JP2013170238A - 芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含有する接着剤組成物 - Google Patents

芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含有する接着剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2013170238A
JP2013170238A JP2012035725A JP2012035725A JP2013170238A JP 2013170238 A JP2013170238 A JP 2013170238A JP 2012035725 A JP2012035725 A JP 2012035725A JP 2012035725 A JP2012035725 A JP 2012035725A JP 2013170238 A JP2013170238 A JP 2013170238A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
group
compound
alicyclic epoxy
hydrocarbon group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012035725A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5828192B2 (ja
Inventor
直宏 ▲濱▼田
Naohiro Hamada
Naoki Egusa
直樹 江草
Junji Okamoto
淳二 岡本
Shinji Ishizaki
慎治 石崎
Satoko Niwa
聡子 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2012035725A priority Critical patent/JP5828192B2/ja
Publication of JP2013170238A publication Critical patent/JP2013170238A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5828192B2 publication Critical patent/JP5828192B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】高耐熱性や高屈折率化と透明性を両立できる芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含む活性エネルギー線で硬化する接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする接着剤用組成物。一般式(1)
Figure 2013170238

(一般式(1)中、Arは芳香族炭化水素基を表す。A1は、単結合、−O−、−S−、−N(R3)−、−CO−、−SO−、−SO2−、またはこれらの組合せからなる結合基を表す。E1は、脂環式エポキシ基を表す。R,Rは単結合又は炭化水素基を表し、R,RはH又は炭化水素基を表す。l、m、nは1以上の整数を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香環含有脂環式エポキシ化合物、その製造方法、芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含む樹脂組成物、および、その組成物を活性エネルギー線で硬化してなる積層体に関する。
エポキシ化合物はその硬化物が光学特性、機械特性、電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性、耐水性、耐薬品性等に優れた性質を示すことから、たとえば、光学用途、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品材料、電気・電子部品材料、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料、塗料、接着剤等、各種用途の構成材料として幅広く用いられている。
特に光学部材、電気・電子部材のような光学特性が要求される用途では透明性の制御が要求される。
一般的にエポキシ化合物は、アミン類、チオール類、酸無水物、フェノール類等の硬化剤を用いて熱硬化させることで、様々な特性を発現させているが、熱硬化時に着色するものが多く、光学特性が要求される用途には適応できないという問題があった。そのため、紫外線等の活性エネルギー線を用いてカチオン種を発生させ、エポキシ基を重合させるカチオン硬化技術が検討されている。
カチオン硬化時において、エポキシ化合物はグリシジルエーテル等のグリシジル化合物よりも脂環式エポキシ化合物が硬化性良好であることからよく用いられる。たとえば、特許文献1に挙げられる化合物があるが、透明性を考慮して化合物はすべて脂肪族で構成されている。その結果、耐熱性が低いなどの問題がある。
一方、高耐熱性、高屈折率化を狙ったものとしてビスフェノール骨格やフルオレン骨格を含むような特許文献2に挙げられる化合物がある。しかし、酸素原子が芳香環に直接結合した化合物は耐熱試験や耐光試験時に黄変しやすい傾向にあり、透明性が求められる用途では使用できない。
特開平5−310885号公報 特開2009−179568号公報
本発明は上記の現状に鑑みてなされたものであり、高耐熱性と透明性を両立できる芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含む接着剤組成物を提供すること。さらには、前記組成物と光酸発生剤からなる接着剤を活性エネルギー線で硬化してなる積層体を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする接着剤組成物に関する。
一般式(1)
Figure 2013170238
(一般式(1)中、Arはl+n価の芳香族炭化水素基を表す。
1は、単結合、−O−、−S−、−N(R3)−、−CO−、−SO−、−SO2−、またはこれらの組合せからなる2価の結合基を表す。
1は、脂環式エポキシ基を表す。
1は、単結合または2価の炭化水素基を表し、
2は、単結合または2価の炭化水素基を表し、
3は、水素原子または1価の炭化水素基を表し、
4は、水素原子または1価の炭化水素基を表す。
l、m、nは1以上の整数を表す。分子内に含まれるn個のR1、m×n個のA1、m×n個のR2、n個のE1、l個のR4は同一であっても異なっていてもよい。
ただし、下記一般式(2)で表される構造は除く。)
一般式(2)
Figure 2013170238
(式中、Ar’はn価の芳香族炭化水素基を、
Xは2価の炭化水素基を、
Yは脂環式エポキシ基を表し、
nは1以上の整数である。)
また本発明は、Arがベンゼン環であり、l+n=6であり、mが1であることを特徴とする上記接着剤組成物に関する。
また本発明は、一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物、または、下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする上記接着剤組成物に関する。
一般式(4)
Figure 2013170238
一般式(5)
Figure 2013170238
(式中E3、E4は脂環式エポキシ基を、nは1〜4の整数を表す)
また本発明は、脂環式エポキシ基が、エポキシシクロヘキサン環であることを特徴とする、上記接着剤組成物に関する。
また本発明は、上記接着剤組成物と、光酸発生剤とを含むことを特徴とする光硬化性接着剤に関する。
また本発明は、上記光硬化性接着剤を用いて基材を接着してなることを特徴とする積層体に関する。
また本発明は、基材が光学フィルムであることを特徴とする上記積層体に関する。
また本発明は、上記光硬化性接着剤を用いてポリビニルアルコール系偏光子の片面または両面に保護フィルムを接着してなることを特徴とする偏光板に関する。
本発明により、高耐熱性と透明性を両立できる芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含む接着剤組成物および、前記組成物と開始剤からなる接着剤を活性エネルギー線で硬化してなる積層体を提供することができた。
本発明における芳香環含有脂環式エポキシ化合物について以下に説明する。
本発明における芳香環含有脂環式エポキシ化合物は上記一般式(1)で表される構造を有する。芳香族骨格Arは芳香族化合物の芳香環に直接結合した水素原子をl+n個除いた、l+n価の芳香族基である。上記芳香族化合物は、たとえば、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン、ペンタセン、インデン、フルオレン、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、ジフェニルプロパン、ジフェニルスルホン、ジフェニルフルオレン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ジフェニルエーテル、ピリジン、ピロール、カルバゾール、フラン、チオフェン、および、これらの芳香族化合物中の水素原子の一部がアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ基、などに置換した化合物が挙げられる。より高透明性を求められる用途ではベンゼン、ビフェニルなどヘテロ原子が含まれておらず、2つ以上の芳香環が平面上に並ばない化合物が好ましい。
1は、芳香族骨格Arの芳香環に直接結合する、単結合または2価の炭化水素基を表す。2価の炭化水素基としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等が挙げられる。芳香環に酸素原子や窒素原子等のヘテロ原子が結合した化合物は非常に着色しやすく、特に熱や光による着色が著しい。そのため、着色を防ぐためには炭化水素基であることが好ましい。
1は単結合、−O−、−S−、−N(R3)−、−CO−、−SO−、−SO2−、またはこれらの組合せからなる2価の結合基を表す。組合せの例としては、左側がR1と、右側がR2と結合しているとすると、−COO−、−OCO−、−N(R3)COO−、−OCON(R3)−、などが挙げられる。窒素原子や硫黄原子を含む結合は耐熱性がやや弱いため、高い耐熱性を求められる場合は特に−O−、−CO−、−COO−、−OCO−が好ましい。さらに好ましくは−O−、−COO−が好ましい。R1が単結合の場合、芳香環にヘテロ原子が結合しないようにするため、−CO−または−COO−が好ましい。
3は、脂環式エポキシ基E1の環に直接結合する、単結合または2価の炭化水素基を表す。2価の炭化水素基としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等が挙げられる。
3、R4は、水素原子または1価の炭化水素基を表す。1価の炭化水素基としてはたとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、テトラデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トリル基、ナフチル基、などが挙げられる。
脂環式エポキシ基E1とは、脂環族化合物の環構造を形成する隣接する炭素原子と酸素原子とでエポキシ基(オキシラン環)を形成した化合物から、水素原子を1つ除いた1価の脂環族基である。E1の中の環形成をしている炭素原子とR2が結合している。脂環族化合物の環構造を形成する隣接する炭素原子と酸素原子とでエポキシ基(オキシラン環)を形成した化合物としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。これらの構造に置換基が入っていてもよい。特にエポキシシクロヘキサンが好ましい。
Figure 2013170238
一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2013170238
Figure 2013170238
Figure 2013170238
Figure 2013170238
本発明における芳香環含有脂環式エポキシ化合物の製造方法について以下に説明する。
本発明における芳香環含有脂環式エポキシ化合物はさまざまな方法で合成可能である。芳香環を含有する化合物と脂環式エポキシ基を有する化合物を結合させて合成する方法、芳香環を含有する化合物と環上に非芳香族性の炭素−炭素二重結合を有する脂環式化合物とを結合させた後、非芳香族性の炭素−炭素二重結合と酸素を結合させエポキシ基を導入する方法などがあげられる。2つの化合物を結合させる反応としてはエステル化、エーテル化、アミド化、アシル化などが挙げられる。
特に好ましい例として、芳香環を含有するカルボン酸と非芳香族性の炭素−炭素二重結合とヒドロキシ基を有する脂環式化合物をエステル化によって結合し、その後、酸化剤によって非芳香族性の炭素−炭素二重結合をエポキシ基に変換する方法、ハロゲンで置換されたアルキル基を有する芳香族化合物と非芳香族性の炭素−炭素二重結合とヒドロキシ基を有する脂環式化合物をエーテル化によって結合し、その後、酸化剤によって非芳香族性の炭素−炭素二重結合をエポキシ基に変換する方法、が挙げられる。
芳香族カルボン酸としては例えば、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、メリット酸、ナフトエ酸、ナフタレンジカルボン酸、フェニル酢酸、ベンゾイルギ酸、フェニレンニ酢酸、およびこれらにアルキル基等が置換したものが挙げられる。
非芳香族性の炭素−炭素二重結合とヒドロキシ基を有する脂環式化合物としては例えば、2−シクロヘキセン−1−オール、3−シクロヘキセン−1−オール、3−シクロヘキセン−1−メタノール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オール、テルピネオール、2−シクロペンテン−1−オール、3−シクロペンテン−1−オール、シクロペンテンメタノール、ノルボルネンメタノール、ジヒドロジシクロペンタジエンメタノール、トリシクロ[6.2.1.0(2,7)]ウンデカ−4−エンメタノール、テトラシクロ[6.2.1.1(3,6).0(2,7)]ドデカ−4−エンメタノール、などが挙げられる。
ハロゲンで置換されたアルキル基を有する芳香族化合物としてはベンジルクロライド、ジクロロキシレン、(クロロメチル)ナフタレン、ビス(クロロメチルナフタレン)、ビス(クロロメチル)ビフェニル、およびこれらの塩素原子が臭素原子、ヨウ素原子に置換されたものなどが挙げられる。
エステル化方法は様々なものがあるが、芳香環を含有するカルボン酸と、カルボキシ基を有し非芳香族性の炭素−炭素二重結合が環を形成する結合の中に含まれる脂環式化合物とを脱水縮合してエステル化する、もしくは、芳香環を含有するカルボン酸の酸無水物または酸ハロゲン化物と、非芳香族性の炭素−炭素二重結合とヒドロキシ基を有する脂環式化合物とを脱ハロゲン化水素、脱カルボン酸反応でエステル化する方法が挙げられる。
上記脱水縮合反応において、必要に応じて溶媒や触媒を使用することができる。使用する溶媒は、アルコール、アミン、カルボン酸など反応基質と反応する溶媒以外であれば使用できる。たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
使用する触媒は、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基触媒、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾールなどのアミン類、鉄(III)、ジルコニウム(IV)、スカンジウム(III)、チタン(IV)、スズ(IV)、ハフニウム(IV)などの金属イオンを含む塩や錯体、ジフェニルアンモニウムトリフラート、ペンタフルオロフェニルアンモニウムトリフラートなどのアンモニウム塩などが挙げられる。
脱水縮合反応において、生成する水を取り除くことで平衡を生成系に移動させることができ、より短時間で反応を完結させることができる。水を取り除く方法としては、たとえば、水溶性が低く、水より密度が小さい溶媒を還流させ、ディーンスターク装置を用いる方法、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、水素化カルシウム、モレキュラーシーブのような乾燥能、水吸着能のあるものを加える方法などが挙げられる。
上記脱水縮合反応を、縮合剤を用いて行うことができる。縮合剤とは、カルボン酸またはアルコールを活性化させ、エステル化反応を温和な条件で行うことができると同時に、副生成物の水は縮合剤と結合して別の化合物となるため、上記の触媒作用と水除去作用を兼ね備えた化合物である。このような縮合剤としては、たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、カルボニルジイミダゾール、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、p−トルエンスルホニルクロリド、2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリド、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートなどが挙げられる。
また、上記の脱ハロゲン化水素反応、脱カルボン酸反応において、必要に応じて溶媒や触媒を使用することができる。使用する溶媒は上記脱水縮合反応において例示した溶媒を使用することができる。使用する触媒は、脱離してくるハロゲン化水素、カルボン酸を中和する上記脱水縮合反応において例示した塩基、アミン触媒が使用できる。
上記脱水縮合反応、脱ハロゲン化水素反応、脱カルボン酸反応の反応条件は、使用する溶媒、触媒の種類や量によって異なる。たとえば、無触媒で脱水縮合を行う場合は高温を必要とするため、70〜250℃が好ましい。縮合剤を用いた脱水縮合や、脱ハロゲン化水素、脱カルボン酸反応では高温を必要としないため、−20〜50℃の範囲で反応させることが好ましい。
エーテル化方法は、ハロゲンで置換されたアルキル基を有する芳香族化合物と非芳香族性の炭素−炭素二重結合とヒドロキシ基を有する脂環式化合物を、強塩基の存在下でエーテル化する方法が挙げられる。このとき用いる塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、ハロゲン化アルキルマグネシウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウムなどが挙げられる。副反応が少なく、反応性を十分に有する塩基として水素化ナトリウムが好ましい。
上記エーテル化反応において、必要に応じて溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、反応基質や強塩基と反応する溶媒以外であれば使用できる。たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテルなどが挙げられる。特に強塩基である水素化ナトリウム等を使用する場合は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの炭化水素やテトラヒドロフラン、ジメチルエーテルなどのエーテルを用いるのが好ましい。
上記エーテル化の反応条件は、使用する溶媒、種類や量によって異なるが、0〜100℃の範囲が好ましい。さらに20〜70℃がより好ましい。
エポキシ化は非芳香族性の炭素−炭素二重結合を有する化合物に酸化剤を加えて行う。酸化剤としては、たとえば、酸素を含むガス、過酸化水素、過酸化ナトリウム、ペルオキソ一硫酸カリウム等の無機過酸化物、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、p−ニトロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸マグネシウム、ペルオキシマレイン酸、ペルオキシトリフルオロ酢酸、ペルオキシフタル酸、ペルオキシラウリン酸、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メンチルヒドロペルオキシド、1−メチルヘキサンヒドロペルオキシドなどの有機化酸化物が挙げられる。
エポキシ化において、必要に応じて触媒を使用することができる。たとえば、タングステン、モリブデン、バナジウム、チタン、レニウム、ルテニウムなどが含まれる金属化合物、アセトアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソバレロアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、などのアルデヒド類、α−アミノメチルホスホン酸、α−アミノエチルホスホン酸などの、α−アミノホスホン酸類、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、臭化トリオクチルエチルアンモニウム、ヨウ化ジラウリルジメチルアンモニム、リン酸水素ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、などの4級オニウム塩などが挙げられる。
エポキシ化反応に用いる溶媒は上記酸化剤と反応しないものを使用できる。たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
エポキシ化の反応温度は使用する酸化剤、触媒、溶媒によって異なるが、0〜150℃が好ましく、より好ましくは0〜50℃である。
本発明の光硬化性接着剤について説明する。
本発明における光硬化性接着剤とは、同種あるいは異種の2つの基材の間に挿入し、これらの基材を接着するもの、基材の片面に塗布しておき、さらにその上にコート剤等を塗布したときに基材とコート剤等とを接着するもの、などがある。
本発明の光硬化性接着剤は脂環式エポキシ化合物を含んでいる。カチオン種を発生させる光酸発生剤を配合し、本発明の組成物を塗布後、光などの活性エネルギー線によってカチオン種を発生させることで、カチオン重合が起こり硬化する。
光酸発生剤としては、たとえば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウム テトラフルオロボラート、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリ−p−トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、ジフェニル−p−フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、などが挙げられる。
光酸発生剤は光硬化性接着剤に含まれる樹脂成分(本発明の芳香環含有脂環式エポキシ化合物、および、必要に応じて含まれる他のエポキシ化合物またはオキセタン化合物などカチオン硬化性化合物から構成される樹脂成分)100部に対して、0.01部〜20部であることが好ましい。0.01部未満であると硬化が不十分であり、20部より多い場合、光酸発生剤由来の着色や他の諸物性の低下を招く。
本発明の光硬化性接着剤は、さらに、カチオン硬化性の化合物を必要に応じて添加してもよい。たとえば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物などがあるが、硬化性や硬化収縮が少ないという観点から、エポキシ化合物、オキセタン化合物が好ましい。
本発明の光硬化性接着剤は、さらに、必要に応じて、増感剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、無機フィラー、接着付与剤、非反応性樹脂、などの添加剤を加えてもよい。
活性エネルギー線の照射に用いる光源は、波長400nm以下に発光分布を有し、用いる光酸発生剤や増感剤の吸収領域の光を発するものであれば特に限定されない。たとえば、水銀ランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプなどが挙げられる。
例えば、本発明の光硬化性接着剤を、各種基材の片面または両面に塗布し、必要に応じて加熱乾燥後、紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化させることで、目的の積層体を得ることができる。基材としては、たとえば、ガラス、セラミック、ポリカーボネート、ポリエステル、ウレタン、アクリル、ポリアセテートセルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリビニルアルコール、ステンレス等の各種金属、などが挙げられる。
また、基材の上に本発明の光硬化性接着剤を塗布し、さらにその上に、別の組成物を塗布する、あるいは、別の基材を貼り合わせる、などの方法で積層構造を形成してもよい。このとき、別の組成物を塗布する、あるいは、別の基材を貼り合わせる、などの前に紫外線等の活性エネルギー線を照射してもよいし、塗布あるいは貼り合わせ後に照射してもよい。
本発明の光硬化性接着剤を基材に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、マイクログラビアコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられるが、薄膜塗工が可能であれば、特に制限はない。
本発明の光硬化性接着剤は、さらに光学用の光硬化性接着剤として好適である。即ち、フィルム状基材である光学フィルムと該光学フィルムの少なくとも一方の面に位置する接着層とを具備する積層体の形成に使用されることが好ましい。本発明の光学フィルムの積層体は、以下のようにして得ることができる。フィルム状基材である光学フィルムの片面に光硬化性接着剤を塗工し、別の光学フィルムを光硬化性接着層の表面に積層したり、更にこの積層体の片面や両面に光硬化性接着剤を塗工し、更に別の光学フィルム、ガラス、あるいは光学成形体に積層したりすることによって、光学用積層体を得ることができる。光硬化性接着剤の光硬化反応は、光硬化性接着剤の塗工時、あるいは積層する際、さらには積層した後に活性エネルギー線を照射して進行するが、積層した後に活性エネルギー線を照射して光硬化反応を進めることが好ましい。
本発明における光学用の積層体としては、上記の各種プラスチックフィルムのうち、主に光学用途にて用いられる光学フィルムが好適に使用される。光学フィルムとしては、上記プラスチックフィルムに特殊な処理を施されたものであり、光学的機能(光透過、光拡散、集光、屈折、散乱、HAZE等の諸機能)を有するものが光学フィルムと称されている。これらの光学フィルムは単独で、または数種の光学フィルムを接着剤で多層に積層されて光学用の積層体として使用される。例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、輝度向上フィルム、プリズムフィルム(プリズムシートともいう)、導光フィルム(導光板ともいう)等が挙げられる。偏光フィルムは、偏光板とも呼ばれ、ポリビニルアルコール系偏光子の両面を2枚のアセチルセルロース系フィルムであるトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)や、ポリビニルアルコール系偏光子の片面や両面をノルボルネン系フィルムであるシクロオレフィ系フィルム、アクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム等で挟んだ多層構造からなるシート状の積層体である。
本発明の偏光板は、より具体的には、以下のようにして得ることができる。
(I)第1の保護フィルムの一方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第1の硬化性接着剤層を形成し、第2の保護フィルムの一方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第2の光硬化性接着剤層を形成し、次いで、ポリビニルアルコール系偏光子の各面に、第1の光硬化性接着剤層及び第2の硬化性接着剤層を、同時に/または順番に重ね合わせた後、活性エネルギー線を照射し、第1の硬化性接着剤層及び第2の光硬化性接着剤層を硬化することによって製造する方法。
(II)ポリビニルアルコール系偏光子の一方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第1の光硬化性接着剤層を形成し、形成された第1の光硬化性接着剤層の表面を第1の保護フィルムで覆い、次いでポリビニルアルコール系偏光子の他方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第2の光硬化性接着剤層を形成し、形成された第2の光硬化性接着剤層の表面を第2の保護フィルムで覆い、活性エネルギー線を照射し、第1の光硬化性接着剤層及び第2の光硬化性接着剤層を硬化することによって製造する方法。
(III)第1の保護フィルムとポリビニルアルコール系偏光子を重ねた端部および、ポリビニルアルコール系偏光子の第1の保護フィルムがない面に重ねた第2の保護フィルムの端部に光硬化性接着剤をたらした後、ロールの間を通過させ各層間に接着剤を広げる。次に活性エネルギー線を照射し、光硬化性接着剤を硬化させることによって製造する方法等があるが、特に限定するものではない。
本発明における芳香環含有脂環式エポキシ化合物は、優れた硬化性を有し、耐熱性と高透明性を兼ね備えている。そのため、特に透明性が求められる光学部材、たとえば、液晶テレビ、プラズマテレビ、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤー、デジタルカメラ等のディスプレイに用いられる、反射防止膜、偏光板、光散乱膜、指紋付着防止膜、光学補償フィルム、拡散板などの各部材、太陽電池パネル、窓ガラス用表面保護フィルム、木材、紙、コンクリート、アスファルト、表面コーティング、インキ用バインダー、粘接着剤、プライマー、封止材として使用することができる。
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を意味する。
実施例中のNMR測定はすべて、JEOL社製のJNM−ECX400Pを用いて1H−NMR測定をCDCl中で行った。
合成例1
Figure 2013170238
(エステル化工程)
攪拌機、温度計、ガス導入管を備えた反応容器に、イソフタル酸70.9部、アセトン500.0部、1−メチルイミダゾール154.2部を仕込み、氷冷下で攪拌した。p−トルエンスルホニルクロリド179.1部を30分かけて加えた。30分攪拌後、3−シクロヘキセン−1−メタノール95.8部を30分かけて滴下した。氷冷からはずし、室温で2時間反応させた。1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。反応溶液を分液漏斗に移し、ここにトルエン300部、10%塩酸300部を加え分相した。有機相をさらに飽和炭酸水素ナトリウム300部、飽和食塩水300部で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターでトルエンを留去した。反応中間体(1−1)は120部得られた。
(エポキシ化工程)
上記中間体(1−1)120部を再度反応容器に仕込み、アセトン500部、炭酸水素ナトリウム245部、水292.8部、を加え、室温で攪拌した。ここにオキソン(ペルオキシ一硫酸カリウム・硫酸カリウム・硫酸水素カリウムの複塩、デュポン社製)300部を1時間かけて加えた。4時間後に1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。反応液を分液漏斗に移し、酢酸エチル500部、水500部を加えて分相した。有機相を10%亜硫酸ナトリウム水溶液500部、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液500部、飽和食塩水500部で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで酢酸エチルを留去し、化合物(1)を125部得た。1H−NMRで目的物であることを確認した。
合成例2
Figure 2013170238
(エーテル化工程)
攪拌機、温度計、ガス導入管、冷却管を備えた反応容器に、α,α’−ジクロロ−m−キシレン74.2部、テトラヒドロフラン755部、水素化ナトリウム(純度55%)55.5部を仕込み、加熱還流させた。3−シクロヘキセン−1−メタノール95.2部を30分かけて滴下し、4時間反応させた。1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。反応溶液を分液漏斗に移し、飽和食塩水500部で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターでテトラヒドロフランを留去した。反応中間体(2−1)は130部得られた。
(エポキシ化工程)
中間体(2−1)130部を再度反応容器に仕込み、ジクロロメタン1000部、水1000部、を加え、室温で攪拌した。ここにm−クロロ過安息香酸(純度65%)218.5部を1時間かけて加えた。4時間後に1H−NMRで反応が完結しているのを確認した。反応液を分液漏斗に移し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液500部、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液500部、飽和食塩水500部で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで酢酸エチルを留去し、化合物(2)を130部得た。1H−NMRで目的物であることを確認した。
合成例3
Figure 2013170238
(中間体(3−1)合成)
攪拌機、温度計、ガス導入管、冷却管を備えた反応容器に、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物23.2部、メチルエチルケトン41部、3−シクロヘキセン−1−メタノール18.0部の混合溶液を攪拌しながら80℃で24時間反応させた。反応液を濃縮、乾燥することで、中間体(3−1)を42.0部得た。
(中間体(3−2)合成)
攪拌機、温度計、ガス導入管、冷却管を備えた反応容器に、3−シクロヘキセン−1−メタノール22.4部、ジメチルアセトアミド(DMAc)100部を仕込み、氷浴下で攪拌しているところに、p−クロロメチル安息香酸クロリド45.4部とDMAc100部の混合溶液を滴下した。滴下終了後、室温でさらに5時間攪拌しながら反応させた。反応液に酢酸エチルを200部加え、炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水、飽和食塩水で洗浄後、有機層を濃縮した。得られたオイル状生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記構造の中間体(3−2)33.4部を得た。
(中間体(3−3)合成)
上記で合成した中間体(3−1)を13.3部、炭酸カリウム7.6部、DMAc50部を室温で攪拌しているところに、中間体(3−2)13.2部を加え、80℃に昇温して2時間反応させた。反応液に酢酸エチルを200部加え、蒸留水、飽和食塩水で洗浄後、有機層を濃縮した。得られたオイル状生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、中間体(3−3)16.3部を得た。
(化合物(3)合成)
上記の中間体(3−3)16.3部を、合成例1と同様にオキソンを用いてエポキシ化をすることで、化合物(3)を17.2部得た。1H−NMRで目的物であることを確認した。
合成例4
Figure 2013170238
合成例1でイソフタル酸の代わりにテレフタル酸を用いた以外は合成例1と同様にして化合物(4)を作製した。
合成例5
Figure 2013170238
合成例1でイソフタル酸の代わりにフタル酸を用いた以外は合成例1と同様にして化合物(5)を作製した。
合成例6
Figure 2013170238
合成例1でイソフタル酸の代わりに安息香酸を用いた以外は合成例1と同様にして化合物(6)を作製した。
合成例7
Figure 2013170238
合成例1でイソフタル酸の代わりにトリメリット酸を用いた以外は合成例1と同様にして化合物(7)を作製した。
合成例8
Figure 2013170238
合成例1でイソフタル酸の代わりにピロメリット酸を用いた以外は合成例1と同様にして化合物(8)を作製した。
合成例9
Figure 2013170238
合成例1でイソフタル酸の代わりに5−メチルイソフタル酸を用いた以外は合成例1と同様にして化合物(9)を作製した。
合成例10
Figure 2013170238
合成例1でイソフタル酸の代わりに2,5−ジメチルテレフタル酸を用いた以外は合成例1と同様にして化合物(10)を作製した。
合成例11
Figure 2013170238
合成例2でα,α’−ジクロロ−m−キシレンの代わりにα,α’−ジクロロ−p−キシレンを用いた以外は合成例2と同様にして化合物(11)を作製した。
合成例12
Figure 2013170238
合成例2でα,α’−ジクロロ−m−キシレンの代わりにα,α’−ジクロロ−o−キシレンを用いた以外は合成例2と同様にして化合物(12)を作製した。
合成例13
Figure 2013170238
合成例2でα,α’−ジクロロ−m−キシレンの代わりにα,α’−ジクロロ−o−キシレンを用いた以外は合成例2と同様にして化合物(13)を作製した。
合成例14
Figure 2013170238
合成例2でα,α’−ジクロロ−m−キシレンの代わりに1,3,5−トリス(クロロメチル)ベンゼンを用いた以外は合成例2と同様にして化合物(14)を作製した。
合成例15
Figure 2013170238
合成例2でα,α’−ジクロロ−m−キシレンの代わりに1,3,5−トリス(クロロメチル)ベンゼンを用いた以外は合成例2と同様にして化合物(14)を作製した。
実施例1
芳香環含有脂環式エポキシ化合物として化合物(1)を80部、ブチルグリシジルエーテル10部、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン10部を配合しモノマー組成物を作製した。さらに、p−フェニルチオフェニルジフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスファート2部を配合し、組成物を作製した。ガラス上に貼りつけたポリビニルアルコール−染料系偏光子に上記組成物を介して日本ゼオン(株)社製の非晶性ポリオレフィンフィルム(商品名”ZEONOR”)を貼り合わせた。次に、紫外線照射機で積算光量が700mJになるように照射した。この積層体について接着力、耐熱性、耐熱黄変性(透明性)の評価を行った。接着力は◎、○、△、×の4段階で評価した。耐熱性はガラス転移温度(Tg)を測定し、90℃以上を○、90℃未満を×とした。耐熱黄変性は試料を80℃500時間入れた前後の色差を測定しΔYで比較し、0.1未満が○、0.1以上0.5以下が△、0.5以上が×とした。
実施例2〜15
実施例1のモノマー組成物を下記表1のように配合し、モノマー組成物を作製した以外は実施例1と同様にして各測定を行った。表1中のBGEはブチルグリシジルエーテル、OXAは3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタンを表す。
Figure 2013170238
比較例1
合成例1で作製した芳香環含有脂環式エポキシ化合物の代わりに芳香環が含まれない脂環式エポキシ化合物である3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学社製2021P)を使用した他は実施例1と同様に試料を作製、評価を行った。
比較例2
合成例1で作製した芳香環含有脂環式エポキシ化合物の代わりに芳香環が含まれない脂環式エポキシ化合物であるビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートを使用した他は実施例1と同様に試料を作製、評価を行った。
実施例1〜15、比較例1〜2の評価結果を表2にまとめた。
Figure 2013170238
比較例2の接着性が著しく悪い結果となった。これはグリシジルエーテルがカチオン硬化においてはあまり硬化性がよくないと言われており、それを反映した結果であると考えられる。
耐熱性については芳香環を含む化合物を使用したものが耐熱性良好である傾向が見られた。比較例1は芳香環が含まれていないにも関わらず耐熱性が良好であるが、これは脂環式エポキシ(3,4−エポキシシクロヘキサン環)をつなぐ連結基が短く、連結基に由来する耐熱性の低さがあらわれていないためと考えられる。
耐熱黄変性においては比較例1〜2が実施例1〜3に劣る結果となった。芳香環により膜が剛直になるため、着色時に起きている何らかの化学反応を抑制した結果、芳香環を含まない比較例1よりも着色が少ない結果になったと推測される。
以上の結果から、本願発明の芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含有する接着剤組成物を用いることで、耐熱性と透明性(耐熱黄変性で着色が少ない)を両立させることができた。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする接着剤組成物。
    一般式(1)
    Figure 2013170238
    (一般式(1)中、Arはl+n価の芳香族炭化水素基を表す。
    1は、単結合、−O−、−S−、−N(R3)−、−CO−、−SO−、−SO2−、またはこれらの組合せからなる2価の結合基を表す。
    1は、脂環式エポキシ基を表す。
    1は、単結合または2価の炭化水素基を表し、
    2は、単結合または2価の炭化水素基を表し、
    3は、水素原子または1価の炭化水素基を表し、
    4は、水素原子または1価の炭化水素基を表す。
    l、m、nは1以上の整数を表す。分子内に含まれるn個のR1、m×n個のA1、m×n個のR2、n個のE1、l個のR4は同一であっても異なっていてもよい。
    ただし、下記一般式(2)で表される構造は除く。)
    一般式(2)
    Figure 2013170238
    (式中、Ar’はn価の芳香族炭化水素基を、
    Xは2価の炭化水素基を、
    Yは脂環式エポキシ基を表し、
    nは1以上の整数である。)
  2. Arがベンゼン環であり、l+n=6であり、mが1であることを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物
  3. 一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物、または、下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の接着剤組成物。
    一般式(4)
    Figure 2013170238
    一般式(5)
    Figure 2013170238
    (式中E3、E4は脂環式エポキシ基を、nは1〜4の整数を表す)
  4. 脂環式エポキシ基が、エポキシシクロヘキサン環であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載の接着剤組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の接着剤組成物と、光酸発生剤とを含むことを特徴とする光硬化性接着剤。
  6. 請求項5記載の光硬化性接着剤を用いて基材を接着してなることを特徴とする積層体。
  7. 基材が光学フィルムであることを特徴とする請求項6記載の積層体。
  8. 請求項5記載の光硬化性接着剤を用いてポリビニルアルコール系偏光子の片面または両面に保護フィルムを接着してなることを特徴とする偏光板。
JP2012035725A 2012-02-22 2012-02-22 芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含有する接着剤組成物 Expired - Fee Related JP5828192B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012035725A JP5828192B2 (ja) 2012-02-22 2012-02-22 芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含有する接着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012035725A JP5828192B2 (ja) 2012-02-22 2012-02-22 芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含有する接着剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013170238A true JP2013170238A (ja) 2013-09-02
JP5828192B2 JP5828192B2 (ja) 2015-12-02

Family

ID=49264395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012035725A Expired - Fee Related JP5828192B2 (ja) 2012-02-22 2012-02-22 芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含有する接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5828192B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016018163A (ja) * 2014-07-10 2016-02-01 チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド 偏光板用接着剤およびこれを用いた表示装置
JP2019526692A (ja) * 2016-12-09 2019-09-19 エルジー・ケム・リミテッド 密封材組成物
US11390782B2 (en) 2016-05-31 2022-07-19 Henkel Ag & Co. Kgaa Cationic pressure sensitive adhesive UV cured by medium mercury bulbs

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016018163A (ja) * 2014-07-10 2016-02-01 チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド 偏光板用接着剤およびこれを用いた表示装置
US11390782B2 (en) 2016-05-31 2022-07-19 Henkel Ag & Co. Kgaa Cationic pressure sensitive adhesive UV cured by medium mercury bulbs
JP2019526692A (ja) * 2016-12-09 2019-09-19 エルジー・ケム・リミテッド 密封材組成物
US11248142B2 (en) 2016-12-09 2022-02-15 Lg Chem, Ltd. Encapsulating composition
JP7146282B2 (ja) 2016-12-09 2022-10-04 エルジー・ケム・リミテッド 密封材組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5828192B2 (ja) 2015-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI440631B (zh) 脂環式二環氧化合物之製造方法、環氧樹脂組成物之製造方法及硬化物之製造方法
JP4548415B2 (ja) 紫外線硬化型組成物
KR102344209B1 (ko) 에폭시 화합물, 경화성 조성물, 경화물, 에폭시 화합물의 제조 방법 및 반응성 희석제
TWI732882B (zh) 環氧化合物、包含其之硬化性組合物、使硬化性組合物硬化而成之硬化物及其製造方法
JP2010095521A (ja) エポキシ化合物の製造方法、エポキシ化合物、硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP5511047B2 (ja) ジオレフィン化合物、エポキシ樹脂、及び硬化性樹脂組成物
JPWO2010119960A1 (ja) オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP5828192B2 (ja) 芳香環含有脂環式エポキシ化合物を含有する接着剤組成物
TWI730065B (zh) 環氧化合物、硬化性組合物、硬化物、環氧化合物之製造方法及反應性稀釋劑
JP5240352B2 (ja) 接着剤
JP5294771B2 (ja) エポキシ化合物の製造方法
JP6337523B2 (ja) 活性エネルギー線重合性樹脂組成物および積層体
JP6691855B2 (ja) 硬化性組成物およびこれを硬化させた硬化物
TW202000844A (zh) 顯示元件用密封劑及其硬化物
JP5367065B2 (ja) オレフィン化合物、エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物及びその硬化物、led装置
JP2015183145A (ja) 含硫黄エポキシ化合物、及びその製造方法
TWI723175B (zh) 環氧化合物、包含其之硬化性組合物、使硬化性組合物硬化而成之硬化物及硬化物之製造方法
TWI753959B (zh) 印刷配線板形成用環氧樹脂組成物
JP6599785B2 (ja) カルボキシル基含有フルオレン系ポリエステル樹脂、及びその製造方法
JPWO2020179287A1 (ja) 酸基含有(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料、ソルダーレジスト用樹脂材料及びレジスト部材
JP2014167082A (ja) カチオン重合性オキシランエポキシ化合物
JP4910871B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び透明複合シート
JP6921627B2 (ja) エポキシ化合物、これを含む硬化性組成物および硬化性組成物を硬化させた硬化物
JP2016166351A (ja) 硬化性組成物及びその硬化物並びに硬度向上方法
JP2024055022A (ja) 組成物及び硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150707

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150929

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20151005

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151005

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5828192

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees