JP2015186565A - 描画装置及び描画装置の描画方法 - Google Patents

描画装置及び描画装置の描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクが乾燥するのに必要な時間だけ効率よく乾燥を行い、高精細な描画と描画処理の迅速化とを両立させることのできる描画装置及び描画装置の描画方法を提供する。
【解決手段】ネイルプリント装置1に、インクを爪Tの表面に塗布して該爪Tの表面に描画を施す描画ヘッド41と、爪Tの表面に塗布されたインクを乾燥させる乾燥動作を行う乾燥機構9と、爪Tの表面に塗布されたインクに照射した光の反射光の強度の経過時間ごとの値に基づいて、インクの乾燥状態を判断する乾燥状態判断部816と、乾燥状態判断部816による判断にしたがって乾燥機構9の乾燥動作の実行を制御する乾燥機構制御部817とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、描画装置及び描画装置の描画方法に関するものである。
従来、印刷ヘッドからインクを微小な液滴として噴射するインクジェット方式にて人の爪にネイルプリントを施す描画装置が知られている。
このような描画装置を用いてネイルプリントを行う場合には、まず、「白色下地」や「受容層」を爪に塗布し、これを乾燥させてからネイルデザインの印刷を行っていた。また、ネイルデザインの印刷が終わった後、その「印刷済みの部分」に「トップコート」を塗布して、より光沢感があり、長持ちする仕上がりとすることも行われている。
また、描画対象の表面に直接ペン先を当接させて描画を行う筆記具(ペン)を備えるプロッタ方式の描画装置を用いて爪にネイルプリントを施すことも検討されている。
プロッタ方式の描画装置をネイルプリント装置として採用した場合には、粒径の大きな顔料(色材)やラメ等を含むインクや粘度の高いインク等、インクジェット方式の場合には用いることが難しかった各種のインクを用いることができる。このため、「ベースコート(白色下地)」や「受容層」、「トップコート」等についてもユーザによる手作業ではなく描画装置を用いて塗布することができ、ネイルサロン等で施されるネイルアートにより近い仕上がりのネイルプリントを実現することができる。
しかし、「ベースコート」や「受容層」を塗った後でネイルプリントを施す場合でも、ネイルプリントを施した後に「トップコート」を塗布する場合等でも、前に塗布された層の乾燥が不十分であると次に塗布されるインクが滲んだり、流れたりして描画が乱れ、美しい仕上がりとならない。
この点、例えば特許文献1には、風を発生させる送風機構を備えて、この送風機構によって発生させた風を記録ヘッドがシートにインクを吐出する記録領域に送り、シート上のインクの乾燥を行うインクジェット装置が開示されている。
特開2014−008675号公報
しかしながら、インクジェット方式、プロッタ方式のいずれにおいても、「ベースコート」や「受容層」、ネイルプリントの「印刷済みの部分」が十分に乾燥しているか否かは人が判断するしかなかったため、乾燥が不十分なままインクを塗り重ねてしまい、インクが滲んだり、流れたりして描画が乱れてしまうことがあった。
この点、特許文献1では、インクが塗布された記録媒体を一定時間だけ加熱することによってインクを乾燥させている。
このようにすればインク滲み等による描画の乱れを防ぐことができる。
しかし、実際の乾燥状態に応じて加熱時間を決めているものではなく、加熱時間は実際にインクが乾燥するのに必要な時間より長い一定の時間に設定されているため、描画(印刷)時間の増大を招き、効率的な描画を行うことができないという問題があった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、インクが乾燥するのに必要な時間だけ効率よく乾燥を行い、高精細な描画と描画処理の迅速化とを両立させることのできる描画装置及び描画装置の描画方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明の描画装置は、
液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画部と、
前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥機構と、
前記描画対象面に塗布された前記液状材料に照射した光の反射光の強度の、前記乾燥動作が実行されている間の経過時間ごとの値に基づいて、前記液状材料の乾燥状態を判断する乾燥状態判断部と、
前記乾燥状態判断部による判断にしたがって前記乾燥機構の前記乾燥動作の実行を制御する乾燥機構制御部と、
を備えていることを特徴とする。
また、本発明の描画装置の描画方法は、
描画部により液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画装置の描画方法において、
乾燥機構によって前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を開始させ、
前記描画対象面に塗布された前記液状材料の乾燥状態を、前記液状材料に照射した光の反射光の強度の、前記乾燥動作が実行されている間の経過時間ごとの値に基づいて判断し、
前記液状材料が乾燥したと判断されたとき、前記乾燥機構による前記乾燥動作を停止させることを特徴としている。
本発明によれば、インクが乾燥するのに必要な時間だけ効率よく乾燥を行い、高精細な描画と描画処理の迅速化とを両立させることができる。
(a)は、第1の実施形態における描画装置の正面図であり、(b)は、(a)に示された描画装置の内部構成を示す側面図である。 (a)は、乾燥機構の側面図であり、(b)は、(a)の乾燥機構を矢視b方向から見た正面図である。 第1の実施形態に係る描画装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 インクに含まれる水分量としての含水量と、インクの反射光強度とを、乾燥動作開始時からの時系列に従って示したグラフである。 第1の実施形態に係る描画装置の描画処理を示すフローチャートである。 図5における乾燥処理を示すフローチャートである。 図6に示す乾燥処理の一変形例を示すフローチャートである。 図6に示す乾燥処理の一変形例を示すフローチャートである。 (a)は、第2の実施形態における描画装置の正面図であり、(b)は、(a)に示された描画装置の内部構成を示す側面図である。 (a)は、第2の実施形態における描画ヘッドの上面図であり、(b)は、(a)の描画ヘッドを矢視b方向から見た正面図であり、(c)は、(a)の描画ヘッドを矢視c方向から見た側面図である。 第2の実施形態に係る描画装置の描画処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る描画装置の描画処理を示すフローチャートである。 (a)は、第3の実施形態における描画装置の正面図であり、(b)は、(a)に示された描画装置の内部構成を示す側面図である。 (a)は、第3の実施形態における乾燥機構及び第2の光源ユニットの側面図であり、(b)は、(a)の乾燥機構及び第2の光源ユニットを矢視b方向から見た正面図であり、(c)は、第3の実施形態における指受入部及び第3の光源ユニットを指挿入側から見た平面図である。 第3の実施形態における第1の光源ユニット、第2の光源ユニット及び第3の光源ユニットと爪T表面との位置関係を模式的に示す説明図である。 第3の実施形態における照明灯及び単位光源の点灯状態の一例を模式的に示した説明図である。 第3の実施形態における照明灯及び単位光源の点灯状態の一例を模式的に示した説明図である。 (a)は、第3の実施形態における描画装置の一変形例の正面図であり、(b)は、(a)に示された描画装置の内部構成を示す側面図である。 (a)は、第3の実施形態における描画装置の一変形例の正面図であり、(b)は、(a)に示された描画装置の内部構成を示す側面図である。
[第1の実施形態]
図1から図6を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置(描画装置)の第1の実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、ネイルプリント装置(描画装置)は手の指の爪の表面を描画対象面として、これに描画するものとして説明するが、本発明の描画対象面は手の指の爪の表面に限るものではなく、例えば足の指の爪の表面を描画対象面としてもよい。
図1(a)は、ネイルプリント装置の内部構成を示すネイルプリント装置の正面図であり、図1(b)は、図1(a)に示されたネイルプリント装置の内部構成を示す側面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すようにこのネイルプリント装置1は、ケース本体2と、このケース本体2に収容される装置本体10とを備えている。
ケース本体2の前面右上部一端には、後述する描画ユニット7の描画ヘッド41を交換するために開閉可能に構成された蓋部23が設けられている。蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図1(b)に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。
ケース本体2の上面(天板)には操作部25(図3参照)が設置されている。
操作部25は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部25には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための図示しない操作釦が配置されている。
また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部26が設置されている。
表示部26は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示部26には、例えば、印刷指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部26の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。
装置本体10は、ほぼ箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置された下部機枠11と、この下部機枠11の上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている上部機枠12とを備えている。
まず、下部機枠11について説明する。
下部機枠11は、背面板111、底板112、左右一対の側板113a,113b、X方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115及び隔壁116を有する。
側板113a,113bの下端部は、底板112の左右両端部にそれぞれ連結され、側板113a,113bが底板112に対して立てられた状態に設けられている。
背面板111の下部は、前方(指挿入方向手前側)に向かって2段に窪むように形成されている。背面板111の下端部は底板112の前端部に連結されており、背面板111は、底板112と側板113a,113bによって囲われた領域を前後に区切っている。
この窪んだ背面板111の後ろ側に形成される空間がX方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115(図1(b)参照)となっている。X方向移動ステージ収容部114内には、描画ユニット7が前方(指挿入方向手前側)に移動した際に描画ユニット7のX方向移動ステージ45が収容される。また、Y方向移動ステージ収容部115内には、描画ユニット7のY方向移動ステージ47が配置されている。
また、隔壁116は、下部機枠11の内部前方側の空間(背面板111、底板112及び側板113a,113bによって囲われた指挿入方向手前側の空間)を上下に区切るように下部機枠11の内側に設けられている。隔壁116はほぼ水平に設けられ、隔壁116の左右両端部が側板113a,113bにそれぞれ連結され、隔壁116の後端部が背面板111に連結されている。
この下部機枠11には、指固定部30(図1(b)参照)が一体的に設けられている。
指固定部30は、描画を施す爪T(すなわち描画対象)に対応する指(以下、これを「印刷指U1」という。)を受け入れる指受入部31と、この印刷指U1以外の指(以下、これを「非印刷指U2」という。)を退避させる指退避部32と、から構成されている。
指受入部31は、隔壁116の上側であって、例えば、下部機枠11の幅方向の中央より少し右に配置されている。また、隔壁116によって下部機枠11の下側に区分けられた空間が指退避部32を構成している。
例えば、薬指の爪Tに描画を施す場合には、指受入部31に印刷指U1としての薬指を挿入し、非印刷指U2であるその他の4指(親指、人差し指、中指、小指)を指退避部32に挿入する。
指受入部31は、下部機枠11の前面側(印刷指挿入方向の手前側)に開口しており、下側が隔壁116の一部を構成する指載置部116aとなっている。指載置部116aは、描画を施す爪Tの指(印刷指U1)をXY平面上に載置するものである。
また、指受入部31の上側は、開口しており、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの表面(すなわち、描画対象面)が露出するようになっている。
また、隔壁116の上面であって下部機枠11の前面側の両側部には、下部機枠11の前面側を塞ぐ前壁31f(図1(a)参照)が立設されている。また、隔壁116の上面には、この前壁31fの中央部寄りの端部から前記指受入部31に向けて狭窄し、印刷指U1を指受入部31内に案内する一対のガイド壁31g(図1(a)参照)が立設されている。
ユーザは指受入部31に挿入した印刷指U1と指退避部32に挿入した非印刷指U2との間に隔壁116を挟むことができる。そのため、指受入部31内に挿入された印刷指U1が安定して固定される。
なお、本実施形態では、隔壁116の前端部に下方向に張り出した突出部116bが形成されている。
図1(a)及び図1(b)に示すように、撮影部50は、上部機枠12に固定されている基板13に設けられている。
すなわち、上部機枠12には基板13が設置されており、この基板13の下面であって指受入部31の上方位置には、撮影部50の撮像装置として2つのカメラ51a、51bが設置されている。なお、以下において単に「カメラ51」としたときには、2つのカメラ51a、51bを含むものとする。
カメラ51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮像素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラであることが好ましい。
カメラ51は、指受入部31内に挿入されている印刷指U1の爪Tを撮影して、印刷指U1の爪Tの画像である爪画像(爪Tの画像を含む指画像)を取得するものである。
2つのカメラ51のうち、カメラ51aは、指受入部31の底面に対向して設けられており、爪Tを真上から撮影するものである。
カメラ51aの周囲には、カメラ51aを囲むように遮光壁53が設けられており、後述する照明灯52からの光が直接カメラ51aのレンズに入ることを防止するようになっている。
また、カメラ51bは、指受入部31の底面に対して僅かに傾けて配置されており、爪Tを斜め上方向から撮影するものである。
本実施形態では、撮影部50は、爪Tの形状や位置、曲率等の爪情報を得るための爪画像と、インクが塗布された爪T表面に照明光を照射したときの反射光の強度を反射光強度として検出するための爪画像と、を取得するようになっている。
爪情報を得るための爪画像を取得する際には、撮影部50は、2つのカメラ51a、51bを用いて、少なくとも2つの異なった位置・角度から爪Tを撮影し、少なくとも2枚の爪画像を取得する。そして、これらの爪画像に基づいて、後述する爪情報検出部812が、爪Tの輪郭(爪Tの形状)や爪Tの曲率(すなわち爪Tの湾曲形状)、垂直位置等の爪情報を検出する。
また、爪T表面の反射光強度を検出するための爪画像を取得する際には、撮影部50は、指受入部31の底面に対向して設けられたカメラ51aのみを用いて、爪Tを真上から撮影した爪画像を取得する。そして、この爪画像に基づいて、後述する乾燥状態判断部816が、インクが塗布された爪T表面の反射光強度を検出し、これに基づいて爪T上のインクの乾燥状態、すなわちインクが乾燥しているか否か、を判断する。
基板13には、白色LED(Light Emitting Diode)等の照明灯(照明装置)52が設置されている。照明灯52は、カメラ51による撮影の際に印刷指U1の爪Tを照明するものである。
本実施形態では、例えば10個等、複数の照明灯52がカメラ51を囲むように配置されている。なお、照明灯52の数や配置は特に限定されない。
なお、照明灯52の数や配置は特に限定されないが、爪T表面の反射光強度を検出するための爪画像を取得する際に、できるだけ多くの反射光をとらえることができるように、爪Tが配置される指受入部31の上方の広い範囲に多くの照明灯52を配置することが好ましい。
なお、爪情報を得るための爪画像を撮影する際には、すべての照明灯52を点灯させる必要はなく、一部のみを点灯させるようにしてもよい。また、撮影ごとに異なる位置の照明灯52を点灯させることで、影の現れ方の異なる爪画像を複数取得し、爪情報(特に爪Tの曲率)の検出においてこの影の現れ方の違いを考慮してもよい。
また、本実施形態では、照明灯52の光を拡散させる拡散板54が設けられており、照明灯52が点灯した際に拡散板54によってその光を広く拡散させることができるようになっている。
本実施形態の撮影部50は、これらのカメラ51及び照明灯52等を備えて構成されている。
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図3参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82の爪画像記憶領域821(図3参照)に記憶される。
描画ユニット7は、描画部である描画ヘッド41、描画ヘッド41を支持するユニット支持部材44、描画ヘッド41をX方向(図1(a)におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46、描画ヘッド41をY方向(図1(b)におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48等を備えて構成されている。
本実施形態において、描画ヘッド41はキャリッジ42に保持されており、キャリッジ42は、ユニット支持部材44に取り付けられている。これにより、描画ヘッド41は、キャリッジ42を介してユニット支持部材44に支持されている。
また、本実施形態では、キャリッジ42の上面板がネイルプリント装置1の幅方向の一方側(図1(a)においてX方向の左側)に張り出して張出部42aを構成しており、この張出部42aに後述する乾燥機構9が取り付けられている。
描画ヘッド41は、液状材料であるインクを描画対象面である爪Tの表面に噴射塗布して、この爪Tの表面に描画を施すものである。
本実施形態の描画ヘッド41は、インクタンクが一体化された一体型のカートリッジであり、内部には、個別に仕切られた複数のインク室(インク収容部、図示せず)が設けられ、各インク室内には、例えば、液状材料としてC,M,Y3色のインクがそれぞれ充填されている。なお、インク(液状材料)の種類や数はここに例示したものに限定されない。
描画ヘッド41の下側面(描画ヘッド41をキャリッジ42に装着した際に指載置部116aに対向する面)には、インク室に充填されている各色のインクを吐出させる吐出口が形成された吐出面(図示せず)が設けられている。
描画ヘッド41は、この吐出面の吐出口からインクを吐出させるためのインク吐出部411を備えている。インク吐出部411は、例えばアクチュエータとしてのピエゾ素子(図示せず)等で構成されている。
キャリッジ42には、描画ヘッド41を駆動させるヘッドドライブ回路基板(図示せず)が設けられており、キャリッジ42に描画ヘッド41を装着した際に描画ヘッド41側のコネクタ(図示せず)がヘッドドライブ回路基板と接続され、ヘッドドライブ回路基板を介してインク吐出部411が制御装置80と電気的に接続される。これにより、後述する描画制御部815の制御にしたがって、インク吐出部411を構成するピエゾ素子に駆動電圧が印加され、電圧の印加によってピエゾ素子が変形又は振動することで図示しないインク流路が圧縮されて吐出面の吐出口からインクが吐出されるようになっている。
また、隔壁116の上であってネイルプリント装置1の幅方向における一端側(本実施形態では、図1(a)における右側)は、描画ヘッド41が非描画時に待機するホームエリアとなっており、このホームエリアには、非描画時に描画ヘッド41の吐出面を覆うキャップ機構43が設けられている。
キャップ機構43は、指受入部31の方位置よりも後方(本実施形態では、図1(b)における右側)に配置され、後述する乾燥機構9が指受入部31の後方に配置された際に、描画ヘッド41がキャップ機構43に対応する位置に配置されるようになっている。
キャップ機構43は、少なくとも後述する乾燥機構9による乾燥動作中に、描画ヘッド41における描画対象面側(すなわち吐出面側)に配置されて、乾燥機構9からの送風による描画ヘッド41の乾燥を防ぐ乾燥防止部として機能する。
また、ユニット支持部材44は、X方向移動ステージ45に取り付けられたX方向移動部451に固定されており、これにより、ユニット支持部材44に取り付けられている描画ヘッド41が、X方向(図1(a)におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動するようになっている。
また、X方向移動ステージ45は、Y方向移動ステージ47のY方向移動部471に固定されており、これにより、ユニット支持部材44に取り付けられている描画ヘッド41が、Y方向(図1(b)におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動するようになっている。
本実施形態では、X方向移動モータ46及びY方向移動モータ48等により、描画ヘッド41をX方向及びY方向に移動するXY移動部としてのヘッド移動部49が構成されている。
描画ユニット7における描画ヘッド41からインクを吐出させるインク吐出部411、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、後述する制御装置80の描画制御部815(図3参照)に接続され、該描画制御部815によって制御されるようになっている。
また、描画ヘッド41の側方には、乾燥機構9が配置されている。
本実施形態では、前述のように、乾燥機構9は、描画ユニット7のキャリッジ42の張出部42aに固定されている。これにより、乾燥機構9は、ヘッド移動部49によって描画ヘッド41とともに移動可能に構成されている。
図2(a)は、本実施形態の乾燥機構9の側面図であり、図2(b)は、図2(a)における矢視b方向から見た乾燥機構9の正面図である。
図2(a)及び図2(b)に示すように、乾燥機構9は、加熱用のヒータ92及び送風用のファン93を備えており、ヒータ92及びファン93が、風洞筐体91の内部に配置されていて、風洞筐体91の送風口96から温風を送風することができるものである。
風洞筐体91は、両端が開口する筒状の部材であり、例えば樹脂で形成されている。本実施形態の風洞筐体91は、断面形状が矩形となっており、ネイルプリント装置1の奥に配置される側(図1(b)及び図2(a)における右側)から手前に配置される側(図1(b)及び図2(a)における左側)に向かって細くなるように形成されていて、細くなった手前側の開口が送風口96となっている。なお、風洞筐体91の形状等はここに例示したものに限定されない。
ファン93は、風洞筐体91の奥側に配置されており、ヒータ92は、ファン93よりも手前側、すなわちファン93の送風方向下流側に配置されている。
ヒータ92は、例えば、セラミックヒーターであり、ヒータ92の電源がONとなったときに発熱し、周囲の空気を加熱する。なお、ヒータ92は、ネイルプリント装置1に組み込むことのできる小型のものであればニクロム線等の電熱線をコイル状にした電熱ヒータ等でも良く、その構成はここに例示したものに限定されない。ヒータ92は、放熱板94に固定されており、効率よく周囲の空気を加熱できるようになっている。
ヒータ92は、例えばネイルプリント装置1の電源がONとなるとともにONとされて加熱(余熱)が開始されていて、送風口96から迅速に温風を送風することができるようになっている。
ヒータ92は、印加する電圧によって加熱温度を制御することができるようになっており、ネイルプリント装置1の電源がONとなった際には、ヒータ92が80度〜85度程度の余熱状態となる電圧がヒータ92に印加される。
また、風洞筐体91の手前側の送風口96の近傍には、温度センサ95が設けられており、乾燥動作中は、この温度センサ95によって風洞筐体91の手前側の開口近傍の温度が検出される。温度センサ95の構成は特に限定されないが、例えば、熱容量の小さな熱電対等が好適に適用される。乾燥動作中には、ヒータ92は、温度センサ95の検出結果に応じて加熱温度が調整、制御されるようになっており、風洞筐体91の手前側の開口近傍の温度がほぼ一定となるようにヒータ92に比較的高い電圧が印加される。
ファン93は、プロペラ形の羽根によって軸方向に風を送る軸流ファンであり、本実施形態では、風洞筐体91の奥側の開口から外気を取り入れて風洞筐体91の手前側の送風口96に向かって送風を行う。
ヒータ92によって加熱された空気は、ファン93が動作することにより風洞筐体91の手前側の送風口96から、温風として指受入部31内に配置された印刷指U1の爪Tに送風される。
制御装置80は、例えば上部機枠12に配置された基板13等に設置されている。
図3は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図3に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
記憶部82には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROMには、爪画像から爪Tの形状や爪Tの輪郭等の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、描画データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラム、インクの乾燥処理を行うための乾燥処理プログラム等が格納されており、これらのプログラムが制御部81によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの爪画像を記憶する爪画像記憶領域821、爪情報検出部812によって検出された爪情報(爪Tの輪郭や爪Tの傾斜角度等)が記憶される爪情報記憶領域822、及び爪Tに描画されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域823が設けられている。
制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪情報検出部812、描画データ生成部813、表示制御部814、描画制御部815、乾燥状態判断部816、乾燥機構制御部817等を備えている。これら撮影制御部811、爪情報検出部812、描画データ生成部813、表示制御部814、描画制御部815、乾燥状態判断部816、乾燥機構制御部817等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
撮影制御部811は、撮影部50のカメラ51及び照明灯52を制御してカメラ51により、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像を含む指の画像(以下「爪画像」という。)を撮影させるものである。
前述のように、本実施形態において爪情報を得るための爪画像を取得する際には、撮影制御部511は、2つのカメラ51a、51bによって異なる位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から少なくとも2枚の爪画像を取得させる。
また、爪T表面の反射光強度を検出するための爪画像を取得する際には、撮影制御部511は、指受入部31の底面に対向して設けられたカメラ51aを用いて、爪Tを真上から撮影した爪画像を取得する。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、記憶部82に記憶されてもよい。
爪情報検出部812は、カメラ51a、51bによって撮影された指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像に基づいて、印刷指U1の爪Tについての爪情報を検出するものである。
ここで、爪情報とは、例えば、爪Tの輪郭(爪形状、爪Tの水平位置)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)、爪Tの表面の、XY平面に対する傾斜角度(爪Tの傾斜角度、爪曲率)である。
描画データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪情報に基づいて、ネイルデザインの画像データの拡大、縮小、切出し等による爪Tの形状への合せ込み、爪Tの表面の傾斜角度に応じた曲面補正等を行って、描画ヘッド70により印刷指U1の爪Tに施される描画用のデータを生成する。
表示制御部814は、表示部26を制御して表示部26に各種の表示画面を表示させるものである。本実施形態では、表示制御部814は、例えばネイルデザインの選択画面やデザイン確認用のサムネイル画像、印刷指U1を撮影して取得した爪画像、各種の指示画面等を表示部26に表示させるようになっている。
描画制御部815は、描画データ生成部813によって生成された描画データに基づいて描画ユニット7に制御信号を出力し、爪Tに対してこの描画データにしたがった描画を施すように描画ユニット7のインク吐出部411、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48を制御する。
本実施形態では、描画制御部815は、非描画時には描画ヘッド41をホームエリアに移動させ、キャップ機構43により描画ヘッド41の吐出面が覆われるようにする。なお、描画制御部815は、非描画時に常に描画ヘッド41の吐出面がキャップ機構43によって覆われている必要はないが、少なくとも乾燥機構9による乾燥動作中は描画ヘッド41の吐出面をキャップ機構43で覆って乾燥機構9からの送風による描画ヘッド41の乾燥を防ぐ必要がある。このため、描画制御部815は、少なくとも乾燥機構9による乾燥動作中には、描画ヘッド41の吐出面がキャップ機構43によって覆われるように、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48を制御して描画ヘッド41の位置を調整する。
乾燥状態判断部816は、描画対象面である爪Tに塗布された液状材料であるインクの乾燥状態、すなわちインクが乾燥したか否か、を判断するものである。
本実施形態では、乾燥状態判断部816は、インクが塗布された爪Tの表面の反射光強度の時間的変化に基づいて爪Tの表面に塗布されたインクの乾燥状態を判断する。具体的には、乾燥状態判断部816は、撮影部50のカメラ51aにより取得された爪画像に基づいて、インクが塗布された爪T表面の反射光強度を検出し、これに基づいて爪T上のインクの乾燥状態を判断する。すなわち、爪Tに塗布されたインクは、濡れた状態では表面の鏡面反射が大きく、反射光強度が大きくなっているが、乾燥が進みインクに含まれる水分が減少していくにつれて反射光強度が低下していく。このため、乾燥状態判断部816は、乾燥に伴う反射光強度の時間的減少率を検出し、この減少率が一定以下になったときにインクが乾燥したと判断する。
ここで、乾燥状態判断部816による爪T上のインクの乾燥状態を判断する手法について詳細に説明する。
光が物体に当たって反射を起こす場合、反射光は、一般的には、物体表面で正反射し入射光と同じ色をしている鏡面反射成分(specular)と、物体内部で複雑な反射をし、物体の色を決めている拡散反射成分(diffuse)の2種類の反射成分に大別される(「2色性反射モデル」)。
光が物体に当たって反射を起こす場合の反射光全体を示す全反射成分をItot、鏡面反射光成分をIspec、拡散反射光成分をIdiffとすると、この「2色性反射モデル」により、全反射成分(Itot)は、下記の式1により表すことができる。
Itot=Idiff+Ispec ・・・・ (式1)
爪T上に塗布されたインクに反射する光を考える場合、本実施形態のように、光源である照明灯52と撮影を行うカメラ、及びネイルプリント装置1の指受入部31に配置された指の爪Tの位置は固定で変わらないため、鏡面反射光成分(Ispec)及び拡散反射光成分(Idiff)の値は、当該対象物の表面の状態と材質に依存する。そして、爪T上のインクに光が反射する場合には、インクの材質は変わらないため、インクの状態の変化によってのみ鏡面反射光成分(Ispec)及び拡散反射光成分(Idiff)の値が変化する。
したがって、上記式1で表される全反射成分(Itot)もインクの状態の変化によってのみ変化する。
ここで、対象物の表面の状態が変化すると特に鏡面反射光成分(Ispec)の値が変化する。そこで、鏡面反射光成分(Ispec)の値が変化を検出することで、インクの乾燥状態の変化を見ることができる。
即ち、ネイルプリントに用いられるインクは水性・油性を問わず、乾燥前の濡れている状態のときには全体に光沢があり、一部には正反射(鏡面反射光成分(Ispec))が見られる。これに対して、インクが乾燥するにしたがって、全体的に光沢が減少し、正反射(鏡面反射光成分(Ispec))が殆ど見られなくなる。すなわち、インクは、乾燥前においてはその表面における鏡面反射光成分(Ispec)が多く、乾燥すると鏡面反射光成分(Ispec)が少なくなる。
なお、爪Tは平面ではなく曲面であり、しかも完全な球面でも平坦でもなく、線やしわ等の凹凸も存在する。また、爪T上に塗布されたインクの表面も完全なる鏡面ではない。
さらに、本実施形態で光源として用いている照明灯52であるLEDは点光源でも平行光でもない。また、複数個の照明灯52を搭載し、その光を、拡散板を用いて拡散させている。このため、爪T上に塗られたインクの表面で光が反射した際に生じる鏡面反射光は1点だけでなく、比較的広い範囲で鏡面反射光が生じ、これをカメラ51によって捉えることができる。
図4は、インクに含まれる水分量としての含水量と、インクの反射光強度とを、乾燥動作開始時からの時系列に従って示したグラフである。
図4では、横軸に乾燥動作開始時からの経過時間を取り、インクを温風で乾燥した時の乾燥特性曲線として、インクの含水量の経過時間に対する時間的変化の一例を実線で示し、これに対応するインクの反射光強度の経過時間に対する時間的変化の一例を破線で示している。
図4における実線で示されるように、インクの乾燥特性曲線は、一般的に3つの期間に分けることができる。
まず「I」の期間は余熱期間と呼ばれ、温風の送風が開始されてインクの温度が温風の温度に近接するまで上昇する期間であり、乾燥速度が徐々に上昇する期間である。
また、「II」の期間は恒率乾燥期と呼ばれ、インクの表面から蒸発した分だけ内部から水分がインク表面に供給され、インクの表面が水膜で覆われている期間である。この期間では、理論的にはインクの温度は一定であり、熱量は全て水分蒸発に消費され、乾燥速度は一定となる期間である。
また、「III」の期間は減率乾燥期と呼ばれ、インク表面の水分が無くなり、インク内部の水分の表面への移動が水分の蒸発量に追いつかず、乾燥速度が逐次減少する期間であり、最終的に送風される温風の条件に対応する平衡含水率に達する期間である。
また、図4における破線で示されるように、インクが乾燥していく際の反射光強度は、インクの乾燥特性曲線の上記3つの期間にほぼ対応して変化する。
すなわち、前述の「I」の期間では、温風がインク表面に当り始めてインクの温度が上昇し、表面から水が蒸発し始めた期間であり、このときのインク表面には水分が充分にあって濡れた状態であるため、鏡面反射が大きく、反射光強度も大きい。
また、「II」の期間では、インク表面の水分は蒸発し続けていくが、インク内部から水分が供給されているのでインク表面はまだ水分が充分にあって濡れた状態となっている。このため、鏡面反射が大きく、反射光強度も大きい状態が続いている。
これに対して、「III」の期間では、インク表面の水分は蒸発しているが、インク内部にも水分が少なくなっている。このため、インク表面に水分が充分に供給されない状態となり、インク表面の水分が欠乏して乾燥状態に近づき、色素が表面に露出して、鏡面状態ではなくなってくる。このため、鏡面反射が急激に減少して反射光強度も急激に減少する。
そして、その後インク内部の水分が無くなり、インク全体が乾燥した状態に達するのにつれて、さらに反射光強度が緩やかに減少していく。
以上のことから、一定時間毎に爪Tの画像を取り込み、この爪画像から鏡面反射光成分(Ispec)を分離して、その時間的変化を見ることによりインクの乾燥状態を検出することができる。
しかし、現実的には鏡面反射光成分(Ispec)を分離することは難しく、複雑で膨大な演算を要する。
この点、先に式1で示したように、全反射成分(Itot)は、鏡面反射光成分(Ispec)及び拡散反射光成分(Idiff)の値の総和であり、インクの乾燥の進行においては鏡面反射光成分(Ispec)が大きく減少するが、拡散反射光成分(Idiff)を特に除外する必要もない。このため、本実施形態では、鏡面反射光成分(Ispec)のみを特に分離することはせず、全反射成分(Itot)の時間的変化を検出することでインクの乾燥状態を検出する。
また、カメラ51においてR、G、Bの色毎の成分としてとらえられる鏡面反射光成分(Ispec)は、金属など一部の材質を除いて光源の色となり、本実施形態におけるインクの場合には白色となるため、鏡面反射光成分(Ispec)の変化は反射光強度の変化としてとらえることができる。このため、本実施形態では、全反射成分(Itot)を反射光強度に置き換え、爪領域全体の反射光強度の総和の時間的変化を見ることとした。
なお、反射光強度の総和の値だけを見たのでは、塗布されたインクの色やインクが塗布された面積、インクが塗布された位置により値の変動が大きく、正確な判断ができない。このため、本実施形態では、爪領域全体の反射光強度の総和の時間的変化率を見ることでインクが乾燥したか否かを判断することとした。
すなわち、一定の経過時間毎に爪Tの画像を取り込み、乾燥状態判断部816は、この爪画像から爪領域全体の反射光強度の総和を求め、その時間的変化(減少)率が、一旦、比較的大きくなった後に、一定値以下になったら、インクが乾燥したと判断する。
なお、この演算は非常に簡単であるため、別途DSP等の演算素子を追加することなくネイルプリント装置1に標準的に搭載されているCPUで十分に対応することができる。
また、反射光強度Yは一般的に
Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B ・・・・ (式2)
により求めることができるが、本実施形態では浮動小数点演算を省略し、
Y=( 2×R+4×G+B ) / 7 ・・・・ (式3)
(なお、Y = ( 3×R+5×G+B ) / 9 でも可)としてもよい。
更に除算を除いて簡略化して、
Y=( 2×R+4×G+B ) ・・・・ (式4)
としてもよい。
本実施形態では、式4を用いて乾燥状態判断部816による反射光強度Yの算出を行った。
また、反射光強度の総和:SYは、爪領域の式4のYの総和であり、
SY=Σ Y ・・・・ (式5)
として表すことができる。
本実施形態では、乾燥状態判断部816は、上記式5により爪領域全体に対応するカメラ51の画素毎の反射光強度値を加算して、反射光強度の総和SYを、所定の待機期間(例えば、1秒)おきに求め、さらに下記式6により反射光強度の時間的な減少率:Dを求めることとした。
Dr=(SYn−SYn+1)/ SYn×100 ・・・・ (式6)
この減少率Dは、前述の様に「I」の期間及び「II」の期間では小さく、「III」の期間に入ると急激に大きくなり、その急激に小さくなり、さらに徐々に小さくなっていくとの傾向がみられる。
このため、本実施形態の乾燥状態判断部816は、「減少率>第1閾値(例えば、5%/sec)」となったとき(すなわち、図4における「a」時点)に「III」の期間に入ったと判断し、「減少率>第1閾値」である間(すなわち、図4における「a」時点から「b」時点までの間)はインクの乾燥が不十分な状態であると判断する。そして、その後「減少率<第2閾値(例えば、0.5%/sec)」となったとき(すなわち、図4における「c」時点に達したとき)にインクが乾燥したと判断する。
乾燥機構制御部817は、乾燥機構9の乾燥動作の実行を制御するものである。
乾燥機構制御部817は、ネイルプリント装置1の電源がONとなると、ヒータ92が余熱状態(例えば80度〜85度)となる程度の電圧をヒータ92に印加する。
また、乾燥機構制御部817は、操作部25から乾燥動作の開始を指示する入力があったとき、及び描画ユニット7による描画動作が終了したときに、乾燥機構9による乾燥動作を開始させる。すなわち、乾燥機構制御部817は、ファン93をONするとともに、風洞筐体91の送風口96の近傍の温度がほぼ一定となるように、ヒータ92に比較的高い電圧を印加する。本実施形態では、温度センサ95によって検出された温度が制御部81に送られるようになっており、乾燥機構制御部817は、この温度に基づいて風洞筐体91の送風口96の近傍の温度がほぼ一定となるように、ヒータ92に印加する電圧を適宜制御する。
さらに、乾燥機構制御部817は、乾燥状態判断部816による判断にしたがって乾燥機構9の乾燥動作の実行を制御する。
具体的には、本実施形態では、乾燥機構制御部817は、インク表面の反射光強度の減少率が一旦「減少率>第1閾値(例えば、5%/sec)」となった後に「減少率<第2閾値(例えば、0.5%/sec)」となり、乾燥状態判断部816によってインクが乾燥したと判断されたときに、乾燥機構9による乾燥動作に実行を停止させる。すなわち、乾燥機構制御部817は、ファン93をOFFするとともに、ヒータ92に印加する電圧を、ヒータ92が余熱状態(例えば80度〜85度)となる程度に設定する。
次に、図5及び図6を参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び描画方法について説明する。
このネイルプリント装置1により描画を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れる。これにより、図5に示すように、ネイルプリント装置1の電源がONとなり(ステップS1)、制御装置80が起動する。これにより、ヒータ92もONとなり(ステップS2)、乾燥機構制御部817によって、ヒータ92が余熱状態(例えば80度〜85度)となる程度の電圧がヒータ92に印加される。
ユーザは、ネイルプリントを行いたい爪Tにベースコート(白色下地)を塗布し、ネイルプリント装置1の指受入部31に印刷指U1入れて所定位置にセットする。表示部26には、「ベースコート乾燥ボタン」が表示されており、ユーザがこれを操作すると、制御部81にベースコートの乾燥指示信号が入力される(ステップS3)。
ベースコートの乾燥指示が入力されると、乾燥機構9による乾燥処理が行われる(ステップS4)。
ここで、図6を参照しつつ、乾燥処理について説明する。
乾燥指示が入力されると、指受入部31の上前方に乾燥機構9の風洞筐体91の送風口が配置されるように、ヘッド移動部49によって乾燥機構9が移動する(この時描画ヘッド41はホームポジションでありキャップされた状態になっている)。また、表示部26に乾燥中である旨を示す画面が表示される(ステップS21)。そして、乾燥機構制御部817が乾燥機構9のファン93をONとしヒータを制御して所望の温度の温風が爪に当るようにする(ステップS22)、待機期間(例えば、1秒)の間待機してから(ステップS23)、撮影部50のカメラ51aにより爪画像を取得し、爪情報検出部812がこの爪画像から爪領域を検出する。そして、乾燥状態判断部816が、この爪領域内の総反射光強度を算出し(ステップS24)、総反射光強度の時間的減少率を算出する(ステップS25)。
乾燥状態判断部816は、算出された総反射光強度が「減少率>第1閾値(例えば、5%/sec)」となったか否か、すなわち、図4における「a」時点を超えたか否かを判断する(ステップS26)。総反射光強度が「減少率>第1閾値」となっていない場合(ステップS26;NO)には、ステップS23に戻ってステップS23からステップS26までの処理が繰り返される。なお、初回の判断では総反射光強度の減少はないため、総反射光強度は「減少率>第1閾値」となっていないと判断され(ステップS26;NO)、ステップS23に戻ってステップS23からステップS26までの処理が繰り返される。
乾燥状態判断部816により算出された総反射光強度が「減少率>第1閾値」となった場合(ステップS26;YES)には、再度、待機期間の間待機してから(ステップS27)、爪画像を取得し、この爪画像から爪領域を検出して爪領域内の総反射光強度を算出し(ステップS28)、総反射光強度の減少率を算出する(ステップS29)。そして、乾燥状態判断部816は、算出された総反射光強度が「減少率>第1閾値」であるか否か、すなわち、図4における「a」時点を超えて「b」時点に至る前か否かを判断する(ステップS30)。総反射光強度が「減少率>第1閾値」である場合(ステップS30;YES)には、ステップS27に戻ってステップS27からステップS30までの処理が繰り返される。
他方、乾燥状態判断部816により算出された総反射光強度が「減少率>第1閾値」でない場合、すなわち、「b」時点に至ったと判断された場合(ステップS30;NO)には、待機期間の間待機してから(ステップS31)、再び爪画像を取得し、この爪画像から爪領域を検出して爪領域内の総反射光強度を算出し(ステップS32)、総反射光強度の減少率を算出する(ステップS33)。そして、乾燥状態判断部816は、算出された総輝度が「減少率<第2閾値(例えば、0.5%/sec)」となったか否か、すなわち、
図4における「c」時点を超えたか否かを判断する(ステップS34)。総反射光強度が「減少率<第2閾値」となっていない場合(ステップS30;NO)には、ステップS31に戻ってステップS31からステップS34までの処理が繰り返される。
他方、乾燥状態判断部816により算出された総反射光強度が「減少率<第2閾値」となった場合(ステップS30;YES)には、乾燥状態判断部816は、インクの乾燥が終了したと判断する。
乾燥状態判断部816によりインクの乾燥が完了したと判断されると、乾燥機構制御部817はファン93を停止させて(ステップS35)、乾燥機構9による乾燥動作を停止させる。また、ヒータ92に印加する電圧を、ヒータ92を余熱状態に保つ程度の電圧まで低下させる。
また、乾燥動作が停止すると、表示部26にインクの乾燥が終了した旨を知らせる画面が表示される(ステップS36)。以上により、乾燥処理が終了する。
図5に戻り、ベースコートの乾燥処理が終了すると、指受入部31から指を抜き取るよう指示する画面が表示部26に表示される(ステップS5)。
ユーザは、指受入部31から指を抜き取って、ベースコートを塗布した爪Tにさらに受容層を重ねて塗布し、ネイルプリント装置1の指受入部31に印刷指U1入れて所定位置にセットする。表示部26には、「受容層乾燥ボタン」が表示されており、ユーザがこれを操作すると、制御部81に受容層の乾燥指示信号が入力される(ステップS6)。
受容層の乾燥指示が入力されると、乾燥機構による乾燥処理が行われる(ステップS7)。なお、乾燥処理の具体的な内容は、図6のステップS21からステップS36で示したものと同じであるため説明を省略する。
受容層の乾燥処理が終了すると、表示制御部814は、ネイルデザインを選択するためのデザイン選択画面を表示部26に表示させる(ステップS8)。なお、デザイン選択画面には、個々具体的なネイルデザインがランダムに表示されてもよいし、「ネイルプリントの目的・用途」や所望の「色合」「装飾」「モチーフ」等を選択することにより条件に合った複数のデザイン候補が表示され、ユーザがその中からネイルデザインを選択できるようにしてもよい。候補となるネイルデザインが1つの表示画面に収まらない場合には、順次スクロール表示させることができるようにしてもよい。
ユーザは表示画面上のボタン又は操作部25の操作釦等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択する。これにより、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに描画すべきネイルデザインが選択される(ステップS9)。
ネイルデザインが選択されると、撮影制御部811が撮影部50を制御してカメラ51a、51bにより爪画像を取得させ、爪情報検出部812がこの爪画像から爪Tの輪郭(爪形状、爪Tの水平位置)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置)、爪Tの表面のXY平面に対する傾斜角度(爪Tの傾斜角度、爪曲率)等の爪情報を検出する(ステップS10)。
爪情報が検出されると、描画データ生成部813は、爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等による合せ込み処理(フィッティング)を行う。また、適宜曲面補正等を行い、描画ヘッド41により印刷指U1の爪Tに描画を施すための描画データを生成する(ステップS11)。
そして、描画制御部815は、描画データに基づいて描画ユニット7に制御信号を出力し、この描画データに基づいて描画ヘッド41による描画を行わせる(ステップS12)。
描画制御部815は、ネイルデザインの描画が終了したか否かを判断し(ステップS13)、終了していない場合(ステップS13;NO)には、ステップS12に戻って処理を繰り返す。他方、ネイルデザインの描画が終了したと判断した場合(ステップS13;YES)、表示制御部814が、描画が終了した旨を表示部26に表示させる(ステップS14)とともに、乾燥処理が行われる(ステップS15)。乾燥処理が行われている間は、乾燥中である旨を表示部26に表示させてもよい。なお、乾燥処理の具体的な内容は、図6のステップS21からステップS36で示したものと同じであるため説明を省略する。
描画ヘッド41により描画されたインクの乾燥処理が終了すると、表示制御部814は、描画完了及び指受入部31から指を抜き取るよう指示する画面を表示部26に表示させる(ステップS16)。
ユーザは、指受入部31から指を抜き取って、描画が施された爪Tにさらにトップコートを塗布し、ネイルプリント装置1の指受入部31に印刷指U1入れて所定位置にセットする。表示部26には、「トップコート乾燥ボタン」が表示されており、ユーザがこれを操作すると、制御部81にトップコートの乾燥指示信号が入力される(ステップS17)。
トップコートの乾燥指示が入力されると、乾燥機構による乾燥処理が行われる(ステップS18)。なお、乾燥処理の具体的な内容は、図6のステップS21からステップS36で示したものと同じであるため説明を省略する。
トップコートの乾燥処理が終了すると、表示制御部814は、ネイルプリントの完了及び指受入部31から指を抜き取るよう指示する画面を表示部26に表示させる(ステップS19)。
以上により、本実施形態における描画処理が終了する。
なお、ネイルプリント装置1の電源がOFFとなると、ヒータ92への電圧の印加も停止されて、ヒータ92がOFFとなる。
複数の指の爪Tに描画を施す場合には、1つの指の爪Tについて描画処理が終了した後、当該描画済みの爪Tの指を指受入部31から抜いて次に描画すべき爪Tの指を印刷指U1として指受入部31に挿入し、当該爪Tについて上記の処理を繰り返す。
以上のように、本実施形態のネイルプリント装置1は、描画ヘッド41と、描画対象面である爪Tの表面に塗布されたインク(液状材料)を乾燥させる乾燥機構9とを備えているため、ネイルデザインの描画からインクの乾燥までを1台の装置によって行うことができる。これにより、ネイルプリントを行うのに複数の装置を用意する必要がなく、ユーザにとって便利である。
また、爪Tの上に塗布されたインクの乾燥状態を判断する乾燥状態判断部816と、乾燥状態判断部816による判断にしたがって乾燥機構9を制御する乾燥機構制御部817とを備えている。このため、インクに触れて乾き具合を確かめたり、目視や勘に頼ったりすることなく、乾燥機構9のON/OFFを適切に行うことができる。
そして、乾燥状態判断部816によってインクが乾燥したと判断された場合には乾燥機構による乾燥動作を停止させるため、インクが乾燥するのに必要な時間だけ効率よく乾燥を行い、高精細な描画と描画処理の迅速化とを両立させることができる。
また、本実施形態では、乾燥状態判断部816は、爪T上に塗布されたインク表面の反射光強度の時間的変化に基づいてインクの乾燥状態を判断する。このため、インクが乾燥したか否かを簡易かつ正確に判断することができる。
特に本実施形態では、爪情報を得るための撮影部50を用いて爪画像を取得し、この爪画像から反射光強度を検出している。このため、インクの乾燥状態を判断するための情報を得るために別途機構を設ける必要がなく、装置構成を複雑化・大型化させることなく、インクが乾燥したか否かを判断することができる。
また、本実施形態では、乾燥機構9は、ヒータ92及びファン93を備え、インクが塗布された爪Tに対して温風を送風して乾燥を行うものであるが、少なくとも乾燥機構9による乾燥動作中には、描画ヘッド41の描画対象面側である吐出面は乾燥防止部としてのキャップ機構43により覆われた状態となる。このため、乾燥機構9からの送風による描画ヘッド41の乾燥を防ぎ、乾燥動作後も描画ヘッド41を描画に適した状態に保つことができる。
また、本実施形態では、描画ヘッド41を移動させるヘッド移動部(ヘッド移動機構)49を備え、乾燥機構9は、ヘッド移動部49によって描画ヘッド41とともに移動可能に構成されている。このため、描画ヘッド41が爪Tの上に配置されたときには乾燥機構9はこれとは異なる位置にずれて配置されることとなり、描画ヘッド41による描画が行われる際に乾燥機構9が描画を阻害しない。
また、描画ヘッド41による描画が行われる際に、乾燥機構9を、描画を阻害しない位置まで移動させる機構を別途設ける必要がないため、乾燥機構9を設けた場合でも装置構成を複雑化・大型化させることがない。
なお、乾燥処理を行う処理手順は図6に示したものに限定されない。
例えば、図7に示すように、インクの乾燥が進み、総反射光強度の減少率Dが「減少率>第1閾値」でなくなったとき(ステップS50;NO)には、例えば、所定の乾燥時間(例えば、10秒間)だけ乾燥動作の実行を維持した後(ステップS51)、ファン93をOFFとして乾燥動作を停止させ(ステップS52)、乾燥終了を表示部26に表示させるようにしてもよい(ステップS53)。なお、ステップS41からステップS50は、図6におけるステップS21からステップS30と同様であるため、その説明を省略する。
図7に示す乾燥処理は、総反射光強度の減少率Dが「減少率>第1閾値」でなくなったとき、すなわち、図4における「b」時点に至った場合には、インクがほぼ乾燥している状態にあると言えるため、その後の反射光強度の総和や時間的減少率を計算せず、一定時間後に乾燥動作を終了させるものである。なお、総反射光強度の減少率Dが「減少率>第1閾値」でなくなってから乾燥動作を終了させるまでの乾燥時間は、上記に例示した10秒間に限定されず、適宜設定することが可能である。乾燥処理をこのような処理とすることにより、図6に示す乾燥処理よりも演算処理を簡略化することができる。
また、例えば、図4における「a」時点、「b」時点、「c」時点を判断するための減少率の第1閾値、第2閾値を、固定値でなく、予めデザインデータやインクのデータに持たせておき、図8に示すように、乾燥中である旨を表示部26に表示させ(ステップS61)、ファン93をONとした後(ステップS62)に、これらの閾値(図8では、値「A」「B」と示す。)を乾燥状態判断部816が読み込んで(ステップS63)、以下の判断を行ってもよい。
この場合、図6におけるステップS26において「減少率>第1閾値」となったか否か、ステップS30において「減少率>第1閾値」であるか否かを判断する代わりに、図8に示す乾燥処理では、ステップS67において「減少率>A」となったか否か、ステップS71において「減少率>A」であるか否かを判断し、図6におけるステップS34において「減少率<第2閾値」となったか否かを判断する代わりに、図8に示す乾燥処理では、ステップS75において「減少率<B」となったか否かを判断する。なお、その他の処理は図6に示したものと同様であるため、その説明を省略する。
このように、デザインやインクの種類等に応じてそれぞれインクの乾燥状態を判断するための閾値を設定しておくことにより、各種のデザインやインクに対応してより適切に乾燥状態を判断し、各デザインやインクにおいて最適の時間だけ乾燥動作を行うことが可能になる。
[第2の実施形態]
次に、図9(a)及び図9(b)から図12を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置及びネイルプリント装置の描画方法の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、主として描画部である描画ヘッドの構成が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図9(a)は、本実施形態におけるネイルプリント装置1の内部構成を示すネイルプリント装置1の正面図であり、図9(b)は、図9(a)に示されたネイルプリント装置の内部構成を示す側面図である。
図9(a)及び図9(b)に示すように、本実施形態におけるネイルプリント装置1は、描画ヘッド70が印刷指U1の爪Tに描画を施すペン71を備えるプロッタ方式の描画装置である。
本実施形態では、ケース本体2の側面上部一端に、後述する描画ユニット7のペン(筆記具)71を交換するために開閉可能に構成されたペン交換用の蓋部23が設けられている。
さらに、ケース本体2の一側面(本実施形態では、図9(a)において左側面)であって後述するペン慣書部61に対応する位置には、ペン慣書部61に載置される被描画媒体(図示せず)を入れ替え可能な媒体挿出口24が形成されている。
下部機枠11の上面であって、指受入部31の横(ケース本体2の媒体挿出口24に対応する位置であり、本実施形態では、図9(a)において左側)には、後述する描画ヘッド70による描画可能範囲内に、後述するペン71の慣らし書きをするためのペン慣書部61が設けられている。
ペン慣書部61は、平板状の部分であり、前述のケース本体2の媒体挿出口24から挿入された図示しない被描画媒体が載置される。
ペン慣書部61に載置される被描画媒体は、ペン先(先端部)713を慣らすことができるものであればよく、例えば紙片である。
ペン慣書部61は、ペン先713が乾いていたりインクの乗りが悪い等により書き始めがかすれたりするのを防止するために、爪Tに画像データによる描画を開始する前に被描画媒体の上にペン71を下ろして「○」や「∞」等の所定の図形を描画して慣らし書きを行い、ペン先713の状態を良好にするためのものである。
本実施形態の描画ユニット7は、描画用のペン71を有する描画部である描画ヘッド70を備えている。なお、描画ヘッド70以外の描画ユニット7の構成は第1の実施形態と同様である。
描画ヘッド70の側方には、第1の実施形態と同様に、乾燥機構9が取り付けられている。
図10(a)は、描画ヘッド70及び乾燥機構9の上面図である。
図10(b)は、図10(a)の描画ヘッド70及び乾燥機構9を矢視b方向から見た正面図である。
図10(c)は、図10(a)の描画ヘッド70及び乾燥機構9を矢視c方向から見た側面図である。
図10(a)から図10(c)に示すように、本実施形態において、描画ヘッド70は、複数のペン71を保持可能な回転式のペンキャリッジ72、ペンキャリッジ72を回転させるキャリッジ回転機構73、ペンキャリッジ72に保持されたペン71を上下移動させるためのペン押圧機構74を備えている。
ユニット支持部材44の上端部は、ネイルプリント装置1の手前側(図9(b)において左側)にほぼL字型に張り出す梁部441となっており、描画ヘッド70は梁部441に設けられている。
本実施形態のペンキャリッジ72は、3枚の板状部材721〜723(すなわち、第1の板状部材721、第2の板状部材722、第3の板状部材723)と、ペン先固定部材720と、回転軸724と、補助軸部材725と、コイルバネ726と、ペン用円筒部材761と、回転軸用円筒部材762と、を備えている。
3枚の板状部材721〜723(第1の板状部材721、第2の板状部材722、第3の板状部材723)は、ほぼ同じ大きさに形成された円盤状の部材であり、下から第1の板状部材721、第2の板状部材722、第3の板状部材723の順に重ねられている。
一番上に配置される第3の板状部材723の外周面には、キャリッジ回転機構73の歯車733と噛み合う歯が形成されており、第3の板状部材723は歯車として機能する。
また、第2の板状部材722の外周面の所定位置(例えば、所定のペン用円筒部材761に対応する位置等)には、ペンキャリッジ72の回転の基準位置を示すための基準指標728が設けられている。
基準指標728は、例えば、フォトリフレクタによって読取可能な反射布や反射シート等であり、本実施形態では、第2の板状部材722の外周面に貼付等により固定されている。
また、第1の板状部材721の下面には、外周に沿ってカバー部材79が設けられている。
カバー部材79は、非描画時におけるペン71のペン先713の位置よりも下まで垂設されており(図10(b)等参照)、少なくとも乾燥機構9による乾燥動作中に、描画ヘッド70における描画対象面側(図10(b)において下側)に配置されて、乾燥機構9からの送風によるペン71のペン先713の乾燥を防ぐ乾燥防止部として機能する。なお、カバー部材79の形状等はここに例示したものに限定されない。
本実施形態のペンキャリッジ72には、上下に開口しペン71を保持するペン用円筒部材761が、ペンキャリッジ72の周に沿って8つ配置されている。
なお、描画ヘッド70に設けられるペン用円筒部材761の数はこれに限定されない。また、すべてのペン用円筒部材761にペン71が装着されていない状態でも描画を行うことは可能である。
本実施形態において、3枚の板状部材721〜723には、それぞれペン用円筒部材761が配置される位置に対応して貫通孔が形成されており、ペン用円筒部材761が、この貫通孔に挿通され、3枚の板状部材721〜723を貫通して設けられている。
また、第1の板状部材721及び第2の板状部材722におけるペン用の貫通孔の両側部には、補助軸部材725を挿通させる補助軸用の貫通孔が形成されている。
第1の板状部材721の下側には、各ペン用円筒部材761の下側の開口を塞ぐように、それぞれペン先固定部材720が配置されている。
ペン先固定部材720は、筆記具であるペン71のペン軸部711における先端側を固定する固定部材である。
ペン先固定部材720には、ペン71のペン軸部711と平行するように固定されペン71とともに上下動する補助軸部材725の下端部が嵌め込まれている。
ペン先固定部材720のほぼ中央部には、後述するペン71の嵌合部712が挿入されて、嵌合部712が嵌め込まれる貫通孔720aが設けられている。
補助軸部材725は、第1の板状部材721及び第2の板状部材722における補助軸用の貫通孔に挿通されている。
ペン71の外周であって、補助軸部材725の軸周りには、コイルバネ726が巻回されている。
補助軸付勢部材としてのコイルバネ726は、外力が加わらない状態において補助軸部材725を上方向に付勢するものである。
コイルバネ726は、非描画状態においてペン71の位置を、ペン先713が爪Tに当接しない位置に保持する。すなわち、外力が加わらない状態において、補助軸部材725の上端部が第3の板状部材723の下面に近接する位置に保持され、この状態において、ペン先713は第1の板状部材721の下面に近い位置にあり、指受入部31の上方をペンキャリッジ72が移動しても、ペン先713が爪Tに当接しないようになっている。
また、3枚の板状部材721〜723のほぼ中央部には、貫通孔が形成されている。この中央部の貫通孔には、回転軸用円筒部材762が挿通されており、回転軸用円筒部材762は、3枚の板状部材721〜723を貫通して設けられている。
回転軸用円筒部材762には、梁部441から垂設された回転軸724が挿通されており、ペンキャリッジ72は、この回転軸724を中心としてほぼ水平に回転可能に構成されている。
ペン71は、爪Tの表面を描画対象面とし、先端部が描画対象面である爪Tの表面に接触して描画を施す筆記具である。
本実施形態における筆記具としてのペン71は、棒状のペン軸部711の先端側にペン先713が設けられたものである。
ペン軸部711の先端側に、ペン軸部711よりも径の細い嵌合部712が設けられている。嵌合部712は、ペン先固定部材720の凹部720bに嵌め込まれる部分であり、嵌合部712を凹部720bに嵌め込むことにより、ペン先713が良好に固定され、ペン先713のぶれ等が生じにくくなる。
また、ペン軸部711の上部には、棒状の突起部714が設けられている。
突起部714は、後述するスライドピン77によって押圧される部分である。また、突起部714は、ペン71の交換等を行う場合に、ユーザがペン71を取り出す際に指等で摘む摘み部としても機能する。
ペン軸部711の内部は、各種インク(液状材料)を収容するインク収容部となっている。
ペン軸部711の内部に収容されるインクとしては、各種のインクが適用可能である。インクの粘度や色材の粒径(粒子の大きさ)等は特に限定されず、例えば、金銀のラメ入りのインクや白色のインク、ベースコート用、トップコート用のインクやマニキュア液等も用いることができる。なお、トップコート用のインクは、ベースコートと兼用する無色透明のものであってもよいし、好みにより色付きの透明のものを用いても構わない。
本実施形態において、ペン71は、例えばペン先713を爪Tの表面に押し当てる移動することでペン軸部711内に収容されているインクが染み出して描画する、ペン先713がボールペンタイプとなったペンである。
なお、ペン71は、ボールペンタイプのものに限定されない。例えば樹脂やフェルト状のペン先にインクを染み込ませて描画するサインペンタイプや、束ねた毛にインクを染み込ませて描画する筆ペンタイプのもの等であってもよい。
また、ペン先713の太さも各種のものを用意することができる。
ペンキャリッジ72に保持されるペン71は、全て同じタイプのペン先713を有するペンでもよいし、異なるタイプのペン先713を有するペンであってもよい。
ペン71はペンキャリッジ72のペン用円筒部材761に上方から挿通するだけで保持されており、ケース本体2に設けられているペン交換用の蓋部23を開けて、例えば手やピンセットで突起部714を摘む等の手法により、容易に交換が可能である。
図10(c)に示すように、キャリッジ回転機構73は、ステップモータ731と、このステップモータ731に回転軸732を介して接続されペンキャリッジ72の歯車723と噛み合う歯車733を備えている。
本実施形態において、ステップモータ731の駆動により回転軸732が回転し、回転軸732に取り付けられている歯車733が回転すると、この歯車733と噛み合っているペンキャリッジ72の歯車723が回転する。これにより、ペンキャリッジ72が左右に回転するようになっている。
ペン押圧機構74は、弾性変形可能な押圧側弾性部材を有し、ペンキャリッジ72に装着された筆記具であるペン71を下方向に押圧するものである。
本実施形態において、ペン押圧機構74は、コイル部741とプランジャ742とで構成されるソレノイド740と、ソレノイド740のプランジャ742の移動端側に取り付けられたピン743と、このピン743を介して一端側がプランジャ742と連結されている板バネ上下レバー744と、板バネ上下レバー744の他端側に取り付けられた板バネ746と、スライドピン77と、スライドピン77の外周に配置されたコイルバネ78とを備えている。
梁部441の上には、支持部材442が立設されており、支持部材442には、支持軸745が、プランジャ742の移動方向と直交する方向に延在して設けられている。
図10(c)に示すように、板バネ上下レバー744は、側面視においてほぼL字状となっており、板バネ上下レバー744のL字の交点部分に支持軸745が挿通され、板バネ上下レバー744は、この支持軸745を中心として回動可能となっている。
板バネ上下レバー744におけるプランジャ742との接続側には、長孔744aが形成されており、プランジャ742に取り付けられているピン743がこの長孔744aに係止されている。
また、板バネ上下レバー744における他端側には、板バネ746が固定されている。
板バネ746は、スライドピン77の上部に当接してスライドピン77及びこれに当接されたペン71を下方向に押圧可能であり、かつ、スライドピン77及びペン71により上方向に押し上げられた際に撓み変形可能な押圧側弾性部材である。
本実施形態の板バネ746は、平板状のバネであり、自由端側がスライドピン77の上方に位置するように配置されている。
スライドピン77は、上下方向に移動可能となっており、スライドピン77が下に下がった状態において、スライドピン77の下端部がペン本体710の上部に当接可能に構成されている。
コイルバネ78は、スライドピン77が外力により下方向に押圧された際に押し縮められ、外力に抗して元の状態に戻ろうとする復元力を有する弾性部材である。
また、本実施形態の描画制御部815は、描画データ生成部813によって生成された描画データに基づいて描画ユニット7に制御信号を出力し、爪Tに対してこの描画データにしたがった描画を施すように描画ユニット7のペン押圧機構74のソレノイド740、ステップモータ731、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48を制御する。
本実施形態では、描画制御部815は、非描画時にはソレノイド740を動作させず、描画時にはソレノイド740のコイル部741に通電してプランジャ742を引きつけるようにソレノイド740の動作を制御する。
これにより、非描画時には板バネ746がスライドピン77のピン頭772を押下せず、補助軸部材725がコイルバネ726によって上方向に付勢され、ペン71はペン先713が爪Tに当接しない位置まで上がった状態となる。また、描画時には、板バネ746がスライドピン77のピン頭772を押下して、ペン71がコイルバネ726の付勢力に抗して押し下げられ、ペン先713が爪Tに当接する位置まで下がった状態となる。
このように、描画制御部815がソレノイド740の動作を制御してペン71を適宜上下させることにより、ペン先713が適度な筆圧を維持したまま爪Tの高さに追従して上下動し、描画対象である爪Tの表面に所望のネイルデザインを描画することができる。
本実施形態では、ネイルデザインの描画の他、ベースコートやトップコートの塗布をも描画ユニット7のペン71によって行うことができ、ベースコートやトップコートの塗布を行う場合には、描画制御部815は、爪領域全体を描画領域としてペン71による描画を行わせる。
また、ネイルデザインが複数の色(インクの種類)で構成されている場合には、同じ色(同じ種類のインク)で描画する領域について連続して描画を行うようになっている。
この場合、同じ色(同じ種類のインク)で描画する領域についての描画が終了するごとに、乾燥処理を行い、インクを乾燥させてから、次の色(別の種類のインク)による描画を行うようになっている。ただし、次の色と重ならなかったり、隣接しない場合は乾燥処理を行わずに次の色の描画を行う。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図11及び図12を参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び描画方法について説明する。
図11に示すように、ネイルプリント装置1の電源がONとなると(ステップS81)、制御装置80が起動し、ヒータ92もONとなって(ステップS82)、乾燥機構制御部817により、ヒータ92が余熱状態(例えば80度〜85度)となる程度の電圧がヒータ92に印加される。
表示制御部814は、ベースコートを塗布するか否かの問合せ画面を表示部26に表示させ(ステップS83)、制御部81は、ベースコート塗布指示が入力されたか否かを判断する(ステップS84)。ベースコート塗布指示が入力されない場合(ステップS84;NO)は、ネイルデザインを描画するためのステップS92以下の処理に進む。他方、ユーザが表示画面上のボタンや操作部25を操作することにより制御部81にベースコート塗布指示信号が入力されると(ステップS84;YES)、表示制御部814は、ベースコート用のペン71の装着を指示する指示画面を表示部26に表示させる(ステップS85)。ユーザは指示に従ってベースコート用のペン71をペンキャリッジ72にセットし、セットが完了するとペン装着完了表示画面上のボタンや操作部25を操作する。
制御部81は、ベースコート用のペン71の装着完了ボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS86)。ペン71の装着完了ボタンが操作されていない場合(ステップS86;NO)は、ステップS86の処理が繰り返される。他方、ユーザが表示画面上のボタンや操作部25を操作することにより制御部81にペン71の装着完了が入力されると(ステップS86;YES)、撮影部50により爪画像を取得し、爪情報検出部812がこの爪画像から爪情報を検出する(ステップS87)。
爪情報が検出されると、描画データ生成部813は、爪Tの形状等に基づいて爪領域への合せ込み処理(フィッティング)や曲面補正等を行い、ペン71により印刷指U1の爪Tに描画を施すための描画データを生成する(ステップS88)。
そして、描画制御部815は、描画データに基づいて描画ユニット7に制御信号を出力し、この描画データに基づいてペン71によりベースコートの塗布を行わせる(ステップS89)。制御部81は、ベースコートの塗布が終了したか否かを判断し(ステップS90)、ベースコートの塗布が終了していないと判断する場合(ステップS90;NO)には、ステップS89に戻って処理を繰り返す。
他方、ベースコートの塗布が終了したと判断する場合(ステップS90;YES)には、ベースコートを乾燥させるための乾燥処理を行う(ステップS91)。なお、乾燥処理の具体的な内容は、第1の実施形態における図6で示したものと同じであるため説明を省略する。
ベースコートの乾燥処理が終了すると、表示制御部814は、ネイルデザインを選択するためのデザイン選択画面を表示部26に表示させる(ステップS92)。
ユーザが表示画面上のボタン又は操作部25の操作釦等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択すると、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに描画すべきネイルデザインが選択される(ステップS93)。
ネイルデザインが選択されると、当該ネイルデザインを描画するのに必要なデザイン描画用のペン71の種類や、ペン71の装着位置、装着順等を指示する画面が表示部26に表示される(ステップS94)。ユーザはこの指示に従ってペンキャリッジ72にペン71をセットし、セットが完了するとペン装着完了表示画面上のボタンや操作部25を操作する。
制御部81は、デザイン描画用のペン71の装着完了ボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS95)。ペン71の装着完了ボタンが操作されていない場合(ステップS95;NO)は、ステップS95の処理が繰り返される。
他方、ユーザが表示画面上のボタンや操作部25を操作することにより制御部81にペン71の装着完了の信号が入力されると(ステップS95;YES)、描画中である旨の表示を表示部26に表示する(ステップS96)。そして、撮影部50により爪画像を取得し、爪情報検出部812がこの爪画像から爪情報を検出する(ステップS97)。
爪情報が検出されると、図12に示すように、描画データ生成部813は、爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等による合せ込み処理(フィッティング)を行う。また、適宜曲面補正等を行い、ペン71により印刷指U1の爪Tに描画を施すための描画データを生成する(ステップS98)。
描画制御部815は、選択されたネイルデザインにおいて描画する色(インクの種類)の総数をIrとし、最初に描画する色(インクの種類)「i」を「1」と設定する(ステップS99)。そして、描画制御部815は、描画データに基づいて描画ユニット7に制御信号を出力し、描画データに基づいてペン71により設定された色(ここでは「i=1」)についての描画を行わせる(ステップS100)。
当該色についての描画が完了すると、乾燥処理を行う(ステップS101)。なお、乾燥処理の具体的な内容は、第1の実施形態における図6で示したものと同じであるため説明を省略する。乾燥処理が完了すると、制御部81は、描画された色「i」が、当該ネイルデザインにおいて描画する色(インクの種類)の総数Irと一致するか否か(「i=Ir」であるか否か)を判断する(ステップS102)。例えば、ネイルデザインが1色で構成されている場合には、「i=1」のとき「i=Ir」となる。また、ネイルデザインが3色で構成されている場合には、「i=3」のとき「i=Ir」となる。
「i=Ir」でない場合(ステップS102;NO)には、制御部81は、「i=i+1」と設定し(ステップS103)、ステップS100に戻って、ステップS100からステップS102の処理を繰り返す。
他方「i=Ir」である場合(ステップS102;NO)には、表示制御部814は、トップコートを塗布するか否かの問合せ画面を表示部26に表示させ(ステップS104)、制御部81は、トップコート塗布指示が入力されたか否かを判断する(ステップS105)。トップコート塗布指示が入力されない場合(ステップS105;NO)は、ステップS113の処理に進み、描画が完了した旨及び指受入部31から指を抜き取るように指示する指示画面を表示部26に表示させて、描画処理を終了する。
他方、ユーザが表示画面上のボタンや操作部25を操作することにより制御部81にトップコート塗布指示信号が入力されると(ステップS105;YES)、表示制御部814は、トップコート用のペン71の装着を指示する指示画面を表示部26に表示させる(ステップS106)。ユーザは指示に従ってトップコート用のペン71をペンキャリッジ72にセットし、セットが完了するとペン装着完了表示画面上のボタンや操作部25を操作する。
制御部81は、トップコート用のペン71の装着完了ボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS107)。ペン71の装着完了ボタンが操作されていない場合(ステップS107;NO)は、ステップS107の処理が繰り返される。他方、ユーザが表示画面上のボタンや操作部25を操作することにより制御部81にペン71の装着完了の信号が入力されると(ステップS107;YES)、撮影部50により爪画像を取得し、爪情報検出部812がこの爪画像から爪情報を検出する(ステップS108)。
爪情報が検出されると、描画データ生成部813は、爪Tの形状等に基づいて爪領域への合せ込み処理(フィッティング)や曲面補正等を行い、ペン71により印刷指U1の爪Tに描画を施すための描画データを生成する(ステップS109)。
そして、描画制御部815は、描画データに基づいて描画ユニット7に制御信号を出力し、この描画データに基づいてペン71によりトップコートの塗布を行わせる(ステップS110)。制御部81は、トップコートの塗布が終了したか否かを判断し(ステップS111)、トップコートの塗布が終了していないと判断する場合(ステップS111;NO)には、ステップS110に戻って処理を繰り返す。
他方、トップコートの塗布が終了したと判断する場合(ステップS111;YES)には、トップコートを乾燥させるための乾燥処理を行う(ステップS112)。なお、乾燥処理の具体的な内容は、第1の実施形態における図6で示したものと同じであるため説明を省略する。
トップコートの乾燥処理が終了すると、描画が完了した旨及び指受入部31から指を抜き取るように指示する指示画面を表示部26に表示させ、描画処理を終了する。
なお、ネイルプリント装置1の電源がOFFとなると、ヒータ92への電圧の印加も停止されてヒータ92がOFFとなる。
なお、その他の点については、第1の実施形態等と同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態等と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態におけるネイルプリント装置1は、ペン71を用いて爪Tに描画を施すプロッタ方式の描画装置である。このようにペン71によって描画を行う場合には、インクジェット方式の印刷ヘッドを用いる場合と比較して、描画ヘッド70における目詰まりのおそれがなく、粘度の高いインク、金銀のラメ入りのインクや白色のインク等のような粒径の大きな色材等を含むインク等、各種の液状材料(すなわち、例えばインク、マニキュア液等)を広く用いることができる。これにより、ベースコートやトップコートについてもネイルプリント装置1によって塗布することができ、ネイルプリントを行う際のユーザの手間を省くことができる。
また、一般的なマニキュア液等を用いた描画も可能であることから、ネイルデザインの描画を行う前に予め爪Tに白色等のベースコート(下地)や受容層を塗布しておく必要がない。このため、受容層やベースコートを塗布する手間を省くことも可能である。さらに、白色等のベースコート(下地)を塗布しなくてもインクの色を綺麗に発色させることができるため、爪Tの地の色等を生かしたデザインも描画することができ、描画できるネイルデザインの幅が広がる。
また、ベースコートやトップコート等を塗る場合や、爪Tの全体に色を塗りたい場合にも、ペン先713の太いペン71や筆ペンタイプのペン71等を用いれば、迅速かつむらなく塗ることができるため、ユーザが自分でベースコート等を塗布する場合よりも、塗り残しや塗りむら等の発生による画質の低下が生じにくく、ネイルアートを美しく仕上げることができる。
また、使用できるインクが限定されないため、ラメ入りのインクを用いた豪華なデザインや、厚み感や光沢感があり、仕上がりに高級感があるデザイン等、ネイルサロンで施されるのと同様のバリエーション豊富で美しい仕上がりのネイルプリントをネイルプリント装置1によって簡易に爪Tに施すことができる。
そして、このような場合でも、インクの乾燥状態を判断しながらインクの乾燥を行うことができるため、インクの塗布、デザインの描画から乾燥、仕上げまでを1台の装置によって効率よく行うことができる。
なお、本実施形態のようにペン71を用いて描画を行う場合には、例えばUV等の光を照射することで硬化する光硬化型のジェルネイル等の粘度の高いインクも使用することができ、このような光硬化型のジェルネイルを用いて描画を行った場合には、ネイルサロンで施されるような、持ちがよく仕上がりの美しいネイルアートを実現することができる。
この場合には、撮影部50の設けられている基板13の下面であって指受入部31の上方位置等に、光硬化型のインク(液状材料)を硬化させることのできる波長の光(例えばUV光)を照射可能な光源を設ける。
また、本実施形態では、複数のペン71を保持することが可能な回転式のペンキャリッジ72にペン71が保持されている場合を例示したが、ペンキャリッジ72の構成等はここに例示したものに限定されない。
また、描画ヘッド70が複数本のペン71を保持するものであることは必須ではなく、ペン71を1本ずつ保持するものであってもよい。この場合、装置内にペン71を待機させておく待機領域を設けて、描画に必要なペン71を適宜この待機領域から選んで描画ヘッドに保持させる構成としてもよい。
また、本実施形態では、描画する色(インクの種類)ごとに、描画と乾燥処理とを繰り返す場合を例示したが、例えば、異なる色(インクの種類)であっても描画する領域が隣接していなければ混色等のおそれがない。
このため、各色の描画位置まで考慮して、混色のおそれがない場合には、異なる色(インクの種類)であってもまとめて描画を行ってから乾燥処理を行ってもよい。
また、乾燥処理の具体的な内容は、第1の実施形態における図6で示したものに限定されず、図7及び図8で示した手法によってもよい。
[第3の実施形態]
次に、図13(a)及び図13(b)から図17を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置及びネイルプリント装置の描画方法の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、主として描画対象面である爪T表面を照明する光源の構成が第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。
図13(a)は、本実施形態におけるネイルプリント装置の内部構成を示すネイルプリント装置1の正面図であり、図13(b)は、図13(a)に示されたネイルプリント装置の内部構成を示す側面図である。
図13(a)及び図13(b)に示すように、本実施形態におけるネイルプリント装置1は、描画ユニット7が、描画部として、第1の実施形態と同様のインクジェット方式の描画ヘッド41と第2の実施形態と同様のペン71を備えるプロッタ方式の描画ヘッド70の両方を備える描画装置である。
図13(a)及び図13(b)に示すように、本実施形態のネイルプリント装置1は、基板13に設置されたカメラ51と第1の光源ユニット500とを有する撮影部50を備えている。
第1の光源ユニット500は、描画対象面である爪T表面の上方であって、例えばカメラ51を囲むように基板13上に配置されている、上方光源510を備えている。
上方光源510は、複数の単位光源である照明灯(照明装置)52で構成されており、カメラ51による撮影の際に印刷指U1の爪Tを照明する。単位光源である照明灯52は、例えば白色LED(Light Emitting Diode)等であり、各照明灯52ごとに個別に制御可能となっている。
本実施形態では、12個の照明灯52がカメラ51を囲むように配置されている。
なお、照明灯52の数や配置等は特に限定されないが、爪T表面の反射光強度を検出するための爪画像を取得する際に、できるだけ多くの反射光をとらえることができるように、爪Tが配置される指受入部31の上方の広い範囲に多くの照明灯52を配置することが好ましい。
なお、爪画像を撮影する際には、単位光源である照明灯52をすべて点灯させる必要はなく、一部のみを点灯させるようにしてもよい。この場合、後述する撮影制御部811が、カメラ51による撮影の際に、描画対象面である爪T表面に描画される絵柄に応じて、上方光源を構成する単位光源である照明灯52を選択的に点灯させるように制御する。
また、第1の光源ユニット500には、照明灯52の光を拡散させる拡散板54が設けられており、照明灯52が点灯した際に拡散板54によってその光を広く拡散させることができるようになっている。
また、描画ユニット7の描画部である描画ヘッド41の側方には、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、乾燥機構9が取り付けられている。なお、描画部の構成や配置は図示例に限定されず、描画ヘッド70の側方や描画ヘッド41と描画ヘッド70との間に乾燥機構9が取り付けられていてもよい。
図14(a)は、本実施形態における乾燥機構9の側面図であり、図14(b)は、図14(a)における矢視b方向から見た乾燥機構9の正面図である。
なお、乾燥機構9自体の構成は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態の乾燥機構9における爪T表面(描画対象面)に対向する側の端部(すなわち、本実施形態では風洞筐体91の送風口96の端部)に、側部上方光源910を備える第2の光源ユニット900が配置されている。この側部上方光源910は爪T表面の側部上方に光を照射可能な位置に配置されている。
本実施形態において、第2の光源ユニット900は、基板901上に配置された側部上方光源910と、この側部上方光源910の光を拡散させる拡散板903を備えており、側部上方光源910が点灯した際に拡散板903によってその光を広く拡散させることができるようになっている。
第2の光源ユニット900は樹脂等でモールドされていてもよい。また、第2の光源ユニット900は全体が金属等の枠体に収容されていてもよい。
図14(a)及び図14(b)に示すように、本実施形態において、送風口96の端部両側部にはそれぞれ連結板920が接続されて取り付けられており、各連結板920の自由端側にそれぞれ第2の光源ユニット900が固定されている。
本実施形態では、図14(b)に示すように、乾燥機構9を正面から見た場合に右側に位置するものを第2の光源ユニット900aとし、左側に位置するものを第2の光源ユニット900bとする。なお、単に第2の光源ユニット900としたときは、第2の光源ユニット900a及び第2の光源ユニット900bの両方を含むものとする。
連結板920は、例えばプラスチック等で形成されており、送風口96の端部両側部に接着固定されている。
なお、連結板920を形成する材料は、乾燥機構9から生じる熱に耐えられるものであればよく、特に限定されない。また、連結板920を送風口96の端部に固定する手法も接着固定に限定されず、ネジ止め等であってもよい。また、風洞筐体91における送風口96の端部に連結板920が一体的に形成されていてもよい。
第2の光源ユニット900の側部上方光源910は、カメラ51aに映り込まないように、カメラ51aの画角より外側であって、カメラ51aの撮影範囲より外側となる位置に配置されている。
本実施形態において、カメラ51aの画角(図15において太破線で示す)は、カメラ51aの中心から描画対象面である爪T表面に向かって錘状に広がっており、第2の光源ユニット900は、この画角の外側で、カメラ51aの撮影範囲より外側となる位置に配置されるように、図14(b)等に示すように、ネイルプリント装置の正面から見た場合に上から下に向かってわずかに広がるようにハの字状に配置されている。
第2の光源ユニット900に設けられている側部上方光源910は、複数の単位光源902で構成されている。側部上方光源910を構成する複数の単位光源902は、例えば白色LED(Light Emitting Diode)等であり、図14(a)等に示すように、本実施形態では各側部上方光源910がそれぞれ6個の単位光源902で構成されている。なお、側部上方光源910を構成する単位光源902の数や配置等は図示例に限定されない。
側部上方光源910を構成する各単位光源902は個別に制御可能となっている。具体的には、後述するように、撮影制御部811が、カメラ51による撮影の際、描画対象面である爪T表面に描画される絵柄に応じて、側部上方光源910を構成する単位光源902を選択的に点灯させるように制御する。
図14(c)は、印刷指U1を受け入れる指受入部31を印刷指の挿入側から見た正面図である。
図14(c)に示すように、指受入部31の両側面には、描画対象面である爪T表面の側部下方に光を照射可能な位置に配置される側部下方光源310を備える第3の光源ユニット300が配置されている。
本実施形態において、第3の光源ユニット300は、第1の光源ユニット500及び第2の光源ユニット900とほぼ同様に、基板301上に配置された側部下方光源310と、この側部下方光源310の光を拡散させる拡散板303を備えており、側部下方光源310が点灯した際に拡散板303によってその光を広く拡散させることができるようになっている。
第3の光源ユニット300は樹脂等でモールドされていてもよい。また、第3の光源ユニット300は全体が金属等の枠体に収容されていてもよい。
本実施形態では、図14(c)に示すように、指受入部31を正面から見た場合に右側に位置するものを第3の光源ユニット300aとし、左側に位置するものを第3の光源ユニット300bとする。なお、単に第3の光源ユニット300としたときは、第3の光源ユニット300a及び第3の光源ユニット300bの両方を含むものとする。
第3の光源ユニット300の側部下方光源310は、カメラ51aに映り込まないように、カメラ51aの画角より外側であって、カメラ51aの撮影範囲より外側となる位置に配置されている。
前述のように、本実施形態において、カメラ51aの画角(図15において太破線で示す)は、カメラ51aの中心から描画対象面である爪T表面に向かって錘状に広がっており、第3の光源ユニット300は、この画角の外側で、カメラ51aの撮影範囲より外側となる位置に配置されるように、ネイルプリント装置の正面から見た場合に上から下に向かってわずかに広がるようにハの字状に配置されている。
具体的には、図14(c)に示すように、指受入部31の両側面が上方から下方に向かって外側(すなわち、爪Tの幅方向における外側)に広がるように斜めに切り欠かれた切欠き部35となっており、第3の光源ユニット300の基板301側が例えば両面テープ等の接着層36により切欠き部35内に貼着されている。これにより、第3の光源ユニット300がカメラ51aの画角を避けるように所定の角度を保った状態で固定されている。
なお、第3の光源ユニット300を固定する手法は、ここに例示したものに限定されない。例えば、切欠き部35の下端部に第3の光源ユニット300を受け入れる溝を形成し、この溝で第3の光源ユニット300の下端部を受けることにより、接着層36による接着固定を行わずに第3の光源ユニット300を支持させてもよい。また、指受入部31の両側面に第3の光源ユニット300を嵌め込むスリットを設けて、このスリット内に第3の光源ユニット300を保持させてもよい。この場合、スリットにおける内側の面(すなわち、印刷指U1と対向する側の面)は、拡散板303で拡散された光を透過させるように、透明の樹脂等で形成される。
第3の光源ユニット300に設けられている側部下方光源310は、複数の単位光源302で構成されている。側部下方光源310を構成する複数の単位光源302は、例えば白色LED(Light Emitting Diode)等であり、本実施形態では第2の光源ユニット300と同様に、各側部下方光源310がそれぞれ6個の単位光源302で構成されている(図16等参照)。なお、側部下方光源310を構成する単位光源302の数や配置等は図示例に限定されない。
側部下方光源310を構成する各単位光源302は個別に制御可能となっている。具体的には、後述するように、撮影制御部811が、カメラ51による撮影の際、描画対象面である爪T表面に描画される絵柄に応じて、側部下方光源310を構成する単位光源302を選択的に点灯させるように制御する。
図15は、本実施形態における第1の光源ユニット、第2の光源ユニット及び第3の光源ユニットと爪T表面との位置関係を模式的に示す説明図である。
図15において、太破線は、本実施形態におけるカメラ51aの画角を示している。
第1の光源ユニット500の上方光源510から照射され拡散板54で拡散された光のうち、描画対象面である爪Tの表面で鏡面反射してカメラ51a(カメラ51aの図示しないレンズ)に入射するのは、図15において一点鎖線で示すように、爪Tの幅方向のほぼ中央部(図15において「a」の範囲)に入射した光である。
また、第3の光源ユニット300の側部下方光源310から照射され拡散板303で拡散された光のうち、描画対象面である爪Tの表面で鏡面反射してカメラ51a(カメラ51aの図示しないレンズ)に入射するのは、図15において二点鎖線で示すように、爪Tの幅方向の両端部及びその近傍(図15において「c」の範囲)に入射した光である。
また、第2の光源ユニット900の側部上方光源910から照射され拡散板903で拡散された光のうち、描画対象面である爪Tの表面で鏡面反射してカメラ51a(カメラ51aの図示しないレンズ)に入射するのは、図15において破線で示すように、爪Tの幅方向の中央部と端部及びその近傍との間の部分(図15において「a」と「c」との間である「b」の範囲)に入射した光である。
このように、第1の光源ユニット500の他、爪Tの側部上方から光を照射することが可能な第2の光源ユニット900と爪Tの側部下方から光を照射することが可能な第3の光源ユニット300とを備えることにより、爪T表面の全領域について鏡面反射した光をカメラ51aでとらえることが可能となり、爪Tの表面の一部分のみに絵柄を描いたような場合でも、インクが乾燥しているか否かを判断する指標となる反射光強度を確実に検出することが可能となる。
また、本実施形態のネイルプリント装置は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の制御装置80を備えている。
前述のように、本実施形態では、撮影制御部811は、爪T表面での反射光強度を検出するためのカメラ51aによる撮影を行う際に、描画対象面である爪T表面に描画される絵柄に応じて、上方光源510、側部上方光源910及び側部下方光源310の全部又は一部の照明灯(単位光源)52及び単位光源902,302を選択的に点灯させるように上方光源510、側部上方光源910及び側部下方光源310の点灯制御を行う。
本実施形態において、絵柄を描画する際にいずれの照明灯(単位光源)52及び単位光源902,302を点灯させるかに関する情報は、予め各ネイルデザインのデータに含まれており、撮影制御部811は、ネイルデザイン記憶領域に記憶されている情報のうち爪T表面に描画される絵柄に関する情報を参照して照明灯(単位光源)52及び単位光源902,302の点灯制御を行う。
なお、その他の構成は、第1の実施形態、第2の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び描画方法について説明する。
なお、乾燥処理における乾燥状態判断を行うための光源の点灯のさせ方以外は第1の実施形態等と同様であるため、以下においては本実施形態に特有の部分を中心に説明し、その他の処理については詳細な説明を省略する。
本実施形態のネイルプリント装置1によって描画を行う場合、例えば描画ヘッド70のペン71によって爪T全体にインクを塗布するベースコートを施し、その上にインクジェット方式の描画ヘッド41によって繊細な模様のデザインを描く等、ネイルデザインの画像データに基づいて、描画制御部815が適宜2つの描画ヘッド41,70を使い分けて描画を行うように描画ヘッド41,70の動作を制御する。
爪Tの表面に描画が施され、乾燥指示が入力されると、指受入部31の上前方に乾燥機構9の風洞筐体91の送風口96が配置される位置まで乾燥機構9が移動する。そして、乾燥機構制御部817が乾燥機構9のファン93をONとしヒータを制御して所望の温度の温風が爪に当るようにする。この状態で待機期間(例えば、1秒)の間待機すると、撮影制御部811は、ネイルデザイン記憶領域に記憶されている情報のうち爪T表面に描画される絵柄に関する情報を参照し、これに応じて第1の光源ユニット500、第2の光源ユニット900、第3の光源ユニット300に設けられている照明灯52及び単位光源902,302を選択的に点灯させる点灯制御を行う。
ここで、図16及び図17を参照して、撮影制御部811による具体的な点灯制御について説明する。
なお、図16及び図17においては、図面上側がネイルプリント装置における指挿入方向(Y)の奥側(すなわちネイルプリント装置の背面側)となっており、図面下側が指挿入方向(Y)の手前側(すなわちネイルプリント装置の前面側)となっている。
図16は、描画対象面である爪Tに描画される絵柄が爪Tの先端部のみにインクを塗布して、爪Tの先端部に爪Tの幅方向に亘る模様P1を描くフレンチネイルである場合の照明灯52及び単位光源902,302の点灯状態を模式的に示した説明図である。
爪Tに描画される絵柄が爪Tの先端のみにインクを塗布して模様P1を描くデザインである場合には、爪Tの先端側について、爪Tの幅方向(図16におけるX方向)のほぼ全域に亘って反射光強度を取得することが好ましい。
このため、撮影制御部811は、図16に示すように、第1の光源ユニット500の上方光源510のうち、指挿入方向(Y)の奥側に配置された6個の照明灯52と、第2の光源ユニット900a,900bの側部上方光源910のうち、指挿入方向(Y)の奥側に配置された3個(下の段2個と上の段1個)の単位光源902と、第3の光源ユニット300a,300bの側部下方光源310のうち、指挿入方向(Y)の奥側に配置された4個(下の段2個と上の段2個)の単位光源302とを点灯させる。
このように、爪Tの先端側に対応する照明灯52及び単位光源902,302のみを点灯させ、その他を点灯させないことにより、インクを塗布していない部分の輝度が低くなり、総反射光強度に占めるインク塗布部分の鏡面反射光の割合を高めることができる。
図17は、描画対象面である爪Tに描画される絵柄が爪Tの右側の根元部分近傍にワインポイント模様P2(図示例ではハート模様)を描くデザインである場合の照明灯52及び単位光源902,302の点灯状態を模式的に示した説明図である。
爪Tに描画される絵柄が爪T表面の一部分のみにインクを塗布するワンポイント模様P2である場合には、当該模様が描かれた部分の反射光強度を取得することが好ましい。
このため、撮影制御部811は、図17に示すように、第1の光源ユニット900の上方光源510のうち、指挿入方向(Y)の手前側かつ右側(図17のX方向における右側)に配置された3個の照明灯52と、右側(図17のX方向における右側)に配置された第2の光源ユニット900aの側部上方光源910のうち、指挿入方向(Y)の手前側に配置された4個(下の段2個と上の段2個)の単位光源902と、右側(図17のX方向における右側)に配置された第3の光源ユニット300aの側部下方光源310のうち、指挿入方向(Y)の手前側に配置された2個(上の段2個)の単位光源302を点灯させる。
このように、絵柄が描かれている部分に対応する単位光源902,302のみを点灯させ、その他を点灯させないことにより、インクを塗布していない部分の輝度が低くなり、総反射光強度に占めるインク塗布部分の鏡面反射光の割合を高めることができる。
そして、選択された照明灯52及び単位光源902,302を点灯させた状態で撮影部50のカメラ51aにより爪画像を取得し、爪情報検出部812がこの爪画像から爪領域を検出する。
さらに、乾燥状態判断部816が、この爪領域内の総反射光強度を算出し、算出された総反射光強度に応じて、インクの乾燥が終了したか否かを判断する。
なお、その他の点については、第1の実施形態等と同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態等と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、第1の光源ユニット500の他、爪Tの側部上方から光を照射することが可能な第2の光源ユニット900と爪Tの側部下方から光を照射することが可能な第3の光源ユニット300とを備えているため、爪T表面の全領域について鏡面反射した光をカメラ51aでとらえることが可能となる。これにより、爪Tの一部分のみに絵柄を描いたような場合でも、反射光強度を確実に検出することができ、インクが乾燥しているか否かを正確に判断することができる。
また、爪Tの一部分のみにインクが塗布された場合、爪Tの表面全体に光を照射すると、鏡面反射以外の光も多くカメラ51aに入射するため、インクの乾燥判断に必要なインク塗布部分における鏡面反射光が総反射光強度全体に占める割合が低下してしまう。この場合、インクの乾燥判断の精度が低下するおそれがある。この点、本実施形態では、描画対象面である爪T表面に描画される絵柄に応じて照明灯52及び単位光源902,302を選択的に点灯させるようになっている。このように、インクが塗布された部分に対応する照明灯52及び単位光源902,302のみを点灯させ、その他を点灯させないことにより、インクを塗布していない部分の輝度が低くなり、総反射光強度に占めるインク塗布部分の鏡面反射光の割合を高めることができる。このため、より高精度にインクの乾燥判断を行うことが可能となる。
なお、関心領域の反射光強度のみを高めるためには、カメラ51aによって撮影された画像から当該部分のみを切り出して画像処理的に補正を掛ける等の手法も考えられるが、こうした手法では、カメラ51aや画像処理を行うコンピュータ及びソフトウエア等の性能に依存する部分が大きく、処理も複雑となる。この点、本実施形態の手法を用いれば、LED等で構成されている照明灯52及び単位光源902,302の点灯制御という比較的簡易な制御を行うだけで正確なインクの乾燥判断を行うことができるようになるため、好ましい。
さらに、このように、照明灯52及び単位光源902,302を選択的に点灯させることで、光源から発する熱を最小限に抑えることができるとともに、消費電力を抑えることもできる。
また、本実施形態では、インクジェット方式の描画ヘッド41の他に、ペン71を備えるプロッタ方式の描画ヘッド70を備えている。このため、インクジェット方式では採用しにくい粒径の大きな顔料を含むインク(例えば下地用の白インク)や、ラメ等を含んだインク等もペン71によって描画することができるとともに、ペン71では描画しにくい繊細な模様等をインクジェット方式の描画ヘッド41によって描くことができる。これにより、例えばペン71によりベースコートを塗布した上にインクジェット方式の描画ヘッド41によってレース模様を描く等、よりバリエーション豊かなネイルデザインの描画を実現することができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態においては、インクが乾燥したか否かを判断する閾値として、「減少率>5%」、「減少率<0.5%」といった値を用いているが、これら「5%」や「0.5%」との値はあくまでも一例であって、これに限定されるものではない。
これらの値は、例えばインクの色や材質や特性、爪Tの大きさやその位置や曲面、光源である照明灯52の位置や向きや種類、カメラ51aの性能、制御部81の演算精度、乾燥機構9の温風の温度や風量等、各種の条件により変化するものであって、そのシステムにおいて調整が必要である。また、上記のような各種の条件に応じてアダプティブ可変としてもよい。
また、上記各実施形態では、インクの乾燥状態を判断する際に、所定の待機期間毎に反射光強度の減少率を検出していて、待機期間を1秒としたが、待機期間は1秒間に限定されない。
反射光強度の変化を連続的に検出しても減少率を見ることができず、あまり待機期間が長すぎても反射光強度の時間的変化を適切にとらえることができないが、反射光強度の減少を検出することのできる程度であれば、待機期間は1秒間よりも短くても長くてもよい。また、インクの種類等によって待機期間を変える設定としてもよい。
また、上記各実施形態では、反射光強度の待機期間毎の時間的な減少率を見ることによってインクの乾燥状態を判断する場合を例示したが、待機期間毎の時間的な減少量: D=(Syn)−(SYn−1) を見ることによってインクの乾燥状態を判断してもよい。
また、インクの乾燥状態を判断するために、固定の数値(閾値)を設けるのではなく、図4における「I」「II」期の減少率又は減少量の平均等から「III」期の最初の急激な変化を検出し、その後の緩やかな変化も同様に検出することによってインクの乾燥状態を判断してもよい。
また、上記各実施形態では、乾燥機構9がヒータ92とファン93とを備えている場合を例示したが、乾燥機構9はインクを乾燥させることができるものであればよく、その構成はここに示したものに限定されない。
また、上記各実施形態では、乾燥機構9がヘッド移動部によって描画ヘッドとともに移動する場合を例示したが、乾燥機構9は、ネイルプリント装置1の内部に固定されていてもよい。
また、描画ヘッドを移動させるヘッド移動部とは別に、乾燥機構9を移動させる機構を備えていてもよい。
また、上記各実施形態では、ネイルプリント装置1の電源ONによって乾燥機構9のヒータ92がONとなり、ネイルプリント装置1の電源OFFによって乾燥機構9のヒータ92がOFFとなる場合を例示したが、ヒータ92のON/OFFのタイミングはこれに限定されない。例えば、描画動作の開始とともにヒータ92が余熱状態となるように制御されてもよい。
また、上記各実施形態では、指を1本ずつ装置に挿入して順次描画を行うネイルプリント装置1を例としたが、複数本の指に対して、各指を抜き差しすることなく、連続的に描画を行うことのできる装置に本発明を適用することも可能である。
例えば、描画ヘッドの稼動範囲を広げて描画可能範囲を大きくすることにより、複数の印刷指U1に同時に挿入した状態で、各指の爪に連続的に描画を施すことも可能となる。
また、第3の実施形態では、ネイルプリント装置が第1の光源ユニット500、第2の光源ユニット900及び第3の光源ユニット300を備えている場合を例示したが、ネイルプリント装置はこれらすべてを備えるものに限定されない。
例えば、図18(a)及び図18(b)に示すように、上方光源510を備える第1の光源ユニット500と、乾燥機構9における爪T表面(描画対象面)に対向する側の端部であって爪T表面の側部上方にカメラ51の画角を避けて配置される側部上方光源910を備える第2の光源ユニット900とを備えるネイルプリント装置であってもよい。
また、例えば、図19(a)及び図19(b)に示すように、上方光源510を備える第1の光源ユニット500と、爪T表面(描画対象面)の側部にカメラ51の画角を避けて配置される側部下方光源310を備える第3の光源ユニット300とを備えるネイルプリント装置であってもよい。
このように、側部上方光源910及び側部下方光源310のうちいずれか一方のみしか備えない場合であっても、上方光源510のみを備える場合より爪T表面の広い範囲について鏡面反射光を得ることができ、正確なインクの乾燥判断を行うことができる範囲を広くすることができる。
また、第3の実施形態では、第1の光源ユニット500が備える上方光源510、第2の光源ユニット900が備える側部上方光源910及び第3の光源ユニット300が備える側部下方光源310がそれぞれ個別制御可能な単位光源(すなわち、照明灯52及び単位光源902,302)で構成されており、これらを選択的に点灯させることができる場合を例示したが、第1の光源ユニット500が備える上方光源510、第2の光源ユニット900が備える側部上方光源910及び第3の光源ユニット300が備える側部下方光源310の一部又は全部は単位光源に分解できない一体的な光源であってもよい。
この場合、撮影制御部811は、描画対象面(爪T表面)に描画される絵柄に応じて、上方光源510、側部上方光源910及び側部下方光源310のうちの少なくともいずれか1つを選択的に点灯させる。
すなわち、上述のように、上方光源510からの光は図15における爪T表面の「a」の範囲で鏡面反射したものがカメラ51aに入射し、側部上方光源910からの光は図15における爪T表面の「b」の範囲で鏡面反射したものがカメラ51aに入射し、側部下方光源310からの光は図15における爪T表面の「c」の範囲で鏡面反射したものがカメラ51aに入射する。このため、撮影制御部811は、絵柄が描画された部分が爪T表面の「a」「b」「c」いずれの範囲に該当するかによって必要な光源のみを点灯させる。
このように、上方光源510、側部上方光源910及び側部下方光源310が一体的な光源である場合でも、爪T表面の広い範囲について鏡面反射光を得ることができ、正確なインクの乾燥判断を行うことができる範囲を広くすることができる。
また、第3の実施形態で示した第1の光源ユニット500、第2の光源ユニット900及び第3の光源ユニット300を、第1の実施形態で示したインクジェット方式の描画ヘッド41のみを備えるネイルプリント装置や第2の実施形態で示したペン71を備える描画ヘッド70のみを備えるネイルプリント装置に設けてもよい。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画部と、
前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥機構と、
前記描画対象面に塗布された前記液状材料に照射した光の反射光の強度の、前記乾燥動作が実行されている間の経過時間ごとの値に基づいて、前記液状材料の乾燥状態を判断する乾燥状態判断部と、
前記乾燥状態判断部による判断にしたがって前記乾燥機構の前記乾燥動作の実行を制御する乾燥機構制御部と、
を備えていることを特徴とする描画装置。
<請求項2>
前記乾燥状態判断部は、前記反射光強度の前記経過時間に対する変化が、所定の第1の閾値より大きい値である状態から、前記第1の閾値より小さい第2の閾値より小さい値となったとき、前記液状材料が乾燥したと判断することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
<請求項3>
前記乾燥状態判断部は、前記反射光強度の前記経過時間に対する変化が、所定の第1の閾値より大きい値である状態から、該第1の閾値より小さい値となった後、所定の時間が経過したときに、前記液状材料が乾燥したと判断することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
<請求項4>
前記乾燥機構は、ヒータ及びファンを備え、前記液状材料が塗布された前記描画対象面に対して温風を送風して前記乾燥動作を行うものであり、
少なくとも前記乾燥機構による前記乾燥動作の実行中に、前記描画部における前記描画対象面側に配置されて、前記乾燥機構からの送風による前記描画部の乾燥を防ぐ乾燥防止部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項5>
前記描画部を移動させる描画部移動機構を備え、
前記乾燥機構は、前記描画部移動機構によって前記描画部とともに移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項6>
前記乾燥機構は、前記描画対象面に対向する側に端部を有し、
上方から前記描画対象面を撮影する撮影部と、
前記描画対象面の上方に配置される上方光源と、
前記乾燥機構の前記端部に接続されていて、前記乾燥機構が前記乾燥動作を行うときに前記描画対象面の側部上方に光を照射可能であって、前記撮影部の撮影範囲より外側となる位置に配置される側部上方光源、及び、前記描画対象面の側部下方に光を照射可能であって、前記撮影部の撮影範囲より外側となる位置に配置される側部下方光源のうち少なくともいずれか1つと、
前記カメラによる撮影の際に、前記描画対象面に描画されている絵柄に応じて、前記上方光源、前記側部上方光源及び前記側部下方光源のうちの少なくともいずれか1つを選択的に点灯させる撮影制御部と、
を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項7>
前記上方光源、前記側部上方光源及び前記側部下方光源は、それぞれ複数の単位光源で構成されており、
前記撮影制御部は、前記カメラによる撮影の際に、前記描画対象面に描画される絵柄に応じて、前記上方光源、前記側部上方光源及び前記側部下方光源の全部又は一部の単位光源を選択的に点灯させることを特徴とする請求項6に記載の描画装置。
<請求項8>
描画部により液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画装置の描画方法において、
乾燥機構によって前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を開始させ、
前記描画対象面に塗布された前記液状材料の乾燥状態を、前記液状材料に照射した光の反射光の強度の、前記乾燥動作が実行されている間の経過時間ごとの値に基づいて判断し、
前記液状材料が乾燥したと判断されたとき、前記乾燥機構による前記乾燥動作を停止させることを特徴とする描画装置の描画方法。
<請求項9>
前記反射光強度の前記経過時間に対する変化が、所定の第1の閾値より大きい値である状態の後、前記第1の閾値より小さい第2の閾値より小さい値となったとき、前記液状材料が乾燥したと判断することを特徴とする請求項8に記載の描画装置の描画方法。
<請求項10>
前記反射光強度の前記経過時間に対する変化が、所定の第1の閾値より大きい値である状態から、該第1の閾値より小さい値となった後、所定の時間が経過したときに、前記液状材料が乾燥したと判断することを特徴とする請求項8に記載の描画装置の描画方法。
<請求項11>
前記描画装置は、
上方から前記描画対象面を撮影する撮影部と、
前記描画対象面の上方に配置される上方光源と、
前記乾燥機構の前記描画対象面に対向する側の端部に接続されていて、前記乾燥機構が前記乾燥動作を行うときに前記描画対象面の側部上方に光を照射可能であって、前記撮影部の撮影範囲より外側となる位置に配置される側部上方光源、及び、前記描画対象面の側部下方に光を照射可能であって、前記撮影部の撮影範囲より外側となる位置に配置される側部下方光源のうち少なくともいずれか1つと、
を備え、
前記カメラによる撮影の際に、前記描画対象面に描画される絵柄に応じて、前記上部光源、前記側部上方光源及び前記側部下方光源のうちの少なくともいずれか1つを選択的に点灯させることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の描画装置の描画方法。
1 ネイルプリント装置
7 描画ユニット
9 乾燥機構
25 操作部
26 表示部
31 指受入部
41 描画ヘッド
43 キャップ機構
46 X方向移動モータ
48 Y方向移動モータ
49 ヘッド移動部
50 撮影部
51 カメラ
52 照明灯
53 遮光壁
54 拡散板
70 描画ヘッド
71 ペン
79 カバー部材
81 制御部
82 記憶部
92 ヒータ
93 ファン
94 放熱板
95 温度センサ
300 第3の光源ユニット
302 単位光源
310 側部下方光源
500 第1の光源ユニット
815 描画制御部
816 乾燥状態判断部
817 乾燥機構制御部
900 第2の光源ユニット
902 単位光源
910 側部上方光源
T 爪
U1 印刷指

Claims (11)

  1. 液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画部と、
    前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥機構と、
    前記描画対象面に塗布された前記液状材料に照射した光の反射光の強度の、前記乾燥動作が実行されている間の経過時間ごとの値に基づいて、前記液状材料の乾燥状態を判断する乾燥状態判断部と、
    前記乾燥状態判断部による判断にしたがって前記乾燥機構の前記乾燥動作の実行を制御する乾燥機構制御部と、
    を備えていることを特徴とする描画装置。
  2. 前記乾燥状態判断部は、前記反射光強度の前記経過時間に対する変化が、所定の第1の閾値より大きい値である状態から、前記第1の閾値より小さい第2の閾値より小さい値となったとき、前記液状材料が乾燥したと判断することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
  3. 前記乾燥状態判断部は、前記反射光強度の前記経過時間に対する変化が、所定の第1の閾値より大きい値である状態から、該第1の閾値より小さい値となった後、所定の時間が経過したときに、前記液状材料が乾燥したと判断することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
  4. 前記乾燥機構は、ヒータ及びファンを備え、前記液状材料が塗布された前記描画対象面に対して温風を送風して前記乾燥動作を行うものであり、
    少なくとも前記乾燥機構による前記乾燥動作の実行中に、前記描画部における前記描画対象面側に配置されて、前記乾燥機構からの送風による前記描画部の乾燥を防ぐ乾燥防止部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画装置。
  5. 前記描画部を移動させる描画部移動機構を備え、
    前記乾燥機構は、前記描画部移動機構によって前記描画部とともに移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の描画装置。
  6. 前記乾燥機構は、前記描画対象面に対向する側に端部を有し、
    上方から前記描画対象面を撮影する撮影部と、
    前記描画対象面の上方に配置される上方光源と、
    前記乾燥機構の前記端部に接続されていて、前記乾燥機構が前記乾燥動作を行うときに前記描画対象面の側部上方に光を照射可能であって、前記撮影部の撮影範囲より外側となる位置に配置される側部上方光源、及び、前記描画対象面の側部下方に光を照射可能であって、前記撮影部の撮影範囲より外側となる位置に配置される側部下方光源のうち少なくともいずれか1つと、
    前記カメラによる撮影の際に、前記描画対象面に描画されている絵柄に応じて、前記上方光源、前記側部上方光源及び前記側部下方光源のうちの少なくともいずれか1つを選択的に点灯させる撮影制御部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の描画装置。
  7. 前記上方光源、前記側部上方光源及び前記側部下方光源は、それぞれ複数の単位光源で構成されており、
    前記撮影制御部は、前記カメラによる撮影の際に、前記描画対象面に描画される絵柄に応じて、前記上方光源、前記側部上方光源及び前記側部下方光源の全部又は一部の単位光源を選択的に点灯させることを特徴とする請求項6に記載の描画装置。
  8. 描画部により液状材料を描画対象面に塗布して、該描画対象面に描画を施す描画装置の描画方法において、
    乾燥機構によって前記描画対象面に塗布された前記液状材料を乾燥させる乾燥動作を開始させ、
    前記描画対象面に塗布された前記液状材料の乾燥状態を、前記液状材料に照射した光の反射光の強度の、前記乾燥動作が実行されている間の経過時間ごとの値に基づいて判断し、
    前記液状材料が乾燥したと判断されたとき、前記乾燥機構による前記乾燥動作を停止させることを特徴とする描画装置の描画方法。
  9. 前記反射光強度の前記経過時間に対する変化が、所定の第1の閾値より大きい値である状態の後、前記第1の閾値より小さい第2の閾値より小さい値となったとき、前記液状材料が乾燥したと判断することを特徴とする請求項8に記載の描画装置の描画方法。
  10. 前記反射光強度の前記経過時間に対する変化が、所定の第1の閾値より大きい値である状態から、該第1の閾値より小さい値となった後、所定の時間が経過したときに、前記液状材料が乾燥したと判断することを特徴とする請求項8に記載の描画装置の描画方法。
  11. 前記描画装置は、
    上方から前記描画対象面を撮影する撮影部と、
    前記描画対象面の上方に配置される上方光源と、
    前記乾燥機構の前記描画対象面に対向する側の端部に接続されていて、前記乾燥機構が前記乾燥動作を行うときに前記描画対象面の側部上方に光を照射可能であって、前記撮影部の撮影範囲より外側となる位置に配置される側部上方光源、及び、前記描画対象面の側部下方に光を照射可能であって、前記撮影部の撮影範囲より外側となる位置に配置される側部下方光源のうち少なくともいずれか1つと、
    を備え、
    前記カメラによる撮影の際に、前記描画対象面に描画される絵柄に応じて、前記上部光源、前記側部上方光源及び前記側部下方光源のうちの少なくともいずれか1つを選択的に点灯させることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の描画装置の描画方法。
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