JP2017056190A - 描画装置及び描画装置の描画方法 - Google Patents

描画装置及び描画装置の描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクを乾燥させるのに必要なだけ効率よく乾燥を行い、高精細な描画と描画処理の迅速化とを両立させることのできる描画装置及び描画装置の描画方法を提供する。【解決手段】インクを爪Tの表面に塗布して、爪Tの表面に描画を施す描画部40と、ファン92を備え、爪Tの表面に塗布されたインクを乾燥させる乾燥動作を行う乾燥部90と、乾燥部90による乾燥条件を判定する乾燥条件判定部813と、乾燥条件判定部813による判定にしたがって乾燥部90の乾燥動作を制御する乾燥制御部814とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、描画装置及び描画装置の描画方法に関するものである。
従来、人の指の爪に好みのネイルデザインを描画する描画装置が知られている。
このような描画装置を用いてネイルプリントを行う場合、描画を行った直後に装置内から指を取り出すと、インクが装置内外やユーザの手や服等に付着して装置や手等を汚したり、せっかく描画したネイルデザインがこすれて取れたり崩れたりしてしまう。
このため、描画を施した後、ドライヤのような機構を用いてインクを乾燥させてから指を取り出すようにすることが好ましい。
また、1つのネイルデザインを仕上げるために、まず、白色インク等で下地を爪に塗布し、次にその上に絵柄等のデザインを描画し、さらにその上から透明インク等でトップコートを行うことがある。この場合、各工程ごとにインクを乾燥させなければ、前に塗布されたインクとその上に塗布されたインクとが混ざり合って滲んだり、描画された絵柄が流れたりしてしまい、美しい仕上がりとならない。
この点、例えば特許文献1には、風を発生させる送風機構を備えて、この送風機構によって発生させた風を記録ヘッドがシートにインクを吐出する記録領域に送り、シート上のインクの乾燥を行うインクジェット装置が開示されている。
このような送風機構を描画装置に設ければ、インクが塗布された部分を乾燥させることができる。
特開2014−008675号公報
しかしながら、特許文献1のように描画対象がシートである場合と異なり、爪に描画を行う描画装置の場合には、不必要に乾燥を行うと、指先が乾燥する等、ユーザに不快感を与えるおそれがある。
また、描画された領域が狭い場合や小さい爪である場合、乾きやすいインクを用いた描画である場合等、容易にインクが乾燥するような場合でも一律に同じ乾燥動作を行ったのでは、描画処理が完了するまでの時間が不必要に長くなり、効率的な描画を行うことができないとともに、無駄に消費電力が増大するという問題があった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、インクを乾燥させるのに必要なだけ効率よく乾燥を行い、高精細な描画と描画処理の迅速化とを両立させることのできる描画装置及び描画装置の描画方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明の描画装置は、
液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画部と、
ファンを備え、前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥部と、
前記乾燥部による乾燥条件を判定する乾燥条件判定部と、
前記乾燥条件判定部による判定にしたがって前記乾燥部の前記乾燥動作を制御する乾燥制御部と、
を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、インクを乾燥させるのに必要なだけ効率よく乾燥を行い、高精細な描画と描画処理の迅速化とを両立させることができる。
(a)は、本実施形態における描画装置の正面図であり、(b)は、(a)に示された描画装置の内部構成を示す側面図である。 (a)は、図1におけるII-II断面図であり、(b)は、風向調整部の側面図であり、(c)は、風向調整部の初期状態を示す上面図であり、(d)は、開口部が最大となった場合の風向調整部を示す上面図であり、(e)は、開口部が最小となった場合の風向調整部を示す上面図である。 (a)は、本実施形態における描画ヘッドの上面図であり、(b)は、本実施形態における描画ヘッドの側面図である。 本実施形態に係る描画装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 第1の実施形態における描画処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態においてインクジェット描画部により爪に描画を施す場合の描画手法を説明する説明図である。 (a)〜(c)は、インクジェット描画部のノズルの出力データの構成を模式的に示す説明図であり、(a)は、図6における左から右への第1走査に対応し、(b)は、図6における右から左への第2走査に対応し、(c)は、図6における左から右への第3走査に対応するものである。 (a)〜(c)は、インクの塗布範囲に応じて乾燥制御を行う場合の乾燥パラメータの一例を示す説明図であり、(a)は、インクの塗布範囲が大である場合を示し、(b)は、インクの塗布範囲が中である場合を示し、(c)は、インクの塗布範囲が小である場合を示すものである。 爪全体のインクの塗布量にばらつきがある場合の乾燥パラメータの一例を示す説明図である。 複数の指の爪に秒を施す場合の乾燥パラメータの一例を示す説明図である。 第2の実施形態における描画処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、インクの塗布量に応じて乾燥制御を行う場合の乾燥パラメータの一例を示す説明図であり、(a)は、インクの塗布量が大である場合を示し、(b)は、インクの塗布量が中である場合を示し、(c)は、インクの塗布量が小である場合を示すものである。 第2の実施形態の一変形例における描画処理を示すフローチャートである。 (a)は、乾燥部の一変形例が配置された隔壁の平面図であり、(b)は、風向調整部の初期状態を示す上面図であり、(c)は、開口部が最大となった場合の風向調整部を示す上面図であり、(d)は、開口部が最小となった場合の風向調整部を示す上面図である。 本実施形態の一変形例における描画装置の制御構成を示した要部ブロック図である。
[第1の実施形態]
図1から図5を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置(描画装置)及びネイルプリント装置(描画装置)の描画方法の第1の実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、ネイルプリント装置1は手の指の爪の表面を描画対象面として、これに描画するものとして説明するが、本発明の描画対象面は手の指の爪の表面に限るものではなく、例えば足の指の爪の表面を描画対象面としてもよい。
図1(a)は、ネイルプリント装置の内部構成を示すネイルプリント装置の正面図であり、図1(b)は、図1(a)に示されたネイルプリント装置の内部構成を示す側面図である。図2は、図1(a)におけるII-II線に沿う断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態におけるネイルプリント装置1は、描画ヘッド43が描画用具であるペン41とインクジェット描画部71とを備え、プロッタ方式とインクジェット方式とを併用して印刷指U1の爪Tに描画を施す描画装置である。
このネイルプリント装置1は、ケース本体2と、このケース本体2に収容される装置本体10とを備えている。
ケース本体2の側面上部一端には、後述する描画部40のペン41及びインクジェット描画部71を交換するために開閉可能に構成された蓋部23が設けられている。蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図1(a)に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。
ケース本体2の上面(天板)には操作部25(図4参照)が設置されている。
操作部25は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部25には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための図示しない操作釦が配置されている。
また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部26が設置されている。
表示部26は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示部26には、例えば、印刷指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部26の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。
装置本体10は、ほぼ箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置された下部機枠11と、この下部機枠11の上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている上部機枠12とを備えている。
まず、下部機枠11について説明する。
下部機枠11は、背面板111、底板112、左右一対の側板113a,113b、X方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115及び隔壁116を有する。
側板113a,113bの下端部は、底板112の左右両端部にそれぞれ連結され、側板113a,113bが底板112に対して立てられた状態に設けられている。
背面板111の下部は、前方(指挿入方向手前側)に向かって2段に窪むように形成されている。背面板111の下端部は底板112の前端部に連結されており、背面板111は、底板112と側板113a,113bによって囲われた領域を前後に区切っている。
この窪んだ背面板111の後ろ側に形成される空間がX方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115(図1(b)参照)となっている。X方向移動ステージ収容部114内には、描画部40が前方(指挿入方向手前側)に移動した際に描画部40のX方向移動ステージ45が収容される。また、Y方向移動ステージ収容部115内には、描画部40のY方向移動ステージ47が配置されている。
また、隔壁116は、下部機枠11の内部前方側の空間(背面板111、底板112及び側板113a,113bによって囲われた指挿入方向手前側の空間)を上下に区切るように下部機枠11の内側に設けられている。隔壁116はほぼ水平に設けられ、隔壁116の左右両端部が側板113a,113bにそれぞれ連結され、隔壁116の後端部が背面板111に連結されている。
この下部機枠11には、指固定部30(図1(b)参照)が一体的に設けられている。
指固定部30は、描画を施す爪Tに対応する指(以下、これを「印刷指U1」という。)を受け入れる指受入部31と、この印刷指U1以外の指(以下、これを「非印刷指U2」という。)を退避させる指退避部32と、から構成されている。
指受入部31は、隔壁116の上側であって下部機枠11の幅方向のほぼ中央部に配置されている。また、隔壁116によって下部機枠11の下側に区分けられた空間が指退避部32を構成している。
例えば、薬指の爪Tに描画を施す場合には、指受入部31に印刷指U1としての薬指を挿入し、非印刷指U2であるその他の4指(親指、人差し指、中指、小指)を指退避部32に挿入する。
図1(b)及び図2(a)に示すように、指受入部31は、下部機枠11の前面側(印刷指挿入方向の手前側)に開口しており、下側が隔壁116の一部を構成する指載置部116a、両側が仕切り31a,31b、奥側が仕切り31cによって区画されている。指載置部116aは、描画を施す爪Tの指(印刷指U1)をXY平面上に載置するものである。
また、指受入部31の上側は天井部31dによって区画されている。天井部31dには、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tを露出させるための窓31eが形成されている。
また、隔壁116の上面であって下部機枠11の前面側の両側部には、下部機枠11の前面側を塞ぐ前壁31f(図1(a)参照)が立設されている。また、隔壁116の上面には、この前壁31fの中央部寄りの端部から前記指受入部31に向けて狭窄し、印刷指U1を指受入部31内に案内する一対のガイド壁31g(図1(a)参照)が立設されている。
ユーザは指受入部31に挿入した印刷指U1と指退避部32に挿入した非印刷指U2との間に隔壁116を挟むことができる。そのため、指受入部31内に挿入された印刷指U1が安定して固定される。
また、図2(a)に示すように、仕切り31cを隔てた指受入部31の奥側上部に乾燥部90が設けられている。
乾燥部90は、送風のためのファン92を備え、描画対象面である爪Tに塗布されたインク(液状材料)を乾燥させる乾燥動作を行うものである。また、本実施形態の乾燥部90は、ファン92の他、さらに、熱を発生させるためのヒータ91を備えている。
ファン92は、装置奥側に配置されており、ヒータ91は、ファン92よりも手前側、すなわちファン92の送風方向下流側に配置されている。
ヒータ91は、例えば、セラミックヒーターであり、ヒータ91の電源がONとなったときに発熱し、周囲の空気を加熱する。なお、ヒータ91は、ネイルプリント装置1に組み込むことのできる小型のものであればニクロム線等の電熱線をコイル状にした電熱ヒータ等でも良く、その構成はここに例示したものに限定されない。
乾燥部90は、窓31eを介して指受入部31に置かれた印刷指U1の爪Tにファン92によって生じた風を当て、爪T上に施されたインクジェット描画(すなわち、後述するインクジェット描画部71により施された描画)、又はプロッタ描画(すなわち、後述するペン41により施された描画)を乾燥させる機能を有する。
さらに、本実施形態の乾燥部90は、動力シリンダ97を備えてファン92により生じた風の向きを調整する風向調整部93を備えている。
なお、乾燥部90のヒータ91、ファン92、及び風向調整部93の動力シリンダ97の動作は、後述する乾燥制御部814(図4参照)によって制御される。
図2(b)は、風向調整部93の側面図であり、図2(c)から図2(e)は、風向調整部93の上面図である。なお、図2(c)から図2(e)では、風向調整部93の内部構成を示すために、後述する上板963を外した状態で図示している。
図2(b)から図2(e)に示すように、風向調整部93は、指受入部31内に配置された爪Tに対する拡開角度を変えることで風の向きを変える複数の羽板94と、羽板94の一端側(本実施形態では、羽板94における装置奥側の端部)が回動可能に取り付けられた背面部材95と、羽板94の他端側(本実施形態では、羽板94における装置手前側の端部)が係止された前面部材96とを備えている。
羽板94は、樹脂等で形成された板状部材であり、ファン92によって生じた風の流路を形成する。なお、本実施形態では、風向調整部93に4枚の羽板94が設けられている場合を例示しているが、羽板94の枚数等は図示例に限定されない。
羽板94には、装置奥側の端部の上下(図2(b)における上下)に係止用突起941が形成されている。
また、羽板94には、装置手前側の端部の上下(図2(b)における上下)に係止用突起942が形成されている。
背面部材95は、ヒータ91における装置手前側端部に固定された枠状の部材である。
背面部材95には、各羽板94の係止用突起941に対応する位置にそれぞれ係止用突起941が嵌め込まれる係止孔951が形成されている。羽板94の係止用突起941がこの係止孔951に嵌め込まれることにより羽板94における装置奥側の端部が背面部材95に係止される。
前面部材96は、風向調整部93における装置手前側に配置され、羽板94とともに乾燥部90の開口部(吹出口)を構成する枠状部材961と、この枠状部材961の下面側に配置される下板962と、枠状部材961の上面側に配置される上板963とを有している。
下板962と上板963とには、それぞれ対応する位置に、羽板94の係止用突起942が係止される係止孔964が、羽板94の係止用突起942に対応して4つ形成されている。
本実施形態において、4つの係止孔964のうち、装置右側(図2(a)及び図2(c)〜図2(e)において右側)に位置する2つは、装置奥側から装置手前側に向かって右側に開くように形成された長孔であり、装置左側(図2(a)及び図2(c)〜図2(e)において左側)に位置する2つは、装置奥側から装置手前側に向かって左側に開くように形成された長孔である。
このように、4つの係止孔964は、左右2つずつがそれぞれ同じ向きに斜めに形成されており、全体として装置奥側から装置手前側に向かって装置の幅方向(図2(a)及び図2(c)〜図2(e)において左右方向)に拡開するV字状に形成されている。
なお、長孔である係止孔964の長さや拡開する角度等は、羽板94の大きさやどの程度の範囲で羽板94の向き(角度)を調整するか等に応じて決定される。すなわち、係止孔964の長さが長く左右に拡開する角度が大きいほど、羽板94の向き(角度)を大きく変化させることが可能となる。
各羽板94の係止用突起942は、前面部材96の下板962及び上板963に形成されたこれらの係止孔964に係止され、係止孔964に沿って案内されて係止孔964内をスライド移動可能となっている。
背面部材95と前面部材96との間には一対の動力シリンダ97が設けられている。
動力シリンダ97は、その一端側が背面部材95に取り付けられ、他端側が前面部材96の枠状部材961に取り付けられており、後述する乾燥制御部814の制御にしたがって、ロッド971の長さを変化させることができるようになっている。これにより、背面部材95と前面部材96との間の距離を調整することができる。
図2(c)は、動力シリンダ97が初期状態にある場合を示した図である。
図2(c)に示すように、動力シリンダ97は、初期状態において、ロッド971の長さがほぼ中間位置となっており、この状態において、各羽板94の係止用突起942は、係止孔964のほぼ中間位置に係止され、各羽板94は指受入部31への印刷指U1の挿入方向とほぼ並行するように配置される。これにより、乾燥部90の開口部の幅はファン92の幅とほぼ同じとなり、ファン92の幅とほぼ同等の幅の風の流路が形成される。
図2(d)は、動力シリンダ97のロッド971が収縮して前面部材96が背面部材95に引きつけられた状態にある場合を示した図である。
図2(d)に示すように、動力シリンダ97のロッド971が最も短く収縮した状態において、各羽板94の係止用突起942は、係止孔964における装置手前側の端部まで移動し、各羽板94は指受入部31に対向する側(すなわち装置手前側)が装置の左右方向(図2(a)及び図2(d)において左右方向)に拡開して、ファン92によって生じた風が広範囲に拡散される状態となる。すなわち、羽板94によってファン92の幅よりも広い幅の風の流路が形成され、乾燥部90の開口部の断面積が最も大きい状態となる。
図2(e)は、動力シリンダ97のロッド971が伸長して前面部材96が背面部材95側から装置手前側に向かって押し出された状態にある場合を示した図である。
図2(e)に示すように、動力シリンダ97のロッド971が最も長く伸長した状態において、各羽板94の係止用突起942は、係止孔964における装置奥側の端部まで移動し、各羽板94は装置奥側が装置の左右方向(図2(a)及び図2(e)において左右方向)に拡開することで指受入部31に向かって狭まり、ファン92によって生じた風が狭い範囲に吹き付けられる状態となる。すなわち、羽板94によってファン92の幅よりも狭い幅の風の流路が形成され、乾燥部90の開口部の断面積が最も小さい状態となる。
下部機枠11の上面であって、指受入部31の横(ケース本体2の媒体挿出口24に対応する位置であり、本実施形態では、図1(a)及び図2(a)において左側)には、後述する描画ヘッド43による描画可能範囲内に、後述するペン41のペン先(先端部)413の書き出し時のかすれ等を無くすための慣らし書きを行う慣書部61が設けられている。
慣書部61は、平板状の部分であり、前述のケース本体2の媒体挿出口24から挿入された描画媒体61aが載置されるようになっている。
慣書部61に載置される描画媒体61aは、ペン先(先端部)413の慣らし書きを行うことができるものであればよく、例えば紙片である。
下部機枠11の上面であって、指受入部31を挟んで慣書部61の逆側(本実施形態では、図1(a)及び図2(a)において右側)には、後述する描画ヘッド43の移動可能範囲内に、非描画時に、描画ヘッド43が待機するホームエリア60が設けられている。
ホームエリア60には、後述するペンホルダ42に対応する数(本実施形態では1つ)だけペンキャップ62が設置されている。
ペンキャップ62は、例えばゴムによって形成されており、描画部40にペン41が装着されている状態で描画を行っていないとき(非描画時)には、ペン41を下降させて、ペン先413をペンキャップ62に収容することにより、ペン先413の乾燥を防止するようになっている。
また、ホームエリア60内であってペン先413がペンキャップ62に収容されたときにインクジェット描画部71が配置される位置に対応する位置には、インクジェット保守部63が設けられている。インクジェット保守部63は、例えば後述するインクジェット描画部71のインク吐出部(ノズル面)をクリーニングするためのクリーニング機構やインク吐出部(ノズル面)の保湿状態を保つためのキャップ機構等(いずれも図示せず)で構成されている。
なお、ホームエリア60内のペンキャップ62、インクジェット保守部63等の配置はここで例示したものに限定されない。
描画部40は、描画ヘッド43、描画ヘッド43を支持するユニット支持部材44、描画ヘッド43をX方向(図1(a)及び図2(a)におけるX方向、描画装置1の左右方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46、描画ヘッド43をY方向(図1(b)及び図2(a)におけるY方向、描画装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48等を備えて構成されている。
図3(a)は、本実施形態における描画ヘッドの上面図であり、図3(b)は、描画ヘッドの側面図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施形態の描画ヘッド43には、ペン41を保持するペンホルダ42とインクジェット描画部71を保持するインクジェットホルダ72とが隣り合って配置されている。
インクジェット描画部71は、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクに対応する図示しないインクカートリッジと各インクカートリッジにおける描画対象(爪T)に対向する面(本実施形態では、図1(a)等における下面)に設けられた図示しないインク吐出部とが一体に形成されたインクカートリッジ一体型のヘッドである。インク吐出部は、それぞれの色のインクを噴射する複数のノズルが列状に配置されてなるノズルアレイを備えており、インクジェット描画部71は、インクを微滴化し、インク吐出部から描画対象(爪T)の被描画面に対して直接にインクを吹き付けて描画を行う。なお、インクジェット描画部71は、上記3色のインクを吐出させるものに限定されない。その他のインクを貯留するインクカートリッジ及びインク吐出部を備えていてもよい。
本実施形態のペンホルダ42には、1本のペン41が装着可能となっている。
ペン41は、爪Tの表面を描画対象面とし、先端部が描画対象面である爪Tの表面に接触して描画を施す筆記具である。
図3(b)等に示すように、ペン41は、棒状のペン軸部411の先端側(図3(b)において下側)にペン先413が設けられたものである。
ペン軸部411の内部は、各種インクを収容するインク収容部となっている。
ペン軸部411の内部に収容されるインクとしては、各種のインクが適用可能である。インクの粘度や色材の粒径(粒子の大きさ)等は特に限定されず、例えば、金銀のラメ入りのインクや白色のインク、アンダーコート用インク、トップコート用インクやマニキュア液等も用いることができる。
本実施形態において、ペン41は、例えばペン先413を爪Tの表面に押し当てることでペン軸部411内に収容されているインクが染み出して描画する、ペン先413がボールペンタイプとなったペンである。
なお、ペン41は、ボールペンタイプのものに限定されない。例えばフェルト状のペン先にインクを染み込ませて描画するサインペンタイプや、束ねた毛にインクを染み込ませて描画する筆ペンタイプのもの等であってもよい。
また、ペン先413の太さも各種のものを用意することができる。
ペンホルダ42に保持されるペン41は、全て同じタイプのペン先413を有するペンでもよいし、異なるタイプのペン先413を有するペンであってもよい。
ペン41はペンホルダ42に上方から挿通するだけで保持されている。このため、ケース本体2に設けられている蓋部23を開けて、例えば手やピンセットでペン軸部411の上端部を摘み上げ引き出す等により、容易に交換が可能である。
これにより、ユーザは、ペンホルダ42に装着するペン41を、描画したいネイルデザインに応じて色やペン先413の種類やインクの種類の異なるペン41に適宜入れ替えることで、幅広いネイルデザインを実現することができる。
ペンホルダ42は、上下に開口し内部にペン41が挿通される筒状部材421と、筒状部材421の下側(図3(b)における下側)の開口を塞ぐように配置されたペン係止部材422と、ペン41とともに上下動する補助軸部材423とを備えている。
ペン係止部材422には、ペン41のペン軸部411における先端側を係止する係止孔422aが形成されている。ペン41は、ペン軸部411の先端側がペン係止部材422の係止孔422aに嵌め込まれることによってペンホルダ42内に係止される。なお、ペン軸部411の先端側の外周面に図示しないねじ溝を形成し、係止孔422aの内周面に軸部のねじ溝と螺合可能な図示しないねじ溝を形成し、係止孔422a側のねじ溝にペン軸部411側のねじ溝を螺着させることでペン41を係止孔422aに係止させてもよい。
本実施形態において、補助軸部材423はペン41を挟むように2本配置されている。各補助軸部材423の下端部はペン係止部材422に嵌め込まれており、これにより、補助軸部材423はペン41のペン軸部411と平行するように固定されている。
補助軸部材423には、ペン41の軸中心から離れる方向に突出する係止突起424が設けられている。
また、補助軸部材423の軸周りには、コイルバネ425が巻回されている。コイルバネ425は、外力が加わらない状態において補助軸部材423を上方向に付勢するものであり、非描画状態においてペン41の位置を、ペン先413が爪Tに当接しない位置に保持する。
ペンホルダ42の近傍には、ステッピングモータからなるペン上下用モータ426と、ペン上下用モータ426の回転軸に取り付けられた歯車427に歯合するギア428と、このギア428の回転に追従して回動する板バネ429とが設けられている。本実施形態では、これらペン上下用モータ426、歯車427、ギア428、板バネ429等によりペン41の昇降機構が構成されている。
ここで、板バネ429は、補助軸部材423に設けられた係止突起424に係合して、この係止突起424を押し下げることにより、ペン41を下方向に押し下げることができるようになっている。
すなわち、ペン上下用モータ426の回転に伴って板バネ429が回動して、板バネ429が係止突起424に係合し、係止突起424を下方へと押し下げると、ペン41はコイルバネ425の付勢力に抗して下方向へと押し下げられる。
このように本実施形態では、板バネ429で直接ペン41を押し下げるのではなく、係止突起424を押し下げる構成とし、板バネ429がペン41の上方を覆わないため、ペン41の交換を容易に行うことができとともに、ペン41の昇降機構の高さを比較的低く抑え、省スペース化を図ることができる。
ここで、ペン41の昇降機構の動作について具体的に説明する。
まず、非描画時においては、係止突起424に対して板バネ429が外力を加えない状態となっている。このように外力(板バネ429による押圧力)が加わっていない状態では、ペン41は、コイルバネ425の付勢力により、上方向(図1(a)及び図3(b)において上方向)に押し上げられ、ペン41の先端部であるペン先413は描画対象面である爪Tの表面から離れ、当該表面に当接しない高さに保持されている。
これに対して、描画時には、ペン上下用モータ426を所定のステップ数で回転させ、板バネ429によって係止突起424を押し下げる。これにより、ペン41が下方向に押し下げられる。
ペン上下用モータ426を駆動させる際の所定のステップ数は、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの高さ等に応じて適宜設定される。
すなわち、本実施形態のネイルプリント装置1では、後述の爪情報を事前に取得しておく。そして、当該爪情報に基づいて、ペン41の先端部であるペン先413が爪Tに当接する当接位置の爪Tの高さを認識し、その高さに応じてペン上下用モータ426のステップ数を決定する。こうして決定したステップ数でペン上下用モータ426を駆動させ、板バネ429によってペン41を押し下げることにより、ペン41のであるペン先413を爪Tの表面に近づけて接触させ、適正な筆圧を印加する。
なお、描画の際に、描画する位置の変化に伴って、爪Tの描画を行う箇所の高さが変化したときは、その都度ペン上下用モータ426のステップ数を増減してペン41の筆圧を調整し、筆圧が概ね一定になるように調整しながら描画を行う。ここで、ペン上下用モータ426のステップ数の増減による筆圧の調整は、爪Tの高さの変化が所定量(例えば、0.5mm)だけ変化する毎に行い、爪Tの高さの変化が所定量未満であるときには筆圧の調整を行わないが、このときには爪Tの形状に応じて板バネ429が撓み変形(弾性変形)することによって、ペン41が自動的に上下動するため、ペン41が爪Tに確実に当接すると同時に筆圧を適度な値に保つことができる。
なお、板バネ429のバネ定数はそれ程大きくなく、このバネ定数は、板バネ429による押圧力(外力)が爪Tにかかったときに爪Tに痛みなどを感じることがない程度の値に設定されている。また、描画を行う際には、板バネ429が適度に撓むことによりペン41の上下動による衝撃が吸収されるとともに、ペン先413に概ね一定の適度な筆圧がかかった状態を維持したままペン41が爪Tの高さに追従して上下動し、描画対象である爪Tの表面に所望のネイルデザインを綺麗に描画することができる。
また、ユニット支持部材44は、X方向移動ステージ45に取り付けられたX方向移動部451に固定されている。X方向移動部451は、X方向移動モータ46の駆動によりX方向移動ステージ45上を図示しないガイドに沿ってX方向に移動するようになっており、これにより、ユニット支持部材44に取り付けられている描画ヘッド43が、X方向(図1(a)におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動するようになっている。
また、X方向移動ステージ45は、Y方向移動ステージ47のY方向移動部471に固定されている。Y方向移動部471は、Y方向移動モータ48の駆動によりY方向移動ステージ47上を図示しないガイドに沿ってY方向に移動するようになっており、これにより、ユニット支持部材44に取り付けられている描画ヘッド43が、Y方向(図1(b)におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動するようになっている。
なお、本実施形態において、X方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47は、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとを組み合わせることで構成されている。
本実施形態では、X方向移動モータ46及びY方向移動モータ48等により、ペン41を備える描画ヘッド43をX方向及びY方向に駆動するXY駆動部としてのヘッド移動部49が構成されている。
描画部40におけるペン上下用モータ426、インクジェット描画部71、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、後述する制御装置80の描画制御部817(図4参照)に接続され、該描画制御部817によって制御されるようになっている。
また、撮影部50は、撮像装置51と、照明装置52とを備えている。
この撮影部50は、指受入部31内に挿入されて窓31eから見える印刷指U1の爪Tを照明装置52によって照明する。そして、撮像装置51によってその印刷指U1を撮影して、印刷指U1の爪Tの画像である爪画像(爪画像を含む指の画像)を得るものである。
本実施形態では、撮像装置51及び照明装置52は、描画部40の描画ヘッド43の側方(図1(a)において描画ヘッド43の左側)に固定配置されている。
すなわち、図3(a)に示すように、描画部40の描画ヘッド43は、上面の一端側(図3(a)において左側)に、側方に張り出す張出部401を有しており、この張出部401に基板53が取り付けられている。撮影部50を構成する撮像装置51及び照明装置52は、この基板53の下面に、隔壁116に対向するように設けられている。
なお、基板53の大きさや基板53に取り付けられている撮像装置51及び照明装置52の位置は特に限定されない。
撮像装置51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮像素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。
撮像装置51は、印刷指U1の爪Tの曲率等を検出するために、ヘッド移動部49による移動によって、少なくとも異なる2つの位置・角度から爪Tを撮影するように構成されている。これにより、少なくとも2枚の爪画像が取得され、これらの爪画像に基づいて、後述する爪情報検出部812が、爪Tの輪郭(爪Tの形状)や爪Tの湾曲形状(爪Tの曲率)、爪Tの垂直位置等の爪情報を検出する。
なお、本実施形態では、撮像装置51をヘッド移動部49によって指受入部31に挿入されている印刷指U1の爪Tの上方まで移動させて撮影することができるため、撮像装置51の撮影可能範囲は爪T1つ分をカバーすることができればよい。
照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。
本実施形態では、撮像装置51の手前側と奥側とに撮像装置51を挟むように2つの照明装置52が配置されている。照明装置52は、下方に向けて光を照射して、撮像装置51の下方の撮影範囲を照明する。
なお、照明装置52を設ける数や、その配置等は図示例に限定されない。
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図4参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
なお、撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。
制御装置80は、例えば上部機枠12に配置された基板13等に設置されている。
図4は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図4に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
記憶部82には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROMには、爪画像から爪Tの形状や爪Tの輪郭、爪の幅、爪の面積等の各種の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、インクの乾燥条件を判定するための乾燥条件判定プログラム、描画データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの爪画像を記憶する爪画像記憶領域821、爪情報検出部812によって検出された爪情報(爪Tの輪郭や爪Tの傾斜角度等)が記憶される爪情報記憶領域822、及び爪Tに描画されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域823等が設けられている。
制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪情報検出部812、乾燥条件判定部813、乾燥制御部814、描画データ生成部815、表示制御部816、描画制御部817等を備えている。これら撮影制御部811、爪情報検出部812、乾燥条件判定部813、乾燥制御部814、描画データ生成部815、表示制御部816、描画制御部817等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
撮影制御部811は、撮影部50の撮像装置51及び照明装置52を制御して撮像装置51により、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像を含む指の画像(以下「爪画像」という。)を撮影させるものである。
本実施形態では、ヘッド移動部49を制御する描画制御部817によって撮像装置51を移動させ、撮影制御部811は、2つの異なる位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から少なくとも2枚の爪画像を取得させる。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。
爪情報検出部812は、撮像装置51によって撮影された指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像に基づいて、印刷指U1の爪Tについての爪情報を検出するものである。
ここで、爪情報とは、例えば、爪Tの輪郭(爪形状、爪Tの水平位置のXY座標等)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)、爪Tの表面の、XY平面に対する傾斜角度(爪Tの傾斜角度、爪曲率)である。また、爪Tの水平位置のXY座標等から爪Tの幅方向(横方向)Wの長さと爪の延在方向(縦方向)Lの長さとを取得する。
爪情報検出部812は、異なる位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から撮影された複数の爪画像を用いて爪情報の検出を行うことにより、爪Tの曲率等についても正確に検出することができる。
乾燥条件判定部813は、乾燥部90による乾燥条件を判定する。
ここで乾燥条件とは、乾燥部90によって描画対象面である爪Tの表面に塗布されたインク(すなわち、液状材料)を乾燥させる乾燥動作を行う際に考慮されるべき条件であり、本実施形態では、インクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積の大小である。
本実施形態において、乾燥条件判定部813は、実際に爪Tに描画を行った際の描画部40による描画距離の累計を取得し、この描画距離の累計に基づいてインクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積を取得する。具体的には、本実施形態では、ペン41によって描画する際、描画制御部は描画開始位置においてペン先413が爪Tの表面に触れる位置までペン41を爪Tの表面にダウンさせ、爪Tの長さ方向に1列描画を行い、その後一旦ペン先413が爪Tの表面に触れない位置までペン41をアップさせて爪Tの幅方向に移動し、その後再びペン41をダウンさせて爪Tの長さ方向に1列描画を行うということを繰り返しながら描画を行う。
乾燥条件判定部813は、ペン41による描画が行われた際には、ペン41がダウンして実際に爪Tに描画を行った描画距離の累計(すなわち、ペン41がダウンした状態で移動した総ステップ数等)を取得する。また、インクジェット描画部71による描画が行われた際には、乾燥条件判定部813は、例えばインクを吐出させながらインクジェット描画部71が移動した距離の累計を取得する。
そして、記憶部82等に予め描画距離について「標準」「長い」「短い」の3段階に分類するための閾値を記憶させておき、乾燥条件判定部813は、この閾値に基づいて、描画距離が「標準」であればインクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積が「標準」であると判定し、描画距離が「長い」場合には面積が「大きい」と判定し、描画距離が「短い」場合には面積が「小さい」と判定する。
なお、乾燥条件判定部813がインクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積の大小を判定する手法は特に限定されない。
例えば、爪Tに描画されるネイルデザインを描画対象であるユーザの爪Tに合せ込み処理を行った際に、インクを塗布する部分とされた領域の面積をもって描画対象面の面積としてもよい。
また、爪情報検出部812によって検出された爪Tの輪郭から描画対象面の面積の大小を判定してもよい。この場合には、記憶部82等に予め面積について「標準」「大きい」「小さい」の3段階に分類するための閾値を記憶させておき、乾燥条件判定部813は、この閾値に基づいて、爪情報検出部812によって検出されたユーザの爪Tの表面の面積が何れに分類できるかを判定する。
さらに、例えば、乾燥条件判定部813は、爪Tの幅(図2(a)の爪Tにおいて横方向の長さ)に基づいて、爪Tの幅が広ければ描画対象面の面積が大きく、爪Tの幅が狭ければ描画対象面の面積が小さいと判断してもよい。この場合には、記憶部82等に爪Tの幅を「標準」「広い」「狭い」の3段階に分類するための閾値を記憶させておき、乾燥条件判定部813は、この閾値に基づいて、指受入部31に挿入されているユーザの爪Tの幅が何れに分類できるかを判定する。
なお、インクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積について「標準」「大きい」「小さい」の3段階に分類することは必須ではなく、「大きい」「小さい」の2種類に分類してもよいし、4段階以上に分類してもよい。また、段階的に分類せず、無段階的にインクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積を示す値のみを取得してもよい。この場合には、後述する乾燥制御部814は、風向調整部93の羽板94の角度を、乾燥条件判定部813によって取得された値に応じて無段階的に調整する。
また、乾燥条件判定部813が面積の大小を判定する対象は、描画対象面である爪Tの表面全体であってもよいが、より無駄のない乾燥を行うためには、乾燥直前の描画において現実にインクが塗布された領域であることが好ましい。なお、インクが塗布される爪Tの領域は、描画データによって特定される。このため、現実にインクが塗布される領域の面積の大小を乾燥条件とする場合には、実際にインクが塗布される前の描画データ作成時点において描画データに基づいた乾燥条件を判定することもできる。
乾燥条件判定部813によって判定された乾燥条件(すなわち、本実施形態では、インクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積の大小)は、乾燥制御部814に送られる。
乾燥制御部814は、乾燥部90のヒータ91、ファン92、動力シリンダ97の動作を制御することで乾燥動作を制御する。すなわち、乾燥制御部814は、ヒータ91やファン92のON/OFFの制御、ヒータ91の温度制御、動力シリンダ97を動作させることによる風向の調整等を行う。
本実施形態では、乾燥制御部814は、乾燥条件判定部813による判定にしたがって乾燥部90の乾燥動作を制御するようになっている。
ここで、乾燥制御部814による風向調整部93(風向調整部93を構成する動力シリンダ97)の制御について具体的に説明する。
本実施形態では、乾燥条件判定部813によって、インクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積が「標準」であると判定されると、乾燥制御部814は、図2(c)に示すように、動力シリンダ97を初期位置に設定し、風向調整部93の羽板94がすべて指挿入方向とほぼ平行となるようにする。その上でヒータ91及びファン92を動作させて、ファン92の幅とほぼ同じ幅の範囲にヒータ91で温められた風を送り出す。
また、乾燥条件判定部813によって、インクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積が「広い」と判定されると、乾燥制御部814は、図2(d)に示すように、動力シリンダ97をロッド971が最も短くなるまで収縮させ、風向調整部93の羽板94が左右に大きく拡開するようにする。その上でヒータ91及びファン92を動作させて、ファン92の幅よりも広い範囲にヒータ91で温められた風を送り出す。
また、乾燥条件判定部813によって、インクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積が「狭い」と判定されると、乾燥制御部814は、図2(e)に示すように、動力シリンダ97をロッド971が最も長くなるまで伸長させ、風向調整部93の羽板94によって構成される乾燥部90の開口部がファン92の幅よりも狭くなるようにする。その上でヒータ91及びファン92を動作させて、ファン92の幅よりも狭い範囲にヒータ91で温められた風を送り出す。
なお、前述のように、乾燥条件判定部813が無段階的にインクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積を示す値のみを取得する場合には、乾燥制御部814は、風向調整部93の羽板94の角度を、乾燥条件判定部813によって取得された値に応じて無段階的に変化させるように制御を行う。
描画データ生成部815は、爪情報検出部812により検出された爪情報に基づいて、描画ヘッド43により印刷指U1の爪Tに施される描画用のデータを生成する。
具体的には、描画データ生成部815は、爪情報検出部812により検出された爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等することにより爪Tの形状に合わせ込む合せ込み処理を行う。
また、描画データ生成部815は、爪情報検出部812により検出された爪情報に応じて、適宜曲面補正等を行う。
これにより、ペン41やインクジェット描画部71によって描画されるネイルデザインの描画用データが生成される。
表示制御部816は、表示部26を制御して表示部26に各種の表示画面を表示させるものである。本実施形態では、表示制御部816は、例えばネイルデザインの選択画面やデザイン確認用のサムネイル画像、印刷指U1を撮影して取得した爪画像、各種の指示画面、操作画面等を表示部26に表示させるようになっている。
描画制御部817は、描画データ生成部815によって生成された描画データに基づいて描画部40に制御信号を出力し、爪Tに対してこの描画データにしたがった描画を施すように描画部40のX方向移動モータ46、Y方向移動モータ48、ペン上下用モータ426、インクジェット描画部71等を制御する制御部である。
具体的には、描画制御部817は、ペン41の非描画時にはペン上下用モータ426を制御して、板バネ429により係止突起424が押し下げられない状態を維持し、描画時にはペン上下用モータ426を動作させて、板バネ429により係止突起424を押し下げ、ペン41の先端部(ペン先413)が爪Tの表面に当接するようにペン上下用モータ426の動作を制御する。
なお、爪Tの高さが大きく変化して板バネ429が撓み変形(弾性変形)するのみでは対応できない個所では、描画制御部817は適宜ペン上下用モータ426のステップ数を増減してペン41の筆圧を調整し、筆圧が概ね一定になるように調整することが好ましい。
次に、図5を参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置1による描画方法について説明する。
このネイルプリント装置1により描画を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させる。
表示制御部816は、表示部26にデザイン選択画面を表示させ、ユーザは操作部25の操作釦等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択する。これにより、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに描画すべきネイルデザインが選択される。
ネイルデザインが選択されると、表示制御部816は、ネイルデザインを描画するのに必要なペン41を描画ヘッド43の所定のペンホルダ42にセットするよう促す指示画面を表示部26に表示させる。ユーザは表示画面に表示された指示にしたがって、所定のペンホルダ42に所定の種類のペン41をセットする。このとき、ユーザはペンホルダ42にセットしたペン41に関する情報(ペン41に収容されているインクの種類等)を操作部25等から入力するようにしてもよい。ペン41に関する情報が入力される場合、入力された情報は制御部81に出力される。
次に、表示制御部816は、印刷指U1を指受入部31にセットするよう促す指示画面を表示部26に表示させる。ユーザは、印刷指U1を指受入部31に挿入し、非印刷指U2を指退避部32に挿入して、印刷指U1を固定した上で、操作部25の図示しない描画スイッチを操作する。
描画スイッチから指示が入力されると、描画動作を開始する前に、図5に示すように、まず撮影制御部811が撮影部50を制御して、照明装置52により印刷指U1を照明しながら2つの撮像装置51により印刷指U1を撮影させる。これにより、撮影制御部811は、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像(爪画像)を取得する(ステップS1)。
次に、爪情報検出部812は、爪画像に基づいて爪Tの輪郭(爪形状)や爪Tの傾斜角度(爪曲率)等の爪情報を検出する(ステップS2)。
爪情報検出部812により爪Tの輪郭(爪形状)及び爪Tの傾斜角度(爪曲率)が検出されると、これらの爪情報に基づいて、描画データ生成部815が、ネイルデザインの画像データの爪Tへのフィッティング(合せ込み処理)を行う(ステップS3)。また、描画データ生成部815は、これら爪情報に基づいて、ネイルデザインの画像データにつき曲面補正を行う。これにより描画データが生成される。
描画データが生成されると、描画制御部817は、描画データを描画部40に出力し、ヘッド移動部49を動作させて爪Tの表面であって選択されたネイルデザインの描画開始位置の上方に描画ヘッド43を移動させて描画を開始させる(ステップS4)。
具体的には、インクジェット描画部71により描画を行う場合は、インクジェット描画部71を制御して描画データに応じたインクを吐出させる。
また、ペン41により描画を行う場合には、ペン41をX方向、Y方向及び高さ方向に適宜移動させて描画を行わせる。
本実施形態では描画が行われている間、その描画距離が累計される(ステップS5)。
描画制御部817は、爪T全体について描画処理が終了したか否かを判断し(ステップS6)、終了していない場合(ステップS6;NO)にはステップS4に戻って処理を繰り返す。また、終了している場合(ステップS6;YES)には当該爪Tについての描画処理を終了する。
描画処理が終了すると、乾燥条件判定部813は、インクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積が「標準」か否かを判断する(ステップS7)。
本実施形態では、具体的には、乾燥条件判定部813は、描画距離の累計を取得して、これが描画対象面の面積が「標準」であると分類される所定の閾値の範囲内であるか否かを判断する。
そして、乾燥条件判定部813が「標準」であると判断する場合(ステップS7;YES)には、乾燥制御部814は、風向調整部93の動力シリンダ97を初期位置に設定する(ステップS8)。これにより、羽板94により形成される乾燥部90の開口部(吹き出し口)の幅がファン92の幅とほぼ同程度に設定される。
他方、「標準」でないと判断する場合(ステップS7;NO)には、乾燥条件判定部813は、さらにインクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積が「大きい」か否か、すなわち、「標準」か否かの上限を定める所定の閾値以上であるかを判断する(ステップS9)。
そして、描画対象面の面積が「大きい」と乾燥条件判定部813が判断する場合(ステップS9;YES)には、乾燥制御部814は、風向調整部93の動力シリンダ97を、ロッド971が最も短くなる位置まで収縮させ、これにより風向調整部93を最大幅に設定する(ステップS10)。これにより、羽板94により形成される乾燥部90の開口部(吹き出し口)の幅がファン92の幅よりも広くなるように設定される。
また、描画対象面の面積が「大きくない」と乾燥条件判定部813が判断する場合(ステップS9;NO)、すなわち、「標準」か否かの下限を定める所定の閾値以下であると判断する場合には、乾燥制御部814は、風向調整部93の動力シリンダ97を、ロッド971が最も長くなる位置まで伸長させ、これにより風向調整部93を最小幅に設定する(ステップS11)。これにより、羽板94により形成される乾燥部90の開口部(吹き出し口)の幅がファン92の幅よりも狭くなるように設定される。
このように、乾燥条件判定部813によるインクが塗布された爪Tの表面(描画対象面)の面積の判定に応じた風向調整部93の設定が完了すると、乾燥制御部814は、ヒータ91及びファン92を動作させて、乾燥動作を行う(ステップS12)。
そして、所定の時間(例えば30秒間)乾燥動作を行うと、乾燥制御部814は、ヒータ91及びファン92を停止させる。
なお、当該爪Tについて種類の異なるペン41等によってさらに描画を行う場合には、ステップS4に戻って処理を繰り返す。また、当該爪Tについての描画がすべて終了した場合には、ユーザに描画の終了を報知し、装置内から指を取り出すように指示する表示画面等を表示部26に表示させる。
以上のように、本実施形態によれば、液状材料であるインクを描画対象面である爪Tの表面に塗布して、この爪Tの表面に描画を施し爪Tの表面に塗布されたインクを乾燥部90によって乾燥させる場合に、乾燥条件判定部813によって乾燥条件を判定し、乾燥条件判定部813による乾燥条件の判定結果に基づいて乾燥部90の乾燥動作を制御する。このため、消費電力等を最小限に抑えて効率よく乾燥を行うことができる。また、過不足のない乾燥を行うことで、ユーザの負担を最小限に抑えるとともに、迅速かつ仕上がりの美しいネイルプリントを実現することができる。
特に本実施形態では、乾燥条件としてインクが塗布された爪Tの表面の面積の大小を判定して、この判定結果に従って乾燥部90の乾燥動作を制御するようになっている。
同じユーザの指でも親指と小指とでは爪Tの大きさが異なる。また、ユーザが大人か子供かによっても爪Tの大きさはかなり異なる。さらに同じ爪Tでもネイルデザインによってインクが塗布され乾燥が必要となる領域の大きさが異なる。このように乾燥が必要な範囲が様々異なる場合でも、無駄な送風をすることなく、効果的に効率よく乾燥動作を行うことができる。これにより、どのような大きさの爪にどのようなネイルデザインを描画する場合でも過不足なく温風を吹きかけ乾燥させることができる。
また本実施形態では、乾燥部90に、ファン92により生じた風の向きを調整する風向調整部93を備え、乾燥制御部814は、乾燥条件判定部813による判定に応じて、ファン92により生じた風が拡散される範囲を変化させるように風向調整部93を制御するようになっている。このため、爪Tの大きさが異なる場合や、爪Tにおけるインクの塗布範囲に大小がある場合でも、過不足なく必要な範囲に送風することができ、効率よく乾燥動作を行うことができる。
特に、爪の幅方向に長い線(例えば、フレンチネイルの境目に引くラインのようなもの)を引く場合、あるいは、ユーザの爪Tが幅方向に長い爪Tである場合には、ファン92により生じた風の向きを調整することが大きなメリットとなる。
[第2の実施形態]
次に、図6から図11を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置(描画装置)及びネイルプリント装置(描画装置)の描画方法の第2の実施形態について説明する。なお、以下の本実施形態では、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、描画対象面である爪Tの表面に対して液状材料であるインクを吐出させ着弾させるインクジェット描画部71により描画を行う場合における乾燥部90の制御を中心として説明する。
インクジェット描画部71により爪Tに描画を施す場合には、まず、第1の実施形態と同様に、描画データ生成部815が、爪情報検出部812により検出された爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等することにより爪Tの形状に合わせ込む合せ込み処理を行い、さらに、爪情報検出部812により検出された爪情報に応じて、適宜曲面補正等を行うことで爪Tにネイルデザインを描画する場合の描画用の画像データとしてRGB画素データからなる画像データを生成する。
さらに、描画データ生成部815は、この描画用の画像データ(RGB画素データからなる画像データ)をインクジェット描画部71のノズルの出力データに変換する。この出力データはCMY(すなわち、シアン(C;CYAN)、マゼンタ(M;MAGENTA)、イエロー(Y;YELLOW))の各色のドットパータンであり、そのドットの密度で階調を表現するものである。
図6は、本実施形態に係るインクジェット描画部により爪に描画を施す場合の描画手法を説明する説明図である。
図6では、描画データ生成部815において生成されるインクジェット描画部71のノズルの出力データのイメージを示している。
図6に示すように、ノズルの出力データでは、例えば矩形背景画像に爪形状に合わせたノズルの出力データが配置されている。矩形背景画像の背景色は白色が望ましい。白色である背景部分は、インクジェット描画部71のノズルの出力データとしてはCMY各色ともインク吐出を実施しない画素となっている。
なお、図6等において、「XL」は、装置のX方向(横方向)の左側の印刷可能端部を示す座標を意味し、「XR」は、装置のX方向(横方向)の右側の印刷可能端部を示す座標を意味している。
インクジェット描画部71は、XLからXR、又はXRからXLに移動しながらインクジェットヘッドの複数のノズルから適宜CMY(すなわち、シアン(C;CYAN)、マゼンタ(M;MAGENTA)、イエロー(Y;YELLOW))のインクを吐出させ描画を行うものである。なお、XLからXR、又はXRからXLの1回の移動を、以下では「1走査」ともいう。
図6において、描画幅wは、インクジェット描画部71が1走査(X方向への1回の移動)において描画することが可能な幅である。
第1の実施形態で説明したように、インクジェット描画部71は、複数のノズルが列状に配置されたノズルアレイを備えるインク吐出部を有している。このため、ノズルの幅寸法(図7(a)〜図7(c)において、「d」)にノズル数(図7(a)〜図7(c)において、「nz」)を乗じたものがインクジェット描画部71のノズル列の長さであり、描画幅wとなる。なお、ノズルの寸法の画素数に1画素あたりのノズル数を乗じてインクジェット描画部71のノズル列の数量を求めてもよい。
また、図6において白抜き矢印で示す「1L」は、インクジェット描画部71がXLからXRに移動する1回目の走査(第1走査、XLからXRへの1回目の走査)を表し、「1R」は、インクジェット描画部71がXRからXLに移動する2回目の走査(第2走査、XRからXLへの1回目の走査)を表している。また、「2L」は、インクジェット描画部71がXLからXRに戻る3回目の走査(第3走査、XLからXRへの2回目の走査)を表している。
図6に示すように、本実施形態のインクジェット描画部71は、1走査において、描画幅wずつ描画を行い、各走査間で塗り残しや隙間が生じないように、描画幅wの端部を多少重ねながらXL・XR間を1往復半移動することで、1つの爪Tに対する描画を完了するようになっている。
なお、1つの爪Tに対する描画を何回の走査で行うかはノズル列の長さである描画幅wに応じて設定され、設定された走査回数に応じて適宜爪領域が分割(本実施形態では3分割)されて、各爪領域に対応するようにノズルの出力データが描画データ生成部815により生成される。
図7(a)〜図7(c)は、インクジェット描画部のノズルの出力データの構成を模式的に示す説明図である。
図7(a)〜図7(c)において、描画が行われる横方向の範囲(XLからXR)のデータ数はRGB画像データの幅と同じである。また、縦方向にはCMY各色のノズルの出力パターンが配列されている。縦方向のデータ数は横方向(X方向)の1画素を描画する際に同じタイミングで吐出されるノズルの数であり、縦方向のデータ数はノズル数分の数値となり、1画素に対応するノズル数(nz)とすると、縦方向のデータ数はd×nzとなる。
図中、インクジェット描画部71の移動方向の上流側から下流側に向かって、j列目をCMYj、j+1列目をCMYj+1、j+2列目をCMYj+2・・・としており、各列(すなわち、j列目、j+1列目、j+2列目・・・)ごとに、C(シアン)色の出力データ列、M(マゼンダ)色の出力データ列、Y(イエロー)色の出力データ列が配置されることを示している。
なお、以下の説明では、ノズルからのインク吐出を行うドットを有効ドットといい、ノズルからのインク吐出を行うドットを無効ドットという。
図7(a)は、インクジェット描画部71が図6におけるXLからXRへの第1走査(図6の1L)によって描画される第1の描画領域に対応する出力データについて説明した図であり、図7(b)は、図6におけるXRからXLへの第2走査(図6の1R)によって描画される第2の描画領域に対応する出力データについて説明した図であり、図7(c)は、図6におけるXLからXRへの第3走査(図6の2L)によって描画される第3の描画領域に対応する出力データについて説明した図である。
各画素の色はこの出力データにおける各色の有効ドットの分布の濃度で決定される。例えば濃い色であれば、単位領域あたりの出力データの有効ドット数は増大し、淡い色であれば有効ドット数は減少する。白色では有効ドット数はゼロである。
また、爪領域がなく描画処理が行われないデータ列には有効ドットがなく無効ドットのみであり、描画処理が行われる爪領域の割合が増加するほど有効ドットの割合が高くなる。
さらにネイルデザインにおける配色によっても、爪領域内での有効ドットの数量に増減が生じる。CMYの単色成分では有効ドット数は少なくなり、CMY各色の混合色では当該色を出すために複数種類の色を混ぜなければならない分、有効ドット数が多くなる。
本実施形態において、乾燥条件判定部813は、インクジェット描画部71からのインクの吐出が行われる有効ドットの分布状況にしたがった乾燥条件を判定するものである。
具体的には、乾燥条件判定部813は、X方向(横方向)のXLからXRのどの範囲に有効ドットが分布しているかを検出し、描画対象面である爪Tの表面に塗布されるインクの塗布範囲にしたがった乾燥条件を判定する。
図8(a)〜図8(c)は、横軸にX方向の座標(XL〜XR)をとり、縦軸に各X座標における出力データの有効ドット数をとってヒストグラムにしたものである。
なお、図8(a)〜図8(c)において、破線で示した縦線は、乾燥部90の開口部のX方向における中心を示している。
図8(a)は、X軸方向におけるインクの塗布範囲(すなわち、有効ドットの分布範囲)が広い場合の例を示しており、図8(c)は、X軸方向におけるインクの塗布範囲(すなわち、有効ドットの分布範囲)が狭い場合の例を示しており、図8(b)は、X軸方向におけるインクの塗布範囲(すなわち、有効ドットの分布範囲)が中程度場合の例を示している。
例えば、図8(a)のようなヒストグラムとなる場合には、乾燥用の送風は広範囲するのがよく、狭い範囲だと乾燥むら等が生じてしまう。そこで乾燥条件判定部813は、インクの塗布範囲が大であるとの乾燥パラメータを設定する。
また、図8(c)のようなヒストグラムとなる場合には、乾燥用の送風は狭い範囲にするのがよく、広範囲に送風を行うと装置内が熱くなりすぎたり、消費電力の効率がよくない。そこで乾燥条件判定部813は、インクの塗布範囲が小であるとの乾燥パラメータを設定する。
また、図8(b)のようなヒストグラムとなる場合には、乾燥用の送風は中範囲にするのがよく、広範囲に送風を行うと装置内が熱くなりすぎたり、消費電力の効率がよくない。逆に狭い範囲にしか送風を行わないと乾燥むら等が生じてしまう。そこで乾燥条件判定部813は、インクの塗布範囲が中であるとの乾燥パラメータを設定する。
なお、インクの塗布範囲がどの程度以上であれば「インクの塗布範囲大」と判定し、どの程度以下であれば「インクの塗布範囲小」と判定するのかは、装置の仕様等に応じて適宜設定されるが、例えば予め閾値を設けておき、乾燥条件判定部813はこの閾値に照らして判定を行い乾燥パラメータを設定する。
ここで、インクの塗布範囲が「大」とされるのは、例えば親指等、横幅の広い大きな指の爪Tが描画対象面である場合であり、インクの塗布範囲が「小」とされるのは、例えば子供の指や小指等、横幅の狭い小さな指の爪Tが描画対象面である場合である。インクの塗布範囲が「中」とされるのは、例えば中指等、横幅等が中程度の指の爪Tが描画対象面である場合である。
なお、図9のように、人差し指、中指、薬指の3本を同時にネイルプリント装置1の指受入部31内に挿入して描画を行う場合のように複数本の指の爪Tに対して描画を行う場合には、インクの塗布範囲は広くなり、「インクの塗布範囲大」と判定される。
また、本実施形態では、乾燥条件判定部813は、有効ドットの分布状況をもってインクの塗布範囲の大小を判定して乾燥パラメータを設定する。
このため、例えば、図10に示すように、インクの塗布範囲においてX方向の両側の有効ドット数が多く、X方向の中央部の有効ドット数が少ない場合でも、有効ドットが分布している範囲をもってインクの塗布範囲とし、乾燥パラメータを設定する。
このため、例えば、爪Tの右端から左端まで全体的に濃い色でネイルデザインが描かれる場合でも、爪Tの両横に濃い色で描かれる絵柄があり、爪Tの中央部は淡い色を塗るのみであるようなネイルデザインである場合でも、同じく「インクの塗布範囲大」と判定され、インクの塗布範囲が大であるとの乾燥パラメータが設定される。
乾燥制御部814は、第1の実施形態と同様に、乾燥条件判定部813による判定にしたがって乾燥部90の乾燥動作を制御する。
本実施形態では、乾燥条件判定部813によって「インクの塗布範囲大」と判定されインクの塗布範囲が大であるとの乾燥パラメータが設定されると、乾燥制御部814は、動力シリンダ97をロッド971が最も短くなるまで収縮させ、風向調整部93の羽板94が左右に大きく拡開するようにする。その上でヒータ91及びファン92を動作させて、ファン92の幅よりも広い範囲にヒータ91で温められた風を送り出す。
また、乾燥条件判定部813によって「インクの塗布範囲中」と判定されインクの塗布範囲が中であるとの乾燥パラメータが設定されると、乾燥制御部814は、動力シリンダ97を初期位置に設定し、風向調整部93の羽板94がすべて指挿入方向とほぼ平行となるようにする。その上でヒータ91及びファン92を動作させて、ファン92の幅とほぼ同じ幅の範囲にヒータ91で温められた風を送り出す。
また、乾燥条件判定部813によって「インクの塗布範囲小」と判定されインクの塗布範囲が小であるとの乾燥パラメータが設定されると、乾燥制御部814は、動力シリンダ97をロッド971が最も長くなるまで伸長させ、風向調整部93の羽板94によって構成される乾燥部90の開口部がファン92の幅よりも狭くなるようにする。その上でヒータ91及びファン92を動作させて、ファン92の幅よりも狭い範囲にヒータ91で温められた風を送り出す。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
次に、図11を参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置1による描画方法について説明する。
まず、第1の実施形態と同様に、ネイルデザインを描画対象である爪Tに合せ込み、適宜曲面補正等を行って描画用の画像データを生成する(ステップS21からS23)。
次に、描画データ生成部815は、描画用の画像データをインクジェット描画部71のノズルの出力データに変換する(ステップS24)。
そして、乾燥条件判定部813が、このノズルの出力データに基づいて、インクの塗布範囲を評価し、塗布範囲が大であるとの乾燥パラメータ、塗布範囲が中であるとの乾燥パラメータ、塗布範囲が小であるとの乾燥パラメータのいずれかを設定する(ステップS25)。
ノズルの出力データが生成されると、描画制御部817は、当該出力データを描画部40に出力し、ヘッド移動部49を動作させて爪Tの表面であって選択されたネイルデザインの描画開始位置の上方に描画ヘッド43を移動させて描画を開始させる(ステップS26)。
具体的には、インクジェット描画部71により描画を行う場合、インクジェット描画部71のノズルからのインク吐出動作を制御して描画データに応じたインクをノズルから吐出させる。
描画制御部817は、爪T全体について描画処理が終了したか否かを判断し(ステップS27)、終了していない場合(ステップS27;NO)にはステップS26に戻って処理を繰り返す。また、終了している場合(ステップS27;YES)には当該爪Tについての描画処理を終了する。
描画処理が終了すると、乾燥制御部814は、乾燥パラメータが「インクの塗布範囲大」に設定されているか否かを判断する(ステップS28)。そして、乾燥パラメータが「インクの塗布範囲大」に設定されている場合(ステップS28;YES)には、乾燥制御部814は、風向調整部93を吹き出し幅「大」に設定する(ステップS29)。具体的には、乾燥制御部814は、風向調整部93の動力シリンダ97を、ロッド971が最も短くなる位置まで収縮させ、風向調整部93を最大幅に設定する。これにより、羽板94により形成される乾燥部90の開口部(吹き出し口)の幅がファン92の幅よりも広くなるように設定される。
他方、乾燥パラメータが「インクの塗布範囲大」に設定されていない場合(ステップS28;NO)には、乾燥制御部814は、乾燥パラメータが「インクの塗布範囲中」に設定されているか否かを判断する(ステップS30)。そして、乾燥パラメータが「インクの塗布範囲中」に設定されている場合(ステップS30;YES)には、乾燥制御部814は、風向調整部93を吹き出し幅「中」に設定する(ステップS31)。具体的には、乾燥制御部814は、風向調整部93の動力シリンダ97を初期位置に設定する。これにより、羽板94により形成される乾燥部90の開口部(吹き出し口)の幅がファン92の幅とほぼ同程度に設定される。
他方、乾燥パラメータが「インクの塗布範囲中」に設定されていない場合(ステップS30;NO)には、乾燥制御部814は、乾燥パラメータが「インクの塗布範囲小」に設定されていると判断し、風向調整部93を吹き出し幅「小」に設定する(ステップS32)。具体的には、乾燥制御部814は、風向調整部93の動力シリンダ97を、ロッド971が最も長くなる位置まで伸長させ、これにより風向調整部93を最小幅に設定する。これにより、羽板94により形成される乾燥部90の開口部(吹き出し口)の幅がファン92の幅よりも狭くなるように設定される。
さらに、乾燥制御部814は、風向調整部93の吹き出し幅に応じてファン92の送風量を制御する(ステップS33)。
すなわち、風向調整部93の吹き出し幅を大きくした場合には、その分風が広範囲に分散されることから、送風量も増加させなければ、爪T全体について十分な風量を確保することができない。このため、風向調整部93の吹き出し幅を中程度とした場合の送風量を標準とした場合、風向調整部93を吹き出し幅「大」に設定した場合には、この標準の送風量の場合よりもファン92にかける電圧値を大きくすることにより送風量を多くするようにファン92の動作を制御する。
また、風向調整部93の吹き出し幅を小さくした場合には、その分風が狭い範囲に集中することから、送風量も減少させなければ、爪Tにあたる風圧が強くなりすぎてしまう。このため、風向調整部93を吹き出し幅「小」に設定した場合には、標準の送風量の場合よりもファン92にかける電圧値を小さくすることにより送風量を少なくするようにファン92の動作を制御する。これにより、無駄に高い電圧をかける必要がなく、省電力化を図ることもできる。
このように、爪Tの表面(描画対象面)に塗布されるインクの塗布範囲にしたがって乾燥条件判定部813により判定された乾燥条件に応じた風向調整部93の設定が完了すると、乾燥制御部814は、ヒータ91及びファン92を動作させて、乾燥動作を行う(ステップS34)。
そして、所定の時間(例えば30秒間)乾燥動作を行うと、乾燥制御部814は、ヒータ91及びファン92を停止させる。
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、爪Tに描画を施す描画ヘッドが描画対象面である爪Tに対して液状材料であるインクを吐出させ着弾させるインクジェット描画部71である場合に、乾燥条件判定部813がインクジェット描画部71からのインクの吐出が行われる有効ドットの分布状況にしたがって乾燥条件を判定するようになっている。
これにより、インクジェット描画部71により描画を行う場合にも、消費電力等を最小限に抑えて効率よく乾燥を行うことができる。また、過不足のない乾燥を行うことで、ユーザの負担を最小限に抑えるとともに、迅速かつ仕上がりの美しいネイルプリントを実現することができる。
特に本実施形態では、乾燥条件判定部813は、爪Tに塗布されるインクの塗布範囲にしたがって乾燥条件を判定する。
インクの塗布範囲は、爪Tの大きさや爪Tに施されるネイルデザインによって異なるところ、インクの塗布範囲に応じて乾燥制御を行うことができるため、無駄な送風をすることなく、効果的に効率よく乾燥動作を行うことができる。これにより、どのような大きさの爪にどのようなネイルデザインを描画する場合でも過不足なく温風を吹きかけ乾燥させることができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、第2の実施形態では、乾燥条件判定部813が、爪Tに塗布されるインクの塗布範囲にしたがって乾燥条件を判定する場合を例示したが、インクジェット描画部71によって描画を行う場合に、乾燥条件判定部813がインクジェット描画部71からのインクの吐出が行われる有効ドットの分布状況にしたがって乾燥条件を判定する手法はこれに限定されない。
例えば、乾燥条件判定部813は、爪Tに塗布されるインクの量にしたがって乾燥条件を判定してもよい。
図12(a)〜図12(c)は、横軸にX方向の座標(XL〜XR)をとり、縦軸に各X座標における出力データの有効ドット数をとってヒストグラムにしたものである。
なお、図12(a)〜図12(c)において、破線で示した縦線は、乾燥部90の開口部のX方向における中心を示している。
図12(a)〜図12(c)では、X方向(横方向)におけるインクの広がり(塗布範囲)はほぼ同じであるが、図12(a)はインク量が多く、図12(c)はインク量が少なく、図12(b)はインク量が中程度である。
X方向(横方向)におけるインクの広がりが同じであっても、インクの濃度が濃い場合(例えば、インクの吐出量が多かったり、混ぜ合わせるインクの種類が多い場合)には、インク量が多くなり、インクを薄く塗布する場合や、デザインをCMYの単色で描画する場合等にはインク量が少なくなる。
本実施形態では、図12(a)のようなヒストグラムとなる場合には、乾燥用の送風量を多くするのがよく、少ないとインクを迅速に乾燥させることができない。そこで乾燥条件判定部813は、インク量が大であるとの乾燥パラメータを設定する。
また、図12(c)のようなヒストグラムとなる場合には、乾燥用の送風量は少なくするのがよく、送風量が多いと装置内が熱くなりすぎたり、消費電力の効率がよくない。そこで乾燥条件判定部813は、インク量が小であるとの乾燥パラメータを設定する。
また、図12(b)のようなヒストグラムとなる場合には、乾燥用の送風量は中範囲にするのがよく、送風を多くし過ぎると装置内が熱くなりすぎたり、消費電力の効率がよくない。逆に少量しか送風を行わないと乾燥に時間を要してしまう。そこで乾燥条件判定部813は、インク量が中であるとの乾燥パラメータを設定する。
なお、インク量がどの程度以上であれば「インクの塗布量大」と判定し、どの程度以下であれば「インクの塗布量小」と判定するのかは、装置の仕様等に応じて適宜設定されるが、例えば予め閾値を設けておき、乾燥条件判定部813はこの閾値に照らして判定を行い乾燥パラメータを設定する。
図13に、インクの量にしたがって乾燥条件を判定する場合のフローチャートを示す。
なお、図13におけるステップS41からステップS44は、第2の実施形態における図11のステップS21からステップS24と同様であるので説明を省略する。
ノズルの出力データが生成されると、乾燥条件判定部813は、この出力データに基づいて、インクの塗布量を評価し、塗布量が大であるとの乾燥パラメータ、塗布量が中であるとの乾燥パラメータ、塗布量が小であるとの乾燥パラメータのいずれかを設定する(ステップS45)。
そして、ノズルの出力データが生成されると、描画制御部817は、当該出力データを描画部40に出力し、ヘッド移動部49を動作させて爪Tの表面であって選択されたネイルデザインの描画開始位置の上方に描画ヘッド43を移動させて描画を開始させる(ステップS46)。
具体的には、インクジェット描画部71により描画を行う場合、インクジェット描画部71のノズルからのインク吐出動作を制御して描画データに応じたインクをノズルから吐出させる。
描画制御部817は、爪T全体について描画処理が終了したか否かを判断し(ステップS47)、終了していない場合(ステップS47;NO)にはステップS46に戻って処理を繰り返す。また、終了している場合(ステップS47;YES)には当該爪Tについての描画処理を終了する。
描画処理が終了すると、乾燥制御部814は、乾燥パラメータが「インクの塗布量大」に設定されているか否かを判断する(ステップS48)。そして、乾燥パラメータが「インクの塗布量大」に設定されている場合(ステップS48;YES)には、乾燥制御部814は、ファン92の送風量を大に設定する(ステップS49)。
他方、乾燥パラメータが「インクの塗布量大」に設定されていない場合(ステップS48;NO)には、乾燥制御部814は、乾燥パラメータが「インクの塗布量中」に設定されているか否かを判断する(ステップS50)。そして、乾燥パラメータが「インクの塗布量中」に設定されている場合(ステップS50;YES)には、乾燥制御部814は、ファン92の送風量を中に設定する(ステップS51)。
他方、乾燥パラメータが「インクの塗布量中」に設定されていない場合(ステップS50;NO)には、乾燥制御部814は、乾燥パラメータが「インクの塗布量小」に設定されていると判断し、ファン92の送風量を小に設定する(ステップS52)。
このように、爪Tの表面(描画対象面)に塗布されるインクの塗布量にしたがって乾燥条件判定部813により判定された乾燥条件に応じたファン92の設定が完了すると、乾燥制御部814は、ヒータ91及びファン92を動作させて、乾燥動作を行う(ステップS53)。
具体的には、ファン92の送風量が大に設定された場合には、乾燥制御部814は、ファン92にかける電圧値を大きくすることにより送風量を多くするようにファン92の動作を制御する。また、ファン92の送風量が中に設定された場合には、乾燥制御部814は、ファン92にかける電圧値を標準レベルとすることにより送風量を中程度とするようにファン92の動作を制御する。また、ファン92の送風量が小に設定された場合には、乾燥制御部814は、ファン92にかける電圧値を小さくすることにより送風量を少なくするようにファン92の動作を制御する。
なお、乾燥制御部814は、ファン92の送風量を制御する場合に限定されず、ファン92の送風時間を制御してもよい。また、ファン92の送風量と送風時間とを組み合わせて制御してもよい。
この場合、インク量に応じて過不足なく乾燥動作を行うことができ、省電力化を図るとともに、効率の良い乾燥を実現することができる。
なお、乾燥条件判定部813による乾燥条件の判定は、ここに示したものに限定されない。
例えば、乾燥条件判定部813が、第2の実施形態で説明したインクの塗布範囲と、上記に述べたインクの塗布量との両方を考慮して乾燥条件の判定を行うようにしてもよい。この場合、乾燥制御部814は、乾燥条件判定部813によって判定された乾燥条件に応じて、ファン92の送風量の制御、ファン92の送風時間の制御、風向調整部93による吹き出し幅の制御のうちのいずれか一部又は全てを組み合わせて制御してもよい。このように、各種の条件や制御対象を組み合わせることにより、より適切な乾燥制御を行うことが期待できる。
また、第2の実施形態では、インクジェット描画部71により描画を行う場合を例として説明したが、ペン41により描画を行う場合でも、X方向におけるインクの塗布範囲や、インクの塗り重ね量等を把握することができる場合には、乾燥条件判定部813が、インクの塗布範囲やインクの塗布量したがって乾燥条件を判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、乾燥条件判定部813による判定に応じて、乾燥制御部814がファン92により生じた風が拡散される範囲を変化させるように風向調整部93を制御する場合を例示したが、乾燥制御部814が乾燥条件判定部813による判定の結果に従って制御する対象は風向調整部93に限定されない。
例えば、乾燥制御部814は、乾燥条件判定部813による判定に応じて、乾燥部90による乾燥動作の時間を変化させるようにヒータ91及びファン92を制御するようにしてもよい。
この場合、乾燥条件判定部813によって乾燥時間が短くてよいと判断された場合には、乾燥時間を短く設定することで、迅速な乾燥処理を行うことができ、ユーザの負担を軽減することができるとともに、消費電力を抑えることもできる。
また、例えば、乾燥制御部814は、乾燥条件判定部813による判定に応じて、乾燥部90による乾燥動作の際の温度を変化させるようにヒータ91を制御するようにしてもよい。
この場合、乾燥条件判定部813によって比較的低温でも乾燥しやすいと判断された場合には、ヒータ91の温度を低く設定することで、ユーザの負担を軽減することができるとともに、消費電力を抑えることもできる。
また、例えば、乾燥制御部814は、乾燥条件判定部813による判定に応じて、乾燥部90による乾燥動作の際の風量を変化させるようにファン92を制御するようにしてもよい。
この場合、乾燥条件判定部813によって風量が少なくてよいと判断された場合には、ファン92により送り出す風量を少なく設定することで、消費電力を抑えることができ、風量を多くすると判断された場合には、ファン92により送り出す風量を多く設定することで、迅速な乾燥処理を行うことができる。
さらに、第1の実施形態では、乾燥条件判定部813が乾燥条件としてインクが塗布された爪Tの表面の面積の大小を判定し、乾燥制御部814がこの判定結果に従って乾燥部90の乾燥動作を制御する場合を例示したが、乾燥条件判定部813が判定する乾燥条件は、これに限定されない。
例えば、乾燥条件は、液状材料であるインクの乾燥しやすさであってもよい。
すなわち、インクはその成分や含有物等により、乾燥のしやすさに違いがある。例えば一般にペン41によって描画されるインクよりもインクジェット描画部71によって描画されるインクの方が乾燥しやすい性質となっている。また、ペン41に収容されているインクでもその種類によって乾燥のしやすさに差がある。このため、例えば乾燥しやすいインクで描画された場合には乾燥時間を短くし、乾燥しにくいインクで描画された場合には乾燥時間を長くするように乾燥制御部814が乾燥部90による乾燥動作を制御してもよい。
また、インクジェット描画部71によって描画されるインクでもその種類(例えば、シアン(C)マゼンダ(M)イエロー(Y)の各インク色種)によって乾燥のしやすさに差がある。各インク色毎に、溶剤に対するインク顔料の含有率が異なるためである。このため、例えば、1mlのインクを塗布し、塗布後1分間で乾いたものを指数100とした場合の各インクの乾燥しやすさの指標を設け、この指標に従ってインク種類毎の乾燥しやすさを算出して、乾燥制御部814がこの算出結果に基づいて乾燥部90による乾燥動作を制御する等してもよい。
なお、描画に用いられるインクの種類の情報は、ネイルデザインのデータに含まれていてもよいし、描画に用いられるペン41が選択された時点で当該ペン41に収容されているインクの種類に関する情報を乾燥制御部814が取得するようにしてもよい。
また、乾燥条件判定部813が判定する乾燥条件は、インクの塗布量であってもよい。すなわち、例えば同じ面積に同じ種類のインクを塗布する場合でも、薄く塗布すれば乾燥しやすく、厚く塗布すれば乾燥しにくいというように、塗布されるインクの厚みが異なればその分乾燥のしやすさも異なってくる。この点、 インクの塗布量を乾燥条件とした場合には、塗布されるインクの厚み等も考慮して、適切な乾燥動作を行うことができる。
なお、ここまでに例示した乾燥制御部814による乾燥部90の制御の対象及び制御の内容や、乾燥条件判定部813による判定対象である乾燥条件の具体的な内容は、ここれ示したものに限定されない。
また、乾燥制御部814による乾燥部90の制御の対象及び制御の内容や、乾燥条件判定部813による判定対象である乾燥条件の具体的な内容は、その一部又は全部を適宜組み合わせることが可能である。
なお、風向の調整を行わず、他の制御内容のみを実施する場合には、乾燥部90に風向調整部93を設けない構成としてもよい。
このように、複数の制御内容や考慮すべき乾燥条件を適宜組み合わせることにより、より一層過不足のない効率的な乾燥動作を実現することができる。
例えば、本実施形態で示したように、乾燥条件としてインクが塗布された爪Tの表面の面積の大小を判定し、判定結果に応じて風向調整部93を制御する場合に、併せて、風量を調整してもよい。
具体的には、インクが塗布された爪Tの表面の面積が「大」と判断され、乾燥部90の開口部が広くなるように風向調整部93を制御する場合、開口部が広くなるとその分風が拡散してしまうため、併せて風量を多くするようにファン92の制御を行い、逆にインクが塗布された爪Tの表面の面積が「小」と判断され、乾燥部90の開口部が狭くなるように風向調整部93を制御する場合には、狭い部分に集中的に風が当たるため、併せて風量を少なくするようにファン92の制御を行うというように、乾燥対象の面積の大小にかかわらず、単位面積当たりに吹き付けられる風量がほぼ同等となるように調整してもよい。
また、例えば、乾燥条件としてインクが塗布された爪Tの表面の面積の大小の他に、併せてインクの乾燥しやすさをも判定してもよい。
この場合、例えばインクが乾燥しにくいものである場合には、風向の調整と合わせて、乾燥時間を長くしたり、乾燥温度を高くしたり、風量を多くしたりしてもよい。
また、乾燥温度を高くしたり、風量を多くしたりした場合には、これに応じてその分乾燥時間を短くしてもよい。
このように、乾燥条件を各種組み合わせて判定したり、乾燥条件によって制御される乾燥動作の内容を各種組み合わせたりすることによって、より一層無駄のない適切な乾燥動作を行うことが可能となる。
また、上記各実施形態では、風向調整部93として、動力シリンダ97のロッド971の長さを調整することで、羽板94の拡開角度を調整する場合を例示したが、羽板94の角度を調整する構成はこれに限定されない。
例えば、図14(a)から図14(d)に示すように、風向調整部93における枠状の前面部材98の内側に、2つの可動部材99a,99bを設けて、一端側が背面部材95に取り付けられた4つの羽板94のうち、左側(図14(a)から図14(d)において左側)の2つの羽板の他端側を可動部材99aに回動可能に取り付け、右側(図14(a)から図14(d)において右側)の2つの羽板の他端側を可動部材99bに回動可能に取り付けてもよい。この場合、可動部材99a,99bを左右方向(図14(a)から図14(d)において左右方向)に移動させることにより、羽板94の向き(角度)を調整する。なお、可動部材99a,99bを移動させる構成としては横方向に伸縮する図示しない動力シリンダ等、各種のアクチュエータを適用可能である。
この場合、例えば、初期位置においては、図14(b)に示すように、可動部材99a,99bの間に多少の隙間があり、羽板94が指挿入方向とほぼ並行となる向きに揃って状態となる。これにより、乾燥部90の開口部の幅はファン92の幅とほぼ同じとなる。
乾燥部90の開口部を広くする場合には、図14(c)に示すように、可動部材99a,99bを互いに離間する方向(すなわち、可動部材99aは左方向、99bは右方向)に移動させる。
逆に、乾燥部90の開口部を狭くする場合には、図14(d)に示すように、可動部材99a,99bが互いに近接して接触する程度まで移動させる。
風向調整部93をこのような構成とすれば、装置の奥行き方向にあまりスペースを確保できない場合でも、装置の幅方向(図14(a)において横方向)にスペースを確保することができれば風向を調整する機構を組み込むことができる。
また、上記各実施形態では、風向調整部93に4つの羽板94を設けて、この羽板94の拡開角度を調整することで風向を調整する場合を例示したが、風向を調整する手法はこれに限定されない。羽板94の角度を調整する構成はこれに限定されない。
例えば、風向調整部93の前面部分に複数のスリットを有する板状部材を設けて、風を送り出したい部分以外のスリットを適宜遮蔽可能に構成することで、風向の調整を行ってもよい。
また、上記各実施形態では、ネイルプリント装置1単体ですべての操作及び動作を行うことができる場合を例示したが、ネイルプリント装置1を動作させる構成はこれに限定されない。
例えば、図15に示すように、上記各実施形態と同様の描画部40、撮影部50、乾燥部90と、これらを動作させる制御部101と、外部機器との間で通信可能な通信部102とを備えるネイルプリント装置本体100と、ネイルプリント装置本体100との間で通信を行い、各種処理や操作指示等を行う操作端末装置200とによって描画装置(描画装置ユニット)が構成されていてもよい。
この場合、操作端末装置200には、画像処理等を行う制御部210及び、操作アプリケーションプログラム221やネイルデザインデータ222等を格納する記憶部220を有する制御装置201、ネイルプリント装置本体100等の外部機器との間で通信を行う通信部202、各種操作指示をユーザが入力操作することのできる操作部203、各種画像や指示画面等を表示可能な表示部204等が設けられている。
このような構成とした場合、撮影部50により撮影された画像等は通信部102,202を介してネイルプリント装置本体100から操作端末装置200に送られ、操作端末装置200の制御装置201において爪情報の検出や爪情報に基づく描画用の画像データの生成、描画用の画像データからノズルの出力データへの変換、乾燥条件の判定等が行われ、これらの結果に基づいてネイルプリント装置本体100の制御部101が描画部40、乾燥部90等を制御することで、描画動作及び乾燥動作を行わせる。
なお、この場合、ネイルデザインデータは、操作端末装置200内の記憶部220に記憶されているものに限定されず、各種通信ネットワークを介して外部の記憶手段から取り込むことが可能に構成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、描画ヘッド43にペンホルダ42を1つ備えている場合を例示したが、描画ヘッド43に設けられるペンホルダ42の数は1つに限定されない。例えば2つ以上のペンホルダ42を備え、描画用のペン41が2本以上保持されていてもよい。
また、上記各実施形態では、ペンホルダ42に保持させるペン41を、ユーザが適宜手動で交換する場合を例示したが、例えば、ホームエリア60等にペン41を待機させておく待機スペースを設けて、図示しないペン交換機構により必要なペン41を自動的に待機スペース内から取得してペンホルダ42に差し替えるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、描画ヘッド43に撮像装置51や照明装置52が搭載されている場合を例示したが、撮像装置51や照明装置52を設ける位置はこれに限定されない。
例えばネイルプリント装置1の天井部分等に撮像装置51及び照明装置52が固定配置されていてもよい。この場合には、爪情報として爪Tの形状や曲率等を検出するための爪画像を2つ以上の異なった位置・角度から撮影するために、位置をずらして2つ以上の撮像装置51を設けることが好ましい。
また、上記各実施形態では、爪情報として爪Tの曲率等を検出し、これに基づいて描画データを生成する場合を例としたが、爪Tの曲率等を検出することは本発明の必須の構成要素ではない。例えば、爪Tの中程にワンポイント柄を描画する場合のように、描画を行う上で爪Tのおよその位置が分かれば足りる場合であれば、正確に爪Tの形状や曲率等を認識する必要はなく、爪形状等の検出を行うことなく描画を行うことも可能である。
また、上記各実施形態では、指を1本ずつ装置に挿入して順次描画を行うネイルプリント装置1を例としたが、複数本の指に対して、各指を抜き差しすることなく、連続的に描画を行うことのできる構成とすることも可能である。
この場合には、例えば、ペン41やインクジェット描画部71の稼動範囲を広げて描画可能範囲を大きくすることにより、複数の印刷指U1を同時に挿入した状態で、各指の爪に連続的に描画を施す。そして、このように複数の爪Tに対して連続的に描画を行う場合には、風向調整部93において、乾燥部90の開口部が最も大きくなるように調整し、ファン92によって生じた風が、すべての爪Tに届くようにする。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画部と、
ファンを備え、前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥部と、
前記乾燥部による乾燥条件を判定する乾燥条件判定部と、
前記乾燥条件判定部による判定にしたがって前記乾燥部の前記乾燥動作を制御する乾燥制御部と、
を備えていることを特徴とする描画装置。
<請求項2>
前記乾燥条件判定部は、前記描画対象面に塗布される前記液状材料の塗布範囲にしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
<請求項3>
前記乾燥条件判定部は、前記描画対象面に塗布される前記液状材料の量にしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の描画装置。
<請求項4>
前記描画部は、前記描画対象面に対して前記液状材料を吐出させ着弾させるインクジェット描画部を備えており、
前記乾燥条件判定部は、前記インクジェット描画部からの前記液状材料の吐出が行われる有効ドットの分布状況にしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項5>
前記乾燥条件判定部は、前記描画対象面の面積にしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項6>
前記乾燥条件判定部は、前記液状材料の種類による乾燥しやすさにしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項7>
前記乾燥部は、前記ファンにより生じた風の向きを調整する風向調整部を有し、
前記乾燥制御部は、前記乾燥条件判定部による判定に応じて、前記ファンにより生じた風が拡散される範囲を変化させるように前記風向調整部を制御することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項8>
前記乾燥制御部は、前記乾燥条件判定部による判定に応じて、前記乾燥部による前記乾燥動作の時間を変化させるように前記ファンを制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項9>
前記乾燥部は、さらにヒータを備え、
前記乾燥制御部は、前記乾燥条件判定部による判定に応じて、前記乾燥部による前記乾燥動作の際の温度を変化させるように前記ヒータを制御することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項10>
前記乾燥制御部は、前記乾燥条件判定部による判定に応じて、前記乾燥部による前記乾燥動作の際の風量を変化させるように前記ファンを制御することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項11>
描画装置の描画方法であって、
前記描画装置は、
液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画部と、
ファンを備え、前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥部と、
を備え、
前記描画部による描画後に前記乾燥部による乾燥条件を判定し、
前記乾燥条件の判定にしたがって前記乾燥部の前記乾燥動作を制御することを特徴とする描画装置の描画方法。
1 ネイルプリント装置
31 指受入部
40 描画部
41 ペン
42 ペンホルダ
43 描画ヘッド
49 ヘッド移動部
50 撮影部
71 インクジェット描画部
81 制御部
82 記憶部
90 乾燥部
91 ヒータ
92 ファン
93 風向調整部
94 羽板
97 動力シリンダ
426 ペン上下用モータ
813 乾燥条件判定部
814 乾燥制御部
T 爪
U1 印刷指

Claims (11)

  1. 液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画部と、
    ファンを備え、前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥部と、
    前記乾燥部による乾燥条件を判定する乾燥条件判定部と、
    前記乾燥条件判定部による判定にしたがって前記乾燥部の前記乾燥動作を制御する乾燥制御部と、
    を備えていることを特徴とする描画装置。
  2. 前記乾燥条件判定部は、前記描画対象面に塗布される前記液状材料の塗布範囲にしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
  3. 前記乾燥条件判定部は、前記描画対象面に塗布される前記液状材料の量にしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の描画装置。
  4. 前記描画部は、前記描画対象面に対して前記液状材料を吐出させ着弾させるインクジェット描画部を備えており、
    前記乾燥条件判定部は、前記インクジェット描画部からの前記液状材料の吐出が行われる有効ドットの分布状況にしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画装置。
  5. 前記乾燥条件判定部は、前記描画対象面の面積にしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の描画装置。
  6. 前記乾燥条件判定部は、前記液状材料の種類による乾燥しやすさにしたがった前記乾燥条件を判定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の描画装置。
  7. 前記乾燥部は、前記ファンにより生じた風の向きを調整する風向調整部を有し、
    前記乾燥制御部は、前記乾燥条件判定部による判定に応じて、前記ファンにより生じた風が拡散される範囲を変化させるように前記風向調整部を制御することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の描画装置。
  8. 前記乾燥制御部は、前記乾燥条件判定部による判定に応じて、前記乾燥部による前記乾燥動作の時間を変化させるように前記ファンを制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の描画装置。
  9. 前記乾燥部は、さらにヒータを備え、
    前記乾燥制御部は、前記乾燥条件判定部による判定に応じて、前記乾燥部による前記乾燥動作の際の温度を変化させるように前記ヒータを制御することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の描画装置。
  10. 前記乾燥制御部は、前記乾燥条件判定部による判定に応じて、前記乾燥部による前記乾燥動作の際の風量を変化させるように前記ファンを制御することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の描画装置。
  11. 描画装置の描画方法であって、
    前記描画装置は、
    液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画部と、
    ファンを備え、前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥部と、
    を備え、
    前記描画部による描画後に前記乾燥部による乾燥条件を判定し、
    前記乾燥条件の判定にしたがって前記乾燥部の前記乾燥動作を制御することを特徴とする描画装置の描画方法。
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