JP2013187249A - 伝送線路構造、多層配線基板、半導体装置、および半導体システム - Google Patents

伝送線路構造、多層配線基板、半導体装置、および半導体システム Download PDF

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Abstract

【課題】内蔵するMIMコンデンサの電気容量を大きくできる伝送線路構造を提供する。
【解決手段】伝送線路構造2Aは、第一楕円E10、第二楕円E20、第一境界線R11、および第二境界線R12を規定したときに、第一配線導体層および第二配線導体層に挟まれていない導体層31の中で第一配線との距離が最も近い第二積層部近接点P1、電源導体層21の中で第一配線との距離が最も近い電源導体層近接点P2、および、GND導体層23の中で第一配線との距離が最も近いGND導体層近接点P3の全てが、第一楕円および第二楕円の外部に配置され、かつ、第二積層部近接点、電源導体層近接点、およびGND導体層近接点の少なくとも1つが第一境界線と第二境界線との間に配置されている。
【選択図】図10

Description

本発明は伝送線路構造に係り、詳しくは高速信号の伝送に優れた特性を発揮する伝送線路構造に関する。また本発明は、この伝送線路構造を含む多層配線基板、あるいはその多層配線基板に半導体集積回路を搭載した半導体装置および半導体システムにも関する。
電子機器に対する小型化・高機能化への要請はとどまるところを知らない。この要請に応えるため、電子機器に搭載される半導体装置には小型化・高機能化が求められている。なお、半導体装置とは、集積回路とそれが実装される実装部材(例として、リードフレーム、多層配線基板、CSP再配線部)による組み立て体を指す。
半導体装置の高機能化は、半導体装置を構成する集積回路の処理速度の向上により実現される。高速で動作する集積回路は、短時間に大量のデータの入出力を行うことから、半導体装置もこれに対応しなければならない。具体的には、より高速な信号の伝送に対応した伝送線路構造が必要となる。また多くの場合、高速ICを含む半導体装置にはコンデンサを組み込む必要がある。
第一に、高速信号の伝送に対応する伝送線路について述べる。
高速信号を伝送する伝送線路構造には、特性インピーダンスが経路全体において一定の範囲の値に制御されていること、信号伝送時の損失が小さいこと、の2つが求められる。
従来の伝送線路構造の一例を、図17の断面図に示す。伝送線路構造1000は、多層配線基板1010内に形成されたもので、信号伝送用の導体パターン(第一配線)1021および導体パターン(第二配線)1022を複数の導体層1030が、絶縁体層1040を介して取り囲んだ構造である。導体層1030の一部もしくは全部は、電源電位もしくは接地電位に接続され、伝送線路構造の特性インピーダンスを制御する基準電極として用いられる。そして、高速信号たる電磁波は伝送線路構造1000の内部を通り伝送される。多層配線基板では、信号伝送用パターンと比べて面積の大きい基準電極を容易に配置できるので、特性インピーダンスの制御に優れる。
一方、多層配線基板中の伝送線路構造においては、信号伝送用の導体パターンと周囲の導体との距離が遠いほど、あるいは信号伝送用の導体パターンと電気的に結合する導体が少ないほど、信号の伝送効率は向上する。
伝送線路構造で信号を伝送する間、信号伝送用の導体パターンと電気的に結合する導体の表面にはリターン電流や渦電流が生じる。これらの電流が導体表面を流れる際には導体表面の抵抗によって電力を消費するが、この電力の源は信号の電力である。よって、リターン電流や渦電流が生じるほど信号の損失も大きくなる。
リターン電流や渦電流は導体パターンから遠い導体では急激に小さくなることから、導体パターンとその周囲の導体が遠いほど信号の伝送効率は向上する。
ただし、信号伝送用の導体パターンを周囲の電極から遠ざけることは、伝送線路構造の特性インピーダンスを制御するための基準電極を、導体パターンから遠ざけることに他ならない。そのため、伝送線路構造の設計には慎重さが求められる。
次いで、半導体装置へのコンデンサの組み込みについて述べる。
ICの安定な動作には、電圧の安定した電源の供給が欠かせない。そのため、電源電圧を安定化することを目的に、多くの半導体装置で電源デカップリング用のコンデンサが搭載される。また、一部の半導体装置や実装部材では、フィルタを形成するためのコンデンサが搭載されることがある。
半導体装置へのコンデンサ搭載において好適な手法の一つに、MIM(Metal−Insulator−Metal)構造の平行平板コンデンサを形成することが挙げられる。MIM構造とは、金属と誘電体の薄膜を交互に積層した構造である。
MIM構造のコンデンサは、ディスクリート部品のコンデンサに比べて寄生インダクタンスや等価直列抵抗が小さい。そのため電源の安定化性能が高くなったり、精度の高いフィルタ回路が得られたりするなどの長所がある。また、伝送線路構造の形成に適した多層配線基板とMIM構造はいずれも金属と誘電体の層を交互に積層した構造をとっており、プロセスに親和性があることも利点となる。
高速信号の伝送特性に優れる伝送線路構造として、特性インピーダンスの制御と周辺導体の削減を両立する発明が多数公開されている。
その発明の一つとして、特許文献1を挙げる。図18が特許文献1において例示される構造である。この発明では、多層配線基板1050上の導体パターン1021、1022で差動信号を伝送する伝送線路構造1060を形成する際に、多層配線基板1050の表層または内層の導体層1030のうち、導体パターン1021、1022の直上・直下の部分に開口部1031を設けている。なお、多層配線基板1050は、シリコンなどで形成された基材1066を有し、絶縁体層1040にはビア1068が形成されている。
開口部1031の幅も、導体パターン1021、1022のパターン幅から規定される。この開口部1031が形成されることで、二つの導体パターン1021、1022は互いに強く電気的に結合する一方で、周囲の導体層1030とはほとんど結合しない。この伝送線路構造1060では、導体パターン1021、1022間の強い結合で特性インピーダンスの制御を、他の導体との結合を抑制することで伝送損失の低減をそれぞれ実現している。
一方、伝送線路構造の形成とMIMコンデンサの内蔵を両立しようとする発明も公開されている。
その一例が、特許文献2の示す発明である。図19は特許文献2において示される発明の実施例である。多層配線基板1070の表面に、導体層1032と誘電絶縁層(絶縁体層)1042を交互に積層した高周波回路部1080を追加している。この高周波回路部1080を用いて、伝送線路構造1090とMIMコンデンサ1100が形成される。
特開2007−174075号公報 特開2003−264348号公報
しかし、前記特許文献1および2に記載された発明に基づく伝送線路構造では、(1)特性インピーダンスが経路全体において一定の範囲の値に制御されていること、(2)信号伝送時の損失が小さいこと、そして(3)MIMコンデンサが内蔵されていること、の3つの条件を全て満たすことは困難であった。
一般的に、電磁界の強さは距離の2乗に反比例し、一対の配線の電磁界の強さが一方の配線に対して他方の配線が10分の1以下になれば、他方の配線のクロストーク(配線間の電磁界結合による影響)が無視できると考えられている。そこで、積層されるそれぞれの層の表面に沿った方向において一対の配線から他の導体層を一対の配線間の距離の3倍以上離間させることが行われている。
このため、上記クロストークを満足させつつ、充分な所望の容量のMIMコンデンサを内蔵させようとすると、伝送線路構造が大型化してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、外形を維持しつつ、高速信号の伝送に適用可能な伝送路の形成、配線収容密度の向上、内蔵するMIMコンデンサの電気容量の増大を実現できる伝送線路構造、および、この伝送線路構造を備える多層配線基板、半導体装置、半導体システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の伝送線路構造は、板状に形成された基材と、前記基材の一方の面に設けられ、電源電位に接続された電源導体層、第一誘電体層、接地電位に接続されたGND導体層、および第二誘電体層がこの順に積層されてなる第一積層部と、前記第二誘電体層上に、導体層と絶縁体層とを交互に積層してなる第二積層部と、複数の前記導体層のうちの一の前記導体層である第一配線導体層に形成され、信号伝送に用いられる第一配線と、複数の前記導体層のうちの一の前記導体層である第二配線導体層に形成され、前記第一配線に対して基準電位を提供する第二配線と、からなる配線ペアと、を備え、前記第一配線の長手方向に直交する断面において、前記第一配線と前記第二配線との距離をS、前記第一配線の幅をW1、前記第二配線の幅をW2、前記第一配線の厚さをt1、前記第二配線の厚さをt2とし、前記一方の面に平行な平行方向に沿った第一軸の長さが(6S+W1)の式で求められる値、前記基材の厚さ方向に沿った第二軸の長さが(2S+t1)の式で求められる値であり、かつ、前記第一軸と前記第二軸との交点が、前記第一配線の重心を通り前記厚さ方向に延びる直線と、前記第一配線導体層を前記厚さ方向に等分する直線との交点に位置する第一楕円、前記平行方向に沿った第三軸の長さが(6S+W2)の式で求められる値、前記厚さ方向に沿った第四軸の長さが(2S+t2)の式で求められる値であり、かつ、前記第三軸と前記第四軸との交点が、前記第二配線の重心を通り前記厚さ方向に延びる直線と、前記第二配線導体層を前記厚さ方向に等分する直線との交点に位置する第二楕円、前記厚さ方向に見て、前記第一配線および前記第二配線の前記平行方向における一方の端部から前記平行方向における一方に3S離間した第一境界線、および、前記第一配線および前記第二配線の前記平行方向における他方の端部から前記平行方向における他方に3S離間した第二境界線を規定したときに、前記第一配線導体層および前記第二配線導体層に挟まれていない前記導体層の中で前記第一配線との距離が最も近い第二積層部近接点、前記電源導体層の中で前記第一配線との距離が最も近い電源導体層近接点、および、前記GND導体層の中で前記第一配線との距離が最も近いGND導体層近接点の全てが、前記第一楕円および前記第二楕円のそれぞれの外部に配置され、かつ、前記第二積層部近接点、前記電源導体層近接点、および前記GND導体層近接点の少なくとも1つが前記第一境界線と前記第二境界線との間に配置されていることを特徴としている。
また、本発明の他の伝送線路構造は、板状に形成された基材と、前記基材の一方の面に設けられ、電源電位に接続された電源導体層、第一誘電体層、接地電位に接続されたGND導体層、および第二誘電体層がこの順に積層されてなる第一積層部と、前記第二誘電体層上に、導体層と絶縁体層とを交互に積層してなる第二積層部と、複数の前記導体層のうちの一の前記導体層である第一配線導体層に形成され、反転信号伝送に用いられる第一配線と、複数の前記導体層のうちの一の前記導体層である第二配線導体層に形成され、前記第一配線に対して基準電位を提供する第二配線と、からなる差動信号伝送用の配線ペアと、を備え、前記第一配線の長手方向に直交する断面において、前記第一配線と前記第二配線との距離をS、前記第一配線の幅をW1、前記第二配線の幅をW2、前記第一配線の厚さをt1、前記第二配線の厚さをt2とし、前記一方の面に平行な平行方向に沿った第一軸の長さが(6S+W1)の式で求められる値、前記基材の厚さ方向に沿った第二軸の長さが(2S+t1)の式で求められる値であり、かつ、前記第一軸と前記第二軸との交点が、前記第一配線の重心を通り前記厚さ方向に延びる直線と、前記第一配線導体層を前記厚さ方向に等分する直線との交点に位置する第一楕円、
前記平行方向に沿った第三軸の長さが(6S+W2)の式で求められる値、前記厚さ方向に沿った第四軸の長さが(2S+t2)の式で求められる値であり、かつ、前記第三軸と前記第四軸との交点が、前記第二配線の重心を通り前記厚さ方向に延びる直線と、前記第二配線導体層を前記厚さ方向に等分する直線との交点に位置する第二楕円、前記厚さ方向に見て、前記第一配線および前記第二配線の前記平行方向における一方の端部から前記平行方向における一方に3S離間した第一境界線、および、前記第一配線および前記第二配線の前記平行方向における他方の端部から前記平行方向における他方に3S離間した第二境界線を規定したときに、前記第一配線導体層および前記第二配線導体層に挟まれていない前記導体層の中で前記第一配線との距離が最も近い第二積層部近接点、前記電源導体層の中で前記第一配線との距離が最も近い電源導体層近接点、および、前記GND導体層の中で前記第一配線との距離が最も近いGND導体層近接点の全てが、前記第一楕円および前記第二楕円のそれぞれの外部に配置され、かつ、前記第二積層部近接点、前記電源導体層近接点、および前記GND導体層近接点の少なくとも1つが前記第一境界線と前記第二境界線との間に配置されていることを特徴としている。
また、上記の伝送線路構造において、前記厚さ方向に平行に見たときに前記第一配線と前記第二配線とが重なり合う部分の幅が0であることがより好ましい。
また、上記の伝送線路構造において、前記厚さ方向に平行に見たときに前記第一配線と前記第二配線とが重なり合い、前記第一配線と前記第二配線との前記平行方向の距離が0であることがより好ましい。
また、上記の伝送線路構造において、前記第一配線と前記第二配線とが同一の前記導体層に配され、前記第一配線と前記第二配線との前記厚さ方向の距離が0であることがより好ましい。
また、上記の伝送線路構造において、前記第一誘電体層の誘電率が、前記第二誘電体層および前記絶縁体層の誘電率より大きいことがより好ましい。
また、上記の伝送線路構造において、前記基材に形成され、前記厚さ方向に貫通して前記一方の面と前記基材の他方の面とを電気的に接続する貫通電極を備えることがより好ましい。
また、上記の伝送線路構造において、前記貫通電極が前記第一配線および前記第二配線の少なくとも一方に電気的に接続されていることがより好ましい。
また、上記の伝送線路構造において、前記基材の前記他方の面上に、第二導体層と第二絶縁体層とを交互に積層してなる第三積層部を備え、前記第二導体層の少なくとも一つは、前記他方の面において前記貫通電極と電気的に接続されていることがより好ましい。
また、上記の伝送線路構造において、前記基材が半導体材料で形成され、前記一方の面に絶縁性の皮膜を備えることがより好ましい。
また、上記の伝送線路構造において、前記基材の導電率が0.001Ω・cm以上100Ω・cm以下であることがより好ましい。
また、本発明の多層配線基板は、上記のいずれかに記載の伝送線路構造を含むことを特徴としている。
また、上記の多層配線基板において、前記第一積層部が電源デカップリングコンデンサであることがより好ましい。
また、上記の多層配線基板において、前記第二積層部の最外層となる前記導体層に外部に露出された表面実装用パッドが設けられ、前記表面実装用パッドのうち少なくとも一部が第一導体パターンまたは第二導体パターンと電気的に接続されていることがより好ましい。
また、上記の多層配線基板において、前記第二積層部の最外層となる導体層、および前記第三積層部の最外層となる第二導体層に、外部に露出された二次実装用パッドを備えることがより好ましい。
また、本発明の半導体装置は、上記のいずれかに記載の多層配線基板に、前記表面実装用パッドを介して少なくとも一つの半導体集積回路を実装したことを特徴としている。
また、本発明の半導体システムは、上記に記載の多層配線基板に、前記表面実装用パッドを介して少なくとも一つの半導体集積回路を実装して半導体装置を構成し、前記半導体装置を前記二次実装用パッドを介して、第二半導体装置または第二多層配線基板に実装して構成したことを特徴としている。
本発明の伝送線路構造、多層配線基板、半導体装置、および半導体システムによれば、外形を維持しつつ、高速信号の伝送に適用可能な伝送路の形成、配線収容密度の向上、内蔵するMIMコンデンサの電気容量の増大を実現できる。
本発明の第1実施形態の多層配線基板の正面の断面図である。 図1中の切断線A1−A1の断面図である。 本発明の第2実施形態の多層配線基板の正面の断面図である。 図3中の切断線A2−A2の断面図である。 同多層配線基板を使用して構成した半導体装置の側面の断面図である。 本発明の第3実施形態の多層配線基板の正面の断面図である。 図6中の切断線A3−A3の断面図である。 同多層配線基板を使用して構成した半導体装置の側面の断面図である。 同多層配線基板を使用して構成した半導体システムの側面の断面図である。 本発明の第4実施形態の多層配線基板の正面の断面図である。 同多層配線基板の伝送線路構造のシミュレーションに用いたモデルの模式図である。 同伝送線路構造のシミュレーションの結果を示す図である。 同伝送線路構造のシミュレーションに用いたモデルの模式図である。 同伝送線路構造のシミュレーションの結果を示す図である。 同伝送線路構造のシミュレーションに用いたモデルの模式図である。 同伝送線路構造のシミュレーションの結果を示す図である。 従来の伝送線路構造の一例を示す要部の断面図である。 従来の伝送線路構造の他の例を示す要部の断面図である。 従来の伝送線路構造の他の例を示す要部の断面図である。
以下、本発明による伝送線路構造と、それを用いた多層配線基板、半導体装置、半導体システム、および、これらの製造方法を説明する。なお、下記に記載した実施形態は、発明の概念を説明するため便宜的に取り上げたものであり、何ら発明の実施形態を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の多層配線基板1は、板状に形成された基材10と、基材10の一方の面10aに設けられた第一積層部20と、第一積層部20に設けられた第二積層部30と、基材10の他方の面10bに設けられた第三積層部40とを備えている。
なお、図1は、後述する導体パターン35a、35bの長手方向に直交する断面となっている。
基材10には、図2に示すように基材10の厚さ方向D1に貫通して一方の面10aと他方の面10bとを電気的に接続する貫通電極11が形成されている。
図1に示すように、第一積層部20には、電源電位に接続された電源導体層21、第一誘電体層22、接地電位に接続されたGND導体層23、および第二誘電体層24が、一方の面10a側から電源導体層21、第一誘電体層22、GND導体層23、第二誘電体層24の順で積層されている。
なお、第一積層部20の電源導体層21、第一誘電体層22、およびGND導体層23で、MIMコンデンサ26を構成する(図2参照。)。
第二積層部30には、導体層31および絶縁体層32が、組にして交互に2組積層されている。すなわち、第二誘電体層24には、導体層33、絶縁体層34、導体層(第一配線導体層、第二配線導体層)35、および絶縁体層36が、第二誘電体層24側から導体層33、絶縁体層34、導体層35、絶縁体層36の順で積層されている。
導体層35には、信号伝送に用いられる導体パターン(第一配線)35a、および、導体パターン35aに対して基準電位を提供する導体パターン(第二配線)35bが形成されている。すなわち、導体パターン35a、35bは、同一の導体層35に互いにほぼ平行に延びるように配され、配線として用いられている。言い換えれば、厚さ方向D1に平行に見たときに、導体パターン35aと導体パターン35bとが重なり合う部分の幅が0に設定されている。
導体パターン35a、35bの長手方向に直交する断面は、それぞれ矩形状に形成されている。導体パターン35a、35bの厚さは、導体層35の厚さと等しくなっている。
導体パターン35aおよび導体パターン35bで配線ペア51を構成し、導体パターン35a、35bは、導体パターン35a、35bの周辺の絶縁体層32とともに、伝送線路構造52を構成する。
伝送線路構造52は、特性インピーダンス50Ω(オーム)(公差10%)のシングルエンド伝送線路として用いられる。導体パターン35aを信号伝送に利用し、導体パターン35bは接地電位に接続する。
導体層35には、導体パターン35a、35b以外にも、導体パターン35c、35dが形成されている。
図2に示すように、絶縁体層36には導体層35の一部を露出させるように開口部36aが形成されている。導体層35における開口部36aから外部に露出された部分は、表面実装用パッド35eとして用いることができる。
第三積層部40には、図1に示すように、第二導体層41および第二絶縁体層42が、組にして交互に2組積層されている。すなわち、第三積層部40には、第二導体層43、第二絶縁体層44、第二導体層45、および第二絶縁体層46が、他方の面10b側から第二導体層43、第二絶縁体層44、第二導体層45、第二絶縁体層46の順で積層されている。
図2に示すように、第二絶縁体層46には第二導体層45の一部を露出させるように開口部46aが形成されている。第二導体層45における開口部46aから外部に露出された部分は、二次実装用パッド45aとして用いることができる。
第一積層部20、第二積層部30、および第三積層部40は、図2に示す貫通電極11、ビアホール53、および、不図示の別の貫通電極により電気的に接続されている。具体的には、導体パターン35aは貫通電極11などを介して、表面実装用パッド35e、第二導体層43および二次実装用パッド45aと電気的に接続されている。
次に、以上のように構成された多層配線基板1の特性インピーダンスを、シミュレーションによって検証した。
各層の物性や厚さを、表1に示す。
Figure 2013187249
表1の条件の下で、導体パターン35aを基準電極とするシングルエンド伝送線路を設計したところ、図1に示す導体パターン35aの幅W1、および導体パターン35bの幅W2はそれぞれ76.5μm、導体パターン35aと導体パターン35bとの距離Sは40μmと算出された。
これにより、伝送線路構造52の図1に示す断面における導体パターン35a、35bの周囲の導体配置禁止領域の形状は、長軸433μm、短軸98μmの楕円と規定された。
この開口部最適化の結果、第一積層部20には開口部を設ける必要がないことが分かった。なお、比較例として、開口部最適化を行わない構成をとった場合、第一積層部に幅338.2μmの開口部が必要になると算出された。
以上、本発明の第1実施様態の多層配線基板1について、当業者にとって一般的と思われる材料を用いて実現する手法を説明した。しかし、いかなる材料や工法を採用しようとも、本発明の本質である、開口部の形状の最適化という特質を保持したままで、本発明を実施することは可能であった。
導体パターン35a、35bが同一の導体層35に配され、厚さ方向D1に平行に見たときに導体パターン35aと導体パターン35bとが重なり合う部分の幅が0に設定されている。このため、導体パターン35a、35bを厚さ方向D1に薄く構成することができる。
伝送線路構造52の構成に必要な導体層31と絶縁体層32との数を削減できるため、製造コストを低減させることができる。
基材10に貫通電極11が形成されているため、基材10における一方の面10aおよび他方の面10bに信号伝送用の配線などを配置することができる。さらに、基材10の他方の面10bに第三積層部40を形成したときに、第三積層部40に信号伝送用の配線だけでなく、電源・接地電位供給用の導体パターンなども多数形成できる。
貫通電極11は導体パターン35aに電気的に接続されているため、導体パターン35aにより伝送される信号を基材10の他方の面10bにも伝送することができる。
多層配線基板1は第三積層部40を備え、第二導体層43は貫通電極11と電気的に接続されている。このため、基材10の一方の面10aだけでなく他方の面10bにも第二導体層41を有する積層部を設けることができる。そして、第三積層部40の第二導体層43を基材10の一方の面10aと電気的に接続して信号の伝送などを行うことができる。
なお、本実施形態では、基材10については、液晶ポリマーやフッ素樹脂などの有機材料、ガラスをはじめとする無機材料を自由に選択できる。また、層間の電気的接続は、ビアホールやコンフォーマルスルーホールではなく導電ペーストビアで確保できるほか、電磁結合など、機械的に接触しない手法で接続させたとしても、多層配線基板を製造する際に、多層配線基板の機能に支障は何も生じなかった。第一積層部20の形成においても、導体層・誘電体層の形成にスパッタリングや低温CVDなどを用いることは可能であった。
また、本実施形態では、第一誘電体層22の誘電率を、第二誘電体層24および絶縁体層32の誘電率より大きくすることが好ましい。このように構成することで、第一積層部20をMIMコンデンサ26、さらに好ましくは、電源デカップリングコンデンサとして使用した際の容量を増加させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3から図5を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図3に示すように、本実施形態の多層配線基板2は、前記第1実施形態の多層配線基板1の基材10、第二積層部30、および第三積層部40に代えて、基材70、および第二積層部80を備えている。
基材70は、シリコンなどの半導体材料で形成されたベース71と、ベース71の表面に形成された能動素子領域72と、能動素子領域72を覆って保護する絶縁皮膜(皮膜)73とを有している。
能動素子領域72は、不図示の能動素子と受動素子、および、能動素子と受動素子とを接続する配線を含むものである。
第二積層部80は、第二積層部30の絶縁体層36に導体層81および絶縁体層82が積層された構成となっている。
導体パターン35a、35bの近傍には、導体パターン35a、35b以外の導体層31の配置を禁止する導体配置禁止領域が設定される。導体パターン35aの幅をW1、導体パターン35a、35bの距離をS、導体パターン35a、35bの厚さをtとするとき、導体配置禁止領域は、「第一および第二の導体パターンの断面の重心を焦点とし、二つの軸の長さがそれぞれ(6S+W1)の式で求められる値、(2S+t)の式で求められる値である楕円形の領域」と定義される。
伝送線路構造52は、特性インピーダンス85Ω(公差10%)のシングルエンド伝送線路として用いる。導体パターン35aを信号伝送に利用し、導体パターン35bは電源電位に接続する。
多層配線基板2には、伝送線路構造52や、図4に示すMIMコンデンサ26のほか、導体層35を用いてインダクタ91が形成されたり、導体層81を用いてスタブ92が形成されたりしている。これら伝送線路構造52などの受動部品は、多層配線基板2の機能の一部を担っている。絶縁体層82には、導体パターン35a、35bの端部近傍となる位置に開口部82aが形成されている。導体層81における開口部82aから外部に露出された部分は、表面実装用パッド81aとなっている。
次に、以上のように構成された多層配線基板2の特性インピーダンスを、シミュレーションによって検証した。
各層の厚さや物性を、表2に示す。
Figure 2013187249
表2の条件の下でシングルエンド伝送線路を設計したところ、導体パターン35aの幅W1、および導体パターン35bの幅W2はそれぞれ5.7μm、導体パターン35aと導体パターン35bとの距離Sは4.7μmと算出された。
これにより、伝送線路構造52の図3に示す断面における導体パターン35a、35bの周囲の導体配置禁止領域の形状は長軸44.3μm、短軸10.9μmの楕円と規定された。
この開口部最適化の結果、第一積層部20に設けられる開口部の幅は29.8μmとなった。一方、比較例である開口部最適化を行わない構成では、第一積層部の開口部幅として33.6μmが必要になると算出された。すなわち、開口部最適化を行うことによって、第一積層部20の開口部幅を約88%に削減できることが確認された。
なお、本実施形態の多層配線基板2は、図5に示すように、多層配線基板2に対応する多層配線補助基板7を別途用意し、この多層配線補助基板7に多層配線基板2を鉛フリーはんだによるバンプ97で接続して実装することで、半導体装置3を構成することができる。
以上説明したように、本実施形態の多層配線基板2によれば、内蔵するMIMコンデンサ26の電気容量の増大を実現できる。
また、ベース71を覆う絶縁皮膜73を形成することで、基材70の直流電流に対する絶縁性を確保することができる。半導体の基材70の導電率の高低は問わないため、第一積層部20の導体層21、23で信号伝送に伴う電磁界を遮断できる。これにより、高価な高抵抗ウエハを用いる必要がなくなるため、伝送線路構造52の製造コストを低減できる。
以上、本発明の第2実施様態について、当業者にとって一般的と思われる材料を用いて実現する手法を説明した。しかしいかなる材料や工法を採用しようとも、本発明の本質である、開口部の形状の最適化という特質を保持したままで発明を実施することが可能であった。
例えば、能動素子が形成される基材70として、シリコンなどの単体半導体材料や窒化ガリウムのような化合物の半導体材料が利用可能であるし、基材70の代わりに有機半導体材料によるトランジスタが形成された有機基板を用いることもできる。
また、第一積層部20および第二積層部80において、導体層をスクリーン印刷やインクジェット方式で形成したり、誘電体層や絶縁体層を各種印刷手法で形成したりすることも可能である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6から図9を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の多層配線基板4は、図6に示すように、前記第1実施形態の多層配線基板1の第二積層部30に代えて、第二積層部100を備えている。
第二積層部100では、導体パターン81bは導体層81に形成され、導体パターン35bは導体層35に形成されている。すなわち、導体パターン81b、35bは、異なる導体層に配されている。基材10の厚さ方向D1に平行に見たときに、導体パターン81bと導体パターン35bとは重なり合うように形成されている。
導体パターン81bの長手方向に直交する断面は、矩形状に形成されている。導体パターン81bの厚さは、導体層81の厚さと等しくなっている。
導体パターン81bおよび導体パターン35bで配線ペア111を構成し、導体パターン81b、35bは、導体パターン81b、35bの周辺の絶縁体層とともに、伝送線路構造112を構成する。
導体パターン81b、35bの近傍に、前記導体パターン以外の導体の配置を禁止する導体配置禁止領域を設定する。導体パターン81bの幅をW1、厚さをt1、導体パターン35bの幅をW2、厚さをt2、絶縁体層36の厚さをt11とそれぞれ規定する。このとき、導体配置禁止領域は、「導体パターン81bの断面の重心を焦点とし、二つの軸の長さがそれぞれ(6t11+W1)の式で求められる値、(2t11+t1)の式で求められる値である楕円形の領域」、および「導体パターン35bの断面の重心を焦点とし、二つの軸の長さがそれぞれ(6t11+W2)の式で求められる値、(2t11+t2)の式で求められる値である楕円形の領域」と定義される。
導体パターン35bは、所定の信号が送信される導体パターン81bに対して反転信号伝送に用いられる。伝送線路構造112は、差動インピーダンス100Ω(公差10%)の差動信号伝送用の線路として用いられる。
図7に示すように、基材10には、第一積層部20および第二積層部100と、第三積層部40とを電気的に接続する貫通電極14が形成されている。
絶縁体層82には、導体層81の一部を露出させるように開口部82aが形成されている。同様に、第二絶縁体層46には、第二導体層45の一部を露出させるように開口部46aが形成されている。
導体層81における露出した部分は、導体パターン81b、35bに電気的に接続される表面実装用パッド81c、電源導体層21に接続される電源実装用パッド81d、GND導体層23に接続されるGND実装用パッド81eとされる。第二導体層45における露出した部分は、二次実装用パッド45aとして用いることができる。
次に、以上のように構成された多層配線基板4の特性インピーダンスを、シミュレーションによって検証した。
各層の厚さや物性を、表3に示す。
Figure 2013187249
表3の条件の下で差動伝送線路を設計したところ、図6に示す導体パターン81bの幅W1は10μm、導体パターン35bの幅W2は8μmと算出された。
これにより、導体配置禁止領域の形状は、長軸80μm、短軸46μmの楕円と規定された。
この開口部最適化の結果、第一積層部20に設けられる開口部の幅は28.6μmとなった。一方、比較例である特許文献1のような開口部最適化を行わない構成では、第一積層部の開口部幅は70μmになると算出された。すなわち、開口部最適化を行うことによって、第一積層部20の開口部幅を約40%に削減できることが確認された。
なお、本実施形態の多層配線基板4は、図8に示すように、金バンプ117により半導体集積回路8を実装することで、半導体装置5を構成することができる。
この場合、半導体集積回路8の信号ピン121は表面実装用パッド81cに、電源ピン122は電源実装用パッド81dに、GNDピン123はGND実装用パッド81eにそれぞれ接続されている。このように実装することで、第一積層部20を半導体集積回路8に対して電源デカップリングコンデンサとして機能させることができる。
さらに、図9に示すように、半導体装置5を、これに対応するパターンを備えた別の多層配線基板(第二多層配線基板)9に対して、二次実装用パッド45aと鉛フリーはんだバンプ118を介して実装することで、半導体システム6を構成することができる。
以上、本発明の第3実施様態について、当業者にとって一般的と思われる材料を用いて実現する手法を説明した。しかしいかなる材料や工法を採用しようとも、本発明の本質である、開口部の形状の最適化という特質を保持したままで発明を実施することが可能であった。そして、本実施形態の多層配線基板4によれば、内蔵するMIMコンデンサの電気容量の増大を実現できる。
厚さ方向D1に平行に見たときに、導体パターン81bと導体パターン35bとは重なり合うように形成されていることで、導体パターン81b、35bを基材10の一方の面10aに平行な平行方向D2にコンパクトに形成するとともに、配線配置密度を高めることができる。
なお、本実施形態では、基材10として導電率が0.14Ω・cmであるメカニカルグレードのシリコンウエハを用いた。しかし、基材の導電率は、0.001Ω・cm以上100Ω・cm以下の所望の値のものを好適に用いることができる。
また、例えば、第一積層部20の形成は、真空プロセスではなく、ダマシン法や印刷プロセスで実施してもよい。基材10についても、本実施形態では半導体製シリコンウエハを用いるとしたが、任意の樹脂基材や高抵抗性半導体ウエハも当然使用可能である。また、貫通電極14の形成も、別の多層配線基板9への実装において好適ではあるものの、必須ではない。二次実装用パッドを導体層81上に設け、この二次実装用パッドと多層配線基板9をワイヤボンディングで接続することでも、本実施形態と同等の機能の半導体装置を得ることができる。
本実施形態では、多層配線基板4に1つの半導体集積回路8を実装して半導体装置5を構成したが、多層配線基板4に2つ以上の半導体集積回路を実装して半導体装置を構成してもよい。
半導体装置5を多層配線基板9に実装して半導体システム6を構成したが、半導体装置5を、この半導体装置5とは別の半導体装置(第二半導体装置)に実装して半導体システムを構成してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図10から図16を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図10に示すように、本実施形態の多層配線基板2Aは、前記第2実施形態の多層配線基板2の第二積層部80に代えて第二積層部130を備えている。
本実施形態の第二積層部130は、導体層(第一配線導体層)81に形成された導体パターン(第一配線)81bと、導体層(第二配線導体層)35に形成された導体パターン(第二配線)35bとを有している。
この例では、導体パターン81bおよび導体パターン35bは、基材70の厚さ方向D1に重ならず、基材70の一方の面70aに平行な平行方向D2に位置をずらして配置されている。
導体パターン81bは信号伝送に用いられ、導体パターン35bは導体パターン81bに対して基準電位を提供するものとなっている。
ここで、以下に説明するように、いくつかの規定を行う。
まず、導体パターン81bの幅をW1、厚さをt1、導体パターン35bの幅をW2、厚さをt2とする。導体パターン81bと導体パターン35bとの厚さ方向D1の距離をSx、導体パターン81bと導体パターン35bとの平行方向D2の距離をSy、下記の式(1)で求められるSxとSyとの二乗平均(Sxを2乗したものとSyを2乗したものとの和の平方根)をSと規定する。
Figure 2013187249
なお、このとき、導体パターン81bと導体パターン35bとの距離(導体パターン81bの外周と導体パターン35bの外周との距離)もSとなる。
続いて、第一楕円E10、第二楕円E20、第一境界線R11、第二境界線R12、第二積層部近接点P1、電源導体層近接点P2、およびGND導体層近接点P3を規定する。
第一楕円E10は、平行方向D2に沿った第一軸E11、および、厚さ方向D1に沿った第二軸E12を有するように設定される。すなわち、一般的には、第一軸E11および第二軸E12の一方が第一楕円E10の長軸となり、他方が短軸となる。
第一軸E11の長さは、(6S+W1)の式で求められる値であり、第二軸E12の長さは、(2S+t1)の式で求められる値である。
第一楕円E10は、第一軸E11と第二軸E12との交点E13が、導体パターン81bの重心を通り厚さ方向D1に延びる直線M6と、導体層81を厚さ方向D1に2等分する直線M7との交点に位置するように配置されている。本実施形態では、導体パターン81bの厚さは、導体パターン81b以外の導体層81の厚さに等しく、導体パターン81bの断面は矩形状に形成されているため、交点E13は導体パターン81bの重心に配置される。
同様に、第二楕円E20は、平行方向D2に沿った第三軸E21、および、厚さ方向D1に沿った第四軸E22を有するように設定される。すなわち、一般的には、第三軸E21および第四軸E22の一方が第二楕円E20の長軸となり、他方が短軸となる。
第三軸E21の長さは、(6S+W2)の式で求められる値であり、第四軸E22の長さは、(2S+t2)の式で求められる値である。
第二楕円E20は、第三軸E21と第四軸E22との交点E23が、導体パターン35bの重心を通り厚さ方向D1に延びる直線M8と、導体層35を厚さ方向D1に2等分する直線M9との交点に位置するように配置されている。本実施形態では、導体パターン35bの厚さは、導体パターン35b以外の導体層35の厚さに等しく、導体パターン35bの断面は矩形状に形成されているため、交点E23は導体パターン35bの重心に配置される。
第一境界線R11は、厚さ方向D1に見て、導体パターン81bおよび導体パターン35bの平行方向D2における一方D21の端部から一方D21に3S離間した位置に規定される。この例では、導体パターン35bより導体パターン81bの方が一方D21側に配置されているため、第一境界線R11は、導体パターン81bの一方D21の端部から一方D21に3S離間した位置に規定される。
同様に、第二境界線R12は、厚さ方向D1に見て、導体パターン81bおよび導体パターン35bの平行方向D2における他方D22の端部から他方D22に3S離間した位置に規定される。この例では、導体パターン81bより導体パターン35bの方が他方D22側に配置されているため、第二境界線R12は、導体パターン81bの他方D22の端部から他方D22に3S離間した位置に規定される。
第二積層部近接点P1とは、導体パターン81b、35bを除いて、導体層81および導体層35に挟まれていない導体層31の中で、導体パターン81bとの距離が最も近い点のことである。
ここで、導体層81および導体層35に挟まれていない導体層31とは、導体層31の中で、導体層81および導体層35を除いた、導体層81および導体層35の外側に配される導体層31のことを意味する。
本実施形態では、導体層81および導体層35に挟まれていない導体層31は導体層33だけであるため、第二積層部近接点P1は、導体層33の中で導体パターン81bとの距離が最も近い点として規定される。
電源導体層近接点P2とは、電源導体層21の中で導体パターン81bとの距離が最も近い点のことである。
また、GND導体層近接点P3とは、GND導体層23の中で導体パターン81bとの距離が最も近い点のことである。
以上のように規定された第一楕円E10、第二楕円E20、第一境界線R11、第二境界線R12、第二積層部近接点P1、電源導体層近接点P2、およびGND導体層近接点P3に対して、多層配線基板2Aでは、全ての近接点P1、P2、P3が、第一楕円E10および第二楕円E20のそれぞれの外部に配置され、さらに、全ての近接点P1、P2、P3が第一境界線R11と第二境界線R12との間に配置されている。
以上のように構成され製造される多層配線基板2Aの配線収容密度、および、内蔵するMIMコンデンサの電気容量を電磁界シミュレーションにより検討した。
本実施形態の多層配線基板2Aでは、導体パターン81bおよび導体パターン35bは異なる導体層31に配置されているが、以下では、これらの導体パターン81b、35bが同一の導体層31に配置されている場合で説明する。
シミュレーションの第一段階として、前記導体パターン81b、35b以外の導体表面に生じる電界強度の閾値を定めた。
図11は、電界強度の閾値の算出に用いた伝送線路構造141のモデルの模式図である。基材10(比誘電率3.1、厚み1mm)の表面に導体パターン81b、35bからなる銅配線ペアと、導体層31が設置されている。このモデルでは、導体パターン81b、35bは、同一の導体層31に形成されている。導体パターン81bは信号伝送に、導体パターン35bおよび導体層31は設置電位供給にそれぞれ用いることとした。これによって、伝送線路構造141はシングルエンド伝送路としてはたらく。両導体パターン81b、35bの幅は152μm、導体パターン81bと導体パターン35bとの距離Sは25μmとした。
この条件のもと、導体層31と導体パターン81bとの距離dを変化させたときの、伝送線路構造141の特性インピーダンス、および導体層31の表面における電界強度の最大値を算出した。解析結果を図12に示す。プロットの横軸は前記距離dを導体パターン81b、35bの距離Sで規格化した値(距離dを距離Sで除した値。)、縦軸は、導体層31の表面における電界強度(左側)、および特性インピーダンス(右側)である。導体層31と導体パターン81bとが近接して距離dが小さくなるにつれて電界強度は上昇し、特性インピーダンスは低下することが分かる。
電界強度の閾値は、距離dが距離Sの3倍である場合の電界強度に定めることとした。公知の技術として、導体パターン間の距離がSである伝送線路構造を複数近接させる際に、誘導電流によるクロストークを抑制するために伝送線路構造どうしの距離を3Sとすることが行われている(高速ボード・レイアウト・レイアウトガイドライン(アルテラ社の文献)、および、特性インピーダンス基板製造基準書(株式会社インフローの文献)を参照。)。これは、導体パターンから距離Sの3倍以上離れた導体に高速信号が誘起する電流は十分に小さいためである。
この閾値を参照して、導体パターン81bに対して、配線ペア以外の導体が近接できる最小の距離を定めた。
図13は、導体パターンに対して厚さ方向に配された導体が近接できる最小の距離をシミュレーションから求める際に用いた伝送線路構造143の模式図である。距離dが距離Sの3倍である条件における図11の伝送線路構造141に、さらに導体層31aを備えた構造である。導体パターン81bと導体層31aとの厚さ方向の距離はhと定義した。
図13に示すモデルにおいて、距離hが変化したときの導体層31a表面の電界強度の最大値、ならびに特性インピーダンスを算出した結果を図14に示す。図14におけるプロットの見方は図12と同じであるほか、図11に示す伝送線路構造141のモデルにおいて、距離dが距離Sの3倍であるときの導体層31の表面電界強度を破線αで示した。図14に表されているとおり、導体層31aの表面に生じる電界は、距離hが距離Sに等しくなったときに破線αの示す値に達する。すなわち、導体パターン81bと厚さ方向に隣り合う導体層31aについては、距離hが距離Sに等しくなるまで近接させても、高速信号の損失を十分に抑制できる。
またこの時、伝送線路構造143の特性インピーダンスは45.1Ωであり、導体を近接させたことによる特性インピーダンスの変動は初期値の10%未満に抑えることができた。
図15は、導体パターン81bに対して厚さ方向と平行方向との間の方向で近接する導体と、導体パターン81bとの距離の最小値を算出する際に用いた伝送線路構造145のモデルの模式図である。伝送線路構造145は、図13に示した伝送線路構造143において距離hを距離Sに等しくするとともに、厚さ方向において導体パターン81bと導体層31aとの間の位置に導体層31bをさらに備えている。伝送線路構造145を基材10の厚さ方向に透視したとき、導体層31bは導体層31よりも導体パターン81b側にせり出しており、そのせり出し分の長さをLと定めた。
図16は、図15に示した伝送線路構造145において、厚さ方向のある位置に設置された導体層31bのせり出し長さLと、導体層31bの表面に生じる電界強度の最大値を算出したシミュレーション結果の一例である。プロット上には、図11の伝送線路構造141のモデルにおいて、距離dが距離Sの3倍であるときの導体層31の表面電界強度を破線αで示した。
導体層31bの厚さ方向の位置、ならびにせり出し長さLについて複数の水準を設けて上述のシミュレーションを繰り返した結果、発明者らは、導体層31は導体パターン81bに対して楕円形の第一楕円E10まで近接できることを見出した。
高速信号の伝送特性改善は、前記配線ペアをなす導体パターン81b、35bが、互いにもっとも近接する導体として形成されることによって実現できる。このとき、導体パターン81b、35bは電気的に強く結合し、第一積層部20および第二積層部130に含まれる導体との電気的結合は弱くなる。
本実施形態の多層配線基板2Aでは、第二積層部近接点P1、電源導体層近接点P2、およびGND導体層近接点P3を、第一楕円E10および第二楕円E20の外部に配置するとともに、全ての近接点P1、P2、P3を第一境界線R11と第二境界線R12との間に配置している。このように構成したことによる第一の効果として、伝送線路構造の特性インピーダンスが安定するため、伝送線路構造における信号の反射が抑制され、信号の伝送効率が向上する。
第二の効果として導体パターン81b、35bからのクロストークを抑え、伝送線路構造からの放射ノイズを抑制できる。前記配線ペア間に強い電気的結合が存在することから、高速信号の電磁界を前記配線ペア間の狭い領域に閉じ込めて、伝送線路構造の外への電磁界の漏洩を防ぐことができる。
第三の効果として、高速信号の損失を抑制できる。これは、第一積層部20および第二積層部130に含まれる導体である電源導体層21、GND導体層23、および導体層31との電気的な結合が弱まることから、これらの導体に誘起されるリターン電流・渦電流が抑制されるためである。
他方、配線ペアをなす導体パターン81b、35bと、第一積層部20および第二積層部130に含まれる導体との間に設けるべき距離の範囲を明示しているため、必要以上に電源導体層21、GND導体層23、および導体層31を前記配線ペアから離隔することが避けられる。これにより、一つの伝送線路構造を形成するために必要な面積を抑制できるため、多層配線基板、半導体装置、半導体システムの配線収容密度の向上やMIMコンデンサの面積の増大(つまり電気容量の増大)が可能となる。
また、上記のように構成されていることで、(1)伝送線路構造の特性インピーダンス制御、(2)伝送効率の向上、(3)十分な容量のMIMコンデンサの形成という三つの要求を全て満たすことができる。
(1)の伝送線路構造の特性インピーダンス制御は、信号伝送に用いる導体パターン81bと導体パターン35bとによる配線ペアを互いに近接させ、密な電気的結合を持たせることで実現する。
(2)の伝送特性の向上、および、(3)の十分な容量のMIMコンデンサの形成は、第二積層部100に属する導体層81、35、ならびに、導体層81、35に挟まれる導体層31においては、信号伝送用の導体パターン81bに対してそれ以外の導体を十分に離隔する一方、上記以外の導体層31では、導体パターン81bと、それ以外の導体との距離を、伝送特性に影響が出ない範囲で短縮することで両立可能となる。
なお、本実施形態では、第一楕円E10および第二楕円E20のそれぞれの外部であって第一境界線R11と第二境界線r12との間に、全ての近接点P1、P2、P3が配置されているとしたが、これに限ることなく、第二積層部近接点P1、電源導体層近接点P2、およびGND導体層近接点P3の少なくとも1つがこの領域に配置されていればよい。
また、多層配線基板2Aは、第2実施形態および第3実施形態の多層配線基板と同様に、半導体装置や半導体システムを構成することができる。
本実施形態では、本来は、導体パターン81b、35bの長手方向に直交する断面において、楕円E10、E20に代えて、導体パターン81b、35bの重心をそれぞれ焦点とする楕円(以下、「傾斜楕円」と称する。)を規定し、全ての近接点P1、P2、P3がこの傾斜楕円の外部に配置されるように規定した方が、伝送線路構造をより小型に構成することができる。しかし、設計を容易なものとするため、および、この傾斜楕円が第一積層部まではみ出さないようにするために、本発明のような規定を行った。
なお、所定の信号が送信される導体パターン81bに対して導体パターン35bに反転信号を伝送することで導体パターン81b、35bを差動信号伝送用の線路として用いてもよい。
以上、本発明の第1実施形態から第4実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更なども含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
1、2、2A、4 多層配線基板
3、5 半導体装置
6 半導体システム
8 半導体集積回路
9 多層配線基板(第二多層配線基板)
10、70 基材
10a 一方の面
10b 他方の面
11、14 貫通電極
20 第一積層部
21 電源導体層
22 第一誘電体層
23 GND導体層
24 第二誘電体層
30、80、130 第二積層部
31、33、81 導体層
32、34、36、82 絶縁体層
35 導体層(第一配線導体層、第二配線導体層)
35a、81b 導体パターン(第一配線)
35b 導体パターン(第二配線)
40 第三積層部
41、43、45 第二導体層
42、44、46 第二絶縁体層
45a 二次実装用パッド
51 配線ペア
52、141、143、145 伝送線路構造
73 絶縁皮膜(皮膜)
81a、81c 表面実装用パッド
D1 厚さ方向
D2 平行方向
E10 第一楕円
E11 第一軸
E12 第二軸
E13、E23 交点
E20 第二楕円
E21 第三軸
E22 第四軸
P1 第二積層部近接点
P2 電源導体層近接点
P3 GND導体層近接点
R11 第一境界線
R12 第二境界線

Claims (17)

  1. 板状に形成された基材と、
    前記基材の一方の面に設けられ、電源電位に接続された電源導体層、第一誘電体層、接地電位に接続されたGND導体層、および第二誘電体層がこの順に積層されてなる第一積層部と、
    前記第二誘電体層上に、導体層と絶縁体層とを交互に積層してなる第二積層部と、
    複数の前記導体層のうちの一の前記導体層である第一配線導体層に形成され、信号伝送に用いられる第一配線と、複数の前記導体層のうちの一の前記導体層である第二配線導体層に形成され、前記第一配線に対して基準電位を提供する第二配線と、からなる配線ペアと、
    を備え、
    前記第一配線の長手方向に直交する断面において、
    前記第一配線と前記第二配線との距離をS、前記第一配線の幅をW1、前記第二配線の幅をW2、前記第一配線の厚さをt1、前記第二配線の厚さをt2とし、
    前記一方の面に平行な平行方向に沿った第一軸の長さが(6S+W1)の式で求められる値、前記基材の厚さ方向に沿った第二軸の長さが(2S+t1)の式で求められる値であり、かつ、前記第一軸と前記第二軸との交点が、前記第一配線の重心を通り前記厚さ方向に延びる直線と、前記第一配線導体層を前記厚さ方向に等分する直線との交点に位置する第一楕円、
    前記平行方向に沿った第三軸の長さが(6S+W2)の式で求められる値、前記厚さ方向に沿った第四軸の長さが(2S+t2)の式で求められる値であり、かつ、前記第三軸と前記第四軸との交点が、前記第二配線の重心を通り前記厚さ方向に延びる直線と、前記第二配線導体層を前記厚さ方向に等分する直線との交点に位置する第二楕円、
    前記厚さ方向に見て、前記第一配線および前記第二配線の前記平行方向における一方の端部から前記平行方向における一方に3S離間した第一境界線、および、前記第一配線および前記第二配線の前記平行方向における他方の端部から前記平行方向における他方に3S離間した第二境界線を規定したときに、
    前記第一配線導体層および前記第二配線導体層に挟まれていない前記導体層の中で前記第一配線との距離が最も近い第二積層部近接点、
    前記電源導体層の中で前記第一配線との距離が最も近い電源導体層近接点、
    および、前記GND導体層の中で前記第一配線との距離が最も近いGND導体層近接点の全てが、前記第一楕円および前記第二楕円のそれぞれの外部に配置され、かつ、前記第二積層部近接点、前記電源導体層近接点、および前記GND導体層近接点の少なくとも1つが前記第一境界線と前記第二境界線との間に配置されていることを特徴とする伝送線路構造。
  2. 板状に形成された基材と、
    前記基材の一方の面に設けられ、電源電位に接続された電源導体層、第一誘電体層、接地電位に接続されたGND導体層、および第二誘電体層がこの順に積層されてなる第一積層部と、
    前記第二誘電体層上に、導体層と絶縁体層とを交互に積層してなる第二積層部と、
    複数の前記導体層のうちの一の前記導体層である第一配線導体層に形成され、反転信号伝送に用いられる第一配線と、複数の前記導体層のうちの一の前記導体層である第二配線導体層に形成され、前記第一配線に対して基準電位を提供する第二配線と、からなる差動信号伝送用の配線ペアと、
    を備え、
    前記第一配線の長手方向に直交する断面において、
    前記第一配線と前記第二配線との距離をS、前記第一配線の幅をW1、前記第二配線の幅をW2、前記第一配線の厚さをt1、前記第二配線の厚さをt2とし、
    前記一方の面に平行な平行方向に沿った第一軸の長さが(6S+W1)の式で求められる値、前記基材の厚さ方向に沿った第二軸の長さが(2S+t1)の式で求められる値であり、かつ、前記第一軸と前記第二軸との交点が、前記第一配線の重心を通り前記厚さ方向に延びる直線と、前記第一配線導体層を前記厚さ方向に等分する直線との交点に位置する第一楕円、
    前記平行方向に沿った第三軸の長さが(6S+W2)の式で求められる値、前記厚さ方向に沿った第四軸の長さが(2S+t2)の式で求められる値であり、かつ、前記第三軸と前記第四軸との交点が、前記第二配線の重心を通り前記厚さ方向に延びる直線と、前記第二配線導体層を前記厚さ方向に等分する直線との交点に位置する第二楕円、
    前記厚さ方向に見て、前記第一配線および前記第二配線の前記平行方向における一方の端部から前記平行方向における一方に3S離間した第一境界線、および、前記第一配線および前記第二配線の前記平行方向における他方の端部から前記平行方向における他方に3S離間した第二境界線を規定したときに、
    前記第一配線導体層および前記第二配線導体層に挟まれていない前記導体層の中で前記第一配線との距離が最も近い第二積層部近接点、
    前記電源導体層の中で前記第一配線との距離が最も近い電源導体層近接点、
    および、前記GND導体層の中で前記第一配線との距離が最も近いGND導体層近接点の全てが、前記第一楕円および前記第二楕円のそれぞれの外部に配置され、かつ、前記第二積層部近接点、前記電源導体層近接点、および前記GND導体層近接点の少なくとも1つが前記第一境界線と前記第二境界線との間に配置されていることを特徴とする伝送線路構造。
  3. 請求項1または2に記載の伝送線路構造において、前記厚さ方向に平行に見たときに前記第一配線と前記第二配線とが重なり合う部分の幅が0であることを特徴とする伝送線路構造。
  4. 請求項1または2に記載の伝送線路構造において、
    前記厚さ方向に平行に見たときに前記第一配線と前記第二配線とが重なり合い、
    前記第一配線と前記第二配線との前記平行方向の距離が0であることを特徴とする伝送線路構造。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の伝送線路構造において、
    前記第一配線と前記第二配線とが同一の前記導体層に配され、
    前記第一配線と前記第二配線との前記厚さ方向の距離が0であることを特徴とする伝送線路構造。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の伝送線路構造において、前記第一誘電体層の誘電率が、前記第二誘電体層および前記絶縁体層の誘電率より大きいことを特徴とする伝送線路構造。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の伝送線路構造において、前記基材に形成され、前記厚さ方向に貫通して前記一方の面と前記基材の他方の面とを電気的に接続する貫通電極を備えることを特徴とする伝送線路構造。
  8. 請求項7に記載の伝送線路構造において、前記貫通電極が前記第一配線および前記第二配線の少なくとも一方に電気的に接続されていることを特徴とする伝送線路構造。
  9. 請求項7または8に記載の伝送線路構造において、前記基材の前記他方の面上に、第二導体層と第二絶縁体層とを交互に積層してなる第三積層部を備え、
    前記第二導体層の少なくとも一つは、前記他方の面において前記貫通電極と電気的に接続されていることを特徴とする伝送線路構造。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の伝送線路構造において、
    前記基材が半導体材料で形成され、
    前記一方の面に絶縁性の皮膜を備えることを特徴とする伝送線路構造。
  11. 請求項10に記載の伝送線路構造において、前記基材の導電率が0.001Ω・cm以上100Ω・cm以下であることを特徴とする伝送線路構造。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の伝送線路構造を含むことを特徴とする多層配線基板。
  13. 請求項12に記載の多層配線基板において、前記第一積層部が電源デカップリングコンデンサであることを特徴とする多層配線基板。
  14. 請求項12または13に記載の多層配線基板において、
    前記第二積層部の最外層となる前記導体層に外部に露出された表面実装用パッドが設けられ、
    前記表面実装用パッドのうち少なくとも一部が前記第一配線または前記第二配線と電気的に接続されていることを特徴とする多層配線基板。
  15. 請求項14に記載の多層配線基板において、前記第二積層部の最外層となる導体層、および前記第三積層部の最外層となる第二導体層に、外部に露出された二次実装用パッドを備えることを特徴とする多層配線基板。
  16. 請求項12から15のいずれか一項に記載の多層配線基板に、前記表面実装用パッドを介して少なくとも一つの半導体集積回路を実装したことを特徴とする半導体装置。
  17. 請求項15に記載の多層配線基板に、前記表面実装用パッドを介して少なくとも一つの半導体集積回路を実装して半導体装置を構成し、
    前記半導体装置を前記二次実装用パッドを介して、第二半導体装置または第二多層配線基板に実装して構成したことを特徴とする半導体システム。
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