JP2006297201A - 吸着剤成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、気体中の水分、有害物質および水中の有害物質に対して高い吸着性能を示し、容易に製造が可能で、生産コストの低い吸着剤成形体を提供することを主目的とする。
【解決手段】 吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)とからなることを特徴とする吸着剤成形体を提供することにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】 なし
【解決手段】 吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)とからなることを特徴とする吸着剤成形体を提供することにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、気体中の水分および有害物質を吸着する吸着剤成形体およびその製造方法に関するものである。
近年、地球温暖化防止のため廃熱利用が盛んに研究されている。廃熱利用先としては、例えば、除湿剤(デシカント剤)により、気体中の水分の吸着/脱着が連続的に可能なデシカント空調装置が実用化されている。また、このデシカント空調装置はシリカゲルやゼオライトなどの吸着剤を利用しているため、水分だけでなくVOC等の有害物質の吸着も期待されており各種研究が行われている。このデシカント空調装置の吸着性能は、吸着剤からなるフィルターの性能によって大きく左右されるため高性能なフィルターの開発が切望されている。
現在、デシカント空調用フィルターとしては、ハニカム(蜂の巣)ローターが知られているが、このハニカムローターは成形が複雑であり、作製に多大なコストと多数の工程を必要とするため、ローターの価格が高くなるといった問題があった。さらに、ハニカムローターは高い吸着能力を要求される用途では、ローターを大きくする必要があり、これに伴い空調装置全体も大きくなるため、狭小スペースには設置できないといった問題があった。
従来、このような吸着剤からなる成形体としては、例えば粉状の熱可塑性樹脂を用いて吸着剤を加熱結着させた成形体が提案されている(特許文献1〜3)。しかしながら、このような成形体を製造する際には、粉末の熱可塑性樹脂を用いることから、粉末の樹脂が舞い上がることにより作業環境が悪化したり、吸着剤に粉末の樹脂を均一に付着させることができず部分的強度不足が発生したり、熱可塑性樹脂を粉末化することによりコストが増大する等の問題があった。
また、特許文献4および特許文献5には、形態を限定しない樹脂成分を用いた吸着剤からなる成形体が開示されている。しかしながら、これらの公報にも樹脂成分を乾式混合する方法が例示されており、特許文献1〜3と同様に、粉末や粒状の樹脂成分を用いた場合の作業環境の悪化、樹脂成分の付着ムラによる部分的強度不足および樹脂成分の粉末化によるコスト増大といった問題があった。
本発明は、気体中の水分、有害物質および水中の有害物質に対して高い吸着性能を示し、容易に製造が可能で、生産コストの低い吸着剤成形体を提供することを主目的とする。
本発明者らは、前記実情に鑑み鋭意検討した結果、吸着剤を芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体を用いて結着させることにより、前記目的を達成できる吸着剤成形体とすることができることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、以下の1〜6の発明が提供される。
1. 吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)とからなることを特徴とする吸着剤成形体。
2. 前記水酸基を有する単量体単位の含有率が、前記共重合体(B)を構成する全単量体単位中0.1〜10質量%であることを特徴とする前記1に記載の吸着剤成形体。
3. 前記吸着剤(A)が、比表面積50〜900m2/g、細孔容積0.3〜1.8ml/g、平均細孔径2〜50nmであるシリカゲルを含んでなることを特徴とする前記1または2に記載の吸着剤成形体。
4. 前記吸着剤(A)を100重量部とした場合、前記共重合体(B)が0.1〜10重量部であることを特徴とする前記1〜3に記載の吸着剤成形体。
5.テドラーバック法により測定した吸着剤成形体から発生するアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドおよび揮発性有機化合物の総量が、前記吸着剤成形体1g当たり10μg以下であることを特徴とする前記1〜4に記載の吸着剤成形体。
6. シリカゲルを含む吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)のラテックスとを混合した後、乾燥させることにより吸着剤成形体を得る吸着剤成形体の製造方法であって、前記ラテックスと混合する際における前記吸着剤(A)に含まれる前記シリカゲルの水分量が、相対湿度50%以上、99%以下において平衡吸着状態にあることを特徴とする吸着剤成形体の製造方法。
1. 吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)とからなることを特徴とする吸着剤成形体。
2. 前記水酸基を有する単量体単位の含有率が、前記共重合体(B)を構成する全単量体単位中0.1〜10質量%であることを特徴とする前記1に記載の吸着剤成形体。
3. 前記吸着剤(A)が、比表面積50〜900m2/g、細孔容積0.3〜1.8ml/g、平均細孔径2〜50nmであるシリカゲルを含んでなることを特徴とする前記1または2に記載の吸着剤成形体。
4. 前記吸着剤(A)を100重量部とした場合、前記共重合体(B)が0.1〜10重量部であることを特徴とする前記1〜3に記載の吸着剤成形体。
5.テドラーバック法により測定した吸着剤成形体から発生するアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドおよび揮発性有機化合物の総量が、前記吸着剤成形体1g当たり10μg以下であることを特徴とする前記1〜4に記載の吸着剤成形体。
6. シリカゲルを含む吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)のラテックスとを混合した後、乾燥させることにより吸着剤成形体を得る吸着剤成形体の製造方法であって、前記ラテックスと混合する際における前記吸着剤(A)に含まれる前記シリカゲルの水分量が、相対湿度50%以上、99%以下において平衡吸着状態にあることを特徴とする吸着剤成形体の製造方法。
本発明の吸着剤成形体は、気体中の水分、有害物質に対して高い吸着性能を示し、容易に製造することが可能で、生産コストを低く抑えることができるといった効果を奏する。また、本発明の吸着剤成形体は高性能であるため、小型化が可能であり、例えばデシカント空調用フィルターとして用いた場合、コンパクトなデシカント空調装置とすることができる。
以下、本発明の吸着剤成形体およびその製造方法について詳細に説明する。
本発明の吸着剤成形体は、吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)とからなることを特徴とするものである。
本発明によれば、吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)とからなる吸着剤成形体とすることにより、気体中の水分、有害物質に対して高い吸着性能を示す吸着剤成形体とすることができる。これは、明確ではないが、以下の理由によるものと考えられる。
本発明の吸着剤成形体は、吸着剤(A)を共重合体(B)により結着させてなるものである。ここで、吸着剤として用いられるシリカゲルは、その表面に存在するシラノール基による吸着(化学的吸着)とシリカゲルが有する細孔における毛細管現象による吸着(物理的吸着)とにより、水やその他の物質を吸着するものとして知られている。本発明の吸着剤成形体に用いられる共重合体(B)は、例えば吸着剤(A)としてシリカゲルを用いた場合、共重合体(B)が水酸基を有する単量体単位を含むことから、この水酸基とシリカゲル表面とが結合し、その結果シリカゲルの界面に上記共重合体(B)が点状に介在するものと考えられる。よって、シリカゲルの表面を上記共重合体(B)が覆い過ぎることがないので、上述したようなシリカゲルの化学的吸着および物理的吸着を大きく阻害することがないものと考えられる。また、上記共重合体(B)がシリカゲル表面を覆った部分に関しては、上記共重合体(B)に含まれる水酸基を有する単量体単位由来の水酸基が吸着を行うため、吸着性能の低下を抑制することが可能と考えられる。
本発明の吸着剤成形体は、吸着剤(A)を共重合体(B)により結着させてなるものである。ここで、吸着剤として用いられるシリカゲルは、その表面に存在するシラノール基による吸着(化学的吸着)とシリカゲルが有する細孔における毛細管現象による吸着(物理的吸着)とにより、水やその他の物質を吸着するものとして知られている。本発明の吸着剤成形体に用いられる共重合体(B)は、例えば吸着剤(A)としてシリカゲルを用いた場合、共重合体(B)が水酸基を有する単量体単位を含むことから、この水酸基とシリカゲル表面とが結合し、その結果シリカゲルの界面に上記共重合体(B)が点状に介在するものと考えられる。よって、シリカゲルの表面を上記共重合体(B)が覆い過ぎることがないので、上述したようなシリカゲルの化学的吸着および物理的吸着を大きく阻害することがないものと考えられる。また、上記共重合体(B)がシリカゲル表面を覆った部分に関しては、上記共重合体(B)に含まれる水酸基を有する単量体単位由来の水酸基が吸着を行うため、吸着性能の低下を抑制することが可能と考えられる。
本発明に用いられる吸着剤(A)は、気体中の水分および有害物質等を吸着することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えばシリカゲル、ゼオライト、活性炭等を用いることができる。上記ゼオライトは合成ゼオライトであっても天然ゼオライトであってもよい。なお、これらの吸着剤は、単独で、または使用目的に応じて適当な比率で数種類混合して使用することができる。
本発明においては、上述したものの中でもシリカゲルが好適に用いられる。本発明に用いられるシリカゲルとしては、吸着剤として一般的に用いられているものであれば特に限定されるものではないが、比表面積50〜900m2/g、細孔容積0.3〜1.8ml/g、平均細孔径2〜50nmであるシリカゲルが好ましく、中でも比表面積250〜850m2/g、細孔容積0.3〜1.0ml/g、平均細孔径2〜10nmであるシリカゲルが好ましい。これにより、吸着性能のより高い吸着剤成形体とすることができる。
本発明に用いられる共重合体(B)は、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる。
本発明において、上記水酸基を有する単量体単位となる水酸基を有する単量体としては、水酸基を有し、芳香族ビニル単量体および脂肪族共役ジエン単量体と重合可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシスチレン等が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。本発明においては、中でもヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。これにより、吸着性能のより高い吸着剤成形体とすることができる。
本発明において、上記水酸基を有する単量体単位の含有量は、上記共重合体(B)を構成する全単量体単位中0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、特に0.5〜7質量%の範囲内、中でも1〜6質量%の範囲内であることが好ましい。上記水酸基を有する単量体単位の含有量が多すぎると、後述する吸着剤成形体の製造方法に用いられる上記共重合体(B)のラテックスの粘度が高くなる傾向にあり、吸着剤成形体製造時の作業性が悪くなる場合がある。また、重合の安定性も低下する傾向にあるため、上記共重合体(B)のラテックスの製造効率が悪くなる場合がある。逆に、上記水酸基を有する単量体単位の含有量が少なすぎると、吸着剤成形体の吸着性能が低下するおそれがある。
本発明において、上記芳香族ビニル単量体単位となる芳香族ビニル単量体としては、芳香族ビニル単量体として一般的に用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えばスチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等が挙げられ、中でもスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、上記芳香族ビニル単量体単位の含有量は、上記共重合体(B)を構成する全単量体単位中30〜70質量%の範囲内であることが好ましく、中でも40〜65質量%の範囲内であることが好ましい。上記芳香族ビニル単量体単位の含有量が少なすぎると、吸着剤成形体の吸着性能が低下するおそれがある。上記芳香族ビニル単量体単位の含有量が多すぎると、共重合体(B)のガラス転移温度が高くなるため、吸着剤成形体が脆くなり壊れ易くなる。
本発明において、上記脂肪族共役ジエン単量体単位となる脂肪族共役ジエン単量体としては、脂肪族共役ジエン単量体として一般的に用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及びクロロプレン等が挙げられ、中でも1,3−ブタジエンが好ましい。これらの脂肪族共役ジエン単量体は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、上記脂肪族共役ジエン単量体単位の含有量は、上記共重合体(B)を構成する全単量体単位中20〜60質量%の範囲内であることが好ましく、中でも20〜40質量%の範囲内であることが好ましい。上記脂肪族共役ジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、吸着剤成形体の吸着性能が低下するおそれがある。上記脂肪族共役ジエン単量体単位の含有量が多すぎると、共重合体(B)のガラス転移温度が低くなるため、吸着剤成形体の表面がべたついたり、強度が低下して変形し易くなる。
本発明における共重合体(B)のガラス転移温度は、−20〜80℃の範囲内が好ましく、中でも0〜50℃の範囲内が好ましい。共重合体(B)のガラス転移温度が低すぎると、吸着剤(A)への被覆率が高くなるため、吸着剤成形体の吸着性能が低下するおそれが生じ、かつ吸着剤成形体がべたつく傾向にあるからである。また、共重合体(B)のガラス転移温度が高すぎると、吸着剤成形体が脆く壊れやすい傾向にある。
本発明における共重合体(B)のテトラヒドロフラン不溶解分(以降、THF不溶解分と略記する場合がある。)は、50質量%以上であることが好ましく、中でも70質量%以上であることが好ましい。共重合体(B)のTHF不溶解分が少なすぎると、吸着剤(A)への被覆率が高くなるため、吸着剤成形体の吸着性能が低下するおそれが生じる。また、吸着剤成形体が柔軟性を有するため、例えば空調用のフィルターとして適さない可能性がある。
本発明の吸着剤成形体は、吸着剤(A)および共重合体(B)の他に、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤等を含んでいてもよい。このような老化防止剤、防腐剤、抗菌剤等の添加剤については、従来公知のそれぞれの添加剤が使用でき、特に限定されるものではない。
本発明の吸着剤成形体は、吸着剤(A)を100重量部とした場合、共重合体(B)が0.1〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがさらに好ましく、1〜5重量部であることが特に好ましい。共重合体(B)が多すぎると、吸着剤成形体の吸着性能が低下する傾向にある。また、共重合体(B)が少なすぎると、吸着剤成形体の強度が弱くなる傾向にある。
なお、本発明の吸着剤成形体において、上記吸着剤(A)に対する共重合体(B)の量を調整する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、後述する吸着剤成形体の製造方法において用いられる共重合体(B)のラテックスの固形分濃度を調整する方法が挙げられる。
本発明の吸着剤成形体においては、当該吸着剤成形体をテドラーバック法により測定した際、この吸着剤成形体から発生するアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドおよび揮発性有機化合物の総量が、上記吸着剤成形体1g当たり10μg以下であることが好ましく、5μg以下であることがさらに好ましく、1μg以下であることが特に好ましい。アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドおよび揮発性有機化合物等は化学物質過敏症の原因とされている物質であり、これらの含有量が低いことにより、人体に悪影響を及ぼしにくい吸着剤成形体とすることができるからである。なお、本発明でいう揮発性有機化合物とは、JIS A 1901で定義されるVOCのことであり、沸点が50℃〜250℃までの有機化合物である。
本発明におけるテドラーバック法とは、一般には、対象物から発生する揮発性有機化合物の総量を測定する方法である。具体的な測定方法としては、例えば、吸着剤成形体を65℃で2時間、加熱させて揮発させた有機化合物を捕集管を用いて捕集し、定性、定量する方法である。
本発明の吸着剤成形体の製造方法は、シリカゲルを含む吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)のラテックスとを混合した後、乾燥させることにより吸着剤成形体を得る吸着剤成形体の製造方法であって、前記ラテックスと混合する際における前記吸着剤(A)に含まれる前記シリカゲルの水分量が、相対湿度50%以上、99%以下において平衡吸着状態にあることを特徴とする。
ここで、本発明でいうシリカゲルの水分量が、相対湿度50%以上、99%以下において平衡吸着状態であるとは、シリカゲルの水蒸気吸着等温線における相対湿度50%から相対湿度99%に相当する水分吸着量と、実際のシリカゲルの水分吸着量とが等しく、吸着する量と脱着する量とが統計的(時間平均的)に等しい平衡状態に達したことをいう。
本発明によれば、シリカゲルの水分量が、相対湿度50%以上、99%以下において平衡吸着状態であるシリカゲルを原料として用いることにより、上記シリカゲルと後述する共重合体(B)のラテックスとを混合させた際に、該シリカゲルが水を十分に含んでいるため、上記シリカゲルが割れることを防ぐことができ、また上記シリカゲルと上記共重合体(B)のラテックスとを均一に混合させることができる。また、前記原料として用いるシリカゲルの中でも、相対湿度70%以上、99%以下において平衡吸着状態であるものを用いるのがより好ましい。
本発明の吸着剤成形体の製造方法は、上述したような含水させたシリカゲルを含む吸着剤(A)と共重合体(B)とからなる吸着剤成形体を製造する方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、以下に示すような工程を有する製造方法を用いることができる。
工程(a) シリカゲルを含水させる工程
工程(b) 共重合体(B)のラテックスを製造する工程
工程(c) 含水させたシリカゲルを含む吸着剤(A)と共重合体(B)のラテックスとを混合させ、吸着剤(A)の表面に共重合体(B)を付着させる工程
工程(d) 吸着剤(A)と共重合体(B)との混合物を成形型に充填し、乾燥させ硬化させる工程
工程(a) シリカゲルを含水させる工程
工程(b) 共重合体(B)のラテックスを製造する工程
工程(c) 含水させたシリカゲルを含む吸着剤(A)と共重合体(B)のラテックスとを混合させ、吸着剤(A)の表面に共重合体(B)を付着させる工程
工程(d) 吸着剤(A)と共重合体(B)との混合物を成形型に充填し、乾燥させ硬化させる工程
工程(a)は、シリカゲルを含水させる工程である。シリカゲルを含水させる方法とは、例えばシリカゲルを温度20℃〜30℃、相対湿度50%〜99%の恒温恒湿槽に入れ、シリカゲル吸着等温線における相対湿度50%〜99%の平衡吸着量に達するまで静置する方法、もしくはシリカゲルを充填槽に入れ、温度20℃〜30℃、相対湿度50%〜99%に調整した湿り空気を充填槽内へ送り込み、入口空気と出口空気の温度および相対湿度が同等となるまで上記湿り空気を導入することで、充填槽内シリカゲルを含水させる方法がある。
なお、工程(a)で用いられるシリカゲルの好適な比表面積、細孔容積、平均細孔径の範囲は、上述した範囲と同様である。
工程(b)は、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)のラテックスを製造する工程である。
上記共重合体(B)のラテックスは、通常乳化重合により得られる。このような乳化重合としては、ラテックスを製造する際に通常用いられる乳化重合の手法を用いることができる。例えば、単量体を界面活性剤により水中に分散させ、重合開始剤、キレート剤、酸素捕捉剤、分子量調整剤等を加えて重合させるものである。なお、上記乳化重合の際に使用する界面活性剤、重合開始剤、キレート剤、酸素捕捉剤、分子量調整剤等の重合薬剤は、従来公知のそれぞれの薬剤が使用でき、特に限定されるものではない。
また、上記乳化重合において、単量体を乳化重合させる際、芳香族ビニル単量体、脂肪族共役ジエン単量体および水酸基を有する単量体をすべて同時に重合させてもよく、また芳香族ビニル単量体および脂肪族共役ジエン単量体を重合させた後、水酸基を有する単量体を重合させてもよい。
本発明において、上記乳化重合により製造された共重合体(B)のラテックスの粒子径は、100〜500nmの範囲内が好ましく、中でも100〜300nmの範囲内が好ましい。共重合体(B)のラテックスの粒子径が小さすぎると、共重合体(B)のラテックスの粘度が高くなり、吸着剤成形体製造時に扱いにくくなる可能性がある。なお、共重合体(B)のラテックスの粒子径は、乳化重合時の反応制御により、任意に制御することが可能である。ここで、上述した粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡等で撮影した写真を用いて測定することができる。この際、無作為に選んだ重合体100個の直径を測定し、その平均値を粒子径とすることができる。
また、必要に応じて、共重合体(B)のラテックスに老化防止剤、防腐剤、抗菌剤等を適宜添加してもよい。このような老化防止剤、防腐剤、抗菌剤等の添加剤については、従来公知のそれぞれの添加剤が使用でき、特に限定されるものではない。
なお、上記芳香族ビニル単量体、脂肪族共役ジエン単量体および水酸基を有する単量体については、上述した単量体と同様の単量体を挙げることができる。
工程(c)は、含水させたシリカゲルを含む吸着剤(A)と共重合体(B)のラテックスとを混合させ、吸着剤(A)の表面に重合体(B)を付着させる工程である。このような工程(c)に用いられる方法としては、例えば、過剰量の共重合体(B)のラテックスに吸着剤(A)を加え、混練し、余剰の共重合体(B)のラテックスをろ過等により除去して吸着剤(A)の表面に重合体(B)を付着させる方法を用いることができる。なお、混練する方法としては、混練方法として一般的に用いられている方法であれば特に限定されるものではない。
工程(d)は、吸着剤(A)と共重合体(B)のラテックスとの混合物を成形型に充填し、乾燥させ硬化させる工程である。まず、吸着剤(A)と共重合体(B)のラテックスとの混合物を成形型に充填させる。本発明においては、その後必要に応じて押圧して成形してもよい。次に、吸着剤(A)と共重合体(B)のラテックスとの混合物を乾燥させて硬化させるが、乾燥方法としては、特に限定されるものではなく、加熱して乾燥させる方法であってもよく、また減圧乾燥により乾燥させる方法であってもよい。
なお、加熱して乾燥させる方法を用いた場合、予備加熱をして半硬化させてから、成形型より離型させたものを完全に硬化させる方法を用いてもよく、また予備加熱をせずに、成形型から離型させた後、完全に硬化させる方法を用いてもよい。
本発明の吸着剤成形体の形状は、特に限定されず、搭載する装置や機器に合わせて、例えば、板状、円盤状、角柱状、円筒状、多面体状等の形状を採用することができる。また、意図的に表面に凹凸形状を付けたり、除湿ローターに用いる場合にあっては中央部に回転軸接続用の穴を開けても良い。
本発明の吸着剤成形体においては、手のひら程度の大きさでは特に補強材を必要としない。しかしながら、除湿ローターとして使用する場合、その大きさは300mmφ×50mm(厚み)程度であり、ローター自体を回転させるため、耐久性が要求されるので、補強材や外装枠材で補強されていることが好ましい。また、大型ビル用プラントのような装置に用いる場合は、吸着剤成形体の大きさが約1〜2m2となるため、機械を用いて搬送することが可能なように外装枠を形成し、その中に吸着剤を充填する構成とすることが好ましい。
補強材の材質としては、耐薬品性、耐蝕性、耐久強度、加工性、環境配慮、コストの観点から適宜選択が可能である。具体的には、各種ステンレス、合金などの金属;オレフィン系重合体などの樹脂;が好ましく使用できる。補強材としては、樹脂または金属製の有孔性箔帯を用いることが好ましく、金網、ラス金網、パンチングメタルがより好ましく使用できる。
補強材の材質としては、耐薬品性、耐蝕性、耐久強度、加工性、環境配慮、コストの観点から適宜選択が可能である。具体的には、各種ステンレス、合金などの金属;オレフィン系重合体などの樹脂;が好ましく使用できる。補強材としては、樹脂または金属製の有孔性箔帯を用いることが好ましく、金網、ラス金網、パンチングメタルがより好ましく使用できる。
本発明の吸着剤成形体においては、ヒートパイプ、ヒートポンプ、熱交換フィン等の各種熱交換器などを成形工程で埋設することができる。これら熱交換器を埋設することで熱交換器と吸着剤とが直接接触するため、高効率で迅速な熱交換が可能である。
本発明の吸着剤成形体は、電子材料製造における乾燥空気製造装置、食品の乾燥用装置、家庭用空調装置等におけるフィルターとして、並びに水中の有害物質を吸着するフィルターとしても利用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、部または配合に関わる%は、特に記載しない限り、重量基準である。また、各特性評価試験は、下記の方法で行った。
(1)粒子径の測定
透過型電子顕微鏡で共重合体のラテックスを撮影した写真を用い、無作為に選んだ重合体粒子100個の直径を測定し、その平均値を粒子径とした。
(2)共重合体のラテックスのTHF不溶解分の測定
得られた共重合体のラテックスを、枠付きガラス板上に流延し、それを20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室内に48時間放置して、厚みが約0.2mmの乾燥フィルムを得た。この乾燥フィルムを1mm四方の細片に裁断した試料0.25gを、THF100mlに、室温で48時間浸漬した。その後、80メッシュ金網上に残る不溶解分の乾燥重量を求め、試料の重量に対する百分率で示す。
(3)吸着性能(吸湿試験)
予め重量を測定したガラス製シャーレに吸着剤成形体を入れ、蓋を外した状態で130℃の乾燥機内で1時間脱湿させた。その後、乾燥機からシャーレを出して素早く蓋をして密閉し、室温まで冷却した後、天秤で重量を測定した。次いで、恒温恒湿槽(25℃:RH20%、RH50%、RH70%、RH90%)で48時間放置し吸湿させ、素早く蓋をして秤量した。
(4)テドラーバック法によるVOC総量(アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドおよび揮発性有機化合物の総量)の測定
1.コントロール用のテドラーバック(10L)を開封後、水洗し105℃で6時間乾燥させる。
2.乾燥後、コントロール用のテドラーバックの汚染を防ぐため、洗浄乾燥した別のテドラーバックに入れヒートシールし保管しておく。
3.テドラーバック(10L)にアルミ皿に採取した吸着剤成形体を入れ、ヒートシールし、密閉する。
4.コントロール用のテドラーバックおよび吸着剤成形体入りテドラーバック内の空気を真空ポンプで除き、気密確認後、清浄空気をテドラーバック内に4L封入する。
5.吸着剤成形体入りテドラーバックを65℃の恒温槽に入れ2時間放置する。
6.加温処理後、コントロール用のテドラーバックおよび吸着剤成形体入りテドラーバック内の空気をTENAX捕集管、DNPH捕集管に通す。
TENAX:100ml/min、40min
DNPH:100ml/min、40min
7.TENAX捕集管から捕集物を加熱脱着後、GC/MS測定する。
8.DNPH捕集管から捕集物をアセトニトリルに溶出後、HPLCを用いて捕集物量を測定する。
なお、上述したテドラーバックは、形式:AAK、膜厚50μm、容量10L(ジーエルサイエンス株式会社製)を使用し、清浄空気については、超清浄空気供給装置(商品名:ADclean、株式会社 新菱エコビジネスヒューマンエコカンパニー社製)により発生させた清浄空気を使用した。
(1)粒子径の測定
透過型電子顕微鏡で共重合体のラテックスを撮影した写真を用い、無作為に選んだ重合体粒子100個の直径を測定し、その平均値を粒子径とした。
(2)共重合体のラテックスのTHF不溶解分の測定
得られた共重合体のラテックスを、枠付きガラス板上に流延し、それを20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室内に48時間放置して、厚みが約0.2mmの乾燥フィルムを得た。この乾燥フィルムを1mm四方の細片に裁断した試料0.25gを、THF100mlに、室温で48時間浸漬した。その後、80メッシュ金網上に残る不溶解分の乾燥重量を求め、試料の重量に対する百分率で示す。
(3)吸着性能(吸湿試験)
予め重量を測定したガラス製シャーレに吸着剤成形体を入れ、蓋を外した状態で130℃の乾燥機内で1時間脱湿させた。その後、乾燥機からシャーレを出して素早く蓋をして密閉し、室温まで冷却した後、天秤で重量を測定した。次いで、恒温恒湿槽(25℃:RH20%、RH50%、RH70%、RH90%)で48時間放置し吸湿させ、素早く蓋をして秤量した。
(4)テドラーバック法によるVOC総量(アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドおよび揮発性有機化合物の総量)の測定
1.コントロール用のテドラーバック(10L)を開封後、水洗し105℃で6時間乾燥させる。
2.乾燥後、コントロール用のテドラーバックの汚染を防ぐため、洗浄乾燥した別のテドラーバックに入れヒートシールし保管しておく。
3.テドラーバック(10L)にアルミ皿に採取した吸着剤成形体を入れ、ヒートシールし、密閉する。
4.コントロール用のテドラーバックおよび吸着剤成形体入りテドラーバック内の空気を真空ポンプで除き、気密確認後、清浄空気をテドラーバック内に4L封入する。
5.吸着剤成形体入りテドラーバックを65℃の恒温槽に入れ2時間放置する。
6.加温処理後、コントロール用のテドラーバックおよび吸着剤成形体入りテドラーバック内の空気をTENAX捕集管、DNPH捕集管に通す。
TENAX:100ml/min、40min
DNPH:100ml/min、40min
7.TENAX捕集管から捕集物を加熱脱着後、GC/MS測定する。
8.DNPH捕集管から捕集物をアセトニトリルに溶出後、HPLCを用いて捕集物量を測定する。
なお、上述したテドラーバックは、形式:AAK、膜厚50μm、容量10L(ジーエルサイエンス株式会社製)を使用し、清浄空気については、超清浄空気供給装置(商品名:ADclean、株式会社 新菱エコビジネスヒューマンエコカンパニー社製)により発生させた清浄空気を使用した。
(合成例1)共重合体(B)のラテックス:LX−Aの製造
イオン交換水50部、スチレン62部、1,3−ブタジエン30部、メタクリル酸2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびt−ドデシルメルカプタン0.5部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水50部およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込んだ。耐圧反応器を80℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水10部および過硫酸カリウム1部を添加して重合反応を開始させた。エマルジョンを添加し終えてから300分後、耐圧反応器にイオン交換水10部、β−ヒドロキシエチルアクリレート6部および過硫酸アンモニウム1部を添加した後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH7.5となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Aを得た。重合終了後の重合転化率は99%以上であった。得られたLX−Aの物性を測定し、その結果を表1に示す。
イオン交換水50部、スチレン62部、1,3−ブタジエン30部、メタクリル酸2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびt−ドデシルメルカプタン0.5部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水50部およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込んだ。耐圧反応器を80℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水10部および過硫酸カリウム1部を添加して重合反応を開始させた。エマルジョンを添加し終えてから300分後、耐圧反応器にイオン交換水10部、β−ヒドロキシエチルアクリレート6部および過硫酸アンモニウム1部を添加した後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH7.5となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Aを得た。重合終了後の重合転化率は99%以上であった。得られたLX−Aの物性を測定し、その結果を表1に示す。
(合成例2)共重合体(B)のラテックス:LX−Bの製造
イオン交換水60部、スチレン58部、1,3−ブタジエン38部、メタクリル酸2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびt−ドデシルメルカプタン0.5部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水50部およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込んだ。耐圧反応器を80℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水10部および過硫酸カリウム1部を添加して重合反応を開始させた。エマルジョンを添加し終えてから300分後、耐圧反応器にイオン交換水10部、β−ヒドロキシエチルアクリレート2部および過硫酸アンモニウム1部を添加した後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH7となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Bを得た。重合終了後の重合転化率は99%以上であった。得られたLX−Bの物性を測定し、その結果を表1に示す。
イオン交換水60部、スチレン58部、1,3−ブタジエン38部、メタクリル酸2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびt−ドデシルメルカプタン0.5部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水50部およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込んだ。耐圧反応器を80℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水10部および過硫酸カリウム1部を添加して重合反応を開始させた。エマルジョンを添加し終えてから300分後、耐圧反応器にイオン交換水10部、β−ヒドロキシエチルアクリレート2部および過硫酸アンモニウム1部を添加した後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH7となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Bを得た。重合終了後の重合転化率は99%以上であった。得られたLX−Bの物性を測定し、その結果を表1に示す。
(合成例3)共重合体(B)のラテックス:LX−Cの製造
イオン交換水50部、スチレン58部、1,3−ブタジエン40部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.5部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびt−ドデシルメルカプタン0.5部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水50部およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込んだ。耐圧反応器を80℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水10部および過硫酸カリウム1部を添加して重合反応を開始させた。エマルジョン添加終了後、イオン交換水10部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.5部および過硫酸アンモニウム0.1部を添加した後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH7となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Cを得た。重合終了後の重合転化率は99%以上であった。得られたLX−Cの物性を測定し、その結果を表1に示す。
イオン交換水50部、スチレン58部、1,3−ブタジエン40部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.5部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびt−ドデシルメルカプタン0.5部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水50部およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込んだ。耐圧反応器を80℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水10部および過硫酸カリウム1部を添加して重合反応を開始させた。エマルジョン添加終了後、イオン交換水10部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.5部および過硫酸アンモニウム0.1部を添加した後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH7となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Cを得た。重合終了後の重合転化率は99%以上であった。得られたLX−Cの物性を測定し、その結果を表1に示す。
(合成例4)共重合体(B)のラテックス:LX−Dおよび粉末ポリスチレンの製造
耐圧反応器に、イオン交換水95部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびスチレン100部を投入し、撹拌しながら50℃に昇温した後、イオン交換水5部および過硫酸アンモニウム0.2部を添加し、重合反応を開始させた。重合転化率が99%以上となるまで反応させた後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH7.5となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Dを得た。得られたLX−Dの物性を測定し、その結果を表1に示す。
得られたラテックスLX−Dを凍結乾燥させた後、粉砕し、JIS Z 8801 標準ふるい(目開き106μm)を用いて分級して粉末ポリスチレンを得た。この際、粉末が舞うため、作業環境が悪かった。
耐圧反応器に、イオン交換水95部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびスチレン100部を投入し、撹拌しながら50℃に昇温した後、イオン交換水5部および過硫酸アンモニウム0.2部を添加し、重合反応を開始させた。重合転化率が99%以上となるまで反応させた後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH7.5となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Dを得た。得られたLX−Dの物性を測定し、その結果を表1に示す。
得られたラテックスLX−Dを凍結乾燥させた後、粉砕し、JIS Z 8801 標準ふるい(目開き106μm)を用いて分級して粉末ポリスチレンを得た。この際、粉末が舞うため、作業環境が悪かった。
(合成例5)共重合体(B)のラテックス:LX−Eの製造
イオン交換水60部、スチレン55部、1,3−ブタジエン41部、イタコン酸2部、アクリル酸2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびt−ドデシルメルカプタン0.1部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水50部およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込んだ。耐圧反応器を80℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水10部および過硫酸カリウム1部を添加して重合反応を開始させた。重合転化率が99%以上となるまで反応させた後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH9となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Eを得た。得られたLX−Eの物性を測定し、その結果を表1に示す。
イオン交換水60部、スチレン55部、1,3−ブタジエン41部、イタコン酸2部、アクリル酸2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.5部およびt−ドデシルメルカプタン0.1部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水50部およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2部を仕込んだ。耐圧反応器を80℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水10部および過硫酸カリウム1部を添加して重合反応を開始させた。重合転化率が99%以上となるまで反応させた後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH9となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Eを得た。得られたLX−Eの物性を測定し、その結果を表1に示す。
(合成例6)共重合体(B)のラテックス:LX−Fの製造
イオン交換水30部、アクリロニトリル6部、エチルアクリレート18部、ブチルアクリレート73部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部およびラウリル硫酸ナトリウム0.5部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水70部およびラウリル硫酸ナトリウム0.03部を仕込んだ。耐圧反応器を70℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水5部および過硫酸アンモニニウム0.2部を添加して重合反応を開始させた。エマルジョン添加終了後、イオン交換水10部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部および過硫酸アンモニウム0.1部を添加した後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH8となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Fを得た。重合終了後の重合転化率は99%以上であった。得られたLX−Fの物性を測定し、その結果を表1に示す。
イオン交換水30部、アクリロニトリル6部、エチルアクリレート18部、ブチルアクリレート73部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部およびラウリル硫酸ナトリウム0.5部を撹拌できる容器に投入し、撹拌してエマルジョンを得た。耐圧反応器に、イオン交換水70部およびラウリル硫酸ナトリウム0.03部を仕込んだ。耐圧反応器を70℃に昇温した後、耐圧反応器に前記エマルジョンの添加を開始し、次いでイオン交換水5部および過硫酸アンモニニウム0.2部を添加して重合反応を開始させた。エマルジョン添加終了後、イオン交換水10部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部および過硫酸アンモニウム0.1部を添加した後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH8となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Fを得た。重合終了後の重合転化率は99%以上であった。得られたLX−Fの物性を測定し、その結果を表1に示す。
(合成例7)共重合体(B)のラテックス:LX−Gの製造
耐圧反応器に、イオン交換水110部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1部、スチレン72部、1,3−ブタジエン25部、メタクリル酸1部、N−メチロールアクリルアミド2部およびt−ドデシルメルカプタン0.2部を投入し、撹拌しながら50℃に昇温した後、イオン交換水10部および過硫酸カリウム0.5部を添加し、重合反応を開始させた。重合転化率が99%以上となるまで反応させた後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH8となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Gを得た。得られたLX−Gの物性を測定し、その結果を表1に示す。
耐圧反応器に、イオン交換水110部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1部、スチレン72部、1,3−ブタジエン25部、メタクリル酸1部、N−メチロールアクリルアミド2部およびt−ドデシルメルカプタン0.2部を投入し、撹拌しながら50℃に昇温した後、イオン交換水10部および過硫酸カリウム0.5部を添加し、重合反応を開始させた。重合転化率が99%以上となるまで反応させた後、重合系を室温まで冷却して、重合反応を停止させ、水酸化カリウム水溶液でpH8となるように調整し、共重合体(B)のラテックスLX−Gを得た。得られたLX−Gの物性を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例1)
比表面積811m2/g、細孔容積0.51ml/g、平均細孔径2.6nmのシリカゲル(富士シリシア化学株式会社製)40gを相対湿度75%の恒温恒湿槽内に置き、シリカゲルに含水させて、含水シリカゲルを得た。得られた含水シリカゲルと固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−A4gとをポリ塩化ビニルのカップ内で混合した後、150メッシュのステンレス金網で過剰な共重合体(B)のラテックスをろ過して除き、テフロン(登録商標)製シャーレ(直径5cm、高さ1cm)に充填し、シャーレの縁を超える分は除去した。そのシャーレを130℃の乾燥機内で30分間乾燥させ、冷却後、シャーレから成形体を取り出し、再び130℃の乾燥機内に入れ、シャーレに接触していた部分を10分間乾燥させ、吸着剤成形体を得た。得られた吸着剤成形体の静吸着性能およびVOC総量測定の結果を表2に示す。
比表面積811m2/g、細孔容積0.51ml/g、平均細孔径2.6nmのシリカゲル(富士シリシア化学株式会社製)40gを相対湿度75%の恒温恒湿槽内に置き、シリカゲルに含水させて、含水シリカゲルを得た。得られた含水シリカゲルと固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−A4gとをポリ塩化ビニルのカップ内で混合した後、150メッシュのステンレス金網で過剰な共重合体(B)のラテックスをろ過して除き、テフロン(登録商標)製シャーレ(直径5cm、高さ1cm)に充填し、シャーレの縁を超える分は除去した。そのシャーレを130℃の乾燥機内で30分間乾燥させ、冷却後、シャーレから成形体を取り出し、再び130℃の乾燥機内に入れ、シャーレに接触していた部分を10分間乾燥させ、吸着剤成形体を得た。得られた吸着剤成形体の静吸着性能およびVOC総量測定の結果を表2に示す。
(実施例2)
シリカゲル40gを相対湿度95%の恒温恒湿槽内に置き、シリカゲルに含水させて、含水シリカゲルを得たこと以外は、実施例1と同様に吸着剤成形体を得た。
シリカゲル40gを相対湿度95%の恒温恒湿槽内に置き、シリカゲルに含水させて、含水シリカゲルを得たこと以外は、実施例1と同様に吸着剤成形体を得た。
(実施例3)
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを4g用いる代わりに、20g用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを4g用いる代わりに、20g用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
(実施例4)
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Bを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Bを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
(実施例5)
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Cを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Cを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
(実施例6)
比表面積758m2/g、細孔容積0.44ml/g、平均細孔径2.2nmのシリカゲル(富士シリシア化学株式会社製)40gを相対湿度90%の恒温恒湿槽内に置き、シリカゲルに含水させて、含水シリカゲルを得た。得られた含水シリカゲルと固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−A8gとをポリ塩化ビニルのカップ内で混合した後、150メッシュのステンレス金網で過剰な共重合体(B)のラテックスをろ過して除き、テフロン(登録商標)製シャーレ(直径5cm、高さ1cm)に充填し、シャーレの縁を超える分は除去した。そのシャーレを130℃の乾燥機内で30分間乾燥させ、冷却後、シャーレから成形体を取り出し、再び130℃の乾燥機内に入れ、シャーレに接触していた部分を10分間乾燥させ、吸着剤成形体を得た。得られた吸着剤成形体の静吸着性能およびVOC総量測定の結果を表2に示す。
比表面積758m2/g、細孔容積0.44ml/g、平均細孔径2.2nmのシリカゲル(富士シリシア化学株式会社製)40gを相対湿度90%の恒温恒湿槽内に置き、シリカゲルに含水させて、含水シリカゲルを得た。得られた含水シリカゲルと固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−A8gとをポリ塩化ビニルのカップ内で混合した後、150メッシュのステンレス金網で過剰な共重合体(B)のラテックスをろ過して除き、テフロン(登録商標)製シャーレ(直径5cm、高さ1cm)に充填し、シャーレの縁を超える分は除去した。そのシャーレを130℃の乾燥機内で30分間乾燥させ、冷却後、シャーレから成形体を取り出し、再び130℃の乾燥機内に入れ、シャーレに接触していた部分を10分間乾燥させ、吸着剤成形体を得た。得られた吸着剤成形体の静吸着性能およびVOC総量測定の結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例2と同様に含水シリカゲルを得た後、得られた含水シリカゲルと粉末ポリスチレン4gとをポリ塩化ビニルのカップ内で混合した後、テフロン(登録商標)製シャーレ(直径5cm、高さ1cm)に充填し、シャーレの縁を超える分は除去した。そのシャーレを130℃の乾燥機内で30分間乾燥させ、冷却後、シャーレから成形体を取り出し、再び130℃の乾燥機内に入れ、シャーレに接触していた部分を10分間乾燥させ、吸着剤成形体を得た。得られた吸着剤成形体は、強度のムラが激しく、割れたり端部が脱落するため試験を行うことができなかった。
実施例2と同様に含水シリカゲルを得た後、得られた含水シリカゲルと粉末ポリスチレン4gとをポリ塩化ビニルのカップ内で混合した後、テフロン(登録商標)製シャーレ(直径5cm、高さ1cm)に充填し、シャーレの縁を超える分は除去した。そのシャーレを130℃の乾燥機内で30分間乾燥させ、冷却後、シャーレから成形体を取り出し、再び130℃の乾燥機内に入れ、シャーレに接触していた部分を10分間乾燥させ、吸着剤成形体を得た。得られた吸着剤成形体は、強度のムラが激しく、割れたり端部が脱落するため試験を行うことができなかった。
(比較例2)
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Eを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Eを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
(比較例3)
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Fを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Fを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
(比較例4)
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Gを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
固形分濃度10%となるように水で希釈したLX−Aを用いる代わりに、固形分濃度10%となるように希釈したLX−Gを用いること以外は、実施例2と同様に吸着剤成形体を得た。
表1および表2より以下のことが明らかである。すなわち、水酸基を有する単量体単位を含まない重合体(合成例5、7)を用いた場合、静吸着性能が低湿度時に劣ることや、VOCの総量が高くなることがわかる(比較例2、4)。また、水酸基を有する単量体単位は含むが、芳香族ビニル単量体単位および脂肪族共役ジエン単量体単位を含まない重合体(合成例6)を用いた場合、静吸着性能がいずれの湿度においても劣ることが分かる(比較例3)。なお、粉末状の重合体(合成例4)を用いてシリカゲルと乾式混合した場合、得られた吸着剤成形体は、強度が弱く割れたり端部が脱落してしまい、静吸着性能およびVOC総量測定を行うことができなかった。また、乾式混合時に粉末が舞うため作業環境が悪かった(比較例1)。
これに対し、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含む重合体(合成例1〜3)を用いて製造された吸着剤成形体については、静吸着性能もいずれの湿度においても良好で、VOC総量も低いものであった(実施例1〜6)。
これに対し、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含む重合体(合成例1〜3)を用いて製造された吸着剤成形体については、静吸着性能もいずれの湿度においても良好で、VOC総量も低いものであった(実施例1〜6)。
Claims (6)
- 吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)とからなることを特徴とする吸着剤成形体。
- 前記水酸基を有する単量体単位の含有率が、前記共重合体(B)を構成する全単量体単位中0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の吸着剤成形体。
- 前記吸着剤(A)が、比表面積50〜900m2/g、細孔容積0.3〜1.8ml/g、平均細孔径2〜50nmであるシリカゲルを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸着剤成形体。
- 前記吸着剤(A)を100重量部とした場合、前記共重合体(B)が0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の吸着剤成形体。
- テドラーバック法により測定した吸着剤成形体から発生するアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドおよび揮発性有機化合物の総量が、前記吸着剤成形体1g当たり10μg以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の吸着剤成形体。
- シリカゲルを含む吸着剤(A)と、芳香族ビニル単量体単位、脂肪族共役ジエン単量体単位および水酸基を有する単量体単位を含んでなる共重合体(B)のラテックスとを混合した後、乾燥させることにより吸着剤成形体を得る吸着剤成形体の製造方法であって、
前記ラテックスと混合する際における前記吸着剤(A)に含まれる前記シリカゲルの水分量が、相対湿度50%以上、99%以下において平衡吸着状態にあることを特徴とする吸着剤成形体の製造方法。
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