JP2016103335A - 固体酸化物形燃料電池の製造方法及び塗布装置 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池の製造方法及び塗布装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い位置精度で均一にスラリーを塗布することができる固体酸化物形燃料電池の製造方法、及び、スラリーを塗布する塗布装置を提供する。【解決手段】ワーク203上のインターコネクタ(第2のインターコネクタ層)及び空気極(第1の空気極層)のうち少なくとも一方が形成される領域の所定位置にノズル211が配置される。スラリーが排出される間、ワーク203とノズル211の先端とが接触するか、ノズル211の先端とワーク203との距離がワーク203上に塗布されるスラリーの膜の厚さよりも小さくなるように、ワーク203に対するノズル211位置が設定される。ワーク203を周方向に回転させながら、ノズル211から領域に所定量のスラリーが排出されて、インターコネクタ及び空気極のうち一方のスラリーの膜が形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池を製造する方法、及び、該製造方法に用いられる塗布装置に関し、特にインターコネクタ及び空気極の成膜に関する。
固体酸化物形燃料電池の例として、円筒型固体酸化物形燃料電池や平板型固体酸化物形燃料電池が知られている。例えば円筒型固体酸化物形燃料電池では、複数の円筒形状のセルスタックが電気的に並列に接続されて燃料電池内部に収容される。各セルスタックにおいて、例えばカルシウム安定化ジルコニア(CSZ)製の多孔質の基体管上に、燃料極、固体電解質膜、及び、空気極が積層された燃料電池セルが複数形成され、隣接する燃料電池セルがインターコネクタで連結される。緻密かつ高導電性とするとともに、電解質や燃料極との反応を抑制するために、インターコネクタを2層構成とする場合がある(例えば特許文献1)。空気極と固体電解質膜との接触抵抗を改善するために、空気極を2層構成とする場合がある(例えば特許文献2)。
上記固体酸化物形燃料電池の作製では、まず燃料極、固体電解質膜及びインターコネクタは、通常、基体管上にスクリーン印刷法で成膜される。その後、燃料極、固体電解質膜及びインターコネクタは、基体管とともに共焼結される。共焼結後の固体電解質膜上に、空気極が形成される。
空気極の形成方法として、特許文献2などのようにスクリーン印刷が用いられるのが一般的である。
特許文献3は、基体管を回転させながらディスペンサから所定量のスラリーの液滴を基体管上に供給して、各燃料電池セルに対応する位置に空気極スラリーを塗布する方法を開示する。
特許第4647901号公報 特開2013−140737号公報 特開2013−175305号公報
燃料極等の積層により共焼結後の基体管の表面には凹凸が発生している。長尺のワークである場合は、ワークに反りや撓みが発生している。共焼結後の基体管上にスクリーン印刷を用いて膜を形成する場合、凹凸に起因する圧力分布が生じる他、反りや撓みにより基体管とスクリーンとの間に部分的に隙間が生じる。この結果、形成される空気極の膜厚や密着性にばらつきが生じ、電池性能に悪影響がある。また、基体管毎に共焼結時の収縮度合いが異なるので、燃料電池セル位置とスクリーンの位置とがずれ、成膜精度が悪いという問題があった。
特許文献3の方法では、共焼結後の基体管とディスペンサとを接触させずにスラリーを滴下するので、厚い膜(100μm以上)が形成される。すなわち、ディスペンサを用いる方法では、薄い膜を成膜することは困難であった。また、ディスペンサは液滴を滴下する方法であるので、均一な膜厚でスラリー膜を形成することができない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、共焼結後の基体管上に高い位置精度で均一にスラリーを塗布することができる固体酸化物形燃料電池の製造方法、及び、スラリーを塗布する塗布装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数の燃料電池セルと、隣接する前記燃料電池セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、前記インターコネクタの膜を形成する工程及び前記空気極の膜を形成する工程のうち少なくとも一方が、前記インターコネクタまたは前記の空気極が形成される領域の所定位置にノズルを配置する工程と、前記基体管を周方向に回転させながら、前記ノズルから前記領域に所定量の前記インターコネクタの材料を含むスラリーまたは前記の空気極の材料を含むスラリーを排出して、前記スラリーの膜を形成する工程とを含み、前記ノズルを配置する工程において、前記スラリーが排出される間の前記ノズルの先端と前記領域が接触する、もしくは、前記ノズルの先端と前記領域との距離が前記領域上に塗布される前記スラリーの膜の厚さよりも小さくなるように、前記ノズルを配置する固体酸化物形燃料電池の製造方法である。
第1の態様において、前記インターコネクタが第1のインターコネクタ層と第2のインターコネクタ層とからなり、前記空気極が第1の空気極層と第2の空気極層とからなり、前記第2のインターコネクタ層の膜を形成する工程及び前記第1の空気極層の膜を形成する工程のうち少なくとも一方が、前記第2のインターコネクタ層または前記第1の空気極層が形成される領域の所定位置にノズルを配置する工程と、前記基体管を周方向に回転させながら、前記ノズルから前記領域に所定量の前記第2のインターコネクタ層の材料を含むスラリーまたは前記第1の空気極層の材料を含むスラリーを排出して、前記スラリーの膜を形成する工程とを含むことが好ましい。
本発明の第2の態様は、基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数の燃料電池セルと、隣接する前記燃料電池セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池における前記インターコネクタ及び前記空気極のうち少なくとも一方を形成するための塗布装置であって、前記基体管上に前記燃料極、前記固体電解質膜、が形成されたワークを支持するとともに、前記ワークの周方向に前記ワークを回転させるワークホルダと、前記インターコネクタの材料を含むスラリーまたは前記空気極の材料を含むスラリーを前記ワーク上に排出するノズルと、所定量の前記スラリーを所定の周期で前記ノズルに送給するスラリー送給部と、前記ワークの表面を撮影するカメラと、前記ノズルを前記ワークの軸方向及び上下方向に移動させるノズル移動部と、制御部とを備え、前記制御部が、前記カメラの画像に基づいて前記ワーク上において前記インターコネクタまたは前記空気極が形成される領域の前記軸方向の位置を検出し、前記ノズル移動部が前記ノズルを前記領域の所定位置まで前記軸方向に移動させ、前記スラリーが排出される間の前記ノズルの先端と前記ワークとの距離が、前記ワーク上に塗布される前記スラリーの膜の厚さよりも小さくなるように、前記ノズル移動部が前記ノズルを移動させ、前記スラリー送給部が前記ノズルに所定量の前記スラリーを供給して、前記ワークを回転させながら、前記ノズルが前記ワーク上の前記領域に所定の厚さの前記スラリーの膜を形成する塗布装置である。
第2の態様において、前記インターコネクタが第1のインターコネクタ層と第2のインターコネクタ層とからなり、前記空気極が第1の空気極層と第2の空気極層とからなる固体酸化物形燃料電池における前記第2のインターコネクタ層及び前記第1の空気極層とからなり、前記第2のインターコネクタ層及び前記第1の空気極層のうち少なくとも一方を形成することが好ましい。
上記のようにノズルを位置決めし、ノズル先端をワークに近接させてスラリーを塗布することにより、成膜の位置精度及び膜厚均一性がスクリーン印刷法よりも大幅に向上する。
特に上記態様の製造方法及び塗布装置は、薄い膜(例えば40μm以下)の第2のインターコネクタ層及び第1の空気極層のうちいずれか一方を正確に形成する場合に有効である。インターコネクタ及び空気極を2層構成とすることにより、発電性能を向上させることができる。第2のインターコネクタ層及び第1の空気極層の位置精度及び膜厚精度が向上することにより、電気化学反応場のばらつきが抑えられる。この結果、各燃料電池セルでの発電量が略一定となり、固体酸化物形燃料電池の発電性能が更に向上するという効果を奏することができる。
第1の態様において、ワークが回転するときの前記ワークの位置変動を検出する工程を含み、検出した前記位置変動が設定値から変化した場合に、前記位置変動が設定値を満たすように前記ワークに対する前記ノズルの位置を変更することが好ましい。
第2の態様において、前記ワークが回転するときの前記ワークの位置変動を検出する検出部と、前記ワークに対する前記ノズルの位置を変動させるノズル位置調整部とを備え、前記検出部が、検出した前記位置変動を検出信号として前記制御部に送信し、前記制御部が、前記検出信号に応じて、前記ノズルの位置を変更する変更信号を前記ノズル位置調整部に送信し、前記ノズル位置調整部が前記変更信号に基づいて前記ノズルの位置を変更させることが好ましい。
ノズルの位置を固定した状態で、大きい反りや撓みが発生しているワークを回転させると、ワークとノズル先端との距離が変動する。上記態様に依れば、スラリーを塗布している間のワークとノズル先端との距離を略一定に維持することが可能となり、膜厚制御性を高めることができる。
第1の態様において、前記位置変動として前記ノズルが前記ワークを押す押圧力を検出し、検出した前記押圧力が0である場合に、前記ノズルが前記ワークに近づけられても良い。
第2の態様において、前記検出部が、前記ノズルが前記ワークを押す押圧力を前記位置変動として検出し、前記押圧力を前記検出信号として前記制御部に送信し、前記制御部が前記押圧力の値に応じて前記変更信号を前記ノズル位置調整部に送信しても良い。
押圧力によりワークの位置変動を検出する上記態様は、ノズル先端とワークとが接触させてスラリーを塗布する場合に有効である。押圧力の検出は、容易に位置変動を検知することができるという利点がある。
第1の態様において、前記位置変動として回転時における前記ワークの画像を取得し、回転時における前記画像と、予め取得した静止時における前記ワークの前記画像とから、前記ノズルに対する前記ワークの相対位置の変動を取得し、前記相対位置の変動の値に応じて、前記ワークに対する前記ノズルの位置が変更されても良い。
第2の態様において、前記検出部が前記カメラであり、回転時における前記ワークの画像を前記カメラが撮影し、前記画像を前記検出信号として前記制御部に送信し、前記制御部が、回転時における前記ワークの前記画像と、予め取得している静止時における前記ワークの前記画像とから、前記ノズルに対する前記ワークの相対位置の変動を取得し、前記相対位置の変動に応じて、前記変更信号を前記ノズル位置調整部に送信しても良い。
カメラ画像によりワークの位置変動を検出する上記態様は、ノズル先端とワークとが接触させてスラリーを塗布する場合だけでなく、ノズル先端とワークとを離間させてスラリーを塗布する場合にも有効である。カメラ画像を用いる方法は、位置変動の検出精度が高いという利点がある。
本発明に依れば、膜厚が均一な第2のインターコネクタ層及び第1の空気極層を、高い位置精度で形成することができる。これにより、セルスタック内で電気化学反応場のばらつきが小さくなるので、燃料電池の発電性能が向上する。
更に、塗布工程が簡易であるのでスラリーを短時間で基体管上に塗布することができ、固体酸化物形燃料電池の製造に要する時間を短縮することが可能である。
円筒型の燃料電池のセルスタックの一態様を示す概略図である。 塗布装置の概略図である。 ノズルの一例の全体概略図である。 図3のノズルの排出部を側面から見たときの概略図である。 ノズルの一例の全体概略図である。 図5のノズルの排出部をワーク側から見た概略図である。 ノズルのZ軸方向位置を制御する工程のブロック図である。 カメラを用いてノズルの位置を調整する方法を説明する図である。
図1は、円筒型の燃料電池のセルスタックの一態様を示すものである。円筒型の燃料電池は、発電室内に本実施形態のセルスタック101を複数本収容したものである。但し、セルスタック101を1本収容した場合も採用し得る。
セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを有する。燃料電池セル105は、燃料極109と固体電解質膜111と空気極113とが積層して形成されている。
図2では燃料電池セル105が2つ形成される例であるが、実際には更に多くの燃料電池セル(例えばセルスタック1本あたり約30〜100素子)が形成されている。
基体管103は、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、CSZと酸化ニッケル(NiO)との混合物(CSZ+NiO)、Y安定化ZrO2(YSZ)、MgAlなどを主とする多孔質材料からなる。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115aとを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料極109に拡散させるものである。
基体管103の直径は、軸方向で略均一となっている。基体管103は多孔質であり、燃料とされる水素ガスが基体管103内側から外側(燃料極109側)に向かって流通可能となっている。
燃料極109は、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。燃料極109の厚さは50〜250μmである。
固体電解質膜111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを有するYSZが主として用いられる。この固体電解質膜111は、空気極で生成される酸素イオン(O2−)を燃料極に移動させるものである。固体電解質膜111の厚さは10〜100μmである。
空気極113は、固体電解質膜111との界面付近において、供給される空気等の酸化性ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成するものである。図1の空気極113は、第1の空気極層(空気極中間層)113aと第2の空気極層(空気極導電層)113bとで構成される。第1の空気極層113aはSmドープCeOなどで構成される。第2の空気極層113bはLa(Sr,Ca)MnOで表されるペロブスカイト型酸化物(Sr及びCaドープLaMnO)で構成される。第1の空気極層113aの厚さは5〜50μmである。第2の空気極層113bの厚さは300〜2000μmである。空気極113を2層構成とすることにより、発電性能を向上させることができる。
なお、空気極113は1層構成としても良い。この場合、空気極113はLaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で形成される。
インターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極113と他方の燃料電池セル105の燃料極109とを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続するものである。インターコネクタ107は、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した電気導電性を有する。インターコネクタ107は、燃料ガスと酸化性ガスとが混合しないように緻密な膜となっている。
図1において、インターコネクタ107は第1のインターコネクタ層107aと第2のインターコネクタ層107bとで構成される。第1のインターコネクタ層107aはSrドープTiOで構成される。第2のインターコネクタ層107bはLa(Sr,Ca)MnOペロブスカイト型酸化物などで構成される。第1のインターコネクタ層107aの厚さは10〜100μmである。第2のインターコネクタ層107bの厚さは5〜50μmである。インターコネクタ107を2層構成とすることにより、接触抵抗を低減させることができる。また、隣接する膜との熱膨張差を小さくして膜同士の密着度を向上させることができる。
なお、インターコネクタ107は1層構成としても良い。この場合、インターコネクタ107はSrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物から構成される。
セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の軸方向において最も端に形成された燃料電池セル105の更に端部側にリード部分を有する。リード部分は、セルスタック101で発生した電気を外部に取り出す役割を果たす。
図1の紙面右側端部では、リード部分としてリード膜115aが形成される。リード膜115aは、インターコネクタ107を介して燃料電池セル105の空気極113と電気的に接続される。リード膜115aは、燃料極109と同じ材料(例えばNiとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物)であっても良く、別の導電性材料であっても良い。
図1の紙面左側では、最端部の燃料電池セル105の燃料極109が他の燃料電池セル105よりも基体管103端部に伸長されて形成される。最端部の燃料極109において固体電解質膜111及び空気極113が積層されていない部分が、リード部分115bとなる。
上記セルスタックを形成する工程を以下で説明する。
基体管103は、例えば押出し成形法により形成される。基体管103の直径は、軸方向で略均一となっている。
基体管103上に燃料極109がスクリーン印刷法により形成される。例えば上記燃料極材料(Ni+YSZ)の混合粉末と水系ビヒクル(水に分散剤、バインダ、及び消泡剤を添加したもの)とが混合されて、燃料極用スラリーが作製される。燃料極用スラリーは、基体管103の外周面上の周方向に、燃料電池セル105の素子数に相当する複数の区域に分けて塗布される。粉末の混合比は、燃料極109に要求される性能により適宜選択される。混合粉末と水系ビヒクルとの混合比は、燃料極109の厚さや、スラリー塗布後の膜の状態などを考慮して、適宜選択される。また、水系ビヒクルは有機系ビヒクル(有機溶剤分散剤、バインダを添加したもの)を使用してもよい。
基体管103上にリード膜115aがスクリーン印刷法により形成される。リード膜用スラリーとしては、上記燃料極用スラリーを用いることができる。または、燃料極材料と異なる材料を用いる場合は、リード膜材料の粉末と水系ビヒクル(または有機系ビヒクル)とが混合されて、リード膜用スラリーが作製される。
燃料極109が形成された後、基体管103上に固体電解質膜111がスクリーン印刷法により形成される。例えば上記固体電解質膜111の粉末と上記水系ビヒクル(または有機系ビヒクル)とが混合されて、固体電解質膜用スラリーが作製される。固体電解質膜用スラリーは、基体管103の外周面上の所定位置に、燃料電池セル105の数に相当する複数の区域に分けて塗布される。粉末とビヒクルとの混合比は、固体電解質膜111の厚さや、スラリー塗布後の膜の状態や膜厚などを考慮して適宜選択される。
基体管103上に第1のインターコネクタ層107aがスクリーン印刷法により形成される。例えば上記第1のインターコネクタ層用材料の粉末と水系ビヒクル(または有機系ビヒクル)とが混合されて、第1のインターコネクタ層用スラリーが作製される。インターコネクタ用スラリーは、各区域の間、すなわち、隣接する燃料電池セル105間に相当する位置で、基体管103の外周面の周方向に塗布される。粉末の組成は、インターコネクタに要求される性能に応じて適宜選択される。粉末とビヒクルとの混合比は、スラリー塗布後の膜の状態などを考慮して適宜選択される。
燃料極109、固体電解質膜111及び第1のインターコネクタ層107aのスラリーの膜が形成された基体管103を、大気中にて共焼結する。焼結温度は、具体的に1350℃〜1450℃とされる。
共焼結された固体電解質膜111及び第1のインターコネクタ層107a上に、第2のインターコネクタ層107b、第1の空気極層113a及び第2の空気極層113bを形成する。
第2のインターコネクタ層107b及び第1の空気極層113aの両方またはいずれか一方は、後述する工程により基体管103上の所定位置にスラリーが塗布されることにより形成される。共焼結後あるいは第2のインターコネクタ層107b形成後に、基体管103表面の凹凸や反り、撓みが製造時の許容範囲内であれば、スクリーン印刷、転写ローラによる塗布など公知の方法で第2のインターコネクタ層107bまたは第1の空気極層113aを形成しても良い。
第2の空気極層113bは、第2のインターコネクタ層107b及び第1の空気極層113aが形成された後に形成される。第2の空気極層113bは、特許文献3に例示されるように、ディスペンサを用いて形成される。第2のインターコネクタ層材料の粉末と上記水系ビヒクル(または有機系ビヒクル)とを混合し、第2の空気極層用スラリーを作製する。基体管103上の所定位置にこのスラリーをディスペンサから吐出し、第2の空気極層用スラリーの膜を形成する。粉末とビヒクルとの混合比は、スラリー塗布後の膜の状態や膜厚などを考慮して適宜選択される。
第2のインターコネクタ層107b及び空気極113のスラリーの膜が形成された基体管103が、大気中にて焼結される。焼結温度は、具体的に1100℃〜1250℃とされる。ここでの焼結温度は、基体管103〜第1のインターコネクタ層107aを形成した後の共焼結温度よりも低温とされる。
インターコネクタ107を1層構成とする場合は、基体管103上に燃料極109及び固体電解質膜111がスクリーン印刷法により形成された後、インターコネクタ107のスラリー膜が後述する工程により形成される。インターコネクタ107のスラリー膜を形成した後、基体管103が共焼結される。
空気極113を1層構成とする場合は、共焼結後、空気極113のスラリー膜が後述する工程により形成される。その後、燃料極109〜空気極113のスラリー膜が形成された基体管103が焼結される。
図2はインターコネクタ用スラリー及び空気極用スラリーを塗布するための塗布装置の概略図である。塗布装置201は、ワークホルダ205、ノズル211(211a,211b)、スラリー送給部219、カメラ215(215a,215b)、ノズル移動部213、カメラ移動部217、及び、制御部227を有する。制御部227は例えばコンピュータである。
ワークホルダ205は離間して配置される一対の支持部207と、一方の支持部207に設置されるモータ209とを有する。一対の支持部207の間にワーク203が配置され、ワーク203の両端部が支持部207により支持される。モータ209は、ワーク203を周方向に回転可能とする。モータ209は制御部227に接続する。
第2のインターコネクタ層用スラリーを塗布する場合、ワーク203は燃料極109〜第1のインターコネクタ層107aが形成され共焼結された後の基体管103である。インターコネクタ107を1層構成とする場合は、燃料極109及び固体電解質膜111が形成された後の基体管103がワーク203となる。また、第1の空気極層用スラリーを塗布する場合、空気極113を1層構成とする場合は、燃料極119〜インターコネクタ107(第2のインターコネクタ層107b)が形成された後の基体管103がワーク203となる。
ノズル211及びノズル移動部213は2軸卓上ロボットであり、ノズル移動部213にノズル211a,211bが取付けられる。ノズル移動部213は、ノズル211a,211bをワーク203の軸方向(X軸方向)に移動させるX軸方向移動部、及び、上下方向(Z軸方向)に移動させてワーク203とノズル211の先端との距離を調節するZ軸方向移動部を有する。ノズル211a,211b及びノズル移動部213は制御部227に接続する。
図2では2つのノズル211a,211bが図示されているが、ノズルは1つでも良いし3つ以上であっても良い。複数のノズル211を設置すれば、タクトタイムを短縮することができる。
ワーク203を挟んでノズル移動部213と反対側にカメラ移動部217が設置される。カメラ移動部217は例えばリニアアクチュエータと、リニアアクチュエータに取付けられる台車(不図示)で構成される。カメラ215a,215bは台車に取付けられる。台車が移動することにより、カメラ215a,215bが移動可能となっている。
本実施形態ではカメラ移動部217はワーク203を挟んでノズル移動部213と反対側に配置されるとして説明するが、カメラ移動部217の位置はノズル移動部213と干渉しなければ特に限定されない。
カメラ215a,215bは例えばCCDカメラとされる。カメラ215a,215bは、ワーク203の表面を撮影する。カメラ215a,215bは制御部227に接続する。図2はノズルと同数のカメラが設置された例であるが、カメラは1台でも良い。
カメラ移動部217は、カメラ215a,215bをワーク203の軸方向(X軸方向)に移動させる。カメラ移動部217の一端部にはロータリエンコーダ(不図示)が設置される。ロータリエンコーダは、カメラ215a,215b(台車)の位置情報を取得する。ロータリエンコーダ及び台車は制御部227に接続する。
スラリー送給部219はノズル211a,211bに接続する。スラリー送給部219は、スラリーを収容するタンク221と、ロータリポンプ223と、スラリー配管225a,225bを備える。タンク221は、第2のインターコネクタ用スラリーまたは第1の空気極用スラリーを収容する。ロータリポンプ223は、一定の周期で所定量のスラリーをスラリー配管225a,225bを介してノズル211a,211bに送給する。ロータリポンプ223は制御部227に接続する。
ノズル211はワーク203上にスラリーを塗布する。図3及び図4はノズルの一例を説明する概略図である。図3はノズルの全体図であり、図4はスラリーを排出する際の排出部を側面から見たときの概略図である。
ノズル211はノズル胴体235及びノズル胴体235に取付けられている排出部233を有する。排出部233と反対側のノズル胴体235の端部に、スラリー配管225が接続される。
ノズル胴体235の一部はノズル支持部231内に収容される。図3ではノズル胴体235及びノズル支持部231は円筒形状としたが、形状は特に限定されない。
ノズル胴体235は、ノズル支持部231の内側に設置されるノズル位置補正部237a,bにより、ノズル支持部231内側面と離間して支持される。図3のノズル211の場合、図3に示すように、排出部233と反対側のノズル胴体235端部にノズル位置補正部237aが1つ設置され、ノズル胴体235の側面には複数(例えば4つ)のノズル位置補正部237bが設置される。ノズル位置補正部237a,237bは例えばバネなどの弾性体である。ノズル位置補正部237a,237bは、ノズル211の振動によるブレを補正する、また、ワーク形状のばらつきに追従し排出部233とワーク203の接触状態を維持するために設けられる。
排出部233は円筒形状または楕円筒形状であり、端部239が開口となっている。円筒形状の場合、端部239は切欠きを有する形状となっている。楕円筒形状の場合、端部は楕円の長軸方向の側面から見たときに切欠きを有する形状となっている。切欠きは1箇所であることが好ましいが、図4に示すように排出部233は側面から見たときに2つの異なる角度で切断された面を有する形状としても良い。切欠きを設けることにより、端部239は、ワーク203の接線と略平行となる開口面である第1面241と、ワーク203の接線に対して第1面241と異なる角度を有する第2面243とを有する。
排出部233は、軸方向が水平となるように配置されるか、排出部233の端部239が下に向くように配置される。水平面に対する排出部233の軸方向の角度は、第1面241をワーク203の表面に沿って配置できるように、適宜設定される。具体的に水平面に対する排出部233軸方向の角度(φ)は0°以上90°以下の範囲である。
第1面241は切欠き部分に形成される。排出部233の径方向(楕円筒の場合は短軸方向)に対する第1面241の角度(θ)は、第1面241が十分な面積を有すること、排出部233の長さ、第2面243等を考慮して、0°より大きく90°未満の範囲内で設定される。θは0°より大きく70°未満であることが好ましい。
第2面243は第1面241に対してワーク203の回転方向側に位置し、スラリーが吐出する開口面である。
端部239は切欠きが1つであることが好ましいが、この場合第1面241が切欠き部分に相当するので、第2面243は端部239の切欠きされていない面に相当する。すなわち、排出部233の径方向(楕円筒の場合は短軸方向)に対する第2面243の角度(θ)は0°である。
端部239に切欠きが2つ形成される場合は、第2面243は切欠き部分に形成される。この場合、角度θは0°より大きく90°未満の範囲内で、設定される。θの大きさは、第2面243の大きさ、スラリーを排出するときのワーク203と第2面243の頂部との距離、形成される膜の厚さ、θとの関係などによって適切に設定される。
第1面241がワーク203と略平行に配置されるとともに、第2面243からスラリーが吐出可能であるためには、第1面241と第2面243とがなす角度(内角、ψ)は、0°より大きく180°未満の範囲内で設定される。
上述したように好ましい端部239の形状では0°<θ<90°、θ=0°であるが、この時のψは90°より大きく180°未満の範囲内である。
排出部233は、例えばポリテトラフルオロエチレン製などの柔軟性を有する材料からなる。排出部233が柔軟性を有する材料であれば、排出部233がワーク203に押し付けられた際に、ワーク203上に形成された膜(固体電解質膜111、第1のインターコネクタ層107a)の損傷を防止することができる。
図5及び図6はノズルの別の例を説明する概略図である。図5はノズルの全体図であり、図6は排出部をワーク側から見た図である。
ノズル251の排出部253は平筆形状である。排出部253と反対側のノズル胴体255端部にスラリー配管225が接続される。
排出部253の端部は矩形である。排出部253の長辺方向に沿って、複数の開口257と、排出部253の端部から突出する角柱形状の突起259とが所定の間隔で交互に設けられる。開口257及び突起259は、ワーク203の軸方向に略平行に配置される。図6に示すように、開口257の両側には必ず突起259が配置される。端部の長辺方向幅、開口257の大きさ、開口257及び突起259の数等は、塗布面積に応じて適切に設定される。突起259の長さは形成される膜の厚さに応じて適切に設定される。図5及び図6に示す形状を有するノズルを用いることにより、塗布面積を大きくすることができる。このため、塗布時間を短縮し、塗布精度を高めることができる。
突起259は弾性を有し、ワーク203に押圧されることにより変形可能である。突起259は、例えばポリテトラフルオロエチレン製などの柔軟性を有する材料で作製される。突起259がワーク203に押し付けられた際に、ワーク203上に形成された膜の損傷を防止することができる。
ノズル251も、ノズル胴体255の一部がノズル支持部261内に収容される。図5では図示されていないが、ノズル支持部261の内側にノズル位置補正部が設けられ、ノズル位置補正部によりノズル胴体255がノズル支持部261と離間して支持される。
以下では、図2の塗布装置201を用いて第2のインターコネクタ層用スラリーの膜を形成する工程を詳細に説明する。
ワーク(燃料極109〜第1のインターコネクタ層107aが形成され、共焼結された後の基体管)203がワークホルダ205に取付けられる。タンク221には第2のインターコネクタ層用スラリーが収容される。第2のインターコネクタ層用スラリーは、第2のインターコネクタ層材料の粉末とスキージオイル(芳香族炭化水素系溶媒等のスクリーン印刷用溶媒と、メタクリル酸メチルなどのバインダとの混合物)とを混合して作製される。
なお、インターコネクタを1層構成とする場合は、タンク221に上記インターコネクタ材料の粉末を含むスラリーが収容され、以下と同様の工程で塗布される。
初期状態では、ノズル211及びカメラ215は、図1における紙面左側のワーク203端部に寄せられている。この時、カメラ215はワーク203端部のリード部分に位置している。
制御部227は、ワーク203上に第2のインターコネクタ層用スラリーの膜を成膜する前に、ワーク203に対する成膜位置のデータを制御部227のメモリに格納するために、カメラ移動部217を作動させ、カメラ215(複数のカメラを設置する場合は、ワーク203中央部側に位置するカメラ215b)をワーク203の軸方向に移動させる。制御部227は、カメラ215がワーク203表面の燃料電池セルに相当する領域の全てを撮影できる位置まで、カメラ215を移動させる。撮影後、カメラ215は初期位置まで戻される。
カメラ215はワーク203の軸方向に移動しながら、ワーク203の表面を撮影する。カメラ215は撮影画像を制御部227に送信する。カメラ移動部217のロータリエンコーダは、カメラ215の位置情報を制御部227に送信する。
制御部227は、カメラ画像を受信する。制御部227は、撮影と同時にカメラ画像を処理する。制御部227は、処理画像におけるワーク203表面の色調が変化する境界を検出する。制御部227は、カメラ画像(処理画像)と、ロータリエンコーダからのカメラ215の位置情報とを関連付ける。
制御部227は、カメラ移動方向に最初に検出された境界(燃料極109と固体電解質膜111との境界)を原点Oと判定する。制御部227は、ロータリエンコーダからの位置情報に基づいて、原点Oの位置データを取得する。
制御部227には、取り付けられたワーク203の燃料電池セル数Nが予め入力されている。制御部227は、カメラの移動方向に偶数番目に検出された境界を、固体電解質膜111から第1のインターコネクタ層107aに変わる境界Aと判定する。制御部227は、カメラの移動方向に3番目以降で奇数番目に検出された境界を、第1のインターコネクタ層107aから固体電解質膜111、または、第1のインターコネクタ層107aからリード膜115aに変わる境界Bと判定する。制御部227は、ロータリエンコーダからの位置情報に基づいて、複数の境界A及び境界Bの位置データを取得する。
なお、原点Oと原点Oから数えて1番目の境界Aとの間、及び、原点から数えてm番目(mは1≦m<Nを満たす整数)の境界Bと原点から数えてm+1番目の境界Am+1との間が、燃料電池セル105が形成される領域に相当する。境界Aと境界Bとの間が、インターコネクタ107が形成される領域に相当する。
制御部227は、取得した原点の位置データ、境界A,Bの位置データ、第2のインターコネクタ層のワーク203に対する成膜位置のデータを、制御部227のメモリに格納する。あるいは、制御部227は予め設計データを格納しており、取得した境界A,Bの位置データと境界A,Bの設計データとを比較し、差分(位置誤差)を取得し、位置誤差のデータをメモリに格納しても良い。
次いで制御部227は、ワーク203上に第2のインターコネクタ層用スラリーの膜を成膜する。
制御部227は、モータ209を作動させ、ワーク203を周方向に回転させる。
制御部227は、メモリから原点の位置データ、境界の位置データ及び第2のインターコネクタ層のワーク203に対する成膜位置のデータを呼び出す。制御部227は、ノズル移動部213のX軸方向移動部を作動させ、図1の紙面右方向にワーク203の軸方向に沿ってノズル211を移動させる。ノズル211aは、原点から数えて1番目の境界Aと原点から数えて1番目の境界Bとの間の所定位置に移動される。複数のノズルが設置される塗布装置では、ノズル211bは、原点から数えて2番目以降の境界A(nは2≦n≦Nを満たす整数)と原点から数えて2番目以降の境界Bとの間の所定位置に移動される。あるいは、制御部227は、設計データと位置誤差のデータを呼び出す。設計データと位置誤差データとに基づいて、ノズル211a、211bが所定位置に移動される。
制御部227は、ノズル211のZ軸方向移動部を作動させ、ノズル211の排出部233をワーク203に近づける。この時、ノズル211の先端である排出部233の第1面241とワーク203が接触していると、成膜された膜の膜厚安定性が良好であるので好ましい。また自動化するに当たり、ノズル211先端とワーク203との距離の許容範囲を設定する場合は、第1面241とワーク203との距離が、塗布される第2のインターコネクタ層用スラリーの膜の厚さよりも小さくなるように、ノズル211が上下方向(Z軸方向)に移動される。第1面241とワーク203とが成膜する膜厚未満の所定間隔で離間していても成膜の膜厚安定性が良好であるので必要な仕様を得ることが出来る。
制御部227は、ロータリポンプ223を作動させる。これにより、図4に示すように排出部233の第2面243から第2のインターコネクタ層用スラリーがワーク203表面の所定位置に所定流量で排出されて、所定膜厚のスラリーの膜が形成される。
図5,6に示したノズル251の場合、ノズル251の先端である突起259とワーク203は接触していると、成膜された膜の膜厚安定性が良好であるので好ましい。また自動化するに当たり、突起259とワーク203との距離の許容範囲を設定する場合は、突起259とワーク203との距離が、第2のインターコネクタ層用スラリーの膜の厚さよりも小さくなるように、ノズル251が上下方向(Z軸方向)に移動される。突起259とワーク203とが成膜する膜厚未満の所定間隔で離間していても成膜の膜厚安定性が良好であるので必要な仕様を得ることが出来る。
制御部227がロータリポンプ223を作動させることにより、ノズル251の開口257から第2のインターコネクタ層用スラリーがワーク203表面に向けて所定流量で排出され、所定膜厚のスラリーの膜が形成される。
スラリーの塗布幅(X軸方向の幅)が第2のインターコネクタ層107bの形成領域(X軸方向幅)よりも小さい場合、スラリーが排出されている間、制御部227はX軸方向移動部を作動させ、ノズル211をX軸方向に搖動させる。こうすることにより、ワーク203に対する排出部233の位置がワーク203軸方向(X軸方向)に移動して、所定領域に第2のインターコネクタ層用スラリーの膜が形成される。
ロータリポンプ223の回転数は、一定時間当たりのスラリーの排出量(所定の排出流量)に依存する。ロータリポンプ223の回転数、ワーク203の回転速度、X軸方向への搖動周期と言ったパラメータは、塗布時間及びスラリーの膜厚を考慮して設定される。上記パラメータはあらかじめ設定されていても良く、塗布状況に応じて変更されても良い。
本実施形態では、現実的な塗布処理の能力と所定の量産性を確保する条件とを考慮して、塗布時間が設定される。例えば、1つの燃料電池セル105当たりの塗布時間は5〜6秒とされる。100素子程度の燃料電池セル105が形成されるセルスタック101では、第2のインターコネクタ層107bの形成に要する時間はノズル211の移動時間を含めて10〜15分程度に設定される。
ワーク203の表面には、成膜された燃料極109、固体電解質膜111及び第1のインターコネクタ層107aに起因して凹凸が形成されている。第2のインターコネクタ層107bを形成する際に、ノズル211の先端とワーク203とが接触する場合、凹凸によってノズル211がX軸方向及びZ軸方向に振動する。ノズル位置補正部237a,237bは、ノズル211の振動によるブレを補正する。
上記工程ではノズル211a,211bの移動の際にカメラ215a,215bは移動させていなかったが、ノズル211a,211bがX軸方向に移動されるのと同時に、カメラ215a,215bが移動されても良い。カメラ215a,215bは、ノズル211a及びノズル211bが移動される位置と同じ位置に移動される。
この場合、カメラ215a,215bは、ノズル211a,211bがスラリーの塗布を開始する前に、ワーク203表面を撮影し制御部227に画像を送信する。制御部227は受信した画像を処理し、処理画像とロータリエンコーダからの位置情報とから境界A,Bの位置情報を取得する。制御部227は、第2のインターコネクタ層107bの成膜時に取得された境界A,Bの位置情報と、予め制御部227に格納されている境界A,Bの位置情報とを比較し、差分を算出する。差分が発生している場合、制御部227はノズル移動部213のX軸方向移動部を作動させ、差分だけノズル211a,211bをX軸方向に移動させる。
基体管103の製造から基体管103〜第1のインターコネクタ層107aの共焼結までの製造過程で、ワーク203に反りが生じる。また、ワークホルダ205に支持されたときにワーク203に撓みが生じる。この反りや撓みが原因で、ワーク203が回転するとワーク203に径方向の位置変動が生じる。この位置変動に起因して、スラリーをワーク203表面に塗布している間にワーク203とノズル211の先端との距離(ワーク203と第1面241または突起259との距離)が変動する。反りや撓みが原因の変動幅は、ワーク203表面の凹凸に起因するノズル211の変動幅よりも大きい。そこで、ワーク203の変動に応じて、スラリーを塗布している間のノズル211の位置が調整される。
ノズル211の位置を調整する方法としては、(1)押圧力変化に基づいて位置を調整する方法、(2)ワークの位置変化に基づいて位置を調整する方法、とがある。
(1)押圧力に基づく位置調整
押圧力に基づいてノズルの位置を調整する方法は、ノズル211の先端とワーク203とが接触してスラリーが塗布される場合に採用できる。
ノズル位置補正部237a,237bのみで、排出部233とワーク203の接触状態を維持することができず、ワーク形状のばらつきに対応できないことがある。この場合、押圧力に基づいてノズルの位置を調整することによって排出部233とワーク203の接触状態を維持させる。
本方法を採用する場合には、押圧力を検出する検出部が塗布装置201のノズル211(またはノズル251)に設置される。検出部は例えば圧電素子や歪ゲージである。また、ノズル211のノズル位置補正部237aに、ノズル位置調整部が接続する。ノズル位置調整部は、排出部233と反対側のノズル胴体235端部に設置されるノズル位置補正部237aを縮小または伸長させる。ノズル位置調整部は例えば、偏心回転軸による偏心量で微調整する機構や、マイクロボールねじによる回転量で微直進量を調整する機構である。
図7は、スラリー塗布中にノズル位置を制御する工程のブロック図である。図7を用いて、押圧力に基づいてノズル位置を制御する工程を説明する。
反りや撓みがあるワーク303が回転することにより、ワーク303とノズル先端との距離が変動する。これにより、ノズル先端がワークを押す押圧力が変動する。塗布装置301の検出部305は押圧力313を計測する。検出部305は、計測した押圧力313を検出信号315として制御部307に送信する。
制御部307は検出信号315を受信する。制御部307は検出信号315に応じて、ノズルの位置変更の信号(変更信号317)をノズル位置調整部309に送信する。具体的に、押圧力が0である場合、制御部307はノズルをワークに近づける変更信号317をノズル位置調整部309に送信する。押圧力が設定値を超えた場合、制御部307はノズルをワークから遠ざける変更信号317をノズル位置調整部309に送信する。
ノズル位置調整部309は変更信号317を受信すると、所定の距離だけノズル位置補正部を縮小または伸長させる。これにより、ワークの方向にノズル311の位置変更319が行われる。ワーク方向に位置変更されたノズル311は、ワーク303上にスラリー321を供給する。
上記の位置調整は、検出部305が計測した押圧力313が設定値の範囲内となるまで継続される。
(2)ワーク位置変化に基づく位置調整
ワーク位置に基づいてノズル位置を調整する方法は、ノズル211(またはノズル251)の先端が、ワーク203の円周上の最高地点に近い位置に設置される場合に採用される。本方法は、ノズル211の先端とワーク203とが接触してスラリーが塗布される場合、及び、ノズル211先端とワーク203とが離間してスラリーが塗布される場合のいずれにも適用できる。
本工程の場合、塗布装置201はノズル211と同数のカメラ215を有する。制御部227は、ノズル211a,211bをX軸方向に移動させるのと同時に、カメラ移動部217を作動させてカメラ215a,215bをX軸方向に移動させる。カメラ215a及びカメラ215bが移動される位置はそれぞれ、ノズル211a及びノズル211bが移動される位置と同じである。
(2)の工程において、カメラ215(215a,215b)が検出部。また、ノズル移動部213のZ軸方向移動部がノズル位置調整部である。
図8は、カメラ215を用いてノズル211の位置を調整する方法を説明する図である。図8に示すように、また、ノズル211の先端がワーク203に接触されるか、近づけられる。ワーク203が静止している状態でカメラ215がワーク203の上部を撮影する。撮影された画像は制御部227に送信される。
制御部227は、カメラ画像を受信する。制御部227はカメラ画像を処理し、ワーク203の円周上の最高地点(図8におけるa)を検出する。制御部227は、検出したaの位置情報から、ノズル211の下側端部の位置(図3のノズルにおいては第1面241側の端部位置)bの位置情報を取得する。bの取得に当たっては、aの位置情報、ノズル211の場合は第1面241及び第2面243の角度、ノズル211とワーク203の接線との角度などが考慮される。
制御部227は、a及びbを格納する。
図7を用いてワーク位置変化に基づいてノズル位置を制御する工程を説明する。
反りや撓みがあるワーク303が回転することにより、ワーク303の円周上の最高地点の位置が変動する。塗布装置301の検出部(カメラ)305は画像を取得する。検出部305は画像を検出信号315として制御部307に送信する。
制御部307は検出信号315を受信する。制御部307は検出信号315に応じて、ノズルの位置変更の信号(変更信号317)をノズル位置調整部(Z軸方向移動部)309に送信する。
ノズル位置調整部309は変更信号317を受信すると、所定の距離だけノズル311を上方向または下方向に移動させ、ノズル311の位置変更319を実施する。Z軸方向に位置変更されたノズル311は、ワーク303上にスラリーを供給する。
具体的に、制御部307は検出信号(画像)315の受信と同時に検出信号315を処理し、ワーク303の円周上の最高地点(a)及びノズルの下側端部の位置(b)を取得する。
塗布開始前は、ワーク静止状態でノズル311先端がワーク円周上の頂点(a)に近い任意の位置(b)に接触する。a位置を検出部(カメラ)305が原点として読み込み、bの位置はZ軸の原点としてティーチングされる。位置bは以下の式で表される。
=b−(a−a) (但し、a≧a、b≧b
塗布実施中は、ワーク303の反りに伴う回転中のぶれ(上下方向)に対し、ワーク303円周上の頂点が最下部に位置するaを検出部305が常時読み込みながら、Z軸方向にノズル311先端位置をbへ合わせるように移動させる。
上述の塗布が終了すると、制御部227はZ軸方向移動部を作動させ、ノズル211a,211bをワーク203から遠ざける。次いで制御部227はX軸方向移動部を作動させ、ノズル211a,211bを移動させる。移動先は、第2のインターコネクタ層用スラリーの塗布が行われていない第1のインターコネクタ層107aにおける境界Aと境界Bとの間の所定位置である。
以後、全ての第1のインターコネクタ層107a上に第2のインターコネクタ層用スラリーの膜が形成されるように、上述の工程を繰り返す。
全ての第2のインターコネクタ層用スラリーの膜が形成されると、制御部227はモータ209を停止させる。ワーク203の回転停止後、ワーク203がワークホルダ205から取り外される。
次いで、図2の塗布装置201を用いて第1の空気極層用スラリーの膜を形成する工程を説明する。
第1の空気極用スラリーの膜を形成するまでに、第2のインターコネクタ層用スラリー膜は乾燥される。第2のインターコネクタ層用スラリーの膜が形成されたワーク203が、ワークホルダに取付けられる。タンク221に第1の空気極用スラリーが収容される。第1の空気極層用スラリーは、第1の空気極層材料の粉末とスキージオイル(芳香族炭化水素系溶媒等のスクリーン印刷用溶媒と、メタクリル酸メチルなどのバインダとの混合物)とを混合して作製される。
なお、空気極を1層構成とする場合は、タンク221に上記空気極材料の粉末を含むスラリーが収容され、第1の空気極層用スラリーの膜を形成する工程と同様の工程で塗布される。
上記と同様の工程で、カメラ215がワーク203の表面を撮影し、画像を制御部227に送信する。
上記と同様の工程で、制御部227は受信した画像に基づいて、原点O’(燃料極109と固体電解質膜111との境界)を判定し、位置データを取得する。
制御部227は上記と同様の工程で境界を判定するとともに、境界の位置データを取得する。図1のセルスタック101の場合、制御部227は、カメラの移動方向に4L+1番目(Lは0以上の整数)に検出された境界を、固体電解質膜111から第1のインターコネクタ層107aに変わる境界Aと判定する。制御部227は、カメラの移動方向に4L+2番目に検出された境界を、第1のインターコネクタ層107aから第2のインターコネクタ層用スラリー膜に変わる境界Cと判定する。制御部227は、カメラの移動方向に4L+3番目に検出された境界を、第2のインターコネクタ層用スラリー膜から第1のインターコネクタ層107aに変わる境界Dと判定する。制御部227は、カメラの移動方向に4L+3番目に検出された境界を、第1のインターコネクタ層107aから固体電解質膜111、または、第1のインターコネクタ層107aからリード膜115aに変わる境界Bと判定する。制御部227は、ロータリエンコーダからの位置情報に基づいて、複数の境界A〜Dの位置データを取得する。
制御部227は、取得した原点の位置データ、境界A〜Dの位置データ、第1の空気極層の成膜範囲のデータを、制御部227のメモリに格納する。あるいは、制御部227は予め設計データを格納しており、取得した境界A〜Dの位置データと境界A〜Dの設計データとを比較し、差分(位置誤差)を取得し、位置誤差のデータをメモリに格納しても良い。
次いで、制御部227は、ワーク203上に第1の空気極層用スラリーの膜を成膜する。
制御部227は、モータ209を作動させ、ワーク203を周方向に回転させる。
制御部227は、メモリから原点の位置データ、境界の位置データ及び第1の空気極層の成膜範囲のデータを呼び出す。制御部227は、ノズル移動部213のX軸方向移動部を作動させ、図1の紙面右方向にワーク203の軸方向に沿ってノズル211a,211bを、第1の空気極層の端部に相当する位置に移動させる。あるいは、制御部227は、設計データと位置誤差のデータを呼び出す。設計データと位置誤差データとに基づいて、ノズル211a、211bが所定位置に移動される。
制御部227は、第2のインターコネクタ層用スラリー膜を形成した時と同様にして、ノズル211(またはノズル251)の排出部233(排出部253)をワーク203に近づける。第1の空気極用スラリー膜を形成する場合も、ノズル211の先端とワーク203に接触することが、成膜膜厚の安定性の観点から好ましい。自動化するに当たり、ノズル211先端とワーク203との距離の好ましい許容範囲を設定する場合は、ノズル211の先端とワーク203との距離が、塗布される第1の空気極層用スラリーの膜の厚さよりも小さくなるようにノズル211の位置が設定される。
制御部227はロータリポンプ223を作動させる。これにより、排出部233から第1の空気極層用スラリーがワーク203表面の所定位置に所定流量で排出されて、所定膜厚のスラリーの膜が形成される。図1に示すように、第1の空気極層113aは第2のインターコネクタ層107bよりもX軸方向幅が大きいため、制御部227はスラリーが排出されている間、ノズル211(ノズル251)をX軸方向に搖動させる。
ロータリポンプ223の回転数は、一定時間当たりのスラリーの排出量に依存する。ロータリポンプ223の回転数、ワーク203の回転速度、X軸方向への搖動周期と言ったパラメータは、塗布時間及びスラリーの膜厚を考慮して設定される。上記パラメータはあらかじめ設定されていても良く、塗布状況に応じて変更されても良い。
本実施形態では、現実的な塗布処理の能力と所定の量産性を確保する条件とを考慮して、塗布時間が設定される。例えば、1つの燃料電池セル105当たりの塗布時間は5〜6秒とされる。100個程度の燃料電池セル105が形成されるセルスタック101では、第1の空気極層113aの形成に要する時間はノズル211の移動時間を含めて10〜15分程度に設定される。
第1の空気極層用スラリー膜の形成においても、ノズル位置補正部237a及びノズル位置補正部237bにより、第2のインターコネクタ層のスラリーが形成される場合と同様に、ノズル211の振動によるブレが補正される。
また、上記(1),(2)のいずれかの方法により、ノズル先端とワークとの距離が変更される。
塗布が終了すると、上記と同様にしてノズル211a,211bが移動される。上述の工程が繰り返され、全ての第1の空気極層用スラリーの膜が形成されると、塗布が終了する。塗布終了後、制御部227はモータ209と停止させる。ワーク203の回転停止後、ワーク203がワークホルダ205から取り外される。
101 セルスタック
103 基体管
105 燃料電池セル
107 インターコネクタ
107a 第1のインターコネクタ層
107b 第2のインターコネクタ層
109 燃料極
111 固体電解質膜
113 空気極
113a 第1の空気極層
113b 第2の空気極層
115a リード膜
115b リード部分
201 塗布装置
203 ワーク
205 ワークホルダ
207 支持部
209 モータ
211,211a,211b,251 ノズル
213 ノズル移動部
215,215a,215b カメラ
217 カメラ移動部
219 スラリー送給部
221 タンク
223 ロータリポンプ
225,225a,225b スラリー配管
227 制御部
231,261 ノズル支持部
233,253 排出部
235,255 ノズル胴体
237a,237b ノズル位置補正部
239 端部
241 第1面
243 第2面
257 開口
259 突起

Claims (10)

  1. 基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数の燃料電池セルと、隣接する前記燃料電池セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    前記インターコネクタの膜を形成する工程及び前記空気極の膜を形成する工程のうち少なくとも一方が、
    前記インターコネクタまたは前記の空気極が形成される領域の所定位置にノズルを配置する工程と、
    前記基体管を周方向に回転させながら、前記ノズルから前記領域に所定量の前記インターコネクタの材料を含むスラリーまたは前記の空気極の材料を含むスラリーを排出して、前記スラリーの膜を形成する工程とを含み、
    前記ノズルを配置する工程において、前記スラリーが排出される間の前記ノズルの先端と前記領域が接触する、もしくは、前記ノズルの先端と前記領域との距離が前記領域上に塗布される前記スラリーの膜の厚さよりも小さくなるように、前記ノズルを配置する固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  2. 前記インターコネクタが第1のインターコネクタ層と第2のインターコネクタ層とからなり、
    前記空気極が第1の空気極層と第2の空気極層とからなり、
    前記第2のインターコネクタ層の膜を形成する工程及び前記第1の空気極層の膜を形成する工程のうち少なくとも一方が、
    前記第2のインターコネクタ層または前記第1の空気極層が形成される領域の所定位置にノズルを配置する工程と、
    前記基体管を周方向に回転させながら、前記ノズルから前記領域に所定量の前記第2のインターコネクタ層の材料を含むスラリーまたは前記第1の空気極層の材料を含むスラリーを排出して、前記スラリーの膜を形成する工程とを含む請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  3. ワークが回転するときの前記ワークの位置変動を検出する工程を含み、
    検出した前記位置変動が設定値から変化した場合に、前記位置変動が設定値を満たすように前記ワークに対する前記ノズルの位置を変更する請求項1または請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  4. 前記位置変動として前記ノズルが前記ワークを押す押圧力を検出し、
    検出した前記押圧力が0である場合に、前記ノズルが前記ワークに近づけられる請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  5. 前記位置変動として回転時における前記ワークの画像を取得し、
    回転時における前記画像と、予め取得した静止時における前記ワークの前記画像とから、前記ノズルに対する前記ワークの相対位置の変動を取得し、
    前記相対位置の変動の値に応じて、前記ワークに対する前記ノズルの位置が変更される請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  6. 基体管上に、燃料極と固体電解質膜と空気極とを備える複数の燃料電池セルと、隣接する前記燃料電池セルを電気的に接続するインターコネクタとを備える固体酸化物形燃料電池における前記インターコネクタ及び前記空気極のうち少なくとも一方を形成するための塗布装置であって、
    前記基体管上に前記燃料極、前記固体電解質膜、が形成されたワークを支持するとともに、前記ワークの周方向に前記ワークを回転させるワークホルダと、
    前記インターコネクタの材料を含むスラリーまたは前記空気極の材料を含むスラリーを前記ワーク上に排出するノズルと、
    所定量の前記スラリーを所定の周期で前記ノズルに送給するスラリー送給部と、
    前記ワークの表面を撮影するカメラと、
    前記ノズルを前記ワークの軸方向及び上下方向に移動させるノズル移動部と、
    制御部とを備え、
    前記制御部が、前記カメラの画像に基づいて前記ワーク上において前記インターコネクタまたは前記空気極が形成される領域の前記軸方向の位置を検出し、
    前記ノズル移動部が前記ノズルを前記領域の所定位置まで前記軸方向に移動させ、
    前記スラリーが排出される間の前記ノズルの先端と前記ワークとの距離が、前記ワーク上に塗布される前記スラリーの膜の厚さよりも小さくなるように、前記ノズル移動部が前記ノズルを移動させ、
    前記スラリー送給部が前記ノズルに所定量の前記スラリーを供給して、前記ワークを回転させながら、前記ノズルが前記ワーク上の前記領域に所定の厚さの前記スラリーの膜を形成する塗布装置。
  7. 前記インターコネクタが第1のインターコネクタ層と第2のインターコネクタ層とからなり、
    前記空気極が第1の空気極層と第2の空気極層とからなる固体酸化物形燃料電池における前記第2のインターコネクタ層及び前記第1の空気極層とからなり、
    前記第2のインターコネクタ層及び前記第1の空気極層のうち少なくとも一方を形成する請求項6に記載の塗布装置。
  8. 前記ワークが回転するときの前記ワークの位置変動を検出する検出部と、
    前記ワークに対する前記ノズルの位置を変動させるノズル位置調整部とを備え、
    前記検出部が、検出した前記位置変動を検出信号として前記制御部に送信し、
    前記制御部が、前記検出信号に応じて、前記ノズルの位置を変更する変更信号を前記ノズル位置調整部に送信し、
    前記ノズル位置調整部が前記変更信号に基づいて前記ノズルの位置を変更させる請求項6もしくは7に記載の塗布装置。
  9. 前記検出部が、前記ノズルが前記ワークを押す押圧力を前記位置変動として検出し、前記押圧力を前記検出信号として前記制御部に送信し、
    前記制御部が前記押圧力の値に応じて前記変更信号を前記ノズル位置調整部に送信する請求項8に記載の塗布装置。
  10. 前記検出部が前記カメラであり、回転時における前記ワークの画像を前記カメラが撮影し、前記画像を前記検出信号として前記制御部に送信し、
    前記制御部が、回転時における前記ワークの前記画像と、予め取得している静止時における前記ワークの前記画像とから、前記ノズルに対する前記ワークの相対位置の変動を取得し、前記相対位置の変動に応じて、前記変更信号を前記ノズル位置調整部に送信する請求項8に記載の塗布装置。
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