JP2015504408A5 - - Google Patents

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スート法に従って合成石英ガラスを製造する方法
本発明は、以下(A)〜(E)の工程段階:
(A)60質量%を上回るポリアルキルシロキサンD4を有する液状のSiO2供給材料(105)を準備する工程、
(B)該液状のSiO2供給材料(105)を気化させて、ガス状のSiO2供給蒸気(107)にする工程、
(C)該SiO2供給蒸気(107)をSiO2粒子に変換する工程、
(D)該SiO2粒子を、SiO2スート体(200)を形成させながら堆積面(160)に堆積させる工程、
(E)該SiO2スート体を、合成石英ガラスを形成させながらガラス化する工程、
を含む、該合成石英ガラスの製造法に関する。
先行技術
商業用途の合成石英ガラスの製造のために、ケイ素含有の出発物質からCVD法(化学気相成長)において加水分解及び/又は酸化によってSiO2粒子が作り出されて、これらが担体上に堆積させられる。この場合、外側堆積法と内側堆積法とに区別され得る。外側堆積法の場合、回転する担体の外面にSiO2粒子が施与される。例として、いわゆるOVD法(外付け気相成長)、VAD法(気相軸付け堆積)又はPECVD法(プラズマ化学気相成長)が挙げられる。内側堆積法の公知の例として、MCVD法(内付け化学気相成長)があり、この場合、外部加熱された管の内壁にSiO2粒子が堆積させられる。
担体表面の領域の温度が十分に高いと、すぐにSiO2粒子のガラス化が起こる(“直接ガラス化”)。これに関する一例が、UE5,043,002に記載された“Boule製造”である。この場合、SiO2粒子が堆積用バーナー(上から回転モールドに対して配向されている)によって堆積させられ、かつ直接的にガラス化され、そうしてモールド内で石英ガラス体(“Boule”)が鉛直方向で下から上に向かって作り上げられる。
これとは異なり、いわゆる“スート法”の場合、SiO2粒子の堆積中の温度は非常に低いことから、多孔質のスート層が得られ、これは別個の工程段階において透明な石英ガラスへと焼結される。これに関する一つの例が、DE102007024725A1から公知のOVD法であり、この場合、堆積用バーナーに、燃料ガスが水素と酸素の形で供給され、並びにケイ素含有の出発化合物が供給され、該化合物は、堆積用バーナーに割り当てられたバーナーの火炎中でSiO2粒子へと変換され、該粒子は、堆積用バーナーの反転運動下で、その軸を中心に回転する担体に沿ってSiO2ブランクを形成しながら層状に堆積させられる。
直接ガラス化とスート法のいずれも、緻密、透明な、高純度の合成ガラスをもたらす。
上述の製造法において特有なことは、SiO2粒子が層状に堆積することで層構造が形成されることである。これらは、いわゆる条痕としてはっきり識別することが可能であり、隣接する層の屈折率の違いによって表される。ここで、基本的に、同心円状の層構造を有するシリンダー形のSiO2ブランクと、軸状の層構造を有するものとは区別されることができる。OVD法の場合、例えば、その縦軸を中心に回転する担体のシリンダージャケット面にSiO2粒子を層状に堆積させることにより、ほぼ同心円状にブランクの縦軸に向かって延びるスパイラル状の層が作り出される。それに対して、VAD法の場合(ディスク状の回転する担体上に、軸方向の堆積によってSiO2中実シリンダーがシリンダーの縦軸の方向で作り上げられる)、通例、螺旋状の層構造が、シリンダーの縦軸に対して垂直に延びる、軸状に連続的に重なり合う層とともに生じる。
マイクロリソグラフィーにおいて使用するための又は通信工学における光学部品用の合成石英ガラスには、屈折率の均一性について高い要件が課せられている。それゆえ、石英ガラスシリンダーにおける層を取り除くために、例えばDE4204406A1及びEP673888A1に多段階の変形プロセスが提案されており、これらには、条痕が付いた石英ガラス体を、軟化した石英ガラス材料の多次元の圧縮及び伸長によって均質化するツール不要の方法が記載されている。これらの方法は効果的であるが、時間とコストが掛かる。
過去においては、四塩化ケイ素(SiCl4)がケイ素含有の供給材料として有用であることが実証されていた。SiCl4及び他の塩素含有物質は、100℃を下回る適度な温度で早くも高い蒸気圧を示し、そのため液相中に不純物が場合によっては残留する可能性があり、そして高純度スート体の製造が緩和される。他方で、SiCl4と他のケイ素含有の供給材料との反応に際しては塩酸が発生し、これは排ガス洗浄及び廃棄時の高いコストの原因となる。
それゆえ、石英ガラス製造のために多数の塩素不含の供給材料が試みられている。例として、モノシラン、アルコキシシラン及びシロキサンが挙げられる。塩素不含の供給材料の特に興味深い一群を成しているのが、例えばEP463045A1から公知であるポリアルキルシロキサン(“シロキサン”とも呼ばれる)である。シロキサンの物質群は、開鎖ポリアルキルシロキサンと閉鎖ポリアルキルシロキサンとに分類されることができる。ポリアルキルシロキサンは、以下の一般的な実験式Sipp(R)2pを有し、ここで、Pは≧2の整数である。基“R”はアルキル基であり、最も簡単なケースではメチル基である。
ポリアルキルシロキサンは、質量分率でケイ素の特に高い割合によって特徴付けられ、これにより、合成石英ガラスの製造において該ポリアルキルシロキサンは経済的に用いられる。大規模工業的に高い純度で利用できるがゆえに、現在ではオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)が有利には用いられる。この物質は、General Electric ゼネラルエレクトリック社により導入された表記法に従って“D4”とも呼ばれ、ここで、“D”は[(CH32Si]−O−の基を表している。
しかしながら、D4の単離には、比較的沸点が高いことと、他のポリアルキルシクロシロキサン、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン(D6)及びテトラデカメチルシクロヘプタシロキサン(D7)と化学的に類似していることから、時間とコストが掛かる蒸留プロセスが不可欠である。
US5,879,649Aは、石英ガラス製造のための供給材料としてポリアルキルシロキサンをこのように単離することに関する。そこで提案されていることは、カーボンフィルター及びモレキュラーシーブを使用した二段階の蒸留処理であり、250℃を上回る沸点を有する不純物の割合が14質量ppm未満の割合にまで、好ましくは2質量ppm未満の割合にまで制限されている。この高沸点不純物は、典型的には、500g/モルを上回る平均分子量を有する成分であり、殊に276℃超の沸点を有するテトラデカメチルシクロヘプタシロキサン(D7)である。この種の高沸点物のアグロメレートがガス供給システムにおいて閉塞をもたらし、かつ“ゲル形成”を引き起こし、石英ガラス中の欠陥を生むことが報告されている。ここで、欠陥が生じるメカニズムは、分解していない又は完全には分解していない高沸点物のアグロメレートの堆積だと考えられており、これらは引き続きガスを放出しながら分解し、かつ石英ガラス中に気泡を生む可能性がある。
提案された二段階の精製法は煩雑かつ高価なものであり、また、最適なプロセス操作時においても材料の不均質性が、殊に密度が高まった薄層の形態で石英ガラス中に現れることがわかった。
これの代わりに、DE10302914A1では、短波長紫外線に対して好適な破損挙動を有する合成石英ガラスを製造するために、供給材料としてSiCl4と複数のSi原子を含有するオリゴマーのケイ素化合物、例えばシロキサンとの混合物を用いることが提案されている。
ケイ素含有の供給材料は、例えば堆積用バーナーといった負荷的な装置(Verbraucher)に液体の形で供給されることができる。しかし、通例、液状の供給材料は、蒸発器によってガス状又は蒸気状の相に変えられ、そして負荷的な装置に連続的なガス流が供給される。
数多くの蒸発器が公知である。公知の蒸発器は、容器(いわゆる“バブラー”)を含み、該容器中には、液状の供給材料が予め保持され、そして加熱装置によって蒸発温度付近の温度に加熱される。加熱された液体にキャリアーガスが通され、その際、該キャリアーガスは、蒸発する供給材料で負荷され、そして加圧下で反応ゾーンの導管システムを介して供給される。キャリアーガスは、例えば酸素である。直接ガラス化によって合成石英ガラスを製造するための堆積用バーナーのこのような媒体供給は、例えばEP908418A1に記載されている。
供給材料の蒸発速度は、液相中でのキャリアーガスの温度と滞留時間に依存する。双方のパラメーターは、液柱の高さ並びにキャリアーガスの供給速度及び流速に影響を受ける。例えば、液柱におけるキャリアーガス気泡の大きさは、液体中でのその上昇速度ひいては供給材料による負荷及び蒸発速度に影響を及ぼす。液体量の変化は、熱伝達にも作用を及ぼす。これらの複雑な相互作用は、最も簡単には、バブラー中の液体水位が下がらないように連続して液状の供給材料を後から流すことによりコントロールすることができる。
しかし、液体水位が一定のときですら、液相中に“水溜め”を形成しながら比較的高い沸点を有する不純物が次第に蓄積し、そうして堆積用バーナーに達する供給材料の組成が時間とともに変化することになる。
追加的な問題点が、複数の負荷的な装置に供給材料を同時に供給しなければならない、例えば幾重にもバーナーを配置してスート堆積を行う場合のスート堆積法において生じる。不規則なスート堆積及び層形成を回避するために、この場合、各々の堆積用バーナーが定量的かつ定性的に同じスート堆積特性を有していることが特に重要である。個々の堆積用バーナーのガス供給における変動は、例えばDE19501733A1に記載されるように、これらを共通のリザーバーから“フローディストリビューター”により供給することにより最小限にすることができる。しかしながら、これには媒体供給の煩雑なインフラストラクチャーが必要となる。
上で言及した“水溜め形成”は、US5,356,451A1に記載されているように、蒸発器の他の形態により回避される。この蒸発器の場合、蒸発チャンバー内に供給材料用の液体槽が備え付けられており、これは、該チャンバーの長手面に沿って延びており、かつ連続的に充填される。液体水位が所定のオーバーフロー高さを超えたら、液体はU字形のチャネルを介して長手面の貯蔵チャンバーから傾斜平面に対して流出し、その上に薄膜を形成する。チャンバーは、この液状の膜が、傾斜平面の下端に達する前に、傾斜平面上で完全に蒸発するように加熱される。このようして、より高い沸点を有するあらゆる不純物も含めた液体全体が蒸発することが保証される。
いわゆる鉛直蒸発器の実施形態が、DE2435704A1から公知である。そこでは、気化されるべき液体を加熱し、垂直に立つ回転対称形の容器に供給し、かつ6mm未満の直径を有する液滴を形成しながら容器内壁に対して半径方向に噴射して、これらを該内壁に堆積させることが提案されている。蒸気状の生成物は上に向かって抜き取られ、その一方で、蒸発しなかった液体は容器の下部分に溜まり、そこから該液体は連続的又はその時々に取り出されることができる。
この公知の方法は、追加的な蒸留工程のように蒸発時に働き、ここで、難揮発性成分は水溜めより抜き取られることができる。それによって、供給材料の蒸発分のより高い純度が生じる。しかし、収率及び流量は比較的少ない。
技術課題の設定
公知の蒸発システムの場合、気化されるべき液体が高温表面と接触させられる。高温表面は、殊に有機材料が供給される場合、例えば分解又は重合といった予測不能な変化をもたらしかねず、そのため、蒸気の組成がどの程度なお液体の組成に相当しているのかを容易には突き止めることができない。それにより、粒子形成プロセスにおける欠損及び不均質なスート堆積につながりかねないある特定の変動性及び非再現性がプロセス操作において生じる。これは、粒子形成プロセスにおいて、互いに高い化学的類似性を有する成分の実際の組成が問題になったときに特に目立ってくる。
そのうえ、上記の蒸発器システムの場合、極めて微細な液滴が、排出される蒸気流と一緒に連行される恐れがあり、同様にスート体中での材料の不均質性をもたらす可能性がある。
一般的に、SiO2スート体の構造は十分にガス透過性であり、均一な気相処理又は焼結が軽減される。より高い密度を有する層の領域中では、これは制限されてのみ可能である。それというのも、該層は拡散バリアーを作り、これが乾燥プロセス又は焼結プロセスに際して不均一な処理結果を引き起こしかねないからである。
これらの問題点は、殊に大きい体積のSiO2スート体の場合の長い拡散経路ゆえに生じる。層領域は、局所的に高まったヒドロキシ基含有量及び場合により塩素含有量を伴う可能性がある。
該スート体のこれらの材料不均質部分は、それにより製造された石英ガラス体において、なかでも、ヒドロキシ濃度又は塩素濃度の軸方向、半径方向又は方位角方向の様々な形態において、又は粘度値の点で現れ、かつ最終生成物における不利な特性をもたらす。
本発明の課題は、上記欠点を回避する、高い材料均質性を有するSiO2スート体の製造法を成し遂げることであり、殊に、特に300mmを上回る外径を有する大きい体積のシリンダー状のスート体の場合に、高い材料均質性を有するSiO2スート体の製造を可能にすることである。
本発明の概要
この課題の解決のために、特許請求項1の特徴を有する方法を提案する。従属請求項には、それぞれ有利な別の発展形態を記載している。
この課題は、冒頭に挙げた方法から出発して、本発明により、液状のSiO2供給材料が、質量分率mD3を有するポリアルキルシロキサンD3より成る少なくとも1種の付加的な成分と質量分率mD5を有するポリアルキルシロキサンD5より成る少なくとも1種の付加的な成分とを、0.01から1の間の範囲の質量比mD3/mD5で有し、かつ、この準備した液状のSiO2供給材料を、該質量比mD3/mD5を維持しながら、かつ少なくとも99質量%で、ガス状のSiO2供給蒸気に気化させることによって解決される。
可能な限り純粋かつ定義された唯一のケイ素化合物から成る出発材料が用いられる公知の方法とは異なり、本発明に従って、異なるポリアルキルシロキサンの混合物として存在するSiO2供給材料を提案する。オクタメチルシクロテトラシロキサン(ここでもD4と呼ぶ)は、混合物の主成分を形成する。D4に加えて、化学的に類似したポリアルキルシロキサン、つまり、D4より低い分子量を有するもの(D3が含まれる)や、D4より高い分子量を有するもの(D5が含まれる)も混合物中に含まれている。したがって、“付加的な成分”との用語に括られる供給材料の付加的な成分は、D4の相対分子量(約297g/モル)とは上方にも下方にも異なっている分子量と、D4の沸点(約175℃)とは異なる沸点とを有している。
本発明による方法は、2つの共に作用する特徴によって本質的に際立っている。第一の特徴は、液状のSiO2供給材料−以下では供給材料とも呼ぶ−が、主要に存在するD4の他になお2種の更なるポリアルキルシロキサンを有することを内容とする。これらは、付加的な成分D3とD5である。液状のSiO2供給材料中でのD3とD5の割合の比は任意ではなく、予め定義された間隔において選択される。第二の本質的な特徴によれば、本発明による方法は、液状のSiO2供給材料−ひいてはmD3とmD5の質量分率も−を完全に気相に変えることを要する。したがって、液体だけでなく、ガス状のSiO2供給蒸気−以下では供給蒸気とも呼ぶ−も、予め定義されかつ範囲が絞り込まれたD3とD5との比を有する。本発明による方法を用いて、現在広まっている基準を凌駕する特に高い均質性を有するSiO2体及び石英ガラス体を調製することができる。本方法の利点は、微視的なスケールで起こる、調製されたSiO2粒子のサイズの比較的強いばらつき−粒径分布の広がり−が、SiO2スート体内部での視的に測定された密度の変動の低下につながるということによって説明することができる。
本発明によれは、“質量分率”との用語は、液状のSiO2供給材料の全質量に対するそれぞれ付加的な成分の質量の割合より出される相対値である。したがって、付加的な成分の2つの質量分率の質量比mD3/mDは、2つの相対的な質量分率を割ることによって定められることができる無次元値である。
本発明によれば、“露点”との用語は、凝縮及び蒸発する液体の平衡状態が生じる温度である。
本発明によれば、“質量比を維持しながら”気化させるとの文言は、液状のSiO2供給材料の質量比G_liquid=mD3/mD5と、ガス状のSiO2供給蒸気の質量比G_vapor=mD3/mD5との比率τが、最大±500ppm、有利には最大±250ppm、特に有利には最大±100ppm、殊に最大50ppmの値を有することを意味する。ここで、該比率τは、下記:
Figure 2015504408
の通りに計算される。
したがって、質量比、つまり、D5の割合に対するD3の割合は、気化によって、該比が、最大±500ppm、有利には最大±250ppm、特に有利には最大±100ppmより多くずらされるように変えられるべきではない。
本発明によれば、液状のSiO2供給材料を、少なくとも99質量%で、ガス状のSiO2供給蒸気にするとの文言は、蒸発プロセスに入ってくる液状のSiO2供給材料の少なくとも99質量%がまた気相に変えられることを意味する。本発明による方法の目的は、液状の供給材料を気相に完全に変えることである。このようにして達成されたガス状のSiO2供給材料は、次いで酸化及び/又は熱分解及び/又は加水分解によってSiO2粒子に変換させられることになる。完全に−つまり、少なくとも99質量パーセント(質量%とも呼ぶ)で−供給材料を供給蒸気に変換することを達成した結果によって、D5に対するD3の質量比も液相から気相に移される。これらの成果により、SiO2供給蒸気は、D3とD5の予め定められた質量比を有するようになる。それというのも、質量比mD3/mD5が予め規定された間隔にある場合にのみ、特別な均質性によって際立つSiO2スート体ひいては石英ガラスを作製することが可能になるからである。特許請求の範囲に記載した範囲を逸脱するD3及びD5の質量分率を有する、任意に混合されたポリアルキルシロキサン混合物は、このように目立った均質性を有する石英ガラスの製造を可能にしない。特に有利な実施の変形例は、液状のSiO2供給材料が、20パーツ・パー・ミリオン(以下ではppm;ドイツ語では“百万分のいくら”)未満、有利には10ppm未満、特に有利には5ppm未満の残留分を除いてSiO2供給蒸気に変わることによって特徴付けられる。この変形例は、ここに開示される蒸発法によって実現することができる。これらの蒸発法−殊に圧力降下及び露点の低下による蒸発の組合せ−は、液状で蒸発器に導入されたSiO2供給材料について、非常に少しの割合(20ppm未満、有利には10ppm未満、特に有利には5ppm未満)しか蒸発しないことを可能にする。個々の試験においては、蒸発しなかったSiO2供給材料の割合を、それどころか2.5ppmに減少させることができた。
本発明によれば、ポリアルキルシロキサンとの用語は、線状のみならず環状の分子構造も包含する。しかしながら、SiO2供給材料のポリアルキルシロキサンは、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)の群から選択された少なくとも3種のポリメチルシクロシロキサンを有する場合に好ましい。D3、D4、D5との表記は、ゼネラルエレクトリック社により導入された、“D”が[(CH32Si]−O−の基を表している表記法の1つに由来している。有利な変形例においては、ポリアルキルシロキサンの主成分は、ベース物質のD4である。そのため、ポリアルキルシロキサンのベース物質であるD4の割合は、少なくとも70質量%、殊に少なくとも80質量%、有利には少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも94質量%である。
本発明によれば、希釈剤とキャリアーガスとの用語は同じ意味で使用する。
方法の1つの態様の特徴は、mD3/mD5の比が0.1から0.5の間にあることである。実施した測定で意想外にも確かめられたことは、比較的狭い範囲内でのみ、主としてD4から成るSiO2供給材料に対するD3とD5の添加が、石英ガラスの密度において不均質部分がはっきりと減少したことである。多数の測定において確認することができたのは、付加的な成分の質量の比mD3:mD5が0.1から0.5の間にある場合に、スート体ひいてはそれにより製造された石英ガラスが特にほとんど不均質性を示さないことである。
本発明による方法において重要なのは、SiO2供給材料中に、D4より小さい相対分子量を有する少なくとも1種の付加的な成分だけでなく、D4より大きい相対分子量を有する少なくとも1種の付加的な成分も含まれていることである。ポリアルキルシロキサンの加水分解若しくは熱分解による分解に際しては、酸化攻撃の活性エネルギー若しくは分離に必要とされる熱エネルギーが、分子量の上昇とともに増大することが推測される。付加的な成分で富化されたSiO2供給材料は、反応ゾーンにガス状で供給され、その際に酸化及び/又は加水分解及び/又は熱分解によってSiO2粒子に分解される。反応ゾーンは、例えばバーナー炎又はプラズマである。反応ゾーンにおいては、ポリアルキルシロキサン分子が段階的にSiO2へと酸化により分解され、その際にSiO2一次粒子が発生し、該粒子には気相からのSiO分子又はSiO2分子が付加される。付加プロセスは、反応ゾーンを通って堆積面に向かう道程で、凝集又は凝塊したSiO2粒子が、分解しなかった更なる分子がもはや得られないゾーンに入ったらすぐに終える。
これらの分解、酸化及び付加プロセス(以下では“粒子形成プロセス”との用語で括ることもある)は、ポリアルキルシロキサン分子の分子量及び大きさに応じて、異なる反応速度及び異なる温度で行われる。その結果として、反応ゾーン内で、異なる大きさの、比較的広い粒径分布を有するアグロメレート及びアグリゲートが形成される。本発明による方法を利用している間、粒子形成プロセスは変化する。純粋なD4を使用したときと比べて、形成するSiO2粒子の大きさのより広い分布ひいてはそれに付随してスート体構造における変化を観察することができる。粒径分布の広がりの説明として考えられるのは、異なる気相反応速度に基づき、気相からの更なるSiO2分子の付加によってさらに成長し得るSiO2一次粒子の形成に関してまた異なる反応速度が得られるためである。他の説明として考えられるのは、加水分解又は熱分解に際して、ポリアルキルシロキサン分子のケイ素原子の数及び形態に依存して、早くもSiO2一次粒子の大きさひいてはそれに付随して該一次粒子から発生するSiO2粒子の大きさ及びそれらの濃度も反応ゾーン内で変わるためである。
製造条件に応じて、スート体はある特定の層構造を持ち、ここで、該層は、密度又は化学組成の局所的な変化の領域を表す。本発明に従ったSiO2供給材料を用いた場合、意想外にも高い均質性を有する、殊に層構造が均一かつ目立たない形で現れるSiO2スート体が得られることがわかった。この効果は、形成かつ堆積したSiO2粒子の粒度分布の広がりが、単分散SiO2粒子の場合により均一なSiO2スートの堆積につながるか、又はそれがスート体製造又はガラス化に際してのSiO2スートのより均一な緻密化を軽減するという事実に帰せられることができる。
この効果が前提としていることは、反応ゾーンに入ってくる供給材料中に、D4の基準分子量の両側の分子量を有する付加的な成分、理想的にはD3とD5、若しくは相応する鎖状同族体が存在していることである。これらは、D4と類似する分子量及び化学的類似性を有する分子である。これらの分子は、D3とD5の質量分率の比mD3/mD5が0.01から1の間にある限り、反応ゾーン及び粒子形成プロセスの適度な変化並びに粒径分布の僅かな平坦化をもたらす。これらの極限値外に比が相当する場合、上記した堆積プロセスの均等性は引き立たない。
本発明による方法は、2つの中心となる要件を含んでいる。一方では、準備された液状のSiO2供給材料は、少なくとも99質量%が、気相に変えられなければならない。他方では、この蒸発は、SiO2供給材料が、mD3:mD5の質量比を維持しながら気化するように構成されていなければならない。つまり、本発明によれば、2つの付加的な成分の質量比は、液相のみならず気相においても実質的に一致しているべきである。ここで、液状のSiO2供給材料の質量比G_liquid=mD3/mD5と、ガス状のSiO2供給蒸気の質量比G_vapor=mD3/mD5との比率τが、最大±500ppm、有利には最大±250ppm、特に有利には最大±100ppmの値を有する(該比率τは、下記:
Figure 2015504408
の通りに計算される)場合に好ましいと判明した。2種の更なるポリアルキルシロキサンD3とD5をSiO2供給材料の主成分D4に加えることによって、粒径分布の広がりが達成されることがわかった。
先行技術に従って製造されたスート体及び/又は本発明による方法に従って製造されたスート体は、石英ガラスの密度の25から32%の間である密度を有してよい。達成される密度は、なかでも、バーナーと堆積面との距離、調節温度、ガスの化学量論量並びにバーナーの幾何学的形状に依存する。これらのファクターを様々に変化させることによって、スート体内部に異なる密度曲線、例えば線形曲線、上昇又は下降するラジアル曲線がスート体に作り上げられることができる。密度分布を調べるために、出願人は、公知の方法を使って約700箇所の測定点でスート体の局所的な密度を測定する。そのために、CT法によって、そのつどスート体の縦軸の横断面を示す約50枚の断面図を作成する。ラジアル密度曲線の測定のために、50枚の各CT断面において、そのつど14箇所の、ほぼ等間隔の測定点を記録する。この方法によって、そのつどスート体の断面に沿ったラジアル密度曲線及びスート体の縦軸に沿った密度プロフィールを測定することができる。
すでに説明した通り、本発明によるSiO2供給材料を使用すると、粒径分布の広がりに確かにつながることが言える。粒径分布との用語は、ここでは、個々のSiO2粒子の大きさを統計学的に記述する頻度分布を意味している。数学的に見ると、頻度分布若しくは粒径分布は、そのつどの出現値について、どの程度この値が頻繁に出現しているのを示す関数である。分子レベルでは、その粒径分布が広い範囲を含む、異なる大きさのSiO2アグロメレート及びアグリゲートが発生する。このスート粒子の粒度分布は、純粋なD4から調製されるSiO2スート粒子の粒度分布より広い。より広いこの粒径分布は、空隙等が均一に満たされることから、より均一な積層を可能にする。この結果−巨視的に観察して−SiO 2 スート体内部でより僅かにしか密度が変化しなくなる。700箇所の測定点に従って測定された密度は、つまり、微視的に見て広い粒径分布の巨視的な結果を表している。
密度Mの平均値は、50箇所の測定点すべての平均から出され、それらの幾何学的な配置は、スート体の縦軸に沿って変わるが、一方で、中心軸との幾何学的な距離は変わらない。平均的なスート体の場合、CT法によってスート体の50枚の断面が作成され、そのため、そのつど50箇所の測定点の平均から密度の平均値が出される。一般的に、密度の平均値はそれぞれ標準的な形で分布しており、そのため幅σを測定することができる。ラジアル密度プロファイルの測定のために、50枚の各断面において、それぞれ14箇所の測定点が測定され、それらのラジアル距離はスート体の中心点に対して増大する。したがって、平均値Mの幅σの変化量δは、14点の統計値を含む
一定の密度分布を有するか若しくは有するべきスート体においては、このようにして取得された測定データから、スート体の密度の平均値M並びに密度の平均値の幅σが50箇所の測定により突き止められることができる。したがって、σの値は、スート体の縦軸に沿った堆積面との予め定められた間隔で密度がどの程度強く変化するのかを示す。付加的に、幅σの変化量δを、ラジアルプロファイルを記録するために測定した14箇所の測定点から計算することも可能である。
先行技術と本発明により実施した測定とを比較可能にするために、多数のスート体を調製し、かつ測定した。ここで、周辺条件、例えばバーナーとの距離、バーナー温度及び化学量論量を可能な限り一定に保つよう試みた。なぜなら、これらは、スート体のそのつどの密度に大きな影響を及ぼすからである。そのつど、線形密度プロファイルを有し、かつ石英ガラスの密度の25から32%の間に達するスート体を調製した。公知の方法若しくは材料を使用した場合、スート体の密度の幅σ及び変化量δについて以下の測定値が出た:
Figure 2015504408
これらの値は、それぞれ、石英ガラスの密度に対する相対的な密度について示したものである。
付加的な成分D3とD5の、それ以外ではD4から主として成るSiO2供給材料中での使用により、粒径分布が広がる。粒径分布のこの広がりは、スート体中での密度変化率がそれ自体より小さくなることにつながる。驚くべきことに、密度変化率のばらつきが減少したこともわかる。スート体の密度の幅σ及び変化量δについて以下の測定値が出た:
Figure 2015504408
ここでも、これらの値は、それぞれ、石英ガラスの密度に対する相対的な密度について示したものである。本発明による方法を用いることで、測定される密度変化率が最大9%減少するようになる。驚くべきことに、幅のばらつきも最大8%減少する。平均密度の変動幅のばらつきのこの減少の結果、先行技術において公知のものよりもずっと均質な石英ガラスが生じる。
本発明による方法の更なる好ましい態様の特徴は、付加的な成分D3及び/又は付加的な成分D5が、液状のSiO2供給材料の全質量の0.5質量%から30質量%を構成し、殊に質量分率mD3+mD5の合計が、1から15質量%の間の範囲、有利には1から3質量%の間の範囲にあることである。意想外にも、付加的な成分D3及びD5は、SiO2供給材料より多くを占める必要がないことが測定からわかった。むしろ、全質量の最大3分の1の混合量で、本発明により要求されるSiO2供給材料を調製するには十分であり、該供給材料は、SiO2粒子として堆積する際に粒径分布の広がり、ひいてはそのようにして作製されたスート体の均質性の上昇をもたらす。このように、測定により意想外にも、付加的な成分D3とD5の1から3質量%の間の質量分率でも十分であることがわかった。これら付加的な成分D3、D5は比較的少ない量であっても、気相に完全に変わることによって、場合によっては起こり得るスート体中での密度の変化が、SiO2蒸気の異なる粒径によって埋め合わされることから、全体としてずっと均質なスート体若しくは石英ガラス体が調製される。
先行技術に従って作り出されるスート体は、石英ガラスの密度に対して25〜32%の密度を有している。この場合、これらのスート体は、密度について3〜4%の相対的な変動率を示す。これらの密度の変動は、ガラス化に際して石英ガラス体中にも移される。それにより、ヒドロキシ基及び塩素濃度の半径方向、方位角方向及び軸方向の変化が生じ、これらは、石英ガラスシリンダー及びそれにより製造された石英ガラス繊維の不利な特性につながる可能性がある。本発明による方法の特徴は、スート体中での公知の密度変化率を減少させることである。密度変化率のこの減少は、石英ガラスシリンダーの品質に直接影響を及ぼすことから、相応して、より高価な、より均質な石英ガラスシリンダーが調製された。これは、例えば光ファイバーを製造するに当たって、石英ガラスシリンダーを後から使用した場合に不良品の発生が少ないという利点を有する。
測定結果の多くから示唆されていることは、ポリアルキルシロキサンの分解に際して必要なポリアルキルシロキサンD3の活性エネルギーが、D4の場合より低く、かつポリシロキサンD5の場合には、D4の場合より大きいことである。ポリアルキルシロキサンD3の活性エネルギーは、より低いが、なぜなら、この分子は、より高い環張力を有することからである。したがって、この環は、より安定なD4の場合より早く開かれることができる。それとは異なり、ポリシクロシロキサンD5は、分子の熱分解を引き起こすには、D4より高い活性エネルギーを必要とすることがはっきりしている。総じて、一方で、D4とD3との間のエネルギーの差は、D4とD5との間より大きい。それゆえ、かつD3は、より重合反応し易い傾向にあるため、付加的な成分D3の量が、付加的な成分D5より少ない場合に好ましいと判明した。このように、本発明による方法の好ましい実施の1つの変形例は、付加的な成分が、ポリアルキルシクロシロキサンと、そのつどそれらの線状同族体とを以下の量で含むことを特徴とする:
・ ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3):0.02質量%から1質量%の間の範囲の質量分率mD3
・ ジメチルシクロペンタシロキサン(D5):0.5質量%から5質量%の間の範囲の質量分率mD5。
測定の範囲内で、意想外にも、上記量の付加的な成分を用いた場合、スート体内部の密度変化率が0.4%未満であることを確かめた。スート体の密度変化率の更なる改善は、付加的な成分が、ポリアルキルシクロシロキサンと、そのつどそれらの線状同族体とを以下の量で含むことによって生じた:
・ ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3):0.02質量%から2質量%の間の範囲の質量分率mD3
・ ジメチルシクロペンタシロキサン(D5):0.5質量%から10質量%の間の範囲の質量分率mD5。
部分的に、測定に際して、さらにD6を、0.01質量%から0.75質量%の間の範囲の質量分率mD6で添加した。これは、一般的に相応する量のD5と引き換えに行った。しかしながら、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)及びそれらの線状同族体は、D4と比べて大きいそれらの分子量ゆえに、少ない濃度で反応ゾーン及び粒径形成プロセスの目立った変化を生み、そのためD6の質量分率は、好ましくは100質量ppmを上回らない。
本発明によれば、液状のSiO2供給材料を完全にガス状のSiO2供給蒸気に変えることを予定している。この完全な変換は、2つの付加的な成分D3とD5の質量比mD3/mD5が、液相だけでなく蒸気相にも存在するために必要である。それにより、基準分子D4の他になお、より重量がないポリアルキルシロキサンとより重量があるポリアルキルシロキサンとが、予め定められた質量比で、液状のSiO2供給材料中のみならず、気相中にも存在するようになる。気相に変わった液状のSiO 2 給材料の高い割合によって、質量比mD3/mD5が維持されるようになる。液相から気相中への特許請求の範囲に記載される範囲内での質量比mD3/mD5の維持は、付加的な成分D3とD5との混合物のみが、SiO2一次粒子の変化をもたらし、これによって目的としていた粒径分布の広がりを達成することができるという点で重要である。
公知の蒸発システムの場合、気化されるべき液体が高温表面と接触させられる。高温表面は、殊に有機材料が供給される場合、例えば分解又は重合といった予測不能な変化をもたらしかねず、そのため蒸気の組成がどの程度なお液体の組成に相当しているのかを容易には突き止めることができない。それにより、粒子形成プロセスにおける欠損及び不均質なスート堆積につながりかねないある特定の変動性及び非再現性がプロセス操作において生じる。これは、粒子形成プロセスにおいて、互いに高い化学的類似性を有する成分の実際の組成が問題になったときに特に目立ってくる。そのうえ、公知の蒸発器システムの場合、極めて微細な液滴が、排出される蒸気流と一緒に連行される恐れがあり、同様にスート体中での材料の不均質性をもたらす可能性がある。
これらの欠点を克服するために、本発明による蒸発プロセスの更なる好ましい1つの態様であって、
蒸発が、以下の工程:
・ SiO2供給材料を加熱する工程、
・ 加熱された該SiO2供給材料を膨張チャンバー内に導入し、そうして該SiO2供給材料の少なくとも第一の部分を圧力降下により気化させる工程
を含むことを特徴とするプロセスがもたらされる。
この態様によれば、SiO2供給材料の加熱が行われる。この場合、SiO2供給材料の温度は、150℃から230℃の間が所望されている。これより高い温度だと、場合によっては重合を引き起こす可能性がある。好ましいと判明したのは、SiO2供給材料を、更なる液体、例えば油によって加熱する液/液−加熱システムの使用である。液体から液体への熱交換によって、その際、例えば電熱線の場合がそれに該当するように、単独の高温領域が発生することなく、SiO2供給材料の均一な一定の加熱が行われる。この種の単独の加熱点は、回避すべき重合反応にすぐにつながる。SiO2供給材料の加熱後、この加熱された材料は膨張チャンバー内に注入される。膨張チャンバー内部では、SiO2供給材料が気相に変換される。SiO2供給材料にとって特に優しいのは、この蒸発が圧力降下により行われる場合であることが判明した。そのために、例えば、SiO2供給材料は超臨界流体として加熱してよい。加熱装置内部での相応する圧力のみによって、SiO2供給材料の沸騰が防止される。膨張チャンバー内部での膨張に際して、SiO2供給材料は、気相に変わるように減圧する。好ましいと判明したのは、1.8barから5barの間の圧力降下である。
加圧下にある加熱された供給材料は、供給路を通して膨張チャンバー内に導入され、次いで相応する噴霧ヘッドを介して霧状にされかつ/又は霧化される。噴霧ノズルを介して上述した圧力降下を直接的に行ってもよく、このようにしてSiO2供給材料をSiO2供給蒸気へと素早く、それでいて均一に変えられるようになる。好ましくは、膨張チャンバー自体も、150℃から200℃の間の範囲の温度に加熱される。たしかに、膨張チャンバーは、蒸発を考慮していないが、利用される熱(膨張チャンバーの壁から膨張チャンバーの内部にまで放射する)は、圧力降下による蒸発を補う。
液滴の粒度範囲は、多数のパラメーターに依存する。液体のレオロジー特性及び噴霧ノズルの幾何学的形状の他に、これは特に、本質的に差圧により決定される噴霧ノズルからの液体の流出速度である。上記の差圧範囲内で、流出する液体噴流が、乱流により狭い液滴径分布を有する微細な液滴に砕解する。
本発明による蒸発プロセスの更なる好ましい1つの態様であって、
蒸発が、以下の工程:
・ SiO2供給材料を加熱する工程、
・ 加熱された該SiO2供給材料を膨張チャンバー内に導入する工程、
・ 該SiO2供給材料を、加熱された希釈剤と混ぜ、そうして該SiO2供給材料の少なくとも第二の部分を、露点を下げることにより気化させる工程
を含むことを特徴とするプロセスがもたらされる。
この実施の変形例によれば、供給材料の蒸発のために希釈剤が用いられる。好ましくは、希釈剤は、膨張チャンバーを通り抜けるキャリアーガスである。そのため、以下では希釈ガスとの用語とキャリアーガスとの用語は同じ意味として使う。
この実施の変形例によれば、同様にSiO2供給材料の加熱が行われる。すでに説明した通り、加熱が熱交換器を用いて行われ、かつ120℃〜230℃の範囲の温度にSiO2供給材料が加熱される場合に好ましいと判明した。SiO2供給材料は、相応する導管を通して膨張チャンバー内に導入され、そこで噴霧ノズルを介して霧化及び/又は噴射される。SiO2供給材料からSiO2供給蒸気への可能な限り均一な移行を達成するために、希釈剤、例えば窒素は、SiO2供給材料の噴射方向とは反応向きで膨張チャンバー内に導入されることが望ましい。液状のSiO2供給材料の第二の部分は、膨張チャンバー内に入る際に蒸発し、それというのも、チャンバー内での液状のSiO2供給材料の分圧が低減されており、そのため該供給材料の露点も同様に下がるからである。この方法固有の特徴は、分圧が下がることによって、液状のSiO2供給材料が気相に変わる温度も下げられる点にある。供給される加熱されたキャリアーガスの量に応じて、SiO2供給材料の露点は最大で30℃まで低下する。相応して、SiO2供給材料をフィードにおいて非常に強く加熱する必要はない。キャリアーガス若しくは希釈剤として、窒素の他にアルゴン又はヘリウムも有効であることがわかった。これらは、ポリアルキルシロキサンに対して不活性に挙動するガスであり、そのため、液体とキャリアーガスとの、殊に加圧下及び高温下での酸化反応、重合反応又は分解反応、ひいては供給材料の組成の再現可能でない変化が回避されることになる。
圧力降下による蒸発の上記の実施の変形例の場合と同じように、分圧の低下による蒸発も、SiO2供給材料の蒸発が金属表面によっては行われないことを可能にする。この金属表面は、均一ではない温度分布を頻繁に示し、そのため特に高温の領域で重合作用が部分的に起こる可能性がある。これを防止するために、本発明によれば、液体が膨張チャンバーの内壁に到達してそこで蒸発することがないように、分圧又は圧力降下による蒸発をSiO2供給材料が膨張チャンバー内に入った時点で早くも行うことを予定している。
本発明による方法の更なる実施の変形例は、SiO2供給材料を、圧力降下及び又は分圧の低下により、少なくとも99.95質量%で、特に有利には99.9995質量%でSiO2供給蒸気に変えることを特徴とする。この実施形態の変形例の場合、気相へのSiO2供給材料の移行は、加熱されたかつ加圧下にあるSiO2供給材料が膨張チャンバー内に入る際の圧力降下によってのみ行われる。ここで完全な変換を達成するために、液状のSiO2供給材料が非常に微細な液滴へと霧化される場合に好ましいと判明した。それらの平均直径は、この場合、5μm未満、好ましくは2μm未満、特に有利には1μm未満であることが望ましい。このようにして、液状の供給材料は、圧力降下による膨張によって均一に蒸発することができる液滴のクラウドへと変換される。
液体から小滴へのこの分割を補うために、超音波の作用によってSiO2供給材料の均一かつ微細な霧化を引き起こす超音波噴霧器を用いることが有用であると判明した。本発明によれば、超音波とは、人間の耳に聞こえる範囲外の周波数を有する音波を表す。これは16kHzから1.6GHzの間の周波数を含む。超音波噴霧器の場合、圧力適用及び加熱なしで液体が霧化される。そのため、液体で湿らされた圧電セラミックが高周波交流電圧によって振動させられることができる。これに従って、液体中に超音波が形成され、その最大強度はある特定の液体面に達し、そしていわゆる超音波突起部が発生する。この超音波突起部から、所望の用途に利用することができる小さい液滴又はエアロゾルが分離する。超音波噴霧器の利点は、変わりやすい体積流の均一な霧化、体積流の領域全体にわってほぼ一定の液滴スペクトル及び液滴の僅かな固有速度にあり、それにより噴流を良好に制御することが可能になる。このように、超音波噴霧によって再現可能な形で狭い粒径分布を作り出すことができ、これは蒸発の結果としての均一性に良い作用を及ぼす。
2つ目の変形例によれば、蒸気相への液状のSiO2供給材料の変換は、もっぱらキャリアーガスの利用によってのみ行われ、分圧の低下を結果的に伴う。この場合、相応して十分な量の希釈剤/キャリアーガスが膨張チャンバーに通り抜けて流れ、かつ、このようにして液状のSiO2供給材料の蒸発が行われるようにされなければならない。
3つ目の選択肢として、この本発明による方法の実施の変形例は、液状の供給材料の蒸発が、圧力降下を利用することによっても、分圧の低下によっても行われることを挙げる。この変形例が特に好ましいと判明したが、なぜなら、300mmまでの直径を有する石英ガラスシリンダーの調製のために大量の液状材料が気化されなければならないからである。必要とされる量の材料を優しくかつ均一に液相から気相に変換するために有利であると判明したのは、少なくとも部分成分について過熱されたSiO2供給材料が膨張チャンバー内に導入されて、そこで圧力降下によって及び希釈剤の利用によって該供給材料が気相に変えられる場合である。圧力降下及び露点の低下による蒸発のこの組合せにより、液状で蒸発器に導入されたSiO2供給材料の非常に僅かな割合(20ppm未満、有利には10ppm未満、特に有利には5ppm未満)しか蒸発しないことが可能になる。個々の試験においては、蒸発しなかったSiO2供給材料の割合は、それどころか2.5ppm未満に減少させることができた。
液状のSiO2供給材料は、個々の気化されるべき量がそれぞれ少なく、かつ大面積を有している場合に、より簡単かつ均一に気相に変えることができる。これは最適にはSiO2供給材料の液体が霧化されて微細な液滴にされることによって達成することができる。霧化された液滴は、次いで圧力降下及び/又は加熱された希釈剤/キャリアーガスとの混合を介して気相に変えられることができる。好ましいと判明したのは、微細な液滴と高温キャリアーガスとの接触が、150℃〜230℃の範囲の温度に維持されているチャンバー内で行われる場合である。150℃未満の温度場合、液滴が完全には蒸発せず、そのため液体が反応ゾーンに連行されことから、粒子形成プロセスにおける不均質部分及びスート体構造における欠陥、例えば気泡が生じるというある一定のリスクが存在する。230℃を上回る温度の場合、他の点では非再現可能かつ不所望な反応生成物とのエネルギー的に抑制された反応、殊に分解及び重合反応がさもないと生じる傾向が高まる。
本発明による方法の更なる実施の変形例の特徴は、液状のSiO2供給材料が、室温にて規定の圧力(例えば1barから5barの間)下で、噴霧ノズルにおいて、非常に小さい数マイクロメートルの大きさの液滴に変えられることを特徴とする。キャリアーガス(希釈ガス)は、熱交換器によりまず加熱され、そうして蒸発が主として気相で行われ、高温表面上では行われないように液滴と混合される。この方法は、液状のSiO2供給材料を予熱する必要がないように構成することができる。この変形例の場合、キャリアーガスと液状のSiO2供給材料との混合は、液滴にする実際の霧化前に行われる。
本発明による方法の更なる実施の変形例は、SiO2供給材料を膨張チャンバー内に導入する際に、SiO2供給材料の組成を濃度検出器によって測定することを特徴とする。この態様によれば、組成、つまり、D3、D4及びD5の比は、膨張チャンバーで直接モニタリングされる。供給されたSiO2供給材料は、この場合、例えばガスクロマトグラフといった濃度検出器によって分析される。濃度検出器を用いた類似する分析ステーションが、膨張チャンバーの出口に配置されていてもよく、これによりSiO2供給材料の組成を測定することができる。1つ又は両方の検出器は、品質マネジメントシステムの一部であってよく、これは測定した組成をデータ処理システムに伝えることができ、そこで、供給された材料及び蒸気の品質がモニタリングされる。SiO2供給蒸気の組成及び質量分率の持続的なモリタリングは、本発明による方法が常に適用されており、それによりスート体が作り上げられ得ること(密度の変動の変化量はδInv=0.023%に過ぎない)を確かなものとする。かかる構造のスート体から、次いでガラス化によって極めて均質な合成石英ガラスを製造することができる。
本発明による方法の更なる1つの実施の変形例の特徴は、工程段階(B)に従ったSiO2供給材料の流の形成が、純粋なD4を含有するポリアルキルシロキサンの混合物の蒸発による第一のガス流の生成と、本質的にD3、D4及びD5を含有するポリアルキルシロキサンの第二の混合物の蒸発による第二のガス流の生成、並びに工程段階(C)の前又は間でのガス流の合一を含んでいることである。この実施の変形例によれば、液状のSiO2供給材料の個々の成分は単独で気化される。そのため、一方では、主にD4から成るSiO2供給材料のベース材料の蒸発が優先的に行われ、ここで、それと並行して、2つの成分D3及びD5を十分な量で含有するポリシロキサンの第二の混合物が気化される。引き続き、2つの別個に生成されたガス流は合一されて、次いでこれは酸化及び/又は熱分解及び/又は加水分解によってSiO2粒子に変換される。相応する濃度検出器によって、生成された2つのガス流からのSiO2供給蒸気の組成が、そのつどガス状のSiO2供給蒸気内に所望の質量分率mD3/mD5を有していることを検査及び保証することができる。ここで、SiO2供給材料の2つの部分成分の蒸発は、異なる方法によって、かつ/又は個別の温度で行ってよい。
液状のSiO2供給材料は、個々の成分の混合若しくは成分混合物のブレンドによって、又は蒸留塔からの早期抜き出し若しくは蒸留の早期中断によって、その他の点ではオクタメチルシクロテトラシロキサンの精留のために通常行われているように作製することができる。したがって、本発明による方法の場合、オクタメチルシクロテトラシロキサンの精留を省くことができ、その代わりに、あまり純粋でなく、それゆえより安価なD4等級を用いることができる。供給材料のポリアルキルシロキサンの類似する密度及び特性は分離を妨げる。
D3とD5の質量分率の比mD3/mD5の上述した極限値は、供給材料のその液相における組成を表している。しかしながら、気相に移行しても、分解、重合又は蒸留によって、供給材料の組成は変化しない。この影響を回避するか又は可能な限り低くし続けるために、本発明によれば、液状のSiO2供給材料をまず加圧下でインゼクターにより微細な液滴で噴射し、これらの微細な液滴を、固体表面、殊に金属表面と接触させずに、主として高温キャリアーガスと接触させることによって完全に気化させる蒸発法が用いられる。
微細な液滴は、液状の出発材料の迅速かつ効果的な−つまり省エネ型の−殊に完全な蒸発を可能にする大面積を提供する。このようにして、殊に分解、重合又は蒸留による組成の変化が実質的に回避され、負荷的な装置に供給された供給材料の定義された組成及び再現可能な粒子形成プロセスが保証されるべきである。
一方では、均質なスート形成に最適化されたSiO2供給材料の組成を提供し、他方では、その組成を蒸発及び反応ゾーンへの供給時に維持する本発明による組合せは、高い材料均質性及び耐放射線性によって際立つ石英ガラスを焼結又はガラス化によって得るスート体を生む。
ここに開示した方法は、これまで公知の方法と比べて以下の利点を有している:(1)ポリアルキルシロキサンの種々の割合を規定して、粒径分布の広がりが得られるという利点;(2)蒸発プロセスが簡略化されるという利点(なぜなら、本発明によれば、液状の供給材料をガス状のSiO2供給蒸気に完全に変換することを意図しているからである);及び(3)蒸発プロセス中に希釈ガスを添加することによって蒸発温度を著しく減少させることができ、その結果、供給材料の全てのフラクションを、温度に依存した化学反応なしに気相に変えられるという利点。
同様に、ここに開示した方法に従って製造される合成石英ガラスの使用を特許請求の範囲に記載しており、この場合、合成石英ガラスは、光ファイバーの製造のために用いる。ここに開示した方法は、高い品質の石英ガラスの製造を可能にする。スート体の密度の変動が僅かであることによって、有利には通信ファイバー、光ファイバー用に用いられる、品質的に高価な石英ガラスを調製することができる。
本発明の更なる利点、特徴及び詳細は、下位の請求項及び下記の説明(符号を用いて本発明の1つの実施例を詳細に記載している)から明らかになる。ここで、請求項及び明細書中で述べた特徴は、それぞれ単独でそれ自体が又は任意の組み合わせにおいて、本発明にとって重要であり得る。
SiO2スート体を製造するための本発明による方法を実施するための装置を概略的に示す図 供給材料の組成に依存する、スート体における環構造の定性分析をダイヤグラムの形で示す図 異なるポリアルキルシロキサンからの出発材料を用いて製造されたスート管を、該スート管の縦軸方向で見た場合のCT画像を示す図 比較として、先行技術に基づき出発材料として純粋なオクタメチルシクロテトラシロキサンを用いて製造したSiO2スート管のCT画像を示す図 本発明による石英ガラス製造システムの様々な部材を概略的に示す図 蒸発チャンバーを概略的に示す図
先行技術において知られていることは、ポリアルキルシロキサンのオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)を石英ガラスの製造のために用いることである。しかしながら、公知の製造法では、ある一定の層構造を有する合成石英ガラスしか製造することができない。この発明の着眼点は、その欠点−密度及び/又は化学組成が局所的に変化する領域−をなくすことである。ここでの本発明による方法の出発点は、主成分D4を含有するSiO2供給蒸気107より成るガス流の形成である。このポリアルキルシロキサンを基準分子量とする。ガス流を反応ゾーンに供給し、そこでSiO2供給蒸気が、非晶質SiO2粒子を形成しながら、熱分解、酸化又は加水分解によってSiO2に変換される。非晶質SiO2粒子が堆積面160に引き続き堆積することで、多孔質のSiO2スート体200が形成し、これはガラス化によって合成石英ガラスを形成する。ここで、材料均質性が改善された特に300mmを上回る外径を有する大きい体積のシリンダー状のスート体200の製造を可能にするために、本発明は、出発材料D4が、更なるポリアルキルシロキサンの形で少なくとも2種の付加的な成分を有することを開示している。一方で、これは任意のポリシロキサンではなく、D4の基準分子量より小さい分子量を有するポリシロキサン、並びにD4の基準分子量より大きい分子量を有するポリシロキサンである。意想外にも、より重量があるポリアルキルシロキサン並びにより軽いポリアルキルシロキサンをベース材料D4と一緒に使用することによって、SiO2一次粒子の粒径分布の広がりが生じることを測定が示した。付加的に、粒径分布の幅の変動は、例えばD4又はSiCl4のみを用いる合成石英ガラスの比較可能な製造法の場合より小さい。
図1に示した装置はSiO2スート体200の製造に用いられる。酸化アルミニウム製の担体管160に沿って、一列に配置された多数の火炎加水分解バーナー140が配置されている。より高い生産性を目的とする方法の変更態様の場合、1つだけバーナー140を用いる代わりに、多数の堆積用バーナーが用いられ、これらはスート堆積のために、一緒になったバーナー列として、回転する担体に沿って逆方向に往復運動し、ここで、各々のバーナー炎は担体管160の部分的な長さにのみ当てられる。
本発明により付加的な成分で富化されたSiO2供給材料105は、反応ゾーンにガス状で供給し、その際に酸化及び/又は加水分解及び/又は熱分解によってSiO2に分解する。反応ゾーンは、例えばバーナー炎又はプラズマである。反応ゾーン内ではSiO2粒子148が発生し、該粒子148はSiO2スート体を形成しながら堆積面160に層状で沈積する。SiO2粒子148自体は、ナノメートル領域の粒径を有するSiO2一次粒子のアグロメレート又はアグリゲートの形で存在する。
火炎加水分解バーナー140は、共通のバーナーブロック141に取り付けられており、これは担体管160の縦軸161と平行に、縦軸161に対して固定されている2つの変向点の間で往復運動し、かつ矢印の向き142で示されるように、該縦軸に対して垂直に移動可能である。バーナー140は、石英ガラスから成る;その互いの平均間隔は15cmである。
火炎加水分解バーナー140には、そのつどバーナー炎143が配置されており、これは本発明に従って反応ゾーンを表す。そこではSiO2粒子が形成され、かつその縦軸161を中心に回転する担体管160のシリンダージャケット面に堆積されることで、層状に350mmの外径を有するスート体200が作り上げられる。堆積プロセスの間、スート体表面200に、約1200℃の温度が生じる。
火炎加水分解バーナー140には、そのつど燃料ガスとして酸素と水素を供給し、並びにSiO2粒子を形成するための供給材料として、表1から読み取られる組成を有する蒸発したポリアルキルシロキサンより成る混合物を含有するSiO2供給蒸気107を供給する。本発明に従って、ポリアルキルシロキサンとの用語は、ポルアルキルシクロシロキサンのみならず、それらの線状同族体も包含している。
ポリアルキルシロキサンの混合物を有するSiO2供給蒸気107の製造は、液状混合物用の貯蔵容器110、液体ポンプ122、液体の流量計123、窒素−キャリアーガス流152の供給を制御するためのMFC(マスフローコントローラー)124、及び噴霧器128を備えた二重壁の加熱式蒸発チャンバー125を含む蒸発器システムによって行う。貯蔵容器110、ポンプ122及び噴霧器128は、たわみ金属管により互いに接合されている。貯蔵容器110を、170℃の温度に加熱し、そして加熱された液体をポンプ122により流量計123に通し、実際の配量で噴霧器128に供給する。この場合、流量計123と噴霧器128との間の接合管には、SiO2供給材料105及び/又はSiO2供給蒸気107の組成をモニタリングするための濃度検出器を準備していてよい。
噴霧器128−噴霧ノズルとも呼ぶ−は超音波噴霧器であってよい。これに、同時に窒素−キャリアーガス流を、MFC 123を介して1.5bar〜5barの圧力で供給し、かつ気化すべき液体を供給する。これを霧化して1μmの最大直径及び0.7μmの平均直径(d50値)を有する狭い粒径分布を有する微細な液滴とし、その際、蒸発器120中に直接噴霧する。蒸発器120は、195℃の内部温度を有しており、そのため微細な液滴はすぐに蒸発し、そして蒸気流を、固定されたフローディストリビューターに供給し、かつそこから媒体供給用の断熱されたたわみ管を介して個々の堆積用バーナー140に分配する。
フローディストリビューターには、燃料ガスの酸素と水素並びに補助ガス(酸素)(これはバーナー炎143において供給材料の流と燃料ガスの流との間で用いられ、かつ早い段階での混合を妨げる)用の供給ラインも通じている。したがって、燃料ガスとSiO2供給蒸気107との混合は、バーナー炎143の高温ゾーン内でようやく行われる。堆積プロセスの完了後、多孔質のSiO2スートより成る管(スート管)が得られ、これをコンピュータ断層撮影分析(CT試験)に供する。その際、スート管200に、その長さにわたってX線照射する。このようにして得られた画像から、スート管200の軸方向及び半径方向の層構造の強度及び均質性に関する定量的及び定性的な記述が可能になる。
Figure 2015504408
表1には、多数の試験に従って調査した液状のSiO2供給材料の異なる組成、並びにそのつどのスート管について測定した品質結果を挙げている。SiO2供給材料は、主としてD4から成り、これは蒸留タイプによって及び/又は高純度の市販のオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)へのポリアルキルシロキサンの混合及び/又は更なる蒸留副生成物の添加によって相応する量のD3及びD5が混ぜられたものである。それ以外の不純物、例えば、殊にD6、D7、D8といった重量があるポリアルキルシロキサンが、最大500ppmの量で液状のSiO2供給材料の部分を成していた。はっきりと読み取れることは、0.01〜1、殊に0.1〜1の範囲の質量比mD3/mD5を有するD5とD3を混ぜることで、均質なスート体若しくは石英ガラスが生じることである。要求された質量比を下回るか若しくは上回ると、不均質部分の数が上昇し、ひいては合成石英ガラスの品質が下がる。例えば、表1の定性的な結果は、供給材料を、D4の他に適した割合の量でポリアルキルシクロシロキサンD3及びD5を含有する混合物の形で使用した場合に、層の出現が僅かな均一な層構造を有する石英ガラスが経済的に得られることを示している。
表1中のポリアルキルシロキサンの全ての濃度値は質量ppmで記載したものである、ここで、残りの成分は、そのつどD4及び少量の成分(<500ppmのD6、D7、D8)並びに不可避の不純物である。パラメーターの“S”は、CT測定に基づき検出した層構造の均質性及び強度に関する定性的な尺度である。ここで、定性的な評価の記号は以下の通りに表される:
Figure 2015504408
表中の項目は、好ましくは質量比mD3/mD5が0.1から1の間にあるべきことを明確に示している。そのうえ、この測定から、石英ガラス体の最適な均質性を達成するために、成分mD3及びmD5の質量分率の合計が、有利には1質量%から6質量%の間の範囲にあるべきことがわかる。選択された範囲及び/又は選択された質量分率の合計から逸脱すると、そのつど石英ガラスの均質性が減少することになる。表1中の値がはっきりと示すように、2つの成分D3とD5とが2質量%から6質量%の間の質量分率で加えられると、その均質性を非常に良い又は良いと評価することのできる石英ガラスが得られる。特に際立っていたのは、そのmD3/mD5の比が0.5であるサンプルであった。ベース材料D4にD3及びD5の付加的な成分を混ぜたことによる全体の割合が48000ppm=4.8質量%である場合、最も低い密度の変動を有する石英ガラスシリンダーが得られた。
表1に記載した測定結果は、図2のグラフにも反映されている。縦座標には、CT測定から突き止めることができるように、単位長さ(cm)当たりのスート体中での層の数“A”をプロットしており、かつ横軸にはmD3/mD5の比をプロットしている。mD3/mD5の比が0.5の場合、均質性に関して最適な結果が得られることを読み取ることができる。二乗関数に従う品質評価値Aの曲線を、質量比mD3/mD5の関数としての片対数グラフ中のプロットともにはっきりと見ることができる。明らかに制限されたウインドウ内部でのみ、本発明による利点を実現することができる。要求された範囲を超えて質量比が変化した場合、本発明により突き止められた利点は失われる。
図3及び図4は、X線CT法によって作成した層画像を示す。それぞれシリンダー状の形をした石英ガラス体の断面を見ることができる。ここで、断面は石英ガラス体の縦軸を横切った断面である。説明した通り、非晶質SiO2粒子の堆積は堆積面上で行われる。この堆積面は、図3及び図4の2つで挙げた図面中で、それぞれ白色のリングとして、それ以外は灰色で示した石英ガラス体の中心に見ることができる。SiO2粒子の堆積は、ロッド状の形をした堆積面を回転させながら層状に行う。
図3のCT画像は、表1からのサンプル番号5に従ったSiO2供給材料を用いて製造したSiO2スート管を示す。この画像技法においては、比較的高い密度を有する領域が、明るい表面領域として示されている。内側から外側に向かって均一に密度が減少していることがわかる。放射状の層は殆ど確認できない。これと比べて、図4は、先行技術に基づき市販の供給材料を用いて製造されたスート管のCT画像を示す。明るさの相違から、半径方向に延びる層を確認することができる。図4に従ったサンプルでのより小さい内径は、SiO2スート管を製造するための堆積プロセスにおいて、より小さい外径を有する担体を用いることによって生じる。石英ガラス体の断面を可視化するためにX線を利用することによって、殊に密度のばらつきを簡単かつ一義的に確認することができる。公知の方法に従って製造された石英ガラスが、密度の変動を示す、同心円状に形作られた環を有していることは明らかである。このような密度の変動は、光ファイバー用の石英ガラスを利用するに当たって欠点と成り得る。
図4とは対照的に、図3は、密度の変動を示唆し得る同心円状の環が存在していないことをはっきりと示す。そのため、CT法により作成された画像の光学制御は、2つの付加的な成分D3及びD5を予め定義された割合と質量比とで含有するポリシロキサン混合物を用いることによって一様な均質性を示す石英ガラス成形体を調製できることを明らかにする。石英ガラスの一様な均質性は、スート体中でのSiO2粒子の均一な分布の直接的な結果である。SiO2スート体から合成石英ガラスへの移行は、熱エネルギーを供給しながら行われる。ガラス化と呼ばれるこの工程段階の枠内では、SiO2スート体中に存在する欠陥又は密度のばらつきが、石英ガラス中で顕在化する。2種の付加的な成分を用いることによって、すでに説明した通り、粒径分布の広がりが生じる。したがって、スート体の密度の変動の変化量は、δInv=0.023%のみに減少させることができる。それから、このような均質なSiO2スート体は、極めて均質な石英ガラス体にガラス化によって変えられることができる。
図5は、本発明による方法を利用した、石英ガラスを製造するためのシステム100を示す。該システム100は、貯蔵槽110を有し、そこから液状のSiO2供給材料105が、図示されていないポンプによって予熱装置115にポンプ供給される。公知の方法によって、液状のSiO2供給材料105は、予熱装置105において高温に加熱する。予熱装置115を貫流した後、液状のSiO2供給材料105は、蒸発器120の膨張チャンバー125の中にポンプ供給される。さらに詳しく説明する通り、膨張チャンバー125においては、液状のSiO2供給材料からガス状のSiO2供給蒸気107への移行が行われる。管130を介して、SiO2供給蒸気107はバーナー140へと流れ、そこでSiO2供給蒸気は熱分解又は加水分解により変換されてSiO2粒子となる。
予熱装置115は、供給部116及び排出部117を有する。供給部116を通して、SiO2供給材料105は、予熱装置115に供給する。予熱装置115の内部では、SiO2供給材料105の加熱が行われる。これは、熱油システム又は発熱体の使用によって予熱装置の壁で行われることができる。液状のSiO2供給材料105の均一な加熱を高温領域の回避下で達成するために、予熱装置115が、熱油チャネルに取り囲まれている流チャネルを有する場合に好ましいと判明した。このようにして実現可能な液体から液体への熱伝達により、液状のSiO2供給材料105の均一な加熱が達成される。この種の均一な加熱は、D3又はD5ポリアルキルシロキサンの温度依存性の化学反応が生じないことを保証する。加熱された液状のSiO2供給材料105は、予熱装置115から膨張チャンバー125に供給路145を通して排出する。
膨張チャンバー125は、SiO2供給蒸気が自由に膨張するための内容積を規定する。液状のSiO2供給材料をガス状の供給蒸気にするこの蒸発は、予熱装置115において、液状のSiO2供給材料の温度を、膨張チャンバーの運転圧力にてSiO2供給材料の沸点より高めると好ましいことが判明した。予熱装置115の有利な運転温度は、およそ220℃である。雰囲気圧力下でのD4の沸点は、およそ175℃である。液状のSiO2供給材料が220℃で沸騰することを回避するために、予熱装置115において約100kPaの逆圧が必要とされる。このようにして、液状の反応物質は、過冷却(圧縮)された液体として予熱装置115に保持される。
図6がはっきりと示しているように、液状のSiO2供給材料は、予熱装置115から供給路145を通って膨張チャンバー125の内部空間に流れる。予熱装置115は、液状のSiO2供給材料105を、これがほぼ完全に気化するように十分に加熱し、その一方で、この圧力は膨張チャンバー125の内部空間に入ると降下する。このような迅速な蒸発は、予熱装置115が、液状のSiO2供給材料の温度を、膨張チャンバー125の運転圧力にてSiO2供給材料の沸点より高めた場合にのみ行われる。したがって、すぐに蒸発するSiO2供給材料105の量は、予熱装置115において液状のSiO2供給材料に供給される加熱量に依存する。
SiO2供給材料の高沸点成分も、特に均一かつ完全に気化させるために、加熱されたガス状の希釈剤をチャンバー内に付加的に導入する場合に好ましい。本発明により用いられるSiO2供給材料は、多数のポリアルキルシロキサン、殊にD3、D4及びD5を有する。前述のポリアルキルシロキサンのいずれも、異なる沸点を有する。付加的な成分D3、D5の質量比を変えないために、SiO2供給材料の均一な蒸発を行うことが重要である。このために、供給される加熱量並びに供給される希釈剤量が、最も高い沸点を有するD5も気化させることができるほどの量である必要がある。予熱装置115においては、加熱のためにSiO2供給材料に熱が供給される。しかし、約250℃の温度の場合、高沸点ポリアルキルシロキサンD7、D8又はD9においてゲル形成が生じる可能性がある。これらの高沸点成分にゲル形成の機会を与えないために、蒸発プロセスに従って、希釈剤152、好ましくはガス状のかつ所望の蒸発温度に加熱された希釈剤が供給される場合に好ましい。そのために、相応する媒体管150を通してガス状の希釈剤152が貯蔵容器151から膨張チャンバー内に流れ込んでよい。
希釈剤152として、殊に窒素が好ましいと判明した。例えばアルゴン又はヘリウムといった他の希釈剤も、これが所望されている場合には使用してよい。これらは、ポリアルキルシロキサンに対して不活性に挙動するガスであり、そのため液体とキャリアーガスとの、殊に加圧下及び高温下での酸化反応、重合反応又は分解反応、ひいては供給材料の組成の再現可能ではない変化が回避されることになる。希釈剤を導くことによって、膨張チャンバー125内での液状のSiO2供給材料の分圧は減少し、そのため該供給材料の露点が下げられる。これにより予熱装置115内でSiO2供給材料を高温に加熱する必要がなくなる。SiO2供給材料からSiO2供給蒸気への完全な変換を保証するのには、むしろ150℃から230℃の間の温度で十分である。ここでの目的は、SiO2供給材料の蒸発が、供給材料を液状で霧化して微細な液滴にする注入段階と、微細な液滴を高温のキャリアーガスと接触させ、しかし壁とは接触させずに、素早くかつ効果的に完全に気化させる蒸発段階とを含むことである。
図6は、本発明による蒸発をはっきりと示す。加熱されたSiO2供給材料105は、供給管145を通して膨張チャンバー125に供給する。膨張チャンバー125の内部における供給管145の終端で、該供給管145は、ノズル状の噴霧ノズル128を有する。噴霧ノズル128により、液状のSiO2供給材料105を、1μm未満の平均直径、有利には0.5μmから20nmの間の(d50値)平均直径を有する微細な液滴へと霧化する。噴霧ノズル128から出る際に起こる圧力降下によって、液状の供給材料の本質的な部分が気相に変えられる。付加的に、媒体管150を通して、約200℃〜約230℃に予熱された窒素流を膨張チャンバー125に導く。好ましくは、窒素流は、本質的に−つまり±10℃−液状の供給材料105の温度に相当する温度を有する。本発明によれば、窒素流は、液状のSiO2供給材料105の噴射方向とは逆向きに流し、そうして強い混合と十分な熱伝達が保証されることになる。2つの蒸発原理−圧力降下並びにガス状の窒素の蒸発−の組合せによって、液状のSiO2供給材料105は完全にガス状のSiO2供給蒸気107に変換されることになる。液状のSiO2供給材料の一部が、膨張チャンバー125の壁に沈着しかつ/又はそこで熱により気化させることは意図していない。管130を通して、バーナー140に向けてのガス状のSiO2供給蒸気107の排出が行われる。バーナー140では、熱分解、酸化又は加水分解によりSiO2供給蒸気107がSiO2粒子148−SiO2又はスート又はSiO2スートとも呼ばれる−に変換される。
液滴の粒度範囲は、多数のパラメーターに依存する。液体のレオロジー特性及び噴霧ノズル128の幾何学的形状の他に、これは特に、本質的に差圧により定められる噴霧ノズルからの液体の流出速度である。上述の差圧範囲内で、流出する液体噴流が、乱流により狭い液滴径分布を有する微細な液滴に砕解する。
方法の他の変形例の場合、SiO2供給材料の流の形成が、純粋なD4を含有するポリアルキルシロキサンの混合物の蒸発による第一のガス流の生成と、本質的にD3、D4及びD5を含有するポリアルキルシロキサンの第二の混合物の蒸発による第二のガス流の生成、並びに工程段階(C)の前又は間でのガス流の合一を含むことが予定されている。供給材料の異なる成分のために別個の蒸発器を用いることによって、蒸発温度及び蒸発速度といった蒸発パラメーターを、気化されるべき成分に単独で適合させかつ最適化することができる。
説明した通り、本発明による方法の目的は、多数のポリアルキルシロキサンから構成された液状のSiO2供給材料を、付加的な成分D3とD5の質量比を維持しながら完全に気相に変えることである。意想外にも、付加的な成分D3とD5をD4の液体に添加することによって、特に均質なSiO2スート体を形作ることができるSiO2供給材料が得られる。好ましくは、この場合、D4出発材料は、500ppm未満の不純物しか有しておらず、ここで、不純物とは、D3、D4又はD5ではないあらゆるポリアルキルシロキサンを意味する。
100 システム
105 SiO2供給材料
107 SiO2供給蒸気
110 貯蔵槽/貯蔵容器
115 予熱装置
116 供給部
117 排出部
120 蒸発器/蒸発器システム
122 液体ポンプ
123 流量計
124 MFC(マスフローコントローラー)
125 膨張チャンバー/蒸発チャンバー
126 管
127 フローディストリビューター
128 噴霧ノズル
130 管
140 バーナー/火炎加水分解バーナー
141 バーナーブロック
142 140の動作
143 バーナー炎
145 供給管
148 SiO2スート
150 媒体管
151 貯蔵容器
152 希釈剤
160 堆積面/担体管
161 160の縦軸
200 スート体

Claims (14)

  1. 以下(A)〜(E)の工程段階:
    (A)60質量%を上回るポリアルキルシロキサンD4を有する液状のSiO2供給材料(105)を準備する工程、
    (B)該液状のSiO2供給材料(105)を気化させてガス状のSiO2供給蒸気(107)にする工程、
    (C)該SiO2供給蒸気(107)を変換してSiO2粒子にする工程、
    (D)該SiO2粒子を、SiO2スート体(200)が形成するように堆積面(160)に堆積させる工程、
    (E)該SiO2スート体を、合成石英ガラスが形成するようにガラス化する工程、
    を含む、合成石英ガラスの製造法において、
    前記液状のSiO2供給材料(105)は、質量分率mD3を有するポリアルキルシロキサンD3より成る少なくとも1種の付加的な成分と、質量分率mD5を有するポリアルキルシロキサンD5より成る少なくとも1種の付加的な成分とを、0.01から1の間の範囲の質量比mD3/mD5で有し、かつ
    前記の準備した液状のSiO2供給材料(105)を、該質量比mD3/mD5を維持しながら、かつ少なくとも99質量%で、前記ガス状のSiO2供給蒸気(107)に気化させることを特徴とする製造法。
  2. 前記比mD3/mD5が、0.1から0.5の範囲にあることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記液状のSiO2供給材料(105)の質量比G_liquid=mD3/mD5と前記ガス状のSiO2供給蒸気(107)の質量比G_vapor=mD3/mD5との比率τが、最大±500ppmの値を有し、ここで、該比率は、下記:
    Figure 2015504408
    の通りに計算されることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記比率τが、最大±250ppmの値を有することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 前記比率τが、最大±100ppmの値を有することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  6. 前記付加的な成分D3及び/又は前記付加的な成分D5が、前記液状のSiO2供給材料(105)の全質量の0.5質量%から30質量%の間にあることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記質量分率mD3+mD5の総計が、1質量%から15質量%の間の範囲にあることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 前記質量分率mD3+mD5の総計が、1質量%から3質量%の間の範囲にあることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  9. 前記付加的な成分が、ポリアルキルシクロシロキサン及び該ポリアルキルシクロシロキサンのそれぞれの線状同族体を、下記の量:
    ・ ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3):0.02質量%から1質量%の間の範囲の質量分率mD3、
    ・ デカメチルシクロペンタシロキサン(D5):0.5質量%から5質量%の間の範囲の質量分率mD5
    で含むことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記蒸発が、以下の工程:
    ・ 前記SiO2供給材料(105)を加熱する工程、
    ・ 加熱された該SiO2供給材料(105)を膨張チャンバー(125)内に導入し、そうして該SiO2供給材料(105)の少なくとも第一の部分を圧力降下により気化させる工程
    を含むことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記蒸発が、以下の工程:
    ・ 前記SiO2供給材料(105)を加熱する工程、
    ・ 加熱された該SiO2供給材料(105)を膨張チャンバー(125)内に導入する工程、
    ・ 該SiO2供給材料(105)を、加熱された希釈剤(152)と混ぜ、そうして該SiO2供給材料(105)の少なくとも第二の部分を、露点を下げることにより気化させる工程
    を含むことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記SiO2供給材料(105)を、圧力降下及び/又は分圧を下げることにより、少なくとも99.95質量%で、前記SiO2供給蒸気(107)に変えることを特徴とする、請求項10又は11記載の方法。
  13. 前記膨張チャンバー(125)内への前記加熱されたSiO2供給材料(105)の導入が、前記SiO2供給材料(105)を液状で霧化して微細な液滴にする注入段階を含み、ここで、該液滴は5μm未満の平均直径を有することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 前記膨張チャンバー(125)内への前記加熱されたSiO 2 供給材料(105)の導入が、前記SiO 2 供給材料(105)を液状で霧化して微細な液滴にする注入段階を含み、ここで、該液滴は2μm未満の平均直径を有することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
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