JP2016095922A - 固体酸化物形燃料電池セル、及びその製造方法、製造装置 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池セル、及びその製造方法、製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質支持体の寸法精度が低い場合でも均一な膜厚を得ることができ、効率的な固体酸化物形燃料電池セルの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、固体酸化物形燃料電池セル(16)の製造方法であって、多孔質支持体(97)を形成する支持体形成工程(S1)と、複数の発電素子を構成する機能層を多孔質支持体上に積層させ、形成する成膜工程と、機能層が形成された多孔質支持体を焼成する焼成工程(S12,S14)と、を有し、成膜工程は、成膜が不要な部分にマスキング層を形成し、マスキング層の上から第1の機能層形成用スラリーを接触させることにより、複数の発電素子の第1の機能層を同時に形成する面成膜工程(S4,S9)、及び第2の機能層形成用スラリーを液滴状にして噴射することによりスラリーのドットを形成し、このドットの集積により第2の機能層を形成するドット成膜工程(S13)を含むことを特徴としている。
【選択図】図9

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池セルに関し、特に、多孔質支持体上に複数の発電素子を形成し、これらの発電素子をインターコネクタにより接続した固体酸化物形燃料電池セル、及びその製造方法、製造装置に関する。
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付け、一方の側に燃料ガスを供給し、他方の側に酸化剤ガス(空気、酸素等)を供給して、比較的高温で動作する燃料電池である。
特開2013−175305号公報(特許文献1)には、固体酸化物形燃料電池の製造方法が記載されている。ここに記載されている固体酸化物形燃料電池は、基体管上に、燃料極、固体電解質膜、及び空気極を備えた複数の発電素子が形成され、これらの発電素子がインターコネクタにより電気的に接続されたものである。この燃料電池の製造方法においては、基体管上に、燃料極がスクリーン印刷法により形成され、次いで、固体電解質膜、インターコネクタが順次スクリーン印刷法により形成される。このように各層が形成された基体管が、大気中で共焼結され、次に、焼結された固体電解質膜の上に、ディスペンサを用いて空気極が形成される。即ち、空気極を形成する材料の粉末が懸濁されたスラリーが、固体電解質膜及びインターコネクタ上に吐出され、空気極を形成すべき位置に空気極用スラリーの膜が成膜される。最後に、空気極が形成された基体管が、大気中で焼結される。
特開2013−175305号公報
しかしながら、特開2013−175305号公報記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法においては、燃料極層等、各層の膜厚を十分に管理することができないという問題がある。即ち、燃料極層をスクリーン印刷法で基体管上に形成する場合、燃料極を形成すべき部分が切り抜かれたマスクを基体管に当接させ、その上に燃料極用のスラリーを供給し、供給されたスラリーがスキージにより基体管に塗りつけられる。しかしながら、円筒形の基体管に撓みがあると、基体管の各部においてスキージと基体管の間の隙間が異なることとなり、塗りつけられるスラリーの膜厚を均一にすることが困難になる。形成された燃料極層等の膜厚が不均一になると、気体の透過性、イオンの透過性にムラができるため、構成された燃料電池素子の性能が低下する。
また、基体管等の支持体は、一般に、押し出し成形等により形成された成形体を焼成した多孔質体であるため、高い寸法精度で形成することは困難である。支持体の寸法精度を確保するために支持体に機械加工を施すと、製造コストが著しく上昇するという問題がある。
一方、ディスペンサを使用してスラリーを吐出させ、これにより基体管等の支持体上に燃料極層等を形成した場合には、支持体に撓みがある場合でも、概ね均一な膜厚の燃料極層を形成することが可能になる。ところが、ディスペンサを使用したスラリーの塗布では、単位時間当たりに成膜可能な面積が非常に小さく、製造に膨大な時間を要するという問題がある。成膜時間を短縮するために、吐出させるスラリーの粘性を低下させた場合、多孔質体である支持体にスラリーが浸透してムラが発生すると共に、成膜が不要な部分にまでスラリーが浸透してしまうという問題がある。逆に、吐出させるスラリーの粘性を高くした場合、支持体へのスラリーの浸透は防止されるが、形成された燃料極層等の表面の平滑度が低下すると共に、付着されたスラリーの間に隙間ができ、気密性不良を生じる虞がある。
従って、本発明は、多孔質支持体の寸法精度が低い場合でも概ね均一な膜厚を得ることができると共に、効率的に製造することができる固体酸化物形燃料電池セル、及びその製造方法、製造装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、多孔質支持体上に複数の発電素子を形成し、これらの発電素子をインターコネクタにより接続した固体酸化物形燃料電池セルの製造方法であって、多孔質支持体を形成する支持体形成工程と、複数の発電素子を構成する機能層である燃料極層、電解質層、及び空気極層を多孔質支持体上に所定の順序で積層させ、形成する成膜工程と、この成膜工程により機能層が形成された多孔質支持体を加熱し、焼成する焼成工程と、を有し、成膜工程は、成膜が不要な部分にマスキング層を形成し、このマスキング層の上から機能層のうちの第1の機能層を形成するためのスラリーを接触させることにより、マスキング層のない部分に、複数の発電素子の第1の機能層を同時に形成する面成膜工程、及び機能層のうちの第2の機能層を形成するためのスラリーを、第2の機能層を形成すべき領域に液滴状にして連続的に噴射することによりスラリーのドットを形成し、このドットの集積により第2の機能層を形成するドット成膜工程を含むことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、支持体形成工程において多孔質支持体を形成し、成膜工程において発電素子を構成する機能層が積層され、これが焼成工程において焼成される。成膜工程には、複数の発電素子の機能層を同時に形成する面成膜工程、及びドットの集積により機能層を形成するドット成膜工程が含まれる。
多孔質支持体に各機能層を形成する成膜方法として、支持体にマスクを当て、機能層を形成するスラリーを、スキージでマスクの開口部内に塗りつけるスクリーン印刷法が知られている。また、別の方法として、ジェットディスペンサーを使用して、支持体上の成膜すべき部分にスラリーの液滴を噴射し、液滴によるドットの集積により機能層を形成するドット成膜法が知られている。
しかしながら、一般に、機能層を形成する支持体には製造誤差があり、成膜の下地となる表面の平面性、直線性を確保することが困難である。従って、スキージでスラリーを塗布するスクリーン印刷法では、成膜する下地面とスキージの間の隙間を一定に維持することが困難であり、成膜された機能層の厚さが不均一になることが避けられず、製造された燃料電池セルの歩留まりが低下する。また、歩留まりを向上させるために、支持体の寸法精度を向上させるべく、支持体に機械加工を施すと、製造コストが著しく上昇してしまう。さらに、近年、燃料電池セルの小型化が望まれており、燃料電池セル上に形成する発電素子を小型化すると、成膜により形成される機能層に要求される寸法精度は益々高くなり、製造が困難になる。即ち、支持体上に小型の発電素子を複数形成するには、支持体上に順次積層される各機能層を正確に位置合わせする必要があり、形成される各機能層には高い位置精度が要求される。
一方、ドット成膜法では、液滴状のスラリーを噴射して成膜を行うため、形成される機能層は、下地面の精度の影響は受けにくい。しかしながら、ドット成膜法では、単位時間当たりに成膜可能な面積が非常に小さく、全ての機能層をドット成膜法により成膜すると、製造に要する時間が極めて長くなってしまう。また、時間当たりに成膜可能な面積を広くするために、噴射するスラリーの粘性を低くすると、多孔質の支持体内部にスラリーが浸透してしまい、成膜にムラができる。さらに、スラリーの粘性が低い場合には、十分な厚さの層を得るために同一部分に重ねてドット成膜を行う必要があり、却って成膜に要する時間が長くなる。また、支持体内部にスラリーが浸透すると、形成された層の大きさ及び位置精度が低下する。逆に、噴射するスラリーの粘性を高くすると、液滴により形成されたドットの痕が機能層に残ってしまい、機能層表面の平滑度が低下してしまう。表面の平滑度が低下すると、機能層各部で発生する発電反応にムラができ、電流集中等により発電反応が不安定になる。
上記のように構成された本発明の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法によれば、機能層を形成する成膜工程が、成膜が不要な部分にマスキング層を形成し、このマスキング層の上から機能層を形成するためのスラリーを接触させる面成膜工程、及びスラリーを液滴状にして連続的に噴射することによりスラリーのドットを形成し、このドットの集積により機能層を形成するドット成膜工程の両方を含むので、多孔質支持体に製造誤差がある場合でも、安定した性能の燃料電池セルを短時間で製造することができる。
本発明において、好ましくは、多孔質支持体に隣接して形成される機能層は、面成膜工程により形成され、ドット成膜工程によって形成される機能層は、面成膜工程により形成された機能層に隣接して形成される。
このように構成された本発明によれば、多孔質支持体に隣接して形成される機能層が面成膜により形成されるので、ドット成膜の場合のように、多孔質支持体にスラリーが浸透して、ムラが発生したり、製造時間が増大するのを防止することができる。また、面成膜は、マスキング層を形成し、マスキング層の上からスラリーを接触させるので、多孔質支持体の平面性、直線性等が機能層の厚さに直接悪影響を与えることがなく、機能層の表面を平滑に形成することができる。また、面成膜により形成された機能層に隣接して、ドット成膜により機能層が形成されるので、ドット成膜により形成される機能層の位置精度を高くすることができると共に、ドット抜けやドット剥離防止することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、多孔質支持体に隣接して形成された機能層に接続されるように、インターコネクタを形成するためのスラリーを液滴状にして連続的に噴射することによりスラリーのドットを形成し、このドットの集積により第1インターコネクタ層を形成する第1インターコネクタ形成工程を有する。
このように構成された本発明によれば、第1インターコネクタ層がドット成膜により形成されるので、効率的に第1インターコネクタ層を形成することができる。即ち、第1インターコネクタ層は、機能層に比べ面積が小さいため、これを面成膜で実施したとすれば、マスキングを施す部分が多くなり、製造効率が低下する。また、所定の機能層同士を電気的に導通させるインターコネクタ層は、高い位置精度が要求されるが、このように位置精度が要求される微少な部分を残してマスキングを施すことは困難である。第1インターコネクタ層をドット成膜で形成することにより、位置精度を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、多孔質支持体に隣接して形成された機能層に隣接して、電解質層が面成膜工程により形成される。
このように構成された本発明によれば、多孔質支持体に隣接した機能層及びこれに隣接した電解質層が面成膜工程により形成されるので、平滑性の低いドット成膜による機能層の上に機能層が形成されることがなく、隣接して形成される機能層に悪影響を与えることがない。また、多孔質支持体に隣接した機能層及び電解質層は、一般に面積が広いため、面成膜に必要なマスキング層の面積を小さくすることができ、効率的に燃料電池セルを製造することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、電解質層を形成する面成膜工程の後、第1インターコネクタ形成工程により形成された第1インターコネクタ層と接続される第2インターコネクタ層を、ドットの集積により形成する第2インターコネクタ形成工程を有する。
このように構成された本発明によれば、第1インターコネクタ層と接続される第2インターコネクタ層がドット成膜により形成されるので、小面積で、位置精度の要求される第2インターコネクタ層を効率的に製造することができる。
本発明において、好ましくは、電解質層を形成する面成膜工程の後、第2インターコネクタ形成工程を行う前に、電解質層を加熱して硬化させる仮焼成工程を行う。
面成膜により形成された電解質層は、下地にスラリーが浸透しにくく固着強度が低くなる。上記のように構成された本発明によれば、電解質層を面成膜した後、仮焼成工程が実施されるので、少量の収縮により固着力が高められ、電解質層の剥離や割れを防止することができる。
本発明において、好ましくは、仮焼成工程により硬化された電解質層に隣接するように、ドット成膜工程により最外層の機能層が形成される。
電解質層に隣接する最外層の機能層は、強度が必要であるため厚く形成する必要がある。上記のように構成された本発明によれば、最外層の機能層をドット成膜により形成するので、最外層を、熱収縮を吸収することができる形状に形成することができる。
また、本発明は、本発明の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法を実施するための製造システムであって、機能層を形成するためのスラリーを接触させることにより、機能層を形成する面成膜装置と、機能層を形成するためのスラリーを液滴状にして連続的に噴射することにより機能層を形成するドット成膜装置と、機能層が形成された多孔質支持体を、加熱する加熱炉と、を有することを特徴としている。
さらに、本発明は、本発明の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法により製造された固体酸化物形燃料電池セルである。
本発明の固体酸化物形燃料電池セル、及びその製造方法、製造装置によれば、多孔質支持体の寸法精度が低い場合でも概ね均一な膜厚を得ることができると共に、効率的に製造することができる。
本発明の第1実施形態による固体酸化物形燃料電池セルが内蔵されている固体酸化物形燃料電池システムを示す全体構成図である。 本発明の第1実施形態による固体酸化物形燃料電池セルの収容容器の断面図である。 本発明の第1実施形態による固体酸化物形燃料電池セル全体を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による固体酸化物形燃料電池セルの多孔質支持体表面に形成された機能層を拡大して示した断面図である。 本発明の第1実施形態による燃料電池セルの製造装置であるドット成膜装置全体を示す概略的な正面図である。 ドット成膜装置に備えられたジェットディスペンサの先端部を示す概略的な断面図である。 本発明の第1実施形態による燃料電池セルの製造装置である面成膜装置全体を示す概略的な正面図である。 面成膜装置の作動手順を示すフローである。 本発明の第1実施形態による燃料電池セルの製造方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態による燃料電池セルにおいて、多孔質支持体上への機能層等の積層手順を示す模式図である。 第2焼成工程終了後の空気極層の表面状態を示す図である。 本発明の第1実施形態による燃料電池セル各部の電子顕微鏡写真である。 本発明の第2実施形態による燃料電池セルの多孔質支持体表面に形成された機能層を拡大して示した断面図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態の固体酸化物形燃料電池セル(SOFC)を説明する。
まず、図1乃至図12を参照して、本発明の第1実施形態による固体酸化物形燃料電池セルを説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による固体酸化物形燃料電池セルが内蔵されている固体酸化物形燃料電池システムを示す全体構成図である。この図1に示すように、固体酸化物形燃料電池システム1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材7を介して燃料電池セル収容容器8が配置されている。この燃料電池セル収容容器8内の内部には発電室10が構成され、この発電室10の中には複数の燃料電池セル16(固体酸化物形燃料電池セル)が同心円状に配置されており、これらの燃料電池セル16により、燃料ガスと酸化剤ガスである空気の発電反応が行われる。
各燃料電池セル16の上端部には、排気集約室18が取り付けられている。各燃料電池セル16において発電反応に使用されずに残った残余の燃料(オフガス)は、上端部に取り付けられた排気集約室18に集められ、この排気集約室18の天井面に設けられた複数の噴出口から流出される。流出した燃料は、発電室10内で発電に使用されずに残った空気により燃焼され、排気ガスが生成されるようになっている。
次に、補機ユニット4は、水道等の水供給源24からの水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この純水タンクから供給される水の流量を調整する水供給装置である水流量調整ユニット28(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された炭化水素系の原燃料ガスの流量を調整する燃料供給装置である燃料ブロア38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)を備えている。
なお、燃料ブロア38を通過した原燃料ガスは、燃料電池モジュール2内に配置された脱硫器36と、熱交換器34、電磁弁35を介して燃料電池セル収容容器8の内部に導入される。脱硫器36は、燃料電池セル収容容器8の周囲に環状に配置されており、原燃料ガスから硫黄を除去するようになっている。また、熱交換器34は、脱硫器36において温度上昇した高温の原燃料ガスが直接電磁弁35に流入し、電磁弁35が劣化されるのを防止するために設けられている。電磁弁35は、燃料電池セル収容容器8内への原燃料ガスの供給を停止するために設けられている。
補機ユニット4は、空気供給源40から供給される空気の流量を調整する酸化剤ガス供給装置である空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)を備えている。
さらに、補機ユニット4には、燃料電池モジュール2からの排気ガスの熱を回収するための温水製造装置50が備えられている。この温水製造装置50には、水道水が供給され、この水道水が排気ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュール2により発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
次に、図2により、燃料電池セル収容容器8の内部構造を説明する。図2は燃料電池セル収容容器の断面図である。
図2に示すように、燃料電池セル収容容器8内の空間には、複数の燃料電池セル16が同心円状に配列され、その周囲を取り囲むように燃料流路である燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、酸化剤ガス供給流路22が順に同心円状に形成されている。
まず、図2に示すように、燃料電池セル収容容器8は、概ね円筒状の密閉容器であり、その側面には、発電用の空気を供給する酸化剤ガス流入口である酸化剤ガス導入パイプ56、及び排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58が接続されている。さらに、燃料電池セル収容容器8の上端面からは、排気集約室18から流出した残余燃料に点火するための点火ヒーター62が突出している。
図2に示すように、燃料電池セル収容容器8の内部には、燃料電池セル16の周囲を取り囲むように、内側から順に、発電室構成部材である内側円筒部材64、外側円筒部材66、内側円筒容器68、外側円筒容器70が配置されている。上述した燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、及び酸化剤ガス供給流路22は、これらの円筒部材及び円筒容器の間に夫々構成される流路であり、隣り合う流路の間で熱交換が行われる。また、燃料電池セル収容容器8の下端側の開放空間は、燃料を各燃料電池セル16に分散させる燃料ガス分散室76の底面を構成する概ね円形の分散室底部材72により塞がれている。
排ガス排出流路21の下部には、燃焼触媒60及びこれを加熱するためのシースヒーター61が配置されている。
燃焼触媒60は、排ガス排出パイプ58よりも上方に、外側円筒部材66の外周面と内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間に充填された触媒である。排ガス排出流路21を下降した排気ガスは、燃焼触媒60を通過することにより一酸化炭素が除去され、排ガス排出パイプ58から排出される。
シースヒーター61は、燃焼触媒60の下方の、外側円筒部材66の外周面を取り囲むように取り付けられた電気ヒーターである。固体酸化物形燃料電池装置1の起動時において、シースヒーター61に通電することにより、燃焼触媒60が活性温度まで加熱される。
内側円筒容器68の外周面と、外側円筒容器70の内周面の間の円環状の空間は、酸化剤ガス供給流路22として機能する。また、外側円筒容器70の下部側面には、酸化剤ガス導入パイプ56が接続されており、酸化剤ガス供給流路22が酸化剤ガス導入パイプ56に連通される。
第1固定部材63と分散室底部材72の間には、燃料ガス分散室76が構成される。また、分散室底部材72の中央には、バスバー80(図2)を挿通させるための挿通管72aが設けられている。各燃料電池セル16に電気的に接続されたバスバー80は、この挿通管72aを通して燃料電池セル収容容器8の外部に引き出される。
内側円筒容器68の天井面から垂下するように、発電用の空気を噴射するための、円形断面の酸化剤ガス噴射用パイプ74が取り付けられている。この酸化剤ガス噴射用パイプ74は、内側円筒容器68の中心軸線上を鉛直方向に延び、その周囲の同心円上に各燃料電池セル16が配置される。酸化剤ガス供給流路22を介して供給された空気は、酸化剤ガス噴射用パイプ74の先端から下方に噴射され、第1固定部材63の上面に当たって、発電室10内全体に広がる。
燃料ガス分散室76は、第1固定部材63と分散室底部材72の間に構成される円筒形の気密性のあるチャンバーであり、その上面に各燃料電池セル16が林立されている。第1固定部材63の上面に取り付けられた各燃料電池セル16は、その内側の燃料極が、燃料ガス分散室76の内部と連通されている。各燃料電池セル16の下端部は、第1固定部材63の挿通穴を貫通して燃料ガス分散室76の内部に突出し、各燃料電池セル16は第1固定部材63に、接着により固定されている。
図2に示すように、供給された燃料は、外側円筒部材66の内周と中間円筒部材65の外周の間の空間を一旦上昇した後、内側円筒部材64の外周と中間円筒部材65の内周の間の空間を下降し、複数の小穴64bを通って燃料ガス分散室76内に流入する。燃料ガス分散室76に流入した燃料は、燃料ガス分散室76の天井面(第1固定部材63)に取り付けられた各燃料電池セル16の燃料極に分配される。
さらに、燃料ガス分散室76内に突出している各燃料電池セル16の下端部は、燃料ガス分散室76内でバスバー80に電気的に接続され、挿通管72aを通して電力が外部に引き出される。バスバー80は、燃料ガス分散室76の内部において、各燃料電池セル16に取り付けられた集電体82と電気的に接続されている。また、バスバー80は、燃料電池セル収容容器8の外部において、インバータ54(図1)に接続される。なお、集電体82は、排気集約室18内に突出している各燃料電池セル16の上端部にも取り付けられている。これら上端部及び下端部の集電体82により、複数の燃料電池セル16が電気的に並列に接続されると共に、並列に接続された複数組の燃料電池セル16が電気的に直列に接続され、この直列接続の両端が夫々バスバー80に接続される。
次に、排気集約室18の構成を説明する。排気集約室18は、各燃料電池セル16の上端部に取り付けられたドーナツ型断面のチャンバーであり、この排気集約室18の中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74が貫通して延びている。集約室18の底面には複数の円形の挿通穴が設けられている。各挿通穴には燃料電池セル16の上端部が夫々挿通されている。一方、排気集約室18の天井面には、集約された燃料ガスを噴出させるための複数の噴出口が設けられている。発電に使用されずに残った燃料は、各燃料電池セル16の上端から排気集約室18内に流出し、排気集約室18内で集約された燃料は各噴出口から流出し、そこで燃焼される。
次に、図2を参照して、燃料供給源30から供給される原燃料ガスを改質するための構成について説明する。
まず、燃料ガス供給流路20の下部には、水蒸気改質用の水を蒸発させるための蒸発部86が設けられている。蒸発部86は、外側円筒部材66の下部内周に取り付けられたリング状の傾斜板86a及び水供給パイプ88から構成されている。傾斜板86aは、リング状に形成された金属の薄板であり、その外周縁が外側円筒部材66の内壁面に取り付けられる。一方、傾斜板86aの内周縁は外周縁よりも上方に位置し、傾斜板86aの内周縁と、内側円筒部材64の外壁面との間には隙間が設けられている。
水供給パイプ88は内側円筒部材64の下端から燃料ガス供給流路20内に鉛直方向に延びるパイプであり、傾斜板86aの上面側に供給された水は、傾斜板86aの上面と外側円筒部材66の内壁面の間に留まる。傾斜板86aの上面側に供給された水は、そこで蒸発され水蒸気が生成される。
また、蒸発部86の下方には、原燃料ガスを燃料ガス供給流路20内に導入するための燃料ガス導入部が設けられている。燃料ブロア38から送られた原燃料ガスは、燃料ガス供給パイプ90を介して燃料ガス供給流路20に導入される。燃料ブロア38から送られた原燃料ガスは、傾斜板86aの下側に導入され、傾斜板86aの傾斜により流路を絞られながら傾斜板86aの上側へ上昇する。傾斜板86aの上側へ上昇した原燃料ガスは、蒸発部86で生成された水蒸気と共に上昇する。
燃料ガス供給流路20内の蒸発部86上方には、燃料ガス供給流路隔壁92が設けられている。この燃料ガス供給流路隔壁92の円周上には等間隔に複数の噴射口92aが設けられている。燃料ガス供給パイプ90から導入された原燃料ガス及び蒸発部86で生成された水蒸気は、一旦、燃料ガス供給流路隔壁92の下側の空間に滞留した後、各噴射口92aを通って燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間に噴射され、ここで十分に混合される。
さらに、中間円筒部材65の内周と内側円筒部材64の外周の間の、円環状の空間の上部には、改質部94が設けられている。改質部94は、内側円筒部材64の外壁面に取り付けられた触媒保持板(図示せず)と、これにより保持された改質触媒96によって構成されている。改質触媒96に、燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間で混合された原燃料ガス及び水蒸気が接触すると、改質部94内においては、式(1)に示す水蒸気改質反応SRが進行する。
mn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (1)
改質部94において改質された燃料ガスは、中間円筒部材65の内周と内側円筒部材64の外周の間の空間を下方に流れ、燃料ガス分散室76に流入して、各燃料電池セル16に供給される。水蒸気改質反応SRは吸熱反応であるが、反応に要する熱は、排気集約室18から流出するオフガスの燃焼熱、及び各燃料電池セル16において発生する発熱により供給される。
次に、図3及び図4を参照して、本発明の第1実施形態による燃料電池セルの構造を説明する。
図3は燃料電池セル全体を示す斜視図であり、図4は燃料電池セルの多孔質支持体表面に形成された機能層を拡大して示した断面図である。
図3に示すように、本実施形態の燃料電池セル16(固体酸化物形燃料電池セル)は、固体酸化物を用いた円筒横縞型セルである。各燃料電池セル16上には、複数の発電素子16aが横縞状に形成されており、これらが電気的に直列に接続されることにより1本の燃料電池セル16が構成されている。各燃料電池セル16は、その一端がアノード(陽極)、他端がカソード(陰極)となるように構成され、複数の燃料電池セル16のうちの半数は上端がアノード、下端がカソードとなるように配置され、残りの半数は上端がカソード、下端がアノードとなるように配置されている。
図4に示すように、本実施形態の燃料電池セル16は、円筒形の多孔質支持体97と、その上に形成された3つの機能層である燃料極層98、電解質層100、及び空気極層101を有する。燃料電池セル16には、多孔質支持体97上に燃料極層98、電解質層100、及び空気極層101を順次形成することにより複数の発電素子16aが形成されている。各発電素子16aの燃料極層98はアノードとして、空気極層101はカソードとして機能する。これらの各発電素子16aはインターコネクタ層102により電気的に直列に接続されている。本実施形態においては、1本の燃料電池セル16上に12個の発電素子16aが形成され、これらがインターコネクタ層102により接続されている。
具体的には、図4に示すように、各発電素子16aを構成する燃料極層98の一方の端部、及び空気極層101の反対側の端部が延長されている。発電素子16aの陽極である燃料極層98の延長された端部が、隣接して配置された発電素子16aの陰極である空気極層101の延長された端部とインターコネクタ層102により接続されている。
次に、多孔質支持体97及び各機能層の構成を説明する。
多孔質支持体97は、本実施形態においては、電気絶縁性材料であるフォルステライト粉末を主成分として、バインダーを添加した混合物を円筒形に押し出し成形し、焼結することにより形成されている。
燃料極層98は、本実施形態においては、NiO粉末及び10YSZ(10mol%Y23−90mol%ZrO2)粉末の混合物により構成された導電性の薄膜である。
固体電解質層100は、本実施形態においては、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23の組成のLSGM粉末により構成された薄膜である。この固体電解質層100を介して酸化物イオンと水素又は一酸化炭素が反応することにより電気エネルギーが生成される。
空気極層101は、本実施形態においては、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.23の組成のLSCF粉末により構成された導電性の薄膜である。
インターコネクタ層102は、本実施形態においては、SLT(ランタンドープストロンチウムチタネート)及びLa1-xSrxTi1-y-zNbyFez3(LSTNF、0.1≦x≦0.8、0.05≦y≦0.2、0.2≦z≦0.5)により構成された導電性の薄膜である。
次に、本発明の第1実施形態による燃料電池セルの製造装置を説明する。
まず、図5及び図6を参照して、機能層等を形成するドット成膜工程において使用されるドット成膜装置を説明する。図5はドット成膜装置全体を示す概略的な正面図であり、図6はドット成膜装置に備えられたジェットディスペンサの先端部を示す概略的な断面図である。
上述した各機能層は、各機能層を構成する材料の粉末を懸濁させたスラリーを多孔質支持体97上に付着させ、これを焼成することにより形成されている。
ドット成膜装置110は、燃料電池セル16の各製造工程において、インターコネクタ及び空気極層を夫々形成するための各スラリーを液滴状にして、ドット成膜すべき部分のみに選択的に、連続的に噴射するように構成されている。また、ドット成膜装置110は、所定の位置にインターコネクタ又は空気極層を形成するための位置出し機能を備えている。
図5に示すように、ドット成膜装置110は、台座112と、ドット成膜すべき多孔質支持体97を回転させるモーター114と、多孔質支持体97を回転可能に保持する固定治具116と、液滴を噴射するヘッド部118と、このヘッド部118を案内するガイドレール120と、を有する。
台座112には、モーター114及び固定治具116が設置されている。
固定治具116は、ドット成膜すべき多孔質支持体97を回転可能に保持するように構成されている。即ち、固定治具116は、円筒形の多孔質支持体97の両端に円錐形状の心押し棒116aを夫々挿入することにより、多孔質支持体97を両端から挟むようにして水平に保持する。各心押し棒116aは水平な回転中心線Aを中心に回転可能に構成されており、これにより保持された多孔質支持体97は回転中心線Aを中心に回転可能に保持される。モーター114は、各心押し棒116aによって保持された多孔質支持体97を、回転中心線Aを中心に回転させるように構成されている。
ここで、円筒形の多孔質支持体97を円錐形状の心押し棒116aによって両側から挟んで支持することにより、多孔質支持体97は、その中心軸線と心押し棒116aの回転中心線Aが一致するように保持される。しかしながら、多孔質支持体97は製作誤差により完全な円筒形ではないため、実際には、回転中心線Aと多孔質支持体97の中心軸線は、僅かにずれている。
ヘッド部118は、スラリー等を液滴状にして噴射するジェットディスペンサー122と、このジェットディスペンサー122にスラリー等を供給するスラリー容器124と、ドット成膜すべき多孔質支持体97を撮像するカメラ126と、を有する。
ガイドレール120は、ヘッド部118を、回転中心線Aと平行に移動させるように構成されている。ドット成膜時においては、ジェットディスペンサー122から液滴状のスラリーを噴射させながら、多孔質支持体97を回転させると共に、ヘッド部118をガイドレール120に沿って所定速度で送ることにより、多孔質支持体97の周囲に帯状のスラリーの膜を形成することができる。
ジェットディスペンサー122は、図6に示すように、スラリー等を噴射するノズル部128と、噴射を制御する噴射アクチュエータ129と、を有する。
ノズル部128には、鉛直方向に向けられた噴射ノズル穴128aが設けられ、この噴射ノズル穴128aの上端には、噴射ノズル穴128aよりも広くなった凹部128bが形成されている。さらに、ノズル部128には、噴射ノズル穴128aに連通するように設けられた水平方向のスラリー供給通路128cが形成されている。スラリー供給通路128cには、噴射すべきスラリー等がスラリー容器124から注入されている。スラリー供給通路128cから供給されたスラリー等は噴射ノズル穴128aに流入し、噴射ノズル穴128aの先端(下端)から噴射される。
噴射アクチュエータ129は、可撓性プレート129aと、この可撓性プレート129aに取り付けられた突起部129bと、を有する。
可撓性プレート129aは、可撓性のあるゴム製の板であり、ノズル部128に設けられた凹部128bを覆うように取り付けられている。突起部129bは、可撓性プレート129aの中央部に取り付けられた金属製の突起であり、ノズル部128の凹部128bに受け入れられている。可撓性プレート129aの背面側(凹部128bの反対側)には脈動する空気圧が作用されており、この空気圧の変動により可撓性プレート129aが撓み、可撓性プレート129aに取り付けられた突起部129bが上下動する。
突起部129bが下方に移動されると、これを収容している凹部128b内の容積が減少するため、噴射ノズル穴128a及び凹部128b内に充填されているスラリー等が、液滴状にされて噴射ノズル穴128aの先端から噴射される。可撓性プレート129aの背面側の空気圧が所定周期で脈動することにより、突起部129bが上下動し、液滴状になったスラリー等が所定周期で連続的に噴射される。噴射されたスラリーの液滴は多孔質支持体97上にドットを形成し、このドットの集積によりスラリーの膜が形成される。
モーター114駆動により多孔質支持体97を回転させると共に、ジェットディスペンサー122をガイドレール120に沿って所定速度で送ることにより、多孔質支持体97上の所望の位置にスラリーのドットを横縞状に集積させることができる。なお、ドット成膜により形成される層の厚さは、モーター114の回転数、ジェットディスペンサー122の送り速度、ジェットディスペンサー122から噴射される液滴の大きさ、及び噴射されるスラリーの粘性等により制御することができる。
カメラ126は、多孔質支持体97上に形成された燃料極層やインターコネクタ層等を撮像し、画像解析によりそれらの境界線の位置を特定するように構成されている。また、カメラ126により撮像された画像上の位置と、液滴が噴射される噴射ノズル穴128aとの間の水平距離Lはメモリ(図示せず)に予め記憶されている。このため、撮像された画像上で特定された位置から、ヘッド部118をガイドレール120に沿って距離Lだけ送ることにより、画像上で特定された位置に噴射ノズル穴128aを移動させることができる。
次に、図7及び図8を参照して、機能層を形成する面成膜工程において使用される面成膜装置を説明する。図7は面成膜装置全体を示す概略的な正面図であり、図8は面成膜装置の作動手順を示すフローである。
図7に示すように、面成膜装置130は、台座131と、この台座131の上に設けられた固定治具132と、固定治具132を回転させるモーター134と、スラリーを吐出させる面成膜ノズル136と、この面成膜ノズル136にスラリーを圧送するポンプ138と、供給すべきスラリーを収容したスラリー容器139と、を有する。
台座131には固定治具132が設けられている。固定治具132は、多孔質支持体97を水平方向に向けて、その両端部を回転可能に支持する。モーター134は固定治具132に連結されており、固定治具132及びそれによって支持された多孔質支持体97を、多孔質支持体97の中心軸線を中心に、所定の回転数で回転させるように構成されている。
面成膜ノズル136は、固定治具132によって支持されている多孔質支持体97の直下に配置されており、スラリーを多孔質支持体97に向けて上方に吐出するように構成されている。
ポンプ138は、スラリー容器139内のスラリーを吸い上げ、スラリーを所定の流量で面成膜ノズル136から吐出させるように構成されている。
面成膜ノズル136には、スリット状の細長いノズル穴(図示せず)が設けられており、多孔質支持体97の面成膜すべき領域全体にスラリーが均一に吐出されるように構成されている。面成膜ノズル136から吐出したスラリーは、すぐ上方に水平方向に配置された多孔質支持体97に付着され、多孔質支持体97上に形成される複数の発電素子16aの各機能層が同時に成膜される。なお、多孔質支持体97上の面成膜不要な部分には、後述するように、ドット成膜装置110により予めマスキングが施されている。多孔質支持体97に付着せずに残ったスラリーは、面成膜ノズル136の周囲に流れ落ち、回収される。
次に、図8を参照して、面成膜の手順を説明する。
まず、図8のステップS101において、面成膜すべき多孔質支持体97を固定治具132に固定する。なお、多孔質支持体97上の面成膜が不要な部分には、予めマスキングを施しておく。次いで、ステップS102において、モーター134を起動し、多孔質支持体97をその中心軸線を中心に所定の回転数で回転させる。さらに、ステップS103において、ポンプ138を作動させる。これにより、スラリー容器139からスラリーが吸い上げられ、スラリーは面成膜ノズル136に向けて圧送される(ステップS104)。圧送されたスラリーは、面成膜ノズル136から上方に向けて吐出される(ステップS105)。面成膜ノズル136から吐出されたスラリーは、面成膜ノズル136の上方で回転している多孔質支持体97の表面に塗布される(ステップS106)。
多孔質支持体97に付着せずに残ったスラリーは、面成膜ノズル136の周囲に流れ落ちる。また、多孔質支持体97に付着した余分なスラリーは、回転している多孔質支持体97の遠心力により流れ落ち、多孔質支持体97上には所定厚さのスラリーの膜が成膜される。従って、多孔質支持体97上に形成される層の厚さは、多孔質支持体97の回転数、面成膜ノズル136からの吐出流量、スラリーの粘性等によって制御することができる。
次に、ステップS107においてポンプ138を停止させ、ステップS108においてモーター134を停止させる。さらに、ステップS109において、成膜された多孔質支持体97を固定治具132から取り外し、面成膜工程を完了する。
以上説明したドット成膜装置110、面成膜装置130、及び成膜された機能層を焼成する加熱炉は、固体酸化物形燃料電池製造システムを構成する。
次に、図9及び図10を参照して、本発明の第1実施形態による固体酸化物形燃料電池セルの製造方法を説明する。
図9は本実施形態の製造方法の手順を示すフローチャートであり、図10は多孔質支持体上への機能層等の積層手順を示す模式図である。なお、図10は、各機能層等の重なりを模式的に示したものであり、各層の具体的な断面形状及び寸法を示すものではない。
まず、図9のステップS1においては、支持体形成工程として、フォルステライト製の多孔質支持体97が形成される。具体的には、フォルステライト粉末にバインダーを添加した粘土状の材料が、押出成型機(図示せず)によって円筒形に押し出し成形される。
次に、ステップS2においては仮焼成工程として、ステップS1において押し出し成形された多孔質支持体97が加熱炉(図示せず)により加熱され、仮焼成される。本実施形態においては、多孔質支持体97の成形体は、加熱炉により約1000℃で約2時間加熱され、仮焼成される。この仮焼成されたフォルステライト製の多孔質支持体97は概ね白色の電気絶縁体である。
次に、ステップS3においては第1マスキング形成工程として、ステップS2において仮焼成された多孔質支持体97にマスキング形成剤が塗布され、マスキング層104が形成される。具体的には、この第1マスキング形成工程では、ドット成膜装置110によりマスキング層104がドット成膜される。即ち、第1マスキング形成工程では、ドット成膜装置110のジェットディスペンサー122(図5)により、マスキング形成剤を、マスキング層104を形成すべき領域に液滴状にして連続的に噴射することにより、多孔質支持体97上にマスキング形成剤のドットを形成し、このドットの集積によりマスキング層104をドット成膜する工程である。従って、第1マスキング形成工程においては、ドット成膜装置110はマスキング層形成装置として機能する。
図10(a)に示すように、マスキング層104は、多孔質支持体97上の、燃料極層98の成膜が不要な部分に形成される。マスキング形成剤は、その粘性が低すぎる場合、超多孔質体である多孔質支持体97の内部に深く浸透してしまうので、所定の膜厚のマスキング層104を形成するために多数回の成膜が必要となり、製造効率が低下する。また、マスキング形成剤が浸透することにより、マスキング層104が形成される領域が不正確になる。一方、マスキング形成剤の粘性が高すぎる場合、形成されたマスキング層104の表面の平滑性が不十分になる。この場合、次工程で面成膜を行った際に、スラリーがマスキング層104の上に溜まってしまい、このスラリーが成膜の不要な部分に残ってしまう。本実施形態においては、マスキング形成剤は、適度な粘性に調整されている。
また、ドット成膜されたマスキング層104は、マスキング形成剤塗布後、自然乾燥される。本実施形態においては、マスキング形成剤として、(株)フロロテクノロジー製のフロロサーフ(商標)FS−1000シリーズ又はFG−3020シリーズを使用している。
この第1マスキング形成工程においてマスキング層104を形成する部位の位置出しは、ドット成膜装置110に備えられた固定治具116を基準にして行われる。即ち、ドット成膜装置110は、予め記憶されている固定治具116の位置から所定距離ヘッド部118を移動させ、その位置から、多孔質支持体97を回転させながらマスキング層104のドット成膜を開始する。第1マスキング形成工程において形成される全てのマスキング層104は、固定治具116の位置を基準として、ヘッド部118の送り量により位置出しを行い、その位置からのヘッド部118の移動距離によってマスキング層104の幅が設定される。
このため、第1マスキング形成工程において形成されるマスキング層104は、ドット成膜装置110の回転軸線Aに直交した環状に形成される。従って、多孔質支持体97に製造誤差等による撓みがある場合、マスキング層104は、多孔質支持体97の中心軸線に対しては、正確には直交しないこととなる。しかしながら、このような誤差は燃料電池セル16においては問題とならず、ドット成膜装置110の回転軸線Aに直交してマスキング層104を形成することにより、多孔質支持体97の撓みに応じた位置補正等を行う必要がなく、容易に成膜を行うことができる。また、ドット成膜によれば、噴射された液滴のドットの集積によりマスキング層104を形成しているので、多孔質支持体97の撓みにより、ジェットディスペンサー122と多孔質支持体97表面の間の距離が変化した場合でも、形成される層の厚さが直接影響を受けることがない。このため、多孔質支持体97に製造誤差がある場合でも、正確な厚さに層を形成することができる。
また、第1マスキング層形成工程においては、マスキング層104の中央部が高くなった凸状に形成されるように、ドット成膜装置110の送りが調整される。即ち、各マスキング層104の形成開始時において、ドット成膜装置110のジェットディスペンサー122の軸線方向の送り量を大きくすることにより、形成されるドットの軸線方向の重なり量を小さくして、形成されるマスキング層104を薄くする。その後、ジェットディスペンサー122の送り量を次第に小さくすることにより、形成されるドットの重なり量を大きくし、マスキング層104を厚くする。1つのマスキング層104の形成終了時においては、ジェットディスペンサー122の軸線方向の送り量を次第に大きくすることによりドットの軸線方向の重なり量を小さくしてマスキング層104を薄くする。このように、マスキング層104の中央部を高く、凸状に形成することにより、次の燃料極層形成工程においてマスキング層104の上から接触されたスラリーが速やかにマスキング層104の外に流れ落ちる。これにより、マスキング層104上に多くのスラリーが堆積し、不要な部分に燃料極層が形成されるのを抑制することができる。
次に、ステップS4においては、燃料極層形成工程として、ステップS3においてマスキング層104が形成された多孔質支持体97に、発電素子16aの機能層のうちの1つである燃料極層98が成膜される。具体的には、第1面成膜工程である燃料極層形成工程においては、燃料極を形成するためのスラリーが、マスキング層104の上から多孔質支持体97に接触され、マスキング層104のない部分に燃料極層98が面成膜される。即ち、ステップS3においてマスキング層104が形成された多孔質支持体97を面成膜装置130の固定治具132に固定し、多孔質支持体97を回転させながら下方の面成膜ノズル136から吐出されるスラリーをマスキング層104の上から塗布する。従って、燃料極層形成工程においては、面成膜装置130は燃料極層形成装置として機能する。
この燃料極層形成工程は、最も下側に面成膜を行う下層面成膜工程であり、1本の多孔質支持体97上に形成される全ての発電素子16aの各燃料極層98が同時に面成膜される面成膜工程である。このように、燃料極層形成工程においては、面成膜により燃料極層98が形成されるため、ドット成膜におけるドット痕が残ることはなく、燃料極層98の表面を平滑に形成することができる。
本実施形態においては、燃料極層形成工程において使用されるスラリーは、NiO粉末及び10YSZ粉末の混合物がアルコール系溶剤に懸濁された液体であり、一方、マスキング層104を形成しているマスキング形成剤は撥油性のものである。このため、スラリーはマスキング層104の上から多孔質支持体97全体に接触されるが、マスキング層104上のスラリーはマスキング形成剤により撥かれ(はじかれ)、マスキング層104の上には堆積しない。この結果、図10(b)に示すように、燃料極層の膜は、マスキング層104のない部分にのみ形成される。さらに、図4に示すように、多孔質支持体97上に堆積するスラリーは撥油性のマスキング形成剤により撥かれ、マスキング層104に付着しないため、スラリーの表面張力により縁部が丸くなるように堆積される。また、本実施形態においては、マスキング形成剤として撥油性の材料が使用されているが、使用されるスラリーによっては、撥水性のマスキング形成剤を使用することもできる。
さらに、燃料極層形成工程においては、多孔質支持体97上に燃料極層の膜が形成された後、堆積されたスラリーを乾燥させる乾燥工程(図示せず)が実施される。本実施形態においては、乾燥工程において、約100℃で約5分間スラリーを乾燥させる。なお、多孔質支持体97上に形成されているマスキング層104は、乾燥工程後もそのまま維持される。
次に、ステップS5においては、仮焼成工程が実施される。仮焼成工程においては、ステップS4において燃料極層の膜が形成された多孔質支持体97が加熱炉(図示せず)により加熱され、仮焼成される。図10(c)に示すように、仮焼成工程により、多孔質支持体97上に形成されているマスキング層104は、蒸発して消失し、マスキング層104の下の多孔質支持体97が露出される。本実施形態においては、燃料極層98は、加熱炉により約1000℃で約2時間加熱され、硬化される。この仮焼成されたNiO/YSZ製の燃料極層98の色は、概ね薄緑色である。
次に、ステップS6においては第1インターコネクタ形成工程として、ステップS5において仮焼成された燃料極層98の上に、ドット成膜装置110によりインターコネクタ層が形成される。具体的には、第1インターコネクタ形成工程においては、インターコネクタ層102の一部である第1インターコネクタ層102aがドット成膜により形成される。即ち、第1インターコネクタ形成工程は、第1インターコネクタ層102aを形成するためのスラリーを、第1インターコネクタ層102aを形成すべき領域に、液滴状にして連続的に噴射することにより、燃料極層98上の所定の領域にスラリーのドットを形成し、このドットの集積により第1インターコネクタ層102aを形成するドット成膜工程である。従って、第1インターコネクタ形成工程においては、ドット成膜装置110はインターコネクタ形成装置として機能する。なお、本実施形態においては、第1インターコネクタ層102aを形成するためのスラリーとして、LSTNFの粉末がアルコール系溶剤に懸濁された液体を使用することができる。
図10(d)に示すように、第1インターコネクタ層102aは、各燃料極層98上の、一方の端部に形成される。この第1インターコネクタ層102aを形成する部位の位置出しは、画像解析に基づいて実行される。即ち、ドット成膜装置110の固定治具116に固定された多孔質支持体97をカメラ126で撮像し、多孔質支持体97上の燃料極層98が形成されている部分と、形成されていない部分の境界線が画像解析により特定される。この特定された境界線の位置に基づいて、燃料極層98上の所定の領域に第1インターコネクタ層102aがドット成膜される。この境界線の特定は、多孔質支持体97上に形成されている各燃料極層98毎に実行される。
図9のステップS3の第1マスキング形成工程においては、固定治具116を基準に位置出しが行われているが、第1インターコネクタ形成工程においては、第1位置出し工程として、画像解析を使用して各燃料極層98の位置に基づいて位置出しを行っている。このため、仮焼成による多孔質支持体97の収縮や、多孔質支持体97の取り付け位置の変化に関わらず、第1インターコネクタ層102aを正確に各燃料極層98に位置合わせすることができる。また、燃料極層98を形成するためのマスキング層104は、多孔質支持体97の回転中心線Aに直交するように形成されていた。このため、燃料極層98の縁は回転中心線Aに直交するように形成されており、多孔質支持体97をどの回転位置で撮像しても、燃料極層98と多孔質支持体97の境界線の位置は一定となり、第1インターコネクタ層102aの形成位置を一意的に位置決めすることができる。また、本実施形態においては、多孔質支持体97は概ね白色であり、燃料極層98は薄緑色であるため、明度のコントラストが高く、モノクロの撮像画像によっても正確に画像解析を行うことができる。また、画像解析をモノクロ画像に基づいて行うことにより、画像解析に要する処理時間を短縮することができる。
さらに、第1インターコネクタ形成工程においては、第1インターコネクタ層102aの膜が形成された後、堆積されたスラリーを乾燥させる乾燥工程(図示せず)が実施される。本実施形態においては、乾燥工程において、約100℃で約10分間スラリーを乾燥させる。
次に、ステップS7においては仮焼成工程が実施される。仮焼成工程においては、ステップS6において第1インターコネクタ層102aの膜を形成した多孔質支持体97が、加熱炉(図示せず)により加熱され、仮焼成される。この仮焼成工程により、各燃料極層98上に形成されている第1インターコネクタ層102aの膜が硬化される。本実施形態においては、第1インターコネクタ層102aは、加熱炉により約1000℃で約2時間加熱される。この仮焼成されたLSTNF製の第1インターコネクタ層102aの色は、概ね茶色である。
次に、ステップS8においては第2マスキング形成工程として、ステップS7において仮焼成された第1インターコネクタ層102aに、ドット成膜装置110によりマスキング形成剤が塗布され、マスキング層106が形成される。即ち、第2マスキング形成工程は、マスキング形成剤を、マスキング層106を形成すべき領域に、液滴状にして連続的に噴射することにより、第1インターコネクタ層102a上にマスキング形成剤のドットを形成し、このドットの集積によりマスキング層106を形成するドット成膜工程である。
図10(e)に示すように、マスキング層106は、第1インターコネクタ層102a上に、その両側の端部を残して第1インターコネクタ層102aを覆うように形成される。このマスキング層106を形成する位置の位置出しは、第2位置出し工程として、ドット成膜装置110のカメラ126を使用して、画像解析により実行される。第1インターコネクタ層102aは茶色であり、多孔質支持体97は概ね白色であり、燃料極層98は薄緑色であるため、明度のコントラストが高く、撮像画像によって正確に位置決めすることができる。このドット成膜されたマスキング層106は、マスキング形成剤塗布後、自然乾燥される。第2マスキング形成工程において使用されるマスキング形成剤は、第1マスキング形成工程において使用されたマスキング形成剤と同一である。
次に、ステップS9においては、電解質層形成工程として、ステップS8においてマスキング層106が形成された多孔質支持体97に、発電素子16aの機能層のうちの1つである電解質層100が成膜される。具体的には、第2面成膜工程である電解質層形成工程においては、面成膜装置130によって、電解質層を形成するためのスラリーがマスキング層106の上から多孔質支持体97に接触され、マスキング層106のない部分に電解質層100が面成膜される。従って、電解質層形成工程においては、面成膜装置130は電解質層形成装置として機能する。この電解質層形成工程は、面成膜された燃料極層98の上に面成膜を行う上層面成膜工程であり、1本の多孔質支持体97上に形成される全ての発電素子16aの各電解質層100が同時に面成膜される面成膜工程である。
本実施形態においては、電解質層形成工程において使用されるスラリーは、LSGM粉末がアルコール系溶剤に懸濁された液体である。このスラリーはマスキング層106の上から多孔質支持体97全体に接触されるが、スラリーはマスキング層106により撥かれ、マスキング層106の上には堆積しない。この結果、図10(f)に示すように、電解質層100の膜は、マスキング層106のない部分にのみ形成される。即ち、多孔質支持体97及び燃料極層98の全ての露出部分、及び第1インターコネクタ層102aのマスキング層106に覆われていない両側の縁部分が、電解質層100の膜により覆われる。
また、図4に示すように、燃料極層98の縁部は丸く形成されているため、その上に積層される電解質層100のスラリーは、燃料極層98と多孔質支持体97の境界部に隙間なく入り込み、電解質層100の下の空隙の発生を防止することができる。さらに、電解質層100を形成すべきスラリーは、マスキング層106によって撥かれ、マスキング層106に付着しないため、表面張力によって縁部が丸く堆積される。電解質層形成工程においては、面成膜により電解質層100が形成されるため、ドット痕の発生がなく、平滑な表面を得ることができる。また、電解質層100は、面成膜された燃料極層98の上に形成されるため、下層の表面の凹凸により平滑性が損なわれることもない。
さらに、電解質層形成工程においては、多孔質支持体97上に電解質層100の膜が形成された後、堆積されたスラリーを乾燥させる乾燥工程(図示せず)が実施される。本実施形態においては、乾燥工程において、約100℃で約5分間スラリーを乾燥させる。なお、多孔質支持体97上に形成されているマスキング層106は、乾燥工程後もそのまま維持される。
次に、ステップS10においては、仮焼成工程が実施される。仮焼成工程においては、ステップS10において電解質層100の膜が形成された多孔質支持体97が加熱炉(図示せず)により加熱され、仮焼成される。図10(g)に示すように、仮焼成工程により、第1インターコネクタ層102a上に形成されているマスキング層106は、蒸発して消失する。これにより、第1インターコネクタ層102aの、マスキング層106に覆われていた部分が露出する。本実施形態においては、電解質層100は、加熱炉により約1000℃で約2時間加熱され、硬化される。この仮焼成されたLSGM製の電解質層100の色は、概ね肌色である。
次に、ステップS11においては、第2インターコネクタ形成工程として、ステップS10における仮焼成により露出した第1インターコネクタ層102aと電気的に接続されるように、第2インターコネクタ層が形成される。具体的には、図10(h)に示すように、第2インターコネクタ形成工程においては、露出した第1インターコネクタ層102a、及び露出部分に隣接する電解質層100の縁部を覆うように、第2インターコネクタ層102bがドット成膜装置110により形成される。即ち、第2インターコネクタ形成工程は、第2インターコネクタ層102bを形成するためのスラリーを、第2インターコネクタ層102bを形成すべき領域に、液滴状にして連続的に噴射することにより、所定の領域にスラリーのドットを形成し、このドットの集積により第2インターコネクタ層102bを形成するドット成膜工程である。従って、第2インターコネクタ形成工程においては、ドット成膜装置110はインターコネクタ形成装置として機能する。
本実施形態においては、第2インターコネクタ層102bを形成するためのスラリーとして、SLTの粉末がアルコール系溶剤に懸濁された液体を使用することができる。このように、本実施形態では、第1インターコネクタ層102aと第2インターコネクタ層102bは異なる材料で形成されている。さらに、第2インターコネクタ形成工程においては、第2インターコネクタ層102bの膜が形成された後、堆積されたスラリーを乾燥させる乾燥工程(図示せず)が実施される。本実施形態においては、乾燥工程において、約100℃で約10分間スラリーを乾燥させる。なお、第2インターコネクタ形成工程における、第2インターコネクタ層102bを形成する部分の位置出しは、第3位置出し工程として、画像解析を使用して実行される。第3位置出し工程においては、仮焼成された第1インターコネクタ層102aと電解質層100の色の相違に基づいて、それらの境界線が特定される。
次に、ステップS12においては、第1焼成工程が実施される。第1焼成工程においては、ステップS11までに形成された多孔質支持体97、燃料極層98、電解質層100、第1インターコネクタ層102a、及び第2インターコネクタ層102bが加熱炉(図示せず)により加熱され、焼成される。これにより、多孔質支持体97、及びその上に形成された各機能層が一体化される。本実施形態においては、第1焼成工程において、約1300℃で約2時間、加熱炉により加熱される。なお、本実施形態において、第1焼成工程後では電解質層100は概ね黒色であり、第2インターコネクタ層102bも黒色であるが、電解質層100上に重なる第2インターコネクタ層102b端部は概ね白色である。
次に、ステップS13においては、空気極層形成工程として、ステップS12において焼成された電解質層100の上に、最外機能層である空気極層が形成される。具体的には、図10(i)に示すように、最外層成膜工程である空気極層形成工程においては、第2インターコネクタ層102b及び電解質層100の一部を覆うように、ドット成膜装置110により空気極層101が形成される。即ち、空気極層形成工程は、空気極層101を形成するためのスラリーを、空気極層101を形成すべき領域に、液滴状にして連続的に噴射することにより、所定の領域にスラリーのドットを形成し、このドットの集積により空気極層101を形成するドット成膜工程である。従って、空気極層形成工程においては、ドット成膜装置110は空気極層形成装置として機能する。
また、空気極層形成工程においては、図4に示すように、空気極層101の縁部の厚さが中央部の厚さよりも薄くなるように、ドット成膜装置110の送りが調整される。即ち、各空気極層101の形成開始時において、ドット成膜装置110のジェットディスペンサー122の軸線方向の送り量を大きくすることにより、形成されるドットの軸線方向の重なり量を小さくして、形成される空気極層101を薄くする。その後、ジェットディスペンサー122の送り量を次第に小さくすることにより、形成されるドットの重なり量を大きくし、空気極層101を厚くする。1つの空気極層101の形成終了時においては、ジェットディスペンサー122の軸線方向の送り量を次第に大きくすることによりドットの軸線方向の重なり量を小さくして空気極層101を薄くする。このように、空気極層101の縁部を薄く形成することにより、最外機能層である空気極層101の焼成後における剥離を防止することができる。
本実施形態においては、空気極層101を形成するためのスラリーとして、LSCFの粉末がアルコール系溶剤に懸濁された液体を使用することができる。なお、空気極層形成工程における、空気極層101を形成する部分の位置出しは、第4位置出し工程として、画像解析を使用して実行される。第4位置出し工程においては、第1焼成工程後の第2インターコネクタ層102b端部と電解質層100の色の相違に基づいて、それらの境界線が特定される。さらに、空気極層形成工程においては、空気極層101の膜が形成された後、堆積されたスラリーを乾燥させる乾燥工程(図示せず)が実施される。本実施形態においては、乾燥工程において、約100℃で約10分間スラリーを乾燥させる。
次に、ステップS14においては、第2焼成工程が実施される。第2焼成工程においては、ステップS13において形成された空気極層101が加熱炉(図示せず)により加熱され、焼成される。これにより、空気極層101が、その下側に形成されている電解質層100及び第2インターコネクタ層102bと一体化される。本実施形態においては、第2焼成工程において、約1000℃で約2時間、加熱炉により加熱される。
この第2焼成工程により、本実施形態の燃料電池セル16が完成される。
図11は第2焼成工程終了後の空気極層101の表面状態を示す図であり、図11(a)は空気極層101表面の拡大写真であり、図11(b)は拡大写真に対応する部分に形成された各ドットを模式的に示す図である。
図11(a)に示すように、焼成された空気極層101の表面にはドットの縁に対応する位置に微少な亀裂が発生している。これは、ドット成膜された空気極層101が、第2焼成工程において収縮されることにより、表面に微少な亀裂が発生したものである。ここで、空気極層形成工程(ステップS13)においては、第2インターコネクタ層102bまでが形成された多孔質支持体97を回転させると同時に、ジェットディスペンサー122をガイドレール120に沿って移動させながら、スラリーの液滴が連続的に噴射される。このため、各液滴が付着することにより形成される各ドットは、円周方向及び軸線方向に互いに重なり合いながら螺旋を描くように配列される。
なお、本実施形態においては、ジェットディスペンサー122から吐出される1つの液滴によって形成されるドットは、直径約500μmの概ね円形であり、そのドット痕が適度に表面に残っている。このように空気極層101を形成することにより、空気極層101の表面には微小な亀裂が発生し、焼成による収縮を吸収可能な表面形状となる。好ましくは、直径約200μm〜1000μmのドットが形成されるように、ジェットディスペンサー122の噴射ノズル穴128aの直径、スラリーの粘性等を調整する。
また、変形例として概ね長円形のドットが形成されるように、ドット成膜装置110を構成することもでき、この場合には、ドットの長軸の長さを約200μm〜1000μmとするのが良い。ドットの形状は、噴射ノズル穴128aの形状、多孔質支持体97の回転数(rpm)、液滴を噴射する間隔、スラリーの粘性等により適宜設定することができる。このように、空気極層形成工程において集積されるスラリーの各ドットを長円形とすることにより、集積された際の重なりを大きくすることができ、剥離の抑制効果を高めることができる。また、長円形のドットの長軸の長さを、約200μm〜1000μmとすることにより、空気極層101の熱膨張の影響を十分に吸収して、剥離を防止することができると共に、空気極層形成工程に要する時間も短縮することができる。
このようにして形成されたドットの配列を模式的に示したものが、図11(b)である。図11(b)においては、まず、ドットIが形成され、次いで、僅かに多孔質支持体97が回転された状態で、ドットIIが部分的にドットIと重なるように形成される。続いて、ドットIII、ドットIVが、部分的に重なるように順次形成されていく。このように、ドットが順次配列され、多孔質支持体97が1回転してドットIの位置に戻ったときには、ジェットディスペンサー122は軸線方向にドットVの位置まで送られており、ドットVは軸線方向にドットIと部分的に重なるように形成される。続いて、ドットVI、ドットVIIが部分的に重なるように順次形成される。
このようにドットが配列されているため、例えば、ドットIIにおいて空気極層101の表面に露出している境界線は、図11(b)中のBで示す部分のみであり、境界線の他の部分は他のドットにより覆われて表面に露出していない。このため、露出した境界線に亀裂が生じたとしても、境界線の他の部分は他のドットにより押さえられているので、亀裂が生じたことによりドットが脱落することはない。また、空気極層101の表面に微小な亀裂を生じさせることにより、焼成時の熱膨張率差によって生じる歪みが分散され、応力を吸収することができる。このため、空気極層101に大きな剥離が生じることはない。
このようにして完成された燃料電池セル16各部の電子顕微鏡写真を、図12に示す。図12(a)は多孔質支持体97の電子顕微鏡写真を示し、(b)は燃料極層98、(c)は電解質層100、(d)は空気極層101の電子顕微鏡写真を示す。
図12(a)に示すように、多孔質支持体97は、各機能層を支持するための構成であり、燃料ガスの透過性が高いほど好ましく、超多孔体構造にされている。図12(b)に示すように、燃料極層98は、燃料ガスの水素分子を透過させる機能と共に、発電反応により生成された電荷を運ぶ導電体として機能させるため、多孔質支持体97よりも空隙の少ない多孔質とされている。同様に、図12(d)に示すように、空気極層101も、空気中の酸素分子を透過させる機能と共に、発電反応により生成された電荷を運ぶ導電体として機能させるため、多孔質支持体97よりも空隙の少ない多孔質とされている。また、図12(c)に示すように、電解質層100は、発電反応を発生させると共に、燃料極側と空気極側の気密性を確保するために、緻密に構成されている。
また、図10(i)において、多孔質支持体97上に、燃料極層98、電解質層100及び空気極層101が順に積層されている部分は、燃料電池セル16上に形成された発電部である各発電素子16aとして機能する。これらの発電素子16aにおいて生成された電荷は、集電部(多孔質支持体97上に電解質層100及び空気極層101のみが積層されている部分)の空気極層101を介して運搬され、接続部(多孔質支持体97上に燃料極層98、第1インターコネクタ層102a、第2インターコネクタ層102b、電解質層100及び空気極層101が順に積層されている部分)を介して、隣接する発電素子16aのアノードに接続される。また、電解質層100上の、第2インターコネクタ層102b及び空気極層101が形成されていない部分(電解質層100が露出した部分)は、隣接する発電素子16aの各空気極層101の間を絶縁する絶縁部として機能する。
本発明の第1実施形態の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法によれば、機能層を形成する成膜工程が、成膜が不要な部分にマスキング層を形成し、このマスキング層の上から機能層である燃料極層98及び電解質層100を形成するためのスラリーを接触させる面成膜工程(図9のステップS4及びS9)、及びスラリーを液滴状にして連続的に噴射することによりスラリーのドットを形成し、このドットの集積により機能層である空気極層101を形成するドット成膜工程(図9のステップS13)の両方を含むので、多孔質支持体97に製造誤差がある場合でも、安定した性能の燃料電池セルを短時間で製造することができる。
また、本実施形態の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法によれば、多孔質支持体97に隣接して形成される燃料極層98が面成膜により形成(図9のステップS4)されるので、ドット成膜の場合のように、多孔質支持体97にスラリーが浸透して、ムラが発生したり、製造時間が増大するのを防止することができる。また、面成膜(図9のステップS4、S9)は、マスキング層104、106を形成し、マスキング層の上からスラリーを接触させるので、多孔質支持体97の平面性、直線性等が燃料極層98、及び電解質層100の厚さに直接悪影響を与えることがなく、これらの機能層の表面を平滑に形成することができる。また、面成膜により形成された電解質層100に隣接して、ドット成膜により空気極層101が形成されるので、ドット成膜により形成される空気極層101の位置精度を高くすることができると共に、ドット抜けやドット剥離防止することができる。
さらに、本実施形態の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法によれば、第1インターコネクタ層102aがドット成膜(図9のステップS6)により形成されるので、効率的に第1インターコネクタ層102aを形成することができる。即ち、第1インターコネクタ層102aは、燃料極層98や電解質層100に比べ面積が小さいため、これを面成膜で実施したとすれば、マスキングを施す部分が多くなり、製造効率が低下する。また、隣接する発電素子の燃料極層98と空気極層101を電気的に導通させるインターコネクタ層102は、高い位置精度が要求されるが、このように位置精度が要求される微少な部分を残してマスキングを施すことは困難である。第1インターコネクタ層102aをドット成膜で形成することにより、位置精度を向上させることができる。
また、本実施形態の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法によれば、多孔質支持体97に隣接した燃料極層98及びこれに隣接した電解質層100が面成膜工程(図9のステップS4、S9)により形成されるので、燃料極層98の平滑性が高く、隣接して形成される電解質層100に悪影響を与えることがない。また、多孔質支持体97に隣接した燃料極層98及び電解質層100は、面積が広いため、面成膜に必要なマスキング層104、106の面積を小さくすることができ、効率的に燃料電池セルを製造することができる。
さらに、本実施形態の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法によれば、第1インターコネクタ層102aと接続される第2インターコネクタ層102bがドット成膜(図9のステップS6、S11)により形成されるので、小面積で、位置精度の要求される第2インターコネクタ層102aを効率的に製造することができる。
また、本実施形態の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法によれば、電解質層100を面成膜した後、仮焼成工程(図9のステップS10)が実施されるので、少量の収縮により固着力が高められ、電解質層100の剥離や割れを防止することができる。このため、スクリーン印刷やドット成膜でない面成膜により、良好な電解質層100を効率良く製造することができる。
さらに、本実施形態の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法によれば、最外層である空気極層101をドット成膜(図9のステップS13)により形成するので、最外層を、熱収縮を吸収することができる形状に形成することができる。即ち、電解質層100に隣接する最外層の空気極層101は、強度が必要であるため厚く形成する必要がある。空気極層101を適度なドット痕が残るように形成することにより、図11(a)に示すような微小なクラックがドット痕に沿って形成され、これにより空気極層101の収縮が吸収され、剥離や割れを回避することができる。
次に、図13を参照して、本発明の第2実施形態による固体酸化物形燃料電池セルを説明する。
本発明の第2実施形態による燃料電池セルは、3つの機能層である燃料極層、電解質層、及び空気極層が夫々2つの層から形成されている点が、上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
図13は、本発明の第2実施形態による燃料電池セルの多孔質支持体表面に形成された機能層を拡大して示した断面図である。
図13に示すように、本実施形態の燃料電池セル200は、円筒形の多孔質支持体202と、その上に形成された3つの機能層である燃料極層204、電解質層206、及び空気極層208を有する。燃料電池セル200には、多孔質支持体202上に燃料極層204、電解質層206、及び空気極層208を順次形成することにより複数の発電素子200aが形成されている。これらの各発電素子200aはインターコネクタ層210により電気的に直列に接続されている。本実施形態においては、1本の燃料電池セル200上に12個の発電素子200aが形成され、これらがインターコネクタ層210により接続されている。
次に、多孔質支持体202及び各機能層の構成を説明する。
多孔質支持体202は、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、フォルステライト粉末を主成分として、バインダーを添加した混合物を円筒形に押し出し成形し、焼結することにより形成されている。
燃料極層204は、本実施形態においては、下層燃料極層204aと、その上に形成された上層燃料極層204bの2つの層から形成されている。これら2つの層のうちの下層燃料極層204aは、第1実施形態と同様に、NiO粉末及び10YSZ(10mol%Y23−90mol%ZrO2)粉末の混合物により構成された導電性の薄膜である。一方、上層燃料極層204bは、NiO粉末と、GDC(10mol%Gd23−90mol%CeO2)粉末の混合物により構成された導電性の薄膜である。
ここで燃料極層は、一般に、水素と酸素イオンを反応させる触媒機能と、反応により生じた電荷(電子)を運搬する機能とを備える必要がある。本実施形態の燃料電池セル200においては、下層燃料極層204aを上層燃料極層204bよりも導電性の高い材料で構成する一方、上層燃料極層204bを下層燃料極層204aよりも触媒活性の高い材料で形成している。これにより、電解質層206直下の上層燃料極層204bにおいて発生した電荷を、下層燃料極層204aにより効率的に運ぶことが可能になり、高性能な燃料極層204を構成することができる。
固体電解質層206は、本実施形態においては、下層電解質層206aと、その上に形成された上層電解質層206bから構成されている。これら2つの層のうちの下層電解質層206aは、セリウム系複合酸化物(LDC40。すなわち、40mol%のLa23−60mol%のCeO2)の粉末等により構成された薄膜である。一方、上層電解質層206bは、第1実施形態と同様に、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23の組成のLSGM粉末により構成された薄膜である。
下層電解質層206aは反応抑制層として機能し、下層電解質層206aにより、上層燃料極層204bと上層電解質層206bの間の化学反応が抑制されている。
上層電解質層206bは、第1実施形態における電解質層と同様に、これを介して酸化物イオンと水素又は一酸化炭素が反応することにより電気エネルギーを生成する。
空気極層208は、本実施形態においては、下層空気極層208aと、その上に形成された上層空気極層208bから構成されている。これら2つの層のうちの下層空気極層208aは、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.23の組成のLSCF粉末により構成された導電性の薄膜である。上層空気極層208bは、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.23の組成のLSCF粉末により構成された導電性の薄膜である。
ここで空気極層は、一般に、空気中の酸素をイオン化する触媒機能と、酸素と反応すべき電子を運搬する機能とを備える必要がある。本実施形態の燃料電池セル200においては、下層空気極層208aを上層空気極層208bよりも触媒活性の高い材料(酸素イオン変換性能が高い材料)で構成する一方、上層空気極層208bを下層空気極層208aよりも電子伝導性の高い材料で形成している。これにより、上層空気極層208bにより運ばれた電子によって、酸素を電解質層206に隣接する下層空気極層208aにおいて効率的にイオン化することが可能になり、高性能な空気極層208を構成することができる。
インターコネクタ層210は、第1実施形態と同様に、第1インターコネクタ層210aと、その上に設けられた第2インターコネクタ層210bから構成されている。
本発明の第2実施形態による燃料電池セルの製造方法を説明する。
ここでは、図9を用いて説明した、第1実施形態における製造工程に対する変更点のみを説明する。
まず、図9のステップS1〜S3は、第1実施形態と同様である。
次に、第1実施形態では、図9のステップS4において、面成膜装置130により燃料極層を面成膜した後、堆積されたスラリーを乾燥工程により乾燥させている。第2実施形態においては、まず、面成膜装置130により下層燃料極層204aを成膜し、乾燥工程により乾燥させた後、再び面成膜装置130により上層燃料極層204bを成膜し、乾燥させる。これにより、多孔質支持体202上のマスキング層が形成されていない部分に下層燃料極層204aが形成され、この下層燃料極層204aの上に上層燃料極層204bが形成される。
ここで、下層燃料極層204aを形成するために使用するスラリーの粘性は、上層燃料極層204bを形成するために使用するスラリーの粘性よりも高くされている。即ち、多孔質支持体202上に直接成膜される下層燃料極層204a用のスラリーの粘性を高くしておくことにより、スラリーの多孔質支持体202内への過度の浸透を防止することができる。また、上層燃料極層204b用のスラリーの粘性を低くすることにより、堆積されたスラリーが容易に広がり、堆積された上層燃料極層204b表面の平滑度を高くすることができる。なお、スラリーの粘性は、燃料極層を構成する材料の粉末と、これを懸濁させる溶剤の比率、懸濁される粉末の粒径、懸濁させる溶剤の種類等により、適宜設定することができる。
上層燃料極層204bの平滑度が低く層の厚さが不均一になると、燃料極層において発生する発電反応が燃料極層上の各部で不均一になる。発電反応が不均一となると、発電反応が強い部分に電流が集中し、燃料電池セル200における発電作用が不安定になる。本実施形態によれば、このような電流集中を抑制することができる。さらに、上層燃料極層204b表面の平滑度を高くすることにより、上層燃料極層204bの上に堆積される電解質層206、及び空気極層208の平滑度に悪影響を与えるのを防止することができる。
さらに、図9のステップS5〜S8は、第1実施形態と同様である。
次に、第1実施形態では、図9のステップS9において、面成膜装置130により電解質層を面成膜した後、堆積されたスラリーを乾燥工程により乾燥させている。第2実施形態においては、まず、面成膜装置130により下層電解質層206aを成膜し、乾燥工程により乾燥させた後、再び面成膜装置130により上層電解質層206bを成膜し、乾燥させる。これにより、第1インターコネクタ層210a上のマスキング層が形成されていない部分に下層電解質層206aが形成され、この下層電解質層206aの上に上層電解質層206bが形成される。
さらに、図9のステップS10〜S12は、第1実施形態と同様である。
次に、第1実施形態では、図9のステップS13において、ドット成膜装置110により空気極層を成膜した後、堆積されたスラリーを乾燥工程により乾燥させている。第2実施形態においては、まず、ドット成膜装置110により下層空気極層208aを成膜し、乾燥工程により乾燥させた後、再びドット成膜装置110により上層空気極層208bを成膜し、乾燥させる。これにより、第2インターコネクタ層210b及び上層電解質層206bの一部を覆うように下層空気極層208a及び上層空気極層208bが形成される。
ここで、下層空気極層208aを形成するために使用するスラリーの粘性は、上層空気極層208bを形成するために使用するスラリーの粘性よりも低くされている。即ち、下層空気極層208a用のスラリーの粘性を低くしておくことにより、ジェットディスペンサー122により噴射され上層電解質層206bに付着したスラリーの液滴は薄く広がるので、ドット痕が残りにくく、平滑な下層空気極層208aを形成することができる。一方、上層空気極層208b用のスラリーの粘性を高くしておくことにより、噴射され下層空気極層208aに付着したスラリーの液滴はあまり広がらず、形成される上層空気極層208bは厚くなる。このように、触媒活性の高い下層空気極層208aを平滑に構成しておくことにより、空気極層における触媒反応を均一にすることができ、触媒反応の不均一性による電流集中を抑制することができる。また、上層空気極層208bは厚く形成されるので、空気極層の電気抵抗を低下させることができると共に、最も剥離が発生しやすい最外機能層である上層空気極層208bを強化することができる。
最後に、第1実施形態と同様の図9のステップS14の第2焼成工程により、本実施形態の固体酸化物形燃料電池セル200が完成する。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、図7記載の面成膜装置を使用して、マスキングを施した多孔質支持体に、スラリーを下方から吐出させることにより接触させ、面成膜を行っていたが、変形例として、種々の方向でスラリーを接触させることができる。例えば、マスキングを施した多孔質支持体の上からスラリーを流下させることにより、スラリーを接触させることもできる。また、マスキングを施した多孔質支持体に、スラリーを噴霧することにより、スラリーを接触させることもできる。さらに、マスキングを施した多孔質支持体を、スラリーを収容した槽内に漬けることにより、スラリーを接触させることもできる。
また、上述した実施形態においては、多孔質支持体上に、燃料極層、電解質層、空気極層の順に機能層が積層されていたが、空気極層、電解質層、燃料極層の順に機能層を形成することもできる。この場合には、多孔質支持体の内側に空気を流入させ、外側に燃料ガスを流すことにより発電を行う。
さらに、上述した実施形態においては、多孔質支持体は円筒形であったが、楕円型、平板型等種々の形態の固体酸化物形燃料電池セルに本発明を適用することができる。
1 固体酸化物形燃料電池システム
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
6 ハウジング
8 燃料電池セル収容容器
10 発電室
16 本発明の実施形態の燃料電池セル(固体酸化物形燃料電池セル)
16a 発電素子
18 排気集約室
20 燃料ガス供給流路
21 排ガス排出流路
22 酸化剤ガス供給流路
24 水供給源
26 純水タンク
28 水流量調整ユニット
30 燃料供給源
34 熱交換器
35 電磁弁
36 脱硫器
38 燃料ブロア
40 空気供給源
45 空気流量調整ユニット
50 温水製造装置
54 インバータ
56 酸化剤ガス導入パイプ
58 排ガス排出パイプ
60 燃焼触媒
61 シースヒーター
62 点火ヒーター
63 第1固定部材
64 内側円筒部材
64b 小穴
65 中間円筒部材
66 外側円筒部材
68 内側円筒容器
70 外側円筒容器
72 分散室底部材
72a 挿通管
74 酸化剤ガス噴射用パイプ
76 燃料ガス分散室
80 バスバー
82 集電体
86 蒸発部
86a 傾斜板
88 水供給パイプ
90 燃料ガス供給パイプ
92 燃料ガス供給流路隔壁
92a 噴射口
94 改質部
96 改質触媒
97 多孔質支持体
98 燃料極層
100 電解質層
101 空気極層
102 インターコネクタ層
102a 第1インターコネクタ層
102b 第2インターコネクタ層
104 マスキング層
106 マスキング層
110 ドット成膜装置
112 台座
114 モーター
116 固定治具
116a 心押し棒
118 ヘッド部
120 ガイドレール
122 ジェットディスペンサー
124 スラリー容器
126 カメラ
128 ノズル部
128a 噴射ノズル穴
128b 凹部
128c スラリー供給通路
129 噴射アクチュエータ
129a 可撓性プレート
129b 突起部
130 面成膜装置
131 台座
132 固定治具
134 モーター
136 面成膜ノズル
138 ポンプ
139 スラリー容器
200 本発明の第2実施形態の燃料電池セル(固体酸化物形燃料電池セル)
200a 発電素子
202 多孔質支持体
204 燃料極層
204a 下層燃料極層
204b 上層燃料極層
206 電解質層
206a 下層電解質層
206b 上層電解質層
208 空気極層
208a 下層空気極層
208b 上層空気極層
210 インターコネクタ層
210a 第1インターコネクタ層
210b 第2インターコネクタ層

Claims (9)

  1. 多孔質支持体上に複数の発電素子を形成し、これらの発電素子をインターコネクタにより接続した固体酸化物形燃料電池セルの製造方法であって、
    上記多孔質支持体を形成する支持体形成工程と、
    上記複数の発電素子を構成する機能層である燃料極層、電解質層、及び空気極層を上記多孔質支持体上に所定の順序で積層させ、形成する成膜工程と、
    この成膜工程により上記機能層が形成された上記多孔質支持体を加熱し、焼成する焼成工程と、を有し、
    上記成膜工程は、
    成膜が不要な部分にマスキング層を形成し、このマスキング層の上から上記機能層のうちの第1の機能層を形成するためのスラリーを接触させることにより、上記マスキング層のない部分に、上記複数の発電素子の第1の機能層を同時に形成する面成膜工程、及び
    上記機能層のうちの第2の機能層を形成するためのスラリーを、第2の機能層を形成すべき領域に液滴状にして連続的に噴射することによりスラリーのドットを形成し、このドットの集積により上記第2の機能層を形成するドット成膜工程を含むことを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルの製造方法。
  2. 上記多孔質支持体に隣接して形成される機能層は、上記面成膜工程により形成され、上記ドット成膜工程によって形成される機能層は、上記面成膜工程により形成された機能層に隣接して形成される請求項1記載の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法。
  3. さらに、上記多孔質支持体に隣接して形成された機能層に接続されるように、上記インターコネクタを形成するためのスラリーを液滴状にして連続的に噴射することによりスラリーのドットを形成し、このドットの集積により第1インターコネクタ層を形成する第1インターコネクタ形成工程を有する請求項2記載の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法。
  4. 上記多孔質支持体に隣接して形成された機能層に隣接して、上記電解質層が上記面成膜工程により形成される請求項3記載の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法。
  5. さらに、上記電解質層を形成する上記面成膜工程の後、上記第1インターコネクタ形成工程により形成された上記第1インターコネクタ層と接続される第2インターコネクタ層を、ドットの集積により形成する第2インターコネクタ形成工程を有する請求項4記載の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法。
  6. 上記電解質層を形成する上記面成膜工程の後、上記第2インターコネクタ形成工程を行う前に、上記電解質層を加熱して硬化させる仮焼成工程を行う請求項5記載の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法。
  7. 上記仮焼成工程により硬化された上記電解質層に隣接するように、上記ドット成膜工程により最外層の機能層が形成される請求項6記載の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法を実施するための製造システムであって、
    上記機能層を形成するためのスラリーを接触させることにより、上記機能層を形成する面成膜装置と、
    上記機能層を形成するためのスラリーを液滴状にして連続的に噴射することにより上記機能層を形成するドット成膜装置と、
    上記機能層が形成された上記多孔質支持体を、加熱する加熱炉と、
    を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル製造システム。
  9. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の固体酸化物形燃料電池セルの製造方法により製造された固体酸化物形燃料電池セル。
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