JP7243415B2 - ネイルプリント形成方法及びネイルプリント装置 - Google Patents
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Description
このような装置によれば、ネイルサロン等を利用しなくても、ネイルプリント装置を用いて所望のネイルデザインを爪に施すことができる。
爪の表面全体に形成された第1のベースコート層の上であって、デザインに応じて設定される、前記爪の領域内の印刷対象領域にネイルプリント装置を用いて第2のベースコート層を形成し、
前記第2のベースコート層の上に形成された受容層の上に、前記デザインに応じて生成された印刷用データに基づいて、前記ネイルプリント装置を用いてデザイン層を形成するものであり、
前記第1のベースコート層は、前記第2のベースコート層よりも撥水性が高く、前記受容層を形成する液体を弾く性質を有することを特徴としている。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1(a)及び図1(b)から図6(a)及び図6(b)は、各層の形成工程を、段階を追って示したものである。
なお、本実施形態では、手の指U(図1(b)等参照)の爪Tにネイルプリントを施す場合を例とするが、本発明におけるネイルプリント形成方法は手の指Uの爪Tに適用される場合に限るものではなく、例えば足の指Uの爪Tにネイルプリントを施す場合でもよい。また、ネイルプリントを施す対象は人の爪Tに限定されない。例えば、人工的に爪状に形成されたネイルチップや各種アクセサリの表面等、人の爪T以外のものを印刷対象としてもよい。
このうち、第1のベースコート層B1及びインク受容層Wについては、ユーザ等が筆や刷毛等(図示せず)を用いて手動で塗布することにより形成され、第2のベースコート層B2及びデザイン層Dについては後述するネイルプリント装置1により自動的に形成される。
まず、以下において、上記各層について具体的に説明する。
本実施形態のネイルプリント形成方法では、このような爪Tの表面に、まず第1のベースコート層B1を形成する(図2(a)及び図2(b)参照)。
第1のベースコート層B1は、一般的にネイル用として使用されるベースコート剤と同じ材質の皮膜形成剤である第1のベースコート剤を塗布することで形成される。
第1のベースコート剤は、例えば、ニトロセルロースと揮発性溶剤成分(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)とを主成分として構成されたほぼ透明な液体である。
なお、第1のベースコート剤の構成は、ニトロセルロース系のハードコート剤であることが好ましいが、ここに例示したものに限定されず、適宜最適な材料を最適な配分で配合することができる。
例えば、図3(a)及び図3(b)では、ネイルデザインが爪Tの先端部分だけに施されるフレンチネイルである場合を例示している。この場合には、ネイルプリントが施される爪先の部分だけが印刷対象領域となり、この範囲に第2のベースコート層B2が形成される。なお、ネイルデザインが爪Tの全体に施されるものである場合には、爪Tの領域全体が印刷対象領域となるため、第2のベースコート層B2を形成する範囲は第1のベースコート層B1と同様に爪Tの領域全体となる。
なお、第2のベースコート剤は、粘度が高すぎるとインクジェット方式によって印刷ヘッド41から吐出させることが困難となる。また、表面張力がある程度ないと液滴として飛翔させることが困難となり、飛翔しても飛び散ってしまい所望の位置に着弾させることが難しい。
また、第2のベースコート剤は、第1のベースコート層B1の上に第2のベースコート層B2を形成するものである。このため、第2のベースコート剤は第1のベースコート層B1の上でも濡れ性がよく、印刷ヘッド41から吐出され、第1のベースコート層B1上に着弾した後に凝集したりせずに、着弾した位置で第2のベースコート層B2を形成することが必要である。
すなわち、粘度が1~4mPa・s、好ましくは2mPa・sであり、表面張力が10~40mN/m、好ましくは25mN/mであるものが、第2のベースコート剤として適用される。
具体的には、第2のベースコート剤としては、水を分散剤とした無機質粒子(例えばコロイダルシリカ)を成分とした構成で、塗布後には水性の液体(後述のプレプリント剤)で形成されるインク受容層Wを受容(吸着)する機能を有するものが用いられる。
具体的にはインク受容層Wは、水を主成分としたPVC(ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC))系の水性のプレプリント剤で形成される膜である。
また、本実施形態において、インク受容層Wを形成するプレプリント剤は、例えば酸化チタン等、白色等の染料や顔料その他の添加物を含んでおり、プレプリント剤を塗布することで形成されるインク受容層Wは白色等の指Uの皮膚等と異なる色となるようになっている。
なお、プレプリント剤を塗布することで形成されるインク受容層Wは、輝度や明度、色合い等が指Uの皮膚等と異なり、かつその後のデザイン層Dの発色を損なわない色となるものであればよく、白色に限定されない。
この点、印刷対象領域に指Uの皮膚等と異なる色のプレプリント剤を塗布してインク受容層Wを形成することにより、印刷対象領域と印刷対象領域以外の領域とを区別しやすくなる。ここで「印刷対象領域以外の領域」とは、爪Tの全体にネイルデザインを施す場合には爪Tの周りの指Uの皮膚であり、爪Tの一部にネイルデザインを施す場合には爪Tのうち印刷しない領域及び爪Tの周りの指Uの皮膚である。
すなわち、本実施形態では、プレプリント剤を塗布することでインク受容層Wが形成された領域(印刷対象領域)は、指Uの皮膚等と異なる色となっている。このため、後述のカメラ等の撮影装置51(図9参照)で爪Tを含む指Uを撮影した場合に、撮影装置51により取得された撮影画像について輝度や明度、色合い等を解析することにより、インク受容層Wが形成された印刷対象領域とそれ以外の部分とを明確に区別することができ、正確に印刷対象領域を検出することができる。
なお、第1のベースコート層B1を形成している第1のベースコート剤は、一般的にネイル用として使用される無色透明のベースコート剤である。このため、第1のベースコート層B1の上にネイルプリント装置1を用いて第2のベースコート層B2を形成する際の印刷対象領域も、印刷対象領域以外の部分とは明確な区別がつきづらい。
しかし、第2のベースコート層B2を形成する目的は、ユーザが所望するネイルデザインを施す領域(印刷対象領域)外にプレプリント剤が塗布されることにより外観を損なうことを防ぎ、フレンチネイルのような一部のみに塗布するデザインの場合に塗布する幅や形状を等しくすることで美しい仕上がりにすることである。このため、第2のベースコート層B2を形成する際には上記目的を達成することができればよく、ネイルデザインを印刷する際ほど正確に印刷対象領域を検出する必要はない。
このため、第1のベースコート層B1は、第2のベースコート層B2よりも撥水性が高く、インク受容層Wを形成する液体を弾く性質を有している。
すなわち、インク受容層Wを形成するプレプリント剤は、第1のベースコート層B1の上では濡れにくく、第1のベースコート層B1に染み込んで定着することなく、液体の表面張力によって球状にまとまっていく。
これに対して、第2のベースコート層B2は高い吸水性を有するために、プレプリント剤は、第2のベースコート層B2の上では濡れやすく、吸着されやすい。
本実施形態では、このような第1のベースコート層B1と第2のベースコート層B2との撥水性、濡れ性の違いにより、インク受容層Wが第2のベースコート層B2の上だけに乗るようになっている。
このため、インク受容層Wが正しい範囲に塗布されていないと適切な範囲に印刷することができない。
例えば、ネイルデザインがフレンチネイルで爪Tの先端部分にだけデザインを施す場合、ネイルプリント装置1によって印刷される第2のベースコート層B2は、当該デザインに応じた範囲に正しく形成される。これに対してインク受容層Wを形成するプレプリント剤は、ユーザによって手塗りされるため、図4(a)及び図4(b)に示すように、本来塗布すべき範囲を超えて第1のベースコート層B1の上まで広がってしまう場合がある。
このような場合にも、第1のベースコート層B1上のプレプリント剤は染み込まずに表面張力によって自然にまとまっていき、第2のベースコート層B2の上に吸い寄せられていく。この結果、図5(a)及び図5(b)に示すように、正しい塗布範囲である第2のベースコート層B2の形成されている範囲(ネイルプリント装置1によって機械的に正確に印刷された範囲)内にインク受容層Wが形成される。
具体的には、ネイルデザイン等に応じて生成された印刷用データに基づいて、ネイルプリント装置1を用いてインク受容層Wの上に水溶性インクにて印刷を行うことにより形成される。
図7は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図である。図8は、ネイルプリント装置から筐体を外して内部の要部構成を示した斜視図である。図9は、本実施形態のネイルプリント装置の制御構成を示す要部ブロック図である。
図7において図示を省略するが、筐体2の上面(天板)等には、各種のスイッチ釦からなる操作部22が設けられている(図9参照)。
なお図示は省略するが、表示部等が設けられていてもよい。
また、筐体2の前面側(図7において手前側)であって、ネイルプリント装置1の下側は、ネイルプリント装置1による撮影時や印刷部40による印刷動作時に印刷対象である爪に対応する指や印刷しない指を挿入して待機させておくために装置内に挿入する開口部21が形成されている。
筐体2の内部には、図8に示すように、基台10等からなる装置本体が配置されている。
すなわち、筐体2内には、各種の内部構造物が組み込まれた基台10が設けられており、基台上面20における装置手前側(図8におけるY方向手前側)であって、装置の幅方向(図8におけるX方向)のほぼ中央部には、指固定部3が配置されている。
指固定部3は、装置手前側に開口部31を有する箱状の部材であり、指固定部3内部には指を固定する指固定部材32が配置されている。
指固定部材32は、指Uを下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。本実施形態では、指固定部材32は、幅方向のほぼ中央部が窪んだ形状となっており、指を指固定部材32上に載置した際に、指の腹部分を指固定部材32が受けて、装置幅方向(図7及び図8におけるX方向)に指ががたつくのを防止することができる。
指固定部3の天面奥側は開口する窓部33となっている。窓部33からは指固定部3内に挿入された指Uの爪Tが露出するようになっている。
また、指固定部3の天面手前側は指の浮き上がりを防止して指Uの上方向の位置を規制する指押え部34となっている。
さらに、本実施形態では、指挿入方向の奥側には、印刷対象である爪Tの先端部分を載置させて爪Tの高さ方向の位置を規制する爪載置部35が設けられている。爪載置部35の上面に爪Tの先を載置させることにより、爪Tの水平方向(すなわち、X方向及びY方向)の位置が規定されるとともに、その高さ方向の位置も規制される。
なお、指固定部3は、装置内から取り外せるように、着脱自在に構成されていてもよい。
なお、後述するように本実施形態のネイルプリント装置1は、吐出させるインクの種類が異なる2種類の印刷ヘッド(第1ヘッド41a及び第2ヘッド41b)を備えている。このため、キャップ部61も、各印刷ヘッド41a,41bに対応して2つ(第1キャップ部61a及び第2キャップ部61b)設けられている。このように、印刷ヘッド41に対応したキャップ部61a,61bが用意されていることにより、インク吐出面をキャッピングした際に印刷ヘッド41a,41bのインク吐出面に残っていたインクが混ざってインク吐出面を汚してしまう等の不具合を避けることができる。
また、メンテナンス機構7には、インク吐出面411をワイプ後にワイプ部72に接触して、ワイプ部72に付着・残留するインク等を掻きとり除去するスクレイプ部73が設けられている。
また、基台上面20の下側(裏面側)には仕切り板12が配置されている。本実施形態の仕切り板12には、凹状又は穴状に形成された指入れ部121が形成されている。仕切り板12と基台上面20との間の空間は、印刷中の指U以外の指等を待機させておく指待機部120となっている。印刷中はユーザが待機中の非印刷指を指待機部120に挿入し、指先を適宜指入れ部121に入れることで非印刷指を無理なく安定した状態に保つことができる。なお、指待機部120は、指固定部3、キャップ機構6及びメンテナンス機構7の妨げとならない位置に設けられる。
印刷部40は、印刷ヘッド41、印刷ヘッド41を支持するヘッドキャリッジ42、印刷ヘッド41をX方向(図7及び図8等におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動させるためのX方向移動機構45を構成するX方向移動モータ46(図9参照)、印刷ヘッド41をY方向(図7及び図8等におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動機構47を構成するY方向移動モータ48(図9参照)等を備えている。
本実施形態において印刷ヘッド41(印刷ヘッド41を支持するヘッドキャリッジ42)は、X方向移動機構45及びY方向移動機構47によって移動可能に構成されている。
印刷ヘッド41は、インクに対応する図示しないインクカートリッジと各インクカートリッジにおける印刷対象(爪Tの表面)に対向する面に設けられた図示しないインク吐出面とが一体に形成されたインクカートリッジ一体型のヘッドである。インク吐出面には、インクを吐出する複数のノズルからなるノズルアレイの吐出口(インク吐出口、図示せず)が列状に形成されている。印刷ヘッド41は、インクを微滴化し、インク吐出面(インク吐出面のインク吐出口)から爪Tの表面に対して直接にインクを吹き付けて印刷を行う。
第1ヘッド41aは、デザイン層Dを形成する色インク等を吐出させる第1の印刷部である。
第1ヘッド41aは、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)の各色の水溶性インクを吐出させデザイン層Dを形成するものである。なお、第1ヘッド41aは、上記3色のインクを吐出させるものに限定されない。その他のインクを貯留するインクカートリッジ及びインク吐出口を備えていてもよい。
また、第2ヘッド41bは、第2のベースコート層B2を形成する液体(第2のベースコート剤)を吐出させる第2の印刷部である。
第2ヘッド41bは、第1のベースコート層B1の上であってデザインに応じて決定される印刷対象領域に、第2のベースコート剤を吐出させて第2のベースコート層B2を形成するものである。
第1ヘッド41aと第2ヘッド41bとは、内部に貯留され印刷動作時に吐出させる液体の種類が違うほかは同一の構成であってもよいし、吐出させる液体の種類(液体の粘度や含有物の粒径等)に応じてインク吐出口の構成等が異なっていてもよい。
撮影部50は、爪T(爪Tを含む指U)を撮影して、爪Tを含む指Uの画像である爪画像を取得する撮影手段である。撮影部50は、撮影装置51と、照明装置52とを備えている。
本実施形態の撮影部50は、指を指固定部3に固定し、爪先を爪載置部35に載置した状態で、照明装置52で爪を照明して、撮影装置51によって撮影する。
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図4参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
なお、撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82等に記憶されてもよい。
図9は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図9に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)等により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
具体的には、記憶部82には、例えば爪画像から爪Tの形状や爪Tの輪郭、爪Tの幅、爪Tの曲率等の各種の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、印刷用データを生成するための印刷データ生成プログラム、印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、爪Tに印刷されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域821、撮影部50によって取得されたユーザの爪の爪画像や爪画像を解析することで得られた各種の爪情報(爪Tの輪郭や爪Tの幅、爪Tの傾斜角度(爪Tの曲率)等)を記憶する爪情報記憶領域822等が設けられている。
その後、ユーザが第1のベースコート剤を爪Tの表面全体に手塗することにより第1のベースコート層B1を形成する(図2(a)及び図2(b)参照)。
次に、爪T及び指Uをネイルプリント装置1の指固定部3に配置し、撮影制御部811の制御に従い撮影部50によって爪T及びこれを含む指Uを撮影して、爪画像を取得する。
爪画像が取得されると、爪情報取得手段である制御部81の爪情報検出部812が爪画像を画像解析等することにより、爪情報を取得する。爪情報検出部812によって取得される爪情報は、例えば爪Tの輪郭形状である爪形状や、爪Tの配置されている具体的な位置情報(x,y座標情報等)である。なお、爪情報はこれに限定されず、爪Tの湾曲具合である爪曲率等、各種の情報を含んでもよい。爪情報検出部812によって検出された結果は爪情報記憶領域822に記憶される。
例えば爪の先端部分のみにデザインを施すフレンチネイル等、部分的なデザインが選択されている場合には、印刷データ生成部813は、爪先部分等、当該デザインを施すべき部分の爪Tの形状にネイルデザインを合わせ込み、ユーザの爪Tの形状に合った印刷対象領域を設定する。
なお、ネイルデザインとして爪全体にプリントするデザインが選択されている場合には、印刷データ生成部813は爪情報検出部812によって検出された爪形状全体を印刷対象領域として設定する。そして、当該領域に第2のベースコート層B2を形成するための印刷用データを生成する。
そして、この印刷対象領域に対して第2ヘッド41bを用いて第2のベースコート剤を吐出させ、第1のベースコート層B1の上に第2のベースコート層B2を形成する(図3(a)及び図3(b)、図10(b)参照)。なお、第2のベースコート剤の印刷後に上記のようなメンテナンス動作を行ってもよい。また、印刷の前後いずれにおいてもメンテナンス動作を行うようにしてもよい。
なお、印刷後は、印刷ヘッドをホームポジションに戻してもよい。
このとき、仮にユーザの塗ったプレプリント剤が第2のベースコート層B2の上からはみ出し、本来ネイルプリントが施されるべきでないところまで白色等のプレプリント剤が乗ってしまった場合(図4(a)及び図4(b)参照)でも、第1のベースコート層B1と第2のベースコート層B2との撥水性等の違いにより、第1のベースコート層B1上にはみ出したプレプリント剤は表面張力によって自然にまとまり、第2のベースコート層B2の上に乗る。これにより、本来印刷すべき部分(第2のベースコート層B2が形成されている部分)のみに、皮膚等とは異なる白色等の色のインク受容層Wが形成される(図5(a)及び図5(b)参照)。
爪画像が取得されると、爪情報検出部812が爪画像を画像解析等することにより、改めて爪情報を取得する。このとき、爪情報検出部812は、爪Tのうち、インク受容層Wが形成されて、周りの皮膚等とは明らかに異なる色となっている部分を検出し、その形状や配置されている具体的な位置情報(x,y座標情報等)等を爪情報記憶領域822に記憶させる。
なお、爪曲率等についても爪情報記憶領域822に記憶されている場合には、印刷データ生成部813は、適宜曲面補正等を行って、印刷用データを生成してもよい。
そして、この印刷対象領域に対して第1ヘッド41aを用いてインクを吐出させ、インク受容層Wの上にデザイン層Dを形成する(図6(a)及び図6(b)参照)。
これにより、本実施形態におけるネイルプリント形成処理が終了する。
印刷制御部814は、メンテナンス動作終了後、印刷ヘッド41をホームポジション(図10(a)参照)に戻し、一連の印刷動作を終了する。
インク受容層W及びデザイン層Dを被覆するようにオーバーコート層を形成することにより、水溶性インクで印刷されたデザイン層の滲みや変色等を防止して、ネイルプリントをより長持ちさせることができる。
このように第1のベースコート層B1と第2のベースコート層B2とは、撥水性、濡れ性に差異があるため、第2のベースコート層B2上に塗布すべきプレプリント剤が第1のベースコート層B1の上にはみ出してしまった場合にも、プレプリント剤が弾かれて第2のベースコート層B2が形成されている部分のみに乗り、第2のベースコート層B2の上にインク受容層Wが正しく形成される。
最終的にデザイン層Dを形成する印刷対象範囲は、インク受容層Wの形成されている範囲を検出することで設定されるが、本実施形態では、ユーザの手塗で形成されるインク受容層Wが、機械的・自動的に形成される第2のベースコート層B2の形成領域に一致するため、ユーザの技術によらず、簡易かつ正確に印刷対象範囲を設定することができる。
このため、ユーザの爪Tにあった範囲に所望のネイルデザインをプリントしたネイルデザインを実現することができる。
印刷対象である爪Tは、指Uの皮膚等、周辺の組織の色とほぼ同様の色であり、また、爪Tの一部分のみにネイルプリントを施すような場合には、爪Tの中のどの部分に印刷を施すのか、印刷対象領域を他の部分と区別して設定、特定することが難しい。
この点、デザイン層Dの下地となるインク受容層Wを、爪Tや皮膚と区別しやすい色で形成することにより、印刷対象領域を容易かつ正確に検出することができる。
この点、本実施形態のようにインク受容層Wを形成するプレプリント剤を手塗することとすれば、インクジェット方式で吐出させることの難しい、インク受容層Wを白色等に発色させるのに十分な濃度のプレプリント剤を用いることが可能である。このため、画像解析によって明確に区別することができる程度のインク受容層Wを多数回塗り重ねる必要なく、簡易に形成することができる。
これにより、第2のベースコート層B2を、設定された範囲にネイルプリント装置1によって機械的・自動的に正確に形成することができる。
このため、ベースコートを手塗する場合と異なり、爪全体にネイルプリントを施す場合だけでなく、爪Tの一部分のみにネイルプリントを施すような場合にも、ネイルプリントを施す範囲内に正確に第2のベースコート層B2を形成することができる。
また、ネイルプリント装置1によって第2のベースコート層B2を形成するため、手塗する場合と異なり、繊細で複雑な範囲にも正確に第2のベースコート層B2を形成することができる。
例えば本実施形態の場合、第2のベースコート層B2を形成する第2のベースコート剤は、コロイダルシリカを成分として含んでいるため、第2のベースコート層B2は透明ではなくある程度白濁した層となる。
このため、第2のベースコート層B2が形成されている部分はある程度目視にて確認することができる。
そこで、ユーザがインク受容層Wを手塗する際には第2のベースコート層B2が塗布されている部分と塗布されていない部分の色の違いを手掛かりとして適切な範囲内にインク受容層Wをできるだけ正しいは簡易に塗布するようにしてもよい。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
爪の表面全体に形成された第1のベースコート層の上であって、デザインに応じて設定される、前記爪の領域内の印刷対象領域にネイルプリント装置を用いて第2のベースコート層を形成し、
前記第2のベースコート層の上に形成された受容層の上に、前記デザインに応じて生成された印刷用データに基づいて、前記ネイルプリント装置を用いてデザイン層を形成するものであり、
前記第1のベースコート層は、前記第2のベースコート層よりも撥水性が高く、前記受容層を形成する液体を弾く性質を有することを特徴とするネイルプリント形成方法。
<請求項2>
前記爪の爪形状を検出し、
検出された前記爪形状に前記デザインを合わせ込むことで前記印刷対象領域を設定することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント形成方法。
<請求項3>
前記受容層は、前記爪及び前記爪の周辺の皮膚と異なる色の液体によって形成され、
前記受容層が形成されている領域を前記印刷対象領域として設定して前記デザイン層を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント形成方法。
<請求項4>
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント形成方法に用いられるネイルプリント装置であって、
前記デザイン層を形成する色インクを吐出させる第1の印刷部と、
前記第2のベースコート層を形成する液体を吐出させる第2の印刷部と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
<請求項5>
前記爪の爪形状を検出する爪情報検出手段と、
前記爪形状に前記デザインを合わせ込むことで前記印刷対象領域を設定する印刷領域設定手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。
6 キャップ機構
7 メンテナンス機構
40 印刷部
41 印刷ヘッド
B1 第1のベースコート層
B2 第2のベースコート層
D デザイン層
W インク受容層
Claims (5)
- 爪の表面全体に形成された第1のベースコート層の上であって、デザインに応じて設定される、前記爪の領域内の印刷対象領域にネイルプリント装置を用いて第2のベースコート層を形成し、
前記第2のベースコート層の上に形成された受容層の上に、前記デザインに応じて生成された印刷用データに基づいて、前記ネイルプリント装置を用いてデザイン層を形成するものであり、
前記第1のベースコート層は、前記第2のベースコート層よりも撥水性が高く、前記受容層を形成する液体を弾く性質を有することを特徴とするネイルプリント形成方法。 - 前記爪の爪形状を検出し、
検出された前記爪形状に前記デザインを合わせ込むことで前記印刷対象領域を設定することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント形成方法。 - 前記受容層は、前記爪及び前記爪の周辺の皮膚と異なる色の液体によって形成され、
前記受容層が形成されている領域を前記印刷対象領域として設定して前記デザイン層を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント形成方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント形成方法に用いられるネイルプリント装置であって、
前記デザイン層を形成する色インクを吐出させる第1の印刷部と、
前記第2のベースコート層を形成する液体を吐出させる第2の印刷部と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。 - 前記爪の爪形状を検出する爪情報検出手段と、
前記爪形状に前記デザインを合わせ込むことで前記印刷対象領域を設定する印刷領域設定手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。
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