JP2004273551A - 半導体集積回路装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置およびその製造方法 Download PDF

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Masabumi Miyamoto
正文 宮本
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Abstract

【課題】いわゆるSOI基板の主表面に形成される部分空乏型のMISFETの特性の向上を図る。
【解決手段】下から支持層1、埋め込み絶縁層6、炭化シリコン層12およびシリコン層11を有するSOI基板の主表面に形成されたMISFETのソース、ドレイン領域(4)間のシリコン層11の主表面に形成されるチャネル領域の下部に、ソース、ドレイン領域を構成する半導体であるシリコンよりバンドギャップの大きい炭化シリコン層12をソース、ドレイン領域と接するよう配置することにより、ソース領域をエミッタ、炭化シリコン層12をベース、ドレイン領域をコレクタとする寄生バイポーラの電流増幅率(hfe)を低下させ、閾値の変動を抑制し、また、ソース、ドレイン領域間の耐圧を向上させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置およびその製造方法に関し、特に、SOI(Silicon On Insulator)基板上に形成されるMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を有する半導体集積回路装置に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
SOI基板とは、絶縁層上に形成されたシリコン層等の半導体層を有する基板をいい、このシリコン層上に形成されるMISFETは、そのソース、ドレイン領域下が前記絶縁層で絶縁され、さらに、MISFETの両側を溝内に埋め込まれた絶縁膜(素子分離)で絶縁すれば完全に絶縁膜で囲まれることとなる。
【0003】
このような構造によれば、ラッチアップ現象を抑制し、また、隣接するMISFET間のリーク電流を低減することができる。
【0004】
SOI基板上に形成されたMISFET(特に、後述する部分空乏型のMISFET)については、例えば下記非特許文献1や2にその記載がある。
【0005】
【非特許文献1】
Scalability of SOI Technology into 0.13μm 1.2V CMOS Generation, E. Leobandung, et. Al, Tech. Digest of IEDM98, pp403−406, 1988. IBM.
【0006】
【非特許文献2】
Analysis and Control of Hysteresis in PD/SOI 1999 IEEE IBM.
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなSOI基板上に形成されるMISFETには、部分空乏型と呼ばれるものや完全空乏型と呼ばれるものがある。
【0008】
絶縁膜上のシリコン層が完全に空乏化するものが完全空乏型であり、シリコン層中に空乏化しない領域が残存するものが部分空乏型である。
【0009】
即ち、部分空乏型のMISFETにおいては、ゲート電極に電圧が印加されるとゲート酸化膜の下部からSOI基板の深さ方向に空乏層が広がる。この際、反転層が形成される最大の空乏層幅となっても、シリコン層の下の絶縁層には空乏層が到達しない。従って、空乏化しない基板領域(中間領域)が残るのである(図13参照)。なお、図13は、部分空乏型のMISFETを示す基板の要部断面図である。7は、シリコン層(厚さ約0.15μm)を、7aは、空乏化しない基板領域(中間領域)を示す。他の部位については、実施の形態1で説明するMISFETと同様であるため、対応する符号を付し、ここではその説明を省略する。
【0010】
この部分空乏型のMISFETにおいては、接合容量の低減やIdsの向上効果があるため、特に高速素子として利用されている。また、完全空乏型のMISFETと比較し、閾値の調整が容易である等の利点がある。
【0011】
しなしながら、シリコン層はその周囲が絶縁膜で覆われているため、基板電位がフローティング状態となる。特に、ソース領域をエミッタ、シリコン層(基板領域)をベース、ドレイン領域をコレクタとする寄生バイポーラが動作し、MISFETの動作時に基板電位が上昇する。
【0012】
このように基板電位が上昇するとMISFETの閾値電位が変動したり、また、ソース、ドレイン領域間にブレークダウンが起きる等、素子特性を劣化させる。
【0013】
本発明の目的は、MISFETの特性を向上させることにある。特に、基板電位を安定させ、閾値電位の変動を低減し、また、ドレイン耐圧を向上させることにある。
【0014】
本発明の前記目的およびその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0016】
本発明の半導体集積回路装置は、(a)半導体基板中に形成されたソース、ドレイン領域と、(b)前記ソース、ドレイン領域間の前記半導体基板表面に位置するチャネル領域と、(c)前記チャネル領域の下部に位置し、前記ソース、ドレイン領域と接する半導体領域であって、前記ソース、ドレイン領域を構成する半導体よりバンドギャップが大きい半導体で構成される半導体領域と、(d)前記チャネル領域上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、を有するものである。
【0017】
また、本発明の半導体集積回路装置は、(a)絶縁層の上部に形成された半導体層を有する半導体基板と、(b)前記半導体層中に形成されたソース、ドレイン領域と、(c)前記ソース、ドレイン領域間の前記半導体層表面に位置するチャネル領域と、(d)前記チャネル領域と前記絶縁層との間に位置し、前記ソース、ドレイン領域と接する半導体領域であって、前記ソース、ドレイン領域を構成する半導体よりバンドギャップが大きい半導体で構成される半導体領域と、(e)前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、を有するものである。
【0018】
また、前記半導体領域中には、前記ゲート電極に電位を印加した場合、空乏化しない領域が存在する。
【0019】
また、例えば、前記ソース、ドレイン領域を構成する半導体はシリコンであり、前記半導体領域は、そのバンドギャップが1.1eVより大きい半導体である。
【0020】
さらに、前記半導体領域中に、結晶欠陥などの再結合中心を設けてもよい。また、前記半導体領域の不純物濃度を、チャネル領域の不純物濃度より大きくしてもよい。
【0021】
また、本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、(a)絶縁層上に炭化シリコン層を堆積し、前記炭化シリコン層上にシリコン層を形成する工程と、(b)前記シリコン層上に絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、(c)前記ゲート電極の両側の前記シリコン層に不純物を注入し、前記炭化シリコン層と接するソース、ドレイン領域を形成する工程と、を有するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態の半導体集積回路装置を示す基板の要部断面図であり、SOI基板上にnチャネル型MISFETが形成された状態を示す。このMISFETは、部分空乏型であり、ゲート電極に電位を印加した場合、空乏層の延びは炭化シリコン層12の底部にまで到達せず、空乏層ができない中間領域が存在する。
【0024】
SOI基板(以下、単に「基板」ともいう)は、支持層1、その上に形成された埋め込み絶縁層6、その上部に形成された炭化シリコン(SiC)層12およびその上部に形成されたシリコン層11より成る。なお、2は、素子分離であり、例えば、溝内に埋め込まれた絶縁膜よりなる。
【0025】
この炭化シリコン層(半導体領域)12およびシリコン層11中には、LDD構造のソース、ドレイン領域が形成されている。即ち、n型半導体領域5とn型半導体領域4が形成されている。
【0026】
ソース、ドレイン領域間上にはゲート絶縁膜10を介してゲート電極3が形成されている。このゲート電極3の側壁にはサイドウォール膜17が形成されている。
【0027】
また、MISFETの上部には層間絶縁膜8が形成され、また、ソース、ドレイン領域は、プラグP1を介して第1層配線M1と接続されている。
【0028】
このように、本実施の形態によれば、ソース、ドレイン領域間のシリコン層11の主表面に形成されるチャネル領域の下部に、炭化シリコン層12が設けられている。また、この炭化シリコン層12は、ソース、ドレイン領域と接しており、ソース、ドレイン領域の底部と炭化シリコン層12の底部との間には一定の距離が設けられている。
【0029】
炭化シリコン層とは、シリコン(Si)膜中に炭素(C)を含有させた膜であり半導体としての性質を有するものである。例えば、Si膜をエピタキシャル成長させる際に、炭素源(炭素化合物)をその雰囲気中に導入することにより、Si膜中にCを含有させることができる。Cの比は例えば20%程度である。
【0030】
この炭化シリコンは、シリコンよりバンドギャップが大きい。シリコンのバンドギャップは、1.1eVである。
【0031】
このように、エミッタとなるソース領域を構成する半導体(この場合シリコン)よりバンドギャップの大きい半導体(この場合炭化シリコン)をベースとなる位置に配置することによって、ソース領域をエミッタ、基板領域をベース、ドレイン領域をコレクタとする寄生バイポーラの電流増幅率(hfe)を低下させることができる。これは、ソース領域(エミッタ)からベースへのキャリアの注入が低減されるため電流増幅率(hfe)が低下することによる。参考までに、通常のバイポーラ素子においては、電流増幅率(hfe)を向上させるため、ベースとなる位置にシリコンよりバンドギャップの小さい半導体(例えばシリコンゲルマニウム)を用いることがある。
【0032】
このように、寄生バイポーラの電流増幅率(hfe)を低下させることにより、基板がフローティング状態になる際の不具合の制御性が良くなる。具体的には、寄生バイポーラによって流れる電流を低下させることができ、基板電位の上昇を抑えることができる。これにより閾値の変動を抑制することができる。また、ソース、ドレイン領域間の耐圧(特に、ドレイン端の耐圧)の劣化を防止することができる。また、このような特性の向上により、素子設計が容易になる。
【0033】
次に、図1に示したnチャネル型MISFETの製造方法を図2〜図8を用いて説明する。図2〜図8は、本実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【0034】
図2に示すように、例えば単結晶シリコンよりなる支持層1上に炭化シリコン(シリコンカーバイド、SiC)層12を100nm程度エピタキシャル成長させる。前述した通り、Si膜をエピタキシャル成長させる際に、炭素源(炭素化合物)をその雰囲気中に導入することにより、Si膜中にCを含有させることができる。
【0035】
次いで、図3に示すように、支持層1と炭化シリコン層12との境界部近傍に酸素イオンを例えば5×1017/cm程度注入し、窒素雰囲気中で、1100℃、4時間程度のアニール(熱処理)を施す。この際、酸素イオンの打ち込みエネルギーは飛程距離が炭化シリコン層12の厚さより深くなるよう設定する。
【0036】
その結果、図4に示すように、支持層1と炭化シリコン層12との境界部近傍に、酸化シリコン膜よりなる埋め込み絶縁層6が例えば100nm程度形成される。
【0037】
この後、図5に示すように、炭化シリコン層12上に単結晶シリコンをエピタキシャル成長させ、例えば50nm程度のシリコン層11を形成する。
【0038】
以上の工程により、支持層1、埋め込み絶縁層6、炭化シリコン層12およびシリコン層11よりなるSOI基板が形成される。なお、前記工程においては、酸素を打ち込むことにより埋め込み絶縁層を形成する、いわゆるSIMOX(silicon implanted oxide)法を用いてSOI基板を形成したが、ウエハを貼り合わせる方法を用いて前記形状のSOI基板を形成してもよい。
【0039】
次いで、図6に示すように、SOI基板を例えば埋め込み絶縁層6の途中まで選択的にエッチングし、分離溝を形成した後、この分離溝に絶縁膜として酸化シリコン膜を埋め込むことにより素子分離(STI:shallow trench isolation)2を形成する。
【0040】
次いで、SOI基板(炭化シリコン層12およびシリコン層11)中に、p型不純物を注入(ウエルインプラおよびチャネルインプラ)し、所望のウエル濃度および基板表面濃度とする。
【0041】
この際、シリコン層11より炭化シリコン層12の不純物濃度を大きくすることにより寄生バイポーラの電流増幅率(hfe)をさらに低減することができる。即ち、寄生バイポーラのベースとなる炭化シリコン層12の不純物をより高濃度とすることにより、寄生バイポーラの電流増幅率を下げることができるのである。
【0042】
次いで、例えばSOI基板を熱酸化することによってシリコン層11表面にゲート絶縁膜10を形成し、次いで、導電性膜として例えば多結晶シリコン膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により堆積する。次いで、図示しないフォトレジスト膜をマスクとして多結晶シリコン膜をエッチングし、ゲート電極3を形成する。
【0043】
次いで、ゲート電極3の両側のSOI基板中にn型不純物を導入し、n型半導体領域5を形成する。
【0044】
次いで、図7に示すように、SOI基板上に絶縁膜として酸化シリコン膜を例えばCVD法で堆積し、異方的にエッチングすることによりゲート電極3の両側にサイドウォール膜17を形成する。
【0045】
次いで、サイドウォール膜17をマスクにSOI基板中にn型不純物を注入し、拡散させることにより、n型半導体領域(ソース、ドレイン領域)4を形成する。この際、n型半導体領域の底部は、炭化シリコン層12中にある。言い換えれば、n型半導体領域は、炭化シリコン層12と接しており、また、n型半導体領域4の底部と炭化シリコン層12の底部との間には一定の距離がある。
【0046】
以上の工程により、SOI基板上にnチャネル型MISFETが形成される。
【0047】
さらに、図8に示すように、nチャネル型MISFET上に層間絶縁膜8として酸化シリコン膜を例えばCVD法により堆積する。次いで、n型半導体領域(ソース、ドレイン領域)4上の層間絶縁膜8等を除去し、コンタクトホールを形成する。次いで、このコンタクトホール内を含む層間絶縁膜8上に導電性膜として例えばタングステン(W)膜を堆積し、所望の形状にパターニングすることにより、プラグP1および第1層配線M1が形成される。
【0048】
この後、層間絶縁膜、プラグおよび配線の形成工程を繰り返すことにより、さらに多層の配線を形成することが可能であるが、それらの図示および詳細な説明は省略する。
【0049】
なお、本実施の形態においては、nチャネル型MISFETを例に説明したが、用いる不純物の導電型を逆にすることにより、pチャネル型MISFETも同様に形成することができる。
【0050】
このように、pチャネル型MISFETについても、エミッタ領域となるMISFETのソースもしくはドレイン領域を構成する半導体より、バンドギャップが大きな半導体をチャネル領域下に設けることにより、エミッタとなるソースもしくはドレイン領域からベースへのキャリアの注入が低減されるため寄生バイポーラの電流増幅率(hfe)が低下する。よって、前述した閾値の変動を抑制やソース、ドレイン領域間の耐圧(特に、ドレイン端の耐圧)の向上といった効果を奏することができる。
【0051】
また、図9に示すように、nチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFET(CMOS)を本実施の形態のSOI基板上に形成してもよい。14は、炭化シリコン(SiC)層、13は、シリコン層であり、これらの層中には、n型不純物が注入されている。16は、p型半導体領域で、15は、p型半導体領域である。なお、nチャネル型MISFETのゲート電極3にn型不純物を導入し、また、pチャネル型MISFETのゲート電極3にp型不純物(例えばボロン)を注入してもよい。
【0052】
(実施の形態2)
以下に示すように、炭化シリコン層12中に結晶欠陥を設け、キャリアの再結合中心としてもよい。
【0053】
図10および図11を参照しながら本実施の形態の半導体集積回路装置の構造およびその製造方法を説明する。
【0054】
図10は、本実施の形態の半導体集積回路装置を示す基板の要部断面図である。また、図11は、本実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【0055】
図10に示すように、炭化シリコン層212中には、結晶欠陥18が存在する。その他の構造は、実施の形態1の場合と同様であるため対応する符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
この結晶欠陥の形成方法について説明する。なお、実施の形態1の場合と同様の工程についてはその説明を省略する。
【0057】
実施の形態1で詳細に説明したSOI基板を準備し、さらに、素子分離2を形成した後、ウエルインプラおよびチャネルインプラを行う。
【0058】
次いで、図11に示すように、SOI基板の炭化シリコン層212中にアルゴン(Ar)のイオン打ち込みを行う。その結果、炭化シリコン層212中に結晶欠陥18が生じる。
【0059】
この結晶欠陥により寄生バイポーラのエミッタから注入されるキャリアがベースとなる炭化シリコン層212で再結合し、さらに、電流増幅率(hfe)が低下する。
【0060】
このように、結晶欠陥のような再結合中心を炭化シリコン層212中に設けることにより、さらに寄生バイポーラの電流増幅率(hfe)を下げることができる。
【0061】
よって、閾値の変動を抑制し、また、ソース、ドレイン領域間の耐圧(特に、ドレイン端の耐圧)の劣化を防止することができる。
【0062】
本実施の形態もnチャネル型MISFETのみならず、pチャネル型MISFETやCMOSにも適用可能である。また、炭化シリコン層212中に結晶欠陥18を形成する工程は、前記タイミングに限られない。
【0063】
(実施の形態3)
実施の形態1および2においては、SOI基板上に形成されたMISFETについて説明したが、通常の半導体基板(バルク基板)上のMISFETに本発明を適用してもよい。
【0064】
図12は、本実施の形態の半導体集積回路装置を示す基板の要部断面図である。
【0065】
本実施の形態においては、単結晶シリコン基板301上に炭化シリコン層312およびシリコン層311を実施の形態1と同様に成長させる。
【0066】
次いで、素子分離2を形成した後、炭化シリコン層312およびシリコン層311中にウエルインプラおよびチャネルインプラを行う。ウエルインプラは、p型不純物として例えばホウ素を160keVでイオン打ち込みする。また、チャネルインプラについては、所望の閾値電圧になるよう不純物濃度を調整する。
【0067】
その後、実施の形態1と同様に、ゲート絶縁膜10、ゲート電極3やソース、ドレイン領域等を形成する。
【0068】
このように、バルク基板を用いた場合には、基板がフローティング状態とならないため基板電位の上昇の問題は小さいが、寄生バイポーラの電流増幅率(hfe)が小さくなることで、ソース、ドレイン間の耐圧を向上させることができる。
【0069】
なお、炭化シリコン層312中に結晶欠陥を形成し、また、不純物濃度を高くしてもよい。また、本実施の形態もnチャネル型MISFETのみならず、pチャネル型MISFETやCMOSにも適用可能である。
【0070】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0071】
特に、前記実施の形態においては、バンドギャップの差を設けるためシリコン層と炭化シリコン層を用いたが、寄生バイポーラのエミッタとなる領域よりベースとなる領域のバンドギャップが大きくなれば、他の半導体の組合せでもよい。
【0072】
また、前記実施の形態においては、SOI基板の表面層としてシリコン層を用いたが、シリコンゲルマニウム(SiGe)層を用いてもよい。
【0073】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0074】
MISFETのチャネル領域の下部に位置し、ソース、ドレイン領域と接する半導体領域を、ソース、ドレイン領域を構成する半導体よりバンドギャップが大きい半導体で構成したので、寄生バイポーラの電流増幅率を低減することができ、MISFETの特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置を示す基板の要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1である他の半導体集積回路装置を示す基板の要部断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2である半導体集積回路装置を示す基板の要部断面図である。
【図11】本発明の実施の形態2である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置を示す基板の要部断面図である。
【図13】部分空乏型のMISFETを示す基板の要部断面図である。
【符号の説明】
1 支持層
2 素子分離
3 ゲート電極
4 n型半導体領域
5 n型半導体領域
6 埋め込み絶縁層
7 シリコン層
7a 空乏化しない基板領域(中間領域)
8 層間絶縁膜
10 ゲート絶縁膜
11 シリコン層
12 炭化シリコン層
13 シリコン層
14 炭化シリコン層
15 p型半導体領域
16 p型半導体領域
17 サイドウォール膜
18 結晶欠陥
212 炭化シリコン層
301 単結晶シリコン基板
311 シリコン層
312 炭化シリコン層
M1 第1層配線
P1 プラグ

Claims (5)

  1. (a)半導体基板中に形成されたソース、ドレイン領域と、
    (b)前記ソース、ドレイン領域間の前記半導体基板表面に位置するチャネル領域と、
    (c)前記チャネル領域の下部に位置し、前記ソース、ドレイン領域と接する半導体領域であって、前記ソース、ドレイン領域を構成する半導体よりバンドギャップが大きい半導体で構成される半導体領域と、
    (d)前記チャネル領域上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
    を有することを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. (a)絶縁層の上部に形成された半導体層を有する半導体基板と、
    (b)前記半導体層中に形成されたソース、ドレイン領域と、
    (c)前記ソース、ドレイン領域間の前記半導体層表面に位置するチャネル領域と、
    (d)前記チャネル領域と前記絶縁層との間に位置し、前記ソース、ドレイン領域と接する半導体領域であって、前記ソース、ドレイン領域を構成する半導体よりバンドギャップが大きい半導体で構成される半導体領域と、
    (e)前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、を有することを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 前記ソース、ドレイン領域を構成する半導体はシリコンであり、前記半導体領域は、そのバンドギャップが1.1eVより大きいことを特徴とする請求項1または2記載の半導体集積回路装置。
  4. 前記ソース、ドレイン領域を構成する半導体はシリコンであり、前記半導体領域は、炭化シリコン(SiC)層であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体集積回路装置。
  5. (a)絶縁層上に炭化シリコン層を堆積し、前記炭化シリコン層上にシリコン層を形成する工程と、
    (b)前記シリコン層上に絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、
    (c)前記ゲート電極の両側の前記シリコン層に不純物を注入し、前記炭化シリコン層と接するソース、ドレイン領域を形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
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