JP2007505991A - ナノ結晶の処理方法、並びに前記ナノ結晶を含む組成物、装置及びシステム - Google Patents

ナノ結晶の処理方法、並びに前記ナノ結晶を含む組成物、装置及びシステム Download PDF

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    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures

Abstract

過剰の遊離及び結合材料、特に合成工程中に使用される界面活性剤を除去するためのナノ結晶処理方法、並びに最終用途に物理的、電気的及び化学的に組込むことが可能な前記方法により得られるナノ結晶組成物、装置及びシステム。

Description

(関連出願とのクロスリファレンス)
本願は米国特許出願第60/544,285号(出願日2004年2月11日,発明の名称“Methods of processing nanocrystals,compositions,devices and systems including same”発明者Scherら);米国特許出願第10/656,910号(出願日2003年9月4日,発明の名称“Nanostructure and nanocomposite based compositions and photovoltaic devices”発明者Scherら);及び米国特許出願第10/656,802号(出願日2003年9月4日,発明の名称“Organic species that facilitate charge transfer to or from nanostructures”発明者Whitefordら)の各原仮特許出願の優先権を主張する非仮特許出願であり、これらの開示内容全体を参考資料として全目的で本明細書に組込む。
(発明の技術分野)
本発明はナノ構造の分野に関する。特に、本発明はナノ結晶の処理方法と、こうして処理されたナノ結晶を含む組成物、装置及びシステムに関する。
「ナノテクノロジー」の世界はその進歩が次の大きな技術進化をもたらすと考える人々には歓迎されているが、それと同時にベンチャー設備投資を呼び込むための最新の話題の技術に過ぎないと考える人々には嘲笑されている。この技術への期待に対する基本的見解は相反するが、どちらの陣営もナノテクノロジーがその期待に応えるために解決しなければならない多数の共通の問題を指摘するであろう。
特に留意すべき点として、どちらの陣営もナノ材料が多くの場合にユニークで潜在的に有益な性質(例えば構造的、電気的、光電気的及び熱電気的性質)をもつことを認める傾向にあるが、科学者と最終的に使用者又は消費者がこれらのユニークで有益な性質を利用できるかどうかがこれらの材料のメリットを最大限に引き出す上で実質的な障害になると思われる。
例えば、ナノワイヤー電子回路はエレクトロニクス産業に潜在的に広範なメリットがあると思われるが、少数の注目すべき例外(例えばDuanら,Nature 425:274−278(2003)参照)を除き、このような新規改良回路を製造するようにこれらの材料を適合させる試みは大きな成功を収めていない。ナノワイヤーエレクトロニクスの場合には、材料の寸法が小さ過ぎるため、頑丈で反復可能な製造方法で実際の物理的又は電気的接続が実質的に難しくなるので、主に物理的問題からナノ材料のメリットを利用することができない。
また、従来記載されているナノ材料光起電装置は理論エネルギー変換効率が非常に有望であるにも拘わらず、変換されたエネルギーを利用できるようにこのような材料を光電池に首尾よく完全に組込むことができないという主な理由から予想効率に近い値に達していない。この場合には、利用したいナノ材料の表面の問題と、ナノ材料がその特定複合環境で効率的に機能できないという問題の両面において少なくとも部分的に化学的問題から材料の性質を利用することができないと考えられる。
電気接続機能にせよ、ナノ材料の化学的組込みにせよ、組込み易いナノ結晶集団を作製する方法とナノ結晶集団自体が必要であることは自明である。本発明はこれらの必要と他の種々の必要を満たすものである。
Duanら,Nature 425:274−278(2003)
本発明は一般には、特にナノ結晶とその環境との間の電子的及び物理的相互作用の効率を改善するためにナノ結晶をより完全に処理する方法に関する。例えば、本発明は過剰レベルの遊離及び/又は結合界面活性剤をナノ結晶から除去するために使用することができるナノ結晶処理方法を提供する。こうして処理されたナノ結晶を組込んだ組成物も本発明の特徴である。
第1の一般分類の態様はナノ結晶の処理方法を提供する。本方法では、ナノ結晶をこれらのナノ結晶が可溶性である第1の溶媒中に提供する。ナノ結晶には総界面活性剤量が会合しており、総界面活性剤量は遊離界面活性剤量とナノ結晶に結合した界面活性剤量を含む。より高極性の第2の溶媒を第1の溶媒に加え、ナノ結晶が不溶性である沈殿溶媒混合物を生成することによりナノ結晶を沈殿させ、沈殿ナノ結晶を形成する。沈殿溶媒混合物から沈殿ナノ結晶を分離した後に、ナノ結晶が可溶性である第3の溶媒を加えることにより再溶解する。界面活性剤は一般に少なくとも第2の溶媒と沈殿溶媒混合物に可溶性である。
場合により例えば選択回数及び/又はナノ結晶が所望レベルの純度に達するまで沈殿、分離及び再溶解段階を繰り返す。例えば、沈殿、分離及び再溶解段階は2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、又は6回以上繰り返すことができる。別の例として、沈殿、分離及び再溶解段階はナノ結晶と会合している遊離界面活性剤量がナノ結晶と会合している総界面活性剤量の5%未満、1%未満、0.5%未満、又は0.1%未満になるまで繰り返すことができる。所定態様では、少なくとも1回の再溶解段階後にナノ結晶をチェックし、ナノ結晶と会合したままの遊離界面活性剤量を測定する。
所定態様では、第1の溶媒は単一溶媒を含み、代替態様では、極性溶媒と低極性溶媒の混合物を含む。一般に極性溶媒は第2の溶媒と同一である。極性溶媒はほぼ任意の適切な極性溶媒とすることができ、限定されないが、アルコール(例えばメタノール又はエタノール)、酢酸塩(例えば酢酸エチル)、又はケトン(例えばアセトン)が挙げられる。1分類の態様では、極性溶媒は炭素原子数少なくとも2のアルコール(例えばイソプロパノール又はブタノール)である。同様に、低極性溶媒はほぼ任意の適切な溶媒とすることができ、限定されないが、クロロホルム、トルエン、アルカン(例えばヘキサン)、及びベンゼンが挙げられる。一般に、第1の溶媒中の低極性溶媒と極性溶媒の比は約3:1〜約10:1(容量:容量)である。例えば、第1の溶媒中の低極性溶媒と極性溶媒の比は一般に>3:1、>4:1、又は約4:1である。同様に、沈殿溶媒混合物中の低極性溶媒と高極性溶媒(即ち第2の溶媒+第1の溶媒に含まれる極性溶媒)の比は一般に約2:1〜約1:2(容量:容量)である。例えば、沈殿溶媒混合物中の低極性溶媒と高極性溶媒の比は2:1以下、例えば1:1以下とすることができる。
一般に、沈殿溶媒混合物中の第1の溶媒と第2の溶媒の比は約2:1〜約1:2(容量:容量)である。例えば、1分類の態様では、沈殿溶媒中の第1の溶媒と第2の溶媒の比は2:1以下(例えば1:1以下)である。
第1の溶媒はほぼ任意の非極性又は比較的非極性の溶媒とすることができる。適切な第1の溶媒としては限定されないが、クロロホルム、トルエン、アルカン(例えばヘキサン)、及びベンゼンが挙げられる。同様に、第2の溶媒はほぼ任意の極性又は比較的極性の溶媒とすることができる。適切な第1の溶媒としては限定されないが、アルコール(例えばメタノール、又は好ましくは炭素原子数少なくとも2のアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、及びブタノール)、酢酸塩(例えば酢酸エチル)、及びケトン(例えばアセトン)が挙げられる。第3の溶媒は必ずしもそうでなくてもよいが、第1の溶媒と同一とすることができる。
別の一般分類の態様は過剰の結合界面活性剤をナノ結晶から除去する方法を提供する。本方法では、ナノ結晶を溶解した溶液を提供する。ナノ結晶には総界面活性剤量が会合しており、総界面活性剤量は遊離界面活性剤量と結合界面活性剤量を含む。溶液中の遊離界面活性剤量は総界面活性剤量の10%未満(例えば総界面活性剤量の5%、1%、又は0.1%未満)である。結合界面活性剤と共に不溶性塩を形成する塩基をナノ結晶に加える。溶液に溶解したナノ結晶から不溶性塩を分離し、部分単分子層1層から2分子層1層までの界面活性剤が結合したナノ結晶を形成する。
例えばナノ結晶と不溶性塩を遠心し、溶液に溶解したナノ結晶を不溶性塩のペレットからデカントすることにより、溶液に溶解したナノ結晶から不溶性塩を分離することができる。
種々の適切な塩基が当分野で公知である。例としては限定されないが、ピリジン、アニリン、ビピリジン、ピペリジン、イミダゾール、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びジイソプロプルアミンが挙げられる。塩基は一般に塩基とナノ結晶溶液の比が>1:1(容量:容量)、例えば>2:1、又は>3:1となるように添加する。
更に別の一般分類の態様はナノ結晶の処理方法を提供する。本方法では、ナノ結晶をこれらのナノ結晶が可溶性である第1の混合物中に提供する。第1の混合物は第1の溶媒及び/又はその中でナノ結晶を合成した反応混合物を含む。第2の溶媒を第1の混合物に加えてナノ結晶が不溶性である第2の混合物を形成することによりナノ結晶を沈殿させ、沈殿ナノ結晶を形成した後、第2の混合物から分離する。少なくとも第1の溶媒を加えることにより沈殿ナノ結晶を再溶解し、第3の混合物を形成する。ナノ結晶が不溶性である第4の混合物を形成するように第3の混合物の極性を調節し、沈殿ナノ結晶を形成する。第4の混合物から沈殿ナノ結晶を分離する。ナノ結晶を第1の溶媒に再溶解したときに遊離界面活性剤量が遊離界面活性剤量とナノ結晶に結合した界面活性剤量を含む総界面活性剤量の5%未満になるまで再溶解、沈殿、及び分離段階を繰り返す。好ましくは、遊離界面活性剤量が総界面活性剤量の1%未満、0.5%未満、又はより好ましくは0.1%未満になるまで再溶解、沈殿、及び分離段階を繰り返す。例えば、再溶解、沈殿、及び分離段階を2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、又は6回以上繰り返すことができる。所定態様では、少なくとも1回の再溶解段階後にナノ結晶をチェックし、遊離界面活性剤量を測定する。
所定態様では、第1の混合物は第1の溶媒及び/又は反応混合物のみを含み、他の態様では、第1の混合物は更に第2の溶媒を含む。同様に、第1の溶媒を沈殿ナノ結晶に加えて第3の混合物を形成するか、又は第1の溶媒と第2の溶媒を加えることにより、ナノ結晶を再溶解することができる。上記態様では、第1及び/又は第3の混合物中の第1の溶媒と第2の溶媒の比は一般に約3:1〜約10:1(容量:容量)であり、第2及び/又は第4の混合物中の第1の溶媒と第2の溶媒の比は一般に約2:1〜約1:2である。第3の混合物の極性は一般に第2の溶媒を第3の混合物に加えることにより調節するが、第3の混合物が第1の溶媒と第2の溶媒を含む態様では、(例えば蒸発により)第1の溶媒の少なくとも一部を除去することにより第3の混合物の極性を調節することができる。第1の溶媒は一般に第2の溶媒よりも低極性である(が、低極性溶媒よりも高極性溶媒に高溶解性にするために十分なレベルの可溶化界面活性剤がナノ結晶と会合している場合には、第1の溶媒が第2の溶媒よりも高極性でもよい)。
上記態様について記載したように、多数の適切な第1の溶媒及び第2の溶媒が当分野で公知である。例えば、第1の溶媒はクロロホルム、トルエン、アルカン(例えばヘキサン)、又はベンゼンとすることができ、第2の溶媒はアルコール(例えばメタノール、又は好ましくは炭素原子数少なくとも2のアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、又はブタノール)、酢酸塩(例えば酢酸エチル)、又はケトン(例えばアセトン)とすることができる。
別の一般分類の態様はナノ結晶の処理方法を提供する。本方法では、ナノ構造が可溶性である第1の溶媒とナノ構造が不溶性である第2の溶媒を含む溶媒混合物をナノ構造に加える。ナノ構造を溶媒混合物から沈殿させるために十分な付加量の第2の溶媒を加えることによりナノ構造を沈殿させる。(例えば遠心により)ナノ構造を溶媒混合物から分離することにより、(溶媒混合物中に残留している)過剰の有機界面活性剤をナノ構造から除去する。場合により添加、沈殿及び分離段階を2回以上(例えば3回以上、4回以上、5回以上、又は6回以上)繰り返す。例えば沈殿前、分離と再溶解後、沈殿と再溶解の各サイクル後、又は規定数のサイクル後にナノ構造を分析し、界面活性剤存在量を測定することができる。場合により界面活性剤存在量が所望量に達するまで(例えば遊離界面活性剤量が総界面活性剤量の10%、5%、1%、又は0.1%未満等になるまで)添加、沈殿及び分離段階を繰り返す。
上記態様では、多数の第1の溶媒及び第2の溶媒を選択することができる。例えば、第1の溶媒はトルエン又はクロロホルムを含むことができ、第2の溶媒は炭素原子数3以上のアルコール(例えばイソプロパノール)又は酢酸塩(例えば酢酸エチル)を含むことができる。
ナノ構造に添加する溶媒混合物は一般に1:1〜10:1の比で第1の溶媒と第2の溶媒を含む。1特定例として、ナノ構造に添加する溶媒混合物はイソプロパノール1部当たりトルエン4部を含むことができる。
本方法は場合により例えば過剰の界面活性剤を更に除去するために付加精製段階を含む。例えば、ピリジン交換を実施することができ、溶液中にナノ構造を残したまま得られた有機塩を沈殿させ(て例えば遠心後に除去す)ることができる。
更に別の一般分類の態様はナノ結晶の処理方法を提供する。本方法では、ナノ結晶が可溶性である第1の溶媒と、ナノ結晶が低溶解性(例えば不溶性)である第2の溶媒をナノ結晶に加える。第1の溶媒と第2の溶媒に第1の溶媒とナノ結晶を含む第1の液相と、第2の溶媒を含む第2の液相を形成させた後に、相を分離する。界面活性剤は一般に第1の溶媒と第2の溶媒の両方に可溶性である(好ましくはナノ結晶よりも第2の溶媒に高溶解性であり、より好ましくはそれ自体第1の溶媒よりも第2の溶媒に高溶解性である)ので、この方法によると、ナノ結晶を含む溶液中の遊離界面活性剤量が低減する。
場合により所望レベルの純度が得られるまでこの工程を繰り返す。このような反復処理は例えば所望純度になることが分かっているような選択回数実施することができる。例えば、段階を2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、又は6回以上繰り返すことができる。所定の好適側面では、溶解したナノ結晶の純度をチェックし、例えば組成物中の界面活性剤レベルが十分に低いかどうかを調べる。その後、場合によりナノ結晶混合物中の遊離界面活性剤量が総(遊離及び結合)界面活性剤濃度の10%未満又は5%未満、好ましくは総界面活性剤量の1%未満、より好ましくは0.1%未満になるまで必要に応じて添加、相形成、及び分離段階を繰り返す。
第1の溶媒と第2の溶媒とその相対比は一般にナノ結晶と除去すべき有機汚染物質の種類(例えば存在する界面活性剤の種類)により異なる。一般に、無機ナノ結晶の洗浄では、第1の溶媒は第2の溶媒よりも低極性である。1特定典型的態様では、界面活性剤としてTOPを使用してナノ結晶を作製し、トルエンを第1の溶媒とし、メタノールを第2の溶媒として処理する。
本明細書に記載する任意方法により処理されたナノ結晶(例えば過剰の遊離及び/又は結合界面活性剤を含まないナノ結晶)と、こうして処理されたナノ結晶を含む組成物、システム、及び装置も本発明の特徴である。従って、1一般分類の態様は第1の溶媒に溶解したナノ結晶集団を含む組成物を提供する。ナノ結晶は結合界面活性剤量と溶液中の遊離界面活性剤量を含む総界面活性剤量に会合している。遊離界面活性剤量は総界面活性剤量の約5%未満、好ましくは約1%未満、約0.5%未満、より好ましくは約0.1%未満である。上述のように、ナノ結晶はほぼ任意形状、サイズ、及び/又は組成とすることができる。
関連一般分類の態様は界面活性剤と結合しており、第1の溶媒に溶解したナノ結晶集団を含む組成物を提供する。ナノ結晶には2分子層1層未満の界面活性剤が会合している。好ましくは、ナノ結晶には単分子層約1層以下の界面活性剤が会合している。
別の関連一般分類の態様はナノ結晶集団とこれに結合した界面活性剤を含み、界面活性剤が2分子層1層未満からなる組成物を提供する。例えば、界面活性剤は単分子層約1層以下からなることが好ましい。
上述のように、本発明の方法により処理されたナノ結晶を場合により各種組成物及び装置に組込む。従って、1典型的分類の態様は有機ポリマーマトリックスと有機ポリマーマトリックス内に配置されたナノ結晶集団を含む複合体を提供する。ナノ結晶には界面活性剤が会合しており、界面活性剤は2分子層1層未満からなる(例えば界面活性剤は単分子層約1層以下から構成することができる)。
別の分類の態様は第1のナノ結晶集団と第2のナノ結晶集団を含む組成物を提供する。第1のナノ結晶集団には界面活性剤が会合しており、界面活性剤は2分子層1層未満(例えば単分子層約1層以下)からなる。第2のナノ結晶集団は第1のナノ結晶集団と異なる組成をもち、第1の集団と共に組成物中に散在している。第2の集団は場合により更に2分子層1層未満の同一又は異なる界面活性剤を含む。散在させる第1のナノ結晶集団と第2のナノ結晶集団は必ずしもそうでなくてもよいが、マトリックス(例えば有機ポリマーマトリックス)内に配置することができる。
(定義)
特に定義しない限り、本明細書で使用する全科学技術用語は本発明が属する分野の当業者に通常理解されている通りの意味をもつ。以下の定義は本願に関して当分野の定義を補充するものであり、関連又は非関連ケース(例えば同一名義の特許又は出願)に帰属するものではない。本発明の試験の実施には本明細書に記載するものに類似又は等価の任意方法及び材料を使用することができるが、好ましい材料と方法は本明細書に記載する。従って、本明細書で使用する用語は特定態様の記載のみを目的とし、限定的ではない。
本明細書と特許請求の範囲で使用する単数形はそうでないことが内容から明白である場合を除き、複数形も含む。従って、例えば「ナノ構造」と言う場合には複数のナノ構造を含み、「溶媒」と言う場合には溶媒混合物を含み、「界面活性剤」と言う場合には界面活性剤混合物を含み、他の用語についても同様である。
本明細書で使用する「約」なる用語は所与量の値が記載値の+/−10%、又は場合により記載値の+/−5%、又は所定態様では記載値の+/−1%の範囲内であることを意味する。
ナノ構造に関して使用する場合、「結晶」又は「実質的結晶」なる用語はナノ構造が一般に構造の1個以上の寸法に長距離秩序を示すという事実を示す。当業者に自明の通り、単結晶の秩序は結晶の境界を越えることができないので、「長距離秩序」なる用語は特定ナノ構造の絶対サイズに依存する。この場合、「長距離秩序」はナノ構造の寸法の少なくとも大部分にわたる実質的秩序を意味する。場合により、ナノ構造は酸化物又は他のコーティングをもつこともできるし、コアと少なくとも1個のシェルから構成することもできる。このような場合には、当然のことながら、酸化物、シェル、又は他のコーティングはこのような秩序を示す必要はない(例えば非晶質、多結晶等でもよい)。このような場合には、「結晶」、「実質的結晶」、「実質的単結晶」、又は「単結晶」なる用語はナノ構造の中心コアを意味する(コーティング層又はシェルを除く)。本明細書で使用する「結晶」又は「実質的結晶」なる用語は、構造が実質的長距離秩序(例えばナノ構造又はそのコアの少なくとも1本の軸の長さの少なくとも約80%にわたる秩序)を示す限り、各種欠陥、積層欠陥、原子置換等も含むものとする。更に、当然のことながら、ナノ構造のコアと外側又はコアと隣接シェル又はシェルと第2の隣接シェルの間の界面は非結晶領域を含んでいてもよく、非晶質でもよい。この場合も、本明細書の定義によるとナノ構造は結晶又は実質的結晶である。
ナノ構造に関して使用する場合には、「単結晶」なる用語はナノ構造が実質的結晶であり、実質的に単結晶を含むことを意味する。コアと1個以上のシェルを含むナノ構造ヘテロ構造に関して使用する場合には、「単結晶」はコアが実質的結晶であり、実質的に単結晶を含むことを意味する。
「ナノ構造」は約500nm未満、例えば約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、又は約20nm未満の寸法の少なくとも1個の領域又は特徴的寸法をもつ構造である。一般に、前記領域又は特徴的寸法は構造の最短軸方向である。このような構造の例としては、ナノワイヤー、ナノロッド、ナノチューブ、分岐ナノ構造、ナノテトラポッド、トライポッド、バイポッド、ナノ結晶、ナノドット、量子ドット、ナノ粒子等が挙げられる。ナノ構造は例えば実質的結晶、実質的単結晶、多結晶、非晶質、又はその組み合わせとすることができる。1側面では、ナノ構造の三次元の各々が約500nm未満、例えば約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、又は約20nm未満の寸法をもつ。
「ナノ結晶」は実質的単結晶のナノ構造である。従って、ナノ結晶は約500nm未満、例えば約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、又は約20nm未満の寸法の少なくとも1個の領域又は特徴的寸法をもつ。ナノ結晶は材料性質が実質的に均一でもよいし、所定態様では不均一(例えばヘテロ構造)でもよい。「ナノ結晶」なる用語は各種欠陥、積層欠陥、原子置換等を含む実質的単結晶ナノ構造と、前記欠陥、積層欠陥、又は置換等のない実質的単結晶ナノ構造を含む。コアと1個以上のシェルを含むナノ結晶ヘテロ構造の場合には、ナノ結晶のコアは一般に実質的単結晶であるが、シェルはそうである必要はない。ナノ結晶はほぼ任意の適切な材料から製造することができる。例えば、ナノ結晶は無機材料、半導体材料(例えばII−VI、III−V、又はIV族半導体)、金属、半金属、導電性材料、絶縁材料、及び/又は同等物を含むことができる。1側面では、ナノ結晶の三次元の各々が約500nm未満、例えば約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、又は約20nm未満の寸法をもつ。ナノ結晶の例としては限定されないが、実質的球形ナノ結晶、分岐ナノ結晶、並びに実質的単結晶ナノワイヤー、ナノロッド、ナノドット、量子ドット、ナノテトラポッド、トライポッド、バイポッド、及び分岐テトラポッド(例えば無機デンドリマー)が挙げられる。
「分岐ナノ結晶」は3本以上のアームをもち、各アームがナノロッドの特徴をもつナノ結晶、又は2本以上のアームをもち、各アームがナノロッドの特徴をもち、アームと異なる結晶構造をもつ中心領域から延びているナノ結晶である。例としては限定されないが、バイポッド、トライポッド、及びナノテトラポッド(テトラポッド)が挙げられる。
「ナノテトラポッド」は一般に中心領域又はコアから延びる4本のアームをもつ四面体分岐ナノ構造であり、任意2本のアーム間の角度は約109.5°である。一般に、コアは結晶構造をもち、アームは別の結晶構造をもつ。(なお、この場合もアームとコアは積層欠陥により結合しており、例えば、閃亜鉛鉱構造をもつコアとウルツ鉱構造をもつアームはナノ構造の2個の構成原子の四面体結合を妨げない積層欠陥により結合しているのでこのナノテトラポッドは単結晶である。)
「実質的球形ナノ結晶」は縦横比が約0.8〜約1.2のナノ結晶である。
「縦横比」はナノ構造の第1の軸の長さをナノ構造の第2の軸と第3の軸の長さの平均で割った値であり、ここで第2の軸と第3の軸はほぼ等しい長さの2本の軸である。例えば、完璧なロッドの縦横比はその長軸の長さを長軸に垂直(直角)な横断面の直径で割った値である。
「ナノロッド」は1本の主軸が他の2本の主軸よりも長いナノ構造である。従って、ナノロッドは縦横比が1よりも大きい。本発明のナノロッドは一般に縦横比が約1.5〜約10であるが、>約10、>約20、>約50、>約100、又は>約10,000の縦横比でもよい。長いナノロッド(例えば縦横比が約10を越えるもの)をナノワイヤーと言う場合もある。ナノロッドの直径は一般に約500nm未満、好ましくは約200nm未満、より好ましくは約150nm未満、最も好ましくは約100nm、約50nm、又は約25nm未満、あるいは約10nm又は約5nm未満である。ナノロッドは直径が変動してもよいし、実質的に均一な直径、即ち最大変動領域の変動が約20%未満(例えば約10%未満、約5%未満、又は約1%未満)の直径でもよい。ナノロッドは一般に実質的結晶及び/又は実質的単結晶であるが、例えば多結晶又は非晶質でもよい。
「界面活性剤」はナノ構造の1個以上の表面、面等と(強弱を問わずに)相互作用することが可能な分子である。ナノ構造合成反応では得られるナノ構造のサイズ及び/又は形状制御を助長するため、凝集を抑制するため、及びナノ構造の溶解性を維持するため、及び/又は同等の目的で一般に1種以上の界面活性剤を使用する。
ナノ結晶、例えば溶液中のナノ結晶集団に「会合している総界面活性剤量」は遊離界面活性剤量と結合界面活性剤量を含む。「結合界面活性剤」又は「ナノ結晶に結合した界面活性剤」はナノ結晶と物理的に会合している(例えばナノ構造表面と共有的もしくは非共有的に会合しているか、又はそれ自体ナノ構造表面に共有的もしくは非共有的に会合している分子と共有的もしくは非共有的に会合している)。「遊離界面活性剤」はナノ結晶と結合していない。
「溶媒」は他の物質を溶解することができる液体物質である。任意2種の溶媒の相対極性は例えばその極性指数を比較することにより比較することができる(例えばCRC Handbook of Chemistry and Physics,第84版,CRC Press参照)。
本明細書で使用する「マトリックス」なる用語は第2の材料(例えばナノ結晶組成物)が埋込まれているか又は包囲されている材料、多くの場合にはポリマー材料を意味する。マトリックスは導電性組成物、半導体組成物、又は非導電性組成物とすることができる。
その他の各種用語は本明細書中に定義するか又は他の方法で特徴を述べる。
I.発明の一般説明
本発明は一般にはナノ結晶集団の処理方法と、前記方法により得られるナノ結晶複合体及び組成物に関し、前記ナノ結晶集団及びナノ結晶複合体はより完全に処理することにより及び/又はその最終用途に組込み易くした結果として高い性能特徴を提供する。本明細書に記載する方法に従って処理したナノ結晶は例えばその後、有機ポリマーマトリックス、同一又は異なる組成の他のナノ結晶を含むマトリックス、ゾル−ゲルマトリックス、セラミックマトリックス、無機マトリックス等のマトリックスに容易に組込まれる。
上述のように、ナノ材料の有益な性質の真の活用につきまとう問題の1つはこれらの材料をその最終用途に有効に組込むことができない点であった。純粋に構造的にみると、ナノ材料の位置決めと配向はバルクで実施するか、あるいは例えばナノ材料の化学的、エネルギー的又は磁気的性質を利用する自己整列、位置決め又は整列技術を使用して実施しなければならない。例えばナノ材料のバルク利用のように構造組込みが必須ではない他の用途でも、組込みの問題が重大になる場合がある。例えば、ナノ材料をバルク材料として利用しているが、その光学的又は電気的性質を利用している場合には、所与用途に最適であるとして選択された任意マトリックス又は任意基板にこれらの材料を正しく組込んでいることが不可欠であると思われる。ナノ材料の性質を効率的に活用できるか、これらの性質を無駄にするかはこのような正しい組込み如何による。
少なくとも1例では、ナノ材料からの例えば分離電荷としての電気エネルギーの抽出は電気エネルギーを輸送しようとする環境へのナノ材料の化学的組込みにより大きな影響を受けると考えられる。光起電装置等のナノ結晶光電気装置で使用されるようなナノ結晶と電荷伝導マトリックスの間の電荷移動は特に重要である。特に、ナノ結晶は光起電装置を含む多数の用途で電荷分離成分として使用され、またこのような使用を提案されている。簡単に言うと、光はナノ結晶に入射すると、結晶の内側に電子正孔対ないし「励起子」を生成する効果をもつ。結晶の内側で再結合させると、励起子は結晶のサイズと組成に固有の波長の光を発生する。しかし、電子(又は正孔)が結晶から首尾よく抽出され、1対の対向電極の一方に輸送されると、利用可能な電位が発生する。
この性質は次世代光電池におけるナノ結晶組成物の使用の基本原理である。特に、これらの材料は弾性複合体に組込むことができ、このような複合体は廉価に製造でき、このような材料は理論変換効率が比較的高く、これらの材料は調節可能であるため、ナノ結晶光起電装置はエネルギー生産に革命を起こすものと期待される。
ナノ結晶を活性成分として使用する光起電装置に対する期待と初期の成功にも拘わらず、例えば理論効率付近に到達するためには実質的に改良の余地がある。特定作用理論に結び付けるものではないが、試作システムで従来認められる効率低下の少なくとも一因は、有機導電性ポリマーマトリックスにせよ、異なる組成の隣接ナノ結晶にせよ、電子キャリヤーの一方(例えば電子伝導性ナノ結晶成分)と他方の電子キャリヤー(例えば正孔伝導性周囲マトリックス)の接続不良にあると考えられる。この接続不良の結果、ナノ結晶からの電荷抽出分離が不完全になり、これが理論効率に届かない少なくとも一因であると考えられる。
従って、少なくとも1側面において、本発明はこの接続を妨げる過剰レベルの汚染性材料を除去するためのナノ結晶処理方法を提供する。このような汚染物質の1例としてはナノ結晶の合成で使用されるか及び/又はナノ結晶の操作特性(例えばその溶解性)を改善するために使用される界面活性剤が挙げられる。特に、特定作用理論に結び付けるものではないが、上記界面活性剤はナノ結晶成分とその周囲のマトリックスの間の電荷移動を妨害するバリヤー層になると考えられる。しかし、残念ながら、ナノ結晶成分の妥当な操作を行うためには所定レベルの界面活性剤が必要である。具体的には、ナノ結晶が界面活性剤で十分にコーティングされていないと、その最終マトリックスで良好に分散せずに他のナノ結晶と凝集し、電荷抽出効率が低下し、複合体として機能できないこともある。従って、本発明の1つの目的はナノ結晶からの電荷抽出を過度に妨げない程度にナノ結晶を溶解できるように十分な界面活性剤コーティングをもつナノ結晶集団を提供することである。本明細書でナノ結晶集団に適用する溶解性の概念は一般に実質的非凝集状態で溶液中に存在することができるナノ結晶を意味し、例えば、所与集団内のナノ結晶の70%、80%又は90%を上回る比率が同一集団内の他のナノ結晶と凝集しておらず、好ましくは95%を上回る比率が凝集しておらず、より好ましくは99%を上回る比率が凝集していない。この場合も特定作用理論に結び付けるものではないが、このようなコーティングはナノ結晶上の部分単分子層からナノ結晶をコーティングする2分子層以上又は多分子層までの界面活性剤を提供するために十分な界面活性剤の存在を必要とすると考えられる。
従って、少なくとも1側面では、本発明は過剰の有機材料、特にナノ結晶集団の生成又は可溶化に使用される界面活性剤を除去し、電荷抽出と物理的相互作用(例えば溶解性)の両面で集団内のナノ結晶とその周囲との良好な相互作用を提供するための、ナノ結晶集団の処理方法とそれにより得られる組成物を提供する。記載を簡単にするために、複合材料を形成するようにマトリックス(例えば導電性ポリマーマトリックス)内に配置したナノ結晶集団として典型的システムを記載する。しかし、当然のことながら、本発明はナノ結晶とその周囲の任意材料(例えば他のナノ結晶、水性材料、固体、例えば基板、絶縁体等)との相互作用を改善することが所望される状況に広く適用可能である。例えば、当然のことながら、ナノ結晶の広範な光電子及び/又は発光用途がマトリックスとナノ結晶の間の電荷移動強化の恩恵を受ける電荷注入又は抽出の同一基本原理で機能する(例えばナノ結晶LED等)。
一般に、本発明はナノ結晶を含む混合物から過剰の未結合界面活性剤を除去する操作と、ナノ結晶と物理的に会合(会合の種類に関係なく一般に「結合」と言う)している過剰レベルの界面活性剤を除去する操作の一方又は両方により、ナノ結晶集団中の過剰な界面活性剤のレベルを低減するための方法を提供する。例えば、本明細書で使用する「結合」界面活性剤としては共有的結合が挙げられるが、ファン・デル・ワールス、疎水性/親水性相互作用等の非共有的会合も含む。一般に、本発明の各目的はナノ結晶集団を洗浄して過剰の未結合ないし遊離界面活性剤を除去し、得られたナノ結晶から交換又は滴定法により過剰の会合結合界面活性剤をストリッピングする方法により夫々達成される。
従来の研究者らはナノ結晶を処理するための洗浄方法について記載している(例えばHuynhら,Adv.Mater.11(11):923−927(1999);及びGreenhamら,Phys.Rev.B 54(24):17628−17635(1996)参照)が、このような方法で得られるナノ結晶は結合及び遊離両者の汚染性界面活性剤レベルが比較的高かった。特定作用理論に結び付けるものではないが、これらの材料をベースとする電気又は光電気装置の性能がその理論的可能性に比較して劣るのはこの過剰レベルの汚染が少なくとも一因であると考えられる。更に、これらの初期の文献は特に洗浄段階を付加するとナノ結晶成分全体の溶解性が低下し、従って、その組込み適性が低下すると示唆することにより、付加洗浄段階を避ける必要があると開示している。更に、洗浄方法について記載しているが、概してこのような洗浄は沈殿したナノ結晶を洗浄及び再洗浄してこれらの沈殿結晶から残留遊離材料を除去することのみに重点を置いており、このような洗浄工程と再洗浄工程の反復は同一汚染物質を再沈殿、再懸濁させる傾向がある。
他方、これらの初期文献の教示と異なり、本発明の1つの目的は特に高度に処理されたナノ結晶、特に従来記載されているよりも有機材料(例えば界面活性剤)の汚染性を低下したナノ結晶集団を提供することである。このようなナノ結晶集団は性能特徴が改善されるが、その一因は過剰の干渉成分を除去するためであると考えられる。更に、このような過剰の界面活性剤を除去するが、これらのナノ結晶集団は所望装置、用途又はシステムに組込むために必要な溶解性を維持する。
従って、第1の側面では、本発明はナノ結晶の選択的沈殿及び再溶解の反復を含むナノ結晶成分の反復洗浄により、ナノ結晶溶液中に存在している過剰レベルの遊離界面活性剤を除去するための方法を提供する。過剰レベルの遊離界面活性剤の除去とは、ナノ結晶溶液の得られる界面活性剤組成物全体のうち、存在する界面活性剤全体に対して遊離成分が10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満、場合により、好ましくは約0.1%未満であることを意味する。同様に、得られるナノ結晶組成物は各種用途(例えば有機ポリマーマトリックス、混合ナノ結晶マトリックス、ゾル−ゲルマトリックス等)で使用する複合体に組込み易い。
遊離及び結合界面活性剤量の測定は多数の方法により実施することができるが、例えばリン含有界面活性剤には31P−NMRが特に好ましい。図3A〜3Gは本明細書に記載する方法を使用したCdSeナノロッド集団の反復洗浄段階の一連のプロットを示す。図面から明らかなように、各連続洗浄段階は結合界面活性剤量(広い丘)に対して遊離界面活性剤量(急なピーク)を有意に低減する。4回の洗浄段階後に、遊離界面活性剤量はナノ結晶含有溶液中で実質的に検出できない(図3D参照)。更に洗浄段階を追加(例えば5回及び6回)すると、広いピークがやや平坦になることから明らかなように、更に結合界面活性剤レベルも低下し始める(図3E、3F及び3G)。遊離界面活性剤と結合界面活性剤の相対量は例えばNMRプロットにおける各ピークの下の面積を比較することにより決定することができる。
上述のように、ナノ結晶含有溶液中の遊離界面活性剤量の低減、従って、得られる装置、膜又はシステムに取込まれる量の低減は場合により汚染性遊離界面活性剤の大部分から溶液のナノ結晶部分を選択的に析出させ、ナノ結晶を再溶解し、溶液中の遊離界面活性剤レベルが所望レベルに低下するまで沈殿段階と再溶解段階を繰り返すことを含む反復洗浄工程により実施される。
本発明の第2の側面では、例えば過剰の遊離界面活性剤を除去するように洗浄したナノ結晶集団に付加処理段階を実施し、これに会合している結合界面活性剤レベルを低減する。上述のように、結晶の表面に単分子層約1又は2層まで結合界面活性剤レベルを低減することが一般に望ましい。一般に、これは部分単分子層約1層から2分子層約1層までの界面活性剤に相当する。上記洗浄段階と同様に、これは一般に沈殿と遠心工程により実施されるが、本発明のこの側面では、過剰の界面活性剤をナノ結晶から選択的に析出させる。
II.ナノ結晶合成
半導体ナノ結晶、その合成及びその用途は従来非常に詳細に記載されている。例えば米国特許第6,322,901号、6,207,229号、6,607,829号、6,617,583号、6,326,144号、6,225,198号、及び6,306,736号参照(各々その開示内容全体を参考資料として全目的で本明細書に組込む)。米国特許出願第60/591,987号,発明の名称“Process for group III−V semiconductor nanostructure synthesis and compositions made using same”Scherらも参照。本明細書で使用する半導体ナノ結晶は例えば約500nm未満、好ましくは100nm未満の少なくとも1個の横断面寸法をもつナノ粒子として存在する広範な各種材料を含む。これらのナノ結晶は広範な半導体材料から構成することができ、例えばIII−V族、II−VI族及びIV族半導体又はこれらの材料の合金が挙げられる。ナノ結晶は例えば量子ドットのように実質的に球形でもよいし、例えば長さと幅の比が2、5、10又は20以上であるナノロッド又はナノワイヤーのように細長形でもよいし、例えばナノテトラポッドのように分岐構造でもよい。例えば各々その開示内容全体を参考資料として全目的で本明細書に組込む米国特許第6,322,901号;Pengら,Nature 404(6773):59−61(2000);Mannaら,J.Am.Chem.Soc.122(51):12700−12706(2000);Mannaら,J.Am.Chem.Soc.124(24):7136−7145(2002);及びDuanら,Nature,425:274−278(2003)参照。
このようなナノ結晶は単一の均一組成でもよいし、ヘテロ構造(例えばコア材料が第1の組成であり、シェル材料が規定境界又は勾配で第1の材料と接する第2の異なる材料であるコア−シェル構造)でもよい。更に、集団中のナノ結晶はサイズが変動してもよいし、その横断面寸法の1個以上が単分散でもよい。同様に、ナノ結晶集団は単一型の単結晶(例えば集団の実質的に全メンバーが類似構造、例えばホモ又はヘテロ構造)でもよいし、集団は異なる結晶型の不均一混合物でもよい。
多くの場合に、有益なナノ結晶は所望の形状とサイズのナノ結晶(例えばナノロッド又は分岐ナノ構造、例えばナノテトラポッド)を生成するために界面活性剤による成長に依存する溶液法を使用して作製される。このような界面活性剤による合成は例えばPengら,Nature 404(6773):59−61(2000)、Mannaら,J.Am.Chem.Soc.122(51):12700−12706(2000)、及びMannaら,J.Am.Chem.Soc.124(24):7136−7145(2002)に実質的に詳細に記載されている。図1は典型的ナノ結晶合成法の各段階を模式的に示すフローチャートである。
要約すると、図1に示すように、半導体ナノ結晶は一般に例えば前駆体の反応温度を上回る沸点(例えば200〜400℃)をもつ高温二元又は配位溶媒混合物(102)に半導体前駆体(104)(例えばII族前駆体とVI族前駆体)(又は別の例として、III及びV族前駆体)を導入する(104)ことにより合成される。一般に、このような二元溶媒混合物は少なくとも2種の有機界面活性剤を含む。このような界面活性剤としては、一般に例えばトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、ヘキシルホスホン酸(HPA)及びテトラデシルホスホン酸(TDPA)と;TOPO及びオクタデシルホスホン酸(ODPA)又はヘキサデシルホスホン酸(HDPA)が挙げられる。前駆体を高温反応溶媒混合物に注入すると、ナノ結晶の均一核形成が短時間に突発する(104)。核形成に伴う試薬の急激な減少と、試薬添加の結果としての温度低下により核形成は有効に停止する。次に反応混合物を加熱し(106)、ナノ結晶をアニールさせると共に、例えば単分散粒度集団として成長させる。次に反応混合物の温度を下げることにより成長プロセスを停止する(108)。場合により、反応混合物の極性を変化させてナノ結晶を沈殿させるために例えば以下に記載する後続処理段階の1つの間に例えば低分子量アルコールを使用して溶媒混合物からナノ結晶をサイズ選択的に沈殿させる(110)(例えば米国特許第6,322,901号参照)ことにより粒子の粒度分布を更に向上させることができる。得られたナノ結晶をその後、更に処理する(112)。
他の型のナノ結晶の合成も当分野で公知である。例えばRockenbergerら(1999)“A new nonhydrolytic single−precursor approach to surfactant−capped nanocrystals of transition metal oxides”J Am Chem Soc 121:11595−11596、及びPuntesら(2001)“Colloidal nanocrystal shape and size control:The case of cobalt”Science 291:2115−2117参照。
III.ナノ結晶処理
A.試薬の規定純度
少なくとも場合により、ナノ結晶集団の相対純度はこのような処理で使用される材料の相対純度により少なくとも部分的に影響を受ける。特に、結晶合成法で使用される界面活性剤と他の溶媒は特定純度であると指定されているが、このような純度は不正確なことが多い。従って、純粋な結晶調製物が得られるようにするためには、処理に使用する試薬の純度を規定することが多くの場合に有用である。少なくとも1側面では、結晶合成で使用される界面活性剤が例えばNMRにより測定した場合に少なくとも99%、好ましくは99%を上回る純度となるようにすることが有用である。供給業者から入手した状態の界面活性剤が所望レベルの純度でない場合には、精製段階(例えば洗浄、再結晶、昇華、蒸留等)を使用して所望レベルの純度にすることができる。多くの場合には、このような界面活性剤は酸化物、出発材料反応体及び不完全エステル加水分解の副生物を含有している。例えば、ホスホン酸、特にODPAとTDPAは入手時にHClや他の不純物と共に等価レベルのエステルが存在していることが多いので、この問題を生じやすい。ホスホン酸のエステル形態は多座構造にオリゴマー化することができ、従って、得られるナノ結晶の洗浄が特に困難になるので問題が大きくなる可能性がある。同様に、TOPOは合成中に反応速度と酸:金属比が変化し易いホスホン酸とホスフィン酸の両方を含むことが多い。
B.遊離界面活性剤の低減
本明細書に繰り返し記載するように、典型的なナノ結晶合成方法(例えば上記方法)により得られるナノ結晶集団は一般に比較的多量の汚染性材料(例えば有機界面活性剤)が会合している。ナノ結晶を合成反応混合物から回収するための標準沈殿法はこのような過剰の汚染物質を除去するには無効であると思われる。特に、このような合成で日常的に使用される多数の界面活性剤は沈殿溶媒に不溶性(又は低溶解性)であることが多いため、ナノ結晶と共沈する。実際に、ある程度付加精製及び処理した後であっても、文献に従来記載されている組成物にはこのような有機汚染物質が残留しており、例えば1又は5又は10%を越える遊離界面活性剤と、所望される部分単分子層から2分子層までの界面活性剤を遥かに上回る結合界面活性剤が残留していた。この場合又は別の場合に、従来記載されているナノ結晶精製法は所望レベルの純度を得るために必要な十分な回数洗浄を反復する前に終了していた。なお、ナノ結晶合成中に使用される界面活性剤を中心に記載しているが、当然のことながら、除去すべき界面活性剤成分は結晶合成中に使用される有機界面活性剤(例えば高温耐性有機界面活性剤、例えばTOPO)でもよいし、ナノ結晶の組込み適性(溶解性、電気的組込み等)を助長するためにナノ結晶に添加(例えば合成中に使用される界面活性剤に交換又は追加)される外添界面活性剤(「リガンド」とも言う)でもよい。後者型の界面活性剤の例は例えばその開示内容全体を参考資料として全目的で本明細書に組込む上記米国特許出願第10/656,910号,出願日2003年9月4日に記載されている。
本発明の所定側面によると、成長又は合成プロセス後にナノ結晶を回収し、所望レベルの純度が得られるまで沈殿、再溶解及び沈殿工程を反復することにより浄化する。図2は本発明の典型的方法を模式的に示すフローチャートである。特に、例えばナノ結晶の合成(図1参照)から得られるようなナノ結晶と汚染性界面活性剤の両者が可溶性である溶媒混合物中にまずナノ結晶集団を配置する。次に、ナノ結晶が溶媒混合物に可溶性でなくなるように溶媒混合物を改変し、沈殿したナノ結晶を回収する。回収したナノ結晶に次に再溶解と再沈殿を多数回繰り返し、所望レベルの純度にする。
1.複合溶媒法
第1の態様では、ナノ結晶が十分な濃度の第1の非極性又は低極性溶媒に可溶性であり、界面活性剤部分が十分な濃度の第2の高極性溶媒に可溶性であるような極性の異なる少なくとも2種の異なる溶媒を含む溶媒混合物を利用する混合溶媒法を使用してナノ結晶集団の洗浄を実施する。第1ないし可溶化溶媒混合物中には、例えば結晶と界面活性剤の両者が第1の混合物に可溶性となるような許容濃度で高極性溶媒と低極性溶媒の両者が存在している。一般に、次にナノ結晶が可溶性でなくなる点まで第2ないし高極性溶媒の濃度を上げる(又は第1ないし低極性溶媒の濃度を下げる)ことにより、混合物のナノ結晶部分を溶媒混合物から沈殿させる。当業者に自明の通り、ナノ結晶に十分高レベルの可溶化界面活性剤が会合している場合には、逆の処理を使用し、例えば高極性溶媒に高溶解性にしてもよく、即ち混合物中の低極性溶媒の濃度を上げることにより沈殿させてもよい。
その後、沈殿したナノ結晶を例えば遠心、濾過等により溶媒混合物から分離し、ナノ結晶と界面活性剤の両者が可溶性である付加量の溶媒混合物に再懸濁する。場合により、所望レベルの純度が得られるまでこの工程を繰り返す。このような繰り返し処理は例えば所望純度になることが分かっているような選択回数実施することができる。あるいは、所定の好適側面では、次に一般に溶解したナノ結晶の純度をチェックし、例えば組成物中の界面活性剤レベルが十分に低いかどうかを調べる。その後、場合によりナノ結晶混合物中の遊離界面活性剤量が総(遊離及び結合)界面活性剤濃度の10%未満又は5%未満、好ましくは総界面活性剤量の1%未満、より好ましくは0.1%未満になるまで沈殿段階と再溶解段階を必要に応じて繰り返す。
可溶化溶媒混合物と沈殿溶媒混合物で使用される溶媒と各混合物中のそれらの相対濃度は一般にナノ結晶と除去すべき有機汚染物質の種類(例えば存在する界面活性剤の種類)によって異なる。しかし、一般に、無機ナノ結晶集団はトルエン、ベンゼン又はヘキサン(炭素原子数6の分枝鎖及び非分枝鎖アルカンの混合物)等の比較的低極性の溶媒に一般に可溶性であり、更に一般に極性であるが、例えばメタノールよりも低極性であり、ナノ結晶が可溶性であるクロロホルムに可溶性である。逆に、有機材料、特に高極性有機材料即ち界面活性剤は一般に高極性環境に高溶解性であり、例えば比較的低分子量のアルコール(例えばメタノールやエタノール)や、所定の好ましい界面活性剤の場合には、炭素原子数3以上のアルコール(例えばイソプロパノール、ブタノール等)に可溶性である。従って、本発明の所定側面によると、溶媒混合物の低極性溶媒部分は一般に低極性溶媒(例えばクロロホルム、トルエン、ヘキサン、ベンゼン等)と、高極性溶媒部分(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、アセトン等)を含む。
可溶化溶媒混合物中の低極性溶媒と高極性溶媒の相対濃度は一般に約10:1〜約3:1であり、特に好ましい比は約4:1である。ナノ結晶を可溶化溶媒混合物から析出させるには、一般にこの比を約2:1〜約1:2に変える。比の変更は一般に例えば高極性溶媒を混合物に添加して高極性溶媒の濃度を上げることにより実施されるが、場合により例えば蒸発等により低極性溶媒の濃度を下げてもよい。上述のように、析出は場合によりナノ結晶サイズ選択的である。
ナノ結晶が沈殿したら、一般に遠心、濾過等の多数の手段の任意のものにより懸濁液の液体部分から分離する。分離したナノ結晶を次に第1の溶媒混合物(可溶化溶媒混合物)に再溶解し、所望純度に達するまで沈殿段階と分離段階を繰り返す。本発明によると、これは一般に合成混合物から少なくとも3サイクルの沈殿と再溶解、好ましくは合成反応混合物から4サイクル以上、場合により5サイクル以上又は6サイクル以上の沈殿と再溶解を意味する。
任意又は全反復洗浄サイクル後にナノ結晶含有溶液中の遊離界面活性剤レベルをチェックし、溶液の純度を確認することができる。チェックは一般に、必要な情報を提供する任意方法により実施することができ、限定されないが、31P NMR等が挙げられる。このようなチェックは反復洗浄段階を継続又は停止するための基準として使用することもできるし、所望純度に達するために必要な段階数を決定するために必要な洗浄段階の基線レベルを設定するために使用することもできる。
沈殿と再溶解を規定回数反復するか又は純度を分析測定することにより、ナノ結晶か所望レベルの純度に達したら、次に、場合により例えば以下に詳細に記載するような付加処理段階を実施する(例えば「結合界面活性剤の低減」のセクション参照)。
2.単一溶媒交換法
代替方法では、準完全溶媒交換法を使用してナノ結晶調製物中の遊離界面活性剤レベルを低減する。この方法を図2のフローチャートに模式的に示す。特に、複合溶媒混合物を使用する代わりに、その中でナノ結晶を合成した初期反応混合物(202)から低分子量アルコール(例えばメタノール等)等の高極性溶媒を使用してナノ結晶を析出させる(段階204)。析出は上記のように、一般にナノ結晶が溶液から析出するまで約2:1〜1:2の反応混合物比で極性成分を低極性溶媒に添加することにより実施される。ナノ結晶はサイズ依存的に反応溶液から析出する傾向があるので、上述のように、混合物を選択的に沈殿させることにより、初期混合物からナノ結晶の所定レベルのサイズ選択を実施することもできる。所望ナノ結晶が溶液から析出したら、例えば遠心とデカント、濾過等により液体からナノ結晶を分離する(例えば段階206及び208参照)。次にナノ結晶を低極性溶媒(例えばトルエン、クロロホルム等)(又は上記のような混合溶媒)に再溶解する(段階210)。
次に、遊離界面活性剤に関して所望レベルの純度を得る(212)ために必要に応じて沈殿段階と再溶解段階を繰り返す(段階214)。沈殿は上述のように、一般にナノ結晶が溶液から析出するまで約2:1〜1:2の比で高極性成分を低極性溶媒に加えることにより実施される。上記複合溶媒法と同様に、沈殿と再溶解のサイクルは一般に初期反応混合物から少なくとも3回、好ましくは4回以上、場合により5回以上、場合により6回以上実施する。同様に上述したように、最も重要な点は必ずしも使用する反復沈殿段階数ではなく、最終沈殿段階後の界面活性剤レベルである。上述のように、反復洗浄工程後にナノ結晶含有溶液中に残留している遊離界面活性剤は一般に存在する総(遊離及び結合)界面活性剤量の10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満、更に好ましくは0.1%未満である。本明細書で使用する残留界面活性剤百分率は一般にNMR(例えば31P−NMR)を使用して測定される。本明細書に記載する百分率は例えばトルエン0.75ml中でナノ結晶100mgを分析した場合にこのようなシステムを使用して検出される量を表し、1100回スキャン後にリンNMRで検出可能な遊離界面活性剤ピークは現れない。スキャン回数を増やすと汚染性界面活性剤が検出される可能性もあるが、このようなレベルは本明細書に記載する百分率未満であると予想される。図3A〜Gは多数の反復洗浄段階後毎のナノ結晶調製物中の遊離及び結合界面活性剤のプロットを示す。図面から明らかなように、溶液中の遊離界面活性剤レベルは各洗浄後に著しく低下しており、4回目の洗浄段階後にほぼ検出不能になる(図3D〜3G)。
後続沈殿段階は一般に上記比、例えば2:1〜1:2の低極性溶媒対高極性溶媒比で高極性溶媒を添加する。これは第1沈殿段階で使用したレベルと同一レベルでもよいし、あるいは第1段階で使用したレベルより高レベルでもよい。特に、上述のように、第1沈殿段階は例えば溶液中の全ナノ結晶ではなく一部を沈殿させるように、添加する高極性溶媒の厳密な制御を必要とするサイズ選択法として使用してもよい。他方、後続沈殿段階はこのようなサイズ選択ではなく、ナノ結晶の全部ではないとしても大半を回収することに重点をおく。従って、多くの場合には、このような後続沈殿段階で添加される高極性溶媒の量は初期沈殿よりも多量である。
沈殿と再溶解を規定回数反復するか又は純度を分析測定することにより、ナノ結晶か所望レベルの純度に達したら、次に、場合により例えば以下に詳細に記載するような付加処理段階を実施する(例えば「結合界面活性剤の低減」のセクション参照)。
3.液−液抽出法
別の代替方法では、液−液相分離法を使用してナノ結晶集団中の遊離界面活性剤レベルを低減する。本方法では、ナノ結晶が可溶性である第1の溶媒とナノ結晶が低溶解性(例えば不溶性)である第2の溶媒をナノ結晶に加える。第1の溶媒と第2の溶媒に第1の溶媒とナノ結晶を含む第1の液相と、第2の溶媒を含む第2の液相を形成させた後に、相を分離する(例えば一方の相を他方の相からピペット、デカント等により分離する)。界面活性剤は一般に第1の溶媒と第2の溶媒の両方に可溶性である(好ましくはナノ結晶よりも第2の溶媒に高溶解性であり、より好ましくはそれ自体第1の溶媒よりも第2の溶媒に高溶解性である)ので、この方法によると、ナノ結晶を含む溶液中の遊離界面活性剤量が低減する。
場合により所望レベルの純度が得られるまでこの工程を繰り返す。このような反復処理は例えば所望純度になることが分かっているような選択回数実施することができる。例えば、段階を2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、又は6回以上繰り返すことができる。所定の好適側面では、溶解したナノ結晶の純度をチェックし、例えば組成物中の界面活性剤レベルが十分に低いかどうかを調べる。その後、場合によりナノ結晶混合物中の遊離界面活性剤量が総(遊離及び結合)界面活性剤濃度の10%未満又は5%未満、好ましくは総界面活性剤量の1%未満、より好ましくは0.1%未満になるまで必要に応じて添加、相形成、及び分離段階を繰り返す。
サイクルを繰り返すためには、所望により、第1の溶媒とナノ結晶を含む第1の液相に新たに第2の溶媒を添加してもよいし、ナノ結晶を第1の液相から(例えば遠心、濾過、沈殿等により)分離し、新たな第1の溶媒に再溶解し、新たな第2の溶媒を添加してもよい。
第1の溶媒と第2の溶媒とその相対比は一般にナノ結晶と除去すべき有機汚染物質の種類(例えば存在する界面活性剤の種類)により異なる。一般に、無機ナノ結晶の洗浄では、第1の溶媒は第2の溶媒よりも低極性である。
1典型的態様では界面活性剤(又は複数の界面活性剤の1種)としてTOPを使用してナノ結晶(例えばPd又はInP)を作製し、トルエンを第1の溶媒とし、メタノールを第2の溶媒とする液−液抽出により処理する。なお、第1の溶媒と第2の溶媒は使用条件下(例えば除去すべき界面活性剤の存在下)のみで非混和性である必要がある。例えば、トルエンとメタノールは混和し、TOPOの存在下で分離可能な相を形成しないが、TOPの存在下で混和しない2つの液相を形成するので、この界面活性剤を除去するために液−液抽出で使用することができる。
なお、液−液相分離法を場合により同様に本明細書に記載する液−固抽出段階(例えば「複合溶媒法」と「単一溶媒交換法」のセクションに記載した洗浄法)と併用する。例えば、任意順序で少なくとも1サイクルの液−液抽出と少なくとも1サイクルの沈殿と再溶解によりナノ結晶を処理することができる。
規定回数反復抽出するか又は純度を分析測定することにより、ナノ結晶か所望レベルの純度に達したら、次に、場合により例えば以下に詳細に記載するような付加処理段階を実施する(例えば「結合界面活性剤の低減」のセクション参照)。
C.結合界面活性剤の低減
例えば最終沈殿分離段階後に過剰の遊離界面活性剤がナノ結晶から除去されたら、得られたナノ結晶をその後、更に処理し、ナノ結晶の表面の結合界面活性剤レベルを低減することができる。一般に、結合界面活性剤の除去はナノ結晶の表面から結合界面活性剤を滴定することにより実施される。結晶合成と処理に使用される界面活性剤は有機酸を含んでいるので、一般にナノ結晶を含む有機溶媒に混和性の適当な有機塩基を使用して表面から滴定することができる。界面活性剤と錯形成するのに特に適した塩基の例としては、界面活性剤と共に不溶性塩を形成し、従って溶液から沈殿し、化学平衡式から外れるものが挙げられる。特に有用な有機塩基をいくつか挙げると、例えばピリジン、アニリン、ビピリジン、ピペリジン、イミダゾール、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロプルアミン、及び他のアルキルアミン等が挙げられる。特に好ましい側面では、好適界面活性剤(例えばODPA、HDPA等)上の酸基を滴定してナノ結晶を含有する溶媒(例えば低極性成分、例えばトルエン)に不溶性の塩を生じ易いことから、ピリジンを塩基として使用する。
方法については、過剰の遊離界面活性剤から精製したナノ結晶をもう一度沈殿させ(段階216)、その後、低極性溶媒と塩基(例えばピリジン)を併用して再溶解し(段階218)、場合により高温で保温する(段階220)。
一般に、結晶表面結合界面活性剤を効率的に滴定するために過剰の塩基を添加する。一般に、前記過剰とはナノ結晶含有溶液に添加する塩基が容量比で>1:1、より一般には2:1以上、場合により3:1以上であることを意味する。
過剰の表面結合界面活性剤の滴定後、一般に不溶性部分を遠心により除去する(段階222)。次に付加溶媒(例えばメタノール又はヘキサン)を加えることにより、混合溶媒(例えばトルエン/ピリジン)中のナノ結晶をピリジンから沈殿させる(段階224)。沈殿した結晶を次に溶媒から分離し、別の例えば低極性溶媒(例えばトルエン)に再溶解し(段階226)、濃度及び/又は純度を分析する。公表されている合成スキームは後続洗浄のためにナノ結晶と塩を共沈させるだけなので、これらの材料を十分に分離することができないが、本発明では沈殿した界面活性剤塩を可溶性ナノ結晶から分離するので従来の合成スキームと実質的に相違する。
上述のように、本発明によると、その最終マトリックス又は溶液におけるナノ結晶の溶解性又は分散性に必要とされるに十分な程度の界面活性剤しかナノ結晶の表面に結合していないことが一般に望ましい。同様に上述のように、このようなレベルはナノ結晶の表面上の部分単分子層1層の界面活性剤を上回るが、約2層以下の界面活性剤(例えば2分子層1層)に相当すると一般に考えられる。ナノ結晶に会合している界面活性剤量の測定は一般に上記方法(例えば31P−NMR)により実施される。31P−NMRでは、適切なレベルの結合界面活性剤は単一の広いピークもしくは丘又は単一の主要な丘と小さな肩(部分2分子層を示すと思われる;図3D〜3G参照)を示すNMRスペクトルを生じる。
IV.組成物
本明細書に記載する任意方法により処理されたナノ結晶(例えば過剰の遊離及び/又は結合界面活性剤を含まないナノ結晶)と、こうして処理されたナノ結晶を含む組成物、システム、及び装置も本発明の特徴である。
例えば、1分類の態様は第1の溶媒に溶解したナノ結晶集団を含む組成物を提供する。ナノ結晶は結合界面活性剤量と溶液中の遊離界面活性剤量を含む総界面活性剤量に会合している。遊離界面活性剤量は総界面活性剤量の約5%未満、好ましくは約1%未満、約0.5%未満、より好ましくは約0.1%未満である。上述のように、ナノ結晶はほぼ任意形状、サイズ、及び/又は組成とすることができる。
関連分類の態様は界面活性剤と結合しており、第1の溶媒に溶解したナノ結晶集団を含む組成物を提供する。ナノ結晶には2分子層1層未満の界面活性剤が会合している。好ましくは、ナノ結晶には単分子層約1層以下の界面活性剤が会合している。上述のように、ナノ結晶の溶解性及び/又は分散性には多少の界面活性剤の存在が必要であるので、ナノ結晶に結合した界面活性剤量はゼロを上回る。
別の関連分類の態様はナノ結晶集団とこれに結合した界面活性剤を含み、界面活性剤が2分子層1層未満からなる組成物を提供する。例えば、界面活性剤は単分子層約1層以下からなることが好ましい。
上述のように、本発明の方法により処理されたナノ結晶を場合により各種組成物及び装置に組込む。従って、本発明は本発明の方法により処理されたナノ結晶をマトリックス(例えば有機、無機、ポリマー、非ポリマー、導電性、半導体、及び/又は非導電性マトリックス)内に配置した組成物を提供する。従って、1典型的分類の態様は有機ポリマーマトリックスと有機ポリマーマトリックス内に配置されたナノ結晶集団を含む複合体を提供する。ナノ結晶には界面活性剤が会合しており、界面活性剤は2分子層1層未満からなる(例えば界面活性剤は単分子層約1層以下から構成することができる)。
多種の適切なマトリックス(例えば有機ポリマー)が当分野で公知である。マトリックス材料の例としては限定されないが、無機ポリマー(例えばポリシロキサン、ポリカーボネートシロキサン(シロキサンとカーボネートのコポリマー)、又はポリホスファゼン)、有機金属ポリマー(例えばフェロセンポリマー、白金ポリマー、又はパラジウムポリマー)、小分子(例えばN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’ビフェニル)−4,4’−ジアミン)(TPD)、(3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4トリアゾール)(TAZ)、トリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)、安息香酸、フタル酸、ベンゾイン、ヒドロキシフェノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、クロロアニリン、又はクロロベンゾアミド)、又は有機ポリマー(例えばポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(p−ベンズアミド)、ポリ(アルキルイソニトリル)、ポリイソシアネート、熱可塑性ポリマー(例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリシリコーン、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、又はフッ素樹脂)、熱硬化性ポリマー(例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、エンジニアリングプラスチック、ポリアミド、ポリアクリル酸樹脂、ポリケトン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、又はポリアセタール)、液晶ポリマー(主鎖液晶ポリマー(例えばポリ(ヒドロキシナフトエ酸))又は側鎖液晶ポリマー(例えばポリ<n−((4’(4”−シアノフェニル)フェノキシ)アルキル)ビニルエーテル>)を含む)、又は導電性ポリマー(例えばポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[2−メトキシ,5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−p−フェニレン−ビニレン](MEH−PPV)、ポリ(フェニレンビニレン)(PPV)、ポリフルオレン、又はポリアニリン))が挙げられる。他の例については、例えば米国特許出願第10/656,916号及び10/778,009号;Demusら(1998)Handbook of Liquid Crystals:Four Volume Set,John Wiley and Sons,Inc.;Johannes Brandrup(1999)Polymer Handbook,John Wiley and Sons,Inc.;Charles A.Harper(2002)Handbook of Plastics,Elastomers,and Composites,4 edition,McGraw−Hill;T.A.Skatherin,ed.(1986)Handbook of Conducting Polymers I,Marcel Dekker,New York;Skotheimら(1998)Handbook of Conducting Polymers,2nd Ed.Marcel Dekker:New York;並びにRonald Archer(2001)Inorganic and Organometallic Polymers,Wiley−VCH参照。
上述のように、このような組成物は光起電装置、LED、及び他の装置で使用することができる。例えば米国特許出願第10/656,916号及び10/778,009号参照。
別の分類の態様は第1のナノ結晶集団と第2のナノ結晶集団を含む組成物を提供する。第1のナノ結晶集団には界面活性剤が会合しており、界面活性剤は2分子層1層未満(例えば単分子層約1層以下)からなる。第2のナノ結晶集団は第1のナノ結晶集団と異なる組成をもち、第1の集団と共に組成物中に散在している。第2の集団は場合により更に2分子層1層未満の同一又は異なる界面活性剤を含む。
散在させる第1のナノ結晶集団と第2のナノ結晶集団は必ずしもそうでなくてもよいが、マトリックス(例えば有機ポリマーマトリックス、無機マトリックス、小分子マトリックス等)内に配置することができる。多種の適切なマトリックスが当分野で公知である。例えば上記参照。上述のように、このような組成物は光起電装置や他の装置で使用することができる。例えば米国特許出願第10/778,009号参照。
V.実施例
以下、本明細書に記載する方法によるナノ結晶の処理を実証する一連の実験について記載する。当然のことながら、本明細書に記載する実施例と態様は例証の目的に過ぎず、これらの記載に鑑み、種々の変形又は変更が当業者に想到され、このような変形又は変更も本願の精神及び範囲と特許請求の範囲に含むものとする。従って、以下の実施例は特許請求の範囲に記載する発明を例証するものであり、これを制限するものではない。
以下の手順に従って高純度ナノ結晶を合成した。合成法で使用される界面活性剤(例えばHPA、TOPO及びTDPA)は製造者間で変動が大きいため、まず標準NMRを使用して純度を確認した。純度が90%未満の場合には、所望純度に達するまでCHCl洗浄、溶解及びCHClとヘキサンを使用する再結晶により界面活性剤を精製した。十分な純度の試薬が得られたら、界面活性剤TOPO(3.54g)、TDPA(0.33g)及びHPA(0.13g)を120℃まで加熱し、この時点でカドミウム前駆体(Cd(Me)、TBP中32重量%Cd(Me)を含有するストック溶液0.5g)を混合物に加えた。次に混合物を360℃まで加熱し、第2の前駆体ストック溶液(例えばSe:TBP(7.78重量%))2.5gを加え、反応温度を290〜300℃まで下げた。次にこの温度で5分間結晶を成長させた。次に反応混合物を60〜70℃まで冷却し、結晶成長を停止させた。トルエン4mlを冷却混合物に加えた後、2本の等容量バイアルに分け、雰囲気制御グローブボックスに移した。次に各バイアルにメタノール2mlを加えてナノ結晶を析出させ、バイアルをボルテックスし、〜3000rpmで遠心した。上清をデカントし、ペレットをトルエン1mlに再溶解し、ボルテックスした。次にメタノール1mlをナノ結晶に加えて再び沈殿させ、バイアルを再びボルテックス及び遠心した。洗浄後毎に31P−NMR分析を実施しながらこのプロセスを更に4回繰り返した(図3A〜3G参照)。NMRはBruker 400MHz NMRでP31プローブを162MHzで使用して実施した(プロトンデカップルP31 NMR、例えばD8トルエン0.75ml中ナノ結晶100mgを1100回スキャン)。
最終洗浄段階後、ペレットをトルエン0.5mlに溶かし、ピリジン1mlを加え、過剰の結合界面活性剤を滴定した。混合物をボルテックスした後、150℃まで17時間加熱した。加熱した混合物を室温まで冷却し、ボルテックスした後、〜3000rpmで遠心し、沈殿した塩を除去した。ナノ結晶を含む上清をペレットからデカントし、再び各バイアルを2個の別々のバイアルに分けた。次に各バイアルにヘキサン7.5mlを加え、ナノ結晶を析出させた。混合物をボルテックスし、〜3000rpmで遠心した。上清をペレットからデカントした後、トルエンに再溶解し、ナノ結晶濃度を分析した。
本明細書又は米国特許出願第10/656,802号に引用する標準技術により製造されたナノ構造製品中には一般にトリオクチルホスフィン(TOP)、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、ヘキサデシルホスホン酸(HDPA)、オクタデシルホスホン酸(ODPA)、及びトリ−n−ブチルホスフィン(TBP)等の過剰の有機界面活性剤が存在している。場合により、ナノ構造の使用前、例えば米国特許出願第10/656,802号に記載の導電性組成物との会合前に過剰の有機界面活性剤をナノ構造製品から除去する。これは例えばナノ構造が可溶性である第1の溶媒(例えばトルエン又はクロロホルム)とナノ構造が不溶性である第2の溶媒(例えばイソプロパノール以上の長鎖アルコール、又は酢酸塩(例えば酢酸エチル))から調製した溶媒混合物を加えることにより実施することができる。溶媒混合物中の調製時の第1の溶媒と第2の溶媒の比は一般に1:1〜10:1であるが、好ましい溶媒混合物の1例はイソプロパノール1部当たりトルエン4部である。
次に溶媒混合物から(過剰の界面活性剤を沈殿させずに)ナノ構造を沈殿させるために十分な量の付加量の第2の溶媒を加える。次に沈殿したナノ構造を溶媒混合物から(例えば遠心により)分離することにより、過剰の有機界面活性剤をナノ構造から除去する。場合により、例えばナノ構造製品が望ましくない量の過剰の界面活性剤をまだ含有していることが分析により判明した場合には、沈殿したナノ構造を溶媒混合物で更に1回以上洗浄してもよい。
更に、ナノ結晶反応混合物中のナノ結晶にピリジン交換を実施し、ナノ結晶を溶液中に残したままで有機塩を沈殿させることにより、過剰の有機塩をナノ結晶反応混合物から除去することができる。ピリジン交換は例えばナノ結晶反応混合物を150℃まで約1時間加熱することにより実施される。
本実施例はCdSeナノ結晶とCdTeナノ結晶の2種の処理済み混合ナノ結晶集団を含む光起電装置の製造について記載する。米国特許出願第10/656,910号参照。
基板洗浄
例えば以下の手順を使用して基板(例えばThin Film Devices,Inc.,www.tfdinc.comの製品であるITOガラス)を洗浄する。基板をイソプロパノールで拭き、イソプロパノール中で超音波をかけ、2%Hellmanex(登録商標)脱イオン水中で超音波をかけ、脱イオン水流水下で非常に十分に濯ぎ、脱イオン水中で超音波をかけ、半導体グレードアセトン中で超音波をかけ、半導体グレードイソプロパノール中で超音波をかける。各超音波照射は15分間とする。次に80mTorr真空中に圧力約400mTorrで酸素を導入することにより基板を200W(1%反射電力)で10分間酸素プラズマ洗浄する。
PEDOT層処理
PEDOT/PSSポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(例えばH.C.Starckの製品Baytron(登録商標)P VP AI 4083)を0.2μm細孔サイズ酢酸セルロースフィルターで濾過する。PEDOTを基板に3000rpmで60秒間スピンコートする。次に、スピンコートした基板を大気条件下で120℃のホットプレートで60分間焼成することによりPEDOT層を硬化させる。
CdSe:CdTe双結晶ブレンド溶液の調製
グローブボックスでアルゴン雰囲気下にCdSe:CdTe双結晶ブレンド溶液を調製する。CdTeナノ結晶はトルエンに溶かしてイソプロパノールで3回沈殿させることにより洗浄し、CdSeナノ結晶はトルエンに溶かしてメタノールで3回沈殿させることにより洗浄する。表面処理のために、CdSe及びCdTeナノ結晶の両者を110℃のトルエンとフェニルホスホン酸(PPA)の溶液中で20時間撹拌する。(表面処理段階は必ずしも必要なく、省略してもよいし、この段階の代わりに例えばピリジンを使用した後にPPA又は別のリガンドで処理する別のナノ結晶洗浄法を実施してもよい。)イソプロパノール沈殿後にナノ結晶を例えば夫々95mg/ml(CdTe)と110mg/ml(CdSe)の濃度でトルエンに溶かす。CdTe:CdSe比が重量比で50:50となり、最終溶液中のナノ結晶濃度が約80〜100mg/mlとなるように、CdTe:トルエン溶液とCdSe:トルエン溶液を1.5mlガラスバイアルに加える。例えば、トルエン中のCdTe濃度が95mg/mlであり、トルエン中のCdSe濃度が110mg/mlであるならば、得られるCdTe:CdSe比が50:50となり、得られるナノ結晶濃度が102mg/mlとなるように、CdTeナノ結晶溶液500μlとCdSeナノ結晶溶液432μlを混合する。溶液を2分間ボルテックスし、56℃に10分間加熱し、15分間超音波をかける。溶液をマイクロ遠心バイアルに移した後、マイクロ遠心機で2分間11,000rpmで遠心する。
CdSe:CdTeナノ結晶ブレンド溶液のスピンコーティング
(グローブボックスで)CdTe:CdSe溶液をITO/PEDOT:PSS基板にスピンコートする。一般に、各基板に溶液120μlを使用し、スピン速度950rpmで40秒間スピンコートする。基板の裏面の溶液をクロロホルムで拭き取る。
アルミニウムカソードの蒸着
ナノ結晶−PEDOTをコーティングした基板を酸素に触れないように蒸着器に移す。アルミニウム(純度99.999%)を1×10−7torr未満の真空下に5A/sの速度で厚さ約200nmまで蒸着する。
銀ペースト
ITO電極接続ピン上のナノ結晶及び/又はPEDOT膜を除去する。銀ペーストを塗布し、ITOピンとの電気接続を確保する。得られた装置をその後、所望により特性決定する。
以上、解説の目的で多少詳細に記載したが、特許請求の範囲に記載する発明の範囲は以上の開示に制限されず、特許請求の範囲のみに制限され、あるいは限定しないが、継続出願、一部継続出願、分割出願、再発行、再審査等の関連特許又は出願に制限されない。本発明の真の範囲を逸脱することなく形態や細部に種々の変更が可能であることは以上の開示から当業者に自明である。例えば、上記全技術及び組成物は種々に組合せて使用することができる。本明細書に引用する全公報、特許、特許出願、及び/又は他の文献はその開示内容全体を全目的で参考資料として組込み、各公報、特許、特許出願、及び/又は他の文献を全目的で参考資料として組込むと個々に記載しているものとして扱う。
界面活性剤による合成法を使用するナノ結晶合成を模式的に示すフローチャートである。 本発明によるナノ結晶製造用の典型的合成後処理段階を模式的に示すフローチャートである。 各種洗浄処理段階後のナノ結晶調製物の31P−NMRスペクトルであり、ナノ結晶調製物に会合している遊離及び結合界面活性剤レベルを示す。 各種洗浄処理段階後のナノ結晶調製物の31P−NMRスペクトルであり、ナノ結晶調製物に会合している遊離及び結合界面活性剤レベルを示す。 各種洗浄処理段階後のナノ結晶調製物の31P−NMRスペクトルであり、ナノ結晶調製物に会合している遊離及び結合界面活性剤レベルを示す。 各種洗浄処理段階後のナノ結晶調製物の31P−NMRスペクトルであり、ナノ結晶調製物に会合している遊離及び結合界面活性剤レベルを示す。 各種洗浄処理段階後のナノ結晶調製物の31P−NMRスペクトルであり、ナノ結晶調製物に会合している遊離及び結合界面活性剤レベルを示す。 各種洗浄処理段階後のナノ結晶調製物の31P−NMRスペクトルであり、ナノ結晶調製物に会合している遊離及び結合界面活性剤レベルを示す。 各種洗浄処理段階後のナノ結晶調製物の31P−NMRスペクトルであり、ナノ結晶調製物に会合している遊離及び結合界面活性剤レベルを示す。図3Gは図3D(上段、洗浄4)、図3E(中段、洗浄5)、及び図3F(下段、洗浄6)からの結合界面活性剤ピークの拡大図である。

Claims (62)

  1. 遊離界面活性剤量とナノ結晶に結合した界面活性剤量を含む総界面活性剤量が会合しているナノ結晶を前記ナノ結晶が可溶性である第1の溶媒中に提供する段階と;
    より高極性の第2の溶媒を第1の溶媒に加えてナノ結晶が不溶性である沈殿溶媒混合物を形成することによりナノ結晶を沈殿させ、沈殿ナノ結晶を形成する段階と;
    沈殿溶媒混合物から沈殿ナノ結晶を分離する段階と;
    ナノ結晶が可溶性である第3の溶媒を沈殿ナノ結晶に加えることによりナノ結晶を再溶解する段階を含むナノ結晶の処理方法。
  2. ナノ結晶と会合している遊離界面活性剤量がナノ結晶と会合している総界面活性剤量の1%未満になるまで沈殿、分離及び再溶解段階を繰り返す段階を更に含む請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1回の再溶解段階後にナノ結晶をチェックし、ナノ結晶と会合したままの遊離界面活性剤量を測定する請求項2に記載の方法。
  4. 沈殿、分離及び再溶解段階を3回以上繰り返す請求項1に記載の方法。
  5. 沈殿、分離及び再溶解段階を4回以上繰り返す請求項1に記載の方法。
  6. 沈殿、分離及び再溶解段階を5回以上繰り返す請求項1に記載の方法。
  7. 沈殿、分離及び再溶解段階を6回以上繰り返す請求項1に記載の方法。
  8. 第1の溶媒が極性溶媒と低極性溶媒の混合物を含む請求項1に記載の方法。
  9. 極性溶媒が炭素原子数少なくとも2のアルコールである請求項8に記載の方法。
  10. 炭素原子数少なくとも2のアルコールがエタノール、イソプロパノール又はブタノールを含む請求項9に記載の方法。
  11. 極性溶媒がアルコール、メタノール、酢酸塩、酢酸エチル、ケトン、及びアセトンから構成される群から選択される請求項8に記載の方法。
  12. 低極性溶媒がクロロホルムとトルエンから構成される群から選択される請求項8に記載の方法。
  13. 低極性溶媒がアルカン、ヘキサン、及びベンゼンから構成される群から選択される請求項8に記載の方法。
  14. 第1の溶媒中の低極性溶媒と極性溶媒の比が3:1を上回る請求項8に記載の方法。
  15. 第1の溶媒中の低極性溶媒と極性溶媒の比が4:1を上回る請求項8に記載の方法。
  16. 沈殿溶媒混合物中の低極性溶媒と高極性溶媒の比が2:1以下である請求項8に記載の方法。
  17. 沈殿溶媒混合物中の低極性溶媒と高極性溶媒の比が1:1以下である請求項8に記載の方法。
  18. 沈殿溶媒混合物中の第1の溶媒と第2の溶媒の比が2:1以下である請求項1に記載の方法。
  19. 沈殿溶媒混合物中の第1の溶媒と第2の溶媒の比が1:1以下である請求項1に記載の方法。
  20. 第3の溶媒が第1の溶媒と同一である請求項1に記載の方法。
  21. 第1の溶媒がクロロホルム、トルエン、アルカン、ヘキサン、及びベンゼンから構成される群から選択される請求項1に記載の方法。
  22. 第2の溶媒が炭素原子数少なくとも2のアルコール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノールから構成される群から選択される請求項1に記載の方法。
  23. 第2の溶媒がアルコール、メタノール、酢酸塩、酢酸エチル、ケトン、及びアセトンから構成される群から選択される請求項1に記載の方法。
  24. ナノ結晶から過剰の結合界面活性剤を除去する方法であって、
    遊離界面活性剤量とナノ結晶に結合した界面活性剤量を含む総界面活性剤量が会合しているナノ結晶を溶解した溶液として、遊離界面活性剤量が総界面活性剤量の10%である溶液を提供する段階と;
    結合界面活性剤と共に不溶性塩を形成する塩基をナノ結晶に加える段階と;
    溶液に溶解したナノ結晶から不溶性塩を分離し、部分単分子層1層から2分子層1層までの界面活性剤が結合したナノ結晶を形成する段階を含む前記方法。
  25. 遊離界面活性剤量が総界面活性剤量の5%未満である請求項24に記載の方法。
  26. 遊離界面活性剤量が総界面活性剤量の1%未満である請求項24に記載の方法。
  27. 分離段階がナノ結晶と不溶性塩を遠心する操作と、溶液に溶解したナノ結晶を不溶性塩のペレットからデカントする操作を含む請求項24に記載の方法。
  28. 塩基がピリジン、アニリン、ビピリジン、ピペリジン、イミダゾール、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びジイソプロプルアミンから構成される群から選択される請求項24に記載の方法。
  29. 塩基とナノ結晶溶液の比が1:1を上回るように塩基を加える請求項24に記載の方法。
  30. a)ナノ結晶が可溶性であり、第1の溶媒又は反応混合物の1種以上を含む第1の混合物中にナノ結晶を提供する段階と;
    b)第2の溶媒を第1の混合物に加えてナノ結晶が不溶性である第2の混合物を形成することによりナノ結晶を沈殿させ、沈殿ナノ結晶を形成する段階と;
    c)第2の混合物から沈殿ナノ結晶を分離する段階と;
    d)少なくとも第1の溶媒を沈殿ナノ結晶に加えることによりナノ結晶を再溶解し、第3の混合物を形成する段階と;
    e)ナノ結晶が不溶性である第4の混合物を形成するように第3の混合物の極性を調節し、沈殿ナノ結晶を形成する段階と;
    f)第4の混合物から沈殿ナノ結晶を分離する段階と;
    g)ナノ結晶を第1の溶媒に再溶解したときに遊離界面活性剤量が遊離界面活性剤量とナノ結晶に結合した界面活性剤量を含む総界面活性剤量の5%未満になるまで段階d、e及び/又はfを繰り返す段階を含むナノ結晶の処理方法。
  31. ナノ結晶を第1の溶媒に再溶解したときに遊離界面活性剤量が総界面活性剤量の1%未満になるまで段階d、e及び/又はfを繰り返す請求項30に記載の方法。
  32. 段階d、e及び/又はfを2回以上、3回以上、4以上、5回以上、又は6回以上繰り返す請求項30に記載の方法。
  33. 少なくとも1回の再溶解段階後にナノ結晶をチェックし、遊離界面活性剤量を測定する請求項30に記載の方法。
  34. 第1の混合物が第1の溶媒と第2の溶媒を含む請求項30に記載の方法。
  35. 少なくとも第1の溶媒を沈殿ナノ結晶に加えて第3の混合物を形成することによりナノ結晶を再溶解する段階が第1の溶媒と第2の溶媒を沈殿ナノ結晶に加えて第3の混合物を形成することを含む請求項30に記載の方法。
  36. 第3の混合物の極性を調節する段階が第2の溶媒を第3の混合物に添加することを含む請求項30に記載の方法。
  37. 第1の溶媒が第2の溶媒よりも低極性である請求項30に記載の方法。
  38. 第1の溶媒がクロロホルム、トルエン、アルカン、ヘキサン、及びベンゼンから構成される群から選択される請求項37に記載の方法。
  39. 第2の溶媒がアルコール、メタノール、エタノール、炭素原子数少なくとも2のアルコール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸塩、酢酸エチル、ケトン、及びアセトンから構成される群から選択される請求項37に記載の方法。
  40. ナノ構造が可溶性である第1の溶媒とナノ構造が不溶性である第2の溶媒を含む溶媒混合物をナノ構造に添加する段階と;
    ナノ構造を溶媒混合物から沈殿させるために十分な付加量の第2の溶媒を加えることによりナノ構造を沈殿させる段階と;
    ナノ構造を溶媒混合物から分離する段階を含むナノ結晶の処理方法。
  41. 添加、沈殿及び分離段階を2回以上繰り返す請求項40に記載の方法。
  42. ナノ構造を分析し、界面活性剤存在量を測定する段階を含む請求項40に記載の方法。
  43. 第1の溶媒がトルエン又はクロロホルムを含む請求項40に記載の方法。
  44. 第2の溶媒がイソプロパノール、炭素原子数3以上のアルコール、酢酸塩、又は酢酸エチルを含む請求項40に記載の方法。
  45. ナノ構造に添加する溶媒混合物が1:1〜10:1の比で第1の溶媒と第2の溶媒を含む請求項40に記載の方法。
  46. ナノ構造に添加する溶媒混合物がイソプロパノール1部当たりトルエン4部を含む請求項40に記載の方法。
  47. ピリジン交換を実施する段階と、溶液中にナノ構造を残したまま有機塩を沈殿させる段階を更に含む請求項40に記載の方法。
  48. a)遊離界面活性剤量とナノ結晶に結合した界面活性剤量を含む総界面活性剤量が会合しているナノ結晶に前記ナノ結晶が可溶性である第1の溶媒と、ナノ結晶が不溶性である第2の溶媒を添加する段階と;
    b)第1の溶媒と第2の溶媒に第1の溶媒とナノ結晶を含む第1の液相と、第2の溶媒を含む第2の液相を形成させる段階と;
    c)第1の液相を第2の液相から分離する段階を含むナノ結晶の処理方法。
  49. 段階a、b及びcを2回以上繰り返す請求項48に記載の方法。
  50. 遊離界面活性剤量が総界面活性剤量の1%未満になるまで段階a、b及びcを繰り返す請求項48に記載の方法。
  51. 少なくとも1回の分離段階後にナノ結晶をチェックし、遊離界面活性剤量を測定する請求項48に記載の方法。
  52. 第1の溶媒が第2の溶媒よりも低極性である請求項48に記載の方法。
  53. 第1の溶媒がトルエンであり、第2の溶媒がメタノールであり、界面活性剤がTOPである請求項48に記載の方法。
  54. 第1の溶媒に溶解したナノ結晶集団を含む組成物であって;
    遊離界面活性剤量とナノ結晶に結合した界面活性剤量を含む総界面活性剤量がナノ結晶に会合しており、遊離界面活性剤量が総界面活性剤量の約1%未満である前記組成物。
  55. 遊離界面活性剤量が総界面活性剤量の約0.5%未満又は約0.1%未満である請求項54に記載の組成物。
  56. 第1の溶媒に溶解したナノ結晶集団を含む組成物であって、ナノ結晶に界面活性剤が結合しており、ナノ結晶に2分子層1層未満の界面活性剤が会合している前記組成物。
  57. ナノ結晶に単分子層約1層以下の界面活性剤が会合している請求項56に記載の組成物。
  58. ナノ結晶集団とこれに結合した界面活性剤を含む組成物であって、界面活性剤が2分子層1層未満からなる前記組成物。
  59. 界面活性剤が単分子層約1層以下からなる請求項58に記載の組成物。
  60. 有機ポリマーマトリックスと;
    有機ポリマーマトリックス内に配置されたナノ結晶集団を含む複合体であって、ナノ結晶に界面活性剤が会合しており、界面活性剤が2分子層1層未満からなる前記複合体。
  61. 2分子層1層未満からなる界面活性剤が会合している第1のナノ結晶集団と;
    第1のナノ結晶集団と異なる組成をもち、第1の集団と共に組成物中に散在している第2のナノ結晶集団を含む組成物。
  62. 散在している第1のナノ結晶集団と第2のナノ結晶集団が有機ポリマーマトリックス内に配置されている請求項61に記載の組成物。
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