JP2013209707A - インジウム−銀−コバルト合金めっき液 - Google Patents

インジウム−銀−コバルト合金めっき液 Download PDF

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Abstract

【課題】薄いめっき厚で、剥がれにくく、ワイヤーボンディング性、耐硫化性に優れ、反射率の低下がなく、長寿命化が可能であり、コスト低減と品質向上が可能であり、LEDの反射板として有用なインジウム−銀−コバルト合金めっき皮膜を形成することができるインジウム−銀−コバルト合金めっき液を提供することを目的とする。
【解決手段】インジウム100質量部に対して銀5〜50質量部、コバルト0.5〜35質量部を塩として含有することを特徴とするインジウム−銀−コバルト合金めっき液。
【選択図】なし

Description

本発明は、インジウム−銀−コバルト合金めっき液に関し、詳細には反射板の製造に用いるインジウム−銀−コバルト合金めっき液に関する。
銀膜は高い光反射率(以下、反射率と略記)を有することからダウンライト照明用の反射板やLED(Lighting Emitting Diode、発光ダイオード)パッケージの反射面に広く用いられている。LEDパッケージでは、LEDへの入力電流が所定の光出力が得られるまで高められるため、取り出せる光出力に影響する反射面の反射率が低いとLEDの寿命に大きく影響する。このため、住宅照明や自動車用ヘッドライト等の主照明に適用される高出力LEDパッケージでは、反射面の反射率と分光特性が製品性能を左右する極めて重要な要素となり、特に、可能な限り高い反射率が要求される。具体的には、銀膜は、近紫外光を含む可視光の全波長領域(370〜700nm)において高い反射率を有することが必要であるとされ、特許文献1のように反射率を高める方法が提案されている。
しかし、特許文献1記載の方法では、無電解めっき処理により銀膜が製造されているために、通常用いられる膜厚200nmを形成する場合でも10〜30分程度の時間を要し、生産性が極めて低い。また、めっき処理に用いられる浴の寿命が短いためにランニングコストが高くなるなどの問題があった。
また、銀皮膜の表面は塩化などにより変色し易く、特に硫黄を含む雰囲気中では腐食されて茶褐色や青黒色に変色する。また銀皮膜の下地に銀以外の金属、金属酸化物、硫化物が存在する場合には銀皮膜中にこれらの物質が拡散し易く銀皮膜表面に移行して、いずれも銀皮膜の光反射性に影響し、その性能を低下させる。前記LEDパッケージの構成でいえば、リードフレームを形成する銅の上に光反射部として銀皮膜を形成すると、銅が銀皮膜中に拡散して銀皮膜の表面にまで達してその反射率の低下を招くこととなる。
前記銀皮膜中への拡散を防止するための技術については例えば、銀めっき皮膜の形成前に、白金族金属のパラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウムのいずれかまたはそれらの合金からなる拡散防止層を設けることが提案されている(特許文献2)。
さらに、銀皮膜の硫黄を含む雰囲気中での変色については、特許文献3に、銀表面の硫化変色を防止するインジウムめっき液、及びインジウム合金めっき液が記載されている。該インジウム合金めっき液は、インジウムと、銅、パラジウム、コバルト、プラチナから選ばれた少なくとも1種の金属と、ピリジンカルボンのアミン系誘体、六炭糖の単糖類、及びアニオン系又は両性系界面活性剤とを特定の濃度で含有する。銀皮膜上に該めっき液を用いてめっき皮膜を形成することにより、銀の皮膜の硫化変色を防止するものである。
しかし、インジウムは融点が156.4℃と低く、柔らかい金属であり、熱をかけると溶け易いため、インジウムを多く含有する層は、ワイヤーボンディングが剥がれる等の問題が生じる。
特開2000−155205号公報 特開2007−258514号公報 特開2011−256410号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、薄いめっき厚で、剥がれにくく、ワイヤーボンディング性、耐硫化性に優れ、反射率の低下がなく、長寿命化が可能であり、コスト低減と品質向上が可能であり、LEDの反射板として有用なインジウム−銀−コバルト合金めっき皮膜を形成することができるインジウム−銀−コバルト合金めっき液を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、インジウム100質量部に対して銀5〜50質量部、コバルト0.5〜35質量部を塩として含有するインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて、銅もしくは銅合金、又はNiもしくはNi合金上にインジウム−銀−コバルト合金層を形成することにより、薄いめっき厚で、剥がれにくく、ワイヤーボンディング性、耐硫化性に優れ、反射率の低下がなく、長寿命化が可能であり、コスト低減と品質向上が可能な反射板を作製することができることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)インジウム100質量部に対して銀5〜50質量部、コバルト0.5〜35質量部を塩として含有することを特徴とするインジウム−銀−コバルト合金めっき液。
(2)前記インジウム−銀−コバルト合金めっき液が、銅もしくは銅合金、又はNiもしくはNi合金上にめっきを行うめっき液であることを特徴とする前記(1)記載のインジウム−銀−コバルト合金めっき液。
(3)前記インジウム−銀−コバルト合金めっき液が反射板の製造に用いるめっき液であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のインジウム−銀−コバルト合金めっき液。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて得られることを特徴とする反射板。
銅もしくは銅合金、又はNiもしくはNi合金上に本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて電気めっきし、インジウム−銀−コバルト合金層を形成することにより、薄いめっき厚で、剥がれにくく、ワイヤーボンディング性、耐硫化性に優れ、反射率の低下がなく、長寿命化が可能であり、コスト低減と品質向上が可能な反射板を提供することができる。
本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液は、インジウム100質量部に対して銀5〜50質量部、好ましくは10〜40質量部、コバルト0.5〜35質量部、好ましくは5〜25質量部を塩として含む。
インジウム−銀−コバルト合金めっき液におけるインジウムの濃度は、1g〜50g/Lが好ましく、より好ましくは5〜20g/Lである。
めっき液中のインジウム100質量部に対する銀の量が5質量部未満であると、得られるめっき層中の銀の濃度が低くなり、ワイヤーボンディングが打てなくなり、50質量部を超えるとめっき層中の銀の濃度が高くなり硫化試験後の反射率が低下する。
また、めっき液中のインジウム100質量部に対するコバルトの量が0.5質量部未満であるとめっき層中のコバルトの量が低くなりワイヤーボンディング強度が低くなり、35質量部を超えると反射率が低下する。
本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて電気めっきを行うことにより、インジウムの析出電位と銀、コバルトの合金元素の析出電位を近づけることができ、インジウムを40質量%以上80質量%以下、銀を20質量%以上60質量%以下、コバルトを0.01質量%以上5質量%以下含有するインジウム−銀−コバルト合金めっき層を形成することができる。
インジウム−銀−コバルト合金層における銀割合は20質量%以上60質量%以下であり、好ましくは25質量%以上50質量%以下である。銀の含有量が20質量%未満であると、ワイヤーボンディングが打てなくなり、60質量%を超えると反射率が低下する。
インジウム−銀−コバルト合金層におけるコバルトの割合は0.01質量%以上5質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上3質量%以下である。コバルトの含有量が0.01質量%未満であると、ワイヤーボンディング強度が低くなり、5質量%を超えると反射率が低下する。
本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて形成されたインジウム−銀−コバルト合金めっき層は、薄いめっき厚で、剥がれにくく、ワイヤーボンディング性、耐硫化性に優れ、反射率の低下がなく、長寿命化が可能であり、コスト低減と品質向上が可能であり、反射板に有効に用いることができる。
インジウム−銀−コバルト合金めっき液としては、シアン浴、スルファミン酸浴、硫酸浴、スルホン酸浴、各種カルボン酸を錯化剤とする浴等を好適に用いることができるが、浴の安定性からシアン浴を用いることが好ましい。
インジウム塩としては、塩化インジウム、硫酸インジウム、水酸化インジウム、酸化インジウム、スルファミン酸インジウムなどを用いることが出来る。水に対する溶解性の点からは、塩化インジウムが好ましい。
銀塩としては、シアン化銀カリウム、塩化銀、臭化銀、フッ化銀、硝酸銀、スルファミン酸銀などを用いることが出来る。水に対する安定性の点からは、シアン化銀カリウムが好ましい。
コバルト塩としては、硫酸コバルト、塩化コバルト、水酸化コバルト、酢酸コバルトなどを挙げられる。
また、インジウム−銀−コバルト合金めっき液は、第4元素を添加しても良い。第4元素としては、セレン、アンチモン、リン等が挙げられる。
第4元素はインジウム100質量部に対して0.01〜10質量部を塩として含むことが好ましい。
インジウム−銀−コバルト合金めっき液は、更に添加剤として錯化剤を含有することが好ましい。
錯化剤としては、例えば、シアン化カリウム又はシアン化ナトリウム、酒石酸、メタンスルホン酸、EDTAまたはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸、グルコース、クエン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
錯化剤の濃度は、めっき液中5〜500g/Lが好ましく、より好ましくは50〜200g/Lである。
また、界面活性剤、一般的な平滑剤や光沢剤を含有しても差し支えない。ノニオン系界面活性剤はめっき表面を平滑にする働きがある。
合金めっき液に界面活性剤を0.01〜10g/L添加することにより、被処理表面の耐酸化性がよりいっそう向上する。界面活性剤の添加量が0.01g/L未満、あるいは、10g/Lを超えて添加しても耐酸化性の効果が得られない。界面活性剤の添加量は、好ましくは0.1〜10g/Lである。
界面活性剤としては、市販のアニオン系、カチオン系、ノニオン系、及び両性界面活性剤の1種もしくは2種以上を適宜選択して使用することができる。
アニオン系界面活性剤としては、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩型、スルホサクシネート型等が、カチオン系界面活性剤としては、四級アンモニウム塩型、アミン塩型等が、ノニオン系界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、高級アルコールプロピレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、エチレンジアミンのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、高級脂肪族アミンのエチレンオキサイド付加物、脂肪族アミドのエチレンオキサイド付加物等が、両性界面活性剤としては、アミノ酸型、ベタイン型等が好ましい。
本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液のpHは10以上が好ましく、より好ましくは11〜14であり、12〜14が特に好ましい。pHは、下げる必要は無く、上げる場合はKOH、NaOHを添加することが好ましい。
また、前記インジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いてめっきを行う際は、電流密度0.2A/dm2以上で電気めっきし、インジウム−銀−コバルト合金めっき皮膜を析出させることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜40A/dm2の範囲で行うのがより好ましい。0.2A/dm2未満の電流密度ではインジウム、銀、コバルトを共析させることが困難であり、40A/dm2以上の条件でめっきを行うとヤケなどにより反射率が低下する恐れがある。また、めっき浴温度は10〜40℃、電解時間は5秒〜3分が好ましい。
銅もしくは銅合金上に本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて、インジウム−銀−コバルト合金層を設けると、室温で放置することによっても、インジウム−銀−コバルト合金層の表面にインジウムの酸化物層が形成され、インジウム−銀−コバルト合金層中に銅が拡散していく。
インジウムは融点が156.4℃と低く、柔らかい金属であり、熱をかけると溶け易いため、インジウムを多く含有する合金膜を反射板に用いた場合、ワイヤーボンディングが剥がれる等の問題が生じる。しかし、本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて形成されたインジウム−銀−コバルト合金層は、層中に銅が適度に拡散することにより、比較的簡便にインジウム−銀−コバルト合金めっき膜の融点が上がり、更に、融点が上がることにより、WB(wire bonding)のボンディング強度が高くなり、ワイヤーボンディング性が向上する。
前記銅の拡散は、インジウム−銀−コバルト合金膜の融点が180℃以上になるように拡散させることが好ましく、インジウム−銀−コバルト合金膜の融点が180〜300℃となるように拡散させることが好ましい。銅が拡散したインジウム−銀−コバルト合金膜の融点が180℃未満であると、LEDを製造する工程の熱処理(180〜℃)で溶けて、チップやワイヤーボンディングの接合強度が弱くなることが懸念される。また、融点が上がり過ぎると、耐硫化性等が悪くなる。
また、前記該インジウム−銀−コバルト合金層上に酸化物層が形成されることにより、銅の拡散が表面にまで及ぶことを抑制することができ、さらに表面が不活性化し変色を防止することができる。
前記酸化物層の形成、及び銅の拡散は、酸素を含む雰囲気中で加熱することにより、迅速にインジウム−銀−コバルト合金層上に酸化物層を形成し、インジウム−銀−コバルト合金層中に銅を拡散させることができる。
酸素を含む雰囲気中で加熱する酸化処理としては、大気、或いはO2ガスやオゾンガスなどの酸化性ガス雰囲気中で加熱処理することができる。
酸化性ガス雰囲気中、50〜300℃の温度で、好ましくは100〜300℃の温度で、特に好ましくは100〜200℃の温度で、30秒以上、好ましくは1分〜300分、特に好ましくは50〜120分加熱処理を施すことが好ましい。このような製造方法によれば、迅速に銅又は銅合金中の銅がインジウム−銀−コバルト合金層中に拡散すると共に、インジウム−銀−コバルト合金層表面に酸化物層が形成される。
また、前記乾式加熱酸化処理に代えて、湿式酸化処理を用いてもよい、湿式酸化処理としては、水中で煮沸する方法や、適量の酸化剤を添加した水溶液で処理する方法などを使用することができるが、生産性を考慮すると適量の酸化剤を添加した水溶液で処理する方法を使用するのが好ましい。酸化剤としては、硝酸、硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、過硫酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を使用することができる。
前記酸化性ガス雰囲気中で加熱処理する乾式処理は廃液が出ないことから、環境維持の点から好ましい。また、乾式処理は液管理が不要なことから、工程管理が容易となり好ましい。
このような加熱酸化処理により、インジウム−銀−コバルト合金の表面は酸化物層が形成され不活性化し、硫化や塩化、銅の拡散による変色を防止することが可能となる。また、酸化物層表面での可視光の反射率は酸化処理をしない場合と同等であり、懸念された反射率の低下はなく、かつ硫化や塩化による反射率の低下を防ぐことができる。
本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて形成されるインジウム−銀−コバルト合金めっき層は、硫化試験後においても反射率の低下が少なく、反射率70%以上、更には75%以上の良好な反射率を有することができる。
前記インジウム−銀−コバルト合金層は、銅もしくは銅合金基材上に設けることができる。又、銅もしくは銅合金基材上にNiもしくはNi合金膜を形成し、その上に設けてもよい。さらに、Fe合金基材上に設けてもよく、Fe合金基材上にNiもしくはNi合金膜を形成し、その上に設けてもよい。前記NiもしくはNi合金膜はめっきにより設けることが好ましい。
前記銅もしくは銅合金基材を構成する銅合金としては、銅を主成分として50質量%以上含有し、Ni,Si,Fe,Zn,Sn,Mg,P,Cr,Mn,Zr,Ti,Sb等の元素の1種または2種以上を含有する合金、例えばCu−Fe−Zn−P系銅合金が挙げられる。
前記Ni合金としては、Niを主成分として50質量%以上含有し、Co,P,B等の元素の1種または2種以上を含有する合金が挙げられる。
前記Fe合金としては、例えば、Fe−42Ni合金、ステンレス鋼が好ましい。
酸化物層の厚さとしては一分子以上、50nm以下が好ましく、0.001〜0.03μmがより好ましい。酸化物層は強固であり、一分子でも表面に存在することによって良好な特性を発揮することができ、一方、50nmを越えると反射率が減少するおそれがある。
また、インジウム−銀−コバルト合金層と酸化物層の厚さの合計は0.1〜5μmが好ましく、0.5〜1μmがより好ましい。
前記厚さが5μmを超えると、銅が拡散できない酸化物層の厚さが厚くなり、ワイヤーボンディング性が悪くなる。また、0.1μm未満の場合は銅が表面まで拡散するため、熱処理後の反射率が低下することになる。
前記インジウム−銀−コバルト合金層、酸化物層の膜厚はオージェ電子分光法(AES)による深さ方向分析により測定することができる。
また、インジウム−銀−コバルト合金層におけるインジウム、銀、コバルトの含有量は、ICP―MSによる定量により確認することができる。
即ち、銅又は銅合金上に、本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いてインジウム−銀−コバルト合金層を形成し、該インジウム−銀−コバルト合金層表面にその酸化物層を一分子層以上、50nm以下の厚さで形成し、インジウム−銀−コバルト合金層中に銅を拡散させることにより、加熱してもインジウムが溶けにくくなる。また、表面の酸化物層は、銅のバリア層として働き、銅の拡散が防止されるので、反射率の低下を抑制することができる。
従って、本発明のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて、銅又は銅合金上に電気めっきによりインジウム−銀−コバルト合金めっき層を形成し、好ましくは加熱酸化処理により、表面にインジウムの酸化物層を一分子層以上、50nm以下の厚さで形成し、インジウム−銀−コバルト合金めっき層中に銅を拡散させることにより、薄いめっき厚で、剥がれにくく、ワイヤーボンディング性、耐硫化性に優れ、反射率の低下がなく、長寿命化が可能であり、コスト低減と品質向上が可能な反射板を提供することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜5、比較例1〜4
銅基材に下記表に示すインジウム−銀−コバルト合金めっき浴(pHはすべて14)及びめっき条件で電気めっきを行った。次に、下記の条件で酸化処理を行い、酸化物層を形成した。酸化物層を含むインジウム−銀−コバルト合金めっき層の厚さ、酸化物層の厚さをAES(オージェ電子分光法)によるデプスプロファイル分析(アルゴンイオンビームを用いたスパッタリングで、試料表面を物理的にエッチングし、表面元素分析を繰り返し行うことにより、深さ方向の元素分布を調べる)により求めた。また、酸化処理後、硫化処理を行う前後で酸化膜の反射率を測定した。
結果を表に示す。
尚、実施例におけるインジウム−銀−コバルト合金層の合金成分の比率については、ICP−MSによる元素定量分析により測定した。
また、AESにより酸化物層は、インジウムの酸化物層であることを確認した。
酸化処理:熱風循環式乾燥機を用い、大気中で表に記載の温度、時間で加熱した。
硫化試験:
JIS H 8502に基づく硫化水素ガス試験を行い、外観の変化を反射率の変化として評価した。
硫化水素濃度 3ppm
温度 40℃
湿度 80%RH
試験時間 96時間
反射率:
分光光度計(島津製作所製UV-2200)にて、積分球(ISR-2200)を用いて、硫酸Ba粉末標準で、波長450nm、入射角0°にて測定した。
ワイヤーボンディング特性:
ワイヤーボンダー(TPT(Technical Product Trade)製HB 12/14/16)を用い、以下の条件で酸化処理後のインジウム−銀−コバルト合金めっき基板の表面にワイヤーボンディングを打った後、万能型ボンドテスター(Arctek製 SERIES 4000)でワイヤープルテストを行い、ワイヤープル強度を求めた。ワイヤープル強度は20本の平均値を求め、平均値が6g以上を合格とした。
使用ワイヤー: Au 25μmΦ (1 MIL)
ワイヤーボンディング条件:
温度:160℃
Bond Time (ms) 1st 230, 2nd 230
Bond Power (mW) 1st 300, 2nd 200
Bond Force (mN) 1st 300, 2nd 400
ワイヤープル速度:500μm/sec.
評価数:20 wires / each
インジウム−銀−コバルト合金めっき被膜融点:
酸化処理後のインジウム−銀−コバルト合金めっき基板をホットプレート上に置き、被膜が溶融した温度を融点とした。同じ条件でめっきした場合、融点が高いほどCuが拡散していると考えられる。
なお、ホットプレートは10℃ずつ昇温して行き、その都度新しいめっき基板を置くことにより、本試験によるCu拡散の影響を最小限にした。
Figure 2013209707
Figure 2013209707
Figure 2013209707
Figure 2013209707

Claims (4)

  1. インジウム100質量部に対して銀5〜50質量部、コバルト0.5〜35質量部を塩として含有することを特徴とするインジウム−銀−コバルト合金めっき液。
  2. 前記インジウム−銀−コバルト合金めっき液が、銅もしくは銅合金、又はNiもしくはNi合金上にめっきを行うめっき液であることを特徴とする請求項1記載のインジウム−銀−コバルト合金めっき液。
  3. 前記インジウム−銀−コバルト合金めっき液が反射板の製造に用いるめっき液であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインジウム−銀−コバルト合金めっき液。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインジウム−銀−コバルト合金めっき液を用いて得られることを特徴とする反射板。
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