いて、金属板MSにカシメ20を形成してもよい。この場合、窪み20aの内周面が、下方に向かうにつれて縮径されたテーパ面となる。そのため、押圧突起P4aが金属板MSのカシメ20を打抜部材WMXのカシメ20に押し込む際に、図11(b)に示されるように、金属板MSのカシメ20は、押圧突起P4aによって径方向外方に押し拡げられながら、打抜部材WMXのカシメ20と締結される(図11(b)の矢印Ar1参照)。そのため、金属板MSにおける突起20bの変形が、径方向外側に向かいやすくなる。その結果、金属板MSのカシメ20を、打抜部材WMXのカシメ20に対して、より強固に締結させることが可能となる。なお、ダイ孔D3aの入口部分は、図6(b)に示されるように、他の部分と同様に真っ直ぐに延びていてもよいし、図11(a)に例示されるように、下方に向かうにつれて縮径されたテーパ面を呈していてもよい。
(3)図12(a)に示されるように、全体として柱状を呈するカシメ20(平カシメ)を形成してもよい。その後、図12(b)に例示されるように、先端に向かうにつれて先細り(テーパ形状)を呈する押圧突起P4aを用いて、金属板MSのカシメ20を打抜部材WMXのカシメ20に押し込んでもよい。この場合、押圧突起P4aが金属板MSのカシメ20を打抜部材WMXのカシメ20に押し込む際に、図12(b)に示されるように、押圧突起P4aがカシメ20の貫通孔20c内に嵌入して、貫通孔20cが径方向外側に押し広げられる。すなわち、金属板MSのカシメ20は、押圧突起P4aによって径方向外方に押し拡げられながら、打抜部材WMXのカシメ20と締結される(図12(b)の矢印Ar2参照)。そのため、金属板MSにおける突起20bの変形が、径方向外側に向かいやすくなる。その結果、金属板MSのカシメ20を、打抜部材WMXのカシメ20に対して、より強固に締結させることが可能となる。なお、上方から見たときに、押圧突起P4aの先端部(下端部)の大きさは、金属板MSにおける窪み20aよりも小さくてもよい。上方から見たときに、押圧突起P4aの基端部(上端部)の大きさは、金属板MSにおける窪み20aよりも大きくてもよい。
(4)図11(a)に例示されるパンチP3及び図12(b)に例示されるパンチP4の双方を用いて、金属板MSを加工してもよい。この場合、図11(a)に例示されるパンチP3のテーパ角は、図12(b)に例示されるパンチP4のテーパ角と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(5)プッシュバック加工により、カシメ20を形成してもよい。この場合、図13(a)及び図13(b)に例示されるように、加工ユニットU3が、バックアッププレートU3aと、付勢部材U3bとをさらに含んでいてもよい。バックアッププレートU3aは、ダイ孔D3a内に配置されており、付勢部材U3bによって上方に向けて付勢されていてもよい。
プッシュバック加工は、次のように行われてもよい。まず、図13(a)に例示されるように、上型135の上下動に伴い、パンチP3は、その下端部がダイ孔D3aに至るまで(金属板MSの下面よりも下方に至るまで)、降下してもよい。これにより、金属板MSのうち貫通孔20cを含む部位は、バックアッププレートU3aによって支持された状態で、金属板MSから完全に打ち抜かれる。この際、金属板MSのうちの打抜済部位が塑性変形して若干延びる。
続いて、図13(b)に例示されるように、上型135の上下動に伴い、パンチP3が上昇してもよい。これにより、付勢部材U3bによってバックアッププレートU3aが上方に押し出される。これに伴い、金属板MSから打ち抜かれた当該部位は、金属板MSの元の位置に圧入され、人手では簡単に外れない程度に金属板MSに対してしっかりと嵌まり合う。
なお、図示していないが、パンチP3は、その下端部が金属板MSに接し且つダイD3よりも上方の高さに至るまで、降下してもよい。この場合、金属板MSのうち貫通孔20cを含む部位は、バックアッププレートU3aによって支持された状態で、金属板MSから打ち抜かれるに至らない程度の凹凸形状に加工される(いわゆる半抜き加工)。その後、パンチP3の上昇に伴い、半抜き加工された部分が付勢部材U3b及びバックアッププレートU3aによって金属板MSの元の位置に圧入され、人手では簡単に外れない程度に金属板MSに対してしっかりと嵌まり合ってもよい。
(6)図14(a)に示されるように、全体として柱状を呈するカシメ20(平カシメ)を形成してもよい。その後、図14(b)に例示されるように、加工ユニットU5を用いて、窪み20aの開口近傍に係合突起20dを形成してもよい。加工ユニットU5は、ダイD5及びパンチP5の組み合わせにより構成されている。
ダイD5は、ダイプレート133に保持されている。ダイD5には、ダイ孔D5aが形成されている。ダイ孔D5aは、カシメ20の突起20bに対応する形状を呈している。加工ユニットU5による金属板MSの加工の際、カシメ20の突起20bがダイD5のダイ孔D5a内に配置されていてもよい。
パンチP5は、ダイD5の上方に配置されており、パンチP3よりも若干大きな外形を有している。パンチP5は、上型135の上下動に伴い、その下端部が金属板MSの下面よりもわずかに下方に至るまで、降下可能に構成されている。そのため、パンチP5が下死点に至ると、金属板MSのうち窪み20aの開口近傍がパンチP5によって押し下げられる(圧縮される)。その結果、窪み20aの径方向内方に向けて突出する係合突起20dが、窪み20aの開口近傍に形成される。
係合突起20dを含むカシメ20が押圧突起P4aによって押圧されると、金属板MSにおける突起20bの外周側の部分が、金属の展性により、径方向外側に向けて拡がるように変形して、係合突起20dに食い込む。そのため、金属板MSにおける突起20bが打抜部材WMXにおける窪み20aに対してより強固に接合される。
(7)カシメ20に貫通孔20cを形成することに代えて、加工ユニットU6を用いて、カシメ20に非貫通孔(第1のバッファ空間、第2のバッファ空間)を形成してもよい。加工ユニットU6は、例えば、金属板MSを部分的に掘削又は除去することが可能なレーザ加工装置であってもよい。
例えば、図15(a)に示されるように、金属板MSの表面に加工ユニットU6でバッファ凹部20e(第1のバッファ空間、第2のバッファ空間)を形成してもよい。その後、図15(b)に示されるように、金属板MSのうちバッファ凹部20eを含む部位をダイ孔D3a内へと部分的に押し出して、窪み20aの底面にバッファ凹部20eが設けられたカシメ20を形成してもよい。この場合、カシメ20が押圧突起P4aによって押圧されると、金属板MSにおける突起20bの一部がバッファ凹部20eに入り込む。そのため、金属板MSにおける突起20bの変形が、バッファ凹部20eにおいて吸収される。したがって、占積率及び直角度の高い回転子積層鉄心1を形成することが可能となる。なお、加工ユニットU3によって先に窪み20aを形成し、その後、加工ユニットU6によって窪み20aの底面にバッファ凹部20eを形成してもよい。
(8)上方から見たときに、窪み20aの内周面の形状は、貫通孔20cの内周面の形状と対応していてもよいし(略相似形状であってもよいし)、貫通孔20cの内周面の形状と異なっていてもよい。図16(a)は、両者の形状が円形状の例を示しているが、両者の形状が矩形状であってもよいし、両者の形状がその他の形状であってもよい。図16(b)は、上方から見たときに、窪み20aの内周面の形状が円形であり、貫通孔20cの内周面の形状が矩形である例を示している。図16(c)は、上方から見たときに、窪み20aの内周面の形状が円形であり、貫通孔20cの内周面の形状が多角形状(ジグザグ状に屈曲した環状)である例を示している。図16(d)は、上方から見たときに、窪み20aの内周面の形状が多角形状(ジグザグ状に屈曲した環状)であり、貫通孔20cの内周面の形状が円形である例を示している。図16(b)〜図16(d)の例に代えて、両者の形状が異なる種々の例が採用されてもよい。両者の形状が異なる場合、両者の形状の相違に応じて、金属板MSのカシメ20による打抜部材WMXのカシメ20への締結力を調整することが可能となる。
(9)上方から見たときに、窪み20aの大きさは、突起20bの大きさよりも大きくてもよいし、突起20bの大きさと略同一であってもよいし、突起20bの大きさよりも小さくてもよい。
(10)カシメ20は、丸平カシメ以外の他の種類のカシメであってもよい。例えば、カシメ20は、角平カシメであってもよいし、V字型カシメであってもよいし、スキューカシメであってもよい。カシメ20がV字型カシメの場合、カシメ20の突起20bの先端部は、貫通孔22から外方に突出していてもよい。積層体10の下端面からの当該突起20bの突出量は、打抜部材Wの板厚よりも大きくてもよい。また、カシメ20がV字型カシメの場合、パンチP3は、上型135の上下動に伴い、その下端部がダイ孔D3aに至るまで(金属板MSの下面よりも下方に至るまで)、降下可能に構成されていてもよい。
(11)金属板MSに先にカシメ20を形成し、続いて、カシメ20の内側に貫通孔20cを形成してもよい。
(12)金属板MSから打抜部材Wを打ち抜くための外径抜きパンチ(パンチP4のうちの押圧突起P4a以外の部分)と、カシメ20同士を締結するための締結パンチ(パンチP4のうちの押圧突起P4aの部分)とは、物理的に独立していてもよいし、物理的に一体化されていてもよい。
(13)一つの磁石挿入孔16内に複数の永久磁石12が挿入されていてもよい。この場合、複数の永久磁石12は、積層体10の高さ方向において隣り合うように2つ以上の永久磁石12が並んで構成された第1の磁石組を含んでいてもよい。複数の永久磁石12は、上方から見て、磁石挿入孔16の長辺又は短辺に沿って隣り合うように2つ以上の永久磁石12が並んで構成された第2の磁石組を含んでいてもよい。
(14)表面磁石型(SPM)モータに用いられる回転子積層鉄心1を製造する際に、上記の方法を適用してもよい。回転子積層鉄心1に代えて、固定子積層鉄心を製造する際に、上記の方法を適用してもよい。この場合、複数の鉄心片が組み合わされてなる分割型の固定子積層鉄心であってもよいし、非分割型の固定子積層鉄心であってもよい。一の金属材料のカシメ20の突起20bを他の金属材料のカシメ20の窪み20aに締結して金属積層体を製造する際に、上記の方法を適用してもよい。
[他の例]
例1.金属積層体の製造方法の一例は、第1の金属板における第1の加工部位に第1のバッファ空間を形成することと、第1の金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、第1の金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第1のカシメを第1の加工部位に形成することとを含んでいてもよい。当該方法はさらに、第2の金属板における第2の加工部位に第2のバッファ空間を形成することと、第2の金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、第2の金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第2のカシメを第2の加工部位に形成することとを含んでいてもよい。加えて、当該方法は、第2のカシメの窪みに押込部材を挿入して、第2のカシメを第1のカシメに押しつけることにより、第2のカシメの突起を第1のカシメの窪みに締結させることを含んでいてもよい。
この場合、第2のカシメは、押込部材と第1のカシメとの間で圧縮される。そのため、第2のカシメの突起の外周側の部分は、金属の展性により、径方向外側に向けて拡がるように変形する。したがって、第2のカシメの突起の外周面が、第1のカシメの窪みの内周面に対して加圧されつつ当接する。その結果、第2のカシメの突起が第1のカシメの窪みに対して強固に接合される。
一方、第2のカシメの突起の内周側の部分は、金属の展性により、径方向内側に向けて拡がるように変形する。例1によれば、第2のカシメに第2のバッファ空間が形成されているので、第2のカシメの内側部分の変形は、第2のバッファ空間において吸収される。そのため、第2のカシメが第1のカシメに締結する際に変形しても、第2のカシメの突起が第1のカシメの窪みに収まったままとなり、第2の金属板の他の箇所に対して当該変形による影響が生じ難い。したがって、第1の金属板と第2の金属板とが積層された状態において、これらの間に隙間がほとんど生じなくなる。また、カシメ同士の締結に際して金属板に歪みがほとんど生じないので、第1の金属板と第2の金属板とがほぼ真っ直ぐに積み上がる。以上の結果、占積率及び直角度の高い金属積層体を形成することが可能となる。
例2.金属積層体の製造方法の他の例は、帯状の金属板における第1の加工部位に第1のバッファ空間を形成することと、金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第1のカシメを第1の加工部位に形成することと、第1の加工部位を含む所定領域に沿って金属板を打ち抜くことにより、第1のカシメを含む第1の打抜部材を形成することとを含んでいてもよい。当該方法はさらに、金属板における第2の加工部位に第2のバッファ空間を形成することと、金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第2のカシメを第2の加工部位に形成することと、第2の加工部位を含む所定領域に沿って金属板を打ち抜くことにより、第2のカシメを含む第2の打抜部材を形成することとを含んでいてもよい。第2の打抜部材を形成することは、金属板を打ち抜く際に、第2のカシメの窪みに押込部材を挿入して、第2のカシメを第1のカシメに押しつけることにより、第2のカシメの突起を第1のカシメの窪みに締結させることを含んでいてもよい。この場合、例1と同様の作用効果が得られる。
例3.例1又は例2の方法において、押込部材の先端面には、押込部材の長手方向に沿って延びるように突出する突出部材が設けられており、突出部材の外形は、上方から見たときに第2のバッファ空間よりも小さくてもよい。この場合、押込部材が第2のカシメを第1のカシメに押し込む際に、突出部材が第2のバッファ空間内に挿通される。そのため、突出部材の存在により、第2のカシメの突起の内周側の部分が、径方向内側に向けて過度に変形することが抑制される。したがって、第2のカシメの突起の変形が、径方向外側に向かいやすくなる。その結果、第2のカシメを、第1のカシメに対して、より強固に締結させることが可能となる。
例4.例1〜例3のいずれかの方法において、第2のカシメを形成することは、先端に向かうにつれて先細りとなる先端部を含むパンチにより第2の加工部位をプレス加工することを含んでいてもよい。この場合、押込部材が第2のカシメを第1のカシメに押し込む際に、第2のカシメは、押込部材によって径方向外方に押し拡げられながら、第1のカシメと締結される。そのため、第2のカシメの突起の変形が、径方向外側に向かいやすくなる。その結果、第2のカシメを、第1のカシメに対して、より強固に締結させることが可能となる。
例5.例1〜例4のいずれかの方法において、第2のカシメの突起を第1のカシメの窪みに締結させることは、先端に向かうにつれて先細りとなる先端部を含む押込部材により第2のカシメを第1のカシメに押しつけることを含んでいてもよい。例4と同様の作用効果が得られる。
例6.例1〜例5のいずれかの方法において、第1のカシメ及び第2のカシメは平カシメであってもよい。
例7.例1〜例6のいずれかの方法において、上方から見たときに、第2のカシメの窪みの内周面の形状は第2のバッファ空間の内周面の形状と異なっていてもよい。この場合、これらの形状の相違に応じて、第2のカシメによる第1のカシメへの締結力を調整することが可能となる。
1…回転子積層鉄心(金属積層体)、10…積層体、18…カシメ部、20…カシメ(第1のカシメ、第2のカシメ)、20a…窪み、20b…突起、20c…貫通孔(第1のバッファ空間、第2のバッファ空間)、20e…バッファ凹部(第1のバッファ空間、第2のバッファ空間)、MS…金属板、P3…パンチ、P4…パンチ、P4a…押圧突起(押込部材)、P4b…挿入突起(突出部材)、U3、U4…加工ユニット、W…打抜部材、WM1…打抜部材(第1の打抜部材)、WM2…打抜部材(第2の打抜部材)。

Claims (6)

  1. 第1の金属板における第1の加工部位に第1のバッファ空間を形成することと、
    前記第1の金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、前記第1の金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第1のカシメを前記第1の加工部位に形成することと、
    第2の金属板における第2の加工部位に第2のバッファ空間を形成することと、
    前記第2の金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、前記第2の金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第2のカシメを前記第2の加工部位に形成することと、
    前記第2のカシメの窪みに押込部材を挿入して、前記第2のカシメを前記第1のカシメに押しつけることにより、前記第2のカシメの突起を前記第1のカシメの窪みに締結させることとを含む、金属積層体の製造方法。
  2. 帯状の金属板における第1の加工部位に第1のバッファ空間を形成することと、
    前記金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、前記金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第1のカシメを前記第1の加工部位に形成することと、
    前記第1の加工部位を含む所定領域に沿って前記金属板を打ち抜くことにより、前記第1のカシメを含む第1の打抜部材を形成することと、
    前記金属板における第2の加工部位に第2のバッファ空間を形成することと、
    前記金属板の一方の表面側が窪んだ窪みと、前記金属板の他方の表面側が突出した突起とを含む第2のカシメを前記第2の加工部位に形成することと、
    前記第2の加工部位を含む所定領域に沿って前記金属板を打ち抜くことにより、前記第2のカシメを含む第2の打抜部材を形成することとを含み、
    前記第2の打抜部材を形成することは、前記金属板を打ち抜く際に、前記第2のカシメの窪みに押込部材を挿入して、前記第2のカシメを前記第1のカシメに押しつけることにより、前記第2のカシメの突起を前記第1のカシメの窪みに締結させることを含む、金属積層体の製造方法。
  3. 前記押込部材の先端面には、前記押込部材の長手方向に沿って延びるように突出する突出部材が設けられており、
    前記突出部材の外形は、上方から見たときに前記第2のバッファ空間よりも小さい、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第2のカシメを形成することは、先端に向かうにつれて先細りとなる先端部を含むパンチにより前記第2の加工部位をプレス加工することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第2のカシメの突起を前記第1のカシメの窪みに締結させることは、先端に向かうにつれて先細りとなる先端部を含む前記押込部材により前記第2のカシメを前記第1のカシメに押しつけることを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 上方から見たときに、前記第2のカシメの窪みの内周面の形状は前記第2のバッファ空間の内周面の形状と異なっている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
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