JP2013182661A - リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高い出力が得られる正極活物質を低コストで生成でき、高出力を実現することが可能なリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】少なくとも、正極活物質が設けられた正極14と、負極15と、非水電解質とを具備するリチウムイオン二次電池1を製造する方法であり、フッ化鉄粉末と芳香族低分子化合物の粉末とを、乾式撹拌によって予備混合することで混合物を生成する工程と、この混合物を、芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱し、この温度で保持した後、さらに200〜500℃の範囲に加熱して保持し、その後、室温まで冷却することにより、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが析出した正極活物質を得る工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年、大容量かつ高効率な二次電池が期待されており、このような要求に応えうる二次電池の1つとして、リチウムイオン二次電池が知られている。このリチウムイオン二次電池は、鉛蓄電池等の他の二次電池に比べて、高電圧が得られること、エネルギー密度が高いこと、クーロン効率が高いこと等の特長を有している。
リチウムイオン二次電池は、例えば、電解液を貯蔵する電池容器の内部に、正極がセパレータを介して負極と離間して収容された構造とされており、また、正極や負極は、集電体に電極活物質が塗工されてなるものである。
上述のようなリチウムイオン二次電池に用いられる電極活物質としては、各種の材料が提案されており、例えば、正極活物質として、表面がカーボンでコートされたリン酸鉄リチウムからなるものが特許文献1に開示されている。
また、カーボンでコートされたフッ化金属からなる正極活物質が特許文献2に開示されている。特許文献2によれば、正極材料となるフッ化金属と炭素質材料とを、不活性ガスの雰囲気下に機械的混合手段によって4時間以上の時間で乾式混合することで、フッ化金属の表面にカーボンをコートし、一般式MFで表されるフッ化金属(Mは金属元素を示す)の表面がカーボンでコートされてなる正極活物質が得られるというものである。このように、フッ化金属を正極活物質に用いると、LiFePO等のオリビン系正極を用いるよりも可逆容量(エネルギー密度)が高くなるという効果が得られる。
また、リチウムイオン二次電池に用いる正極活物質を製造するにあたり、ベンゼン環を含む有機化合物と電極材料粒子とを混合した後、500℃〜675℃の範囲で加熱処理して有機化合物を炭化させることにより、電極材料粒子の表面に炭素コーティングして正極活物質を得る方法が特許文献3に開示されている。
特開2001−015111号公報 特開2008−130265号公報 特開2009−245762号公報
しかしながら、特許文献1に記載の正極活物質は、リン酸鉄リチウムの表面にカーボンがコートされたものであり、材料にフッ化鉄を用いた場合に較べてエネルギー密度が低いことから、リチウムイオン二次電池に用いた際の出力を高めることができないという問題がある。
また、特許文献1〜3に記載の従来の方法では、正極材料粒子の表面に機械的にカーボンを付着させているだけであり、例え、生成時のカーボン添加量を増量した場合であってもエネルギー密度を高めることが難しいという問題があった。
また、従来は、例えば、メタンやブタン等の炭化水素系ガス又はメタノール、エタノール等の液体を加熱し、その蒸気を電気炉に導入することで、正極活物質を焼成しながらカーボンを表面に析出させる方法も採用されていた。
また、例えば、鉄オリビン正極材料の前駆体に、多糖類(スクロース)やセルロース、ポリビニルアルコール等のポリマーを混合させるか、あるいは、表面にコートした後、焼成することで正極材料の表面にカーボンを析出させる方法も採用されていた。
しかしながら、上記何れの方法を用いた場合においても、正極材料の表面にカーボンを付着させるだけの方法であり、カーボンを強固且つ均一に固着させることが出来なかった。さらに、上記のリン酸鉄リチウムのカーボンコート方法をそのままフッ化鉄に適用した場合、フッ化鉄が還元されて二価のフッ化鉄(FeF)が生成するか、又はフッ化鉄が酸化されて酸化鉄(Fe)が生成するという問題があった。このため、このような従来のフッ化鉄正極活物質からなる正極を用いたリチウムイオン二次電池において、高出力を得ることができないという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、高い出力が得られるフッ化鉄正極活物質を低コストで生成させることができ、高出力を実現することが可能なリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するために、フッ化鉄の表面にカーボンをコートして正極活物質を製造する際の条件について鋭意検討を行った。その結果、フッ化鉄の粉末と炭素質材料とを混合する際、まず、乾式撹拌によって予備混合を行った後、この混合物に対して最適な条件で加熱処理を施すことにより、フッ化鉄粒子の表面にカーボンを効率良く、強固且つ均一に付着させることができることを知見した。これにより、正極活物質のエネルギー密度が向上し、リチウムイオン二次電池の出力が高められることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、少なくとも、正極活物質が設けられた正極と、負極と、非水電解質とを具備するリチウムイオン二次電池を製造する方法であって、フッ化鉄粉末と芳香族低分子化合物の粉末とを、乾式撹拌によって予備混合することで混合物を生成する工程と、前記混合物を、前記芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱し、この温度で保持した後、さらに200〜500℃の範囲に加熱して保持し、その後、室温まで冷却することにより、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが析出した前記正極活物質を得る工程と、を備えることを特徴とする。
係る構成のリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、フッ化鉄粉末と芳香族低分子化合物の粉末との混合物を乾式撹拌で生成させた後、まず、芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱して溶融させ、フッ化鉄粒子の表面を溶融した芳香族低分子化合物で被覆する。その後、さらに昇温してフッ化鉄粒子表面の芳香族低分子化合物を炭素化するとともに、炭素化されなかった芳香族低分子化合物の一部を昇華させた後、冷却することにより、フッ化鉄粒子の表面に炭素(カーボン)を強固且つ均一に固着させることができる。これにより、エネルギー密度の高い正極活物質を、簡便な工程により、高い生産性で製造することができ、高出力のリチウムイオン二次電池が得られる。
また、上記構成のリチウムイオン二次電池の製造方法においては、前記芳香族低分子化合物が、ピレン(別名:ベンゾ[d,e,f]フェナントレン)、o−ジクロロベンゼン、アントラキノン、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジアミノアントラキノン、ピロメリット酸無水物(別名:ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸無水物)、アリザリン(別名:1,2−ジヒドロキシアントラキノン)、1,3−ジフェニルベンゼン(別名:m−ターフェニル)、1,4−ベンゼンジメタノール(別名:α,α'−ジヒドロキシ-p-キシレン)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)、4,4‘−ビフェノール、4,4‘−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)、p−ターフェニル、p−トルエンスルホン酸一水和物の内から選ばれる何れか1種以上であることがより好ましい。
係る構成のリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、上記の芳香族低分子化合物をカーボン源として用いることにより、より強固且つ均一に、フッ化鉄粒子の表面にカーボンを固着させることが可能となる。
また、上記構成のリチウムイオン二次電池の製造方法においては、前記混合物を、前記芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱する際の保持時間が1時間〜3時間の範囲であることがより好ましい。
係る構成のリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱保持する時間を上記範囲とすることにより、芳香族低分子化合物の粉末を効果的に溶融させて、フッ化鉄粒子の表面に均一に被覆することができるとともに、芳香族低分子化合の重縮合反応が進んでカーボン化が促進されると考えられる。これにより、後工程において、さらに昇温保持して熱処理することで、フッ化鉄粒子の表面にカーボンをより強固且つ均一に固着させることが可能となる。
また、上記構成のリチウムイオン二次電池の製造方法においては、前記芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱保持した後、さらに加熱保持する際の保持時間を2時間〜6時間の範囲とすることがより好ましい。
係る構成のリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、表面に溶融した芳香族低分子化合物が被覆された状態のフッ化鉄粒子を、さらに昇温保持して熱処理する際の保持時間を上記範囲とすることにより、ことにより、フッ化鉄粒子の表面にカーボンをより強固且つ均一に固着させることが可能となる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池によれば、上記の製造方法によって得られることを特徴とする。
係る構成のリチウムイオン二次電池によれば、上記製造方法によって得られるものなので、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが強固且つ均一に固着された、エネルギー密度の高い正極活物質が設けられてなる正極を具備するものなので、高出力であるとともに、生産性に優れたリチウムイオン二次電池が実現できる。
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、フッ化鉄粉末と芳香族低分子化合物の粉末とを混合して正極活物質を製造する際、まず、乾式撹拌によって予備混合を行った後、この混合物に対して、最適な熱処理条件で、芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱保持し、次いで、さらに昇温して保持した後、冷却する方法を採用している。即ち、粉末状の混合物を熱処理することで、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが強固且つ均一に固着されてなる、エネルギー密度の高い正極活物質が得られる。これにより、エネルギー密度の高い正極活物質が設けられた正極を備える高出力のリチウムイオン二次電池を、簡便な工程で生産性良く製造することが可能となる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池によれば、上記本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法によって得られるものなので、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが強固且つ均一に固着された、エネルギー密度の高い正極活物質が設けられてなる正極と、負極と、非水電解質とを具備する構成を有する。これにより、高出力であるとともに、生産性に優れたリチウムイオン二次電池が安価な構成で実現できる。
本発明を適用したリチウムイオン二次電池の一実施形態を模式的に示す図であり、電池外観及び部品構成を示す分解斜視図である。 本発明を適用したリチウムイオン二次電池の製造方法の一実施形態を説明する模式図であり、ピレンを炭素源としたフッ化鉄のカーボンコート工程を示す概略図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、ピレンとフッ化鉄(FeF)との混合物のTG/DTA計測結果を示すグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、ピレンとフッ化鉄(FeF)との混合物の焼成後のXRD計測結果を示すグラフである。 従来のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池について説明する図であり、ポリビニルアルコールとフッ化鉄(FeF)との混合物のTG/DTA計測結果を示すグラフである。 従来のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池について説明する図であり、ポリビニルアルコールとフッ化鉄(FeF)との混合物を焼成した後のXRD計測結果を示すグラフである。 従来のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池について説明する図であり、スクロースとフッ化鉄(FeF)との混合物のTG/DTA計測結果を示すグラフである。 従来のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池について説明する図であり、スクロースとフッ化鉄(FeF)との混合物を焼成した後のXRD計測結果を示すグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、ピレンとフッ化鉄(FeF)との混合物の昇温速度5℃/minにおけるTG/DTA計測結果を示すグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、ピレンとフッ化鉄(FeF)との混合物を240℃で5時間焼成した後のXRD計測結果を示すグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、ピレンとフッ化鉄(FeF)との混合物の昇温速度1℃/minにおけるTG/DTA計測結果を示すグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、ピレンとフッ化鉄(FeF)との混合物を240℃で5時間焼成した後のXRD計測結果を示すグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実験例について説明する図であり、ピレンとフッ化鉄(FeF)との混合物の、昇温速度5℃/minおよび1℃/minにおけるTG/DTA計測結果を示すグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実験例について説明する図であり、図10及び図12に示す、ピレンとフッ化鉄(FeF)との混合物を240℃で5時間焼成した後のXRD計測結果を、重ね合わせて示したグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実験例について説明する図であり、ピレンとフッ化鉄(FeF)との混合物を240℃で5時間焼成した前後の状態を示す写真図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実験例について説明する図であり、ピレンを炭素源としたフッ化鉄のカーボンコート有無による表面抵抗計測結果を比較するグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、カーボンコートの有無による放電レート特性比較を示すグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池で用いられる芳香族低分子化合物について説明するグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、o−ジクロロベンゼンを炭素源としてカーボンコートを施したフッ化鉄からなる正極活物質を用い、コインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製した際の放電特性を示すグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の実施例について説明する図であり、o−ジクロロベンゼンを炭素源としてカーボンコートを施したフッ化鉄からなる正極活物質を用い、コインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製した際の放電レート特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態であるリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池について、図面を適宜参照しながら詳しく説明する。なお、説明に用いる各図面においては、特徴的な部分を分かりやすく示すために、図面中の構造の寸法や縮尺が、実際の構造に対して異なっている場合がある。また、実施形態中における同様の構成要素については同じ符号を付して図示し、その詳細な説明を省略する場合がある。
[リチウムイオン二次電池]
本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法について詳しく説明するにあたり、まず、リチウムイオン二次電池の構成例について説明する。
図1は、リチウムイオン二次電池の構成例を示す斜視分解図である。図1に例示するリチウムイオン二次電池1は、内部に非水電解液(非水電解質)を貯留する電池容器10を備えている。電池容器10は、例えばアルミニウム製の中空容器であり、本例では、外形が略角柱状(略直方体状)とされている。また、電池容器10は、開口を有する筒状体10aと、筒状体10aの開口を塞ぐ蓋10bとから構成されている。
電池容器10に備えられる蓋10bには、電極端子11、12及び電解液の注入口13が設けられており、本実施形態では、電極端子11が正極端子、電極端子12が負極端子である場合について説明する。また、電池容器10の内部には、複数の電極14、15と、これら複数の電極14、15の間にそれぞれ配置されるセパレータ16が収容されている。
電極(正極、負極)14、15は、通常、導体箔や導体薄板等のシート状の集電体(導体)を母材とし、母材の表面に電解液の種類に応じた電極活物質のコーティングがなされて構成される。電極14は、本例においては正極であり、アルミニウム製の母材上に、表面にカーボンが被覆されたフッ化鉄からなる本発明に係る正極活物質が形成されたものである。電極15は、本例では負極であり、集電体上に負極活物質が設けれ、非水電解液と接触する部分がグラファイトからなる。
正極(電極)14は、負極(電極)15と対向配置され、これら各電極14、15は、互いに対向する方向に繰り返し配置されている。また、各電極14、15の間には、それぞれセパレータ16が設けられており、各電極14、15が互いに接触しないように構成されている。セパレータ16としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔性高分子材料膜、ガラス繊維、各種高分子繊維からなる不織布等の絶縁材料が用いられる。
正極14における正極端子(電極端子)11側の端部には、電極タブ14aが形成されている。繰返し配置された複数の正極14の電極タブ14aが一括して、正極端子11と電気的に接続されている。
また、負極15における負極端子(電極端子)12側の端部には、電極タブ15aが形成されている。繰返し配置された複数の負極15の電極タブ15aが一括して、負極端子12と電気的に接続されている。
正極14は、上述したように、集電体と、この集電体上に設けられた正極活物質層(正極活物質)とから構成される。正極活物質層は、表面にカーボンが被覆されたフッ化鉄からなる正極活物質の粉末の他、例えば、導電助材粉末と結着剤とが混合され、膜状に成形される。
正極14において正極活物質層として備えられる正極活物質は、詳細を後述する製造方法によって得られるものであり、活物質材料としてフッ化鉄が用いられる。このようなフッ化鉄は、エネルギー密度が高く、高出力が期待できるとともに、低コストである点から好ましい。
また、正極活物質をなすフッ化鉄の表面に被覆されるカーボンは、後述するように、正極活物質の製造時にフッ化鉄と混合して用いられる芳香族低分子化合物に由来するものである。本発明においては、後述する予備混合及び熱処理条件を最適化することにより、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが強固且つ均一に付着される。これにより、正極活物質のエネルギー密度が向上し、リチウムイオン二次電池の出力が高められる。
その他、正極活物質層に添加される導電助材粉末としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維等の炭素質材料を用いることができる。
また、結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンや、ポリ4フッ化エチレン、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、アクリル系バインダー等を用いることができる。
さらに、正極活物質層に、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリイミダゾール等の導電性高分子材料を添加しても良い。これらの導電性高分子材料は、電気化学的に安定であり、しかも電子伝導性に優れているため、正極活物質層の内部抵抗を低減する効果が得られる。
なお、正極14の集電体としては、上記のアルミニウムに限定されることなく、その他の金属材料からなる金属箔、金属網、エキスパンドメタル等を用いることができ、例えば、チタンやステンレス等を用いても良い。
負極15は、Cu箔等からなる集電体と、この集電体上に成膜された負極活物質層とから構成される。負極活物質層は、例えば、リチウムを電気化学的に脱挿入する黒鉛等の負極活物質粉末と、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤と、負極活物質層の表面にSEI膜を形成する添加剤とが混合されて形成される。また、上記添加剤の一部又は全部が反応して、負極活物質の表面にSEI膜が形成される。なお、負極電極層にカーボンブラック等の導電助材粉末が添加される場合もある。
負極活物質としては、黒鉛の他に、コークス、熱分解炭素、ガラス状炭素、無定形炭素、黒鉛化炭素繊維、各種高分子材料の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、活性炭等の各種炭素材料を用いることができる。また、比較的低い電位で充放電できるSi、Sn、Inなどの合金あるいは金属酸化物・窒化物等を用いても良い。
負極活物質層に用いられる結着剤としては、特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride;PVDF)の他、従来公知の材料を何ら制限無く採用することが可能である。
また、添加剤としても、負極活物質層の表面にSEI膜を形成するものであれば特に限定されず、例えば、ビニレンカーボネート等の他、従来公知の材料を何ら制限無く採用することが可能である。
電池容器10の内部には、非水電解液(非水電解質)が各電極14、15と接触するように貯留される。非水電解液としては、例えば、炭酸エチレンや炭酸ジエチル、炭酸プロピル等の有機溶媒に、六フッ化リン酸リチウムや四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩を溶解した溶液等が挙げられる。
次に、非水電解液(非水電解質)は、本発明においては特に限定されるものではなく、例えば、環状炭酸エステル又は鎖状炭酸エステルの何れか一方あるいは両方が含まれ、さらに溶質が含まれた構成のものを採用することが可能である。特に、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルの両方が混合されたものに、溶質(電解質)が溶解されてなるものが好ましい。
環状炭酸エステルとしては、例えば、プロピレンカーボネート等の従来公知の材料を例示でき、また、鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート等の公知の材料を例示できる。また、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルは上記に列挙したものに限らず、溶質及び第4級アンモニウム塩を解離できるものであれば、どのようなものでも用いることができる。
また、溶質(電解質)としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiCSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(RfSO、LiC(RfSO、LiCnF+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO[ここでRfはフルオロアルキル基]等のリチウム塩を例示できる。
また、本発明においては、さらに、上記の非水電解液に代えて、固体電解質(非水電解質)を用いることもできる。このような固体電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の高分子マトリックスに、上記非水電解液を含浸させてなるゲル電解質等を例示できる。また、固体電解質を用いる場合には、セパレータ16を省略することも可能である。
[リチウムイオン二次電池の製造方法]
以下に、本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法の一実施形態について、主に図1、2を参照しながら説明する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、図2(a)〜(c)の模式図にも示すように、少なくとも、正極活物質が設けられた正極と、負極と、非水電解質とを具備するリチウムイオン二次電池を製造する方法であり、少なくとも、以下に示す(1)〜(3)の工程が備えられる。
(1) フッ化鉄粉末と芳香族低分子化合物の粉末とを、乾式撹拌によって予備混合することで混合物を生成する。
(2) (1)で得られた混合物を、芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱し、この温度で保持する。
(3) さらに200〜500℃の範囲に加熱して保持し、その後、室温まで冷却することにより、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが析出した正極活物質を得る。
そして、本実施形態においては、上記工程で得られた正極活物質を集電体上に塗工することで正極14を製造し、さらに、負極、非水電解質等をそれぞれ設けることにより、リチウムイオン二次電池1を製造する。
具体的には、まず、フッ化鉄(FeF)の粉末と、芳香族低分子化合物、例えば、ピレン(別名:ベンゾ[d,e,f]フェナントレン)の粉末を準備する。
なお、本発明の製造方法で用いる芳香族低分子化合物としては、上記のピレンに限定されるものではなく、後述する熱処理において、フッ化鉄の表面にカーボン(炭素)が析出しやすいものであれば、適宜採用することができる。例えば、芳香族低分子化合物としては、上記ピレンに加え、o−ジクロロベンゼン、アントラキノン、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジアミノアントラキノン、ピロメリット酸無水物(別名:ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸無水物)、アリザリン(別名:1,2−ジヒドロキシアントラキノン)、1,3−ジフェニルベンゼン(別名:m−ターフェニル)、1,4−ベンゼンジメタノール(別名:α,α'−ジヒドロキシ-p-キシレン)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)、4,4‘−ビフェノール、4,4‘−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)、p−ターフェニル、p−トルエンスルホン酸一水和物の内から選ばれる何れか1種以上を用いることができる。
ここで、本発明においてカーボン源として採用する低分子の芳香物化合物について、図18のグラフを用いて説明する。図18は、カーボン源材料となり得る有機化合物を、O/Cモル比とH/Cモル比との相関で並べたものであり、グラフ中、原点から延びる鎖線は、還元雰囲気と酸化雰囲気との境界であるHO脱水線である。本発明者等は、正極活物質に用いるカーボン源としては、酸素及び水素の少ない材料を選定することが望ましい点に着目した。即ち、図18のグラフにおいて、O/Cモル比及びH/Cモル比がともに低い、低分子の芳香族化合物を用い、さらに、熱処理条件を最適化することにより、フッ化鉄粒子の表面に、カーボンが強固且つ均一に固着することを見出したものである。
次いで、本実施形態では、上記(1)の工程において、ボールミル中にフッ化鉄粉末及びピレン粉末を入れ、乾式撹拌して予備混合することにより、上記各粉末の混合物を生成させる。この際の混合比としては、例えば、ピレン粉末の添加量を、フッ化鉄に対する質量比で概ね3%程度とすることが、ピレン粉末の過不足等が生じず、フッ化鉄粒子の表面にピレンが均一に付着することからより好ましい。
なお、上記(1)の工程においては、予め、ボールミル中に、ピレンを分散させるための有機溶媒、例えば、アセトンを満たした状態とし、これにフッ化鉄とピレンを添加した後に混合する方法を採用することも可能である。フッ化鉄粉末とピレン粉末とを混合させる際、予め、ピレンを有機溶媒中に分散させておくことにより、フッ化鉄粒子の表面にピレンをより均一に付着させることができる。
その後、アセトン等の有機溶媒は、真空乾燥法等の方法で除去する。
次いで、図2(b)に示すように、上記(2)の工程においては、上記(1)の工程で得られた混合物を図示略の加熱容器に移し替え、ピレンの融点(151℃)以上の温度で加熱し、この温度で保持する。この際、例えば、加熱温度を160℃程度とし、1時間程度の時間で保持する。
この工程(2)の工程における加熱温度としては、使用する芳香族低分子化合物の融点以上であれば問題無いが、例えば、融点よりも5〜10℃程度高い温度とすることが、ピレンが効果的に溶融する点からより好ましい。
また、(2)の工程における保持時間についても、特に限定されるものではないが、例えば、60分(1時間)以上とすることが、溶融しないピレンが生じるのを防止する観点からより好ましい。
上記(2)の工程は、上記手順及び条件によってピレン粉末を溶融させ、フッ化鉄粒子の表面を溶融ピレンで均一に被覆するものである。
次いで、図2(c)に示すように、上記(3)の工程においては、(2)において混合物を保持した温度から、さらに昇温させ、200〜500℃の範囲に加熱して保持する。この際、例えば、400℃程度の温度に昇温した後、この温度で5時間程度、保持して熱処理を行う。
そして、(3)の工程では、その後、室温まで空冷した後、加熱容器から正極活物質の粉末を取り出す。
上記(3)の工程では、さらに上記範囲の温度に昇温することで、フッ化鉄粒子表面に被覆されたピレンの少なくとも一部を昇華させて炭化することにより、フッ化鉄粒子の表面に、カーボン(炭素)を強固且つ均一に固着させるものである。
本発明の製造方法では、上記方法を採用することにより、フッ化鉄粒子の表面にカーボンを強固且つ均一に固着させることができる。これにより、エネルギー密度の高い正極活物質を、簡便な工程により、高い生産性で製造することができるという効果が得られる。
本実施形態では、負極にカーボンを用いる場合、上記手順で得られた正極活物質に、露点−30℃以下のドライ雰囲気内で、分散溶媒としてNMP溶媒に分散させた所定量の金属リチウム箔を添加・撹拌するリチウムドーピング処理を実施して、LiFeF正極材料を作製する。さらに、導電助材粉末と結着剤とを混合して混合物スラリーを調整する。
導電助剤としては、特に限定されることなく、導電性を有する材料を適宜選択して採用することができ、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、活性炭等が挙げられる。
また、結着剤としても適宜採用することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride;PVDF)等のフッ素ポリマーが挙げられる。
そして、本実施形態では、正極活物質、導電助材及び結着剤の混合物を、さらに、ポリアニリンが溶解されたNMP等の分散媒に添加してスラリーとし、このスラリーを集電体上にドクターブレード法等により塗布した後、分散媒を加熱除去し、プレス等により圧縮することによって正極14を製造する。具体的には、上記混合物のスラリーを、集電体上にドクターブレード法等によって塗布した後、加熱することで分散媒を除去して乾燥し、プレス等で圧縮することにより製造する。この際の加熱温度は、分散媒の沸点以上の温度範囲、又は減圧乾燥とする。このような手順により、正極14を製造する。
次に、本実施形態では、負極15については、適宜選択される従来公知の形成材料や形成方法によって形成することができる。
そして、そして、正極14、セパレータ16、及び、負極15を順次積層して、これらの積層体を形成する。
次に、電池容器10を構成する筒状体10aおよび蓋10bを用意し、筒状体10aに上記各電極14、15及びセパレータ16からなる積層体を収容する。また、蓋10bには、予め、電極端子11、12及び注入口13を設ける。そして、上記積層体における複数の電極タブ14aを一括して電極端子11と電気的に接続し、積層体における複数の電極タブ15aを一括して電極端子12と電気的に接続する。そして、筒状体10aに蓋10bを取付けて溶接する。
そして、電池容器10の内部に注入口13から非水電解液を注入し、注入口13を封じる。
次に、本実施形態では、初期充放電を行う。具体的には、電極端子11、12を充電器等と電気的に接続し、正極14と負極15との間に電圧を印加することで充電制御する。
充電方法としては、例えば、定電流・定電圧方式を採用することが好ましい。即ち、電池電圧が充電上限電圧に達するまで定電流で充電を行い(定電流充電)、充電上限電圧に達した後は、この上限電圧を維持したまま、所定の充電時間電流を流す(定電圧充電)。定電流・定電圧充電時の充電上限電圧は、電池の正負極の構成にもよるが、4.1〜4.2Vの範囲が好ましい。また、定電流充電時の充電電流は、電池サイズにもよるが、0.1〜2C(1Cは電池全容量を1時間で放電または充電可能な電流値と定義されているため、0.1Cでは充電に10時間必要となる)の範囲が好ましい。さらに、定電圧充電時の充電時間は、電池サイズにもよるが、10時間以内が好ましい。
また、放電方法としては、定電流放電を採用することが好ましい。即ち、電池電圧が放電下限電圧に達するまで、定電流で放電を行う(定電流放電)。放電下限電圧は、電池の正負極の構成にもよるが、2.0〜3.5Vの範囲が好ましい。また、放電電流は、電池サイズにもよるが、0.1〜2Cの範囲が好ましい。
上述したように初期充放電を行うことにより、正極14の正極活物質において化学反応が起きる。この反応により、MF(FeF)で表される電極活物質が形成され、この時点で、正極14がその機能を果たすものとなる。
また、初期充放電の際、負極15においても負極活物質の化学反応が起き、正極14と同様に、負極15がその機能を果たすものとなる。
以上説明したような、本実施形態のリチウムイオン二次電池1の製造方法によれば、フッ化鉄粉末と芳香族低分子化合物の粉末とを混合して正極活物質を製造する際、まず、乾式撹拌によって予備混合を行った後、この混合物に対して、上述した最適な熱処理条件で、芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱保持し、次いで、さらに昇温して保持した後、冷却する方法を採用している。即ち、粉末状の混合物を熱処理することで、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが強固且つ均一に固着されてなる、エネルギー密度の高い正極活物質が得られる。これにより、エネルギー密度の高い正極活物質が設けられた正極14を備える高出力のリチウムイオン二次電池1を、簡便な工程で生産性良く製造することが可能となる。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池1によれば、上記の製造方法によって得られるものであり、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが強固且つ均一に固着された、エネルギー密度の高い正極活物質が設けられてなる正極14と、負極15と、非水電解質とを具備する構成を有する。これにより、高出力であるとともに、生産性に優れたリチウムイオン二次電池1が安価な構成で実現できる。
なお、本発明の技術範囲は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。例えば、上述した実施形態においては、外形が略直方体状のリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明しているが、コイン型、円筒型、シート型のリチウムイオン二次電池においても本発明を適用することが可能である。
以下、実施例を示して、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは無い。
[実施例1]
本実施例では、まず、以下の手順及び条件で正極活物質を作製し、さらに、この正極活物質を備えた正極、負極、非水電解質を作製して、コインセルタイプのリチウムイオン二次電池を完成させ、以下に説明する評価試験を行った。
(正極活物質・正極の作製)
まず、「遊星型ボールミル(フリッチュ社製P6)」を用い、正極材料であるフッ化鉄(FeF)の粉末と、芳香族低分子化合物であるピレン(別名:ベンゾ[d,e,f]フェナントレン)の粉末の粉末とを、乾式撹拌によって予備混合することで混合物を生成させた。この際、ボールミルの回転数を150rpmとし、アルゴン雰囲気下で3時間の撹拌を行った。また、フッ化鉄粉末に対するピレン粉末の添加量は、約3質量%とした。
次に、上記の混合物を、電気炉内において、ピレンの融点(151℃)以上の約160℃の温度で加熱し、この温度で約1時間保持した。次いで、400℃に昇温して5時間保持した後、室温まで冷却(放冷)し、粉末を取り出した。このような手順により、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが析出した正極活物質を得た。
次に、上記条件で得られた正極活物質に、さらに、導電助材粉末としてアセチレンブラックを添加するとともに、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを添加して混合物を作製した。そして、この混合物を、分散媒であるNMPに添加してスラリーを調整した後、このスラリーを、ドクターブレード法を用いてAlからなる集電体上に塗布した後、分散媒を120℃の温度で加熱することで除去し、乾燥させた。その後、集電体上に積層された乾燥混合物をプレス圧縮することで、正極14を作製した。
なお、本実施例においては、上記条件で正極活物質を作製するとともに、上記混合物の保持温度を段階的に変化させることにより、保持温度別の重量減少率及び示差熱を調べる実験を行った。この際、昇温速度を5℃/分とし、図3中に示すように、50℃ステップで1時間の保持を行いながら、段階的に昇温した。この結果、図3のグラフに示すように、280℃程度の温度でピレンが全て昇華することから、芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱する際の保持温度を、おおよそ151℃超200℃以下とする必要があることがわかる。
また、図4のXRD計測結果のグラフに示すように、650℃への昇温後、1時間保持した試料は、FeFや酸化鉄が存在するものの、大部分のFeFが残存していることがわかる。
(二次電池構造の作製)
次に、本実施例では、上記手順で得られた正極を用いて、従来公知の方法でコインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製した。この際の電池仕様としては、市販のコイン型電池(宝泉社製:R2032)に準じ、上記正極に加え、負極、正極容器、負極蓋、セパレータ及び電解液を有するものを作製した。
この際に用いた正極は、直径10mmであり、上記手順及び条件で作製した正極活物質を備えてなる。
また、負極としては、直径15mmであり、本実施例では、Liメタル(本城金属製)を用いて作製した。
また、電解液としては、1M LiPF/EC:DMC(1:1vol%)(富山薬品工業製)を用いた。
また、セパレータとしては、ポリプロピレン微多孔体(セルガード社製)を用いた。
その後、0.2Cの電流値で4.2Vまでで初期充放電を行ない、本実施例のリチウムイオン二次電池を完成させた。
(充放電特性の測定)
上記手順及び条件で得られた本実施例のリチウムイオン二次電池に関し、充放電特性を測定して評価した。
この際、測定装置として「アスカ電子製充放電システム装置ACD−01」を用い、また、測定温度を25℃、電圧範囲を2.0〜4.15Vとし、電流密度は0.2mA/cmとした。
上記条件によって充放電特性を評価したところ、放電容量については、従来の方法で製造された正極活物質が用いられた場合とほぼ同等の200mAh/gであったが、出力特性については、0.5Cから2C程度まで放電可能であった。
本実施例においては、フッ化鉄粉末とピレン粉末とを混合して正極活物質を製造するにあたり、乾式撹拌で予備混合を行った後、最適な熱処理条件で、ピレンの融点以上の温度で加熱保持し、さらに昇温保持した後に冷却することで、効果的にピレンを炭素化してフッ化鉄粒子の表面に固着させている。上記結果により、本実施例の方法で得られる正極活物質は、フッ化鉄の表面に均一にカーボンが固着しているので、従来の機械的カーボンコート方法で得られる正極活物質に較べ、電極内部抵抗が小さく、出力特性が向上していることが明らかである。
[比較例1]
本比較例においては、正極活物質を従来の方法で作製した点を除き、上記実施例1と同様の手順及び条件でコインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価試験を行った。
具体的には、正極の作製にあたり、まず、フッ化鉄粉末をポリビニルアルコールに添加して混合物を調整した後、電気炉内において、700℃の温度で2時間、加熱焼成した後、室温に冷却して乾燥させた。そして、集電体上に積層された乾燥混合物をプレス圧縮することで、比較例1の正極を作製した。
そして、比較例1の正極を用いて、上記実施例1と同様の手順及び条件でコインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製し、上記同様に充放電特性を測定して評価した。
比較例1のリチウムイオン二次電池の放電容量は、従来に較べて、さらに大幅に低下して50mAh/gとなり、出力特性も得られず、本発明の実施例に較べて大きく劣ることが明らかとなった。これは、比較例1の方法では、フッ化鉄粒子の表面にカーボンを付着させることは可能であったものの、活物質であるフッ化鉄正極材料が還元して可逆的に充放電することができない二価のフッ化鉄に変化したものと考えられる。
なお、上記実施例1と同様、本比較例においても、正極活物質の作製と同時に混合物の保持温度を徐々に変化させることにより、保持温度別の重量減少率及び示差熱を調べた。この結果、図5のグラフに示すように、350〜360℃で分解又は重合させてから焼成・炭素化する必要があることが確認された。
また、図6のXRD計測結果のグラフに示すように、700℃への昇温後、2時間保持した試料は、カーボンの生成が見られたが、FeFが完全にFeFに還元され、一部、酸化鉄や還元鉄が存在していることがわかる。
[比較例2]
本比較例においては、正極活物質を従来の方法で作製した点を除き、上記実施例1と同様の手順及び条件でコインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価試験を行った。
具体的には、正極の作製にあたり、まず、フッ化鉄粉末をスクロースに添加して混合物を調整した後、850℃の温度で5時間加熱した後、室温に冷却して乾燥させた。そして、集電体上に積層された乾燥混合物をプレス圧縮することで、比較例2の正極を作製した。
そして、比較例2の正極を用いて、上記実施例1と同様の手順及び条件でコインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製し、上記同様に充放電特性を測定して評価した。
比較例2のリチウムイオン二次電池の放電容量は、従来に比べて、さらに大幅に低下して30mAh/g程度となり、出力特性も得られず、本発明の実施例に較べて大きく劣ることが明らかとなった。これは、比較例2の方法では、フッ化鉄粒子の表面に、カーボンを付着させることは可能であったものの、活物質であるフッ化鉄正極材が還元して可逆的に充放電ができない二価のフッ化鉄に変化したものと考えられる。
また、実施例1等と同様、本比較例においても、正極活物質の作製と同時に混合物の保持温度を徐々に変化させることにより、保持温度別の重量減少率及び示差熱を調べた。この結果、図7のグラフに示すように、200〜250℃で分解保持後に焼成する必要があることがわかる。
また、図8のXRD計測結果のグラフに示すように、850℃への昇温後、5時間保持した試料は、カーボンの生成が見られたが、FeFが完全にFeFに還元され、一部、酸化鉄や還元鉄が存在していることがわかる。
[実施例2]
本実施例においては、正極活物質を作製する際の温度を240℃として5時間保持した点を除き、上記実施例1と同様の手順及び条件でコインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製し、この際の重量減少率及び示差熱を調べた。
この結果、図9のグラフに示すように、おおよそ160〜220℃で保持した後、焼成することが必要であることがわかる。
また、図10のXRD計測結果のグラフに示すように、240℃で5時間保持した試料は、FeFや酸化鉄が存在するものの、大部分のFeFが残存していることがわかる。
[実施例3]
本実施例においては、正極活物質を作製する際の昇温速度を1℃/分とし、温度を240℃で5時間保持した点を除き、上記実施例1と同様の手順及び条件でコインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製し、この際の重量減少率及び示差熱を調べた。
この結果、図11のグラフに示すように、おおよそ160〜190℃で保持した後、焼成することが必要であることがわかる。
また、図12のXRD計測結果のグラフに示すように、昇温速度を1℃/分とし、240℃で5時間保持した試料は、FeFや酸化鉄が存在するものの、大部分のFeFが残存していることがわかる。
[実験例1]
本実験例においては、正極活物質を作製する際の昇温速度を1℃/分又は5℃/分とし、温度を240℃で5時間保持した点を除き、上記実施例1と同様の手順及び条件でコインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製し、この際の重量減少率及び示差熱を調べた。
この結果、図13のグラフに示すように、昇温速度を遅くした場合に、重量が減少する温度範囲が低下していることがわかる。これは、ピレンの重合に時間がかかるためであることが考えられる。
また、図14のグラフに示すように、昇温速度を1℃/分又は5℃/分とし、240℃で5時間保持した試料は、FeFや酸化鉄が存在するものの、大部分のFeFが残存していることがわかる。
ここで、本実験例で得られた試料の写真を図15(a)、(b)に示す。図15(a)に示すように、昇温速度を5℃/分と速くした場合には、試験後(加熱後)のフッ化鉄の色が濃く、カーボン析出量が多いように見えるが、図14のXRD計測結果から、酸化鉄や二価のフッ化鉄のような不純物が多くなっているものと考えられる。
一方、図15(b)に示すように、昇温速度を1℃/分と遅くした場合には、試験後(加熱後)のフッ化鉄の色が若干薄く、カーボン析出量が少ないように見えるが、図14のXRD計測結果から、酸化鉄や二価のフッ化鉄のような不純物が少なくなっているものと考えられる。
[実験例2]
本実験例においては、正極活物質を作製する際の条件を上記実施例1と同条件とした場合と、正極活物質にカーボンを被覆せず、フッ化鉄のみとした場合との、各正極活物質の表面抵抗率(Ω/□)を調べた。この際、表面抵抗率は、JIS K 7194で規定される方法に基づき、上記各試料(正極活物質)約2.0gを圧縮プレスし、厚さ100μmの薄膜を形成した後、この薄膜の表面抵抗を測定した。
この結果、図16のグラフに示すように、フッ化鉄(FeF)をカーボンでコートした正極活物質は、カーボンをコートしない場合に較べて、ほぼ3桁以上、抵抗率が低減できることを確認した。
また、図17の放電レート特性のグラフに示すように、フッ化鉄の表面にカーボンがコートされている場合には、コートされていない場合に較べて、内部抵抗が低減されて出力特性が大幅に向上していることがわかる。
[実施例4]
本実施例では、以下の手順及び条件で正極活物質を作製し、さらに、この正極活物質を備えた正極、負極、非水電解質を作製して、コインセルタイプのリチウムイオン二次電池を完成させ、以下に説明する評価試験を行った。
まず、芳香族低分子化合物としてo−ジクロロベンゼンを用いて、予め、ボールミル中に、o−ジクロロベンゼンを分散させるための有機溶媒としてアセトンを満たした状態とし、これに、フッ化鉄とo−ジクロロベンゼンを添加した後、実施例1と同様に、遊星ボールミルを用いて撹拌混合した。この際、ボールミルの回転数を150rpmとし、アルゴン雰囲気下で3時間の撹拌を行った。また、フッ化鉄粉末に対するo−ジクロロベンゼン溶液の添加量は、約5質量%とした。その後、アセトン等の有機溶媒は、室温乾燥させることで除去した。
次に、上記の混合物を、電気炉内において、o−ジクロロベンゼン溶液の沸点(180℃)以下の約150℃の温度で加熱し、この温度で約3時間保持した。次いで、250℃に昇温して6時間保持した後、室温まで冷却(放冷)し、粉末を取り出した。このような手順により、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが析出した正極活物質を得た。
そして、上記実施例1と同様の手順及び条件でコインセルタイプのリチウムイオン二次電池を作製し、上記同様に充放電特性を測定して評価し、この際の放電容量を図19のグラフに示すとともに、出力特性(放電レート特性)を図20のグラフに示した。図19に示すように、本実施例における初期容量は、従来の方法で製造されたフッ化鉄からなる正極活物質を用いた場合とほぼ同様、190mAh/gの放電容量が得られた。また、図20に示すように、本実施例における出力特性としては、実施例1の芳香族炭化水素としてピレンを用いた場合と近い特性が得られた。
上述したような、本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、フッ化鉄粉末と芳香族低分子化合物の粉末とを予備混合した後、最適な熱処理条件で、芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱保持し、さらに昇温保持した後に冷却する方法としたので、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが強固且つ均一に固着されたエネルギー密度の高い正極活物質が得られ、高出力のリチウムイオン二次電池を優れた生産性で製造できる。従って、産業の種々の分野における電池、例えば、経済性、安全性および容量の並立が必要な大型ロードレベリング用電源や電気自動車用電池等に、本発明を適用することが期待される。
1…リチウムイオン二次電池、
10・・・電池容器、
10a・・・筒状体、
10b・・・蓋、
11、12・・・電極端子、
13・・・注入口、
14…正極(電極)、
14a・・・電極タブ、
15…負極(電極)、
15a・・・電極タブ、
16…セパレータ、

Claims (5)

  1. 少なくとも、正極活物質が設けられた正極と、負極と、非水電解質とを具備するリチウムイオン二次電池を製造する方法であって、
    フッ化鉄粉末と芳香族低分子化合物の粉末とを、乾式撹拌によって予備混合することで混合物を生成する工程と、
    前記混合物を、前記芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱し、この温度で保持した後、さらに200〜500℃の範囲に加熱して保持し、その後、室温まで冷却することにより、フッ化鉄粒子の表面にカーボンが析出した前記正極活物質を得る工程と、
    を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 前記芳香族低分子化合物が、ピレン、o−ジクロロベンゼン、アントラキノン、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジアミノアントラキノン、ピロメリット酸無水物、アリザリン、1,3−ジフェニルベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、4,4‘−ビフェノール、4,4‘−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)、p−ターフェニル、p−トルエンスルホン酸一水和物の内から選ばれる何れか1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 前記混合物を、前記芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱する際の保持時間が1時間〜3時間の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  4. 前記芳香族低分子化合物の融点以上の温度で加熱保持した後に、さらに加熱保持する際の保持時間が2時間〜6時間の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の製造方法によって得られることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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