JP2011180362A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性の向上および落球試験や曲げ試験をクリアできる、耐衝撃性、耐曲げ性の向上を図り、信頼性を向上させた表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置は、電気泳動表示パネル2と、電気泳動表示パネル2の表示面側に配置される第1フレーム51と、電気泳動表示パネル2の第1フレーム51とは反対側に配置される第2フレーム52と、を有する保護ケース5と、少なくとも第1フレーム51の電気泳動表示パネル2と対向する領域に凹凸部55が設けられているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関するものである。
従来の電気泳動表示機能を有するICカードの構造としては、一般的に、防水シートで電気泳動デバイスを覆った電気泳動表示モジュールをカードフレーム(保護ケース)の中に入れたものや、カードフレーム内の空間に敷居を設けて防水性を有した樹脂でモールドした構造が知られている。
特開2005−301795号公報
上記構成の場合、以下のような問題があった。
まず、カードフレーム内に収容されている電気泳動デバイスが樹脂によってモールドされていることから、カードフレームの上下フレームを熱融着で接合させる際にモールド樹脂にかかる熱ストレスによって、電気泳動デバイスが表示劣化や信頼性に不具合が引き起こされる場合がある。
また、図7(a)に示すように、電気泳動デバイス500に対して落球試験を行った場合、落球501の衝撃で電気泳動層のマイクロカプセルが壊れたり、表示異常が起きてしまう。
また、上記したモールド樹脂が耐湿性が高く柔軟性を有する樹脂ではないことから、図7(b)に示すような曲げ試験を行った場合、曲げ応力によって電気泳動デバイス500に表示異常が生じてしまう。ひどい場合には、駆動基板が割れてしまうなどという不具合が生じていた。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、耐熱性の向上および落球試験や曲げ試験をクリアできる、耐衝撃性、耐曲げ性の向上を図り、信頼性を向上させた表示装置を提供することを目的の一つとしている。
本発明の表示装置は、上記課題を解決するために、表示パネルと、前記表示パネルの表示面側に配置される第1フレームと、前記表示パネルの前記第1フレームとは反対側に配置される第2フレームと、を有する保護ケースと、を有し、少なくとも前記第1フレームの前記表示パネルと対向する領域に凹凸部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、第1フレームの表示パネルと対向する領域に設けられた凹凸部によって、例えば第1フレームと第2フレームとを熱融着により接合させて保護フレームを形成する際、その融着熱が表示パネルに伝わることが抑制されて、表示パネルの熱によるダメージを低減することができる。これにより、電気泳動装置の耐熱性が向上し、表示劣化のない信頼性に優れたものとなる。
また、前記凹凸部が前記表示パネルに当接していることが好ましい。
本発明によれば、凹凸部が表示パネルに当接していることから、凹凸部によって保護ケース内に収容された表示パネルを支持することができる。また、凹凸部が表示パネルに当接しているだけで固定されていないので、曲げ試験において凹凸部が表示パネル上を摺動することとなり、表示パネルに対する曲げ応力を低減することが可能となる。
また、前記凹凸部が弾性材料からなることが好ましい。
本発明によれば、凹凸部が弾性材料からなることから、落球試験時の落球の衝撃を吸収することができるとともに、曲げ試験時において表示パネルの曲げ応力を低減することができる。これにより、表示不良や表示パネルの破損などを防ぐことができる。
また、前記凹凸部が伝熱抵抗の低い材料からなることが好ましい。
本発明によれば、凹凸部が伝熱抵抗の低い材料からなっていることから、保護ケースの融着熱が表示パネルに伝わるのを防いで、表示パネルに対する熱ダメージを低減できる。
また、前記凹凸部が前記第2フレームの少なくとも前記表示パネルと対向する領域に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、第1フレームだけでなく第2フレームにも凹凸部を設けることにより、表示装置の表示面側を凹状態に曲げたときの曲げ応力を低減できるほか、表示装置の裏面側を凹状態に曲げたときの曲げ応力も低減することが可能となる。これにより、耐曲げ性がより向上する。
また、前記凹凸部を構成する複数の凸部の形状が円錐形状、中空形状、半球形状のいずれかからなることが好ましい。
本発明によれば、例えば凹凸部を構成する複数の凸部の形状が円錐形状や半球形状であった場合には、表示パネルに対して点接触となり曲げ試験において表示パネルに当接している凹凸部の摩擦を低減できる。
また、前記凹凸部を構成する複数の凸部の平面形状が、円形状、楕円形状、四角形状、ストライプ形状のいずれかであることが好ましい。
本発明によれば、例えば、凹凸部の平面形状を円形状、楕円形状、四角形状にすることにより、表示装置の等方的な曲げに有効となり、ストライプ形状にすることで特定方向の曲げに有効となる。
また、前記伝熱抵抗の低い材料がマイクロ気泡を内在させた有機材料であることが好ましい。
本発明によれば、凹凸部の断熱性をより高めることができる。
また、表示パネルが一対の基板間に電気泳動層を挟持してなる電気泳動表示パネルであることが好ましい。
本発明によれば、表示パネルが電気泳動表示パネルであることから、落球試験や曲げ試験等において電気泳動層の破損が防止されるので高信頼性の表示装置が得られる。
第1実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。 電気泳動表示パネルの概略構成を示す断面図。 第2実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。 第3実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。 第4実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。 電気泳動表示装置に対して曲げ試験を行った際の様子を示す説明図。 (a)電気泳動表示装置に対する落球試験の様子、(b)電気泳動表示装置に対する曲げ試験の様子。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[第1実施形態]
図1は、本発明の表示装置の一実施形態である電気泳動表示装置の全体構成を示している。図2(a)は、電気泳動表示パネル2の概略構成を示す断面図であって、図2(b)は、マイクロカプセルの概略構成を示す断面図である。
電気泳動表示装置(表示装置)100は、図1に示すように、電気泳動表示パネル2(表示パネル)と、フレキシブル基板3と、駆動回路基板4と、が保護ケース5内に収容された構成となっている。電気泳動表示パネル2にはフレキシブル基板3を介して駆動回路基板4が接続されている。
電気泳動表示パネル2は、図2(a)に示すように、透明基板14(第1基板)と素子基板15(第2基板)との間に複数のマイクロカプセル20を配列してなる電気泳動層32が挟持されて構成されている。この電気泳動表示パネル2はその表裏面が一対の防湿シート12,13によって覆われている。
素子基板15は、ガラスやプラスチック等からなる基板であり、画像表示面とは反対側に配置されるため透明なものでなくてもよい。素子基板15の表面上には、不図示の選択トランジスタ、走査線、データ線などが形成された回路層(不図示)が形成されており、この回路層の最表層に画素電極35が配列形成されている。画素電極35は、MgAg、ITO、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)などから形成された透明電極である。
本実施形態では、素子基板15として、厚さ100μmの無アルカリガラスAN100(旭硝子社製)を用いている。
一方、透明基板14は、ガラスやプラスチック等からなる基板であり、画像表示側に配置されるため透明基板とされる。透明基板14の電気泳動層32側には複数の画素電極35と対向する共通電極(図示略)が形成されており、共通電極上に電気泳動層32が設けられている。共通電極は、画素電極35とともに電気泳動層32に電圧を印加する電極であり、MgAg(マグネシウム銀)、ITO(インジウム・スズ酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)などから形成された透明電極である。
電気泳動層32は、透明基板14と、透明基板14上に固定された複数のマイクロカプセル20とにより電気泳動シートとして取り扱われるのが一般的である。製造工程において、電気泳動シートは接着層の表面に保護用の離型シートが貼り付けられた状態で取り扱われる。そして、別途製造された素子基板15(画素電極35や各種回路などが形成されている)に対して離型シートを剥がした電気泳動シートを貼り付けることによって表示部7が形成される。本実施形態における電気泳動層32の厚さは約230μmである。
マイクロカプセル20は、図2(b)に示すように、例えば50μm程度の粒径を有しており、内部に分散媒21と、複数の白色粒子(電気泳動粒子)27と、複数の黒色粒子(電気泳動粒子)26とを封入した球状体である。マイクロカプセル20は、共通電極と画素電極35とで挟持され、1つの画素40内に1つ又は複数のマイクロカプセル20が配置される。
マイクロカプセル20の外殻部(壁膜)は、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルなどのアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアゴムなどの透光性を持つ高分子樹脂などを用いて形成される。
分散媒21は、白色粒子27と黒色粒子26とをマイクロカプセル20内に分散させる液体である。分散媒21としては、水、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、脂肪族炭化水素(ぺンタン、ヘキサン、オクタンなど)、脂環式炭化水素(シクロへキサン、メチルシクロへキサンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、長鎖アルキル基を有するベンゼン類(キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンなど))、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなど)、カルボン酸塩などを例示することができ、その他の油類であってもよい。これらの物質は単独又は混合物として用いることができ、さらに界面活性剤などを配合してもよい。
白色粒子27は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば負に帯電されて用いられる。黒色粒子26は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば正に帯電されて用いられる。
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンドなどの粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤などを添加することができる。
また、黒色粒子26および白色粒子27に代えて、例えば赤色、緑色、青色などの顔料を用いてもよい。かかる構成によれば、表示部7に赤色、緑色、青色などを表示することができる。
防湿シート12,13は、無機膜が形成された複数のフィルムが接着剤を介して積層されてなる多層フィルムタイプの防湿シートであって、例えば、シリカやアルミナ等の透明で且つ防湿性を有する無機膜をポリカーボネートやPETのような有機フィルムに形成することによって防湿性能を付加したフィルムを用いる。
防湿シート12は電気泳動表示パネル2の画像表示面側であって透明基板14の外面14b(電気泳動層32とは反対側の面)上に配置され、防湿シート13は素子基板15の外面15b(電気泳動層32とは反対側の面)上に配置され、各々が不図示の接着剤を介して各基板と貼り合わされている。
これら防湿シート12,13の周縁部同士の間には封止材18が配置されている。具体的には、透明基板14および素子基板15から張り出した3辺の辺縁部どうしの間、および素子基板15のフレキシブル基板3が接続される側の辺15aにおいて透明基板14から張り出した防湿シート12の辺縁部とこれに対向する素子基板15の領域どうしの間に封止材18が配置されている。封止材18の材料としては、例えばエポキシ樹脂などの樹脂材料が挙げられる。
このような構成の電気泳動表示パネル2は、図1に示すような保護ケース5内に収容されてその全体が封止されている。
保護ケース5は、板状の第1フレーム51と、有底箱型を呈する第2フレーム52とからなり、第1フレーム51と第2フレーム52とによって形成される収容空間K1内に、フレキシブル基板3を介して駆動回路基板4と接続された電気泳動表示パネル2が収容されている。ここで、駆動回路基板4は、第2フレーム52に形成された別の収容空間K2内に収容されている。
第1フレーム51と第2フレーム52とは電気泳動表示パネル2を挟み込むようにして配置されて保護ケース5を構成するもので、ポリカーボネイト(PC)、塩化ビニル(PVC)あるいはPET等のシート材からなる。ここで、第1フレーム51は電気泳動表示パネル2の表示面側に配置され、第2フレーム52は電気泳動表示パネル2の表示面とは反対側の裏面側に配置され、各々の周縁部どうしが熱融着によって接合されている。
第2フレーム52には、上記電気泳動表示パネル2等を収容するための凹部52Aが形成されており、電気泳動表示パネル2の大きさや別の収容空間K2内に収容されている駆動回路基板4の大きさ、数などに応じて適宜変更が可能である。第1フレーム51は、上記凹部52Aの開口側を塞ぐようにして第2フレーム52上に載置される。
本実施形態では、第1フレーム51の内側に凹凸部55が設けられている。
凹凸部55は、少なくとも第1フレーム51の内面51a(電気泳動表示パネル2側の面)であって電気泳動表示パネル2と対向する領域に形成されている。本実施形態においては、電気泳動表示パネル2と対向する領域Bよりも広い領域Aに形成されている。
凹凸部55は所定の高さを有する円錐形状の凸部55Aが多数配列されてなるもので、伝熱抵抗の低い材料(例えば、マイクロ気泡を内在させた有機材料等)を用いて形成されている。また、各凸部55Aがゴムのような柔軟性や弾性を合わせ持った構成となっていることから、電気泳動表示パネル2の緩衝材としても機能する。これら複数の凸部55Aの先端部分は電気泳動表示パネル2に当接しており弾性変形した状態で電気泳動表示パネル2を支持している。これら凸部55Aは電気泳動表示パネル2に接触しているだけで固定されてはいない。
第1フレーム51の内面51aは、その周りを取り囲むようにして第1フレーム51の周縁部に設けられた接合面51eとフレームの厚さ方向における高さ位置が異なっている。第1フレーム51の板厚は凹凸部55が設けられたことによって、つまり凸部55Aの間に凹部55Bが存在することにより周縁部に比べて中央部の厚みが部分的に薄くなっている。このような構成により第1フレーム5の変形が許容されている。
なお、各凸部55Aの高さ(凹部55Bの深さ)や配置間隔等は適宜設定される。
本実施形態の電気泳動表示装置100は、電気泳動表示パネル2や駆動回路基板4を第2フレーム52の凹部52A内に配置して固定した後、第2フレーム52と第1フレーム51とを熱融着させて保護ケース5を得ることになるが、融着用の熱は、凹凸材料の低伝熱性だけでなく、凹凸部55を構成する各凸部55Aの形状により電気泳動表示パネル2への熱伝導はさらに抑えられる。つまり、凹凸部55の各凸部55Aは電気泳動表示パネル2に対して点接触となることから、フレームの内面全体が電気泳動表示パネルに接触していた従来の構成に比べて伝熱量を大幅に低減できる。また、本実施形態の凹凸部55と電気泳動表示パネル2との間に形成される隙間において放熱効果が得られる。
これにより、従来の構成に比べて格段に電気泳動表示パネル2に対する熱ストレスを低減することができるので、表示劣化を生じさせることなく信頼性が高まる。
本実施形態の構成によれば、落球試験において落球の衝撃を凹凸部55の弾性変形で吸収することができる。
また、曲げ試験に対しても例えば保護ケース5の第1フレーム51側が凹状態になる曲げの場合、電気泳動表示パネル2の中央部、つまり凹凸部55の中央部の凸部55Aが周辺部の凸部55Aに比べて弾性変形することで、保護ケース5の曲げ曲率半径より電気泳動表示パネル2の曲率半径の方が大きくなり、電気泳動表示パネル2の曲げ応力が低減される。これにより、電気泳動表示装置100の表示異常が低減し、安定した表示が行える。
また、凹凸部55の各凸部55Aは電気泳動表示パネル2に当接しているだけで固着されてはいないため、電気泳動表示装置100を曲げた際に凸部55Aが電気泳動表示パネル2の対向基板31の表面上を摺動することになる。このため、凸部55Aが効率よく変形して電気泳動表示パネル2の曲げを低減させることができる。
また、凸部55Aは円錐形状を呈しているので電気泳動表示パネル2に対して点接触することになり、電気泳動表示パネル2に対する各凸部55Aの接触面積が小さい。このため、電気泳動表示装置100を曲げた際に凸部55Aが電気泳動表示パネル2上を摺動する際の摩擦が低減される。よって、各凸部55Aが曲げ力に応じて効率よく変形して電気泳動表示パネル2の曲げを低減させることができる。
したがって、本実施形態の構成によれば、落球試験や曲げ試験をクリアできる、耐熱性、耐衝撃性、耐曲げ性が向上されて、高信頼性の電気泳動表示装置100が得られる。このような電気泳動表示装置100は、ICカードとして好適に用いることが可能である。
なお、凹凸部55は、少なくとも第1フレーム51の内面51aにおける電気泳動表示パネル2と対向する領域に凹凸部55が設けられていればよいので、例えば、第1フレーム51の内面51aにおける電気泳動表示パネル2と対向する領域のみに設けられていてもいいし、第1フレーム51の内面51aにおける電気泳動表示パネル2と対向する領域を含む第2フレーム52(凹部52A)の開口面積に対応する領域に設けられていてもよい。
[第2実施形態]
図3は、本発明の表示装置にかかる第2実施形態の電気泳動表示装置200の概略構成を示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置200は、少なくとも第1フレーム51の内面51aであって電気泳動表示パネル2と対向する領域に凹凸部65が形成されている。
凹凸部65は複数の中空の立方体アレイ形状とされており、具体的には、内部が中空とされた平面視円形状の凸部65Aが多数配列されてなる。
第1フレーム51は、板材51Aの一面側に上記凸部65Aの形状に対応してエンボス加工されたフィルムが貼り付けられて構成されている。フィルムの材料としてはPETなどが用いられる。ここで、凸部65Aの平面形状は円形状や四角形状あるいはそれ以外の形状であってもよい。
上述したように、本実施形態の電気泳動表示装置200は中空の凸部65Aが多数配列されてなる凹凸部65が設けられている。この凸部65A内の空気層により、第1フレーム51と第2フレーム52とを接合する際の融着熱が電気泳動表示パネル2へ伝熱するのを遮断することができ、電気泳動表示パネル2に対する熱ストレスを無くすことができる。
また、凸部65Aの空気層によって落球試験の衝撃を効果的に吸収することができる。
また、凸部65Aの柔軟な弾性変形によって曲げ試験時における電気泳動表示パネル2の曲げ応力を低減することができるので、表示異常を防止することが可能となる。
[第3実施形態]
図4は第3実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置300は、少なくとも第1フレーム51の内面51aであって電気泳動表示パネル2の対向する領域に凹凸部75が形成されている。
凹凸部75は複数の半球形状の凸部75Aが多数配列されてなり、各凸部75Aの頂部qが電気泳動表示パネル2に当接している。各凸部75Aは半球形状を呈しているためレンズ作用を有する。
このように、各凸部75Aにレンズ作用を持たせることによって、電気泳動表示パネル2の表示画像を拡大したり縮小させたりして視認性を向上させることが可能である。
[第4実施形態]
図5は第4実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置400では、少なくとも第1フレーム51の内面51aであって電気泳動表示パネル2の対向する領域に所定の高さで突出する凸部85Aが多数配列されてなる凹凸部85が形成されている。さらに本実施形態では、第1フレーム51側だけでなく第2フレーム52側にも凹凸部86が形成されている。この凹凸部86は、第2フレーム52の凹部52Aの底面52cの少なくとも電気泳動表示パネル2が載置される領域に、第1フレーム51側と同様、所定の高さで突出する凸部86Aが多数配列されて構成されている。凸部85A、86Aの幅(直径)やピッチ等は適宜設定され、図5に示すように互いに異なっていてもいいし、同様の構成をなしていてもよい。
このように、第1フレーム51側だけでなく第2フレーム52側にも凹凸部86を設けることによって、電気泳動表示装置100の表示面側が凹状態になる曲げに対応するだけでなく、裏面側が凹状態になる曲げにも対応することができる。
よって、本実施形態の電気泳動表示装置400によれば、保護ケース5を完成させるための熱融着時の断熱と、落球試験での衝撃緩和作用は当然有する機能であるとともに、特に曲げに対しては大きな効果が発揮され、電気泳動表示パネル2の上下方向(厚さ方向)への曲げに対する応力を低減することができる。これにより、電気泳動表示装置400の表示異常を格段に減らすことができる。よって、より信頼性の高い電気泳動表示装置400が得られる。
図6は、電気泳動表示装置400を曲げたときの内部の変形状態を示す断面図である。
図6に示す電気泳動表示装置400において、表示面側(第1フレーム51側)が凹状態となるように曲げられると、保護ケース5の第1フレーム51および第2フレーム52にそれぞれ設けられた凹凸部85,86が変形する。凹凸部85は隣り合う凸部85Aの頂部85qどうしを離間させるようにして変形し、凹凸部86は隣り合う凸部86Aの頂部86qどうしを近接させるようにして変形する。その結果、電気泳動表示パネル2の曲率半径が保護ケース5の第1フレーム51の曲率半径に比べて大きくなっており、電気泳動表示パネル2への曲げ応力が大幅に改善されているのが分かる。なお、図示は省略するが、電気泳動表示装置400の裏面側(第2フレーム52側)が凹状態となるように曲げた際も凹凸部85,86が変形することによって、電気泳動表示パネル2の曲げ応力が大幅に改善されることはもちろんのことである。
以上、各実施形態において述べたように、電気泳動表示パネル2を収容する保護ケース5の内部に低伝熱性材料からなる凹凸部55,65,75,85,86を設けたことによって、保護ケース5を作成する際に第1フレーム51と第2フレーム52とを熱融着させて接合する際、その融着熱による熱のダメージを凹凸部55,65,75,85,86によって断熱することで電気泳動表示パネル2に対する熱ダメージを低減することができる。
また、落球試験において、凹凸部55,65,75,85,86が弾性変形することにより、落球の衝撃を緩和することが可能となる。これにより、電気泳動表示パネル2のマイクロカプセルが壊れたりすることがなく、耐衝撃性が高められる。
また、曲げ試験において、電気泳動表示装置が曲げられた際に、凹凸部がその曲げに応じて変形するので、電気泳動表示パネル2の曲げの半径曲率を保護ケース5自体のそれよりも大きくすることができる。これにより、電気泳動表示パネル2の曲げが低減されて表示異常が生じるのを防止でき、良好な表示が行える。
したがって、上記各実施形態における電気絵動表示装置は、耐熱、耐衝撃性、耐曲げ性が向上された信頼性の高いものとなり、ICカードへ効果的に応用することかできる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、先の実施形態では、第1フレーム51の内面51aの少なくとも電気泳動表示パネル2と対向する領域に凹凸部55を設けるとしたが、第2フレーム52との接合部分以外の領域全体に設けられていてもよい。同様に、第2フレーム52の凹部52Aの底面52c全体に凹凸部55が設けられていてもよい。
また、先に記載した各実施形態では、板状の第1フレーム51と、電気泳動表示パネル2等を収容するための凹部52Aを有する第2フレーム52と、により保護ケース5が構成されているが、板状の第1フレームとこれに対向する板状の第2フレームとの間に、電気泳動表示パネル2等を収容するための貫通孔を有する第3フレームを配置してなる保護ケースを用いてもよい。この場合には、板状の第1フレームおよび第2フレームのうちのいずれかあるいは各フレームの内面における少なくとも電気泳動表示パネル2と対向する領域に凹凸部を形成する。
また、先の各実施形態では、凹凸部の形状が円錐形状、中空形状、半球形状のいずれかからなる構成について述べたが、内部が中空とされた円錐形状、半球形状であってもよい。
また、凹凸部の平面形状が円形状、楕円形状、四角形状、ストライプ形状のいずれかからなっていてもよい。凹凸部の平面形状を円形状、楕円形状、四角形状とすることで等方的な曲げに有効となり、ストライプ形状とすることで特定方向(凸部の配列方向)への曲げに有効となる。
100,200,300,400…電気泳動表示装置(表示装置)、2…電気泳動表示パネル(表示パネル)、5…保護ケース、30…素子基板、31…対向基板、32…電気泳動層、51…第1フレーム、52…第2フレーム、55,65,75,85…凹凸部、55A、65A,75A、85A,86A…凸部、1100…電子ペーパー(電子機器)、1200…電子ノート(電子機器)

Claims (9)

  1. 表示パネルと、
    前記表示パネルの表示面側に配置される第1フレームと、前記表示パネルの前記第1フレームとは反対側に配置される第2フレームと、を有する保護ケースと、を有し、
    少なくとも前記第1フレームの前記表示パネルと対向する領域に凹凸部が設けられていることを特徴とする表示装置。
  2. 前記凹凸部が前記表示パネルに当接していることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記凹凸部が弾性材料からなることを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
  4. 前記凹凸部が伝熱抵抗の低い材料からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
  5. 前記凹凸部が前記第2フレームの少なくとも前記表示パネルと対向する領域に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
  6. 前記凹凸部の形状が円錐形状、中空形状、半球形状のいずれかからなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
  7. 前記凹凸部の平面形状が円形状、楕円形状、四角形状、ストライプ形状のいずれかであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
  8. 前記伝熱抵抗の低い材料がマイクロ気泡を内在させた有機材料であることを特徴とする請求項4記載の表示装置。
  9. 前記表示パネルが一対の基板間に電気泳動層を挟持してなる電気泳動表示パネルであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の表示装置。
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