JP2013175642A - ウェーハのレーザー加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護膜乾燥において、高速回転による場合の不具合発生がなく、保護膜を効果的に機能させることを可能とするウェーハのレーザー加工方法を提供する。
【解決手段】、該ウェーハの表面に液状の保護材料を塗布して保護膜を形成する保護膜被覆ステップと、該保護膜被覆ステップを実施した後、分割予定ライン上を被覆する該保護膜の部位を乾燥させて硬化させる保護膜部分乾燥ステップと、該保護膜部分乾燥ステップを実施した後、該ウェーハの分割予定ラインに沿って該保護膜側からレーザービームを照射し、該分割予定ラインに沿って該ウェーハにレーザー加工溝を形成するレーザー加工溝形成ステップと、を含むことを特徴とするウェーハのレーザー加工方法。
【選択図】図8

Description

本発明は、ウェーハに形成された分割予定ラインに沿ってレーザービームを照射し、ウェーハに分割予定ラインに沿ってレーザー加工溝を形成するウェーハのレーザー加工方法に関する。
IC、LSI等が形成された半導体ウェーハや、LED素子が形成されたサファイアウェーハの分割加工において、レーザー加工装置によってレーザービームを分割予定ラインに沿って照射することで、ウェーハの表面に溝加工を施すことが知られている。溝加工されたウェーハは、個々のデバイスに分割され、携帯電話、PC、LEDライト等の電気機器の製造に用いられている。
そして、半導体ウェーハにレーザー加工を施すために、ダイシングテープに貼着した半導体ウェーハをチャックテーブル上に保持した状態とし、半導体ウェーハに対して吸収性を有する波長のレーザービームを照射することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
他方、レーザービームをウェーハに照射することでレーザー加工溝を形成する技術は、従来用いられてきたダイシング装置によるブレード切削が難しい脆弱なLow−k膜の除去や、非常に硬質なウェーハ(サファイアウェーハ等)の加工等に用いられるようになってきた。
このようなレーザービームによる加工においては、レーザービームが照射された領域に熱エネルギーが集中してデブリが発生し、このデブリがデバイス表面に付着するとデバイスの品質を低下させるという問題が生じる。
そこで近年では、予め、ウェーハの上面にPVA(ポリ・ビニール・アルコール)、PEG(ポリ・エチレン・グリコール)等の水溶性樹脂を塗布して保護膜を構成し、この保護膜を通してウェーハにレーザービームを照射するという加工方法も用いられるようになっている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−053341号公報 特開2004−322168号公報
上述したように、保護膜にてウェーハの上面を保護する方法では、保護膜が乾燥していない状態でレーザービームが照射されると、保護膜を構成する液体中でレーザービームの焦点が変動し、所望のレーザー加工溝が形成できなくなる。
このため、保護膜を乾燥させてからレーザー加工を施すことが必要になるが、乾燥の実施形態としては、例えば、スピンコートにて保護膜形成をした後にウェーハを高速回転させて乾燥させる形態や、乾燥用の気体の吹き付けといった形態が考えられる。
しかしながら、ウェーハを高速回転させて保護膜を乾燥させる方法は、ウェーハの中央部と外周部において乾燥状態に違いが生じることや、ウェーハ内での厚さのばらつき(中央部は厚く、外周部は薄い)が発生してしまうという問題があった。
また、保護膜は乾燥させると膜厚が減少して薄くなってしまうが、飛散したデブリからデバイスを保護する(デバイスに付着しない)効果を高めるためには、保護膜は厚い方が好ましい。また、保護膜に適度に軟性がある方がデブリが付着しやすく、広範囲にデブリが飛散してしまうことを防止する効果が期待できることになる。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、保護膜乾燥において、高速回転による場合の不具合発生がなく、保護膜を効果的に機能させることを可能とするウェーハのレーザー加工方法を提供することである。
請求項1に記載の発明によると、ウェーハの表面に格子状に形成された複数の分割予定ラインに沿ってレーザービームを照射し、アブレーション加工を施してレーザー加工溝を形成するウェーハのレーザー加工方法であって、ウェーハの表面に液状の保護材料を塗布して保護膜を形成する保護膜被覆ステップと、保護膜被覆ステップを実施した後、分割予定ライン上を被覆する保護膜の部位を乾燥させて硬化させる保護膜部分乾燥ステップと、保護膜部分乾燥ステップを実施した後、ウェーハの分割予定ラインに沿って保護膜側からレーザービームを照射し、分割予定ラインに沿ってウェーハにレーザー加工溝を形成するレーザー加工溝形成ステップと、を含むことを特徴とするウェーハのレーザー加工方法が提供される。
請求項2に記載の発明によると、保護膜部分乾燥ステップでは、分割予定ライン上の保護膜に気体を吹き付けて保護膜を乾燥させる、ウェーハのレーザー加工方法が提供される。
本発明によると、レーザービームを照射する分割予定ライン上の保護膜のみ選択的に乾燥させて、デバイス上の保護膜は乾燥させない保護膜部分乾燥ステップを実施するため、レーザー加工溝を所望の深さや幅で形成しつつ、乾燥していない厚い保護膜によってデバイスをデブリの付着から効果的に保護することや、デブリを保護膜に付着させたまま維持できるという効果が得られる。
また、高速回転により乾燥させる形態では、分割予定ライン上の保護膜の厚さや硬化具合にばらつきが生じる不具合が懸念されるが、本発明の形態では、スポット的に乾燥させるため、このような不具合発生を防ぐことができる。
また、部分乾燥ステップの実施は、ノズル等から乾燥用の気体を分割予定ラインのみにスポット的にあてるといった形態で容易に実現可能であり、例えばレーザー加工手段にノズルを取り付けるといった容易に実現可能な形態により、ウェーハ上の任意の位置にスポット的に乾燥用の気体を当てることが可能となる。
さらに、乾燥用の気体は所定以上の温度に加温されていてもよく、その場合は乾燥時間を短縮できるという効果が得られる。
被加工物であるウェーハについて示す斜視図である。 レーザー加工装置の外観斜視図である。 保護膜被覆ステップについて説明する斜視図である。 レーザービーム照射ユニットのブロック図である。 保護膜部分乾燥ステップについて説明する斜視図である。 (A)は保護膜被覆ステップについて説明する側断面図である。(B)はウェーハが保護膜に被覆された状態に説明する側断面図である。 (A)は保護膜部分乾燥ステップについて説明する側断面図である。(B)は保護膜部分乾燥ステップにより分割予定ラインの部位が乾燥された状態について説明する側断面図である。 レーザー加工溝形成ステップについて説明する斜視図である。 (A)はレーザー加工溝形成ステップについて説明する側断面図である。(B)はレーザー加工溝形成ステップによりレーザー加工溝が形成された状態について説明する側断面図である。 ウェーハの保護膜を除去した状態について説明する側断面図である。 切削装置による分割起点の形成について示す斜視図である。 (A)は分割溝の形成について示す側断面図である。(B)は分割溝が形成された状態について示す側断面図である。
本発明は、複数の交差する分割予定ラインが設定された被加工物を分割予定ラインに沿って分割する被加工物の分割方法であり、以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、被加工物の実施形態である半導体ウェーハ11(以下、単に「ウェーハ11」とも記載される)について示す図である。ウェーハ11は、例えば厚さが700μmのシリコンウェーハからなっており、表面11aに複数の交差する分割予定ライン(ストリート)S1,S2が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ラインS1,S2によって区画された複数の領域にそれぞれデバイス15が形成されている。ウェーハ11を構成するシリコンの表面11aは図示せぬLow−k膜により覆われることとしている。
このように構成されたウェーハ11は、デバイス15が形成されているデバイス領域17と、デバイス領域17を囲繞する外周余剰領域19を備えている。ウェーハ11の外周にはシリコンウェーハの結晶方位を示すマークとしてのノッチ11nが形成されている。なお、被加工物としては、分割予定ラインが規定されておらず、またデバイスが形成されておらずパターンを有しないものも想定される。
ウェーハ11は、粘着面を有する粘着テープT(ダイシングテープ)に貼着され、粘着テープTを介して環状フレームFに固定されるようになっている。環状フレームFにウェーハ11が貼着された状態とすることで、被加工物ユニットUが構成されることとなっている。
以上のようなウェーハ11について、図2に示すようなレーザー加工装置2を用いた加工が実施される。レーザー加工装置2の前面側には、オペレータが加工条件等の装置に対する指示を入力するための操作パネル4が設けられている。装置上部には、オペレータに対する案内画面や後述する撮像ユニットによって撮像された画像が表示されるCRT等の表示モニタ6が設けられている。
レーザー加工装置2の前面側角部には、ウェーハカセット8を上下動可能なカセットエレベータ9が設けられる。ウェーハカセット8内には、ウェーハ11を固定した被加工物ユニットUが複数枚(例えば25枚)収容される。
ウェーハカセット8の後方には、ウェーハカセット8からレーザー加工前のウェーハ11(被加工物ユニットU)を搬出するとともに、加工後のウェーハ11をウェーハカセット8に搬入する搬出入装置10が配設されている。
ウェーハカセット8と搬出入装置10との間には、搬出入対象のウェーハが一時的に載置される領域である仮置き領域12が設けられており、仮置き領域12にはウェーハ11を一定の位置に位置合わせする位置合わせ装置14が配設されている。
仮置き領域12に搬出されたウェーハ11は、ウェーハ11と一体となった環状フレームFを吸着して搬送する旋回アームを有する搬送装置16により吸着されて保護膜被覆装置50に搬送される。保護膜被覆装置50では、ウェーハ11の表面11a側(加工面)に保護膜が被覆される。
保護膜被覆装置50は、図3の内部構造の概要図に示すように、ウェーハ11(被加工物ユニットU)を保持するためのチャックテーブル52と、ウェーハ11の上方から保護材料54を塗布するための塗布装置56を備えて構成される。
本実施形態の塗布装置56は、バー部材57に複数のノズル58,58を連接した構成によりスプレー塗布が実施されこととしており、ウェーハ11の上方をバー部材57が通過する過程で、ウェーハ11の表面11a側に保護材料54が塗布されるようになっている。
塗布される保護材料54としては、PVA(ポリ・ビニール・アルコール)、PEG(ポリ・エチレン・グリコール)等の水溶性樹脂を用いることが考えられる。
保護膜被覆装置50は、図3に示すようにスプレー塗布による実施の形態のほか、ウェーハを回転させることでウェーハの表面の保護材料を広げるスピンコートによる実施としてもよい。なお、本実施形態のようなスプレー塗布の形態は、保護膜55の厚さを均一にする観点においては、好ましい実施形態となる。
図2において、保護膜で被覆されたウェーハ11は、X軸方向移動及び旋回可能な搬送装置13により吸着されてチャックテーブル18上に搬送され、チャックテーブル18に吸引されるとともに、複数の固定機構(クランプ)19により環状フレームFが固定されることでチャックテーブル18上に保持される。
チャックテーブル18は、回転可能且つX軸方向に往復動可能に構成されており、チャックテーブル18のX軸方向の移動経路の上方には、ウェーハ11のレーザー加工すべきストリートを検出するアライメント機構20が配設されている。
アライメント機構20は、ウェーハ11の表面を撮像する撮像ユニット22を備えており、撮像により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の画像処理によってレーザー加工すべきストリートを検出することができる。撮像ユニット22によって取得された画像は、表示モニタ6に表示される。
アライメント機構20の左側には、チャックテーブル18に保持されたウェーハ11に対してレーザービームを照射するレーザービーム照射ユニット24が配設されている。レーザービーム照射ユニット24のケーシング26中には後で詳細に説明するレーザー発振手段等が収容されており、ケーシング26の先端にはレーザービームを加工すべきウェーハ上に集光する集光器28が装着されている。
レーザービーム照射ユニット24のケーシング26内には、図4のブロック図に示すように、レーザー発振手段34と、レーザービーム変調手段36が配設されている。
レーザー発振手段34としては、YAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器を用いることができる。レーザービーム変調手段36は、繰り返し周波数設定手段38と、レーザービームパルス幅設定手段40と、レーザービーム波長設定手段42を含んでいる。
レーザービーム変調手段36を構成する繰り返し周波数設定手段38、レーザービームパルス幅設定手段40及びレーザービーム波長設定手段42は周知の形態のものであり、本明細書においてはその詳細な説明を省略する。
図2において、45は、ウェーハ11の表面11a側に塗布される保護材料54を乾燥するための乾燥手段として機能する乾燥機構である。本実施形態では、図5に示すように、乾燥装置45(エアノズル47)をレーザービーム照射ユニット24のケーシング26に付設する構成とし、これにより、集光器28とともにY軸方向に移動することが可能であり、さらに、集光器28の位置のアライメントと同様の形態により、エアノズル47のアライメントが可能となっている。
本実施形態の乾燥装置45は、図示せぬエア供給源に接続されるエアノズル47から、保護膜55の乾燥用の気体48が噴出される構成としている。気体48は、保護膜55の乾燥を目的とするものであり、常温とするほか、たとえば、より短時間での乾燥を目的として所定温度となるように加温されることとしてもよい。
乾燥装置45は、本実施形態のように一つのエアノズル47を備えて気体48をスポット的にウェーハ11の表面11a側に対して吹き付ける構成とするほか、バー状の部材に複数のエアノズルを設置する形態や、乾燥させる部分のみに穴を開けた板状のエア噴出板(マスク板)を使用する形態などが考えられる。
気体48を噴出するエアノズル47の仕様は、例えば、吐出口φ2mm、ウェーハ11の上面からの高さ2mm、水平移動速度50〜100mm/s(ウェーハ11に対する相対移動速度)、流量50l/minとすることが考えられる。
また、図2において、レーザービーム照射ユニット24によりレーザー加工が終了したウェーハ11は、チャックテーブル18をX軸方向に移動してから、X軸方向移動及び旋回可能な搬送装置13により把持されて洗浄装置30まで搬送される。洗浄装置30では、洗浄ノズルから水を噴射しながらウェーハ11を低速回転(例えば800rpm)させることによりウェーハを洗浄する。この洗浄により、PVA(ポリ・ビニール・アルコール)、PEG(ポリ・エチレン・グリコール)等の水溶性樹脂で構成される保護膜55が洗い流される。
洗浄後、ウェーハ11を高速回転(例えば2000rpm)させながらエアノズルからエアーを噴出させてウェーハ11を乾燥させた後、搬送装置16によりウェーハ11を吸着して仮置き領域12に戻し、更に搬出入装置10によりウェーハカセット8の元の収納場所にウェーハ11は戻される。
以上に説明した装置構成を用いることで、以下のようにして本願において特徴的な加工方法が実施される。まず、上述した図3に示す塗布装置56を用い、図6(A)(B)に示すように、ウェーハ11の表面11a側に液状の保護材料54を塗布して保護膜55を形成する保護膜被覆ステップが実施される。
塗布装置56のノズル58,58(図3参照)からは、ウェーハ11の表面11a側に対し保護材料54が噴霧され、ウェーハ11の表面11a側に形成されたデバイス15,15や、デバイス15,15の間に形成される分割予定ラインS1の部位が、保護材料54によって形成される保護膜55によって被覆される。なお、ウェーハ11の表面11aは、Low−k膜70で覆われたものとしている。
保護膜被覆ステップを実施した後、上述した図5に示す乾燥装置45を用い、図7(A)(B)に示すように、分割予定ラインS1上を被覆する保護膜55の部位55aを乾燥させて硬化させる保護膜部分乾燥ステップが実施される。
具体的には、図5において乾燥装置45のエアノズル47のY軸方向の位置を分割予定ラインS1のY軸方向の位置に一致させるようにアライメントを実施するとともに、エアノズル47から気体48を噴出させた状態とする。
そして、チャックテーブル18をX軸方向に移動させることで、エアノズル47の直下を分割予定ラインS1が通過し、通過する際に気体48によって分割予定ラインS1上を被覆する保護膜55が乾燥される。
乾燥装置45をY軸方向にインデックス送りをすることにより、X軸方向のすべての分割予定ラインS1上を被覆する保護膜55について気体48による乾燥を実施する。その後、チャックテーブル18を90度回転させ、分割予定ラインS1と直行する分割予定ラインS2上を被覆する保護膜55ついても同様に、気体48による乾燥を実施する。
以上のようにして、図7(B)に示すように、分割予定ラインS1上を被覆する保護膜55の部位55aが、デバイス15を被覆する保護膜55の部位55bと比較して、より短時間で乾燥し硬化することになる。一方で、他の部位55b,55bは、保護膜55の乾燥の進行が遅いため、膜厚の減少が少なく塗布直後の厚みが維持されやすく、さらに、適度な軟性を有する状態とされる。
保護膜部分乾燥ステップを実施した後、図8及び図9(A)(B)に示すように、ウェーハ11の分割予定ラインS1に沿って保護膜55側からレーザービームLBを照射し、分割予定ラインS1,S2に沿ってウェーハ11にレーザー加工溝21を形成するレーザー加工溝形成ステップを実施する。
分割予定ラインS1,S2に沿った保護膜55の部位55aは乾燥により硬化しており、この硬化した部位55aについてレーザービームLBが照射され、アブレーション加工よりLow−k膜70が除去されるとともに、レーザー加工溝21が形成される。
具体的には、図8においてレーザービーム照射ユニット24の集光器28のY軸方向の位置を分割予定ラインS1のY軸方向の位置に一致させるようにアライメントを実施するとともに、チャックテーブル18をX軸方向に移動させつつレーザービームを照射する。
レーザービーム照射ユニット24をY軸方向にインデックス送りをすることにより、X軸方向のすべての分割予定ラインS1についてレーザービームLBによる加工を実施する。その後、チャックテーブル18を90度回転させ、分割予定ラインS1と直行する分割予定ラインS2についても同様に、レーザービームLBによる加工を実施する。
なお、レーザー加工溝形成ステップの加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 LD励起Qスイッチ Nd:YAG
波長 355nm(YAGレーザーの第3高調波)
パルスエネルギー 5mJ
繰り返し周波数 200kHz
加工送り速度 60mm/秒
溝深さ 20μm
溝幅 10−20μm
そして、図9(A)に示すように、このアブレーション加工の際には、レーザービームLBが照射される分割予定ラインS1上の保護膜55の部位55aは、確実に乾燥しているため、レーザービームの焦点が保護膜55によって変動することがなく、Low−k膜70を確実に除去することが可能となるとともに、所望のレーザー加工溝21を確実に形成することが可能となる。
また、このアブレーション加工の際には、レーザービームLBが照射された領域に熱エネルギーが集中してデブリ80が発生し、このデブリ80が周囲に飛散することになるが、デバイス15の表面は保護膜55により被覆されているため、デブリ80がデバイス15に付着することがない。
さらに、デバイス15の表面を被覆する保護膜55の部位55bは、乾燥の進行が遅く、膜厚の減少が少なく塗布直後の厚みが維持されやすいため、十分な厚みを有する保護膜55によってデブリ80のデバイス15への付着を確実に防止することができる。
加えて、デバイス15の表面を被覆する保護膜55の部位55bは、乾燥の進行が遅く、適度な軟性を有する状態とされるため、保護膜55の部位55bに付着したデブリ80を付着した状態で維持し、広範囲にデブリ80が飛散してしまうことを防止することができる。
以上のようにしてレーザー加工溝21を形成した後に、図1に示す洗浄装置30により洗浄を実施し、図10に示すようにウェーハ11の保護膜55(図8)を除去した状態とする。
次いで、図11に示される切削装置60を用い、図12(A)(B)に示すようにウェーハ11を貫通させる分割溝27を形成する。切削装置60は、ケーシング66に収容される図示せぬ駆動軸の先端に切削ブレード68を固定し、切削ブレード68を高速回転させることにより溝加工を施すべく構成されるものであり、周知の切削装置にて実現することができる。分割溝27を形成した後は、図示せぬ分割装置によって、適宜個々のデバイス15(チップ)に分割される。
なお、このような分割溝27の形成は、個々のデバイス15(チップ)に分割するための分割起点を構成するために実施するものであり、図11に示す切削装置60にて分割溝27を形成するほか、上述のレーザー加工装置を用いてアブレーション加工を実施して分割溝の形成することや、レーザー加工装置を用いて改質層を形成することで、分割起点を形成することとしてもよい。
以上のように、本実施形態では、ウェーハ11の表面11aに格子状に形成された複数の分割予定ラインS1,S2に沿ってレーザービームを照射し、アブレーション加工を施してレーザー加工溝を形成するウェーハのレーザー加工方法であって、ウェーハ11の表面11aに液状の保護材料54を塗布して保護膜55を形成する保護膜被覆ステップと、保護膜被覆ステップを実施した後、分割予定ラインS1,S2上を被覆する保護膜55の部位55aを乾燥させて硬化させる保護膜部分乾燥ステップと、保護膜部分乾燥ステップを実施した後、ウェーハ11の分割予定ラインS1,S2に沿って保護膜55側からレーザービームを照射し、分割予定ラインS1,S2に沿ってウェーハ11にレーザー加工溝を形成するレーザー加工溝形成ステップと、が実施される。
さらに、保護膜部分乾燥ステップでは、分割予定ラインS1,S2上の保護膜55に気体48を吹き付けて保護膜55を乾燥させることとしている。
そして、以上の実施形態によれば、レーザービームを照射する分割予定ラインS1,S2上の保護膜55のみ選択的に乾燥させて、デバイス15上の保護膜55は乾燥させない保護膜部分乾燥ステップを実施するため、レーザー加工溝を所望の深さや幅で形成しつつ、乾燥していない厚い保護膜55によってデバイス15をデブリ80の付着から効果的に保護することや、デブリ80を保護膜55に付着させたまま維持できるという効果が得られる。
また、高速回転により乾燥させる形態では、分割予定ライン上の保護膜55の厚さや硬化具合にばらつきが生じる不具合が懸念されるが、本発明の形態では、スポット的に乾燥させるため、このような不具合発生を防ぐことができる。
また、部分乾燥ステップの実施は、エアノズル47から乾燥用の気体48を分割予定ラインS1,S2のみにスポット的にあてるといった形態で容易に実現可能であり、例えばレーザービーム照射ユニット24にエアノズル47を取り付けるといった容易に実現可能な形態により、ウェーハ11上の任意の位置にスポット的に乾燥用の気体48を当てることが可能となる。
さらに、乾燥用の気体48は所定以上の温度に加温されていてもよく、その場合は乾燥時間を短縮できるという効果が得られる。
2 レーザー加工装置
11 ウェーハ
11a 表面
15 デバイス
21 レーザー加工溝
27 分割溝
45 乾燥装置
47 エアノズル
48 気体
50 保護膜被覆装置
54 保護材料
55 保護膜
56 塗布装置
70 Low−k膜
80 デブリ

Claims (2)

  1. ウェーハの表面に格子状に形成された複数の分割予定ラインに沿ってレーザービームを照射し、アブレーション加工を施してレーザー加工溝を形成するウェーハのレーザー加工方法であって、
    該ウェーハの表面に液状の保護材料を塗布して保護膜を形成する保護膜被覆ステップと、
    該保護膜被覆ステップを実施した後、該分割予定ライン上を被覆する該保護膜の部位を乾燥させて硬化させる保護膜部分乾燥ステップと、
    該保護膜部分乾燥ステップを実施した後、該ウェーハの該分割予定ラインに沿って該保護膜側から該レーザービームを照射し、該分割予定ラインに沿って該ウェーハに該レーザー加工溝を形成するレーザー加工溝形成ステップと、
    を含むことを特徴とするウェーハのレーザー加工方法。
  2. 前記保護膜部分乾燥ステップでは、前記分割予定ライン上の前記保護膜に気体を吹き付けて該保護膜を乾燥させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のウェーハのレーザー加工方法。
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