JP2013196905A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】カソードオフガス流路に設けられた水素センサのシリコン等による被毒を抑制する燃料電池システムを提供する。
【解決手段】カソードを有し、カソードにカソードガスが供給されることで発電する燃料電池スタック110と、カソードから排出されたカソードオフガスが通流するカソードオフガス流路と、カソードオフガス流路に設けられ、カソードオフガス中の水素を検出する水素センサ10と、水素センサ10よりも上流のカソードオフガス流路に接続し、水素センサ10に向かうカソードオフガスを希釈するための希釈用ガスを導入する希釈用ガス導入流路と、水素センサ10の被毒を抑制するように、希釈用ガス導入流路からカソードオフガス流路に導入する希釈用ガスの流量を可変する希釈用ガス流量可変手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、カソードオフガス流路に水素センサを備える燃料電池システムに関する。
近年、燃料電池車等の電源として、水素(アノードガス)及び酸素を含む空気(カソードガス)が供給されることで発電する燃料電池が注目されている。ところが、燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスには発電で消費されなかった水素を含むため、例えば、燃料電池のカソードから排出されたカソードオフガスに合流させ、カソードオフガスで水素を良好に希釈した後、車外(外気、外部)に排出される。そして、水素を希釈したカソードオフガスが通流するカソードオフガス流路には水素センサが設けられ、車外に排出される水素濃度が監視される。なお、水素センサは、例えば接触燃焼式で構成される。
ところで、このように通流するカソードオフガスには、大気中から混入するシリコンや、カソードオフガス流路等を構成するために使用されているシール材中のシリコンが含まれている。そして、このシリコンが、水素センサを構成し水素を燃焼させる触媒(Pt等)に付着してしまうと、つまり、シリコン被毒してしまうと、水素の検出感度が低下し、水素センサが劣化してしまう。このように水素センサを被毒する被毒物質は、シリコンの他、硫黄化合物、フッ素化合物が知られている。
そこで、水素センサの近傍においてガスの出入口となる流路を、ラビリンス状(蛇行状)で構成し、ラビリンス状部分にシリコンを除去するシリコン除去材(Pt、Pt化合物等)から形成されたシリコン除去層を設ける技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−329631号公報
ところで、燃料電池は発電に伴ってカソードで水分(水蒸気)を生成するので、カソードオフガスの湿度は、結露水が生成するほど高くなる。そして、前記したシリコン除去層が、高湿のカソードオフガスに曝されてしまうと、シリコン除去層のシリコン除去性能が低下してしまい、水素センサがシリコン被毒してしまう虞がある。
また、カソードオフガスの流速は、モータ等の負荷が燃料電池に要求する負荷要求量に対応して変動する。したがって、例えば、負荷要求量が大きく、カソードオフガスの流速が高い場合、シリコン除去層によるシリコン除去性能が不足し、水素センサがシリコン被毒してしまう虞がある。
そこで、本発明は、カソードオフガス流路に設けられた水素センサのシリコン等の被毒物質による被毒を抑制する燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、カソードを有し、前記カソードにカソードガスが供給されることで発電する燃料電池と、前記カソードから排出されたカソードオフガスが通流するカソードオフガス流路と、前記カソードオフガス流路に設けられ、カソードオフガス中の水素を検出する水素センサと、前記水素センサよりも上流の前記カソードオフガス流路に接続し、前記水素センサに向かうカソードオフガスを希釈するための希釈用ガスを導入する希釈用ガス導入流路と、前記水素センサの被毒を抑制するように、前記希釈用ガス導入流路から前記カソードオフガス流路に導入する希釈用ガスの流量を可変する希釈用ガス流量可変手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システムである。
このような構成によれば、希釈用ガスが、希釈用ガス導入路から水素センサよりも上流のカソードオフガス流路に導入され、カソードオフガスが希釈用ガスで希釈される。これにより、カソードオフガスに含まれるシリコン、硫黄、フッ素等の水素センサを被毒する被毒物質の濃度が低下する。そして、このようにシリコン等の被毒物質の濃度が低下したカソードオフガスが、水素センサに供給されるので、シリコン等の被毒物質による水素センサの被毒が抑制され、水素センサの寿命が長くなる。
また、希釈用ガス流量可変手段が、水素センサの被毒を抑制するように、希釈用ガス導入流路からカソードオフガス流路に導入する希釈用ガスの流量を可変する。すなわち、希釈用ガス流量可変手段が、カソードオフガスに含まれるシリコン等の被毒物質が多く、その濃度が高くなるにつれて、希釈用ガスの流量を増加することにより、カソードオフガス(被毒物質)を希釈し、被毒物質の濃度を低下させ、水素センサの被毒を抑制できる。
さらに、前記したラビリンス状の流路やシリコン除去層が不要となる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記希釈用ガス流量可変手段は、前記燃料電池に供給されるカソードガスの流量が少なくなるにつれて、希釈用ガスの流量を増加することが好ましい。
ここで、カソードガスの流量が少なくなると、カソードオフガスの流量も少なくなり、カソードオフガス中のシリコン等の被毒物質の濃度が高くなってしまい、水素センサが被毒し易くなる。
そこで、このような構成によれば、希釈用ガス流量可変手段が、燃料電池に供給されるカソードガスの流量が少なくなるにつれて、希釈用ガスの流量を増加させるので、カソードオフガス中のシリコン等の被毒物質の濃度を低下し、水素センサの被毒を抑制できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記水素センサを被毒する要因であって、カソードオフガスに含まれる被毒物質の量は、前記燃料電池の累積発電量又はシステムの累積作動時間で異なり、前記希釈用ガス流量可変手段は、前記燃料電池の累積発電量又はシステムの累積作動時間に基づいて、希釈用ガスの流量を可変することが好ましい。
このような構成によれば、希釈用ガス流量可変手段が、燃料電池の累積発電量又はシステムの累積作動時間に基づいて、水素センサの被毒を抑制するように、希釈用ガスの流量を可変できる。
すなわち、事前試験等によって、燃料電池の累積発電量又はシステムの累積作動時間が小さく(短く)なるにつれて、カソードオフガスに含まれるシリコン等の被毒物質の濃度が高くなる傾向である場合、燃料電池の累積発電量又はシステムの累積作動時間が小さく(短く)なるにつれて、希釈用ガス流量可変手段が希釈用ガスの流量を増加する構成とすればよい。
逆に、事前試験等によって、燃料電池の累積発電量又はシステムの累積作動時間が大きく(長く)なるにつれて、カソードオフガスに含まれるシリコン等の被毒物質の濃度が高くなる傾向である場合、燃料電池の累積発電量又はシステムの累積作動時間が大きく(長く)なるにつれて、希釈用ガス流量可変手段が希釈用ガスの流量を増加する構成とすればよい。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記水素センサは、その検知素子に付着した被毒物質を除去可能であるクリーニング可能型で構成され、前記水素センサをクリーニングするクリーニング手段を備え、前記クリーニング手段による前記水素センサのクリーニング中、前記希釈用ガス流量可変手段は、希釈用ガスの流量を増加することが好ましい。
このような構成によれば、クリーニング手段による水素センサのクリーニング中、希釈用ガス流量可変手段が、希釈用ガスの流量を増加する。これにより、シリコン等の被毒物質の濃度が低い状況となるので、被毒物質が検知素子から除去(脱離)され易くなる。
また、前記燃料電池システムにおいて、カソードガスを供給するカソードガス供給手段と、前記カソードガス供給手段から前記カソードに向かうカソードガスが通流するカソードガス流路と、を備え、前記希釈用ガス導入流路の上流端は、前記カソードガス流路に接続されており、カソードガスが前記希釈用ガス導入流路を通って希釈用ガスとして導入されることが好ましい。
ここで、燃料電池は、例えば、後記する実施形態のように単セルが積層してなる燃料電池スタックで構成され、その内部には多量のシリコン材が使用される。
そこで、このような構成によれば、燃料電池を経由しないカソードガスが希釈用ガス導入流路を通って希釈用ガスとして導入される。このように燃料電池の上流のカソードガス流路から、燃料電池に供給される前のカソードガスを希釈用ガスとして導入するので、希釈用ガスにおけるシリコン等の被毒物質の濃度を低くできる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記希釈用ガス導入路の接続点よりも下流の前記カソードガス流路に設けられ、前記カソードに向かうカソードガスを加湿する加湿器を備えることが好ましい。
このような構成によれば、加湿器によってカソードに向かうカソードガスを加湿できる。ここで、加湿器は高湿のガスの漏洩を防止するためや、部品の材料として、その内部には多量のシリコン材が使用される。
そこで、加湿器は希釈用ガス導入路の接続点よりも下流のカソードガス流路に設けられた構成であるので、つまり、希釈用ガス導入路は加湿器よりも上流のカソードガス流路に接続した構成であるので、希釈用ガスにおけるシリコン等の被毒物質の濃度を低くできる。
また、前記燃料電池システムにおいて、カソードガスを供給するカソードガス供給手段と、前記カソードガス供給手段から前記カソードに向かうカソードガスが通流するカソードガス流路と、前記カソードガス供給手段と別であって希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給手段と、を備え、前記希釈用ガス導入流路の上流端は前記希釈用ガス供給手段に接続されていることが好ましい。
このような構成によれば、カソードガス供給手段と別である希釈用ガス供給手段によって、希釈用ガスを導入できる。
本発明によれば、カソードオフガス流路に設けられた水素センサのシリコン等による被毒を抑制する燃料電池システムを提供できる。
本実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池スタックの累積発電量(システム累積作動時間)と、カソードオフガスへのシリコンの混入量との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る水素センサの側断面図である。 本実施形態に係る水素センサの回路図である。 検知素子の温度(℃)と、シリコンの付着量(g)との関係を示すグラフである。 燃料電池スタックの電流値(指令値又は実測値)と、空気(カソードガス)、希釈用ガスの流量と、燃料電池スタックの累積発電量(システム累積作動時間)との関係を示すマップである。 燃料電池スタックの累積発電量(システム累積作動時間)と、希釈用ガス流量の補正係数との関係を示すマップである。 本実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 変形例に係る燃料電池システムの構成図である。 変形例に係る燃料電池システムの構成図である。
本発明の一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
燃料電池システム100は、図示しない燃料電池車に搭載されており、燃料電池スタック110(燃料電池)と、燃料電池スタック110のアノードに対して水素(燃料ガス、アノードガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック110のカソードに対して空気(酸化剤ガス、カソードガス)を給排するカソード系と、水素センサ10、これらを電子制御するECU160(Electronic Control Unit、制御手段)と、を備えている。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック110は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セルが積層して構成されたスタックであり、複数の単セルは直列で接続されている。単セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟む2枚の導電性を有するセパレータと、を備えている。MEAは、1価の陽イオン交換膜等からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソード(電極)と、を備えている。
アノード及びカソードは、カーボンペーパ等の導電性を有する多孔質体と、これに担持され、アノード及びカソードにおける電極反応を生じさせるための触媒(Pt、Ru等)と、を含んでいる。
各セパレータには、各MEAの全面に水素又は空気を供給するための溝や、全単セルに水素又は空気を給排するための貫通孔が形成されており、これら溝及び貫通孔がアノード流路111(燃料ガス流路)、カソード流路112(酸化剤ガス流路)として機能している。
<アノード系>
アノード系は、水素タンク121(燃料ガス供給手段)と、エゼクタ122と、常閉型のパージ弁123と、水素センサ10のクリーニング時に開かれる常閉型のクリーニング弁124と、を備えている。
水素タンク121は、高濃度(高純度)の水素を高圧(例えば30〜70MPa)で貯蔵するタンクである。そして、水素タンク121の水素は、配管121a、エゼクタ122、配管122aを通って、アノード流路111に供給されるようになっている。エゼクタ122は、水素タンク121からの水素によって負圧を発生させると共に、この負圧によって後記する水素を含むアノードオフガスを吸引し、水素を循環させる装置(真空ポンプ)である。
なお、配管121aには、下流に向かって、図示しない常閉型の遮断弁と減圧弁(レギュレータ)とが設けられている。遮断弁は、燃料電池システム100(燃料電池車)の起動中(IG151のON中)、ECU160によって開かれる。また、減圧弁は、水素タンク121からの水素の圧力を適宜に減圧する。
アノード流路111から排出された未反応の水素を含むアノードオフガスは、配管122b(水素循環ライン)を通ってエゼクタ122の吸気口に向かうようになっている。
配管122bは、配管123a、パージ弁123、配管123bを介して、後記する希釈器133に接続されている。そして、パージ弁123が、ECU160によって所定の開弁時間にて開かれると、未反応の水素を含むアノードオフガスが、希釈器133に排出され、燃料電池スタック110の発電性能が回復するようになっている。
なお、ECU160は、例えば、燃料電池スタック110を構成する単セルの電圧のうちの最低の電圧(最低セル電圧)が、所定単セル電圧以下である場合、パージ弁123を開く必要があると判断するように設定されている。また、ECU160は、セル電圧モニタ(図示しない)を介して、複数の単セルの電圧を監視している。
<クリーニング手段>
配管121aは、配管124a、クリーニング弁124、配管124bを介して、配管133aに接続されている。配管124bには水素の流量を絞るためのオリフィス124cが設けられている。そして、水素センサ10をクリーニングする必要があると判定され、ECU160によってクリーニング弁124が開かれると、水素が、配管124a等を通って、水素センサ10に向かうようになっている。この水素は、水素センサ10の後記する検知素子21(図3参照)に接触して燃焼し、燃焼熱を生成する。そして、この燃焼熱と通電による発熱とによって、検知素子21が昇温し、検知素子21からシリコンが脱離する、つまり、水素センサ10がクリーニングされるようになっている(図5参照)。
ここで、水素センサ10をクリーニングするクリーニング手段は、燃焼熱を生成し検知素子21を昇温させる燃焼熱生成手段と、通電による発熱によって検知素子21を昇温させる通電発熱手段と、を備えている。
燃焼熱生成手段は、クリーニング用の水素を供給する手段であって、水素タンク121と、配管124aと、クリーニング弁124と、配管124bと、クリーニング弁124を制御するECU160と、を備えて構成されている。
通電発熱手段は、図4に示すように、検知素子21を含むブリッジ回路Bに電力を供給する電圧発生回路及び外部電源70と、電圧発生回路52を制御する制御回路51(ECU160)と、を備えて構成されている。
<カソード系>
図1に戻って説明を続ける。
カソード系は、コンプレッサ131(カソードガス供給手段)と、加湿器132と、希釈器133と、流量調整弁134と、を備えている。
コンプレッサ131は、ECU160の指令に従って作動すると、酸素を含む空気(外気)を吸気して吐出し、吐出された空気は、配管131a、加湿器132、配管132aを通ってカソード流路112に供給されるようになっている。
したがって、カソードガス供給手段からカソード流路112(カソード)に向かうカソードガスが通流するカソードガス流路は、配管131aと、配管132aとを備えて構成されている。
なお、コンプレッサ131は、カソードオフガスを希釈しこれに含まれるシリコン(被毒物質)を低下させる希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給手段としても機能している。
カソード流路112の出口から下流に向かって、配管132b、加湿器132、配管132c、希釈器133、配管133aが順に接続されている。カソード流路112(カソード)から排出されたカソードオフガスは、配管132b、配管132c、配管133aを通って、車外に排出されるようになっている。なお、発電に伴って燃料電池スタック110のカソードで水分(水蒸気)が生成するので、カソードオフガスの湿度は高い。
したがって、カソードオフガスが通流するカソードオフガス流路は、配管132bと、配管132cと、配管133aとを備えて構成されている。そして、このように構成されるカソードオフガス流路に、水素センサ10が取り付けられている。
ここで、燃料電池スタック110及び加湿器132等を経由して水素センサ10に向かうカソードオフガスには、シリコン材を含むデバイスや、カソード系の流路をシールするシール部材(Oリング、パッキン等)に含まれるシリコン(被毒物質)が混入している。
ここでは、図2に示すように、燃料電池スタック110の累積発電量が大きくなるにつれて(燃料電池システム100の累積作動時間が長くなるにつれて)、カソードオフガスへのシリコン混入量が少なくなる場合を例示する。図2のグラフは、事前試験等において、カソードオフガスの組成を分析することで得られる。
燃料電池スタック110の累積発電量は、燃料電池スタック110の発電電力量(W・h)を累積(加算)したものである。
燃料電池システム100の累積作動時間は、燃料電池システム100の作動時間を累積(加算)したものである。燃料電池システム100の作動時間は、例えば、燃料電池スタック110の発電時間、コンプレッサ131のON時間、IG151のON時間に相当する。
図1に戻って説明を続ける。
加湿器132は、水分透過型の複数の中空糸膜132dを内蔵し、中空糸膜132dを介して、カソード流路112に向かう低湿の空気と高湿のカソードオフガスとを水分交換させることで、カソード流路112に向かう空気を加湿するものである。ただし、その他の種類の加湿器、例えば、バブラーを使用してもよい。
配管132cには、バタフライ弁等で構成された常開型の背圧弁(図示しない)が設けられている。背圧弁は、カソード流路112における空気の圧力を制御するための弁であり、その開度はECU160によって制御される。
希釈器133は、開弁したパージ弁123からのアノードオフガスとカソードオフガスとを混合し、アノードオフガスに含まれる水素を希釈する箱状容器であり、その内部に混合用(希釈用)の希釈空間を有している。そして、希釈後のガス(これもカソードオフガスとここでは称する)は、配管133aを通って車外に排出されるようになっている。
<希釈用ガス導入流路>
配管131aの途中は、配管134a、流量調整弁134、配管134bを介して、配管124bの接続点よりも上流の配管133aに接続されている。ただし、配管134bの接続位置は、その他に例えば、配管124bと水素センサ10との間の配管133a、配管132cでもよい。
そして、コンプレッサ131からの空気の一部は、加湿器132及び燃料電池スタック110をバイパスして、つまり、配管134a、配管134bを通って、希釈用ガスとして、配管133aあるいは配管132c、希釈器133(水素センサ10よりも上流のカソードオフガス流路)に導入されるようになっている。
すなわち、水素センサ10の上流のカソードオフガス流路(配管133a)に接続し、水素センサ10に向かうカソードオフガス中のシリコン(シリコン化合物、被毒物質)等を希釈するための希釈用ガスを導入する希釈用ガス導入流路は、配管134aと配管134bとを備えて構成されている。そして、この希釈用ガス導入流路に、流量調整弁134(希釈用ガス流量可変手段)が設けられている。
このように、加湿器132及び燃料電池スタック110の上流の配管131aから空気(カソードガス)の一部を分岐させ、希釈用ガスとするので、希釈用ガスにおけるシリコンの濃度を低くできる。
流量調整弁134は、配管133a(カソードオフガス流路)に導入される希釈用ガスの流量を可変する弁であって、例えば、バタフライ弁、ニードル弁で構成される。流量調整弁134の開度は、ECU160によって適宜に制御される。
すなわち、希釈用ガス導入流路からカソードオフガス流路に導入する希釈用ガスの流量を可変する希釈用ガス流量可変手段は、流量調整弁134と、流量調整弁134の開度を制御するECU160と、を備えて構成されている。
<水素センサ>
次に、図3〜図5を参照して、水素センサ10について具体的に説明する。
水素センサ10は、配管133aを通流するカソードオフガス中の水素濃度を検出するセンサであって、ここでは接触燃焼式で構成されている。ただし、検出方式はこれに限定されず、例えば半導体方式であってもよい。
また、水素センサ10は、クリーニング可能型、つまり、その検知素子21に付着し検出感度を低下させるシリコン(被毒物質)を、脱離(除去)し、感度回復可能型で構成されている。
水素センサ10は、ブリッジ回路Bと、制御回路51と、電圧発生回路52と、を備えている。ブリッジ回路Bの一部、制御回路51、及び、電圧発生回路52は、後記する基板61上に形成された回路パターン及びこれに設けられた電子部品によって構成されている。
また、水素センサ10は、基板61と、基板61を収容する薄箱状のケース62と、ケース62の底壁部から鉛直下向きに延びるように形成された有底円筒状のハウジング63と、を備えている。
ケース62は、配管133aの天壁部にボルト(図示しない)によって取り付けられている。
ハウジング63は、配管133aの天壁部に形成された貫通孔に差し込まれている。そして、ハウジング63の底壁部に形成されたガス出入口63aを介して、水素を含むガスが、配管133aと、ハウジング63内のガス検出室63bとの間で、出入するようになっている。
ガス出入口63aに蓋をするように、撥水フィルタ64及び防爆フィルタ65が設けられている。撥水フィルタ64は、ガス(水素)の通過を許容するが、液体(水滴)の通過を許容しないフィルタであり、例えば、テトラフルオロエチレン膜から構成される。防爆フィルタ65は、防爆性を確保するためのフィルタであり、例えば、金属製のメッシュや多孔質体から構成される。この他、活性炭等を有しシリコンを吸着する吸着フィルタや、ガス検出室63bの結露水を気化し除去するためのヒータを備える構成としてもよい。
<水素センサ−ブリッジ回路>
ブリッジ回路Bは、第1辺20と、第2辺30と、を備えており、第1辺20と第2辺30とは、電圧発生回路52に対して並列で接続されている。
第1辺20は、検知素子21と補償素子22(温度補償素子)とを備え、検知素子21と補償素子22とが直列に接続されることで構成されている。
検知素子21は、基板61から鉛直下方に延びると共に第1辺20の一部を構成する金属製のステー21a、21aに固定され、ガス検出室63bに配置されており、ガス検出室63bに露出している。これと同様に、補償素子22は、ステー22a、22aに固定され、ガス検出室63bに配置されており、ガス検出室63bに露出している。
したがって、検知素子21の抵抗値R21、補償素子22の抵抗値R22は、ガス検出室63bの温度(環境温度、雰囲気温度)に基づいて変化することになる。
検知素子21は、水素を触媒燃焼させる白金(Pt)や白金合金等の触媒金属から形成されており、白金(Pt)等の担持された触媒担体(触媒層)をその周面に備えていない。検知素子21は、この触媒金属から成る線材を、コイル状に成形することで構成され、その表面は平滑な金属表面である。そして、検知素子21の表面は触媒金属表面を構成し、この平滑な触媒金属表面(検知素子21の表面)に水素が直接接触するようになっている。なお、検知素子21がコイル状であることにより、水素の燃焼熱が放熱し難くなり、検知素子21の温度が容易に上昇するようになっている。また、触媒金属としては、白金(Pt)の他に、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)や、これらの合金も使用できる。
このように検知素子21は、触媒活性を有しており、検知素子21自体に直接接触する水素と酸素とを触媒燃焼反応(酸化還元反応)させるようになっている。そして、水素が触媒燃焼反応すると、その燃焼熱によって検知素子21の温度が、上昇するようになっている。
したがって、検知素子21の温度、抵抗値R21は、ガス検出室63bの温度と水素の燃焼熱とに基づいて、変化することになる。
補償素子22は、触媒金属から成る線材をコイル状に成形したものの表面を、水素に対して不活性である不活性層でコーティングしたものである。不活性層は、アルミナ(Al)やシリカ(SiO)等の非金属や、金(Au)等の水素と反応しない金属から形成される。これにより、補償素子22に水素が接触しても、水素は触媒燃焼反応せず、燃焼熱は生成しない。
したがって、補償素子22の温度、抵抗値R22は、ガス検出室63bの温度(環境温度、雰囲気温度)のみに基づいて変化することになる。
第2辺30は、第1抵抗素子31(抵抗値R31)と第2抵抗素子32(抵抗値R32)とを備え、第1抵抗素子31と第2抵抗素子32とが直列に接続されることで構成されている。第1抵抗素子31及び第2抵抗素子32は、基板61上に設けられている。なお、第1抵抗素子31の抵抗値R21、第2抵抗素子32の抵抗値R22は、既知であり、固定値である。
第1辺20の両端と、第2辺30の両端とは、それぞれ接続されて、入力端子J1、入力端子J2を構成している。入力端子J1、入力端子J2は、電圧発生回路52に接続されており、電圧発生回路52で発生した電圧VINが入力端子J1、J2(ブリッジ回路B)に印加するようになっている。そして、このように電圧発生回路52で発生した電圧VINが印加すると、検知素子21に通電し、検知素子21の温度が上昇するようになっている。
第1辺20において、検知素子21と補償素子22との間の第1中間点は、出力端子J3を構成し、第2辺30において、第1抵抗素子31と第2抵抗素子32との間の第2中間点は出力端子J4を構成している。出力端子J3、出力端子J4は、制御回路51に接続されており、ブリッジ回路Bの電圧VOUT(出力)が、出力端子J3、J4を介して、制御回路51に出力されるようになっている。
そして、水素が検知素子21に接触し、水素の燃焼熱によって、検知素子21の抵抗値R21(変化値)が変化し、検知素子21の抵抗値R21が補償素子22の抵抗値R22よりも大きくなると、出力端子J3の電位が出力端子J4の電位よりも高くなり、水素濃度に対応した電圧VOUTが制御回路51に出力され、水素濃度が検知されるようになっている。
なお、水素が検知素子21に接触しておらず、水素の燃焼熱が生成していない場合、検知素子21の抵抗値R21と補償素子22の抵抗値R22とは等しく、そして、出力端子J3の電位と出力端子J4の電位とは等しくなり、電圧VOUTは0となる。
<水素センサ−制御回路等>
制御回路51は、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路等を含んで構成されている。そして、制御回路51は、ECU160からの指令と、その内部に記憶されたプログラムに従って、水素センサ10を適宜に制御するようになっている。
すなわち、制御回路51は、ECU160からの指令に従って、電圧発生回路52を作動させ、そして、ブリッジ回路Bからの電圧VOUTに基づいて水素濃度を算出し、水素濃度に対応した信号をECU160に出力するようになっている。
ただし、この構成に限定されず、その他に例えば、ECU160が電圧発生回路52を直接制御し、ブリッジ回路Bの電圧VOUTがECU160に直接出力される構成でもよい。
電圧発生回路52は、DC−DCコンバータ等を備えて構成され、外部電源70(例えば12Vバッテリ)と接続されている。そして、電圧発生回路52は、制御回路51からの指令に従って作動し、ブリッジ回路Bに所定電圧を印加するようになっている。
<水素センサ−シリコンの付着量>
ここで、本願発明者等は、図5に示すように、シリコンの雰囲気下において、白金等の触媒金属から形成された検知素子21の温度が高くなるにつれて、検知素子21へのシリコンの付着量(シリコン被毒量(g))が増加するものの、所定の脱離温度範囲では、シリコンの付着量が減少するという知見を得ている。
これは、脱離温度範囲では、検知素子21に付着しているシリコンが、検知素子21から脱離しているためと考えられる。すなわち、脱離温度範囲では、シリコンの付着速度に対して、脱離速度が小さいながらも略同オーダー程度になっており、そして、最適脱離温度において脱離速度は付着速度に略等しくなり、最適脱離温度を越えると再び脱離速度よりも付着速度が大きくなる、という知見を得ている。
また、脱離温度範囲では、検知素子21の温度が高くなるにつれて、シリコンの付着量(g)が減少し、最適脱離温度で付着量が最小になるという傾向を得た。すなわち、水素センサ10の水素の検出感度を回復させるには、検知素子21を、脱離温度範囲、好ましくは前記最適脱離温度を含む最適脱離温度範囲(例えば、「最適脱離温度−10℃」〜「最適脱離温度」の範囲)に昇温させる、という知見を得ている。
このような知見に基づいて、本実施形態では、水素センサ10のクリーニング時に検知素子21を最適脱離温度範囲に昇温させるために、検知素子21への通電による発熱と、検知素子21への水素の接触燃焼による燃焼熱と、を利用している。
<電力消費系>
図1に戻って説明を続ける。
電力消費系は、モータ141と、電力制御器142と、出力検出器143と、を備えている。モータ141は、電力制御器142、出力検出器143を介して、燃料電池スタック110の出力端子(図示しない)に接続されている。
モータ141は、燃料電池車を走行させるための駆動力を発生する電動機である。なお、モータ141と電力制御器142との間には、図示しないPDU(Power Drive Unit)が設けられている。PDUは、ECU160の指令に従って、電力制御器142からの直流電力を三相交流電力に変換し、モータ141に供給するインバータである。
電力制御器142は、ECU160の指令に従って、燃料電池スタック110の出力(発電電力、電流値、電圧値)を制御する機能を備えている。このような電力制御器142は、DC−DCチョッパ回路等の各種電子回路を備えて構成される。
出力検出器143は、燃料電池スタック110の出力(電流値、電圧値)を検出する機器であり、電流センサ、電圧センサを備えている。そして、出力検出器143は、検出した出力(電流値、電圧値)を、ECU160に出力するようになっている。
<その他機器>
IG151は、燃料電池システム100(燃料電池車)の起動スイッチであり、運転席周りに設けられている。また、IG151はECU160と接続されており、ECU160はIG151のON信号(システム起動信号)、OFF信号(システム停止信号)を検知するようになっている。
アクセル開度センサ152は、アクセルペダル(図示しない)の踏み込み量であるアクセル開度を検出するセンサである。そして、アクセル開度センサ152は、アクセル開度をECU160に出力するようになっている。
<ECU>
ECU160は、燃料電池システム100を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を制御し、各種処理を実行するようになっている。
<ECU−空気の流量算出・制御機能>
ECU160は、カソード流路112に供給するべき空気(カソードガス)の目標空気流量を算出し、これに従ってコンプレッサ131の回転速度を制御する機能を備えている。具体的内容は後で説明する。
<ECU−希釈用ガスの流量算出・制御機能>
ECU160は、カソードオフガスに導入(合流)するべき希釈用ガス(燃料電池スタック110等をバイパスするカソードガス)の目標希釈用ガス流量を算出し、これに従って流量調整弁134の開度を制御する機能を備えている。具体的内容は後で説明する。
≪燃料電池システムの動作・効果≫
次に、図8を参照して、燃料電池システム100の動作・効果を説明する。
なお、燃料電池システム100は作動(運転)状態、つまり、IG151はON状態であり、燃料電池スタック110に水素及び空気が供給され、燃料電池スタック110は発電している。
ステップS101において、ECU160は、カソード流路112を通流させる空気(カソードガス)の目標空気流量を算出する。
具体的には、ECU160は、アクセル開度センサ152から入力されたアクセル開度に基づいて、燃料電池スタック110で出力すべき目標電流値(電力制御器142に指令する指令電流値、FC電流値)を算出する。なお、アクセル開度が大きくなると、目標電流値が大きくなる関係となっている。また、目標電流値(指令電流値)が入力された電力制御器142は、これに従って燃料電池スタック110を発電させる。
次いで、ECU160は、目標電流値と図6のマップとに基づいて、目標空気流量を算出する。図6に示すように、目標電流値が大きくなるにつれて、目標空気流量が大きくなる関係となっている。図6のマップは、事前試験等により求められ、ECU160に予め記憶されている。
ステップS102において、ECU160は、ステップS101で算出した目標空気流量となるように、コンプレッサ131の回転速度を制御する。なお、目標空気流量が大きくなると、コンプレッサ131の回転速度が高くなる関係となっている。
ステップS103において、ECU160は、配管134a等を介してカソードオフガスに導入するべき目標希釈用ガス流量を算出する。
具体的には、ECU160は、ステップS101で算出した目標電流値と、図6のマップとに基づいて、目標希釈用ガス流量を算出する。図6に示すように、目標電流値が大きくなるにつれて、目標希釈用ガス流量が小さくなる関係となっている。
ここで、目標電流値が小さくなるにつれて、カソード流路112に供給される空気(カソードガス)の目標空気流量が小さくなる関係であるから、目標空気流量が小さくなるにつれて、目標希釈用ガス流量が大きくなる関係となる(図6参照)。そして、カソード流路112の前後(上流、下流)における空気の流量、カソードオフガスの流量は略等しく、カソードオフガスの流量が小さくなると、カソードオフガスにおけるシリコンの濃度が高くなる関係となる。
したがって、目標電流値が小さくなるにつれて(目標空気流量が小さくなるにつれて)、目標希釈用ガス流量を大きくすることにより、シリコンを希釈用ガスで良好に希釈し、シリコンの濃度を、水素センサ10がシリコン被毒し難い程度の濃度に低下できる。
ステップS104において、ECU160は、ステップS103で算出した目標希釈用ガス流量を、燃料電池スタック110の累積発電量で補正(可変)する。
具体的には、ECU160は、燃料電池スタック110の累積発電量が小さくなるにつれて、希釈用ガス流量が大きくなるように補正する関係となっている。これにより、燃料電池スタック110の累積発電量が小さくなるにつれて多くなるシリコン(図2参照)を良好に希釈でき、シリコンの濃度を低下できる。
なお、ECU160は、出力検出器143から入力される燃料電池スタック110の電流値及び電圧値と、内蔵するクロックとに基づいて、燃料電池スタック110の累積発電量を算出し、その内部に記憶している。この場合において、メンテナンス等によって燃料電池スタック110が交換された場合、燃料電池スタック110の累積発電量をリセットすることが好ましい。後記するシステム累積作動時間についても同様である。
その他、ステップS104において、ECU160は、ステップS103で算出した目標希釈用ガス流量を、システム累積作動時間(IG151の累積ON時間)で補正(可変)する構成としてもよい。この場合、ECU160は、システム累積作動時間が短くなるにつれて、希釈用ガス流量が大きくなるように補正される関係となっている。これにより、システム累積作動時間が短くなるにつれて多くなるシリコン(図2参照)を良好に希釈でき、シリコンの濃度を低下できる。
また、図7に示すように、燃料電池スタック110の累積発電量(システム累積作動時間)に基づいて、希釈用ガス流量の補正係数を算出し、ステップS103で算出した目標希釈用ガス流量と算出した補正係数とを乗算する構成としてもよい。希釈用ガス流量の補正係数は、燃料電池スタック110の累積発電量(システム累積作動時間)が小さく(短く)なるにつれて、希釈用ガス流量が大きくなるように、大きくなっている。
ステップS105において、ECU160は、水素センサ10のクリーニングが必要であるか否か判定する。具体的には、現在、検知素子21に付着するシリコンの付着量が、感度を回復させるためクリーニングするべきと判断される所定付着量以上である場合、クリーニングする必要があると判定される。
ここで、検知素子21に付着するシリコンの付着量は、水素センサ10の使用時間、燃料電池システム100の作動時間(IG151のON時間)、等と比例関係であるから、例えば、前回のクリーニングから現在までの水素センサ10の累積使用時間や燃料電池システム100の累積作動時間が所定時間以上である場合、クリーニングする必要があると判定される。
クリーニングする必要があると判定した場合(S105・Yes)、ECU160の処理はステップS106に進む。一方、クリーニングする必要がないと判定した場合(S105・No)、ECU160の処理はステップS106に進む。
ステップS106において、ECU160は、水素センサ10のクリーニングに対応して目標希釈用ガス流量を増加させる。例えば、目標希釈用ガス流量を最大流量とする。
ステップS107において、ECU160は、ステップS104で算出された補正後の目標希釈用ガス流量、又は、ステップS106で算出された増加後の目標希釈用ガス流量となるように、流量調整弁134の開度を制御する。これにより、シリコンの量に対応した流量の希釈用ガスがカソードオフガスに導入される。そして、希釈用ガスによってカソードオフガス中のシリコンが希釈され、シリコンの濃度が低下する。したがって、水素センサ10のシリコン被毒を抑制できる。
なお、流量調整弁134の開度が大きくなるにつれて、配管134aに分岐する空気(希釈用ガス)の流量が増加するので、燃料電池スタック110における空気不足を防止するために、コンプレッサ131の回転速度を高めることが好ましい。
また、ステップS106を経由している場合、ステップS107において、ECU160は、水素センサ10のクリーニング処理を実行する。
具体的には、ECU160は、制御回路51にクリーニング指令を出力する。そして、制御回路51は、外部電源70からの電力を、クリーニングに対応した電圧に変換したうえでブリッジ回路Bに供給する。そうすると、検知素子21及び補償素子22は、通電により昇温する。
これに並行して、ECU160は、クリーニング弁124を所定時間にて開弁し、クリーニング用の水素を、配管133aを通流するカソードオフガスに導入する。導入された水素は、水素センサ10の検知素子21に接触して燃焼し、水素の燃焼熱によって検知素子21は昇温する。
このようにして検知素子21は、通電発熱及び水素の燃焼熱によって昇温し、検知素子21の温度は図5に示す脱離温度範囲(好ましくは最適脱離温度範囲)となる。そうすると、検知素子21に付着していたシリコンが、検知素子21から脱離し、検知素子21(水素センサ10)の感度が回復する。
このような水素センサ10のクリーニング中、希釈用ガスの流量は、ステップS106を経由したことでクリーニング用に増加している。これにより、カソードオフガスにおけるシリコンの濃度が大幅に低下しているので、検知素子21からシリコンが脱離し易くなっている。したがって、シリコンを検知素子21から良好に脱離させ、水素センサ10を早期にクリーニングできる。
その後、ECU160の処理はリターンを通ってスタートに戻る。
≪変形例≫
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更してもよい。
例えば、図9に示すように、配管134a(希釈用ガス導入流路)の上流端が、加湿器132とカソード流路112との間の配管132a(カソードガス流路)に接続された構成としてもよい。
例えば、図10に示すように、コンプレッサ131(カソードガス供給手段)と別であるコンプレッサ135(希釈用ガス供給手段)を備え、配管134a(希釈用ガス導入流路)の上流端が、コンプレッサ135の吐出口に接続された構成としてもよい。このような構成によれば、空気(カソードガス)の一部を分岐しないので、燃料電池スタック110において空気不足とならない。また、コンプレッサ135(希釈用ガス流量可変手段)の回転速度を可変することで、希釈用ガスの流量を可変することもできる。
前記した実施形態では、水素センサ10の検知素子21が白金等の触媒金属製のコイルである構成を例示したが、その他に例えば、通常の金属製(銅合金製等)の線材に球状を呈するアルミナ等製の担体が設けられ、この担体に白金等の触媒が担持して構成された検出素子でもよい。
前記した実施形態では、検知素子21の温度を、通電による発熱と水素の燃焼熱とで昇温させる構成を例示したが、その他に例えば、通電による発熱のみで昇温させる構成、専用のヒータ等によって昇温させる構成としてもよい。
前記した実施形態では、図2に示すように、燃料電池スタック110の累積発電量が大きくなるにつれて(燃料電池システム100の累積作動時間が長くなるにつれて)、カソードオフガス中のシリコン量が少なくなる場合を例示したが、これとは逆に、燃料電池スタック110の累積発電量が大きくなるにつれて(燃料電池システム100の累積作動時間が長くなるにつれて)、カソードオフガス中のシリコン量が多くなる場合もある。
この場合、図8のステップS103において、燃料電池スタック110の累積発電量が大きくなるにつれて(燃料電池システム100の累積作動時間が長くなるにつれて)、目標希釈用ガス流量が増加するように補正すればよい。
前記した実施形態では、燃料電池車に搭載された燃料電池システム100を例示したが、適用箇所はこれに限定されず、例えば、定置型の燃料電池システムに組み込まれた構成でもよい。
10 水素センサ
21 検知素子
51 制御回路(クリーニング手段)
52 電圧発生回路(クリーニング手段)
70 外部電源(クリーニング手段)
100 燃料電池システム
110 燃料電池スタック(燃料電池)
111 アノード流路
112 カソード流路
121 水素タンク(クリーニング手段)
124 クリーニング弁(クリーニング手段)
124a、124b 配管(クリーニング手段)
131 コンプレッサ(カソードガス供給手段、希釈用ガス供給手段)
131a、132a 配管(カソードガス流路)
132 加湿器
132b、132c、133a 配管(カソードオフガス流路)
134 流量調整弁(希釈用ガス流量可変手段)
134a、134b 配管(希釈用ガス導入流路)
135 コンプレッサ(希釈用ガス供給手段)
160 ECU(希釈用ガス流量可変手段、クリーニング手段)

Claims (7)

  1. カソードを有し、前記カソードにカソードガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    前記カソードから排出されたカソードオフガスが通流するカソードオフガス流路と、
    前記カソードオフガス流路に設けられ、カソードオフガス中の水素を検出する水素センサと、
    前記水素センサよりも上流の前記カソードオフガス流路に接続し、前記水素センサに向かうカソードオフガスを希釈するための希釈用ガスを導入する希釈用ガス導入流路と、
    前記水素センサの被毒を抑制するように、前記希釈用ガス導入流路から前記カソードオフガス流路に導入する希釈用ガスの流量を可変する希釈用ガス流量可変手段と、
    を備える
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記希釈用ガス流量可変手段は、前記燃料電池に供給されるカソードガスの流量が少なくなるにつれて、希釈用ガスの流量を増加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水素センサを被毒する要因であって、カソードオフガスに含まれる被毒物質の量は、前記燃料電池の累積発電量又はシステムの累積作動時間で異なり、
    前記希釈用ガス流量可変手段は、前記燃料電池の累積発電量又はシステムの累積作動時間に基づいて、希釈用ガスの流量を可変する
    ことを特徴とする請求項1又に請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記水素センサは、その検知素子に付着した被毒物質を除去可能であるクリーニング可能型で構成され、
    前記水素センサをクリーニングするクリーニング手段を備え、
    前記クリーニング手段による前記水素センサのクリーニング中、前記希釈用ガス流量可変手段は、希釈用ガスの流量を増加する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. カソードガスを供給するカソードガス供給手段と、
    前記カソードガス供給手段から前記カソードに向かうカソードガスが通流するカソードガス流路と、
    を備え、
    前記希釈用ガス導入流路の上流端は、前記カソードガス流路に接続されており、
    カソードガスが前記希釈用ガス導入流路を通って希釈用ガスとして導入される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記希釈用ガス導入路の接続点よりも下流の前記カソードガス流路に設けられ、前記カソードに向かうカソードガスを加湿する加湿器を備える
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. カソードガスを供給するカソードガス供給手段と、
    前記カソードガス供給手段から前記カソードに向かうカソードガスが通流するカソードガス流路と、
    前記カソードガス供給手段と別であって希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給手段と、
    を備え、
    前記希釈用ガス導入流路の上流端は前記希釈用ガス供給手段に接続されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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