JP2013182914A - モールドコイルおよびモールドコイルを用いた電磁弁、ならびに、モールドコイルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気フレーム20を、アース端子28が接続された下側磁気フレーム42と、上側磁気フレーム44とから構成し、下側磁気フレーム42と、ボビン24と給電端子26からなるボビン組立体32とを一体成形することにより、ボビン組立体32の周囲にモールド樹脂部80を形成した後、モールド樹脂部80を覆うように、上側磁気フレーム44を下側磁気フレーム42に取り付けた。
【選択図】図12
Description
すなわち、図18に示したように、磁気フレーム20の底板部20aには、カシメ用孔部20bが形成されており、アース端子28の基端部28aには、外壁側に突設するカシメ用凸部28bが突設されている。
アース端子28の基端部28aに設けられたカシメ用凸部28bに、この磁気フレーム20の底板部20aのカシメ用孔部20bを係合させて、磁気フレーム20の底板部20aの外壁側から、ポンチなどの治具によって、カシメ加工することによって、磁気フレーム20の底板部20aの内壁側に、アース端子28の基端部28aを電気的に強固に接続固定する。
すなわち、磁気フレーム20の底板部20aに形成した駆動部挿通孔40、ボビン24の駆動部挿通孔24aに、弁本体12の駆動部14を挿通する。そして、磁気フレーム20の上板部20cに形成したボルト挿通孔30を介して、締結ボルト50を駆動部14の吸引子52に形成したネジ孔52aに螺合させて、モールドコイル16に弁本体12の駆動部14を挿通して固定する。
すなわち、給電端子26と、ソケット組立体18の給電端子ソケット46との電気的接続、アース端子28と、ソケット組立体18のアース端子ソケット48との電気的接続を行えば、本発明の電磁弁10が構成される。
このため、図21の斜線で示したように、モールド樹脂部38が、円筒形のボビン24の巻線22の部分と、コネクタ部を構成する一対の給電端子26とアース端子28の周囲の部分との間の隅角部に、余分なモールド樹脂部38の領域38aが生ずることになる。
さらに、モールド樹脂部38の厚肉部には、ボイドができやすい性質があるので、この余分なモールド樹脂部38の領域38aにも大きいボイドが形成されることになる。このようなボイドが、ボビン24の巻線22、給電端子26とアース端子28などの封止性が必要な部分まで達する可能性がある。これにより、ボイドを介して水分が浸入して、電気的にショート、腐食などが発生して、モールドコイル16が機能しなくなるおそれがある。
このため、DINソケット型の電磁弁10において、図22に示したように、一対の給電端子26とアース端子28を備えた、いわゆる3ピンコネクタを備えたモールドコイル16では、コイル組立体36の上下に、Oリングなどのシール材58を配置することによって、防水シール構造としている。
巻線が巻き付けられたボビンと、
前記ボビンに取付けられ、巻線の端部が電気的に接続された一対の給電端子とから構成されるボビン組立体と、
前記ボビン組立体を囲む磁気フレームと、
前記磁気フレームに接続されたアース端子とを備え、
電磁弁の弁体を駆動するために用いられ、樹脂でモールドされたモールドコイルであって、
前記磁気フレームを、アース端子が接続された下側磁気フレームと、上側磁気フレームとから構成し、
前記下側磁気フレームと、ボビンと給電端子からなるボビン組立体とを一体成形することにより、ボビン組立体の周囲にモールド樹脂部を形成した後、
前記モールド樹脂部を覆うように、上側磁気フレームを下側磁気フレームに取り付けたことを特徴とする。
巻線が巻き付けられたボビンと、
前記ボビンに取付けられ、巻線の端部が電気的に接続された一対の給電端子とから構成されるボビン組立体と、
前記ボビン組立体を囲む磁気フレームと、
前記磁気フレームに接続されたアース端子とを備え、
電磁弁の弁体を駆動するために用いられ、樹脂でモールドされたモールドコイルの製造方法であって、
前記磁気フレームを、アース端子が接続された下側磁気フレームと、上側磁気フレームとから構成する工程と、
前記下側磁気フレームと、ボビンと給電端子からなるボビン組立体を、下金型に配置する工程と、
前記下金型と一対の上金型を閉じて、溶融樹脂を金型空間に注入することにより、前記下側磁気フレームとボビン組立体を一体成形することにより、ボビン組立体の周囲にモールド樹脂部を形成する工程と、
前記モールド樹脂部を覆うように、上側磁気フレームを下側磁気フレームに取り付ける工程とを備えたことを特徴とする。
従って、インサート成形時には、上側磁気フレームが存在しないので、モールド樹脂部を自由な形状に金型を設計できるので、余分なモールド樹脂部の領域が生ずることがなく、インサート成形に必要な樹脂量を少なくすることができ、ゲート位置の自由度が大きく成形上有利であり、しかも、コストを低減できる。
また、本発明のモールドコイルの製造方法は、前記上金型には、前記モールド樹脂部の隅角部と上側磁気フレームとの間には、空間が形成されるように空間用突設部が形成されていることを特徴とする。
前記モールド樹脂部の給電端子側のコネクタ取付け面を外側に延設することにより、コネクタープレートを形成し、
前記コネクタープレートにより、上側磁気フレームの端面を覆うように構成したことを特徴とする。
前記モールド樹脂部の給電端子側のコネクタ取付け面を外側に延設することにより、コネクタープレートを形成し、
前記コネクタープレートにより、上側磁気フレームの端面を覆うように、前記上下金型には、コネクタープレート用金型空間が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のモールドコイルは、
前記モールド樹脂部の給電端子側と反対側を外側に延設することにより、後部プレートを形成し、
前記後部プレートにより、上側磁気フレームの端面を覆うように構成したことを特徴とする。
前記モールド樹脂部の給電端子側と反対側を外側に延設することにより、後部プレートを形成し、
前記後部プレートにより、上側磁気フレームの端面を覆うように、前記上下金型には、後部プレート金型空間が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のモールドコイルは、前記後部プレートとボビン組立体の後部との間に補強リブを形成したことを特徴とする。
また、本発明のモールドコイルの製造方法は、前記アース端子、一対の給電端子のうち少なくとも1つの表面に、周方向に繋がった溝形状の浸水防止部を形成したボビン組立体を用いることを特徴とする。
また、現場でのコイル着脱時に、Oリングなどのシール材の脱落、紛失のおそれもなくなり取扱が簡単になる。
また、現場でのコイル着脱時に、Oリングなどのシール材の脱落、紛失のおそれもなくなり取扱が簡単になる。
一方、上側磁気フレーム44は、平板を四角に折り曲げて、断面略コの字形状に構成されている。そして、前述したように、上側磁気フレーム44の側板部44aには、その下端の四隅に、カシメ片44bが形成されている。
また、下金型60には、金型凹部62に、一対の給電端子26のための給電端子装着用凹部66と、アース端子28のためのアース端子装着用凹部68が形成されているとともに、これらの給電端子26とアース端子28を支持するための端子部スライド金型72が設けられている。
また、上金型70には、モールド樹脂部80の隅角部と、上側磁気フレーム44との間に、空間80c、80dが形成されるように、それぞれ空間用突設部74c、74dが突設されている。
次に、図10(A)、図10(B)に示したように、上金型70と下金型60を閉じた状態で、下金型60の金型凹部62と、上金型70の金型凹部74とで形成される金型空間82内に、上金型70に形成されたゲート86を介して、溶融樹脂を注入する。
そして、図15(A)、(B)に示したように、この成形体90のモールド樹脂部80のコネクタープレート80aと後部プレート80bとの間の部分に上方から、上側磁気フレーム44を取り付けることによって、モールドコイル16が組み立てられる。
このようにモールド樹脂部80でモールドしたモールドコイル16は、電磁弁10に適用するために、図18に示した従来の電磁弁10と同様に、弁本体12の駆動部14を挿通して固定する。
すなわち、給電端子26と、ソケット組立体18の給電端子ソケット46との電気的接続、アース端子28と、ソケット組立体18のアース端子ソケット48との電気的接続を行えば、本発明の電磁弁10が構成される。
このように構成することによって、モールド樹脂部80とインサートした磁気フレーム20との間が、溝形状の浸水防止部94でモールド樹脂が密着されることになり、モールド樹脂部80とインサートした磁気フレーム20との間の境界面から浸水して、アース端子28、給電端子26の表面を伝わり、ソケット組立体18の内部まで達して、絶縁性が低下することがない。
また、現場でのコイル着脱時に、Oリングなどのシール材の脱落、紛失のおそれもなくなり取扱が簡単になる。
また、上記実施例では、上下一対の金型を用いたが、金型を、いわゆる横置き型としたり、多数個取りの金型とすることも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
12 弁本体
14 駆動部
16 モールドコイル
18 ソケット組立体
20 磁気フレーム
20a 底板部
20b カシメ用孔部
20c 上板部
20d カシメ用凸部
22 巻線
24 ボビン
24a 駆動部挿通孔
26 給電端子
26a 基端部
26b 延設部
26c 給電端子部
28 アース端子
28a 基端部
28b カシメ用凸部
28c 延設部
28d アース端子部
28e カシメ用孔部
30 ボルト挿通孔
30a 給電端子部用切欠き
32 ボビン組立体
34 弁体
36 コイル組立体
38 モールド樹脂部
38a 領域
40 駆動部挿通孔
40a ボビン固定用立設部
42 下側磁気フレーム
42a カシメ用凸部
42b 嵌合凹部
42c 水抜き用孔
44 上側磁気フレーム
44a 側板部
44b カシメ片
44c 上板部
46 給電端子ソケット
48 アース端子ソケット
50 締結ボルト
52 吸引子
52a ネジ孔
54 プランジャ
56 付勢バネ
56a プランジャチューブ
58 シール材
60 下金型
62 金型凹部
62a コネクタープレート凹部
62b 後部プレート凹部
62c 接触面形成用金型空間
64 嵌合突設部
66 給電端子装着用凹部
68 アース端子装着用凹部
70 上金型
72 端子部スライド金型
74 金型凹部
74a コネクタープレート凹部
74b 後部プレート凹部
74c、74d 空間用突設部
76 接触面形成用金型空間
78 嵌合孔
80 モールド樹脂部
80a コネクタープレート
80b 後部プレート
80c、80d 空間
82 金型空間
84 コネクタ取付け面
86 ゲート
88 補強リブ
90 成形体
92 接触面
94 浸水防止部
96、98 溝
Claims (15)
- 巻線が巻き付けられたボビンと、
前記ボビンに取付けられ、巻線の端部が電気的に接続された一対の給電端子とから構成されるボビン組立体と、
前記ボビン組立体を囲む磁気フレームと、
前記磁気フレームに接続されたアース端子とを備え、
電磁弁の弁体を駆動するために用いられ、樹脂でモールドされたモールドコイルであって、
前記磁気フレームを、アース端子が接続された下側磁気フレームと、上側磁気フレームとから構成し、
前記下側磁気フレームと、ボビンと給電端子からなるボビン組立体とを一体成形することにより、ボビン組立体の周囲にモールド樹脂部を形成した後、
前記モールド樹脂部を覆うように、上側磁気フレームを下側磁気フレームに取り付けたことを特徴とするモールドコイル。 - 前記モールド樹脂部の隅角部と上側磁気フレームとの間には、空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモールドコイル。
- 前記モールド樹脂部の給電端子側のコネクタ取付け面を外側に延設することにより、コネクタープレートを形成し、
前記コネクタープレートにより、上側磁気フレームの端面を覆うように構成したことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載のモールドコイル。 - 前記モールド樹脂部の給電端子側と反対側を外側に延設することにより、後部プレートを形成し、
前記後部プレートにより、上側磁気フレームの端面を覆うように構成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモールドコイル。 - 前記後部プレートとボビン組立体の後部との間に補強リブを形成したことを特徴とする請求項4に記載のモールドコイル。
- 前記モールド樹脂部のボビン組立体の側部に位置する部分に接触面を形成して、上側磁気フレームと当接するように構成したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモールドコイル。
- 前記アース端子、一対の給電端子のうち少なくとも1つの表面に、周方向に繋がった溝形状の浸水防止部を形成したことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のモールドコイル。
- 請求項1から7のいずれかに記載のモールドコイルの駆動部挿通孔に弁本体が装着された電磁弁。
- 巻線が巻き付けられたボビンと、
前記ボビンに取付けられ、巻線の端部が電気的に接続された一対の給電端子とから構成されるボビン組立体と、
前記ボビン組立体を囲む磁気フレームと、
前記磁気フレームに接続されたアース端子とを備え、
電磁弁の弁体を駆動するために用いられ、樹脂でモールドされたモールドコイルの製造方法であって、
前記磁気フレームを、アース端子が接続された下側磁気フレームと、上側磁気フレームとから構成する工程と、
前記下側磁気フレームと、ボビンと給電端子からなるボビン組立体を、下金型に配置する工程と、
前記下金型と一対の上金型を閉じて、溶融樹脂を金型空間に注入することにより、前記下側磁気フレームとボビン組立体を一体成形することにより、ボビン組立体の周囲にモールド樹脂部を形成する工程と、
前記モールド樹脂部を覆うように、上側磁気フレームを下側磁気フレームに取り付ける工程とを備えたことを特徴とするモールドコイルの製造方法。 - 前記上金型には、前記モールド樹脂部の隅角部と上側磁気フレームとの間には、空間が形成されるように空間用突設部が形成されていることを特徴とするモールドコイルの製造方法。
- 前記モールド樹脂部の給電端子側のコネクタ取付け面を外側に延設することにより、コネクタープレートを形成し、
前記コネクタープレートにより、上側磁気フレームの端面を覆うように、前記上下金型には、コネクタープレート用金型空間が形成されていることを特徴とする請求項9から10のいずれかに記載のモールドコイルの製造方法。 - 前記モールド樹脂部の給電端子側と反対側を外側に延設することにより、後部プレートを形成し、
前記後部プレートにより、上側磁気フレームの端面を覆うように、前記上下金型には、後部プレート金型空間が形成されていることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載のモールドコイルの製造方法。 - 前記上下金型には、前記後部プレートとボビン組立体の後部との間に補強リブを形成する補強リブ用金型空間が形成されていることを特徴とする請求項12に記載のモールドコイルの製造方法。
- 前記モールド樹脂部のボビン組立体の側部に位置する部分に接触面を形成して、上側磁気フレームと当接するように、前記下金型には、接触面形成用金型空間が形成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のモールドコイルの製造方法。
- 前記アース端子、一対の給電端子のうち少なくとも1つの表面に、周方向に繋がった溝形状の浸水防止部を形成したボビン組立体を用いることを特徴とする請求項9から14のいずれかに記載のモールドコイルの製造方法。
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