JP2013201796A - 車両用電線固定具 - Google Patents

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【課題】本発明は、電線の先端に設けられる先端保護部を簡単な構成によって自動車に固定することを目的とする。
【解決手段】先端保護部10は、柱状に形成されている。先端保護部10には底面として平坦な固定面30が形成され、先端保護部10の延伸方向に垂直な断面の外周は、U字曲線の両端を直線で結んだ形状を有する。先端保護部10の一端からは、先端保護部10の長手方向に沿って、電線受容孔26が開けられている。先端保護部10の下方には、楔形状のクリップ部12が形成されている。電線14は、金属ワイヤ24、および樹脂皮膜22から形成されている。電線14は、その先端が先端保護部10における電線受容孔26に挿入される。クリップ部12の円錐部18は、車両部材20に開けられた固定穴28を貫通している。円錐部18のフランジ領域32と、固定面30との間には車両部材20が挟まれている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用電線固定具に関し、特に、電線を保護する電線固定具に関する。
自動車には、走行制御のためのパワーコントロールユニットや、ウインカ、ルームライト、ラジオ、テレビ等のアクセサリ機器が搭載される。これらの電気機器には、電源電力の供給、制御信号の伝送、無線信号の伝送等のために電線が接続される。
電線の固定には、電線固定具が用いられることが多い。電線固定具には、プラスチック樹脂を環状に形成したものや、帯状に形成したものがある。例えば、環状の電線固定具は、電線が貫通した状態で、自動車のボデー、シャーシ、内装板等の車両部材に固定される。帯状の電線固定具は、車両部材との間に電線を挟んだ状態で、一端または両端が車両部材に固定される。これによって、電線は電線固定具に保持され車両部材に固定される。また、電線がコネクタを介して電気機器に接続される場合には、電線は、コネクタを介して車両部材に固定される。
なお、下記の特許文献1には、電線を車両部材に固定する部品として、ワイヤハーネス用クランプが記載されている。
特開平09−163560号公報
自動車における配線に用いられる電線には、その先端が電気機器に接続されずに開放端となっているものがある。例えば、無線機器のアンテナには、電線をアンテナエレメントとして作用させるものがあり、その先端は開放端である。
このような場合、電線の先端は、機械的強度を高めるためにキャップ状の保護部材で覆われる。また、被覆線が用いられる場合には、先端からの浸水を防ぐために、このような保護部材が用いられる。
しかし、保護部材は電線よりも径が大きいため、電線に用いられる電線固定具と同一の固定具を用いることが困難となる場合がある。この場合、保護部材を固定するための部品が別途必要になり、製造コストが上昇する。また、保護部材を固定しない場合には、電線の先端部が保護部材と共に振動し、走行時に騒音が発生することがある。
本発明は、電線の先端に設けられる先端保護部を簡単な構成によって自動車に固定することを目的とする。
本発明は、電線の先端を覆う先端保護部と、車両に用いられる部材に固定され、前記先端保護部を保持する保持部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る車両用電線固定具は、望ましくは、前記保持部は、楔形状のクリップ部を有し、前記クリップ部は、車両に用いられる板状部材を貫通し、一方の面側に楔形状先端部が位置し、他方の面側に前記先端保護部が位置するよう、前記板状部材に固定される。
本発明によれば、電線の先端に設けられる先端保護部を簡単な構成によって自動車に固定することができる。
本発明の第1実施形態に係る電線固定具の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る電線固定具の軸方向の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る電線固定具の軸方向に垂直な断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電線固定具の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る電線固定具の軸方向の断面図である。 スポイラアンテナが搭載される車両を示す図である。 スポイラアンテナの構成を示す図である。 スポイラアンテナの断面図である。 本発明の第3実施形態に係る電線固定具の上面図である。 本発明の第3実施形態に係る電線固定具の軸方向の断面図である。 車両部材および保護部材が一体形成された電線固定具の斜視図である。
図1には、本発明の第1実施形態に係る電線固定具の斜視図が示されている。電線固定具は、電線14の先端を覆う先端保護部10と、先端保護部10を保持するクリップ部12とを備える。
電線固定具は、電線14の先端を覆い電線14の先端部を保護すると共に、自動車のボデー、シャーシ、内装板、スポイラ、リンフォース等の車両部材上で電線14の先端を保持する。図2には、電線14の中心軸を通るよう上下方向に電線固定具を切断した場合における断面図が示されている。ただし、この図では、電線固定具が板状の車両部材20に固定された状態が示されている。
先端保護部10は、柱状に形成されている。先端保護部10には底面として平坦な固定面30が形成され、先端保護部10の延伸方向に垂直な断面の外周は、U字曲線の両端を直線で結んだ形状を有する。
先端保護部10の一端からは、先端保護部10の長手方向に沿って、電線受容孔26が開けられている。先端保護部10の下方には、楔形状のクリップ部12が形成されている。ここで例示されているクリップの形状は、円柱形状と円錐形状とを組み合わせたものである。すなわち、円柱部16の底面に、先端が下方に向けられた円錐部18の円形面が接合されることで、円錐部18を先端とする楔形状のクリップ部12が形成されている。クリップ部12は、その円柱部16の上面において先端保護部10に接合されている。
先端保護部10およびクリップ部12は、プラスチック樹脂等の弾力性のある材料によって一体形成してもよい。また、製造工程、設計仕様に応じて、金属等、その他の材料を用いてもよい。
電線14は、金属ワイヤ24、および、金属ワイヤ24を被覆する樹脂皮膜22から形成されている。電線14は、技術分野によって、ハーネス、ケーブル等と称されるものである。電線14は、同軸ケーブル等、複数の導体系からなるものであってもよい。電線14の先端には、図2に示されるように、金属ワイヤ24および樹脂皮膜22の断面が現れていてもよい。電線14は、その先端が先端保護部10における電線受容孔26に挿入される。
先端保護部10には、熱が加えられることによって収縮する熱収縮チューブが用いられてもよい。この場合、先端保護部10は、電線14が電線受容孔26に挿入された後に熱が加えられることで電線14に密着し、電線14の先端に固定される。
図3には、図2におけるAB線断面図が示されている。クリップ部12の円錐部18は、車両部材20に開けられた固定穴28を貫通している。円錐部18の円形面のうち円柱部16から突出したフランジ領域32と、固定面30との間には車両部材20が挟まれている。これによって、クリップ部12は、一方の面側に円錐部18(楔形状先端部)が位置し、他方の面側に先端保護部10が位置するよう、車両部材20に固定される。
固定穴28にクリップ部12を固定する工程は、例えば、次のようにして行われる。初めに、円錐部18を貫通方向に伸張し、径を細くした状態で固定穴28に通す。円錐部18が固定穴28を貫通した後、円錐部18は、自らの弾性力で形状を復元し、固定面30との間に車両部材20を挟み、車両部材20に固定された状態となる。
また、初めに円錐部18を設けずに、車両部材20の厚さよりも長い円柱部16のみでクリップ部12を形成しておき、円柱部16を固定穴28に通した後、固定穴28から突出した部分を変形させることで、円錐部18を形成する工程を採用してもよい。これらの工程は、後述の実施形態においても採用され得る。
このような構成によれば、電線固定具は、電線14の先端を保持した状態で車両部材20に固定される。電線14の先端部は、先端保護部10によって覆われるため、金属ワイヤ24と樹脂皮膜22との間に雨水等が進入することが回避される。また、電線14は、その先端が電線固定具を介して車両部材20に固定されるため、車両の走行時に電線14が振動することが回避される。
図4には、本発明の第2実施形態に係る電線固定具の斜視図が示されている。図5には、電線14の中心軸を通るよう上下方向に電線固定具を切断した場合における断面図が示されている。この電線固定具は、第1実施形態に係る電線固定具に比べて、車両部材20からより離れた位置に電線14を保持するものである。図1〜図3に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
クリップ部12は、円柱部16、固定板34、および円錐部18を備える。円柱部16は、車両部材20の厚さと、固定板34の厚さを超える長さとする。円柱部16の長さは、車両部材20から電線14を離す距離に応じて決定される。
円錐部18のフランジ領域32と固定板34の下面との間の距離は、車両部材20の厚さと同一とする。クリップ部12の円錐部18は、車両部材20に開けられた固定穴28を貫通している。円錐部18のフランジ領域32と、固定板34の下面との間には車両部材20が挟まれている。
このような構成によれば、第1実施形態に係る電線固定具と同様、電線14への浸水の防止、電線14の振動の抑制等の効果が得られる。また、クリップ部12の円柱部16の長さに応じて、電線14と車両部材20との間の距離が設定されるため、例えば、次のような効果が得られる。電線14が電線固定具によって固定された状態においては、電線14および電線固定具の固有振動数は、クリップ部12の円柱部16の長さに応じて変化する。そこで、円柱部16の長さを調整して固有振動数を最適化することで、自動車の走行時に発生する振動を抑制することができる。
また、電線14をアンテナエレメントとして作用させる場合、その送受信性能が車両部材20の影響を受けることがある。この場合、アンテナエレメントとしての電線14を車両部材20から隔離して配置することにより送受信性能が向上することがある。
なお、電線14は、先端保護部10の電線受容孔26の近傍で、粘着テープによって、車両部材20に固定してもよい。この場合、車両部材20に設けられた固定穴28の直径をクリップ部12の円錐部18の直径よりも大きくし、クリップ部12を固定穴28に挿入する工程を簡略化してもよい。
次に、第1実施形態に係る電線固定具を、スポイラアンテナに応用した例について説明する。図6には、スポイラアンテナが搭載される自動車36が示されている。この自動車36に実装されたスポイラ38は、プラスチック樹脂等で形成された中空の外装部品である。図6に示されているスポイラ38は、リアウィンドウ40の上部に設けられ、庇状の形状を有する。
図7には、本応用例に係るスポイラアンテナの構成が示されている。ただし、この図はスポイラ38の筐体の上面が取り除かれた様子を示したものである。図7の上方向および下方向は、それぞれ、自動車36の前方向および後方向に対応し、図7の右方向および左方向は、それぞれ、前方を見て右方向および左方向に対応する。
スポイラ38の後方部には、ラジオ放送の電波を受信するアンテナが配置されている。このアンテナは、電線で形成されたアンテナエレメント42と、車室に設けられたラジオ受信機とアンテナエレメント42とを接続するコネクタ44とを備える。アンテナエレメント42は、スポイラ38の後方部の外周形状に沿って配置され、その先端が電線固定具を介してスポイラ38に固定されている。
図8には、図7におけるCD線断面図が示されている。この図に示されるスポイラ38は、樹脂を外殻とした中空形状を有している。電線固定具が設けられる部分は、円錐部18を位置させるスペースを設けるため、図8に示されるように突出させた形状を有している。
アンテナエレメント42は、その先端が先端保護部10における電線受容孔26に挿入される。クリップ部12の円錐部18は、スポイラ38に開けられた固定穴28を貫通している。円錐部18のフランジ領域32と、固定面30との間にはスポイラ38をなす外殻が挟まれている。これによって、クリップ部12は、中空部46に円錐部18が位置し、中空部46の外側に先端保護部10が位置するようスポイラ38に固定される。これによって、アンテナエレメント42の先端は、電線固定具を介してスポイラ38に固定される。
ここでは、第1実施形態に係る電線固定具をスポイラアンテナに用いた応用例について説明したが、第2実施形態に係る電線固定具をスポイラアンテナに用いてもよい。また、スポイラ38の中空部46の外側ではなく、中空部46側にアンテナエレメント42および先端保護部10を位置させてもよい。
図9には第3実施形態に係る電線固定具の上面図が示されている。また、図10には、図9におけるEF線断面図が示されている。この電線固定具は、車両部材48側に設けられたクリップ部50によって、車両部材48に固定されるものである。
電線固定具は、先端保護部10および取り付け板58を備える。取り付け板58は、長方形状に形成され、車両部材48に設けられたクリップ部50を貫通させるクリップ穴60を有する。先端保護部10は、柱状に形成されている。先端保護部10の一端からは、先端保護部10の長手方向に沿って電線受容孔26が開けられている。先端保護部10の側面は、取り付け板58の右側の辺に接合されている。先端保護部10および取り付け板58は、プラスチック樹脂等の弾力性のある材料によって一体形成してもよい。また、製造工程、設計仕様に応じて、金属等、その他の材料を用いてもよい。
車両部材48の上方には、楔形状のクリップ部50が形成されている。ここで例示されているクリップ部50は、円柱部54と円錐部52とを組み合わせたものである。すなわち、円柱部54の上面に、先端が上方に向けられた円錐部52の円形面が接合されることで、円錐部52を先端とする楔形状のクリップ部50が形成されている。クリップ部50は、その円柱部54の底面において車両部材48に接合されている。クリップ部50は、車両部材48と同一材料により、車両部材48と一体形成してもよい。
クリップ部50の円錐部52は、取り付け板58に開けられたクリップ穴60を貫通している。円錐部52の円形面のうち円柱部54から突出したフランジ領域56と、車両部材48との間には電線固定具の取り付け板58が挟まれている。これによって、クリップ部50は、取り付け板58を車両部材48に固定し、先端保護部10と共に電線14を車両部材48に固定する。
このような構成によれば、第1および第2実施形態に係る電線固定具と同様、電線14への浸水の防止、電線14の振動の抑制等の効果が得られる。
なお、上記では、先端保護部10に接合されるクリップ部12、および、車両部材48に接合されるクリップ部50の形状として、円柱形状および円錐形状を組み合わせたものについて説明した。これらのクリップ部の形状には、円柱形状に代えて、他の任意の柱形状を採用してもよい。また、円錐形状に代えて、他の任意の角錐形状を採用してもよい。
また、上記では、一本の電線14の先端を先端保護部が覆う構成について説明した。このような構成の他、複数本の電線を束ねた状態で、複数の電線の先端を1つの先端保護部で覆う構成としてもよい。
上記では、先端保護部と車両部材とを別の部材とした実施形態について説明したが、これらは一体形成されてもよい。図11には、車両部材および保護部材が、プラスチック樹脂等により一体形成された電線固定具の斜視図が示されている。車両部材20は板状に形成され、先端保護部10は直方体形状に形成されている。先端保護部10の一端からは、先端保護部10の長手方向に沿って、電線受容孔26が開けられている。電線14は、その先端が電線受容孔26に挿入される。このような構成によれば、第1〜第3実施形態に係る電線固定具と同様、電線14への浸水の防止、電線14の振動の抑制等の効果が得られると共に、部品点数が削減され、さらには、電線14を固定する工程が単純化されるという効果が得られる。
10 先端保護部、12,50 クリップ部、14 電線、16,54 円柱部、18,52 円錐部、20,48 車両部材、22 樹脂皮膜、24 金属ワイヤ、26 電線受容孔、28 固定穴、30 固定面、32、56 フランジ領域、34 固定板、36 自動車、38 スポイラ、40 リアウィンドウ、42 アンテナエレメント、44 コネクタ、46 中空部、58 取り付け板、60 クリップ穴。

Claims (2)

  1. 電線の先端を覆う先端保護部と、
    車両に用いられる部材に固定され、前記先端保護部を保持する保持部と、
    を備えることを特徴とする車両用電線固定具。
  2. 請求項1に記載の車両用電線固定具において、
    前記保持部は、楔形状のクリップ部を有し、
    前記クリップ部は、車両に用いられる板状部材を貫通し、一方の面側に楔形状先端部が位置し、他方の面側に前記先端保護部が位置するよう、前記板状部材に固定されることを特徴とする車両用電線固定具。
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