JP2013167868A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で耐衝撃性に優れた画像表示装置を提供すること。
【解決手段】画像表示装置1は、収納部21を備える筐体2と、収納部21を塞ぐように筐体2に固定され、透明で可撓性を有する板状の蓋体3と、筐体2の収納部21に収納され、可撓性を有する透明な第1基板41と第1基板41の下面に配置された作動部43とを備える表示素子4とを有する。蓋体3および第1基板41は、それぞれ樹脂材料または板状のガラス基材を含み、蓋体3がガラス基材を含む場合、その平均厚さが0.02〜0.2mmであり、第1基板41がガラス基材を含む場合、その平均厚さが0.02〜0.2mmである。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置に関するものである。
近年、可搬性があり、使用者が手で把持した状態で画像等の閲覧を可能にする画像表示装置が市販されている。このような画像表示装置は、電気光学的に画像を表示し、使用者の操作に応じて、その表示内容を変更可能な画像表示部を備えている。このため、使用者の意思に沿った様々な情報を表示することができる。また、かかる画像表示装置は、可搬性があり、屋内に限らず、屋外に持ち出して使用することも可能であることから、利用形態が急速に拡大しつつある。さらには、通信機能を備えることにより、外部から伝送された情報を表示し得る画像表示装置もある。
例えば、特許文献1には、タッチパネル等の入力装置と液晶ディスプレイ等の出力装置とを1つの装置内に組み込んだモバイル表示端末が開示されている。このような表示端末は、その外部形状が薄型パネル状をなしていることから把持し易く、可搬性に優れる。しかしながら、表示端末の内部構造は、必ずしも可搬性に優れているとはいえない。この理由としては、タッチパネル等の入力装置や液晶ディスプレイ等の出力装置が重いため、可搬性があっても長時間の把持には適さないことや、特に出力装置が衝撃に弱いため、落下衝撃に対する耐久性に乏しいこと等が挙げられる。
特開2008−269525号公報
本発明の目的は、軽量で耐衝撃性に優れた画像表示装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(17)の本発明により達成される。
(1) 板状の基体と、
前記基体に対向して設けられ、可撓性を有する透明な対向基板と、
前記基体と前記対向基板との間に設けられ、可撓性を有する透明な素子基板と、前記素子基板の一方の面側に配置された作動部とを備える表示素子とを有し、
前記対向基板および前記素子基板は、それぞれ樹脂材料または板状のガラス基材を含み、
前記対向基板が前記ガラス基材を含む場合、前記対向基板の平均厚さが0.02〜0.2mmであり、前記素子基板が前記ガラス基材を含む場合、前記素子基板の平均厚さが0.02〜0.2mmであることを特徴とする画像表示装置。
(2) 前記素子基板は、前記対向基板より曲げ剛性が小さい上記(1)に記載の画像表示装置。
(3) 前記対向基板が前記樹脂材料を含む場合、前記対向基板は、ガラス布帛に前記樹脂材料を含浸してなり、前記素子基板が前記樹脂材料を含む場合、前記素子基板は、ガラス布帛に前記樹脂材料を含浸してなる上記(1)または(2)に記載の画像表示装置。
(4) 前記ガラス基材は、無アルカリガラスで構成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の画像表示装置。
(5) 前記対向基板が前記ガラス基材を含む場合、前記対向基板は、前記ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層された樹脂層とを有し、前記素子基板が前記ガラス基材を含む場合、前記素子基板は、前記ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層された樹脂層とを有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の画像表示装置。
(6) 前記表示素子は、さらに、前記作動部を介して前記素子基板と対向して配置された対向素子基板を備える上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の画像表示装置。
(7) 前記作動部は、電気光学的に画像を表示可能である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の画像表示装置。
(8) 当該画像表示装置は、静電容量型タッチパネル方式の入力部を有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の画像表示装置。
(9) 前記対向基板が前記樹脂材料を含む上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の画像表示装置。
(10) 前記対向基板の平均厚さは、0.02〜0.8mmである上記(9)に記載の画像表示装置。
(11) 前記対向基板が含む前記樹脂材料は、ポリカーボネート系樹脂または(メタ)アクリレート系樹脂を主成分とする上記(9)または(10)に記載の画像表示装置。
(12) 前記対向基板が前記ガラス基材を含む上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の画像表示装置。
(13) 前記素子基板が前記樹脂材料を含む上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の画像表示装置。
(14) 前記素子基板の平均厚さは、0.01〜0.3mmである上記(13)に記載の画像表示装置。
(15) 前記素子基板が含む前記樹脂材料は、架橋性樹脂の架橋物を主成分として含む上記(13)または(14)に記載の画像表示装置。
(16) 前記架橋性樹脂は、脂環式エポキシ系樹脂または脂環式アクリル系樹脂である上記(15)に記載の画像表示装置。
(17) 前記素子基板が前記ガラス基材を含む上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の画像表示装置。
本発明によれば、対向基板および素子基板の双方が樹脂材料または板状のガラス基材を含み、かつ可撓性を有する構成とすることにより、軽量で耐衝撃性に優れ、可搬性が良好な画像表示装置が得られる。
本発明の画像表示装置の実施形態を示す断面図(模式図)である。 本発明の画像表示装置の実施形態を示す分解斜視図である。
以下、本発明の画像表示装置について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の画像表示装置の実施形態を示す断面図(模式図)、図2は、本発明の画像表示装置の実施形態を示す分解斜視図である。なお、以下の説明では、図1、2中の上側を「上」、下側を「下」という。
<第1実施形態>
図1、2に示す画像表示装置1は、全体として板状をなし、収納部21を備えた筐体2と、収納部21を塞ぐように、筐体2に固定された蓋体3と、収納部21に収納された表示素子4と、表示素子4の駆動電源である電池5と、表示素子4の駆動を制御する制御部6と、を有している。
このうち、蓋体3は、透明な板材で構成されている。このため、画像表示装置1の使用者は、表示素子4において表示された画像を、蓋体3越しに視認することができる。すなわち、蓋体3の上面が画像表示装置1の表示面を構成する。
また、表示素子4は、透明な第1基板41および透明な第2基板42と、それらの間に配置された作動部43と、を備えている。したがって、作動部43において発光または調光された光(画像)は、第1基板41および蓋体3越しに視認される。
本実施形態では、蓋体3および第1基板41は、それぞれ樹脂材料を含む。このため、蓋体3および第1基板41は、これらが厚いガラス基板で構成されている場合に比べて、非常に軽量であるため、画像表示装置1の軽量化に寄与する。
さらに、蓋体3および第1基板41は、それぞれ可撓性を有する。このため、蓋体3および第1基板41は、湾曲等の変形に対する耐久性や耐衝撃性に優れる。その結果、蓋体3および第1基板41は、表示素子4への応力集中を緩和等することができ、画像表示装置1を落下させたときに、表示素子4の作動部43が破壊されてしまうのを防止することができる。
以下、画像表示装置1の各部の構成について詳述する。
(筐体)
筐体2は、平面視で略長方形をなす底部(板状の基体)22と、底部22の四方の外縁に沿って立設する縁部23とを備え、これらが一体的に形成されている。かかる構成により、筐体2は、底部22と縁部23とで囲まれた空間である収納部21を備えている。
筐体2の構成材料は、特に限定されないが、アルミニウム、マグネシウム、チタンのような金属材料、またはこれらを含む合金材料、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂のような樹脂材料、またはこれらを含む複合材料等が挙げられる。これらの材料で筐体2を構成することにより、筐体2(画像表示装置1)の軽量化を図ることができる。
また、筐体2は可撓性を有していてもよい。筐体2が可撓性を有している場合、蓋体3や表示素子4を含めた画像表示装置1全体に可撓性を付与することもできるため、画像表示装置1は、それ全体を湾曲させた状態でも使用することができる。さらには、表示素子4への応力集中がさらに緩和されることから、表示素子4(画像表示装置1)の耐湾曲性や耐衝撃性をさらに高めることができる。
なお、可撓性とは、例えば筐体2を手で湾曲させたときに、筐体2が容易に湾曲するが、筐体2が自重では撓まない特性を言う。また、耐湾曲性とは、筐体2を手で湾曲させた後、手を放すと、筐体2が元の形状に復元する特性を言い、耐衝撃性とは、筐体2を落下させたときに、筐体2が欠けたり割れたりしない特性を言う。
(表示素子)
表示素子4は、収納部21に収納され、画像を表示する素子である。画像には、例えば文字、模様、写真のような静止画、動画等が含まれる。
図1に示す表示素子4は、前述したように、互いに対向配置された第1基板(素子基板)41および第2基板(対向素子基板)42と、これらの間に配置された作動部43と、を備えている。第1基板41および第2基板42のいずれか一方の作動部43側の面には、作動部43を作動(駆動)させるための電気回路(図示せず)が設けられている。この電気回路(TFT回路)は、画素電極、トランジスター、電気配線等を含んでいる。なお、本実施形態では、作動部43により表示される画像を蓋体3側から視認するため、電気回路は、好ましくは第2基板42側に設けられる。
また、作動部43としては、例えば、機械的、化学的、電気光学的に画像を表示する表示部が挙げられるが、特に、液晶部、有機EL部のような電気光学的に画像を表示する表示部(以下、「電気光学的表示部」と言う。)が好ましく用いられる。このような作動部(電気光学的表示部)43は、精細な、かつ高速で書き換え可能な画像表示をすることができる。
なお、「電気光学的表示部」とは、局所的な光量を電気的に制御することにより表示する表示部を指し、かかる電気光学的表示部としては、例えば、液晶表示素子(LCD)、有機EL表示素子(OLED)、電気泳動表示素子(電子ペーパー)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)等が挙げられる。本明細書では、表示素子4が液晶表示素子である場合、すなわち、作動部43が液晶表示部で構成される場合を例に説明する。
また、表示素子4の種類によっては、第1基板41および第2基板42のいずれか一方を省略することもできる。かかる素子としては、例えば有機EL表示素子等が挙げられる。なお、第2基板42を省略する場合、作動部43を作動させるための電気回路は、第1基板41側に設けられる。
図1に示す表示素子4は、第1基板41、第2基板42、作動部43の他に、最上部に設けられた第1偏光板44と、最下部に設けられたバックライト45と、バックライト45と第2基板42との間に設けられた第2偏光板46と、を備えている。さらに、表示素子4は、図示しないカラーフィルター基板、拡散板等を備えていてもよい。
ここで、第1基板41は、前述したように透明で可撓性を有する。このため第1基板41は、表示素子4への応力集中を緩和し、画像表示装置1全体の耐湾曲性や耐衝撃性を高めることができる。
また、第1基板41は、樹脂材料を含む。樹脂材料を含む第1基板41は、可撓性に優れるとともに軽量となる。そして、第1基板41の軽量化が図られることにより、画像表示装置1の軽量化も図られ、その結果、画像表示装置1は、長時間の把持にも適した優れた可搬性を備えることができる。
また、画像表示装置1の軽量化に伴い、画像表示装置1を高所から落下させたときの衝撃を弱めることができる。これにより、落下による表示素子4への衝撃力を減少させ、作動部43が破壊されてしまうのを防止することができる。
なお、このような第1基板41は、厚いガラス基板のように割れるおそれが少ないことから、十分に薄くしても安全に使用可能である。薄い第1基板41を用いることにより、第1基板41の軽量化および透明性の向上が図られる。
第1基板41が含む樹脂材料は、透明な材料であれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、AS樹脂、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられ、これらの透明な材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。このうち、第1基板41には、架橋性樹脂の架橋物(硬化物)を主成分として含有する樹脂材料が好ましく用いられる。架橋性樹脂の架橋物を含む第1基板41は、架橋性樹脂が3次元的に架橋していることから、可撓性に優れ、かつ比較的高強度である。このため、第1基板41の薄型化を図ることができる。これにより、透明性、耐湾曲性および耐衝撃性が特に良好でかつ非常に軽量な第1基板41が得られる。
また、架橋性樹脂は、特に限定されるものではないが、脂環式エポキシ系樹脂または脂環式アクリル系樹脂であるのが好ましい。これらの樹脂の架橋物を含む第1基板41は、特に透明性に優れるとともに、耐湾曲性および耐衝撃性にも特に優れる。
このうち、脂環式エポキシ系樹脂としては、脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂が好ましく用いられる。具体的には、脂環式多官能エポキシ樹脂、水添ビフェニル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等の各種脂環式エポキシ樹脂を主成分とする樹脂材料が好ましく用いられる。
かかる脂環式エポキシ樹脂の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’、4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、ジシクロペンタジエンジオキサイド、シクロオクテンジオキサイド、アセタールジエポキシサイド、ビニルシクロヘキサンジオキシド、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソーエキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロピル)シクロヘキシル)プロパン、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシシクロヘキシル−p−ジオキサン)、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ノルボルネン、リノール酸二量体のジグリシジルエーテル、リモネンジオキシド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、o−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1,2−ビス[5−(1,2−エポキシ)−4,7−ヘキサヒドロメタノインダンキシル]エタン、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ε−カプロラクトンオリゴマーの両端にそれぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸がエステル結合したもの、エポキシ化されたヘキサヒドロベンジルアルコール等が挙げられ、これらの脂環式エポキシ樹脂の1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、脂環式エポキシ樹脂としては、特に、分子内に1個以上のエポキシシクロヘキサン環を有する脂環式エポキシ樹脂が好ましく用いられる。このうち、分子内に2個のエポキシシクロヘキサン環を有する脂環式エポキシ樹脂としては、下記化学式(1)、(2)または(3)で示される脂環式エポキシ化合物が特に好適に用いられる。
Figure 2013167868
Figure 2013167868
[上記式(2)中、−X−は−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CH−、−CH(CH)−、または−C(CH−を表す。]
Figure 2013167868
一方、分子内に1個のエポキシシクロヘキサン環を有する脂環式エポキシ樹脂としては、下記化学式(4)、(5)で示される脂環式エポキシ化合物が特に好適に用いられる。
Figure 2013167868
Figure 2013167868
このような脂環式エポキシ樹脂は、低温での硬化性に優れることから、低温で硬化処理を行うことができる。これにより、硬化時に樹脂材料を高温に加熱する必要がなくなるため、その後樹脂材料の硬化物を室温に戻す際の温度の変化量を抑えることができる。その結果、第1基板41は、その内部における温度変化に伴う熱応力の発生を抑制することができ、光学特性に優れたものとなる。
また、上述したような脂環式エポキシ樹脂は、硬化後の線膨張係数が低い。このため、第1基板41を、ガラスクロスに樹脂材料を含浸することにより形成した場合、ガラスクロスと樹脂材料との界面における界面応力が室温において特に小さくなる。このため、第1基板41は、光学異方性の小さいものとなる。さらに、線膨張係数が低いため、第1基板41では、反りやうねり等の変形が防止される。
また、これらの脂環式エポキシ樹脂は、透明性および耐熱性に優れていることから、光透過性に優れ、かつ耐熱性の高い第1基板41の実現に寄与する。
一方、脂環式アクリル樹脂としては、例えば、トリシクロデカニルジアクリレート、その水素添加物、ジシクロペンタニルジアクリレート、イソボルニルジアクリレート、水素化ビスフェノールAジアクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジアクリレート等が挙げられ、具体的には、日立化成工業社製オプトレッツシリーズ、ダイセル・サイテック社製アクリレートモノマー等が用いられる。
なお、前記樹脂材料は、これらの脂環式エポキシ系樹脂および脂環式アクリル系樹脂を主成分として含むのが好ましく、樹脂材料中におけるこれらの樹脂の含有率は好ましくは50質量%超、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上とされる。
また、前記樹脂材料には、脂環式エポキシ系樹脂とともにグリシジル型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。これらを併用することにより、第1基板41において光学特性の低下を抑えつつ、樹脂材料の屈折率を容易に調整することができる。すなわち、脂環式エポキシ樹脂とグリシジル型エポキシ樹脂との混合比を適宜調整することによって、樹脂材料の屈折率を所望の値にすることができる。その結果、光透過性の高い第1基板41が得られる。
この場合、グリシジル型エポキシ樹脂の添加量は、脂環式エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部程度であるのが好ましく、1〜5質量部程度であるのがより好ましい。
グリシジル型エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、グリシジル型エポキシ樹脂としては、カルド構造を有するグリシジル型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。すなわち、脂環式エポキシ樹脂にカルド構造を有するグリシジル型エポキシ樹脂を添加して用いることにより、硬化後の樹脂材料中に、ビスアリールフルオレン骨格に由来する多数の芳香環が含まれることになるため、第1基板41の光学特性および耐熱性をより高めることができる。
このようなカルド構造を有するグリシジル型エポキシ樹脂としては、例えば、オンコートEXシリーズ(長瀬産業社製)、オグソール(大阪ガスケミカル社製)等が挙げられる。
また、樹脂材料には、脂環式エポキシ樹脂とともにシルセスキオキサン系化合物も好ましく用いられ、特に、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基のような光重合性基を有するシルセスキオキサン系化合物がより好ましく用いられる。これらが併用されることにより、第1基板41において光学特性の低下を抑えつつ、樹脂材料の屈折率を容易に調整することができる。また、オキセタニル基を有するシルセスキオキサン系化合物は、脂環式エポキシ樹脂との相溶性に富んでいるため、これらの均一な混合が可能になり、その結果、屈折率をより確実に調整しつつ、光学特性に優れた第1基板41が得られる。
このようなオキセタニル基を有するシルセスキオキサン系化合物としては、例えば、OX−SQ、OX−SQ−H、OX−SQ−F(いずれも東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
この場合、シルセスキオキサン系化合物の添加量は、脂環式エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜20質量部程度であるのが好ましく、2〜15質量部程度であるのがより好ましい。
さらには、第1基板41に含まれる樹脂材料は、ガラス転移温度が150℃以上であるのが好ましく、170℃以上であるのがより好ましく、180℃以上であるのがさらに好ましい。これにより、第1基板41に各種加熱処理を施したとしても、第1基板41に反りや変形等が発生するのを防止することができる。
また、樹脂材料は、熱変形温度が200℃以上であるのが好ましく、熱膨張率は100ppm/K以下であるのが好ましい。
また、樹脂材料の屈折率は、ガラスクロスの平均屈折率にできるだけ近い方がよく、実質的に同一の屈折率であるのが好ましい。具体的には、両者の屈折率差は0.01以下であるのが好ましく、0.005以下であるのがより好ましい。これにより、光透過性の高い第1基板41が得られる。
第1基板41は、その全体が樹脂材料単独で構成された樹脂基板であってもよいが、樹脂材料とフィラー、クロス等の充填材とを含む複合基板であってもよい。このうち、第1基板41には、ガラスクロス(布帛)に樹脂材料を含浸してなる複合基板が好ましく用いられる。このような第1基板41(複合基板)は、熱膨張が抑えられるため、温度変化に伴う表示素子4の反りや膨張・収縮に伴う色ずれ等を抑制することに寄与する。
また、第1基板41は、単層であっても複数層の積層体であってもよい。後者の場合、各層に含まれる樹脂材料は互いに同じものでも異なるものでもよい。また、ガラスクロスに樹脂材料を含浸してなる複合層と樹脂層との積層体であってもよい。
樹脂材料を含浸させるガラスクロスは、ガラス繊維を含む織布(ガラス繊維の集合体)である。なお、ガラスクロスに代えて、ガラス繊維を単に束ねたガラス繊維の集合体や、ガラス繊維を含む不織布(ガラス繊維の集合体)等のガラス布帛を用いることができる。ガラスクロスの織組織としては、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織り等が挙げられる。
ガラス繊維を構成する無機系ガラス材料としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Tガラス、Dガラス、NEガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラス等が挙げられる。これらの中でも、無機系ガラス材料としては、アルカリ金属などのイオン性不純物が少なく、入手が容易なことから、Eガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましく用いられ、特に30℃から250℃における平均線膨張係数が5ppm以下であるSガラスまたはTガラスがより好ましく用いられる。
また、無機系ガラス材料の屈折率は、用いる樹脂材料の屈折率に応じて適宜設定されるものの、例えば、1.4〜1.6程度であるのが好ましく、1.5〜1.55程度であるのがより好ましい。これにより、広い波長領域において優れた光学特性を示す第1基板41が得られる。
ガラスクロスに含まれるガラス繊維の平均径は2〜15μm程度であるのが好ましく、3〜12μm程度であるのがより好ましく、3〜10μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、機械的特性や光学的特性と表面の平滑性とを高度に両立し得る第1基板41が得られる。なお、ガラス繊維の平均径は、第1基板41の横断面を各種顕微鏡等で観察し、観察像から測定される100本分のガラス繊維の直径の平均値として求められる。
一方、ガラスクロスの平均厚さは、10〜200μm程度であるのが好ましく、20〜120μm程度であるのがより好ましい。なお、1枚の第1基板41において複数枚のガラスクロスを積層して用いるようにしてもよい。
また、複数のガラス繊維からなる束(ガラスヤーン)を織って織布とした場合、ガラスヤーンにはガラス繊維の単糸が30〜300本程度含まれているのが好ましく、50〜250本程度含まれているのがより好ましい。これにより、機械的特性や光学的特性と表面の平滑性とを高度に両立し得る第1基板41が得られる。
このようなガラスクロスには、あらかじめ開繊処理が施されているのが好ましい。開繊処理により、ガラスヤーンが拡幅され、その断面は扁平状に成形される。また、ガラスクロスに形成されるいわゆるバスケットホールも小さくなる。その結果、ガラスクロスの平滑性が高くなり、第1基板41の表面の平滑性も高くなる。開繊処理としては、例えば、ウォータージェットを噴射する処理、エアージェットを噴射する処理、ニードルパンチングを施す処理等が挙げられる。
また、ガラス繊維の表面には、必要に応じてカップリング剤を付与するようにしてもよい。カップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤等が挙げられるが、シラン系カップリング剤が特に好ましく用いられる。シラン系カップリング剤には、官能基としてエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、アミド基等を含むものが好ましく用いられる。
このようなカップリング剤の含有率は、ガラスクロス100質量部に対して0.01〜5質量部程度であるのが好ましく、0.02〜1質量部程度であるのがより好ましく、0.02〜0.5質量部程度であるのがさらに好ましい。カップリング剤の含有率が前記範囲内であれば、ガラスクロスに対する樹脂材料の含浸性が向上し、透明性が特に良好な第1基板41が得られる。
第1基板41の平均厚さは、0.01〜0.3mm程度であるのが好ましく、0.03〜0.25mm程度であるのがより好ましい。第1基板41の平均厚さをこのような範囲に設定することにより、第1基板41は、十分な透明性、耐湾曲性および耐衝撃性を確保することができる。また、第1基板41は、作動部43を保護するのに十分な機械的強度を有すること、すなわち、孔が開いたり、引き裂かれたりするのが防止される十分な耐性を有することができる。
また、第1基板41は、蓋体3より曲げ剛性が小さいのが好ましい。このように蓋体3に対して相対的に曲げ剛性が小さい第1基板41を用いることにより、第1基板41の下面に設けられた作動部43における応力集中をより確実に緩和することができる。一方、蓋体3は、第1基板41より曲げ剛性が大きいため、相対的に撓み難く、外力が蓋体3の下方に位置する表示素子4に及ぶのを防止することができる。このように、第1基板41の曲げ剛性を蓋体3より小さくすることによって、蓋体3と第1基板41とが相乗的に作用し、その結果、作動部43を確実に保護することができる。
なお、第1基板41と蓋体3とが平面視における形状、面積等が同じ場合、両者の曲げ剛性の差は、蓋体3の曲げ剛性の1〜90%程度であるのが好ましく、3〜80%程度であるのがより好ましい。曲げ剛性の差が前記範囲内であれば、例えば画像表示装置1を湾曲させたとしても、第1基板41の受ける応力が蓋体3の受ける応力に比べて小さいため、作動部43を確実に保護することができる。
第1基板41および蓋体3の曲げ剛性は、それらを構成の材料の選択の他、厚さや形状等を設定によって調整することができる。したがって、例えば第1基板41に使用する材料の曲げ弾性率が大きい場合でも、第1基板41の厚さを薄くしたり、蓋体3に使用する材料の曲げ弾性率が小さい場合でも、蓋体3の厚さを厚くしたりして、第1基板41と蓋体3との曲げ弾性の大小関係を調整することができる。
また、第1基板41を構成する材料のJIS K 7171に規定された曲げ弾性率(25℃)は、特に限定されないが、1〜30GPa程度であるのが好ましく、2〜28GPa程度であるのがより好ましい。このような材料で構成された第1基板41は、適度な可撓性と適度な剛性とを有する。このため、適度な可撓性による第1基板41への応力集中の緩和と、適度な剛性による第1基板41の耐湾曲性とが高度に発揮され、その結果、作動部43をより確実に保護することができる。
一方、図1に示す第2基板42は、透明であればよいが、上述した第1基板41と同様の基板であることが好ましい。すなわち、図1に示す第2基板42は、透明で可撓性を有することが好ましい。このような第2基板42は、表示素子4の最下部に設けられたバックライト45からの光を効率よく透過して、表示素子4の鮮明な画像の表示に寄与する。
また、曲げ剛性、熱膨張率等の特性についても、第2基板42は第1基板41と同等であるのが好ましい。これにより、これらの特性に大きな差があるときに生じる表示素子4への応力の集中を緩和することができる。
また、第2基板42についても、ガラスクロスに樹脂材料を含浸してなる複合基板が好ましく用いられる。第2基板42には一般に画素電極やトランジスター等を含む電気回路が形成されることから、断線等を防止する観点から、ガラスクロスを用い熱膨張率を抑えた基板が適している。
なお、上記では、表示素子4が液晶表示素子である場合について説明したが、表示素子4の種類に応じて、第2基板42の構造は適宜選択される。例えば、表示素子4が有機EL素子のような自発光型の素子であれば、第2基板42を不透明とすることも、省略することもできる。なお、第2基板42を省略する場合、作動部43を作動させるための電気回路は、第1基板41側に設けられる。
また、第1基板41および第2基板42には、それぞれガスバリア層が成膜されていてもよい。これにより、水蒸気や酸素が第1基板41および第2基板42を透過するのを抑えることができ、作動部43の変質・劣化を抑制することができる。
ガスバリア層としては、各種の無機酸化物層が好ましく用いられ、特にケイ素化合物層が好ましく用いられる。このようなガスバリア層を設けることにより、光学特性を悪化させることなく、表示素子4の水蒸気透過度および酸素透過度を抑えることができる。
また、第1基板41の上方には第1偏光板44が、第2基板42の下方には第2偏光板46が、それぞれ設けられている。
第1偏光板44および第2偏光板46は、それぞれフィルム状をなしており、透過する光の偏光を制御する。第1偏光板44および第2偏光板46は、それぞれ多層の積層フィルムで構成され、各層の構成材料はその機能に応じて透光性の樹脂材料から適宜選択される。この透光性の樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂、トリアセチルセルロール(TAC)系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂等が挙げられる。
また、第1偏光板44および第2偏光板46には、それぞれ可撓性を有するフィルムが好ましく用いられる。これにより、画像表示装置1を湾曲させたとき、蓋体3や第1基板41、第2基板42とともに第1偏光板44および第2偏光板46も湾曲するため、各部材間での剥離が生じ難くなる。その結果、画像表示装置1を湾曲させても、画像表示装置1は鮮明な画像の表示を維持することができる。
また、バックライト45は、光源と導光板とを有する。光源からの光は導光板によって表示素子4の面内に均一化され、上方に向けて放出される。光源には冷陰極蛍光ランプや発光ダイオード等が用いられる。また、導光板の構成材料としては、例えば上述した偏光板の構成材料と同様の材料が挙げられる。したがって、この導光板についても、可撓性を有するフィルム(シート)が好ましく用いられる。
(蓋体)
筐体2の上部には、蓋体(板状の対向基板)3が底部22と対向して配置され、収納部21を塞ぐように筐体2に固定されている。
蓋体3は、平面視において筐体2(底部22)とほぼ同じ形状をなしている。そして、筐体2の縁部23の上端面と蓋体3とを接着することにより、蓋体3は、収納部21を閉空間として塞いでいる。
蓋体3は、前述したように透明で可撓性を有する。このため、蓋体3は、表示素子4への応力集中を緩和し、画像表示装置1全体の耐湾曲性や耐衝撃性を高めることができる。
なお、蓋体3および前述した第1基板41の透明の程度は、例えばJIS K 7105に規定された全光線透過率に基づいて規定することができる。具体的には、蓋体3および前述した第1基板41の全光線透過率が80%以上である場合、それらは透明であると判断される。
また、蓋体3および前述した第1基板41の可撓性とは、割れることなく曲げ得ることをいう。具体的には、300mm角の蓋体3を作製し、これを曲率半径が100mmになるように曲げた際にも割れない場合、蓋体3は可撓性を有すると判断される。
ここで、本実施形態では、蓋体3は、樹脂材料を含む。樹脂材料を含む蓋体3は、可撓性に優れるとともに軽量化を図ることができる。そして、蓋体3の軽量化が図られることにより、画像表示装置1の軽量化も図られ、画像表示装置1は、長時間の把持にも適した優れた可搬性を備えることができる。
また、画像表示装置1の軽量化に伴い、画像表示装置1を高所から落下させたときの衝撃を弱めることができる。これにより、落下による表示素子4への衝撃力を減少させ、作動部43が破壊されてしまうのを防止することができる。
さらには、樹脂材料を含む蓋体3は、それを目的とする形状に調整する際の加工が容易であるという利点も有する。例えば、蓋体3には、画像表示装置1を操作するための操作ボタンが設けられる場合がある。この操作ボタンは、蓋体3を貫通するように設けられ、蓋体3の下方に設けられた電気回路と接続される。このような操作ボタンを配置するための貫通孔を形成するには、従来、ガラス基板に孔開け加工を施す必要があり、その際に、ガラス基板が割れたり、ガラス基板の強度が低下することがあった。
しかしながら、樹脂材料を含む蓋体3であれば、割れるおそれが少ないため、容易に貫通孔を形成することができる。また、その際、蓋体3の強度が低下することもほとんどない。したがって、蓋体3には、複数の操作ボタンを近接配置することもでき、操作ボタンの配置の自由度を高めることができる。
蓋体3の形態としては、(i)樹脂材料のみからなる樹脂基板、(ii)ガラスクロスに樹脂材料を含浸させてなる複合基板等が挙げられる。以下、これらの蓋体3の形態について順次説明する。
(i)樹脂材料のみからなる樹脂基板
この場合、蓋体3が含む樹脂材料は、透明な材料であれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、AS樹脂、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられ、これらの透明な材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、蓋体3は、特に(メタ)アクリレート系樹脂またはポリカーボネート系樹脂を主成分として含有する樹脂材料が好ましく用いられる。
このような樹脂材料を含む蓋体3は、透明性が特に高く、画像表示装置1の鮮明な画像の表示を可能にする。また、これらの樹脂材料は、可撓性に優れ、かつ比較的高強度であることから、蓋体3の薄型化を図ることができる。これにより、透明性、耐湾曲性および耐衝撃性が特に良好でかつ非常に軽量な蓋体3が得られる。
蓋体3の平均厚さは、0.02〜0.8mm程度であるのが好ましく、0.05〜0.5mm程度であるのがより好ましい。蓋体3の平均厚さをこのような範囲に設定することにより、蓋体3は、十分な透明性、耐湾曲性および耐衝撃性を確保することができる。また、蓋体3は、表示素子4を保護するのに十分な機械的強度を有すること、すなわち、孔が開いたり、引き裂かれたりするのが防止される十分な耐性を有することができる。
また、蓋体3を構成する材料のJIS K 7171に規定された曲げ弾性率(25℃)は、特に限定されないが、0.5〜30GPa程度であるのが好ましく、1〜28GPa程度であるのがより好ましい。このような材料で構成された蓋体3は、適度な可撓性と適度な剛性とを有する。このため、適度な可撓性による蓋体3への応力集中の緩和と、適度な剛性による蓋体3の耐湾曲性とが高度に発揮され、その結果、作動部43をより確実に保護することができる。
なお、蓋体3は、単層であっても複数層の積層体であってもよい。後者の場合、各層に含まれる樹脂材料は互いに同じであっても異なっていてもよい。ただし、表示面を形成する層(図1、2の最上層)が相対的に硬度の高い材料で構成され、それ以外の層の1つが相対的に硬度の低い材料で構成される積層体が好ましい。このようにすれば、表示面の耐擦性を確保しつつ、優れた可撓性を有する蓋体3を得ることができる。具体的には、相対的に硬度の高い材料としては、ポリカーボネート系樹脂が挙げられ、一方、相対的に硬度の低い材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂または(メタ)アクリレート系樹脂がそれぞれ挙げられる。
(ii)ガラスクロスに樹脂材料を含浸させてなる複合基板
かかる構成の蓋体3には、前述した第1基板41と同様で挙げた複合基板を用いることができる。
なお、かかる構成の蓋体3の平均厚さは、前述と同様に、0.02〜0.8mm程度であるのが好ましく、0.05〜0.5mm程度であるのがより好ましい。
また、蓋体3の下方には、タッチパネル用電極31が設けられている。このタッチパネル用電極31は、画像表示装置1のタッチパネル方式の入力部を構成する一部である。画像表示装置1は、表示面のX軸方向の位置を検出するための電極と、Y軸方向の位置を検出するための電極とが、絶縁層を介して重ねられた積層体を有しており、このうちの一方の電極がタッチパネル用電極31である。
このようなタッチパネル方式は、静電容量型タッチパネル方式と呼ばれる。すなわち、画像表示装置1は、静電容量型タッチパネル方式の入力部を備える。静電容量型タッチパネル方式の入力部は、表示面に使用者の手指等が触れたとき、電極間において生じる静電容量のわずかな変化を捉え、手指が触れた位置(座標)を検出する。そして、この検出位置に基づいて入力操作を行う。静電容量の変化はバックグラウンドの静電容量に比べて極わずかであるため、この変化を正確に捉えられるか否かが、入力装置としての感度を左右することとなる。
ここで、蓋体3は、上述したように樹脂材料で構成され、可撓性を有する。このような蓋体3は、厚いガラス基板のように割れるおそれが少ないことから、上述したように十分に薄くしても安全に使用可能である。また、薄い蓋体3を用いることにより、表示面に手指が触れたときの静電容量の変化量を大きくすることができる。その結果、感度の高いタッチパネル方式の入力部を構成することができる。また、蓋体3を薄くすることによって、画像表示装置1の軽量化および透明性の向上が図られる。
なお、タッチパネル方式の入力部による位置検出の形態は、特に限定されず、静電容量型以外に、抵抗膜型、表面弾性波型、赤外線型、歪ゲージ型、光画像処理型、分散信号型、音響型等であってもよい。
また、このタッチパネル方式の入力部は、本実施形態のように、蓋体3に備えられていてもよいが、表示素子4に備えられていてもよい。この場合、表示素子4の上に、2つの電極層とその間を絶縁する絶縁層とを有する積層体が積層される。なお、この場合、タッチパネル方式の入力部として機能する積層体の構造は、上記と同様であればよい。また、絶縁層として第1偏光板44を用いるようにしてもよい。
さらに、第1偏光板44を絶縁層として用い、蓋体3の下面に一方のタッチパネル用電極を、第1偏光板44の下面に他方のタッチパネル用電極を形成することにより、積層体を構成するようにしてもよい。この場合、タッチパネル方式の入力部の一部が蓋体3側に設けられ、残りの部分が表示素子4側に設けられる。
特に、蓋体3が複合基板である場合には、複合基板でない場合(樹脂材料のみで構成された基板)に比べて、蓋体3の誘電率が高くなる。これにより、蓋体3が静電容量型タッチパネル方式の入力部を備える場合に、タッチ操作をしたときの静電容量の変化量を増大させ、入力装置としての感度を特に高めることができる。
なお、蓋体3が無機フィラーを含んでいる場合も、誘電率の上昇させることができる。無機フィラーとしては、ガラスフィラー、シリカフィラー等が挙げられる。
(電池)
図1に示す電池5は、表示素子4やタッチパネル方式の入力部(入力装置)を駆動するための電力を供給する電源である。
電池5としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の各種二次電池やキャパシタ等が好ましく用いられるが、特に電解質にポリマーゲル技術を用いたリチウムイオン電池が好ましく用いられる。このリチウムイオン電池では、電解質の液漏れの心配がないため、ラミネートフィルム製の外装を用いることができる。このため、リチウムイオン電池は、大幅な薄型化および軽量化が図られるとともに、リチウムイオン電池には、可撓性を持たせることも可能である。
(制御部)
図1に示す制御部6は、演算部(CPU)、メモリー(RAM)、フラッシュメモリー、通信ユニット、ディスプレイコントローラー、タッチパネルコントローラー等を含んでいる。演算部は、メモリー上のプログラム等を実行することにより、必要な画像を生成する。また、ディスプレイコントローラーは、プログラム等により生成された画像データを表示信号に変換して表示素子4に出力する。また、タッチパネルコントローラーは、タッチパネル方式の入力部の操作を検知し、その結果を演算部に伝達する。
なお、上述した制御部6の各部は、それぞれ可撓性を有する配線基板上に実装することもできる。これにより、画像表示装置1全体に可撓性を付与することができる。可撓性を有する配線基板としては、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)等が挙げられる。
また、画像表示装置1は、必要に応じて、カメラ(撮像素子)、スピーカー、バイブレーター、フラッシュライト、赤外線受発光部等を備えていてもよい。これらの動作も制御部6により制御される。
なお、画像表示装置1としては、例えば、タブレット型パーソナルコンピューター(タブレット型PC)、タブレット型携帯端末、スマートフォン、電子ペーパー、携帯型ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションシステム等が挙げられる。
以上、第1実施形態によれば、蓋体3および第1基板41が、それぞれ透明で可撓性を有し、樹脂材料が含むことにより、画像表示装置1の軽量化を図ることができ、その結果、画像表示装置1は、長時間の把持にも適した優れた可搬性を備えることができる。また、画像表示装置1の軽量化により、落下時の衝撃が減少するため、落下に伴う画像表示装置1の故障確率を低下させることができる。
蓋体3および第1基板41が可撓性を有するため、画像表示装置1の湾曲等の変形に対する耐久性や耐衝撃性が向上する。これにより、画像表示装置1は、湾曲させたり落下させたりしても、作動部43に応力が集中し難くなり、作動部43の破壊が抑制される。
また、蓋体3および第1基板41は、割れる難いため、薄くしても安全性が確保される。このため、蓋体3および第1基板41は、薄くして可撓性をより高めるとともに、それらの透明性をより高めることができる。また、蓋体3を容易に加工することができるので、操作ボタン等を自由に配置することができる。
さらに、蓋体3が静電容量型タッチパネル方式の入力部を備える場合には、タッチ位置検出の感度が向上する。このため、快適な入力操作が可能な画像表示装置1が得られる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態の画像表示装置1について、前記第1実施形態の画像表示装置1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の画像表示装置1では、第1基板41の構成が異なること以外は、前記第1実施形態の画像表示装置1と同様である。
本実施形態では、蓋体3は、樹脂材料を含み、一方、第1基板41は、板状のガラス基材を含み、その平均厚さが0.02〜0.2mmと非常に薄い。このため、蓋体3および第1基板41は、これらが厚いガラス基板で構成されている場合に比べて、非常に軽量であるため、画像表示装置1の軽量化に寄与する。
さらに、蓋体3および第1基板41は、それぞれ可撓性を有する。このため、蓋体3および第1基板41は、湾曲等の変形に対する耐久性や耐衝撃性に優れる。その結果、蓋体3および第1基板41は、表示素子4への応力集中を緩和等することができ、画像表示装置1を落下させたときに、表示素子4の作動部43が破壊されてしまうのを防止することができる。
第1基板41は、板状のガラス基材を含み、その平均厚さが0.02〜0.2mmである。このようにガラス基材を含み、かつ、その厚さを非常に薄くすることにより、第1基板41は、可撓性に優れるとともに軽量となる。そして、第1基板41の軽量化が図られることにより、画像表示装置1の軽量化も図られ、画像表示装置1は、長時間の把持にも適した優れた可搬性を備えることができる。
また、画像表示装置1の軽量化に伴い、画像表示装置1を高所から落下させたときの衝撃を弱めることができる。これにより、落下の衝撃力を減少させ、作動部43が破壊されてしまうのを防止することができる。
なお、このような第1基板41は、ガラス基材を含んでいるものの、その平均厚さが0.02〜0.2mmまで薄くされているため、耐衝撃性が飛躍的に高められている。このため、厚いガラス基板のように簡単に割れるおそれがなく、安全に使用可能である。また、第1基板41を薄型化することにより、第1基板41の軽量化および透明性の向上が図られる。
さらに、第1基板41を前記厚さまで薄くしたとしても、第1基板41中にガラス基材が含まれているため、その水蒸気透過性および酸素透過性を非常に小さくすることができる。このため、作動部43の水分や酸素による変質、劣化を確実に抑えることができ、画像表示装置1の長寿命化を図ることができる。
なお、第1基板41の平均厚さは、好ましくは0.04〜0.15mmとされ、より好ましくは0.05〜0.12mmとされる。
第1基板41が含むガラス基材の構成材料としては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰シリカガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等の各種無機ガラス材料が挙げられるが、特に無アルカリガラスが好ましく用いられる。無アルカリガラスで構成されたガラス基材は、アルカリ酸化物を含まないことから、優れた耐熱性、優れた電気絶縁性および低熱膨張を備える。
このため、例えば表示素子4を製造する際に第1基板41に高温の熱処理を施したとしても、第1基板41の変質や変形等の発生を抑制することができる。また、第1基板41の表面に電気回路(例えばTFT回路、タッチパネル回路等)を形成した場合でも、短絡等の発生を確実に防止し、駆動安定性に富んだ表示素子4の実現に寄与する。
また、第1基板41は、ガラス基材のみからなるガラス基板であってもよいが、ガラス基材とその上に積層された樹脂層とを含む複合基板であってもよい。第1基板41がこのような複合基板であれば、仮にガラス基材に亀裂が入ったとしても、樹脂層の存在により、それが進展し破片等が飛散するのを防止することができる。これにより、ガラス基材の破片等によって、作動部43が破壊されるのを防止することができる。
樹脂層の構成材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、脂肪族環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、イソシアネート系樹脂、アクリレート系樹脂、フェノール系樹脂、多官能オレフィン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ジアリルカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、シルセスキオキサン系化合物等のエネルギー硬化性樹脂が挙げられ、これらの樹脂の1種または2種以上の混合物または複合物が用いられる。
これらの樹脂材料を用いることにより、ガラス基材への密着性に優れた樹脂層を得ることができる。その結果、例えば画像表示装置1を湾曲させたときでも、樹脂層のガラス基材からの剥離を防止することができる。
樹脂層の平均厚さは、ガラス基材の厚さとのバランスや第1基板41の総厚を考慮して決定されるが、例えば0.0002〜0.05mm程度であるのが好ましく、0.001〜0.02mm程度であるのがより好ましい。
また、第1基板41の総厚に対する樹脂層の厚さの比率は、1〜70%程度であるのが好ましく、5〜50%程度であるのがより好ましい。樹脂層の厚さの比率を前記範囲内に設定することにより、樹脂層は、光学特性と亀裂の進展防止機能とを高度に両立することができる。また、ガラス基材と樹脂層との熱膨張率差に基づく第1基板41の変形を、画像表示装置1の使用に際して支障ない程度に小さく抑えることができる。
なお、樹脂層は、必要に応じて任意の添加剤を含んでいてもよい。かかる添加剤としては、例えば、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤、補強剤等が挙げられる。
また、ガラス基材と樹脂層との間には、必要に応じてカップリング剤層を設けるようにしてもよい。カップリング剤層を設けることにより、ガラス基材に対して樹脂層をより強固に密着させることができる。カップリング剤層を構成するカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
カップリング剤層の形成方法としては、例えば、カップリング剤を含む溶液をガラス基材の表面に塗布した後、熱処理する方法が挙げられる。
溶液化に用いる溶媒としては、カップリング剤と反応しないものであれば特に限定されないが、例えば、ヘキサンのような脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族系溶媒、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、メタノール、プロパノールのようなアルコール系溶媒、アセトンのようなケトン系溶媒、水等が挙げられ、これらの溶媒の1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、溶液の塗布方法としては、例えば、ドクターブレード、ナイフコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、キャストコーティング、ディップコーティング、ダイコーティングのような各種コーティング法等が用いられる。
一方、樹脂層の形成方法としては、例えば、樹脂材料を含む溶液を塗布した後、液状被膜を乾燥させる方法が挙げられる。
乾燥温度は80〜200℃程度、乾燥時間は1〜60分程度とされる。また、溶媒や塗布方法は、上記と同様である。
以上、第2実施形態によれば、蓋体3および第1基板41が、それぞれ透明で可撓性を有し、かつ、蓋体3が樹脂材料を含み、第1基板41がガラス基材を含み、その平均厚さ0.02〜0.2mmであることにより、画像表示装置1の軽量化を図ることができ、その結果、画像表示装置1は、長時間の把持にも適した優れた可搬性を備えることができる。また、画像表示装置1の軽量化により、落下時の衝撃が減少するため、落下に伴う画像表示装置1の故障確率を低下させることができる。
蓋体3および第1基板41が可撓性を有するため、画像表示装置1の湾曲等の変形に対する耐久性や耐衝撃性が向上する。これにより、画像表示装置1は、湾曲させたり落下させたりしても作動部43に応力が集中し難くなり、作動部43の破壊が抑制される。
また、蓋体3および第1基板41は、それぞれ可撓性を有し、厚いガラス基板のように容易に割れることが少ないため、安全性が確保される。また、蓋体3を容易に加工することができるので、操作ボタン等を自由に配置することができる。
さらに、蓋体3を十分に薄くすることができるので、蓋体3が静電容量型タッチパネル方式の入力部を備える場合には、タッチ位置検出の感度が向上する。このため、快適な入力操作が可能な画像表示装置1が得られる。
また、前記第1実施形態で記載したのと同様の理由から、第2実施形態においても、第2基板42は、第1基板41と同様の基板であることが好ましい。また、曲げ剛性、熱膨張率等の特性についても、第2基板42は第1基板41と同等であるのが好ましい。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態の画像表示装置1について、前記第1および第2実施形態の画像表示装置1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の画像表示装置1では、蓋体3の構成が異なること以外は、前記第1実施形態の画像表示装置1と同様である。
本実施形態では、蓋体3は、板状のガラス基材を含み、その平均厚さが0.02〜0.2mmと非常に薄く、一方、第1基板41は、樹脂材料を含む。このため、蓋体3および第1基板41は、これらが厚いガラス基板で構成されている場合に比べて、非常に軽量であるため、画像表示装置1の軽量化に寄与する。
さらに、蓋体3および第1基板41は、それぞれ可撓性を有する。このため、蓋体3および第1基板41は、湾曲等の変形に対する耐久性や耐衝撃性に優れる。その結果、蓋体3および第1基板41は、表示素子4への応力集中を緩和等することができ、画像表示装置1を落下させたときに、表示素子4の作動部43が破壊されてしまうのを防止することができる。
蓋体3は、板状のガラス基材を含み、その平均厚さが0.02〜0.2mmである。このようにガラス基材を含み、かつ、その厚さを非常に薄くすることにより、蓋体3は、可撓性に優れるとともに軽量となる。そして、蓋体3の軽量化が図られることにより、画像表示装置1の軽量化も図られ、画像表示装置1は、長時間の把持にも適した優れた可搬性を備えることができる。
また、画像表示装置1の軽量化に伴い、画像表示装置1を高所から落下させたときの衝撃を弱めることができる。これにより、落下の衝撃力を減少させ、作動部43が破壊されてしまうのを防止することができる。
なお、このような蓋体3は、ガラス基材を含んでいるものの、その平均厚さが0.02〜0.2mmまで薄くされているため、耐衝撃性が飛躍的に高められている。このため、厚いガラス基板のように簡単に割れるおそれがなく、安全に使用可能である。また、蓋体3を薄型化することにより、蓋体3の軽量化および透明性の向上が図られる。
さらに、蓋体3を前記厚さまで薄くしたとしても、蓋体3中にガラス基材が含まれているため、水蒸気透過性および酸素透過性を非常に小さくすることができる。このため、作動部43の水分や酸素による変質、劣化を確実に抑えることができ、画像表示装置1の長寿命化を図ることができる。
なお、蓋体3の平均厚さは、好ましくは0.04〜0.15mmとされ、より好ましくは0.05〜0.12mmとされる。
蓋体3が含むガラス基材の構成材料としては、前記第2実施形態の第1基板41が含むガラス基材の構成材料と同様のものが挙げられる。このため、例えば蓋体3にタッチパネル方式の入力部を形成する際に、蓋体3に高温の熱処理を施したとしても、蓋体3の変質や変形等の発生を抑制することができる。また、蓋体3の表面に電気回路(例えばTFT回路、タッチパネル回路等)を形成した場合でも、短絡等の発生を確実に防止し、駆動安定性に富んだ画像表示装置1の実現に寄与する。
また、蓋体3は、ガラス基材のみからなるガラス基板であってもよいが、前記第2実施形態の第1基板41と同様、ガラス基材とその上に積層された樹脂層とを含む複合基板であってもよい。蓋体3がこのような複合基板であれば、仮にガラス基材に亀裂が入ったとしても、樹脂層の存在により、それが進展し破片等が飛散するのを防止することができる。これにより、ガラス基材の破片等によって、作動部43が破壊されるのを防止することができる。
樹脂層の構成材料としては、前記第2実施形態の第1基板41が含む樹脂層の構成材料と同様のものが挙げられる。
ここで、蓋体3は、上述したようにガラス基材を含み、その平均厚さが0.02〜0.2mmであり、かつ可撓性を有する。このような蓋体3は、容易に撓むことから厚いガラス基板のように割れるおそれが少なく、安全に使用可能である。また、薄い蓋体3を用いることにより、表示面に手指が触れたときの静電容量の変化量を大きくすることができる。その結果、感度の高いタッチパネルを実現することができる。また、蓋体3を薄くすることによって、軽量化および透明性の向上が図られる。
さらには、蓋体3がガラス基材を含んでいることから、蓋体3は硬度が高く、耐擦性に優れる。このため、蓋体3の上面(表示面)を手指等で繰り返し擦ったりタップしたりしても、蓋体3の摩耗を防ぐことができる。これに加え、画像表示装置1の表示面には、ガラス材料特有の高い質感が付与される。その結果、画像表示装置1の表示面に手指が触れたときの感覚を向上させ、その高級感を演出することができる。
また、蓋体3がガラス基材を含んでいるため、蓋体3が樹脂材料のみで構成されている場合に比べて、蓋体3の誘電率が高くなる。これにより、蓋体3が静電容量型タッチパネル方式の入力部を備える場合に、タッチ操作をしたときの静電容量の変化量を増大させ、入力装置としての感度を特に高めることができる。
以上、第3実施形態によれば、蓋体3および第1基板41が、それぞれ透明で可撓性を有し、かつ、蓋体3がガラス基材を含み、その平均厚さが0.02〜0.2mmであり、第1基板41が樹脂材料を含むことにより、画像表示装置1の軽量化を図ることができ、その結果、画像表示装置1は、長時間の把持にも適した優れた可搬性を備えることができる。また、画像表示装置1の軽量化により、落下時の衝撃が減少するため、落下に伴う画像表示装置1の故障確率を低下させることができる。
蓋体3および第1基板41が可撓性を有するため、画像表示装置1の湾曲等の変形に対する耐久性や耐衝撃性が向上する。これにより、画像表示装置1は、湾曲させたり落下させたりしても作動部43に応力が集中し難くなり、作動部43の破壊が抑制される。
また、蓋体3および第1基板41は、それぞれ可撓性を有し、厚いガラス基板のように容易に割れることが少ないため、安全性が確保される。
さらに、蓋体3が十分に薄いので、蓋体3が静電容量型タッチパネル方式の入力部を備える場合には、タッチ位置検出の感度が向上する。このため、快適な入力操作が可能な画像表示装置1が得られる。加えて、画像表示装置1の表示面の耐擦性および質感の向上が図られる。
また、前記第1実施形態で記載したのと同様の理由から、第3実施形態においても、第2基板42は、第1基板41と同様の基板であることが好ましい。また、曲げ剛性、熱膨張率等の特性についても、第2基板42は第1基板41と同等であるのが好ましい。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態の画像表示装置1について、前記第1〜第3実施形態の画像表示装置1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の画像表示装置1では、蓋体3および第1基板41の構成が異なること以外は、前記第1実施形態の画像表示装置1と同様である。
本実施形態では、蓋体3および第1基板41は、それぞれガラス基材を含み、その平均厚さが0.02〜0.2mmと非常に薄い。このため、蓋体3および第1基板41は、これらが厚いガラス基板で構成されている場合に比べて、非常に軽量であるため、画像表示装置1の軽量化に寄与する。
さらに、蓋体3および第1基板41は、それぞれ可撓性を有する。このため、蓋体3および第1基板41は、湾曲等の変形に対する耐久性や耐衝撃性に優れる。その結果、蓋体3および第1基板41は、表示素子4への応力集中を緩和等することができ、画像表示装置1を落下させたときに、表示素子4の作動部43が破壊されてしまうのを防止することができる。
なお、第4実施形態の第1基板41は、前記第2実施形態の第1基板41と同様の構成とすることができ、第4実施形態の蓋体3は、前記第3実施形態の蓋体3と同様の構成とすることができる。
以上、第4実施形態によれば、蓋体3および第1基板41が、それぞれ透明で可撓性を有し、かつ、ガラス基材を含み、その平均厚さが0.02〜0.2mmであることにより、画像表示装置1の軽量化を図ることができ、その結果、画像表示装置1は、長時間の把持にも適した可搬性を備えることができる。また、画像表示装置1の軽量化により、落下時の衝撃が減少するため、落下に伴う画像表示装置1の故障確率を低下させることができる。
蓋体3および第1基板41が可撓性を有するため、画像表示装置1の湾曲等の変形に対する耐久性や耐衝撃性が向上する。これにより、画像表示装置1は、湾曲させたり落下させたりしても作動部43に応力が集中し難くなり、作動部43の破壊が抑制される。
また、蓋体3および第1基板41は、それぞれ可撓性を有し、厚いガラス基板のように容易に割れることが少ないため、安全性が確保される。
さらに、蓋体3が十分に薄いので、蓋体3が静電容量型タッチパネル方式の入力部を備える場合には、タッチ位置検出の感度が向上する。このため、快適な入力操作が可能な画像表示装置1が得られる。加えて、画像表示装置1の表示面の耐擦性および質感の向上が図られる。
また、前記第1実施形態で記載したのと同様の理由から、第4実施形態においても、第2基板42は、第1基板41と同様の基板であることが好ましい。また、曲げ剛性、熱膨張率等の特性についても、第2基板42は第1基板41と同等であるのが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば前記実施形態に係る画像表示装置には、任意の構造物が付加されていてもよい。
例えば、筐体2において、底部22と縁部23とは別体で構成されていてもよい。この場、底部22と縁部23とは、同一の材料で構成されてもよく、異なる材料で構成されてもよい。また、この場合、縁部23は、底部(板状の基体)22と蓋体(対向基板)3との間に、それらの外周に沿って間隔を開けて配置した複数のブロック体(スペーサ)と、ブロック体同士の間を封止する封止部材や封止材(接着剤)とで構成することもできる。
また、第1基板41と第2基板42とは異なる基板で構成するようにしてもよいが、前述したように、第1基板41および第2基板42には、好ましくは同様(実質的に同一)の基板が用いられる。したがって、各前記実施形態では、第1基板41を素子基板と、第2基板42を対向素子基板と、それぞれ規定して説明したが、第1基板41を対向素子基板と、第2基板42を素子基板と、それぞれ規定することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.画像表示装置の製造
(実施例1A)
(1)筐体、電池および制御部
まず、ABS樹脂製の筐体を用意した。筐体の平面視での大きさは、242mm×186mmであった。
次に、ポリマーゲルリチウムイオン電池と、CPUやメモリー等が実装された電気回路基板(制御部)と、を筐体の収納部に収めた。
(2)液晶表示素子の製造
次に、以下のようにして、第1偏光板、第1基板、液晶層(作動部)、第2基板、第2偏光板、バックライト等の各部を積層した液晶表示素子を製造した。なお、第1偏光板および第2偏光板には、それぞれ平均厚さ0.1mmのPVA偏光フィルムを使用した。また、バックライトの平均厚さは0.4mmであった。
第1基板および第2基板には、それぞれガラスクロスに樹脂材料を含浸してなる複合基板を用いた。これらの第1基板および第2基板は、以下のようにして製造した。
まず、ガラスクロスとして、NEガラス系ガラスクロス(平均厚さ95μm、平均線径9μm)を用意した。
一方、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社製、E−DOA)96質量部と、シルセスキオキサン(東亞合成株式会社製、OX−SQ−H)4質量部と、光カチオン重合開始剤(株式会社ADEKA製、SP−170)1質量部と、溶剤(メチルイソブチルケトン)25.25質量部とを混合し、樹脂ワニスを調製した。E−DOAの架橋後の屈折率は1.513であり、OX−SQ−Hの架橋後の屈折率が1.47である。
次いで、調製した樹脂ワニスにガラスクロスを浸漬し、その後、脱泡処理を施した。そして、樹脂ワニスを乾燥させた。これにより、ガラスクロスを含む樹脂ワニスの乾燥物を得た。
次いで、この乾燥物を、離型処理を施した2枚のガラス板に挟み込み、高圧水銀灯にて1100mJ/cmの紫外線を照射した。さらに、250℃で2時間加熱することにより、平均厚さ100μm(ガラスクロス含有量:57質量%)の複合基板を得た。得られた複合基板は、透明で可撓性を有していた。
その後、第2基板にアクティブマトリックス回路を形成するとともに、第1基板と第2基板との間に平均厚さ1mmの液晶層を形成した。さらに、第1基板の液晶層と反対側に、タッチパネル用電極を備える第1偏光板を、一方、第2基板の液晶層と反対側に、第2偏光板およびバックライトをこの順で積層した。以上のようにして、液晶表示素子を得た。その後、得られた液晶表示素子を筐体の収納部に収めた。
(3)蓋体の製造
次に、平均厚さ0.2mmのポリカーボネート製フィルムと平均厚さ0.1mmのポリメチルメタクリレート製フィルムとを積層し、平均厚さ0.3mmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、透明で可撓性を有していた。そして、得られた積層フィルムを筐体の形状に合わせて切断した。これにより、蓋体を得た。
得られた蓋体に対し、スパッタリング法によりITO(酸化インジウムスズ)を成膜し、タッチパネル用電極を形成した。前述したように、第1偏光板の下面にも、予め、もう1つのタッチパネル用電極を形成しておいた。以上のようにして、静電容量型タッチパネル方式の入力部を構成した。
次いで、エポキシ系接着剤により、筐体と蓋体とを接着し、収納部を塞いだ。以上のようにして画像表示装置を得た。得られた画像表示装置の最大厚さは5.5mmであった。
(4)曲げ剛性の比較
ここで、前述と同様にして別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第一基板の曲げ剛性の比率を算出したところ40%であった。
(実施例2A)
蓋体の平均厚さを0.4mmに変更した以外は、実施例1Aと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体を製造する際には、平均厚さ0.3mmのポリカーボネート製フィルムと平均厚さ0.1mmのポリメチルメタクリレート製フィルムとを積層した積層フィルムを用いた。得られた画像表示装置の最大厚さは5.6mmであった。
なお、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第一基板の曲げ剛性の比率を算出したところ20%であった。
(実施例3A)
蓋体の平均厚さを0.2mmに変更し、第一基板の平均厚さを50μmに変更した以外は、実施例1Aと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体を製造する際には、平均厚さ0.1mmのポリカーボネート製フィルムと平均厚さ0.1mmのポリメチルメタクリレート製フィルムとを積層した積層フィルムを用いた。得られた画像表示装置の最大厚さは5.4mmであった。
なお、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第一基板の曲げ剛性の比率を算出したところ20%であった。
(実施例4A)
蓋体の平均厚さを0.2mmに変更した以外は、実施例1Aと同様にして画像表示装置を得た。また、蓋体を製造する際には、平均厚さ0.1mmのポリカーボネート製フィルムと平均厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレート製フィルムとを積層した積層フィルムを用いた。
なお、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも大きかった(撓み難かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第一基板の曲げ剛性の比率を算出したところ120%であった。
(実施例1B)
(1)筐体、電池および制御部
まず、ABS樹脂製の筐体を用意した。筐体の平面視での大きさは、242mm×186mmであった。
次に、ポリマーゲルリチウムイオン電池と、CPUやメモリー等が実装された電気回路基板(制御部)と、を筐体の収納部に収めた。
(2)液晶表示素子の製造
次に、以下のようにして、第1偏光板、第1基板、液晶層(作動部)、第2基板、第2偏光板、バックライト等の各部を積層した液晶表示素子を製造した。なお、第1偏光板および第2偏光板には、それぞれ平均厚さ0.1mmのPVA偏光フィルムを使用した。また、バックライトの平均厚さは0.4mmであった。
また、第1基板および第2基板には、それぞれ板状の無アルカリガラス基材に樹脂層を成膜した多層基板を用いた。これらの第1基板および第2基板は、以下のようにして製造した。
まず、樹脂層形成用の樹脂ワニスを、以下のようにして調製した。
N,N−ジメチルアセトアミドに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを加え、溶解するまで室温で撹拌して溶液を得た。その後、この溶液に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を添加し、撹拌してポリアミック酸溶液(樹脂ワニス)を得た。
一方、アミノ基を有するシランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製、Z−6011)のエタノール溶液を調製し、これをシランカップリング処理液とした。
次いで、平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材を用意し、その一方の面にシランカップリング処理液を塗布し、これを110℃で5分間加熱した。
次いで、シランカップリング処理液を塗布した面に、樹脂ワニスを塗布した。そして、樹脂ワニスを170℃で30分間加熱することにより、無アルカリガラス基材上に熱可塑性ポリイミドで構成された樹脂層を得た。得られた樹脂層の平均厚さは0.01mmであり、得られた第1基板および第2基板の平均厚さはそれぞれ0.06mmであった。なお、第1基板および第2基板のそれぞれの平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は17%であった。
その後、第2基板にアクティブマトリックス回路を形成するとともに、第1基板と第2基板との間に平均厚さ1mmの液晶層を形成した。さらに、第1基板の液晶層と反対側に、タッチパネル用電極を備える第1偏光板を、一方、第2基板の液晶層と反対側に、第2偏光板およびバックライトをこの順で積層した。以上のようにして、液晶表示素子を得た。その後、得られた液晶表示素子を筐体の収納部に収めた。
得られた第1基板および第2基板は十分な可撓性を有し、これらの全光線透過率は80%以上であった。
(3)蓋体の製造
次に、平均厚さ0.2mmのポリカーボネート製フィルムと平均厚さ0.1mmのポリメチルメタクリレート製フィルムとを積層し、平均厚さ0.3mmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、透明で可撓性を有していた。そして、得られた積層フィルムを筐体の形状に合わせて切断した。これにより、蓋体を得た。
得られた蓋体に対し、スパッタリング法によりITO(酸化インジウムスズ)を成膜し、タッチパネル用電極を形成した。前述したように、第1偏光板の下面にも、予め、もう1つのタッチパネル用電極を形成しておいた。以上のようにして、静電容量型タッチパネル方式の入力部を構成した。
得られた蓋体は十分な可撓性を有し、全光線透過率は80%以上であった。
次いで、エポキシ系接着剤により、筐体と蓋体とを接着し、収納部を塞いだ。以上のようにして画像表示装置を得た。得られた画像表示装置の最大厚さは5.5mmであった。
(4)曲げ剛性の比較
ここで、前述と同様にして別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ45%であった。
(実施例2B)
蓋体の平均厚さを0.4mmに変更した以外は、実施例1Bと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体を製造する際には、平均厚さ0.3mmのポリカーボネート製フィルムと平均厚さ0.1mmのポリメチルメタクリレート製フィルムとを積層した積層フィルムを用いた。得られた画像表示装置の最大厚さは5.6mmであった。
なお、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ25%であった。
(実施例3B)
第1基板および第2基板の平均厚さを、それぞれ0.08mmに変更した以外は、実施例1Bと同様にして画像表示装置を得た。なお、第1基板および第2基板には、それぞれ平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.03mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。また、第1基板および第2基板のそれぞれの平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は38%であった。
なお、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ60%であった。
(実施例4B)
蓋体の平均厚さを0.2mmに変更し、第1基板および第2基板の平均厚さをそれぞれ0.08mmに変更した以外は、実施例1Bと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体を製造する際には、平均厚さ0.1mmのポリカーボネート製フィルムと平均厚さ0.1mmのポリメチルメタクリレート製フィルムとを積層した積層フィルムを用いた。また、第1基板および第2基板には、平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.03mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。第1基板および第2基板のそれぞれの平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は38%であった。得られた画像表示装置の最大厚さは5.4mmであった。
なお、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ85%であった。
(実施例5B)
蓋体の平均厚さを0.2mmに変更し、第1基板および第2基板の平均厚さをそれぞれ0.1mmに変更した以外は、実施例1Bと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体を製造する際には、平均厚さ0.1mmのポリカーボネート製フィルムと平均厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレート製フィルムとを積層した積層フィルムを用いた。また、第1基板および第2基板には、平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.05mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。第1基板および第2基板の平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は50%であった。
なお、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも大きかった(撓み難かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ110%であった。
(実施例6B)
蓋体としてガラスクロスに樹脂材料を含浸してなる複合基板を用いた以外、実施例1Bと同様にして画像表示装置を得た。以下、複合基板の製造方法を示す。
まず、ガラスクロスとして、NEガラス系ガラスクロス(平均厚さ95μm、平均線径9μm)を用意した。
一方、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社製、E−DOA)96質量部と、シルセスキオキサン(東亞合成株式会社製、OX−SQ−H)4質量部と、光カチオン重合開始剤(株式会社ADEKA製、SP−170)1質量部と、溶剤(メチルイソブチルケトン)25.25質量部とを混合し、樹脂ワニスを調製した。E−DOAの架橋後の屈折率は1.513であり、OX−SQ−Hの架橋後の屈折率が1.47である。
次いで、調製した樹脂ワニスにガラスクロスを浸漬し、その後、脱泡処理を施した。そして、樹脂ワニスを乾燥させた。これにより、ガラスクロスを含む樹脂ワニスの乾燥物を得た。
次いで、この乾燥物を、離型処理を施した2枚のガラス板に挟み込み、高圧水銀灯にて1100mJ/cmの紫外線を照射した。さらに、250℃で2時間加熱することにより、平均厚さ0.1mm(ガラスクロス含有量57質量%)の複合基板を得た。得られた複合基板は、透明で可撓性を有していた。
なお、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ10%であった。
(実施例1C)
(1)筐体、電池および制御部
まず、ABS樹脂製の筐体を用意した。筐体の平面視での大きさは、242mm×186mmであった。
次に、ポリマーゲルリチウムイオン電池と、CPUやメモリー等が実装された電気回路基板(制御部)と、を筐体の収納部に収めた。
(2)液晶表示素子の製造
次に、以下のようにして、第1偏光板、第1基板、液晶層(作動部)、第2基板、第2偏光板、バックライト等の各部を積層した液晶表示素子を製造した。なお、第1偏光板および第2偏光板には、それぞれ平均厚さ0.1mmのPVA偏光フィルムを使用した。また、バックライトの平均厚さは0.4mmであった。
第1基板および第2基板には、それぞれガラスクロスに樹脂材料を含浸してなる複合基板を用いた。これらの第1基板および第2基板は、以下のようにして製造した。
まず、ガラスクロスとして、NEガラス系ガラスクロス(平均厚さ95μm、平均線径9μm)を用意した。
一方、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社製、E−DOA)96質量部と、シルセスキオキサン(東亞合成株式会社製、OX−SQ−H)4質量部と、光カチオン重合開始剤(株式会社ADEKA製、SP−170)1質量部と、溶剤(メチルイソブチルケトン)25.25質量部とを混合し、樹脂ワニスを調製した。E−DOAの架橋後の屈折率は1.513であり、OX−SQ−Hの架橋後の屈折率が1.47である。
次いで、調製した樹脂ワニスにガラスクロスを浸漬し、その後、脱泡処理を施した。そして、樹脂ワニスを乾燥させた。これにより、ガラスクロスを含む樹脂ワニスの乾燥物を得た。
次いで、この乾燥物を、離型処理を施した2枚のガラス板に挟み込み、高圧水銀灯にて1100mJ/cmの紫外線を照射した。さらに、250℃で2時間加熱することにより、平均厚さ100μm(ガラスクロス含有量:57質量%)の複合基板を得た。得られた複合基板は、透明で可撓性を有していた。
その後、第2基板にアクティブマトリックス回路を形成するとともに、第1基板と第2基板との間に平均厚さ1mmの液晶層を形成した。さらに、第1基板の液晶層と反対側に、タッチパネル用電極を備える第1偏光板を、一方、第2基板の液晶層と反対側に、第2偏光板およびバックライトをこの順で積層した。以上のようにして、液晶表示素子を得た。その後、得られた液晶表示素子を筐体の収納部に収めた。
得られた第1基板および第2基板は十分な可撓性を有し、これらの全光線透過率は80%以上であった。
(3)蓋体の製造
蓋体には、板状の無アルカリガラス基材に樹脂層を成膜した多層基板を用いた。この蓋体は、以下のようにして製造した。
まず、樹脂層形成用の樹脂ワニスを、以下のようにして調製した。
N,N−ジメチルアセトアミドに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを加え、溶解するまで室温で撹拌して溶液を得た。その後、この溶液に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を添加し、撹拌してポリアミック酸溶液(樹脂ワニス)を得た。
一方、アミノ基を有するシランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製、Z−6011)のエタノール溶液を調製し、これをシランカップリング処理液とした。
次いで、平均厚さ0.15mmの無アルカリガラス基材を用意し、その一方の面にシランカップリング処理液を塗布し、これを110℃で5分間加熱した。
次いで、シランカップリング処理液を塗布した面に、樹脂ワニスを塗布した。そして、樹脂ワニスを170℃で30分間加熱することにより、無アルカリガラス基材上に熱可塑性ポリイミドで構成された樹脂層を得た。得られた樹脂層の平均厚さは0.05mmであり、得られた蓋体の平均厚さは0.20mmであった。なお、蓋体の平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は25%であった。
得られた蓋体の表面に、スパッタリング法によりITO(酸化インジウムスズ)を成膜し、タッチパネル用電極を形成した。前述したように、第1偏光板の下面にも、予め、もう1つのタッチパネル用電極を形成しておいた。以上のようにして、静電容量型タッチパネル方式の入力部を構成した。
得られた蓋体は十分な可撓性を有し、全光線透過率は80%以上であった。
次いで、エポキシ系接着剤により、筐体と蓋体とを接着し、収納部を塞いだ。以上のようにして画像表示装置を得た。得られた画像表示装置の最大厚さは5.5mmであった。
(4)曲げ剛性の比較
ここで、前述と同様にして別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ20%であった。
(実施例2C)
蓋体の平均厚さを0.15mmに変更した以外は、実施例1Cと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体には、平均厚さ0.10mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.05mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。蓋体の平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は33%であった。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ35%であった。
(実施例3C)
蓋体の平均厚さを0.10mmに変更した以外は、実施例1Cと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体には、平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.05mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。蓋体の平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は50%であった。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ65%であった。
(実施例4C)
蓋体の平均厚さを0.07mmに変更した以外は、実施例1Cと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体には、平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.02mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。蓋体の平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は29%であった。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ80%であった。
(実施例5C)
蓋体として平均厚さ0.075mmの無アルカリガラス基材のみからなるガラス基板を用いた以外は、実施例1Cと同様にして画像表示装置を得た。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ90%であった。
(実施例1D)
(1)筐体、電池および制御部
まず、ABS樹脂製の筐体を用意した。筐体の平面視での大きさは、242mm×186mmであった。
次に、ポリマーゲルリチウムイオン電池と、CPUやメモリー等が実装された電気回路基板(制御部)と、を筐体の収納部に収めた。
(2)液晶表示素子の製造
次に、以下のようにして、第1偏光板、第1基板、液晶層(作動部)、第2基板、第2偏光板、バックライト等の各部を積層した液晶表示素子を製造した。なお、第1偏光板および第2偏光板には、それぞれ平均厚さ0.1mmのPVA偏光フィルムを使用した。また、バックライトの平均厚さは0.4mmであった。
また、第1基板および第2基板には、それぞれ板状の無アルカリガラス基材に樹脂層を成膜した多層基板を用いた。これらの第1基板および第2基板は、以下のようにして製造した。
まず、樹脂層形成用の樹脂ワニスを、以下のようにして調製した。
N,N−ジメチルアセトアミドに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを加え、溶解するまで室温で撹拌して溶液を得た。その後、この溶液に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を添加し、撹拌してポリアミック酸溶液(樹脂ワニス)を得た。
一方、アミノ基を有するシランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製、Z−6011)のエタノール溶液を調製し、これをシランカップリング処理液とした。
次いで、平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材を用意し、その一方の面にシランカップリング処理液を塗布し、これを110℃で5分間加熱した。
次いで、シランカップリング処理液を塗布した面に、樹脂ワニスを塗布した。そして、樹脂ワニスを170℃で30分間加熱することにより、無アルカリガラス基材上に熱可塑性ポリイミドで構成された樹脂層を得た。得られた樹脂層の平均厚さは0.01mmであり、得られた第1基板および第2基板の平均厚さはそれぞれ0.06mmであった。なお、第1基板および第2基板のそれぞれの平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は17%であった。
その後、第2基板にアクティブマトリックス回路を形成するとともに、第1基板と第2基板との間に平均厚さ1mmの液晶層を形成した。さらに、第1基板の液晶層と反対側に、タッチパネル用電極を備える第1偏光板を、一方、第2基板の液晶層と反対側に、第2偏光板およびバックライトをこの順で積層した。以上のようにして、液晶表示素子を得た。その後、得られた液晶表示素子を筐体の収納部に収めた。
得られた第1基板および第2基板は十分な可撓性を有し、これらの全光線透過率は80%以上であった。
(3)蓋体の製造
蓋体には、板状の無アルカリガラス基材に樹脂層を成膜した多層基板を用いた。この蓋体は、以下のようにして製造した。
まず、樹脂層形成用の樹脂ワニスを、以下のようにして調製した。
N,N−ジメチルアセトアミドに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを加え、溶解するまで室温で撹拌して溶液を得た。その後、この溶液に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を添加し、撹拌してポリアミック酸溶液(樹脂ワニス)を得た。
一方、アミノ基を有するシランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製、Z−6011)のエタノール溶液を調製し、これをシランカップリング処理液とした。
次いで、平均厚さ0.15mmの無アルカリガラス基材を用意し、その一方の面にシランカップリング処理液を塗布し、これを110℃で5分間加熱した。
次いで、シランカップリング処理液を塗布した面に、樹脂ワニスを塗布した。そして、樹脂ワニスを170℃で30分間加熱することにより、無アルカリガラス基材上に熱可塑性ポリイミドで構成された樹脂層を得た。得られた樹脂層の平均厚さは0.05mmであり、得られた蓋体の平均厚さは0.20mmであった。なお、蓋体の平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は25%であった。
得られた蓋体の表面に、スパッタリング法によりITO(酸化インジウムスズ)を成膜し、タッチパネル用電極を形成した。前述したように、第1偏光板の下面にも、予め、もう1つのタッチパネル用電極を形成しておいた。以上のようにして、静電容量型タッチパネル方式の入力部を構成した。
得られた蓋体は十分な可撓性を有し、全光線透過率は80%以上であった。
次いで、エポキシ系接着剤により、筐体と蓋体とを接着し、収納部を塞いだ。以上のようにして画像表示装置を得た。得られた画像表示装置の最大厚さは5.5mmであった。
(4)曲げ剛性の比較
ここで、前述と同様にして別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ20%であった。
(実施例2D)
蓋体の平均厚さを0.15mmに変更した以外は、実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体には、平均厚さ0.10mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.05mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。蓋体の平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は33%であった。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ35%であった。
(実施例3D)
蓋体の平均厚さを0.10mmに変更した以外は、実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体には、平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.05mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。蓋体の平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は50%であった。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ65%であった。
(実施例4D)
蓋体の平均厚さを0.07mmに変更した以外は、実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。なお、蓋体には、平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.02mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。蓋体の平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は29%であった。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ80%であった。
(実施例5D)
蓋体として平均厚さ0.075mmの無アルカリガラス基材のみからなるガラス基板を用いた以外は、実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ90%であった。
(実施例6D)
第1基板および第2基板の平均厚さを、それぞれ0.10mmに変更した以外は、実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。なお、第1基板および第2基板には、平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.05mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。また、第1基板および第2基板のそれぞれの平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は50%であった。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ50%であった。
(実施例7D)
第1基板および第2基板の平均厚さを、それぞれ0.15mmに変更した以外は、実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。なお、第1基板および第2基板には、平均厚さ0.10mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.05mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。また、第1基板および第2基板のそれぞれの平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は33%であった。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ75%であった。
(実施例8D)
第1基板および第2基板の平均厚さを、それぞれ0.17mmに変更した以外は、実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。なお、第1基板および第2基板には、平均厚さ0.15mmの無アルカリガラス基材に平均厚さ0.02mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いた。また、第1基板および第2基板のそれぞれの平均厚さに対する樹脂層の平均厚さの比率は12%であった。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ95%であった。
(実施例9D)
第1基板および第2基板として、それぞれ平均厚さ0.05mmの無アルカリガラス基材のみからなるガラス基板を用いるようにした以外は、実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。
また、別途製造した蓋体と第1基板とを同じ形状に揃え、それぞれの曲げ剛性を測定した。その結果、第1基板の曲げ剛性は蓋体の曲げ剛性よりも小さかった(撓み易かった)。蓋体の曲げ剛性に対する第1基板の曲げ剛性の比率を算出したところ30%であった。
(比較例1)
第1基板および第2基板として、それぞれ平均厚さ0.4mmの無アルカリガラス基板を用い、蓋体として、平均厚さ0.8mmの無アルカリガラス基板を用いた以外は、実施例1Aと同様にして画像表示装置を得た。なお、上記の無アルカリガラス基板は、それぞれ透明ではあるものの、手で容易に湾曲させることはできず、可撓性はなかった。また、得られた画像表示装置の最大厚さは6.2mmであった。
(比較例2)
蓋体として、平均厚さが0.01mmのガラス基材に平均厚さが0.005mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いて、実施例1Cまたは実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。しかしながら、蓋体の変形が大きくなり過ぎ、鮮明な画像を表示可能な画像表示装置を得ることができなかった。
(比較例3)
第1基板および第2基板として、それぞれ平均厚さが0.01mmのガラス基材に平均厚さが0.005mmの樹脂層を成膜した多層基板を用いて、実施例1Bまたは実施例1Dと同様にして画像表示装置を得た。しかしながら、第1基板および第2基板の変形が大きく、このため、表示素子の反りが大きくなり過ぎ、鮮明な画像を表示可能な画像表示装置を得ることができなかった。
2.画像表示装置の評価
2.1 画像表示装置の重量測定
各実施例および各比較例で得られた画像表示装置の重量をそれぞれ測定した。その結果、各実施例および比較例2、3で得られた画像表示装置はそれぞれ480〜520gであったのに対し、比較例1で得られた画像表示装置は700gであった。
2.2 画像表示装置の落下試験
各実施例および比較例1で得られた画像表示装置について、それぞれ画像を表示させた状態で自然落下試験を行った。自然落下試験は、JIS C 60068−2−32に規定された自然落下試験方法に準じて行った。落下高さは1000mmとし、落下床面は平坦なコンクリート面とした。また、落下姿勢は、画像表示装置の表示面を鉛直方向と平行にし、角部が最も早く接地する姿勢とし、落下させる際には、前記角部として異なる角部を選んで合計2回落下させた。
自然落下試験の結果、各実施例で得られた画像表示装置では、外装(筐体の角部)に凹みができたものの、正常な画像表示を維持することができた。これに対し、比較例1で得られた画像表示装置では、蓋体および表示素子の使用された無アルカリガラス基板に割れが生じ、正常な画像表示が得られない状態になった。
なお、各実施例で得られた画像表示装置では、さらに8回の自然落下試験を追加して行った。その結果、実施例1A〜3Aで得られた画像表示装置では通算10回の落下試験でも正常な画像表示が維持されていたが、実施例4Aで得られた画像表示装置では通算8回目の落下試験後に表示ムラの発生が認められた。
また、実施例1B〜3B、6Bで得られた画像表示装置では通算10回の落下試験でも正常な画像表示が維持されていたが、実施例4Bで得られた画像表示装置では通算8回目の落下試験後に表示ムラの発生が認められ、実施例5Bで得られた画像表示装置では通算4回目の落下試験後に表示ムラの発生が認められた。
また、実施例1C〜4Cで得られた画像表示装置では通算10回の落下試験でも正常な画像表示が維持されていたが、実施例5Cで得られた画像表示装置では通算8回目の落下試験後に表示ムラの発生が認められた。
さらに、実施例1D〜4D、6D、7Dで得られた画像表示装置では通算10回の落下試験でも正常な画像表示が維持されていたが、実施例8Dで得られた画像表示装置では通算6回目の落下試験後に表示ムラの発生が認められ、実施例5D、9Dで得られた画像表示装置では通算3回目の落下試験後に表示ムラの発生が認められた。
本発明によれば、表示面側に設けられた対向基板および表示素子の素子基板がそれぞれ樹脂材料または板状のガラス基材を含み、対向基板がガラス基材を含む場合、その平均厚さが0.02〜0.2mmであり、素子基板がガラス基材を含む場合、その平均厚さが0.02〜0.2mmであることより、軽量で耐衝撃性に優れた画像表示装置を提供することができる。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有する。
1 画像表示装置
2 筐体
21 収納部
22 底部
23 縁部
3 蓋体
31 タッチパネル用電極
4 表示素子
41 第1基板
42 第2基板
43 作動部
44 第1偏光板
45 バックライト
46 第2偏光板
5 電池
6 制御部

Claims (17)

  1. 板状の基体と、
    前記基体に対向して設けられ、可撓性を有する透明な対向基板と、
    前記基体と前記対向基板との間に設けられ、可撓性を有する透明な素子基板と、前記素子基板の一方の面側に配置された作動部とを備える表示素子とを有し、
    前記対向基板および前記素子基板は、それぞれ樹脂材料または板状のガラス基材を含み、
    前記対向基板が前記ガラス基材を含む場合、前記対向基板の平均厚さが0.02〜0.2mmであり、前記素子基板が前記ガラス基材を含む場合、前記素子基板の平均厚さが0.02〜0.2mmであることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記素子基板は、前記対向基板より曲げ剛性が小さい請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記対向基板が前記樹脂材料を含む場合、前記対向基板は、ガラス布帛に前記樹脂材料を含浸してなり、前記素子基板が前記樹脂材料を含む場合、前記素子基板は、ガラス布帛に前記樹脂材料を含浸してなる請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記ガラス基材は、無アルカリガラスで構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の画像表示装置。
  5. 前記対向基板が前記ガラス基材を含む場合、前記対向基板は、前記ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層された樹脂層とを有し、前記素子基板が前記ガラス基材を含む場合、前記素子基板は、前記ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層された樹脂層とを有する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示装置。
  6. 前記表示素子は、さらに、前記作動部を介して前記素子基板と対向して配置された対向素子基板を備える請求項1ないし5のいずれかに記載の画像表示装置。
  7. 前記作動部は、電気光学的に画像を表示可能である請求項1ないし6のいずれかに記載の画像表示装置。
  8. 当該画像表示装置は、静電容量型タッチパネル方式の入力部を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の画像表示装置。
  9. 前記対向基板が前記樹脂材料を含む請求項1ないし8のいずれかに記載の画像表示装置。
  10. 前記対向基板の平均厚さは、0.02〜0.8mmである請求項9に記載の画像表示装置。
  11. 前記対向基板が含む前記樹脂材料は、ポリカーボネート系樹脂または(メタ)アクリレート系樹脂を主成分とする請求項9または10に記載の画像表示装置。
  12. 前記対向基板が前記ガラス基材を含む請求項1ないし8のいずれかに記載の画像表示装置。
  13. 前記素子基板が前記樹脂材料を含む請求項1ないし12のいずれかに記載の画像表示装置。
  14. 前記素子基板の平均厚さは、0.01〜0.3mmである請求項13に記載の画像表示装置。
  15. 前記素子基板が含む前記樹脂材料は、架橋性樹脂の架橋物を主成分として含む請求項13または14に記載の画像表示装置。
  16. 前記架橋性樹脂は、脂環式エポキシ系樹脂または脂環式アクリル系樹脂である請求項15に記載の画像表示装置。
  17. 前記素子基板が前記ガラス基材を含む請求項1ないし12のいずれかに記載の画像表示装置。
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