JP2013191760A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置の低消費電力化を実現する。特に、SOI技術を適用した半導体装置において、トランジスタのオン電流ばらつきを低減する。
【解決手段】シリコン基板とBOX層とSOI層とで構成されたSOI基板の主面に形成された電界効果トランジスタは、チャネル領域、エクステンション領域およびソース・ドレイン領域の導電型が互いに同一である。ここで、第1エクステンション領域の不純物濃度はチャネル領域の不純物濃度よりも高い。また、ソース・ドレイン領域の不純物濃度はエクステンション領域の不純物濃度よりも高い。
【選択図】図22

Description

本発明は、半導体装置に関し、特に、低消費電力の情報通信機器、携帯情報端末、および情報家電などの電子装置に搭載される、SOI基板を有する半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
半導体集積回路は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタに代表される半導体素子の微細化に伴って、動作速度等の性能向上および消費電力の低減を続けてきたが、回路の最小加工寸法が40nmを下回る世代に至り、動作速度などの性能向上と消費電力低減との両立が困難になっている。
上記の問題が生じる主な原因として、トランジスタを構成するゲート絶縁膜のリーク電流の増大や、キャリアの速度飽和による動作電流の限界がある。そこで、これらを解決するための手段として、高誘電率ゲート絶縁膜や、歪シリコンのような高移動度チャネルなどの導入が進められている。前者は、微細化によって薄膜化したゲート絶縁膜を通じて流れるトンネルリーク電流を抑えることで、主に集積回路の待機状態における消費電力を低減させるものである。また、後者は、同一のトランジスタ寸法における出力電流を増大させることにより、動作速度を向上させる、あるいは動作速度一定の状態において消費電力を低減させるものである。
一方、トランジスタの微細化に伴い、トランジスタ間の特性ばらつきの増大が深刻になってきている。特に、トランジスタがオン状態になる電圧であるしきい電圧のばらつきが問題となっており、全ての回路を構成するトランジスタに正常なオン/オフ動作をさせるためには、十分に大きな電圧マージンを確保する必要がある。それ故、トランジスタ間の特性ばらつきが大きくなると、トランジスタの微細化と共に進めてきた電源電圧の低減が困難となる。
これは回路の消費電力低減を困難とし、トランジスタの微細化と共に集積度の上がった半導体チップの消費電力をも増大させてしまう。さらに、特性ばらつきが大きいと、消費電力が大きいトランジスタが半導体チップ全体の消費電力を大幅に増大させてしまうことにもなる。このため、これまでトランジスタの微細化により同一面積の半導体チップにおいて可能であった、消費電力を増やさずに回路規模や機能を増大させることが難しくなっている。
そこで、特性ばらつきを抑制して半導体チップの性能を飛躍的に向上することが可能な技術が種々提案されている。例えば特許文献1には、SOI(Silicon on Insulator)技術が開示されている。このSOI技術は、非常に薄いSOI層と埋め込み絶縁(BOX:Buried Oxide)層とを備える半導体基板を用いて、完全空乏型SOI(FDSOI:Fully Depleted Silicon on Insulator)素子を形成すると共に、BOX層の裏面から基板バイアス電圧を印加することによって、完全空乏型SOI素子のしきい電圧を変化させることを可能とするものである。
このSOI技術を用いると、例えば消費電力が大きい方にばらついた場合、半導体チップに集積回路を形成した後に半導体チップに印加する基板バイアス電圧を調整し、消費電力を適正値に戻すということが可能となる。これは、半導体チップの歩留まりを向上させることになる。さらに、半導体チップ内を複数の領域に分割してその各々の領域に対して独立して基板バイアス電圧を自動的に調整するような回路構成にすれば、半導体チップ内の全ての完全空乏型SOI素子の特性が良く揃い、半導体チップの消費電力を低減させることが可能となる。
さらに、非特許文献1に記載されているように、基板のSOI層に添加する不純物の量を、シリコン基板を用いる従来のバルク型トランジスタに比べて少なくしても、微小寸法のトランジスタは正常に動作する。従って、微小寸法のトランジスタで問題となる不純物数の統計揺らぎによる特性ばらつきを小さくすることができる。これは、例えばSRAM(Static Random Access Memory)のメモリセルのように、近接するトランジスタ間の特性が揃っていることが重要な回路において、回路動作の安定性を大幅に向上させる効果がある。
また、非特許文献2に示されるように、集積回路の動作速度のばらつき原因としては、トランジスタのオン電流のばらつきも問題となる。また、非特許文献3においては、トランジスタが所望のオン電流を得るために、チャネル領域から、不記載ではあるがエクステンション領域に相当する部分、ソース・ドレイン領域に至るいずれの部分も、不純物濃度は2x1019〜5x1019/cmという高濃度に設定されている。また、チャネル領域からソース・ドレイン領域に至るシリコン層の形状も、本発明のような平面型SOI構造でなく、いわゆるナノワイヤ形状となっている。
一方、特許文献2においては、トランジスタ形状は本発明と同様の平面型SOI構造となっているが、SOI層は多結晶構造となっている。また、所望のオン電流やしきい電圧とするために、SOI層のチャネル領域の不純物濃度は2.5x1019〜5x1019/cmという高濃度に設定されている。さらに、エクステンション領域の不純物濃度は、チャネル領域よりも低濃度である1x1018/cm、またはこれよりもさらに低い濃度に設定されている。
特開2005−251776号公報 特開2007−149853号公報
N. Sugii et al.、IEEE Trans. Electron Devices, vol. 57 (2010), p.835 T. Tsunomura et al., 2010 VLSI Technology Symposium, (2010) p.97 Jean-Pierre Colinge et al., Nature Nanotechnology, vol. 5 (2010) p.225
SOI技術では、非常に薄いSOI層に電流を流す構造を用いているために、製造条件のわずかな変動による影響を受けて電流のばらつきが増大しやすいという問題がある。トランジスタのオン電流は、ゲート電極の近傍に形成されるチャネル部の抵抗のみでなく、チャネル部とソース、ドレイン部との接続部分である、いわゆるエクステンション部分の抵抗の影響を多く受けることがよく知られている。SOI技術では、このエクステンション部分も非常に薄いSOI層に形成されるため、この部分の抵抗値のばらつきがオン電流のばらつきに大きな影響を及ぼしているものと推定することができる。
本実施の形態の目的は、半導体装置の低消費電力化を実現することである。特に、SOI技術を適用した半導体装置において、SOI素子の構造を工夫することによって、トランジスタのオン電流ばらつきを低減する技術を提供することにある。
前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの実施の形態を簡単に説明すれば、次のとおりである。
シリコン基板と、前記シリコン基板上に形成された絶縁層からなるBOX層と、前記BOX層上に形成されたシリコン層からなるSOI層とで構成された半導体基板の主面上に電界効果トランジスタが形成された半導体装置ある。ここで、前記SOI層に形成された前記電界効果トランジスタのチャネル領域、第1エクステンション領域、およびソース・ドレイン領域は、導電型が互いに同一である。また、前記第1エクステンション領域の不純物濃度は前記チャネル領域の不純物濃度よりも高く、前記ソース・ドレイン領域の不純物濃度は前記第1エクステンション領域の不純物濃度よりも高い。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
半導体装置の低消費電力化を実現することができる。特に、SOI基板のSOI層やBOX層裏面のシリコン基板の不純物位置や不純物濃度を適切に設定することにより、トランジスタのオン電流バラツキを低減できる。
(a)は、従来の電界効果トランジスタの断面構造を示す模式図、(b)は、本発明の一実施形態である電界効果トランジスタの断面構造を示す模式図である。 本発明の他の実施形態である電界効果トランジスタの断面構造を示す模式図である。 本発明の他の実施形態である電界効果トランジスタの断面構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態1である電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図4に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図5に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図6に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図7に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図8に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図9に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図10に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図11に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図12に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図13に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図14に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図15に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図16に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図17に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図18に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図19に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図20に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 図21に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態1である相補型電界効果トランジスタを示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態2である相補型電界効果トランジスタを示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態3である電界効果トランジスタの製造工程の一部を示す半導体基板の要部断面図である。 図25に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態3である相補型電界効果トランジスタを示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態4である電界効果トランジスタの製造工程の一部を示す半導体基板の要部断面図である。 図28に続く電界効果トランジスタの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態4である相補型電界効果トランジスタを示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態5である電界効果トランジスタの製造工程の一部を示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態5である相補型電界効果トランジスタを示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態6である相補型電界効果トランジスタを示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態7である相補型電界効果トランジスタを示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態8である相補型電界効果トランジスタを示す半導体基板の要部断面図である。 本発明の実施の形態9である相補型電界効果トランジスタを示す半導体基板の要部断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいてさらに詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
本発明者の検討によれば、本発明で対象とするようなBOX層の薄いSOI構造のトランジスタにおいて、所望のオン電流やしきい電圧を得、かつしきい電圧のばらつきを低減させるためには、上記文献に示されたような不純物濃度の設定は不適切であることが判明した。
所望のオン電流を得るためには、2x1019/cmないしそれ以上という高いチャネル不純物濃度は全く不要であり、むしろ、しきい電圧ばらつきの著しい増大を招いてしまう。不純物ばらつきの大小を判断するときに良く使われる指標にペルグロム(Pelgrom)係数AVtというものがあり、この値が小さいほど、しきい電圧のばらつきが小さく、望ましいとされている。
前述の非特許文献1には、本発明で対象とするBOX層が薄いSOI構造のトランジスタにおけるAVtの算出式が示されている。このうち、特に影響の大きいSOI層のチャネル部分のAVt値は、次の式のように示される。
Figure 2013191760
ここで、qは素電荷、COXはゲート絶縁膜容量、NSOIはSOI層のチャネル部分の不純物濃度、tSOIはSOI層の厚さである。
この式に基づいてAVt値を計算すると、NSOIが1x1017/cm、1x1018/cm、2x1019/cmのそれぞれについて、0.20mVμm、0.64mVμm、4.55mVμmとなる。但し、tSOIは10nmとした。
本発明で目的とするような、1V以下の低電圧でCMOSトランジスタやLSIを動作させるためには、AVt値が少なくとも1.0mVμm以下(NSOIが2.5x1018/cm以下)、望ましくは0.65mVμm以下(NSOIが1x1018/cm以下)とすべきであり、上記文献に示されたNSOIから導かれるAVt値4.55mVμmは、甚だ大きく、不適切である。
また、特許文献2に示されたような、SOI層のチャネル領域の不純物濃度NSOIよりもエクステンション領域の不純物濃度が低いという構成も、所望のオン電流を確保し、かつオン電流のばらつきを低減させる本発明の目的において不適切である。むしろ、上記のように、しきい電圧ばらつき低減のために十分に低いNSOIに設定し、かつエクステンション領域の不純物濃度はむしろ高く、すなわち少なくとも2x1019/cm以上、望ましくは1x1020/cm以上にすべきである。
本発明で解決しようとする課題であるオン電流ばらつきの低減について、上記構成が望ましい理由を図1を用いて簡単に説明する。ここで、(a)は従来のnチャネルトランジスタの断面構造を示す模式図、(b)は本発明のnチャネルトランジスタの断面構造を示す模式図である。
オン電流ばらつきの主要原因は、SOI層のエクステンション領域の抵抗ばらつき、およびエクステンション領域とチャネル領域との接続部分の抵抗ばらつきである。前者については、エクステンション領域の不純物濃度を上記のように高めてやれば、たとえSOI層が本発明で対象とする素子のように極めて薄くても、十分に低い抵抗値とすることができ、結果的にこの部分の抵抗ばらつきが低減でき、オン電流ばらつきも低減できる。
一方、後者については、チャネル領域のしきい電圧ばらつき、すなわち上記の数式に示されたようなばらつきと同様の機構であることが判明した。図1(a)に示す従来のトランジスタ構造においては、SOI層のチャネル領域の導電型とエクステンション領域の導電型は逆である。この構造でトランジスタがオフの状態、およびオフからオンに遷移するしきい電圧付近の状態において、チャネル領域とエクステンション領域との界面近傍には空乏層が形成される。この空乏層内には、前記チャネル領域およびエクステンション領域に導入された不純物による空乏電荷が存在する。
本発明で対象とするような微細なトランジスタでは、この空乏層が形成される領域に存在する不純物数が数百個から数十個と非常に少ないために、不純物数やそれらの存在する位置のばらつきにより、上記接続部分の抵抗値が大幅に変化してしまう。つまり、従来のトランジスタ構造においては、不純物数や位置のばらつきという工学的に解決困難な物理現象のために、本質的に電流ばらつきを低減することが難しい。一方、本発明のトランジスタ構造によれば、チャネル領域の導電型とエクステンション領域の導電型は等しいために、両者の界面近傍において導電型の違いに起因する空乏層は原理的に存在しない。このため、上記のような不純物数や位置のばらつきによる電流ばらつきは本質的に発生しない。
ここで、トランジスタがオフ状態の場合について補足説明する。本発明の構造のように、チャネル領域の導電型とエクステンション領域の導電型が等しい場合には、導電型の違いによる空乏層は形成されない。しかしながら、オフ状態においては、ゲート電極のポテンシャル制御によりSOI層のチャネル領域は空乏化するため、トランジスタの電流をカットオフすることは可能である。このとき、SOI層の空乏化はゲート電極のポテンシャルによってなされるわけであって、異なる導電型の不純物によってなされるわけでないことに注意されたい。この機構の違いにより、SOI層が空乏化している状態に遷移するとき、すなわちトランジスタがオン状態からオフ状態へ遷移するときにも、前述のような不純物数や位置のばらつきの影響は受けない。
以上述べたような機構により、本実施の形態の構成においては、トランジスタのオン電流のばらつきを効果的に抑制することができる。
図2は、SOI層のエクステンション領域の不純物をSOI層内部のみでなく、BOX層裏面のシリコン基板領域のうち、BOX層に接する領域の近傍にも導入する構成である。
これまでの本発明者らによる検討の結果、オン抵抗のうち、エクステンション領域の抵抗は、この部分の不純物濃度や厚さのみならず、この部分に印加される縦方向電界、すなわちBOX裏面のシリコン基板からBOX層およびSOI層を貫くSOI層の主面と垂直な方向の電界の影響を受けることが見い出された。通常の構成において、図2のようなnチャネルトランジスタでは、BOX層裏面のシリコン基板部分の導電型はp型であり、チャネル下部のみならず、エクステンション下部においても同じくp型の導電型となっている。一方でエクステンション領域は高濃度のn型となっているために、縦方向の電界は著しく大きく、結果としてエクステンション領域の抵抗が大きくなり、電流ばらつきに与える影響も同時に大きくなる。
そこで、本発明においては、BOX層裏面のBOX層とシリコン基板との界面付近の導電型をn型にする。この部分の不純物濃度は、概ね5x1016/cm〜5x1018/cmという範囲にあることが望ましく、n型とする領域の厚さは、BOX層とシリコン基板との界面位置からシリコン基板内部に向かって、概ねBOX層の膜厚の1/4〜4倍程度の範囲にあることが望ましい。
本発明の構造においては、もちろん、チャネル領域の下部で、かつBOX層裏面のシリコン基板内部の導電型はp型とする。この部分の導電型がp型となっていることによって、トランジスタを正常にオフ状態にすることができる。また、上記のように、エクステンション下部のBOX層裏面部分の導電型をn型にすることによって、トランジスタのソースないしドレインとシリコン基板との間に形成される寄生容量も低減することができ、トランジスタの高速動作にも効果が期待できる。なお、図2に例示したのはnチャネルトランジスタであるが、pチャネルトランジスタの場合には、全ての導電型を上記と逆にすればよい。
図3は、図1(b)に近い効果を得ることを目的に考え出されたものである。すなわち、SOI層のチャネル領域の導電型は従来構造と同様にp型になっており、エクステンション領域に不純物が斜め方向から注入され、エクステンション領域がSOI層のチャネル領域の下部に入り込んでいる。このようにすると、図1で例示された空乏層部分が横方向に広がることになる。空乏層の横方向に広がりが出るために、不純物数と位置のゆらぎによるばらつきが緩和され、オン電流ばらつきが低減される効果がある。
(実施の形態1)
本実施の形態1の半導体装置に搭載される電界効果トランジスタの製造方法につき、図4〜図22に示す電界効果トランジスタの要部断面図を用いて工程順に説明する。
まず、図4に示すようなシリコン基板1とBOX層2とSOI層3とで構成されたSOI基板を用意する。シリコン基板1は、例えば面方位が(100)、抵抗率が5Ωcm程度のp型単結晶シリコンからなる。SOI層3は、例えば面方位が(100)、オリエンテーションフラットまたはノッチと平行な方向の結晶方位が<110>、厚さが20nmのp型単結晶シリコンからなる。BOX層2は、例えば厚さが10nmの酸化シリコン膜からなる。
次に、図5に示すように、SOI基板の主面上に酸化シリコン膜4および窒化シリコン膜5を順次形成する。酸化シリコン膜4は、例えば熱酸化法により形成し、その厚さは10nm程度とする。また、窒化シリコン膜5は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成し、その厚さは120nm程度とする。
窒化シリコン膜5は、後に説明するCMP工程におけるストッパ層として機能する。また、酸化シリコン膜4は窒化シリコン膜5の下地として、SOI層3またはシリコン基板1の活性領域の保護膜として機能する。なお、このとき、SOI層3のシリコンは酸化シリコン膜4の形成により消費され、その膜厚がおよそ15nmに減少する。
次に、図6に示すように、フォトリソグラフィ法により素子分離領域を規定するレジスト膜8を形成した後、このレジスト膜8をマスクとしたドライエッチング法で素子分離領域の窒化シリコン膜5および酸化シリコン膜4を除去し、続いて異方性ドライエッチング法でシリコン基板1の一部まで除去することにより、素子分離領域に浅溝6を形成する。ここでは、エッチングガスを切り替えながらSOI層3、BOX層2およびシリコン基板1をこの順にエッチングする。形成された浅溝6の深さは、例えば300nmである。
次に、高密度プラズマ(HDP:High Density Plasma)CVD法により、SOI基板の主面上に酸化シリコン膜6aを形成する。続いて、図7に示すように、酸化シリコン膜6aをCMP法で研磨してSOI基板の表面を平坦に加工し、酸化シリコン膜6aを浅溝6の内部に残す。このとき、酸化シリコン膜6aの研磨量を調整することにより、窒化シリコン膜5の残りの厚さを、例えば50nm程度とする。
次に、図8に示すように、リン酸を用いたウェットエッチング法により、窒化シリコン膜5を除去する。ここまでの工程により、SOI基板の主面に浅溝素子分離7が形成される。
次に、上記SOI基板に本実施の形態の電界効果トランジスタを形成する。以下、図9〜図22を用いて電界効果トランジスタの製造方法を工程順に説明する。なお、以下に示す各工程は、本発明の主要な内容とは直接関わらず、一般的な電界効果トランジスタの製造方法によるものであるから、製品の仕様や目的に応じて適宜変更することが可能であり、そのことによって本発明の効果が変化するものではない。本実施の形態1では、電界効果トランジスタとしてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタを例示するが、図9〜図22には、CMOSトランジスタのうちの一方(nチャネルトランジスタ)の要部断面のみを図示する。
まず、図9に示すように、レジスト膜(図示せず。以下同様)をマスクに用いたp型不純物のイオン注入により、nチャネルトランジスタ形成領域のシリコン基板1にp型のウエル不純物領域9を形成する。また、別のレジスト膜をマスクに用いたn型不純物のイオン注入により、図示しないpチャネルトランジスタ形成領域のシリコン基板1にn型のウエル不純物領域を形成する。
本実施の形態で例示するのはSOI型の電界効果トランジスタであるが、浅溝素子分離7を形成した後のSOI層3の厚さは15nm程度、BOX層2の厚さは10nm程度と、両者共に極薄である。従って、SOI層3の活性領域表面からシリコン基板1に不純物を注入する際、その加速エネルギーを適度に調整することにより、不純物のほとんどをシリコン基板1に導入することができる。なお、不純物の深さ方向分布を調整するために、加速エネルギーおよび注入量の異なる複数回のイオン注入工程を組み合わせてもよい。この不純物の注入量や、その後にSOI基板に施される熱処理の温度と時間とによって、nチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタのそれぞれのしきい電圧を適度に調整することができる。
次に、図10に示すように、レジスト膜をマスクとした異方性ドライエッチング法でSOI層3の一部を除去し、続いてウェットエッチング法でBOX層2を除去することにより、SOI層3の一部にバルク開口部11を形成する。このバルク開口部11は、シリコン基板1との電気的接触を確保するために形成する。ここで、SOI層3の非開口部分のうち、浅溝素子分離7以外の部分は素子形成領域となる。
次に、図11に示すように、レジスト膜をマスクとしてシリコン基板1のうち、素子形成領域の下部で、かつBOX層2と接する領域の近傍に不純物を注入し、グランドプレーン不純物領域12を形成する。この不純物の導電型は、その下部のウエル不純物領域9の導電型と同じである。また、この不純物の濃度は、ウエル不純物領域9の濃度より高くする。不純物の注入量は、概ね5x1017/cm〜5x1018/cmという範囲になるようにを調整する。
続いて、図12に示すように、SOI層3にウエル不純物領域9と逆の導電型(nチャネルトランジスタの場合はn型)を持つ不純物を注入し、チャネル不純物領域13を形成する。チャネル領域13の不純物濃度は、2.5x1018/cm以下であり、より好ましくは1x1018/cm以下である。
次に、図13に示すように、SOI層3の表面にゲート絶縁膜14を形成した後、ゲート絶縁膜14の上部にゲート電極用の導電膜15aを形成し、さらに、導電膜15aの上部にゲートキャップ膜16を形成する。
ゲート絶縁膜14は、例えばHfSiON系の高誘電率膜からなる。導電膜15aは、例えば膜厚15nm程度の窒化チタン膜を形成し、その上に膜厚85nm程度の多結晶シリコン膜を順次堆積した積層膜からなる。この多結晶シリコン膜には、ゲート電極の導電率を十分に高くするために、高濃度の不純物を添加する。ゲートキャップ膜16は、例えば膜厚50nmの窒化シリコン膜からなる。
次に、図14に示すように、レジスト膜をマスクとしたドライエッチング法でゲートキャップ膜16および導電膜15aを加工することにより、上面がゲートキャップ膜16で覆われたゲート電極15を形成する。ゲート電極15のゲート幅は、例えば100nm以下、ゲート長は、例えば50nm以下である。ゲート電極15のゲート長を30nmとするために、ここでは、ArFステッパを用いたフォトリソグラフィ法を使用する。
次に、図15に示すように、SOI基板の主面上に、例えば厚さ10nm程度の酸化シリコン膜を形成した後、この酸化シリコン膜を異方性ドライエッチング法で加工することにより、ゲート電極15およびゲートキャップ膜16のそれぞれの側壁に第1側壁絶縁膜18を形成する。
次に、図16に示すように、素子形成領域を露出するレジスト膜をマスクとしてSOI層3にn型の導電性を示す不純物(例えばリンまたはヒ素)をイオン注入し、n型のエクステンション不純物領域19を形成する。エクステンション不純物領域19の不純物濃度は、2x1019/cm以上であり、好ましくは1x1020/cm以上である。また、図示しないpチャネルトランジスタ形成領域のSOI層3には、p型の導電性を示す不純物(例えばフッ化ボロン)をイオン注入し、p型のエクステンション不純物領域を形成する。
次に、図17に示すように、SOI基板の主面上に、例えば厚さ30nm程度の窒化シリコン膜を形成した後、この窒化シリコン膜を異方性ドライエッチングで加工することにより、第1側壁絶縁膜18の側壁に第2側壁絶縁膜20を形成する。
次に、図18に示すように、SOI層3のシリコン表面が露出している部分に、例えば厚さ20nm程度のエピタキシャルシリコン膜21を選択的に形成する。このエピタキシャルシリコン膜21は、SOI層3の表面を清浄にし、自然酸化膜を除去した状態で、例えばモノシランガスを原料とする化学気相成長法により形成する。なお、エピタキシャルシリコン膜21の選択成長は必須ではなく、素子特性の要求によっては省略することもできる。
次に、図19に示すように、素子形成領域を開口するレジスト膜をマスクにして、エピタキシャルシリコン膜21に不純物を注入することにより、ソース・ドレイン不純物領域22を形成する。nチャネルトランジスタ形成領域のエピタキシャルシリコン膜21には、n型の導電性を示す不純物を注入し、pチャネルトランジスタ形成領域のエピタキシャルシリコン膜21には、p型の導電性を示す不純物を注入する。なお、ソース・ドレイン不純物領域22の不純物濃度は、エクステンション不純物領域19よりも高く設定されており、5x1020/cm以上である。また、ソース・ドレイン不純物領域22は、エピタキシャルシリコン膜21だけでなく、エクステンション不純物領域19が形成されているSOI層3に達するまで形成してもよい。
次に、図20に示すように、図19で使用したレジスト膜とは逆パターンのレジスト膜をマスクにして、バルク開口部11と、その上部に形成されたエピタキシャルシリコン膜21に不純物を注入し、基板コンタクト不純物領域23を形成する。この不純物の導電型は、基板コンタクト不純物領域23の下部に形成されたウエル不純物領域9の導電型と同一とする。なお、この後、ゲートキャップ膜16をウェットエッチング等により除去し、ゲート電極15上を露出する。
次に、図21に示すように、ソース・ドレイン不純物領域22、基板コンタクト不純物領域23、ゲート電極15のそれぞれの表面に自己整合法により金属シリサイド膜24を形成する。
次に、図22に示すように、SOI基板の主面上に層間絶縁膜25を形成した後、レジスト膜をマスクにしたドライエッチング法で層間絶縁膜25に接続孔26を形成する。この接続孔26は、ソース・ドレイン不純物領域22の上部、および基板コンタクト不純物領域23の上部に形成する。
続いて、接続孔26の内部に金属プラグ27を形成した後、層間絶縁膜25の上部に第一配線層28を形成し、第1配線層28と金属プラグ27とを電気的に接続する。その後、第1配線層28の上部にさらに上層の配線を形成するが、その図示は省略する。図4〜図22を用いて説明した製造工程によって、本実施の形態1の電界効果トランジスタが完成する。
図23には、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタとが相隣り合うように形成されたCMOS構造の要部断面図を示す。nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタとは、各部の導電型が互いに逆になっている。
以上、本実施の形態においては、エクステンション不純物領域19の不純物濃度がチャネル不純物領域13の不純物濃度よりも高くなるように形成している。また、ソース・ドレイン不純物領域22の不純物濃度がエクステンション不純物領域19の不純物濃度よりも高くなるように形成した。これにより、トランジスタのオン状態における電流のバラツキが低減できる。
(実施の形態2)
本実施の形態2による半導体装置は、前記実施の形態1の変形例である。図11に示すグランドプレーン不純物領域12の形成を省略した点を除き、前記実施の形態1と同様である。図24は、完成した本実施の形態のCMOS構造の要部断面図である。
前述の実施の形態1において、トランジスタのオン状態における電流のバラツキが十分に低減できる場合には、本実施の形態のように、グランドプレーン不純物領域12を省略しても、同様の効果を得ることができる。この場合、製造工程を簡略化することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3による半導体装置は、前記実施の形態1の変形例である。前記実施の形態1との相違点のみを記す。図15に示した第1側壁絶縁膜18の形成工程後、図25に示すように、図16に示した方法と同様の方法でエクステンション不純物領域19を形成する。但し、このとき、エクステンション不純物領域19だけでなく、BOX層2の裏面にも同一導電型の第2エクステンション不純物領域29を形成する。
さらに、図19に示したソース・ドレイン不純物領域22の形成工程において、図26に示すように、BOX層2の裏面にも同一導電型の不純物を注入し、寄生容量低減用不純物領域30を形成する。
なお、第2エクステンション不純物領域29の不純物濃度は、エクステンション不純物領域19の不純物濃度よりも低く、5x1016/cm〜5x1018/cmという範囲にあることが望ましい。また、寄生容量低減用不純物領域30の不純物濃度は、ソース・ドレイン不純物領域22の不純物濃度と同じであり、5x1020/cm以上である。
完成したCMOS構造の要部断面図を図27に示す。前述の図2で説明したように、第2エクステンション不純物領域29を形成することで、トランジスタのオン電流のバラツキを効果的に抑制することができる。
なお、BOX層2の裏面に寄生容量低減用不純物領域30を形成すると、ソース・ドレイン不純物領域22とシリコン基板1との間に形成される寄生容量をより低減できる。
(実施の形態4)
本実施の形態4による半導体装置は、前記実施の形態3の変形例である。本実施の形態では、前記実施の形態2と同様に、グランドプレーン不純物領域12の形成を省略している。すなわち、実施の形態3と同様に、図28および図29に示すように、第2エクステンション不純物領域29および寄生容量低減用不純物領域30を形成する。
完成したCMOS構造の要部断面図を図30に示す。このように、本実施の形態4では、トランジスタのオン状態における電流のバラツキが十分に低減できる場合には、グランドプレーン不純物領域12を省略しても、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。また、この場合、製造工程を簡略化することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態5による半導体装置は、前記実施の形態1の変形例である。前記実施の形態1との相違点のみを記す。図31に示すように、チャネル不純物領域13の導電型をウエル不純物領域9と同一(nチャネルトランジスタの場合はp型)にする。さらに、図15に示した第1側壁絶縁膜18の形成工程後、図16に示した方法と同様の方法でエクステンション不純物領域19を形成するが、その際にイオンの注入角度を調整し、斜め注入エクステンション不純物領域32を形成する。完成したCMOS構造の要部断面図を図32に示す。なお、斜め注入エクステンション不純物領域32の不純物濃度は、エクステンション不純物領域19の不純物濃度と同様である。
前述の図3で説明したように、斜め注入エクステンション不純物領域32が斜めに注入されてチャネル不純物領域13の下部に形成されている。すなわち、斜め注入エクステンション不純物領域32は、ゲート電極15からBOX層2に近づくに従って、ゲート電極15の内部に近づく方向に伸びて形成されている。このようにすると、空乏層の横方向に広がりが出るために、不純物数のバラツキが緩和されてオン電流バラツキを低減することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態6による半導体装置は、前記実施の形態5の変形例である。本実施の形態6と前記実施の形態5との相違点は、図31に示されるグランドプレーン不純物領域12の形成を省略した点にあり、その他の構成は実施の形態5と同様である。完成したCMOS構造の要部断面図を図33に示す。
なお、トランジスタのオン状態における電流のバラツキが十分に低減できる場合には、グランドプレーン不純物領域12を省略しても、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。また、この場合は、製造工程を簡略化することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態7による半導体装置は、前記実施の形態5の変形例である。前述の実施の形態3と同様に、BOX層2の裏面に第2エクステンション不純物領域29および寄生容量低減用不純物領域30を形成する。完成したCMOS構造の要部断面図を図34に示す。
第2エクステンション不純物領域29および寄生容量低減用不純物領域30の効果については、前述の実施の形態3と同様である。なお、寄生容量低減用不純物領域30は、素子特性の要求により省略することもできる。
(実施の形態8)
本実施の形態8による半導体装置は、前記実施の形態7の変形例である。本実施の形態8と前記実施の形態7との相違点は、グランドプレーン不純物領域12の形成を省略した点にあり、その他の構成は実施の形態7と同様である。完成したCMOS構造の要部断面図を図35に示す。
トランジスタのオン状態における電流のバラツキが十分に低減できる場合には、グランドプレーン不純物領域12を省略しても、実施の形態7と同様の効果を得ることができる。また、この場合、製造工程を簡略化することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態9による半導体装置は、前記実施の形態5の変形例である。前述した実施の形態1では、図10に示す工程でSOI層3の一部にバルク開口部11を形成した。このバルク開口部11は、シリコン基板1との電気的接触を確保する領域として用いられる。この領域11に従来型のバルク電界効果トランジスタを通常の工程で形成することもできる。ここで言う通常の工程とは、実施の形態1におけるチャネル不純物領域13の導電型をウエル不純物領域9と同一としたり、BOX層2の裏面に第2エクステンション不純物領域29や寄生容量低減用不純物領域30を形成しない通常の工程である。
完成したCMOS構造の要部断面図を図36に示す。ここでは、nチャネルトランジスタをSOI層3に形成し、pチャネルトランジスタを従来型のバルク電界効果トランジスタとした例を示している。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施の形態で述べた電界効果トランジスタの製造工程は、これらトランジスタ群が使用される回路、例えば低電圧ロジック回路、あるいはI/O回路またはアナログ回路などの高電圧を扱う回路に合わせて、適宜、SOIトランジスタを選択するかバルクトランジスタを選択するか、また、ゲート絶縁膜の厚さ、ゲート電極を構成する導電材料、しきい値電圧、ソース・ドレインの構成など、多くの設計的事項を最適化させる。これらの設計的事項は、従来の複数の電圧に対応した半導体装置の製造工程と全く同じ考え方により最適化され、これによって、本発明の効果が影響されることはない。
本発明は、SOI基板の主面に電界効果トランジスタを形成する半導体装置に適用することができる。
1 シリコン基板
2 BOX層
3 SOI層
4 酸化シリコン膜
5 窒化シリコン膜
6a 酸化シリコン膜
6 浅溝
7 浅溝素子分離
8 レジスト膜
9 ウエル不純物領域
11 バルク開口部
12 グランドプレーン不純物領域
13 チャネル不純物領域
14 ゲート絶縁膜
15a 導電膜
15 ゲート電極
16 ゲートキャップ膜
18 第1側壁絶縁膜
19 エクステンション不純物領域
20 第2側壁絶縁膜
21 エピタキシャルシリコン膜
22 ソース・ドレイン不純物領域
23 基板コンタクト不純物領域
24 金属シリサイド膜
25 層間絶縁膜
26 接続孔
27 金属プラグ
28 第1配線層
29 第2エクステンション不純物領域
30 寄生容量低減用不純物領域
32 斜め注入エクステンション不純物領域

Claims (12)

  1. シリコン基板と、前記シリコン基板上に形成された絶縁層からなるBOX層と、前記BOX層上に形成されたシリコン層からなるSOI層とで構成された半導体基板の主面上に電界効果トランジスタが形成された半導体装置であって、
    前記SOI層に形成された前記電界効果トランジスタのチャネル領域、第1エクステンション領域、およびソース・ドレイン領域は、導電型が互いに同一であり、
    前記第1エクステンション領域の不純物濃度は前記チャネル領域の不純物濃度よりも高く、
    前記ソース・ドレイン領域の不純物濃度は前記第1エクステンション領域の不純物濃度よりも高いことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記チャネル領域の不純物濃度は、2.5x1018/cm以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記チャネル領域の不純物濃度は、1x1018/cm以下であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記第1エクステンション領域の不純物濃度は、2x1019/cm以上であることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
  5. 前記第1エクステンション領域の不純物濃度は、1x1020/cm以上であることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 前記第1エクステンション領域の下方の前記シリコン基板であって、前記BOX層に接する領域の近傍には、前記第1エクステンション領域の導電型と同一の導電型の第2エクステンション領域が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  7. 前記第2エクステンション領域の深さは、前記BOX層と前記シリコン基板との界面位置から前記シリコン基板内部に向かって、前記BOX層の膜厚の1/4〜4倍の範囲にあることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  8. 前記第2エクステンション領域の不純物濃度は、5x1016/cm〜5x1018/cmの範囲にあることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  9. 前記ソース・ドレイン領域の下方の前記シリコン基板であって、前記BOX層に接する領域の近傍には、前記ソース・ドレイン領域の導電型と同一の導電型であり、かつ、前記第2エクステンション領域よりも高い不純物濃度を有する不純物領域が形成されていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  10. 前記チャネル領域の下方の前記シリコン基板であって、前記BOX層に接する領域の近傍には、前記チャネル領域、前記第1エクステンション領域、および前記ソース・ドレイン領域の導電型と異なる導電型のグランドプレーン不純物領域が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  11. 前記グランドプレーン不純物領域の不純物濃度は、5x1017/cm〜5x1018/cmの範囲にあることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
  12. シリコン基板と、前記シリコン基板上に形成された絶縁層からなるBOX層と、前記BOX層上に形成されたシリコン層からなるSOI層とで構成された半導体基板の主面上に電界効果トランジスタが形成された半導体装置であって、
    前記SOI層に形成された前記電界効果トランジスタのチャネル領域の導電型は、前記電界効果トランジスタのエクステンション領域の導電型およびソース・ドレイン領域の導電型と異なっており、
    前記エクステンション領域の下部領域は、前記チャネル領域の下部領域に入り込んでいることを特徴とする半導体装置。
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