JP2013177297A - ドープ石英ガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属元素が所望の濃度で均一に分布したドープ石英ガラスを容易に、かつ安定して製造することができる方法を提供する。
【解決手段】ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成し、この原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成する。
【選択図】図1
【解決手段】ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成し、この原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、希土類元素等の金属元素をドープした石英ガラスの製造方法に関する。
希土類元素等の金属元素をドープしてなる石英ガラスの製造方法として、(1)ガラス形成材料のケイ素化合物を酸水素火炎に供給し、この火炎中で生成したシリカガラス微粒子を堆積して多孔質ガラス母材を作製し、この多孔質ガラス母材に希土類元素化合物の溶液を含浸させ、これを高温で焼結してガラス化する方法(例えば、特許文献1参照。)、(2)ハロゲンを含有するガラス形成原料ガスと昇華性の有機希土類元素化合物の気化物を反応系に供給する方法(例えば、特許文献2〜4参照。)等が知られている。
しかしながら、いずれの方法もドーパント(希土類元素酸化物)をガラス内に均質に分布させることが困難であった。すなわち、(1)の多孔質ガラス母材に希土類元素化合物の溶液を含浸させる方法は、溶液の濃度によってドープ量が制御でき、また、蒸気圧の低い化合物にも適用できるという利点を有するものの、多孔質ガラス母材へ溶液を均一に含浸させることが難しく、ドーパントの濃度分布が生じる。
一方、(2)の方法は、ガラス形成原料ガスが塩化物の場合には、昇華性の有機希土類元素化合物とガラス形成原料ガスと反応して固形物を形成し、これが配管等を閉塞するおそれがあり、そのような反応が生じない場合であっても、有機希土類元素化合物が長時間の加熱によって分解して蒸気圧が変動する。また、昇華性の有機希土類元素化合物は、固体であるため、連続気化中に表面積の変動が生じやすい。そのようなことから、安定した気化物の供給ができず、均質なガラスを形成することが困難であった。
本発明は、希土類元素等の金属元素が所望の濃度で均一に分布したドープ石英ガラスを容易に、かつ安定して製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るドープ石英ガラスの製造方法は、ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成する原料ガス生成工程と、前記原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成するガラス微粒子生成工程とを有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係るドープ石英ガラスの製造方法は、ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成する原料ガス生成工程と、前記原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成するガラス微粒子生成工程と、前記ガラス微粒子を基材に堆積させて多孔質ガラス母材を形成する母材形成工程と、前記多孔質ガラス母材を焼結して透明ガラス化するガラス化工程とを有することを特徴とする。
本発明のさらに他の態様に係るドープ石英ガラスの製造方法は、ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成する原料ガス生成工程と、前記原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成するガラス微粒子生成工程と、前記ガラス微粒子を基材に堆積させ、堆積と同時に溶融してガラス化するガラス化工程とを有することを特徴とする。
本発明のドープ石英ガラスの製造方法によれば、ガラス形成材料のケイ素化合物と昇華性の有機金属化合物を、安定した量で供給することができるため、金属元素が所望の濃度で均一に分布したドープ石英ガラスを容易に、かつ安定して製造できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のドープ石英ガラスの製造方法は、ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成する原料ガス生成工程と、この原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成するガラス微粒子生成工程とを有する。
本発明のドープ石英ガラスの製造方法は、ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成する原料ガス生成工程と、この原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成するガラス微粒子生成工程とを有する。
本発明の製造方法としては、以下に示す方法が挙げられる。すなわち、スート法により、前記ガラス微粒子生成工程で得られたガラス微粒子(スート)を基材上に堆積、成長させて、多孔質ガラス母材を得た後、得られた多孔質ガラス母材を減圧下またはヘリウム雰囲気で緻密化温度以上に加熱し、さらに透明ガラス化温度以上に加熱して透明ガラスを得る方法である。スート法には、多孔質ガラス母材の作り方により、MCVD法、OVD法、VAD法等がある。
また、前記ガラス微粒子生成工程で得られたガラス微粒子を基材、例えば耐火性容器中等に堆積させ、堆積と同時に溶融して透明ガラスを得る方法(直接法)も、本発明の製造方法に含まれる。
以下、スート法による多孔質ガラス母材を形成する工程を含む本発明の実施形態について説明する。なお、説明は図面に基づいて行うが、それらの図面は図解のために提供されるものであり、本発明はそれらの図面に何ら限定されるものではない。
[液体原料]
本実施形態においては、ドープ石英ガラスの製造にあたり、ガラス形成材料として、ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を用いる。
本実施形態においては、ドープ石英ガラスの製造にあたり、ガラス形成材料として、ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を用いる。
ケイ素化合物としては、四塩化ケイ素(SiCl4)のような塩化物を使用することもできるが、このような塩化物は、ドーパント材料の昇華性の有機金属化合物の分解反応を促進し、得られるガラス中にドーパントの濃度分布を生じさせるおそれがあることから、使用しないことが好ましい。よってハロゲンを含有しないケイ素化合物の使用が好ましい。
また、10〜150℃の温度範囲のいずれかの温度で液体となるケイ素化合物を用いることが好ましい。10〜150℃の温度範囲のいずれかの温度で液体となる場合、原料タンクや配管の温度管理なしで、または、簡便な温度管理装置のみで原料を安定的に液体として供給することができる。15〜100℃、より好ましくは20〜50℃の温度範囲のいずれかの温度で液体となることがより好ましい。室温で液体であること、すなわち、20〜30℃の温度範囲で液体であることがもっとも好ましい。なお、本明細書中、単に「液状のケイ素化合物」というときは、特に断らない限り、10〜150℃の温度範囲のいずれかの温度で液体となるケイ素化合物であって使用の際に液体の状態にあるケイ素化合物をいう。
ハロゲンを含有しない液状のケイ素化合物の具体例としては、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(HMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、デカメチルシクロペンタシロキサン(DMCPS)等のポリメチルシロキサン;メチルトリメトキシシラン(MTMS)、メチルトリエトキシシラン(MTES)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)等のモノシリル化合物等の有機ケイ素化合物が挙げられる。これらのなかでも、混合後の有機金属化合物の化学的安定性の観点から、OMCTS及びTEOSが好ましい。これらのケイ素化合物は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
昇華性の有機金属化合物とは、金属原子と直接結合した炭素原子を有する化合物、ならびに、金属原子と直接結合する相手原子が酸素である有機酸の金属塩及び金属のアルコキシド等の化合物であって、昇華性の化合物をいう。β−ジケトン型錯体等が好ましい。
昇華性の有機金属化合物としては、例えば、セリウム(Ce)、イットリウム(Y)、ネオジウム(Nd)、エルビウム(Er)等の希土類元素のβ−ジケトン型錯体、チタン(Ti)、銅(Cu)、ストロンチウム(Sr)、イリジウム(Ir)等のその他の金属元素のβ−ジケトン型錯体等が使用される。
金属元素のβ−ジケトン型錯体は、例えば、金属元素の塩化物と、β−ジケトン化合物を反応させることによって得られる。配位子を構成するβ−ジケトン化合物の例としては、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−へプタンジオン(thd)、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン(tfa)、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンタンジオン(hfa)、6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−2,2−ジメチルー3,5−オクタンジオン(fod)、2,2,7−トリメチルー3,5−オクタンジオン(tod)、1,1,1,5,5,6,6,7,7,7−デカフルオロ−2,4−ヘプタンジオン(dfhd)、1,1,1−トリフルオロ−6−メチル−2,4−ヘプタンジオン(tfmhd)等が挙げられる。これらのなかでも、熱的安定性と、蒸気圧の観点から、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−へプタンジオン(thd)が好ましい。また、一部の配位子がアルコキシ基で置換された化合物も使用できる。
昇華性の有機金属化合物としては、具体的には、ビス(ジピバロイルメタナト)−ジ−(2,2−ジメチル−1−プロポキシ)チタン、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)イリジウム、ビス(ジピバロイルメタナト)ストロンチウム、ビス(6−エチル−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオナト)銅等β−ジケトン型錯体等の有機金属化合物;テトラキス(ジピバロイルメタナト)セリウム[Ce(thd)4]等の希土類元素のβ−ジケトン型錯体等の有機希土類元素化合物が挙げられる。これらの昇華性の有機金属化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
前記昇華性の有機金属化合物は、前記液状のケイ素化合物または前記液状のケイ素化合物と溶媒からなる混合液体中に溶解もしくは分散した状態で前記液体原料に含まれることが好ましい。
前記液体原料は、前記昇華性の有機金属化合物を前記液状のケイ素化合物の少なくとも一部に溶解もしくは分散させた後、任意に液状のケイ素化合物と混合するか、または前記昇華性の有機金属化合物を溶媒に溶解または分散させた後、液状のケイ素化合物と混合することにより得られた液体原料であることが好ましい。
この目的で使用する溶媒としては、液状のケイ素化合物と反応しないものであることが好ましい。また、溶媒のみが気化し、有機金属化合物が析出するのを防ぐため、溶媒の沸点は気化器へ供給された液体原料が気化する温度、すなわち、気化器内の設定温度、または気化器に供給するキャリアガスの温度に近いほうがよい。この観点から、沸点が40〜250℃の範囲にある有機溶媒が好ましい。
このような条件を満足する有機溶媒の具体例としては、例えば、プロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル。酸化トリメチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、エチルメチルケトン、iso−プロピルメチルケトン、iso−ブチルメチルケトン等のケトン類、プロピルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、ヘキサン、ヘプタンオクタン等の炭化水素類等が挙げられる。これらのなかでも、有機金属化合物の化学的安定性の観点から、エーテル類、炭化水素類が好ましい。これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
次に、本発明の一実施形態のドープ石英ガラスの製造方法に用いられるドープ石英ガラス製造装置の要部構成を図1を用いて説明する。
図1に示すように、この装置は、液体原料を気化して原料ガスとする気化器10と、この気化器10に液体原料を供給するため、気化器の上部に接続された第1の液体原料用配管12と、この第1の液体原料用配管12の途中より分岐している第2の液体原料用配管14とを備える。すなわち、気化器10には、第1の液体原料用配管12を通して送られた液体原料と、第2の液体原料用配管14を通して送られた液体原料が配管内で混合され、導入される。二種類以上の有機金属化合物または、液状のケイ素化合物を利用する場合は、3以上の原料配管を設けて導入してもよい。配管内を洗浄するために、洗浄液用の配管を設けてもよい。混合液体はアトマイザーノズル17から噴霧され、加熱されたキャリアガスと接触することで瞬間的に気化される。また、気化器10の下部には、気化した液体原料、すなわち原料ガスを気化器10から排出し、バーナー(酸水素火炎バーナー)16に供給するための原料ガス用配管18が接続される。
なお、バーナー16には、原料ガスの他、酸水素火炎を形成するための酸素ガス及び水素ガスが供給される。また、図示を省略したが、気化器10には、第1の液体原料用配管12の他、キャリアガスを導入するためのキャリアガス用配管が接続され、さらに、それらの各配管の途中には、流量を制御するマスフローコントローラが取り付けられる。図1において、19は、キャリアガスを気化器10内に導入するためのキャリアガス導入口を示す。
また、第1及び第2の液体原料用配管12、14には、それぞれ液体原料を収容するタンク(図示なし)が接続されるが、これらの原料タンクや液体原料用配管は、液体原料が液体となる温度に温度調節することが好ましい。温度調節を行うことにより、冬季等に室温が低下した際に、原料の固化、及び有機金属化合物の溶解度低下を防ぐことができる。
[原料ガス生成工程]
図1において、たとえば液状のケイ素化合物の一部を、第1の液体原料用配管12より導入する。昇華性の有機金属化合物を、残りの液状のケイ素化合物に溶解または分散させた液体を、第2の液体原料用配管14より導入する。これらの原料は、配管12の分岐点で混合され、いずれも液体原料用配管12を介して気化器10に送り込まれる。
図1において、たとえば液状のケイ素化合物の一部を、第1の液体原料用配管12より導入する。昇華性の有機金属化合物を、残りの液状のケイ素化合物に溶解または分散させた液体を、第2の液体原料用配管14より導入する。これらの原料は、配管12の分岐点で混合され、いずれも液体原料用配管12を介して気化器10に送り込まれる。
なお、ケイ素化合物に昇華性の有機金属化合物を溶解または分散させる際に、昇華性の有機金属化合物を溶媒に溶解または分散させた後、ケイ素化合物に溶解または分散させてもよい。
また、配管12より液状のケイ素化合物の全量を導入し、配管14より、昇華性の有機金属化合物を溶媒に溶解または分散させた液体を導入してもよい。
また、場合によっては、液状のケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物からなる液体原料の全量を、第1及び第2の液体原料用配管12、14の両方から供給してもよい。また液体原料用配管12、14の一方のみを使用して気化器10に供給することもできる。すなわち、例えば液体原料配管14を備えていなくてもよい。しかし、第1及び第2の液体原料用配管12、14を使用することにより、ドーパントの濃度を容易に調整することができるので好ましい。
本発明においては、液状のケイ素化合物と昇華性の有機金属化合物の気化器10への供給量を第1及び第2の各液体原料用配管12、14に取り付けたマスフローコントローラで制御し供給する。液状のケイ素化合物も昇華性の有機金属化合物も液体の状態で第1及び第2の各液体原料用配管12、14を通して気化器10へ供給されるため、その供給量をマスフローコントローラで十分に制御することができる。すなわち均一な流量で気化器10に供給することができる。
本実施形態では、キャリアガス導入口19から100〜300℃に加熱したキャリアガスを、例えば、1〜20L/分の流量で導入しながら、液体原料の気化を行う。キャリアガスの加熱温度は有機金属化合物の蒸気圧の観点から150℃以上、有機金属化合物の熱分解の観点から250℃以下がより好ましい。キャリアガスとしては、窒素ガス、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が使用される。これらのなかでも、酸水素火炎温度の低下を防ぐという観点から、水素ガスが好ましい。また、気化器10内の温度は100〜300℃に設定する。この設定温度は有機金属化合物の蒸気圧を確保するという観点から150℃以上、有機金属化合物の熱分解を防ぐという観点から250℃以下がより好ましい。
[ガラス微粒子生成工程及び母材形成工程]
次いで、気化器10内で生成された原料ガスをキャリアガスとともに原料ガス用配管18を通してバーナー16に供給する。バーナー16には、水素ガス及び酸素ガスが供給されて酸水素火炎が形成されており、供給された原料ガスはこの火炎中で酸化されて、シリカ、及び金属酸化物となり、金属酸化物を含有するシリカ微粒子が形成される。この形成されたシリカ微粒子がターゲット上に堆積されて多孔質ガラス母材が形成される。
次いで、気化器10内で生成された原料ガスをキャリアガスとともに原料ガス用配管18を通してバーナー16に供給する。バーナー16には、水素ガス及び酸素ガスが供給されて酸水素火炎が形成されており、供給された原料ガスはこの火炎中で酸化されて、シリカ、及び金属酸化物となり、金属酸化物を含有するシリカ微粒子が形成される。この形成されたシリカ微粒子がターゲット上に堆積されて多孔質ガラス母材が形成される。
[緻密化工程]
得られた多孔質ガラス母材を、その後、高温、例えば1000〜1300℃で焼成し、さらに、1100〜1750℃で緻密化する。緻密化温度は、1200〜1550℃であることが好ましく、より好ましくは1300〜1500℃である。雰囲気としては、常圧の場合、ヘリウム等の不活性ガス100%の雰囲気、またはヘリウム等の不活性ガスを主成分とする雰囲気であることが好ましい。減圧の場合は特に限定されない。
得られた多孔質ガラス母材を、その後、高温、例えば1000〜1300℃で焼成し、さらに、1100〜1750℃で緻密化する。緻密化温度は、1200〜1550℃であることが好ましく、より好ましくは1300〜1500℃である。雰囲気としては、常圧の場合、ヘリウム等の不活性ガス100%の雰囲気、またはヘリウム等の不活性ガスを主成分とする雰囲気であることが好ましい。減圧の場合は特に限定されない。
[透明ガラス化工程]
緻密化されたガラス体を透明ガラス化温度まで昇温して、透明ガラス体を得る。透明ガラス化温度は、通常は1250〜1750℃であり、特に1300〜1700℃であることが好ましい。雰囲気としては、ヘリウムやアルゴン等の不活性ガス100%の雰囲気、またはヘリウムやアルゴン等の不活性ガスを主成分とする雰囲気であることが好ましい。圧力については、減圧または常圧であればよい。特に常圧の場合はヘリウムガスやアルゴンガスを用いることができる。また、減圧の場合は13000Pa以下が好ましい。これによりドープ石英ガラスが得られる。
緻密化されたガラス体を透明ガラス化温度まで昇温して、透明ガラス体を得る。透明ガラス化温度は、通常は1250〜1750℃であり、特に1300〜1700℃であることが好ましい。雰囲気としては、ヘリウムやアルゴン等の不活性ガス100%の雰囲気、またはヘリウムやアルゴン等の不活性ガスを主成分とする雰囲気であることが好ましい。圧力については、減圧または常圧であればよい。特に常圧の場合はヘリウムガスやアルゴンガスを用いることができる。また、減圧の場合は13000Pa以下が好ましい。これによりドープ石英ガラスが得られる。
[成形工程]
透明ガラス化工程で得られた透明ガラス体を、軟化点以上の温度に加熱して所望の形状に成形し、成形ガラス体を得る。成形加工の温度としては、1500〜1800℃が好ましい。なお、透明ガラス化工程と成形工程を連続的に、あるいは同時に行うこともできる。 また、透明ガラス化工程で得られた透明ガラス体を型に入れて軟化点以上の温度に加熱した後、得られた成形体を別の型に入れて軟化点以上の温度に加熱する2段階の成形を実施してもよい。また、透明ガラス化工程で得られるガラス体の形状でよい場合は、成形工程を省略してもよい。
透明ガラス化工程で得られた透明ガラス体を、軟化点以上の温度に加熱して所望の形状に成形し、成形ガラス体を得る。成形加工の温度としては、1500〜1800℃が好ましい。なお、透明ガラス化工程と成形工程を連続的に、あるいは同時に行うこともできる。 また、透明ガラス化工程で得られた透明ガラス体を型に入れて軟化点以上の温度に加熱した後、得られた成形体を別の型に入れて軟化点以上の温度に加熱する2段階の成形を実施してもよい。また、透明ガラス化工程で得られるガラス体の形状でよい場合は、成形工程を省略してもよい。
[アニール工程]
透明ガラス化工程または成形工程で得られた透明ガラス体を、500℃超1200℃以下の温度にて2時間以上保持した後、5℃/時間以下の平均降温速度で500℃以下まで降温するアニール処理を行い、ガラスの仮想温度を制御する。あるいは、透明ガラス化工程または成形工程において、ガラス体を得た後、500℃以下まで5℃/時間以下の平均降温速度で降温するアニール処理を行い、ドープ石英ガラスの仮想温度を制御する。500℃以下まで降温した後は放冷できる。この場合の雰囲気は、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性ガス100%の雰囲気下、これらの不活性ガスを主成分とする雰囲気下、または空気雰囲気下で、圧力は減圧または常圧が好ましい。
透明ガラス化工程または成形工程で得られた透明ガラス体を、500℃超1200℃以下の温度にて2時間以上保持した後、5℃/時間以下の平均降温速度で500℃以下まで降温するアニール処理を行い、ガラスの仮想温度を制御する。あるいは、透明ガラス化工程または成形工程において、ガラス体を得た後、500℃以下まで5℃/時間以下の平均降温速度で降温するアニール処理を行い、ドープ石英ガラスの仮想温度を制御する。500℃以下まで降温した後は放冷できる。この場合の雰囲気は、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性ガス100%の雰囲気下、これらの不活性ガスを主成分とする雰囲気下、または空気雰囲気下で、圧力は減圧または常圧が好ましい。
より低い仮想温度を達成するためには、ガラスの徐冷点や歪点付近の温度域をより遅い降温速度で降温することが有効である。具体的には、アニール工程の降温プロファイルにおいて、最も遅い降温速度が1℃/時間以下であることが好ましく、より好ましくは0.5℃/hr以下、特に好ましくは0.3℃/時間以下である。
ドープ石英ガラスの仮想温度は公知の手順で測定することができる。後述する実施例では以下の手順でドープ石英ガラスの仮想温度を測定した。
鏡面研磨されたドープ石英ガラスについて、吸収スペクトルを赤外分光計(後述する実施例では、Nikolet社製のMagna760を使用)を用いて取得する。この際、データ間隔は約0.5cm−1にし、吸収スペクトルは、64回スキャンさせた平均値を用いる。このようにして得られた赤外吸収スペクトルにおいて、約2260cm−1付近に観察されるピークがドープ石英ガラスのSi−O−Si結合による伸縮振動の倍音に起因する。このピーク位置を用いて、仮想温度が既知で同組成のガラスにより検量線を作成し、仮想温度を求める。
このようして得られたドープ石英ガラスは、酸水素火炎中へのガラス形成材料であるケイ素化合物と昇華性の有機金属化合物の供給量の変動が小さいため、金属酸化物がガラス内に均質に分布しており、高い均質性を有している。また、ケイ素化合物と昇華性の有機金属化合物の供給量の制御が容易なため、金属酸化物をガラス内に所望の濃度で含有させることができる。
なお、金属元素のドープ量は、例えばCeでは、10〜50000質量ppmの範囲が好ましく、100〜10000質量ppmの範囲がより好ましい。
本発明は、以上説明した実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはいうまでもない。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
昇華性の有機金属化合物として、β−ジケトン型セリウム錯体(Ce(thd)4)を用いた。この錯体Ce(thd)4をガラス形成原料のオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)に溶解して液体原料(Ce(thd)4含有量0.20質量%)を調製した。この液体原料を1週間放置した後、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光)及びNMR(核磁気共鳴)による分析を実施した。また、0.45μmフィルタで液体原料をろ過し、フィルタに固形物が付着していないことを確認し、Ce(thd)4の分解が起こらず、Ce(thd)4の含有量に変化がないことを確認した。
昇華性の有機金属化合物として、β−ジケトン型セリウム錯体(Ce(thd)4)を用いた。この錯体Ce(thd)4をガラス形成原料のオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)に溶解して液体原料(Ce(thd)4含有量0.20質量%)を調製した。この液体原料を1週間放置した後、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光)及びNMR(核磁気共鳴)による分析を実施した。また、0.45μmフィルタで液体原料をろ過し、フィルタに固形物が付着していないことを確認し、Ce(thd)4の分解が起こらず、Ce(thd)4の含有量に変化がないことを確認した。
図1に示した気化器を用い、200℃に加熱したキャリアガス(水素ガス:流量10L/分)と上記液体原料(流量3g/分)を、200℃に設定した気化器へ供給し、気化器内で気化させて原料ガスを生成させた。なお、液体原料は、配管12と配管14の両方から供給した。流量は2つの配管からの供給量の合計を示す。この混合ガスを石英製同心多重管バーナーに供給した。液体原料の気化器への流量は、液体マスフローコントローラで制御した。また、液体原料タンク及び液体原料用配管を30℃に保温した。
石英製同心多重管バーナーに、水素ガス18L/分及び酸素ガス18L/分を供給し、酸水素火炎を形成させ、この酸水素火炎中に、バーナーの中心ノズルより上記原料ガスを供給した。
供給された原料ガスは酸水素火炎により酸化されて微粒子を形成するため、これをターゲットに3時間堆積させ、外径100mm、長さ150mm、重さ300g、平均かさ密度0.25g/cm3の多孔質ガラス母材を得た。
この後、上記多孔質ガラス母材を1250℃で熱処理し、次いで、He雰囲気下で1510℃で緻密化した後、真空下で1680℃に加熱して、透明ガラスを得た。
この後、上記透明ガラス体をAr雰囲気において1200℃で12時間保持後、1100℃まで1.5℃/時間で降温した後、1080℃まで1.0℃/時間で降温し、1044℃まで0.5℃/時間で降温し、500℃まで15℃/時間で降温した後、放冷した。
得られた透明ガラスを成長軸方向に均等に合成初期、合成中期、合成終期のものに3分割し、各部分における酸化セリウム(CeO2)の含有量を蛍光X線分析により測定した。ICP(誘導結合プラズマ)発光分析によりCeO2濃度を測定したCeO2ドープSiO2ガラスを用いて検量線を作成した。測定精度は、500質量ppmのサンプルを5回測定した時に標準偏差が5質量ppmであった。CeO2濃度は合成初期、合成中期、合成終期の順に、520質量ppm、525質量ppm、531質量ppmであり、CeO2濃度の差が小さく、均質性の高い石英ガラスであることを確認した。
得られた透明ガラスのOH濃度を測定した。ドープ石英ガラスのOH濃度は公知の方法を用いて測定することができる。例えば、赤外分光光度計による測定を行い、2.7μm波長での吸収ピークからOH濃度を求めることができる(J.P.Wiiliams et.al.,American Ceramic Sciety Bulletin,55(5),524,1976)。本法による検出限界は0.1ppmである。透明ガラス化したガラスのOH濃度は22ppmであった。
また、得られた透明ガラスの仮想温度を測定したところ、1055℃であった。
(実施例2)
β−ジケトン型セリウム錯体(Ce(thd)4)を有機溶媒のテトラヒドロフランに溶解し、ドーパント原料液(Ce(thd)4含有量1質量%)を調製した。このドーパント原料液を、1週間放置した後、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光)及びNMR(核磁気共鳴)による分析を実施した。また、0.45μmフィルタで液体原料をろ過し、フィルタに固形物が付着していないことを確認し、Ce(thd)4の分解が起こらず、Ce(thd)4の含有量に変化がないことを確認した。
β−ジケトン型セリウム錯体(Ce(thd)4)を有機溶媒のテトラヒドロフランに溶解し、ドーパント原料液(Ce(thd)4含有量1質量%)を調製した。このドーパント原料液を、1週間放置した後、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光)及びNMR(核磁気共鳴)による分析を実施した。また、0.45μmフィルタで液体原料をろ過し、フィルタに固形物が付着していないことを確認し、Ce(thd)4の分解が起こらず、Ce(thd)4の含有量に変化がないことを確認した。
図1に示した気化器を用い、上記ドーパント原料液(流量10.6g/分)を配管12から、ガラス形成原料のOMCTS(3g/分)を配管14から、さらに、200℃に加熱したキャリアガス(水素ガス:流量10L/分)を、200℃に設定した気化器へ供給し、気化器内で気化させて原料ガスを生成させた。この混合ガスを石英製同心多重管バーナーに供給した。ドーパント原料液及びガラス形成原料の気化器への流量は、いずれも液体マスフローコントローラで制御した。また、液体原料タンク及び液体原料用配管を30℃に保温した。
石英製同心多重管バーナーに、水素ガス18L/分及び酸素ガス18L/分を供給し、酸水素火炎を形成させ、この酸水素火炎に、バーナーの中心ノズルより上記原料ガスを供給した。
供給された原料ガスは酸水素火炎により酸化されて微粒子を形成するため、これをターゲットに3時間堆積させ、外径100mm、長さ150mm、重さ300g、平均かさ密度0.25g/cm3の多孔質ガラス母材を得た。
この後、上記多孔質ガラス母材を1250℃で熱処理し、次いで、真空下で1600℃に加熱して、透明ガラスを得た。
得られた透明ガラスを実施例1と同様に成長軸方向に均等に3分割し、各部分における酸化セリウム(CeO2)の含有量を実施例1と同様の方法で蛍光X線分析により測定したしたところ、CeO2濃度は合成初期、合成中期、合成終期の順に、500質量ppm、510質量ppm、506質量ppmであり、CeO2濃度の差が小さく、均質性の高い石英ガラスであることを確認した。
(比較例)
図1に示した気化器を用い、ガラス形成原料のOMCTS(流量3g/分)を配管14から、さらに、200℃に加熱したキャリアガス(水素ガス:流量5L/分)を、200℃に設定した気化器へ供給し、気化器内で気化させてOMCTSを含む原料ガスを生成させた。キャリアガスの入り口と出口を有するステンレス鋼製の蒸発器にCe(thd)4の粉末を充填して200℃に加熱し、ドーパントのCe(thd)4を昇華させた。蒸発器に200℃に加熱したキャリアガス(水素ガス:流量5L/分)を流して、Ce(thd)4(0.006g/分)を含む原料ガスを生成させた。OMCTSを含む原料ガスとCe(thd)4を含む原料ガスを混合し、石英製同心多重管バーナーに供給した。OMCTSの気化器への流量は、液体マスフローコントローラで制御した。また、液体原料タンク及び、液体原料用配管を30℃に保温した。
図1に示した気化器を用い、ガラス形成原料のOMCTS(流量3g/分)を配管14から、さらに、200℃に加熱したキャリアガス(水素ガス:流量5L/分)を、200℃に設定した気化器へ供給し、気化器内で気化させてOMCTSを含む原料ガスを生成させた。キャリアガスの入り口と出口を有するステンレス鋼製の蒸発器にCe(thd)4の粉末を充填して200℃に加熱し、ドーパントのCe(thd)4を昇華させた。蒸発器に200℃に加熱したキャリアガス(水素ガス:流量5L/分)を流して、Ce(thd)4(0.006g/分)を含む原料ガスを生成させた。OMCTSを含む原料ガスとCe(thd)4を含む原料ガスを混合し、石英製同心多重管バーナーに供給した。OMCTSの気化器への流量は、液体マスフローコントローラで制御した。また、液体原料タンク及び、液体原料用配管を30℃に保温した。
石英製同心多重管バーナーに、水素ガス18L/分及び酸素ガス18L/分を供給し、酸水素火炎を形成させ、この酸水素火炎に、バーナーの中心ノズルより上記原料ガスを供給した。
供給された原料ガスは酸水素火炎により酸化されて微粒子を形成するため、これをターゲットに3時間堆積させ、外径100mm、長さ150mm、重さ300g、平均かさ密度0.25g/cm3の多孔質ガラス母材を得た。
この後、上記多孔質ガラス母材を1250℃で熱処理し、次いで、He雰囲気下で1510℃で緻密化した後、真空下で1600℃に加熱して、透明ガラスを得た。
得られた透明ガラスを実施例1と同様に成長軸方向に均等に3分割し、各部分における酸化セリウム(CeO2)の含有量を実施例1と同様の方法で蛍光X線分析により測定したところ、CeO2濃度は合成初期、合成中期、合成終期の順に、520質量ppm、481質量ppm、366質量ppmと、CeO2濃度に大きなばらつきのある不均質な石英ガラスであった。
なお、このようにCeO2濃度が合成開始からの経過時間が長くなるほど低下したのは、蒸発器内のβ−ジケトン型セリウム錯体(Ce(thd)4)粉末の体積が昇華とともに減少して、錯体の飽和蒸気圧からの乖離が大きくなったことや、錯体が長時間の加熱により分解された結果、その蒸気圧が低下したこと等が、その主な原因と考えられる。
本発明のドープ石英ガラスの製造方法は、ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化して酸水素火炎に供給するので、金属元素が所望の濃度で均一に分布した石英ガラスを製造することができる。したがって、そのような高い均質性が要求される光ファイバレーザ、光増幅器、光センサー、光学フィルタ等の用途に用いるドープ石英ガラスの製造方法として有用である。
10…気化器、12…第1の液体原料用配管、14…第2の液体原料用配管、16…酸水素火炎バーナー、17…アトマイザーノズル、18…原料ガス用配管、19…キャリアガス導入口。
Claims (12)
- ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成する原料ガス生成工程と、
前記原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成するガラス微粒子生成工程と
を有することを特徴とするドープ石英ガラスの製造方法。 - ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成する原料ガス生成工程と、
前記原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成するガラス微粒子生成工程と、
前記ガラス微粒子を基材に堆積させて多孔質ガラス母材を形成する母材形成工程と、
前記多孔質ガラス母材を焼結して透明ガラス化するガラス化工程と
を有することを特徴とするドープ石英ガラスの製造方法。 - ケイ素化合物及び昇華性の有機金属化合物を含む液体原料を気化させて原料ガスを生成する原料ガス生成工程と、
前記原料ガスを酸水素火炎に供給し火炎中で反応させてガラス微粒子を生成するガラス微粒子生成工程と、
前記ガラス微粒子を基材に堆積させ、堆積と同時に溶融してガラス化するガラス化工程と
を有することを特徴とするドープ石英ガラスの製造方法。 - 前記ケイ素化合物が、ハロゲンを含有しないケイ素化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のドープ石英ガラスの製造方法。
- 前記ケイ素化合物が、10〜150℃の温度範囲のいずれかの温度で液体となるケイ素化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のドープ石英ガラスの製造方法。
- 前記昇華性の有機金属化合物が、液状のケイ素化合物または液状のケイ素化合物と溶媒からなる混合液体中に溶解もしくは分散した状態で前記液体原料に含まれる請求項1〜5のいずれか1項に記載のドープ石英ガラスの製造方法。
- 前記液体原料が、前記昇華性の有機金属化合物を液状のケイ素化合物の少なくとも一部に溶解もしくは分散させた後、任意に液状のケイ素化合物と混合するか、または前記昇華性の有機金属化合物を溶媒に溶解または分散させた後、液状のケイ素化合物と混合することにより得られた液体原料である請求項1〜6のいずれか1項に記載のドープ石英ガラスの製造方法。
- 前記溶媒が、エーテル類及び炭化水素類から選ばれる少なくとも1種である請求項6または7に記載のドープ石英ガラスの製造方法。
- 前記液状のケイ素化合物が、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜8のいずれか1項に記載のドープ石英ガラスの製造方法。
- 前記昇華性の有機金属化合物が、β−ジケトン型錯体である請求項1〜9のいずれか1項に記載のドープ石英ガラスの製造方法。
- 前記昇華性の有機金属化合物が、有機希土類元素化合物である請求項1〜10のいずれか1項に記載のドープ石英ガラスの製造方法。
- 前記液体原料が、ハロゲン化物を含まない請求項1〜9のいずれか1項に記載のドープ石英ガラスの製造方法。
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