JP2013209337A - メイク落とし用不織布及びメイク落としシート - Google Patents

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【課題】メイク落としシートとして充分な掻き取り性を有するとともに、肌へダメージを与えない低刺激性、使い心地を高めるための肌触りのよさの双方を実現するメイク落とし用不織布及びメイク落としシートを提供する。
【解決手段】内層2の表裏両面に表面層3a,3bを配置した三層構造からなるメイク落とし用不織布1であって、表面層3a,3bの原料繊維として、繊度0.1〜0.8dtexの極細PET繊維7と、5〜20重量%のアクリル・アセテートの分割繊維4を混抄し、内層2と表面層3a,3bをウォータージェットによって絡合させることにより、アクリル・アセテートの分割繊維4を分割してフィブリルを発生させたメイク落とし用不織布を提供する。そして、内層2の原料繊維として、パルプ8とレーヨン9を混抄し、表面層3a,3bの原料繊維として、レーヨン9を混抄する。
【選択図】図3

Description

本発明は、メイク落とし用不織布及びメイク落としシートに関し、特には肌表面から化粧品を確実に掻き落とすことと、肌へのダメージを与えない低刺激性、使い心地を高めるための肌触りのよさの双方を実現するものである。
メイク落としの手段の一つとして、クレンジング剤を肌表面のメイクと馴染ませた後、拭き取る手段が普及している。この手段は化粧品の油分を溶かして落とすためのクレンジングローションやコールドクリームなどのクレンジング剤を肌表面でメイクと馴染ませた後、メイク落としシートを使用して拭き取っている。そして、従来よりメイク落としシートとしてパルプ又はコットンを主体としたシート材が広く使用されている。
また、パルプ又はコットンを主体としたシート材に代えて、肌に付着した汚れや老化角質を効率良く除去し、そのあとにローションを塗布して肌に潤いを与えることを目的として、1mm長さ中にほぼ100乃至3000個という極細の柔らかい刃状部を形成している多角断面極細繊維を含んだ不織布に保湿剤を含んだローションを含浸させた洗顔クリーナーも提供されている(特許文献1)。更に、親水性繊維層の両面に分割型複合繊維を50重量%以上含有する極細繊維層を配することによって、湿潤成分を含浸あるいは吸収させて使用することが容易な対人の清掃、拭き取りにも適用可能な清拭用不織布も提供されている(特許文献2)。
特開平7−250779号公報 特開2001−190469公報
パルプ又はコットンを主体としたシート材は、クレンジング剤と馴染ませたメイクの掻き取り性が悪く、肌から十分に掻き取ることができない。そのため繰り返して拭き取りを行う必要があり、繰り返して拭き取りを行ったとしても結果的にクレンジング剤やメイクが肌に残存してしまうことが多い。クレンジング剤やメイクが肌に残存したり、或いは掻き取り性を補うために肌に必要以上に強く押しつけたりすると肌へダメージを与えてしまう。
一方、特許文献1に示す洗顔クリーナーは、多角断面極細繊維の突部の刃状部によって掃き寄せ機能を付与しているが、突部の刃状部が柔らかいだけでは掻き取り性に欠け、又掃き寄せ機能を高くすると1mm長さ中にほぼ100乃至3000個という多数の突部によって肌がダメージを受けることとなる。
また、特許文献2に示す清拭用不織布は、眼鏡、OA機器、家具、自動車などのガラス製品、セラミック製品、プラスチック製品、金属製品など対物、あるいは皮脂、化粧品、その他の汚れの付着した肌など対人の清掃、拭き取り等の多用途に使用するものであり、特にクレンジング剤と馴染ませたメイクの掻き落としをターゲットにしたものではない。更に、極細繊維層に50%以上含有する分割型複合繊維は、繊維断面において構成成分のうち少なくとも1成分が2個以上に分割する繊維であるが、この分割繊維によってクレンジング剤と馴染ませたメイクの掻き取り性が向上するものではなく、決して肌触りがよいわけでもない。
メイク落としシートには、クレンジング剤と馴染ませたメイクを確実に肌から掻き取る掻き取り性とともに、肌へダメージを与えない低刺激性、使い心地を高めるための肌触りのよさが要求され、更に、掻き取ったクレンジング剤やメイクを含浸・保持するための含浸性,保液性も要求される。掻き取り性を高めるためには、掻き取り性の高い原材料、例えば硬度の高い原材料を使用すればよいが、メイク落としシートとしては肌へのダメージが大きくて到底使用することができない。一方、肌触りのよさを実現するためには細くて柔らかい原料繊維を使用すればよいが、メイク落としシートとしては従来のパルプ又はコットンを主体としたシート材のように掻き取り性に欠ける。
そこで、本発明は上記した従来のメイク落としシートの基材としてのメイク落とし用不織布及びメイク落としシートが有している問題点を解決し、メイク落としシートとして充分な掻き取り性を有するとともに、肌へダメージを与えない低刺激性、使い心地を高めるための肌触りのよさの双方を実現するメイク落とし用不織布及びメイク落としシートを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、内層の表裏両面に表面層を配置した三層構造からなるメイク落とし用不織布であって、表面層の原料繊維として、繊度0.1〜0.8dtexの極細PET繊維と、5〜20重量%のアクリル・アセテートの分割繊維を混抄し、内層と表面層をウォータージェットによって絡合させることにより、アクリル・アセテートの分割繊維を分割してフィブリルを発生させたメイク落とし用不織布を基本として提供する。そして、内層の原料繊維として、パルプとレーヨンを混抄した構成、表面層の原料繊維として、レーヨンを混抄した構成、表面層と内層の原料繊維として混抄したレーヨンによって、ウォータージェットによる原料繊維の交絡を強固にするとともに、含浸性を高めた構成を提供する。
また、表面層に発生したフィブリルによって、化粧品の掻き取り性を付与した構成、表面層の原料繊維として混抄した極細PET繊維によって、表面層に滑らかさを付与した構成、及び表面層の坪量を片面当たり5〜15g/m、内層の坪量を20〜40g/mとした構成を提供する。更に、前記したメイク落とし用不織布をシート状に形成したメイク落としシート、及び前記したメイク落とし用不織布をシート状に形成してクレンジング液を含浸させたメイク落としシートを提供する。
本発明によって得られたメイク落とし用不織布及びメイク落としシートによれば、表面層にアクリル・アセテートの分割繊維を原料繊維として混抄しているため、このアクリル・アセテートの分割繊維からウォータージェットによってフィブリルが発生する。このフィブリルによってクレンジング剤と馴染ませたメイクの肌表面からの掻き取り性が向上し、スムース、かつ、確実に拭き取ることができるため、拭き取り残しがない。また、フィブリルを発生させるためのアクリル・アセテートの分割繊維の配合割合を5〜20重量%としたため、肌にダメージを与えることなく、掻き取り性を向上させることができる。更に、表面層には繊度0.1〜0.8dtexの極細PET繊維を原料繊維として混抄しているため、この極細PET繊維によって、肌へのダメージを与えない低刺激性、使い心地を高めるための肌触りのよさを実現することができる。
一方、内層の表裏両面に表面層を配置する三層構造を採用し、内層の原料繊維として、パルプとレーヨンを混抄することにより、拭き取ったクレンジング剤と馴染ませたメイクを内層に浸透させて、繊維間の間隙に含浸・保持することができる。更に、表面層の原料繊維にもレーヨンを混抄することにより、ウォータージェットによる表面層と内層の一体化、及び肌表面から拭き取ったクレンジング剤と馴染ませたメイクを表面層から内層へスムースに浸透させることができる。
本発明にかかるメイク落とし用不織布の構造を示す断面図。 アクリル・アセテートの分割繊維の断面構造を示す模式図。 本発明にかかるメイク落としシートの作用説明図。
以下本発明にかかるメイク落とし用不織布及びメイク落としシートの実施形態を説明する。図1は本発明にかかるメイク落とし用不織布1の構造を示す断面図である。このメイク落とし用不織布1は、クレンジング剤を肌表面でメイクを馴染ませた後、これを拭き取ってメイク落としをするためのメイク落としシートを製造する基材となるものである。図において、メイク落とし用不織布1は、内層2の表裏両面に表面層3a,3bを配置した三層構造からなる。
内層2は、30〜60重量%のパルプ8(針葉樹木材クラフトパルプ)と、10〜40重量%のレーヨン9(繊度0.4〜1.1dtex×繊維長5〜10mm)を原料繊維として、坪量20〜40g/mに湿式抄紙されている。この内層2は、メイク落とし用不織布1を使用して肌表面を拭き取った後のクレンジング剤と馴染ませたメイクを浸透させて含浸し、内層2内の繊維間の間隙11(図3参照)に保持する機能を有する。
表面層3a,3bは表裏両面を合わせて、15〜45重量%の極細PET繊維7と、5〜20重量%のアクリル・アセテートの分割繊維4と、必要に応じて10〜40重量%のレーヨン9(繊度0.4〜1.1dtex×繊維長5〜10mm)を原料として、坪量10〜30g/m(片面当たり5〜15g/m)に湿式抄紙されている。よって、表面層3a,3bの片面当たりの原料繊維の配合割合は、前記数値の1/2となる。なお、表面層3a,3bは同じ配合とすることが、使い勝手を高めるために好ましいが、表面層3a,3bにおいて原料繊維や坪量を変化させてもよい。
極細PET繊維7として繊度0.1〜0.8dtex×繊維長5〜10mmの繊維を使用する。この極細PET繊維7を混抄することによって、表面層3a,3bに肌触りのよさと滑らかさを付与することができる。
アクリル・アセテートの分割繊維4は、主成分ポリアクリロニトリルとジアセテート(酢酸セルロース)とをブレンドした紡糸法によって製造された叩解割繊タイプの繊維である。図2はアクリル・アセテートの分割繊維4の断面構造を示す模式図であり、図において5はアセテート繊維を、6はアクリル繊維を示しており、海に例えられるアクリル繊維6の中に不連続的に島に例えられるアセテート繊維5が混在している海島構造を有しており、アクリル繊維6とアセテート繊維5は分割可能である。そのため、叩解性に優れており、ビーターやリファイナー等の叩解機によって、ミクロ相分離現象を生じ、界面で容易に細分化され、フィブリル(筋状の細い繊維)が発生する。フィブリルの細い部分は、約1000分の1デニール(繊維径0.3μm)となる。このアクリル・アセテートの分割繊維4は繊度1.2〜3.3dtex×繊維長3.6〜10mmの繊維を使用する。
アクリル・アセテートの分割繊維4の配合割合は、表面層3a,3bの二層を合計して、5〜20重量%とする。5重量%未満では、アクリル・アセテートの分割繊維4の掻き取り性を発揮することができず、又20重量%を超えると、掻き取り性は向上するが肌へのダメージが大きくなり、メイク落としには適さないためである。
表面層3a,3bの原料繊維に混抄するレーヨン9は、内層2の原料繊維としてのレーヨン9と同一の繊度0.4〜1.1dtex×繊維長5〜10mmのレーヨンを使用すればよい。なお、繊維長は任意に選択すればよく、特に限定はない。これらの内層2及び表面層3a,3bの原料繊維の構成をまとめると表1に示すとおりである。
Figure 2013209337
湿式抄紙した内層2の表裏両面に、同様に湿式抄紙した表面層3a,3bを抄紙機上で重ね合わせた後、ウォータージェットによって内層2及び表面層3a,3b内の繊維及び内層2と表面層3a,3b間の繊維を相互に絡合させて一体化させる。このウォータージェットによって、図2に示すように海島構造を有するアクリル・アセテートの分割繊維4が、アクリル繊維6とアセテート繊維5に分割されて、それぞれ微少なフィブリルが発生する。このフィブリルが肌表面でクレンジング剤と馴染ませたメイクの掻き取り性を高める。
ウォータージェットにおける水の圧力、ノズル径、ノズルのピッチ、時間等の設定は得ようとする原料繊維の交絡の程度、フィブリルの発生具合に応じて適宜設定すればよい。
本発明では、内層2と表面層3a,3bの双方の原料繊維としてレーヨン9を混抄しているため、このレーヨンが内層2及び表面層3a,3b内の繊維及び内層2と表面層3a,3b間の原料繊維を効果的に絡合させる作用を果たすとともに、クレンジング剤等の薬液の含浸性や保液性、更には拭き取ったクレンジング剤と馴染ませたメイクを内層2の繊維間の間隙11に効果的に保持することができる。
そして、メイク落とし用不織布1を所定のシート状にカットして所定サイズのシート状に形成したメイク落としシートを製造する。更に、上記した構成のメイク落とし用不織布1を所定のシート状にカットしてシート状に形成した後に、所定のクレンジング液を含浸させてメイク落としシートを製造する。よって、本発明のメイク落とし用不織布1は、予めクレンジング液を含浸させないドライタイプのメイク落としシートにも、予めクレンジング液を含浸させたウェットタイプのメイク落としシートの双方の原紙として使用することができる。
上記した構成のメイク落とし用不織布1及びメイク落とし用不織布1から製造したメイク落としシートは次の特徴を有する。先ず第1の特徴は、内層2と、内層2の表裏両面に配置した表面層3a,3bからなる三層構造とすることにより、メイク落とし用不織布1に要求される機能・特性を内層2と表面層3a,3bによって、分担させたことである。即ち、内層2は、クレンジング剤と馴染ませたメイクを浸透させて、繊維間の間隙11に含浸・保持する機能を有する。一方、表面層3a,3bは、クレンジング剤と馴染ませたメイクの肌表面からの掻き取り性を向上させると同時に肌触りのよさを実現し、肌へダメージを与えない機能を有する。
第2の特徴は、表面層3a,3bの掻き取り性を向上させるために、内層2と表面層3a,3bをウォータージェットによって絡合させることにより、表面層3a,3bの原料繊維であるアクリル・アセテートの分割繊維からフィブリルを発生させ、該フィブリルによって肌表面からクレンジング剤と馴染ませたメイクを掻き取ることによって、掻き取り性を向上させ、拭き取り残しがなく、スムース、かつ、確実に拭き取れるようにしたことである。
第3の特徴は、表面層3a,3bの掻き取り性を向上させるとともに、同時に極細PET繊維による肌触りのよさ,肌へダメージを与えない肌への優しさを実現し、掻き取り性と肌触りのよさの双方を実現したことである。そのために、掻き取り性を実現するための繊維(アクリル・アセテートの分割繊維)と、肌触りのよさを実現するための繊維(極細PET繊維,レーヨン)それぞれを目的を有する原料繊維として混抄したことである。
次に、メイク落とし用不織布1から製造した所定サイズのメイク落としシート12を使用して、メイク落としをする際の作用を図3に基づき説明する。図3において、クレンジング剤を肌表面13でメイクと馴染ませる。クレンジング剤は予めメイク落としシート12に含浸させるか、使用時にメイク落としシート12に含浸させて使用する。そして、指14でメイク落としシート12を保持して肌表面13からクレンジング剤と馴染ませたメイク15を拭き取る。このとき、クレンジング剤と馴染ませたメイク15は、アクリル・アセテートの分割繊維4のフィブリルによって掻き取られ、メイク落としシート12の表面層3a,3bから内層2に浸透し、内層2間の間隙11に含浸・保持される。このように、アクリル・アセテートの分割繊維4のフィブリルによって、クレンジング剤と馴染ませたメイク15の掻き取り性が向上し、確実に掻き取ることができる。
更に、表面層3a,3bにおける原料繊維であるアクリル・アセテートの分割繊維4の配合割合を5〜20重量%に調節するとともに、繊度0.1〜0.8dtexの極細PET繊維7を混抄している。拭き取り時において肌表面には、極細PET繊維7も接触するため、肌触りがよく、肌への刺激が少ない。そのため、メイク落としシート12として充分な掻き取り性を有するとともに、肌へダメージを与えない低刺激性、使い心地を高めるための肌触りのよさの双方を実現することができる。
実施例1として、パルプ40重量%、繊度1.1dtex×繊維長7mmのレーヨン15重量%の原料繊維を使用して、坪量25g/mの内層2を湿式抄紙した。また、繊度0.6dtex×繊維長10mmの極細PET繊維20重量%,繊度1.2dtex×繊維長6mmのアクリル・アセテートの分割繊維5重量%,繊度1.1dtex×繊維長7mmのレーヨン20重量%の原料繊維を1/2ずつ使用して、それぞれ坪量10g/mの表面層3a,3bを湿式抄紙した。そして、内層2の表裏両面に表面層3a,3bを配置し、ウォータージェットによって、原料繊維を内層2内,表面層3a,3b及び内層2と表面層3a,3b間において相互に絡合して、メイク落とし用不織布1を製造した。
実施例2として、表面層3a,3bにおける極細PET繊維の配合割合を15重量%,アクリル・アセテートの分割繊維の配合割合を15重量%,レーヨンの配合割合を15重量%に変更した他は、実施例1と同様の原料を使用して、同一の方法でメイク落とし用不織布1を製造した。
実施例3として、パルプ30重量%、繊度1.1dtex×繊維長7mmのレーヨン15重量%の原料繊維を使用して、坪量21g/mの内層2を湿式抄紙した。また、繊度0.6dtex×繊維長10mmの極細PET繊維20重量%,繊度1.2dtex×繊維長6mmのアクリル・アセテートの分割繊維20重量%,繊度1.1dtex×繊維長7mmのレーヨン15重量%の原料繊維を1/2ずつ使用して、それぞれ坪量12g/mの表面層3a,3bを湿式抄紙した。そして、内層2の表裏両面に表面層3a,3bを配置し、ウォータージェットによって、原料繊維を内層2内,表面層3a,3b及び内層2と表面層3a,3b間において相互に絡合して、メイク落とし用不織布1を製造した。
比較例1として、パルプ25重量%、繊度1.1dtex×繊維長7mmのレーヨン15重量%の原料繊維を使用して、坪量20g/mの内層2を湿式抄紙した。また、繊度0.6dtex×繊維長10mmの極細PET繊維20重量%,繊度1.2dtex×繊維長6mmのアクリル・アセテートの分割繊維25重量%,繊度1.1dtex×繊維長7mmのレーヨン15重量%の原料繊維を1/2ずつ使用して、それぞれ坪量15g/mの表面層3a,3bを湿式抄紙した。そして、内層2の表裏両面に表面層3a,3bを配置し、ウォータージェットによって、原料繊維を内層2内,表面層3a,3b及び内層2と表面層3a,3b間において相互に絡合して、メイク落とし用不織布1を製造した。
Figure 2013209337
実施例1〜3及び比較例1のメイク落とし用不織布1を80mm×200mmのサイズにカットしてメイク落としシートを製造した。20歳から50歳の女性50人に同一のファンデーションを使用しておおよそ同一の厚さとなるように化粧をしてもらい、メイク落としシートに同一のクレンジング剤5ccを含浸させて、肌触りのよさ,肌への優しさ(低刺激性),掻き取り性の各項目について○,△,×の3段階で評価してもらった。その結果を表3に示す。
Figure 2013209337
実施例1によれば、メイク落としシートに求められるクレンジング剤と馴染ませたメイクを確実に肌から落とすための「掻き取り性」とともに、肌へダメージを与えない「肌への優しさ(低刺激性)」、使い心地を高めるための「肌触りのよさ」の全てをバランスよく充足することができる。アクリル・アセテートの分割繊維の配合割合を20重量%とした実施例3では、「肌への優しさ」が実施例1,2よりも低評価であったが、ヒリヒリ感は指摘されていない。一方、アクリル・アセテートの分割繊維の配合割合を25重量%迄増加させた比較例1では、「掻き取り性」は良好なものの肌へのヒリヒリ感があり、「肌触りのよさ」も実施例1〜3に劣った。よって、掻き取り性を高めるためのアクリル・アセテートの分割繊維の配合割合は20重量%までとすることが適当である。また、コットン100%からなる従来のメイク落としシートは肌への刺激は少ないものの、掻き取り性が十分ではなく、肌触りも好ましいものではなかった。
本発明によって得られたメイク落とし用不織布及びメイク落としシートによれば、表面層にアクリル・アセテートの分割繊維を原料繊維として混抄しているため、このアクリル・アセテートの分割繊維からウォータージェットによってフィブリルが発生する。このフィブリルによってクレンジング剤と馴染ませたメイクの肌表面からの掻き取り性が向上し、スムース、かつ、確実に拭き取ることができるため、拭き取り残しがない。また、フィブリルを発生させるためのアクリル・アセテートの分割繊維の配合割合を5〜20重量%としたため、肌にダメージを与えることなく、掻き取り性を向上させることができる。更に、表面層には繊度0.1〜0.8dtexの極細PET繊維を原料繊維として混抄しているため、この極細PET繊維によって、肌へのダメージを与えない低刺激性、使い心地を高めるための肌触りのよさを実現することができる。
一方、内層の表裏両面に表面層を配置する三層構造を採用し、内層の原料繊維として、パルプとレーヨンを混抄することにより、拭き取ったクレンジング剤と馴染ませたメイクを内層に浸透させて、繊維間の間隙に含浸・保持することができる。更に、表面層の原料繊維にもレーヨンを混抄することにより、ウォータージェットによる表面層と内層の一体化、及び肌表面から拭き取ったクレンジング剤と馴染ませたメイクを表面層から内層へスムースに浸透させることができる。
1…メイク落とし用不織布
2…内層
3a,3b…表面層
4…アクリル・アセテートの分割繊維
5…アセテート繊維
6…アクリル繊維
7…極細PET繊維
8…パルプ
9…レーヨン
11…間隙
12…メイク落としシート
13…肌表面
14…指
15…クレンジング剤と馴染ませたメイク

Claims (9)

  1. 内層の表裏両面に表面層を配置した三層構造からなるメイク落とし用不織布であって、
    表面層の原料繊維として、繊度0.1〜0.8dtexの極細PET繊維と、5〜20重量%のアクリル・アセテートの分割繊維を混抄し、内層と表面層をウォータージェットによって絡合させることにより、アクリル・アセテートの分割繊維を分割してフィブリルを発生させたことを特徴とするメイク落とし用不織布。
  2. 内層の原料繊維として、パルプとレーヨンを混抄した請求項1記載のメイク落とし用不織布。
  3. 表面層の原料繊維として、レーヨンを混抄した請求項1又は2記載のメイク落とし用不織布。
  4. 表面層と内層の原料繊維として混抄したレーヨンによって、ウォータージェットによる原料繊維の交絡を強固にするとともに、含浸性を高めた請求項2又は3記載のメイク落とし用不織布。
  5. 表面層に発生したフィブリルによって、化粧品の掻き取り性を付与した請求項1,2,3又は4記載のメイク落とし用不織布。
  6. 表面層の原料繊維として混抄した極細PET繊維によって、表面層に滑らかさを付与した請求項1,2,3,4又は5記載のメイク落とし用不織布。
  7. 表面層の坪量を片面当たり5〜15g/m、内層の坪量を20〜40g/mとした請求項1,2,3,4,5又は6記載のメイク落とし用不織布。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載したメイク落とし用不織布をシート状に形成したメイク落としシート。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載したメイク落とし用不織布をシート状に形成してクレンジング液を含浸させたメイク落としシート。
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