JP4594802B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
したがって、例えば気体取込部が撥水フィルタを備えて構成された場合であっても、結露水が気体取込部(撥水フィルタ上)に溜まることがなく、気体取込部の目詰まりを抑制することができる。そして、このように気体取込部の目詰まりが抑制されることで、被検出ガスの検出精度を向上させることができると共に、ガスセンサの寿命の向上を安価に達成することができる。
次いで、排出路が前記圧力が高くなる吹付面の近傍に位置していることにより、前記押し集められた結露水が、排出路を通って素子収容部外に排出されやすくなる。
燃料電池2は、例えば陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極で挟持した電解質膜電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる単セル(図示略)を多数組積層して構成されたスタックからなる。
そして、燃料極側の出口側配管5および酸素極側の出口側配管(流路)6から未反応の反応ガス(例えば、水素や空気等)を含むいわゆるオフガスが排出される。
一方、反応済みの空気中に水分を多量に含んだ空気オフガス(カソードオフガス)は、希釈器26および出口側配管6を介して大気中へ排出される。
希釈器26は、水素排出配管25から取り込んだ水素オフガスを、燃料電池2から排出された空気オフガスによって適宜の倍率で希釈し、希釈ガスとして排出することができるように構成されている。
そして、この希釈器26の下流には、ガス接触燃焼式の水素センサ1が配置されており、これにより希釈ガスの水素濃度が監視されるようになっている。ここで、この水素センサ1は、空気オフガスの流通方向が水平方向となるように配置された出口側配管6の鉛直方向上部に配置されている。
続いて、図2から図4を参照して水素センサ1の詳細について説明する。参照する図面において、図2は、本実施形態に係る水素センサの側断面図である。図3は、図2に示す水素センサのX1−X1断面図である。図4は、図3に示す水素センサのX2−X2断面図である。
ケース30は、その外形が直方体形状を呈し、内蔵する制御基板(図示しない)を保護するためのものである。ケース30は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部31を備えている。フランジ部31にはカラー32が取り付けられており、このカラー32内にボルト33が挿入されることで、フランジ部31は、酸素極側の出口側配管(流路)6に設けられた取付座(壁)6aに締結されて固定されるようになっている。
ガス検出素子60は、前記希釈ガス(気体)中に含まれる水素(被検出ガス)を検出するものであり、具体的には図3に示すように、検出素子61と温度補償素子62との対により構成されている。検出素子61は、周知の素子であって、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイルが、触媒を坦持したアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。触媒は、水素に対して活性な貴金属などからなる。温度補償素子62は、水素に対して不活性とされ、例えば検出素子61と同等のコイルの表面が、アルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
ヒータ70は、後記する第2素子収容部50内(以下、この内部空間を「第2収容室50a」ともいう。)を加熱するものであり、これによりガス検出素子60において結露が生じるのが抑制されている。
素子収容部Bは、図2に示すように、ガス検出素子60およびヒータ70を二重に取り囲んで収容するケースであって、外側の第1素子収容部40(特許請求の範囲における素子収容部に相当)と、その内側の第2素子収容部50とを備えて構成されている。
第1素子収容部40は、ケース30の下面に突設された略有底円筒体であり、出口側配管6に形成された貫通孔6cに嵌合すると共に、出口側配管6の内面6bから突出して出口側配管6内に露出している。
さらに説明すると、第1素子収容部40は、周壁41と、底壁42と、出口側配管6上流側の傾斜壁43と、底壁42の下流側に形成されると共に排出路44aを有する排出パイプ44とを有している。周壁41の外周面には周方向に溝41aが形成されており、溝41aにはリング状のシール部材35が装着され、シール部材35によって周壁41と貫通孔6cとの気密性が維持されている。
ここで、「出口側配管6内の上流側を向いている」とは、傾斜壁43の外面の法線ベクトル、および、開口43aの法線ベクトルが、出口側配管6の長手方向に対して直交する方向(輪切り断面方向)よりも、出口側配管6の上流側を向いていることを意味する。言い換えると、出口側配管6の上流側から水素センサ1に光を照射したとき、傾斜壁43の外面および開口43aが照らされて「陽」となることを意味する。
排出路44aには、結露水などの液体状の水を通すことが可能な程度のメッシュで形成された防爆フィルタ45が設けられており、防爆性が確保されている。
さらに、排出パイプ44は、希釈ガスの流れ方向の下流側へ向かって折れ曲がるように形成されており、排出路44aから第1収容室40aに希釈ガスが入ってくることが抑制されている。
第2素子収容部50は、ガス検出素子60およびヒータ70を収容する第2収容室50aを有する有底円筒体であって、第1素子収容部40の内側に配置されている。第2素子収容部50の底壁には、開口50bが形成されている。そして、防爆フィルタ52が、開口50bを塞ぐように設けられており、防爆性が確保されている。防爆フィルタ52は、防爆フィルタ45と同様に、液体状の水を通すことが可能な程度のメッシュで形成されているため、第2収容室50a内に結露水が溜まることはない。
なお、後記するように、撥水フィルタ81の内側に防爆フィルタを重ねる構成とした場合、防爆フィルタ52を省略してもよい。
気体取込部80は、図2に示すように、第1素子収容部40における傾斜壁43に形成された開口43aと、開口43aを塞ぐように設けられた撥水フィルタ81とを備えて構成されている。そして、気体取込部80は、出口側配管6内の上流側(出口側配管6内の流路の上流側)を向いている。これにより、気体状の希釈ガスを第1収容室40aに取り込みつつ、湿潤の希釈ガス中に含まれる液体状の水が、撥水フィルタ81ではじかれて、第1収容室40a内に浸入しないようになっている(図2、矢印A1参照)。また、防爆性を高めるべく、撥水フィルタ81の内側に防爆フィルタを重ねる構成としてもよい。
負圧(低圧)発生手段は、排出路44aの出口44b付近における希釈ガスの流速を高めて、出口44b付近に負圧(低圧)を発生させる手段である。本実施形態に係る負圧発生手段は、肉盛部91と、一対のガイド92、92(図4参照)とを備えて構成されている。
したがって、肉盛部91、一対のガイド92、92によって、出口44b付近にオリフィスC(絞り流路)が形成されている。
ちなみに、素子収容部B自体が出口側配管6の内面6bから突出することで、その部分における出口側配管6の断面積が小さくなっていることからも、出口44bの下方を流れる希釈ガスの流速が速くなり、負圧の発生が促進されている。
次に、このような水素センサ1の作用について説明する。
図2に示すように、出口側配管6内を流れる希釈ガスは、気体取込部80の撥水フィルタ81を通過して(矢印A1参照)、第1収容室40a内に取り込まれる。このように取り込まれた希釈ガスの一部は、防爆フィルタ52を通過して(矢印A2参照)、第2収容室50a内に入り、ガス検出素子60によって、その水素濃度が検出される。その他、第1収容室40aに取り込まれた希釈ガスの一部は、第1収容室40a内をそのまま下流側に向かって流れ、下流側の周壁41の内面である吹付面41bに吹き付けられる(矢印A3参照)。これにより、第1収容室40a内において、吹付面41bの近傍の圧力が高くなる。
このように排出路44aの近傍に集まった結露水は、吹付面41bの近傍の高くなった圧力によって、排出路44aに押し出され、出口44bから出口側配管6内に排出される(矢印A5参照)。
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
第1素子収容部40には排出路44aを有する排出パイプ44が設けられているため、第1素子収容部40内の結露水を出口側配管6内に良好に排水できる。そのため、気体取込部80(撥水フィルタ81)の目詰まりを抑制することができる。また、このように気体取込部80の目詰まりが抑制されることで、水素の検出精度を向上させることができるとともに、水素センサ1の寿命の向上を安価に達成することができる。さらに、より良好なセンシングを行うことが可能となる。
気体取込部80が出口側配管6の上流側を向くように構成されているため、希釈ガスを第1収容室40a内に好適に取り込むことができる。そして、排出パイプ44は、第1収容室40a内に取り込まれた希釈ガスが吹き付けられる吹付面41bの近傍に設けられているため、吹き付けられることにより高くなった圧力を利用して、結露水を排出できる。
第1素子収容部40における底壁42の内底面42aが傾斜しているため、排出路44aに結露水を集めることができる。
肉盛部91および一対のガイド92、92によって、出口44b付近に負圧を発生させて、第1素子収容部40内の結露水を吸引排出できる。
40 第1素子収容部
40a 第1収容室
41 周壁
41b 吹付面
42 底壁
42a 内底面
43 傾斜壁
43a 開口
44 排出パイプ
44a 排出路
44b 出口
50 第2素子収容部
50a 第2収容室
60 ガス検出素子
61 検出素子
62 温度補償素子
70 ヒータ
80 気体取込部
81 撥水フィルタ
91 肉盛部(負圧発生手段)
92 ガイド(負圧発生手段)
B 素子収容部
C オリフィス
S 燃料電池システム
Claims (4)
- 気体中に含まれる被検出ガスを検出するガス検出素子と、
鉛直方向に延びる周壁部と底壁部とを有し、内部のガス検出室の上方で前記ガス検出素子を収容する有底筒状の素子収容部と、
前記周壁部の上流側に前記ガス検出素子を向くように設けられると共に、前記素子収容部内の前記ガス検出素子に向けて前記気体を取り込む気体取込部と、
前記底壁部の下流側で前記素子収容部内外を連通すると共に出口が下方に向かって開口し、当該素子収容部内の水を排出する排出パイプと、
を備え、
前記気体が流通する気体流路内に前記気体取込部を臨ませた状態で、前記気体流路の壁に設けられ、
前記ガス検出素子よりも下流であって前記周壁部の下流側の内周面は、前記気体取込部からの気体が吹き付けられる吹付面を構成し、
前記排出パイプの入口は、前記吹付面の下方に配置され、
前記排出パイプの出口は、前記気体流路に配置され、
前記底壁部の底壁面は、前記排出パイプに水が集まるように当該排出パイプに近づくにつれて下方に傾斜しているガスセンサであって、
前記気体流路の内壁面に、前記排出パイプの出口と対向するように形成され、前記排出パイプとでオリフィスを構成する肉盛部を備える
ことを特徴とするガスセンサ。 - 前記排出パイプは、下流側に向かって折れ曲がっている
ことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。 - 平断面視において、前記排出パイプ及び前記肉盛部を挟むように配置された一対のガイドを備え、
前記一対のガイドの間隔は、前記排出パイプ及び前記肉盛部に近づくにつれて狭くなっている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスセンサ。 - 前記気体は燃料電池から排出されるオフガスであって、
前記気体流路は前記オフガスが流通するオフガス流路である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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