JP2013175305A - 固体酸化物形燃料電池の製造方法及び固体酸化物形燃料電池、並びに、成膜装置 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池の製造方法及び固体酸化物形燃料電池、並びに、成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた位置精度で空気極を形成することができる固体酸化物形燃料電池の製造方法、及び、空気極を成膜するための成膜装置を提供する。
【解決手段】製膜装置10は、ワークホルダ12と、カメラ17と、ディスペンサ18と、乾燥部19と、カメラ17、ディスペンサ18、及び、乾燥部19を、ワーク20の軸方向に移動させる移動部15と、制御部21とを備える。移動部15は、カメラ17の画像に基づいて決定された所定位置にディスペンサ18を移動させる。周方向に回転するワーク20上にディスペンサ18が空気極材料を含むスラリーを吐出し、スラリー膜を形成する。移動部15は、所定位置に乾燥部19を移動させる。乾燥部19は、隣接するセルの間のスラリー膜の端部を乾燥させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、基体管上に複数のセルが形成された円筒型の固体酸化物形燃料電池の製造方法及び固体酸化物形燃料電池、並びに、該固体酸化物形燃料電池の膜を形成するための成膜装置に関する。
円筒型の固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、発電室の内部に複数のセルスタックを収容する。セルスタックは、中央部が発電部となり、発電部を挟んで両端は非発電部となっている。セルスタックの発電部において、基体管の周方向に、燃料極、固体電解質膜、空気極を積層させたセルが複数形成される。セルは、基体管の軸方向に複数配列され、隣り合うセル同士がインターコネクタで電気的に直列に接続される。
上記固体酸化物形燃料電池の作製では、まず燃料極、固体電解質膜及びインターコネクタは、通常、基体管上にスクリーン印刷法で成膜される。その後、燃料極、固体電解質膜及びインターコネクタは、基体管とともに共焼結される。共焼結後の固体電解質膜上に、空気極が形成される。
上記固体酸化物形燃料電池の空気極は、例えば特許文献1に記載されているようにスクリーン印刷法で成膜されるのが一般的となっている。また、特許文献2には、燃料電池の電極の形成方法として、プラズマ溶射法が開示されている。特許文献2では、内側から順にカソード極(空気極)、固体電解質膜、アノード極(燃料極)を備える円筒型の燃料電池において、アノード極を低圧プラズマ溶射(LLPS)により形成している。
特許第3310867号公報(請求項1、段落[0005][0020]) 米国特許第7141271号明細書(第7欄57〜60行)
上述のように共焼結された基体管の表面は、燃料極、固体電解質膜及びインターコネクタによって凹凸となっている。また、共焼結により基体管が軸方向で撓んでいる場合がある。スクリーン印刷法では、スキージを共焼結された基体管表面に当てて空気極スラリーを塗布するが、凹凸により圧力分布が生じるほか、基体管の撓みによってスキージと基体管との間に部分的に隙間が生じる。このため、塗布される空気極スラリーの膜厚や密着性にばらつきが発生してしまう。
スクリーン印刷法では、スキージを当てたときにスクリーンとセルとの位置がずれることがあるため、成膜精度が低いことが問題となっている。また、スクリーン上に供給されるスラリーは成膜領域以上になるため、原料歩留まりが低い。
プラズマ溶射は、成膜位置を細かく制御することが困難である。上記の固体酸化物形燃料電池のように複数のセルを設ける場合には、マスキングをして所定位置に空気極を設ける必要があるが、工程が煩雑となる。また、原料歩留まりが悪いことが問題となっている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、優れた位置精度で空気極を形成することができる固体酸化物形燃料電池の製造方法及び当該製造方法を用いて作製された固体酸化物形燃料電池、並びに、当該空気極を成膜するための成膜装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数のセルと、隣接する前記セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、前記基体管の外周面上に、前記燃料極と前記固体電解質膜とを形成し、前記複数のセルの間に相当する位置に前記燃料極及び前記固体電解質膜上に前記インターコネクタを形成する工程と、前記基体管とともに、前記燃料極と前記固体電解質膜と前記インターコネクタとを焼結する工程と、前記焼結された前記固体電解質膜及びインターコネクタ上の所定位置に前記空気極を形成して、前記空気極を焼結する工程とを含み、前記空気極を形成する工程が、前記基体管を周方向に回転させながら、ディスペンサから前記空気極の材料を含むスラリーを吐出するとともに、前記空気極の形成が行われているセルと、該セルと隣接し前記空気極が形成されたセルとの境界部分に位置する前記スラリーの膜を乾燥させる工程を含む固体酸化物形燃料電池の製造方法を提供する。
本発明は、基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数のセルと、隣接する前記セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池における前記空気極を成膜するための成膜装置であって、前記基体管上に前記燃料極と前記固体電解質膜と前記インターコネクタとが形成されたワークを支持するとともに、前記ワークの周方向に前記ワークを回転させるワークホルダと、前記ワークの表面を撮影するカメラと、前記ワーク上の前記固体電解質膜及びインターコネクタ上の所定位置に、前記空気極の材料を含むスラリーを吐出するディスペンサと、前記空気極の形成が行われているセルと、該セルと隣接し前記空気極が形成されたセルとの境界部分に位置する前記スラリーを乾燥させる乾燥部と、前記カメラ、前記ディスペンサ、及び、前記乾燥部を、前記ワークの軸方向に移動させる移動部と、制御部とを備え、該制御部は、前記カメラの画像に基づいて各々の前記セルの位置を検出し、前記セルの位置に基づいて成膜範囲を決定し、前記セルの位置と成膜範囲とに基づいて、前記移動部により前記ディスペンサを移動させるとともに、前記成膜範囲で前記ディスペンサから所定量の前記スラリーを吐出させるとともに、前記セルの位置と前記成膜範囲とに基づいて前記移動部により前記乾燥部を移動させ、前記成膜範囲の端部に位置する前記スラリーの膜を、前記乾燥部を用いて乾燥させる成膜装置を提供する。
本発明では空気極の成膜にディスペンサを用いる。ディスペンサは、燃料極等が積層されて表面に凹凸が形成された基体管上に、均一の膜厚で空気極を形成することができる。ディスペンサは吐出位置の微調整が可能であり、成膜精度を向上させることができる。また、成膜部分にのみスラリーを吐出するので、原料歩留まりを向上させることができる。
近年、1つのセルスタックでの発電量を増大させるために、セル数を増やすことが試みられている。セル数を増加させる場合、有効発電面積を大きくするためにセル間の距離が縮められる。このようにセル間の距離が短い場合、塗布された空気極スラリー膜が表面張力により広がり、隣接するセルの空気極スラリー膜と繋がる恐れがある。スラリー膜が繋がった状態で乾燥されると、隣接するセルの空気極同士が電気的に連絡されることになるので、短絡が発生してしまう。
そこで本発明では、1つのセルに相当する領域で形成される空気極のスラリー膜の両端部のみを乾燥させる。この乾燥は、成膜と同時期に実施される。その後空気極を形成した基体管を焼結させる。こうすることで、スラリー膜が広がるのを防止し、隣接するセル間が短絡することを防止することができる。
上記の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、前記境界部分に位置する前記スラリーの膜を乾燥させる間に、前記基体管の内側に温風を流通させることが好ましい。
こうすることで、境界部分に位置するスラリーの乾燥を促進させることができる。
上記固体酸化物形燃料電池の製造方法において、前記スラリーが吐出されている間の前記ディスペンサと前記固体電解質膜または前記インターコネクタとの距離が一定となるように、前記ディスペンサを変位させることが好ましい。
基体管を押出し成形する場合や、燃料極、固体電解質膜及びインターコネクタを基体管と共焼結する場合に、基体管(ワーク)に反りが生じる。この反りが大きいと、ワークを周方向に回転させた場合に偏芯幅が大きくなる。ディスペンサを固定しておくと、偏芯によりワークとディスペンサとの距離が変動し、成膜された空気極の膜厚や密着性にばらつきが発生する。
このように、変位計を設置してディスペンサとワーク(固体電解質膜またはインターコネクタ)との距離を一定に保持しながら成膜することにより、膜厚と密着性が均一な空気極を形成することができる。
上記固体酸化物形燃料電池の製造方法において、前記空気極を形成する工程において、互いに材質が異なる複数種類の前記スラリーを用いて、一の前記スラリーの膜を形成した後に、該一のスラリーの膜の表面が乾燥する前に該一のスラリーの膜上に別の前記スラリーの膜を形成して、前記複数種類のスラリーの膜が積層された前記空気極を形成しても良い。
こうすることで、膜厚方向に組成が連続的に変化する空気極を形成することができる。組成が変化することにより、膜厚方向で特性を変えることができる。例えば、固体電解質のスラリーと空気極のスラリーとを上述のように積層させることにより、境界部分で電解質と電極材料とが混在した領域が形成される。燃料電池の電極反応は、電解質と電極との境界で発生する。上記のように電極成分と電解質成分との混在領域を形成すると、電極反応を起こす領域が広がることになる。この結果、固体酸化物形燃料電池の出力を増大させることができる。
また本発明は、基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数のセルと、隣接する前記セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池であって、前記空気極の前記固体電解質膜と反対側の表面が、複数の半球型の凸部を有する固体酸化物形燃料電池を提供する。
空気極の表面に凸部を設けることで、空気極の表面積を増大させるとともに、空気極表面における酸化ガスの流れを乱して酸化ガスが吸着され易くする。これにより、空気極の性能が向上する。
本発明ではディスペンサを用いて空気極を形成しているため、位置精度が高くなるとともに原料歩留まりを向上させることができる。更に、空気極を形成するのと同時に、空気極が形成されているセルと既に空気極が形成されている隣のセルとの境界部分において、空気極スラリーの膜を部分的に乾燥させる。これにより、空気極スラリー膜が繋がることによる短絡を防止することができる。
円筒型の固体酸化物形燃料電池におけるセルスタックの発電部の断面概略図である。 第1実施形態に係る成膜装置の概略図である。 ディスペンサのノズル形状の例である。 ディスペンサのノズル形状の例である。 ディスペンサのノズル形状の例である。 第1実施形態の成膜装置により形成された空気極を有する固体酸化物形燃料電池の発電部の断面概略図である。 第1実施形態の成膜装置により形成された空気極表面の概略図である。 第2実施形態に係る成膜装置の概略図である。 第3実施形態に係る成膜装置の概略図である。 第4実施形態に係る成膜装置の概略図である。
図1は、円筒型の固体酸化物形燃料電池におけるセルスタックの発電部の断面概略図である。図1は、基体管の軸方向に沿った断面を示している。図1のセルスタック1は、円筒型の基体管2の外周面上に、基体管2側から順に燃料極4、固体電解質膜5、空気極6を積層されたセル3が形成されている。セルスタック1は、基体管2の内側に燃料(水素ガス等)が流通し、基体管2の外側に空気が流通するものである。
1つのセル3は基体管2の周方向に形成されており、基体管2の軸方向に複数のセル3が並列されている。固体電解質膜5の一部は、セル3の基体管2軸方向の一端部で基体管2と接触する。但し、一つのセル3の固体電解質膜5は、隣接するセル3の燃料極4とは接触していない。複数のセル3の各々の間には、隣接するセル同士を連結するインターコネクタ7が形成されている。インターコネクタ7は、一つのセル3の固体電解質膜5と隣接するセル3の燃料極4との間で、基体管2と接触している。空気極6は、固体電解質膜5とインターコネクタ7とに接触して設けられる。
上記の固体酸化物形燃料電池を形成する工程を以下で説明する。なお、下記で列挙した基体管2、燃料極4、固体電解質膜5、空気極6、インターコネクタ7の材質は例示であって、これらの材料に限定されない。
基体管2はカルシア安定化ジルコニア(CSZ)またはCSZと酸化ニッケル(NiO)との混合物(CSZ+NiO)などを主とする多孔質材料からなる。基体管2の直径は、軸方向で略均一となっている。基体管2は多孔質であり、燃料とされる水素ガスが基体管2内側から外側(燃料極4側)に向かって流通可能となっている。基体管2は、例えば押出し成形法により形成される。
基体管2上に燃料極4がスクリーン印刷法により形成される。燃料極4は、セル数に相当する複数の区域に分けて形成される。
燃料極4は、例えば酸化ニッケル(NiO)とジルコニア系電解質材料との複合材で構成されている。複合材としては、例えば、NiOとイットリア安定化ジルコニア(YSZ)の混合物とされる。例えばNi+YSZの混合粉末と水系ビヒクル(水に分散剤、バインダ、及び消泡剤を添加したもの)とが混合されて、燃料極用スラリーが作製される。上記の燃料極用スラリーは、基体管2の外周面上の周方向に塗布される。NiとYSZの混合比は、燃料極4に要求される性能により適宜選択される。混合粉末と水系ビヒクルとの混合比は、燃料極4の厚さや、スラリー塗布後の燃料極膜の状態などを考慮して、適宜選択される。
燃料極4が形成された後、基体管2上に固体電解質膜5がスクリーン印刷法により形成される。固体電解質膜5は、セル数に相当する複数の区域に分けて形成される。
固体電解質膜5は、例えばY安定化ZrO(YSZ)などからなる。YSZ粉末と水系ビヒクルとが混合されて、固体電解質膜用スラリーが作製される。混合比は、固体電解質膜5の厚さや、スラリー塗布後の固体電解質膜の状態や膜厚などを考慮して適宜選択される。
基体管2上にインターコネクタ7がスクリーン印刷法により形成される。
インターコネクタ材料は、LaCrO、(La,Sr)CrO、La(Cr,Mg)O、(La,Ca)CrO、(Sr,La)TiOなどとされる。上記インターコネクタ材料の粉末と水系ビヒクルとが混合され、インターコネクタ用スラリーが作製される。インターコネクタ用スラリーは、隣接するセル間に相当する位置で、基体管2の外周面の周方向に塗布される。粉末の組成は、インターコネクタに要求される性能に応じて適宜選択される。粉末と水系ビヒクルとの混合比は、スラリー塗布後のインターコネクタの状態などを考慮して適宜選択される。
燃料極4、固体電解質膜5及びインターコネクタ7が形成された基体管2を、大気中にて共焼結する。焼結温度は、具体的に1350℃〜1450℃とされる。
共焼結された固体電解質膜5及びインターコネクタ7上に、空気極6を形成する。空気極6を形成するにあたり、空気極6の膜厚は、具体的に100μm〜1000μmの範囲内とされる。空気極6は、例えば(La,Sr)MnO、(La,Ca)MnO、(La,Sr,Ca)MnOなどのLaMnO系材料、(La,Sr)FeO、(La,Sr,Ca)FeOなどのLaFeO系材料、(La,Sr)CoO、(La,Sr,Ca)CoOなどのLaCoO系材料といったペロブスカイト型酸化物を主成分とする。
空気極6は、ディスペンサを用いて形成される。主成分である(La,Sr,Ca)MnO粉末と水系ビヒクルとを混合し、空気極用スラリーを作製する。粉末と水系ビヒクルとの混合比は、スラリー塗布後の空気極の状態や膜厚などを考慮して適宜選択される。ディスペンサから空気極用スラリーを固体電解質膜5及びインターコネクタ上に吐出し、空気極用スラリーの膜を成膜する。
空気極6が形成された基体管2が、大気中にて焼結される。焼結温度は、具体的に1100℃〜1250℃とされる。ここでの焼結温度は、基体管〜インターコネクタを形成した後の共焼結温度よりも低温とされる。
以下では、空気極の成膜方法を詳細に説明する。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態に係る成膜装置の概略図である。第1実施形態の成膜装置10は、支持台11上にワークホルダ12が設置される。ワークホルダ12は、離間して配置される一対の支持部13を有する。一対の支持部13の間にワーク(共焼結後の基体管)20が配置され、ワーク20の両端部が支持部13により支持される。一方の支持部13にはサーボモータ14が設置され、ワーク20を周方向に回転可能とする。サーボモータ14は、制御部21に接続する。制御部21は例えばコンピュータとされる。
支持台11上に、リニアアクチュエータ(移動部)15が設置される。リニアアクチュエータ15上に複数の台車16a〜16dが設置される。リニアアクチュエータ15は、台車16a〜16dがワーク20の軸方向に略平行に移動するように配置される。第1実施形態の成膜装置10では、台車16が紙面右方向に移動する。初期状態で、台車進行方向に先頭となる台車16aは、ワーク20に対してセル(燃料極〜インターコネクタ)が成膜された領域よりも左側に位置する。成膜終了後において、台車進行方向に最後尾となる台車16dは、ワーク20に対してセルが成膜された領域よりも右側に位置する。
リニアアクチュエータ15の一端部に、ロータリエンコーダ(不図示)が設置される。ロータリエンコーダは、各台車16の位置情報を取得する。台車16及びロータリエンコーダは、制御部21に接続する。
右端の台車16a上に、進行方向に向かって先頭から順にカメラ17とディスペンサ18とが載置される。台車16cにディスペンサ18が載置される。台車16b,16d上に乾燥部19が載置される。
カメラ17は例えばCCDカメラとされる。カメラ17は、ワーク20の表面を撮影する。カメラ17は制御部21に接続する。
ディスペンサ18は、例えばジェットディスペンサとされる。ディスペンサ18は、空気極用スラリーを収容するタンク(不図示)に連絡する。ディスペンサ18のノズル内に所定量のスラリーが貯留されるように、タンクからスラリーが適宜供給されるようになっている。
ディスペンサ18は、1つまたは複数設置される。図2では、ディスペンサ18を2つ設置した例を示している。各ジェットディスペンサ18は、制御部21に接続する。
図3乃至図5は、ディスペンサのノズル形状の例である。図3乃至図5において、(a)はノズルの縦断面図であり、(b)はノズル先端の横断面図である。
図3のノズル30は、内部中央部にニードル31が設置される。ニードル31の一端部は尖っており、ノズル30の先端32(スラリー吐出部)近傍に到達している。ニードル31は、ノズル30の上部に設けられるシリンダ(不図示)により、上下方向に可動となっている。ノズル30内に空気極用スラリー33が貯留される。ニードル31の移動により、先端32から所定量の空気極用スラリーの液滴が吐出される。図3において、ノズルの先端32が円形となっている。このため、吐出される液滴は略球形となる。
図4のノズル40は、図3と同様に内部中央部にニードル41が設置される。ノズル40内に空気極スラリー43が貯留される。ニードル41の一端部は平坦形状になっている。ノズル40の先端42は楕円形状となっている。図4のノズル40では、吐出される液滴は楕円球形となる。
図4のノズル40は、先端42の楕円の長軸がワークの軸方向と略平行となるように配置される。こうすることで、1回の吐出での塗布領域を大きくすることができる。
図5のノズル50は、内部中央部にニードル51が設置される。ノズル50内に空気極用スラリー55が貯留される。ノズル50の先端52は楕円形状となっており、複数の円形の孔53を有する。ニードル51の一端部は櫛状になっており、孔53と同数のピン54が設けられる。ピン54は、ノズル50の孔53と対応する位置に設置される。ニードル51の移動により、先端52の孔53から複数の空気極用スラリーの液滴が吐出される。吐出される液滴は、略球形状となる。
図5のノズル50は、先端52の楕円の長軸がワークの軸方向と略平行になるように配置されるのが好ましい。
本実施形態では、1台のディスペンサに対して1つまたは複数のノズルが設置される。複数のノズルが設置される場合、ノズルはワーク20の軸方向に沿って配置される。本実施形態では、各ノズルは同じタンクに連絡する。
ディスペンサ18のノズル先端はワーク20の上側に設けられ、ノズル先端は下を向いて設置される。ワーク20周方向から見たときに、ノズル先端は必ずしもワーク20の頂点上に設置される必要はなく、ワーク20頂点からずれていても良い。例えば、ノズル先端がワーク20の頂点から±45°の範囲内で設置されれば、ノズルから吐出されたスラリーがワーク20上に付着できる。
ディスペンサ18は、ワーク20表面と所定距離、好ましくは0.1mm〜10mmの範囲の値で離間して配置される。
乾燥部19は、ワーク20上に成膜された空気極スラリーを乾燥させるものである。乾燥部19は、温風機または紫外線発生装置とされる。温風機が採用された場合、50℃〜100℃程度の温風が乾燥部19からワーク20に向かって送給される。紫外線発生装置が採用された場合、例えば波長200nm〜400nmの紫外線がワーク20に向かって照射される。
乾燥部19の各々は、制御部21に接続する。
ディスペンサ181台につき、乾燥部19が1台設置される。乾燥部19は、成膜時の台車16の進行方向に対してディスペンサ18の後ろに設置される。第1実施形態の成膜装置10のように複数のディスペンサ18を設ける場合、ディスペンサ18と乾燥部19とは各台車16a〜dに交互に載置される。
ワーク20の周方向から見た場合、ディスペンサ18と乾燥部19とは同一に設置されても良い。あるいは、例えばセル間隔が狭い場合には、乾燥部19の設置位置は、ディスペンサ18の設置位置から周方向にずらして設置されても良い。
第1実施形態の成膜装置10において、温風送給部22が設置されても良い。この場合、温風送給部22は、サーボモータ14が設置されていない方のワークホルダ12の支持部13に連絡される。温風送給部22から温風がワーク20の基体管内側に送給される。基体管内側を流通する温風は、50〜100℃程度とされる。
温風送給部22は、温風を製造するために、ヒータなどにより空気を加熱しても良いし、成膜装置10で使用されるモータの排熱を利用して空気を加熱しても良い。
第1実施形態の成膜装置10を用いて、ワーク20上に空気極を形成する工程を以下で説明する。
まず、ワーク20がワークホルダ12に取り付けられる。
制御部21は、ワーク20上のセルの位置及び寸法を取得する。
制御部21は、台車16aをワーク20軸方向に移動させる。図2において、台車16aは紙面右方向に移動する。カメラ17は、台車16aによりワーク20の軸方向に沿って移動しながら、ワーク20の表面を撮影する。初期状態では、カメラ17が載置される台車16aは、ワーク上の成膜部分(燃料極等が成膜された領域)よりも端部側に配置されている。このため、カメラ17は、ワーク20上の非成膜部分(基体管)から撮影を開始することになる。台車16aは、カメラ17がワーク20表面の成膜部分のすべてを撮影できる位置まで移動する。撮影後、台車16aは初期位置まで戻される。
カメラ17は、撮影しながら撮影画像を制御部21に送信する。ロータリエンコーダは、台車16aの位置情報を制御部21に送信する。
制御部21は、カメラ画像を受信する。制御部21は、撮影と同時にカメラ画像を処理する。制御部21は、処理画像におけるワーク20表面の色調が変化する境界を検出する。制御部21は、カメラ画像(処理画像)と、ロータリエンコーダからの台車16aの位置情報とを関連付ける。
制御部21は、カメラ(台車)移動方向に最初に検出された境界を原点と判定する。原点は、ワーク20上の燃料極と固体電解質との境界であり、図1で紙面左から右に向かって撮影された場合に、符号Oで表される場所である。制御部21は、ロータリエンコーダからの位置情報に基づいて、原点の位置データを取得する。
制御部21には、取り付けられたワーク20のセル数Nが予め入力されている。制御部21は、カメラの移動方向に偶数番目に検出された境界を、固体電解質膜からインターコネクタに変わる境界Aと判定する。制御部21は、カメラの移動方向に3番目以降で奇数番目に検出された境界を、インターコネクタから固体電解質膜、または、インターコネクタから基体管に変わる境界Bと判定する。制御部21は、ロータリエンコーダからの位置情報に基づいて、複数の境界A及び境界Bの位置データを取得する。
制御部21は、原点から最初に検出された境界Bまでの間を、1番目のセルとして認識する。次いで、制御部21は、2つの隣り合う境界Bの間を2番目からN番目のセルとして認識する。制御部21は、境界Bの各々の位置データから、各々のセルの位置データを取得する。制御部21は、取得したセルの位置データに基づいて、各々のセルの寸法データを取得する。制御部21は、境界Aの位置データと取得した寸法データとに基づいて、空気極用スラリーの成膜範囲を決定する。
制御部21は、取得した原点の位置データ、セルの位置データ及び成膜範囲のデータを、制御部21のメモリに格納する。
次いで、制御部21は、ワーク20上に空気極用スラリーを成膜する。
制御部21は、メモリから原点の位置データ、セルの位置データ及び成膜範囲のデータを呼び出す。制御部21は、図2において紙面右方向に台車16aをワーク20軸方向に沿って移動させる。
カメラ17はワーク20の表面を撮影し、撮影画像を制御部21に送信する。ロータリエンコーダは、台車16aの位置情報を制御部21に送信する。
制御部21は、カメラ画像を受信し、撮影と同時にカメラ画像を処理する。上記の方法により、制御部21は原点を検出し、位置データを取得する。制御部21は、ここで取得した原点の位置データと、メモリから呼び出した原点の位置データとを比較する。制御部21は、取得した位置データと呼びだした位置データとが異なる場合、差分を算出する。制御部21は、取得した差分に基づいて、セルの位置データ及び成膜範囲のデータを補正する。
制御部21は、セルの位置データ及び成膜範囲のデータに基づいて、最初に成膜するセルの成膜開始位置までディスペンサ18を載置する台車16a,16cを移動させる。図2の成膜装置10において、台車16aは左から2番目のセルの成膜開始位置まで移動し、台車16cは左端のセルの成膜開始位置まで移動する。
制御部21は、サーボモータ14を作動させ、ワーク20を周方向に回転させる。制御部21は、ディスペンサ18からワーク20上に空気極用スラリーを吐出する。これにより、所定の成膜位置で、ワーク20の周方向に空気極用スラリーの膜が形成される。
空気極用スラリー膜とワーク20との密着性は、成膜時のワーク20の回転速度と相関がある。良好な密着性を得るためには、例えばワーク20の直径が10〜30mmの範囲であれば、ワークの回転速度は1〜70rpmの範囲内であることが好ましい。
空気極用スラリーの膜は、ワーク20を略1回転させる間に形成される。制御部21は、連続膜となり、且つ,膜厚が均一となるように、ディスペンサ18からのスラリーの吐出量(液滴の径)、吐出時間、吐出間隔等を調整する。例えば、吐出開始直後と吐出停止直前は、吐出量が比較的小さくなる。そこで、ワーク20の回転速度と吐出のタイミングとを同期させて、吐出開示直後の膜と吐出停止直前の膜とを重複させ、膜厚を均一にする。
ワーク20周方向に1列目のスラリー膜が形成された後、制御部21は、台車16a,16cを所定位置に移動させる。制御部21は、ディスペンサ18から空気極用スラリーを吐出して、ワーク20の周方向に2列目のスラリー膜を形成する。台車16a,16cの移動とディスペンサ18からの吐出を繰り返して、セル上の所定位置に空気極用スラリーを成膜する。このとき、隣り合う列に吐出された液滴の頂点間の間隔は、液滴径よりも小さくする。液滴の間隔は、次の列のスラリー膜を形成するときの台車16a,16cの移動距離に相当する。こうすることで、隣り合う列の液滴が重複して、1つのセルでの空気極用スラリー膜の膜厚を均一にすることができる。例えば、液滴の間隔は、液滴径の30〜75%の範囲内であることが好ましい。なお、液滴径は、吐出されるスラリーの重量(吐出量)と対応関係にあるので、吐出量によって管理される。
制御部21は、セルの位置データ及び成膜範囲のデータに基づいて、現在ディスペンサ18が製膜しているセルの成膜開始位置まで乾燥部19を載置する台車16bを移動させる。
制御部21は、ディスペンサ18が所定位置まで空気極用スラリーの成膜を実施すると、台車16bに載置される乾燥部19を作動させる。作動した乾燥部19は、所定の時間で、成膜開始位置での空気極用スラリー膜と固体電解質膜との境界を含む領域に、温風または紫外線を当てる。これにより、温風または紫外線が当たる領域の空気極用スラリー膜が乾燥する。つまり、成膜開始位置の空気極用スラリー膜端部が乾燥する。乾燥時間は、ワーク20の回転速度、空気極用スラリーの組成、空気極用スラリーの膜厚などに応じて、適宜設定されると良い。所定時間経過後、制御部21は乾燥部19の運転を停止させる。
乾燥部19による空気極用スラリー膜の乾燥は、ディスペンサ18が同じセル内の他の領域を成膜している間に実施される。温風や紫外線がディスペンサ18のノズル先端に当たり、ノズル先端のスラリーが乾燥してスラリーの吐出が阻害されないようにする。例えば、ワーク20軸方向にディスペンサ18と乾燥部19とが十分に離間してから乾燥部19を作動させたり、乾燥部19から送給する温風の流速を調整する。
なお、1番目のセル(発電部の端部に位置するセル)の成膜開始位置では、隣のセルがない為、スラリー膜が隣のセルのスラリー膜と繋がることがない。従って、1番目のセルの成膜開始位置は、必ずしも乾燥させなくても良い。従って、この時点では台車16dを移動させなくても良い。
成膜装置10に温風送給部22が設置される場合、制御部21は、乾燥部19を作動させるのと同時に温風送給部22を作動させる。温風送給部22は、50〜100℃程度の温風を、ワーク20の基体管内側に送給する。これにより、ワーク20が加温され、乾燥部19による空気極用スラリー膜の乾燥が促進される。
1つのセルでの成膜範囲全てで成膜が終了すると、制御部21は台車16b,16dを成膜終了位置まで移動させる。スラリー膜の端部以外は乾燥させる必要がないので、この移動の際に乾燥部19は停止している。
制御部21は乾燥部19を作動させる。乾燥部19は、所定の時間で、成膜終了位置での空気極用スラリー膜とインターコネクタとの境界を含む領域に温風または紫外線を当てる。これにより、成膜終了位置での空気極用スラリー膜端部が乾燥する。
成膜終了位置での空気極用スラリー膜の乾燥が終了すると、制御部21は、台車16a,16cを次に成膜するセルの成膜開始位置まで移動させる。図2のようにディスペンサ18を2台設ける場合、制御部21は台車16a,16cを2つ先のセルまで移動させる。台車16a,16cの移動と同時に、制御部21は、台車16b,16dを所定位置まで移動させる。
次いで、制御部21は、上述と同様の工程で、ディスペンサ18に所定の成膜範囲で空気極用スラリーを成膜させ、乾燥部19に成膜開始位置及び成膜終了位置での空気極用スラリー膜端部を乾燥させる。なお、N番目のセルの成膜終了位置の空気極用スラリー膜端部は、乾燥させる必要が無い。
上記の工程は、N番目のセルでの成膜が終了するまで繰り返される。全てのセルでの成膜が終了した後、制御部21はサーボモータ14を停止させて、ワーク20の回転を停止させる。ワーク20がワークホルダ12から取り外される。その後、上述のようにワーク20が焼結され、セルスタックとなる。
本実施形態では、上述のように1つのワークで位置・寸法計測と成膜とを連続して行っても良いし、複数のワークで位置・寸法計測を行ってから成膜しても良い。後者の場合は位置・寸法計測と成膜との間でワークの取り外しが行われるが、成膜前にカメラで原点位置の補正を行っているため所望の位置に成膜を行うことができる。
図6は、本実施形態の成膜装置により空気極が形成された固体酸化物形燃料電池の発電部の断面概略図である。
空気極6は、表面に複数の半球型の凸部8を有している。空気極6は、マクロ的に平滑な表面を有する固体電解質膜5及びインターコネクタ7の上に形成されている。空気極6は、その下層に形成されている燃料極4、固体電解質膜5及びインターコネクタ7よりも膜厚が大きいことから、凸部8の頂上部は下層に設けられる各層の段差の影響を受けない。このため、凸部8は、基体管2の表面から略同じ高さを有している。
複数の凸部8は、隣接する凸部8と連結して設けられている。凸部8の底部8aは、隣接する凸部8の連結部8b同士を結んだ線である。底部8aに対する凸部8の接触角は、10°〜45°に調整されている。隣接する凸部8が近接している場合、凸部8が高く接触角は大きくなり、凸部8間の連結部8bに谷部が形成される。一方で、隣接する凸部8の間隔が広がっている場合、凸部8は低く接触角は小さくなる。凸部8及びその連結部8bの形状は、ディスペンサによる成膜ピッチ、スラリー吐出量及び焼結状態により制御される。底部8aから測定した凸部8の高さは100〜300μm、底部8aの幅は300〜600μmに調整されて成膜されていることが好ましい。
なお、隣接する凸部8間は、ディスペンサによるスラリーの吐出ピッチを広げることで、連結部8bが重ならないようにすることもできる。この場合、空気極6の表面に形成される凸部8は緩やかな勾配となると共に、凸部8の高さは低くなり、表面が滑らかな空気極6が形成される。
本発明は、空気極6の表面に半球型の凸部8を設けることで、空気極6の表面積を増大させるとともに、空気極6表面における酸化ガスの流れを乱して酸化ガスが吸着され易くする。これにより、空気極6の性能を向上させている。
図7は、本実施形態の成膜装置により形成された空気極表面の概略図である。空気極表面に形成されている半球型の凸部8が円で示されている。凸部8は、空気極の表面において、縦横に配列して形成されている。
図7(a)は、紙面横方向及び紙面縦方向に凸部8を整列させる場合である。この場合、凸部8の連結部8bの間隔が詰まっていることから、凸部が平均的に高くなっており、接触角も大きくなる傾向になる。また、それぞれの隣接する凸部8の高さが略一定である。なお、隣接する凸部の高さの差は0.3μm以下で調整される。
図7(b)は、紙面横方向に隣接する凸部8同士を紙面縦方向に位置をずらして形成する場合である。この場合、凸部8の連結部8bの間隔が詰まっている部分と広がっている部分が存在している。このため、凸部8の高さが一定ではなく、隣接する凸部8の高さの差が0.3μmより大きくなっている。
空気極の凸部8は、ディスペンサによってドット状の空気極用スラリーを吐出し、乾燥させた後、焼成することで形成される。ディスペンサによるスラリーの吐出位置を調整することで、表面の配列、凸部高さ、接触角を制御することができる。
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る成膜装置の概略図である。図8の成膜装置60は、ディスペンサ68と乾燥部69とを1台ずつ設置されているが、図2のように複数台設置されていても良い。図8では、温風送給部は省略されている。
第2実施形態の成膜装置60では、第1実施形態の成膜装置に対して変位計(高さセンサ)72が追加されている。変位計72は、制御部71に接続する。第2実施形態の成膜装置60は、反りの大きなワークに対して空気極を形成する場合に有効である。
変位計72は、ディスペンサと同じ台車66aに載置される。複数のディスペンサを設ける場合、各台車に1台ずつ変位計が載置される。ワーク70の軸方向を見たときに、台車66aの進行方向に向かって先頭からカメラ67、変位計72、ディスペンサ68の順に載置される。
ワーク70に反りが生じている場合、ワーク70の軌道範囲は偏芯している分だけワーク70の外径よりも大きくなる。このため、ワーク70の周方向から見たときに、カメラ67、変位計72、ディスペンサ68及び乾燥部69は、ワーク70の軌道範囲よりも離れて設置される。変位計72はワーク70の回転中心に向くように設置される。第1実施形態と同様に、ディスペンサ68のノズル先端は、ワーク70の上側に設けられる。変位計72は、ワーク70の周方向から見たときに、ディスペンサ68と同位置に設置されても良く、周方向にずらして設置されても良い。周方向にずらして設置される場合、変位計72は、ディスペンサ68に対して所定角度だけワーク70の回転方向と反対側に設置される。所定角度は、ワーク70の回転速度と後述するディスペンサの移動遅れとを考慮して適宜設定される。具体的に、0°より大きく45°より小さい角度であることが望ましい。
第2実施形態の成膜装置60において、ディスペンサ68には、ディスペンサ68とワーク70との距離を可変とするディスペンサ高さ調整部(不図示)が設置される。ディスペンサ高さ調整部により、ディスペンサ68はワーク70表面と所定距離だけ離間して配置される。ディスペンサ高さ調整部は、制御部71と接続する。
第2実施形態の成膜装置60を用いて、ワーク70上に空気極を形成する工程を以下で説明する。
第1実施形態と同様の工程にて、制御部71は原点の位置データ、セルの位置データ及び成膜範囲のデータを取得する。制御部71は、取得したデータをメモリに格納する。
次いで、制御部71は、ワーク70上に空気極用スラリーを成膜する。
制御部71は、第1実施形態と同様の工程で、カメラ67を用いて原点の位置データを取得する。取得した原点の位置データとメモリから呼び出した原点の位置データとを比較し、必要に応じてセルの位置データ及び成膜範囲のデータの補正を行う。
制御部71は、セルの位置データ及び成膜範囲のデータに基づいて、最初に成膜するセルの成膜開始位置まで、ディスペンサ68を載置する台車66a,66bを移動させる。制御部71は、サーボモータ64を作動させ、ワーク70を周方向に回転させる。
変位計72は、セルの成膜開始位置において、周方向にワーク70と変位計72との距離dを計測する。変位計72は、距離dに関するデータを制御部71に送信する。次いで、制御部71は、台車66a,66bを次の計測位置まで移動させる。この移動距離は、1回の吐出での軸方向の塗布領域に相当する。変位計72は、計測位置において、周方向にワーク70と変位計72との距離dを計測する。変位計は、距離dに関するデータを制御部71に送信する。上記の計測とデータ送信は、成膜範囲全てについて実施される。
制御部71には、ワーク70の回転中心と変位計72との距離、及び、取り付けられたワーク70の外半径(平均値)が予め入力されている。
制御部71は、回転速度と変位計でのデータ取得間隔とに基づいて、周方向の計測位置と取得したdとを関連付ける。
制御部71は、回転中心と変位計72との距離とワーク70の外半径とから、反りが無い場合のワーク70と変位計との距離dを算出する。制御部71は、変位計の各計測位置での周方向の距離d(i=1,2,…)のデータを受信する。制御部71は、距離dと算出されたdとを比較し、距離dのdに対する変化量Δd(Δd=d−d)のデータを取得する。dは周方向の計測位置と関連付けられているので、Δdのデータも、周方向の計測位置と関連付けられる。
制御部71には、変位計72とディスペンサ68とのワーク70軸方向の距離が予め入力されている。制御部71は、ディスペンサ68のノズル先端が位置に到達した時に、制御部71は、ディスペンサ68からワーク70上に空気極用スラリーを吐出する。これにより、ワーク70の周方向にi列目の空気極用スラリーの膜が形成される。
このとき、制御部71は、ディスペンサ68から空気極スラリーを吐出しながら、Δdのデータに基づいてディスペンサ高さ調整部を作動させ、ディスペンサ68先端とワーク70表面との距離を一定に保持する。具体的に、Δd<0の場合(ワークが変位計に接近した場合)、制御部71はディスペンサ68をワーク70から遠ざける。Δd>0(ワークが変位計から遠ざかる場合)、制御部71はディスペンサ68をワーク70に近づける。ディスペンサ先端とワーク表面との距離は、0.1mm〜10mmの範囲内の所定値に保持されることが望ましい。
具体的に、ディスペンサ68が成膜開始位置に到達した時、制御部71は上述のようにΔdのデータに基づいてディスペンサ68とワーク70表面との距離を一定に保持しながら、ディスペンサ68からワーク70上に空気極用スラリーを吐出し、1列目の空気極用スラリーの膜を形成する。その後、制御部71は、台車66a,66cを次の成膜位置に移動させる。制御部71は、ディスペンサ68から空気極用スラリーを吐出して、ワーク70の周方向に2列目のスラリー膜を形成する。この時、制御部71は上述のようにΔdのデータに基づいてディスペンサ68とワーク70表面との距離を一定に保持しながら、ディスペンサ68からワーク70上に空気極用スラリーを吐出し、2列目の空気極用スラリー膜を形成する。制御部71は、上記操作を繰り返して、所定の成膜範囲に空気極用スラリー膜を成膜する。
制御部71は、ディスペンサ68による成膜と同時に、第1実施形態と同様にして乾燥部69により空気極用スラリー膜の両端部を乾燥する。温風送給部を設置した場合は、乾燥部による乾燥と同時に、温風送給部が基体管内側に温風を送給する。
制御部71は、1つのセルでの成膜が完了すると、台車66a,66bを次のセルの成膜範囲まで移動させる。そして、上記と同様の工程で、次のセルに空気極用スラリー膜を形成する。上記工程は、N番目のセルでの成膜が終了するまで繰り返される。全てのセルでの成膜が終了した後、制御部71はサーボモータ64を停止させて、ワーク70の回転を停止させる。ワーク70がワークホルダ62から取り外される。その後、上述のようにワーク70が焼結され、セルスタックとなる。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係る成膜装置の概略図である。第3実施形態の成膜装置80は、1つの乾燥部89に対して複数のディスペンサ88が設置される点で第1実施形態と異なる。図9では1つの乾燥部と2つのディスペンサ88a,88bとが設置されているが、1つの乾燥部に対して3つ以上のディスペンサが設置されていても良い。また、乾燥部とディスペンサとの組を2つ以上設置しても良い。
図9の成膜装置80では、台車86aにカメラ87及びディスペンサ88aが載置される。台車86bにディスペンサ88bが載置される。台車86cに乾燥部89cが載置される。
ディスペンサ88aとディスペンサ88bとは、それぞれ異なるタンク(不図示)に連絡する。各タンクは、互いに材質が異なるスラリーを収容する。例えば、ディスペンサ88aに連絡するタンクには、固体電解質膜用スラリー、インターコネクタ用スラリー、あるいは、空気極材料含有スラリーが収容される。ディスペンサ88bに連絡するタンクには、上述した空気極用スラリーが収容される。固体電解質膜用スラリーは、上述した固体電解質膜材料を含むスラリーであり、固体電解質膜と空気極との密着を向上させるために用いられる。インターコネクタ用スラリーは、上述したインターコネクタ用材料を含むスラリーであり、インターコネクタと空気極との密着性を向上させるために用いられる。ここでの空気極材料含有スラリーは、上述した空気極材料(LaMnO系材料、LaFeO系材料、LaCoO系材料)と同材料であって、上記空気極用スラリーよりも粒径が小さい粉末を含有する。空気極用スラリーに含有される粉末は、粒径が1〜50μmであるのに対し、空気極材料含有スラリーに含有される粉末は、粒径が1μm以下である。
第3実施形態の成膜装置80を用いて、ワーク90上に空気極を形成する工程を以下で説明する。
第1実施形態と同様の工程にて、制御部91は原点の位置データ、セルの位置データ及び成膜範囲のデータを取得する。制御部91は、取得したデータをメモリに格納する。
制御部91は、第1実施形態と同様の工程で、カメラ87を用いて原点の位置データを取得する。取得した原点の位置データとメモリから呼び出した原点の位置データとを比較し、必要に応じてセルの位置データ及び成膜範囲のデータの補正を行う。
制御部91は、セルの位置データ及び成膜範囲のデータに基づいて、最初に成膜するセルの成膜開始位置までディスペンサ88aを載置する台車86aを移動させる。制御部91は、サーボモータ84を作動させ、ワーク90を周方向に回転させる。制御部91は、第1実施形態と同様の工程で、所定の成膜範囲にディスペンサ88aからスラリーAを吐出する。これにより、ワーク90の周方向にスラリーAの膜が成膜される。
制御部91は、セルの位置データ及び成膜範囲のデータに基づいて、最初に成膜するセルの成膜開始位置までディスペンサ88bを載置する台車86bを移動させる。制御部91は、ディスペンサ88aにより形成されたスラリーAの膜の表面が乾燥する前に、スラリーAの膜上に、ディスペンサ88bからスラリーBを吐出する。これにより、ワーク90の周方向にスラリーBの膜が成膜される。
スラリーAの膜の表面が乾燥する前にスラリーBを成膜しているため、膜の境界付近ではスラリーAとスラリーBとが混合した状態となる。すなわち、成膜装置80で形成された空気極は、組成が連続的に変化している。例えば、スラリーAとして固体電解質膜用スラリー、スラリーBとして空気極用スラリーを用いた場合、境界付近では電解質と電極材料とが混在する。
制御部91は、ディスペンサ88a,88bによる成膜と同時に、第1実施形態と同様にして乾燥部89によりスラリーAとスラリーBの積層膜の両端部を乾燥する。温風送給部を設置した場合は、乾燥部による乾燥と同時に、温風送給部が基体管内側に温風を送給する。
制御部91は、1つのセルでの成膜が完了すると、台車86a〜86cを次のセルの成膜範囲まで移動させる。そして、上記と同様の工程で、次のセルに空気極用スラリー膜を形成する。上記工程は、N番目のセルでの成膜が終了するまで繰り返される。全てのセルでの成膜が終了した後、制御部91はサーボモータ84を停止させて、ワーク90の回転を停止させる。ワーク90がワークホルダ▽から取り外される。その後、上述のようにワーク90が焼結され、セルスタックとなる。
燃料電池における電極反応は、固体電解質膜と電極(空気極及び燃料極)との境界で発生する。このように電解質と電極材料とが混在した領域を形成すると、電極反応発生領域が広がることになり、出力を増大させることができる。
なお、第3実施形態においては、第2実施形態のように変位計を備え、変位計からのデータに基づいてディスペンサを移動させても良い。
<第4実施形態>
図10は、第4実施形態に係る成膜装置の概略図である。第4実施形態の成膜装置100は、1台のディスペンサ108に対して複数のノズル112a〜112cが設置される点以外は、図2と同じである。
台車の進行方向に向かって先頭から順にノズル112a、ノズル112b、ノズル112cが設置される。ノズル112a〜112cは、ワーク110の軸方向に沿って整列する。1台のディスペンサ108でのノズル間隔は、液滴の大きさや膜厚を考慮して適宜設定される。ノズル112a〜112cは、それぞれ異なるタンク(不図示)に連絡する。各タンクは、互いに材質が異なるスラリーを収容する。ノズル112a〜112cは、それぞれ制御部111に接続する。
第4実施形態の成膜装置100を用いて、ワーク110上に空気極を形成する工程を以下で説明する。
第1実施形態と同様の工程にて、制御部111は原点の位置データ、セルの位置データ及び成膜範囲のデータを取得する。制御部111は、取得したデータをメモリに格納する。
制御部111は、第1実施形態と同様の工程で、カメラ107を用いて原点の位置データを取得する。取得した原点の位置データとメモリから呼び出した原点の位置データとを比較し、必要に応じてセルの位置データ及び成膜範囲のデータの補正を行う。
制御部111は、セルの位置データ及び成膜範囲のデータに基づいて、ノズル112aが最初に成膜するセルの成膜開始位置に到達するまで、ディスペンサ108を載置する台車106a,106cを移動させる。制御部111は、サーボモータ104を作動させ、ワーク110を周方向に回転させる。制御部111は、第1実施形態と同様にして、ディスペンサ108のノズル112aから所定の成膜範囲にスラリーAを吐出する。これにより、ワーク110の周方向にスラリーAの膜が成膜される。
制御部111は、ノズル112bがセルの成膜開始位置に到達すると、ノズル112bから所定の成膜範囲にスラリーBを吐出して、ワーク110の周方向にスラリーBの膜を成膜する。同様にして、制御部111は、ノズル112cから所定の成膜範囲にスラリーCを吐出し、ワーク110の周方向にスラリーCの膜を成膜する。
スラリーB,Cの成膜は、下層の膜の表面が乾燥する前に実施される。このため、膜の境界付近でスラリー同士が混合した状態となる。
制御部111は、ディスペンサ108による成膜と同時に、第1実施形態と同様にして乾燥部109によりスラリーの積層膜の両端部を乾燥する。温風送給部を設置した場合は、乾燥部による乾燥と同時に、温風送給部が基体管内側に温風を送給する。
制御部111は、1つのセルでの成膜が完了すると、台車106a〜106dを次のセルの成膜範囲まで移動させる。そして、上記と同様の工程で、次のセルに空気極用スラリー膜を形成する。上記工程は、N番目のセルでの成膜が終了するまで繰り返される。全てのセルでの成膜が終了した後、制御部111はサーボモータ104を停止させて、ワーク110の回転を停止させる。ワーク110がワークホルダ102から取り外される。その後、上述のようにワーク110が焼結され、セルスタックとなる。
なお、第4実施形態では、第2実施形態のように変位計を備え、変位計からのデータに基づいてディスペンサを移動させても良い。
1 セルスタック
2 基体管
3 セル
4 燃料極
5 固体電解質膜
6 空気極
7 インターコネクタ
8 凸部
8a 底部
8b 連結部
10,60,80,100 成膜装置
11,61,81,101 支持台
12,62,82,102 ワークホルダ
13,63,83,103 支持部
14,64,84,104 サーボモータ
15,65,85,105 リニアアクチュエータ(移動部)
16a,16b,16c,16d,66a,66b,86a,86b,86c,106a,106b,106c,106d 台車
17,67,87,107 カメラ
18,68,88a,88b,108 ディスペンサ
19,69,89,109 乾燥部
20,70,90,110 ワーク
21,71,91,111 制御部
22 温風送給部
30,40,50 ノズル
31,41,51 ニードル
32,42,52 ノズルの先端(スラリー吐出部)
33,43,55 空気極用スラリー
53 孔
54 ピン
72 変位計
O 原点

Claims (6)

  1. 基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数のセルと、隣接する前記セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    前記基体管の外周面上に、前記燃料極と前記固体電解質膜とを形成し、前記複数のセルの間に相当する位置に前記燃料極及び前記固体電解質膜上に前記インターコネクタを形成する工程と、
    前記基体管とともに、前記燃料極と前記固体電解質膜と前記インターコネクタとを焼結する工程と、
    前記焼結された前記固体電解質膜及びインターコネクタ上の所定位置に前記空気極を形成して、前記空気極を焼結する工程とを含み、
    前記空気極を形成する工程が、
    前記基体管を周方向に回転させながら、ディスペンサから前記空気極の材料を含むスラリーを吐出するとともに、
    前記空気極の形成が行われているセルと、該セルと隣接し前記空気極が形成されたセルとの境界部分に位置する前記スラリーの膜を乾燥させる工程を含む固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  2. 前記境界部分に位置する前記スラリーの膜を乾燥させる間に、前記基体管の内側に温風を流通させる請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  3. 前記スラリーが吐出されている間の前記ディスペンサと前記固体電解質膜または前記インターコネクタとの距離が一定となるように、前記ディスペンサを変位させる請求項1または請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  4. 前記空気極を形成する工程において、互いに材質が異なる複数種類の前記スラリーを用いて、一の前記スラリーの膜を形成した後に、該一のスラリーの膜の表面が乾燥する前に該一のスラリーの膜上に別の前記スラリーの膜を形成して、前記複数種類のスラリーの膜が積層された前記空気極を形成する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  5. 基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数のセルと、隣接する前記セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池であって、
    前記空気極の前記固体電解質膜と反対側の表面が、複数の半球型の凸部を有する固体酸化物形燃料電池。
  6. 基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数のセルと、隣接する前記セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池における前記空気極を成膜するための成膜装置であって、
    前記基体管上に前記燃料極と前記固体電解質膜と前記インターコネクタとが形成されたワークを支持するとともに、前記ワークの周方向に前記ワークを回転させるワークホルダと、
    前記ワークの表面を撮影するカメラと、
    前記ワーク上の前記固体電解質膜及びインターコネクタ上の所定位置に、前記空気極の材料を含むスラリーを吐出するディスペンサと、
    前記空気極の形成が行われているセルと、該セルと隣接し前記空気極が形成されたセルとの境界部分に位置する前記スラリーを乾燥させる乾燥部と、
    前記カメラ、前記ディスペンサ、及び、前記乾燥部を、前記ワークの軸方向に移動させる移動部と、
    制御部とを備え、
    該制御部は、前記カメラの画像に基づいて各々の前記セルの位置を検出し、前記セルの位置に基づいて成膜範囲を決定し、前記セルの位置と成膜範囲とに基づいて、前記移動部により前記ディスペンサを移動させるとともに、前記成膜範囲で前記ディスペンサから所定量の前記スラリーを吐出させるとともに、
    前記セルの位置と前記成膜範囲とに基づいて前記移動部により前記乾燥部を移動させ、前記成膜範囲の端部に位置する前記スラリーの膜を、前記乾燥部を用いて乾燥させる成膜装置。
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