JP5368176B2 - 吸着材、および吸着材の製造方法 - Google Patents

吸着材、および吸着材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、調湿性、脱臭性、VOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)吸着性に優れた吸着材と、その製造方法に関する。
従来、調湿性を有する建材として、ゼオライト、珪藻土、あるいは水酸化アルミニウム脱水物などを、セメント、石膏等の凝結固化剤で固めた吸着材が利用されている。また、ゼオライト、珪藻土、あるいは水酸化アルミニウム脱水物などを粘土などと混合して、300℃以上800℃以下の温度領域で焼き固めた吸着材も知られている。
珪藻土系調湿建材の例としては下記特許文献1に記載のもの、ゼオライト系調湿建材の例としては下記特許文献2に記載のものなどを挙げることができ、これら特許文献1および特許文献2に記載の技術では、吸湿性を有するゼオライトあるいは珪藻土を石膏やセメントなどで固めている。
また、水酸化アルミニウム脱水物系建材の例としては下記特許文献3に記載のものを挙げることができ、この特許文献3に記載の技術では、水酸化アルミニウム脱水物を粘土と混合して、700℃〜800℃の温度条件で焼成している。
特開平4−354514号公報 特開平3−109244号公報 特開平11−11939号公報
しかしながら、ゼオライト系および珪藻土系の吸着材は、ある程度の調湿性を有するものの、吸放湿速度が小さいために、室内の湿度変化を一定に保つ能力が低く、調湿機能という観点で十分に満足な性能を備えていない、という問題がある。
一方、水酸化アルミニウム脱水物系の吸着材は、吸放湿速度がゼオライト系吸着材や珪藻土系吸着材に比較して大きいものの、単位吸湿能(吸着材の単位重量当たりの吸湿能)は5%程度と低い。そのため、この種の水酸化アルミニウム脱水物系吸着材では、内装壁面に施工する際に、大きな施工面積が必要になることが問題となっていた。
また、このような単位吸湿能の低い吸着材で、吸湿可能な水分の絶対量を十分に確保しようとすると、建材一枚の重さが重くなる。そのため、軽量化を図ることは困難であり、重量制限のある建築物(高層ビルの高層階など)においては、施工面積が限られるという欠点を有していた。
さらに、ゼオライト系吸着材・珪藻土系吸着材・水酸化アルミニウム脱水物系吸着材のいずれにおいても、施工時に構造物の角に当たったときに簡単に欠ける、という問題があり、強度面では不十分なものであった。また、十分な強度がないことから、薄膜化なども困難であった。
この点に関し、単に強度を向上させるだけなら、高温での焼成を行うことも有効である。しかし、焼成温度が高温になるほど最終的に得られる吸着材の調湿能力は低下してゆく傾向があるため、所期の調湿能力を確保することをも考慮すると、焼成温度を上げることは容易なことではない。
例えば、水酸化アルミニウム脱水物系吸着材を例にとると、固結剤として使用している粘土中のバインダー能力を有する長石の性能を十分に出すには、最低1000℃以上の温度での焼成が必要である。しかし、反対に水酸化アルミニウムの脱水能は700℃〜800℃を境にして、脱水経路を形成する細孔の融合が始まり、調湿能力が低下してゆく。そのため、従来の水酸化アルミニウム脱水物系吸着材の場合、強度的には不十分な面があるものの、800℃程度での焼成を行わざるを得なかったのである。
加えて、アルミナや珪藻土は、脱臭機能やVOCを吸着する機能を有する素材ではないため、上記特許文献1〜3に記載の吸着材も、脱臭機能やVOCを吸着する機能を有するものではない。
以上のような背景のもと、本件発明者らは、鋭意検討を重ね、その結果、特定の組成物で吸着材を製造することにより、吸着材の吸湿能や強度を従来品以上に改善することが可能であり、そればかりでなく、脱臭機能やVOC吸着機能を付与することが可能である、といった事実を発見した。
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、その目的は、従来の吸着材よりも強度に優れ、薄膜化や軽量化が可能で、さらに調湿性能にも優れ、脱臭機能とVOC吸着機能を有する吸着材を提供することにある。
以下、本発明において採用した構成について説明する。
請求項1に記載の吸着材は、粘土:シリカゲルの配合比が5545〜70:30に調製された粘土・シリカゲル混合物100重量部に対して、1015重量部の熱可塑性樹脂からなるバインダーとを混合してなる原料組成物を成形して成形体とし、その成形体に対して、前記バインダーが溶融または軟化する温度条件で加熱処理を施してなる吸着材であって、前記熱可塑性樹脂は、SBRラテックス、ポリエチレン樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート樹脂、および天然ゴムの中から選ばれる一種または二種以上の混合物からなるものである。
請求項2に記載の吸着材は、請求項1に記載の吸着材において、前記シリカゲルは、粒径が1〜500μmであることを特徴とする
請求項に記載の吸着材の製造方法は、粘土:シリカゲルの配合比が5545〜70:30に調製された粘土・シリカゲル混合物100重量部に対して、1015重量部の熱可塑性樹脂からなるバインダーとを混合してなる原料組成物を成形して成形体とする第1の工程と、前記成形体に対して、前記バインダーが溶融または軟化する温度条件で加熱処理を施す第2の工程とを備えることを特徴とする吸着材の製造方法であって、前記熱可塑性樹脂は、SBRラテックス、ポリエチレン樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート樹脂、および天然ゴムの中から選ばれる一種または二種以上の混合物からなることを特徴とする。
請求項に記載の吸着材の製造方法は、請求項に記載の吸着材の製造方法において、前記第1の工程は、前記原料組成物を、轆轤成形、鋳込み成形、プレス成形、または押し出し成形によって成形したのち、乾燥して前記成形体とする工程であることを特徴とする。
請求項に記載の吸着材の製造方法は、請求項または請求項に記載の吸着材の製造方法において、前記第2の工程は、50℃以上300℃以下の温度で180分以内の加熱処理を施す工程であることを特徴とする。
請求項に記載の吸着材の製造方法は、請求項〜請求項のいずれかに記載の吸着材の製造方法において、前記第1の工程では、前記熱可塑性樹脂として、ペレット状熱可塑性樹脂、粉末状熱可塑性樹脂、前記熱可塑性樹脂の水系エマルジョン、前記熱可塑性樹脂の水系ディスパージョンのうち、いずれか一種または二種以上の混合物を使用することを特徴とする。
以下、本発明の構成について、さらに詳しく説明する。
請求項1に記載の吸着材において、粘土としては、例えば、カオリン、あるいは蛙目粘土や木節粘土といったカオリンを含有する粘土などを用いると好適であるが、これら以外の粘土であってもよい。
また、カオリンを含有しない粘土の場合、その粘土を単独で用いてもよいが、その粘土に対してカオリンを添加してもよく、粘土とカオリンの配合比は任意に定めることができる。さらに、2種以上の粘土同士や2種以上のカオリン同士を混合することもでき、1種以上の粘土と1種以上のカオリンを混合することもできる。
カオリンとしては、白色のカオリンを用いると、最終的に得られる吸着材の白色度を向上させることができるが、白色以外の色のカオリンを使用することも可能である。また、カオリンの産地による制約はない。
さらに、強い白色やピンク、ライトブルー・グリーンなど各種の着色を必要とする場合は、当該色の顔料あるいは水性絵の具、水性塗料などの着色剤を添加してもよい。
シリカゲルとしては、請求項2に記載の如く、最大粒径が500μm以下のものが好ましく、粒度分布に関しては特にこだわらない。500μm以上の粒子径のものでも、調湿・脱臭・VOC吸着能に影響はないが、成形用の型が摩耗しやすくなる傾向があるので、こうした傾向にも配慮すれば最大粒径を500μm以下に抑える方がよく、特に好ましくは最大粒径が150μm以下に調整されているとよい。
シリカゲルの配合量に関しては、シリカゲルの配合比が請求項1に記載の数値範囲よりも過小になると、ある程度の調湿・脱臭・VOC吸着性は発現するものの、そのレベルは十分なものとは言い難いものとなる。また、調湿・脱臭・VOC吸着性能を向上させる観点からは、シリカゲルの配合量が多ければ多いほどよいが、シリカゲルの配合比が請求項1に記載の数値範囲よりも過大になると、上述の原料組成物の流動性が低下しやすく、また、真空土練機での減圧レベルが下がりやすくなる傾向があるので、この傾向を抑制するには、シリカゲルの配合比を請求項1に記載の数値範囲内にする方が好ましい。
さらに、シリカゲルの種類について、「JIS Z 0701包装用シリカゲル乾燥剤」では、A形シリカゲルとB形シリカゲルに区分され、この他、非特許文献「RALPH K. ILLER “THE CHEMISTRY OF SILICA”」においては、ID形とRD形に区分されているが、これらのシリカゲルはいずれも使用することができる。
これらの区分の基準は、比表面積、細孔容積、および平均細孔径の違いにあるが、調湿性能に関して言えば、RD形は湿気を吸着する力が強いもの、ID形は高湿度において多量の湿気を吸い吸着容量が大きいもの、A形は、RD形より若干吸着力は劣るが、低湿度において湿気を吸湿する力が強いもの、B形はA形とID形の中間に位置し、相対湿度50%〜70%において吸放湿によるヒステリシスの差が大きく、調湿能力が高いものであるといえる。したがって、目的湿度での調湿を行うためには、上記のようなシリカゲルを2種以上組み合わせて、調湿機能を調整すると好ましい。
さらに、バインダー成分となる樹脂の種類については、請求項に記載の通り、SBRラテックス、ポリエチレン樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート樹脂、および天然ゴムである。これらの樹脂は、一種を単独で配合してもよいし、二種以上の混合物を配合してもよい。これらの樹脂は、いずれも樹脂の融点が300℃以下であり、300℃以下での加熱処理により、バインダーを溶融または軟化させることができる。
なお、上記のリブチレンサクシネートアジペート、然ゴムなどの生分解性を有する樹脂をバインダーとして採用した場合は、微生物による分解・崩壊性を有する吸着材となる。
樹脂の添加量としては、請求項1に記載した如く、粘土・シリカゲル混合物100重量部に対して、1015重量部の範囲で添加することが好まし。この添加量が10重量部以下では、強度面で不十分であり、15重量部以上では、強度が向上する点では好ましいが、樹脂の溶融塗膜がシリカゲルの細孔を閉塞する状況になることがあり、その分、吸着材の調湿・脱臭・VOC吸着能力がいくらか低下する傾向がある。
さらに、以上説明したような原料組成物は、請求項に記載の如き工程で、吸着材として加工される。原料組成物を成形して成形体とする方法は任意であるが、具体的な例を挙げれば、請求項に記載のような轆轤成形、鋳込み成形、プレス成形、または押し出し成形といった成形法での成形が可能である。
轆轤成形および鋳込み成形は、一般の窯業分野で使用される成形方法である。この成形方法では所定の配合処方で濃度は40〜70%固形分の水系のスラリーを作製して成形する。鋳込み成形(ガバ鋳込みあるいは圧力鋳込み)の場合は、このスラリーを石膏型の中に流し込んで成形を行い、轆轤成形の場合は、このスラリーをフィルタープレスに掛けて含水ケーキ状にした上で、動力轆轤に掛けて成形する。
プレス成形の場合は、所定の配合のスラリーをフィルタープレスで脱水して作製した含水ケーキを真空土練機に掛けて、内部の空気を脱気した上で練りだしたケーキをプレス成形機に掛けて成形を行う。
押し出し成形の場合は、所定の配合のスラリーをフィルタープレスで脱水して作製した含水ケーキを真空土練機に掛けて、内部の空気を脱気した上で、所定の厚さと幅で板状に練りだし、そのケーキ板あるいは、棒をカッティングしたり、打ち抜き装置で所定の型に打ち抜いて成形する。
これらの成形法は、製品の形状により、効率よく製造可能なものを選べばよく、例えば、板状製品の製造に関してはプレス成形、器状の製品に関しては轆轤成形、筒状の製品に関しては押し出し成形などを選択すると効率がよい。
そして、このような成形法で成形体を成形したら、その成形体に対し、バインダーが溶融または軟化する温度条件で加熱処理を施す。この加熱処理は、バインダーを溶融または軟化させることができる程度の加熱処理となるが、一例としては、請求項に記載のように、50℃以上300℃以下の温度で180分以内の加熱処理を施すとよい。
加熱温度が50℃を下回る場合、バインダーが十分に溶融または軟化せず、強度を十分に向上させることができないおそれがある。また、加熱温度が300℃を上回る場合、熱可塑性樹脂が分解し、バインダーとして機能が低下するおそれがある。
熱可塑性樹脂を混合するときの樹脂の形態については、請求項に記載の通り、ペレット状熱可塑性樹脂、粉末状熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の水系エマルジョン、熱可塑性樹脂の水系ディスパージョン、いずれの形態で配合してもよく、ペレット状あるいは粉末状の樹脂と水系エマルジョンの混合使用、粉末状と水系ディスパージョンの混合使用、水系エマルジョンと水系ディスパージョンの混合使用など、いずれも可能である。中でも、粉末状、水系エマルジョン、あるいは水系ディスパージョンの形態が、材料を均一に混合できる点で好ましい。
以上説明したような吸着材によれば、単位重量当たりの吸湿能が従来の調湿建材に比較しておよそ2〜5倍であり、強度面でも従来品の2倍程度の強度を有し、さらに、脱臭機能、およびVOC吸着機能をも備えている。
したがって、内装建材をはじめ、包装資材、各種機器のパーツ等の調湿用途、脱水用途、VOC吸着用途などに応用することができる。特に、従来の吸着材よりも強度に優れていること、および単位重量当たりの吸湿能が高いことから、従来以上に薄膜化や軽量化を図ることも可能となる。
また、これら吸着材は、前述した各用途に使用する際に、カッティング等によって用途に適したサイズに調整する必要が生じる場合もあるが、本発明の吸着材であれば、そのようなサイズ調整を行っても、吸着材の角が欠けたり切断面に凹凸が生じたりしないものとなる。
次に、本発明の実施形態について、いくつかの具体例を挙げて説明する。
[実施例1]
カオリン:粘土:シリカゲル:SBRラテックスを、重量比11:44:45:11で混合してスラリーを作製し、圧力鋳込み装置に投入し、300mm×300mm×5mmの堀り型を持つ石膏型の中に、1.5Kg/cm2の圧力で60分間保持して、当該石膏型からのサンプルを作製した。
次に、この生型を板で挟んで、16時間養生したのち、50℃で8時間一次乾燥、85℃で2時間二次乾燥した上で、155℃で2時間の熱処理を行った。
[実施例4、6、7、参考例2、3、5
カオリン、蛙目粘土、シリカゲル、および熱可塑性樹脂を、下記[表1]の重量比に従って配合して、実施例1と同様の方法でサンプルを作製した。
Figure 0005368176
なお、実施例4、参考例2、3、5は、熱可塑性樹脂としてSBRラテックスを用い、実施例6は、熱可塑性樹脂として粉末状ポリエチレン樹脂を用い、実施例7は、熱可塑性樹脂として水系ディスパージョン状のポリブチレンサクシネートアジペート樹脂を用いた。
[実施例8、11、14、参考例9、10、12、13
カオリン、蛙目粘土、シリカゲル、および熱可塑性樹脂を、下記[表2]の重量比に従って配合してなるスラリーを、ブランジャータンクの中で調合し、これをフィルタープレスにより脱水し、含水ケーキを得た。このケーキを真空土練機に投入し減圧下で300mm×5mm厚の板状に押し出し、300mm間隔でカッティング後、実施例1に従い養生および熱処理を行ってプレート状吸着材を作製した。
Figure 0005368176
なお、実施例8、11、参考例9、10、12は、熱可塑性樹脂としてSBRラテックスを用い、参考例13は、熱可塑性樹脂として粉末状ポリ乳酸樹脂を用い、実施例14は、熱可塑性樹脂として水系エマルジョン状の天然ゴムを用いた。
[性能試験(その1)]
上記実施例1、4、6〜8、11、14、参考例2、3、5、9、10、12、13のサンプルに関し、その曲げ強度、調湿性、カッティング性、および筆記特性について評価を行った。また、比較のため、市販の調湿建材(比較例1、2)についても評価を行った。評価方法は、以下の通りである。
(1.1)強度の評価
強度の評価は、1cm×3cm角に切断したサンプルを直径:10mmのスペーサーの上に乗せて圧壊強度試験装置(EZ TEST SHIMADZU)を用い加圧し、破断時の圧力を測定した。このとき1サンプルにつき試験片は10個ずつ測定し、その平均値を曲げ強度として算出した。そして、算出した曲げ強度については、サンプル厚1mm当たりの平均曲げ強度を、以下の範囲に分割する事により、5段階評価で優劣を付与した。
「5」:5Mpa以上、「4」:4Mpa以上5Mpa未満、「3」:3Mpa以上4Mpa未満、「2」:1Mpa以上3Mpa未満、「1」:1Mpa以下。
(1.2)調湿性能の評価
調湿性能の評価は、吸放湿率を測定しその吸放湿等温線より評価を行った。吸湿率については、「JIS Z 0701包装用シリカゲル乾燥剤」の吸湿率測定方法に従い、RH20%、50%、90%における吸湿率を測定し吸着等温線を作製した。
また、RH90%にて吸着試験後のサンプルを段階的に70%、50%、RH20%、RH10%まで落とし、このときの放湿における水分残存量を測定し脱着等温線を作製した。調湿性能については、吸脱着等温線より得られたRH90%における吸湿率から、RH10%における水分を差し引いた値を調湿性能とした。なお、吸湿量、放湿量とも48時間後の値を用い、試験は25±2.5℃の条件で実施した。
調湿性能については、RH90%における吸湿率から、RH10%における放湿率のそれぞれの値を差し引き、以下の範囲に分割する事により、5段階評価で優劣を付与した。
「5」:15%以上、「4」:12%以上15%未満、「3」:10%以上12%未満、「2」:5%以上10%未満、「1」:5%未満。
(1.3)カッティング性の評価
カッティング性に関しては、実施例1、4、6〜8、11、14、参考例2、3、5、9、10、12、13の処方に従って調整した300mm×300mm×5mmのプレートの表面に、カッターナイフでサンプルの両端を結ぶように直線に切り込みを入れて押し割った際、切断面の凹凸の有無でカッティング性の判断を行い、凹凸が無いものは「適」、凹凸を有する物は「不適」と判断した。
上記(1.1)〜(1.3)についての評価結果を、下記[表3]に示す。
Figure 0005368176
[性能試験(その2)]
上記実施例1、4、6〜8、11、14、参考例2、3、5、9、10、12、13のサンプルに関して、アンモニア、酢酸、ぎ酸等の悪臭物質、及び代表的なVOCのひとつに該当するホルムアルデヒドを対象に、脱臭性能・VOC吸着性能を評価した。また、比較のため、市販の調湿壁面建材(比較例1、2)についても同様の評価を行った。評価方法は、以下の通りである。
(2.1)脱臭・VOC吸着性能の評価
上記実施例1、4、6〜8、11、14、参考例2、3、5、9、10、12、13で作製したプレートと比較例1、2を、それぞれテドラーバッグに入れ、密封後、窒素により所定量の濃度に希釈したガスを入れ、経時による濃度の変化を、北川式ガス検知管を用いて測定した。試験開始から48時間後の測定結果を、下記[表4]に示す。
Figure 0005368176
上記[表4]に示した通り、試験開始から48時間後の測定では、比較例1、2を除く実施例、参考例サンプルにおいて各種ガスの残存は確認されなかった。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記各実施例で用いた蛙目粘土に代えて、木節粘土を用いてもよい。このような原料組成物でも、上記各実施例と同様に、曲げ強度、調湿性能、脱臭性能、およびVOC吸着性能に優れた吸着材を得ることができた。
また、粘土としては、蛙目粘土、木節粘土、およびカオリンをそれぞれ単独で用いてもよい。これらの原料組成物でも、上記各実施例と同様に、曲げ強度、調湿性能、脱臭性能、およびVOC吸着性能に優れた吸着材を得ることができた。
さらに、上記各実施例で用いた各種熱可塑性樹脂(SBRラテックス、粉末状ポリエチレン樹脂、ペレット状のポリスチレン樹脂)に代えて、他の熱可塑性樹脂をバインダーとして用いてもよい。
他の熱可塑性樹脂の具体例としては、スチレン−ブタジエン−アクリル酸共重合ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリウレタンなどが好適である。また、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートなども好ましい。この他、各種ポリオレフィン、生分解性ポリエステル、合成ゴム、天然ゴム、ポリアミドなどを利用することができる。これらのバインダーを用いた原料組成物でも、上記各実施例と同様に、曲げ強度、調湿性能、脱臭性能、およびVOC吸着性能に優れた吸着材を得ることができた。

Claims (6)

  1. 粘土:シリカゲルの配合比が5545〜70:30に調製された粘土・シリカゲル混合物100重量部に対して、1015重量部の熱可塑性樹脂からなるバインダーとを混合してなる原料組成物を成形して成形体とし、その成形体に対して、前記バインダーが溶融または軟化する温度条件で加熱処理を施してなる吸着材であって、
    前記熱可塑性樹脂は、SBRラテックス、ポリエチレン樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート樹脂、および天然ゴムの中から選ばれる一種または二種以上の混合物からなる
    ことを特徴とする吸着材。
  2. 前記シリカゲルは、粒径が1〜500μmである
    ことを特徴とする請求項1に記載の吸着材。
  3. 粘土:シリカゲルの配合比が5545〜70:30に調製された粘土・シリカゲル混合物100重量部に対して、1015重量部の熱可塑性樹脂からなるバインダーとを混合してなる原料組成物を成形して成形体とする第1の工程と、
    前記成形体に対して、前記バインダーが溶融または軟化する温度条件で加熱処理を施す第2の工程と
    を備えることを特徴とする吸着材の製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂は、SBRラテックス、ポリエチレン樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート樹脂、および天然ゴムの中から選ばれる一種または二種以上の混合物からなる
    ことを特徴とする吸着材の製造方法。
  4. 前記第1の工程は、前記原料組成物を、轆轤成形、鋳込み成形、プレス成形、または押し出し成形によって成形したのち、乾燥して前記成形体とする工程である
    ことを特徴とする請求項に記載の吸着材の製造方法。
  5. 前記第2の工程は、50℃以上300℃以下の温度で180分以内の加熱処理を施す工程である
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の吸着材の製造方法。
  6. 前記第1の工程では、前記熱可塑性樹脂として、ペレット状熱可塑性樹脂、粉末状熱可塑性樹脂、前記熱可塑性樹脂の水系エマルジョン、前記熱可塑性樹脂の水系ディスパージョンのうち、いずれか一種または二種以上の混合物を使用する
    ことを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の吸着材の製造方法。
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