JP2013188249A - ネイルプリント装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】隔壁20の一方の面側に印刷対象である爪部に対応する印刷指が挿入される第1の指挿入部24を設け、隔壁20の他方の面側に印刷対象でない爪部に対応する非印刷指が挿入される第2の指挿入部26を設けて、第1の指挿入部24に挿入された印刷指の爪部に印刷ヘッドによって印刷を施す場合に、加熱気体送風ユニット60により加熱された気体を第1の指挿入部24内及び第2の指挿入部26内に送風する。
【選択図】図8
Description
このようなネイルプリント装置によって爪部にネイルプリントを施した場合、印刷部分が乾燥する前に爪部が周囲の物と接触してしまうと、印刷された絵柄が擦れて崩れてしまう。
この点、従来は、爪部に印刷した後、自然乾燥やドライヤーによる乾燥等によって印刷部分の乾燥を行っていた。しかし、自然乾燥による場合には、印刷してから印刷部分のインクが完全に乾燥して周囲に付着等しなくなるまでに長時間を要する。また、ドライヤー等を用いる場合には、ユーザが自ら乾燥作業を行わなければならず手間がかかっていた。
他方で、すべての指の爪部について印刷が完了してから乾燥動作を開始したのでは、印刷部分のインクが完全に乾燥するまでに時間を要し、その間指を自由に動かすことができない不便が生ずる。
隔壁と、
前記隔壁の一方の面側に設けられ、指が挿入される第1の指挿入部と、
前記隔壁の一方の面側に設けられ、前記第1の指挿入部に挿入された前記指の爪部に印刷を施す印刷ヘッドと、
前記隔壁の他方の面側に設けられ、指が挿入される第2の指挿入部と、
加熱された気体を前記第1の指挿入部内及び前記第2の指挿入部内に送風する加熱気体送風ユニットと、
を備えていることを特徴としている。
これにより、印刷動作を妨げることなく、同時並行的に乾燥動作を行うことができ、できるだけ短い時間で印刷部分の乾燥を行うことが可能になるとの効果を奏する。
まず、図1から図18を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第1の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1に示すように、このネイルプリント装置1は、装置本体2及び蓋体4を備えている。蓋体4は、装置本体2の上面である天板21の後端部に設けたヒンジ3を介して、装置本体2に回動可能に連結されている。蓋体4は、ヒンジ3を支点として、装置本体2の天板21に重ねられた状態から装置本体2の天板21に対して立てられた状態(図1参照)まで回動可能となっている。
装置本体2の前面のほぼ中央部には、印刷対象である爪部Tに対応する指(以下「印刷指U1」という。)が挿入される印刷指挿入口23が形成されている。印刷指挿入口23は後述する第1の指挿入部24に通じる挿入口である。また、装置本体2の前面であってこの印刷指挿入口23の下方には、印刷対象でない爪部T(すなわち、印刷待ちの爪部Tや印刷済み等の爪部T)に対応する指(以下「非印刷指U2」という。)が挿入される非印刷指挿入口25が形成されている。非印刷指挿入口25は後述する第2の指挿入部26に通じる挿入口である。
また、装置本体2の前面であって印刷指挿入口23の横には、後述する印刷部40の印刷ヘッド46(インクカートリッジ)を交換するためのカートリッジ交換口27が設けられている。
さらに、図2に示すように、装置本体2の裏面側であって後述する加熱気体送風ユニット60のファン等の送風機63(図6等参照)に対応する位置には外気を取り入れる吸気口28が設けられている。
なお、装置本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。
操作部12には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、非常時等に動作を停止させるための停止スイッチ釦等の操作釦121が配置されている。なお、操作釦121は、ここに上げたものに限定されず、これ以外の各種操作を行う操作釦121が設けられていてもよい。
例えば、表示部13の表示画面には、印刷開始スイッチ釦、印刷動作を停止させる印刷停止スイッチ釦、印刷すべきデザイン画像(すなわち、印刷対象である爪部Tに印刷すべき所望のデザイン)をユーザが選択するためのデザイン選択釦等、各種の操作釦(図示せず)が表示されるようになっており、ユーザは表示部13の表示画面上においてこれらの操作釦をタッチすることによって各種の入力を行うことができる。
なお、表示部13の表面にタッチパネルが構成されていることは必須ではない。表示部13の表面にタッチパネルが構成されていない場合には、上記各種の操作釦が、操作部12に設けられる。
本実施形態において、ネイルプリント装置1は、第1の指挿入部24に印刷指U1を1本ずつ入れて当該印刷指U1の爪部Tに印刷を施すようになっており、第1の指挿入部24は、人の手指が1本入る程度の幅に形成されている。また、第1の指挿入部24の高さは、印刷指U1を第1の指挿入部24に出し入れする際に、印刷指U1及びその爪部Tが第1の指挿入部上面240と接触しない程度の高さとなっている。
第1の指挿入部24は、装置本体2の前面に設けられている印刷指挿入口23から装置本体2の裏面側の壁面まで延在し、その上側面の一部に、爪部Tを露出させるための窓部241が形成されている。
また、隔壁20の他方の面側(本実施形態では図3及び図4等における下側、すなわち、装置本体2の下部収容部202)には、印刷対象でない爪部Tに対応する指(非印刷指U2)が挿入される第2の指挿入部26が設けられており、非印刷指挿入口25から非印刷指U2が挿入されるようになっている。第2の指挿入部26は、その上面が隔壁20によって構成されており、この隔壁20、第2の指挿入部側面262、及び第2の指挿入部底面263によって囲まれた空間である。
例えば、親指の爪部Tに印刷を施す場合には、図5に示すように、第1の指挿入部24に印刷指U1としての親指を挿入し、非印刷指U2であるその他の4指(人差し指、中指、薬指、小指)を第2の指挿入部26に挿入する。
第2の指挿入部26における指挿入方向の奥側であって隔壁20の切欠き部203に対応する位置には、後述する切替弁72を係止可能な弁係止部261が設けられている。
また、装置本体2の裏面側であって第1の指挿入部24及び第2の指挿入部26における指の挿入方向奥側には、吸気口28と連通するとともに第1の指挿入部24及び第2の指挿入部26と連通するダクト61が設けられている。
図6及び図7に示すように、装置本体2の内部であって隔壁20における指の挿入方向奥側には、ヒータ62とこのヒータ62により加熱された空気を第1の指挿入部24内及び第2の指挿入部26内に送風する送風機63とを含む加熱気体送風ユニット60が配置されている。
本実施形態では、加熱気体送風ユニット60は、装置本体2の裏面側であって第1の指挿入部24及び第2の指挿入部26と連通するダクト61の内部に配置されており、加熱気体送風ユニット60の上部及び両側部はダクト61によって覆われている。これにより、加熱気体送風ユニット60からの温風が、第1の指挿入部24以外の上部収容部201に送風されないようになっている。
ヒータ62は、例えばニクロム線等の電熱線をコイル状にした電熱ヒータ等であり、ヒータ62の電源がONとなったときに周囲の空気を加熱することができるようになっている。なお、ヒータ62はネイルプリント装置1に組み込むことのできる小型のものであればよく、その構成はここに例示したものに限定されない。
また、送風機63は、吸気口28に対応する位置に配置された送風ファンであり、送風機63を動作させることでこの吸気口28から外気を取り入れることができるようになっている。
この加熱気体送風ユニット60は、後述する制御装置50の乾燥制御部513(図17参照)に接続され、該乾燥制御部513によって、ヒータ62の加熱温度や加熱時間、送風機63の送風量(すなわち、送風の強度)や送風時間等が制御されるようになっている。
前述のように、隔壁20における第1の指挿入部24の底面を構成している部分は、その指挿入方向の奥側が切り欠かれて切欠き部203となっており、図8に示すように、この隔壁20の切欠き部203の奥側端部には、ネイルプリント装置1の幅方向に延在して、回動可能にシャフト71が設けられている。このシャフト71には、第1の指挿入部24の幅(すなわち隔壁20の切欠き部203の幅)とほぼ等しい幅に形成された切替弁72が取り付けられている。本実施形態において、切替弁72は、加熱気体送風ユニット60による第1の指挿入部24内への送風と第2の指挿入部26内への送風とを調整する送風調整部として機能するものである。なお、切替弁72は、加熱気体送風ユニット60による送風を調整可能なものであればよく、その形状や大きさ等はここに例示したものに限定されない。
シャフト71には、駆動源である弁駆動モータ73(図17参照)が接続されており、切替弁72は、弁駆動モータ73からの駆動力がシャフト71を介して切替弁72に伝達されることにより、シャフト71の軸を中心として上下方向(図3及び図4等における装置の上下方向)に回動可能に構成されている(図8参照)。
この切替弁72を動作させる弁駆動モータ73は、後述する制御装置50の弁駆動制御部514(図17参照)に接続され、該弁駆動制御部514によって制御されるようになっている。
本実施形態において、切替弁72は、切替弁72の自由端が第2の指挿入部26の弁係止部261に接触する第1の位置(図9、図10参照)、切替弁72の自由端が第2の指挿入部26の弁係止部261と第1の指挿入部24の上面との間(すなわち、切替弁72の自由端が第2の指挿入部26の弁係止部261及び第1の指挿入部24の上面のいずれにも接触しない位置)に位置する第2の位置(図13及び図14参照)、切替弁72の自由端が第1の指挿入部24の上面に接触する第3の位置(図11及び図12、図15及び図16参照)を取り得るようになっている。
切替弁72が第1の位置にあるときには、加熱気体送風ユニット60から第2の指挿入部26内への送風が遮断されて、加熱気体送風ユニット60からの送風が全て第1の指挿入部24に対して行われるように調整される。
また、切替弁72が第2の位置にあるときには、加熱気体送風ユニット60から第1の指挿入部24内、第2の指挿入部26内の両方に対して送風が行われるように調整される。なお、この場合に、切替弁72の上下方向の向きを調整することによって、第1の指挿入部24内への送風量、第2の指挿入部26内への送風量を調整することができるように構成されていてもよい。
また、切替弁72が第3の位置にあるときには、加熱気体送風ユニット60から第1の指挿入部24内への送風が遮断されて、加熱気体送風ユニット60からの送風が全て第2の指挿入部26に対して行われるように調整される。
カメラ32は、装置本体2の天板21の裏面側であって第1の指挿入部24の窓部241から露出する爪部Tを撮影可能な位置に配置されている。カメラ32としては、例えばドライバーを内蔵した200万画素程度以上の画素を有するものが適用される。
また、照明灯33は、白色LED等で構成され、カメラ32によって爪部T等を撮影する際に照明を行うものである。本実施形態では、図4に示すように、カメラ32を囲むように4つの照明灯33が配置されている。
この撮影部30は、後述する制御装置50の撮影制御部511に接続され、該撮影制御部511によって制御されるようになっている。
後述するように、本実施形態のネイルプリント装置1において、制御部51は、撮影部30によって取得された画像から、印刷対象である爪部Tの位置や形状等を検出、測定するようになっている。また、制御部51は、撮影部30によって取得された画像に基づいて第1の指挿入部24に指が挿入されているか否かや、印刷指U1が印刷に適した位置(すなわち、爪部T全体が第1の指挿入部24の窓部241から露出する位置)に配置されているか否か等の判断を行う。さらに、ユーザが第1の指挿入部24に印刷指U1を挿入する際には、撮影部30によって第1の指挿入部24内部の様子が撮影され、撮影された画像が表示部13の表示画面に表示されるようになっている。ユーザはこの画面を確認しながら印刷指U1を挿入することにより、印刷指U1を印刷に適した位置まで挿入することができる。
なお、撮影部30の構成や設けられる位置等はここに例示したものに限定されない。
印刷部40は、印刷ヘッド46と、この印刷ヘッド46を着脱可能に保持するヘッドホルダ(図示せず)と、このヘッドホルダにセットされた印刷ヘッド46を走査方向(例えばネイルプリント装置1の幅方向、左右方向)及びこれと直交する方向(前後方向)に移動させるためのモータ47(図17参照)及び印刷ヘッド46をガイドするガイドロッド(図示せず)等を備えている。
本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、被印刷媒体(すなわち爪部T)に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されない。
本実施形態の印刷ヘッド46は、インク吐出口が複数形成されたノズルプレート(図示せず)とインクを貯留し随時このインク吐出口にインクを供給するインクカートリッジとが一体に設けられた一体型の印刷ヘッドである。印刷ヘッド46は前側(すなわち、ネイルプリント装置1の前面側)に倒すことによりヘッドホルダから取り外し可能となっている。インクがなくなった場合等には、ユーザはカートリッジ交換口27から印刷ヘッド46ごと取り外し、新しい印刷ヘッド46をカートリッジ交換口27から装置内部に入れてヘッドホルダに装着することができるようになっている。
印刷部40の印刷ヘッド46、モータ47は、後述する制御装置50の印刷制御部512に接続され、該印刷制御部512によって制御されるようになっている。
図17は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置50は、図17に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)等によって構成されている制御部51、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成され記憶部52を備えるコンピュータである。記憶部52には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムやデザイン画像の印刷データ等の各種データ等が格納されている。なお、ネイルプリント装置1の記憶部は、制御装置50内の記憶部52(ROM、RAM)に限定されず、他に記憶部が設けられていてもよい。
本実施形態では、撮影制御部511は、例えば印刷前にユーザが印刷指U1を第1の指挿入部24にセットする際に、撮影部30を制御して第1の指挿入部24内における印刷指U1の画像を取得させる。
本実施形態では、加熱気体送風ユニット60の動作モード(乾燥モード)として、プレ乾燥モード、並行乾燥モード、本乾燥モードの3つのモードが用意されており、乾燥制御部513は、適宜これら各モードに適した加熱温度、送風量等になるようにヒータ62及び送風機63を制御するようになっている。
プレ乾燥モードにおいては、乾燥制御部513は、ヒータ62の加熱温度を「LOW」(例えば30度から35度程度の加熱温度)、送風機63による送風を中程度、ヒータ62及び送風機63の駆動時間を5〜10secに調整する。
プレ乾燥モードは、印刷が施された爪部Tの表面が乾く程度まで乾燥させるものである。印刷後、第1の指挿入部24から印刷指U1を抜き取る前にプレ乾燥を行うことにより、印刷指U1を第1の指挿入部24から抜き取る際や第2の指挿入部26に移動させる際等に、装置壁面等に印刷部分が多少接触等しても印刷された画像が擦れたり崩れたりしにくくなる。
後述するように、プレ乾燥モードの際には、弁駆動制御部514が弁駆動モータを制御することにより、切替弁72の自由端が第2の指挿入部26の弁係止部261に接触する第1の位置(図9、図10参照)に切替弁72が配置される。
並行乾燥モードにおいては、乾燥制御部513は、ヒータ62の加熱温度を「HIGH」(例えば40度から45度程度の加熱温度)、送風機63による送風を弱(送風量少ない)、ヒータ62及び送風機63の駆動時間を5〜10secに調整する。
並行乾燥モードは、第1の指挿入部24内の印刷が施された爪部Tの表面が乾く程度まで乾燥させるとともに、第2の指挿入部26内に挿入されている印刷済みの非印刷指U2の爪部Tについて少しでも乾燥を進めるためのものである。並行乾燥モードでは、ヒータ62の加熱温度を「HIGH」とするが、その分送風機63による送風を弱として送風量を少なくするため、第1の指挿入部24内の印刷指U1の爪部Tについてプレ乾燥を行うのと同様の効果を得ることができる。また、これと並行して印刷済みの非印刷指U2の爪部Tに対する乾燥も行うことができるため、印刷済みの爪部Tをより早く乾燥させることができる。
後述するように、並行乾燥モードの際には、弁駆動制御部514が弁駆動モータを制御することにより、切替弁72の自由端が第2の指挿入部26の弁係止部261と第1の指挿入部24の上面との間に位置する第2の位置(図13及び図14参照)に切替弁72が配置される。
本乾燥モードにおいては、乾燥制御部513は、ヒータ62の加熱温度を「HIGH」(例えば40度から45度程度の加熱温度)、送風機63による送風を強(送風量多い)、ヒータ62及び送風機63の駆動時間を20〜30secに調整する。
本乾燥モードは、第2の指挿入部26内に挿入されている印刷済みの非印刷指U2について爪部Tに施された印刷を完全に乾燥させるためのものである。本乾燥モードは、既に印刷済みの指が第2の指挿入部26に挿入されている場合であって第1の指挿入部24に挿入された印刷指U1の爪部Tに印刷しているとき(図11及び図12参照)、又は全ての指について印刷が完了して全ての指が第2の指挿入部26に挿入されている場合(図15及び図16参照)に行われる。
後述するように、本乾燥モードの際には、弁駆動制御部514が弁駆動モータを制御することにより、切替弁72の自由端が第1の指挿入部24の上面に接触する第3の位置(図11及び図12、図15及び図16参照)に切替弁72が配置される。
すなわち、前述のように、プレ乾燥モードの際には、弁駆動制御部514が弁駆動モータ73を制御することにより、切替弁72の自由端が第2の指挿入部26の弁係止部261に接触する第1の位置(図9、図10参照)に切替弁72が配置される。これにより、加熱気体送風ユニット60から第2の指挿入部26内への送風が遮断されて、加熱気体送風ユニット60からの送風が全て第1の指挿入部24に対して行われるように調整される。
また、並行乾燥モードの際には、弁駆動制御部514が弁駆動モータ73を制御することにより、切替弁72の自由端が第2の指挿入部26の弁係止部261と第1の指挿入部24の上面との間に位置する第2の位置(図13及び図14参照)に切替弁72が配置される。これにより、加熱気体送風ユニット60から第1の指挿入部24内、第2の指挿入部26内の両方に対して送風が行われるように調整される。
また、本乾燥モードの際には、弁駆動制御部514が弁駆動モータ73を制御することにより、切替弁72の自由端が第1の指挿入部24の上面に接触する第3の位置(図11及び図12、図15及び図16参照)に切替弁72が配置される。これにより、加熱気体送風ユニット60から第1の指挿入部24内への送風が遮断されて、加熱気体送風ユニット60からの送風が全て第2の指挿入部26に対して行われるように調整される。
例えば、並行乾燥モードの際、弁駆動制御部514の制御によって切替弁72の角度を複数段階に調整可能としてもよい。すなわち、例えば切替弁72の自由端が第1の指挿入部24の上面に近い位置にくるように調整することにより、ヒータ62の温度を「HIGH」としたり送風機63の送風を強とした状態でも、第1の指挿入部24への送風はプレ乾燥に相当する程度に止めることができ、より多くの熱風が送り込まれる第2の指挿入部26においては爪部Tを本乾燥させることができる。
また、制御部51は、各種指示画面や告知画面、警告画面等を表示部13に表示させる。すなわち、例えば、印刷指U1の位置が適切でない場合(すなわち、印刷指U1の爪部T全体が窓部241から露出していない場合)には、その旨を表示部13に表示させてユーザに報知し適切な位置まで印刷指U1を挿入するように促す。また、印刷指U1が適切な位置に配置されたときは、その旨を表示部13に表示させる。また、乾燥動作が終了した場合(すなわち、プレ乾燥モード及び並行乾燥モードであれば5〜10sec、本乾燥モードであれば20〜30sec等、所定の乾燥時間が経過した場合)には、その旨を表示部13に表示させる。その際、印刷指U1を抜き取るよう指示する指示画面や、次の印刷指U1(例えば親指の印刷が終了したあとであれば人差し指等)を第1の指挿入部24に挿入するよう指示する指示画面、非印刷指U2を第2の指挿入部26に挿入するよう指示する指示画面等を表示部13に表示させてもよい。
なお、印刷指U1の挿入状態(挿入の有無や挿入位置の適否等)や乾燥動作の終了、印刷動作の終了等については、表示部13に表示させる代わりに、又は表示部13への表示とともに、音声やアラーム等、音による報知や、ランプの点灯、点滅等による報知を行うようにしてもよい。
さらに、制御部51は、撮影部30によって取得された画像に基づいて、印刷指U1の挿入状態(挿入の有無等)を判断する。例えば、印刷動作中に印刷指U1が第1の指挿入部24から抜き取られたと判断した場合には、制御部51は、印刷制御部512の制御により印刷部40による印刷動作を中止又は停止させる。また、乾燥動作中に印刷指U1が第1の指挿入部24から抜き取られたと判断した場合には、制御部51は、乾燥制御部513の制御によりヒータ62及び送風機63による乾燥動作を中止又は停止させる。
このネイルプリント装置1により印刷を行う場合、ユーザはまず、操作釦121を操作して電源スイッチを入れ、制御装置50を起動させる。
制御装置50が起動すると、制御部51は本ネイルプリント装置1で印刷可能なデザイン画像及びこれを選択するための操作釦を表示部13に表示させる。ユーザが所望のデザイン画像を選び、タッチパネル上の操作釦をタッチして入力することにより、印刷すべきデザイン画像が選択、設定される。なお、このとき、複数の指の爪部T(例えば右手の5指の爪部T等)に印刷したい場合には、ユーザは印刷したい指(指の種類や本数)もタッチパネル上から入力することができる。また、各指に異なるデザイン画像を印刷したい場合には、各指ごとにデザイン画像を選んで入力、設定する。本実施形態では、左手の5指に同じ星模様のデザイン画像D(図18参照)を印刷する場合を例として説明する。
デザイン画像等の選択が完了すると、ユーザは、設定した印刷予定の指のうち、1本目の指(本実施形態では、左手の親指)を印刷指U1として印刷指挿入口23から第1の指挿入部24内に挿入し、その他の指(人差し指、中指、薬指、小指)を非印刷指U2として非印刷指挿入口25から第2の指挿入部26内に挿入する(図5参照)。
第1の指挿入部24内に挿入される印刷指U1の位置等は随時撮影部30によって撮影され、その画像が表示部13に表示される。ユーザは、表示部13の表示画面で印刷指U1の位置等を確認しながら、印刷指U1を印刷に適した位置まで挿入する。印刷指U1の爪部T全体が窓部241から露出する位置まで印刷指U1が挿入されると、表示部13の表示画面上の表示や音声等によって印刷指U1のセットが完了した旨がユーザに報知される。
当該印刷指U1(本実施形態では左手の親指)について印刷が終了すると、その旨の信号が乾燥制御部513及び弁駆動制御部514に送られる。乾燥制御部513及び弁駆動制御部514は、1本目の印刷指U1への印刷が終了した旨(すなわち、印刷済みの印刷指U1が第1の指挿入部24内に存在し、第2の指挿入部26には未だ印刷済みの指がない状態である旨)を認識し、プレ乾燥モードとなるように、加熱気体送風ユニット60及び切替弁72の調整を行う。具体的には、乾燥制御部513は、ヒータ62の加熱温度をLOWに設定するとともに、送風機63を中程度の送風量に設定する。また、弁駆動制御部514は、弁駆動モータ73を制御して切替弁72が第1の位置に配置されるようにシャフト71を回転させる(図9及び図10参照)。そして、この状態で、5〜10秒間乾燥動作が行われ、印刷指U1である親指の爪部Tのプレ乾燥が完了する。プレ乾燥が終了すると(すなわち所定の乾燥時間である5〜10秒間が経過すると)、表示部13の表示画面上の表示や音声等によってプレ乾燥が終了した旨がユーザに報知される。このとき、表示部13には、印刷済みの親指を第1の指挿入部24から抜き取って次の指(本実施形態では左手の人差し指)を第1の指挿入部24に挿入するように指示する指示画面等が表示されてもよい。
2本目の印刷指U1(本実施形態では左手の人差し指)について印刷が開始されると、その旨の信号が乾燥制御部513及び弁駆動制御部514に送られる。乾燥制御部513及び弁駆動制御部514は、2本目の印刷指U1への印刷が開始された旨(すなわち、印刷中の印刷指U1が第1の指挿入部24内に存在し、印刷済みの印刷指U1を含む非印刷指U2が第2の指挿入部26内に存在する状態である旨)を認識し、本乾燥モードとなるように、加熱気体送風ユニット60及び切替弁72の調整を行う。具体的には、乾燥制御部513は、ヒータ62の加熱温度をHIGHに設定するとともに、送風機63の送風を強(送風量多い)に設定する。また、弁駆動制御部514は、弁駆動モータ73を制御して切替弁72が第3の位置に配置されるようにシャフト71を回転させる(図11及び図12参照)。そして、この状態で、20〜30秒間乾燥動作が行われ、第2の指挿入部26に挿入されている印刷指U1である親指の爪部Tの本乾燥が完了する。また、このとき、印刷待ちの非印刷指U2(すなわち、中指、薬指、小指)の爪部Tについても温風が吹きかけられることで、爪部Tが温められて柔らかくなるとともに、乾燥してインクの乗りやすい状態となる。なお、この本乾燥が終了した際(すなわち所定の乾燥時間である20〜30秒間が経過した際)に、表示部13の表示画面上の表示や音声等によって親指を含む非印刷指U2の本乾燥が終了した旨がユーザに報知されるようにしてもよい。
なお、3本目から5本目までの印刷動作及び乾燥動作は、2本目の印刷指U1について説明したものと同様であるため、その説明を省略する。
上記指示画面が表示された後一定時間経過後、又はユーザが全ての指を第2の指挿入部26に挿入した旨を表示部13のタッチパネルから入力した場合には、乾燥制御部513及び弁駆動制御部514は、印刷済みの全指が第2の指挿入部26に存在する状態である旨を認識し、本乾燥モードとなるように、加熱気体送風ユニット60及び切替弁72の調整を行う。具体的には、乾燥制御部513は、ヒータ62の加熱温度をHIGHに設定するとともに、送風機63の送風を強(送風量多い)に設定する。また、弁駆動制御部514は、弁駆動モータ73を制御して切替弁72が第3の位置に配置されるようにシャフト71を回転させる(図15及び図16参照)。そして、この状態で、20〜30秒間乾燥動作が行われ、印刷済みの全指(本実施形態では、左手の5指)の爪部Tについての本乾燥が完了する。
これにより、図18に示すように、左手の5指全ての爪部Tに星模様のデザイン画像が印刷され、全ての爪部Tの印刷について本乾燥(完全乾燥)が完了した状態となる。
特に、本実施形態では、並行乾燥モードを備え、送風調整部である切替弁72は、第1の指挿入部24内及び第2の指挿入部26内の両方に加熱気体送風ユニット60からの送風が行われるように、調整可能となっている。これにより、第1の指挿入部24内にある印刷済みの印刷指U1に対して温風を送風してインクの乾燥を行うとともに、これと並行して、第2の指挿入部26内にある印刷済みの指に対しても温風を送風することができ、印刷済みの爪部Tの完全乾燥までの時間を短縮することができる。そしてこの場合には、送風機63による送風量を少なくする等により、第1の指挿入部24内における乾燥具合はプレ乾燥の場合と同程度となっているため、プレ乾燥の場合と同様に印刷ヘッド46への影響が抑えられ、印刷動作を阻害することもない。
また、プレ乾燥を行う場合(プレ乾燥モードの場合)には、ヒータ62の加熱温度を低くし、送風機63による送風量も少なく(弱く)するため、印刷ヘッド46への影響を少なくすることができ、印刷ヘッド46の乾燥によるノズル詰まりの発生等を抑えつつ、プレ乾燥を行うことができる。
また、印刷終了後第1の指挿入部24から抜き取る前にプレ乾燥を行うことができるため、爪部Tに印刷された画像が装置内部(例えば第1の指挿入部上面240)等に当たって擦れたり崩れたりするのを防止することができる。
また、他の指を印刷中には、本乾燥モードによって、第2の指挿入部26に挿入されている非印刷指U2のみを乾燥させることができる。このため、印刷動作に影響を与えずに、印刷された爪部Tの本乾燥(完全乾燥)を効率的に行うことができる。
また、全ての指について印刷が終了した際には、本乾燥モードによって、第2の指挿入部26に挿入されている全指の爪部Tを乾燥させることができる。このため、印刷完了後の指の爪部Tを効率的かつ迅速に乾燥させることができる。
また、本実施形態では、全ての指について印刷を行った後のみならず、他の指を印刷中や他の指の印刷完了後にも第2の指挿入部26に挿入されている印刷指U1以外の指の爪部Tについて乾燥を行う。このため、繰り返しの乾燥動作により、インクをより確実に乾燥させることができる。
さらに、本実施形態では、印刷済みの指の爪部Tだけでなく印刷待ちの指の爪部Tに対しても乾燥動作を行うため、印刷待ちの間に爪部Tを温めて柔らかくし、乾燥させることができる。これにより、爪部Tへのインクの乗りを向上させることができる。
次に、本発明に係るネイルプリント装置の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、加熱気体送風ユニット及び切替弁の制御構成のみが第1の実施形態と異なるものであり、ネイルプリント装置の装置構成は、第1の実施形態で示したものと同じであるため、以下においては、装置構成についての説明を省略し、第1の実施形態と異なる点について説明する。
加熱気体送風ユニット60を制御する乾燥制御部513は、印刷指U1の爪部Tに対する印刷が完了する毎に、プレ乾燥モードとなるようにヒータ62及び送風機63を制御する。また、印刷が予定されていた全ての印刷指U1(例えば左手の5指)について印刷が完了すると、本乾燥モードとなるようにヒータ62及び送風機63を制御する。
切替弁72を制御する弁駆動制御部514は、プレ乾燥モードとなったときには、切替弁72が第1の実施形態で示した第1の位置に配置されるように弁駆動モータ73を制御する。また、本乾燥モードとなったときには、切替弁72が第1の実施形態で示した第3の位置に配置されるように弁駆動モータ73を制御する。
プレ乾燥が完了して、1本目の印刷指U1(例えば左手の親指)が第1の指挿入部24内から抜き取られ、第2の指挿入部26内に移動するとともに、2本目の印刷指U1(例えば左手の人差し指)が第1の指挿入部24内の所定の位置に配置されると、印刷部40による人差し指の爪部Tに対して印刷が行われる。
そして、2本目の印刷指U1(例えば左手の人差し指)について印刷が完了すると、その旨の信号が乾燥制御部513及び弁駆動制御部514に伝えられ、乾燥制御部513及び弁駆動制御部514は、1本目の印刷指U1(例えば左手の親指)の場合と同様に、第1の指挿入部24内に配置されている印刷済みの2本目の印刷指U1(例えば左手の人差し指)の爪部Tについてプレ乾燥を行うように加熱気体送風ユニット60及び切替弁72を制御する。
同様に3本目から5本目までの印刷指U1(例えば左手の中指、薬指、小指)について上記動作が繰り返され、全ての印刷指U1について爪部Tへの印刷とプレ乾燥とが完了すると、5指全てを第2の指挿入部26内に挿入するよう表示部13に指示画面表示が表示される。そして、上記指示画面が表示された後一定時間経過後、又はユーザが全ての指を第2の指挿入部26に挿入した旨を表示部13のタッチパネルから入力した場合には、乾燥制御部513及び弁駆動制御部514は、印刷済みの全指が第2の指挿入部26に存在する状態である旨を認識し、本乾燥を行うように、加熱気体送風ユニット60及び切替弁72を制御する。すなわち、乾燥制御部513の制御によりヒータ62の加熱温度がHIGHに設定され、送風機63の送風が強(送風量多い)に設定されるとともに、弁駆動制御部514の制御により切替弁72を第3の位置に配置される。この状態で20〜30秒間程度乾燥動作が行われ、印刷済みの全指(本実施形態では、左手の5指)の爪部Tについての本乾燥が完了する。
すなわち、本実施形態では、乾燥モードとしてプレ乾燥モードと本乾燥モードしか備えていないため、乾燥制御部513及び弁駆動制御部514により制御が単純となり、効率よく爪部Tのプレ乾燥及び本乾燥を行うことができる。
また、印刷待ちの指等に対して繰り返し本乾燥を行わないことにより、爪部Tが乾燥し過ぎるのを防ぐことができる他、乾燥動作を抑えることで電力消費を抑えることも期待できる。
次に、図19を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、加熱気体送風ユニット及び送風調整部の構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、上部収容部201と下部収容部202とを分ける隔壁20には切欠き部等がなく、隔壁20によって上部収容部201と下部収容部202とは連通することなく隔てられている。
第1ヒータ64によって加熱された空気は第1送風機65によって第1の指挿入部24内に送風されるようになっている。
また、第2ヒータ66及び第2送風機67は、下部収容部202内に配置されている。
第2ヒータ66によって加熱された空気は第2送風機67によって下部収容部202に設けられている第2の指挿入部26内に送風されるようになっている。
具体的には、プレ乾燥モードで乾燥を行う場合には、乾燥制御部513は、第2ヒータ66及び第2送風機67を停止させるとともに、第1ヒータ64をLOWに設定し、第1送風機65の送風を弱(送風量少ない)に設定して、第1の指挿入部24内に挿入されている印刷済みの印刷指U1の爪部Tに対して5〜10秒程度送風を行い、爪部Tをプレ乾燥させる。
また、並行乾燥モードで乾燥を行う場合には、乾燥制御部513は、第1ヒータ64をLOWに設定し、第1送風機65の送風を弱(送風量少ない)に設定して、第1の指挿入部24内に挿入されている印刷済みの印刷指U1の爪部Tに対して5〜10秒程度送風を行い、当該爪部Tをプレ乾燥させるとともに、第2ヒータ66をHIGHに設定し、第2送風機67の送風を強(送風量多い)に設定して、第2の指挿入部26内に挿入されている印刷済みの印刷指U1及びその他の印刷待ちの指の爪部Tに対して20〜30秒程度送風を行い、当該爪部Tを本乾燥させる。
また、本乾燥モードで乾燥を行う場合には、乾燥制御部513は、第1ヒータ64及び第1送風機65を停止させるとともに、第2ヒータ66をHIGHに設定し、第2送風機67の送風を強(送風量多い)に設定して、第2の指挿入部26内に挿入されている印刷済みの印刷指U1の爪部Tに対して20〜30秒程度送風を行い、当該爪部Tを本乾燥させる。
プレ乾燥が完了して、1本目の印刷指U1(例えば左手の親指)が第1の指挿入部24内から抜き取られ、第2の指挿入部26内に移動するとともに、2本目の印刷指U1(例えば左手の人差し指)が第1の指挿入部24内の所定の位置に配置されると、印刷部40による人差し指の爪部Tに対して印刷が行われる。
2本目の印刷指U1(例えば左手の人差し指)について印刷が開始されると、その旨の信号が乾燥制御部513に送られる。乾燥制御部513は、2本目の印刷指U1への印刷が開始された旨(すなわち、印刷中の印刷指U1が第1の指挿入部24内に存在し、印刷済みの印刷指U1を含む非印刷指U2が第2の指挿入部26内に存在する状態である旨)を認識し、本乾燥モードとなるように、加熱気体送風ユニット60の調整を行う。すなわち、乾燥制御部513は、第1ヒータ64及び第1送風機65を停止させるとともに、第2ヒータ66をHIGHに設定し、第2送風機67の送風を強(送風量多い)に設定して、第2の指挿入部26内に挿入されている印刷済みの印刷指U1(例えば左手の親指)及びその他の印刷待ちの指の爪部Tに対して送風を行い、当該爪部Tを本乾燥させる。
2本目の印刷指U1(例えば左手の人差し指)について印刷が完了すると、その旨の信号が乾燥制御部513に伝えられ、乾燥制御部513は、2本目の印刷指U1への印刷が終了した旨(すなわち、印刷済みの印刷指U1が第1の指挿入部24内に存在し、第2の指挿入部26にも印刷済みの指が存在する状態である旨)を認識して、並行乾燥モードとなるように、加熱気体送風ユニット60の調整を行う。すなわち、乾燥制御部513は、第1ヒータ64をLOWに設定し、第1送風機65の送風を弱(送風量少ない)に設定して、第1の指挿入部24内に挿入されている印刷済みの印刷指U1の爪部Tに対して送風を行い、当該爪部Tをプレ乾燥させるとともに、第2ヒータ66をHIGHに設定し、第2送風機67の送風を強(送風量多い)に設定して、第2の指挿入部26内に挿入されている印刷済みの印刷指U1及びその他の印刷待ちの指の爪部Tに対して送風を行い、当該爪部Tを本乾燥させる。
なお、3本目から5本目までの印刷動作及び乾燥動作は、2本目の印刷指U1について説明したものと同様であるため、その説明を省略する。
上記指示画面が表示された後一定時間経過後、又はユーザが全ての指を第2の指挿入部26に挿入した旨を表示部13のタッチパネルから入力した場合には、乾燥制御部513は、印刷済みの全指が第2の指挿入部26に存在する状態である旨を認識し、本乾燥モードとなるように、加熱気体送風ユニット60の調整を行う。すなわち、乾燥制御部513は、第1ヒータ64及び第1送風機65を停止させるとともに、第2ヒータ66をHIGHに設定し、第2送風機67の送風を強(送風量多い)に設定して、第2の指挿入部26内に挿入されている印刷済みの全指(本実施形態では、左手の5指)の爪部Tに対して送風を行う。これにより、全ての指の爪部Tについて本乾燥が完了する。
すなわち、本実施形態では、送風調整部として切替弁やこれを駆動させるための機構を設ける必要がないため、装置構成を簡易化することができる。
また、選択可能な乾燥モードとしては、プレ乾燥モード、並行乾燥モード及び本乾燥モードの3つを備え、例えばユーザ等の選択にしたがってプレ乾燥モード及び本乾燥モードのみを行う構成を取り得るようにしてもよい。
この場合には、乾燥制御部513の制御構成が簡易となるとともに、調整不要のヒータ及び送風機を用いるために加熱気体送風ユニット60を安価に構成することができる。
また、上記実施形態では、ヒータは、加熱温度をHIGHとLOWの2段階で調整可能であり、送風機は、送風を強弱の2段階で調整可能である場合を例としたが、ヒータ及び送風機はさらに細かく複数段階に制御、調整可能なものであってもよい。
更に、ヒータの加熱温度と加熱時間は、指が熱く感じたり火傷をしない程度且つ乾燥可能な程度の温度と加熱時間であれば上記実施形態で示した範囲に限らない。ヒータの位置を指の先端部に近づけたり遠ざけたりすることができるような仕様にすることで、加熱時間を調節できるようにしても良い。また、指が熱く感じた場合には、加熱停止釦等を押すことで、ヒータが加熱中であっても手動で停止できるようにしても良い。或いは、印刷指挿入口23内や第2の指挿入部26内に温度センサを設け、一定の温度以上になった場合は、ヒータの加熱を自動で停止して送風機だけを動かすようにしても良い。
上記実施形態における送風機としては、圧縮比(流体機械において吐出圧力と吸込圧力の比)が2未満の送風機に分類されるもののうち、圧縮比1.1以下のファンを用いても良いし、ファンではなく、圧縮比1.1〜2程度のブロワを用いても良い。更に、圧縮比2以上の圧縮機を用いても良い。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
隔壁と、
前記隔壁の一方の面側に設けられ、指が挿入される第1の指挿入部と、
前記隔壁の一方の面側に設けられ、前記第1の指挿入部に挿入された前記指の爪部に印刷を施す印刷ヘッドと、
前記隔壁の他方の面側に設けられ、指が挿入される第2の指挿入部と、
加熱された気体を前記第1の指挿入部内及び前記第2の指挿入部内に送風する加熱気体送風ユニットと、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
<請求項2>
前記第1の指挿入部に挿入されるのは、印刷対象である爪部に対応する指であり、
前記第2の指挿入部に挿入されるのは、印刷対象でない爪部に対応する指であり、
前記加熱気体送風ユニットは、ヒータと、前記ヒータにより加熱された気体を前記第1の指挿入部内及び前記第2の指挿入部内に送風する送風機と、を備えており、
前記第1の指挿入部内への送風と前記第2の指挿入部内への送風とを調整する送風調整部を備えており、
前記送風調整部は、前記第1の指挿入部内及び前記第2の指挿入部内の両方に送風されるように、送風を調整することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項3>
前記送風調整部は切替弁であり、前記ヒータは、加熱温度を複数段階で調整することができ、前記送風機は、送風を複数段階で調整できることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
<請求項4>
前記ヒータと、前記送風機と、はそれぞれ複数設けられており、
前記隔壁によって前記第1の指挿入部と前記第2の指挿入部とは連通することなく隔てられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
2 装置本体
20 隔壁
24 第1の指挿入部
26 第2の指挿入部
30 撮影部
40 印刷部
50 制御装置
51 制御部
52 記憶部
60 加熱気体送風ユニット
62 ヒータ
63 送風機
72 切替弁
T 爪部
U1 印刷指
U2 非印刷指
Claims (4)
- 隔壁と、
前記隔壁の一方の面側に設けられ、指が挿入される第1の指挿入部と、
前記隔壁の一方の面側に設けられ、前記第1の指挿入部に挿入された前記指の爪部に印刷を施す印刷ヘッドと、
前記隔壁の他方の面側に設けられ、指が挿入される第2の指挿入部と、
加熱された気体を前記第1の指挿入部内及び前記第2の指挿入部内に送風する加熱気体送風ユニットと、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。 - 前記第1の指挿入部に挿入されるのは、印刷対象である爪部に対応する指であり、
前記第2の指挿入部に挿入されるのは、印刷対象でない爪部に対応する指であり、
前記加熱気体送風ユニットは、ヒータと、前記ヒータにより加熱された気体を前記第1の指挿入部内及び前記第2の指挿入部内に送風する送風機と、を備えており、
前記第1の指挿入部内への送風と前記第2の指挿入部内への送風とを調整する送風調整部を備えており、
前記送風調整部は、前記第1の指挿入部内及び前記第2の指挿入部内の両方に送風されるように、送風を調整することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。 - 前記送風調整部は切替弁であり、前記ヒータは、加熱温度を複数段階で調整することができ、前記送風機は、送風を複数段階で調整できることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
- 前記ヒータと、前記送風機と、はそれぞれ複数設けられており、
前記隔壁によって前記第1の指挿入部と前記第2の指挿入部とは連通することなく隔てられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
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