JP2003043503A - 液晶パネル及びその製造方法 - Google Patents

液晶パネル及びその製造方法

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JP2003043503A
JP2003043503A JP2001230941A JP2001230941A JP2003043503A JP 2003043503 A JP2003043503 A JP 2003043503A JP 2001230941 A JP2001230941 A JP 2001230941A JP 2001230941 A JP2001230941 A JP 2001230941A JP 2003043503 A JP2003043503 A JP 2003043503A
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pair
panel
crystal panel
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JP2001230941A
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English (en)
Inventor
Hiroki Nishino
浩己 西野
Toshihiro Matsumoto
俊寛 松本
Kan Okazaki
敢 岡崎
Sunao Aoki
青木  直
Tetsuya Inoue
哲也 井上
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高温または低温環境下においても良好な表示
を行なうことができる液晶パネルを作製する。 【解決手段】 液晶パネルは、一対の基板間において密
封された空間が形成されるように一対の基板を所定の間
隔を開けて互いに対して固定する工程と、一対の基板間
に形成された空間内に液晶材料8を充填する工程と、液
晶材料が充填された一対の基板を外側から加圧すること
によって一対の基板間の間隔を調節する工程とによって
作製される。一対の基板間の間隔を調節する工程は、パ
ネル中央部における加圧前の基板間の距離をTとし、パ
ネル中央部における加圧後の基板間1,2の最大距離を
tとした場合に、基板間隔変化率Δd=(T−t)/T
×100が0.5%〜3.5%になるように行なわれ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピ
ュータ等のOA機器、AV機器、電子手帳等の携帯情報
端末機器、あるいはカーナビゲーションシステム等にお
いて使用される液晶パネルおよびその製造方法に関し、
より具体的には、液晶層を挟持する基板間の間隔が適切
に調節された液晶パネルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶パネルは、薄型で低消費電力
である特徴を生かし、幅広い分野において使用されてい
る。ただし液晶パネルは、CRT(ブラウン管)やEL
(エレクトロルミネッセンス)素子とは異なり、自らが
発光しないため、光源が別に必要になる。例えばパーソ
ナルコンピュータのモニタ等に用いられている透過型液
晶パネルでは、バックライトと呼ばれる照明装置を液晶
パネルの背面に設置することによって画像表示を行って
いる。
【0003】上述の透過型液晶パネルでは、バックライ
トの消費電力が全体の50%以上を占めるため、バック
ライトを設けることで消費電力が増大してしまう。そこ
で、バックライトを設ける代わりに一方の基板上に反射
板(反射電極)を設置し、周囲光を反射板表面で反射さ
せることによって表示を行う反射型液晶パネルもまた用
いられている。反射型液晶パネルは、戸外や常時携帯し
て使用する機会の多い携帯情報機器、ゲーム用機器等に
おいて適切に用いられる。
【0004】これらの液晶パネルに用いられている表示
モードには、TN(ツイステッドネマティック)モー
ド、STN(スーパーツイステッドネマティック)モー
ドといった偏光板を利用するタイプが最も広く用いられ
ている。
【0005】近年、これら液晶パネルの表示品位の向上
は目覚しく、文字認識のみの用途だけでなく、フルカラ
ー画像表示に耐え得る品位にまで進歩している。さらに
高い表示品位を得るためには、高輝度、広視野角、高解
像度、高信頼性というような性能面での向上と、画面全
体で均一な表示ができ、かつ、各液晶パネル間で性能が
ばらつかないといった生産工程での品質向上との両面で
の取り組みが重要となる。
【0006】その中で、画面全域にわたり均一な表示を
実現するために生産上もっとも重要な点は、基板間の間
隔が均一な液晶パネルを作製することである。以下、液
晶パネルを製造する従来の一般的な方法を説明する。
【0007】まず、図3(a)および(b)に示すよう
に、電極3,4、配向膜(図示せず)等が形成された一
対の基板11,12を用意し、所定の間隔を維持した状
態でシール樹脂13によってこれらを貼り合わせる。シ
ール樹脂13は、各基板11,12の周縁部を封止し、
これにより、液晶材料を保持するための空間18を有し
たパネル21が形成される。このとき、パネル21内に
液晶材料を注入できるように、液晶注入口15として、
シール樹脂13の無い部分が設けられている。また、上
記間隔を均一に保つために、シール樹脂13の内側領域
の表示画面全体にわたって内部スペーサー14を設置
し、さらに、シール樹脂13の内部にはシール内スペー
サー7を混入させている。この状態では、パネル21の
ギャップ内には空気が入っており、液晶注入口15を介
して外界とつながっているため、パネル内外とも、1気
圧(101300Pa)となっている。
【0008】パネル21内に液晶材料を注入する方法と
しては、一般に、真空注入法が用いられる。真空注入法
とは、パネル内の空気を真空引きにより排気した後、液
晶材料の毛細管現象と、パネル内外の圧力差とを利用し
て、液晶材料をパネル内に注入する方法である。以下、
図4(a)〜(d)を参照しながら、この真空注入法に
よる液晶材料の注入工程を説明する。
【0009】まず、パネル21と液晶材料22の入った
容器とを注入装置23に入れ、注入装置23内を真空引
きして、内部の圧力を1Pa以下にする(図4
(a))。このとき、パネル21と液晶材料22とは接
触しておらず、液晶注入口15からパネル21内の空気
16も排気されるため、パネル21内も注入装置23内
と同じ1Pa以下になる。
【0010】次に、液晶注入口15と液晶材料22とを
接触させた後、注入装置23内に十分乾燥させた不活性
ガスを導入して注入装置23内の圧力を1気圧まで上昇
させる(図4(b))。この状態でパネル内外にほぼ1
気圧の圧力差が生じ、この圧力差によって生じる力によ
り液晶材料22がパネル21内に注入されていく。
【0011】この液晶注入工程では、装置内の真空引き
や液晶材料の注入に時間がかかるため、一つの大きな注
入装置に多数のパネルを入れて注入を行うことが多い
が、このとき、各パネル間で、スペーサー量、液晶注入
口の大きさ等に微妙な差があるため、パネル毎の注入時
間のばらつきを考慮して、全てのパネルに液晶材料が確
実に注入されるように注入時間は通常長めに設定されて
いる。その結果、液晶材料がパネル21内に過剰に注入
されてしまい、パネル21の特に中央部が膨らむことに
なる(図4(c))。これによって、液晶注入後のパネ
ル21aでは、基板間の間隔が不均一になる(図4
(d))。
【0012】そこで、図4(a)〜(d)に示した液晶
注入工程の後、一般的には、パネル21aを構成する一
対の基板11a,12aを外側から加圧し、これによっ
て基板間を所定の間隔に調節する工程を行う。加圧を行
なう方法としては、気体を使う方法と、剛体を使う方法
がある。以下、図5および図6を参照しながらこれらの
加圧方法をそれぞれ説明する。
【0013】気相(エアー)雰囲気にて加圧する場合、
液晶注入直後のパネル21aを加圧室(エアー充填室)
24内に液晶注入口15が加圧室外部に出た状態でセッ
トし(図5(a))、次に、加圧室24内を所定の圧力
まで上げ、パネル21bに外から圧力を加えることで過
剰に注入された液晶を押し出し、これによって、基板間
の間隔を均一化する(図5(b))。このとき、液晶注
入口15から押し出された余分な液晶材料を自動もしく
は手動にて拭き取る(図5(c))。その後、液晶注入
口に封止樹脂9を塗布し、これを硬化させることによっ
て、注入口が封止される(図5(d))。
【0014】また、剛体(万力やローラータイプ)を用
いた方法では、剛体25によって、パネル21aを外側
から圧力を加えること以外は、気体を用いる場合と同様
の工程によって、基板間隔を均一化した液晶パネルを作
製することができる(図6(a)〜(d))。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年で
は、液晶パネルの用途はますます広がり、それに応じて
表示方式にも種々の方式が採用されてきているため、液
晶パネルのセルギャップ(液晶層の厚さ)をより精度良
く制御することが要求される場合がある。このような液
晶パネルとしては、例えば、1つの画素部において透過
領域と反射領域とを有し、各領域に対応して複数のセル
ギャップが規定されている、電界制御複屈折方式の表示
モード(ECBモード)を利用した反射透過両用型液晶
パネル(例えば、特開平11−101992号公報に記
載)が挙げられる。
【0016】この反射透過両用型液晶パネルは、同一パ
ネル内に反射表示部と透過表示部とを有しており、周囲
光が非常に明るい場合、または、周囲光が暗い場合のい
ずれの場合にも適切な表示を行なうことが可能である。
これは、透過型液晶パネルでは、周囲光が非常に明るい
場合、周囲光に比べて表示光が暗く見えてしまうために
表示品位が著しく低下し、また反射型液晶パネルでは、
逆に周囲光が暗い場合には視認性が極端に低下するのに
対して、屋内外の両方における視認性を向上させること
ができるという点で有利である。
【0017】しかしながら、上述のような透過反射両用
型の液晶パネルでは、セルギャップのバラツキが表示品
位に大きく影響するため、パネル全体でのセルギャップ
のばらつきの許容範囲が非常に厳しい。このような透過
反射型の液晶表示装置では、セルギャップdと液晶の屈
折率異方性Δnとの積Δn・dと位相差板との厳密な合
わせ込みが必要となるため、セルギャップとしてはパネ
ル面内で±1%以下のばらつき精度が要求される。
【0018】また、このような透過反射両用型液晶パネ
ルは、車載用や携帯用などのように、温度や湿度などの
環境が厳しい条件下で用いられるため、高温環境下また
は低温環境下に置かれた場合であっても、セルギャップ
のバラツキが生じないことが重要になる。
【0019】従来の液晶パネルの製造方法では、液晶注
入後のパネル加圧工程における加圧条件(圧力/時間/
昇圧速度等)の最適化や、パネル構造等の改善によっ
て、パネル面内のセルギャップばらつきを±1%以下に
制御することが可能になってきている。しかしながら、
以下に説明する、高温(60℃以上)環境下でのパネル
セルギャップムラの発生と、低温(−40℃以下)環境
下でのパネル内間隙の発生とを同時に抑制することは困
難であった。
【0020】図7(a)および(b)は、従来の加圧封
止工程を経て作製された液晶パネルを高温環境下に置い
た場合の液晶パネルの状態を示す。この加圧封止工程で
加圧不足のパネルは、高温環境下でパネルを縦置き状態
(カーナビゲーションシステムなどでの実際の使用状
態)にすると、パネルに充填されている液晶材料の体積
膨張と低粘度化、および自重の影響により、パネル下部
に液晶が溜ることによってセルギャップムラが発生す
る。環境温度の上昇に伴って、パネル下部のセルギャッ
プムラ発生部30とパネル上部31とのセルギャップ差
は増大する傾向にある。このように作製された液晶パネ
ルでは、60℃〜85℃の範囲で、パネル下部のセルギ
ャップムラ発生部30におけるセルギャップと、パネル
上部31におけるセルギャップとの差は、常温(25
℃)におけるセルギャップの平均値に対し、2〜16%
(以下、セルギャップ差拡大率と呼ぶ)にもなる。
【0021】また、逆に上記加圧封止工程で加圧過剰の
パネルは、図8(a)および(b)に示すように、低温
環境下でパネル内に間隙32が発生して、液晶表示欠陥
となる。発生原因は次の様に考えられる。
【0022】上記加圧封止工程では、液晶パネルのセル
ギャップのバラツキを低減するために、余分な液晶材料
を押し出してから注入口を封止しパネル内部を減圧状態
に維持している。このパネルを低温環境下に放置する
と、液晶材料が体積収縮する。このとき、基板11,1
2、内部スペーサー14、およびシール内スペーサー7
が変形してパネル内部の減圧状態を保とうとするが、加
圧封止工程で加圧過剰のパネルは液晶材料自身の体積収
縮による減圧に上記変形が追従できず、パネル内に真空
状態の間隙32を誘発することになる。
【0023】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、セルギャップばらつきを抑え、かつ高
温及び低温下での表示均一性、高信頼性を確保すること
によって、様々な環境下において良好な表示品位を実現
する液晶パネルを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明による液晶パネル
の製造方法は、一対の基板と、前記一対の基板間に挟持
された液晶層とを備える液晶パネルの製造方法であっ
て、前記一対の基板間において密封された空間が形成さ
れるように、前記一対の基板を所定の間隔を開けて互い
に対して固定する工程と、前記一対の基板間に形成され
た前記空間内に液晶材料を充填する工程と、前記液晶材
料が充填された前記一対の基板を外側から加圧すること
によって前記一対の基板間の間隔を調節する工程とを包
含し、前記一対の基板間の間隔を調節する工程は、前記
液晶パネルの中央部における加圧前の前記一対の基板間
の距離をTとし、前記液晶パネルの中央部における加圧
後の前記一対の基板間の距離をtとした場合に、基板間
隔変化率Δd=(T−t)/T×100が、0.5%〜
3.5%になるように行なわれる。
【0025】好ましい実施形態において、前記一対の基
板のうちの一方の基板の前記液晶層側において画素部に
対応するように凸部を形成する工程をさらに包含し、こ
れによって、前記画素部のそれぞれにおいて複数のセル
ギャップが形成される。
【0026】好ましい実施形態において、前記画素部は
反射部と透過部とを有し、前記複数のセルギャップは、
前記反射部と前記透過部とに対応している。
【0027】好ましい実施形態において、前記液晶材料
を充填する工程は、真空注入法を用いて行なわれる。
【0028】本発明による液晶パネルは、一対の基板
と、前記一対の基板間に挟持された液晶層とを備える液
晶パネルであって、60℃以上の雰囲気中で、地面に対
して30°以上傾けて置いた場合における前記一対の基
板間の最大距離と最小距離との差が、25℃の雰囲気中
に置いた場合における前記一対の基板間の距離の平均値
の1%以下であることを特徴とする。
【0029】好ましい実施形態において、前記一対の基
板のうちの一方の基板の前記液晶層側において画素部に
対応するように設けられた凸部をさらに有し、これによ
って、前記画素部において複数のセルギャップが形成さ
れている。
【0030】好ましい実施形態において、前記画素部は
反射部と透過部とを有し、前記複数のセルギャップは、
前記反射部と前記透過部とに対応している。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図1(a)、(b)および
図2(a)〜(c)を参照しながら、本発明の実施形態
にかかる反射透過両用型の液晶パネル100の構成およ
びその製造方法を説明する。
【0032】図1(a)および(b)は、本実施形態の
液晶パネル100を部分的に示す。図には、液晶パネル
100における2画素分に対応する構成を示している。
液晶パネル100は、例えば、縦90mm×横220m
m×厚さ1.4mmのサイズを有し、一対の基板1およ
び2の間において、液晶層10が挟持された構造を有す
る。基板1としては、厚さ0.5mm〜1.1mmのガ
ラス基板を用いることができる。また、基板2として
は、厚さ0.5mm〜1.1mmのガラス基板を用いる
ことができる。また、基板1および2としては、脂環式
アクリル系樹脂、PES(ポリエーテルスルホン)、エ
ポキシ樹脂などから形成されるプラスチック基板を用い
てもよい。
【0033】基板1上には、Ta(タンタル)やTi
(チタン)等の材料を用いて互いに交差するように形成
された信号配線3bおよび走査配線3f、これらの交差
部においてこれらと電気的に接続されたTFT等の液晶
駆動用素子3eなどが設けられている。また、液晶パネ
ル100には、複数の画素部3が規定されており、画素
部3毎に液晶層10の状態が制御される。
【0034】この画素部3は、液晶パネルの背面に設け
られるバックライト(不図示)からの光を用いて表示を
行なう透過表示部Teと、パネル前面から入射される外
部光を反射させることによって表示を行なう反射表示部
Reとを含んでいる。
【0035】透過表示部Teにおいて、基板1上には、
ITO(Indium Tin Oxide)等の透明
率の比較的高い導電性材料から形成された透過電極3a
(例えば、厚さ150nm)が設けられている。透過電
極3aは、液晶駆動用素子3eに電気的に接続されてお
り、液晶駆動用素子3eを介して信号配線3bから付与
された信号に応じて所定の電位に制御される。
【0036】また、反射表示部Reにおいて、Al等の
反射率の比較的高い導電性材料から形成された反射電極
3d(例えば、厚さ100nm)が設けられている。反
射電極3dは、さまざまな角度で入射する周囲光を表示
光として有効に利用するために、感光性高分子樹脂など
を用いて基板1上に形成された、凹凸状の表面30cを
持った層間絶縁層3c上に形成されている。反射電極3
dも、例えば透明電極3aを介して、液晶駆動用素子3
eに電気的に接続されており、透明電極3aと同一の電
位に制御される。
【0037】本実施形態では、基板1の表面1Sからの
層間絶縁層3cの平均厚さ(凹部の底点での厚さと凸部
の頂点での厚さの平均値)を約2μmに設定している。
また、層間絶縁層3cの厚さを調整することにより、反
射表示部Reの液晶層10の厚さR(反射部セルギャッ
プ)を、透過表示部Teの液晶層10の厚さT(透過部
セルギャップ)の2分の1に制御し、反射表示部Reと
透過表示部Teとにおける光路長を一致させることで優
れた表示品位を確保している。
【0038】また、基板1と対向するように配置された
基板2の液晶層10側には、画素部3における対向電極
として、たとえばITO膜等から形成された透明電極4
が形成されている。さらに、基板1,2上には、液晶分
子を配向させるためポリイミド等の有機膜で構成される
配向膜(不図示)が形成され、この配向膜には所定のラ
ビング処理が施されている。また、基板1または基板2
の何れかにおいてカラーフィルタ層(不図示)などが形
成されていても良い。
【0039】なお、このように配線3b、3f、透過電
極3a、反射電極3dなどが形成された基板1や、透明
電極4などが形成された基板2は、公知の方法を用いて
作製することができる。
【0040】次に、基板1,2の少なくとも一方の液晶
層側において、基板間隔を所定の間隔に保つためのセル
内スペーサー5が設けられる。このセル内スペーサー5
の設置方法としては、例えば、プラスチックあるいはシ
リカ製の直径2.5〜3.0μmの球状スペーサーを一
定量の溶剤に混入し、100(個/mm2)程度均一に
散布する方法や、アクリル製感光樹脂を用いてフォトリ
ソグラフィ技術により予め所定の寸法および場所に柱状
スペーサーを形成する方法を用いることができる。
【0041】次に、セル内スペーサ−5が設けられた基
板1および基板2を、間隔を開けて貼り合わせる。この
貼り合わせを行なうために、まず、基板1,2の少なく
とも一方に、直径6.0〜6.5μmのボール状のシー
ル内スペーサー7を添加した熱硬化型エポキシ系シール
樹脂6(図2参照)を、スクリーン印刷法またはディス
ペンサ塗布法などにより、所定の位置(典型的には基板
の周縁部)に塗布する。ただし、その後の工程において
液晶を注入するために、基板周縁部の一部においてシー
ル樹脂6が形成されない部分を設けておく。
【0042】次に、高圧プレス機によってシール樹脂6
を加熱し、これを硬化させることで、基板1,2を互い
に対して固定する。これらの基板1,2間には、液晶層
10を保持するための実質的に密封された空間が形成さ
れる。
【0043】次に、真空注入法(図4参照)によって、
基板1,2間に設けられた空間内に液晶材料8を注入す
る。図2(a)はその注入後のパネルの断面を示してい
る。このとき、液晶の注入時間を比較的長く設定してい
るため、液晶材料8が過剰に注入されたパネルは、その
中央部が太鼓腹のように膨らみ、この部分において基板
1と基板2との間隔が特に広くなる。このときのパネル
中央部における基板1と基板2との間隔をT[μm]とす
る。なお、パネル中央部は、パネルにおける、液晶注入
工程後に基板間隔が最も広くなる部分を含むものとし、
基板間隔T[μm]は、典型的には、一対の基板1,2間
の最大間隔を指すものとする。また、上述のように、基
板1,2の表面上には層間絶縁層3cや透明電極4など
が形成されているが、基板間の間隔という場合、基板1
の表面から基板2の表面までの距離を指すものとする。
【0044】次に、基板1および2を外側から加圧する
ことによって、余分な液晶材料8をパネル外へと排出す
るとともに、基板間の間隔の調節を行なう。この加圧方
法としては、図5および図6を用いて説明したような、
気体を使う方法や剛体を使う方法を採用することができ
る。その後、液晶注入口に樹脂を塗布し、これを硬化さ
せることによって、注入口を封止する。
【0045】図2(b)は、このようにして作製された
液晶パネルの断面を示す。なお、このときのパネル中央
部における基板1,2間の間隔をt[μm]とする。
【0046】なお、上記基板間隔Tおよびtは、例え
ば、パネルの裏面より白色光を当てて、表面での吸収ス
ペクトルを検出することにより、リターデーション(Δ
n・d)を測定し、この値を液晶材料の屈折率異方性Δ
nの値で割ることによってセルギャップを求めることに
よって得ることができる(回転検子法:Mol Cry
Liq Cryst Letters Vol.4(3
−4)pp.69−75(1987)参照)。
【0047】本実施形態では、上述の加圧工程における
加圧条件(圧力、加圧時間、昇圧速度等)を適切に調節
することによって、基板間隔変化率Δd(>0)=
{(T−t)/T}×100の値が、0.5%以上3.
5%以下となるようにしている。例えば、図5に示した
ように気体を用いて加圧を行なう場合、ガスの注入およ
び排気により加圧室24内の圧力の時間変化を適切に制
御することによって、基板間隔変化率Δdを0.5%以
上3.5%以下にすることができる。
【0048】図2(c)は、この基板間隔変化率Δdの
値と表示品位との関係を示す。基板間隔変化率Δdが
0.5%より小さい(図2(c)のNG領域A)場合、
液晶注入工程にて過剰に注入された液晶材料の加圧封止
工程での押し出し量が不十分なため、パネル内に余分な
液晶量が存在する。このため、図7に示したように、高
温環境下でのパネル縦置状態で、液晶だれによるセルギ
ャップムラが発生する。
【0049】また、基板間隔変化率Δdが3.5%より
大きい(図2(c)のNG領域B)場合、液晶注入工程
にて過剰に注入された液晶材料の加圧封止工程での押し
出し量が過多なため、パネル内の減圧状態が強くなる。
本発明者の実験によれば、基板間隔変化率Δdが3.5
%より大きい場合に、低温環境下(例えばマイナス40
℃)で6時間放置すると、液晶材料の体積収縮によって
パネル内に間隙が発生する事がわかった。
【0050】これに対して、本実施形態のように、基板
間隔変化率Δdを0.5%以上3.5%以下に設定した
場合、60℃以上の雰囲気中において、パネル縦置き状
態(すなわち、地面から30°以上傾けた状態)にして
十分長い時間(例えば、3時間)放置した後でも、液晶
だれによるセルギャップムラは発生しなかった。本発明
者の測定によれば、このときの基板間の最大距離(パネ
ルの下側部分)と最小距離(パネルの上側部分)との差
は、常温(25℃)における基板間の距離の平均値の1
%以下であった。また、低温環境下(例えばマイナス4
0℃)に長時間置いた場合にも、パネル内に間隙が発生
する事はなかった。
【0051】このようにして形成された透過反射両用型
の液晶パネル100は、電界制御複屈折方式による表示
モードを利用して動作するが、画素毎に透過表示部およ
び反射表示部のセルギャップが適切に設定されているた
め、良好な表示を行なうことができる。また、高温(6
0℃以上)環境下でのセルギャップムラの発生と、低温
(−40℃以下)環境下でのパネル内間隙の発生との両
方を抑制することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液晶パネル内に液晶材料を注入した後、これを外から加
圧するときに、パネル内の液晶量が過剰でも不足でもな
いように最適化される。これにより、パネル全体におけ
るセルギャップのバラツキを抑制し、かつ、高温および
低温の環境下においても表示品位に優れた高信頼性を有
する液晶パネルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶パネルの一部を示
す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)X−X'
断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る液晶パネルの製造方法
を説明するための図であり、(a)は液晶注入後を示す
断面図、(b)は加圧封止後の断面図、(c)は基板間
隔変化率と表示品位との関係を示す図である。
【図3】液晶注入前のパネルを示す図であり、(a)は
平面図、(b)は(a)のA−A' 断面図である。
【図4】液晶真空注入法の説明図であり、(a)〜
(d)はそれぞれ別の工程を示す。
【図5】加圧封止工程(エアーによる加圧)の説明図で
あり、(a)〜(d)はそれぞれ別の工程を示す。
【図6】加圧封止工程(剛体による加圧)の説明図であ
り、(a)〜(d)はそれぞれ別の工程を示す。
【図7】高温環境下(パネル縦置時)における液晶パネ
ルを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の
B−B' 断面図である。
【図8】低温環境下における液晶パネルを示す図であ
り、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C' 断面
図である。
【符号の説明】
1、11、11a、11b 第1の基板 Te 透過表示部、 Re 反射表示部 12、12a、12b 第2の基板 3a 透過電極、 3b 信号配線、 3c 層間絶縁
層 3d 反射電極、 3e 液晶駆動用素子、 3f 走
査配線 3 画素部 T 透過部セルギャップ、 R 反射部セルギャップ 4 透明電極 5、14 セル内スペーサー 6、13 シール樹脂 7 シール
内スペーサー 8、22 液晶材料 9 封止樹
脂 15 液晶注入口 16 パネル
内空気 21 液晶注入前のパネル構造体 21a 液晶注入直後のパネル構造体 21b 加圧封止中のパネル構造体 23 注入装置 24 加圧室 25 剛体加圧器 30 高温環境下でのセルギャップムラ発生領域(パネ
ル下部) 31 高温環境下でのセルギャップムラ発生領域(パネ
ル上部) 32 低温環境下でのパネル内気泡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 敢 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 青木 直 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 井上 哲也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 FA02 FA30 HA01 HA16 HA18 HA28 JA05 JA13 MA17 2H089 LA01 LA07 LA19 LA21 LA41 NA25 QA14 RA05 RA10 TA01 TA12 TA14 TA15 TA18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板と、前記一対の基板間に挟持
    された液晶層とを備える液晶パネルの製造方法であっ
    て、 前記一対の基板間において密封された空間が形成される
    ように、前記一対の基板を所定の間隔を開けて互いに対
    して固定する工程と、 前記一対の基板間に形成された前記空間内に液晶材料を
    充填する工程と、 前記液晶材料が充填された前記一対の基板を外側から加
    圧することによって前記一対の基板間の間隔を調節する
    工程とを包含し、 前記一対の基板間の間隔を調節する工程は、前記液晶パ
    ネルの中央部における加圧前の前記一対の基板間の距離
    をTとし、前記液晶パネルの中央部における加圧後の前
    記一対の基板間の距離をtとした場合に、基板間隔変化
    率Δd=(T−t)/T×100が、0.5%〜3.5
    %になるように行なわれる液晶パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一対の基板のうちの一方の基板の前
    記液晶層側において画素部に対応するように凸部を形成
    する工程をさらに包含し、これによって、前記画素部の
    それぞれにおいて複数のセルギャップが形成される請求
    項1に記載の液晶パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記画素部は反射部と透過部とを有し、
    前記複数のセルギャップは、前記反射部と前記透過部と
    に対応している請求項2に記載の液晶パネルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記液晶材料を充填する工程は、真空注
    入法を用いて行なわれる請求項1から3のいずれかに記
    載の液晶パネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 一対の基板と、前記一対の基板間に挟持
    された液晶層とを備える液晶パネルであって、 60℃以上の雰囲気中で、地面に対して30°以上傾け
    て置いた場合における前記一対の基板間の最大距離と最
    小距離との差が、25℃の雰囲気中に置いた場合におけ
    る前記一対の基板間の距離の平均値の1%以下であるこ
    とを特徴とする液晶パネル。
  6. 【請求項6】 前記一対の基板のうちの一方の基板の前
    記液晶層側において画素部に対応するように設けられた
    凸部をさらに有し、これによって、前記画素部において
    複数のセルギャップが形成されている請求項5に記載の
    液晶パネル。
  7. 【請求項7】 前記画素部は反射部と透過部とを有し、
    前記複数のセルギャップは、前記反射部と前記透過部と
    に対応している請求項6に記載の液晶パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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