JP2016018163A - 偏光板用接着剤およびこれを用いた表示装置 - Google Patents

偏光板用接着剤およびこれを用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子及び保護フィルムに対する接着性が良好であるとともに、耐熱性に優れ、偏光子におけるクラックの発生を抑制することができる偏光板用接着剤およびこれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
偏光板1は、偏光子2と、偏光子2の表面上に設けられた接着剤層9と、接着剤層9を介して、偏光子2の両面に貼り付けられた保護フィルム3とを備える。接着剤層9は、3官能以上のエポキシ基を有するとともに、分岐構造を有し、分岐構造に少なくとも1官能のエポキシ基が存在する芳香族エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物により形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板を製造する際に使用される偏光子(偏光フィルム)と保護フィルムとを接着するための偏光板用接着剤およびこれを用いた表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットディスプレイが、省スペ−スであり高精細であることから、表示装置として広範に使用されている。このうち、液晶ディスプレイは、より省電力であり高精細であるため注目され、開発が進められている。
液晶ディスプレイパネルには、光シャッターの役割をする偏光板が液晶と組み合わせて使用されている。ここで、偏光板は偏光子を備えているが、通常、偏光子は、ポリビニルアルコール樹脂を水槽中で5〜6倍の長さに一軸延伸して製造されるため、延伸方向に裂けやすく、脆いという欠点がある。そのため、偏光子は、その表面および/または裏面に保護フィルムを接着する構成となっている。
ここで、従来、偏光子と保護フィルムとを接着するための接着剤として、ポリビニルアルコール系の水系接着剤が使用されていたが、例えば、シクロオレフィン重合体により形成された難接着性フィルムとの接着が困難であり、また、生産性の向上が困難であるという問題があった。
そこで、これらの不都合を解消すべく、活性エネルギー線硬化性化合物を含有する組成物からなる接着剤が提案されている。より具体的には、芳香環を含まないエポキシ樹脂を主成分とし、光カチオン重合開始剤を含有する組成物からなる接着剤であって、活性エネルギー線の照射によるカチオン重合で硬化される接着剤が提案されている。そして、このような接着剤を使用することにより、透湿度の低い樹脂フィルムを保護膜とする場合であっても、十分な接着強度で、外観不良などの問題を起こすことなく、偏光子の片面又は両面に保護膜が貼合された偏光板を提供することができる、と記載されている(例えば、特許文献1参照)。
また、分子中に2個以上のエポキシ基を有し、エポキシ基のうちの少なくとも1個が脂環式エポキシ基であるエポキシ樹脂(A)100質量部と、分子中に2個以上のエポキシ基を有し、脂環式エポキシ基を実質的に有さないエポキシ樹脂(B)5〜1000質量部と、光カチオン重合開始剤(C)0.5〜20質量部とを含む光硬化性接着剤が提案されている。そして、このような接着剤を使用することにより、保存安定性に優れ、硬化時における接着剤自体および接着対象物の変色を抑制することができ、硬化速度が大きくかつ良好な接着性を与える光硬化性接着剤を提供することができると記載されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4306270号公報 特開2008−257199号公報
しかし、上記特許文献1,2に記載の接着剤は、偏光子と保護フィルムの双方に対する接着性を両立させることが困難であり、また、耐熱性に乏しいため、偏光子にクラック(割れ)が生じ易くなるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、偏光子及び保護フィルムに対する接着性が良好であるとともに、耐熱性に優れ、偏光子におけるクラックの発生を抑制することができる偏光板用接着剤およびこれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子の表面上に設けられた接着剤層と、接着剤層を介して、偏光子の少なくとも片面に貼り付けられた保護フィルムとを備え、接着剤層が、3官能以上のエポキシ基を有するとともに、分岐構造を有し、分岐構造に少なくとも1官能のエポキシ基が存在する芳香族エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物により形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、偏光子及び保護フィルムに対する接着性が良好であるとともに、耐熱性に優れ、偏光子におけるクラックの発生を抑制することができる偏光板用接着剤層が設けられた偏光板を提供することができる。
本発明の実施形態に係る偏光板を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る偏光板の製造方法を説明するための図である。 本発明の実施例に係る偏光板の初期硬化性試験を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る偏光板を示す断面図である。
図1に示すように、偏光板1は、偏光子2と、偏光子2の表面上に設けられた接着剤層9と、接着剤層9を介して、偏光子2の両面に貼り付けられた偏光板用保護フィルム(以下、単に「保護フィルム」という場合がある。)3を備えている。
そして、本発明においては、接着剤層9が、3官能以上のエポキシ基を有するとともに、分岐構造を有し、分岐構造に少なくとも1官能のエポキシ基が存在する芳香族エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物により形成されている点に特徴がある。
<偏光子>
偏光子2としては、特に制限はなく、従来公知のものを使用できる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。
このうち、平均重合度2000〜2800、けん化度90〜100モル%のポリビニルアルコールフィルムをヨウ素で染色し、5〜6倍に一軸延伸して製造した偏光子が特に好ましい。より具体的には、このような偏光子は、例えばポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素の水溶液に浸漬して染色し、延伸して得られる。ヨウ素の水溶液としては、例えば、ヨウ素/ヨウ化カリウムの0.1〜1.0質量%水溶液に浸漬することが好ましい。必要に応じて50〜70℃のホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬してもよく、洗浄や染色むら防止のために、25〜35℃の水に浸漬してもよい。延伸はヨウ素で染色した後に行っても、染色しながら延伸しても、延伸してからヨウ素で染色してもよい。染色および延伸後は、水洗し、35〜55℃で1〜10分程度、乾燥してもよい。
<保護フィルム>
保護フィルム3としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる材料が好ましい。例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、イミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、または前記樹脂の混合物などが挙げられる。
このうち、保護フィルム3には、セルロースと脂肪酸のエステルであるセルロース系樹脂、または、シクロオレフィンポリマー(COPフィルム)、ポリエチレンテレフタレート(PETフィルム)が好ましい。セルロース系樹脂としでは、セルローストリアセテート(TACフィルム)、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネート等が挙げられる。
このうち、入手し易さやコストの点からセルローストリアセテート、ポリエチレンテレフタレートおよびシクロオレフィンポリマーが特に好ましい。セルローストリアセテートは、けん化されたものも使用できるが、未けん化のものがより好ましい。シクロオレフィンポリマーとしては、特公平2−9619号公報記載のテトラシクロドデセン類の開環重合体等を水素添加反応させて得られた重合体を構成成分とするポリマーが挙げられる。
TACフィルムの市販品としては、富士フィルム株式会社製のUV−50、UV−80、SH−80、TD−80U、TD−TAC、UZ−TAC、コニカミノルタオプト株式会社製のKCシリーズ等が挙げられる。COPフィルムの市販品としては、JSR株式会社製のアートン(登録商標)や、日本ゼオン株式会社製のゼオネックス(登録商標)シリーズ、ゼオノア(登録商標)シリーズが挙げられる。PETフィルムの市販品としては、東洋紡績株式会社製のコスモシャイン(登録商標)シリーズが挙げられる。
保護フィルム3の表面は、コロナ放電処理によって改質されていることが好ましい。コロナ放電処理の方法としては特に制限はなく、一般的なコロナ放電処理装置(例えば、春日電機株式会社製)を用いて処理できる。コロナ放電処理することによって、保護フィルム3の表面には、例えば、水酸基等の活性基が形成され、これがより接着性の向上に寄与すると考えられる。保護フィルム3としてけん化されたセルローストリアセテートを使用する場合には、コロナ放電処理と同様の接着性向上の効果が期待できるため、コロナ放電処理は必ずしも必要ではない。しかし、けん化処理は工程が複雑であり高コストとなるため、未けん化のセルローストリアセテートをコロナ放電処理して用いる方が製造工程上は好ましい。
コロナ処理の際の放電量としては、特に制限はないが、30〜300W・min/mが好ましく、より好ましくは50〜250W・min/mである。このような範囲であると、保護フィルム3自体を劣化させることなく保護フィルム3と接着剤層9との接着性を向上でき、好ましい。ここで、放電量とは、次の計算によって求まるコロナ放電による対象物への仕事量であり、これを基準としてコロナ放電電力が決定される。
(放電量)=(放電電力)÷{(対象物処理速度)×(電極長さ)}
<接着剤層>
本実施形態における接着剤層9は、上述のごとく、3官能以上のエポキシ基を有するとともに、分岐構造を有し、分岐構造に少なくとも1官能のエポキシ基が存在する芳香族エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物からなる接着剤により形成されている。
そして、このような芳香族エポキシ樹脂を使用することにより、接着性が良好であるとともに、耐熱性に優れ、冷熱サイクル等の熱衝撃試験における偏光子2のクラックの発生を抑制することが可能になる。
(1)芳香族エポキシ樹脂
3官能以上のエポキシ基を有するとともに、分岐構造を有し、分岐構造に1官能のエポキシ基が存在する芳香族エポキシ樹脂としては、例えば、分子中に3個のグリシジル基を有する3官能の芳香族エポキシ樹脂や、分子中に4個のグリシジル基を有する4官能の芳香族エポキシ樹脂が挙げられる。
分岐構造を有し、分岐構造に1官能のエポキシ基が存在する3官能の芳香族エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2016018163
(式中、R〜Rは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Yは、下記一般式(2)、または下記一般式(3)から選択される基を示す。)
Figure 2016018163
Figure 2016018163
(式中、R〜R24は、各々独立して水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を示し、R01〜R03は、各々独立して水素原子またはメチル基を示す。)
なお、上記一般式(2),(3)中の*は、結合部を示す。
また、3官能のエポキシ基を有する芳香族エポキシ樹脂の具体例を以下に示す。
Figure 2016018163
Figure 2016018163
Figure 2016018163
Figure 2016018163
また、4官能の芳香族エポキシ樹脂は、下記一般式(8),(9)で表される。
Figure 2016018163
Figure 2016018163
(式中、R25〜R60は、各々独立して水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を示し、R04〜R05は、各々独立して水素原子またはメチル基を示す。)
また、4官能のエポキシ基を有する芳香族エポキシ樹脂の具体例を以下に示す。
Figure 2016018163
Figure 2016018163
このように、本実施形態における芳香族エポキシ樹脂としては、3官能以上のエポキシ基を有するとともに、分岐構造に少なくとも1官能のエポキシ基が存在する芳香族エポキシ樹脂が使用される。また、冷熱サイクル等の熱衝撃試験における偏光子のクラックの発生をより一層抑制するとの観点から、上記式(5)〜式(7)で示すトリスフェノールのグリシジルエーテル樹脂が特に好ましい。
また、信頼性及び密着性を向上させるとともに、過度な粘度の上昇を回避するとの観点から、芳香族エポキシ樹脂の含有量は、接着剤層9を形成する樹脂組成物全体に対して、5〜40質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましく、8〜30質量%が特に好ましい。
また、本実施形態の接着層9を形成する樹脂組成物は、光反応性を向上させるとともに、樹脂組成物の粘度を希釈する観点から、上述の芳香族エポキシ樹脂以外に、芳香族骨格を有しないエポキシ樹脂を含んでいる。また、本実施形態の接着層9を形成する樹脂組成物は、光酸発生剤(光重合開始剤)と、光増感剤とを含んでいる。
(2)芳香族骨格を有しないエポキシ樹脂
芳香族骨格を有しないエポキシ樹脂としては、特に限定されず、例えば、脂肪族系エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコールや、そのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル化合物が含まれ、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、脂環式エポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2:8,9ジエポキシリモネン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
なお、硬化性及び可撓性を向上させるとの観点から、芳香族骨格を有しないエポキシ樹脂の含有量は、接着剤層9を形成する樹脂組成物全体に対して、60〜95質量%が好ましく、65〜95質量%がより好ましく、70〜92質量%が特に好ましい。
(3)光酸発生剤
光酸発生剤としては、従来公知の光酸発生剤を特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩、鉄−アレン錯体などが挙げられる。これらは、単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボレートなどが挙げられる。
芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムのリン酸塩などが挙げられる。
鉄−アレン錯体としては、例えば、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、クメン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)−トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドなどが挙げられる。
光酸発生剤は市販品を用いてもよく、例えば、CPI−100P、101A、200K、210S(サンアプロ株式会社製)、カヤラッド(登録商標)PCI−220、PCI−620(日本化薬株式会社製)、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−170(株式会社ADEKA製)、CI−5102、CIT−1370、1682、CIP−1866S、2048S、2064S、(日本曹達株式会社製)、DPI−101、102、103、105、MPI−103、105、BBI−101、102、103、105、TPS−101、102、103、105、MDS−103、105、DTS−102、103(みどり化学株式会社製)、PI−2074(ローディアジャパン株式会社製)などが挙げられる。
なお、活性エネルギー線照射後の樹脂組成物の硬化性の低下、及び耐久性の低下を防止するとの観点から、光酸発生剤の含有量は、接着剤層9を形成する樹脂組成物全体に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
(4)光増感剤
本実施形態の接着剤層9を形成する樹脂組成物は、さらに光増感剤を含有する。光増感剤を使用することにより、カチオン重合の反応性が向上し、本実施形態の樹脂組成物の機械的強度および接着性を向上させることができる。
光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、ハロゲン化合物ならびに光還元性色素などが挙げられる。より具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンなどのベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノンなどのアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンなどのアクリドン誘導体;および、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物等が挙げられる。
なお、硬化性及び耐候性を向上させるとの観点から、光増感剤の含有量は、接着剤層9を形成する樹脂組成物全体に対して、0〜5質量%が好ましく、0〜2質量%が特に好ましい。
(5)アクリル樹脂
本実施形態の接着剤層9を形成する樹脂組成物は、さらにアクリル樹脂を含有することができる。ラジカル重合性化合物であるアクリル樹脂を使用することにより、光反応性をより一層向上させるとともに、樹脂組成物の粘度を容易に希釈することが可能になる。
アクリル樹脂としては、ラジカル重合性を示すものであれば従来公知のものを特に制限なく使用できる。典型的には、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等を有するモノマーを挙げることができ、(メタ)アクリル酸およびその誘導体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体などが挙げられる。これらのモノマーは、単独でも、二種以上を用いてもよい。
より具体的には、アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸およびその塩が例示される。すなわち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、ウレタン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのモノε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのジε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのモノβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのジβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル化合物;および(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル化合物などが挙げられる。
このうち、接着剤層9を形成する樹脂組成物として初期硬化性に優れることおよび偏光子2及び保護フィルム3との接着性を向上させるとの観点から、ヒドロキシ基含有アクリル系モノマーおよびフェノキシ基含有アクリル系モノマーの少なくとも一方がより好ましく、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレートおよびフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートがさらに好ましい。
なお、硬化性及び耐候性を向上させるとの観点から、アクリル樹脂の含有量は、接着剤層9を形成する樹脂組成物全体に対して、0〜50質量%が好ましく、0〜30質量%が特に好ましい。
<偏光板の製造方法>
(1)接着剤層の樹脂組成物の製造方法
本発明の接着剤層9用の樹脂組成物を製造する方法は、特に制限はなく、通常は、上述の芳香族エポキシ樹脂、芳香族骨格を有しないエポキシ樹脂、光酸発生剤、光増感剤、及びアクリル樹脂とを混合することにより樹脂組成物が得られる。なお、粘度調整のために、適宜、有機溶媒を使用してもよい。また、混合方法にも特に制限はなく、室温(25℃)で、混合物が均一になるまで十分に攪拌混合すればよい。
(2)偏光板の製造方法
図2に示すように、例えば、保護フィルム3の間に偏光子2を挟み、得られた接着剤層用の樹脂組成物6を、保護フィルム3および偏光子2の間に、それぞれスポイトによって適量滴下し、ロールプレス7,8によって貼り合わせる。
次に、このようにして貼り合わせた紫外線照射前の偏光板10に、300〜3000mJ/cm、好ましくは、500〜2000mJ/cm、さらに好ましくは、800〜1500mJ/cm(365nm基準、メタルハライドランプ使用)の照射量の紫外線を両側から照射することにより、図1に示す偏光板1を製造する。
なお、図1においては、偏光子2の両面に接着剤層9を設け、保護フィルム3と接着剤層9により偏光子2を挟持する構成としたが、偏光子2の片面のみに保護フィルム3と接着剤層9を設ける構成としてもよい。
また、信頼性及び可撓性を向上させるとの観点から、樹脂組成物は、硬化後の接着剤層9の厚みが20μm以下となるように塗布することが好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が特に好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
<接着剤層用樹脂組成物の調製>
3官能以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ樹脂であるトリスフェノール型のグリシジルエーテル樹脂(Printec(株)製、商品名:VG−3101L)10質量部、脂肪族エポキシ樹脂(四日市合成(株)製、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、商品名:NP−E)65質量部、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル(株)製、商品名:セロキサイド2021P)25質量部、光酸発生剤(サンアプロ(株)製、CPI210S)3質量部、及び光増感剤(日本化薬(株)製、商品名:DETX−S)1質量部を、室温(25℃)及び湿度50%RHの恒温室内で、目視で均一になるまで撹拌混合し、接着剤層用の樹脂組成物を得た。使用した材料およびその配合比は、下記表1に示す通りである。
<偏光子の作製>
偏光子は、以下の方法で作製した。平均重合度2400、けん化度99.9%の厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、28℃の温水中に90秒間浸漬し膨潤させ、次いで、ヨウ素/ヨウ化カリウム(重量比2/3)の濃度0.6重量%の水溶液に浸漬し、2.1倍に延伸させながらポリビニルアルコールフィルムを染色した。その後、60℃のホウ酸エステル水溶液中で合計の延伸倍率が5.8倍となるように延伸を行い、水洗、及び45℃で3分間乾燥を行い、偏光子(厚み25μm)を作製した。
<偏光板の製造>
次に、室温(25℃)及び湿度50%RHの恒温室内で、作製した偏光子、及び調製した樹脂組成物を使用して、上記の方法により、偏光板を製造した。なお、保護フィルムとして、PETフィルム(東洋紡(株)製、商品名:コスモシャインA4300、厚み100μ)とCOPフィルム(日本ゼオン(株)製、厚み50μm)を使用した。また、紫外線照射条件は、両側から各1000mJ/cm(365nm基準、メタルハライドランプ使用)とし、紫外線照射後、偏光板は上記恒温室内で24時間保管し、樹脂組成物を熟成硬化させることにより、偏光板を完成させた。なお、接着剤層の一面の厚みは2〜3μmであった。
<初期硬化性試験>
作製した紫外線照射直後の偏光板を、図3に示すように、折り曲げた偏光板1の間隔が10mmとなるように(R10mm)折り曲げ、保護フィルムの剥離があるかないかを目視で判定した。剥離が観察されなかった場合は○、観察された場合は×とした。以上の結果を表1に示す。
<剥離強度試験>
作製した偏光板を両面テープでSUS板に固定した。次に、偏光板の偏光子と保護フィルムとの界面(即ち、接着剤層)で剥離できるよう、偏光板の端面にナイフを挿入し、はがし代を作成した。次に、このはがし代の部分を90度の方向に向けて、所定の剥離速度(300mm/min)で剥離し、保護フィルムであるPETフィルム及びCOPフィルムの剥離強度を測定した。以上の結果を表1に示す。
<裁断試験>
作製した偏光板を、トムソン刃で50mm×50mmに裁断し、裁断の際の端部の剥がれの状態を目視で観察した。評価基準としては、0.5mm以下を合格とした。以上の結果を、表1に示す。
<温水浸漬試験>
作製した偏光板を、トムソン刃で50mm×50mmの大きさに裁断した後、60℃の水槽に浸漬し、2時間保持した。その後、水槽からサンプルを取り出し、偏光子の収縮の大きさを測定した。評価基準としては、接着剤の接着性が高ければ収縮は小さいとの観点から、収縮の大きさが1.0mm未満を合格とした。以上の結果を表1に示す。
<冷熱衝撃試験>
作製した偏光板を、トムソン刃で50mm×50mmの大きさに裁断した後、感圧接着剤を介してガラスに貼合した。次に、ガラス付き偏光板を−40〜85℃のサイクル(30分、100サイクル)の環境下に放置した後、目視にて、偏光子の割れの長さ(最長長さ)を測定した。なお、割れの長さが3.0mm未満を合格とした。以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
上述のトリスフェノール型のグリシジルエーテル樹脂(Printec(株)製、商品名:VG−3101L)の配合量を20質量部に変更し、脂肪族エポキシ樹脂(四日市合成(株)製、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、商品名:NP−E)の配合量を55質量部に変更したこと以外は、上述の実施例1と同様にして接着剤層用の樹脂組成物を調製した。なお、使用した材料およびその配合比は、下記表1に示す通りである。その後、上述の実施例1と同様にして、偏光板を製造し、上述の各種試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例3)
上述のトリスフェノール型のグリシジルエーテル樹脂(Printec(株)製、商品名:VG−3101L)の配合量を25質量部に変更し、脂肪族エポキシ樹脂(四日市合成(株)製、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、商品名:NP−E)の配合量を55質量部に変更し、更に、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル(株)製、商品名:セロキサイド2021P)の配合量を20質量部に変更したこと以外は、上述の実施例1と同様にして接着剤層用の樹脂組成物を調製した。なお、使用した材料およびその配合比は、下記表1に示す通りである。その後、上述の実施例1と同様にして、偏光板を製造し、上述の各種試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例4)
3官能以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ樹脂であるトリスフェノール型のグリシジルエーテル樹脂(Printec(株)製、商品名:VG−3101L)20質量部、脂肪族エポキシ樹脂(四日市合成(株)製、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、商品名:NP−E)42質量部、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル(株)製、商品名:セロキサイド2021P)18質量部、アクリル系モノマーである4ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名:4−HBA)10質量部、アクリル系モノマーであるフェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名:ビスコート#192、PEA)10質量部、光酸発生剤(サンアプロ(株)製、CPI210S)3質量部、及び光酸発生剤(BASF(株)製、商品名:イルガキュア907)1質量部を、室温(25℃)及び湿度50%RHの恒温室内で、目視で均一になるまで撹拌混合し、接着剤層用の樹脂組成物を得た。使用した材料およびその配合比は、下記表1に示す通りである。その後、上述の実施例1と同様にして、偏光板を製造し、上述の各種試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例1)
上述のトリスフェノール型のグリシジルエーテル樹脂(Printec(株)製、商品名:VG−3101L)を配合せず、脂肪族エポキシ樹脂(四日市合成(株)製、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、商品名:NP−E)の配合量を70質量部に変更し、更に、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル(株)製、商品名:セロキサイド2021P)の配合量を30質量部に変更したこと以外は、上述の実施例1と同様にして接着剤層用の樹脂組成物を調製した。なお、使用した材料およびその配合比は、下記表1に示す通りである。その後、上述の実施例1と同様にして、偏光板を製造し、上述の各種試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例2)
上述のトリスフェノール型のグリシジルエーテル樹脂(Printec(株)製、商品名:VG−3101L)を配合せず、脂肪族エポキシ樹脂(四日市合成(株)製、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、商品名:NP−E)の配合量を20質量部に変更し、更に、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル(株)製、商品名:セロキサイド2021P)の配合量を80質量部に変更したこと以外は、上述の実施例1と同様にして接着剤層用の樹脂組成物を調製した。なお、使用した材料およびその配合比は、下記表1に示す通りである。その後、上述の実施例1と同様にして、偏光板を製造し、上述の各種試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例3)
上述のトリスフェノール型のグリシジルエーテル樹脂(Printec(株)製、商品名:VG−3101L)、脂肪族エポキシ樹脂(四日市合成(株)製、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、商品名:NP−E)、及び脂環式エポキシ樹脂(ダイセル(株)製、商品名:セロキサイド2021P)を配合せず、代わりに、水素化エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、商品名:YX8000)を100質量部配合したこと以外は、上述の実施例1と同様にして接着剤層用の樹脂組成物を調製した。なお、使用した材料およびその配合比は、下記表1に示す通りである。その後、上述の実施例1と同様にして、偏光板を製造し、上述の各種試験を行った。以上の結果を表1に示す。
Figure 2016018163
表1に示すように、3官能以上のエポキシ基を有するとともに、分岐構造を有し、分岐構造に少なくとも1官能のエポキシ基が存在する芳香族エポキシ樹脂を含有する実施例1〜4においては、3官能以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ樹脂を含有しない比較例1〜3に比し、冷熱衝撃試験において、偏光子にクラックが殆ど発生しておらず、実施例1〜3の接着剤層は、耐熱性に優れ、偏光子におけるクラックの発生を防止することができることが判る。
また、実施例1〜4においては、比較例2に比し、PETフィルムの剥離強度が高く、比較例3に比し、PETフィルム及びCOPフィルムの剥離強度が高く、比較例1〜3に比し、裁断試験において、端部の剥がれが小さい。また、実施例1〜4においては、初期硬化性試験において、保護フィルムの剥離が発生していない。以上より、実施例1〜4の接着剤層は、偏光子及び保護フィルムに対する接着性が良好であることが判る。
また、実施例1〜4においては、比較例1〜3に比し、温水に浸漬した場合であっても、偏光子の収縮が非常に小さく、接着剤層が、偏光子に対して優れた密着性(接着性)を有することが判る。
以上説明したように、本発明は、偏光板を製造する際に使用される偏光子(偏光フィルム)と保護フィルムとを接着するための偏光板用接着剤およびこれを用いた表示装置に、特に、有用である。
1 偏光板
2 偏光子
3 保護フィルム
9 接着剤層

Claims (8)

  1. 偏光子と、該偏光子の表面上に設けられた接着剤層と、該接着剤層を介して、前記偏光子の少なくとも片面に貼り付けられた保護フィルムとを備え、
    前記接着剤層が、3官能以上のエポキシ基を有するとともに、分岐構造を有し、該分岐構造に少なくとも1官能の前記エポキシ基が存在する芳香族エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物により形成されていることを特徴とする偏光板。
  2. 前記芳香族エポキシ樹脂が、トリスフェノールのグリシジルエーテル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記トリスフェノールのグリシジルエーテル樹脂が、下記式(1)で表される樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の偏光板。
    Figure 2016018163
  4. 前記樹脂組成物全体に対して、前記芳香族エポキシ樹脂の含有量が5〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 前記接着剤層の厚みが20μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 前記樹脂組成物が、芳香族骨格を有しないエポキシ樹脂を更に含有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 前記樹脂組成物が、アクリル樹脂を更に含有することを特徴とする請求項6に記載の偏光板。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の偏光板が設けられていることを特徴とする表示装置。
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