以下に、本実施の形態について図面に基づいて説明する。本実施の形態では、遊技機としてパチスロ機10である場合について説明する。本実施の形態では、遊技媒体としてメダルである場合について説明する。なお、遊技機としてパチンコ機とすることもできる。この場合には、遊技媒体として遊技球となる。
<<<<持ち球管理システム>>>>
図1は、本実施の形態における持ち球管理システムの概略を示す概略図である。
本実施の形態に係る持ち球管理システムは、
遊技機(たとえば、パチスロ機10)に対応して設けられ、価値媒体(たとえば、ICカード、現金など)の投入を受けて遊技媒体(たとえば、メダルなど)を払い出す機能とともに遊技媒体、例えば遊技機による遊技によって獲得された獲得遊技媒体(獲得メダル数など)などを計数する機能を有し、遊技媒体の払い出し及び遊技媒体の計数を受けて増減する価値情報(たとえば、払出や計数で増減する情報であり、ICカードに記憶される価値情報であり、「貯メダル」や「持メダル」などに相当する)を管理し、該価値情報を特定可能な獲得価値媒体(たとえば、ICカード、現金など)を発行する遊技媒体貸出装置(たとえば、サンド20(計数機能付遊技媒体貸出装置又は計数機能付メダルサンド)など)と、
遊技機及び遊技媒体貸出装置の各々と通信可能であって、遊技機での遊技に使用される消費遊技媒体情報と、遊技機による入賞に応じて増加する入賞情報と、遊技媒体貸出装置が管理する価値情報とを受けて、これら情報を発信した遊技機を特定可能な識別情報と対応付けて記憶する管理サーバ(たとえば、持ち球管理サーバ500)と、
遊技機の前方を撮影し、撮影範囲にある遊技者が着席状態にあるか否かを検出するとともに、着席状態にあるか否かの着席結果情報及び着席遊技者の撮影情報を管理サーバに送信する撮影手段(たとえば、カメラ35)と、
を備えた遊技媒体管理システムであって、
管理サーバは、
消費遊技媒体情報と入賞情報と価値情報とにもとづいて、識別情報により特定される各遊技機の理論上の持ち球データ(たとえば、理論持ち球数)と、遊技媒体貸出装置により計数される計数データ(たとえば、実持ち球数)とを比較する(たとえば、図13のステップS1314など)比較手段(たとえば、CPU510など)と、
遊技機及び遊技媒体貸出装置から特定の情報を受けたときに、比較手段による比較結果が所定の閾値を超えていた場合に、所定の異常発生処理(たとえば、図12のステップS1280など)を行う異常発生処理手段(たとえば、CPU510など)と、
を含むことを特徴とする。
遊技媒体管理システムは、遊技媒体貸出装置と管理サーバと撮影手段とを備える。
遊技媒体貸出装置は、遊技機に対応して設けられている。遊技媒体貸出装置は、価値媒体の投入を受けて遊技媒体を払い出す機能を有する。遊技媒体貸出装置は、遊技媒体、たとえば、遊技機による遊技によって獲得された獲得遊技媒体などを計数する機能を有する。遊技媒体貸出装置は、遊技媒体の払い出し及び遊技媒体の計数を受けて増減する価値情報を管理する。遊技媒体貸出装置は、この価値情報を特定できる獲得価値媒体を発行する。
管理サーバは、遊技機及び遊技媒体貸出装置の各々と通信可能である。管理サーバは、消費遊技媒体情報と入賞情報と価値情報とを受けて、これらの情報を発信した遊技機を特定可能な識別情報と対応付けて記憶する。消費遊技媒体情報は、遊技機での遊技に使用される遊技媒体に関する情報である。入賞情報は、遊技機による入賞に応じて増加する遊技媒体に関する情報である。価値情報は、遊技媒体貸出装置が管理する情報である。
撮影手段は、遊技機の前方を撮影し、撮影範囲にある遊技者が着席状態にあるか否かを検出する。撮影手段は、着席状態にあるか否かの着席結果情報及び着席遊技者の撮影情報を管理サーバに送信する。
管理サーバは、比較手段と異常発生処理手段とを含む。
比較手段は、上述した消費遊技媒体情報と入賞情報と価値情報とにもとづいて、持ち球データと計数データとを比較する。持ち球データは、識別情報により特定される各遊技機の理論上の持ち球を示すデータである。計数データは、遊技媒体貸出装置により計数される遊技媒体を示すデータである。
異常発生処理手段は、遊技機及び遊技媒体貸出装置から特定の情報を受けたときに、比較手段による比較結果が所定の閾値を超えていた場合に、所定の異常発生処理を行う。
上述した遊技媒体管理システムによれば、消費遊技媒体情報と入賞情報と価値情報とにもとづいて、理論上の持ち球データと計数データとを比較する。したがって、不正行為の判断のための情報の種類を増やすとともに、不正行為を判断できるタイミングを増やすことができ、不正監視を適時に行うことができる。また、比較結果が所定の閾値を超えていた場合に、所定の異常発生処理を行うので、不正行為があったことを遊技場などに報知することができる。
本実施の形態に係る持ち球管理システムは、上記の構成に加えて、
前記異常発生処理手段が、
前記特定の情報として着席状態にないことを示す着席結果情報を受けたとき、または獲得価値媒体の発行処理が行われたときに、所定の異常発生処理を行う。
上述した遊技媒体管理システムによれば、遊技者が離席しているときや、獲得価値媒体を発行するときに、不正行為があったことを遊技場などに報知することができる。
本実施の形態に係る持ち球管理システムは、上記の構成に加えて、
前記異常発生処理手段が、
前記特定の情報として着席状態にないことを示す着席結果情報を受けたときに、この着席状態にない遊技機における比較結果が所定の閾値を超えた場合に、所定の異常発生処理として、
該遊技機の着席遊技者の撮影情報を不審者として登録する。
上述した遊技媒体管理システムによれば、遊技機の着席遊技者の撮影情報を不審者として登録するので、不正行為をしたと判断された遊技者を容易に視認できる情報を保存することができる。
本実施の形態に係る持ち球管理システムは、上記の構成に加えて、
前記異常発生処理手段が、
前記特定の情報として着席状態になったことを示す着席結果情報を受けたときに、着席遊技者の差撮影情報と不審者として登録されている遊技者の撮影情報の比較照合を行う。
上述した遊技媒体管理システムによれば、撮影情報の比較照合を行うので、過去に不正行為を行った者であるか否かを容易に判断することができる。
本実施の形態に係る持ち球管理システムは、上記の構成に加えて、
前記管理サーバが、
着席結果情報にもとづき遊技場における着席台及び非着席台の一覧を作成する着席リスト作成手段を備え、
前記異常発生処理手段は、所定の異常処理として、異常が発生した遊技機の識別情報を着席リスト作成手段に送信する。
上述した遊技媒体管理システムによれば、異常が発生した遊技機の識別情報を着席リスト作成手段に送信するので、不正行為が行われた遊技機を特定しやすくできる。
<<<サンド20>>>
<<サンド20の概要>>
図2は、ホール(店舗)においてパチスロ機10とサンド20(遊技媒体貸出手段)とが併設された状態を示す正面図である。なお、本実施の形態におけるサンド20(遊技媒体貸出装置)は、具体的には、計数機能付メダルサンドと呼ばれるものであり、以下では、計数機能付メダルサンドを便宜上サンドと記載する。図3は、サンド20を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ機10の向かって右側にはサンド20が併設されている。サンド20の各々は、隣接するパチスロ機10に対応して設置されている。サンド20の各々は、パチスロ機10との間で通信可能に接続されている。
サンド20の各々は、ネットワークを介して持ち球管理サーバ500との間で通信可能に接続されている。持ち球管理サーバ500は、サンド20を介して、ホールに設置されたパチスロ機10等の遊技機のシステム管理や売り上げ管理を行うコントローラである。
サンド20の前面部21には、LED(light-emitting diode)部31、カード挿入口32、紙幣を投入可能な紙幣挿入口33、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット34、カメラ35、非接触リーダライタ36、ICカードリーダ62、メダル(遊技媒体)払出用トレー37、スピーカカバー38、メダル(遊技媒体)計数用投入口39等が設けられている。
カード挿入口32は、ICカード(価値媒体)を受け付け可能に構成された挿入口である。紙幣挿入口33は、紙幣を受け付け可能に構成された挿入口である。遊技者が紙幣挿入口33に所定の金額の紙幣を投入することでICカードが発行される。また、ホールに設置されているカード発行機(図示せず)によっても発行できる。ICカードには、主として、残金データやICカードを識別するための識別情報が記憶される。
ICカードリーダ62は、ICカード(価値媒体)を読み書き可能に構成されている。カード挿入口32からICカードが投入されたときには、ICカードリーダ62と読み書きできる位置までICカードは搬送される。また、遊技者がICカードの返却操作をすることによって、ICカードはカード挿入口32から返却される。
ICカードには、会員カードとビジターカードとの2種類がある。会員カードは、会員が所持できるICカードである。一方、ビジターカードは、遊技場の会員以外の者(ビジター)が所持できるICカードである。このビジターカードは、ビジターに対して発行される。ビジターカードは、会員カードよりも短い有効期限に限り、たとえば、発行当日に限り有効となるカードである。
遊技者が、ICカードをカード挿入口32から投入しICカードリーダ62によってICカードを読み書き可能な状態にしたときに、ICカードリーダ62とICカードとの間で所定の情報の読み書きがされる。ICカードは、遊技者が獲得したメダルを持ちメダル及び貯メダルとして記録するためのものである。ICカードには、主として、貯メダル数やICカードを識別するための識別情報が記憶される。
非接触リーダライタ36は、遊技者が所有する携帯端末装置、例えば携帯電話などとも読み書きすることができる。遊技者が携帯端末装置を非接触リーダライタ36の前方にかざしたときには、ホールのホームページやメール会員登録ページのURLが携帯端末に送信される。
遊技者が、ICカードをカード挿入口32に投入することで、ICカードに記憶されている貯メダル数のメダルの貸し出しを受けることができる。なお、所定金額の紙幣(価値媒体)を紙幣挿入口33に投入することによってもメダルの貸し出しを受けることができるようにしてもよい。
LED部31は、フルカラーLED31A、赤外LED(赤外線発光ダイオード)31Bから構成されている。
サンド20は、遊技者が、ICカードをカード挿入口32に投入したときには、ICカードに記憶されている貯メダル数のメダルをメダル払出用トレー37から払い出す。払い出すメダルの数は、サンド20の内部に設けられた払出用ホッパによって計数される。遊技者は、メダル払出用トレー37から払い出されたメダルをパチスロ機10のメダル投入口11へ投入することにより、パチスロ機10において遊技を行うことができる。
パチスロ機10における遊技の結果に応じて、メダル払出トレー12にメダルが払い出される。遊技者が遊技を終了して払い出されたメダルをホールに貯メダルとして預けたい場合などでは、遊技者は、払い出されたメダルをメダル払出トレー12から掬い取り、サンド20のメダル計数用投入口39へ投入する。サンド20は、メダル計数用投入口39に投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパ71によって計数する。
計数用ホッパ71によって計数された結果を、ICカードリーダ62を介してICカードに記録することができる。なお、ICカードに記録されるデータは、メダル数を示すデータでも、メダル数に基づいて変換された金額を示すデータでもよい。いわゆる貯メダル数として機能するデータがICカードに記録されればよい。
また、サンド20は、計数用ホッパ71によって計数された結果を示す信号を持ち球管理サーバ500に送信する。持ち球管理サーバ500は、サンド20から送信された信号を受信し、持ち球管理サーバ500の記憶部(RAM514やHDD(ハードディスクドライブ)516)に計数された結果を記憶させる。
サンド20の下部にメダルを貯留するための貯留ボックスが設置されている。この貯留ボックスへメダルを排出することができる。また、サンド20の底面部に搬送コンベアを設けてもよい。計数用ホッパ71において計数されたメダルを排出口から搬送コンベアに排出して回収できる。
上述したように、操作ユニット34は、タッチパネルLCDにより構成されている。タッチパネルLCDに所定の画像を表示し、その画像に応じて遊技者の操作を受け付けることができる。
たとえば、図17に示すような画像をタッチパネルLCDに表示することができる。具体的には、「貸出」、「返却」、「計数開始」、「持メダル払出」、「計数停止」、「貯メダルする」、「サービス」、「貯メダル払出」などの各種の処理の対応する操作ボタンを模した画像(以下、単に、操作ボタンと称する)がタッチパネルLCDに表示される。遊技者は、遊技者は、所望する処理に対応する操作ボタンにタッチすることで、その処理を実行することができる。
たとえば、図17に示す「貸出」操作ボタンは、ICカードをカード挿入口32に挿入して、メダルの貸し出しを希望するときに操作する操作ボタンである。遊技者による「貸出」操作ボタンの操作を「貸出操作」と称する。「計数開始」操作ボタンは、メダル計数用投入口39にメダルを投入して計数用ホッパ71によって計数するときに操作する操作ボタンである。遊技者による「計数開始」操作ボタンの操作を「計数開始操作」と称する。「計数停止」操作ボタンは、メダルの計数を開始したあとに、計数を停止するときに操作する操作ボタンである。遊技者による「計数停止」操作ボタンの操作を「計数停止操作」と称する。「返却」操作ボタンは、挿入したICカードを返却するときに操作する操作ボタンである。このとき、ICカードには残高情報が書き込まれる。遊技者による「返却」操作ボタンの操作を「返却操作」と称する。
図3に示すように、サンド20の前面部21を複数(例えば、2つ)に分割して、制御基板63などの重要な構成部品が取り付けられる部位の前面部のみを個別のパネル構成としている。
サンド20の前面部21は、主に、前面パネル221と前面パネル222と前面パネル223とから構成されている。前面パネル221は、紙幣識別装置61が取り付けられる筺体内部空間前面部を覆う。前面パネル222は、制御基板63及び電源ユニット65が取り付けられる筺体内部空間の前面部を覆う。前面パネル223は、払出用ホッパ51の補給通路53が設けられる筺体内部空間の前面部を覆う。前面パネル221、222及び223の各々は、個別に着脱可能に構成されている。上述したように、前面パネル222は、最も重要な構成部品である制御基板63が設けられる筺体内部空間の前面部を覆う。前面パネル222の上下に配置された前面パネル221及び223を筺体22に取り付けることで、前面パネル222を筺体22にロックすることができる。
<<<サンド20の構成>>>
図4は、サンド20の制御基板63の構成と、制御基板63によって制御される部品の構成とを示すブロック図である。
メインCPU(central processing unit)121は、ROM(read only memory)122に格納された制御部プログラムを読み出してメダルの計数や遊技者の顔の撮影や、その他の処理を実行する。具体的には、主として、後述する図7、図10、図12及び図14に示すサンド20におけるサブルーチンを実行する。メインCPU121の実行処理に用いられる各種のデータは、RAM(random access memory)123に格納される。
メインCPU121は、ICカードリーダ62を介してICカードから残高データを読み出したときには、読み出した残高データをRAM123に格納する。
遊技者が操作ユニット34で「貸出」操作ボタンの操作(貸出操作)をしたときには、貸出操作に基づく入金額を示す信号が操作ユニット34から出力される。メインCPU121は、RAM123に格納された残高データが示す残高と、操作ユニット34から出力された貸出信号とに基づいて残高データを更新する。具体的には、貸出操作1回につき、設定された枚数(例えば、50枚)に対応する数に至るまで払出用ホッパ51でメダルを計数して払い出す。次いで、貸出操作1回につき、設定された金額(例えば、1000円)を残高から減算して、残高データを更新する。また、減算した残高を示す残高データを、ICカードリーダ62を介してICカードに記憶させる。
メインCPU121は、駆動回路131を制御することにより、払出用ホッパ51を駆動できる。また、メインCPU121には、駆動回路132を介して計数用ホッパ71が接続されており、メインCPU121は、駆動回路132を制御することにより、計数用ホッパ71を駆動させることができる。
操作ユニット34には、ICカードを返却するボタンも表示されている。遊技者がこの操作ボタンを操作することにより、メインCPU121は、ICカードリーダ62に挿入されているICカードをカード挿入口32から返却する。
メインCPU121は、ICカードリーダ62を介してICカードとの間で非接触通信を行う。この通信の方式は、例えば、キャリア周波数が13.56MHzの電磁誘導方式である。メインCPU121は、ICカードリーダ62を介してICカードや携帯端末から情報を読み取る。
メインCPU121は、ICカードリーダ62を介してICカードから貯メダル数を示す貯メダル数データを読み出したときには、読み出した貯メダル数データをRAM123に格納する。
遊技者が操作ユニット34で「貯メダル払出」操作ボタンの操作(貯メダル払出操作)をしたときには、払い出し数を示す信号が操作ユニット34から出力される。メインCPU121は、RAM123に格納された貯メダル数データが示す貯メダル数と、操作ユニット34から出力された信号が示す払い出し数とに基づいて貯メダル数データを更新する。具体的には、払い出し数に至るまで払出用ホッパ51でメダルを計数して払い出す。次いで、払い出し数を貯メダル数から減算して、貯メダル数データを更新する。また、減算した貯メダル数を示す貯メダル数データをICカードリーダ62を介してICカードに記憶させる。
貯メダル払出操作によって払い出されたメダルは、遊技者が貯メダルとして蓄えたメダルのうち、遊技に使用するためのメダルである。
また、上述したように、非接触リーダライタ36は、遊技者が所有する携帯端末装置、例えば携帯電話などとも読み書きすることができる。遊技者が、所有する携帯端末装置、例えば携帯電話などを非接触リーダライタ36の前方にかざしたときには、メインCPU121は、ホールのホームページやメール会員登録ページのURLを携帯端末に送信する。
また、メインCPU121は、紙幣識別装置(ビルバリ)61から出力される紙幣識別結果に対応するICカードを発行する。ICカードは、カード挿入口32から排出される。また、紙幣識別結果に対応する数のメダルに至るまで払出用ホッパ51でメダルを計数して払い出してもよい。
また、メインCPU121は、LED部31の赤外LED31Bを監視用投光器として用い、赤外LED31Bからの赤外光を遊技者で反射させ、これをカメラ35において撮影する。メインCPU121は、カメラ35において撮影された画像をROM122に格納する。この撮影された画像によって、遊技者のフェイシャルデータを取得する。また、撮影された画像に基づいて、遊技者の存在を検出する。これによって遊技者に対するフェイシャル認識を実行することができる。
また、メインCPU121は、インターフェイス125を介して、パチスロ機や持ち球管理サーバ500との間で通信を行うようになっている。
<<<パチスロ機10>>>
図5は、パチスロ機10の構成を示すブロック図である。パチスロ機10は、主制御回路250、副制御回路280及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。主制御回路250は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ260を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ260は、メインCPU261、メインROM262及びメインRAM263により構成される。
メインROM262には、メインCPU261により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路280に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM263には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。メインCPU261は、後述する図11に示すサブルーチンを実行する。
メインCPU261には、クロックパルス発生回路252、分周器253、乱数発生器254及びサンプリング回路255が接続されている。クロックパルス発生回路252及び分周器253は、クロックパルスを発生する。メインCPU261は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器254は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路255は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ260の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU261は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ271L、271C、271R等の周辺装置の動作を制御する。停止操作検出手段であるストップスイッチ312Sは、3つのストップボタン312L、312C、312Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、開始操作検出手段であるスタートスイッチ310Sは、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ240Sは、メダル投入口11に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ332Sは、ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ334Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。また、扉センサ335Sは、筺体の扉が開かれたことを検出する。
マイクロコンピュータ260により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ271L、271C、271R、7セグ表示器314及びホッパ350がある。また、マイクロコンピュータ260の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路272は、各リール320L、320C、320Rに対応して設けられたステッピングモータ271L、271C、271Rの駆動を制御する。リール位置検出回路270は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスを各リール320L、320C、320Rに応じて検出する。
ステッピングモータ271L、271C、271Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ271L、271C、271Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール320L、320C、320Rに伝達される。ステッピングモータ271L、271C、271Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール320L、320C、320Rは一定の角度で回転する。
メインCPU261は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ271L、271C、271Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール320L、320C、320Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール320L、320C、320Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路315は、7セグ表示器314の動作を制御する。また、ホッパ駆動回路352は、ホッパ350の動作を制御する。また、払出完了信号回路353は、ホッパ350に設けられたメダル検出部351が行うメダルの検出を管理し、ホッパ350から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
副制御回路280は、主制御回路250と電気的に接続されており、主制御回路250から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路280は、基本的に、サブCPU、サブROM、サブRAM、レンダリングプロセッサ、描画用RAM、ドライバ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM等を含んで構成されている。
サブCPUは、主制御回路250から送信されたコマンドに応じて、サブROMに記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAMは、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路250から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROMは、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
また、サブROMには、発光演出装置(図示せず)における光による演出を行うための演出データが格納されている。サブCPUは、主制御回路250からのコマンドに基づいて、この演出データを出力することにより、ランプ412を発光させる。また、サブROMには、効果音や画像による演出を行うための演出データが格納されており、サブCPUは、主制御回路250からのコマンドに基づいて、この演出データを出力することにより、スピーカ414から効果音を出力させると共に、液晶表示装置410に演出画像を表示させる。
ここで、主制御回路250には、インターフェイス210が接続されており、メインCPU261は、インターフェイス210を介して、サンド20や持ち球管理サーバ500と通信を行う。メインCPU261は、サンド20からの要求に応じて、メダルの払出情報を持ち球管理サーバ500に送信する。なお、メインCPU261は、サンド20からの要求に応じてサンド20へ送信してもよい。
メダルの払出情報とは、例えば、メダルの払出し数やボーナス発生回数等である。メインCPU261は、サンド20から要求があった後のこれらの情報をメインRAM263に蓄積し、サンド20からの要求によってこの払出情報を持ち球管理サーバ500やサンド20へ送信する。メインCPU261は、持ち球管理サーバ500やサンド20へ送信した後、それまでの蓄積情報をリセットする。
<<<持ち球管理サーバ500>>>
図6は、持ち球管理サーバ500の構成を示すブロック図である。持ち球管理サーバ500は、CPU510、ROM512、RAM514及びHDD516により構成される。
CPU510は、ROM512に格納された制御部ログラムを読み出して実行する。具体的には、主として、後述する図7及び図8並びに図10〜図14に示す持ち球管理サーバ500におけるサブルーチンを実行する。
ROM512には、CPU510により実行される制御プログラムやデータ等が記憶されている。RAM514には、制御プログラムの実行に使用された各種データを格納する格納領域が設けられる。HDD516には、後述するフェイシャルデータや各種のデータベースなどの容量が大きいデータが更新可能に格納される。
CPU510は、インターフェイス518を介して、パチスロ機10やサンド20との間で通信を行うようになっている。CPU510は、インターフェイス520を介して、インカムユニットやディスプレイとの間で通信を行うようになっている。インカムユニットは、ホールの店員が使用するものであり、ディスプレイは、ホールの店員が視認できるものである。
<<着席時処理>>
図7は、着席時処理に関するシステムフローを示す図である。図7に示すシステムフローのうち、左側に示す処理が、サンド20で実行される処理である。中央に示す処理が、持ち球管理サーバ500で実行される処理である。右側に示す処理が、インカムユニットやディスプレイにおける動作である。この図7の処理によってフェイシャル認識をすることができる。
<サンド20における処理>
最初に、サンド20のメインCPU121は、カメラ35によってパチスロ機10の前方を撮影する(ステップS710)。カメラ35が撮影する領域は、パチスロ機10の前方に遊技者が座って遊技をしている状態で、遊技者の顔を撮影できる領域である。したがって、パチスロ機10の前方に遊技者が座って遊技をしている状態でカメラ35で撮影をしたときには、遊技者の顔のデータを取得することができる。
次に、メインCPU121は、カメラ35によって撮影された撮影データの前処理を実行し(ステップS712)、遊技者の顔の特徴を抽出する特徴抽出処理を実行し(ステップS714)、フェイシャルデータを生成する(ステップS716)。
ステップS712の前処理は、撮影データの濃度特性、強調(鮮明さ・シャープネス)、平滑化(スムージング、ノイズ除去)、輪郭抽出、拡大・縮小、回転などの処理である。前処理は、ステップS714の特徴抽出処理において、遊技者の顔の特徴を円滑にかつ的確に抽出できるようにするための処理である。
ステップS714の特徴抽出処理は、たとえば、検出対象と非検出対象との識別性能が高いほど重みが大きくなるように設定された重み設定部を備えた弱識別器と、この弱識別器を複数備えて弱識別器の各々における特徴量の判定結果に基づいて、入力データが検出対象であるか否かを識別する強識別器と、によって処理されるものなどがある。
この特徴抽出処理によって、遊技者の顔の特徴を抽出し、遊技者の顔を比較することができるデータを生成することができ、この生成されたデータをフェイシャルデータと称する。フェイシャルデータを生成することにより、遊技者の顔を的確に比較することができる。また、データの容量を小さくでき、処理に要する負担を軽くできる。
次に、メインCPU121は、連続照合処理を実行する(ステップS718)。連続照合処理は、カメラ35によって撮影された撮影データや、特徴抽出処理によって生成されたフェイシャルデータを用いて、パチスロ機10の前方に遊技者が座っているか否かを判断する処理である。すなわち、遊技者が着席している状態か又は離席している状態かを判断する処理である。連続照合することにより、撮影データやフェイシャルデータに変化が生じたか否かを判断することができ、着席している状態から離席している状態に変化したか、又は離席している状態から着席している状態に変化したかを判別することができる。
次に、メインCPU121は、連続照合処理の結果、遊技者が着席しているか否かを判断する(ステップS720)。メインCPU121は、連続照合処理の結果、遊技者が着席していないと判別したときには(NO)、ステップS710に処理を戻す。
メインCPU121は、連続照合処理の結果、遊技者が着席していると判別したときには(YES)、ステップS714の特徴抽出処理で生成したフェイシャルデータと台番号とを含むサンドデータを持ち球管理サーバに送信する(ステップS722)。後述するように、台番号は、パチスロ機10を識別するための識別情報である。台番号にフェイシャルデータを対応付けることによって、遊技機で遊技をしている遊技者の顔の特徴と遊技機とをデータ処理可能に関連づけることができる。このサンドデータが、着席通知であり、「特定の情報」のうちの一の情報である。
サンドデータには、主に、時刻、イベント情報、台番号、カード番号、持ち球情報、フェイシャルデータなどのデータが含まれる。
時刻は、ステップS720の判断処理で、遊技者が着席しているとメインCPU121が判別したときの時刻である。イベント情報は、本実施の形態では、着席、入金、計数、離席のほか、パチスロ機10において所定の数のメダルがベットされたり払い出されたりするなどの契機の内容である。
台番号は、パチスロ機10を識別するための識別情報である。本実施の形態では、サンド20はパチスロ機10の各々に対応付けられて設置されている。したがって、サンド20を識別するための識別情報、例えばシリアル番号をサンドデータに含めて送信するようにすることで、サンド20を識別するための識別情報を台番号として処理することができる。また、パチスロ機10の識別情報、例えばシリアル番号をサンド20が取得してサンドデータに含めるようにしてもよい。台番号は、ホールに設置されているパチスロ機10の各々を識別できる情報を用いることができる。
カード番号は、ホールが発行したICカードやICカードを識別するための識別情報である。たとえば、ICカードやICカードに割り当てられたシリアル番号などを用いることができる。また、カード番号は、ICカードやICカードを識別するだけでなく、ICカードやICカードを所有したり使用したりする遊技者を識別するための情報としても用いられる。
持ち球情報は、ICカードやICカードに記憶されている情報のほかに、遊技者がパチスロ機10で遊技するときに投入されたメダルの数や、払いだされたメダルの数などがある。フェイシャルデータは、上述したように、パチスロ機10で遊技をしている遊技者の顔の特徴を抽出して生成されたデータである。
<持ち球管理サーバ500における処理>
持ち球管理サーバ500のCPU510は、サンド20から送信されたサンドデータを受信する(ステップS740)。
次に、CPU510は、サンド20から送信されたサンドデータに含まれている台番号(遊技機識別情報)に基づいて着席リストを更新する(ステップS742)。着席リストは、着席又は離席を示す着席/離席データ及びフェイシャルデータを台番号に対応付けた一覧データである。着席リストを検索することによって、ある台番号の遊技機が、現在、着席状態であるか、又は離席状態であるかを取得できる。また、着席状態である場合に、その台番号の遊技機で遊技している遊技者のフェイシャルデータを読み出すことができる。
上述したように、ステップS718の判断処理で遊技者が着席したと判別したときに、サンドデータが送信される。したがって、サンド20からサンドデータが送信されたことは、サンドデータに含まれている台番号のパチスロ機10に遊技者が着席したことを示す。CPU510は、その台番号のパチスロ機10に遊技者が着席したことを示すように着席リストを更新する。
図16(a)は、着席リストの例を示す図である。台番号とフェイシャルデータと着席/離席データとからなる。図16(a)に示した例で、着席/離席データは、着席状態を「1」とし、離席状態を「0」として示した。たとえば、台番号13のパチスロ機10は、現在、離席状態であり、台番号30のパチスロ機10は、現在、着席状態であり、そのフェイシャルデータは、「f111101-1306.dat」であり、台番号53のパチスロ機10は、現在、離席状態である。本実施の形態では、フェイシャルデータは、所定の画像フォーマットで構成された画像データであり、そのファイル名が「f111101-1306.dat」である。フェイシャルデータは、RAM514やHDD516に記憶される。
さらに、着席リストには、現在の状態だけでなく、台番号毎に対応する履歴データと履歴データに対応するフェイシャルデータを含めるのが好ましい。たとえば、遊技者が着席した時刻及び離席した時刻と、着席時に対応するフェイシャルデータとを着席リストに含める。このようにすることで、パチスロ機10の各々における過去の着席状態又は離席状態と、着席していた遊技者のフェイシャルデータを管理することができる。現在だけでなく、過去に不正行為が行われた可能性が生じたときに、その不審者を特定することができ、ホールの信頼性を寄り高めることができる。
図16(b)は、着席リストに基づいて生成される着席/離席状態表示図の例を示す図である。着席/離席状態表示図は、ホールに設置されている全てのパチスロ機10の各々に対応して、着席又は離席の状態を示す図である。図16(b)に示した例では、離席している状態は、斜線を付して示した。着席/離席状態表示図は、持ち球管理サーバ500に接続されているディスプレイに表示される。ホールの店員は、ディスプレイに表示されている着席/離席状態表示図によって着席又は離席の状態を視認することができる。
次に、CPU510は、後述する図8に示すフェイシャルデータ判断処理を呼び出して実行する(ステップS744)。フェイシャルデータ判断処理によって、着席した遊技者が一致すると判別したときには、不審者発見情報が生成され、インカムユニットやディスプレイに送信される。
<インカムユニット・ディスプレイにおける動作>
インカムユニットやディスプレイにおいては、持ち球管理サーバ500で生成された不審者発見情報を受信したときには、その不審者発見情報を出力する(ステップS760)。たとえば、インカムユニットでは、パチスロ機10で遊技をしている遊技者が不審者として判別されたことを示す音声が出力され、ホールの店員は、その音声によって、遊技者が不審者として判別されたことを認識できる。また、ディスプレイでは、パチスロ機10で遊技をしている遊技者が不審者として判別されたことを示す画像が表示され、ホールの店員は、その画像によって、遊技者が不審者として判別されたことを認識できる。たとえば、図15(a)に示すような画像がディスプレイに表示される。
<<フェイシャルデータ判断処理>>
図8は、図7のステップS744の処理で呼び出されて実行されるフェイシャルデータ判断処理を示すフローチャートである。この処理は、持ち球管理サーバ500のCPU510によって実行される。
最初に、CPU510は、不審者リストからフェイシャルデータ(以下、基準フェイシャルデータと称する)を読み出す(ステップS810)。不審者リストは、後述するように、遊技者が行う遊技に関して取得できる理論持ち球の数と実持ち球の数とについて所定の異常条件が成立したときに、その遊技者を不審者であるとして更新されるリストである。
図9は、不審者リストの例を示す図である。不審者リストは、不審者であると判別された遊技者を識別するための遊技者識別情報と、その不審者のフェイシャルデータと、登録日時と、来店履歴との情報を含む。遊技者識別情報は、たとえば、遊技者が所有するICカードを識別する識別情報、たとえば、ICカードやICカードのシリアル番号などである。また、そのほか、ホールが遊技者を登録するときに用いる登録番号などでもよい。フェイシャルデータは、上述したように、遊技者の顔の特徴を抽出し、遊技者の顔を比較できるデータである。登録日時は、所定の遊技者が不審者であると判別されて不審者リストに登録された日時である。来店履歴は、不審者であると判別された遊技者がホールに来店した履歴である。履歴は、たとえば、日時や回数などの情報である。
次に、CPU510は、ステップS740の処理で受信したサンドデータに含まれる台番号を用いて、ステップS742の処理で更新した着席リストに含まれるフェイシャルデータ(以下、比較対象フェイシャルデータと称する)を読み出す(ステップS811)。
次に、CPU510は、比較対象フェイシャルデータと基準フェイシャルデータとを順次比較する(ステップS812)。図9に示すように、不審者リストに複数の基準フェイシャルデータが登録されている場合には、その全ての基準フェイシャルデータと比較対象フェイシャルデータとを比較する。すなわち、1対N照合を行う。言い換えれば、ステップS812の処理は、カメラ35で撮影した1つの画像と、不審者リストに含まれるN個の顔特徴情報とを比較し、一致するか否かを判断する処理である。
上述した例では、ステップS810の処理で不審者リストに登録されている基準フェイシャルデータの全てを一度に読み出す場合を示した。このようにすることで、ステップS812の比較処理を迅速にできる。なお、このような処理に限られず、不審者リストから所定数毎に基準フェイシャルデータを読み出し、基準フェイシャルデータを読み出す毎に、読み出した基準フェイシャルデータと比較対象フェイシャルデータとを比較するようにしてもよい。基準フェイシャルデータを一時的に記憶させる記憶領域の大きさを制限することができ、持ち球管理サーバ500の負担を軽くできる。
次に、CPU510は、比較対象フェイシャルデータと、基準フェイシャルデータのいずれかと一致するか否かを判断する(ステップS814)。CPU510は、一致しないと判別したとき(YES)、直ちに本サブルーチンを終了する。なお、一致しないと判別した回数が所定回数以上になったときにのみ、本サブルーチンを終了するようにしてもよい。判断回数を複数回にすることにより、不審者であるか否かの判断の精度を高めることができ、ホールの信頼を向上させることができる。
ステップS814の判断処理で、一致しないと判別したときには、その遊技者は、不正行為をしていない遊技者である場合と、不審者であるにもかかわらず不審者として未だ登録されていない遊技者である場合との双方の場合がある。不審者の登録は、後述する図13のステップS1318の処理で行う。
次に、CPU510は、比較対象フェイシャルデータと基準フェイシャルデータのいずれかとが一致すると判別したとき(NO)、すなわち、パチスロ機10で遊技をしている遊技者が不審者であると判別したときには、一致すると判別した回数を更新する(ステップS816)。
次に、CPU510は、一致すると判別した回数が所定回数以上であるか否かを判断する(ステップS818)。CPU510は、一致すると判別した回数が所定回数未満であると判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。すなわち、パチスロ機10で遊技をしている遊技者が不審者である可能性が低い場合には、本サブルーチンを終了する。
次に、CPU510は、一致すると判別した回数が所定回数以上であると判別したとき(YES)、すなわち、パチスロ機10で遊技をしている遊技者が不審者である可能性が高いと判別したときには、不審者発見情報を生成する(ステップS822)。不審者発見情報は、パチスロ機10で遊技をしている遊技者が不審者として判別されたことを示す情報である。たとえば、インカムユニットに不審者発見情報を出力する場合には、不審者発見情報は、遊技者が不審者として判別されたことを示す音声である。また、ディスプレイに不審者発見情報を出力する場合には、不審者発見情報は、遊技者が不審者として判別されたことを示す画像などである。
次に、CPU510は、ステップS822の処理で生成した不審者発見情報を出力する(ステップS824)。
上述した図7及び図8の処理によって、遊技者がパチスロ機10の前に着席したというイベントが発生したことを契機に、遊技者の顔を撮影してフェイシャルデータを生成し、パチスロ機10の前に着席した遊技者が不審者であるか否かを判断し、不審者であると判別したときには、ホールの店員に報知することができる。このようにすることで、不審者を発見した場合には、ホールは事前に対応をして、不正行為による被害が拡大することを未然に防止できる。
<<入金処理>>
図10は、入金処理に関するシステムフローを示す図である。図10に示すシステムフローのうち、左側に示す処理が、サンド20で実行される処理である。右側に示す処理が、持ち球管理サーバ500で実行される処理である。
最初に、サンド20のメインCPU121は、入金があったか否かを判断する(ステップS1010)。ここで、入金があったか否かの判断は、遊技者によって所定金額の紙幣(価値媒体)が紙幣挿入口33に挿入されたか、又は遊技者によってICカードがカード挿入口32に投入されたか否かの判断である。価値媒体の残高内のメダルがサンド20からメダル払出用トレー37に払い出されることによって、遊技者はパチスロ機10で遊技を進めることができる。
上述したように、メインCPU121は、入金処理が行われた後、払出処理を実行する(ステップS1011)。払出処理は、遊技者による操作ユニット34の貸出操作に基づく貸出操作回数に対応する数のメダルを遊技者に払い出し、操作回数に応じてICカードに記録されている残高から、使用金額を減算して残高データを更新し、この残高データを、ICカードリーダ62を介してICカードに記憶させる処理である。
次に、メインCPU121は、カメラ35によってパチスロ機10の前方を撮影する(ステップS1012)。パチスロ機10の前方で遊技をしている遊技者の顔のデータを取得することができる。
次に、メインCPU121は、カメラ35で撮影した撮影データをRAM123に記憶させる(ステップS1014)。このように、入金があったことを契機に遊技者の顔を記憶させておくことで、後に不正行為等が発覚したときに遊技者の特定に活用することができる。なお、サンド20にHDD(ハードディスクドライブ)などの大容量記憶装置を設けて撮影データを記憶させるようにしてもよい。
次に、メインCPU121は、サンドデータを送信する(ステップS1016)。上述したように、サンドデータには持ち球情報が含まれている。このステップS1016で送信される持ち球情報には、遊技者がICカードをカード挿入口32に投入することによって払い出されたメダルの数(以下、払出メダル数と称する)が含まれる。ステップS1016の処理によって、払出メダル数が持ち球情報として持ち球管理サーバ500に送信される。なお、所定金額の紙幣(価値媒体)を紙幣挿入口33に投入してメダルを払い出せるようにした場合には、その払い出されたメダルの数も持ち球情報として持ち球管理サーバ500に送信される。
<持ち球管理サーバ500における処理>
持ち球管理サーバ500のCPU510は、サンド20から送信されたサンドデータを受信する(ステップS1050)。
次に、CPU510は、受信したサンドデータに含まれる払出メダル数をRAM514やHDD516に記憶させる(ステップS1052)。
上述した図10の処理によって、入金されたというイベントが発生したことを契機にして、サンド20において遊技者の顔を記憶させることができる。また、入金されたというイベントが発生したことを契機にして、持ち球管理サーバ500において払出メダル数を記憶させることができる。払出メダル数は、サンド20のメダル払出用トレー37から払い出されたメダルの数である。遊技者は、遊技をするために、払い出されたメダルを遊技機に投入する。なお、遊技をするために遊技機にメダルを投入する操作は、遊技者が手動で行うため、メダル払出用トレー37から払い出されたメダルの全てが、遊技機に投入されない場合もありうる。したがって、遊技をするために遊技機に投入されるメダルは、メダル払出用トレー37から払い出された払出メダル数と一致しない場合がある。
この本実施の形態では、払出メダル数は、ICカードなどの記憶媒体に記憶されている情報を用いている。なお、紙幣などの現金から直接メダルを払い出す場合には、そのメダルの数も払出メダル数に含める。
<<遊技時処理>>
図11は、遊技時処理に関するシステムフローを示す図である。図11に示すシステムフローのうち、左側に示す処理が、パチスロ機10で実行される処理である。左側に示す処理が、持ち球管理サーバ500で実行される処理である。
<パチスロ機10における処理>
最初に、パチスロ機10のメインCPU261は、メダル数情報を送信するか否かを判断する(ステップS1110)。メダル数情報を送信するか否かの判断処理は、たとえば、単位遊技が終了したか否かなどにできる。
メダル数情報は、パチスロ機10において進行する遊技にしたがって定まるメダルの数の情報である。パチスロ機10は、所定の数のメダルがベットされたことによって遊技を開始できる。また、所定の当籤役に入賞したことによって当籤役に対応付けられたメダル数のメダルが遊技者に付与される。このように、遊技の進行にしたがって、ベットに要するメダル数と遊技者に付与されるメダル数とが定まる。この遊技者に付与されるメダル数を獲得メダル数、又は賞メダル数と称する。また、ベットに要するメダル数を消費メダル数と称する。これらの獲得メダル数や消費メダル数をメダル数情報と総称する。
次に、メインCPU261は、獲得メダル数と消費メダル数とを含むパチスロ機データを送信する(ステップS1112)。
<持ち球管理サーバ500における処理>
最初に、持ち球管理サーバ500のCPU510は、パチスロ機10から送信されたパチスロ機データを受信する(ステップS1150)。
次に、CPU510は、受信したパチスロ機データに含まれている獲得メダル数と消費メダル数とをRAM514やHDD516に記憶させる(ステップS1152)。
上述したステップS1110の判断処理によって単位遊技が終了したと判別したときには、ステップS1112の処理によって獲得メダル数と消費メダル数とが送信される。
遊技が行われている間において、上述した図11の処理によって、遊技の進行にしたがって定まる獲得メダル数及び消費メダル数を持ち球管理サーバ500に送信することができる。後述するように、持ち球管理サーバ500は、獲得メダル数及び消費メダル数によって持ち球の数を管理できる。
本実施の形態では、獲得メダル数及び消費メダル数をパチスロ機10から持ち球管理サーバ500に送信する例を示したが、獲得メダル数及び消費メダル数を、一旦サンド20に送信し、サンド20から持ち球管理サーバ500に送信するようにしてもよい。サンド20と持ち球管理サーバ500との一方に不具合が生じた場合でも、他方で持ち球の数を管理することができ、常に管理することができる。
また、パチスロ機10からサンド20と持ち球管理サーバ500との双方に送信するようにしてもよい。サンド20と持ち球管理サーバ500との双方に送信することで、獲得メダル数や消費メダル数を、サンド20と持ち球管理サーバ500との双方で管理することができる。たとえば、サンド20で管理しているメダル数と、持ち球管理サーバ500で管理しているメダル数とを比較するなどによって、持ち球の数の管理を信頼性より高めることができる。
<<計数時処理>>
図12は、計数時処理に関するシステムフローを示す図である。図12に示すシステムフローのうち、左側に示す処理が、サンド20で実行される処理である。中央に示す処理が、持ち球管理サーバ500で実行される処理である。右側に示す処理が、インカムユニットやディスプレイにおける動作である。
<サンド20における処理>
最初に、サンド20のメインCPU121は、遊技者により操作パネル32の「計数開始操作」が行われたか否かを判断する(ステップS1210)。計数開始操作が行われることによって計数ホッパが回転し、計数を開始する。計数用ホッパ71には、メダルの投入を検出するためのセンサが設けられており、センサから出力される信号を検出することによって、メダルが投入されたか否かを判断できる。メインCPU121は、「計数開始操作」が行われていないと判別したときには(NO)、ステップS1210に処理を戻す。
メインCPU121は、計数用ホッパ71にメダルが投入されたと判別したときには(YES)、投入されたメダルを計数用ホッパ71によって計数する(ステップS1212)。計数用ホッパ71によって計数されたメダルの数は、遊技者が獲得したメダルの総数である。以下では、この計数用ホッパ71によって計数されたメダルの数を実持ち球数と称する。
次に、メインCPU121は、実持ち球数をRAM123に記憶させる(ステップS1214)。次に、メインCPU121は、実持ち球数を含むサンドデータを送信する(ステップS1216)。
次に、メインCPU121は、カメラ35によってパチスロ機10の前方を撮影する(ステップS1218)。パチスロ機10の前方で遊技をしている遊技者の顔のデータを取得することができる。
次に、メインCPU121は、カメラ35で撮影した撮影データをRAM123に記憶させる(ステップS1220)。このように、計数処理があったことを契機に遊技者の顔を記憶させておくことで、後に不正行為等が発覚したときに遊技者の特定に活用することができる。なお、HDD(ハードディスクドライブ)などの大容量記憶装置に撮影データを記憶させるようにしてもよい。
次に、メインCPU121は、後述する持ち球管理サーバ500における処理によって異常発生情報が送信された(図13のステップS1318)ときには、異常発生情報を受信し、異常発生情報をICカードに書き込む(ステップS1222)。このようにすることで、一旦、ICカードを使っている遊技者が不審者であると判別されたときには、そのICカードに異常発生情報が書き込まれる。したがって、遊技者が、異常発生情報が書き込まれたICカードを別のサンド20で使用しても、ICカードに異常発生情報が書き込まれていることから、その遊技者は、不審者であると特定できる。このようにすることで、不審者と判断された遊技者が次々にパチスロ機10を移動しても、追跡することができ、不正行為の発見を容易にすることができる。
次に、メインCPU121は、持ち球管理サーバ500における処理によってICカード排出禁止命令が送信された(図13のステップS1319)ときには、ICカード排出禁止命令を受信する(ステップS1224)。メインCPU121は、ICカード排出禁止命令を受信したときには、ICカードリーダ62のカード挿入口32からICカードを排出しないように、ICカードリーダ62の駆動を禁止する。ICカードリーダ62は、ICカードを搬送するためのモータ(図示せず)を有する。モータを駆動することによって、カード挿入口32から投入されたICカードを読み書きできる位置に移動させたり、カード挿入口32から排出したりできる。ICカード排出禁止命令を受信したときには、ICカードを搬送するためのモータの駆動を禁止する。
このように、持ち球管理サーバ500において、異常が発生したと判別された場合には、サンド20はICカード排出禁止命令も受信し、カード挿入口32からICカードを排出しないようにする。したがって、遊技者は、ICカードをカード挿入口32から受け取ることができないので、その場に留まる可能性が高くなる。遊技者をその場に留まらせることで、遊技者を遊技場から立ち去りにくくし、店員が急行することで遊技者に不審な行為について尋ねる機会を増やすことができる。
また、ICカード排出禁止命令を受信したときには、メインCPU121は、操作ユニット34のタッチパネルLCDにICカードを排出できない旨の表示をすることができる。例えば、図17に示すように、「係員をお呼びください」のようなメッセージを表示する。このようにすることで、ICカードを排出できないことを遊技者に視認させることができ、決してサンド20の故障でないことを遊技者に認識させることができる。
さらに、操作ユニット34のタッチパネルLCDに、「警告 ICカードの取り出しが禁止されました」などの表示にしてもよい。このようなメッセージのほかに、エラーコードやエラー項目や不正検知数などの各種の情報を表示するようにしてもよい。操作ユニット34のタッチパネルLCDに各種の情報を表示することで、不審な行為について店員が判断しやすくできる。
さらにまた、異常発生情報やICカード排出禁止命令を受信したときには、店員が操作ユニット34の特定の解除操作をして確認するまで、操作ユニット34のタッチパネルLCDに表示したメッセージや各種の情報を消去しないようにするのが好ましい。解除操作は、店員など遊技店の管理者のみができる操作であり、遊技者ができない操作が好ましい。このようにすることで、遊技者は、メッセージや各種の情報を消去することができず、不審な行為があったことを店員に的確に報知することができる。
また、メッセージや各種の情報を消去するための解除指令を持ち球管理サーバ500から送信し、サンド20は、解除指令を受信してメッセージや各種の情報を消去するようにしてもよい。遊技店の管理者が不審な行為について認識しないかぎり、持ち球管理サーバ500から解除指令が送信されることはない。したがって、一旦表示したメッセージや各種の情報を、遊技者の操作によることなく表示しつづけることができ、不審な行為があったことを店員に的確に報知することができる。
さらに、サンド20において、ICカード排出禁止命令を受信する機能や、メッセージを表示する機能を生かすか否かの設定を、持ち球管理サーバ500からの指令に応じて実行するようにしてもよい。店員がサンド20まで赴いて操作することを不要にでき、作業が煩雑になることを防止できる。
<持ち球管理サーバ500における処理>
最初に、持ち球管理サーバ500のCPU510は、サンド20から送信されたサンドデータを受信する(ステップS1250)。
次に、CPU510は、サンドデータに含まれる実持ち球数をRAM516やHDD518に記憶させる(ステップS1252)。
次に、CPU510は、後述する図13に示す持ち球情報判断処理を呼び出して実行する(ステップS1254)。
<インカムユニット・ディスプレイにおける動作>
インカムユニットやディスプレイにおいては、持ち球管理サーバ500で生成された異常発生情報を受信したときには、その異常発生情報を出力する(ステップS1280)。たとえば、インカムユニットでは、パチスロ機10におけるメダルの数について異常が発生したことを示す音声が出力され、ホールの店員は、その音声によって、異常が発生したことを認識できる。また、ディスプレイでは、パチスロ機10におけるメダルの数について異常が発生したことを示す画像が表示され、ホールの店員は、その画像によって、異常が発生したことを認識できる。たとえば、図15(b)に示すような画像がディスプレイに表示される。
このように、ディスプレイに、メダルの数について異常が発生したことを示す画像が表示されるので、遊技者が遊技店から立ち去るよりも前に、ホールの店員は異常が発生したことを認識でき、不審な遊技者に尋ねることができ、不審な行為に対して対応することが可能になる。
<<持ち球情報判断処理>>
図13は、図12のステップS1256の処理で呼び出されて実行されるフェイシャルデータ判断処理を示すフローチャートである。この処理は、持ち球管理サーバ500のCPU510によって実行される。
最初に、CPU510は、投入メダル数と獲得メダル数及び消費メダル数から理論持ちメダル数を算出する(ステップS1310)。投入メダル数は、上述したように、メダル払出用トレー37から払い出されたメダルのうち、遊技者が遊技をするために遊技機に投入された遊技球の数である。理論持ちメダル数は、具体的には、投入メダル数と獲得メダル数との和から消費メダル数を減算した値である。すなわち、理論持ちメダル数は、遊技者が遊技をして最終的に獲得できたメダルの数を意味する。
この理論持ち球の数が「理論上の持ち球データ」に相当する。なお、実持ち球の数が「遊技媒体貸出装置により計数される計数データ」に相当する。
次に、CPU510は、理論持ち球の数と実持ち球の数とを比較する(ステップS1312)。
理論持ち球数は、遊技者が遊技を終了するときに最終的に遊技者が獲得できたメダルの数であるので、原則、計数用ホッパ71によって計数された実持ち球数と一致するはずである。たとえ、遊技者がメダルを床に落としたり、計数用ホッパ71でのメダル詰まりが生じたりなどの偶発的な事象を考慮したとしても、理論持ち球数と実持ち球数とは近似した値となるはずである。
したがって、理論持ち球数と実持ち球数と差が大きい場合には、遊技者が店外からメダルを持ち込んだり、他者のメダルを使用したり、遊技者が店外にメダルに持ち出そうとしたり、他者にメダルを盗られたりしたなどの不正な行為が生じた可能性があると判断できる。遊技者が店外からメダルを持ち込んだり、他者のメダルを使用したりする場合の不正行為を持ち込みと称する。また、遊技者が店外にメダルに持ち出そうとしたり、他者にメダルを盗られたりする場合の不正行為を持ち出しと称する。
たとえば、比較の結果、理論持ち球の数と実持ち球の数の差がプラスマイナス10枚の範囲に含まれる場合には、偶発的な範囲内であり、正常であると判断する。また、理論持ち球の数が実持ち球の数に対して10枚以上多い場合には、持ち出しによる異常条件が成立する。一方、実持ち球の数が理論持ち球の数に対して10枚以上多い場合には、持ち込みによる異常条件が成立する。
次に、CPU510は、比較結果から異常条件が成立したか否かを判断する(ステップS1314)。CPU510は、異常条件が成立していないと判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
次に、CPU510は、異常条件が成立したと判別したとき、すなわち、持ち込み又は持ち出しが発生したと判別したときには(YES)、異常が発生したことを示す異常発生情報を生成する(ステップS1316)。
次に、CPU510は、異常発生情報を送信する(ステップS1318)。
次に、CPU510は、ICカード排出禁止命令を送信する(ステップS1319)。
次に、CPU510は、不審者リストから基準フェイシャルデータを読み出す(ステップS1320)。
次に、CPU510は、ステップS740の処理で受信したサンドデータに含まれる台番号を用いて、ステップS742の処理で更新した着席リストに含まれる比較対象フェイシャルデータを読み出す(ステップS1322)。
次に、CPU510は、比較対象フェイシャルデータと基準フェイシャルデータとを順次比較する(ステップS1324)。ステップS812の処理と同様に、不審者リストに複数の基準フェイシャルデータが登録されている場合には、その全ての基準フェイシャルデータと比較対象フェイシャルデータとを比較する。すなわち、1対N照合であり、カメラ35で撮影した1つの画像と、不審者リストに含まれるN個の顔特徴情報とを比較し、一致するか否かを判断する処理である。
次に、CPU510は、比較対象フェイシャルデータと、基準フェイシャルデータの全てとが不一致であるか否かを判断する(ステップS1326)。CPU510は、不一致でないと判別したときには(NO)、すなわち、不審者リストに既に登録されている不審者と一致するときには(登録済みの場合)、直ちに本サブルーチンを終了する。
CPU510は、不一致であると判別したとき(YES)、すなわち、不審者リストに既に登録されていないと判別したときには、不審者リストを更新する(ステップS1328)。
不審者リストの更新は、比較対象フェイシャルデータと、基準フェイシャルデータの全てとが不一致であると判別した回数が所定回数以上であると判別した場合に行ってもよい。二重登録することをより的確に防止することができる。
このように不審者リストを更新することによって、上述したステップS812における比較処理のための基準フェイシャルデータを増やすことができ、不審者であるか否かをより的確に判断することができる。
不審者リストは、一つのホールだけでなく他のホールでも共用できるように、外部のサーバに登録するのが好ましい。このようにすることで、不審者に関する情報を他のホールと共有し、不正行為に対する対策をより高めることができる。
上述した例では、理論持ち球の数と実持ち球の数の差がプラスマイナス10枚以上になるか否かという異常条件を判断し、異常条件が成立した回数が5回以上になったときに、異常発生情報を生成する場合を示した。このほかに、理論持ち球の数と実持ち球の数の差が小さいときには、異常条件が成立した回数を多くし、理論持ち球の数と実持ち球の数の差が大きいときには、異常条件が成立した回数を少なくするようにしてもよい。
理論持ち球の数と実持ち球の数の差が1ないし10のように小さい場合には、異常条件が20回以上成立したときに、異常発生情報を生成する。理論持ち球の数と実持ち球の数の差が小さい場合には、偶発的な原因である可能性が高い。このような場合に、直ちに異常発生情報を生成したときには、不正をしていない遊技者をも不審者としてしまい、遊技者に迷惑をかけることで、ホールの信頼を低下させる可能性も生ずる。したがって、理論持ち球の数と実持ち球の数の差が小さい場合には、慎重に判断するために、異常条件の成立回数を多くするのが好ましい。しかしながら、理論持ち球の数と実持ち球の数の差が小さい場合であっても、異常条件の成立回数が多い場合には、故意に行っている可能性が高いので、異常発生情報を生成するのが好ましい。
また、理論持ち球の数と実持ち球の数との差が大きい場合には、偶発的な原因である可能性は低く、異常条件の成立回数が少なくても、異常発生情報を生成するのが好ましい。被害が広がる前にホールの店員に報知することができる。
また、理論持ち球の数と実持ち球の数の差と、異常条件の成立回数とに対応する金額に基づいて、異常発生情報を生成するようにしてもよい。たとえば、理論持ち球の数と実持ち球の数の差に対応する金額と、異常条件の成立回数との積が、所定の金額以上、たとえば、4,000円以上になったときに、異常発生情報を生成するようにしてもよい。このようにすることで、不正として想定される金額を閾値として異常発生情報を生成することができる。
また、不正として想定される金額から、理論持ち球の数と実持ち球の数の差と、異常条件の成立回数との組合せを定めて判断してもよい。
なお、上述した処理では、ステップS1314の判断処理で、比較結果から異常条件が成立したと判別したときには、直ちに、異常発生情報を生成するものを示した。このような処理のほかに、異常条件が成立したときに、異常条件が成立した回数を計数して判断するようにしてもよい。
具体的には、以下のような処理を実行する。CPU510は、異常条件が成立したと判別したときには、異常条件が成立した回数を計数する。次に、CPU510は、異常条件が成立した回数が所定回数以上となったか否か、たとえば、異常条件が成立した回数が5回以上となったか否かを判断する。次いで、CPU510は、異常条件が成立した回数が所定回数以上であると判別したときに、異常発生情報を生成する。
このように、異常条件が複数回成立したときに、異常が発生したとすることで、偶発によるものを防止することで、より慎重に判断することができ、ホールの信頼性を高めることができる。
<<離席時処理>>
図14は、離席時処理に関するシステムフローを示す図である。図14に示すシステムフローのうち、左側に示す処理が、サンド20で実行される処理である。左側に示す処理が、持ち球管理サーバ500で実行される処理である。
最初に、サンド20のメインCPU121は、カメラ35によってパチスロ機10の前方を撮影する(ステップS1410)。パチスロ機10の前方で遊技をしている遊技者の顔のデータを取得することができる。
次に、メインCPU121は、カメラ35で撮影した撮影データをRAM123に記憶させる(ステップS1412)。上述したように、サンド20にHDD(ハードディスクドライブ)などの大容量記憶装置を設けて撮影データを記憶させるようにしてもよい。
次に、メインCPU121は、カメラ35で撮影した撮影データに基づいて遊技者が離席したか否かを判断する(ステップS1414)。メインCPU121は、遊技者が離席していないと判別したときには(NO)、ステップS1410に処理を戻す。このように、ステップS1410に処理を戻すことにより、カメラ35によってパチスロ機10の前方を継続的に撮影するので、前回撮影した撮影データと今回撮影した撮影データとを比較することにより、遊技者が着席している状態から離籍した状態に変化したことを的確に判断することができる。
メインCPU121は、遊技者が離席したと判別したときには(YES)、遊技者が離席したことを示す離席情報及び台番号を送信する(ステップS1416)。この離席情報が、「特定の情報」の他の情報に相当する。
<持ち球管理サーバ500における処理>
持ち球管理サーバ500のCPU510は、図13に示した持ち球情報判断処理を呼び出して実行する(ステップS1450)。
持ち球管理サーバ500のCPU510は、サンド20から送信された離席情報及び台番号を受信する(ステップS1452)。
次に、CPU510は、受信した離席情報及び台番号に基づいて着席リストを更新する(ステップS1454)。すなわち、台番号に対応付けられている着席又は離席を示すデータを、離席を示すデータに変更する。
上述した図14の処理によって、遊技者がパチスロ機10の前に離席したというイベントが発生したことを契機に、着席リストを更新するので、リアルタイムで着席状態又は離席状態を更新でき、遊技者の動き、特に不審者と判断された者の動きを迅速に把握することができる。
<<フェイシャルデータの送信>>
上述した本実施の形態では、遊技者が着席したというイベントが発生したときに、フェイシャルデータを生成して、持ち球管理サーバ500に送信する例を示した。フェイシャルデータを持ち球管理サーバ500に送信するタイミングは、遊技者が着席したというイベントのみならず、他のイベントの発生を契機にしてフェイシャルデータを生成して持ち球管理サーバ500に送信してもよい。遊技を開始する前、遊技をしている最中、遊技が終了した後の各種のイベントの発生におけるフェイシャルデータを取得でき、不審者であるか否かの判断をする機会を増やし、より的確に不正行為を発見したり防止したりできる。
また、各種のイベントの発生を契機にフェイシャルデータを生成して持ち球管理サーバ500に送信するだけでなく、持ち球管理サーバ500がサンド20に送信要求を送信して、フェイシャルデータを送信するようにしてもよい。持ち球管理サーバ500が各種の判断処理をした結果、改めてフェイシャルデータを取得する必要があると判断した場合には、サンド20に送信要求を送信する。これにより、直ちにフェイシャルデータを取得でき、判断するためのフェイシャルデータを増やすことができ、より的確な判断ができる。また、不審者であるか否かの判断や、不審者の登録などを迅速に進め、不正行為に対する信頼性を向上させることができる。
<<具体例>>
以下では、上述した本実施の形態の具体例を説明する。
<着席時における具体例>
遊技者が着席すると、持ち球管理サーバ500に着席通知が送信され、持ち球管理サーバ500は、着席リストを更新するとともに着席した遊技者の画像を記憶する。
<入金時における具体例>
サンド20にICカードなどの価値媒体が挿入されると、価値媒体に応じて残高情報と、持メダル情報と、貯メダル情報とがサンド20の操作ユニット34に表示される。
カード挿入口32に挿入された価値媒体が紙幣であった場合には、投入額に応じて残高情報がサンド20の操作ユニット34に表示される。例えば、新規の遊技者が1万円の紙幣をサンド20に投入した場合には、残金1万円、持ちメダル0枚、貯メダル0枚とサンド20の操作ユニット34に表示される。
カード挿入口32に挿入された価値媒体がビジターカードであった場合には、カードの残金情報及び持ちメダルがサンド20の操作ユニット34に表示される。例えば、遊技者が1万円のカードを購入して、ある遊技台で5千円を使って、200枚のメダルを獲得し、別の遊技台に移動してきたときには、残金5千円、持ちメダル200枚、貯メダル0枚と表示される。
カード挿入口32に挿入された価値媒体が会員カードであった場合も、残金情報及び持ちメダル情報はビジターカードと同様に更新される。しかしながら、会員カードは、前日以前に獲得したメダルであって景品交換していないメダルを貯メダルとして持っておくことができる。このため、このような貯メダルがある場合には、貯メダル枚数がサンド20の操作ユニット34に表示される。
このような、紙幣や、ビジターカードや、会員カードといった価値媒体がカード挿入口32に挿入されることによって「入金イベント」が発生し、価値媒体に基づく金額、カードID、カード残高、貯メダル残高といった情報が持ち球管理サーバ500に送られることで理論持ち球の監視がスタートする。
以下では、理論持ち球監視の具体例を、新規遊技者が1万円のビジターカードを購入して、遊技を進めていく経過を追いながら説明する。
新規遊技者が1万円をサンド20に投入した場合には、残金1万円、持ちメダル0枚、貯メダル0枚とサンド20の操作ユニット34に表示される。サンド20は、1万円の売上情報をホールコンピュータ(図示せず)に送信するとともに、持ち球管理サーバ500に対して、サンド20の識別情報(ID)及び入金イベントで発生した理論持ち球情報(=500枚(¥20/枚×500枚=1万円)を送信する。
遊技を開始するにあたり、サンド20からメダルの払い出しを受ける場合には、遊技者は操作ユニット34の「貸出」操作ボタン(図17参照)を操作する。遊技者によって「貸出」操作ボタンの操作がされると、操作1回につき予め規定された枚数である「50枚」がサンド20のメダル払出用トレー37から払い出され、サンド20の操作ユニット34に表示される残金情報は「9000円」となり、持ち球管理サーバ500は、払出メダル数を受けて理論持ち球情報を「450枚」に更新する。
<遊技時における具体例>
遊技が始まった後、遊技の経過に応じて、払出メダル数情報、賞メダル情報、消費メダル情報が更新される。例えば、新規遊技者が、5千円を使用して、150ゲームの遊技を行い、ボーナス(350枚)当選1回、小役A(15枚)当選10回、小役B(8枚)当選30回、小役C(3枚)当選50回した時点の理論持ちメダルは以下のようになる。
セーフ=250枚(払出メダル数)+890枚(獲得メダル数)
アウト=600枚(消費メダル数)
理論持ち球数(セーフ−アウト)=540枚
このような理論持ち球数は、遊技中の賞メダルの発生、メダル消費の発生によって常に更新される。
<計数時における具体例>
上述した150ゲームの遊技を行った時点で計数が行われた場合には、理論持ちメダルと実持ち球(計数メダル)との比較が行われ、「持ち出し」や「持ち込み」が行われているかどうかを判断するための比較が行われる。比較にあたっては、所定の閾値(100枚=2000円)が使用され、理論持ちメダルに対して実持ちメダルが100枚以上多ければ「持ち込み」があったと判別し、100枚以上少なければ「持ち出し」があったと判別する。なお、理論持ちメダルと実持ち球(計数メダル)との比較は、計数が行われる毎に持ち球管理サーバ500によって行われるが、「持ち出し」、「持ち込み」の判別結果のアウトプットは、後述する「カード排出」や「離席」の際に行なわれる。
<カード排出時における具体例>
遊技者が景品交換、台移動、休憩のために操作ユニット34の「返却」操作ボタンを操作すると、サンド20がICカードに残高情報を書き込むとともに、同様の情報を持ち球管理サーバ500にも送信した後、ICカードを排出する。
上記の遊技者の場合、ビジターカードにカードID、残金情報5000円、持ちメダル情報540枚が、ICカードと持ち球管理サーバ500とに記録される。
また、ICカードを排出するときには、遊技者が撮像され、サーバに画像記憶される。ICカードが排出される場合に、直前の計数イベントでの持ち球比較結果を使用して以下のように持ち球監視が行われる。
理論持ちメダル540枚に対して計数した実持ち球が540枚プラスマイナス100枚以下であれば正常であると判別する。
理論持ちメダル540枚に対して計数した実持ち球が閾値以上である740枚であれば差枚数である「200枚」が「持ち込み」された可能性があるとして、「持ち込み」された可能性があることを持ち球管理サーバ500に記憶させる。理論持ちメダル540枚に対して計数した実持ち球が閾値以下である340枚であれば、差枚数である「200枚」が「持ち出し」された可能性があるとして、持ち球管理サーバ500に「持ち出し」された可能性があることを記憶させる。
このような場合には、計数時に撮像した遊技者の画像が不審者として持ち球管理サーバ500に登録され、持ち込み枚数、持ち出し枚数、遊技台情報、遊技日時等の情報と紐付けられて不審者リストに登録される。また、インカムユニットにも不審者情報が送信される。さらに、「持ち込み」、「持ち出し」の情報は、持ち球管理サーバ500とともに排出されるICカードにも記憶される。
<離席時における具体例>
カードの排出を伴わない離席の発生、具体的には、遊技者が撮像範囲から外れる場合にも、カード排出時と同様の持ち球監視処理が行われる。これによりカード排出に基づかない監視が可能になる。例えば、カード残高を使いきった後に、残りメダルを持ち出すような場合は、カード排出をトリガーとした監視では対応できない。離席時に持ち球監視を行うことによりカード排出に基づかない監視が可能になる。
<<<遊技情報統合システム>>>
図18は、遊技情報統合システムの概要を示す機能フロー図である。
遊技情報統合システムISは、複数の遊技機ユニット1100と、従業員管理サーバ1040と、ICカードサーバ1050と、ホールコンサーバ1060と、会員管理サーバ1070と、POSサーバ1080と、ナンバーランプディスプレイサーバ1090と、複数の遊技機毎遊技情報表示装置1091とを備えている。遊技情報統合システムにおいては、ホールコンサーバ1060が、上述した持ち球管理サーバ500に対応する。
複数の遊技機ユニット1100は、パチスロ機10やパチンコ遊技装置10’と、サンド20とを備えている。換言すれば、サンド20は、パチスロ機10やパチンコ遊技装置10’(遊技機)ごとに設置されている。
本発明において、遊技機ユニット1100は、少なくとも遊技機を含んでいれば、この例に限定されるものではない。遊技機としては、特に限定されず、例えば、パチンコ遊技装置、パチスロ機、スロットマシン、ゲーミングマシン等が挙げられる。
遊技機としてパチスロ機である場合には、遊技機ユニット1100から出力されるデータとして、例えば、払出メダル数を示すデータ、獲得メダル数や消費メダル数を示すデータ、当籤役や表示役の発生を示すデータ、単位遊技のスタートを示すデータ等が挙げられる。遊技情報統合システムISでは、払出メダル数を示すデータとして、サンド20から出力される貸玉数を示すデータが用いられ、獲得メダル数や消費メダル数を示すデータや、当籤役や表示役の発生を示すデータや、スタートを示すデータは、パチスロ機10から出力される。サンド20は、遊技者が所有するICカードやICカード(図示せず)から、払出メダル数や遊技者識別情報の読取が可能である。
遊技機としてパチンコ遊技装置である場合には、遊技機ユニット1100から出力されるデータとしては、例えば、アウト玉数を示すデータ、セーフ玉数を示すデータ、特賞の発生を示すデータ、スタートを示すデータ等が挙げられる。遊技情報統合システムISでは、アウト玉数を示すデータとして、サンド20から出力される貸玉数を示すデータが用いられ、セーフ玉数を示すデータとして、サンド20から出力される計数値を示すデータが用いられる。特賞の発生を示すデータとスタートを示すデータとは、パチンコ遊技装置10’から出力される。サンド20は、遊技者が所有するICカード(図示せず)からの遊技者識別情報の読取が可能である。
サンド20における遊技者識別情報の読取は、必ずしもICカードを介して行う必要はない。遊技者識別情報を記憶する媒体は、特に限定されない。また、遊技者識別情報は、必ずしも遊技者に認識されている必要はない。例えば、サンドから新規のICカードやICカードを遊技者に提供する場合、ICカードやICカードはICカードやICカード自体の識別情報を記憶しており、このICカードやICカード自体の識別情報は遊技者に認識されていない。しかし、遊技情報統合システムISは、媒体の識別情報自体を用いて、遊技者を識別する。このような場合、媒体の識別情報は、遊技者識別情報として機能する。
遊技者識別情報は、媒体の識別情報に限定されない。遊技機ユニット1100は、遊技者によってパスワードが入力されるように構成されていてもよい。この場合、パスワードが、遊技者識別情報として機能する。また、顔認証システムを用いることもできる。顔認証システムは、遊技者の協力を必要とせずに、遊技者を識別することができる点で他の遊技者識別情報より優れている。この場合、遊技者の顔を撮影して得られたデータ又はそのデータを加工して得られたデータが、遊技者識別情報として機能する。
従業員管理サーバ1040は、従業員管理者を管理するサーバであり、従業員管理者が所有する携帯端末機1041と無線による通信が可能である。携帯端末機1041としては、特に限定されず、例えば、タッチパネルを備えた携帯端末機(例えばiPhone(商標)等)が挙げられる。無線通信方式としては、特に限定されず、例えば、Wi−Fi等が挙げられる。従業員管理サーバ1040から各携帯端末機1041に対して、遊技情報統合システムISにより得られた分析結果のデータ等が配信されるが、従業員管理サーバ1040では、従業員管理者ごと又は役職ごとに情報アクセス権限を設定するとともに、各配信情報に重要度レベルを設定することができる。例えば、オーナー、本部スタッフ、店長、マネージャ、主任のそれぞれに、この順で、より高いアクセス権限を設定し、情報の機密性が高いほど、高いレベルのアクセス権限が設定された携帯端末機1041に送信されないことにしてもよい。
ICカードサーバ1050は、使用金額に関するデータと、売上額に関するデータとを、受信時間データと遊技者識別情報と遊技機ユニット識別情報とに対応付けて記憶する。使用金額に関するデータと売上額に関するデータは、パチスロ機10の場合には、遊技機ユニット1100から出力される獲得メダル数を示すデータや消費メダル数を示すデータとに基づいて生成される。パチンコ遊技装置10’の場合には、使用金額に関するデータと売上額に関するデータ、遊技機ユニット1100から出力されるアウト玉数を示すデータ及びセーフ玉を示すデータとに基づいて生成される。また、ICカードサーバでは、遊技者識別情報に対応付けて、該遊技者識別情報が割り当てられた遊技者の貯玉(又は貯メダル)数を示すデータを記憶する。
ホールコンサーバ1060は、パチスロ機10の場合には、獲得メダル数を示すデータ、消費メダル数を示すデータ、当籤回数を示すデータ、入賞回数を示すデータ及び単位遊技の回数を示すデータを、受信時間データと遊技者識別情報と遊技機ユニット識別情報とに対応付けて記憶する。パチンコ遊技装置10’の場合には、アウト玉数を示すデータ、セーフ玉数を示すデータ、特賞回数を示すデータ及びスタート回数を示すデータを、受信時間データと遊技者識別情報と遊技機ユニット識別情報とに対応付けて記憶する。また、ホールコンサーバ1060は、遊技時間を示すデータを、遊技者識別情報と遊技機ユニット識別情報と対応付けて記憶する。
遊技時間は、遊技機ユニット1100から送信されるデータに基づいて、例えば、遊技機ユニット1100からのデータの受信を開始した際の時間と、遊技機ユニット1100からのデータの受信が終了した際の時間とから生成される。このように、遊技情報統合システムISでは、遊技機ユニット1100からホールコンサーバ1060に、稼働、即ち客が遊技台で遊技していることに関する獲得メダル数や消費メダル数やセーフ玉数等の情報が出力される。
会員管理サーバ(累積)1070は、各遊技者の会員名、地域、性別、年齢、職業等の遊技者に関するデータを、遊技者識別情報に対応付けて記憶する。また、会員管理サーバ1070では、遊技者識別情報ごとに客層データが記憶されている。客層としては、例えば、固定客(マニア)、流動客(回遊客)、初心者(ビギナー)等が設定されている。固定客を示す客層データが対応付けられた遊技者識別情報及び遊技者データは、他の客層データが対応付けられた遊技者識別情報及び遊技者データと区分されて記憶されている。
POSサーバ1080は、会員管理サーバ1070と通信可能に接続され、景品数に関するデータを遊技者識別情報に対応付けて記憶する。景品数に関するデータは、遊技店内において自動又は手動で入力されるデータに限らず、遊技店外において自動又は手動で入力されるデータであってもよい。
ナンバーランプディスプレイサーバ1090は、ナンバーランプディスプレイとして機能する遊技機毎遊技情報表示装置1091に対する表示制御を行う。遊技機毎遊技情報表示装置1091は、遊技機ユニット1100の上方に設置され、ドル箱画像が表示され、所定のタイミング(例えば、遊技情報の表示を要求する指示が入力されたタイミング等)で、他の遊技機ユニット1100に関する遊技情報を表示する。遊技情報統合システムISにより生成されるデータのうち、例えば、所定の遊技情報(例えば、遊技者に対して開示して差し支えない遊技情報等)については、遊技機毎遊技情報表示装置1091に表示することにしてもよい。
次に、遊技情報統合システムISにおいて実行される処理について、引き続き図18を用いて説明する。ここでは、ホールコンサーバ1060が上記処理を実行する場合について説明する。但し、本発明において、各処理の実行主体は、ホールコンサーバ1060に限定されず、他の機器(例えば、従業員管理サーバ1040、ICカードサーバ1050、会員管理サーバ1070、POSサーバ1080、ナンバーランプディスプレイサーバ1090等)のいずれかが行うこととしてもよい。また、従業員管理サーバ1040、ICカードサーバ1050、ホールコンサーバ1060、会員管理サーバ1070、POSサーバ1080及びナンバーランプディスプレイサーバ1090のいずれか2以上の機器が協働して又は分担して、上記処理を行うこととしてもよい。
遊技情報統合システムにおける処理には、上述した遊技機ユニット1100からのデータ又は該データを分析したデータを各サーバ40〜90に格納する処理(データ格納・分析処理)以外に、稼働分析処理(人気台分析)A1〜A9と、最適営業戦略判定処理B1〜B7と、新機種設置状況の適正化に関する処理C1〜C5とが含まれる。データ格納・分析処理では、各サーバ40〜90へのデータの格納と、下流側の稼働分析処理及び最適営業戦略判定処理において用いられるデータを得るための分析処理とが行われる。稼働分析処理では、「客」分析、「機械」分析及び「営業」分析が行われ、更に「客」、「機械」及び「営業」の3要素の相関関係の分析が行われる。最適営業戦略判定処理では、現状の営業戦略についての判定が行われ、判定結果により、最適な(目標となる)営業戦略の策定・立案が可能となる。このように、遊技情報統合システムISでは、データの分析と、3要素の相関関係の分析と、分析結果の判定とが順に行われる。
なお、遊技情報統合システムISにおいては、特に本願明細書において限定されている場合を除いて、データの分析は、所定の基準単位(例えば、遊技機、遊技機の機種、遊技機の形式、遊技場の島、遊技店、カジノ等)のいずれを基準としても行うことができる。勿論、本発明は、この例に限定されるものではない。データ分析の基準となる単位時間についても、特に本願明細書において限定されている場合を除いて、いずれを基準としても行うことができる。また、図中、各処理に符号を付しているが、符号は説明の便宜上付しているものであり、符号の順が処理の順序を表すものではない。
A1において、ICカードサーバ1050に記憶された使用金額に関するデータ及び売上額に関するデータと、ホールコンサーバ1060に記憶された獲得メダル数に関するデータや消費メダル数に関するデータや当籤回数に関するデータや入賞回数に関するデータや単位遊技の回数に関するデータや、アウト玉数に関するデータ、セーフ玉数に関するデータ、特賞回数に関するデータ、スタート回数に関するデータ及び遊技時間に関するデータとに基づいて、所定の基準単位(例えば、遊技機、遊技機の機種、遊技機の形式、遊技場の島、遊技店、カジノ等)における売上・稼働データを生成し、該基準単位を識別可能な方式で、ホールコンサーバ1060に格納する。
遊技情報統合システムISにおいては、売上・稼働データ(主に売上データ)は、サンド20からの情報に基づいて生成される。図中「サンド」は、主の情報発信元を示している。
A2において、A1において生成された売上・稼働データに基づいて、営業割数を算出する。A2においては、所定の基準単位についての所定単位時間(例えば、1日、1週間、1ヵ月等)あたりの営業割数を算出することが可能である。営業割数については、サービスタイムやイベント等と通常時とを区別して算出することとしてもよく、新機種と他の機種とを分けて算出することとしてもよい。A1において生成される売上・稼働データと、A2において算出される営業割数とは、遊技店における「営業」分析の結果に相当する。
A3においては、A1において生成された売上・稼働データと、A4(後述)において算出された大当り偏り(例えば、標準偏差)及び大当り頻度(例えば、平均値)と、A5(後述)において生成された顧客別人気情報とに基づいて、機械の形式と特性の分析が行われる。「形式」は、機械の仕様についての要素を意味しており、例えば、機械における当籤確率で分類した要素、役物の種別で分類した要素、大当り仕様で分類した要素等が挙げられる。機械における当籤確率で分類した要素としては、例えば、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプ等が挙げられる。役物の種別で分類した要素としては、例えば、混合機、普通機、羽根物等が挙げられる。大当り仕様で分類した要素としては、例えば、小当り搭載、突確搭載等が挙げられる。「特性」は、「形式」とは異なる要素であり、例えば、出球の波が荒い又はゆるやか、出球スランプグラフの動き(例えば、スランプグラフの波が荒いか否か、当りの変動傾向連続期間(カタマリ)の出現頻度はどうか)等が挙げられる。但し、本発明における特性は、定性的な評価の結果ではなく、定量的な評価の結果であり、売上・稼働データと、大当り偏り及び大当り頻度と、顧客別人気情報とを用いて、所定の演算式(例えば、関数等)を用いた演算を行うか又はテーブルデータを参照する等の処理を行って得られる段階的評価(例えば、大、中、小等)データ又は数値的評価データ等により、特性データとして表わされる。ここでいう段階的又は数値的評価は、形式ごとに異なる基準を用いて行われる。
A4においては、ホールコンサーバ1060に格納された当籤回数に関するデータと、当籤回数に関するデータに対応付けられた受信時間データとに基づいて、大当り偏り及び大当り頻度とを算出する。
A5においては、A3において生成された特性データと、A6(後述)において作成された固定客に関するデータと、A7(後述)における機械の稼働の分析結果とに基づいて、顧客別人気情報を生成する。新機種は、他の機種とは異なり、機械の形式や特性に関わらず「新台」であるという要素のみで稼働する場合がある。従って、遊技情報統合システムISでは、この新機種の要素については、顧客別人気情報を生成する際に除外される。具体的に、新機種の遊技機ユニットに関するデータは、顧客別人気情報の生成に用いられない。勿論、本発明は、この例に限定されない。
A6においては、会員管理サーバ1070に格納されたデータ(及びホールコンサーバ1060に記憶されたデータ)に基づいて、客層(例えば、固定客、流動客、初心者等)の判定が行われる。特に、固定客の判別が行われる。具体的に、遊技者(遊技者識別情報)ごとに、例えば、平均使用金額、平均遊技時間、平均来店頻度、平均損失額等の算出を行う。ここで、客層好みの比率を用いて客層(特に固定客)の判定を行うことにしてもよい。客層好みの比率は、例えば、大、中、小等の段階的な評価であってもよい。A6における客層分析(固定客分析)は、遊技店における「客」分析に相当する。
A7においては、A3において生成された特性データと、A5において生成された顧客別人気情報とに基づいて、機械の稼働を分析する。機械の稼働としては、例えば、稼働率を示すデータ等が挙げられる。また、所定のパラメータの経時変化の示すグラフ又は関数等として表わされてもよい。パラメータとしては、特に限定されず、例えば、消費数、払出数、スタート数、大当り数(当籤回数、入賞回数)、使用金額、遊技時間、遊技者数、平均損失額等が挙げられる。経時変化のスパンは、特に限定されず、例えば、機械導入時点から当時点までの期間、1ヵ月、1週間、1日等の分析が可能である。
A3における機械の形式と特性の分析、及びA7における機械の稼働の分析は、遊技店における「機械」分析に相当する。
A8においては、A3における機械の形式と特性の分析の結果と、A6における固定客の分析結果とに基づいて、新機種の魅力(魅力度)が判定される。この判定は、新機種に対してのみ行われる。
例えば、予め、機械の形式と特性とに基づいて区分される機械のクラスごとに、固定客の分析結果と新機種の魅力度とが対応付けられたテーブルデータを格納しておく。そして、A3における機械の形式と特性の分析の結果に応じたテーブルを選択し、選択されたテーブルを参照し、固定客の分析結果に対応付けられた新機種の魅力度を抽出する。新機種の魅力度は、段階的評価(例えば、大、中、小等)を示すデータとして格納される。本発明における新機種の魅力の評価と評価結果とはこの例に限定されない。
パチスロ機10やパチンコ遊技装置10’等の遊技機の設計においては、版権に対する高額のライセンス料が必要となる所謂キャラクタものの選別を行うこととしてもよい。新機種のキャラクタものは、特に新機種としての要素が強く、遊技者の遊技傾向もキャラクタ等によって異なるので、キャラクタの有無も新機種の魅力度の判別に用いることが望ましい。
A9において、安定度の判定が行われる。
上述したように、A1〜A7では、「客」、「機械」及び「営業」の3要素についての分析が行われる。その過程では、例えば、A1で行われた「営業」分析の結果が、A3における「機械」分析に用いられるというように、各要素の分析結果が他の要素の分析に用いられる。そして、A9においては、A2において分析された営業割数と、A3において生成された特性データと、A7における機械の稼働の分析結果とに基づいて、安定度の分析を行う。遊技情報統合システムISにおいて、安定度は、所定の基準単位についての経営の安定性を数値的に示すものであり、「客」分析、「営業」分析及び「機械」分析の統合的分析の結果得られる営業の指標である。稼働率が高いほど安定度は高くなり、営業割数が所定の範囲にあれば安定度は高くなる一方、営業割数が該範囲から外れると安定度は低くなる。
B1においては、A9において生成された安定度データに基づいて、最適営業割数の判定を行う。最適営業割数は、目標とする営業割数であり、実際の営業割数が最適営業割数(目標営業割数)になった場合に安定度が最高になる。
B2においては、B1において判定された最適営業割数に基づく機械の設定を行う前後での固定客の増加を、遊技者の平均使用時間、平均遊技時間、平均来店時間及び平均損失額等に基づいて判定し、固定客が増加したか否かを判断する。
このように、最適営業割数の判定(ステップB1)と、固定客増加(ステップB2)との組合せにより、固定客と収益との調和バランスを取り(ステップB3)、所定の基準単位における経営の安定化を実現する(ステップB4)。
B5においては、B1において判定された最適営業割数に基づく機械の設定を行う前後での固定客の減少を、遊技者の平均使用時間、平均遊技時間、平均来店時間及び平均損失額等に基づいて判定し、固定客が減少したか否かを判断する。固定客が減少したときには、例えば、携帯端末機1041に対して、アラームの報知を行う。
B5におけるアラームの報知を契機として機械の設定を変更し、固定客の増加を達成することができた場合には(ステップB2)、固定客と収益との調和バランスを取り(ステップB3)、所定の基準単位における経営の安定化を実現することができるが(ステップB4)、機械の設定を変更しても、固定客の減少が継続する又は固定客が増加しない場合には、機械の撤去を行い(ステップB6)、新機種の導入等を行い、元を取ったか否か、即ち、利益を得たか又は損失が発生したかを判定する(ステップB7)。
C1〜C5について、A8において生成された新機種の魅力度(並びにA6における平均使用金額、平均遊技時間、平均来店(遊技)頻度及び平均損失額)に基づいて、遊技時間の長時間化について判定し(ステップC1)、客層分布について判断し(ステップC2)、その機種の人気が減少したか否かを判断する(ステップC3)。例えば、平均使用金額、平均遊技時間、平均遊技頻度及び平均損失額が低下し、且つ客層分布が変化した場合(例えば、遊技を行う固定客が減少した場合)、機種の人気が減少したと判断する(ステップC4)。一方、客数が多い場合(ステップC3)、店舗内設置数比率が適正であるか否かを判定する(ステップC5)。
<<<変形例>>>
以下では、上述した持ち球管理システムに加えることができる各種の構成を説明する。
<<変形例1>>
遊技者が携帯電話をサンド20の非接触リーダライタ36にかざすことで、ホールのホームページやメール会員登録ページのURLを携帯電話に送信する。メール会員として迅速かつ簡便に入会することができる。
具体的には、遊技者が携帯電話をサンド20の非接触リーダライタ36にかざしたときには、非接触リーダライタ36は、携帯電話用のメールアドレスを読み取る。そのサンド20は、携帯電話用のメールアドレスを、遊技者識別情報、例えば、携帯電話のシリアル番号などとともに、持ち球管理サーバ500に送信する。持ち球管理サーバ500は、携帯電話のシリアル番号と携帯電話用のメールアドレスとを登録するとともに、携帯電話用のメールアドレス宛てに、ホールのホームページやメール会員登録ページのURLが記載されたメールを送信する。
遊技者は、携帯電話を操作することによって、送信されてきたメールからホールのホームページやメール会員登録ページのURLにアクセスすることができる。
<<変形例2>>
遊技者が、遊技者の携帯電話に専用の携帯用アプリケーションプログラムをダウンロードすると、携帯電話をサンド20の非接触リーダライタ36にかざすだけで、会員メニューが利用可能になる。
具体的には、遊技者が、遊技者の携帯電話でダウンロード用のURLにアクセスすることで、携帯用アプリケーションプログラムをダウンロードすることができる。ダウンロードした携帯用アプリケーションプログラムを携帯電話で実行し、サンド20の非接触リーダライタ36にかざす。携帯電話は、サンド20の非接触リーダライタ36からアクセス許可情報を受信する。アクセス許可情報を受信した携帯電話は、所定のURLに定められている会員メニューにアクセスすることができる。遊技者は、携帯電話を操作することで、会員メニューのサービスを利用することができる。
サンド20から携帯電話に送信する情報は、アクセス許可情報でなく、パスワード情報でもよい。通常は、会員メニューを表示することができても、会員メニューを選択することができないようにされているが、パスワード情報を取得することで、会員メニューを選択できるようになる。
<<変形例3>>
遊技者が、ホールで電子マネーを利用すると電子マネーのポイントが遊技者に付与される。
具体的には、電子マネーを扱うことができるICカードをICカードリーダ62に読ませる。サンド20は、金融機関などのサーバに接続されており、ICカードをICカードリーダ62に読ませることによって、電子マネーを使って決済をすることができる。決済できたときには、持ち球管理サーバ500で決済できたことを記憶し、決済した金額に応じた数のポイントを遊技者の識別情報に対応付けて記憶させる。携帯電話にメールを送信してポイントの数を遊技者に報知する。ホールは、ポイントの数に応じたサービスを準備しておき、ポイントの数に応じて遊技者にサービスを提供する。
<<変形例4>>
ホールで発行しているICカードをICカードリーダ62で読み書き可能な状態に搬送すると、ICカードに記憶されている持ち球から所定の値を減算する処理をし、ワゴンサービスなどに利用することができる。
上述したように、ICカードはホールで発行される。ICカードには、主に、遊技者に払い出されたメダルを貯メダルとして記録するためのものである。この貯メダルの一部を、ホールが提供するワゴンサービスの支払に貯メダルの一部を用いるもので、ワゴンサービスの種類に応じて定められているメダル数を貯メダルから減算する。たとえば、ワゴンサービスが提供されているコーナーにもICカードリーダ62が設けられており、ワゴンサービスの種類に対応して定められているメダル数が減算されて、減算された貯メダル数がICカードに書き込まれて更新される。減算された貯メダル数は、持ち球管理サーバ500に送信され、持ち球管理サーバ500で管理される。
<<変形例5>>
赤外線通信によって、遊技者の携帯端末装置にホームページやメール会員登録ページのURLを送信する。遊技者にホールのイベントを告知したり、メール会員として遊技者を獲得したりすることができる。
具体的には、サンド20には赤外線ポートが設けられている。遊技者の携帯電話などの携帯端末装置とサンド20との間で赤外線通信を行う。赤外線通信によって遊技者の携帯端末装置にホームページやメール会員登録ページのURLを送信する。遊技者は、携帯端末装置を操作することによって、送信されてきたメールからホールのホームページやメール会員登録ページのURLにアクセスすることができる。
<<変形例6>>
ホールで発行しているICカードを利用して持ち球を分割することができ、出球を複数の遊技者の間で共有できる。
一の遊技者のICカードに記録されている貯メダルの一部を他の遊技者のICカードに記録する。一の遊技者と他の遊技者とが合意したメダル数を一の遊技者のICカードの貯メダルから減算する。次に、メダル数を他の遊技者のICカードの貯メダルに加算する。ホールのサービスコーナーなどに設けられているICカードリーダ62で行うことができる。2つのICカードリーダ62が対になって設けられており、一の遊技者のICカードを読み書きするためのICカードリーダ62と、他の遊技者のICカードを読み書きするためのICカードリーダ62とを備える。操作ユニット34などの遊技者が操作できる操作手段が設けられている。遊技者が操作手段を操作することで、移動させるメダル数を入力することができる。入力されたメダル数の分だけ、一の遊技者のICカードの貯メダル数を減算し、他の遊技者のICカードの貯メダル数を加算する。2つのICカードリーダ62は、持ち球管理サーバ500が接続されており、一の遊技者の貯メダル数と他の遊技者の貯メダル数との移動を記録し、貯メダル数を管理することができる。
<<変形例7>>
誤差球を検知したときや、不審者が来店したときに、ホールの店員が店内で所持する携帯端末装置(iPad(商標)やiPhone(商標))に、その遊技者(不審者)の顔写真を転送する。
ホールの店員が店内で所持する携帯端末装置(iPad(商標)やiPhone(商標))には、管理用のアプリケーションがインストールされて実行されている。持ち球管理サーバ500は、誤差球を検知したと判別したときには、そのパチスロ機10で遊技をしている遊技者のフェイシャルデータと台番号とを携帯端末装置に送信する。携帯端末装置では、受信したフェイシャルデータと台番号とをディスプレイに表示する。ホールの店員は、表示された台番号のパチスロ機10に行き、遊技者と事実とを確認することができる。
<<変形例8>>
営業状況(出球率や割数など)を、ホールの店員が店内で所持する携帯端末装置から確認することができる。
持ち球管理サーバ500は、営業状況(出球率や割数など)は、所定のタイミングで算出する。たとえば、持ち球管理サーバ500は、一時間毎に算出したり、店員が所持する携帯端末装置からリクエストがあったときに算出したりする。算出した営業状況を携帯端末装置に送信する。携帯端末装置では、持ち球管理サーバ500から送信されてきた営業状況を受信してディスプレイに表示する。
<<変形例9>>
サンド20の貯球ボタンを押すことで、カウンターに並ばず貯球ができる。
サンド20には、遊技者が操作可能な貯球ボタンが設けられている。貯球ボタンが遊技者によって操作されたときには、サンド20の内部に設けられた払出用ホッパによって計数される。計数されたメダルの数は、ICカードリーダ62によってICカードに記憶されている貯メダル数に加算される。
<<変形例10>>
ホール内の全ての遊技台データを個別で閲覧することができる。
サンド20には、操作ユニット34などの操作手段が設けられている。遊技者が操作ユニット34を操作して所望する台番号を指定すると、その台番号のパチスロ機10の着席状態/離席状態のほか、過去の遊技の状況を示すデータ、たとえばスランプグラフなどが表示される。
<<変形例11>>
常連客を常連様登録しておけば、その後、来店(着席)した瞬間にサーバに告知する。常連様へのサービス向上に貢献できる。
遊技者が常連客としてホールから選択された場合には、常連客であることを示す常連客識別情報を、遊技者が所有するICカードやICカードなどに予め記憶しておく。遊技者が着席したときに、ICカードやICカードなどから遊技者識別情報のほかに常連客識別情報も持ち球管理サーバ500に送信される。持ち球管理サーバ500は、常連客が来店したことを、ホールの店員が店内で所持する携帯端末装置などに報知する。ホールの店員は、それを認識して常連客に対するサービスができる。
なお、常連客として選択する基準は、ホールへの来店頻度、滞在時間、使用金額などの遊技者の過去の履歴情報によって持ち球管理サーバ500が判断して選択するのが好ましい。