JP2013206490A - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法 - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性接着剤とサスペンション用基板の接続構造領域との接合信頼性を向上させて、アクチュエータ素子との電気的な接続の信頼性を向上させることができるサスペンション用基板を提供する。
【解決手段】本発明によるサスペンション用基板1は、絶縁層10と、絶縁層10のアクチュエータ素子44の側の面に設けられた金属支持層11と、絶縁層10のアクチュエータ素子44とは反対側の面に設けられた配線層12であって、複数の配線13bと、接続構造領域3に設けられ、対応する配線13bに接続されると共にアクチュエータ素子44に導電性接着剤を介して電気的に接続される配線接続部16と、を有する配線層12と、を備えている。金属支持層11のアクチュエータ素子44の側の面に、導電性接着剤に接合される金めっき層84が設けられている。金めっき層84の外周縁84aに、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部85が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法に係り、とりわけ、導電性接着剤とサスペンション用基板の接続構造領域との接合信頼性を向上させて、アクチュエータ素子との電気的な接続の信頼性を向上させることができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法に関する。
一般に、ハードディスクドライブ(HDD)は、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込みおよび読み取りを行う磁気ヘッドスライダが実装されたサスペンション用基板を備えている。このサスペンション用基板は、金属支持層と、金属支持層に絶縁層を介して積層された複数の配線を有する配線層と、を備えており、各配線に電気信号を流すことにより、ディスクに対してデータの書き込みまたは読み取りを行うようになっている。
このようなハードディスクドライブにおいては、ディスク上の所望のデータトラックに磁気ヘッドスライダを移動させるために、磁気ヘッドスライダを支持するアクチュエータアームを回転させるVCMアクチュエータ(例えば、ボイスコイルモータ)を、サーボコントロールシステムによって制御している。
ところで、近年、ディスクの高密度化により、トラックの幅が小さくなっている。このため、VCMアクチュエータによって、磁気ヘッドスライダを所望のトラックに精度良く位置合わせすることが困難な場合がある。
このことに対処するために、VCMアクチュエータとPZTマイクロアクチュエータ(Dual Stage Actuator:DSA)とを協働させて、所望のトラックに磁気ヘッドスライダを移動させるデュアルアクチュエータ方式のサスペンションが知られている(例えば、特許文献1参照)。このPZTマイクロアクチュエータは、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる圧電素子等のピエゾ素子により構成され、電圧が印加されることにより伸縮し、磁気ヘッドスライダを微小に移動させるようになっている。このようなデュアルアクチュエータ方式のサスペンションにおいては、VCMアクチュエータが、磁気ヘッドスライダの位置を大まかに調整し、PZTマイクロアクチュエータが、磁気ヘッドスライダの位置を微小調整する。このようにして、磁気ヘッドスライダを、所望のトラックに、迅速に、かつ精度良く位置合わせするようになっている。
特許文献1に示すサスペンション用基板においては、圧電素子に給電するための端子部において電気絶縁層に貫通孔が設けられて銅の端子が露出され、電気絶縁層の圧電素子側の面にステンレスリングが設けられている。ステンレスリングの内部に液状の導電性接着剤を注入することにより、導電性接着剤が銅の端子および圧電素子に接合されて、圧電素子が銅の端子に電気的に接続されるようになっている。
特開2011−238860号公報
しかしながら、導電性接着剤とステンレスリングとの接合面積は、スペースの都合により限られてしまう。このことにより、導電性接着剤とステンレスリングとの接合強度を向上させて、圧電素子とサスペンション用基板との電気的な接続の信頼性を向上させることが困難になっているという問題がある。
ところで、サスペンション用基板の銅の端子と圧電素子とを接合するための導電性接着剤には、以下のような理由から、銀ペーストを用いることが主流になっている。すなわち、圧電素子の電極としては、一般的に、銀または金が用いられているが、このような金属は、半田に含まれている錫に対して可溶性を有している。このため、半田付けの作業時間が長くなると、電極の銀または金が半田の中に溶け込み、圧電素子の電極が消失される。電極の消失を防止するためには、数%の金または銀を半田に含有させる対策が挙げられるが、このような対策を行った場合であっても、電極の消失を完全に防ぐことは困難である。また、半田付け作業時の温度上昇により、消極(Depolarization)を引き起こす可能性がある。このような観点から、錫に対して可溶性ではなく、かつ、接着温度が低い銀ペーストが用いられている。
銀ペーストには、接合性が要求されることはもちろんのこと、消極の防止を目的として低いガラス転移温度が要求されると共に、圧電素子の伸縮に対して効果的にスライダを変位させることを目的として低い弾性率が要求される。ところで、銀ペーストの導電性を向上させるためには銀フィラーの含有量を増大させることが有効と考えられるが、銀フィラーの含有量を増大させた場合、銀ペーストのガラス転移温度が高くなるという問題がある。また、銀ペーストの接合性を向上させるためには銀フィラーを微細化することが有効と考えられるが、銀フィラーを微細化した場合、銀ペーストの弾性率が高くなるという問題がある。これらのことから、導電性接着剤としての銀ペーストを改良することにより、銀ペーストとサスペンション用基板の端子との導電性および接合性を向上させることは困難である。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、導電性接着剤とサスペンション用基板の接続構造領域との接合信頼性を向上させて、アクチュエータ素子との電気的な接続の信頼性を向上させることができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1の解決手段として、アクチュエータ素子に導電性粒子を含む導電性接着剤を介して接続可能な接続構造領域を有するサスペンション用基板において、絶縁層と、前記絶縁層の前記アクチュエータ素子の側の面に設けられた金属支持層と、前記絶縁層の前記アクチュエータ素子とは反対側の面に設けられた配線層であって、複数の配線と、前記接続構造領域に設けられ、対応する前記配線に接続されると共に前記アクチュエータ素子に前記導電性接着剤を介して電気的に接続される配線接続部と、を有する前記配線層と、を備え、前記金属支持層の前記アクチュエータ素子の側の面に、前記導電性接着剤に接合される金めっき層が設けられ、前記金めっき層は、その外周縁に設けられた、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部を有していることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
なお、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において前記接続構造領域において、前記金属支持層を貫通する金属支持層貫通孔と、前記絶縁層を貫通する絶縁層貫通孔と、を有し、前記配線層の前記アクチュエータ素子の側の面を露出させ、少なくとも一部に前記導電性接着剤が注入される注入孔が設けられている、ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記金めっき層は、平面視で前記注入孔を囲むようにリング状に形成され、前記金めっき層は、その内周面に設けられた、平面視で凹凸状に形成された内周縁凹凸部を有しているようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記配線接続部と前記金属支持層とは、前記絶縁層を貫通する導電接続部によって接続されているようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記配線接続部の前記アクチュエータ素子の側の面は、前記絶縁層および前記金属支持層によって覆われているようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記金めっき層は、平面視で円形状に形成されているようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記金めっき層は、平面視でリング状に形成され、前記金めっき層は、その内周面に設けられた、平面視で凹凸状に形成された内周縁凹凸部を有しているようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記接続構造領域において、前記金属支持層を貫通する金属支持層貫通孔と、前記絶縁層を貫通する絶縁層貫通孔と、を有し、前記配線層の前記アクチュエータ素子の側の面を露出させ、少なくとも一部に前記導電性接着剤が注入される注入孔が設けられているようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記金属支持層は、前記金属支持層貫通孔を画定する貫通孔画定面を有し、前記金めっき層は、前記貫通孔画定面に延びているようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記金めっき層は、平面視で前記注入孔を囲むようにリング状に形成され、前記金めっき層は、その内周縁に設けられた、平面視で凹凸状に形成された内周縁凹凸部を有しているようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記外周縁凹凸部の凹凸高さは、0.0015mm〜0.0200mmであるようにしてもよい。
また、本発明は、第2の解決手段として、アクチュエータ素子に導電性粒子を含む導電性接着剤を介して接続可能な接続構造領域を有するサスペンション用基板において、 絶縁層と、前記絶縁層の前記アクチュエータ素子の側の面に設けられた金属支持層と、前記絶縁層の前記アクチュエータ素子とは反対側の面に設けられた配線層であって、複数の配線と、前記接続構造領域に設けられ、対応する前記配線に接続されると共に前記アクチュエータ素子に前記導電性接着剤を介して電気的に接続される配線接続部と、を有する前記配線層と、を備え、前記接続構造領域において、前記金属支持層を貫通する金属支持層貫通孔と、前記絶縁層を貫通する絶縁層貫通孔と、を有し、前記配線層の前記アクチュエータ素子の側の面を露出させ、少なくとも一部に前記導電性接着剤が注入される注入孔が設けられ、前記注入孔により露出された前記配線接続部の面に、前記導電性接着剤に接合される金めっき層が設けられ、前記金めっき層は、その外周面に設けられた、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部を有していることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
なお、上述した第2の解決手段によるサスペンション用基板において、前記配線接続部と前記金めっき層との間に、ニッケルめっき層が介在され、前記ニッケルめっき層は、前記注入孔により露出された前記配線接続部の面の全体を覆っているようにしてもよい。
また、上述した第2の解決手段によるサスペンション用基板において、前記外周縁凹凸部の凹凸高さは、0.0015mm〜0.0200mmであるようにしてもよい。
本発明は、ベースプレートと、前記ベースプレートに、ロードビームを介して取り付けられた上述のサスペンション用基板と、前記ベースプレートおよび前記ロードビームの少なくとも一方に接合されると共に、前記サスペンション用基板の前記接続構造領域に前記導電性接着剤を介して接続された前記アクチュエータ素子と、を備えたことを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明は、上述のサスペンションと、前記サスペンションに実装されたヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンションを提供する。
本発明は、上述のヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明は、第3の解決手段として、アクチュエータ素子に導電性粒子を含む導電性接着剤を介して接続可能な接続構造領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、絶縁層と、前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層と、を有する積層体を準備する工程と、前記配線層において、複数の配線と、前記接続構造領域に設けられ、対応する前記配線に接続されると共に、前記アクチュエータ素子に前記導電性接着剤を介して電気的に接続される配線接続部と、を形成する工程と、前記金属支持層の前記アクチュエータ素子の側の面に、前記導電性接着剤に接合される金めっき層を形成する工程と、を備え、前記金めっき層を形成する工程において、前記金属支持層の前記アクチュエータ素子の側の面に、レジスト開口の周縁が平面視で凹凸状に形成されたレジスト凹凸部を有するレジストを用いて金めっきが施され、このことにより、形成された前記金めっき層の外周縁に、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部が形成されることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法を提供する。
本発明は、第4の解決手段として、アクチュエータ素子に導電性粒子を含む導電性接着剤を介して接続可能な接続構造領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、絶縁層と、前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層と、を有する積層体を準備する工程と、前記配線層において、複数の配線と、前記接続構造領域に設けられ、対応する前記配線に接続されると共に、前記アクチュエータ素子に前記導電性接着剤を介して電気的に接続される配線接続部と、を形成する工程と、前記金属支持層において、前記接続構造領域に設けられ、当該金属支持層を貫通する金属支持層貫通孔を形成する工程と、前記絶縁層において、当該絶縁層を貫通する絶縁層貫通孔であって、前記金属支持層貫通孔と共に、前記配線接続部の前記アクチュエータ素子の側の面を露出させ、少なくとも一部に前記導電性接着剤が注入される注入孔を構成する前記絶縁層貫通孔を形成する工程と、前記注入孔により露出された前記配線接続部の面に、前記導電性接着剤に接合される金めっき層を形成する工程と、を備え、前記金めっき層を形成する工程において、前記配線接続部の前記アクチュエータ素子の側の面に、レジスト開口の周縁が平面視で凹凸状に形成されたレジスト凹凸部を有するレジストを用いて金めっきが施され、このことにより、形成された前記金めっき層の外周縁に、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部が形成されることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、導電性接着剤とサスペンション用基板の接続構造領域との接合信頼性を向上させて、アクチュエータ素子との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板の一例を示す平面図である。 図2は、図1のサスペンション用基板における接続構造領域の断面を示す図である。 図3は、図2のA方向からみた接合用金めっき層の平面図である。 図4は、図3のB部におけるめっき層の外周縁を拡大して示す写真である。 図5は、接合用金めっき層の外周縁を拡大して示す平面図である。 図6は、銀ペーストを示す断面写真である。 図7は、低温焼結後の銀ペーストに含まれる銀フィラーの長さを示すグラフである。 図8は、本発明の実施の形態におけるサスペンションの一例を示す平面図である。 図9は、図8のサスペンションの一部を示す裏面図である。 図10は、図8のサスペンションにおけるピエゾ素子の一例を示す斜視図である。 図11は、図8のサスペンションにおいて、接続構造領域の断面を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態におけるヘッド付サスペンションの一例を示す平面図である。 図13は、本発明の実施の形態におけるハードディスクドライブの一例を示す斜視図である。 図14(a)〜(g)は、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法を示す図である。 図15(a)〜(c)は、図14(e)、(f)のめっき処理時に使用されるレジストを形成する方法を示す図である。 図16は、レジストのレジスト開口の周縁を拡大して示す平面図である。 図17は、接続構造領域の変形例(変形例1)を示す断面図である。 図18は、接続構造領域の変形例(変形例2)を示す断面図である。 図19は、図18のC方向からみた接合用金めっき層の平面図である。 図20は、接続構造領域の変形例(変形例3)を示す断面図である。 図21は、接続構造領域の変形例(変形例4)を示す断面図である。 図22は、図21のD方向から見た接合用金めっき層の平面図である。 図23は、接合用金めっき層の変形例(変形例5)を示す平面図である。 図24は、接続構造領域の変形例(変形例6)を示す断面図である。 図25は、接続構造領域の変形例(変形例7)を示す断面図である。 図26は、サスペンション用基板の製造方法の変形例(変形例8)を示す露光マスクを部分的に拡大した平面図である。
図1乃至図16を用いて、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1に示すように、サスペンション用基板1は、基板本体領域2と、一対のピエゾ素子(アクチュエータ素子、図8参照)44に導電性粒子を含む導電性接着剤(例えば、銀ペースト)を介して接続可能な接続構造領域3と、を有している。このうち基板本体領域2は、後述のヘッドスライダ52(図12参照)が実装されるヘッド領域2aと、FPC基板(外部機器、図12参照)71が接続されるテール領域2bと、を有している。ヘッド領域2aには、ヘッドスライダ52に接続される複数のヘッド端子5が設けられ、テール領域2bには、FPC基板71に接続される複数のテール端子(外部機器接続端子)6が設けられており、ヘッド端子5とテール端子6とが、後述する信号配線13aを介してそれぞれ接続されている。また、一対の接続構造領域3は、基板本体領域2の両側方に配置されており、連結領域4を介して基板本体領域2に連結されている。
図1および図2に示すように、サスペンション用基板1は、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面(接続されるピエゾ素子44の側の面)に設けられた金属支持層11と、絶縁層10の他方の面(ピエゾ素子44とは反対側の面)に設けられ、複数の配線13a、13b、13cを有する配線層12と、を備えている。なお、図示しないが、絶縁層10と配線層12との間に、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、銅(Cu)からなり、約300nm厚さを有するシード層が介在されており、絶縁層10と配線層12との密着性を向上させている。
図1に示すように、複数の配線は、一対の読取配線と一対の書込配線とを含む信号配線13aと、ピエゾ素子44に接続される一対の素子配線13bと、を含んでいる。このうち一対の素子配線13bは、金属支持層11の金属支持配線部分11bを介して、互いに電気的に接続されている。この金属支持層11の金属支持配線部分11bは、金属支持層11の本体部分11aから分離されて島状に形成されており、当該本体部分11aとは電気的に絶縁されるようになっている。また、金属支持層11の金属支持配線部分11bと素子配線13bとは、絶縁層10を貫通する配線ビア27によって互いに電気的に接続されている。このようにして、ピエゾ素子44から延びる2つの素子配線13bは、基板本体領域2にて合流し、テール領域2bに設けられた対応する一のテール端子6に接続されるようになっている。このことにより、一対のピエゾ素子44に印加される電圧を均等にして、各ピエゾ素子44の伸縮量の精度を向上させている。
また、ヘッド領域2aには、接地用のヘッド端子5の接地をとるための接地ビア28が設けられている。この接地ビア28は、接地配線13cを介して接地用のヘッド端子5に接続されており、絶縁層10を貫通して、接地用のヘッド端子5と金属支持層11の本体部分11aとを電気的に接続している。
図1および図2に示すように、配線層12は、各接続構造領域3に設けられた配線接続部16を有している。各配線接続部16は、対応する素子配線13bに接続されると共に、ピエゾ素子44に導電性接着剤を介して電気的に接続されるようになっている。
金属支持層11は、接続構造領域3に設けられたリング状の金属枠体部17を有している。金属枠体部17は、図1に示すように、島状に形成されており、基板本体領域2における金属支持層11の本体部分11aとは分離されて電気的に絶縁されている。また、絶縁層10は、接続構造領域3に設けられたリング状の絶縁枠体部18を有している。
金属支持層11の金属枠体部17は、当該金属枠体部17を貫通する金属支持層貫通孔31aを形成している。また、絶縁層10の絶縁枠体部18は、金属支持層貫通孔31aに対応して、当該絶縁枠体部18を貫通する絶縁層貫通孔31bを形成している。このようにして、配線層12の配線接続部16のピエゾ素子44側の面が、金属支持層貫通孔31aおよび絶縁層貫通孔31bにより露出されるようになっている。すなわち、金属支持層貫通孔31aおよび絶縁層貫通孔31bにより、配線接続部16のピエゾ素子44の側の面を露出させる注入孔31が構成されている。そして、本実施の形態においては、配線接続部16は、絶縁層貫通孔31b上に設けられており、注入孔31の金属支持層貫通孔31aおよび絶縁層貫通孔31bに、導電性接着剤が注入されるようになっている。
配線接続部16の絶縁層貫通孔31bにおいて露出された面に、ニッケル(Ni)めっきおよび金(Au)めっきが順次施されて、接続用めっき層32が形成されている。この接続用めっき層32は、配線接続部16上に設けられた接続用ニッケルめっき層33と、接続用ニッケルめっき層33上に設けられた接続用金めっき層34と、を有している。このうち接続用ニッケルめっき層33の厚さは、0.3μm〜4.0μm、接続用金めっき層34の厚さは、0.5μm〜3.0μmであることが好適である。
図2および図3に示すように、金属枠体部17のピエゾ素子44の側の面(図2における下面)に、ニッケルめっきおよび金めっきが順次施されて、接合用めっき層82が設けられている。この接合用めっき層82は、金属枠体部17上に設けられた接合用ニッケルめっき層83と、接合用ニッケルめっき層83上に設けられた接合用金めっき層84と、を有している。このうち接合用金めっき層84は、後述するように、ピエゾ素子44に接合される導電性接着剤に接合されるようになっている(図11参照)。なお、これら接合用ニッケルめっき層83の厚さおよび接合用金めっき層84の厚さは、上述した接続用ニッケルめっき層33および接続用金めっき層34の厚さとそれぞれ同様であることが好ましい。
金属支持層11の金属枠体部17は、金属支持層貫通孔31aを画定する貫通孔画定面17aを有している。上述した接合用金めっき層84を含む接合用めっき層82は、貫通孔画定面17aに延び、絶縁層10の絶縁枠体部18に達するようにしてもよい。また、接合用めっき層82の外径は、金属枠体部17の外径より小さくなっており、金属枠体部17の外周側領域が露出されるようになっている。
図4および図5に示すように、接合用金めっき層84は、その外周縁84aに設けられた、平面視で凹凸状に形成された(好適には複数の)外周縁凹凸部85を有している。各外周縁凹凸部85は、平面視で内側に凹む外周縁凹部85aと、平面視で外側に突出する外周縁凸部85bと、を含み、後述する銀フィラー49bが入り込むことができるように平面視で凹凸状に形成されている。また、本実施の形態においては、接合用ニッケルめっき層83の外周縁も、接合用金めっき層84と同様の形状で、平面視で凹凸状に形成されている。このことにより、銀フィラー49が、接合用ニッケルめっき層83の外周縁の凹凸に入り込んで接触することができる。ここで、平面視とは、金属支持層11と絶縁層10と配線層12とが積層された積層方向から見た状態、より具体的には、図3に示された状態を意味する。
ところで、図6および図7に示すように、導電性接着剤には、銀ペースト49を用いることが好適である。銀ペースト49は、例えばエポキシ樹脂などのバインダー基材49aと、銀コロイドと、銀フィラー(導電性粒子)49bとを混合させたものであり、塗布後に例えば、150℃〜350℃程度の温度で加熱して低温焼結させることにより、銀コロイドが銀粒子化して銀フィラー49bとなるものである。このため、焼結後の銀ペースト49内に存在する銀フィラー49bは、その多くが小さくなっている。その様子が図6に示され、図6に示された断面写真から得られる銀フィラー49bの大きさが図7に示されている。なお、図6は、銀ペースト49として、エイブルスティック社/ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・カンパニー製の「ABLEBOND 2030SC」の商標名で市販される導電性エポキシ樹脂を使用し、窒素(N)雰囲気の炉内に収容し、150℃で60分加熱して硬化させることにより低温焼結させた場合の銀ペースト49の断面を示しており、図6において黒く見える部分がバインダー基材49aに相当し、白く見える部分が銀フィラー49bに相当している。また、図7における銀フィラー49bの長さとは、銀フィラー49bの最大外形寸法を示している。
図7に示されているように、多くの銀フィラー49bは、その長さが0.015mm以下となっている。このことから、外周縁凹凸部85の凹凸高さH1(凹凸距離、図5参照)は、0.0015mm〜0.0200mm、とりわけ、0.0015mm〜0.0100mmであることが好ましい。このように凹凸高さを0.0015mm以上とすることにより、銀フィラー49bを接合用金めっき層84の外周縁凹凸部85に入り込ませて接触させることができる。また、凹凸高さを0.0200mm以下、とりわけ、0.0100mm以下とすることにより、外周縁凹凸部85の個数を増大させて、外周縁凹凸部85に銀フィラー49bを接触させる確率を高めることができる。このことにより、接合用金めっき層84と導電性接着剤との接合信頼性を向上させることができる。
なお、凹凸高さは、図5に示すように、接合用金めっき層84の外周縁84aの一部を、顕微鏡などを用いて、例えば、円弧状の外周縁84aが直線とみなすことができる程度に拡大した状態にして測定することができる。例えば、接合用金めっき層84の外周縁84aの半径が0.120mmの場合、オリンパス株式会社製の測定顕微鏡STM6−LMを用いて0.100mm×0.100mmの平面視野まで拡大することにより、円弧状の外周縁84aを直線とみなすことが可能となる。この図5に示す状態において、凹凸状に形成されている外周縁84aから近似され得る直線状の基準線の方向を画定し、当該基準線の方向に略平行な外周縁凹凸部85の外周縁凹部85aの谷底線と外周縁凸部85bの山頂線との間隔を測定し、測定された間隔を上述した凹凸高さとすることができる。
ところで、図2に示すように、絶縁層10上には、配線層12の配線接続部16を覆う保護層20が設けられている。保護層20には、配線接続部16の保護層20の側の面の一部分を露出させる検査用貫通孔21が設けられている。この検査用貫通孔21において配線接続部16の露出された面に、検査用ニッケルめっき層23と検査用金めっき層24とを有する検査用めっき層22が形成されている。これら検査用ニッケルめっき層23と検査用金めっき層24とは、上述したニッケルめっき層33および金めっき層34と同様にして形成することができる。この検査用貫通孔21において配線接続部16が露出されているため、プローブ等の導通検査器を用いることにより、配線接続部16の上面から配線接続部16とピエゾ素子44との間の導通検査を行うことができるようになっている。また、保護層20は、基板本体領域2および連結領域4においては、配線層12の各配線13a、13b、13cを覆うように形成されている。なお、図1においては、図面を明瞭にするために、保護層20は省略している。
なお、図1に示すように、基板本体領域2において、金属支持層11および絶縁層10を貫通して、後述のロードビーム43との位置合わせを行うための2つの治具孔25が設けられている。各治具孔25は、後述するロードビーム43の長手方向軸線(X)上に配置されている。すなわち、当該長手方向軸線(X)は、各治具孔25を通っている。
次に、各構成部材について詳細に述べる。
絶縁層10の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層10の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層10の厚さは、5μm〜30μm、とりわけ8μm〜10μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層11と各配線13a、13b、13cとの間の絶縁性能を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
各配線13a、13b、13cは、電気信号を伝送するための導体として構成されており、各配線13a、13b、13cの材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各配線13a、13b、13cの厚さは、例えば1μm〜18μm、とりわけ9μm〜12μmであることが好ましい。このことにより、各配線13a、13b、13cの伝送特性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。なお、ヘッド端子5、テール端子6および配線接続部16は、各配線13a、13b、13cと同一の材料、同一の厚みで形成されており、各配線13a、13b、13cと共に配線層12を構成している。
金属支持層11は、ステンレスにより形成されている。このことにより、金属支持層11に、所望の導電性、弾力性、および強度を持たせている。なお、金属支持層11の厚さは、配線13a、13b、13cの厚さよりも大きいことが好ましい。また、金属支持層11の厚さは、一例として、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜20μmとすることができる。このことにより、金属支持層11の導電性、剛性、および弾力性を確保することができる。
保護層20の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、保護層20の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。保護層20の厚さは、2μm〜30μmであることが好ましい。
次に、図8乃至図11を用いて、本実施の形態におけるサスペンション41について説明する。図8に示すサスペンション41は、ベースプレート42と、ベースプレート42上に取り付けられ、サスペンション用基板1の金属支持層11を保持するロードビーム43と、上述のサスペンション用基板1と、ベースプレート42およびロードビーム43の少なくとも一方に接合されると共に、サスペンション用基板1の接続構造領域3に接続されたピエゾ素子44と、を有している。
このうちベースプレート42は、ステンレスからなり、図9に示すように、サスペンション用基板1のヘッド領域2aの側に配置されたヘッド側プレート42aと、テール領域2bの側に配置されたテール側プレート42bと、ヘッド側プレート42aとテール側プレート42bとを連結した可撓部42cと、を有している。また、ベースプレート42は、ピエゾ素子44を収容する収容開口部42dを有している。この収容開口部42dは、ヘッド側プレート42a、テール側プレート42bおよび可撓部42cにより形成されている。
ロードビーム43は、ベースプレート42と同様にステンレスからなり、図8および図9に示すように、サスペンション用基板1のヘッド領域2aの側に配置されたヘッド側ビーム43aと、テール領域2bの側に配置されたテール側ビーム43bと、ヘッド側ビーム43aとテール側ビーム43bとを連結した可撓部43cと、を有している。また、ロードビーム43は、ピエゾ素子44の接続構造領域3の側の面を露出させる露出開口部43dを有している。この露出開口部43dは、ヘッド側ビーム43a、テール側ビーム43bおよび可撓部43cにより形成されている。
このようにして形成されたベースプレート42およびロードビーム43にピエゾ素子44が接合されている。すなわち、図8および図9に示すように、ピエゾ素子44は、ベースプレート42の収容開口部42dに収容されて、ベースプレート42に接合されると共に、ロードビーム43のベースプレート42の側の面に接合されている。また、図11に示すように、サスペンション用基板1の接続構造領域3は、ロードビーム43の露出開口部43dを介してピエゾ素子44に接続されている。
ロードビーム43には、サスペンション用基板1の各治具孔25に対応して、ビーム治具孔(図示せず)が設けられており、サスペンション用基板1にロードビーム43を取り付ける際に、サスペンション用基板1とロードビーム43との位置合わせを行うことができるようになっている。このロードビーム43の治具孔は、長手方向軸線(X)上に配置されている。そして、ロードビーム43とサスペンション用基板1とが溶接により固定されるようになっている。
ピエゾ素子44は、電圧が印加されることにより、図8、図12の矢印P方向に伸縮する圧電素子として構成されており、ヘッドスライダ52をスウェイ方向(旋回方向、図8、図12の矢印Q方向)に移動させるためのものである。各ピエゾ素子44は、図10に示すように、互いに対向する一対の電極44aと、一対の電極44a間に介在され、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスにより形成された圧電材料部44bと、を有している。一対のピエゾ素子44の圧電材料部44bは、互いに180°異なる分極方向となるように形成されており、所定の電圧が印加されると、一方のピエゾ素子44が収縮すると共に、他方のピエゾ素子44が伸長するようになっている。このようなピエゾ素子44は、図8に示すように、ロードビーム43の長手方向軸線(X)に沿って配置されており、その伸縮方向が、当該長手方向軸線(X)に平行になっている。また、ピエゾ素子44は、長手方向軸線(X)に対して互いに線対称に配置されており、各ピエゾ素子44の伸縮が、ヘッドスライダ52に均等に伝達されるようになっている。また、本実施の形態においては、ピエゾ素子44に接続される接続構造領域3が、基板本体領域2の両側方に配置されており、ピエゾ素子44の伸縮を効果的にヘッドスライダ52の変位に利用することができるようになっている。
図11に示すように、各ピエゾ素子44は、非導電性接着剤からなる非導電性接着部46を介してベースプレート42およびロードビーム43に接合されている。また、ピエゾ素子44の一方(サスペンション用基板1とは反対側)の電極44aは、図9および図11に示すように、導電性接着剤からなる第1導電性接着部47を介してベースプレート42に電気的に接続されている。さらに、ピエゾ素子44の他方(サスペンション用基板1の側)の電極44aは、図11に示すように、導電性接着剤からなる第2導電性接着部48を介して配線接続部16に接合されると共に電気的に接続されている。すなわち、配線接続部16とピエゾ素子44との間に導電性接着剤からなる第2導電性接着部48が形成され、ピエゾ素子44が第2導電性接着部48を介して配線接続部16に接合されると共に、ピエゾ素子44の当該他方の電極44aが、第2導電性接着部48を介して配線接続部16に電気的に接続されている。ここで、図11は、一例として、接続構造領域3の長手方向軸線(X)に沿った断面を示している。図11においては、サスペンション用基板1の接続構造領域3が、連結領域4の柔軟性によって、ピエゾ素子44の側にわずかに押し込まれている例を示している。
次に、図12により、本実施の形態におけるヘッド付サスペンション51について説明する。図12に示すヘッド付サスペンション51は、上述したサスペンション41と、サスペンション用基板1に実装され、そのヘッド端子5に接続されたヘッドスライダ52とを有している。
続いて、図13により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ61について説明する。図13に示すハードディスクドライブ61は、ケース62と、このケース62に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク63と、このディスク63を回転させるスピンドルモータ64と、ディスク63に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク63に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うヘッドスライダ52を含むヘッド付サスペンション51と、を有している。このうちヘッド付サスペンション51は、ケース62に対して移動自在に取り付けられており、ケース62にはヘッド付サスペンション51のヘッドスライダ52をディスク63上に沿って移動させるボイスコイルモータ65が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション51は、ボイスコイルモータ65にアーム66を介して取り付けられると共に、ハードディスクドライブ61を制御する制御部(図示せず)に接続されたFPC基板71(図12参照)に接続されている。このようにして、電気信号が、サスペンション用基板1とFPC基板71を介して、制御部とヘッドスライダ52との間で伝送されるようになっている。
次に、本実施の形態によるサスペンション用基板1の製造方法について説明する。ここでは、一例として、接続構造領域3の断面を示す図14および図15を用いて、サブトラクティブ法によりサスペンション用基板1を製造する方法について説明する。
まず、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面(接続されるピエゾ素子44側の面)に設けられた金属支持層11と、絶縁層10の他方の面に設けられた配線層12と、を有する積層体35を準備する(図14(a)参照)。この場合、まず、金属支持層11を準備し、この金属支持層11上に、非感光性ポリイミドを用いた塗工方法により絶縁層10が形成される。続いて、絶縁層10上に、ニッケル、クロムおよび銅がスパッタ工法により順次コーティングされ、シード層(図示せず)が形成される。その後、このシード層を導通媒体として、銅めっきにより配線層12が形成される。このようにして、絶縁層10と金属支持層11と配線層12とを有する積層体35が得られる。
続いて、配線層12において複数の配線13a、13b、13cと配線接続部16とが形成されると共に、金属支持層11に金属支持層貫通孔31aが形成される(図14(b)参照)。この場合、フォトファブリケーションの手法により、配線層12上にパターン状のレジスト(図示せず)が形成され、レジストの開口から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液により配線層12および金属支持層11がエッチングされる。このようにして、所望の形状を有する配線層12および金属支持層貫通孔31aが形成される。この際、基板本体領域2では、図1に示すようなヘッド端子5およびテール端子6が形成される。その後、レジストは除去される。
次に、絶縁層10上に、配線層12の各配線13a、13b、13cおよび配線接続部16を覆う所望の形状の保護層20が形成される(図14(c)参照)。この場合、非感光性ポリイミドが、ダイコータを用いて、絶縁層10上にコーティングされ、これを乾燥させて、保護層20が形成される。続いて、形成された保護層20上に、パターン状のレジスト(図示せず)が形成され、保護層20のうち露出された部分がエッチングされ、保護層20を硬化させる。このようにして、所望の形状の保護層20が得られる。この際、保護層20には、検査用貫通孔21が形成される。なお、保護層20をエッチングする方法は、特に限定されるものではないが、ウェットエッチングを行うことが好ましい。とりわけ、エッチング液は、保護層20の材料の種類に応じて適宜選択することが好ましいが、例えば、保護層20がポリイミド樹脂により形成される場合には、有機アルカリエッチング液等のアルカリ系エッチング液を用いることができる。その後、レジストが除去される。
保護層20が得られた後、絶縁層10において絶縁層貫通孔31bを含む絶縁枠体部18が形成されると共に、絶縁層10が所望の形状に外形加工される(図14(d)参照)。この場合、まず、パターン状のレジスト(図示せず)が形成され、絶縁層10の露出された部分がエッチングされて、絶縁枠体部18が形成されると共に絶縁層10が外形加工される。ここで、絶縁層10をエッチングする方法は、保護層20をエッチングする方法と同様に、特に限定されるものではないが、ウェットエッチングを行うことが好ましい。とりわけ、エッチング液は、絶縁層10の材料の種類に応じて適宜選択することが好ましいが、例えば、絶縁層10がポリイミド樹脂により形成される場合には、有機アルカリエッチング液等のアルカリ系エッチング液を用いることができる。エッチングが行われた後、レジストは除去される。
次に、接合用めっき層82が形成される(図14(e)、(f)参照)。すなわち、金属支持層11のピエゾ素子44の側の面に、図15および図16に示すように、レジスト開口87aの周縁が平面視で凹凸状に形成されたレジスト凹凸部88を有するレジスト87を用いてめっきが施され、このことにより、外周縁が平面視で凹凸状に形成された接合用めっき層82が得られる。ここでは、レジスト87のレジスト開口87aの周縁にレジスト凹凸部88を形成する方法について、図15および図16を用いて以下に詳細に述べる。なお、図15においては、便宜上、接続構造領域3の下側の面に形成されるレジストを示し、接続構造領域3の上側の面に形成されるレジストは省略している。
まず、金属支持層11上に、水溶性タイプのネガ型感光性のレジスト87(好適には38μmの厚さを有するドライフィルム・フォトレジスト)がラミネートされる(図15(a)参照)。
続いて、ラミネートされたレジスト87に、高圧水銀灯から紫外線が照射され、当該レジスト87が露光される(図15(b)参照)。この場合、紫外線は、所定形状のマスク開口89aを有する露光マスク89を介して照射される。また、この場合、レジスト87は、所定の露光量で露光される。この露光量は、例えば、ストーファー21段ステップタブレット(デュポン社製リストン(登録商標)ストーファー21段ステップタブレット)を用いて評価することができる。
ステップタブレットは、レジストへの最適な露光量を決めるためのツールである。具体的には、ステップタブレットは、光学濃度が順次に高くなる21の段数を有し、光学濃度が最も低い部分で通過する光の量が最も多く、光学濃度が最も高い部分で通過する光の量が最も少なくなるようになっている。露光の際、露光されるレジストの上面に載置し、ステップタブレットを通してレジストを露光することにより、レジストには、段数に応じた露光量で紫外線が照射され、照射された露光量に応じてレジストが光硬化する。露光後に現像することにより、硬化していない未露光部分が除去されるが、レジストが残存する最大の段数を確認することにより、露光量を評価することができるようになっている。すなわち、最適な露光量は、一般に、使用するレジストの材料の種類に応じて変わり得るが、ステップタブレットを用いることにより、材料の種類によらずに最適な露光量を評価することができる。
このストーファー21段ステップタブレットを用いた場合、残存するレジストの最大段数が10〜18段となるような露光量で、レジスト87が露光されることが好ましい。このことにより、レジスト87のレジスト開口87a(図15(c)参照)の周縁に、レジスト凹凸部88が形成され、所望の凹凸高さの凹凸を形成することができる。なお、レジスト凹凸部88の凹凸高さは、外周縁凹凸部85の凹凸高さと同様に、0.0015mm〜0.0200mm、とりわけ、0.0015mm〜0.0100mmであることが好ましい。
その後、露光されたレジスト87が、濃度1wt%の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像される。この場合、炭酸ナトリウム水溶液がレジスト87の未露光部分を溶解または分散除去する。このことにより、未露光部分が除去された所定形状のレジスト87が得られる(図15(c)参照)。この際、レジスト87のレジスト開口87aの周縁には、凹凸が形成される。すなわち、図16に示すように、レジスト87のレジスト開口87aの周縁に、レジスト凸部88aおよびレジスト凹部88bを含むレジスト凹凸部88が形成される。
現像の後、レジスト87が加熱処理される。一般的には、加熱処理は、現像前に行われて、散乱光により不均一になったレジスト87のレジスト開口87aの周縁を一様にすると共に、レジスト87の密着性を向上させ、現像処理後の耐エッチング性、耐めっき性を高める。しかしながら、本実施の形態においては、上述したように、現像後に、レジスト87を加熱処理する。このことにより、現像処理後の耐めっき性を高めると共に、レジスト87のレジスト開口87aの周縁に形成されたレジスト凹凸部の形状を維持することが可能となる。なお、加熱処理には、熱風乾燥方式などを適用することが好適であり、例えば、50℃以上160℃以下の温度環境下に20秒以上曝すことが好ましい。
このようにして、図16に示すように、レジスト開口87aの周縁にレジスト凹凸部88が形成された所定パターンのレジスト87が得られる。その後、この得られたレジスト87を用いてニッケルめっきおよび金めっきが順次施されて接合用めっき層82が形成される。
このうち接合用ニッケルめっき層83は、レジスト87のレジスト開口87aから露出された部分が酸洗浄されて、電解めっき法により得られる(図14(e)参照)。得られた接合用ニッケルめっき層83の外周縁は、レジスト87のレジスト凹凸部88に対応するように凹凸状に形成される。接合用ニッケルめっき層83が形成される際、配線接続部16に接続用ニッケルめっき層33が形成される。また、この際、ヘッド端子5およびテール端子6(いずれも図1参照)にも同様にしてニッケルめっきが施され、配線接続部16の検査用貫通孔21により露出された部分にもニッケルめっきが施される(すなわち、検査用ニッケルめっき層23が形成される)。なお、めっきを施す方法としては、電解めっき法に限られることはなく、浸漬めっき法、治具めっき法などを用いることもできる。
続いて、ニッケルめっきを施す際に用いたレジスト87を用いて、接合用金めっき層84が電解めっき法により得られる(図14(f)参照)。得られた接合用金めっき層84の外周縁84aに外周縁凹凸部85が形成されて、当該外周縁84aは、上述した接合用ニッケルめっき層83の外周縁と同様にして、平面視で凹凸状に形成される。すなわち、レジスト87のレジスト凸部88aに対応して外周縁凹部85aが形成されると共に、レジスト凹部88bに対応して外周縁凸部85bが形成される。接合用金めっき層84が形成される際、接続用ニッケルめっき層33に接続用金めっき層34が形成される。また、この際、ヘッド端子5およびテール端子6(いずれも図1参照)にも金めっきが施され、配線接続部16上の接続用ニッケルめっき層33上にも金めっきが施される(すなわち、検査用金めっき層24が形成される)。
その後、レジスト87は除去される。このようにして、接続用めっき層32および接合用めっき層82が得られる。
形成された接続用金めっき層34および接合用金めっき層84の表面は、洗浄処理されてもよい。例えば、サスペンション用基板1を真空チャンバー内に設置して当該真空チャンバー内にアルゴン(Ar)ガスを導入し、常圧にて放電電力100W、周波数15kHzの条件で、アルゴンガスプラズマ処理を1分間行ってもよい。このことにより、接続用金めっき層34および接合用金めっき層84の表面を洗浄することができ、接続用金めっき層34および接合用金めっき層84と導電性接着剤との密着性を向上させることが可能となる。
なお、金属支持層11と接合用金めっき層84との密着性をより一層向上させるために、接合用ニッケルめっき層83は、以下のようにして形成されていてもよい。すなわち、金属支持層11の表面のうち対応する部分に、まず、不動態被膜を除去するために塩酸系めっき液を用いたニッケルストライクめっきが施され、その後、電解めっき法によりニッケルめっきが施されて接合用ニッケルめっき層83が形成されることが好ましい。このようにニッケルストライクめっきを施すことにより、金属支持層11の表面の不動態被膜を除去することができ、金属支持層11と接合用ニッケルめっき層83との密着性を向上させることができる。この場合、ニッケルストライクめっきのめっき厚さは、0.05μm〜0.1μm、電解めっき法によるニッケルめっきのめっき厚さは、0.5μm〜2.5μmとすることが好ましい。あるいは、密着性をさらに向上させるためにニッケルストライクめっきのめっき厚さを0.1μm程度とし、接合用ニッケルめっき層83にピンホールが形成されることを抑制するために電解めっき法によるめっき厚さを0.5μm〜5.0μmとすることもできる。後者の場合においてニッケルストライクめっきを施す際、電流値を増大させることにより、めっき厚さを増大させることができる。また、前者の場合は後者の場合よりも電流値を低減させて(あるいはめっき時間を短くして)ストライクめっきを行っているが、この場合、金属支持層11の表面のうち接合用めっき層82が形成されない領域が腐食することを抑制できる。なお、ニッケルストライクめっきを施す場合における接合用金めっき層84の厚さは、0.5μm〜2.5μmとすることが好適である。
接続用めっき層32および接合用めっき層82が形成された後、金属支持層11が外形加工されて、金属枠体部17が形成される(図14(g)参照)。この場合、まず、金属支持層11の下面に、ドライフィルムを用いて、パターン状のレジスト(図示せず)が形成される。次に、例えば、塩化鉄系エッチング液により、金属支持層11のうちレジストから露出された部分がエッチングされ、金属枠体部17が形成されると共に、金属支持層11が所望の形状に外形加工される。この金属枠体部17は、基板本体領域2における金属支持層11の本体部分11aと分離される。その後、レジストは除去され、本実施の形態によるサスペンション用基板1が得られる。
次に、このようにして得られたサスペンション用基板1を用いたサスペンションの製造方法について説明する。
まず、ベースプレート42およびロードビーム43を準備すると共に、上述したサスペンション用基板1を準備する。
次に、ベースプレート42に、ロードビーム43を介して、サスペンション用基板1が、溶接により取り付けられる。この場合、まず、ベースプレート42にロードビーム43が溶接により固定され、続いて、ロードビーム43に設けられたビーム治具孔(図示せず)と、サスペンション用基板1に設けられた治具孔25とにより、ロードビーム43とサスペンション用基板1とのアライメントが行われる。その後、サスペンション用基板1の金属支持層11に溶接が施されて、ロードビーム43とサスペンション用基板1が互いに接合されて固定される。
次に、ピエゾ素子44が、接着剤を用いてベースプレート42およびロードビーム43に接合されると共に、サスペンション用基板1の接続構造領域3にそれぞれ接続される。この場合、まず、ピエゾ素子44が非導電性接着部46を介してベースプレート42およびロードビーム43に接合される。次いで、導電性接着剤が塗布されて第1導電性接着部47が形成され、第1導電性接着部47を介してピエゾ素子44の一方(サスペンション用基板1とは反対側)の電極44aが、ベースプレート42に導電性接着剤を介して電気的に接続される。
また、ピエゾ素子44の他方(サスペンション用基板1の側)の電極44aは、第2導電性接着部48を介してサスペンション用基板1の接続構造領域3に接合されると共に電気的に接続される(図11参照)。この場合、サスペンション用基板1の注入孔31に導電性接着剤が予め注入されており、ピエゾ素子44をベースプレート42およびロードビーム43に接合した際、接続構造領域3は、ピエゾ素子44の一方の電極44aに接合されると共に電気的に接続される。このことにより、第2導電性接着部48は、金属枠体部17だけではなく、金属枠体部17に設けられた接合用金めっき層84にも接合される。
このようにして、本実施の形態によるサスペンション41が得られる。
このサスペンション41のヘッド端子5に、ヘッドスライダ52が接続されて図12に示すヘッド付サスペンション51が得られる。さらに、このヘッド付サスペンション51がハードディスクドライブ61のアーム66に取り付けられると共に、サスペンション用基板1のテール端子6にFPC基板71が接続されて、図13に示すハードディスクドライブ61が得られる。
図13に示すハードディスクドライブ61においてデータの書き込みおよび読み取りを行う際、ボイスコイルモータ65によりヘッド付サスペンション51のヘッドスライダ52がディスク63上に沿って移動し、スピンドルモータ64により回転しているディスク63に所望のフライングハイトを保って近接する。このことにより、ヘッドスライダ52とディスク63との間で、データの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1とFPC基板71を介して、FPC基板71に接続されている制御部(図示せず)とヘッドスライダ52との間で電気信号が伝送される。このような電気信号は、サスペンション用基板1においては、各信号配線13aによって、ヘッド端子5(図1参照)とテール端子6との間で伝送される。
ヘッドスライダ52を移動させる際、ボイスコイルモータ65が、ヘッドスライダ52の位置を大まかに調整し、ピエゾ素子44が、ヘッドスライダ52の位置を微小調整する。すなわち、サスペンション用基板1の接続構造領域3の側のピエゾ素子44の電極44aに所定の電圧を印加することにより、長手方向軸線(X)に沿った方向(図8、12の矢印P方向)に、一方のピエゾ素子44が収縮すると共に他方のピエゾ素子44が伸長する。この場合、ベースプレート42の可撓部42bとロードビーム43の可撓部43cとが弾性変形し、ロードビーム43の先端側に位置するヘッドスライダ52がスウェイ方向(旋回方向Q)に移動することができる。なお、ピエゾ素子44の電極44aに印加される電圧は、素子配線13b、配線接続部16および第2導電性接着部48を介して当該電極44aに入力される。このようにして、ヘッドスライダ52を、ディスク63の所望のトラックに、迅速に、かつ精度良く位置合わせすることができる。
このように本実施の形態によれば、金属支持層11のピエゾ素子44の側の面に、導電性接着剤に接合される接合用金めっき層84が設けられ、当該接合用金めっき層84の外周縁84aに外周縁凹凸部85が形成されて、当該外周縁84aが平面視で凹凸状に形成されている。このことにより、導電性接着剤の導電性粒子(例えば、銀フィラー49b)を外周縁凹凸部85に入り込ませて接触させることができ、接合用金めっき層84と導電性接着剤との接合信頼性を向上させることができる。また、接合用金めっき層84と導電性接着剤との接触面積を増大させることができ、このことによっても接合用金めっき層84と導電性接着剤との接合信頼性を向上させることができる。このため、接続構造領域3と導電性接着剤との電気的接続を安定化させて、ピエゾ素子44との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、接続構造領域3において、金属支持層貫通孔31aと絶縁層貫通孔31bとを有する注入孔31に導電性接着剤が注入されている。このことにより、アンカー効果によって、接続構造領域3と導電性接着剤との接合信頼性を向上させることができる。このため、接続構造領域3と導電性接着剤との電気的接続を安定化させて、ピエゾ素子44との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、以下に示す各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
以下、本発明の実施の形態の変形例について、図17乃至図26を用いて説明する。図17乃至図26においては、図1乃至図16に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
(変形例1)
上述した本実施の形態においては、サブトラクティブ法によりサスペンション用基板1が作製されて、配線接続部16が絶縁層貫通孔31b上に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、アディティブ法によりサスペンション用基板1を作製してもよい。この場合、図17に示すように、配線接続部16の一部が絶縁層貫通孔31b内に埋設される。この場合、金属支持層貫通孔31aにより配線接続部16が露出され、導電性接着剤は、絶縁層貫通孔31b内に注入されることはなく、金属支持層貫通孔31a内に注入される。すなわち、導電性接着剤は、金属支持層貫通孔31aおよび絶縁層貫通孔31bにより構成される注入孔31の一部(金属支持層貫通孔31a)に注入される。この場合、導電性接着剤の使用量を低減することができ、導電性接着剤が接続構造領域3の周囲にはみ出すことを抑制できる。
(変形例2)
上述した本実施の形態においては、接合用金めっき層84を含む接合用めっき層82が、金属支持層貫通孔31aを形成する金属枠体部17の貫通孔画定面17aに延びている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図18に示すように、接合用めっき層82は、金属枠体部17のピエゾ素子44の側の面にのみ設けられるようにしてもよい。この場合、接合用めっき層82は、図19に示すように、接合用ニッケルめっき層83と共に、平面視で注入孔31を囲むようにリング状に形成されることが好ましい。そして、この場合、接合用金めっき層84が、その内周縁84bに設けられた、平面視で凹凸状に形成された(好適には複数の)内周縁凹凸部90を有していることが好適である。このことにより、接合用金めっき層84と導電性接着剤との接合信頼性をより一層向上させることができる。この場合、接合用ニッケルめっき層83の内周縁も、接合用金めっき層84と同様の形状で、平面視で凹凸状に形成されていることが好ましい。
内周縁凹凸部90は、平面視で内側に凹む内周縁凹部90aと、平面視で外側に突出する内周縁凸部90bと、を含み、銀フィラー49bが入り込むことができるように平面視で凹凸状に形成されている。内周縁凹凸部90の凹凸高さは、外周縁凹凸部85の凹凸高さと同様に、0.0015mm〜0.0200mm、とりわけ、0.0015mm〜0.0100mmであることが好ましい。また、内周縁凹凸部90の凹凸高さは、外周縁凹凸部85の凹凸高さと同様にして、内周縁凹部90aの谷底線と、内周縁凸部90bの山頂線との間隔を測定し、測定された間隔を凹凸高さとすることができる。
(変形例3)
上述した本実施の形態においては、金属支持層11および絶縁層10に設けられた注入孔31によって配線接続部16のピエゾ素子44の側の面が露出され、注入孔31に導電性接着剤が注入されることによって、配線接続部16が導電性接着剤を介してピエゾ素子44に電気的に接続される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図20に示すように、配線接続部16のピエゾ素子44の側の面が、絶縁層10および金属支持層11の金属支持接続部94によって覆われて、配線接続部16と金属支持接続部94とが、絶縁層10を貫通する導電接続部95によって接続されるようにしてもよい。この場合、金属支持接続部94は電極として機能することができ、ピエゾ素子44の電極44aに印加される電圧は、素子配線13b、配線接続部16、導電接続部95、金属支持接続部94および第2導電性接着部48を介して当該電極44aに入力される。なお、金属支持接続部94は、島状に形成されており、基板本体領域2における金属支持層11の本体部分11aとは分離されて電気的に絶縁されている。
より具体的には、絶縁層10を貫通する絶縁層導電接続孔95aが設けられ、配線接続部16を貫通する配線層導電接続孔95bが設けられ、保護層20を貫通する保護層導電接続孔95cが設けられて、絶縁層導電接続孔95a、配線層導電接続孔95bおよび保護層導電接続孔95cに、ニッケルめっきを施すことにより導電接続部95が形成されている。図20に示す導電接続部95は、金属支持接続部94とは反対側の外方、すなわち、保護層20から外方に露出している。このため、プローブ等の導通検査器を用いることにより、導電接続部95の上面から導電接続部95とピエゾ素子44との間の導通検査を行うことができる。なお、導電接続部95は、図20に示す形態に限られることはなく、アディティブ法によって、配線接続部16と導電接続部95が同一の材料によって一体に形成されるようにしてもよい。この場合、導電接続部95は保護層20によって覆われる。
図20に示す変形例3においては、接続構造領域3における金属支持層11に金属支持層貫通孔31aが形成されていないため、接合用金めっき層84を円形状に形成することができる。このことにより、接合用金めっき層84と導電性接着剤との接触面積を増大させて、接合用金めっき層84と導電性接着剤との接触抵抗を低減することができる。また、接合用金めっき層84の外周縁凹凸部85に、導電性接着剤の導電性粒子(例えば、銀フィラー49b)が入り込んで接触することによっても、接合金用めっき層84と導電性接着剤との接触抵抗を低減することができる。このため、接続構造領域3とピエゾ素子44との電気的接続を安定化させることができ、サスペンション用基板1とピエゾ素子44との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
(変形例4)
上述した変形例3においては、接合用金めっき層84が円形状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図21および図22に示すように、接合用金めっき層84は、平面視でリング状に形成されていてもよい。この場合、接合用金めっき層84が、その内周縁84bに設けられた、平面視で凹凸状に形成された(好適には複数の)内周縁凹凸部90を有していることが好適である。このことにより、接合用金めっき層84と導電性接着剤との接合信頼性をより一層向上させて、接続構造領域3とピエゾ素子44との電気的な接続を安定化させることができる。この場合、接合用ニッケルめっき層83の内周縁も、接合用金めっき層84と同様の形状で、平面視で凹凸状に形成されている。
内周縁凹凸部90は、平面視で内側に凹む内周縁凹部90aと、平面視で外側に突出する内周縁凸部90bと、を含み、銀フィラー49bが入り込むことができるように平面視で凹凸状に形成されている。内周縁凹凸部90の凹凸高さは、外周縁凹凸部85の凹凸高さと同様に、0.0015mm〜0.0200mm、とりわけ、0.0015mm〜0.0100mmであることが好ましい。また、内周縁凹凸部90の凹凸高さは、外周縁凹凸部85の凹凸高さと同様にして、内周縁凹部90aの谷底線と、内周縁凸部90bの山頂線との間隔を測定し、測定された間隔を凹凸高さとすることができる。
(変形例5)
また、上述した変形例3および4においては、接合用めっき層82は、互いに分離された複数(例えば、3つ)の接合用めっき層分割体96を有し、各接合用めっき層分割体96が、例えば図23に示すように、平面視で円形状に形成されていてもよい。この場合、各接合用めっき層分割体96が、その外周縁96aに設けられた、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部85(図4および図5参照)を有している。このことにより、各接合用めっき層分割体96と導電性接着剤との接合信頼性をより一層向上させて、接続構造領域3とピエゾ素子44との電気的な接続を安定化させることができる。
(変形例6)
上述した本実施の形態においては、図24に示すように、配線接続部16と金属枠体部17とが、図20に示す変形例3と同様な導電接続部95によって接続されるようにしてもよい。この場合、配線接続部16が、接続用めっき層32を介して第2導電性接着部48に電気的に接続されるルートと、配線接続部16が、導電接続部95、金属枠体部17および接合用めっき層82を介して第2導電性接着部48に電気的に接続されるルートと、が形成される。
図24に示す変形例6においては、上述したように、配線接続部16は、第2導電性接着部48に、直接(より具体的には接続用めっき層32を介して)電気的に接続されると共に、導電接続部95、金属枠体部17および接合用めっき層82を介して電気的に接続される。このことにより、配線接続部16と第2導電性接着部48との間の電気的な抵抗を低減することができる。また、接合用金めっき層84の外周縁凹凸部85に、導電性接着剤の導電性粒子(例えば、銀フィラー49b)が入り込んで接触することによっても、接合金用めっき層84と導電性接着剤との接触抵抗を低減することができる。さらに、接合用めっき層82が、金属支持層11の貫通孔画定面17aに延びていることから、接合用めっき層82と第2導電性接着部48との接触面積を増大させることができる。このため、接続構造領域3とピエゾ素子44との電気的接続を安定化させることができ、サスペンション用基板1とピエゾ素子44との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
(変形例7)
また、上述した本実施の形態においては、接合用金めっき層84が、金属枠体部17のピエゾ素子44の側の面に設けられ、当該接合用金めっき層84が、その外周縁84aに設けられた、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部85を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図25に示すように、配線接続部16に設けられた接続用金めっき層34が、その外周縁34aに設けられた、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部85(図4および図5参照)を有していてもよい。この場合、配線接続部16と接続用金めっき層34との間に介在された接続用ニッケルめっき層33は、注入孔31により露出された配線接続部16の面の全体を覆っていることが好ましい。このことにより、配線接続部16の絶縁層貫通孔31bにより露出された面の腐食を防止することができる。また、接続用金めっき層34は、接続用ニッケルめっき層33より小さく形成されており、接続用ニッケルめっき層33の外周側領域が、ピエゾ素子44の側に露出されている。
変形例7においては、接続用金めっき層34の外周縁34aに形成された外周縁凹凸部85により、接続用金めっき層34と導電性接着剤との接合信頼性を向上させることができる。また、この場合、外周縁凹凸部85に、導電性接着剤の導電性粒子(例えば、銀フィラー49b)が入り込んで接触する。このことにより、接続用金めっき層34と導電性接着剤との接触抵抗を低減することができ、接続構造領域3とピエゾ素子44との電気的接続を安定化させることができる。このため、サスペンション用基板1とピエゾ素子44との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
(変形例8)
また、上述した本実施の形態においては、めっき用のレジスト87(図15および図16参照)を露光する際、紫外線の照射量を増大させて、レジスト87のレジスト開口87aの周縁に凹凸を形成し、接合用金めっき層84の外周縁84aに外周縁凹凸部85が形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図26に示すように、めっき用のレジスト87を露光する際に用いる露光マスク89のマスク開口89aの周縁に、マスク凹部97aおよびマスク凸部97bを含むマスク凹凸部97を形成して、当該周縁を予め凹凸状に形成させてもよい。このような露光マスク89を用いることにより、紫外線の照射量を増大させることなく通常の照射量で露光した場合であっても、レジスト87のレジスト開口87aの周縁に凹凸を形成することができる。なお、露光マスク89のマスク凹凸部97の凹凸高さH2は、0.005mm〜0.020mmであることが好ましく、とりわけ、0.005mm〜0.010mmであることが好ましい。0.005mm以上とすることにより、露光マスク89を作製するための描画機が通常の描画分解能に設定されている場合であっても、マスク凹部97aおよびマスク凸部97bを有する露光マスク89を作製することができ、0.020mm以下、とりわけ、0.010mm以下とすることにより、マスク凹部97aおよびマスク凸部97bの個数を増大させることができる。
このようにして形成されたレジスト87を用いることにより、接合用金めっき層84の外周縁84aに外周縁凹凸部85を形成することができる。この場合、外周縁凹凸部85の凹凸高さは、上述したマスク凹凸部97の凹凸高さと同様となる。
上述した本実施の形態に基づいて、露光量を変えながら、接合用金めっき層84を形成するためのレジスト87を作製し、めっき処理を施して形成された接合用金めっき層84の外周縁凹凸部85の凹凸高さを測定した。ここでは、露光量の評価に、上述したストーファー21段ステップタブレットを用いた。
本実施例においては、レジスト87を露光する際、当該レジスト87上にステップタブレットを載置し、ステップタブレットを通してレジスト87に紫外線を照射し、露光した。その後に現像して加熱処理を行い、ニッケルめっきおよび金めっきを順次施して、外周縁凹凸部85を形成した。形成された外周縁凹凸部85の凹凸高さを測定したところ、表1のようなデータが得られた。
なお、表1に示す凹凸高さは平均値を示している。ここでは、上述した本実施の形態と同様にして外周縁凹凸部の凹凸高さを任意の15箇所で測定し、これらの平均値を算出し、表1を得た。
表1に示されているように、ステップタブレットの段数が増大するにつれて、凹凸高さが増大していることがわかる。すなわち、ステップタブレットの段数が増大するということは、露光機から照射される紫外線の露光量が増大していることを意味するので、露光量を増大させるにつれて、凹凸高さが増大することがわかる。また、図7に示されているように、銀ペースト49の銀フィラー49bの長さの多くが0.0015mm以下であることから、表1からは、少なくともステップタブレットの10段が、レジスト87が残存する最大段数となるようにレジスト87を露光することにより、銀ペースト49内のほとんどの銀フィラー49bを入り込ませて接触させることが可能な凹凸高さが得られることがわかる。
1 サスペンション用基板
2 基板本体領域
2a ヘッド領域
2b テール領域
3 接続構造領域
4 連結領域
5 ヘッド端子
6 テール端子
10 絶縁層
11 金属支持層
11a 本体部分
11b 金属支持配線部分
12 配線層
13a 信号配線
13b 素子配線
13c 接地配線
16 配線接続部
17 金属枠体部
17a 貫通孔画定面
18 絶縁枠体部
20 保護層
21 検査用貫通孔
22 検査用めっき層
23 検査用ニッケルめっき層
24 検査用金めっき層
25 治具孔
27 配線ビア
28 接地ビア
31 注入孔
31a 金属支持層貫通孔
31b 絶縁層貫通孔
32 接続用めっき層
33 接続用ニッケルめっき層
34 接続用金めっき層
34a 外周縁
35 積層体
41 サスペンション
42 ベースプレート
42a ヘッド側プレート
42b テール側プレート
42c 可撓部
42d 収容開口部
43 ロードビーム
43a ヘッド側ビーム
43b テール側ビーム
43c 可撓部
43d 露出開口部
44 ピエゾ素子
44a 電極
44b 圧電材料部
46 非導電性接着部
47 第1導電性接着部
48 第2導電性接着部
49 銀ペースト
49a バインダー基材
49b 銀フィラー
51 ヘッド付サスペンション
52 ヘッドスライダ
61 ハードディスクドライブ
62 ケース
63 ディスク
64 スピンドルモータ
65 ボイスコイルモータ
66 アーム
71 FPC基板
82 接合用めっき層
83 接合用ニッケルめっき層
84 接合用金めっき層
84a 外周縁
84b 内周縁
85 外周縁凹凸部
85a 外周縁凹部
85b 外周縁凸部
87 レジスト
87a レジスト開口
88 レジスト凹凸部
88a レジスト凸部
88b レジスト凹部
89 露光マスク
89a マスク開口
90 内周縁凹凸部
90a 内周縁凹部
90b 内周縁凸部
94 金属支持接続部
95 導電接続部
95a 絶縁層導電接続孔
95b 配線層導電接続孔
95c 保護層導電接続孔
96 めっき層分割体
96a 外周縁
97 マスク凹凸部
97a マスク凹部
97b マスク凸部

Claims (19)

  1. アクチュエータ素子に導電性粒子を含む導電性接着剤を介して接続可能な接続構造領域を有するサスペンション用基板において、
    絶縁層と、
    前記絶縁層の前記アクチュエータ素子の側の面に設けられた金属支持層と、
    前記絶縁層の前記アクチュエータ素子とは反対側の面に設けられた配線層であって、複数の配線と、前記接続構造領域に設けられ、対応する前記配線に接続されると共に前記アクチュエータ素子に前記導電性接着剤を介して電気的に接続される配線接続部と、を有する前記配線層と、を備え、
    前記金属支持層の前記アクチュエータ素子の側の面に、前記導電性接着剤に接合される金めっき層が設けられ、
    前記金めっき層は、その外周縁に設けられた、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部を有していることを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記接続構造領域において、前記金属支持層を貫通する金属支持層貫通孔と、前記絶縁層を貫通する絶縁層貫通孔と、を有し、前記配線層の前記アクチュエータ素子の側の面を露出させ、少なくとも一部に前記導電性接着剤が注入される注入孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 前記金めっき層は、平面視で前記注入孔を囲むようにリング状に形成され、
    前記金めっき層は、その内周縁に設けられた、平面視で凹凸状に形成された内周縁凹凸部を有していることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション用基板。
  4. 前記配線接続部と前記金属支持層とは、前記絶縁層を貫通する導電接続部によって接続されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  5. 前記配線接続部の前記アクチュエータ素子の側の面は、前記絶縁層および前記金属支持層によって覆われていることを特徴とする請求項4に記載のサスペンション用基板。
  6. 前記金めっき層は、平面視で円形状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のサスペンション用基板。
  7. 前記金めっき層は、平面視でリング状に形成され、
    前記金めっき層は、その内周縁に設けられた、平面視で凹凸状に形成された内周縁凹凸部を有していることを特徴とする請求項5に記載のサスペンション用基板。
  8. 前記接続構造領域において、前記金属支持層を貫通する金属支持層貫通孔と、前記絶縁層を貫通する絶縁層貫通孔と、を有し、前記配線層の前記アクチュエータ素子の側の面を露出させ、少なくとも一部に前記導電性接着剤が注入される注入孔が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のサスペンション用基板。
  9. 前記金属支持層は、前記金属支持層貫通孔を画定する貫通孔画定面を有し、
    前記金めっき層は、前記貫通孔画定面に延びていることを特徴とする請求項8に記載のサスペンション用基板。
  10. 前記金めっき層は、平面視で前記注入孔を囲むようにリング状に形成され、
    前記金めっき層は、その内周縁に設けられた、平面視で凹凸状に形成された内周縁凹凸部を有していることを特徴とする請求項8に記載のサスペンション用基板。
  11. 前記外周縁凹凸部の凹凸高さは、0.0015mm〜0.0200mmであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  12. アクチュエータ素子に導電性粒子を含む導電性接着剤を介して接続可能な接続構造領域を有するサスペンション用基板において、
    絶縁層と、
    前記絶縁層の前記アクチュエータ素子の側の面に設けられた金属支持層と、
    前記絶縁層の前記アクチュエータ素子とは反対側の面に設けられた配線層であって、複数の配線と、前記接続構造領域に設けられ、対応する前記配線に接続されると共に前記アクチュエータ素子に前記導電性接着剤を介して電気的に接続される配線接続部と、を有する前記配線層と、を備え、
    前記接続構造領域において、前記金属支持層を貫通する金属支持層貫通孔と、前記絶縁層を貫通する絶縁層貫通孔と、を有し、前記配線層の前記アクチュエータ素子の側の面を露出させ、少なくとも一部に前記導電性接着剤が注入される注入孔が設けられ、
    前記注入孔により露出された前記配線接続部の面に、前記導電性接着剤に接合される金めっき層が設けられ、
    前記金めっき層は、その外周面に設けられた、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部を有していることを特徴とするサスペンション用基板。
  13. 前記配線接続部と前記金めっき層との間に、ニッケルめっき層が介在され、
    前記ニッケルめっき層は、前記注入孔により露出された前記配線接続部の面の全体を覆っていることを特徴とする請求項12に記載のサスペンション用基板。
  14. 前記外周縁凹凸部の凹凸高さは、0.0015mm〜0.0200mmであることを特徴とする請求項12または13に記載のサスペンション用基板。
  15. ベースプレートと、
    前記ベースプレートに、ロードビームを介して取り付けられた請求項1乃至14のいずれかに記載の前記サスペンション用基板と、
    前記ベースプレートおよび前記ロードビームの少なくとも一方に接合されると共に、前記サスペンション用基板の前記接続構造領域に前記導電性接着剤を介して接続された前記アクチュエータ素子と、を備えたことを特徴とするサスペンション。
  16. 請求項15に記載の前記サスペンションと、
    前記サスペンションに実装されたヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンション。
  17. 請求項16に記載の前記ヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブ。
  18. アクチュエータ素子に導電性粒子を含む導電性接着剤を介して接続可能な接続構造領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、
    絶縁層と、前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層と、を有する積層体を準備する工程と、
    前記配線層において、複数の配線と、前記接続構造領域に設けられ、対応する前記配線に接続されると共に、前記アクチュエータ素子に前記導電性接着剤を介して電気的に接続される配線接続部と、を形成する工程と、
    前記金属支持層の前記アクチュエータ素子の側の面に、前記導電性接着剤に接合される金めっき層を形成する工程と、を備え、
    前記金めっき層を形成する工程において、前記金属支持層の前記アクチュエータ素子の側の面に、レジスト開口の周縁が平面視で凹凸状に形成されたレジスト凹凸部を有するレジストを用いて金めっきが施され、このことにより、形成された前記金めっき層の外周縁に、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部が形成されることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
  19. アクチュエータ素子に導電性粒子を含む導電性接着剤を介して接続可能な接続構造領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、
    絶縁層と、前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層と、を有する積層体を準備する工程と、
    前記配線層において、複数の配線と、前記接続構造領域に設けられ、対応する前記配線に接続されると共に、前記アクチュエータ素子に前記導電性接着剤を介して電気的に接続される配線接続部と、を形成する工程と、
    前記金属支持層において、前記接続構造領域に設けられ、当該金属支持層を貫通する金属支持層貫通孔を形成する工程と、
    前記絶縁層において、当該絶縁層を貫通する絶縁層貫通孔であって、前記金属支持層貫通孔と共に、前記配線接続部の前記アクチュエータ素子の側の面を露出させ、少なくとも一部に前記導電性接着剤が注入される注入孔を構成する前記絶縁層貫通孔を形成する工程と、
    前記注入孔により露出された前記配線接続部の面に、前記導電性接着剤に接合される金めっき層を形成する工程と、を備え、
    前記金めっき層を形成する工程において、前記配線接続部の前記アクチュエータ素子の側の面に、レジスト開口の周縁が平面視で凹凸状に形成されたレジスト凹凸部を有するレジストを用いて金めっきが施され、このことにより、形成された前記金めっき層の外周縁に、平面視で凹凸状に形成された外周縁凹凸部が形成されることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
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