JP7306410B2 - 印刷方法、印刷装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、印刷方法印刷装置およびプログラムに関するものである。
従来、指の爪等にネイルデザイン及びネイルアート等の印刷を施す印刷装置(ネイルプリンタ)が知られている。このような印刷装置の使用の際には、印刷デザインの発色を良くするために白色の下地膜を用い、そしてその上からカラー印刷を施すことで鮮やかな発色を可能としている。
上記カラー印刷を、水性インクを用いたインクジェット印刷で行う場合に、上記下地膜を下地層とインク受容層の2層構成として、このインク受容層にインク吸収性を持たせることで、高精細なインク像を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2019-116078号公報
しかし、近年ではネイルサロン等において、あえて肌の色を利用したクリアカラーのデザインを施す事例も多くみられるようになった。従来、インク受容層を含む下地膜を白色等とすることでカラー印刷の印刷範囲を認識していたが、クリアカラーの場合、下地膜を白色とすればクリアカラーが得られないことが問題である。また、下地膜を透明にすると、肌の色は十人十色であるため、爪の色認識範囲が広くなり、正常に爪の印刷範囲が認識できないという問題がある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、被印刷対象物の所定の印刷領域に印刷される印刷層の当該印刷領域を認識可能としつつ、得られる印刷層の外観特性を損なわないインク受容層を形成することのできる、印刷方法印刷装置およびプログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の印刷方法は、
印刷ヘッドを制御して爪の表面全体にベースコート層を印刷するベースコート印刷ステップと、
前記印刷ヘッドを制御して前記ベースコート層上にインク受容層を印刷するインク受容層印刷ステップと、
を有し、
前記インク受容層印刷ステップは、
平均一次粒径が0.01μm以上1μm以下の無機粒子、被膜形成剤及び溶媒を含み、
前記無機粒子の含有量が、前記被膜形成剤の100質量部に対して8質量部以上20質量部以下であるインク受容層組成物によって構成される前記インク受容層を印刷する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、被印刷対象物の所定の印刷領域に印刷される印刷層の当該印刷領域を認識可能としつつ、得られる印刷層の外観特性を損なわないインク受容層を形成することのできる、印刷方法印刷装置およびプログラムを提供できる。
本実施形態に係るインク受容層組成物を用いた爪に形成された印刷体の一例の分解斜視図である。 本実施形態に係るインク受容層組成物を用いて爪に形成された印刷体の一例の平面図である。 図2に示す爪上に形成された印刷体の拡大断面図である。 本実施形態に係るインク受容層組成物を用いて爪に印刷体を形成する方法の一例を説明する平面図である。 図4Aに示す爪上に形成されたインク受容層を含む積層体の拡大断面図である。 本実施形態に係るインク受容層組成物を用いて爪に印刷体を形成する方法の一例を説明する平面図である。 図5Aに示す爪上に形成されたインク受容層を含む積層体の拡大断面図である。 本実施形態における印刷装置の一例の要部ブロック図である。
以下、必要に応じて図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本明細書において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[インク受容層組成物]
本発明のインク受容層組成物は、被印刷対象物上に形成されるインク受容層を構成するインク受容層組成物であって、前記インク受容層組成物は、平均一次粒径が0.01~1μmの無機粒子(以下、「無機粒子A」ともいう。)、被膜形成剤及び溶媒を含み、前記無機粒子の含有量が、前記被膜形成剤の100質量部に対して8~20質量部であることを特徴とする。上記において、インク受容層とインク受容層組成物の関係は、インク受容層がインク受容層組成物を用いて形成される関係である。
(被印刷対象物及び印刷体)
本発明のインク受容層組成物は、例えば、被印刷対象物上に順に形成されるインク受容層及び印刷層を含む印刷体の前記インク受容層の形成に用いられる。具体的には、本発明のインク受容層組成物は、被印刷対象物の表面に印刷を施す際に、印刷層の下層として、印刷層の直下に配設されるインク受容層を形成するために用いられる。
本明細書において、被印刷対象物上に形成するとは、被印刷対象物の表面に形成することをいい、当該表面に接するように形成されること以外に、当該表面に他の層を介在させて形成されることを含む。
本発明のインク受容層組成物を用いて得られるインク受容層は、無機粒子Aを所定量含有することにより、インク受容層上に何もない状態では、インク受容層に入射する光が散乱して乳白色を呈する。したがって、被印刷対象物の表面色によるが、被印刷対象物上の所定の領域に形成されたインク受容層の形成領域は、目視又は画像認識装置で認識可能である。
また、インク受容層の上に印刷層が形成された場合、光は印刷層に入射するため、インク受容層における光の散乱は抑制され、印刷層の画像に影響を及ぼすことがない。これは、印刷層がクリア印刷層であっても同様であり、クリア印刷層の透明性が損なわれることなく印刷体を形成することが可能となる。なお、クリア印刷層とは、透明性を有する印刷層をいい、カラークリア層であっても無色なクリア層であってもよい。
本発明のインク受容層組成物における効果をより顕著に発揮できる観点から、印刷層はクリア印刷層であることが好ましい。具体的には、印刷体を形成する所定の領域に、本発明のインク受容層組成物を用いて、目視又は画像認識装置で認識可能なインク受容層を形成することで、所定の領域へのクリア印刷層の形成が容易となる。また、得られる印刷体は、上記のとおりクリア印刷層の透明性を損なうものではない。
本発明に係る被印刷対象物は、白色以外の表面色を有することが好ましい。白色以外の色であれば、本発明のインク受容層組成物により得られるインク受容層の形成領域の認識が容易となる。また、本発明のインク受容層組成物は、印刷体を所定の領域に正確に印刷することが求められる用途への適用が好ましい。このような観点から被印刷対象物は爪であることが好ましい。
以下、爪を被印刷対象物として、図1~図3を参照して、爪の表面に印刷体を形成する場合を例に、本発明のインク受容層組成物を説明する。図1は本実施形態に係るインク受容層組成物を用いた爪に形成された印刷体の一例の分解斜視図である。図2は、本実施形態に係るインク受容層組成物を用いて爪に形成された印刷体の一例の平面図である。図3は、図2に示す爪上に形成された印刷体の拡大断面図である。
図1~3に示すとおり、印刷体10は、指Uの爪Tの表面全体に形成されている。印刷体10は、爪T側から順にベースコート層4、インク受容層1、印刷層2及びトップコート層3が積層されてなる。印刷体10において、インク受容層1が本発明のインク受容層組成物により形成されている。
なお、本発明に係る印刷体は少なくとも被印刷対象物側から順にインク受容層及び印刷層を有すればよく、ベースコート層及びトップコート層は任意の層である。図1~3に示すように、被印刷対象物が爪Tである場合、印刷体10は図1、3に示す4層構成であることが好ましい。本発明に係る印刷体は、さらに必要に応じてベースコート層及びトップコート層以外の任意の層を有してもよい。
ベースコート層4、インク受容層1、印刷層2及びトップコート層3は、それぞれベースコート層組成物、インク受容層組成物、印刷層組成物及びトップコート層組成物を用いて形成される。本発明のインク受容層組成物及び得られるインク受容層について説明すると共に、その他の層及びそれを形成するための組成物について説明する。
(インク受容層組成物及びインク受容層)
本発明のインク受容層組成物は、被膜形成剤、被膜形成剤の100質量部に対して8~20質量部の無機粒子A及び溶媒を含有する。インク受容層組成物は、これらの必須成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、これら必須成分以外の任意成分を含有してもよい。
本発明のインク受容層組成物において、インク受容層を構成する成分を固形分、それ以外の成分を非固形分という。被膜形成剤及び無機粒子Aは固形分である。溶媒は非固形分であり、インク受容層組成物を用いてインク受容層を作製する際に消失する成分である。
<被膜形成剤>
被膜形成剤は、インク受容層を主として構成する造膜成分である。インク受容層は、印刷体における印刷層の形成領域を認識可能とする役割を有するとともに、印刷層組成物(以下、「インク」ともいう。)を吸収して固定する作用(インク受容作用)を有することが好ましい。
インク受容層組成物において、被膜形成剤の含有量は、固形分全量に対して80~92質量%が好ましく、80~90質量%がより好ましい。被膜形成剤の含有量が上記範囲内であることで、得られるインク受容層は、被膜として所定の強度とインク受容作用を維持しながら、無機粒子Aを含有することによる効果を発揮し易い。
インクを吸収するために被膜形成剤は、インクの組成に応じて適宜選択される。インクが水性インクの場合、被膜形成剤は水溶性樹脂を含むことが好ましい。インクが非水性インクの場合、被膜形成剤は非水溶性樹脂を含むことが好ましい。
上記のとおり水性インクに対応する被膜形成剤は水溶性樹脂を含有することが好ましく、水溶性樹脂と非水溶性樹脂を併用してもよい。水溶性樹脂としては、インク溶媒の吸収性の観点から、ビニルピロリドン及びその誘導体の少なくとも1種に由来する重合単位を含有する樹脂(以下、「樹脂A」ともいう。)が好ましく、ビニルピロリドンに由来する重合単位を含有する樹脂がより好ましい。
樹脂Aは、ビニルピロリドン及びその誘導体の少なくとも1種に由来する重合単位以外のその他のビニルモノマーやビニルオリゴマーに由来する重合単位を含有していてもよい。その他のビニルモノマーやビニルオリゴマーとしては、酢酸ビニル、ビニル基を有するベタイン、メタクリル酸等が挙げられ、酢酸ビニルが好ましい。樹脂Aとしては、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体であることが特に好ましい。樹脂Aにおけるビニルピロリドン及びその誘導体の少なくとも1種に由来する重合単位の割合は、概ね、30~100モル%の範囲が好ましく、その範囲内で求められる物性に応じて割合が適宜調整される。
樹脂Aの分子量は、重量平均分子量で、20000~100000が好ましく、30000~60000がより好ましい。樹脂Aは、1種を単独で用いられてもよく2種以上を併用してもよい。水性インクに対応する被膜形成剤における、樹脂Aの割合は、被膜形成剤の全量に対して、25~50質量%が好ましく、30~40質量%がより好ましい。被膜形成剤中の樹脂Aの割合が25質量%未満であると、得られるインク受容層においてインク受容作用が十分でない場合がある。被膜形成剤中の樹脂Aの割合が50質量%を越えると、得られるインク受容層の強度が十分でない場合がある。
インクが水性インクの場合、被膜形成剤は、樹脂Aと樹脂A以外の樹脂を組み合わせて含有することが好ましい。樹脂A以外の樹脂は、被膜における樹脂Aが有する機能を補助する、あるいは被膜に追加の特定の機能を持たせるために用いられる。樹脂A以外の樹脂としては、ポリビニルアルコール及びその誘導体、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール等が挙げられる。被膜に機械的強度を付与するために、アクリル樹脂が好ましく用いられる。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸及びその誘導体の少なくとも1種に由来する重合単位を含有する樹脂である。「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を示す。(メタ)アクリル酸の誘導体としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸の塩等が挙げられる。アクリル樹脂は(メタ)アクリル酸及びその誘導体の少なくとも1種に由来する重合単位以外のその他のビニルモノマーやビニルオリゴマーに由来する重合単位を含有していてもよい。その他のビニルモノマーやビニルオリゴマーとしては、スチレン、ビニル基を有するウレタン等が挙げられる。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸の塩と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が好ましい。塩としては、ナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられ、アンモニウム塩が好ましい。重合単位に塩を含むアクリル樹脂は、水溶性を有する点で好ましい。
アクリル樹脂の分子量は、重量平均分子量で、20000~100000が好ましく、30000~60000がより好ましい。アクリル樹脂は、1種を単独で用いられてもよく2種以上を併用してもよい。水性インクに対応する被膜形成剤における、アクリル樹脂の割合は、被膜形成剤の全量に対して、50~75質量%が好ましく、60~70質量%がより好ましい。被膜形成剤中のアクリル樹脂の割合が50質量%未満であると、得られるインク受容層の強度が十分でない場合がある。被膜形成剤中の樹脂Aの割合が50質量%を越えると、得られるインク受容層においてインク受容作用が十分でない場合がある。
インクが水性インクの場合、被膜形成剤は、樹脂A及びアクリル樹脂からなることが好ましい。
インクが非水性インクの場合の被膜形成剤が含有する非水溶性樹脂としては、非水性インクに用いる公知の非水溶性樹脂を用いることができる。非水溶性樹脂としては、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
なお、インク受容層組成物は、活性エネルギー線又は熱硬化型の被膜形成剤を含有してもよい。この場合、被膜形成剤としては、活性エネルギー線又は熱により反応して硬化する重合性モノマー等の樹脂原料が用いられる。
<無機粒子A>
無機粒子Aの平均一次粒径は0.01~1μmである。また、インク受容層組成物における無機粒子Aの含有量は、被膜形成剤の100質量部に対して8~20質量部である。無機粒子Aの平均一次粒径が当該範囲内にあることで、インク受容層内に上記所定量が配合された場合に、インク受容層単独では、乳白色を呈することができる。これにより、インク受容層上に形成する印刷層の形成領域が認識し易くなる。なお、インク受容層単独では乳白色を呈するものの、印刷層と組み合わせた場合には、印刷層の色や透明性等の外観特性を損なうことが殆どない。
無機粒子Aの平均一次粒径が1μmを越えると白色の度合いが強くなり、印刷層の色や透明性等の外観特性を損なう点で問題である。無機粒子Aの平均一次粒径が0.01μm未満であると、得られるインク受容層は、透明性が向上し、形成範囲を認識できる程度に乳白色を呈することができない。
本明細書において、無機粒子Aの平均一次粒径は、レーザー回折法により測定される粒径分布から求められる体積基準メジアン径(D50)をいう。レーザー回折法による粒径分布測定装置としては、例えば、LA-920(堀場製作所社製)等が挙げられる。
無機粒子Aの平均一次粒径は、上記効果をより顕著なものとするために0.1~0.8μmであることが好ましく、0.2~0.5μmがより好ましい。
また、無機粒子Aの含有量が、被膜形成剤の100質量部に対して8質量部未満であると、得られるインク受容層は、透明性が向上し、形成範囲を認識できる程度に乳白色を呈することができない。無機粒子Aの含有量が、被膜形成剤の100質量部に対して20質量部を越えると、得られるインク受容層は、白色の度合いが強くなり、印刷層の色や透明性等の外観特性を損なう点及びインク受容性が十分に得られなくなる点で問題である。
無機粒子Aの含有量は、上記効果をより顕著なものとするために、被膜形成剤の100質量部に対して10~20質量部であることが好ましく、10~15質量部がより好ましい。
無機粒子Aは、インクの吸着性の観点から、平均一次粒径が上記範囲にある金属酸化物粒子であることが好ましい。金属酸化物粒子として、具体的には、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化チタン粒子及び酸化ケイ素粒子が挙げられ、酸化アルミニウム粒子、酸化チタン粒子及び酸化ケイ素粒子が好ましい。酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化チタン粒子及び酸化ケイ素粒子は、白色の隠蔽性の点で好ましい。
無機粒子Aとしては、これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、各無機粒子の平均一次粒径が0.01~1μmでない場合であっても、2種以上を併せた場合に平均一次粒径が0.01~1μmとなればよい。好ましい態様としては、各無機粒子の平均一次粒径が0.01~1μmの範囲内にある態様である。
無機粒子Aとしては、上記各粒子の内でも、平均一次粒径が上記範囲内にある酸化アルミニウム粒子が、水性インクのインク吸着性及び耐水性に優れる点で特に好ましい。また、酸化ジルコニウム粒子は、被膜強度を高める観点から好ましい。
無機粒子Aは、平均一次粒径が上記範囲であれば、粒子形状は特に制限されない。粒子形状としては、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の形状が挙げられ、球状又は球状に近い形状が好ましい。
<任意の固形分>
本発明のインク受容層組成物は、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、任意の固形分を含有してもよい。任意の固形分としては、上記無機粒子A以外の無機又は有機粒子、pH調整剤、増粘剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、耐候剤等が挙げられる。
<溶媒>
本発明のインク受容層組成物は、被膜形成剤を溶解する溶媒を含有する。固形分組成及びインク受容層の形成方法等によるが、インク受容層組成物における固形分の含有量は、インク受容層組成物全量に対して10~30質量%が好ましく、15~25質量%がより好ましい。すなわち、インク受容層組成物における溶媒の含有量は、インク受容層組成物全量に対して70~90質量%が好ましく、75~85質量%がより好ましい。
インク受容層組成物中の固形分の含有量が上記範囲外では、インク受容層組成物の粘度が適当でなく、インク受容層の製膜時の操作性が良好でない場合がある。
被膜形成剤が水溶性樹脂、例えば、樹脂Aを含有する場合、溶媒は水を含有する。この場合、インク受容層組成物は、水以外に水と溶解性の親水性有機溶媒を含有してもよい。この場合、溶媒中の水の含有量は80~100質量%が好ましく、85~90質量%がより好ましい。水とともに用いる親水性有機溶媒としては、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
親水性有機溶媒としては、フェノキシエタノール等のアルコキシアルコールや変性アルコールを用いてもよい。インク受容層組成物における溶媒としては、固形分を組成物に配合する際に固形分と共に持ち込まれる溶媒を含んでいてもよい。例えば、樹脂Aとアクリル樹脂をインク受容層組成物に配合する場合、樹脂A及びアクリル樹脂はそれぞれ溶媒に溶解した溶液の状態で準備されることがある。その場合、樹脂A及びアクリル樹脂はそれぞれの溶媒とともにインク受容層組成物に配合してもよい。
インクが非水性インクの場合のインク受容層組成物は、非水溶性樹脂を含有することが好ましく、その場合の溶媒としては、公知の有機溶媒から非水溶性樹脂の種類に応じて、適宜選択することができる。
<好ましい組成>
本発明のインク受容層組成物は、水性インクが適用されるインク受容層を形成するインク受容層組成物であることが好ましい。その場合の好ましい組成として例えば以下の組成が挙げられる。
好ましいインク受容層組成物としては、例えば、組成物全量に対して、樹脂Aを6~10質量%、アクリル樹脂を10~14質量%、無機粒子Aを1.5~4質量%(ただし、樹脂Aとアクリル樹脂の合計100質量部に対して8~20質量部)、水を60~90質量%、低級アルコールを含む水以外の親水性有機溶媒を0~18質量%含有する組成物が挙げられる。
本発明のインク受容層組成物を用いてインク受容層を形成する方法については、後述の印刷方法において詳細に説明する。
<インク受容層>
本発明のインク受容層組成物を用いて得られるインク受容層は、例えば、図3に示す断面を有する。図3に示すインク受容層1は、マトリックス12中に無機粒子A(11)が分散して構成される。マトリックス12は、インク受容層組成物中の無機粒子A以外の固形分成分からなる。マトリックス12は、主として被膜形成剤から構成される。インク受容層1の印刷層2側の表面S1は、無機粒子A(11)が適度に表面S1に露出していることが好ましい。
インク受容層1は、無機粒子A(11)を所定量含有することにより、後述の図4Bに示すようにインク受容層1上に何もない状態では、インク受容層1に入射する光が散乱して乳白色を呈する。これにより、平面視(図4A)において、インク受容層1の形成領域は、目視又は画像認識装置で認識可能である。
インク受容層の厚さは用途に応じて適宜調整される。被印刷対象物が爪の場合、概ね5~50μmが好ましく、10~30μmがより好ましい。インク受容層の厚さが上記範囲内であれば、インク受容層は、インク受容層上に何もない状態で目視又は画像認識装置で、その形成領域が十分に認識可能な程度に、乳白色を呈することができる。
インク受容層は、例えば、透明基板上に作製し黒色の紙上で測色計により測定されるL色座標において、明度を示すLの値に基づいて評価可能である。インク受容層のL色座標におけるLは、60~70の範囲が好ましい。測色計としては、例えば、eXact(x-rite社製)が使用できる。Lが60以上であれば、インク受容層は目視又は画像認識装置で、その形成領域が十分に認識可能である。Lが70以下であれば、インク受容層上に形成される印刷層の外観に影響を及ぼすことが殆どない。
(インク及び印刷層)
印刷層はインク受容層の上に形成される層であり、所定のデザインに応じてインクを用いて印刷される層である。印刷層の形成に用いるインクは、水性インクであっても非水性インクであってもよい。皮膚への安全性の観点から水性インクが好ましい。
印刷層は、クリア印刷層であると、本発明のインク受容層組成物を用いて得られるインク受容層の効果が顕著となる。クリア印刷層は、カラークリア層であっても無色なクリア層であってもよい。これらの印刷層を形成するためのインクは、公知のカラークリアインク及びクリアインクを用いることができる。
水性のカラークリアインクは、水及び色材を含有し、これ以外にも必要に応じて親水性有機溶媒及びその他の成分を含有することができる。当該インクは、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
水性のカラークリアインクに含有される色材としては公知のものを用いることができる。その中でも、インク受容層にインクを付与した後の表面の平滑性を維持するために、色材として染料を用いることが好ましい。
水性インクは、被膜形成剤として水溶性樹脂を含有してもよい。水溶性樹脂としては、水性インクに用いられる公知の水溶性樹脂を用いることができる。水性インクは、さらに水溶性樹脂以外の被膜形成剤を含有してもよい。
水性インクが被膜形成剤を含有しないか、含有しても含有量が少ない場合、水性インクは、得られる印刷層が独立した層としての厚さを有しない程度に、インク受容層に吸収される。この場合、インク受容層と印刷層は一体化した層となる。ここで、インク受容層と印刷層が一体化した層では、インク受容層が含有する無機粒子Aの作用により、外観が乳白色となる場合がある。印刷体の外観をクリアにしたい場合には、印刷層の上にさらにトップコート層を設けることが好ましい。
水性インクが被膜形成剤を含有する場合、印刷層は、例えば、図1及び図3に示すような所定の厚さを有する層(印刷層2)である。ただし、この場合も、水性インクはインク受容層に吸収されることからインク受容層と印刷層の間には互いの成分が相溶した相溶層が存在する。この場合の相溶層を除く印刷層の厚さは、全体として均一な厚さとなるように適宜調整される。印刷層の厚さが均一に形成されれば、印刷体の外観をクリアにしたい場合に、十分な透明感を得ることが可能である。
非水性インクの場合も、水性インクの場合と同様に、公知の非水性インクを用いることができる。
インクは、活性エネルギー線又は熱硬化型の被膜形成剤を含有してもよい。この場合、被膜形成剤としては、活性エネルギー線又は熱により反応して硬化する重合性モノマー等の樹脂原料が用いられる。
(ベースコート層及びトップコート層)
ベースコート層は、被印刷対象物とインク受容層の間に配設される。ベースコート層は例えば、被印刷対象物とインク受容層の接着性を向上させる、被印刷対象物の表面を平坦化するために設けられる。
ベースコート層の主たる構成材料としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂やセルロース及びその誘導体、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ベースコート層は本発明の効果を損なわない範囲で色材やフィラーを含有してもよい。
ベースコート層の形成に用いるベースコート層組成物は、例えば、上に記載した樹脂と樹脂の種類に応じた溶媒を含有する。なお、ベースコート層を構成する樹脂は、活性エネルギー線又は熱により反応・硬化して得られる樹脂であってもよい。その場合、ベースコート層組成物は、樹脂原料として、重合性モノマー等を含有する。ベースコート層組成物は、必要に応じて、インクと同様に、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
ベースコート層の厚さは用途に応じて適宜調整される。被印刷対象物が爪の場合、概ね20~100μmが好ましく、40~80μmがより好ましい。ベースコート層の厚さが上記範囲内であれば、上記ベースコート層の機能を十分に果たすことができる。
トップコート層は、印刷層上に配設される。トップコート層は例えば、印刷層を保護するために設けられる。また、印刷体の外観をクリアとする場合であって、印刷層の厚さが十分でない場合には、トップコート層を設けることで印刷体に透明性を付与することが可能となる。印刷層の厚さが十分でない場合は、無機粒子Aが印刷層側に微細な凹凸を形成するため、光の乱反射によって外観が白色又は白色に近い色に見えることがある。この上にトップコートを設けると、微細な凹凸が覆われて光の乱反射が抑制されるため、印刷体が透明になる。
トップコート層の主たる構成材料としては、セルロース及びその誘導体、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。トップコート層は本発明の効果を損なわない範囲で色材やフィラーを含有してもよい。
トップコート層の形成に用いるトップコート層組成物は、例えば、上に記載した樹脂と樹脂の種類に応じた溶媒を含有する。なお、トップコート層を構成する樹脂は、活性エネルギー線又は熱により反応・硬化して得られる樹脂であってもよい。その場合、トップコート層組成物は、樹脂原料として、重合性モノマー等を含有する。トップコート層組成物は、必要に応じて、インクと同様に、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
トップコート層の厚さは用途に応じて適宜調整される。被印刷対象物が爪の場合、概ね20~100μmが好ましく、40~80μmがより好ましい。トップコート層の厚さが下限値以上であれば、印刷体の外観をクリアとする際に印刷層の厚さが十分でない場合であっても印刷体の透明性を十分に確保できる。
[印刷方法]
本発明の印刷方法は、被印刷対象物上に前記被印刷対象物側から順にインク受容層及び印刷層を含む印刷体を形成する印刷方法であって、以下の(1)及び(2)の工程を有することを特徴とする。
(1)被印刷対象物上の印刷層が形成される領域に、本発明のインク受容層組成物を用いてインク受容層を形成する工程(以下、「インク受容層形成工程」ともいう。)
(2)(1)の工程後、インク受容層が形成された領域を画像認識により検出し、検出された領域に印刷層を形成する工程(以下、「印刷層形成工程」ともいう。)
さらに、本発明の印刷方法は、印刷体がベースコート層を有する場合には、インク受容層形成工程の前に被印刷対象物上の印刷層が形成される領域に、ベースコート層を形成する工程(以下、「ベースコート層形成工程」ともいう。)を有する。また、印刷体がトップコート層を有する場合には、印刷層上にトップコート層を形成する工程(以下、「トップコート層形成工程」ともいう。)を有する。
以下、図1~図3に示す、爪を被印刷対象物として爪T側から順にベースコート層4、インク受容層1、印刷層2及びトップコート層3が積層されてなる印刷体10の作製方法を例に、図1~図3と共に図4A~図5Bを参照しながら本発明の印刷方法を説明する。
図4Aは、本実施形態に係るインク受容層組成物を用いて爪に印刷体を形成する方法の一例を説明する平面図であり、図4Bは、図4Aに示す爪上に形成されたインク受容層を含む積層体の拡大断面図である。図5Aは本実施形態に係るインク受容層組成物を用いて爪に印刷体を形成する方法の一例を説明する平面図であり、図5Bは、図5Aに示す爪上に形成されたインク受容層を含む積層体の拡大断面図である。
(ベースコート層形成工程)
爪T上の印刷層2が形成される領域(以下、印刷領域)PAに、ベースコート層4を形成する。印刷領域は印刷層2のデザインに応じて適宜選択される。印刷領域PAは、例えば、爪Tの表面STの全領域である。ベースコート層4は、例えば、ベースコート層組成物を印刷領域PAに塗布し、溶媒を乾燥させることで形成される。なお、被膜形成剤の種類に応じて硬化のための加熱又は活性エネルギー線の照射が適宜行われる。
ベースコート層組成物の塗布方法は、スクリーン印刷法、コーター法、刷毛塗り等の公知の塗布方法から、被印刷対象物に応じた方法が適宜選択される。爪を被印刷対象物とする場合、目視で印刷領域を確認しながら刷毛塗りで塗布を行うことが好ましい。ベースコート層組成物の塗布量は、得られるベースコート層の厚さが上記した厚さとなる量であることが好ましい。
上記塗布により爪T上にはベースコート層組成物の塗膜が形成される。塗膜からの溶媒の乾燥(除去)は、室温に放置する自然乾燥が、乾燥被膜の均一性の点で好ましい。必要に応じて、ドライヤー等による加熱を行ってもよい。
(インク受容層形成工程)
インク受容層1は、ベースコート層4上に形成される。図4A及び図4Bは、指Uの爪T上にベースコート層4及びインク受容層1がその順に形成された状態を示す平面図及び拡大断面図である。
インク受容層1の形成は、上に説明した本発明のインク受容層組成物を用いて行う。インク受容層形成工程においてインク受容層組成物はベースコート層4の爪Tとは反対側の表面S4に塗布される。ベースコート層4が印刷領域に対応して形成されている場合、インク受容層組成物は、ベースコート層4の表面S4の全領域に塗布される。ベースコート層4の形成領域は、通常、印刷領域に対応している。ベースコート層4の形成領域が印刷領域に対応していない場合、インク受容層組成物は、ベースコート層4の表面S4上の印刷領域に塗布される。
インク受容層組成物の塗布方法及び塗布されたインク受容層組成物の塗膜からの溶媒の乾燥(除去)方法は、ベースコート層組成物の塗布方法及びベースコート層組成物の塗膜からの溶媒の乾燥(除去)方法と、同様の方法を用いることが可能である。インク受容層組成物の塗布量は、得られるインク受容層の厚さが上記した厚さとなる量であることが好ましい。
このようにして、爪Tの表面STの全領域を印刷領域PAとして、印刷領域PAにベースコート層4及びインク受容層1がその順に形成された状態の平面図が図4Aに、断面図が図4Bにそれぞれ示されている。インク受容層1の表面S1側から見た平面視において、印刷領域PAは、上に説明したとおり乳白色を呈する。印刷領域PAの乳白色は、印刷領域PA(爪T)の外側の指Uの皮膚の色と明らかに区別可能である。この区別は、皮膚の色が多少異なる場合であっても同様に可能である。このように、印刷領域PAが乳白色を呈することで、印刷領域PAは目視において又は画像認識装置において明確に認識可能である。これにより、以下の印刷層形成工程において印刷層2を所定の印刷領域PAに正確に形成することが可能である。
(印刷層形成工程)
印刷層2は、インク受容層1のベースコート層4側とは反対側の表面S1の全領域(印刷領域PA)に形成される。図5A及び図5Bは、指Uの爪T上にベースコート層4、インク受容層1及び印刷層2がその順に形成された状態を示す平面図及び拡大断面図である。
印刷層2は、上に説明したインクを用いて行うことができる。印刷層形成工程においてインクはインク受容層1の表面S1の全領域(印刷領域PA)に塗布される。この際、インクが塗布される領域である印刷領域PA、すなわち、インク受容層1の表面S1の全領域を画像認識により検出し、この検出された領域に、実際にインクの塗布が行なわれる。
画像認識の方法としては、公知の方法が用いられる。例えば、撮影装置により図4Aに示されるようなインク受容層1の表面S1の全領域を印刷領域PAとして含む指Uの画像を撮影し、撮影した画像から、画像認識装置等の画像検出手段により、上記色の違いに基づいて印刷領域PAを検出する方法が挙げられる。画像認識装置としては、例えば、後述する印刷装置における領域検出部と同様の機能を有する装置が挙げられる。
インクの塗布は、検出された印刷領域PAに対して、例えば、印刷装置を用いて行う。印刷装置としては、指定された領域、ここでは、上記で検出された印刷領域PAにインクを吐出するように制御された印刷装置であれば、特に制限されない。
印刷領域PAに塗布されたインクの塗膜からの溶媒の乾燥(除去)方法は、ベースコート層組成物の塗膜からの溶媒の乾燥(除去)方法と、同様の方法を用いることが可能である。インクの塗布量は、得られる印刷層の厚さが上記した厚さとなる量であることが好ましい。
上記方法によれば、所望の印刷領域に正確に印刷層を形成することが可能である。さらに、印刷体の外観をクリアとする設計、例えば、印刷層がクリア印刷層である設計において、印刷体の透明性を十分に確保できる。
なお、印刷層形成工程は、画像認識装置と印刷装置を用いない方法、例えば、インク受容層1の表面S1の全領域(印刷領域PA)を目視で認識し、認識された印刷領域PAに人の手でインクを刷毛塗りする等の方法であっても、画像認識装置と印刷装置を用いる方法と同様の効果が得られる。
(トップコート層形成工程)
印刷領域PA上に形成された印刷層2のインク受容層1側とは反対側の表面S2の全領域に、トップコート層組成物を用いてトップコート層3を形成する。これにより、爪Tの表面STに順に形成されたベースコート層4、インク受容層1、印刷層2及びトップコート層3からなる印刷体10の作製が終了する。トップコート層3を形成することで印刷層2の保護が可能であり、さらに無機粒子Aが印刷層2側に微細な凹凸を形成することで外観が白色又は白色に近い色に見える場合には、微細な凹凸が覆われて光の乱反射が抑制されるため、作製される印刷体10が透明になる。
トップコート層組成物の塗布方法及び塗布されたトップコート層組成物の塗膜からの溶媒の乾燥(除去)方法は、トップコート層組成物の塗布方法及びトップコート層組成物の塗膜からの溶媒の乾燥(除去)方法と、同様の方法を用いることが可能である。インク受容層組成物の塗布量は、得られるトップコート層の厚さが上記した厚さとなる量であることが好ましい。
図2及び図3は、指Uの爪Tの表面の全領域(印刷領域PA)に上記のとおり形成された印刷層10の平面図及び拡大断面図を示す。トップコート層3の印刷層2と反対側の表面Sが印刷体の表面Sである。印刷体を表面S側から平面視した場合、印刷領域PAは指Uとの境界が明確となるように形成されている。また、印刷体10の外観をクリアとする設計の場合、透明性が高く形成することができる。
[印刷装置]
本発明の印刷装置は、被印刷対象物上の本発明のインク受容層組成物を用いて形成されたインク受容層上に印刷層を印刷する印刷装置であって、前記印刷層を印刷するヘッドと、前記ヘッドを制御する制御手段とを備える。前記制御手段は、前記インク受容層が形成された領域を画像認識により検出し、前記ヘッドを動作させて前記検出された領域内に印刷層を印刷させる。
図6は、本実施形態における印刷装置の一例の要部ブロック図である。図6に示すように、印刷装置100は、制御部30、ヘッド41を備える印刷部40及び撮影部50等を備えている。撮影部50は、インク受容層が形成された領域の画像を撮影する部材である。制御部30は、撮影部50から当該画像を取得し、画像認識によりインク受容層が形成された領域を検出し、ヘッド41を動作させて当該領域内に印刷層を印刷させる。以下、各部を詳細に説明する。
印刷部40は、印刷動作を行うヘッド41、ヘッド41及びヘッド41を移動させるためのヘッド移動機構42等を備えている。
ヘッド41は、印刷領域を示すインク受容層1が形成された領域に印刷層2を印刷するものであり、インクの吐出が可能な構成となっている。ヘッド41は、例えば、インク受容層1の表面S1に対向する面がインクを吐出させる複数のノズル口を備えたインク吐出面となっており、インクを微滴化し、インク吐出面からインク受容層1の表面S1に対して直接にインクを吹き付けて印刷を行うインクジェット方式のインクジェットヘッドである。
ヘッド移動機構42は、例えば、ヘッド41を装置の前後方向及び左右方向にそれぞれ移動させるための移動機構を備える。ヘッド移動機構42の移動及びヘッド41のインク吐出の動作は制御部30の印刷制御部33によって制御される。
撮影部50は、例えばカメラ等である撮影装置51を備えている。撮影部50は、後述する制御装置30の撮影制御部31に接続されており、撮影制御部31によって制御されるようになっている。撮影装置51によって撮影された画像は、撮影制御部31において取得される。例えば、撮影部50は、ヘッド41を移動させるヘッド移動機構42によって前後方向及び左右方向に移動可能に構成されていてもよい。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成されるコンピュータである。印刷装置100は、印刷処理を行うための印刷プログラム等のプログラムを記憶する記憶部(図示せず)を有し、このプログラムが制御部30において実行されることによって、印刷装置100の各部が統括制御されるようになっている。
制御部30は、撮影制御部31、領域検出部32、印刷制御部33等を備えている。これら撮影制御部31、領域検出部32、印刷制御部33等としての機能は、制御部30と記憶部に記憶されたプログラムとの協働によって実現される。
撮影制御部31は、撮影部50の撮影装置51を制御して、インク受容層1が形成された領域(インク受容層形成領域)の画像を撮影させる。撮影部50により取得されたインク受容層形成領域の画像は、撮影制御部31に送られる。撮影制御部31は、こうした画像(画像のデータ)を取得する画像取得手段として機能する。
領域検出部32は、画像取得手段である撮影制御部31によって取得された画像に基づいて、インク受容層形成領域の輪郭情報を検出する制御手段である。そして、検出されたインク受容層形成領域の輪郭情報及び記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、印刷制御部33がヘッド移動機構42及びヘッド41を動作させてインク受容層形成領域内に印刷層を印刷させる。
領域検出部は、例えば撮影部によって取得された画像について、画像認識・画像処理を行って画素値や輝度値を求め、インク受容層が形成された領域とそれ以外の領域の画素値や輝度値の差からインク受容層形成領域を検出する。ここで、インク受容層形成領域は、乳白色を呈し、例えば、被印刷対象物が爪である場合、インク受容層形成領域(爪Tの領域)の乳白色とその外側の指Uの皮膚の色(肌色)との色差から、インク受容層形成領域を検出する。具体的な検出手法としては機械学習におけるクラスタリング等の手法を適用することができる。なお、領域検出部におけるインク受容層形成領域の検出手法は、ここに例示したものに限定されず、各種の手法を適用することが可能である。
本発明のインク受容層組成物を用いて形成されたインク受容層は、乳白色を呈することから、上記印刷装置において輪郭情報の検出を精度よく実行できる。これにより、印刷層の形成を所期の範囲に精度よく行うことが可能となる。また、印刷層がクリア印刷層である場合に、透明性も確保される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」及び「部」は、それぞれ、「質量%」及び「質量部」を意味する。
[例1~9]
以下の方法でインク受容層組成物を作製し、評価した。例1、4、7は実施例であり、例2、3、5、6、8、9は比較例である。
<インク受容層組成物1~9の作製>
以下の材料を用いてインク受容層組成物1~9を作製した。
(被膜形成剤)
アコーンM(大阪有機化学工業社製);酢酸ビニル-ビニルピロリドン共重合体(重量平均分子量;約50000、以下「VP/VA共重合体」ともいう。)を固形分として50%含有する溶液であり、溶媒として水及びエタノールをそれぞれ25%含有する。
ビニゾール1076DM(大同化成社製);(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキル(C1-4、C8)の共重合体のアンモニウム塩(以下「アクリル樹脂A」ともいう。)を固形分として40%含有する溶液であり、溶媒として水を60%含有する。
(無機粒子)
酸化アルミニウム;平均一次粒径0.35μmの球形粒子
酸化チタン;平均一次粒径0.29μmの球形粒子
酸化ケイ素;平均一次粒径0.40μmの球形粒子
(インク受容層組成物1~9の調製)
アコーンMの20質量部とビニゾール1076DMの25重量部を水55質量部に溶解し30分撹拌して混合して受容層原液Aを得た。受容層原液A100質量部中の、VP/VA共重合体及びアクリル樹脂Aの量はそれぞれ10質量部、水及びエタノールの量はそれぞれ75質量部及び5質量部である。
受容層原液A100質量部に対して、表1に示す種類の無機粒子を表1に示す質量部で添加し、混合してインク受容層組成物1~9を調製した。表1には、無機粒子の質量部を含む形で、インク受容層組成物の組成(質量部)を示す。さらに、表1には、被膜形成剤100質量部に対する無機粒子の質量部を示した。表1中、空欄は当該成分を含有しないことを示す。
<評価>
上記で得られたインク受容層組成物1~9をそれぞれ透明基板上に刷毛で塗布し、室温で5分間乾燥し溶媒を除去して、厚さ20μmのインク受容層を形成した。
(明度L
得られたインク受容層を透明基板ごと、透明基板を下にして黒色の紙の上に載置し、測色計eXact(x-rite社製)によりL色座標を測定した。得られた明度Lの値を用いて以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
〇;Lが60~70の範囲内である。
×1;Lが60未満であり画像認識装置において白色と認識されない。
×2;Lが70を超え、濃い白色となり、印刷層の外観に影響を及ぼす。
(塗工性)
上記インク受容層組成物1~9を用いたインク受容層の形成時に、透明基板上へ塗工性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
〇;塗工性が良好であり、均一なインク受容層の形成が可能である。
×; 塗工が困難であり、均一なインク受容層が形成できない。
Figure 0007306410000001
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
被印刷対象物上に形成されるインク受容層を構成するインク受容層組成物であって、
平均一次粒径が0.01μm以上1μm以下の無機粒子、被膜形成剤及び溶媒を含み、
前記無機粒子の含有量が、前記被膜形成剤の100質量部に対して8質量部以上20質量部以下であることを特徴とするインク受容層組成物。
<請求項2>
前記被印刷対象物は爪である請求項1に記載のインク受容層組成物。
<請求項3>
前記無機粒子は金属酸化物粒子である請求項1又は請求項2に記載のインク受容層組成物。
<請求項4>
前記金属酸化物が、酸化アルミニウム、酸化チタン及び酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載のインク受容層組成物。
<請求項5>
前記被膜形成剤が、ビニルピロリドン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種に由来する重合単位を含有する樹脂とアクリル樹脂を含む請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインク受容層組成物。
<請求項6>
前記溶媒が、水又は水と親水性有機溶媒を含有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインク受容層組成物。
<請求項7>
被印刷対象物上に前記被印刷対象物側から順にインク受容層及び印刷層を含む印刷体を形成する印刷方法であって、
前記被印刷対象物上の前記印刷層が形成される領域に、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインク受容層組成物を用いてインク受容層を形成する工程と、
前記インク受容層が形成された領域を画像認識により検出し、前記検出された領域に前記印刷層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする印刷方法。
<請求項8>
前記印刷層が、クリア印刷層である請求項7に記載の印刷方法。
<請求項9>
被印刷対象物上の請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインク受容層組成物を用いて形成されたインク受容層上に印刷層を印刷する印刷装置であって、
前記印刷層を印刷するヘッドと、
前記ヘッドを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記インク受容層が形成された領域を画像認識により検出し、前記ヘッドを動作させて前記検出された領域内に印刷層を印刷させる
ことを特徴とする印刷装置。
100 印刷装置
30 制御部
31 撮影制御部
32 領域検出部
33 印刷制御部
40 印刷部
41 ヘッド
42 ヘッド移動機構
50 撮影部
51 撮影装置

Claims (8)

  1. 印刷ヘッドを制御して爪の表面全体にベースコート層を印刷するベースコート印刷ステップと、
    前記印刷ヘッドを制御して前記ベースコート層上にインク受容層を印刷するインク受容層印刷ステップと、
    を有し、
    前記インク受容層印刷ステップは、
    平均一次粒径が0.01μm以上1μm以下の無機粒子、被膜形成剤及び溶媒を含み、
    前記無機粒子の含有量が、前記被膜形成剤の100質量部に対して8質量部以上20質量部以下であるインク受容層組成物によって構成される前記インク受容層を印刷する、
    ことを特徴とする印刷方法。
  2. 前記無機粒子は金属酸化物粒子である請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前記金属酸化物が、酸化アルミニウム、酸化チタン及び酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の印刷方法。
  4. 前記被膜形成剤が、ビニルピロリドン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種に由来する重合単位を含有する樹脂とアクリル樹脂を含む請求項1から請求項のいずれか一項に記載の印刷方法。
  5. 前記溶媒が、水又は水と親水性有機溶媒を含有する請求項1から請求項のいずれか一項に記載の印刷方法。
  6. 爪の表面全体に形成されたベースコート層上に、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のインク受容層組成物を用いて形成されたインク受容層上に印刷層を印刷する印刷装置であって、
    前記印刷層を印刷するヘッドと、
    前記ヘッドを制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記インク受容層が形成された領域を画像認識により検出し、前記ヘッドを動作させて前記検出された領域内に印刷層を印刷させる
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 爪の表面全体に前記爪の表面側から順にベースコート層、インク受容層、印刷層を形成する印刷方法であって、
    前記爪の表面の全体にベースコート層を形成する工程と、
    前記爪の表面の前記印刷層が形成される領域に、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のインク受容層組成物を用いてインク受容層を形成する工程と、
    前記インク受容層が形成された領域を画像認識により検出し、前記検出された領域に前記印刷層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする印刷方法。
  8. 爪の表面全体に前記爪の表面側から順にベースコート層、インク受容層、印刷層を形成させる印刷装置のコンピュータを、
    前記爪の表面の全体にベースコート層を形成するベースコート層形成手段、
    前記爪の表面の前記印刷層が形成される領域に、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のインク受容層組成物を用いてインク受容層を形成するインク受容層形成手段、
    前記インク受容層が形成された領域を画像認識により検出し、前記検出された領域に前記印刷層を形成する印刷層形成手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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