JPH06122523A - 希土類イオン含有カルコゲナイドガラスの製造方法 - Google Patents

希土類イオン含有カルコゲナイドガラスの製造方法

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JPH06122523A
JPH06122523A JP26921192A JP26921192A JPH06122523A JP H06122523 A JPH06122523 A JP H06122523A JP 26921192 A JP26921192 A JP 26921192A JP 26921192 A JP26921192 A JP 26921192A JP H06122523 A JPH06122523 A JP H06122523A
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JP
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chalcogenide glass
glass
diketone
substrate
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Kazuo Fujiura
和夫 藤浦
Yasutake Oishi
泰丈 大石
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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    • C03B19/1415Reactant delivery systems
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気相反応を用いる希土類イオン含有のカルコ
ゲナイドガラスの作製技術を提供する。 【構成】 硫黄、セレン、テルル、砒素、燐、アンチモ
ン、ガリウム、珪素、アルミニウム、ゲルマニウムの元
素のハロゲン化物、水素化物、有機金属化合物、アルコ
キシド、β−ジケトン錯体の群より選択された2種類以
上のガスと希土類元素のβ−ジケトン錯体のガスを混合
し、前記混合ガスを気相あるいは基板6上で反応させる
ことを特徴とする。 【効果】 高純度でかつ均質なカルコゲナイドガラスが
作製でき、さらに希土類イオンを高濃度に均一に添加で
きる。また、本発明によれば、従来困難であった低損失
なカルコゲナイドファイバの作製が可能となり、ファイ
バの構造制御も容易にできる。この結果、希土類を活性
イオンとする固体レーザあるいは光ファイバアンプの作
製が可能となり、特にイオンの分散性が高濃度まで維持
できることから、高効率化、小型化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は希土類イオン含有カルコ
ゲナイドガラスの製造方法、さらに詳細にはレーザある
いは光アンプの媒体、光ファイバ型レーザあるいはファ
イバアンプに用いる希土類イオン含有カルコゲナイドガ
ラスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カルコゲナイドガラスは、構成している
元素の蒸気圧が溶融温度で高いために通常、石英アンプ
ルに封入し、10時間以上電気炉の中で揺藍し冷却する
ことによって作製される。この方法によれば、ガラスの
純度は、出発原料に依存し、プロセスに精製が含まれな
いため高純度化が困難であった。また、一般に希土類イ
オンは一部のガラス組成を除いて、カルコゲナイドガラ
スに不溶で、平衡状態下の溶融技術では均一に高濃度添
加することが困難であった。また、溶融過程では、石英
アンプル内は高圧になっており、アンプルの破裂など安
全面での問題もあった。
【0003】また、上記作製法の問題点を解決する手段
として、金属あるいは溶融法で作製したガラスをターゲ
ットとするスパッタ法があるが、この方法は成長速度が
最大1μmと遅いこと、基板の形状に制約がある等の問
題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決するために気相反応を用いるカルコゲナイドガラス
の作製技術を提供することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】上述の問題点を解決するため、
本発明の希土類イオン含有カルコゲナイドガラスの製造
方法は、硫黄、セレン、テルル、砒素、燐、アンチモ
ン、ガリウム、珪素、アルミニウム、ゲルマニウムの元
素のハロゲン化物、水素化物、有機金属化合物、アルコ
キシド、β−ジケトン錯体の群より選択された2種類以
上のガスと希土類元素のβ−ジケトン錯体のガスを混合
し、前記混合ガスを気相あるいは基板上で反応させるこ
とを特徴とする。
【0006】また、本発明による希土類イオン含有カル
コゲナイドガラスの製造方法は、中空円筒状の基板の該
中空部に硫黄、セレン、テルル、砒素、燐、アンチモ
ン、ガリウム、珪素、アルミニウム、ゲルマニウムの元
素のハロゲン化物、水素化物、有機金属化合物、アルコ
キシド、β−ジケトン錯体の群より選択された2種類以
上のガスを導入し、該中空部にカルコゲナイドガラスの
膜を作製し、しかる後に硫黄、セレン、テルル、砒素、
燐、アンチモン、ガリウム、珪素、アルミニウム、ゲル
マニウムの元素のハロゲン化物、水素化物、有機金属化
合物、アルコキシド、β−ジケトン錯体の群より選択さ
れた2種類以上のガスと希土類元素のβ−ジケトン錯体
を含む混合ガスを導入し、該カルコゲナイドガラスの内
部に屈折率が高くかつ希土類イオンを含むカルコゲナイ
ドガラスを作製し、円筒状基板を取り除き、該カルコゲ
ナイドガラスの円筒を回転しつつ加熱し中実化する工程
よりなることを特徴とする。
【0007】すなわち、本発明は揮発性の高い原料を出
発原料として用い、かつ気相または基板上で分解あるい
は反応させることによってカルコゲナイドガラスを作製
するものである。特に、化学量論的に反応する原料の組
み合わせを選択すること、希土類イオンのソースとして
β−ジケトン錯体を用いることを特徴としている。本発
明の方法によれば、気相あるいは基板上での反応で生成
したイオンが成長表面での低い移動度のために凍結され
る。その結果、均質度の高いガラスの作製が可能とな
る。さらに、成長表面では非平衡状態が実現されてお
り、平衡状態下では不溶のイオンをガラス中に添加でき
る。したがって、希土類イオンを高濃度にかつ均一に添
加したカルコゲナイドガラスの作製が可能となる。ま
た、原料の気化プロセスにおいて原料の精製が行なわ
れ、かつ閉じた系で合成が完結するため高純度化も達成
できるという利点がある。
【0008】
【発明の具体的説明】本発明による希土類イオン含有カ
ルコゲナイドガラスの製造方法によれば、硫黄、セレ
ン、テルル、砒素、燐、アンチモン、ガリウム、珪素、
アルミニウム、ゲルマニウムの少なくとも2種類以上の
元素のハロゲン化物、水素化物、有機金属化合物、アル
コキシド、β−ジケトン錯体いずれか1種類あるいは2
種類以上の混合物からなるガスと希土類元素のβ−ジケ
トン錯体のガスを混合する。
【0009】本発明において、硫黄、セレン、テルル、
砒素、燐、アンチモン、ガリウム、珪素、アルミニウ
ム、ゲルマニウム元素の化合物の形態は基本的に上述の
形態であれば基本的に限定されるものではない。しかし
ながら、さらに具体的に述べれば、硫黄、セレンは水素
化物、アルコキシド、有機金属化合物であるのがよく、
砒素、燐は水素化物、ハロゲン化物、アルコキシド、有
機金属化合物であるのがよい。テルル、アンチモン、ガ
リウム、硅素、アルミニウム、ゲルマニウムはハロゲン
化物、アルコキシド、有機金属化合物の形態であるのが
好ましい。これらのガスはハロゲン化物、水素化物、有
機金属化合物、アルコキシド、β−ジケトン錯体のいず
れか一種類のガスであることもでき、二種類以上の異な
る化合物のガスであることもできる。
【0010】前記ガラス形成用のガスと混合される希土
類元素のβ−ジケトン錯体は、本発明において基本的に
限定されるものではない。たとえば、下記の一般式
(1)のものを使用することができる。
【式2】 (ただし、一般式(1)中、RおよびR’のいずれか一
方あるいは両方は炭素数1から7のアルキル基かまたは
炭素数1から7のアルキル基の水素の一部あるいは全部
をフッ素に置換したフルオロアルキル基、Mは金属、n
は配位数を示す)
【0011】上記一般式中、RおよびR’の炭素数が0
であると、β−ジケトン錯体の分子の大きさが不十分で
金属を取り囲めなくなるため隣接する金属との相互作用
による気化性の定価が生じ、また、RおよびR’の炭素
数が7を越えると、分子量が大きくなり過ぎ、さらにβ
−ジケトン内部での分解および変質を生じる。
【0012】さらに配位数nは金属のイオンの価数と等
しいことが望ましく、金属イオンの価数よりも配位数が
小さい場合、不純物が金属に配位し気化性を低下させ、
金属のか数よりも配位数が大きい場合、錯体の熱安定性
が低下し分解が生じる。すなわち、希土類元素の場合、
3であることが望ましい。
【0013】希土類元素としては、たとえばPr、L
a、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Luなどの一種以上を使用することが
できる。
【0014】上述の混合ガスを気相あるいは基板上で反
応させるわけであるが、この際、後述の図1より明らか
なように、反応雰囲気中に水素を添加することができ
る。
【0015】さらに基板を使用する場合、基板は一般的
に円板など平板状が一般的であるが、中空円筒状の基板
を使用し、基板中空部にガラスを形成する混合ガスを導
入してカルコゲナイドガラス膜を形成した後、希土類元
素のβ−ジケトン錯体を含む混合ガスを導入し、カルコ
ゲナイドガラスの内部に屈折率が高くかつ希土類イオン
を含むカルコゲナイドガラスを作製し、次いで、円筒基
板を除去した後、前記カルコゲナイドガラスの円筒を回
転させながら中実化して製造することも可能である。こ
の場合、光ファイバ用母材として使用することができ
る。
【0016】上述のような反応のエネルギ源としては、
熱、プラズマ、光の1種あるいは2種以上を使用するこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれにより何等限定されるものではな
い。また、以下、希土類元素のβ−ジケトン錯体をRお
よびR’の組み合わせにより以下のように略記する。
【0018】 R R’ dpm:−C(CH33 −C(CH33 ppm:−C(CH33 −C25 hfa:−CF3 −CF3 dfhd:−CF3 −C37
【0019】
【実施例1】図1に本実施例で用いた作製装置の概略図
を示す。出発原料として、AsCl3、H2S、Pr(d
pm)3を用いた。この図より明らかなように、H2Sは
ガスボンベ1収納されており、マスフローコントローラ
ーを介して反応チャンバ8に供給される。AsCl3
バブラー2中に収納されており、マスフローコントロー
ラーを介して供給されるキャリアガス(Ar)によって
反応チャンバ8に搬送される。さらにPr(dpm)3
は恒温槽4で加熱されたバブラー3中に収納されてお
り、マスフローコントローラーを介して供給されるキャ
リアガス(Ar)によりラインヒーター5によってたと
えば、200℃に加熱されたラインをへて反応チャンバ
8に送られる。さらに反応チャンバ8中には基板ヒータ
ー7によって所定温度、たとえば200〜300℃に加
熱された石英基板6が設けられている。
【0020】また、反応チャンバ8には水素を供給する
ことができ、この場合キャリアガス、たとえばArとと
もにマスフローコントローラーを介して供給する。
【0021】AsCl3、H2Sは常温で気体であるた
め、H2Sはマスフローコントローラーで直接制御し、
AsCl3はキャリアガスの流量で供給量を制御した。
Pr(ppm)3は常温で固体であり、恒温槽4で18
0〜200℃に加熱することにより供給量を制御した。
反応温度は250℃とし、圧力は約100Torrとし
た。本実施例での反応は以下のように表すことができ
る。
【0022】式1 2AsCl3(g)+3H2S(g)→As23(s)+6HCl(g)
【0023】式2 2Pr(ppm)3(g)+3H2S(g)→Pr23(s)+6H(ppm)
【0024】上記反応式において、(1)はガラスマト
リックス生成反応であり、(2)はドーパントであるP
rイオンの添加に関する反応である。上記反応は低温か
ら化学量論的に進行するため、未反応物の取込みが少な
い高純度のガラスが作製できる。
【0025】基板には石英を用いた。1時間の合成で約
100μmの膜が成長できた。EPMA(Electron Pro
be Micro Analyzer)およびICP分析の結果、生成し
たガラスの組成はAs42mol%−S58mol%で
あり、Pr0.01〜5mol%まで添加可能であり、
この範囲ではPrの析出によるガラスの不均質性は観測
されなかった。また、ガラスの透過スペクトルの2.8
3μmの吸収(OHイオン)、400μmの吸収から、
ガラス中の水素化物イオン不純物は1ppm以下である
ことがわかった。
【0026】図2にTiサファイアレーザの1.02μ
mで励起することにより得られた1.3μm近傍の蛍光
スペクトルを示す。蛍光の中心波長は約1.33μmで
あり、半値幅は90nmであった。溶融法ではPrの溶
融は困難であり、1.02μmで励起しても蛍光は確認
できなかった。本実施例で作製した2000ppmPr
を添加したガラスで測定した1.33μmの蛍光寿命は
約300μsであり、濃度に対する蛍光寿命の測定にお
いて、5000ppmまで濃度消光による蛍光寿命の変
化は認められなかった。以上の結果から、従来法では得
られないPrが高濃度まで均一に分散したカラコゲナイ
ドガラスが合成できることが示された。
【0027】
【実施例2】原料としてGeCl4、H2S、Pr(pp
m)3を用いた以外は、実施例1と同様の方法でガラス
膜を作製した。反応温度は300℃とした。基板には石
英を用い1時間の合成で2mmの膜成長ができた。組成
分析の結果、Ge25mol%−S75mol%であ
り、Prの添加量は0.01〜7mol%であった。実
施例1と同様の測定を本実施例のガラスについても行な
い、1.3μm近傍における蛍光を確認した。本実施例
において、POCl3を出発原料とし、Geの10mo
l%をPで置換してもガラスの作製が可能であった。た
だし、このガラスの短波長あるいは長波長の透過特性が
低下し、2〜8μmとなった。このため、励起光である
1.02μm付近の光が透過せず、このためPrイオン
からの蛍光を観測することができなかった。
【0028】
【実施例3】原料としてAsCl3、GeCl4、H2
eを用いた以外は、実施例1と同様の方法でガラス膜を
合成した。反応温度は300℃であり、1時間の合成で
ガラス膜が合成できた。膜の組成はAs35mol%−
Ge10mol%−Se55mol%であり、Pr5m
ol%まで均質なガラスが作製できた。また、SeをS
に変えても同様に均質なガラスが合成できた。また、こ
の方法で、PrのかわりにLa、Nd、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを用い
てもPrと同様に均一にガラスに添加することができ、
2種類以上の共添加も本実施例の方法により可能であっ
た。
【0029】
【実施例4】原料としてGaCl3、La(hfa)3
2S、Pr(hfa)3を用い、反応の励起源としてマ
イクロ波プラズマを用いた以外は、実施例1と同様の方
法でガラス膜を作製した。基板温度は200℃とし、マ
イクロ波のパワーは100Wとした。膜の組成はGa3
8mol%−La4mol%−S58mol%であっ
た。Prはガラスの構成成分であるLaを完全に置換し
ても均質なガラスとして合成できた。透過スペクトルか
ら、水素化物イオン不純物濃度は1ppm以下である
が、プラズマ照射で生成する苛電欠陥による吸収の影響
が短波長側に見られる。
【0030】
【実施例5】原料としてAs(OC493、Ge(O
CH34、Se(i−OC374、Pr(dpm)3
用い、反応ガスとして水素を導入した以外は実施例1と
同様の装置でガラス膜を作製した。ガラスの合成反応は
以下の式に従う。
【0031】式3 As(OC493(g)+Ge(OCH34(g)+Se(i−OC374 (g)+11/2H2(g)→AsGeSe(s)+3C49OH(g)+4i −C37OH(g)
【0032】式4 Pr(dpm)3(g)+3/2H2(g)→Pr(s)+3H(dpm)
【0033】反応温度は200℃とした。生成したガラ
ス膜の組成はAs33mol%−Ge10mol%−S
e58mol%であり、Pr5mol%まで均質なガラ
スが作製できた。また、この方法で、PrのかわりにL
a、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Luを用いてもPrと同様に均一にガ
ラスに添加することができ、2種類以上の共添加も本実
施例の方法により可能であった。
【0034】
【実施例6】原料としてGa(CH33、La(dfh
d)3S(CH32、Pr(dpm)3を出発原料として
用い、水素を反応ガスとして用いた以外は、実施例1と
同様の方法でガラス膜を作製した。ガラスの生成反応は
以下の式に従う。
【0035】式5 Ga(CH33(g)+La(dfhd)3(g)+S(CH32(g)+4 H2(g)→GaLaS(s)+5CH4(g)+3H(dfhd)(g)
【0036】式6 Pr(dpm)3(g)+3/2H2(g)→Pr(s)+3H(ppm)(g )
【0037】
【実施例7】原料としてAsCl3、H2S、Pr(dp
m)3を用いた。装置は図1に示したものとほぼ同様で
あるが、反応部を石英管(内径15mm)とし、外部か
ら電気炉で加熱する方式とした。反応温度は250℃と
し、圧力は約100Torrとした。まず、AsC
3、H2Sのみを流し、As35S65のガラス相を5
mm厚さまで合成し、その後、Pr(dpm)3を加
え、As38S62に0.1mol%のPr含んだガラ
スを5mm作製した。合成の後、石英管を研磨により取
り除き、Ar雰囲気で電気炉で加熱しつつ、回転させる
ことで中実化した。損失は3μm付近で最低となり、2
5dB/kmであった。また、比屈折率差は2.3%で
あった。本実施例の方法によれば、コア、クラッド径比
は合成時間によって任意に変えることが可能で、単一モ
ードファイバの作製も可能であった。図3に本実施例で
作製したファイバの損失スペクトルを示す。図中の2μ
mおよび4μm付近の吸収は添加したPrイオンによる
ものである。本実施例のファイバで注目すべき点はOH
基およびSH基による吸収が従来のファイバに比べ極め
て小さく、不純物の取込みが少ないものであることがわ
かる。
【0038】また、Ge−S系、As−Ge−Se系で
もファイバの作製を行ない、それぞれ最低損失120d
B/km、100dB/kmを得た。
【0039】
【実施例8】原料としてGeCl4、SbCl3、H2
e、Pr(dpm)3を出発原料とした以外は、実施例
7の方法と同様の方法で、光ファイバを作製した。コア
ガラスの組成がGe25Sb15Se60であり、クラ
ッドガラスの組成がGe28Sb12Se60であっ
た。ここで、コアガラス中のPr濃度は0.1mol%
であった。反応管は石英ガラスを用い、実施例7と同
様、合成後研磨により除去し、加熱によって中実化し母
材を作製した。このファイバの最低損失値は3μm付近
で40db/kmであり、実施例7と同様、低損失ファ
イバが作製できた。
【0040】
【実施例9】原料としてAsCl3、H2S、H2Se、
TeCl2、Pr(dpm)3を用いた。装置は実施例7
で用いたものとほぼ同様であるが、石英管を取り巻くヒ
ータを取り除き、楕円面鏡を配置した。その楕円面鏡の
一つの焦点には石英管を、もう一つの焦点には低圧水銀
ランプを配置した。この装置で、コアガラスAs35S
10Se35Te10、クラッドガラスとしてAs50
S20Se20Te10の構造を持つ母材を作製した。
屈折率はそれぞれ2.70と2.51であり、比屈折率
差は7%であった。合成速度は、熱を用いた場合に比べ
わずかに遅く、700μm/hであった。得られたファ
イバにはコアガラスにのみ0.8mol%のPrが添加
された。損失は、実施例8と同様3μm付近で最低損失
値57dB/kmが得られた。
【0041】
【実施例10】実施例7と同様の方法でSiCl4、G
eCl4、AsH3、TeCl2、Pr(dpm)3を用い
て、Si15Ge10As25Te50をコアガラス、
Si25As25Te50をクラッドガラスとする光フ
ァイバを作製した。コアガラス中のPrイオン濃度は1
mol%であった。最低損失値は3μm付近で200d
B/kmであった。ここで、Siの一部をSnで置換し
てもファイバが作製でき、損失は270dB/kmであ
った。
【0042】
【実施例11】AlCl3、La(ppm)3、H2S、
Pr(dpm)3を用いた以外は、実施例4と同様の方
法でガラスを作製した。生成した膜の組成はAl35L
a5S60であった。AlをPrで置換した場合、Pr
は10mol%まで均質なガラスが得られた。透過スペ
クトルから推定される水素化物イオン不純物は1ppm
以下であった。
【0043】
【発明の効果】以上実施例により説明したように、本発
明によれば、従来は不可能であった高純度でかつ均質な
カルコゲナイドガラスが作製でき、さらに希土類イオン
を高濃度に均一に添加できる。すなわち、揮発性原料の
組み合わせで、低温から不純物の少ないガラスの作製が
可能となり、希土類はβ−ジケトン錯体を用いることに
より添加することが可能になり、さらに、成長表面で非
平衡状態が実現されるため平衡条件下では添加が困難な
濃度域まで均一に添加することが可能となった。また、
本発明によれば、従来困難であった低損失なカルコゲナ
イドファイバの作製が可能となり、ファイバの構造制御
も容易にできる。この結果、希土類を活性イオンとする
固体レーザあるいは光ファイバアンプの作製が可能とな
り、特にイオンの分散性が高濃度まで維持できることか
ら、高効率化、小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において使用したCVD装置の概略
図。
【図2】実施例1で作製したガラスの1.3μm近傍の
蛍光スペクトルの測定結果。
【図3】実施例7で作製したファイバの損失スペクトル
の測定結果。
【符号の説明】
1 H2Sガスボンベ 2 AlCl3を充填したステンレスバブラー 3 Pr(dpm)3を充填したステンレスバブラ
ー 4 恒温槽 5 ラインヒータ 6 石英基板 7 基板ヒータ 8 反応チャンバ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫黄、セレン、テルル、砒素、燐、アンチ
    モン、ガリウム、珪素、アルミニウム、ゲルマニウムの
    元素のハロゲン化物、水素化物、有機金属化合物、アル
    コキシド、β−ジケトン錯体の群より選択された2種類
    以上のガスと希土類元素のβ−ジケトン錯体のガスを混
    合し、前記混合ガスを気相あるいは基板上で反応させる
    ことを特徴とする希土類イオン含有カルコゲナイドガラ
    スの製造方法。
  2. 【請求項2】反応雰囲気に水素を添加することを特徴と
    する請求項1記載の希土類イオン含有カルコゲナイドガ
    ラスの製造方法。
  3. 【請求項3】前記希土類元素のβ−ジケトン錯体は一般
    式(1)で表されることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項又は第2項記載の希土類イオン含有カルコゲナイド
    ガラスの製造方法。 【式1】 (ただし、一般式(1)中、RおよびR’のいずれか一
    方あるいは両方は炭素数1から7のアルキル基かまたは
    炭素数1から7のアルキル基の水素の一部あるいは全部
    をフッ素に置換したフルオロアルキル基、Mは金属、n
    は配位数を示す)
  4. 【請求項4】中空円筒状の基板の該中空部に硫黄、セレ
    ン、テルル、砒素、燐、アンチモン、ガリウム、珪素、
    アルミニウム、ゲルマニウムの元素のハロゲン化物、水
    素化物、有機金属化合物、アルコキシド、β−ジケトン
    錯体の群より選択された2種類以上のガスを導入し、該
    中空部にカルコゲナイドガラスの膜を作製し、しかる後
    に硫黄、セレン、テルル、砒素、燐、アンチモン、ガリ
    ウム、珪素、アルミニウム、ゲルマニウムの元素のハロ
    ゲン化物、水素化物、有機金属化合物、アルコキシド、
    β−ジケトン錯体の群より選択された2種類以上のガス
    と希土類元素のβ−ジケトン錯体を含む混合ガスを導入
    し、該カルコゲナイドガラスの内部に屈折率が高くかつ
    希土類イオンを含むカルコゲナイドガラスを作製し、円
    筒状基板を取り除き、該カルコゲナイドガラスの円筒を
    回転しつつ加熱し中実化する工程よりなることを特徴と
    する希土類イオン含有カルコゲナイドガラスの製造方
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100383608B1 (ko) * 2000-07-06 2003-05-16 삼성전자주식회사 알칼리 할로겐이 첨가된 광증폭기용 황화물 유리 및 그제조 방법
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JP2018177565A (ja) * 2017-04-07 2018-11-15 日本電気硝子株式会社 カルコゲナイドガラス

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