JP2013205599A - 映写用スクリーン及びこれを用いたホワイトボード装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホワイトボード用マーカーにより繰り返し書き込みと消去を繰り返しても、映写/筆記面の磨耗が少なく、映写光の拡散反射性が保持されて、ホットスポットの発生を抑制することができる映写用スクリーン及びこれを用いたホワイトボード装置を提供することを目的としている。
【解決手段】映写/筆記面の構成として、基材と、基材上面に形成され、複数の微粒子を内包した塗膜層により微小な表面凹凸の映写面を形成するにあたり、微粒子として、超高分子量ポリオレフィン微粒子を用いた。映写/筆記面の表面凹凸の耐摩耗性が著しく向上するので、ホワイトボード用マーカーにより繰り返し書き込みと消去を繰り返しても、映写/筆記面の磨耗が少なく、映写光の拡散反射性が保持されて、ホットスポットの発生を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、映写面にマーカーによる書き込みや消去ができる映写用スクリーン及びこれを用いたホワイトボード装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータ等に接続されたプロジェクター装置からのデータを映写するとともに、ホワイトボード用マーカーによる書き込み及び消去を行うことができるホワイトボード装置が利用されている。
この種のホワイトボード装置は、特徴として、映写面を観やすくするためにプロジェクターからの映写光を拡散反射させる表面加工が施されたスクリーンを有する。この種のホワイトボードに適した映写用スクリーンとして、特許文献1は、ホワイトボードとして使用できるとともに、映写スクリーンとしても使用できるホワイトボード及び映写スクリーン兼用フィルムについて開示している。具体的には、表面の光沢を少なくし、かつ、映写面にマーカーで書き込みや消去ができるように、白色合成樹脂フィルムの表面を微細凹凸面にするとともに、この微細凹凸面に硬質ハードコート層を被覆してなるものである。
このような微細凹凸を有する映写/筆記面は、映し出された映像の中央にプロジェクターの光源が明るいスポット状に見える現象、いわゆるホットスポットが発生しない程度の十分な光拡散反射性により優れた映写性を実現しながら、ホワイトボードマーカーによる筆記・消去が可能である必要がある。
特開平11−277984号公報
上記のような、ホワイトボード及び映写スクリーン兼用フィルムの表面には、ホワイトボード用マーカーとイレーサーによる筆記・消去の繰り返しに耐えうるための耐摩耗性も要求される。すなわち、使用開始の初期段階においては、映写性と筆記・消去性とが両立されていても、筆記・消去を繰り返しているうちに、映写/筆記面の表面凹凸が磨耗し、プロジェクターからの映写光を拡散反射させる性能が失われ、光沢度が上昇し、ホットスポットが出現するようになる。特に、近年はプロジェクターの輝度が高くなっているため、このような光沢度の上昇による映写性の低下は大きな問題となり、従来のホワイトボード兼用スクリーンでは、十分な性能が実現できなかった。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、ホワイトボード用マーカーとイレーサーによる筆記・消去を繰り返しても、映写/筆記面の磨耗が少なく、映写光の拡散反射性が保持されて、ホットスポットの発生を抑制することができる映写用スクリーン及びこれを用いたホワイトボード装置を提供することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、基材と、前記基材の表面に形成され、複数の微粒子を内包した塗膜層とを有する映写用スクリーンであって、前記塗膜層の前記基材と接する面とは反対側の露出面が、前記複数の微粒子によって凹凸形状に形成され、前記微粒子が、主として超高分子量ポリオレフィン微粒子からなるものである。
本発明は、上記構成により、塗膜層の基材と接する面とは反対側の露出面である映写/筆記面の凹凸形状が複数の超高分子量ポリオレフィン微粒子を内包することにより形成されたものとなるため、映写/筆記面の表面凹凸の耐摩耗性が著しく向上するので、ホワイトボード用マーカーにより繰り返し書き込みと消去を繰り返しても、映写/筆記面の磨耗が少なく、映写光の拡散反射性が保持されて、ホットスポットの発生を抑制することができる映写用スクリーン及びこれを用いたホワイトボード装置を提供することができる。
本発明の一実施例におけるホワイトボード装置の概略構成図 本発明の一実施例における映写用スクリーンの断面構成を示す概略図 本発明の映写用スクリーンの製造工程を示すフロー図 (a)基材の下地処理を示す要部拡大断面図、(b)塗膜層の積層後の要部拡大断面図、(c)塗膜層の溶媒除去後の要部拡大断面図、(d)スクリーン面の形成後の要部拡大断面図 本発明の実施例1における、(a)マーカー筆記・消去繰り返し試験を実施する前の映写/筆記面の顕微鏡写真(b)マーカー筆記・消去繰り返し試験を実施した後の映写/筆記面の顕微鏡写真 本発明の比較例1における、(a)マーカー筆記・消去繰り返し試験を実施する前の映写/筆記面の顕微鏡写真(b)マーカー筆記・消去繰り返し試験を実施した後の映写/筆記面の顕微鏡写真 本発明の比較例2における、(a)マーカー筆記・消去繰り返し試験を実施する前の映写/筆記面の顕微鏡写真(b)マーカー筆記・消去繰り返し試験を実施した後の映写/筆記面の顕微鏡写真 本発明の比較例3における、(a)マーカー筆記・消去繰り返し試験を実施する前の映写/筆記面の顕微鏡写真(b)マーカー筆記・消去繰り返し試験を実施した後の映写/筆記面の顕微鏡写真
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、基材と、前記基材の一方の面に形成され、複数の微粒子を内包した塗膜層とを有する映写用スクリーンであって、前記塗膜層の前記基材と接する面とは反対側の露出面が、前記複数の微粒子によって凹凸形状に形成され、前記微粒子が、主として超高分子量ポリオレフィン微粒子からなる構成とする。
これによると、塗膜層の基材と接する面とは反対側の露出面である映写/筆記面の凹凸形状が複数の超高分子量ポリオレフィン微粒子を内包することにより形成されたものとなるため、映写/筆記面の表面凹凸の耐摩耗性が著しく向上するので、ホワイトボード用マーカーにより繰り返し書き込みと消去を繰り返しても、映写/筆記面の磨耗が少なく、映写光の拡散反射性が保持されて、ホットスポットの発生を抑制することができる映写用スクリーン及びこれを用いたホワイトボード装置を提供することができる。なお、超高分子量とは、分子量を100〜700万程度まで高めたものを指し、分子量数万〜数十万程度までの通常のポリオレフィン樹脂と比較して、優れた耐摩耗性、耐衝撃性、摺動性、潤滑性を有する。
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記塗膜層が、前記複数の微粒子を内包した樹脂溶液を前記基材の表面に塗布して形成され、前記樹脂溶液が前記微粒子の面を覆うとともに前記複数の微粒子間を埋めるように硬化して、前記凹凸形状が形成されている構成とする。
これによると、例えば樹脂溶液を紫外線硬化型のものを用いて紫外線を照射して硬化させることにより、塗膜層の露出面に滑らかな凹凸形状が形成される。
また、第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明において、前記超高分子量ポリオレフィン微粒子が、分子量が100万〜700万の超高分子量ポリエチレンからなる略球状の微粒子である構成とする。
分子量が100万〜700万の超高分子量ポリエチレンからなる略球状微粒子により、塗膜層の露出面には滑らかな微小凹凸が形成され、耐摩耗性がより一層高いものとなる。
また、第4の発明は、前記第1の発明乃至第3のいずれかの発明において、前記複数の微粒子の平均粒径が、前記露出面の60°鏡面光沢度が40以下になるように設定されている構成とする。
塗膜層の露出面における60°鏡面光沢度が高い場合には、マーカー筆記・消去性については十分な性能を有するが、防眩性については十分な性能を得られない虞がある。そこで、塗工液の配合と塗工条件を調整することにより、複数の超高分子量ポリオレフィン微粒子を内包した塗膜層により形成される表面凹凸の形状と寸法を調整し、塗膜層の露出面の60°鏡面光沢度を40以下とする。これにより、プロジェクターに対する防眩性、ならびにホワイトボードマーカーを用いた筆記・消去性の十分な性能を確保し得る。
また、第5の発明は、筆記消去を行うボード面が、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の映写用スクリーンにより形成された構成とする。これにより、上記の効果を得ることができる実用的に優れたホワイトボード装置を得ることができる。
以下、本発明の映写用スクリーン及びこれを用いたホワイトボード装置の一実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例におけるホワイトボード装置の概略構成図である。ホワイトボード装置本体1は、本発明の映写用スクリーンにより表層を形成したボード面2を有している。ボード面2は、パーソナルコンピュータ3等に接続されたプロジェクター装置4からの映写画像を映す映写用スクリーンとしての適正を有するとともに、ホワイトボード用マーカー5及びイレーサー6を用いた筆記・消去に対する適正を有する。続いて、本発明の映写用スクリーンについて説明する。
図2は、本発明の一実施例における映写用スクリーンの断面構成を示す概略図である。基材7は、後述する略球状の微粒子8とマトリックス樹脂9とにより構成される塗膜層10の形成及び保持、ならびに、ホワイトボード面としての使用に際して、支障が無い程度の強度を有するものである。この実施形態において、塗膜層を形成する基材7の塗工面には、いわゆる「下地荒らし処理」が施されている。この実施形態では、酸化チタンや炭酸カルシウムなどの顔料や微粒子を用いたマット塗工により下地荒らし表層11が形成されているが、サンドブラスト処理によるものであってもよい。このように、下地荒らし表層11を設けることにより、その表面となる下地荒らし面11aが凹凸形状に形成され、映写用スクリーン全体の光沢度をさらに下げるようにしている。ただし、この「下地荒らし処理」については、必須とするものではない。
基材7の材料としては、プラスチック、鋼板、木板、ガラス板、樹脂化粧版等を挙げることができる。また、基材の厚さも特に制限されず、ホワイトボード装置の構成やボード面の製造方法に合わせ、フィルム状の物や板状のものを用いることができる。特に、シート状の映写用スクリーンを製造する場合には、厚さ20〜200μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーカーボネートフィルム等を好適に用いることができる。
基材7は、塗膜層10に透明性を有する材料を用いる場合、塗膜層10を透過した映写光の反射層及びボード面の色彩を決定する層としても機能するため、その場合は、白色もしくは白色に近い淡色であることが好ましい。ホワイトボード装置本体1のボード面2を形成する際には、板状の基材7を用いた場合にはそのまま利用して形成することが可能であり、フィルム状の基材7を用いる場合等には、別途、裏面を剛性の高い板部材と張り合わせて形成することも可能である。
塗膜層10は、マトリックス樹脂9により、略球状の微粒子としての超高分子量ポリオレフィン微粒子8及び後述する添加剤12を内包する形で構成され、マトリックス樹脂9で被覆された超高分子量ポリオレフィン微粒子8の上部(図における上側)表面とその間を埋めるマトリックス樹脂9によって、なめらかな表面凹凸が形成される。塗膜層10の厚さは、マトリックス樹脂9と球状微粒子8の組み合わせと工法を用いて、表面凹凸を形成できれば特に限定されるものではないが、3〜30μm程度が好適範囲となる。また、ホワイトボード面としての強度と耐久性を確保するため、鉛筆硬度で少なくともB以上が必要で、さらにH以上の表面硬度を有することが好ましい。
本発明の特徴である、超高分子ポリオレフィン微粒子8は、マトリックス樹脂9との組み合わせにより、塗膜層10の表面10aに耐摩耗性が高い滑らかな凹凸を形成するために配合される。また、超高分子量ポリオレフィン微粒子8を用いることにより、表面10aの潤滑性が高くなるため、良好なマーカー筆記・消去性が得られる。
超高分子量ポリオレフィンは、分子量が100万〜700万と極めて大きく、非常に高い耐摩耗性、耐衝撃性、摺動性、潤滑性を有している。超高分子量ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1等がある。
従来のホワイトボード装置における映写用スクリーンでは、粉砕型シリカ等、ランダム形状で、粒子径が比較的小さい微粒子が用いられることが多い。このような微粒子を用いた場合、凹凸形状がより細かく不規則になりやすいため、拡散反射性が高く、プロジェクター映写性に優れた表面形状を形成しやすく、また、原料コスト的に優位である等の利点がある。しかしながら、細かく鋭いカーブを有する凹凸形状が発生しやすく、また、複雑な形状の細かい粒子と樹脂との界面が表面に露出して形成されてしまう場合があること等により、表面に付着したマーカーインクがイレーサーで完全に拭き取れない場合が多く、十分なマーカー筆記・消去性が確保しにくい。
このような理由から、本発明では、すべり性が良くかつ耐摩耗性が高い表面凹凸を形成し、好適なプロジェクター映写性とマーカーによる筆記・消去性を両立させるため、略球状の超高分子量ポリオレフィン微粒子を用いることが好ましい。また、球状微粒子の大きさは、平均粒子径が3〜30μm、好ましくは5〜20μmの範囲がよい。ここで、平均粒子径とは、体積基準でのメジアン径を意味し、コールターカウンター(コールター社製)等により計測される。平均粒子径が3μmより小さい場合、もしくは、30μmより大きい場合は、十分な光散乱性と筆記・消去性とを両立できる表面凹凸を形成することが困難になり、良好な映写性と筆記・消去性を両立できなくなる。このような観点から、本発明においては、超高分子量ポリオレフィンの中でも、超高分子量ポリエチレンが特に好ましい。
マトリックス樹脂9は、超高分子量ポリオレフィン微粒子8を内包し、滑らかな微小凹凸を形成するとともに、超高分子量ポリオレフィン微粒子8と共に、塗膜層10の物理的、化学的性状を決めるものである。このため、(1)単独、もしくは溶剤との混合により基材7上に塗膜形成が可能、(2)超高分子量ポリオレフィン微粒子8の表面を被覆しながら、樹脂微粒子8の平均粒子径や塗膜層10中における配合比を調整することにより、所望の凹凸形状を形成することが可能、(3)映写用スクリーンの表面層として十分な強度と耐久性を有する塗膜層10を形成可能、(4)マーカーインクに対する適度な親和性、界面張力を有すること、(5)透明もしくは淡色であること、といった基本的な性能を有していることが必要である。この要求を満たすものであれば、マトリックス樹脂9は特に限定されるものではなく、各種公知の塗料用樹脂やコーティング用樹脂を用いることができる。このような塗料用樹脂やコーティング樹脂の例としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂及びこれらの変性樹脂や共重合体樹脂があり、多種多様な製品が上市されている。なお、本発明において、略球状の超高分子量ポリオレフィン微粒子の上部表面は、マトリックス樹脂9により完全に被覆されている必要は無く、一部が露出した状態となっていても問題無い。
これらの樹脂を基材7上に成膜する方法としては、例えば、(1)紫外線硬化型、電子線硬化型もしくは熱硬化型のモノマー、オリゴマー、樹脂等を含む反応性樹脂原料混合物を用いて、塗工後に光もしくは熱により樹脂原料を硬化させ、塗膜を形成する方法、(2)樹脂を溶剤に溶解もしくは分散した状態で基材上に塗工後、溶剤を揮発させることにより塗膜を形成する方法がある。このうち、紫外線硬化型の樹脂を用いる方法は、前記のような基本的な性能を有するマトリックス樹脂9を形成するのに適しており、また、樹脂の硬化反応が短時間で完了するといった点で、生産性の面でも有利であり、特に好ましい。
以上のような観点から、マトリックス樹脂9の原料として好ましいものとして、アクリル系、エポキシ系、及びそれらの変性化合物や共重合化合物を主成分とするモノマー、オリゴマー、樹脂を主成分とする紫外線硬化型樹脂が挙げられる。このような紫外線硬化型樹脂原料であるウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシ樹脂、各種モノマーは、例えば、根上工業株式会社、新中村化学工業株式会社、共栄社化学株式会社、サートマー・ジャパン株式会社、東亞合成株式会社、日本化薬株式会社より上市されている。中でも、ウレタンアクリレートを主成分とするアクリル系の紫外線硬化型樹脂は、原料の選択範囲が広く、硬く強靭で高い耐擦傷性を有する塗膜や基材との密着性の高い塗膜が得ることが可能であるため、特に好ましい。
通常、紫外線硬化型樹脂を作製する場合には、上記モノマー、オリゴマー、樹脂等に加えて、光重合開始剤を配合する必要がある。光重合開始剤としては、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系等のラジカル重合開始剤、ヨードニウム塩系、スルホニウム塩系等のカチオン重合開始剤が挙げられ、市販品の例としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製のIRGACURE(商品名)シリーズ、DAROCURE(商品名)シリーズ、日本化薬株式会社製のKAYACURE(商品名)シリーズ、三新化学工業株式会社製のサンエイドSI(商品名)シリーズがある。
その他、塗膜形成用の塗工液の表面張力や、硬化後の塗膜の潤滑性や撥水・撥油性を調整するための添加剤(図示せず)を適宜配合することが好ましい。このような添加剤としては、変性ポリジメチルシロキサンやアクリル系重合物よりなる表面調整剤が挙げられる。さらに、超高分子量ポリオレフィン微粒子8の分散性を向上させるための分散剤、マトリックス樹脂9を着色するための色材等を適宜配合することが可能である。また、超高分子量ポリオレフィン微粒子8との混合や塗工液の塗布工程を行いやすくするため、揮発性有機溶剤を混合して樹脂溶液の調整を行ってもよく、その場合は、基材7上に原料混合物を塗工後、紫外線照射を行う前に、加熱処理等により揮発性有機溶剤を除去する必要がある。好適な揮発性有機溶剤の例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールがある。なお、添加剤12は液状の化合物(ポリマー)である。図2においては、便宜上、添加剤12を粒子状として示しているが、実際には添加剤12は、マトリックス樹脂9中に分子レベルで溶け込んでおり、図2に示されるような大きさをもった粒子として存在しているわけでは無い。
上記のような配合を基本として、塗料やコーティング用として調製された紫外線硬化型の樹脂原料混合物も各種上市されており、本発明に好適に用いることができる。市販品の例としては、日本合成化学株式会社製の紫光(商品名)シリーズ、株式会社ADEKA製のアデカオプトマー(商品名)シリーズ、荒川化学工業株式会社製のビームセット(商品名)シリーズ、DIC株式会社のユニディック(商品名)シリーズがある。
以上のような材料を用いて、超高分子量ポリオレフィン微粒子8を含有するマトリックス樹脂9を主成分とする塗膜層10を形成することにより、ホワイトボード用マーカーにより筆記・消去を繰り返しても、映写/筆記面の磨耗が少なく、映写光の拡散反射性が保持されて、ホットスポットの発生を抑制することができる映写用スクリーン及びこれを用いたホワイトボード装置を作製することができる。このような超高分子量ポリオレフィン微粒子8を用いた塗膜層10の表面10aのマーカー筆記・消去と耐磨耗性の高さについては、実施例及び比較例を用いて後述する。
図2に示されるように、塗膜層10の表面10aすなわち筆記面より入射する光(矢印L)は、塗膜層10の表面10aで反射される1次反射光(矢印L1)と、塗膜層10を透過し、基材7の塗工面(すなわち、基材7の塗膜層10との接触面)で反射し、再び塗膜層10を透過して出射する2次反射光(矢印L2)とに、大きく分かれる。
塗膜層10の表面10aには、先に述べたような凹凸が形成されているため、1次反射光(L1)は、ある程度拡散された状態となる。同時に、塗膜層10の内部に入射する光も、ある程度拡散されて入射する。塗膜層10の内部において、それを構成する超高分子量ポリオレフィン微粒子8、添加剤12を含むマトリックス樹脂9とは、互いにその材質が異なるため、光の屈折率も異なる。したがって、超高分子量ポリオレフィン微粒子8、添加剤12、マトリックス樹脂9のそれぞれの界面において、2次反射光(L2)の屈折や散乱が発生する。そのように屈折や散乱がなされた2次反射光(L2)は、塗膜層10の表面10aより出射する際に、その凹凸により、さらに拡散される。このようにして、1次反射光(L1)及び2次反射光(L2)が二重、三重あるいはそれ以上に拡散されるので、映し出された映像の中央にプロジェクターの光源が明るいスポット状に見える現象、いわゆるホットスポットの発生を低減することができる。ここで、ホットスポットの発生を抑え、優れた映写性を得るためには、映写面の光沢度は、60°光沢値で40以下であることが好ましく、30以下がより好ましい。
さらに、塗膜層10を形成する基材7の塗工面(すなわち、基材7の塗膜層10との接触面)に対して、いわゆる「下地荒らし処理」を行い、下地荒らし表層11を形成すると、塗膜層10を透過し、基材7の下地荒らし表層11上(下地荒らし面11a)で反射する2次反射光(L2)の散乱が高まり、総合的な光拡散反射性が上積みされる。このことにより、さらにホットスポットの発生を低減することができ、より鮮明な映写画像を得ることができる。この「下地荒らし処理」は、サンドブラスト処理やマット塗工など公知の方法により行うことができる。
本発明の映写用スクリーンは、前記のような材料構成により、種々公知の樹脂混合方法ならびに塗工方法を用いて製造することが可能であるが、以下に、製造方法の一実施例を説明する。
図3は、本発明の映写用スクリーンの製造工程を示すフロー図であり、図4は、図3のフロー図の工程に伴うスクリーン面の形成過程を示す図である。まず、基材7の塗工面に塗布し凹凸を形成するための、紫外線硬化型の塗工液を作製する(工程ST1−1)。これに際して、始めにウレタンアクリレートまたはエポキシアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂溶液を作製する。このとき、適量の揮発性有機溶剤を混合し、塗工に適した溶液粘度に調整することが好ましい。ここで、樹脂の混合には、各種公知のミキサー、シェイカー等を用いることができる。続いて、添加剤と、超高分子量ポリエチレンなどの、超高分子量ポリオレフィン微粒子8を加えて混合する。以上のようにして、塗工用原液が得られる。
これと並行、または前後して、基材7の塗工面(すなわち、下地荒らし表層11の塗膜層10との接触面)に対して、いわゆる「下地荒らし処理」を施して、凹凸を有する下地荒らし面11aを形成しておく(工程ST1−2,図4(a))。先に述べたように、この「下地荒らし処理」は、サンドブラスト処理やマット塗工などにより行われる。なお、図4(a)は、図2で示したマット塗工の例であり、図2と同様の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
このようにして下地荒らし処理が施された白色のPETからなる基材7の塗工面(下地荒らし面11a)に対して、工程ST1−1において作製された塗工用原液21を塗布する(工程ST2、図4(b))。塗工用原液21の塗布には、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーターなど、公知の塗工装置を用いることができる。続いて、塗工後の基材をオーブン等で加熱し、揮発性有機溶剤を蒸発させる(工程ST3,図4(c))。ここで、先に例示したような揮発性有機溶剤を使用した場合には、例えば、60〜80℃程度の温度で加熱乾燥を行えばよい。このとき、揮発性有機溶剤の蒸発に伴い、前記のような表面凹凸形状がほぼ形成される。
続いて、塗工用原液21の揮発性有機溶剤が蒸発した後の凹凸形状となった塗工凹凸面21aに図における上方より紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂を硬化させることにより、塗膜層10が完成する(工程ST4,図4(d))。このとき、紫外線硬化型樹脂は重合反応に伴う硬化収縮により、若干収縮している。紫外線照射には、種々公知の紫外線照射用光源装置を用いることができ、例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプ、クセノンランプ、LEDランプ等がある。紫外線の照射量は、一般的なアクリル系の紫外線硬化型樹脂の場合、波長365nmで計測した積算光量が、100〜1000mJ/cm2程度となるようにすればよい。
以上のような材料構成と工法により、高い光拡散反射性と、耐磨耗性を併せ持つ塗膜層10の表面10aを形成することができ、マーカーでの筆記・消去を繰り返しても、光沢度の上昇が少なく、ホットスポットを生じない鮮明な映写画像を得ることができる映写用スクリーン及びこれを用いたホワイトボード装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例を示す。
[実施例1]
実施例1では、平均粒子径が11.3μmの球状の超高分子量ポリオレフィン微粒子としての超高分子量ポリエチレン微粒子、ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂、変性ポリシロキサン系添加剤、酢酸エチルを主成分とする希釈溶剤を使用して、先の図3における工程ST1−1に記載した方法により塗工液を作成した。ここで、超高分子量ポリエチレン微粒子の平均粒子径は、体積基準のメジアン径であり、ベックマン・コールター社製のコールターカウンターを用いて計測した。以下の実施例および比較例における平均粒子径も、特に記載しない限り同様である。
この塗工液を基材7としての厚さ125μmの白色ポリエステルフィルムに塗布後(先の図3における工程ST2)、加熱乾燥により溶媒を除去した(先の図3における工程ST3)。その後、メタルハライドランプにより塗工膜に紫外線を照射することにより樹脂を硬化させて(先の図3における工程ST4)、表面10aに微小な凹凸を有する塗膜層10を形成した。この塗膜層の厚さは約15μm、光沢度は24であった。ここで、光沢度とは、LED光源とシリコンフォトダーオード製受光部を有する光沢度計を用いて、JIS Z 8741に規定された鏡面光沢度−測定方法により計測される60°鏡面光沢度のことである。
このようにして作製された塗工フィルムサンプルについて、ホワイトボードマーカーを用いたマーカー筆記・消去性、ならびにホワイトボードマーカーとイレーサーを用いた筆記・消去を少なくとも100回以上繰り返した後の光沢度の変化量を計測し、筆記・消去100回当たりの光沢度上昇率を調べた。また、試験前後において、試験サンプルの表面状態を電子顕微鏡で観察し、表面状態の変化を調べた。マーカー筆記・消去性ならびに、光沢度上昇率の試験方法について、表1を参照して以下に述べる。なお、表1の光沢度(防眩性)の欄は、市販の液晶プロジェクター(パナソニック製 PT−LB75、最大輝度:2600ルーメン)を用いて、映写用スクリーン正面約2mの距離より画像を映写し、投影画像の品質を目視で評価したものである。スクリーン上にホットスポットの存在が認められない程度に鮮明な映写画像が得られたものについては◎と記した。そして、ホットスポットの存在は認められるが、映写された画像の視認には支障が無い程度にその影響が低く、容認できる程度に鮮明な映写画像が得られたものについては○と記した。さらに、ホットスポットの存在が大きく認められ、映写された画像の視認に支障をきたす(すなわち「目が疲れる」などの症状を訴える)程度にその影響が大きく、鮮明な映写画像が得られなかったものについては×と記した。
(1)ホワイトボードマーカーを用いたマーカー筆記・消去性
黒色の市販ホワイトボード用マーカー(パナソニック電子黒板用マーカー)を用いて、サンプルの映写用スクリーン上の約10×20cmの領域に連続した楕円を描き、市販のホワイトボード用イレーサーを用いて筆記部を消去した。この筆記と消去を1セットとして100回繰り返した。そして、この筆記・消去試験を行う前と筆記・消去を100回繰り返した後とでそれぞれ、筆記・消去面の色彩L*a*b*の計測を行い、その差から色差ΔEを計算することにより、マーカーインクの拭き取り性を評価した。表1において、ΔEが2以下のものを○、そうでないものを×と記した。また、筆記・消去の繰り返しによりマーカーのかすれ等が生じた場合も×と記した。
(2)マーカー筆記・消去繰り返し時の光沢度上昇率
前述した(1)のマーカーによる筆記・イレーサーによる消去を少なくとも100回以上繰り返し、実施する前と、実施した後において、表1の実施例1及び比較例1〜5について、それぞれ、光沢度を測定した。光沢度の変化量から、マーカー筆記・消去繰り返し100回あたりの光沢度上昇率を調べた。スクリーン面としての塗膜層10の表面10aの磨耗が大きいほど、光沢度上昇率が大きくなり、マーカー筆記・消去の繰り返しにより、ホットスポットが発生しやすくなる、すなわち、映写用スクリーンとしての寿命が短くなる。
以上の評価を行った結果、表1に示すように、本発明による実施例1の製品では、マーカー筆記・消去性、光沢度上昇のいずれについても、極めて優れた性能を有する。
図5(a)は、マーカー筆記・消去を実施する前の映写/筆記面の顕微鏡写真、図5(b)は、300回のマーカー筆記・消去を実施した後の映写/筆記面の顕微鏡写真である。この2つの写真を比較して明らかなように、特に超高分子量ポリエチレン球状微粒子により形成された映写/筆記面の凸部分において、磨耗や損傷がほとんど生じていない。したがって、ホワイトボード用マーカーにより繰り返し書き込みと消去を繰り返しても、映写/筆記面の凹凸は極めてよく保たれているので、マーカー筆記・消去繰り返し100回あたりの光沢度の上昇も0.2と非常に小さい。すなわち、映写光の拡散反射性が保持され、ホットスポットの発生を抑制することができる。それに加えて、ホワイトボードマーカーを用いたマーカー筆記・消去性についても、極めて優れた性能を得ることができる。
[比較例1]
先の実施例1と同様の製造方法において、実施例1における超高分子量ポリエチレン微粒子に代えて、表1に示すように、平均粒子径が10.2μmの真球状のポリメタクリル酸メチルを主成分とする球状アクリル微粒子を内包する塗工液によりスクリーン面を形成した映写用スクリーンサンプルを作製した。
このようにして作製された映写用スクリーンサンプルについて、先の実施例1と同様の評価方法により、ホワイトボードマーカーを用いたマーカー筆記・消去性、ならびにそのマーカー筆記・消去性の前後における光沢度上昇を評価した。その結果、表1に示すように、マーカー筆記・消去性については許容範囲にはあるものの、光沢度上昇については満足できる性能を得られなかった。
図6(a)は、マーカー筆記・消去を実施する前の映写/筆記面の顕微鏡写真、図6(b)は、200回のマーカー筆記・消去を実施した後の映写/筆記面の顕微鏡写真である。この2つの写真を比較して明らかなように、本比較例1の球状アクリル微粒子により形成された映写/筆記面の凸部分においては、顕著な磨耗と損傷が見られる。したがって、ホワイトボード用マーカーにより繰り返し書き込みと消去を繰り返すと、映写/筆記面の凹凸が平坦化されることにより、光沢度が上昇する。この結果、映写光の拡散反射性が保持されなくなり、ホットスポットが発生する。
[比較例2]
先の実施例1と同様の製造方法において、実施例1における超高分子量ポリエチレン微粒子に代えて、表1に示すように、不定形の低分子量ポリエチレン微粒子を内包する塗工液により映写用スクリーンサンプルを作製した。ここで使用した低分子量ポリエチレン微粒子は、溶剤を含むペースト状であるため、コールターカウンターによる平均粒子径の計測が困難であった。なお、粒ゲージにより計測した粒度は16μmであった。
このようにして作製された映写用スクリーンサンプルについて、先の実施例1と同様の評価方法により、ホワイトボードマーカーを用いたマーカー筆記・消去性、ならびにそのマーカー筆記・消去性の前後における光沢度上昇を評価した。その結果、表1に示すように、マーカー筆記・消去性、光沢度上昇のいずれについても満足できる性能を得られなかった。
図7(a)は、マーカー筆記・消去を実施する前の映写/筆記面の顕微鏡写真、図7(b)は、100回のマーカー筆記・消去を実施した後の映写/筆記面の顕微鏡写真である。この2つの写真を比較して明らかなように、本比較例2の低分子量ポリエチレン微粒子により形成された映写/筆記面の凸部分においては、顕著な磨耗と損傷が見られる。したがって、ホワイトボード用マーカーにより繰り返し書き込みと消去を繰り返すと、映写/筆記面の凹凸が平坦化されることにより、光沢度が上昇する。この結果、映写光の拡散反射性が保持されなくなり、ホットスポットが発生する。
[比較例3]
先の実施例1と同様の製造方法において、実施例1における超高分子量ポリエチレン微粒子に代えて、表1に示すように、平均粒子径が6.1μmの不定形のポリアクリロニトリル微粒子を内包する映写用スクリーンサンプルを作製した。
このようにして作製された映写用スクリーンサンプルについて、先の実施例1と同様の評価方法により、ホワイトボードマーカーを用いたマーカー筆記・消去性、ならびにそのマーカー筆記・消去性の前後における光沢度上昇を評価した。その結果、表1に示すように、マーカー筆記・消去性については許容範囲にはあるものの、光沢度上昇については満足できる性能を得られなかった。
図8(a)は、マーカー筆記・消去を実施する前の映写/筆記面の顕微鏡写真、図8(b)は、200回のマーカー筆記・消去を実施した後の映写/筆記面の顕微鏡写真である。この2つの写真を比較して明らかなように、本比較例3のポリアクリロニトリル微粒子により形成された映写/筆記面の凸部分においては、顕著な磨耗が見られる。したがって、ホワイトボード用マーカーにより繰り返し書き込みと消去を繰り返すと、映写/筆記面の凹凸が平坦化されることにより、光沢度が上昇する。この結果、映写光の拡散反射性が保持されなくなり、ホットスポットが発生する。
[比較例4]
先の実施例1と同様の製造方法において、実施例1における超高分子量ポリエチレン微粒子に代えて、表1に示すように、平均粒子径が7.9μmの真球状の高純度合成シリカ微粒子を内包する映写用スクリーンサンプルを作製した。
このようにして作製された映写用スクリーンサンプルについて、先の実施例1と同様の評価方法により、ホワイトボードマーカーを用いたマーカー筆記・消去性、ならびにそのマーカー筆記・消去性の前後における光沢度上昇を評価した。その結果、表1に示すように、マーカー筆記・消去性、光沢度上昇のいずれについても満足できる性能を得られなかった。
[比較例5]
先の実施例1と同様の製造方法において、実施例1における超高分子量ポリエチレン微粒子に代えて、表1に示すように、平均粒子径が12.0μmの球状のポリ-ε-カプラミド(ナイロン6)微粒子を内包する映写用スクリーンサンプルを作製した。
このようにして作製された映写用スクリーンサンプルについて、先の実施例1と同様の評価方法により、ホワイトボードマーカーを用いたマーカー筆記・消去性、ならびにそのマーカー筆記・消去性の前後における光沢度上昇を評価した。その結果、表1に示すように、マーカー筆記・消去性、光沢度上昇のいずれについても満足できる性能を得られなかった。
以上、実施例1及び比較例1〜5を用いて説明したように、球状微粒子として、超高分子量ポリオレフィン微粒子8を採用することにより、ホワイトボード用マーカーにより繰り返し書き込みと消去を繰り返しても、映写/筆記面の磨耗や損傷が極めて少なく、映写光の拡散反射性が保持されて、ホットスポットの発生を抑制することができる。加えて、ホワイトボードマーカーを用いたマーカー筆記・消去性についても、極めて優れた性能を得ることができる。
以上、本発明を、その好適形態実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であり、例えば電子黒板装置にも適用し得る。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
本発明の映写用スクリーンによれば、高輝度のプロジェクター装置においても鮮明な映写画像を得ることができるとともに、マーカーインクによる繰り返しの筆記・消去に対する耐久性が高いので、映写用スクリーンを用いたホワイトボード装置として有用である。
1 ホワイトボード装置本体
2 ボード面
3 パーソナルコンピュータ
4 プロジェクター装置
5 マーカー
6 イレーサー
7 基材
8 超高分子量ポリオレフィン微粒子
9 マトリックス樹脂
10 塗膜層

Claims (5)

  1. 基材と、
    前記基材の表面に形成され、複数の微粒子を内包した塗膜層とを有する映写用スクリーンであって、
    前記塗膜層の前記基材と接する面とは反対側の露出面が、前記複数の微粒子によって凹凸形状に形成され、
    前記微粒子が、主として超高分子量ポリオレフィン微粒子からなることを特徴とする映写用スクリーン。
  2. 前記塗膜層が、前記複数の微粒子を内包した樹脂溶液を前記基材の表面に塗布して形成され、
    前記樹脂溶液が前記微粒子の面を覆うとともに前記複数の微粒子間を埋めるように硬化して、前記凹凸形状が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の映写用スクリーン。
  3. 前記超高分子量ポリオレフィン微粒子が、分子量が100万〜700万の超高分子量ポリエチレンからなる略球状の微粒子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の映写用スクリーン。
  4. 前記複数の微粒子の平均粒径が、前記露出面の60°鏡面光沢度が40以下になるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の映写用スクリーン。
  5. 筆記消去を行うボード面が、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の映写用スクリーンにより形成されたことを特徴とするホワイトボード装置。
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