JP4457218B2 - 絶縁ゲート薄膜トランジスタ - Google Patents

絶縁ゲート薄膜トランジスタ Download PDF

Info

Publication number
JP4457218B2
JP4457218B2 JP2009175370A JP2009175370A JP4457218B2 JP 4457218 B2 JP4457218 B2 JP 4457218B2 JP 2009175370 A JP2009175370 A JP 2009175370A JP 2009175370 A JP2009175370 A JP 2009175370A JP 4457218 B2 JP4457218 B2 JP 4457218B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
semiconductor region
semiconductor
gate
conductivity type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009175370A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009260375A (ja
Inventor
豊 林
尚 長谷川
宜史 吉田
潤 小山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2009175370A priority Critical patent/JP4457218B2/ja
Publication of JP2009260375A publication Critical patent/JP2009260375A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4457218B2 publication Critical patent/JP4457218B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

絶縁ゲート型電界効果トランジスタおよびその集積回路、特にSOI(Semiconductor On Insulator)、SON(Semiconductor On Nothing)等の半導体薄膜をチャネル形成領域として有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタおよびその集積回路に関する。前記半導体薄膜は絶縁基板の上に形成されている場合(SOI)、中空状態でその両端を基板で保持されている場合(SON)、基板に一端が接続されている突起状の形状を有する場合(finFET等)等がある(非特許文献4を参照)。
非動作時にゲート閾値電圧の絶対値を大きく保ち、トランジスタの漏洩電流を抑制し、動作時にゲート閾値電圧の絶対値を小さく制御することによって高速、低スタンバイ消費電力を実現する方法としてダイナミック閾値電圧制御法と呼ばれる方法が提案されている。
このダイナミック閾値電圧制御法は、半導体基板に形成されたバルクMOSトランジスタの場合はウエルとゲート電極を接続、部分空乏SOIMOSトランジスタの場合にはボディ(body)とゲート電極を接続して信号の入力端子することによって実現している(非特許文献1を参照)。
なお、部分空乏SOIとは、空乏層が半導体薄膜の厚さ方向に部分的にしか広がらない、中性領域を有するSOIを呼び、PD(Partially Depleted)SOIと略記する。また、ボディはチャネルが形成される上記半導体薄膜を簡略化した呼び名である。
F. Assadeargi、他、著、"A Dynamic Threshold Voltage MOSFET (DTMOS) for Very Low Voltage Operation (超低電圧動作のためのダイナミック閾値電圧MOS型電界効果トランジスタ(DTMOS)" IEEE Electron Device Letters、Vol. 15、No.12、p.510-512、December、1994(1994年12月発行、アメリカ電気電子学会電子装置レター誌、15巻12号、510〜512頁) T.Sekigawa、Y.Hayashi、K.Ishii、S.Fujita著 "MOS Transistor for a 3D-IC" A 17th Conference on Solid State Devices and Materials, Tokyo, 1985、Final Program and Late News Abstract、C-3-9 LN、p.14-16 林 豊著、「0.025・μm時代にも対応できるデバイス設計の指針」日経マイクロデバイス1988年7月号、p.121〜125 D.Hashimoto, et al., "FinFET -A self-Aligned Double Gate MOSFET Scalable to 20nm", p. 2320〜2325, IEEE Transaction on Electron Devices Vol. 47, No. 12, December, 2000
一方、空乏層が半導体薄膜の厚み方向全体に広がるほどの厚みと不純物濃度の組み合わせを有するSOIはFD(Fully Depleted)SOIと呼ばれる。このFDSOIでは、あるゲート電圧範囲ではゲート下のbodyが厚み方向全体に空乏し、中性領域が存在しない為にボディとゲート接続してオン信号を入力しても、バルクMOSないしPDSOIMOSの様にはトランジスタの閾値電圧の絶対値は制御され難い。これはボディが空乏しているとソースとチャネルが形成される部分のボディとが順バイアスされ難いからである。
2つの導電ゲートで半導体を、ゲート絶縁膜を介して挟み込む構造の絶縁ゲートトランジスタは1935年にO. Heilが英国特許を取得している。しかしこの構造のトランジスタが微小チャネルトランジスタとして有利であることは示唆さえされていなかった。
これに対して、近年実用されて来た片側ゲートのMOSトランスタ微細化の限界を破るトランジスタ構造として、空乏する(FD)半導体薄膜を、ゲート絶縁膜を介して第1の導電ゲートと第3の導電ゲートで挟み込む構造のトランジスタが、XMOSトランジスタという呼称で始めて発明者の1人から提案された(非特許文献2および非特許文献3を参照)。最近はダブルゲートMOSトランジスタという呼称で微細化に対する開発成果が数多く発表されている。
この構造のトランジスタは第3の導電ゲートの電位で、第1のゲートから見たゲート閾値電圧を可変とすることができることが知られているが、第3の導電ゲートの電位を固定するとsub-threshold slope が大きくなり、オン、オフの遷移電圧が大きくなり、スイッチ効率が悪くなるという欠点がある。またこの第3の導電ゲート電位だけで閾値電圧の制御をする方法は閾値電圧変化の範囲に限界があるという欠点がある。またこの方法はSOI構造などでは第3の導電ゲートが半導体薄膜の裏側に位置する為に、個々のトランジスタの第3の導電ゲートから電気接続配線を取り出す部分の面積と工程が余分に必要であると問題視されていた。
本発明はFDSOIでも非動作時と動作時でゲート閾値電圧を電子的に制御して変化させる技術とそれを実現するトランジスタを提供する。さらに本発明では、ダブルゲートMOSトランジスタに代表される、第1の導電ゲートと第3の導電ゲートで空乏する半導体薄膜を、ゲート絶縁膜を介して挟み込む構造の絶縁ゲートトランジスタにおいて、第3の導電ゲートの電位を変化させなくともゲート閾値電圧を電子制御することのできる技術とトランジスタを提供する。
この為に本発明では、図1に断面の1例を示すように、第1の主面101と該第1の主面に対向する第2の主面102を有する半導体薄膜100と、該半導体薄膜第1主面上に設けられた第1のゲート絶縁膜210と、該第1のゲート絶縁膜上に設けられた第1の導電ゲート310と、該第1の導電ゲートを挟んで離間され該第1の導電ゲートから絶縁され前記半導体薄膜100と接して設けられた互いに対向して離間する第1の導電形の第1の半導体領域110と第2の半導体領域120と、前記半導体薄膜と接して設けられ逆導電形の第3の半導体領域(図示せず)とを有する。
さらに、前記半導体薄膜100は第1の導電ゲート下の第1および第2の半導体領域の間で前記第1の主面101と前記第2の主面102間のキャリアが空乏する第1の導電ゲート電位が存在する絶縁ゲート薄膜トランジスタにおいて、第3の導電形の領域から、前記薄膜へ逆導電形のキャリア2を注入して後、前記導電ゲートへ第1の電位を加えて、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とに挟まれる前記半導体薄膜表面に第1の導電形のチャネル1を誘起する方法をとる。
以後、本発明では前記第1の主面前記第2の主面間の距離を前記半導体薄膜の厚さと呼ぶ。
なお、図1では第3の半導体領域は図示されていないが、たとえば半導体薄膜100は紙面に垂直方向へ延在し、その延在部分に接触して第3の半導体領域が設けられる。図1では半導体薄膜100は絶縁層20を表面に設けた基板10に支持されている。通常基板10はシリコン、絶縁層20はシリコン酸化膜が多い。この表面に絶縁層を設けた支持基板は絶縁基板と呼ばれている。支持基板は石英基板のような全部が絶縁材料でできている絶縁基板も可能となっている。また半導体薄膜の1端、または第1の半導体領域ないしは第2の半導体領域ないしは第3の半導体領域の1端が基板に支持された構造でも実施可能である。
一方本発明の第2の方法では、前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とに挟まれる部分に逆導電形のキャリアを前記逆導電形の第3の半導体領域から供給または第3の半導体領域へ吸収して、前記半導体薄膜に蓄積される逆導電形のキャリアの量を一定時間制御して第1の導電ゲートから見たゲート閾値電圧を制御する。この方法は第1の導電ゲートと第3の導電ゲートで空乏する半導体薄膜を、ゲート絶縁膜を介して挟み込む構造の絶縁ゲートトランジスタに適用して好適である。
上記逆導電形のキャリアが注入された半導体薄膜に第1の導電形のチャネルを誘起する為に必要なゲート電圧は、前記注入された逆導電形キャリア数または電荷に対応するゲート電圧分だけ少なくて済む。即ち、等価的にゲート閾値電圧がデプレッション側にシフトしたことになる。ゲート閾値電圧がエンハンスメント形の範囲で変化する時は、ゲート閾値電圧の絶対値が減少したことになる。
本発明では前記逆導電形キャリアを前記半導体薄膜へ注入するために、ないしは前記逆導電形キャリアを前記半導体薄膜から引き出す為に、半導体薄膜へ該半導体薄膜より不純物濃度の高い逆導電形の第3の半導体領域を設ける。この第3の半導体領域を第1ないしは第2の半導体領域に対して順方向バイアスすると半導体薄膜へ逆導電形のキャリアが注入される。この逆導電形キャリアは注入後前記半導体薄膜へ蓄積されるが、連続的に供給されなければキャリアのライフタイム経過後蓄積量は減少しやがて消滅する。
一方、半導体薄膜には、その表面電位によっては、熱発生した逆導電形キャリア、高電界領域での雪崩増倍などで発生した逆導電形キャリアが蓄積して、第1の導電ゲートから見たゲート閾値電圧を変えてしまうことがある。この意図しないのに蓄積する逆導電形キャリアを第3の半導体領域へ引き抜くことにより、ゲート閾値電圧を意図する値に制御する事ができる。この為にはこの第3の半導体領域と第1ないしは第2の半導体領域間をほぼゼロバイアスないしは逆バイアスする。
さらに本発明の方法および絶縁ゲートトランジスタによれば、第3の半導体領域の電位で前記ゲート閾値電圧を制御することもできる。この方法は第1の導電ゲートと第3の導電ゲートでゲート絶縁膜を介して空乏する半導体薄膜を挟み込む構造の絶縁ゲートトランジスタに適用すると、第3の導電ゲートの電位に対する第3の半導体領域の電位の相対的な関係で逆導電形キャリアの半導体薄膜内への蓄積量を制御することにより、第1の導電ゲートから見たゲート閾値電圧を定常的に制御することが可能である。
本発明はPDSOIにも適用することができるが、FDSOIに適用してFDSOIでは従来実現が困難であった効果を享受できる。
本発明によれば、PDSOIおよびバルク絶縁ゲートトランジスタだけでなく、FDSOI、FDSON絶縁ゲートトランジスタのVthの電子制御が可能となる。
さらに、従来型MOSトランジスタの微細化限界より更に微細化可能な、いわゆるニ重ゲート絶縁ゲートトランジスタのゲート閾値電子制御範囲を拡大できる。ニ重ゲート絶縁ゲートトランジスタの第3の導電ゲートが下部に位置している場合には、第3の導電ゲートから個々のトランジスタに対する接続を取らずに、第3の半導体領域の電位を変化させるだけで、ゲート閾値電圧の制御が可能である。FDSOIはチャネルが誘起される半導体薄膜の不純物濃度をPDSOIより少なく設定できるので、より大きなチャネル移動度のトランジスタのVth電子制御を本発明により実現できる。
本発明によれば、逆導電形キャリアの注入時にのみ第3の半導体領域から電流が流れ、定常的にはキャリア再結合電流程度の電流しか必要としない。
本発明の逆導電形半導体の導電ゲートを用いれば、スタンバイ時のゲート閾値電圧をエンハンスメンと側に大きく実現可能であるので、完全空乏形SOIの絶縁ゲートトランジスタでもオン電流が大きくかつオフ電流の小さい条件の両立したトランジスタが実現できる。
本発明の絶縁ゲート薄膜トランジスタのゲート閾値電圧制御方法の原理を示す断面図である。 SOI基板に形成された本発明の1実施例の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。(a)平面図および(b)断面図である。 第3の半導体領域が複数の第2の半導体領域の間に挟まれ、第2の導電ゲートが第1の導電ゲートと連続となっている本発明の1実施例の平面図である。 第3の半導体領域が第1及び第2の半導体領域に挟まれる部分の半導体薄膜に接しており、第2の導電ゲートが第1の導電ゲートと連続でかつ第2のゲート絶縁膜が第1のゲート絶縁膜と共通である、本発明の1実施例の平面図である。 第1の主面側に第1の導電ゲート、第2の主面側に第3の導電ゲートを有する、絶縁ゲートトランジスタに本発明を適用した場合の(a)平面図、(b)断面図である。 本発明をCMOSインバータへ適用した1実施例の等価回路図である。 (a)は図6のインバータの平面図、(b)は(a)の平面図でX−X’ 線で切断した場合の断面図である。 (a)〜(g)は図7に示した実施例の製造工程例を示す。
本発明を有効に実施する為の一形態として、前記第3の半導体領域から前記半導体薄膜のチャネルが形成される部位まで逆導電形のキャリアが到達するないしは該部位から前記第3の半導体領域までキャリアを引き抜くために、前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とに挟まれる部分から逆導電形のキャリアの拡散距離以内に第3の半導体領域の端部を設ける。
本発明を有効に実施するトランジスタの更に他の形態として、図2に示す様に、前記第1の半導体領域110と前記第2の半導体領域120とで挟まれる前記半導体薄膜部分103と前記逆導電形の第3の半導体領域130の間に前記半導体薄膜は延在しており、前記半導体薄膜の該延在部分上104に、第2のゲート絶縁膜220とその上に第2の導電ゲート320を設けた絶縁ゲートトランジスタとする。
図2(a)は本発明の前記実施例の平面図、図2(b)は平面図の2B−2Bに沿った断面図である。図において10は支持基板、20は支持基板10と半導体薄膜を絶縁する絶縁膜、113、123、133はそれぞれ前記第1、第2、第3半導体領域への配線用コンタクト、210は第1のゲート絶縁膜、400は配線下に設けられるいわゆるフィールド絶縁膜、410は第1の導電ゲート上に設けられた絶縁膜、421は第1の導電ゲートと第2の導電ゲートとを絶縁するゲート間絶縁膜、413は第3の半導体領域等の上に設けられた絶縁膜、313、323はそれぞれ第1、第2の導電ゲートへの配線用コンタクトである。
以下、第1の導電形がn形、逆導電形がp形とした場合で動作を説明する。第1の導電形がp形の場合は、符号変化方向が逆になるが原理、効果は変らない。第1の導電ゲートへゼロ近傍の低電位から第1の正電位へ遷移するオン電圧が加えられる前に、第3のp形半導体領域を第2の正電位とし第2の導電ゲートはゼロ近傍の低電位または負電位として第2の導電ゲート下の半導体薄膜へpチャネルを誘起して第1の導電ゲート下の半導体薄膜内へ該pチャネルを介して逆導電形キャリアである正孔を注入する。
ここで、第2の正電位は第2の導電ゲートの電位との差分が第2導電ゲートの逆導電形キャリアにたいする(この例ではpチャネル)閾値電圧Vthrの絶対値より大きくなるよう設定する。第1の導電ゲートの電位がゼロ近傍の低電位であれば、第1および第2の半導体領域の間の半導体薄膜にも、第1の導電ゲート下で、正孔が注入され広がる。正孔はnチャネルのドレイン領域、ソース領域となる第1および第2の半導体領域を結ぶ方向と直角方向へ広がる。nチャネルのチャネル幅が広いトランジスタで正孔注入時間を短縮する為には、例えば、図3に示す様に、第2の半導体領域を分割して、その間に第3の半導体領域を配置することができる。またこの配置を図の横方向に繰り返して第3の半導体領域を複数個設けることができる。
なお、図3では前記第1の導電ゲートと第2の導電ゲートが連続している例を示したが、図2の構造においても前記第1の導電ゲートと第2の導電ゲートが連続して入力端子の数およびトランジスタの占有面積を減少することも可能である。ただし、第1の導電ゲートと第2の導電ゲートが連続している時は、逆導電形キャリア注入のための第3領域の電位範囲および連続ゲートの電位範囲は分離されているときと比較して限定される。更に第1のゲート絶縁膜と第2のゲート絶縁膜を共通として製造工程の短縮を図ることもできる。
図2では第3の半導体領域は延在した半導体薄膜に接していたが、図4に示す様に、第1及び第2の半導体領域に挟まれる部分の半導体薄膜に接していても本発明の方法を実施することができる。この場合は第3の領域は第1ないしは第2の半導体領域と接触する確率が大きくなり接合容量が大きくなる欠点はある。
前記半導体薄膜の該延在部分104の第3の半導体領域からの逆導電形キャリアの通路に第1の導電形の不純物添加部分(前記半導体薄膜へすでに逆導電形不純物が添加されている場合)または第1導電形の不純物の高不純物濃度部分を形成して逆導電形キャリアが第3の半導体領域への逆流を防ぐ障壁を形成することが出来る。これにより第2の導電ゲートからみた逆導電形キャリア通路のゲート閾値電圧がエンハンスメント側へシフトする。
本発明を有効に実施するトランジスタの更に他の形態として、図5に示す様に、第1の主面101と該第1の主面に対向する第2の主面102を有する半導体薄膜103+104と、該半導体薄膜第1主面上に設けられた第1のゲート絶縁膜210と、該第1ゲート絶縁膜上に設けられた第1の導電ゲート310と、該第1の導電ゲートを挟んで離間され該第1の導電ゲートから絶縁され前記半導体薄膜と接して設けられた互いに対向して離間する第1の導電形の第1の半導体領域110と第2の半導体領域120と、前記半導体薄膜と接して設けられた逆導電形の第3の半導体領域130と、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる前記半導体薄膜部分103の前記第2の主面に更に設けられた第3のゲート絶縁膜230と該ゲート絶縁膜に接して設けられた第3の導電ゲート330とから少なくとも構成されたことを特徴とする絶縁ゲートトランジスタが好都合である。
図5(a)は前記実施例の絶縁ゲートトランジスタの平面図、図5(b)は平面図5B−5B に沿った断面図。図において10は支持基板、20は支持基板10表面の絶縁膜、113、123はそれぞれ第1、第2の半導体領域への配線用コンタクト、133は該第3の半導体領域への配線用コンタクト、400は配線下に設けられるいわゆるフィールド絶縁膜、431は第1の導電ゲート上に設けられた絶縁膜、413は第3の半導体領域等の上に設けられた絶縁膜、433は第3のゲート導電膜上に設けられた絶縁膜、313は第1の導電ゲートへの配線用コンタクト、333は必要に応じて設けられる第3の導電ゲートへの配線用コンタクトである。図5では第3の導電ゲート330が第3の半導体領域130まで第3のゲート絶縁膜230を介して延在する場合の具体例が示されているが、第3の導電ゲートはそこまで延在する必要は必ずしもない。
本発明の上記実施形態をより効果的に実施する為には、前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とに挟まれる部分から逆導電形のキャリアの拡散距離以内に第3の半導体領域の端部を設け、第1及び第2の半導体領域の間の半導体薄膜のチャネルが形成される部位に逆導電形のキャリアの到達を確実とする。
または、前記第3の導電ゲートは第3のゲート絶縁膜を介して、前記第3の半導体領域まで延在することができる。第3のゲート下に誘起されたチャネルまたは空乏層を通して第3の半導体領域から逆導電形のキャリアは第1及び第2の半導体領域の間の半導体薄膜中に供給されるし、該部分の半導体薄膜中から逆導電形キャリアは第3の半導体領域へ引き抜くことが可能である。
以下、第1の導電形がn形、逆導電形がp形とした場合で動作を説明する。第1の導電形がp形の場合は、符号変化方向が逆になるが原理、効果は変らない。第2の半導体領域の電位が0V、第3の半導体領域の電位が0Vの時に第1の導電ゲートの閾値電圧はVth10、第3の導電ゲートの逆導電形キャリアにたいする閾値電圧はVthr30とする(第1、第3の導電ゲートが共に丁度閾値電圧となるようなバイアス条件の時)。
たとえば第3の導電ゲートをVthr30−1Vにバイアスし、第3の半導体領域の電圧V3を−1Vにバイアスしたとき、第1の導電ゲートのゲート閾値電圧Vth1は増加してVth1_-1となる。このあと、第3の半導体領域の電圧V3を0Vないしは大きな電流が流れない程度の第2の半導体領域に対する順方向電圧の範囲で変化させたとき、第1の導電ゲートのゲート閾値電圧Vth1のVth1_-1からの変化分ΔVth1はΔV3*(k3*t1/(k1*t3)*(1+α*d/t1))となる。
ここで、t1、k1はそれぞれ第1のゲート絶縁膜の厚さおよび誘電率、t3、k3はそれぞれ第3のゲート絶縁膜の厚さ及び誘電率、d、αはそれぞれ半導体薄膜の厚さおよびk1を該半導体薄膜の誘電率で割った値であり、ΔV3はV3の変化分、*は積、/は商を表す。このように、第3の導電ゲートの電圧を変化させなくとも、第3の半導体領域の電位で第1の導電ゲートのゲート閾値電圧は変化させる事ができる。
従来のトランジスタでは第3の導電ゲートの電圧がVthr30を超えて、逆導電形のキャリアを更に半導体薄膜に誘起する方向(逆導電形がp形の場合は負の方向)にバイアスしても、第1の導電ゲートからみたゲート閾値電圧は殆ど変化しなかったが、本発明の逆導電形の第3の半導体領域の電位により更に変化の範囲を広げることができる。
また第3の導電ゲートが上記Vthr30近傍ないしはVthr30を超えて、逆導電形のキャリアを更に半導体薄膜に誘起する方向にバイアスされている場合は、第1の導電ゲートと第3の半導体領域を接続して信号をゲートへ入力しても、Vth制御は可能である。
上記の実施の形態を示す例で、第3導電ゲートが逆導電形の半導体である時は、半導体薄膜の第2の主面表面へ逆導電形のキャリアが誘起される方向の組み込み電圧を有するので、第3の導電ゲートをバイアスする必要がなくなる。また、第3の導電ゲートが無い場合は、完全空乏形のSOI、SONは半導体薄膜の不純物濃度が小さくかつ膜厚がちいさいので、ゲート閾値電圧を従来の様に、ゲートを第1の導電形の半導体とし、チャネルを形成する半導体を逆導電形としてその不純物濃度でエンハンスメント側に設定するのは難しい。
この場合、第1の導電ゲートを逆導電形の半導体とすればエンハンスメント形とする事が容易である。また、第2の導電ゲートを逆導電形とした時は、第2の導電ゲートに電源電圧と逆極性の電圧を印加しなくてもその下の半導体薄膜に逆導電形のキャリアはとおりやすくなり、本発明の方法を確実に実現し易くなる。これらの導電ゲートに使用する半導体はシリコン、またはシリコンゲルマニュウムが好適である。特にp形シリコンゲルマニュウムはシリコンnチャネル絶縁ゲートトランジスタの好適な閾値電圧を実現する。
図6は本発明の1実施例のCMOSインバータの等価回路図である。113nおよび113p、123nおよび123p、133nおよび133p、313nおよび313pはそれぞれnチャネルMOSトランジスタおよびpチャネルMOSトランジスタのドレイン端子、ソース端子、制御端子、第1のゲート端子、第2のゲート端子である。該制御端子はそれぞれ、nチャネルMOSトランジスタ、pチャネルMOSトランジスタの第3の半導体領域に接続されている。なお、図においてINは入力端子、OUTは出力端子、Ctrl_nおよびCtrl_pはnチャネルおよびpチャネルトランジスタのVth制御端子であり、Vddは電源電圧端子、Vssは低いほうの電源電圧端子で、ディジタル回路では、通常接地電位とする。
図7は図6の回路を半導体集積回路とした例で、図7(a)はその平面図、図7(b)は(a)の鎖線X−X’で切断した時の断面図である。
10は支持基板で、この場合はn形シリコン(100)面高抵抗ウエファーである。20は100nm厚のシリコン酸化膜、103nおよび103p、104nおよび104p、110nおよび110p、120nおよび120p、130nおよび130p、210nおよび210p、220nおよび220p、310nおよび310p、320nおよび320pはそれぞれnチャネルMOSトランジスタおよびpチャネルMOSトランジスタのチャネルが形成される約30nm厚の半導体薄膜部分、逆導電形のキャリアの通路となる該半導体薄膜の延在部、ドレイン(第1の半導体領域)、ソース(第2の半導体領域)、逆導電形の第3の半導体領域、2.7nm厚の第1のゲート窒化酸化膜、第2のゲート窒化酸化膜、第1の導電ゲートおよびそれと連続した第2の導電ゲートである。第1導電ゲートの長さは100nmであり、本実施例ではシリコン薄膜とシリコンゲルマニュウム薄膜の多層膜で構成される。第1、第2、第3の半導体領域は半導体薄膜の上にエピタキシャル成長した半導体膜も含んで構成されている。
以下に本実施例の製造工程を、図8(a)〜(g)、図7(b)の断面図を用いて示す。
(a)高抵抗シリコンウエファーを支持基板10としその上に約100nm厚のシリコン酸化膜20とn形不純物濃度約4x1017原子/cc程度で約35nm厚のシリコン薄膜100を積層したSOI基板を用意する。
(b)このSOI上に熱酸化により約7nmの酸化膜41を成長させ、更に約50nmのシリコン窒化膜42をCVDにより堆積させる。その後、公知のフォトリソグラフィによりトランジスタ部分のシリコン薄膜を残す為のフォトレジストパターン51を形成する。
(c)上記フォトレジストパターン51をマスクとして、対シリコン酸化膜選択比を持ったエッチング条件でシリコン窒化膜をエッチングする。フォトレジストを除去、基板表面をクリーニングして、シリコン窒化膜が除去された部分のシリコン酸化膜露出面に更に約60nmのシリコン酸化膜401が成長するまでパイロジェニック酸化により酸化する。この工程により、個々のトランジスタ単位にシリコン薄膜100が分離される。このシリコン薄膜の分離には公知のSTI(shallow trench isolation)技術を用いることもできる。
熱燐酸系のエッチング液でシリコン窒化膜42を除去し、緩衝弗酸系のエッチング液でシリコン酸化膜41を除去してシリコン薄膜100の表面を露出する。シリコン薄膜100の表面に熱酸化により2.7nm厚のシリコン酸化膜200を形成する。その後、ECR(電子サイクロトロン共鳴:Electron Cyclotron Resonance)、ICP(誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)などの高密度プラズマ装置を用いて、窒素ガスと水素ガスまたはキセノンガスとのプラズマから窒素ラディカルを基板表面へ導き基板温度400℃にて窒化率5〜7%の表面窒化を行う。その後高純度窒素ガス雰囲気搬送を行い800℃窒素中で熱処理を行い、表面欠陥をアニールする。この窒化したシリコン酸化膜が第1及び第2のゲート酸化膜として使われる。
(d)次に導電ゲート薄膜300を堆積する。初期の約10nmは純シリコン薄膜301の堆積を行い、ついで平均して45〜60%ゲルマニュウムを含む硼素ドープシリコンゲルマニュウム薄膜302の堆積を200nm行なう。更に約50nmの硼素ドープシリコン薄膜303の堆積を行う。原料ガスとしてはモノシラン(mono-silane:SiH4)、水素化ゲルマニュウム(germane:GeH4)、ジボラン(di-borane:B2H6)を使う。更にその上に約100nmのシリコン窒化膜43を堆積する。
上記初期の純シリコン薄膜の堆積は事後のシリコンゲルマニュウム薄膜の組成均一化、ミクロ膜厚分布の平坦化の為に行われる。この後の製造工程の温度と時間でゲルマニュウム、硼素が拡散するのでゲート導電膜としての電気特性は硼素ドープシリコンゲルマニュウムとして扱うことができる。
ArFリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ等の公知技術により上記シリコン窒化膜/導電ゲート薄膜上にゲート長約100nmのゲート長を有する導電ゲートのフォトレジストパターンを形成し、それをマスクとしてシリコン窒化膜、シリコン、シリコンゲルマニュウム、シリコンの順番にRIE技術によりエッチングを行う。
フォトリソグラフィにより形状加工されたフォトレジストとシリコン窒化膜/導電ゲート薄膜とを選択マスクとして用いて、それぞれ、n形ドレインのエクステンション領域(114n)、ソースのエクステンション領域(124n)、n形第3の領域のエクステンション領域(134p)およびp形ドレインのエクステンション領域(114p)、ソースのエクステンション領域(124p)、p形第3の領域のエクステンション領域(134n)を選択的に低加速(硼素約4KeV、砒素約15KeV)イオン注入により形成する。注入ドーズは不純物濃度が約1019原子/ccとなる値を選択する(約3x1013/cm2)。
(e)公知のゲートサイドウオール絶縁膜プロセスにより第1、第2ゲートの側面に約40nm厚の絶縁膜サイドウール403を形成する。ソース、ドレイン部分の表面の酸化膜をウエットエッチして、シリコン薄膜表面を水素終端面とする。その後選択エピタキシャル技術により、ドレイン(110n、110p)、ソース(120n、120p)、第3の半導体領域(130p、130n)となる半導体薄膜100の部分へ約70nmの結晶シリコン層105を選択成長する。
(f)フォトリソグラフィにより形状加工されたフォトレジストおよび前記絶縁膜サイドウオール403をマスクとして用いて、それぞれ、nチャネルのドレイン(110n)、ソース(120n)、pチャネル第3の半導体領域(n形)(130p)、およびpチャネルのドレイン(110p)、ソース(120p)、nチャネル第3の半導体領域(p形)(130n)、を形成する砒素、硼素のイオン注入を行う。不純物イオンは選択エピタキシャルされた結晶シリコン層だけでなく、下地のSOI半導体薄膜の各部分へも導入され、注入ドーズは不純物濃度が砒素で約1021原子/cc、硼素で約1020原子/ccとなる値を選択する。
(g)導電ゲート薄膜(300)上のシリコン窒化膜43を熱燐酸等でウエットエッチして、洗浄後、ニッケルを約20nm蒸着し、シンターを行い、絶縁膜上の未反応のニッケルを酸でエッチして、ニッケルシリサイド層を残し、更に高温でシンターしてドレイン上に110ns、110ps、ソース上に120ns、120ps、第3の半導体領域上に130ns、130psのシリサイド層、ゲート上にシリサイド層310ns、320ns、310ps、320psを形成する。
配線用層間絶縁膜440をシリコン酸化膜のCVDにより表面に形成し、必要な部分にコンタクホールを開け、窒化チタン、タングステン等によりコンタクトプラグ500を形成、アルミニュウム薄膜を蒸着、フォトリソグラフィとRIE(reactive ion etching)により配線パターンを形成して第1層配線600を得る(図7(b)の状態まで形成される)。その後、必要に応じて更に層間絶縁膜形成、銅配線形成などによる多層配線を形成し、最後にパッシベーション膜を形成する。
上記のように形成したCMOS回路でnチャネルトランジスタのゲート閾値電圧は第3の半導体領域の電圧が0Vの場合は約0.23V、pチャネルトランジスタのゲート閾値電圧は約−0.2Vとなる。
上記インバータ回路の場合は、入力信号が0VからVddまで変化する10ピコ秒のオーダー以上前にnチャネルトランジスタの第3の半導体領域に0.4V以上Vddまでの電圧を与えておけば、nチャネルトランジスタのVthは約0Vとなり、Vddが0.4V程度でも充分に大きな駆動能力を有する。
逆に入力信号がVddから0Vまで変化するときは、その10ピコ秒のオーダー以上前にpチャネルトランジスタの第3の半導体領域にVdd−0.4V程度以下0Vまでの電圧を与えておけば、pチャネルトランジスタのVthは約0Vとなり、充分に大きな駆動能力を有する。
前記半導体薄膜の該延在部分104の第3の半導体領域からの逆導電形キャリアの通路に第1の導電形の不純物添加部分(前記半導体薄膜へすでに逆導電形不純物が添加されている場合)または不純物の高不純物濃度部分を形成して逆導電形キャリアが第3の半導体領域への逆流を防ぐ障壁を形成することができる。これにより第2の導電ゲートからみた逆導電形キャリア通路のゲート閾値電圧がエンハンスメント側へシフトする。
上記実施例では、p形第3の領域のエクステンション領域134nの代わりに、約3x1012個/cm2ドーズの砒素を注入すれば、nチャネルMOSトランジスタの半導体薄膜延在部分の正孔の通路に不純物濃度の異なる(この場合は高不純物濃度)部分が形成されるので正孔に対するゲート閾値電圧は約−0.4Vとなり第1のチャネル形成半導体薄膜部分の正孔に対するゲート閾値電圧よりエンハンスメント側にシフトする為、第1のチャネル形成半導体薄膜部分に注入された正孔に対するバリアとなり、nチャネルを誘起する第1の導電ゲートの電圧により、正孔が第3の半導体領域130pへ押し戻され難くなる。
上記の実施例において、nチャネルMOSトランジスタの導電ゲートをp形シリコン、第1のチャネル形成半導体薄膜部分をn形とし不純物濃度を4x1017個/cc、pチャネルMOSトランジスタの導電ゲートをn形シリコン、第1のチャネル形成半導体薄膜部分をp形とし不純物濃度を4x1017個/ccとすることにより第3の半導体領域の電位が0Vの時のゲート閾値電圧はnチャネル0.48V、pチャネル−0.48Vとなり、第3の半導体領域へnチャネル0.4V以上、pチャネルVdd−0.4V以下の電圧をゲート信号入力前に加えることにより絶対値にして0.1V程度のゲート閾値電圧となるので、電源電圧0.6V程度でも高速でかつリーク電流の非常に小さいCMOSLSIが得られる。
一方、図5において第1の導電ゲートをn形シリコンとし、第3の導電ゲートをp形シリコンとすると、nチャネルトランジスタのVthは約0.25Vとなり、pチャネルトランジスタのVthは約−0.25Vとなる。第1の導電ゲートをp形シリコンとし、第3の導電ゲートをn形シリコンとしても、nチャネルトランジスタのVthは約0.25Vとなり、pチャネルトランジスタのVthは約−0.25Vとなる。この様に設計する事で、半導体薄膜中の逆導電形のキャリア濃度を第3の半導体領域の電位で定常的に制御可能である。
第3の半導体領域のソースに対する電位が0Vの時はVthの絶対値はほぼ0.25Vであり、0.4Vの時は0.05Vである。また第3の半導体領域に印加する制御信号の時間間隔に関係なく電子制御可能である。半導体薄膜の不純物濃度はゼロが望ましく、厚さはゲート長の約1/3以下がパンチスルーを避ける為に望ましい。20nm長のゲートであれば半導体薄膜の厚さは7nmまたはそれ以下が望ましい。ゲート絶縁膜は第1のゲート絶縁膜も第3のゲート絶縁膜も表面窒化した約2nm厚のシリコン酸化膜が望ましい。この実施例のトランジスタでインバータ、NAND、NOR回路を構成すれば、スタンバイ電流が小さくかつ駆動電流の大きい回路が0.4Vの電源電圧でも動作する。
上記実施例での第3の半導体領域への制御信号は、2段前のインバータ、NOR、またはNANDの出力で駆動する事ができる。このときはpチャネル、nチャネルトランジスタ両方の第3の半導体領域からの配線を接続して1つの制御信号でインバータなどのVth制御が可能である。
複数個のトランジスタで構成される回路グループのグループ制御を行う時はグループ内のnチャネルトランジスタ、pチャネルトランジスタそれぞれの第3半導体領域からの配線をnチャネル毎、pチャネルごとに接続して制御信号を与える事により、スタンバイ電力および回路のスイッチ速度を制御する事ができる。
なお本発明では、半導体薄膜はシリコン単結晶薄膜の他にシリコンゲルマニュウム単結晶薄膜、歪シリコン/シリコンゲルマニュウムの多層膜の場合、ゲート絶縁膜はシリコン酸化膜の他に、シリコン窒化酸化膜、シリコン窒化膜、アルミナ、ハフニュウム酸化膜およびそのシリコン混合物、ジルコニウム酸化物およびそのシリコン混合物等の場合、導電ゲートはポリシリコンないしシリコンゲルマニウム以外のタングステン、窒化チタン、チタン/窒化チタン多層膜などの場合、第1、第2,第3の半導体領域が半導体薄膜内部だけでなく、その上に積み上げられている構造の場合、更に金属シリサイドまたは金属薄膜が積層されている場合など、当業者が容易に変形できる範囲で本発明は実施可能である。
また第1、第2、第3の半導体領域は半導体薄膜に「接する」と記載されているが、該半導体薄膜中に不純物原子を導入して形成しても、該半導体薄膜上に堆積して形成しても結果として接する状態が形成されていればよい。
1 第1の導電形のチャネルのキャリア
2 逆導電形のキャリア
10 支持基板
20 支持基板上の絶縁層
100、103、104 半導体薄膜
105 選択エピタキシャル成長した結晶シリコン層
101 第1の主面
102 第2の主面
110 第1の半導体領域
120 第2の半導体領域
130 逆導電形の第3の半導体領域
210 第1のゲート絶縁膜
220 第2のゲート絶縁膜
230 第3のゲート絶縁膜
310 第1の導電ゲート
320 第2の導電ゲート
330 第3の導電ゲート
110ns、110ps、120ns、120ps、130ns、130ps、
310ns、310ps、320ns、310ps シリサイド層
400、401、431、413、433 絶縁膜
403 絶縁サイドウオール・ゲートスペーサー

Claims (32)

  1. 第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面を有する半導体薄膜と、該半導体薄膜第1主面上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、該第1のゲート絶縁膜上に設けられた第1の導電ゲートと、該第1の導電ゲートを挟んで離間され該第1の導電ゲートから絶縁され前記半導体薄膜と接して設けられた互いに対向して離間する第1の導電形の第1の半導体領域と第2の半導体領域と、前記半導体薄膜と接して設けられ逆導電形の第3の半導体領域とを有し、さらに、前記半導体薄膜は第1の導電ゲート下の第1および第2の半導体領域の間で前記第1の主面と前記第2の主面間のキャリアが空乏する第1の導電ゲート電位が存在する膜厚と不純物濃度関係を有し、前記半導体薄膜は突起状の形状を有し、基板上に接続されている絶縁ゲート薄膜トランジスタであって、
    前記逆導電形の第3の半導体領域を、前記第1の半導体領域または前記第2の半導体領域に対して順方向バイアスして後、前記第1の導電ゲートへ第1の電位を加えて、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とに挟まれる前記半導体薄膜表面に第1の導電形のチャネルを誘起することを特徴とする、絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  2. 前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分から逆導電形のキャリアの拡散距離以内に前記半導体薄膜が接する前記第3の半導体領域の端部を設けた、ことを特徴とする請求項1記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  3. 前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分と前記逆導電形の第3の半導体領域の間に前記半導体薄膜は延在しており、前記半導体薄膜の該延在部分上に更に第2のゲート絶縁膜とその上に設けられた第2の導電ゲートを設けた、ことを特徴とする請求項1記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  4. 前記第1の導電ゲートと第2の導電ゲートは連続していることを特徴とする請求項記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  5. 前記第3の半導体領域は、前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分と接しており、前記第2のゲート絶縁膜および第2の導電ゲートは前記第1のゲート絶縁膜および前記第1の導電ゲートと共通となっていること、を特徴とする請求項記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  6. 前記第2の半導体領域は前記第1の半導体領域と対向して複数個設けられており、前記第3の半導体領域は該複数個の第2の半導体領域間に設けられている、ことを特徴とする請求項4記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  7. 前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分で、前記第2の主面に設けられた第3のゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜に接して設けられた第3の導電ゲートと、から更に構成された請求項1記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  8. 前記半導体薄膜は絶縁基板上に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  9. 前記第1の導電ゲートが逆導電形のシリコンで形成されたことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  10. 前記第2の導電ゲートが逆導電形のシリコンで形成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  11. 前記第3の導電ゲートが逆導電形のシリコンで形成されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  12. 前記導電ゲートが逆導電形のシリコンゲルマニュウムで形成されたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  13. 前記第1及び第2の導電ゲートが平均して45〜60%のゲルマニュウムを含むp形シリコンゲルマニュウムで形成された事を特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  14. 前記第1及び第2の導電ゲートが平均して45〜60%のゲルマニュウムを含むp形シリコンゲルマニュウム層とシリコン層の多層膜で形成された事を特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  15. 前記逆導電形の第3の半導体領域への前記半導体薄膜の該延在部分に、前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分より高不純物濃度部分を設けることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  16. 前記半導体薄膜に逆導電形の不純物が添加されており、前記逆導電形の第3の半導体領域への前記半導体薄膜の該延在部分に第1の導電形不純物添加部分を設けることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  17. 第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面を有する半導体薄膜と、該半導体薄膜第1主面上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、該第1のゲート絶縁膜上に設けられた第1の導電ゲートと、該第1の導電ゲートを挟んで離間され該第1の導電ゲートから絶縁され前記半導体薄膜と接して設けられた互いに対向して離間する第1の導電形の第1の半導体領域と第2の半導体領域と、前記半導体薄膜と接して設けられ逆導電形の第3の半導体領域とを有し、さらに、前記半導体薄膜は第1の導電ゲート下の第1および第2の半導体領域の間で前記第1の主面と前記第2の主面間のキャリアが空乏する第1の導電ゲート電位が存在する膜厚と不純物濃度関係を有し、前記半導体薄膜の両端または前記第1の半導体領域および前記第2の半導体領域の端部が基板に支持されている絶縁ゲート薄膜トランジスタであって、
    前記逆導電形の第3の半導体領域を、前記第1の半導体領域または前記第2の半導体領域に対して順方向バイアスして後、前記第1の導電ゲートへ第1の電位を加えて、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とに挟まれる前記半導体薄膜表面に第1の導電形のチャネルを誘起することを特徴とする、絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  18. 前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分から逆導電形のキャリアの拡散距離以内に前記半導体薄膜が接する前記第3の半導体領域の端部を設けた、ことを特徴とする請求項17の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  19. 前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分と前記逆導電形の第3の半導体領域の間に前記半導体薄膜は延在しており、前記半導体薄膜の該延在部分上に更に第2のゲート絶縁膜とその上に設けられた第2の導電ゲートを設けた、ことを特徴とする請求項17記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  20. 前記第1の導電ゲートと第2の導電ゲートは連続していることを特徴とする請求項19記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  21. 前記第3の半導体領域は、前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分と接しており、前記第2のゲート絶縁膜および第2の導電ゲートは前記第1のゲート絶縁膜および前記第1の導電ゲートと共通となっていること、を特徴とする請求項20記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  22. 前記第2の半導体領域は前記第1の半導体領域と対向して複数個設けられており、前記第3の半導体領域は該複数個の第2の半導体領域間に設けられている、ことを特徴とする請求項20記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  23. 前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分で、前記第2の主面に設けられた第3のゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜に接して設けられた第3の導電ゲートと、から更に構成された請求項17記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  24. 前記半導体薄膜は絶縁基板上に設けられていることを特徴とする請求項17〜23のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  25. 前記第1の導電ゲートが逆導電形のシリコンで形成されたことを特徴とする請求項17〜24のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  26. 前記第2の導電ゲートが逆導電形のシリコンで形成されたことを特徴とする請求項17〜25のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  27. 前記第3の導電ゲートが逆導電形のシリコンで形成されたことを特徴とする請求項17〜26のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  28. 前記導電ゲートが逆導電形のシリコンゲルマニュウムで形成されたことを特徴とする請求項17〜27のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  29. 前記第1及び第2の導電ゲートが平均して45〜60%のゲルマニュウムを含むp形シリコンゲルマニュウムで形成された事を特徴とする請求項17〜28のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  30. 前記第1及び第2の導電ゲートが平均して45〜60%のゲルマニュウムを含むp形シリコンゲルマニュウム層とシリコン層の多層膜で形成された事を特徴とする請求項17〜28のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  31. 前記逆導電形の第3の半導体領域への前記半導体薄膜の該延在部分に、前記半導体薄膜が前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とで挟まれる部分より高不純物濃度部分を設けることを特徴とする請求項19〜22のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
  32. 前記半導体薄膜に逆導電形の不純物が添加されており、前記逆導電形の第3の半導体領域への前記半導体薄膜の該延在部分に第1の導電形不純物添加部分を設けることを特徴とする請求項19〜22のいずれか1項に記載の絶縁ゲート薄膜トランジスタ。
JP2009175370A 2009-07-28 2009-07-28 絶縁ゲート薄膜トランジスタ Expired - Fee Related JP4457218B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009175370A JP4457218B2 (ja) 2009-07-28 2009-07-28 絶縁ゲート薄膜トランジスタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009175370A JP4457218B2 (ja) 2009-07-28 2009-07-28 絶縁ゲート薄膜トランジスタ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002108422A Division JP4457209B2 (ja) 2002-04-10 2002-04-10 絶縁ゲート薄膜トランジスタとその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009260375A JP2009260375A (ja) 2009-11-05
JP4457218B2 true JP4457218B2 (ja) 2010-04-28

Family

ID=41387293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009175370A Expired - Fee Related JP4457218B2 (ja) 2009-07-28 2009-07-28 絶縁ゲート薄膜トランジスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4457218B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009260375A (ja) 2009-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107425057B (zh) 包括在衬底中设有栅极电极区的晶体管的半导体结构及其形成方法
US7898033B2 (en) Semiconductor device
US20070012945A1 (en) Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device
US8227861B2 (en) Multi-gate semiconductor devices
US7709311B1 (en) JFET device with improved off-state leakage current and method of fabrication
US9171916B1 (en) LDMOS with thick interlayer-dielectric layer
JP5925740B2 (ja) トンネル電界効果トランジスタ
US20060273391A1 (en) CMOS devices for low power integrated circuits
US7190032B2 (en) Insulated gate transistor
KR20120109981A (ko) 전계 효과 트랜지스터
CN101720505A (zh) 静电释放保护器件及制造包含静电释放保护器件的半导体器件的方法
US11901463B2 (en) Method of making decoupling capacitor
JP2013191760A (ja) 半導体装置
JP2011108773A (ja) 半導体装置
JP4457218B2 (ja) 絶縁ゲート薄膜トランジスタ
KR101915559B1 (ko) 터널 전계 효과 트랜지스터에 의한 집적회로 및 그의 제조 방법
US11257817B2 (en) Integrated chip with improved latch-up immunity
JP2004273551A (ja) 半導体集積回路装置およびその製造方法
JP2016119341A (ja) 半導体装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091013

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091211

TRDD Decision of grant or rejection written
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100107

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4457218

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees