JP2013197297A - 電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いた電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】ESRの改善、高容量化を実現した電解コンデンサを得るために、吸液性を改善したセパレータを提供する。
【解決手段】陽極箔と陰極箔との間にセパレータを介在させて巻回したコンデンサ素子に、電解質として導電性高分子微粒子の分散液を含浸・乾燥して電解質を形成する電解コンデンサにおいて、前記セパレータとしてセルロース繊維、再生セルロース繊維、半合成繊維、合成繊維の内、一つもしくは複数の繊維から構成され、繊維の配向性の比(縦方向の引張強さ/横方向の引張強さ)を2.0以下にすることによって導電性高分子の分散液の吸液性を向上させたセパレータを使用する。
【選択図】図3

Description

本発明は電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いた電解コンデンサに関し、例えば、内蔵するセパレータを構成する少なくとも1層の繊維配向性を変更することで電解質の含浸・保持性を改善して生産性を高めると共に電気特性を改善させた電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いた電解コンデンサに関するものである。
巻回型アルミ電解コンデンサは、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間にセパレータを介在させて巻付け形成してコンデンサ素子を製作し、このコンデンサ素子を電解液中に浸漬して電解質を含浸させ、封口して製作していた。
上記電解液としては、通常エチレングリコール(EG)、ジメチルホルムアミド(DMF)又はγ−ブチロラクトン(GBL)等を溶媒とし、これらの溶媒に硼酸やアジピン酸アンモニウム、マレイン酸水素アンモニウム等の溶質を溶解したものを用いてコンデンサ素子の両端から浸透させて製造している。
近年、デジタル化された業務用及び民生用の各種電子機器は、動作周波数の高速化が飛躍的に進み、電子機器全体としての省電力化も強く求められている。そこでこれらの電子機器の構成部品である電解コンデンサにも、動作周波数の高速化及び省電力化のために、インピーダンス特性、特に等価直列抵抗(以下「ESR」と略称する)の低いものが求められている。
この要求に対応するため、近時はポリピロールやポリチオフェン等の導電性を有する導電性高分子を電解質に使用した固体電解コンデンサが開発されている。これは、導電性高分子の比抵抗が電解液よりも小さく、電解コンデンサ自体のESRが良好なものを製作することが可能であるためである。なお、導電性高分子とは、ドーパントを共役系高分子にドープすることによって導電性を有した高分子のことを指している。
従来、このような導電性高分子を電解質に使用した固体電解コンデンサは、主にパーソナルコンピュータ(PC)やデジタル家電などの低電圧回路に使用されている。以下この種の固体コンデンサを低圧用途のコンデンサとよぶ。
近年更なる用途展開として、例えば車載用途等にもESRの低い同様のコンデンサが用いられるようになってきており、車載用途の固体電解コンデンサでは高耐温で50WV以上の高耐電圧のコンデンサが要求されている。ハイブリッドカーや電気自動車等の車両の電化が進む中で、今後も車載用途の電解コンデンサの高耐電圧化がますます進むことが期待される。
この高耐電圧の固体電解コンデンサに適したセパレータとして、合成繊維を主体とするセパレータ及び該セパレータを用いた固体電解コンデンサが提案されている(特許文献1)。
更に、50WV以上といった高耐電圧化に適した導電性高分子電解質を用いた固体コンデンサも各社から提案されている。その中には、電解質として高耐電圧化に適した導電性高分子と電解液を使用する電解コンデンサも提案されている(特許文献2)。以下この種の高耐電圧に適した導電性高分子電解質を使用した固体コンデンサを高圧用途のコンデンサとよぶ。
さらに、セパレータの表面状態を変化させて、電解液の含浸性を改善する技術としては、セパレータの抄紙後の二次加工により、一方面に凸部を非連続して適数形成し、他方面には前記凸部に対応して凹部を形成することにより、抄紙時よりも厚さを実質的に厚くするとともに密度を低くする技術(エンボス加工)が提案されている(特許文献3)。
特許第3319501号公報 特開2009−111174号公報 特開昭61−29118号公報
しかしながら、この低圧用途のコンデンサの特許文献1、高圧用途のコンデンサの特許文献2にそれぞれ記載されている化学繊維系のセパレータを用いたコンデンサにおいては、いずれも十分な導電性高分子の電解質を形成できていないという課題があった。
その原因は、低圧用途のコンデンサはより低ESRを実現するためにドーパントである重合開始剤をモノマーよりも多く添加する必要があり、重合液の粘度が高く十分に含浸・保持できなかったことによるものであった。また、高圧用途では粒子状の導電性高分子を水や有機溶媒といった液体に分散した導電性高分子分散液(以下「分散液」と称す。)を含浸するため、分散媒はセパレータに含浸されるが、分散質である導電性高分子は均一に含浸できていない。これはセパレータがフィルターとして働いたためと考えられる。
また、高圧用途のコンデンサに用いられる電極箔は、これまでの低圧用途で使用されてきた電極箔と異なり、耐電圧を高くする必要があるので、酸化アルミニウム皮膜の厚さも厚く、箔バリも大きい。このような電極箔を用いたコンデンサでは、通常セパレータとして、ショート不良を防ぐため厚さが厚いものや、密度が高いものが選定される。しかし、厚さが厚いセパレータは素子を作成した際ESRが悪化し、密度が高いセパレータは分散液の含浸性が劣るという問題がある。
そこでセパレータのフィルター効果を下げ、分散液の含浸性を改善するために、非フィブリル化繊維を用いたセパレータで構成することも考えられるが、繊維径が大きく密度が低いセパレータでは粗になりすぎてショート不良率の悪化という問題があった。
また、合成繊維を使用するセパレータに特許文献3のエンボス加工を施すと、エンボス箇所がフィルム化してしまい、この部分に導電性高分子を含浸・保持できない課題があった。これはセパレータの凹部はある程度形成されるのに対し、凸部は合成繊維のクッション性のために形成され難く、エンボス箇所の密度が上がるためと考えられる。またセルロースを主体とするセパレータについても同様であり、セパレータの凸部へ導電性高分子を含浸できないという問題があった。
このように重合液や分散液を使用する電解コンデンサの更なる低ESR化や高耐圧化について、その開発が試みられているが、静電容量の改善や100kHz以上の高周波域でのESRの改善を実現するためには、重合液や分散液の含浸性や乾燥後の導電性高分子の保持性に課題があった。
本発明は、上述した従来の導電性高分子を用いる固体電解コンデンサが有している課題を解決することを目的としてなされたものであり、重合液および導電性高分子微粒子の分散液の含浸性を改善させることができるセパレータ及び該セパレータを用いたコンデンサを提供することにある。
この目的を達成する一手段として、例えば以下の構成を備える。即ち、陽極箔と陰極箔との間に配置されるセパレータであって、構成するシート層の少なくとも1層の繊維の配向性の比(セパレータの縦方向の引張強さと横方向の引張強さとの比)が2.0以下であることを特徴とする。
そして例えば、前記シート層の構成材料として合成繊維、半合成繊維、セルロース繊維、再生セルロース繊維のうち少なくとも一つの繊維を含むことを特徴とする。
又例えば、セパレータの密度を0.20g/cm3乃至0.60g/cm3の範囲内とすることを特徴とする。
更に例えば、セパレータの厚さを15μm乃至60μmの範囲内とすることを特徴とする。
又例えば、バインダーとしてポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドの少なくとも一方を含むことを特徴とするセパレータとする。
又は、前記のいずれかに記載されたセパレータを備える固体電解コンデンサであることを特徴とする。
本発明によれば、コンデンサに内蔵するセパレータの重合液および分散液の含浸性を改善し、高分子分散液の含浸を可能とし、ESR、静電容量を向上するとともに生産性を高めた電解コンデンサを提供できる。
本発明に係る一発明の実施の形態例で用いるセパレータの吸液度の測定方法を説明するための図である。 本発明に係る一発明の実施の形態例における密度0.40g/cm3、厚さ50μmの合成繊維セパレータのJ/W比と縦横比との関係を示す図である。 本実施の形態例における合成繊維セパレータの縦横比と吸液度の変化を測定した測定結果を示す図である。 本実施の形態例における縦横比を1.0(J/W比を1.00)に調整した場合と縦横比を2.0(J/W比を0.83)に調整した場合の吸液度測定結果を比較した図である。
以下本発明に係る一発明の実施の形態例を詳細に説明する。本願の発明者らは、重合液や分散液の含浸性を改善するために試行錯誤を重ね、セパレータの製造プロセスを変更することにより重合液や分散液の含浸性が改善することを見いだした。
例えば、セパレータの密度が含浸に優位な0.20g/cm3〜0.60g/cm3の範囲内において、セパレータの配向性の指標である縦横比を2.0以下に制御することにより、セパレータの内部まで重合液や導電性高分子微粒子が容易に浸透し、均一に導電性高分子を含浸・保持できることが判明した。
ここでセパレータの配向性の指標である縦横比とは、JIS C 2300電気用セルロース紙に記載の引張強さ試験でMD方向(セパレータの縦方向といい、抄紙機の進行方向に並行な紙方向に相当する)の引張強さ測定値をCD方向(セパレータの横方向といい、抄紙機の進行方向に直角な紙方向に相当する)の引張強さ測定値で除した値で示される。縦横比はこの値が高いほど繊維がMD方向に配向していることを意味する。
セパレータにおける重合液や導電性高分子微粒子の含浸性を改善することにより、コンデンサに組み込んだ場合、静電容量の改善、特に100kHz以上の高周波域での静電容量の改善やESRの改善を実現した固体コンデンサを提供することが可能となった。
具体的には、セパレータを構成するシート層の少なくとも1層の縦横比を2.0以下に制御することによって、重合液および導電性高分子微粒子の分散液の含浸性を改善させることができる。
以下に説明する本実施の形態例に係る固体コンデンサ(固体電解コンデンサ)は、陽極箔と陰極箔との間にセパレータを介在させ、該セパレータに電解質として高分子分散液を含浸後乾燥させ、導電性高分子層を形成し、封口したものである。
本実施の形態例の固体電解コンデンサに用いるセパレータは、例えば、1層の縦横比を2.0以下に制御することによって、電解質の含浸性や保持性を改善し、該セパレータを用いることによってESRや静電容量の改善をするとともに生産性を高めた電解コンデンサを提供することができるものとしている。
本実施の形態例のセパレータに用いる重合液は、導電性高分子の前駆体に相当し、例えば、モノマー液と酸化剤の2液混合タイプや両者が混合した1液タイプが存在する。モノマーとしては、チオフェン、ピロール、アニリン、フラン、アセチレンやそれらの誘導体を使用することができる。
酸化剤はパラトルエンスルホン酸第二鉄、ナフタレンスルホン酸第二鉄塩、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸第二鉄塩およびドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄塩といったスルホン酸塩もしくはヨウ素酸などを用いることができる。酸化剤を2液混合タイプで用いる場合は、揮発性の溶剤に溶解する。
分散液の構成としては以下のものを用いることができる。分散質として用いる導電性高分子は、ドーパントを共役系高分子にドープすることによって導電性を有し、電解コンデンサの電解質として利用できる高分子のことであり、該特性を有する高分子であれば使用可能である。この種の導電性高分子としては、具体的にポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン又はこれらの誘導体の少なくとも1種を使用することができる。
重合液および分散質に含まれるドーパントは、パラトルエンスルホン酸やポリスチレンスルホン酸をはじめ高分子に導電性をもたらすものであれば任意のものを使用できる。分散液については液体であること以外特に指定は無く水やアルコール類等の有機系溶媒でも良い。
本実施の形態例で用いることができる重合液、分散質としての導電性高分子を分散させた分散液としては、複数のメーカーで製造・販売されているものを用いることができる。例えば、重合液としてはヘレウス株式会社の重合液であるクレビオスC(パラトルエンスルホン酸)、クレビオスM(エチレンジオキシチオフェン)などを使用することができる。
また、分散液としては「クレビオスK Nano GNS−50(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との高分子水分散液)」などを電解質として使用することができる。
再化成の化成液としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジピン酸系の化成液を用いることができる。
本実施の形態例のセパレータとしては、密度0.20〜0.60g/cm3の範囲内で、セパレータを構成する少なくとも1層の配向性が2.0以下のものを採用する。
[縦横比の制御]
配向性の制御方法として、本実施の形態例においては、原料(紙料)ジェット速度とワイヤ速度の比(JET/WIRE比)を調整する。即ち、短網またはフォーマによる抄紙時における紙料液(ジェット)流速J(m/min)と網(ワイヤ)の速度W(m/min)を等速に近づけるように制御する。換言すれば、両者の速度比J/Wを1に近づけて抄紙機の運転操作を行った。
短網抄紙機を用いて、速度比J/W が0.5〜1.0の範囲で合成繊維セパレータを作製した。具体的には網(ワイヤ)の速度を80(m/min)とし、ジェット流速を40〜80(m/min)に設定して抄紙機を運転した。
合成繊維セパレータにおけるJET/WIRE比(J/W比)と配向性の比(縦横比)の関係を図2に示す。図2は密度0.40g/cm3、厚さ50μmの合成繊維セパレータのJ/W比と縦横比との関係を示す図である。図2に示す様に、合成繊維セパレータにおいては、速度比J/Wを1に近づけていくにしたがって縦横比が小さくなる。速度比J/W比が0.9付近での縦横比は1.4であり、この関係曲線により所望の縦横比を得ることが可能となる。
尚、縦横比の制御は以上の例に限定されるものではなく、例えば、ワイヤシェーキング速度の変更など一般的な抄紙技術を用いて縦横比(配向性)の制御を行ってもよい。縦横比の制御方法は特に限定されるものではなく、任意の方法で縦横比を制御することが可能である。
〔縦横比による横方向の吸液度変化〕
合成繊維セパレータの構成材料の配向性を制御してセパレータの重合液や導電性高分子の分散液の吸液性の測定をおこなった。ここでは、縦横比を従来のセパレータの代表的値である6.0から無配向の1.0まで10水準とした、合成繊維セパレータ試料を作製した。
これらの試料に対し、既存の酸化剤(以下Sとする)と、導電性高分子分散液として、固形分濃度2%のPEDOT/PSS高分子錯体の水系分散液(以下Cとする)の2種類の液体を用いて、横方向の吸液度を測定した。
本実施の形態例における横方向の吸液度の測定方法を図1を参照して以下に説明する。図1は本発明に係る一発明の実施の形態例で用いるセパレータの吸液度の測定方法を説明するための図である。
本実施の形態例では、セパレータの吸液度の測定にあたって、実際の製造工程に近い吸液性の測定結果を得るために各種の方法を検証した結果、図1に示す方法で吸液度を測定することとしている。
図1において、10は重合液または分散液、20は円筒の筒、21,22はこのポリエステルフィルム(PETフィルム)、23は測定対象のセパレータである。
図1に示す吸液度の測定方法は、ポリエステルフィルム21,22でセパレータ23を挟み、このポリエステルフィルム21.22で挟み込んだセパレータ23を円筒状の例えばプラスチック製の筒20の外周部に貼着する。そして、外周部にポリエステルフィルム21.22で挟み込んだセパレータ23の貼着された筒20を重合液または分散液10が入った容器(例えばシャーレ)の中に置き、重合液または分散液10がセパレータ23に含浸していく状態を導電性高分子の暗青色部分の上昇状態の確認により測定する方法である。
なお、吸液度の測定時にセパレータ23に確実に重合液または分散液10が含浸するように、筒側のポリエステルフィルム21に比べ外側のポリエステルフィルム22がややずれており、下部のセパレータ表面を露出させて重合液または分散液10が確実に浸透する構造となっている。
図1に示す方法で重合液または分散液10の吸液度を測定することにより、セパレータ23を電解コンデンサに組み込んだ実際の製造工程に近い吸液性の測定結果が得られる。また、吸液度などの測定時間は実際の製造工程の含浸時間より長い10分とする。この時間内に少なくとも目的のコンデンサ高さまで吸液しない場合は、真空含浸や他の含浸方法を用いても素子内に含浸不足な部分が生じて、容量は減少し、ESRは悪化する結果を生じることが確認できる。以下に説明する各セパレータ試料とも同様に図1に示す条件で測定を行っている。
これら試料の縦横比と横方向の吸液度(mm/10min.)の関係を示したのが図3である。
(1)酸化剤と分散液のいずれでも、縦横比が小さくなるにしたがって、横方向の吸液度が向上した。
(2)酸化剤の吸液度は、縦横比(繊維配向性に対応)にかかわらず22(mm/10min.)以上であった。
(3)導電性高分子分散液(C)の吸液度は、縦横比2.0以下となると横方向の吸液度が8(mm/10min.)以上となった。
この結果から、酸化剤と分散液の何れでも縦横比が小さくなるに従って、横方向の吸液度が向上し、縦横比2.0以下で示される程度に配向性がなくなれば、分散液(C)でも横方向の吸液度が目標を満足する事が確認できた。
図3に示すように、縦横比が大きくなると横方向の吸液度が大きく減少する傾向がみられる。即ち、引張強さの縦横比2.0以下ではセパレータの吸液度(CD吸液度)が改善されることが判明した。
このことは繊維の横方向への配列が大きくなったことによって繊維−繊維間の毛細管の作用による吸い上げ上昇を促したためと考えられ、特に縦横比2.0以下で横方向の毛細管現象が発現されたことによると考えられる。
このため、本実施の形態例では縦横比を2.0以下に制御することにより、電解質の含浸性や保持性を改善したセパレータを提供できることが判明した。また固体電解コンデンサのセパレータとして、縦横比を2.0以下に制御した本実施の形態例のセパレータを使用することで、ESRや静電容量を改善し、生産性を高めた固体電解コンデンサが提供できる。
以上の説明は合成繊維セパレータについて行ったが、本実施の形態例のセパレータを構成する繊維としては、合成繊維セパレータに限定されるものではなく、セルロース繊維、再生セルロース繊維、半合成繊維のうち一つもしくは複数の繊維を選ぶことができる。
〔縦横比を1.0とした各種繊維使用セパレータの横方向吸液度〕
試料作製条件は、傾斜短網抄紙機を用いてJ/W比=1.00に調整し、それぞれの合成繊維(繊維径10μm)の配合を80重量%、PVAバインダーを20重量%とし、密度0.40g/cm3、厚さ50μmで製作した。また、天然セルロース繊維を使用したセパレータについては、同じく傾斜短網抄紙機を用いてJ/W比=1.00、天然セルロース80重量%、PVAバインダー20重量%のものと天然セルロース95重量%、PAM(ポリアクリルアミド)5重量%のものを密度0.40g/cm3、厚さ50μmで作製した。
作製した各セパレータの横方向吸液度を測定した。
その結果、アクリル、ポリアミド、レーヨン、天然セルロースについては何れも横方向吸液度は10(mm/10min.)以上であった。
このことから、縦横比を調整すれば、繊維種にかかわらず横方向吸液度の目標を達成することが確認できた。
〔大小繊維径の差の効果〕
次に、繊維径が2種類の合成繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維を使用)を用い、ポリエチレンテレフタレートa50重量%+未延伸ポリエチレンテレフタレートb50重量%のものを密度0.40g/cm3、50μmとして製作して大小繊維径の差の効果を評価した。
縦横比を1.0(J/W比を1.00)に調整した場合の吸液度測定結果を表1に、縦横比を2.0(J/W比を0.83)に調整した場合の吸液度測定結果を表2に示す。
Figure 2013197297
Figure 2013197297
表1及び表2に示す測定結果について縦軸を分散液の横方向吸液度とし、横軸を繊維径差として縦横比を1.0(J/W比を1.00)に調整した場合と縦横比を2.0(J/W比を0.83)に調整した場合のポリエチレンテレフタレート繊維の大小繊維径の差と横方向吸液度の関係を図4に示す。
(1)縦横比2.0→1.0へ小さくする(配向をなくす)ことによる効果は+9(mm/min)であった。
(2)繊維径差をつけることで吸液度の値は高くなる。
この結果、縦横比と繊維径の差、いずれの因子も横方向吸液度への効果があることが確認できた。
表1、表2及び図4に示すように、分散液の横方向吸液度測定の結果、縦横比2.0以下であれば、繊維径差にかかわらず、横方向吸液度は8mm/10min以上で良好であった。繊維径差によらず、縦横比で表す繊維配向の状態が横方向の吸液度を決定する主要要因であることが明らかとなった。
次に、本実施の形態例のセパレータの製作及び該セパレータを用いる固体電解コンデンサの製造工程を説明する。
〔固体電解コンデンサの製造工程〕
(1)セパレータの製作
セパレータを製作する際の抄紙機に制限はなく、例えば円網抄紙機及び長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜短網抄紙機、フォーマ等にて、それぞれ単独でもあるいは複数の組み合わせも可能である。1層から多層で紙層が構成され、その少なくとも1層の原料配向性を縦横比2.0以下に制御できるものであれば使用する抄紙機に制限はなく、シート化したものを一度に製作可能なものであればよい。
セパレータの具体的な構成繊維としては、例えば以下の繊維を用いることができる。合成繊維として、アラミド繊維は帝人テクノプロダクツ株式会社製の「テクノーラ(登録商標)」、ポリエチレンナフタレート繊維は帝人ファイバー株式会社製の「テオネックス(登録商標)」、ポリアリレート繊維は株式会社クラレ製の「べクトラン(登録商標)」、アミド−イミド繊維はKermel社の「ケルメル(登録商標)」、ポリケトン繊維は旭化成せんい株式会社製のサイバロン繊維、半芳香族ポリアミドは株式会社クラレ製の商品名「A590」製品、ポリエチレンテレフタレート繊維は帝人ファイバー株式会社製の繊維、アクリル繊維は汎用品を用いた。ポリビニルアルコールも汎用品を用いた。
天然セルロース繊維はサイザル麻、マニラ麻、エスパルト等を用いることが可能であり汎用のパルプを使用できる。再生セルロース繊維を用いる例としては、ビスコースレーヨン繊維、溶剤紡糸レーヨンの汎用品を用いることが可能である。半合成繊維を用いる例としては、アセテート繊維の汎用品を使用することが可能である。ポリアクリルアミドも汎用品を用いた。
(2)コンデンサ電極の処理
コンデンサ素子の電極となるアルミニウム箔端面には酸化被膜が形成されていないので、温度60℃の1.0質量%アジピン酸アンモニウム水溶液中で化成処理を行い、酸化被膜を形成する。
(3)素子巻き
スリット箔、タブとセパレータとを重ね、素子巻き機で巻いてコンデンサ素子を作成する。
(4)再化成
温度60℃の1.0質量%アジピン酸アンモニウム水溶液中で再化成処理を行う。
(5)熱処理
セルロース主体のセパレータについては270℃1時間の熱処理を行う、しかし、熱処理の時間・温度はこの条件に限るものではない。
(6)固体電解質層の形成
次いで、低圧用途のコンデンサの場合は、クレビオスCとクレビオスMの2液に浸漬させ固体電解質層を形成する。その後60℃で30分、150℃で60分間の加熱重合を行う。
高圧用途のコンデンサの場合は、コンデンサ素子を分散液であるヘレウス株式会社の「クレビオスK Nano GNS−50」に浸漬した後、180℃で30分間乾燥させて固体電解質層を形成する。この乾燥工程は、水分を十分に飛ばせればよく、上記の温度及び時間に限定されるものではない。
なお、分散液は上記の例に限定されるものではなく、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン及びそれらの誘導体の分散質を使用することができる。分散媒は液体であること以外特に指定は無く、水やアルコール類等の有機系溶媒でも良い。
(7)ケース内への封止
電解質の含浸後、ケースに入れ、開口部を封口部材で封止し、封口部材側に面実装用座板を取り付け、エージングをおこなう。低圧用途のコンデンサとしては定格電圧4V、定格静電容量1800μFのチップ型固体電解コンデンサを作製する。高圧用途のコンデンサとしては定格電圧63V、定格静電容量56μFのチップ型固体電解コンデンサを作製する。
以下の実施例及び比較例のセパレータの測定に際しては、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔を所望の寸法を持つスリット状に形成した後、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔のそれぞれにリード棒を取り付けた。そして、各実施例及び各比較例に記載したセパレータを介して巻付け形成してチップ型の10φ×10.5Lに成形し、これを合計1000個製作して性能測定を行った。
各固体電解コンデンサ用セパレータについて、各サンプルにおける繊維要素の含有率(質量%)、厚さ(μm)、密度(g/cm3)、吸液度(mm/10min)及び電解コンデンサとして導電性高分子形成後の素子のエージング後の特性(静電容量、ESR)を測定した結果を示している。
〔セパレータの評価〕
セパレータの厚さ、密度、引張強さは「JIS C 2300 電気用セルロース紙(2010年版)」に規定された方法で測定した。吸液度は図1に示す方法で吸液高さを測定した。
[コンデンサの評価]
短絡試験により各サンプルコンデンサを評価した。
ショート不良率は、両極間のショートによる導通をテスターで確認した。ショート不良率は1000個の素子について検査し、ショート不良率0%を合格とした。
コンデンサのESRは温度20℃、周波数100kHzの条件でLCRメータによってエージング試験前後について測定した。静電容量は20℃、120Hzの周波数でLCRメータによって測定した。
低圧用途のコンデンサはESR特性10mΩ以下、静電容量1800μF以上を合格とした。高圧用途のコンデンサはESR特性30mΩ以下、静電容量56μF以上を合格とした。
(1)縦横比による横方向の吸液度変化を検証した結果を以下に示す。
合成繊維として、繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを用いた場合の測定結果を表3に示す。
Figure 2013197297
〔実施例1〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを傾斜短網でJ/W比1.00に抄紙し、厚さ50.5μm、密度0.401g/cm3、坪量20.3g/m2の縦横比1.0に調整してセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は19mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は40mm/10minであった。縦方向の引張強さが5.4N/15mm、横方向の引張強さが5.4N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量2050μF、100HzでのESRは7.1mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量70μF、100HzでのESRは20mΩであった。
〔実施例2〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを傾斜短網でJ/W比0.88に抄紙し、厚さ49.9μm、密度0.403g/cm3、坪量20.1g/m2の縦横比1.6に調整してセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は11mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は33mm/10minであった。縦方向の引張強さが8.0N/15mm、横方向の引張強さが5.0N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1930μF、100HzでのESRは8.3mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量66μF、100HzでのESRは24mΩであった。
〔実施例3〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを傾斜短網でJ/W比0.83に抄紙し、厚さ51.1μm、密度0.398g/cm3、坪量20.3g/m2の縦横比2.0に調整してセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は9mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は31mm/10minであった。縦方向の引張強さが9.6N/15mm、横方向の引張強さが4.8N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1880μF、100HzでのESRは8.9mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量60μF、100HzでのESRは26mΩであった。
〔比較例1〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを傾斜短網でJ/W比0.72に抄紙し、厚さ49.7μm、密度0.396g/cm3、坪量19.7g/m2の縦横比2.8に調整してセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は5mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は26mm/10minであった。縦方向の引張強さが11.2N/15mm、横方向の引張強さが4.0N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1320μF、100HzでのESRは16.4mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量43μF、100HzでのESRは41mΩであった。
〔従来例1〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを円網で抄紙し、厚さ50.1μm、密度0.404g/cm3、坪量20.2g/m2の縦横比6.0に調整してセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は2mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は22mm/10minであった。縦方向の引張強さが15.6N/15mm、横方向の引張強さが2.6N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1110μF、100HzでのESRは20.2mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量39μF、100HzでのESRは48mΩであった。
以上から明らかなように、合成繊維において縦横比を2.0以下に調整すれば、横方向吸液度が8(mm/10min)以上であり、縦横比を2.0以下に調整すれば横方向吸液度の目標を達成することが確認できた。
(2)傾斜短網またはフォーマによる抄紙で縦横比が1.0となるように制御し、他の仕様を変えた場合の合成繊維セパレータを比較した検証結果を表4を参照して説明する。
Figure 2013197297
(3)セパレータでの抄紙形式の相違の影響を検証する。
〔実施例4〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものをフォーマでJ/W比1.00に抄紙し、厚さ50.5μm、密度0.396g/cm3、坪量20.0g/m2の縦横比1.0に調整してセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は19mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は40mm/10minであった。縦方向の引張強さが5.4N/15mm、横方向の引張強さが5.4N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量2010μF、100HzでのESRは7.2mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量70μF、100HzでのESRは20mΩであった。
〔実施例5〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを第1層を傾斜短網、第2層を円網で第1層のJ/W比1.00に抄紙し、第1層の縦横比を1.0、厚さ49.9μm、密度0.401g/cm3、坪量20.0g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は19mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は40mm/10minであった。縦方向の引張強さが10.1N/15mm、横方向の引張強さが3.2N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量2060μF、100HzでのESRは7.1mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量70μF、100HzでのESRは20mΩであった。
〔実施例6〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、第2層の縦横比1.0、厚さ50.5μm、密度0.396g/cm3、坪量20.0g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は19mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は40mm/10minであった。縦方向の引張強さが12.4N/15mm、横方向の引張強さが3.0N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量2050μF、100HzでのESRは7.1mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量70μF、100HzでのESRは20mΩであった。
(4)セパレータでの厚さ、密度の相違の影響を検証する。
〔実施例7〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、第2層の縦横比を1.0、厚さ15.0μm、密度0.202g/cm3、坪量3.0g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は19mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は41mm/10minであった。縦方向の引張強さが3.3N/15mm、横方向の引張強さが0.8N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量2090μF、100HzでのESRは7.0mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量70μF、100HzでのESRは20mΩであった。
〔実施例8〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、厚さ60.3μm、密度0.602g/cm3、坪量36.3g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は18mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は38mm/10minであった。縦方向の引張強さが22.6N/15mm、横方向の引張強さが5.5N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1950μF、100HzでのESRは7.6mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量69μF、100HzでのESRは24mΩであった。
〔比較例2〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、厚さ10.4μm、密度0.606g/cm3、坪量6.3g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は18mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は36mm/10minであった。縦方向の引張強さが6.4N/15mm、横方向の引張強さが1.6N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1900μF、100HzでのESRは7.2mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量69μF、100HzでのESRは21mΩであった。
低圧用途のコンデンサで素子巻き時のショート不良率は2.1%、含浸再化成後の初期ショート不良率は1.0%、エージング後のショート不良率は2.0%発生した。高圧用途のコンデンサで素子巻き時のショート不良率は3.1%、含浸再化成後の初期ショート不良率が1.1%、エージング後のショート不良率が2.1%発生した。
〔比較例3〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、厚さ65.4μm、密度0.204g/cm3、坪量13.3g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は19mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は41mm/10minであった。縦方向の引張強さが10.0N/15mm、横方向の引張強さが2.4N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量2070μF、100HzでのESRは11.2mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量70μF、100HzでのESRは33mΩであった。セパレータ厚さを確保するとショート不良は発生しなかった。
〔比較例4〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、厚さ60.0μm、密度0.153g/cm3、坪量9.2g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は19mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は41mm/10minであった。縦方向の引張強さが7.8N/15mm、横方向の引張強さが1.9N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量2100μF、100HzでのESRは7.1mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量70μF、100HzでのESRは20mΩであった。低圧用途のコンデンサで素子巻き時のショート不良率は1.8%、含浸再化成後の初期ショート不良率は1.1%、エージング後のショート不良率は1.5%発生した。高圧用途のコンデンサで素子巻き時のショート不良率は2.2%、含浸再化成後の初期ショート不良率が1.5%、エージング後のショート不良率が1.6%発生した。
〔比較例5〕
繊維径13μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維35重量%、繊維径11μmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維65重量%のものを第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、厚さ15.2μm、密度0.652g/cm3、坪量9.9g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は6mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は27mm/10minであった。縦方向の引張強さが9.9N/15mm、横方向の引張強さが2.4N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1580μF、100HzでのESRは12.4mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量46μF、100HzでのESRは38mΩであった。
以上のように、セパレータの厚さが15μm乃至60μmの範囲では特性に大きな相違点は見られなかったが、15μm以下ではコンデンサのショート不良が発生した。更に、セパレータの厚さが60μmを超えると(65μm)、100HzでのESRが30mΩを超えてしまうことが確認できた。
密度が0.6g/cm3を超えると横方向の分散液吸液度が6mm/10minと低い結果となり、100HzでのESRは30mΩを超えてしまうことが確認できた。
(7)次に、縦横比を1.0とした各種繊維使用セパレータの横方向吸液度の比較検証結果を表5を参照して説明する。
Figure 2013197297
〔実施例9〕
繊維径7μmのアクリル繊維80重量%、PVAバインダー20重量%のものを、第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、第2層の縦横比1.0、厚さ51.1μm、密度0.410g/cm3、坪量21.0g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は17mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は37mm/10minであった。縦方向の引張強さが16.2N/15mm、横方向の引張強さが4.0N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1930μF、100HzでのESRは8.2mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量63μF、100HzでのESRは22mΩであった。
〔実施例10〕
繊維径8μmのアラミド繊維80重量%、PVAバインダー20重量%のものを、第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、第2層の縦横比1.0、厚さ50.8μm、密度0.399g/cm3、坪量20.3g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は17mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は37mm/10minであった。縦方向の引張強さが12.2N/15mm、横方向の引張強さが3.0N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1940μF、100HzでのESRは8.1mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量63μF、100HzでのESRは22mΩであった。
〔実施例11〕
繊維径10μmのアセテートレーヨン繊維80重量%、PVAバインダー20重量%のものを、第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、厚さ50.2μm、密度0.401g/cm3、坪量20.1g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は16mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は36mm/10minであった。縦方向の引張強さが14.8N/15mm、横方向の引張強さが3.6N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1900μF、100HzでのESRは8.6mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量63μF、100HzでのESRは23mΩであった。
〔実施例12〕
サイザル麻パルプ80重量%、PVAバインダー20重量%のものを、第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、厚さ50.5μm、密度0.404g/cm3、坪量20.4g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は14mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は34mm/10minであった。縦方向の引張強さが20.2N/15mm、横方向の引張強さが4.9N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1880μF、100HzでのESRは9.0mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量61μF、100HzでのESRは24mΩであった。
〔実施例13〕
サイザル麻パルプ95重量%、PAM5重量%のものを、第1層を円網、第2層を傾斜短網、第3層を円網で第2層のJ/W比1.00に抄紙し、厚さ49.9μm、密度0.402g/cm3、坪量20.1g/m2のセパレータとした。
その結果、横方向の分散液吸液度は14mm/10minであり、横方向の重合液吸液度は34mm/10minであった。縦方向の引張強さが19.8N/15mm、横方向の引張強さが4.8N/15mmであった。低圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量1890μF、100HzでのESRは8.9mΩであった。高圧用途のコンデンサとしてエージング処理後の電気特性は静電容量61μF、100HzでのESRは24mΩであった。
以上の結果、アクリル、アラミドセパレータについては何れも横方向吸液度は17(mm/10min)、アセテートレーヨンセパレータの横方向吸液度は16(mm/10min)であった。また天然セルロースセパレータについても横方向の吸液度は14(mm/10min)であった。いずれのセパレータにもバインダーを使用したが、目的の吸液度を達成した。
以上の結果、少なくとも一層の配向性を制御すれば、繊維種、バインダーにかかわらず横方向吸液度8(mm/10min)以上を達成することが検証できた。
以上から明らかなように、縦横比が2以下であれば、横方向吸液度は8mm/10min以上で良好であり、繊維の種類によらず、縦横比で表す繊維配向の状態が横方向の吸液度を決定する主要要因であることが検証できた。
以上説明したように本実施例によれば、セパレータの縦横比(配向性)を適正範囲内に制御することによって、該セパレータについて導電性高分子の重合液および分散液の含浸性を改善し、ESR、静電容量を改善するとともに生産性を高めた電解コンデンサを提供できる。

Claims (6)

  1. 陽極箔と陰極箔との間に配置されるセパレータであって、
    構成するシート層の少なくとも1層の繊維の配向性の比(縦方向の引張強さと横方向の引張強さとの比)が2.0以下であることを特徴とする電解コンデンサセパレータ。
  2. 前記シート層の構成材料としてセルロース繊維、再生セルロース繊維、半合成繊維、合成繊維のうち少なくとも一つの繊維を含むことを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ用セパレータ。
  3. セパレータの密度を0.20g/cm3乃至0.60g/cm3の範囲内とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサ用セパレータ。
  4. 厚さが15μm乃至60μmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電解コンデンサ用セパレータ。
  5. バインダーとしてポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電解コンデンサ用セパレータ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電解コンデンサ用セパレータを備えることを特徴とする電解コンデンサ。
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