JP4981247B2 - 固体酸化物型燃料電池及び固体酸化物型燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体酸化物型燃料電池及び固体酸化物型燃料電池の製造方法 Download PDF

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本発明は固体酸化物型燃料電池及び固体酸化物型燃料電池の製造方法に関し、特に性能及び効率を向上させた固体酸化物型燃料電池及び固体酸化物型燃料電池の製造方法に関する。
炭化水素を水蒸気と反応させて改質した燃料ガスと酸素とが電気化学的反応をすることによって発電する固体酸化物型燃料電池が知られている。固体酸化物型燃料電池は、空気極、固体酸化物の電解質膜、燃料極からなるセルを備えている。空気極には酸素が、燃料極には燃料ガスがそれぞれ供給される。空気極に供給された酸素は、イオン化されて電解質膜中を透過し、燃料極に達する。燃料極に達した酸素と燃料ガスとの電気化学的反応によって燃料極と空気極との間に生じる電位差が外部に取り出されることにより発電が行われる。
従来の固体酸化物型燃料電池の例が、特開平10−134825号公報に開示されている。この従来の固体酸化物型燃料電池は、一定の肉厚を有する円筒の多孔質の基体管上に、複数のセルがインターコネクタを介して電気的に接続されている。各セルは、燃料極、電解質膜及び空気極が基体管上にこの順に積層されている。
固体酸化物型燃料電池には更なる高性能化/高効率化が望まれている。
電池反応の燃料となる燃料ガスは、基体管の内側を流れ、基体管の細孔を拡散して燃料極に達する。したがって、固体酸化物型燃料電池の効率を向上させるためには、基体管における燃料ガスの拡散抵抗を抑え、ガス透過性を向上させることが重要である。燃料ガスの拡散抵抗を抑え、ガス透過性を向上させる技術が望まれる。
電池反応により生成される水は、水蒸気として燃料極から基体管の内側へ、その細孔を拡散する。基体管の内表面へ達したその水蒸気は、基体管の内側を流れる燃料ガスより除去される。ただし、その水蒸気の濃度は、その内表面の近傍で高くなる傾向がある。すなわち、内表面に露出した細孔の開口部付近における水蒸気の濃度が高くなる。その場合、燃料ガスが細孔内に進入することが妨げられ、細孔を拡散する燃料ガスの量が減少することになる。その結果、セル効率が低下する。基体管の内表面から水蒸気を効率的に除去する技術が望まれる。
特開平10−134825号公報
本発明の他の目的は、基体管における燃料ガスの拡散抵抗が低い固体酸化物型燃料電池及び固体酸化物型燃料電池の製造方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、基体管の内表面から水蒸気を効率的に除去可能な固体酸化物型燃料電池及び固体酸化物型燃料電池の製造方法を提供することである。
本発明の目的は、基体管の強度を保ちつつ、基体管における燃料ガスの拡散抵抗が低い、又は、基体管の内表面から水蒸気を効率的に除去可能な固体酸化物型燃料電池及び固体酸化物型燃料電池の製造方法を提供することである。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
上記課題を解決するために、本発明の固体酸化物型燃料電池(10)は、凹凸面をなす内壁(2b)と円柱面をなす外壁(2a)とを有する筒型で多孔質の基体管(1/1a/1b)と、外壁(2a)の表面に設けられたセル(6)とを具備する。
凹凸により、基体管には、外壁と内壁とにより肉厚が厚い厚肉部分と厚肉部分より肉厚が薄い薄肉部分とが設けられる。薄い部分で燃料ガスの拡散抵抗を低減することができる。厚い部分で基体管の強度を保つことができる。凹凸で燃料ガスの流れを乱し、基体管の内表面から水蒸気を効率的に除去することができる。
上記の固体酸化物型燃料電池において、内壁(2b)の凹部(14(a、b、c、d))は、その円柱面の軸(E)方向に延びる溝を含むことが好ましい。
溝により、燃料ガスの拡散抵抗を低減することができる。
上記の固体酸化物型燃料電池において、内壁(2b)の凹部(24(a、b、c、d)/34(a、b、c、d)、36(a、b、c、d))は、その円柱面の軸(Ea/Eb)に関して第1螺旋形状を有する溝を含むことが好ましい。
螺旋形状を有することで、燃料ガスの流れをより乱すことができる。
上記の固体酸化物型燃料電池において、凹部(34(a、b、c、d)、36(a、b、c、d))は、その円柱面の軸(Eb)に関してその第1螺旋形状とは異なる第2螺旋形状を有する溝を含むことが好ましい。
更に別の螺旋形状を有することで、燃料ガスの流れを更により乱すことができる。
上記の固体酸化物型燃料電池において、その溝の断面は、円、楕円及び多角形のうちの少なくとも一部を含むことが好ましい。
このような断面形状は、不規則な形状に比較して、より強度を安定に保つことができる。
上記の固体酸化物型燃料電池において、内壁(2b)の凸部(12(a、b、c、d)/22(a、b、c、d)/32(a、b、c、d))は、その円柱面の軸(E/Ea/Eb)方向に連続的に延びていることが好ましい。
連続的な凸部で、強度を適切に維持することができる。
上記の固体酸化物型燃料電池において、基体管(1/1a/1b)は、セラミックス製であることが好ましい。
セラミックス製の基体管なので、固体酸化物型燃料電池の運転される非常に高温の条件にも安定的に用いることができる。
上記の固体酸化物型燃料電池において、基体管(1/1a/1b)は、内側に燃料ガスが通ることが好ましい。
燃料ガスが通る側に水蒸気が生成するので、その除去により効果的に用いることができる。
上記の固体酸化物型燃料電池において、基体管(1/1a/1b)におけるその円柱面の軸(E/Ea/Eb)に垂直な断面は、軸(E/Ea/Eb)に垂直に交わる線に対して線対称であり、且つ、軸(E/Ea/Eb)に対して点対称であることが好ましい。
このような形状であることで、応力が概ね一様に分散して、破壊が起き難くすることができる。
上記課題を解決するために、本発明の固体酸化物型燃料電池の製造方法は、(a)外壁(2a)が円柱面をなし、内壁(2b)が凹凸面をなすように基体管材料を押し出し成形して、円筒管を形成する工程と、(b)その円筒管の外表面に燃料極材料を接合し、その燃料極材料の外表面に電解質材料を接合し、隣接する接合されたその電解質材料とその燃料極材料との間にインターコネクタ材料を接合する工程と、(c)その基体管材料、その燃料極材料、その電解質材料、及び、インターコネクタ材料を焼成する工程とを具備する。
上記の固体酸化物型燃料電池の製造方法において、その(b)ステップは、(b1)その電解質材料の外表面に空気極材料を接合する工程を含むことが好ましい。その(c)ステップは、(c1)その基体管材料、その燃料極材料、その電解質材料、及び、インターコネクタ材料に加えてその空気極材料を焼成する工程を含むことが好ましい。
上記の固体酸化物型燃料電池の製造方法において、(d)焼成されたその電解質材料の外表面に空気極材料を接合する工程と、(e)その空気極を焼成する工程とを更に具備することが好ましい。
上記の固体酸化物型燃料電池の製造方法において、(a)ステップは、(a1)内壁(2b)の凹部(14(a、b、c、d))が、その円柱面の軸(E/Ea/Eb)方向に延びる溝を含むようにその基体管材料を押し出し成形する工程を備えることが好ましい。
上記の固体酸化物型燃料電池の製造方法において、(a)ステップは、(a2)内壁(2b)の凹部(24(a、b、c、d)/34(a、b、c、d)、36(a、b、c、d))が、その円柱面の軸(E/Ea/Eb)に関して第1螺旋形状を有する溝を含むようにその基体管材料を押し出し成形する工程を備えることが好ましい。
上記の固体酸化物型燃料電池の製造方法において、(a2)ステップは、(a3)内壁(2b)の凹部(34(a、b、c、d)、36(a、b、c、d))が、その円柱面の軸(E/Ea/Eb)に関してその第1螺旋形状とは異なる第2螺旋形状を有する溝を更に含むようにその基体管材料を押し出し成形する工程を備えることが好ましい。
本発明の固体酸化物型燃料電池では、基体管の内壁に凹凸面を設けることで、基体管の強度を損なうことなく、基体管における燃料ガスの拡散抵抗を低減するとともに、基体管の内表面から水蒸気を効率的に除去することができる。
以下、本発明の固体酸化物型燃料電池及び固体酸化物型燃料電池の製造方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。ここでは、固体酸化物型燃料電池について説明するが、反応を逆にすることにより水電解セルに適用することも可能である。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の固体酸化物型燃料電池の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の固体酸化物型燃料電池10の第1の実施の形態の構成を示す断面図である。固体酸化物型燃料電池10は、基体管1と、複数のセル6と、複数のインターコネクタ7とを具備している。基体管1は、セラミックス製の筒である。ここでは、略円筒型である。その外壁2aは、円柱面を有している。その内壁2bは、へこみとしての凹部と、でっぱりとしての凸部とを含む凹凸面を有している。凹凸面については後述される。複数のセル6は、基体管1の外壁2aの表面に設けられている。インターコネクタ7は、隣接するセル6同士を電気的に直列に接続している。
セル6は、燃料極3と、電解質膜4と、空気極5とを備える。燃料極3、電解質膜4及び空気極5は、外壁2a上にこの順に積層されている。一つのセル6の燃料極3とそれに隣接する他のセル6の空気極5とは、インターコネクタ7によって電気的に接続されている。基体管1、燃料極3、空気極5は多孔質である。電解質膜4及びインターコネクタ7は、気体のガスが透過しない緻密膜である。
基体管1の主成分は、ZrO―CaO(CSZ)のようなジルコニア(ZrO)系複合酸化物に例示される。基体管1は、内壁2bが凹凸面であるため、厚肉部分と薄肉部分とが存在する。それらの厚みは、必要な強度に応じて設定される。本実施の形態では、例えば、厚肉部分の最大厚みが3mmである。薄肉部分の最小厚みは、例えば1mmである。
燃料極3の主成分は、NiO−YSZのような酸化ニッケルと他の金属酸化物の混合物に例示される。燃料極3の厚みは、必要な電気抵抗の大きさに基づいて設定される。電気抵抗の面から100μm以上が好ましく、500μm以上がより好ましい。一方、ガス拡散抵抗の面から1.0mm以下が好ましい。
電解質膜4の主成分は、ZrO―Y(YSZ)のようなジルコニア(ZrO)系酸化物に例示される。電解質膜の厚みは、薄ければ薄いほどよいが、製造上ピンホールや割れ目が出来難い10μm以上が好ましい。一方、電気抵抗の面から0.2mm以下が好ましい。より好ましくは0.1mm以下である。
空気極5の主成分は、LaSrMnOのようなランタンマンガネート(LaMnO)系酸化物に例示される。空気極5の厚みは、必要な電気抵抗の大きさに基づいて設定される。電気抵抗の面から0.2mm以上が好ましく、より好ましくは0.3mm以上である。一方、ガス拡散抵抗の面から2mm以下が好ましく、より好ましくは1.0mm以下である。
インターコネクタ7の主成分は、チタン酸化物に例示される。インターコネクタ7の厚みは、必要な電気抵抗の大きさに基づい設定される。ガスタイト性及び電気抵抗の面から20μm以上が好ましい。他の層との形状的な関係から、100μm以下が好ましい。
次に、本発明の固体電解質型燃料電池の第1の実施の形態における基体管1について更に説明する。図2は、本発明の固体電解質型燃料電池の第1の実施の形態における基体管1の構成を示す断面図である。左側が外壁2aの円柱面の軸Eに垂直な断面、右側が軸Eを含み軸Eに平行な断面をそれぞれ示す。
右側の図を参照して、基体管1の内壁2bには、外壁2aの円柱面の円周方向に沿って、凸部12a(厚肉部分)と凹部14a(薄肉部分)とが順に並んでいる。それぞれ、円周方向に厚みが一定である。左側の図を参照して、凸部12aと凹部14aとは、軸Eに平行に、軸Eの方向へ延びている。凹部14aの断面形状は、円柱面に沿った角型の溝である。
凹部14a(薄肉部分)を設けることで、基体管1内の燃料ガスが燃料極へ拡散するときのガス拡散抵抗を低減することができる。それにより、セル効率を向上させることができる。凸部12a(厚肉部分)を設けることで、薄肉部分による強度低下を抑制し、基体管1の強度を所定の範囲に保つことができる。凸部12aにおける基体管1の厚みta1、凸部12aの幅A1(円柱面の円周に沿った幅)、凹部14aにおける基体管1の厚みtb1、凹部14aの幅B1(円柱面の円周に沿った幅)、及び、凹部14aに対する凸部12aの高さH1は、セルに求められる効率と必要な強度とに基づいて設定される。
凸部12a及び凹部14aを設けることで、更に、燃料ガスの流れを乱して、内壁2b表面近傍の水蒸気濃度の高い領域を燃料ガスで攪拌することができる。したがって、その表面近傍の水蒸気を効率的に除去し、その水蒸気濃度を低減することが可能となる。これにより、セルの効率を向上させることができる。
幅A1は、幅B1よりも小さいことが好ましい。これにより、よりガス拡散抵抗を低減することができる。幅A1と幅B1との和(凸部12aと凹部14aとの周期)は、所定の範囲内であることが好ましい。小さすぎると凹部14a内に燃料ガスが届きにくくなり、大きすぎるとガス拡散抵抗の相対的に大きい厚肉部分が連続し、いずれもセル効率が低下する。
高さH1は、所定の範囲内であることが好ましい。高さH1が低過ぎる(厚肉部分が薄過ぎる)と、凸部12aと凹部14aとの差が小さくなり、上記各効果が得られない。一方、高さH1が高過ぎ(厚肉部分が厚過ぎ)ても、厚肉部分と薄肉部分との強度さが大きくなりすぎて、強度の弱い部分が壊れやすくなる。加えて、厚肉部分に対応する外壁2a上のセルへの燃料ガスの拡散が著しく悪くなり、セル効率を下げてしまう。更に、凹部14a内で燃料ガスの流れが安定してしまい、燃料ガスの流れを乱す効果が小さくなる。ガス拡散抵抗を低減させる効果、強度を高める効果、燃料ガスの流れを乱す効果がなくなる。
基体管1は、各凸部12aが一方の端部から他方の端部まで連続していることがより好ましい。それにより、より効果的に強度を維持することができる。
図2右側の図において、凸部12a及び凹部14aは、周期的に設けられている。ただし、このように周期的に設けられている必要はない。ただし、応力が強度の弱い部分に集中することを抑制するために、凸部12a及び凹部14aが一様に分散して、ムラが無いことが好ましい。そのような例としては、図2右側の図において、軸Eを通る線に対して線対称、且つ、軸Eに対して点対称である場合や、軸Eを通る線に対して線対称、且つ、その線から90度ずれた線に対して線対称である場合に例示される。
例えば、内径約33mm、外径約36mmの基体管1について考える。凸部12aにおいて、基体管1の厚みta1は3mm、幅A1は5mmである。凹部14aにおいて、基体管1の厚みtb1は1mm、幅B1は8mmである。すなわち、凹部14aに対する凸部12aの高さH1は、2mmである。凸部12a及び凹部14aは、それぞれ8個設けられている。
図2では、凸部12a及び凹部14aの断面形状が円柱面に沿った角型の溝である。しかし、本発明は、本発明の課題を解決できるものであれば、この形状に限定されるものではない。そのような他の例を以下に示す。図3(a)〜(c)は、本発明の固体電解質型燃料電池における基体管1の構成の他の変形例を示す断面図である。外壁2aの円柱面の軸Eに垂直な断面を示す。
図3(a)を参照して、基体管1の内壁2bには、外壁2aの円柱面の円周方向に沿って、凸部12b(厚肉部分)と凹部14b(薄肉部分)とが順に並んでいる。凸部12b(厚肉部分)は、円周方向に厚みが一定である。凹部14b(薄肉部分)は、その断面が円(丸)型の溝であるので、円周方向に厚みが一定でない。凸部12bと凹部14bとは、図示されないが、図2と同様に、軸Eに平行に、軸Eの方向へ延びている。
凸部12bにおける基体管1の厚みta2、凸部12bの幅A2(円柱面の円周に沿った幅)、凹部14bにおける基体管1の厚みtb2、凹部14bの幅B2(円柱面の円周に沿った幅)、及び、凹部14bに対する凸部12bの高さH2は、セルに求められる効率と必要な強度とに基づいて設定される。これらの関係も、図2に示す場合と同様である
このようにすることで、図2の場合と同様の効果を得ることができる。加えて、(a)の場合、薄肉分が緩やかな曲面(円弧)を成し、角部分がない。したがって、応力集中する箇所が無く強度の点で有利である。
図3(b)を参照して、基体管1の内壁2bには、外壁2aの円柱面の円周方向に沿って、凸部12c(厚肉部分)と凹部14c(薄肉部分)とが順に並んでいる。凸部12c(厚肉部分)は、円周方向に厚みが一定である。凹部14c(薄肉部分)は、その断面が三角型の溝であるので、円周方向に厚みが一定でない。凸部12cと凹部14cとは、図示されないが、図2と同様に、軸Eに平行に、軸Eの方向へ延びている。
凸部12cにおける基体管1の厚みta3、凸部12cの幅A3(円柱面の円周に沿った幅)、凹部14cにおける基体管1の厚みtb3、凹部14cの幅B3(円柱面の円周に沿った幅)、及び、凹部14cに対する凸部12cの高さH3は、セルに求められる効率と必要な強度とに基づいて設定される。これらの関係も、図2に示す場合と同様である
このように、凹部14の溝の形状としては、円、楕円及び多角形のうちの少なくとも一部を含み、それら単独又はそれらの組み合わせを用いることができる。そのような凸部12及び凹部14を用いることで、図2の場合と同様の効果を得ることができる。
図3(c)を参照して、基体管1の内壁2bには、外壁2aの円柱面の円周方向に沿って、凸部12d(厚肉部分)と凹部14d(薄肉部分)とが順に並んでいる。凸部12d(厚肉部分)は、その断面が三角型であるので、円周方向に厚みが一定でない。凹部14d(薄肉部分)は、円周方向に厚みが一定である。凸部12dと凹部14dとは、図示されないが、図2と同様に、軸Eに平行に、軸Eの方向へ延びている。
凸部12dにおける基体管1の厚みta4、凸部12dの幅A4(円柱面の円周に沿った幅)、凹部14dにおける基体管1の厚みtb4、凹部14dの幅B4(円柱面の円周に沿った幅)、及び、凹部14dに対する凸部12dの高さH4は、セルに求められる効率と必要な強度とに基づいて設定される。これらの関係も、図2に示す場合と同様である
このようにすることで、図2の場合と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法の第1の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法に用いる押出成形装置である。押出成形装置40は、制御部41、供給部42、押出部45、整流部46、成形部A47、成形部B48、及び中子49を備える。
供給部42は、供給部42と押出部45とを接続する配管44を介して、基体管材料(スラリー)を押出部45へ供給する供給量を制御部41に制御される。押出部45は、供給部42から供給された基体管材料を、図示されない押出し治具により整流部46へ押し出す。押出部45内は、円筒状である。整流部46は、押出部45から押し出される基体管材料の流れを整える。成形部A47(例示:ダイス)及び成形部B48(例示:ダイス)は、整流部46から押し出される基体管材料を所望の形状の外壁を有する円筒となるように成形する。その際、中子49は、整流部46から押し出される基体管材料を、所望の凸部及び凹部の内壁を有する円筒となるように成形する。表面に凸部及び凹部を有し回転可能な中子49−1と、表面に凸部及び凹部を有さない中子49−2を含む。制御部41は、供給部42からの基体管材料の供給量、押出部45における押し出し圧力、中子49−1の回転を制御する(ただし、第1の実施の形態では回転させない)。
図5は、中子49−1の構成の一例を示す正面図及び側面図である。中子49−1の一例としての中子49−1aは、中子49−2の側が中子49−2と同じ外径R1である。そして、その側から反対の側に向う傾斜状の凹部52a、凸部54aがその表面上に形成されている。凸部54aでの外径は、R2(>R1)である。この凹部52aにより、基体管1の凸部12aが形成される。凸部54aにより基体管1の凹部14aが形成される。
図6は、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法の第1の実施の形態を示すフロー図である。まず、基体管材料を押出成形装置40の供給部42に、導入し、基体管材料を押出部45へ供給する。押出部45は、基体管材料を整流部46へ押し出す。基体管材料は、整流部46で整流されながら、成形部47へ押し出される。そして、基体管材料は、成形部47の内側で外形を、中子49−2の外側で内形を成形される。さらに、基体管材料は、成形部48の内側で外形を、中子49−1aの外側で内形を所望の凹凸を有する円筒形状に成形される。それにより、凹凸面をなす内壁と円柱面をなす外壁とを有する筒型の円筒管が押し出される。
このとき、中子49−1aは、押し出し成形する間、基体管材料の円筒の内壁を連続的に成形する。それにより、その円筒の内壁に形成される凹部は、その円筒の軸方向(=円筒の外側面としての円柱面の軸方向)に連続的に延びる溝として形成される。
その後、その円筒管を、乾燥する(ステップS11)。制御部41は、供給部42の供給量、押出部45の押し出し圧力を制御する。
円筒管を乾燥後、その円筒管の外表面における所定の場所に、スクリーン印刷法により燃料極材料を塗布し、乾燥する。続いて、電解質材料を塗布し、乾燥する。次いで、インターコネクタ材料を印刷し、乾燥する。インターコネクタ材料は、一方の燃料極材料と少なくとも一部で接触するように印刷される。その後、それらを乾燥する(ステップS12)。
基体管材料、その外表面に積層された燃料極材料、電解質材料、及び、インターコネクタ材料について、所定の温度で一度に焼結する(ステップS13)。これにより、基体管1、燃料極3、電解質膜4、インターコネクタ7が完成する。次に、電解質膜4の外表面とインターコネクタ7の一部とを覆うように空気極材料を印刷し、乾燥する(ステップS14)。その後、空気極材料について、所定の温度で焼結する(ステップS15)。これにより、図1に示す固体酸化物型燃料電池10が完成する。このとき、基体管1は、図2に示す構造を有している。
ここではまず、円筒管の上に燃料極材料、電解質材料、及びインターコネクタ材料をそれぞれ塗布、乾燥、及び焼成し、その後、空気極材料を塗布、乾燥及び焼成している。しかし、焼成は、上記の場合に限定されるのもではない。焼成のタイミング、回数は、製造する固体酸化物型燃料電池の設計に応じて適宜変更される。
上述の方法で製造された固体酸化物型燃料電池10は、下記の動作により発電する。900〜1000℃の運転温度のもと、基体管1の内側に炭化水素と水蒸気の混合ガスが導入される。その混合ガスは、基体管1の凸部12a及び凹部14aにより、流れが乱されながら基体管1内を移動する。そして、多孔質である基体管1の薄肉部分の細孔を拡散して燃料極3に達する。厚肉部分については、厚肉部分の細孔と薄肉部分の細孔とを拡散して燃料極3に達する。その混合ガスは、燃料極3に含まれる活性金属のニッケルによって水蒸気改質され、水素、一酸化炭素、水蒸気が混合した燃料ガスになる。燃料ガスは、燃料極3の細孔を通過して電解質4まで達する。
一方、基体管1の外側には空気が流れる。空気中の酸素は、多孔質である空気極5の細孔を通過して電解質4に達する。酸素は、空気極5においてイオン化されて電解質4中を透過し、燃料極3に達する。燃料極3に達した酸素と燃料ガスとの電気化学的反応によって燃料極3と空気極5との間に電位差が生じ、これを外部に取り出すことによって発電が行われる。
上述の方法によって製造された図2に示す基体管1を用いた固体酸化物型燃料電池10は、凹部14a(薄肉部分)を有しているので、基体管1内の燃料ガスが燃料極へ拡散するときのガス拡散抵抗を低減することができる。それにより、セル効率を向上させることができる。凸部12a(厚肉部分)を有しているので、薄肉部分による強度低下を抑制し、基体管1の強度を所定の範囲に保つことができる。凸部12a及び凹部14aを設けることで、更に、燃料ガスの流れを乱して、内壁2b表面近傍の水蒸気濃度の高い領域を燃料ガスで攪拌することができる。したがって、その表面近傍の水蒸気を効率的に除去し、その水蒸気濃度を低減することが可能となる。これにより、セルの効率を向上させることができる。
薄肉部分を設けることによるセル効率の向上は、例えば、凹凸面のない従来の基体管と比較した結果として以下のように見積もることができる。例えば、凹凸面のない従来の基体管の厚みを3mmとした場合、その基体管の内壁の50%を図2の凹部14aのようにすれば、tb1=1mmのとき、セル出力が1.5倍に向上する。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の固体酸化物型燃料電池の第2の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の固体酸化物型燃料電池10の第2の実施の形態の構成を示す断面図である。第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
次に、本発明の固体電解質型燃料電池の第2の実施の形態における基体管1aについて更に説明する。図7は、本発明の固体電解質型燃料電池の第2の実施の形態における基体管1aの構成を示す断面図である。左側が外壁2aの円柱面の軸Eaに垂直な断面、右側が軸Eaを含み軸Eaに平行な断面をそれぞれ示す。
右側の図を参照して、基体管1aの内壁2bには、外壁2aの円柱面の円周方向に沿って、凸部22a(厚肉部分)と凹部24a(薄肉部分)とが順に並んでいる。それぞれ、円周方向に厚みが一定である。左側の図を参照して、凸部22aと凹部24aとは、軸Eaに関して、その方向へ延び、軸Eaを中心として内壁2bに沿って回る螺旋状に設けられている。矢印は溝(凹部24a)の走る方向を示す。凹部24aの断面形状は、円柱面に沿った角型の溝である。
凸部22aにおける基体管1aの厚みta5、凸部22aの幅A5(円柱面の円周に沿った幅)、凹部24aにおける基体管1aの厚みtb5、凹部24aの幅B5(円柱面の円周に沿った幅)、及び、凹部24aに対する凸部22aの高さH5は、セルに求められる効率と必要な強度とに基づいて設定される。これらの関係は、図2に示す場合と同様である。
螺旋の軸Ea方向の周期(ピッチ)は、基体管1内を流れる燃料ガスの流速や高さH5などに基づいて、燃料ガスの流れが乱される大きさが所望の大きさになるように決定される。
このようにすることで、図2の場合と同様の効果を得ることができる。加えて、凸部22a(凹部24a)が螺旋形状を有しているので、直線の場合(図2)に比較して、強度をより高めることができる。
基体管1aは、各凸部22aが一方の端部から他方の端部まで連続していることがより好ましい。それにより、より効果的に強度を維持することができる。
図7では、凸部22a及び凹部24aの断面形状が円柱面に沿った角型の溝である。しかし、本発明は、本発明の課題を解決できるものであれば、この形状に限定されるものではない。そのような他の例は、図3(a)〜(c)の断面形状である。この場合、凸部12b、12c、12dが凸部22b、22c、22dに、凹部14b、14c、14dが凹部24b、24c、24dにそれぞれ対応する。これらは、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法の第2の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法に用いる押出成形装置である。これは、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
図8は、中子49−1bの構成の一例を示す正面図及び側面図である。中子49−1の一例としての中子49−1bは、その表面に凹部52b及び凸部54bが螺旋状に形成されている。中子49−1bは、軸に対して回転可能に取り付けられている。この凹部52bにより、基体管1の凸部22aが形成される。凸部54bにより基体管1の凹部24aが形成される。
図6は、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法の第2の実施の形態を示すフロー図である。まず、基体管材料を押出成形装置40の供給部42に、導入し、基体管材料を押出部45へ供給する。押出部45は、基体管材料を整流部46へ押し出す。基体管材料は、整流部46で整流されながら、成形部47へ押し出される。そして、基体管材料は、成形部47で外形を、中子49−2で内形を成形される。さらに、基体管材料は、成形部48により外形を所望の円柱面を有する形状に、回転(軸Eを中心とする自転)する中子49−1bにより内形を所望の凹凸を有する形状にそれぞれ成形される。それにより、螺旋溝を有する凹凸面をなす内壁と円柱面をなす外壁とを有する筒型の円筒管が押し出される。その後、その円筒管を、乾燥する(ステップS11)。制御部41は、供給部42の供給量、押出部45の押し出し圧力、及び、中子49−1bの回転(例示:速度)を制御する。
ステップS12〜ステップS15については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
上述の方法で製造された固体酸化物型燃料電池10の発電動作は、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
上述の方法によって製造された図7に示す基体管1を用いた固体酸化物型燃料電池10では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。加えて、凸部22a(凹部24a)が螺旋形状を有しているので、直線の場合(図2)に比較して、強度をより高めることができる。
上記の実施の形態では、基体管材料は、回転する中子49−1bにより内形を螺旋溝を有する形状に成形されている。しかし、中子49−1bを周期的に回転方向に往復運動させることにより、波型にうねった溝を設けることも可能である。それにより、強度の維持とともに、燃料ガスの流れをより乱して、内壁2b表面近傍の水蒸気濃度の高い領域を燃料ガスで攪拌する効果をより高めることができる。したがって、その表面近傍の水蒸気をより効率的に除去し、その水蒸気濃度をより低減することが可能となる。これにより、セルの効率をより向上させることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の固体酸化物型燃料電池の第3の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の固体酸化物型燃料電池10の第3の実施の形態の構成を示す断面図である。第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
次に、本発明の固体電解質型燃料電池の第3の実施の形態における基体管1bについて更に説明する。図9は、本発明の固体電解質型燃料電池の第3の実施の形態における基体管1bの構成を示す断面図である。左側が外壁2aの円柱面の軸Ebに垂直な断面、右側が軸Ebを含み軸Ebに平行な断面をそれぞれ示す。
右側の図を参照して、基体管1bの内壁2bには、外壁2aの円柱面の円周方向に沿って、凸部32a(厚肉部分)と凹部34a(薄肉部分)又は凹部36a(薄肉部分)とが順に並んでいる。それぞれ、円周方向に厚みが一定である。左側の図を参照して、凸部32aと凹部34a及び凹部36aは、軸Ebに関して、その方向へ延び、軸Ebを中心として内壁2bに沿って回る螺旋状に設けられている。ただし、凹部34aの形成する螺旋の軸Ebに対する回転方向と、凹部36aの形成する螺旋の軸Ebに対する回転方向とは、逆の方向である。すなわち、クロススパイラルの形状を有している。実線の矢印は第1螺旋形状の溝(凹部34a)の走る方向を、破線の矢印は第2螺旋形状の溝(凹部36a)の走る方向をそれぞれ示す。凹部34a及び凹部36aの断面形状は、円柱面に沿った角型の溝である。
凸部32aにおける基体管1bの厚みta6、凸部32aの幅A6(円柱面の円周に沿った幅)、凹部34a及び凹部36aにおける基体管1bの厚みtb6、凹部34a及び凹部36aの幅B6(円柱面の円周に沿った幅)、及び、凹部34a及び凹部36aに対する凸部32aの高さH6は、セルに求められる効率と必要な強度とに基づいて設定される。これらの関係は、図2に示す場合と同様である
このようにすることで、図2の場合と同様の効果を得ることができる。加えて、凸部32a(凹部34a及び凹部36a)が互いに逆向きの螺旋形状を有しているので、単なる螺旋形状の場合(図7)に比較して、燃料ガスの流れをより乱して、内壁2b表面近傍の水蒸気濃度の高い領域を燃料ガスでより攪拌することができる。したがって、その表面近傍の水蒸気をより効率的に除去し、その水蒸気濃度をより低くすることが可能となる。これにより、セルの効率をより向上させることができる。
図9では、凸部32a及び凹部34a及び凹部36aの断面形状が円柱面に沿った角型の溝である。しかし、本発明は、本発明の課題を解決できるものであれば、この形状に限定されるものではない。そのような他の例は、図3(a)〜(c)の断面形状である。この場合、凸部12b、12c、12dが凸部32b、32c、32dに、凹部14b、14c、14dが凹部34b、34c、34d、36b、36c、36dにそれぞれ対応する。これらは、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法の第3の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法に用いる押出成形装置である。これは、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
図10は、中子49−1cの構成の一例を示す正面図及び側面図である。中子49−1の一例としての中子49−1cは、2つの中子49−1cA及び中子49−1cBを備えている。中子49−1cAと中子49−1cBとは、同軸に結合され、互いに反対向きに回転するように制御される。中子49−1cAは、中子49−1bと同じである。その表面に凹部52b及び凸部54bが螺旋状に形成されている。この凸部54bにより基体管1の凹部34aが形成される。中子49−1cBは、中子49−1bを逆向きに取り付けたもので、その表面に凹部52c及び凸部54cが螺旋状に形成されている。この凸部54cにより基体管1の凹部36aが形成される。そして、凹部52b及び凹部52cにより、基体管1の凸部32aが形成される。
図6は、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法の第3の実施の形態を示すフロー図である。まず、基体管材料を供給部42に、導入し、基体管材料を押出部45へ供給する。押出部45は、基体管材料を整流部46へ押し出す。基体管材料は、整流部46で整流されながら、成形部47へ押し出される。そして、基体管材料は、成形部47で外形を、中子49−2で内形を成形される。さらに、基体管材料は、成形部48により外形を所望の円柱面を有する形状に成形され、一方向に回転(軸Eを中心とする自転)する中子49−1cAとその逆方向に回転(軸Eを中心とする自転)する中子49−1cBとにより内形を所望の凹凸を有する形状に成形される。それにより、2つの互いに逆向きの螺旋溝を有する凹凸面をなす内壁と円柱面をなす外壁とを有する筒型の円筒管が押し出される。その後、その円筒管を、乾燥する(ステップS11)。制御部41は、供給部42の供給量、押出部45の押し出し圧力、及び、中子49−1cAと中子49−1cBの回転(例示:速度及び向き)を制御する。
ステップS12〜ステップS15については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
上述の方法で製造された固体酸化物型燃料電池10の発電動作は、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
上述の方法によって製造された図9に示す基体管1を用いた固体酸化物型燃料電池10では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。加えて、凸部32a(凹部34a及び凹部36a)が互いに逆向きの螺旋形状を有しているので、同じ向きの螺旋形状の場合(図7)に比較して、燃料ガスの流れをより乱して、内壁2b表面近傍の水蒸気をより効率的に除去し、その水蒸気濃度をより低くすることが可能となる。これにより、セルの効率をより向上させることができる。
図9の実施の形態において、凸部が32aの位置、凹部(溝)が34a及び36aの位置にある。しかし、逆に、凹部が32aの位置、凸部が34a及び36aの位置にあっても良い。すなわち、図9の略菱形の凸部32aが、逆に略菱形の凹部となる。その場合、各凸部(34a及び36aの位置)が、基体管1bの一方の端部から他方の端部まで連続しているので、図9の場合に比較して、より効果的に強度を維持することができる。
その製造方法は、例えば、図8の中子49−1bにおいて、各凸部54bの周方向の幅を、0から略菱形(32aの位置)の凹部の対角の長さまで、製造中に周期的に変動させるように制御すればよい。そのとき、隣り合う凸部54bの周期は、1/2周期ずらす。また、中子49−1bは回転させない。このようにすることで、2つの凸部がそれぞれ螺旋状に基体管1bの一方の端部から他方の端部まで連続した形状を形成することができる。
本実施の形態では、図10における中子49−1cAと中子49−1cBとは互いに反対向きに回転するように制御される。ただし、中子49−1cAと中子49−1cBとを互いに同じ向きに回転するようにしても良い。ただし、その回転速度を互いに異なる値となるように制御する。それにより、基体管の内壁に中子49−1cAで形成される一方の凹部と、中子49−1cBで形成される他方の凹部とは、互いに周期(ピッチ)が異なる螺旋上の溝を形成することになる。この場合にも、図10の場合と同様の効果を得ることができる。
上記各実施の形態では、基体管製造において、押出成形に用いる中子の変更のような軽微な変更により対応することが出来る。すなわち、既存の装置を用い低コストで製造することができる。加えて、溝の分だけ基体管材料が削減されるので、材料費を削減することができる。
上記各実施の形態では、基体管は、支持体として使用されている。しかし、基体管を燃料極材料で作製する場合や、空気極材料で作製する場合にも、本発明を同様に適用することが可能である。
図1は、本発明の固体酸化物型燃料電池10の第1の実施の形態の構成を示す断面図である。 図2は、本発明の固体電解質型燃料電池の第1の実施の形態における基体管1の構成を示す断面図である。 図3(a)〜(c)は、本発明の固体電解質型燃料電池における基体管1の構成の他の変形例を示す断面図である。 図4は、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法に用いる押出成形装置である。 図5は、中子49−1の構成の一例を示す正面図及び側面図である。 図6は、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法の第1の実施の形態を示すフロー図である。 図7は、本発明の固体電解質型燃料電池の第2の実施の形態における基体管1aの構成を示す断面図である。 図8は、中子49−1bの構成の一例を示す正面図及び側面図である。 図9は、本発明の固体電解質型燃料電池の第3の実施の形態における基体管1bの構成を示す断面図である。 図10は、中子49−1cの構成の一例を示す正面図及び側面図である。
符号の説明
1、1a、1b 基体管
2a 外壁
2b 内壁
3 燃料極
4 電解質
5 空気極
6 セル
7 インターコネクタ
10 固体酸化物型燃料電池
12(a、b、c、d)、22(a、b、c、d)、32(a、b、c、d) 凸部
14(a、b、c、d)、24(a、b、c、d)、34(a、b、c、d)、36(a、b、c、d) 凹部
40 押出成形装置
41 制御部
42 供給部
45 押出部
46 整流部
47 成形部A
48 成形部B
49、49−1、49−1a、49−1b、49−1c、49−1cA、49−1cB、49−2 中子
52a、52b、52c 凹部
54a、54b、54c 凸部

Claims (8)

  1. 凹凸面をなす内壁と円柱面をなす外壁とを有する筒型で多孔質の基体管と、
    前記外壁の表面に設けられたセルと
    を具備し、
    前記内壁の凹部は、前記円柱面の軸に関して第1螺旋形状を有する溝を含み、
    前記凹部は、前記円柱面の軸に関して前記第1螺旋形状とは異なる第2螺旋形状を有する溝を含む
    固体酸化物型燃料電池。
  2. 請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池において、
    前記溝の断面は、円、楕円及び多角形のうちの少なくとも一部を含む
    固体酸化物型燃料電池。
  3. 請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池において、
    前記基体管は、セラミックス製である
    固体酸化物型燃料電池。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の固体酸化物型燃料電池において、
    前記基体管は、内側に燃料ガスが通る
    固体酸化物型燃料電池。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の固体酸化物型燃料電池において、
    前記基体管における前記円柱面の軸に垂直な断面は、前記軸に垂直に交わる線に対して線対称であり、且つ、前記軸に対して点対称である
    固体酸化物型燃料電池。
  6. (a)外壁が円柱面をなし、内壁が凹凸面をなすように基体管材料を押し出し成形して、円筒管を形成する工程と、
    (b)前記円筒管の外表面に燃料極材料を接合し、前記燃料極材料の外表面に電解質材料を接合し、隣接する接合された前記電解質材料と前記燃料極材料との間にインターコネクタ材料を接合する工程と、
    (c)前記基体管材料、前記燃料極材料、前記電解質材料、及び、インターコネクタ材料を焼成する工程と
    を具備し、
    前記(a)ステップは、
    (a2)前記内壁の凹部が、前記円柱面の軸に関して第1螺旋形状を有する溝を含むように前記基体管材料を押し出し成形する工程を備え、
    前記(a2)ステップは、
    (a3)前記内壁の凹部が、前記円柱面の軸に関して前記第1螺旋形状とは異なる第2螺旋形状を有する溝を更に含むように前記基体管材料を押し出し成形する工程を備える
    固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  7. 請求項に記載の固体酸化物型燃料電池の製造方法において、
    前記(b)ステップは、
    (b1)前記電解質材料の外表面に空気極材料を接合する工程を備え、
    前記(c)ステップは、
    (c1)前記基体管材料、前記燃料極材料、前記電解質材料、及び、インターコネクタ材料に加えて前記空気極材料を焼成する工程を備える
    固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  8. 請求項に記載の固体酸化物型燃料電池の製造方法において、
    (d)焼成された前記電解質材料の外表面に空気極材料を接合する工程と、
    (e)前記空気極を焼成する工程と
    を更に具備する
    固体酸化物型燃料電池の製造方法。
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