JP2013170181A - 帯電防止膜形成組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式(1a)で表される構造単位と末端に水素原子とを有する化合物及び水を含有する帯電防止膜形成組成物。
(式中、Xはそれぞれ−NH−基又はスルフィド基を表し、2つのRはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、カルバモイル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、炭素原子数1乃至20の炭化水素基、炭素原子数1乃至20のオルガノオキシ基、炭素原子数1乃至20のオルガノアミノ基、炭素原子数1乃至20のオルガノシリル基、炭素原子数1乃至20のオルガノチオ基、アシル基又はスルホ基を表すと共に、前記複数のRのうち少なくとも1つはスルホ基を表し、nは1乃至100の整数を表す。)
【選択図】なし
Description
(式中、Xはそれぞれ−NH−基又はスルフィド基を表し、2つのRはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、カルバモイル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、炭素原子数1乃至20の一級、二級又は三級炭化水素基、炭素原子数1乃至20のオルガノオキシ基、炭素原子数1乃至20のオルガノアミノ基、炭素原子数1乃至20のオルガノシリル基、炭素原子数1乃至20のオルガノチオ基、アシル基又はスルホ基を表すと共に、前記複数のRのうち少なくとも1つはスルホ基を表し、2つのaはそれぞれ独立に0乃至4の整数を表し、nは1乃至100の整数を表し、Aは下記式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)又は式(7)で表される二価の有機基を表す。)
(式中、複数のRは式(1a)と同義であり、kは1又は2を表し、bは0乃至2の整数を表し、2つのcはそれぞれ独立に0乃至4の整数を表し、2つのdはそれぞれ独立に0乃至4の整数を表し、2つのeはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表し、2つのfはそれぞれ独立に0又は1を表し、Yは下記式(8)乃至式(14)で表される連結基からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む二価の基を表す。)
(式中、R1乃至R5はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至20のアルキル基を表し、R1とR2、R3とR4は直接又は置換基を介して環を形成してもよい。)
本発明の帯電防止膜形成組成物は、前記式(1a)で表される構造単位と末端に水素原子とを有する化合物を含有し、当該化合物は、スルホ基を有さない化合物をスルホン化することで得られる。前記化合物は、ポリマー、オリゴマーのいずれでもよい。しかしながら前記化合物は、前記式(1a)のnが1を表す場合、ポリマー又はオリゴマーに限定されない。
置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環などの6員環単環;チオフェン環、フラン環、イミダゾール環、チアゾール環などの5員環単環;キノリン環、イソキノリン環、アクリジン環などの6員環縮合環;インドール環、ベンゾチオフェンなどの6員環と5員環の縮合環;さらにカルバゾールなどの6員環、5員環の縮合した3環性芳香族化合物;に由来する基、5員環又は6員環が複数個連結したビチエニル基、ターチエニル基、ビピリジル基が挙げられる。これらの芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、フッ素原子が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などが挙げられる。これらのアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子が挙げられる。
(式中、2つのR、2つのa及びAは式(1a)と同義である。)
本発明の帯電防止膜形成組成物は、溶媒として水を含有する。前記溶媒としては、必要に応じて、水と共に極性の有機溶媒をさらに含有することができる。本発明に使用される有機溶媒としては、前述の化合物を溶解し、且つ水に溶解する有機溶媒なら特に制限されない。このような有機溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、エチルイソブチルケトン等のケトン類、乳酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル等のエチレングリコール類、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類が挙げられ、この中でもアルコール類及びエチレングリコール類が好ましく用いられる。これらの有機溶媒は単独で、又は2種以上の組合せで使用される。
本発明の帯電防止膜形成組成物には、必要に応じて界面活性剤を、本発明の効果を損なわない限りにおいてさらに含有することができる。この界面活性剤は、基板に対する当該組成物の塗布性を向上させるための添加物である。ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤のような公知の界面活性剤を用いることができる。
本発明の帯電防止膜形成組成物には、必要に応じて塩基性化合物を、本発明の効果を損なわない限りにおいてさらに含有することができる。この塩基性化合物は、本発明の帯電防止膜形成組成物に配合することにより本発明の組成物を中性又は弱アルカリ性とすることができ、これにより薬液の処理の容易化、装置、配管の腐食の低減が好ましく図られる。さらに、これらのアミン類とアンモニウム塩類を混合して用いることにより導電性を向上させることができる。
[帯電防止膜形成]
GPCカラム:Shodex〔登録商標〕・Asahipak〔登録商標〕(昭和電工(株))
カラム温度:40℃
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
流量:0.6ml/分
標準試料:ポリスチレン(東ソー株式会社)
ディテクター:RIディテクター(東ソー株式会社、RI−8020)
N−4−アミノフェニル−1,4−フェニレンジアミン(東京化成工業株式会社)1.51g、2,5−ジブロモチオフェン(和光純薬株式会社)1.93g、ナトリウムtert−ブトキシド(東京化成工業株式会社)1.52g及びビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(シグマアルドリッチ社)0.05gを、N−メチルピロリドン(NMP)12.27gに加え溶解させた。反応容器を窒素置換後、170℃で22時間反応させた。反応終了後、反応液を純水300gに滴下し、沈殿物を吸引ろ過し、アセトンで洗浄後ろ過物を真空乾燥させた。得られた化合物の質量は1.16gであった。GPC分析を行ったところ、得られた化合物Aは、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量1300、分散度1.94であった。
N−4−アミノフェニル−1,4−フェニレンジアミン(東京化成工業株式会社)1.00g、4,4’−ジブロモビフェニル(東京化成工業株式会社)1.57g、ナトリウムtert−ブトキシド(東京化成工業株式会社)1.01g及びビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(シグマアルドリッチ社)0.04gを、o−キシレン(和光純薬株式会社)25.0gに加え溶解させた。反応容器を窒素置換後、135℃で22時間反応させた。反応終了後、反応液を吸引ろ過し、ジオキサンで洗浄後、N−メチルピロリドンを加え溶解させ水で再沈殿を行い、化合物を回収した。得られた化合物Bの質量は0.73gであった。GPC分析を行ったところ、得られた化合物Bは、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量5200、分散度3.12であった。
N−4−アミノフェニル−1,4−フェニレンジアミン(東京化成工業株式会社)1.00g、9,10−ジブロモアントラセン(東京化成工業株式会社)1.68g、ナトリウムtert−ブトキシド(東京化成工業株式会社)1.01g及びビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(シグマアルドリッチ社)0.04gを、o−キシレン(和光純薬株式会社)25.0gに加え溶解させた。反応容器を窒素置換後、135℃で22時間反応させた。反応終了後、反応液を吸引ろ過し、ジオキサンで洗浄後、N−メチルピロリドンを加え溶解させ水で再沈殿を行い、化合物を回収した。得られた化合物Cの質量は1.02gであった。GPC分析を行ったところ、得られた化合物Cは、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量4500、分散度3.09であった。
上記合成例1で得た化合物A0.51gと、化合物の芳香環に対してモル比で1.2倍の塩化スルホン酸(関東化学株式会社)とを、テトラクロロエタン(東京化成工業株式会社)10.96g中において、85℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液を吸引ろ過し、クロロホルムで洗浄し風乾させた。その後、風乾物を水に溶解させアセトンを加えることで、スルホン化された化合物SAを析出させ回収した。GPC分析を行ったところ、化合物Aの芳香環に対してモル比で1.2倍の塩化スルホン酸を用いて得られた、スルホン化された化合物SAは、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量2600、分散度1.96であった。本合成例で得られたスルホン化された化合物SAが水溶性を示すのに対し、合成例1で得られた化合物Aが水溶性を示さないことは、前者がスルホ基を有することを示唆している。前記スルホ基の数及び置換位置を特定することは困難であった。
上記合成例2で得た化合物B0.50gと、化合物の芳香環に対してモル比で1.0倍の塩化スルホン酸(関東化学株式会社)とを、テトラクロロエタン(東京化成工業株式会社)60g中において、85℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液を吸引ろ過し、クロロホルムで洗浄し風乾させた。その後、風乾物を水に溶解させアセトンを加えることで、スルホン化された化合物SBを析出させ回収した。GPC分析を行ったところ、化合物Bの芳香環に対してモル比で1.0倍の塩化スルホン酸を用いて得られたスルホン化された化合物SBは、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量8400、分散度2.13であった。本合成例で得られたスルホン化された化合物SBが水溶性を示すのに対し、合成例2で得られた化合物Bが水溶性を示さないことは、前者がスルホ基を有することを示唆している。前記スルホ基の数及び置換位置を特定することは困難であった。
上記合成例3で得た化合物C0.50gと、化合物の芳香環に対してモル比で2.0倍の塩化スルホン酸(関東化学株式会社)とを、テトラクロロエタン(東京化成工業株式会社)60g中において、85℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液を吸引ろ過し、クロロホルムで洗浄し風乾させた。その後、風乾物に水を加えたが難溶だったため、目的化合物であるスルホン化された化合物の回収は困難だった。本合成例でスルホン化された化合物Cの水への溶解性が不十分なためである。
上記合成例4で得たスルホン化された化合物SA0.200gを、0.1質量%の割合で界面活性剤(オルフィン〔登録商標〕EXP.4200、日信化学工業株式会社)を含有する超純水水溶液9.8gへ溶解させて溶液とした。その後、10質量%のアンモニウム水溶液を滴下し前記溶液のpHを中性に調整し、孔径0.2μmのポリエーテルスルホン製ミクロフィルターを用いてろ過して、帯電防止膜形成組成物(溶液)を調製した。
上記合成例5で得たスルホン化された化合物SB0.200gを、0.1質量%の割合で界面活性剤(オルフィン〔登録商標〕EXP.4200、日信化学工業株式会社)を含有する超純水水溶液9.8gへ溶解させて溶液とした。その後、10質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を滴下し前記溶液のpHを中性に調整し、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、帯電防止膜形成用組成物(溶液)を調製した。
水溶性ポリマーであるポリビニルピロリドン(K−90、株式会社日本触媒)0.100gを、0.1質量%の割合で界面活性剤(オルフィン〔登録商標〕EXP.4200、日信化学工業株式会社)を含有する超純水水溶液9.9gへ溶解させて溶液とした。
膜の帯電防止性能は、その膜の表面抵抗値と密接に関係する。一般に、表面抵抗値が低い程、帯電防止性能に優れることが知られている。従って、膜の表面抵抗値を測定することで、間接的ではあるがその膜の帯電防止能を評価することが可能である。
Claims (7)
- 下記式(1a)で表される構造単位と末端に水素原子とを有する化合物及び水を含有する帯電防止膜形成組成物。
(式中、Xはそれぞれ−NH−基又はスルフィド基を表し、2つのRはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、カルバモイル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、炭素原子数1乃至20の一級、二級又は三級炭化水素基、炭素原子数1乃至20のオルガノオキシ基、炭素原子数1乃至20のオルガノアミノ基、炭素原子数1乃至20のオルガノシリル基、炭素原子数1乃至20のオルガノチオ基、アシル基又はスルホ基を表すと共に、前記複数のRのうち少なくとも1つはスルホ基を表し、2つのaはそれぞれ独立に0乃至4の整数を表し、nは1乃至100の整数を表し、Aは下記式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)又は式(7)で表される二価の有機基を表す。)
(式中、複数のRは式(1a)と同義であり、kは1又は2を表し、bは0乃至2の整数を表し、2つのcはそれぞれ独立に0乃至4の整数を表し、2つのdはそれぞれ独立に0乃至4の整数を表し、2つのeはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表し、2つのfはそれぞれ独立に0又は1を表し、Yは下記式(8)乃至式(14)で表される連結基からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む二価の基を表す。)
(式中、R1乃至R5はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、又は置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至20のアルキル基を表し、R1とR2、R3とR4は直接又は置換基を介して環を形成してもよい。) - 極性の有機溶媒を更に含有する請求項1又は請求項2に記載の帯電防止膜形成組成物。
- 界面活性剤を更に含有する請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の帯電防止膜形成組成物。
- 塩基性化合物を更に含有する請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の帯電防止膜形成組成物。
- 前記化合物はポリマー又はオリゴマーである請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の帯電防止膜形成組成物。
- 前記ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量は500以上20000未満である請求項6に記載の帯電防止膜形成組成物。
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