JP2013199690A - 金属ナノワイヤ分散液の製造方法、金属ナノワイヤ分散液、金属ナノワイヤ分散液を用いて形成された導電性部材、及びその導電性部材を用いたタッチパネル、及び太陽電池 - Google Patents

金属ナノワイヤ分散液の製造方法、金属ナノワイヤ分散液、金属ナノワイヤ分散液を用いて形成された導電性部材、及びその導電性部材を用いたタッチパネル、及び太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性と高い導電性を両立できる金属ナノワイヤ分散液の製造方法、金属ナノワイヤ分散液、金属ナノワイヤ分散液を用いて形成された導電性部材、及びその導電性部材を用いたタッチパネル、及び太陽電池を提供する。
【解決手段】金属ナノワイヤ分散液の製造方法は、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む水分散液と、高分子分散剤と、前記低分子分散剤を前記金属ナノワイヤから剥離させる剥離溶液とを準備し、前記高分子分散剤を前記水分散液、及び前記剥離溶液の少なくともいずれか一方に含ませた状態で、前記水分散液と前記剥離溶液とを混合する混合工程と、前記混合工程で作製した混合液から前記低分子分散剤を分離除去する精製工程と、を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属ナノワイヤ分散液の製造方法、金属ナノワイヤ分散液、金属ナノワイヤ分散液を用いて形成された導電性部材、及びその導電性部材を用いたタッチパネル、及び太陽電池に関し、特に、導電性、透明性に優れた導電性部材を得ることができる技術に関する。
現在、液晶ディスプレイ・有機EL・タッチパネルなどの表示装置および太陽電池などに用いる電極用の透明導電材料としてITOが広く利用されている。しかし、インジウム金属の埋蔵量が少ないこと、長波長領域の透過率が低いことに起因する色味があること、低抵抗化するためには高温の熱処理が必要であること、および屈曲耐性がないため、製造方法や製品形状などの意匠性が限定される等の問題がある。
このような状況下、金属ナノワイヤを用いた導電性部材の検討が報告された(特許文献1)。これは、透明性、低抵抗、使用金属量の低減の面で優れており、屈曲耐性が高いこと等から、前述したITO透明導電性部材の抱える問題を解決しうる部材として、代替への期待が高まっている。
前記金属ナノワイヤを製造する方法として、いくつかの方法が知られている。例えば、特許文献2は、エチレングリコール中で加熱しながら、銀イオンを還元してワイヤを作製する製造方法を開示する。特許文献3は、水溶媒中で銀錯体を、水溶媒の沸点以下の温度で加熱する銀ナノワイヤの製造方法を開示する。特許文献4、5は、エチレングリコール中で合成された金属ナノワイヤを限外濾過により精製して不純物を除去するための製造方法を開示する。また、特許文献6は、金属ナノワイヤではないが、水溶媒中で合成された金属ナノロッドを水と相分離する有機溶媒中に抽出するための製造方法を開示する。
米国特許出願公開第2007/0074316号明細書 米国特許出願公開第2008/0210052号明細書 特開2009−242880号公報 特開2006−118036号公報 国際公開第2009/107694号公報 特開2005−270957号公報
金属ナノワイヤの製造方法、および金属ナノワイヤ分散液を用いた導電性部材の製造方法としては、防爆対応不要など製造装置の取り扱いやすさ、および製造時の環境負荷の観点から、水または水と相溶する溶剤を混合した水溶媒を使用することが望まれている。しかし、特許文献3で開示されている水溶媒を使用する方法で作製した金属ナノワイヤ分散液を、透明導電性部材の製造に適用した際に、導電膜の抵抗値が高いという問題があった。そのため、低抵抗の導電性部材を作製するためには金属ナノワイヤの使用量を増やさざるを得ず、透明性が低下してしまうという問題があった。
また、金属ナノワイヤの不純物を除去するために、水溶媒で合成された金属ナノワイヤ分散液を、特許文献4、5で開示されている精製方法による精製を実施しても、得られた金属ナノワイヤ分散液を用いて作製した透明導電性部材の抵抗値を低減することはできなかった。
さらに、特許文献6で開示されている方法は、水溶媒中で金属ナノロッドを合成するが、精製工程を経ることにより、最終的に分散媒が水と相分離する非水溶媒に変換される。そのため、得られた分散物を用いて導電性部材を製造するためには、製造設備の防爆対応が必要となり、また製造時の環境負荷も水溶媒を使用した場合と比較して高くなる。したがって、本発明が解決しようとする課題に適用できるものではなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、透明性と導電性とを実現できる金属ナノワイヤ分散液の製造方法、金属ナノワイヤ分散液、金属ナノワイヤ分散液を用いて形成された導電性部材、及びその導電性部材を用いたタッチパネル、及び太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、水溶媒中で合成された金属ナノワイヤを用いて形成された導電性部材の特性を鋭意研究した結果、次の知見を得た。水溶媒中で合成された金属ナノワイヤの表面では、合成時に添加した低分子分散剤が、金属ナノワイヤ表面にミセルを形成して間隔なく付着している。この状態で金属ナノワイヤを用いて導電性部材を作製した場合、低分子分散剤が金属ナノワイヤ同士の接触を阻害するため、導電性部材の表面抵抗が高くなることが分かった。また、低分子分散剤が金属ナノワイヤ表面に強く吸着しているため、その状態で精製を行っても低分子分散剤を十分に除去できないことが分かった。
そこで、発明者らは鋭意検討を継続した結果、さらなる次の知見を得た。低分子分散剤を高分子分散剤に置換すると、高分子分散剤が間隔を開けて金属ナノワイヤの表面を覆い、金属ナノワイヤの表面が露出する。この際、低分子分散剤を剥離する剥離液を用いることで、効率的に低分子分散剤と高分子分散剤との置換を実施することができた。低分子分散剤を高分子分散剤に置換した金属ナノワイヤを用いて導電性部材を作製した場合、金属ナノワイヤ同士の接触点が増えるため、表面抵抗が下がる、つまり導電性が高くなり、金属ナノワイヤの量を減らすことで透明性が高くなることを見出し、本発明に至った。
本発明の一態様によると、金属ナノワイヤ分散液の製造方法は、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む水分散液と、高分子分散剤と、前記低分子分散剤を前記金属ナノワイヤから剥離させる剥離溶液とを準備し、前記高分子分散剤を前記水分散液、及び前記剥離溶液の少なくともいずれか一方に含ませた状態で、前記水分散液と前記剥離溶液とを混合する混合工程と、前記混合工程で作製した混合液から前記低分子分散剤を分離除去する精製工程と、を備える。
本態様によれば、金属ナノワイヤの表面に吸着した低分子分散剤が剥離され、高分子分散剤に置換される。得られた金属ナノワイヤ分散液を用いることにより、低抵抗で透明性の高い導電性部材が得られる。また、低分子分散剤が金属ナノワイヤの表面から剥離されるので、混合工程で作製された混合液から低分子分散剤を容易に分離除去することができる。
好ましくは、前記混合工程は、前記剥離溶液と前記水分散液とをフロー混合することを含む。
好ましくは、前記高分子分散剤が、前記高分子分散剤を含む溶液を用いたフロー混合、及び前記高分子分散剤又は前記高分子分散剤を含む溶液を用いたバッチ混合、のいずれかの手段により、前記水分散液、及び前記剥離溶液の少なくともいずれか一方に添加される。
好ましくは、前記フロー混合が、T字型流路を用いて実施されることを含む。
好ましくは、前記精製工程が、クロスフロー方式の濾過により実施されることを含む。
本発明の他の態様によると、金属ナノワイヤ分散液は金属ナノワイヤ分散液の製造方法により製造される。
好ましくは、金属ナノワイヤが、銀ナノワイヤである。
好ましくは、金属ナノワイヤ分散液は電導度が1mS/m以下である。
本発明の他の態様によると、導電性部材は金属ナノワイヤの分散液を用いて製造される。
本発明の他の態様によると、タッチパネルは導電性部材を用いて製造される。
本発明の態様によると、太陽電池は導電性部材を用いて製造される。
本発明によると、低抵抗であっても透明性の高い導電性部材の製造に適用可能な、金属ナノワイヤ分散液の製造方法を提供することができる。
フロー混合装置の概略を示す説明図。 T字型のフロー混合装置の概略を示す説明図。 Y字型のフロー混合装置の概略を示す説明図。 別のフロー混合装置の概略を示す分解斜視図。 本形態のおける混合工程の製造フローの概略構成図。 本態様における多段混合工程の製造フローの概略構成図。 クロスフロー濾過装置の概略構成図。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの手法により変更を行なうことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
(金属ナノワイヤ分散液の製造方法)
本態様による金属ナノワイヤ分散液の製造方法は、(1)水溶媒中で合成された、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む分散液と、高分子分散剤と、前記低分子分散剤を前記金属ナノワイヤから剥離させる剥離溶液とを、前記高分子分散剤を前記分散液、及び前記剥離溶液のいずれかに含ませた状態で混合する混合工程と、(2)前記混合工程で作製した混合液から前記低分子分散剤を分離除去する精製工程と、を備える。
[金属ナノワイヤ]
前記金属ナノワイヤの形状については、特に制限はない。目的に応じて適宜選択することができ、例えば円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状など任意の形状を取ることができる。また、後述する短軸長さは平均短軸長さを意味し、長軸長さは平均長軸長さを意味し、金属ナノワイヤの短軸長さ、及び長軸長さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、TEM像を観察することにより求めることができる。
前記金属ナノワイヤは、1nm以上50nm以下の短軸長さを有するのが好ましく、10nm以上30nm以下がより好ましく、15nm以上25nm以下が特に好ましい。金属ナノワイヤの短軸長さが、50nmを超えると、導電体としての特性は良化するが、光散乱によるヘイズが非常に目立ち、透明性が失われる問題がある。金属ナノワイヤの短軸長さが、1nm未満であると、透明性は良化するが、酸化により導電性が悪化しやすくなる問題がある。
前記金属ナノワイヤは、1μm以上30μm以下の長軸長さを有するのが好ましく、3μm以上20μm以下がより好ましく、5μm以上10μm以下が特に好ましい。金属ナノワイヤの長軸長さが、1μm未満であると、導電体を塗布により作製した場合において、金属同士の接点が少なくなり導通が取りにくくなり、結果、抵抗が高くなってしまう。長軸の長さが30μmを超えると、金属ナノワイヤが絡みやすくなるためか、分散安定性が悪くなってしまうことがある。
前記金属ナノワイヤを構成する金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、第2〜14族から選ばれる少なくとも1種の金属がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族から選ばれる少なくとも1種の金属が更に好ましく、主成分として含むことが特に好ましい。
前記金属としては、具体的には銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム又はこれらの合金が好ましく、パラジウム、銅、銀、金、白金、錫及びこれらの合金がより好ましく、銀又は銀を含有する合金が特に好ましい。
前記金属ナノワイヤ中の銀ナノワイヤの含有率は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、金属ナノワイヤは実質的に銀ナノワイヤであることが更に好ましい。ここで、「実質的に」とは、不可避的に混入する銀以外の金属原子を許容することを意味する。
[水溶媒]
本態様における水溶媒とは、水、または水と水溶性溶媒の混合媒を意味する。水溶媒としては、水を用いることが好ましい。水溶媒は、水に加えて、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類などの水溶性溶媒を50質量%まで含むことができる。
[低分子分散剤]
本態様における低分子分散剤は、水溶媒中で金属イオンを還元して金属ナノワイヤを合成する際に、金属ナノワイヤの形態制御、及び凝集防止としての機能を有する。低分子分散剤としては、1000以下の分子量を有する、アミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物の郡から選ばれる少なくとも1種を含むものを意味する。その中で、四級アンモニウム塩が好ましい。
[四級アンモニウム塩]
前記四級アンモニウム塩は、四級アンモニウムイオンとなるカチオン部とカウンターイオンとなるアニオン部とから構成され、次の化学式(化1)で表される。
Figure 2013199690
R1、 R2、 R3、 R4 は −CnH(2n+1) で表される置換基のうち、n=1〜24のいずれかからなる化合物であることが好ましい。また、R1〜R4の置換基は、それぞれ同じ置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
前記四級アンモニウムイオンとなるカチオン部としては、例えば、デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、デシルエチルジメチルアンモニウム、ドデシルエチルジメチルアンモニウム、セチルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルエチルジメチルアンモニウム、デシルジエチルメチルアンモニウム、ドデシルジエチルメチルアンモニウム、セチルジエチルメチルアンモニウム、ステアリルジエチルメチルアンモニウム、デシルトリエチルアンモニウム、ドデシルトリエチルアンモニウム、セチルトリエチルアンモニウム、ステアリルトリエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記カウンターイオンとなるアニオン部としては、例えば、臭化物イオン(Br)、塩化物イオン(Cl)等の各種ハロゲン化物イオン、ヒドロキシイオン(OH)、硝酸イオン(NO )、リン酸イオン(PO 3−)、炭酸イオン(CO )、硫酸イオン(SO 2−)などが挙げられる。以上に列挙した四級アンモニウム塩は、それぞれから選ばれる2つ以上を組み合わせて使用することも可能である。
[還元剤]
本態様における金属ナノワイヤは、水溶媒中で金属イオンを還元することにより合成される。金属ナノワイヤを合成する際に使用する還元剤としては、特に制限はなく、通常使用されるものの中から適宜選択することができる。例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素金属塩;水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウムセシウム、水素化アルミニウムベリリウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウム等の水素化アルミニウム塩;亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、クエン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩等;ジエチルアミノエタノール、エタノールアミン、プロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロパノール等のアルカノールアミン;プロピルアミン、ブチルアミン、ジプロピレンアミン、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;ピペリジン、ピロリジン、Nメチルピロリジン、モルホリン等のヘテロ環式アミン;アニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン等の芳香族アミン;ベンジルアミン、キシレンジアミン、N−メチルベンジルアミン等のアラルキルアミン;エチレングリコール、グルタチオン、有機酸類(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等)、還元糖類(グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラフィノース、スタキオース等)、糖アルコール類(ソルビトール等)などが挙げられる。これらの中でも、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類が特に好ましい。以上に列挙した還元剤は、2つ以上を組み合わせて使用することも可能である。また、還元力の調整のために、水溶媒のpHを制御することが好ましい。
[pH緩衝剤]
前記水溶媒中で金属ナノワイヤを合成する際にpHを制御する目的で使用するpH緩衝剤としては、使用する物に特に制限はない。アンモニア、炭酸、ホウ酸、酢酸の他、アラニン、アルギニン、アスパラギン、グリシンなどの各種アミノ酸とそれらの塩などが例として挙げられる。以上に列挙したpH緩衝剤は、2つ以上を組み合わせて使用することも可能である。
水溶媒のpHは、好ましくは、8.0以上9.0以下である。より好ましくは、8.2以上8.6以下である。水溶媒のpHを上記の範囲とすることで、球状の銀粒子が生成されるのを防止され、アスペクト比の大きな銀ナノワイヤを多く製造することができる。反応中のpHの変動を抑制するためにpH緩衝剤を用いることが好ましいが、pHを監視しながら水酸化ナトリウムなどの塩基によってpHを一定に保ちさえすれば、特にpH緩衝剤を用いることが必須ではない。pHの変動が大きいと、後述するように意図しない金属ナノ粒子が発生するため、合成時のpHの変動は小さくすることが好ましい。
[金属イオン]
本態様の金属ナノワイヤの合成においては、金属イオンを含む溶液を水溶媒に添加する。添加する溶液中の金属イオンの形態としては、水溶性であれば、例えばアンモニアなどの配位子と錯イオンを形成していてもよいが、水溶媒中でフリーイオンとして存在していることが好ましい。また、金属イオン添加溶液は酸性にしておくことが好ましい。pHの調整に用いる酸には特に制限はなく、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸の他、酢酸などの有機酸を用いることも可能である。金属イオン添加溶液が酸性でなければ、金属イオン添加溶液が水溶媒中へ拡散する前に還元反応が起きてしまい、金属イオン濃度の高い局所域での反応によって、金属ナノワイヤの成長に消費されずに、球状粒子や立方体粒子、不定形の多結晶の粒子などが生成することがある。
[金属ナノ粒子]
本形態の金属ナノワイヤの合成において、金属イオンの還元反応に先立って、1〜100nmの粒径の球状もしくは十面体状の金属ナノ粒子を水溶媒に供給することが好ましい。還元反応がpHアップのタイミングから開始するので、還元反応の前に金属ナノ粒子が供給されれば良い。
前記方法を取ることにより、前記金属ナノ粒子を種晶として、前記金属ナノ粒子の表面に金属ナノワイヤを成長させることができる。前記金属ナノ粒子を種晶として使用することにより、短軸長さ及び長軸長さの分布が均一な金属ナノワイヤを製造することが可能となる。
前記金属ナノ粒子を含まない状態で金属ナノワイヤを成長させると、水溶媒中に意図しない金属ナノ粒子が生成される。これらの金属ナノ粒子は、粒子間での形状のバラツキが大きい。そのため、これらの金属ナノ粒子を種晶として金属ナノワイヤが成長すると、金属ナノワイヤは多分散で、形状不安定となる問題がある。
1〜100nmの粒径の球状もしくは十面体状の金属ナノ粒子を種晶として使用することにより、単分散性に優れ、形状の安定した金属ナノワイヤを製造することができる。また、金属ナノワイヤ合成時の水溶媒のpHが上がりすぎると、水溶媒中に意図しない金属ナノ粒子が生成されやすくなるため、金属ナノワイヤの製造中は、水溶媒のpHを一定範囲に維持することが好ましい。
[高分子分散剤]
本態様における高分子分散剤は、金属ナノワイヤの表面に吸着し、金属ナノワイヤの凝集を防止するものであり、金属ナノワイヤ合成時の水溶媒と剥離液の両方に溶解する分散剤であれば、特に制限なく用いることができる。導電性部材に適用した際の導電性を確保する観点から、分子量が1000より大きい分散剤が好ましく、2000以上の分散剤がより好ましく、10000以上の分散剤がさらに好ましい。一方、分子量が大きすぎると、剥離液との混合時に金属ナノワイヤへの吸着時間がかかってしまうためか、金属ナノワイヤが凝集してしまうことがある。そのため、前記高分子分散剤の分子量は50万以下が望ましく、10万以下がより望ましく、5万以下が更に好ましい。前記高分子分散剤の種類としては、具体的には、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP) 、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアルキレンアミン等を挙げることができる。
前記高分子分散剤は、前記低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む液にそのまま添加してもよいし、溶媒中に溶解した状態で添加してもよい。前記高分子分散剤を溶解する溶媒としては、前記高分子分散剤が溶解できれば特に制限なく用いることができるが、混合する金属ナノワイヤ水分散液も分散する溶媒であることが好ましく、混合時の凝集を回避する観点で、混合する金属ナノワイヤを含む液と同じ溶媒を使用することが好ましい。前記高分子分散剤を溶解する際の濃度としては、分散剤が溶解する濃度であれば特に制限無く用いることができるが、濃度が高すぎて粘度が高くなってしまうと混合時間が長くなってしまうためか、金属ナノワイヤの凝集が生じることがあるため、前記高分子分散剤溶解後の溶媒の粘度が1000cP以下となるように調整することが好ましく、100cP以下であることがより好ましく、10cP以下であることが更に好ましい。また、溶媒としては後述する剥離液を用いても良い。
[剥離液]
前記低分子分散剤を金属ナノワイヤから剥離させる剥離液としては、金属ナノワイヤ形成時の溶媒と剥離液の混合溶媒に、前記低分子分散剤と前記高分子分散剤が共に溶解すれば特に制限なく用いることができる。その中でも、前記混合溶媒に対し前記分散剤と前記高分子分散剤が共に高い溶解度を示すメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトンが好ましく、特に溶解度の高い1−プロパノール、2−プロパノールがより好ましく、更に溶解度の高い1−プロパノールが更に好ましい。
[混合工程]
次に、金属ナノワイヤを含む液と、高分子分散剤と、低分子分散剤剥離液との混合工程について記載する。低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む液に高分子分散剤を添加する際には、前述したように高分子分散剤をそのまま添加することもできるし、高分子分散剤を溶媒中に溶解した状態で添加することもできる。
溶媒中に溶解した状態で添加する際には、バッチ混合(低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む液が入ったタンクに、高分子分散剤を溶解した液を添加して混合)、フロー混合(金属ナノワイヤを含む液と高分子分散剤を溶解した液を、配管で一定流量で混合)等により行なうことができる。いずれの方法も実施可能であるが、金属ナノワイヤの絡まりによる凝集発生を抑制する観点から、フロー混合で行なうのが好ましい。高分子分散剤を含む溶液と水溶媒の混合比率(高分子分散材溶液/金属ナノワイヤ液)は、金属ナノワイヤの凝集が発生しない比率であれば特に制限は無いが、混合比率が高すぎると金属濃度が薄くなり分散液の総量が増えてしまうため、5以下が好ましく、1以下がより好ましく0.5以下が更に好ましい。一方、混合比率が低すぎると、金属/(金属+高分子分散剤)の重量比が高くなってしまい金属ナノワイヤの凝集が発生するため、金属/(金属+高分子分散剤)の重量比が0.9以下となる条件が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.1以下が更に好ましい。
前記工程の後に、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む液と高分子分散剤とを混合した混合液と、低分子分散剤を金属ナノワイヤから剥離させる剥離液を混合し、金属ナノワイヤの表面を修飾する低分子分散剤を剥離し、高分子分散剤に置換する。
低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む分散液と高分子分散剤との混合液と、剥離液との混合は、バッチ混合、フロー混合等により行なうことができる。バッチ混合とは一定量の剥離液中に混合液を添加して混合することを意味する。フロー混合とは、剥離液と混合液を配管で一定流量で連続的に混合することを意味する。本態様における混合では、いずれの方法も実施可能である。その中でも、金属ナノワイヤの絡まりによる凝集発生を抑制する観点から、フロー混合により剥離液と混合液との混合を行なうのが好ましい。フロー混合することにより、金属ナノワイヤの凝集発生を抑制することができる。剥離液と混合液との混合比率(剥離液/混合液)は、金属ナノワイヤの凝集が発生しなければ特に制限はないが、混合比率が高すぎると金属濃度が薄まり、分散液の体積が増えるため、生産性の観点から好ましくない。そのため、10以下が好ましく、1以下がより好ましく、0.75以下が更に好ましい。一方、混合比率が低すぎると、粒子形成時の分散剤の脱離が十分起こらないためか、金属ナノワイヤが凝集してしまう。そのため、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上が更に好ましい。
前記混合液と前記剥離液をフロー混合することにより、金属ナノワイヤが水溶媒中で凝集するのを抑制することができる。また、前記剥離液の使用量を約1/2に減らすことができる。
次に、混合工程の製造フローについて説明する。図5、6は、混合工程の製造フローの概略説明図である。
図5は、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤと高分子分散剤を含む混合液と、低分子分散剤の剥離液とを混合する場合、もしくは、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む分散液と、高分子分散剤を含む低分子分散剤剥離液とを混合する場合の混合工程の製造フローの概略説明図である。ここでは、金属ナノワイヤと高分子分散剤とを含む混合液と、剥離液とを混合する場合を例に説明するが、金属ナノワイヤを含む分散液と、高分子分散剤を含む低分子分散剤剥離液と、を混合する場合も同様に実施することができる。低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤと高分子分散剤を含む混合液が第1の添加タンク201に貯蔵される。また、低分子分散剤を金属ナノワイヤから剥離させる剥離液が第2の添加タンク202に貯蔵される。第1の送液ポンプ211により第1の添加タンク201から混合液がフロー混合装置221に送液される。また、第2の送液ポンプ212により第2の添加タンク202から剥離液がフロー混合装置221に送液される。フロー混合装置221内で、混合液と剥離液との混合が行われる。
第1の送液ポンプ211として、金属ナノワイヤを含む液を送液することができれば特に制限無く用いることができるが、金属ナノワイヤを破壊することなく、比較的高圧でも送液することのできるポンプを使用することが好ましい。金属ナノワイヤの破壊とは、ワイヤの断裂、折れ、絡まり等のことを指す。前述したようなポンプとしては、モーノポンプ、シリンジポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプが望ましい。製造適性の観点から、連続して大量の液を送液できるモーノポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプが望ましい。プランジャーポンプは、流量安定性の観点から三連式のプランジャーポンプが望ましい。
また、フロー混合装置221では、混合される混合液と剥離液との混合比が重要となる。したがって、第2の送液ポンプ212としては、連続的に比較的高圧に脈動少なく送液できるポンプを使用することが好ましく、例えば三連式プランジャーポンプ、ギヤポンプ,ダイヤフラムポンプ、又はモーノポンプであることが好ましい。
フロー混合装置221内で低分子分散剤と高分子分散剤が置換される。フロー混合装置221から、高分子分散剤で表面処理された金属ナノワイヤを含む粗分散液が排出され、回収タンク203により回収される。回収された金属ナノワイヤ粗分散液は、次に精製工程に送液される。ここで、金属ナノワイヤ粗分散液とは、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む液と、高分子分散剤と、前記低分子分散剤と、を混合した状態の混合液のことを示す。
図6は、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む分散液と、高分子分散剤を含む溶液と、低分子分散剤を剥離する剥離液と、を多段混合する場合の混合工程の製造フローの概略説明図である。低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む分散液が第1の添加タンク301に貯蔵される。また、高分子分散剤を含む溶液が第2の添加タンク302に貯蔵される。さらに、低分子分散剤を剥離するための剥離液が第3の添加タンク303に貯蔵される。第1の送液ポンプ311により第1の添加タンク301から混合液が第1のフロー混合装置321に送液される。また、第2の送液ポンプ212により第2の添加タンク302から高分子分散剤溶液が第1のフロー混合装置321に送液される。第1のフロー混合装置321内で、金属ナノワイヤを含む分散液と高分子分散剤溶液との混合が行われる。
第1の送液ポンプ311として、金属ナノワイヤを含む液を送液することができれば特に制限無く用いることができるが、金属ナノワイヤを破壊することなく、比較的高圧でも送液することのできるポンプを使用することが好ましい。金属ナノワイヤの破壊とは、ワイヤの断裂、折れ、絡まり等のことを指す。前述したようなポンプとしては、モーノポンプ、シリンジポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプが望ましい。製造適性の観点から、連続して大量の液を送液できるモーノポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプが望ましい。プランジャーポンプは、流量安定性の観点から三連式のプランジャーポンプが望ましい。
また、第1のフロー混合装置321では、混合される混合液と高分子分散剤溶液との混合比が重要となる。したがって、第2の送液ポンプ312としては、連続的に比較的高圧に脈動少なく送液できるポンプを使用することが好ましく、例えば三連式プランジャーポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプ、又はモーノポンプであることが好ましい。
第1のフロー混合装置221で混合された金属ナノワイヤ液と高分子分散剤溶液との混合液は、第2のフロー混合装置222に送液される。また、第3の送液ポンプ213により、第3の添加タンク203から低分子分散剤の剥離液が第2のフロー混合装置222に送液される。第2のフロー混合装置222内で、混合液と剥離液との混合が行われる。
第2のフロー混合装置322内で低分子分散剤と高分子分散剤が置換される。第2のフロー混合装置322から、高分子分散剤で表面処理された金属ナノワイヤを含む粗分散液が排出され、回収タンク304により回収される。回収された金属ナノワイヤ粗分散液は、次に精製工程に送液される。前述したように、金属ナノワイヤ粗分散液とは、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む液と、高分子分散剤と、前記低分子分散剤と、を混合した状態の混合液のことを示す。
[フロー混合装置]
フロー混合を行なうための乱流型のフロー混合装置について説明する。図1は、少なくとも2種類の流体を混合するために適用されるフロー混合装置の一例である。図1に示すように、フロー混合装置10は、第1の流体Aを供給する1本の供給流路12の途中から分岐して第1の流体Aを2つに分割できるようにした2本の分割供給流路12A,12Bと、第2の流体Bを供給する分割していない1本の供給流路14と、第1の流体Aと第2の流体Bとの反応・流通を行なう流路16とが、1つの混合領域18で連通するように形成される。また、これら分割供給流路12A,12B、供給流路14、及び流路16は、実質的に同一の平面内で混合領域18の周りに90°の等間隔で配置される。即ち、各流路12A,12B,14、16の中心軸(一点鎖線)は混合領域18において十文字状(交差角度α=90°)に交差する。なお、図1では第1の流体Aの供給流路12のみを分割したが、第2の流体Bの供給流路14も複数に分割してもよい。また、混合領域18の周りに配置する各流路12A,12B,14、16の交差角度αは、90°に限らず適宜設定できる。また、供給流路12、14の分割数は、特に限定されるものではないが、数が多すぎるとフロー混合装置10の構造が複雑になるので、2〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
図2は、T字型のフロー混合装置60の一態様の構造を示した概念図である。図2(A)のT字型のフロー混合装置60は、第1の流体Aを供給する供給流路62と、第2の流体Bを供給する供給流路66と、第1の流体Aと第2の流体Bとの反応を行なう流路68とが、1つの混合領域64で連通するように構成される。
T字型のフロー混合装置60の混合領域の体積は、以下のようにして求めることができる。図2(B)は、T字型のフロー混合装置60の混合領域を示す概念図である。このフロー混合装置60では、供給流路62、供給流路66及び流路68は同じ径を有している。この場合、供給流路62と供給流路66との交わる点又は線(流路が円筒形の場合は点、流路が矩形の場合は線)から、供給流路62と供給流路66の延長線が流路68と交わる点又は線を結んだ斜線で示す領域が混合領域64となる。
図3は、Y字型のフロー混合装置70の一態様の構造を示した概念図である。
図3(A)のY字型のフロー混合装置70は、第1の流体Aを供給する供給流路72と、第2の流体Bを供給する供給流路76と、第1の流体Aと第2の流体Bとの反応を行なう流路78とが、1つの混合領域74で連通するように構成される。
Y字型のフロー混合装置70に関して、混合領域の体積は、以下のようにして求めることができる。
図3(B)は、Y字型のフロー混合装置70の混合領域を示す概念図である。このフロー混合装置70では、供給流路72、供給流路76及び流路78は同じ径を有している。この場合、供給流路72と供給流路76との交わる点又は線(流路が円筒形の場合は点、流路が矩形の場合は線)から、供給流路72と供給流路76の延長線が流路78と交わる点又は線を結んだ斜線で示す領域が混合領域74となる。
図4は、別の乱流型のフロー混合装置の一例を示す斜視図である。図示した態様では、フロー混合装置100を構成する3つのパーツを分解した様子を斜視図にて示す。混合装置は、それぞれが円柱状の形態の供給要素132、合流要素104および排出要素106により構成されている。フロー混合装置を構成するに際しては、これらの要素が円柱状となるように一体に締結して組み立てる。この組み立てには、例えば、各要素の周辺部に円柱を貫通するボア(または、穴、図示せず)を等間隔に設けてボルト/ナットでこれらの要素を一体に締結すればよい。
供給要素132の合流要素104に対向する面には、断面が矩形の環状チャンネル108および110が同心状に形成されている。図示した態様では、供給要素132をその厚さ(または高さ)方向に貫通してそれぞれの環状チャンネルに到るボア134および114が形成されている。
合流要素104は、その厚さ方向に貫通するボア116が形成されている。このボア116は、混合装置を構成するために要素を締結した場合、供給要素に対向する合流要素の面に位置するボア116の端部120が環状チャンネル108に開口するようになっている。図示した態様では、ボア116は4つ形成され、これらが環状チャンネル108の周方向で等間隔に配置されている。
合流要素104には、ボア116と同様にボア118が貫通して形成されている。ボア118も、ボア116と同様に、環状チャンネル110に開口するように形成されている。図示した態様では、ボア118も環状チャンネル110の周方向で等間隔に配置され、かつ、ボア116とボア118が交互に位置するように配置されている。
合流要素104の排出要素106に対向する面122には、チャンネル124および126が形成されている。このチャンネル124または126の一端はボア116または118の開口部であり、他方の端部は、面122の中心128であり、全てのチャンネルはこの中心128に向かってボアから延在し、中心で合流している。チャンネルの断面は、例えば矩形であってよい。
排出要素106は、その中心を通過して厚さ方向に貫通するボア130が形成されている。従って、このボアは、一端にて合流要素104の中心128に開口し、他端にて混合装置の外部に開口している。
容易に理解できるように、環状チャンネル108および110が、混合装置の供給チャンネルに対応し、ボア134および114の端部にて混合装置の外部から供給される流体AおよびBは、それぞれボア134および114を経由して環状チャンネル108および110に流入する。
環状チャンネル108とボア116が連通し、環状チャンネル108に流入した流体Aは、ボア116を経由してチャンネル124に入る。また、環状チャンネル110とボア118が連通し、環状チャンネル110に流入した流体Bは、ボア118を経由してチャンネル126に入る。明らかなように、流体AおよびBは、合流領域において4つに分割され、それぞれチャンネル124および126に流入し、その後、中心128に向かって流れる。
容易に理解できるように、ボア116または118およびチャンネル124または126が、フロー混合装置のサブチャンネルに対応し、合流要素の中心128が、合流領域に対応する。そして、チャンネル124の中心軸とチャンネル126の中心軸は、中心128にて交差する。合流した流体は、ボア130を経由して混合装置の外部にストリームCとして排出される。従って、ボア130は、本発明の混合装置の排出チャンネルに対応する。
なお、図示するフロー混合装置、特に各要素の製造には、半導体加工技術、特にエッチング(例えばフォトリソエッチング)加工、超微細放電加工、光造型法、鏡面仕上げ加工技術、拡散接合技術等の精密機械加工技術を利用でき、また、汎用的な旋盤、ボール盤を用いる機械加工技術も利用でき、当業者であれば容易に製造できる。
フロー混合装置に使用する材料は、特に限定されるものではなく、上述の加工技術を適用できる材料であって、合流させるべき流体によって影響を受けないものであればよい。具体的には、金属材料(鉄、アルミニウム、ステンレススチール、チタン、各種の合金等)、樹脂材料(フッ素樹脂、アクリル樹脂等)、ガラス(シリコン、石英等)を用いることができる。
[精製工程]
本態様における金属ナノワイヤ粗分散液の精製工程としては、金属ナノワイヤの合成時に使用した塩を除去できれば特に制限はなく、金属ナノワイヤ合成時の分散剤も除去することができればより好ましく、混合工程で添加した高分子分散剤の余剰分を除去することができれば更に好ましい。精製の手段としては、遠心分離、遠心濾過、クロスフロー濾過、溶媒抽出、電気透析など、自由に選択することができる。中でも、金属ナノワイヤの分散性を保持するためにも必要以上に金属濃度を高くすること無く洗浄を行うことのできるクロスフロー濾過、溶媒抽出、電気透析が好ましく、高分子成分も洗浄することができ最終溶媒の選択も広いクロスフロー濾過が更に好ましい。
図7は、クロスフロー濾過装置の概略構成図である。クロスフロー濾過装置は、少なくとも精製の対象となる金属ナノワイヤ粗分散液が貯蔵されるタンクと、タンク内の金属ナノワイヤ粗分散液を濾液と濃縮液とに分離するフィルタと、タンク内の金属ナノワイヤ粗分散液を送液するためのポンプと、を有している。また、装置内を循環する液の温度制御のために、熱交換器を備えていてもよい。さらに、濾過条件をより正確に把握するために、フィルタの上流側と、フィルタと熱交換器との間にそれぞれ圧力計を備えていてもよい。
前記フィルタの材質としては、使用する物に特に制限はなく、セルロース系、ポリエーテルスルホン酸形、及びPTFE等から選択される高分子部材の中空糸膜を用いることもできるし、多孔質のセラミック膜を用いることもできる。
前記フィルタのポアサイズは、塩を洗浄することができれば特に制限無く自由に選択することができ、金属ナノワイヤ合成時の低分子分散剤も除去することができるサイズであればより好ましく、混合工程で添加した高分子分散剤の余剰分を除去することができるサイズであればより好ましく、金属ナノワイヤ合成工程で生じたワイヤ形状以外の副生成粒子(以下ノイズ粒子と表記する)を除去することのできるサイズであれば更に好ましい。具体的には、ポアサイズは40オングストローム以上が好ましく、100オングストローム以上がより好ましく、500オングストローム以上が更に好ましい。また、ポアサイズが大きすぎると、金属ナノワイヤがポアに詰まって凝集してしまうことがあるため、ポアサイズは5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.25μm以下が更に好ましい。
クロスフロー濾過による精製工程について説明する。精製対象となる金属ナノワイヤ粗分散液をタンクに投入し、送液ポンプを動作させ、装置内を循環させる。金属ナノワイヤ粗分散液がフィルタを通過する際に、フィルタ外に溶媒の一部が濾液として排出されるため、金属ナノワイヤ粗分散液はフィルタ通過前よりも濃縮されてタンクに戻る。適宜タンク内に未精製の金属ナノワイヤ粗分散液が追加供給しながら、前述した工程を繰り返すことによって、金属ナノワイヤ粗分散液の濃縮が行われる。
金属ナノワイヤ粗分散液の濃縮終了後、タンクに洗浄溶媒を投入し、濃縮された金属ナノワイヤ粗分散液の洗浄を行う。洗浄溶媒を適宜供給しながら、フィルタからの濾液排出を繰り返すことで、金属ナノワイヤの濃度の変動を抑えた状態で、金属ナノワイヤ粗分散液の洗浄と溶媒の置換を行うことができる。
本態様における精製工程では、必要に応じてフィルタ部に圧力をかけ、濾過速度を調整することができる。このフィルタの上下での圧力の平均を濾過圧と定義する。濾過圧が高すぎると、フィルタに堆積した固形分が圧縮され、後述する逆洗でフィルタ面から固形分を除去しても再分散しないことがあるため、濾過圧は0.5MPa以下が好ましく、0.4MPa以下がより好ましく、0.2MPa以下が更に好ましい。また、濾過圧が低すぎると濾過流量が低くなり、工程時間が長くなるため、0.01MPa以上が好ましく、0.02MPa以上が好ましく、0.03MPa以上が更に好ましい。
本態様における精製工程では、フィルタへの固形分の堆積による濾過効率の低減を抑止するために、濃縮及び洗浄実施中に定期的に逆洗を行うことが望ましい。逆洗とは、濾液と接しているフィルタ面から分散液が接している面へ濾液を押し返す操作である。濾液を押し返すために、例えばエアなどのガスを用いて、濾液流路に濾液排出方向とは逆方向に濾液を加圧してもよい。濾液を押し返す圧力の大きさは、押し返すためにガスを使用する場合、前記濾過圧と濾液を押し返すためのガス圧との差で定義され、これを逆洗圧とする。逆洗圧は、フィルタに堆積した固形分をフィルタ面から除去することができれば特に制限はないが、圧力が低すぎるとフィルタに堆積した固形分を除去することができなくなるため、0.1MPa以上であることが好ましく、0.2MPa以上であることがより好ましく、0.3MPa以上であることが更に好ましい。また、圧力が高すぎると押し返すために使用したガスが分散液内に混入してしまい、循環流路内の流れを乱してしまうことがあるため、10MPa以下が好ましく、5MPa以下であることがより好ましく、3MPa以下であることが更に好ましい。また、逆洗を実施する間隔としては、フィルタ面に堆積した固形分を除去することができれば特に制限はないが、間隔が広すぎるとフィルタ面から固形分を除去することができなくなるため、30分間隔以下が好ましく、15分間隔以下がより好ましく、10分以下が更に好ましい。また、逆洗を実施している間は濾過が実施されないため、逆洗間隔が短すぎると、工程時間が長くなってしまうことから、15秒以上が好ましく、1分以上がより好ましく、3分以上が更に好ましい。
前記精製工程では、金属ナノワイヤの粗分散液を濃縮した後、洗浄液を添加することにより、金属濃度を過度に上昇させることなく分散液の精製を実施することができる。洗浄液としては、金属ナノワイヤが凝集しなければ特に制限無く用いることができる。特に、除去したい塩、金属ナノワイヤ合成時の低分子分散剤、混合工程で添加した余剰の高分子分散剤が溶解する洗浄液であることが好ましい。
前記精製工程における精製の終了タイミングは、特に制限なく決定することができる。但し、精製が十分でないと、完成した金属ナノワイヤ分散液の経時による性能変化の発生要因や、分散液中に残存した塩が、導電性部材を作製した際の耐久性の悪化要因となることがあるため、金属ナノワイヤ分散液の電導度が10mS/m以下となるまで洗浄することが好ましく、5mS/m以下がより好ましく、1mS/m以下がさらに好ましい。
[精製工程後の金属ナノワイヤ分散液]
精製工程後の金属ナノワイヤ分散液は、分散溶媒中に上述の製法により製造された金属ナノワイヤを含有する。
本態様における精製工程後の金属ナノワイヤ分散液は、分散溶媒中に上述の製法により製造された金属ナノワイヤを含有する。
前記精製工程後の金属ナノワイヤ分散液における金属ナノワイヤ含有量は、0.1質量%〜99質量%が好ましく、0.3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、製造時、乾燥工程における負荷が多大となり、99質量%を超えると、粒子の凝集が起こりやすくなることがある。
前記金属ナノワイヤ分散液の分散溶媒としては、分散剤が溶解する溶媒であれば、水も有機溶媒も特に制限なく用いることができる。有機溶媒としては、例えば、沸点が50℃〜250℃、より好ましくは55℃〜200℃のアルコール系化合物が好適に用いられる。このようなアルコール系化合物を併用することにより、塗布工程での塗り付け良化、乾燥負荷の低減をすることができる。
前記アルコール系化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1−エトキシ−2−プロパノール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−ジメチルアミノイソプロパノール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノールが特に好ましい。
本態様における金属ナノワイヤ分散液は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲン化物イオン等の無機イオンをなるべく含まないことが好ましい。これらのイオンが残存すると、導電性部材を作製した際に耐久性を悪化させることがあるためである。
前記金属ナノワイヤ分散液には、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、界面活性剤、重合性化合物、酸化防止剤、硫化防止剤、腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤などを含有させることができる。
前記腐食防止剤としては、使用する物に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、アゾール類が好適である。該アゾール類としては、例えばベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾテトラゾール、(2−ベンゾチアゾリルチオ)酢酸、3−(2−ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、並びにアミン塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。該腐食防止剤を含有することで、一段と優れた防錆効果を発揮することができる。腐食防止剤の添加方法としては、直接金属ナノワイヤ水分散物中に、粉末又は適した溶媒で溶解した状態、又は粉末で添加するか、後述する導電性部材を作製後に、これを腐食防止剤浴に浸すことで付与することができる。
本態様の金属ナノワイヤ分散液は、インクジェットプリンター用水性インク及びディスペンサー用水性インクにも好ましく用いることができる。インクジェットプリンターによる画像形成用途においては、金属ナノワイヤ分散液を塗設する基板としては、例えば紙、コート紙、表面に親水性ポリマーなどを塗設したPETフィルムなどが挙げられる。
[導電性部材]
本態様の金属ナノワイヤ分散液を用いた導電性部材は、前記金属ナノワイヤ分散液により形成される導電性層を有する。前記導電性部材は、金属ナノワイヤ分散液を、基板上へ塗設し、乾燥することにより製造される。以下に、導電性部材の製造方法の説明を通じて、導電性部材を詳細に説明する。
本態様の金属ナノワイヤ分散液を塗設する支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、透明導電体性部材用支持体には、以下のものが挙げられる。これらの中でも、製造適性、軽量性、可撓性、光学性(偏光性)などの点からポリマーフィルムが好ましく、PET、TAC、PENフィルムが特に好ましい。
(1)石英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、サファイア等のガラス。
(2)ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、PET、TAC、PEN、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン、スチレン系樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂。
(3)エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂。
前記支持体に用いる材料としては、必要に応じて複数の部材を併用してもよい。用途に応じてこれらの支持体材料から適宜選択して、フィルム状等の可撓性支持体、又は剛性のある支持体とすることができる。
前記支持体の形状としては、円盤状、カード状、シート状等のいずれの形状であってもよい。また、三次元的に積層されたものでもよい。更に支持体のプリント配線を行なう箇所にアスペクト比1以上の細孔、細溝を有していてもよく、これらの中に、インクジェットプリンター又はディスペンサーにより本発明の金属ナノワイヤ分散物を吐出することもできる。
前記支持体は、本発明の金属ナノワイヤ分散液を用いた導電性層を付与するに際し、機能性層の密着性向上および塗布液の濡れ性の向上を目的として、片面又は両面に、親水化処理、凹凸処理などの前処置を施すのがより好ましい。前処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理、クロム酸処理(湿式)、ケン化処理(湿式)等が挙げられるが、コロナ放電処理、プラズマ処理(真空グロー放電および大気圧グロー放電処理)が特に好ましい。
[プラズマ処理]
前記プラズマ処理としては、真空グロー放電、大気圧グロー放電等によるものがあり、その他の方法としてフレームプラズマ処理等の方法があげられる。これらは、例えば特開平6−123062号公報、特開平11−293011号公報、同11−5857号公報等に記載された方法を用いることが出来る。
前記プラズマ処理は、相対する電極の間にこれらの親水性を付与しようとするフィルムを配置し、この装置中にプラズマ励起性気体を導入し、電極間に高周波電圧を印加する事により、該気体をプラズマ励起させ電極間にグロー放電を行わせることにより表面処理が行える。中でも大気圧グロー放電によるものが好ましく用いられる。
前記プラズマ励起性気体としては、使用するものに特に制限は無いが、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物が好ましく、アルゴン、ネオン等の不活性ガスに、カルボキシル基や水酸基、カルボニル基等の極性官能基をプラスチックフィルムの表面に付与できる反応性ガスを加えたものが好ましい。前記反応性ガスとしては、水素、酸素、窒素の他、水蒸気やアンモニア等のガスの他、低級炭化水素、ケトン等の低沸点の有機化合物等も必要に応じ用いることが出来るが、取り扱いの容易さの観点から、水素、酸素、二酸化炭素、窒素、水蒸気等のガスが好ましい。水蒸気を用いる場合は、他のガスを水に通しバブリングしたガスを用いることができる。或いは水蒸気を混合してもよい。
前記高周波電圧の周波数としては、1kHz以上100kHz以下が好ましく用いられ、より好ましくは1kHz以上10kHz以下である。
前記グロー放電によるプラズマ処理には、真空下でこれを行う方法と、大気圧下でこれを行う方法がある。
前記グロー放電による真空プラズマ放電処理においては、有効に放電を起こさせるために、その雰囲気を0.005〜20torrの範囲に保つ様に前記反応性ガスを導入する必要がある。処理速度を上げるには、なるべく高圧側で高出力条件を採用することが好ましいが、電界強度を上げすぎると支持体にダメージを与える場合がある。
大気圧近傍でプラズマ放電を行う大気圧グロー放電による場合には、安定に放電を起こさせるためにヘリウムやアルゴン等の不活性ガスが必要であり、前記プラズマ励起性ガスのうち60%以上が不活性ガスである様にしないと安定な放電が発生しない。しかしながら余り不活性ガスが多く、前記反応性ガスの割合が少ないと処理速度が低下する。電界強度を上げすぎてもやはり支持体にダメージを与えることがある。
又、大気圧近傍でプラズマ処理を行う場合でも、パルス化された電解でプラズマを発生させる場合には、上記不活性ガスは必ずしも必要でなく、反応ガス濃度を上げることが出来、反応速度を大きくする事が出来る。
[コロナ放電処理]
前記コロナ放電処理は、従来公知のいずれの方法、例えば特公昭48−5043号公報、同47−51905号公報、特開昭47−28067号公報、同49−83767号公報、同51−41770号公報、同51−131576号公報等に開示された方法により達成することができる。処理機としては市販の各種コロナ処理機が適用でき、例えばSOFTAL(ソフタル)社のマルチナイフ電極を有するコロナ処理機は多数本の電極で構成され、電極の間に空気を送ることによりフィルムの加熱防止やフィルム表面に出てくる低分子の除去等が行えるので有用である。また、片面に導電性層を付与した基材の、導電性層を付与していない面に対しては、電極と導電性層の間のスパークを避けるために、放電電極としては誘電体被覆電極(セラミック電極、クォーツ電極など)を、対向電極としてはステンレスなどの金属ロールを用いてコロナ処理を行うことが望ましい。
前記コロナ処理の条件としては、使用する支持体の種類、塗膜のマトリクスの種類、及び用いるコロナ処理機の種類等によって異なるが、コロナ表面処理は、照射エネルギーが0.1J/m2以上10J/m2以下の範囲で行うのが好ましく、0.5J/m2以上5J/m2以下がより好ましい。
これらの表面処理を施すことにより、支持体表面を親水化処理した場合、支持体表面の水に対する接触角は、好ましくは、0°〜40°、より好ましくは0°20°、最も好ましくは0°〜10°の範囲であることが好ましい。
本実施の形態においては、前記導電性部材を形成後に、腐食防止剤浴に通すことも好ましく行なうことができ、これにより、更に優れた腐食防止効果を得ることができる。
本態様の金属ナノワイヤ分散液を基材上に形成する方法としては一般的な塗布方法で行うことができ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、などが挙げられる。
(用途)
本態様の金属ナノワイヤ分散液を用いた導電性部材は、例えばタッチパネル、ディスプレイ用帯電防止、電磁波シールド、有機又は無機ELディスプレイ用電極、その他フレキシブルディスプレイ用電極・帯電防止、太陽電池用電極、電子ペーパー等の各種デバイスなどに幅広く適用される。
以下、本発明の実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<金属ナノワイヤの平均短軸長(平均直径)及び平均長軸長>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用いて拡大観察される金属ナノワイヤから、ランダムに選択した300個の金属ナノワイヤの短軸長(直径)と長軸長を測定し、その平均値から金属ナノワイヤの平均短軸長(平均直径)及び平均長軸長を求めた。
<金属ナノワイヤの短軸長(直径)の変動係数>
上記電子顕微鏡(TEM)像からランダムに選択した300個のナノワイヤの短軸長(直径)を測定し、その300個についての標準偏差と平均値を計算することにより、求めた。
<アスペクト比が10以上の銀ナノワイヤの比率>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、銀ナノワイヤの短軸長を300個観察し、ろ紙を透過した銀の量を各々測定し、短軸長が50nm以下であり、かつ長軸長が5μm以上である銀ナノワイヤをアスペクト比が10以上の銀ナノワイヤの比率(%)として求めた。なお、銀ナノワイヤの比率を求める際の銀ナノワイヤの分離は、メンブレンフィルタ(Millipore社製、FALP 02500、孔径1.0μm)を用いて行った。
(調製例1、2:銀ナノワイヤの合成)
(調製例1)
―銀ナノワイヤ分散液(1)の調製―
予め、下記の添加液A、B、C、及び、Dを調製した。
〔添加液A〕
ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド60mg、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド10%水溶液6.0g、グルコース2.0gを蒸留水120.0gに溶解させ、反応溶液A−1とした。さらに、硝酸銀粉末70mgを蒸留水2.0gに溶解させ、硝酸銀水溶液A−1とした。反応溶液A−1を25℃に保ち、激しく攪拌しながら、硝酸銀水溶液A−1を添加した。硝酸銀水溶液A−1の添加後から180分間激しく攪拌し、添加液Aとした。
〔添加液B〕
硝酸銀粉末42.0gを蒸留水958gに溶解し、添加液Bとした。
〔添加液C〕
25%アンモニア水75gを蒸留水925gと混合し、添加液Cとした。
〔添加液D〕
ポリビニルピロリドン(PVP)(K30)400gを蒸留水1.6kgに溶解し、添加液Dとした。
次に、以下のようにして、銀ナノワイヤ分散液(1)を調製した。ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド粉末1.30gと臭化ナトリウム粉末33.1gとグルコース粉末1,000g、硝酸(1N)115.0gを80℃の蒸留水12.7kgに溶解させた。この液を80℃に保ち、500rpmで攪拌しながら、添加液Aを添加速度250cc/分、添加液Bを500cc/分、添加液Cを500cc/分で順次添加した。攪拌速度を200rpmとし、80℃で加熱をした。攪拌速度を200rpmにしてから100分間、加熱攪拌を続けた後に、25℃に冷却した。攪拌速度を500rpmに変更し、添加液Dを500cc/分で添加した。この液を銀ナノワイヤ分散液(1)とした。
(調製例2)
―銀ナノワイヤ分散液(2)の調製―
銀ナノワイヤ分散液(1)の調製において、添加液Dを添加しない以外は同様にして、銀ナノワイヤ分散液(2)を調製した。
(実施例1)
<<銀ナノワイヤ分散液(11)>>
銀ナノワイヤ分散液(1)を、図5に示す装置の添加タンク201に投入した。次に、低分子分散剤の剥離溶液として、n−プロパノールを第2の添加タンク202に投入した。第1の送液ポンプ211および第2の送液ポンプ212を動作させて、銀ナノワイヤ分散液(1)とn−プロパノールを、それぞれ300cc/minの流量で送液し、T字型流路のフロー混合装置221で混合し、得られた混合液を回収タンク203で回収し、混合液(11)とした。
<精製工程>
混合液(11)を、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(11)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(11)とした。
得られた銀ナノワイヤ分散液(11)の銀ナノワイヤについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。その結果、平均短軸長18.4nm、平均長軸長8.0μm、変動係数が14.7%であった。平均アスペクト比は441であった。
(調製例3〜6:基板の前処理)
(調製例3)
−PET基板の前処理−
下記の配合で接着用溶液1を調製した。
[接着用溶液1]
・タケラックWS−4000 5.0部
(固形分濃度30%、三井化学(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 94.4部
厚さ125μmのPET基板の一方の面にコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理を施した面に、上記の接着用溶液を塗布し120℃で2分乾燥させて、厚さが0.11μmの接着層1を形成した。
次に、以下の配合で、接着用溶液2を調製した。
[接着用溶液2]
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 3.2部
(KBM−403、信越化学工業(株)製)
・2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 1.8部
(KBM−303、信越化学工業(株)製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度=0.05%、pH=5.2) 10.0部
・硬化剤 0.8部
(ホウ酸、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ 60.0部
(スノーテックスO、平均粒子径10nm〜20nm、固形分濃度20%、
pH=2.6、日産化学工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
接着用溶液2は、以下の方法で調製した。酢酸水溶液を激しく攪拌しながら、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、この酢酸水溶液中に3分間かけて滴下した。次に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを酢酸水溶液中に強く攪拌しながら3分間かけて添加した。次に、テトラメトキシシランを、酢酸水溶液中に強く攪拌しながら5分かけて添加し、その後2時間攪拌を続けた。次に、コロイダルシリカと、硬化剤と、界面活性剤とを順次添加し、接着用溶液2を調製した。
この接着用溶液2をコロナ放電処理を施した接着層1の上にバーコート法により塗布し、170℃で5分間加熱して乾燥し、厚さ4.1μmの接着層2を形成した。その後、接着層2の上にコロナ放電処理を施し、前処理PET基板を得た。以後、「PET基板」と表記する場合は、上記前処理で得られたPET基板を示す。
(調製例4)
−ガラス基板の前処理−
水酸化ナトリウム1%水溶液に浸漬した厚み0.7μmの無アルカリガラス板を、超音波洗浄機で30分間超音波照射し、ついでイオン交換水で60秒間水洗した後200℃で60分間加熱処理を行った。その後、シランカップリング液(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液(商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。以後、「ガラス基板」と表記する場合は、上記前処理で得られた無アルカリガラス基板を示す。
(調製例5)
−ポリカーボネート基板の前処理−
ポリカーボネート基板(厚み75μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたポリカーボネート基板を得た。以後、「ポリカーボネート基板」と表記する場合は、上記前処理で得られたポリカーボネート基板を示す。
(調製例6)
−TAC基板の前処理−
TAC(トリアセチルセルロース)基板(厚み100μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたTAC基板を得た。以後、「TAC基板」と表記する場合は、上記前処理で得られたTAC基板を示す。
(調製例7)
<<導電性部材(1)の形成>>
銀ナノワイヤ分散液(11)と、下記ゾルゲル塗布液を、質量比でAg:テトラエトキシシラン(TEOS):=1:7.2となるよう混合し、調製例3で得られたPET基板上に銀量が0.017g/mとなるようにバーコートし、120℃で3分乾燥し、導電性部材(1)を作製した。
<ゾルゲル塗布液>
下記組成のゾルゲル塗布液を60℃で1時間撹拌して均一になったことを確認し、ゾルゲル塗布液とした。
<ゾルゲル塗布液>
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・1%酢酸水溶液 10.5部
・蒸留水 4.0部
<<パターン化導電性部材(11)>>
前記導電性部材(1)に対して、下記ポジレジスト処方によりパターン化処理を実施し、パターン化導電性部材(11)を作製した。
<ポジレジスト処方>
(合成例1)
<バインダー(A−1)の合成>
共重合体を構成するモノマー成分として、MAA(7.79g)、BzMA(37.21g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(0.5g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(55.00g)中において重合反応させることにより下記構造式で示されるバインダー(A−1)のPGMEA溶液(固形分濃度:45質量%)を得た。なお、重合温度は、温度60℃乃至100℃に調整した。
分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)を用いて測定した結果、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は30,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.21であった。
Figure 2013199690
−感光性組成物(1)の調製−
バインダー(A−1)4.19質量部(固形分40.0質量%、PGMEA溶液)、感光性化合物としての下記構造式で表されるTAS−200(エステル化率66%、東洋合成株式会社製)0.95質量部、架橋剤としてのEHPE−3150(ダイセル化学株式会社製)0.80質量部、及びPGMEA 19.06質量部を加え、攪拌し、感光性組成物(1)を調製した。
Figure 2013199690
<<レジストパターニング工程>>
導電性部材(1)上に、感光性組成物(1)を乾燥膜厚5μmとなるようバー塗布し、100℃のオーブンで1分間乾燥した。この基板にマスク上から、高圧水銀灯i線(365nm)を60mJ/cm(照度20mW/cm)露光を行った。露光後の基板を、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でシャワー現像60秒間を行った。シャワー圧は0.04MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は30秒であった。純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、レジストパターン付導電性部材(1)を作製した。
また、露光マスクは、ライン/スペースが150/150μm、細線長さが1.5cmとした。
<<エッチング工程>>
レジストパターン付導電性部材(1)を、30℃、1。0%の硝酸、1.0%Fe(III)-EDTA、1.0%チオ硫酸アンモニウム、の混合水溶液からなるエッチング液(1)に浸漬させ、エッチングを行い、純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、レジストパターン付パターン状導電性部材(1)Aを作製した。
<<レジスト剥離工程>>
レジストパターン付パターン状導電性部材(1)Aにマスクをせず、高圧水銀灯i線(365nm)を100mJ/cm(照度20mW/cm)露光を行った。露光後の基板を、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でシャワー現像75秒間を行った。シャワー圧は0.05MPaであった。純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、パターン化導電性部材(11)を作製した。
(実施例2)
<<銀ナノワイヤ分散液(12)>>
銀ナノワイヤ分散液(2)を、図6に示す装置の第1の添加タンク301に投入した。次に、ポリビニルピロリドン(K30)水溶液を、第2の添加タンク302に投入した。さらに、低分子分散剤の剥離溶液として、n−プロパノールを第3の添加タンク303に投入した。第1の送液ポンプ311、第2の送液ポンプ312および第3の送液ポンプ313を動作させて、銀ナノワイヤ分散液(2)とポリビニルピロリドン(K30)水溶液を、銀ナノワイヤ分散液(2)を200cc/minの流量で、ポリビニルピロリドン(K30)水溶液を100cc/minの流量で送液してT字型流路の第1のフロー混合装置321で混合し、その後n−プロパノールを300cc/minの流量で送液してT字型流路の第2のフロー混合装置322で混合し、得られた混合液を回収タンク304で回収し、混合液(12)とした。
<精製工程>
混合液(12)を、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(12)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(12)とした。
得られた銀ナノワイヤ分散液(12)の銀ナノワイヤについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。その結果、平均短軸長18.5nm、平均長軸長8.1μm、変動係数が14.6%であった。平均アスペクト比は439であった。
<<パターン化導電性部材(12)>>
パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(12)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(12)を作製した。
(実施例3)
<<銀ナノワイヤ分散液(13)>>
銀ナノワイヤ分散液(2)を、図5に示す装置の添加タンク201に投入した。次に、ポリビニルピロリドン(K30)をn−プロパノールに溶解し、第2の添加タンク202に投入した。第1の送液ポンプ211および第2の送液ポンプ212を動作させて、銀ナノワイヤ粗分散液(1)とn−プロパノールを、それぞれ300cc/minの流量で送液してT字型流路のフロー混合装置221で混合し、得られた混合液を回収タンク203で回収し、混合液(13)とした。
<精製工程>
混合液(13)を、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(13)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(13)とした。
得られた銀ナノワイヤ分散液(13)の銀ナノワイヤについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。その結果、平均短軸長18.3nm、平均長軸長8.1μm、変動係数が14.5%であった。平均アスペクト比は438であった。
<<パターン化導電性部材(13)>>
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(13)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(13)を作製した。
(実施例4)
<<銀ナノワイヤ分散液(14)>>
n−プロパノールを激しく攪拌しながら、銀ナノワイヤ分散液(1)を添加し(いわゆるバッチ混合)、そのまま3分間攪拌を続けて、混合液(14)とした。
<精製工程>
混合液(14)を、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(14)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(14)とした。
得られた銀ナノワイヤ分散液(14)の銀ナノワイヤについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。その結果、平均短軸長18.2nm、平均長軸長8.0μm、変動係数が14.4%であった。平均アスペクト比は440であった。
<<パターン化導電性部材(14)>>
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(14)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(14)を作製した。
(実施例5)
<<銀ナノワイヤ分散液(15)>>
前記銀ナノワイヤ分散液(11)の調製において、クロスフロー精製に代えて、混合液(1)を、遠心分離機を用いて2000rpmで20分間遠心分離を行った。その後上澄みを除去し、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)を添加した。上澄み液の電導度が0.5mS/mになるまで遠心分離を繰り返し、得られた液を回収して、銀ナノワイヤ分散液(15)とした。
得られた銀ナノワイヤ分散液(15)の銀ナノワイヤについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。その結果、平均短軸長18.4nm、平均長軸長8.2μm、変動係数が14.5%であった。平均アスペクト比は438であった。
<<パターン化導電性部材(15)>>
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(15)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(15)を作製した。
(比較例1)
<<銀ナノワイヤ分散液(C1)>>
銀ナノワイヤ分散液(1)を、低分子分散剤の剥離液であるn−プロパノールを混合することなく、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(14)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(C1)とした。
得られた銀ナノワイヤ分散液(C1)の銀ナノワイヤについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。その結果、平均短軸長18.4nm、平均長軸長8.0μm、変動係数が14.4%であった。平均アスペクト比は437であった。
<<パターン化導電性部材(C1)>>
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(C1)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(C1)を作製した。
(比較例2)
<<銀ナノワイヤ分散液(C2)>>
銀ナノワイヤ分散液(11)の作製において、添加タンク101に投入する液を前記銀ナノワイヤ分散液(1)からポリビニルピロリドンを含まない銀ナノワイヤ分散液(2)に変えた以外は同様にして、銀ナノワイヤ分散液(C2)を作製した。
得られた銀ナノワイヤ分散液(C1)の銀ナノワイヤについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。その結果、平均短軸長18.6nm、平均長軸長8.1μm、変動係数が14.4%であった。平均アスペクト比は438であった。
<<パターン化導電性部材(C2)>>
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(C2)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(C2)を作製した。
(比較例3)
<<銀ナノワイヤ分散液(C3)>>
銀ナノワイヤ分散液(11)の作製において、精製工程を実施せず、混合液(1)の状態のままとして、銀ナノワイヤ分散液(C3)を作製した。
得られた銀ナノワイヤ分散液(C1)の銀ナノワイヤについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。その結果、平均短軸長18.3nm、平均長軸長8.1μm、変動係数が14.6%であった。平均アスペクト比は440であった。
<<パターン化導電性部材(C3)>>
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(C3)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(C3)を作製した。
<<評価>>
得られたパターン化導電性部材について、後述の方法で抵抗値、透明性、種々耐久性を評価した。評価結果を表1〜表2に示す。
<表面抵抗値>
導電性層の導電性領域の表面抵抗を、三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。
<光学特性(全光透過率)>
パターン化導電性部材の全光透過率(%)を、ガードナー社製のヘイズガードプラスを用いて測定した。
<光学特性(ヘイズ)>
パターン化導電性部材のヘイズ(%)を、ガードナー社製のヘイズガードプラスを用いて測定した。
<湿熱耐久性>
パターン化導電性部材を、85℃/85%RH(相対湿度)の環境下に120時間暴露し、暴露前の抵抗値をR0、暴露後の抵抗値をRとして、下記のランク付けを行った。なお、ランクの数字は大きいほど性能が良いことを示しており、ランク3以上では実用上問題の無いレベルである。
〔評価基準〕
5: R/R0が0.9以上、1.1未満
4: R/R0が1.1以上、1.2未満、または0.8以上、0.9未満
3: R/R0が1.2以上、1.3未満、または0.7以上、0.8未満
2: R/R0が1.3以上、1.5未満、または0.6以上、0.7未満
1: R/R0が1.5以上、または0.6未満
<耐マイグレーション性>
パターン化導電性部材を、40℃/70%RH(相対湿度)の環境下で、隣り合う電極間で直流3Vの電圧を24時間印加し続け、印加前の抵抗値をR0、印加後の抵抗値をRとして、下記のランク付けを行った。なお、ランクの数字は大きいほど性能が良いことを示しており、ランク3以上では実用上問題の無いレベルである。
〔評価基準〕
5: R/R0が0.9以上、1.1未満
4: R/R0が1.1以上、1.2未満、または0.8以上、0.9未満
3: R/R0が1.2以上、1.3未満、または0.7以上、0.8未満
2: R/R0が1.3以上、1.5未満、または0.6以上、0.7未満
1: R/R0が1.5以上、または0.6未満
<耐屈曲性>
導電性部材をコーテック(株)社製の円筒形マンドレル屈曲試験器を用いて、直径10mmの円筒マンドレルに20回曲げ試験を行い、その前後のクラックの有無および抵抗値の変化(曲げ試験後表面抵抗値R/曲げ試験前表面抵抗値R0)を測定し、下記ランク付けを行った。クラックの有無は目視および光学顕微鏡を用い、表面抵抗値は三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。クラックが無く且つ表面抵抗値の変化が少ないものほど(1に近いほど)、屈曲性が優れる。ランクの数字は大きいほど性能が良いことを示しており、ランク3以上では実用上問題の無いレベルである。
〔評価基準〕
5: R/R0が0.9以上、1.1未満
4: R/R0が1.1以上、1.2未満、または0.8以上、0.9未満
3: R/R0が1.2以上、1.3未満、または0.7以上、0.8未満
2: R/R0が1.3以上、1.5未満、または0.6以上、0.7未満
1: R/R0が1.5以上、または0.6未満
<耐摩耗性>
導電性部材の導電性層表面をガーゼ(ザビーナミニマックス、KBセーレン製)を用いて20mm×20mmのサイズで500g荷重で50往復擦り、その前後の傷の有無および抵抗値の変化(摩耗後表面抵抗値R/摩耗前表面抵抗値R0)を測定し、下記ランク付けを行った。摩耗試験には、新東科学株式会社製の連続加重引掻試験機Type18s、表面抵抗値は三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。傷が無く、表面抵抗値の変化が少ないものほど(1に近いほど)、耐摩耗性が優れる。ランク3以上では実用上問題の無いレベルである。
〔評価基準〕
5: R/R0が0.9以上、1.1未満
4: R/R0が1.1以上、1.2未満、または0.8以上、0.9未満
3: R/R0が1.2以上、1.3未満、または0.7以上、0.8未満
2: R/R0が1.3以上、1.5未満、または0.6以上、0.7未満
1: R/R0が1.5以上、または0.6未満
Figure 2013199690
Figure 2013199690
表1,2の結果から、実施例1−5は、比較例1−3と比較して、低い抵抗値と高い透明性とを有していた。また、実施例1−5によれば、混合方式としてフロー混合が、精製としてクロスフローが好ましい。
(実施例6〜8)
パターン化導電性部材(11)の作製において、基材を調製例4で作製したガラス基板、調製例5で作製したポリカーボネート基板、調製例6で作製したTAC基板に変更した以外は同様にして、パターン化導電性部材(21)〜(23)を作製した。作製したパターン化導電性部材の詳細を表3,4に示す。
Figure 2013199690
<<評価>>
得られたパターン化導電性部材(21)〜(23)について、前述の方法で抵抗値、透明性および種々耐久性を評価した。評価結果を表4に示す。なお、パターン化導電性部材(21)については、基材が屈曲性のないガラス基板であるため、屈曲性試験は実施していない。表3,4の結果から、基板の種類に関係なく、パターン化導電性部材が低い抵抗値と高い透明性とを有していた。
Figure 2013199690
(実施例9)
パターン化導電性部材(11)の作製において、バーコート法の変わりに特開2006−95454号公報に例示される、バックアップローラを備えたエクストルージョン型の塗布ヘッドを有するスロットダイコーターにより行った以外は同様にして、パターン化導電性部材(31)を作製した。
<<評価>>
得られたパターン化導電性部材(31)について、前述の方法で抵抗値、透明性および種々耐久性を評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2013199690
(実施例10)
−タッチパネルの作製−
パターン化導電性部材(21)の透明導電膜を用いて、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行、株式会社テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004年12月発行)、「FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック」、「Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292」等に記載の方法により、タッチパネルを作製した。
作製したタッチパネルを使用した場合、パターン化導電性部材のパターン形状視認性に優れ、かつ導電性の向上により素手、手袋を嵌めた手、指示具のうち少なくとも一つによる文字等の入力又は画面操作に対し応答性に優れるタッチパネルを製作できることが分かった。
<太陽電池の作製>
(実施例11)
−アモルファス太陽電池(スーパーストレート型)の作製−
ガラス基板上に、パターン化導電性部材(21)と同様にして導電性層を形成し、透明導電膜を形成した。但し、パターニング処理は行わず全面均一な透明導電膜とした。その上部にプラズマCVD法により膜厚約16nmのp型、膜厚約350nmのi型、膜厚約30nmのn型アモルファスシリコンを形成し、裏面反射電極としてガリウム添加酸化亜鉛層20nm、銀層200nmを形成し、光電変換素子(集積型太陽電池)を作製した。
(実施例12)
−CIGS太陽電池(サブストレート型)の作製−
ソーダライムガラス基板上に、直流マグネトロンスパッタ法により膜厚500nm程度のモリブデン電極、真空蒸着法により膜厚約2.6μmのカルコパイライト系半導体材料であるCu(In0.6Ga0.4)Se薄膜、溶液析出法により膜厚約48nmの硫化カドミニウム薄膜、を形成した。
その上にパターン化導電性部材(21)の導電性層と同じ導電性層を形成し、ガラス基板上に透明導電膜を形成し、光電変換素子(CIGS太陽電池)を作製した。但し、導電性層形成後のパターニング処理は行わず全面均一な透明導電膜とした。
<太陽電池特性(変換効率)の評価>
実施例11および12で作製した太陽電池について、AM1.5、100mW/cmの疑似太陽光を照射することで効率)を測定した。その結果、いずれ素子も9.0%の変換効率を示した。この結果から、本実施の形態の導電性部材を形成に用いることで、いずれの集積型太陽電池方式においても高い変換効率が得られることが分かった。
10、60、70、100…フロー混合装置、201、301…第1の添加タンク、202、302…第2の添加タンク、211、311…第1の送液ポンプ、212、312…第2の送液ポンプ、221…フロー混合装置、303…第3の添加タンク、313…第3の送液ポンプ、321…第1のフロー混合装置、322…第2のフロー混合装置

Claims (11)

  1. 低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む水分散液と、高分子分散剤と、前記低分子分散剤を前記金属ナノワイヤから剥離させる剥離溶液とを準備し、前記高分子分散剤を前記水分散液、及び前記剥離溶液の少なくともいずれか一方に含ませた状態で、前記水分散液と前記剥離溶液とを混合する混合工程と、
    前記混合工程で作製した混合液から前記低分子分散剤を分離除去する精製工程と、を備える、金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
  2. 前記混合工程は、前記剥離溶液と前記水分散液とをフロー混合することを含む請求項1に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
  3. 前記高分子分散剤が、前記高分子分散剤を含む溶液を用いたフロー混合、及び前記高分子分散剤又は前記高分子分散剤を含む溶液を用いたバッチ混合、のいずれかの手段により、前記水分散液、及び前記剥離溶液の少なくともいずれか一方に添加される、請求項1又は2に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
  4. 前記フロー混合が、T字型流路を用いて実施されることを含む、請求項2又は3に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
  5. 前記精製工程が、クロスフロー方式の濾過により実施されることを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法により製造された金属ナノワイヤ分散液。
  7. 前記金属ナノワイヤが、銀ナノワイヤである、請求項6に記載の金属ナノワイヤ分散液。
  8. 電導度が1mS/m以下である、請求項6又は7に記載の金属ナノワイヤ分散液。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ分散液を用いて製造された導電性部材。
  10. 請求項9に記載の導電性部材を用いて製造されたタッチパネル。
  11. 請求項9に記載の導電性部材を用いて製造された太陽電池。
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