JP2013204033A - 吸湿性樹脂組成物及び吸湿機能を有する容器蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた吸湿性を有すると共に、一定湿度で飽和に達する吸湿性を発現できる吸湿性樹脂組成物を提供する
【解決手段】熱可塑性樹脂にセピオライトを配合してなる吸湿性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂の水蒸気透過度(40℃90%RH)が50g・100μm/m/day以上であり、前記セピオライトが樹脂組成物中20乃至45重量%の量で配合されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸湿性樹脂組成物及びこれを容器蓋内面に施してなる吸湿機能を有する容器蓋に関するものであり、より詳細には湿度を適度な範囲に調整可能であると共に脱臭性をも有する吸湿性樹脂組成物及び容器蓋に関する。
従来より、医薬品、食品等を内容物とする容器には、内容物の吸湿による内容物の変質や劣化を防止するために、シリカゲルやゼオライト等の吸湿剤を封入した袋、或いは吸湿剤を押し固めたタブレット等が内容物と共に容器内に収納されていた。しかしながら、袋状のものは破袋により内容物を汚染するおそれがあり、また容器とは別体で容器内に収納されるものは誤飲のおそれがあると共に内容物取出しの際に邪魔になることから、近年、容器蓋自体にこのような吸湿機能を持たせたものも提案されている(特許文献1等)。
特開2006−44777号公報
しかしながら、医薬品或いは食品等においては、その組成或いは形状等によって適度な水分によりその形状を保持するタイプのものもあり、吸湿性が非常に高い吸湿剤が使用されると、錠剤等の固形物表面にクラックが入ったり、或いはこのクラックに起因して固形物が破損する場合があることがわかった。
従って本発明の目的は、一定湿度で飽和に達する吸湿性を発現可能な吸湿性樹脂組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、医薬品等の固形物を内容物とした場合に、湿気による変質や劣化が有効に防止できると共に、固形物にクラック及びこれに起因する破損の発生が有効に防止された容器蓋を提供することである。
本発明によれば、熱可塑性樹脂にセピオライトを配合してなる吸湿性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂の水蒸気透過度(40℃90%RH)が50g・100μm/m/day以上であり、前記セピオライトが樹脂組成物中20乃至45重量%の量で配合されていることを特徴とする吸湿性樹脂組成物が提供される。
本発明の吸湿性樹脂組成物においては、熱可塑性樹脂がエチルアクリレートの共重合比率が20重量%以上であるエチレン−エチルアクリレート共重合体であることが好適である。
本発明によればまた、上記吸湿性樹脂組成物から成る成形品を容器蓋内面に接着して成ることを特徴とする容器蓋が提供される。
本発明の容器蓋においては、成形品が上記吸湿性樹脂組成物の溶融物を容器蓋内で圧縮成形して成るものであることが好適である。
本発明によれば更に、上記吸湿性樹脂組成物から成る層が、容器の内面の少なくとも一部を構成することを特徴とする容器が提供される。
本発明の吸湿性樹脂組成物においては、一定湿度で飽和に達する吸湿性を発現できるため、医薬品等の吸湿剤として使用された場合にも、過剰な吸湿による錠剤等のクラックの発生や破壊が生じるおそれがない。
また使用する熱可塑性樹脂の臭気を有効に吸着することができるので、臭気の移行等の問題がなく、フレーバー性にも優れている。
本発明の吸湿性樹脂組成物から成る成形品を容器蓋内に接着して成る容器蓋、或いは本発明の吸湿性樹脂組成物から成る層を有する容器においては、従来の袋状の吸湿剤等のように容器及び蓋とは別体のものを収納した場合に特有の欠点である破袋や誤飲等のおそれがない。また容器内の湿気を適度に吸湿し、湿気による変質や劣化を防止できると共に、過剰な吸湿による錠剤等の破損などが有効に防止できる。更に、比較的臭気のある熱可塑性樹脂が使用された場合にも内容物へ臭気が移行するおそれがない。
本発明の吸湿性樹脂組成物に用いるセピオライトは、(OH)(OH)MgSi12306〜8HOの化学組成を有する粘土鉱物であり、従来より吸着剤としての用途が知られているが、本発明においては、このセピオライトを特定の水蒸気透過度を有する熱可塑性樹脂に特定量配合してなる樹脂組成物が、容器内の湿気を過剰に除去せず、一定湿度で飽和状態に達し、医薬品等の保管等に好適な適度な湿度を提供できることを見出した。
また上記水蒸気透過度を満足する熱可塑性樹脂の一例であるエチレン−エチルアクリレート共重合体等においては、特定の臭気を有するが、本発明の樹脂組成物においては、セピオライトがかかる臭気も有効に吸着し、臭気による影響を低減することができる。
本発明のこのような優れた作用効果は後述する実施例の結果からも明らかである。
すなわち、本発明の樹脂組成物を用いた場合には、一定期間経過後の容器内湿度が10乃至15%RHの範囲にあり、適度な湿気が容器内に残存していると共に、エチレン−エチルアクリレート共重合体の臭気成分が除去されており、しかも押出混練性にも優れている(実施例1〜4)。
これに対して、セピオライトを用いた樹脂組成物であっても、その配合量が上記範囲よりも少ない場合は勿論、多い場合においても吸湿性に劣っており、湿度は15%RHを超え(比較例1及び2)、更にセピオライトの配合量が多いと押出混練性も劣っている(比較例1)。また水蒸気透過性が50g・100μm/m/dayよりも低い熱可塑性樹脂を用いた場合にも吸湿性に劣っている(比較例3)。更に、セピオライト同様、従来より吸湿剤として使用されているベントナイト及びゼオライトを用いた場合、ベントナイトを用いた樹脂組成物においては、容器内の臭気成分の検出はなかったものの、容器内の湿度は15%RHを超えている(比較例4)。更にまた、ゼオライトを用いた樹脂組成物においては、容器内の湿度が5%RH以下になっており(比較例5及び6)、過剰に吸湿されていると共に、臭気成分が除去されていないことが明らかであり(比較例5)、脱臭剤として特定のゼオライトを配合して初めて臭気の発生が抑制された(比較例6)。
(熱可塑性樹脂)
本発明の吸湿性樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂は、JIS K7129に準拠して測定された40℃、90%RHの条件下で測定した100μm厚みでの水蒸気透過度が50g/m/day以上、特に50乃至80g/m/dayにある。上記範囲よりも水蒸気透過度が小さい場合には、樹脂組成物中のセピオライトに水分が到達せず、十分な吸湿性を得ることができない。
このような熱可塑性樹脂としては、これに限定されないが、エチルアクリレート又はメチルアクリレート含有量が20wt%以上のエチレン−エチルアクリレート共重合体又はエチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン含有量が33wt%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルサルフォン等を挙げることができ、これらの2種以上をブレンドして使用することもできる。
本発明においては、エチルアクリレート含有量が20wt%以上、特に25wt%以上のエチレン−エチルアクリレート共重合体を好適に使用できる。
上記熱可塑性樹脂は、フィルムを形成するに足る分子量を有していることが必要である。
(セピオライト)
本発明の吸湿性樹脂組成物に用いるセピオライトとしては、吸着剤として市販されているセピオライトを使用することができるが、特に水分量が10wt%以下のものを好適に用いることができる。水分量が上記範囲よりも多い場合には、熱可塑性樹脂に混練する際に水蒸気が発生し、セピオライトが凝集するおそれがある。
また、分散性の点から、レーザー回折法で測定した平均粒径が5乃至10μmの範囲にあることが望ましい。
(吸湿性樹脂組成物)
本発明の吸湿性樹脂組成物は、樹脂組成物中、セピオライトが20乃至45重量%、特に30乃至40重量%の量で配合されていることが望ましい。上記範囲よりもセピオライトの量が多いと、セピオライトが均一に分散せず、押出混練性に劣るようになり、一方上記範囲よりもセピオライトが少ないと、十分な吸湿性を得ることができず、所期の目的を達成できない。
本発明の吸湿性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂としてアルキル(メタ)アクリレートや酢酸ビニル等の芳香性のモノマーを含有する熱可塑性樹脂を用いる場合であっても、セピオライトがこのような臭気を吸着し、臭気の発生が防止されているので、脱臭剤を別途配合する必要がない。
また本発明の吸湿性樹脂組成物は、本発明により得られる吸湿性及び臭気成分吸着性を損なわない限りの範囲で、従来公知の樹脂用配合剤、例えば、充填剤、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料等を適宜配合することができる。
(容器蓋)
本発明の容器蓋は、本発明の吸湿性樹脂組成物から成る成形品を容器蓋内面に有するものであり、これにより容器内を適切な湿度に保持することが可能であると共に、吸湿剤が容器蓋と一体となっているので、破損や誤飲等のおそれがない。
このような成形品の形状は特に限定されず、パネル、シート、或いはタブレット型等種々の形状を採用でき、押出成形、射出成形、圧縮成形等従来公知の成形法で成形し、これを容器蓋内面、特に頂板部内面に接着することにより容器蓋に一体化する。
また成形品は、容器蓋内に本発明の吸湿性樹脂組成物の溶融樹脂を供給し、圧縮成形(インシェルモールド成形)或いは容器蓋を型の一部として使用する射出成形(インサート成形)により直接容器蓋内で成形することもできる。
本発明の吸湿性樹脂組成物から成る成形品を有する容器蓋の材質及び形状は特に限定されず、金属製又は樹脂製の何れであってもよく、従来公知の全ての容器蓋を使用することができる。
(容器)
本発明の容器は、本発明の吸湿性樹脂組成物から成る層が、容器の内面の少なくとも一部に形成されているものであり、これにより容器内を適切な湿度に保持することが可能になる。
このような容器としては、例えば、これに限定されないが、共射出成形、共圧縮成形等によって直接多層容器として成形することもできるし、本発明の吸湿性樹脂組成物から成る層を有する多層シート又は多層パリソンを作成し、本発明の吸湿性樹脂組成物から成る層が内層となるように、圧空成形、真空成形、ブロー成形等によって成形することもでき、この場合には、容器内面全体が本発明の吸湿性樹脂組成物から成る容器として成形することができる。また容器の内面に、本発明の吸湿性樹脂組成物から別途作成されたシート等を貼り付けてもよい。
1.熱可塑性樹脂
(水蒸気透過度の測定)
50tホットプレス(庄司鉄工社製)により200℃で熱可塑性樹脂を加熱溶融し、厚み約500μmのシートを作製した。得られたシートの40℃ 90%RHにおける水蒸気透過度を水蒸気透過測定装置(PERMATRAN−W3/30:MOCON社製)により測定し、100μm厚に換算して、熱可塑性樹脂の水蒸気透過度とした。
2.吸湿性樹脂組成物
(作製方法)
出口部分にストランドダイを装着した二軸押出機(スクリュー径φ20 L/D=32.5ULTNano05−20AG:テクノベル社製)により、押出温度160℃ スクリュー回転数200rpmで真空ベントを引きながら熱可塑性樹脂を溶融混練した。同時に粉体フィーダーを用いて、押出機ホッパー下より吸湿性材料及び脱臭剤を配合した。
(混練時の目視評価)
吸湿性樹脂組成物を作製する際の目視評価として、押し出されたストランドの外観やベントアップの有無を確認し、特に問題ないものを○、ストランド中にブツが発生し、分散が不十分なものを×とした。
(試験用シートの作製)
50tホットプレス(庄司鉄工社製)により160℃で熱可塑性樹脂を加熱溶融し、厚み約1mmのシートを作製した。これを0.8gとなるように切り分けた。
(吸湿性評価)
前記作製したシート0.8g及びワイヤレス式温湿度計(ハイグロクロン:KNラボラトリーズ社製)をポリプロピレンフィルム、接着剤、スチール箔からなる口径78mm、内容量84ccの丸形カップ(ハイレトフレックスHR78−84;東洋製罐社製)中に入れ、30℃ 80%RHの雰囲気下において、アルミ/ポリプロピレンで積層した蓋材で容器口部をヒートシールした。24時間静置後、容器内部の湿度を確認した。
(脱臭性評価)
前記作製したシート0.8gと吸着材としてゲステル社Twisterを20ml容バイアルに挿入後密封し、40℃8時間ヘッドスペース中の臭気成分を前記吸着材に吸着させた。この吸着材を加熱脱着し、ガスクロマトグラフ-質量分析計(GC−MS)に導入し、臭気成分を分析した。
加熱脱着条件:50℃ → 300℃ (昇温速度 50℃/min.)
クライオフォーカス温度:−50℃
機器:アジレント社7890A/5973C GC−MSD
カラム:HP−5MS 30m×0.25mm×0.25μm(無極性)
温度条件:30℃3分 → 250℃5分 (昇温速度 10℃/min.)
インターフェース温度:250℃
m/z=25〜300
得られたクロマトグラムについて下記条件にて解析を行った。このマススペクトルのNISTライブラリ検索により、臭気の主成分がエチルアクリレート及びエチルチグレートであると定性し、この両者のピーク面積にて比較を行った。このとき、m/z=55のマスクロマトグラムについて解析を実施した。
データ解析条件:m/z=55
エチルアクリレート リテンションタイム 4.0分
エチルチグレート リテンションタイム 7.6分
各種エチレン−エチルアクリレート共重合体について、臭気成分分析を実施し、GC−MSにて得られたエチルアクリレート、エチルチグレートの面積値を表1にまとめた。
Figure 2013204033
(実施例1、2)
熱可塑性樹脂、吸湿剤として、下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)
ダウケミカル社製NUC−6070
水蒸気透過度:51.4 g・100μm/m・day
エチルアクリレート共重合比率:25wt%
吸湿剤:セピオライト(水澤化学工業社製エードプラスSP)
水分量:6.6%
平均粒径:7.2μm(レーザー回折法)
上記熱可塑性樹脂、吸湿剤を表2で示す配合量で溶融混練して、吸湿性樹脂組成物を調製し、混練時の目視評価、吸湿性評価および脱臭性評価を行い、その結果を表2に合わせて示した。
いずれの組成物においてもブツの発生はなく、均一に分散しており、ベントアップ等の問題なく作製することができた。上記方法により作製した単層シートの吸湿性評価において、容器内部の湿度はいずれにおいても15%RH以下であった。また、上記方法により作製した単層シートの脱臭性評価において、いずれも容器内部の臭気は無臭であり、GC−MSでのピークは非検出であった。
(実施例3)
熱可塑性樹脂として下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)
ダウケミカル社製NUC−6940
水蒸気透過度:70.4 g・100μm/m・day
エチルアクリレート共重合比率:35wt%
上記熱可塑性樹脂を使用した以外は実施例1と同様に調製し、実施例1と同様の評価を実施し、その結果を表2に合わせて示した。
この組成物においてブツの発生はなく、均一に分散しており、ベントアップ等の問題なく作製することができた。また、吸湿性評価において、容器内部の湿度は15%RH以下であり、脱臭性評価においても容器内部の臭気は無臭であり、GC−MSでのピークは非検出であった。
(実施例4)
熱可塑性樹脂として下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)
ダウケミカル社製DPDJ−9169
水蒸気透過度:31.6 g・100μm/m・day
エチルアクリレート共重合比率:20wt%
上記熱可塑性樹脂を使用した以外は実施例1と同様に調製し、実施例1と同様の評価を実施した。混練時にブツの発生はなく、均一に分散しており、ベントアップ等の問題なく作製することができた。また、吸湿性評価において、容器内部の湿度は15%RH以下であり、脱臭性評価においても容器内部の臭気は無臭であり、GC−MSでのピークは非検出であった。
(比較例1)
吸湿材料の配合量を50wt%とした以外は、実施例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を作製した。混練時の目視評価を行なった結果、ベントアップがみられ、かつ均一に分散しなかった。吸湿性評価においても、容器内部の湿度は15%RHを越えていた。これは、吸湿剤が樹脂中に均一に分散できていないことに起因すると考えられる。
(比較例2)
吸湿材料の配合量を20wt%とした以外は、実施例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を作製した。この組成物においてブツの発生はなく、均一に分散しており、ベントアップ等の問題なく作製することができたが、吸湿性評価において、容器内部の湿度は15%RHを超えていた。これは吸湿材料の配合量が少ないことに起因すると考えられる。
(比較例3)
熱可塑性樹脂として下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂:エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)
ダウケミカル社製NUC−6170
水蒸気透過度:20.8 g・100μm/m・day
エチルアクリレート共重合比率:18wt%
上記熱可塑性樹脂を使用した以外は実施例1と同様に調製し、実施例1と同様の評価を実施した。混練時にブツの発生はなく、均一に分散しており、ベントアップ等の問題なく作製することができたが、吸湿性評価において、容器内部の湿度は15%RHを越えていた。これは、樹脂の水蒸気透過度が低いことによると考えられる。
(比較例4)
吸湿材料として下記のベントナイトを用意した。
吸湿剤:ベントナイト
クニミネ工業製クニピアF
上記吸湿剤を使用した以外は実施例1と同様に調整し、実施例1と同様の評価を実施した。
この組成物においてブツの発生はなく、均一に分散しており、ベントアップ等の問題なく作製することができた。また、脱臭性評価においても容器内部の臭気に変化はみられず、GC−MSによるピークは非検出であった。しかし、吸湿性評価において、容器内部の湿度は15%RHを越えていた。
(比較例5)
吸湿剤として下記のゼオライトを用意した。
吸湿剤:カリウム置換型A型ゼオライト (モレキュラーシーブ3A)
ユニオン昭和製
シリカ/アルミナ比:2.0
細孔径:0.3nm
熱可塑性樹脂として比較例3で用いた熱可塑性樹脂を用い、上記吸湿剤を40wt%配合した以外は実施例1と同様に調製し、実施例1と同様の評価を実施した。
この組成物においてブツの発生はなく、均一に分散しており、ベントアップ等の問題なく作製することができた。また、吸湿性評価において、容器内部の湿度は5%RH以下であり、過剰乾燥による錠剤薬のひび割れが懸念される。脱臭性評価においては容器内部の臭気に変化がみられ、GC−MS分析結果のエチルチグレートのピークが検出された。エチレン−エチルアクリレート共重合体のモノマー成分であるエチルアクリレートのピークは非検出であった。これは、エチルアクリレートの沸点が低いことにより、押出機での真空ベントにて取り除かれたためと考えられる。
(比較例6)
脱臭剤として下記のゼオライトを用意した。
脱臭剤:Na置換MFI型ゼオライト (ZSM−5)
水澤化学工業社製 シリカ/アルミナ比:100
細孔径:0.6nm
熱可塑性樹脂として比較例3で用いた熱可塑性樹脂を用い、比較例5で用いた吸湿剤を40wt%配合し、上記脱臭剤を1wt%配合した以外は実施例1と同様に調製し、実施例1と同様の評価を実施した。
この組成物においてブツの発生はなく、均一に分散しており、ベントアップ等の問題なく作製することができた。また、吸湿性評価において、容器内部の湿度は5%RH以下であり、過剰乾燥による錠剤薬のひび割れが懸念される。また、脱臭性評価においても容器内部の臭気に変化はみられず、GC−MSによるピークは非検出であった。
Figure 2013204033
本発明の吸湿性樹脂組成物においては、湿気による変質や劣化が有効に防止できると共に、一定湿度で飽和に達する吸湿性を発現でき、過剰な吸湿がないことから、医薬品等の固形物を内容物とする容器及び蓋に好適に使用することができる。
またこの吸湿性樹脂組成物はフレーバー性にも優れていることから、食品等の臭いの移行が問題となるような場合にも有効に使用することができる。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂にセピオライトを配合してなる吸湿性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂の水蒸気透過度(40℃90%RH)が50g・100μm/m/day以上であり、前記セピオライトが樹脂組成物中20乃至45重量%の量で配合されていることを特徴とする吸湿性樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、エチルアクリレートの共重合比率が20重量%以上であるエチレン−エチルアクリレート共重合体である請求項1記載の吸湿性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の吸湿性樹脂組成物から成る成形品を容器蓋内面に接着して成ることを特徴とする容器蓋。
  4. 請求項1又は2記載の吸湿性樹脂組成物の溶融物を容器蓋内で圧縮成形して成る成形品を有することを特徴とする容器蓋。
  5. 請求項1又は2記載の吸湿性樹脂組成物から成る層が、容器の内面の少なくとも一部を構成することを特徴とする容器。
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