JP2009229523A - 電気泳動表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】防湿性が高く、環境の変化に対して信頼性の高い電気泳動表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】透明基板上に電気泳動層及び接着層が設けられた電気泳動シートを素子基板の表示領域上に前記接着層を介して貼り合わせる工程と、前記透明基板の表面及び前記素子基板の表面のうち少なくとも一方に防湿フィルムを貼り付ける工程と、前記電気泳動層の露出部分を覆うと共に前記透明基板、前記素子基板及び前記防湿フィルムに接するように封止材を形成する工程とを備え、前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記防湿フィルムのうち少なくとも前記封止材に接する領域を支持部材によって支持した状態で前記防湿フィルムを貼り付ける。
【選択図】図5
【解決手段】透明基板上に電気泳動層及び接着層が設けられた電気泳動シートを素子基板の表示領域上に前記接着層を介して貼り合わせる工程と、前記透明基板の表面及び前記素子基板の表面のうち少なくとも一方に防湿フィルムを貼り付ける工程と、前記電気泳動層の露出部分を覆うと共に前記透明基板、前記素子基板及び前記防湿フィルムに接するように封止材を形成する工程とを備え、前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記防湿フィルムのうち少なくとも前記封止材に接する領域を支持部材によって支持した状態で前記防湿フィルムを貼り付ける。
【選択図】図5
Description
本発明は、電気泳動表示装置の製造方法に関する。
近年、電子ペーパーや時計の文字盤などの表示部として、電気泳動表示装置が用いられるようになった。電気泳動表示装置は、複数の電気泳動粒子を液相分散媒に分散させた電気泳動分散液を含む電気泳動層を有し、当該電気泳動層に電界を印可することにより、該電気泳動粒子の分布状態が変化して該電気泳動分散液の光学特性が変化することを表示に利用した装置である。電気泳動表示装置の具体的な構成としては、複数の画素電極や素子が形成された素子基板の表示領域に電気泳動シートが貼り付けられ、当該電気泳動シート上に保護基板が貼り合わされた構成が知られている。
電気泳動シートはITOなどの透明電極が蒸着された透明シート上に電気泳動層及び接着層が形成された構成になっている。電気泳動層としては、例えば、電気泳動粒子を含む電気泳動分散液が封入された複数のマイクロカプセルを当該シート一面に敷き詰めた構成が挙げられる。
マイクロカプセルを有する電気泳動表示装置は、当該マイクロカプセルに保持される水分が多すぎても少なすぎても表示特性に悪影響を及ぼしてしまうという問題があった。また、電気泳動層の封止構造が不十分な状態では、電気泳動表示装置の使用環境の温湿度変化によって表示特性が劣化しやすくなってしまうという問題もあった。このため、電気泳動表示装置の周辺からの水分の出入りを極力減らした防湿性の高い封止構造の確立が求められていた。例えば、特許文献1に記載されているように、電気泳動表示装置を構成する基板の端部に余剰部位が設けられるように防湿フィルムを貼り付け、当該防湿フィルムの間に防湿樹脂を設けることによって、防湿性を確保する手法が提案されていた。
特開2007−72128号公報
しかしながら、特許文献1の構成においては、軟質の防湿フィルムを貼り付ける際に、防湿フィルムと防湿樹脂との界面において防湿フィルムのヨレなどによって隙間が形成されやすく、密閉性が不十分になってしまいやすいという問題があった。このため、十分な防湿性を得ることができず、環境の変化に影響を受けやすい構成になってしまう虞があった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、防湿性が高く、信頼性の高い電気泳動表示装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法は、透明基板上に電気泳動層及び接着層が設けられた電気泳動シートを素子基板の表示領域上に前記接着層を介して貼り合わせる工程と、前記透明基板の表面及び前記素子基板の表面のうち少なくとも一方に防湿フィルムを貼り付ける工程と、前記電気泳動層の露出部分を覆うと共に前記透明基板、前記素子基板及び前記防湿フィルムに接するように封止材を形成する工程とを備え、前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記防湿フィルムのうち少なくとも前記封止材に接する領域を支持部材によって支持した状態で前記防湿フィルムを貼り付けることを特徴とする。
本発明によれば、透明基板上に電気泳動層及び接着層が設けられた電気泳動シートを素子基板の表示領域上に接着層を介して貼り合わせ、当該透明基板の表面及び当該素子基板の表面のうち少なくとも一方に防湿フィルムを貼り付け、電気泳動層の露出部分を覆うと共に透明基板、素子基板及び防湿フィルムに接するように封止材を形成する一連の製造過程の中で、防湿フィルムを貼り付ける際に、防湿フィルムのうち少なくとも封止材に接する領域を支持部材によって支持した状態で防湿フィルムを貼り付けることとしたので、封止材に接する領域において防湿フィルムのヨレなどによって隙間が生じるのを防止することができ、密着性を向上させることができる。これにより、防湿性が高く、信頼性の高い電気泳動表示装置を製造することができる。
上記の電気泳動表示装置の製造方法は、前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記支持部材によって前記防湿フィルムの全面を支持した状態で前記防湿フィルムを貼り付けることを特徴とする。
本発明によれば、防湿フィルムを貼り付ける工程では、支持部材によって防湿フィルムの全面を支持した状態で防湿フィルムを貼り付けることとしたので、封止材に接する部分のみならず防湿フィルム全面において隙間無く貼り付けることができる。これにより、防湿性を一層高めることができる。
本発明によれば、防湿フィルムを貼り付ける工程では、支持部材によって防湿フィルムの全面を支持した状態で防湿フィルムを貼り付けることとしたので、封止材に接する部分のみならず防湿フィルム全面において隙間無く貼り付けることができる。これにより、防湿性を一層高めることができる。
上記の電気泳動表示装置の製造方法は、前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記透明基板の表面に前記防湿フィルムを貼り付けることを特徴とする。
本発明によれば、防湿フィルムを貼り付ける工程では、透明基板の表面に防湿フィルムを貼り付けることとしたので、透明基板側における防湿性を一層高めることができる。
本発明によれば、防湿フィルムを貼り付ける工程では、透明基板の表面に防湿フィルムを貼り付けることとしたので、透明基板側における防湿性を一層高めることができる。
上記の電気泳動表示装置の製造方法は、前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記透明基板の表面及び前記素子基板の表面の両面に前記防湿フィルムを貼り付けることを特徴とする。
本発明によれば、防湿フィルムを貼り付ける工程では、透明基板の表面及び素子基板の表面の両面に防湿フィルムを貼り付けることとしたので、透明基板側及び素子基板側の両側における防湿性を高めることができる。
本発明によれば、防湿フィルムを貼り付ける工程では、透明基板の表面及び素子基板の表面の両面に防湿フィルムを貼り付けることとしたので、透明基板側及び素子基板側の両側における防湿性を高めることができる。
上記の電気泳動表示装置の製造方法は、前記防湿フィルムの支持を解除した後、前記透明基板の表面側に貼り付けられた前記防湿フィルム上に保護基板を配置することを特徴とする。
本発明によれば、防湿フィルムの支持を解除した後、透明基板の表面側に貼り付けられた防湿フィルム上に保護基板を配置することとしたので、透明基板側の防湿性を高めることができる上に、当該透明基板側の耐衝撃性をも高めることができる。
本発明によれば、防湿フィルムの支持を解除した後、透明基板の表面側に貼り付けられた防湿フィルム上に保護基板を配置することとしたので、透明基板側の防湿性を高めることができる上に、当該透明基板側の耐衝撃性をも高めることができる。
上記の電気泳動表示装置の製造方法は、前記防湿フィルムの支持を解除した後、前記防湿フィルムの表面に衝撃緩和層を形成し、当該衝撃緩和層上に前記保護基板を形成することを特徴とする。
本発明によれば、防湿フィルムの支持を解除した後、防湿フィルムの表面に衝撃緩和層を形成し、当該衝撃緩和層上に保護基板を形成することとしたので、透明基板側の防湿性及び耐衝撃性を一層効果的に高めることができる。
本発明によれば、防湿フィルムの支持を解除した後、防湿フィルムの表面に衝撃緩和層を形成し、当該衝撃緩和層上に保護基板を形成することとしたので、透明基板側の防湿性及び耐衝撃性を一層効果的に高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本実施形態に係る電気泳動表示装置1の概略構成を示す平面図である。図2は図1におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。
図1は本実施形態に係る電気泳動表示装置1の概略構成を示す平面図である。図2は図1におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、電気泳動表示装置1は、素子基板2、電気泳動シート3及びカバーガラス4を備えており、素子基板2の表面に電気泳動シート3が貼り付けられ、当該電気泳動シート3の表面にカバーガラス4が配置された構成になっている。
電気泳動表示装置1には静止画や動画等の画像を表示する表示領域5が設けられている。表示領域5内にはマトリクス状に配列された複数の画素が設けられており、画素ごとに表示が行われるようになっている。表示領域5の周囲の領域6は、画像が表示されない非表示領域6となっている。この非表示領域6には画素が設けられておらず、駆動回路素子22及び23、端子24などが設けられている。
素子基板2は、例えば0.5mm程度の厚さの基板20と、当該基板上に形成された画素電極及び素子などを含む駆動層21を有している。基板20としては、例えばガラス基板、石英基板、シリコン基板、ガリウム砒素基板などの無機基板や、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等で構成されるプラスチック基板(樹脂基板)などを用いることができる。駆動層21は基板20のうち表示領域5に対応する領域に形成されている。この駆動層21には各画素に設けられる画素電極25やスイッチング素子26、当該スイッチング素子26に接続される不図示のデータ線及び走査線などが形成されている。平面的な駆動層21の形成領域は、表示領域5と略一致しており、駆動回路素子22及び23はこの駆動層21の周縁部(非表示領域6)に設けられている。当該駆動回路素子22及び23はデータ線や走査線に電気的に接続されており、駆動層21に信号を供給するようになっている。端子24は素子基板2の端部(図中では右端)に複数設けられており、素子基板2上に形成されている図示しない配線によって駆動回路素子22及び23に接続されている。この端子24は、外部回路基板Fに接続されている。
電気泳動シート3は透明基板30、共通電極35、電気泳動層31及び接着層33を有している。
透明基板30は例えば0.2mm程度の厚さを有し電気泳動層31を保持する基板であり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネイト(PC)など光透過性の高い材料からなる矩形の基板である。透明基板30の表面30a側は電気泳動表示装置1の表示面側になっている。
透明基板30は例えば0.2mm程度の厚さを有し電気泳動層31を保持する基板であり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネイト(PC)など光透過性の高い材料からなる矩形の基板である。透明基板30の表面30a側は電気泳動表示装置1の表示面側になっている。
共通電極35は透明基板30の内面30bにはほぼ全面に形成されている。この共通電極35は例えばITOなどの光透過性の高い導電材料で構成されており、上下導通材9によって素子基板2に接続されている。
電気泳動層31は複数のマイクロカプセル32を有している。
マイクロカプセル32は電気泳動分散液が封入された略球状のカプセルであり、各カプセルの直径はほぼ同一(50μm〜100μm)になっている。マイクロカプセル32のカプセル壁膜を形成する材料としては、アラビアガム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物が挙げられる。マイクロカプセル32に封入された電気泳動分散液は、複数の電気泳動粒子と、当該電気泳動粒子を分散させるための液層分散媒とからなる。
マイクロカプセル32は電気泳動分散液が封入された略球状のカプセルであり、各カプセルの直径はほぼ同一(50μm〜100μm)になっている。マイクロカプセル32のカプセル壁膜を形成する材料としては、アラビアガム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物が挙げられる。マイクロカプセル32に封入された電気泳動分散液は、複数の電気泳動粒子と、当該電気泳動粒子を分散させるための液層分散媒とからなる。
液層分散媒としては、水やアルコール系溶媒、各種エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独、またはこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものを用いることができる。
電気泳動粒子としては、液相分散媒中で電位差による電気泳動により移動する性質を有する有機あるいは無機の粒子(高分子あるいはコロイド)を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン等の白色顔料、モノアゾのアゾ系顔料、イソインドリノン等の黄色顔料、モノアゾのアゾ系顔料、キナクリドンレッド等の赤色顔料、フタロシアニンブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等の1種又は2種以上を用いることができる。これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
マイクロカプセル32には、例えば白色顔料である二酸化チタンと黒色顔料であるカーボンブラックとの二種類の電気泳動粒子が封入されており、一方が負に、他方が正に帯電されている。勿論他の電気泳動粒子を用いても構わないし、電気泳動粒子を一種類のみ用い、これを共通電極側、あるいは画素電極側に泳動させることで表示可能となるように構成しても構わない。
接着層33は、バインダを兼ねた熱硬化タイプの接着剤である。接着層33としては、マイクロカプセル32のカプセル壁膜に対する親和性が良好で、共通電極および画素電極に対する接着性に優れ、かつ絶縁性の良い接着剤であることが好ましい。また、熱硬化タイプではあるが、硬化後も弾性がある接着剤が好ましい。
カバーガラス4は光透過性が高く、平坦度が優れ、キズつきにくいガラスなどが適している。具体的には、無機ガラスや、クリスタルガラスなどを用いることができる。また、サファイヤガラスや、アクリルガラスであっても良い。このカバーガラス4と電気泳動シート3との間には、防湿性フィルム60が配置されている。
防湿性フィルム60は0.1mm程度の厚さを有する光透過可能な軟質のフィルムであり、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどの光透過可能なフィルムの表面に無機バリア層を形成したものなどを用いることができる。無機バリア層としては、防湿、透明性に優れたフッ素樹脂や、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(Poly Chloro Tri Furuoro Ethylene),三フッ化エチレン樹脂)などを用いることができる。この防湿性フィルム60は、例えば両面テープや光硬化性接着剤などの光透過性の高い接着層11により電気泳動シート3に貼り付けられている。また、防湿性フィルム60とカバーガラス4との間にも透明な接着層(不図示)が設けられている。
防湿性フィルム60と素子基板2との間には、電気泳動シート3の周縁部における側面の露出部分を覆うように封止材7が設けられている。封止材7を構成する材料としては、例えばエポキシ系、アクリル系などの樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂としては、UV硬化性を有する材料や湿度硬化性を有する材料などを用いることができる。
電気泳動層31は素子基板2と透明基板30とで挟持されていると共に防湿性フィルム60及びカバーガラス4によって覆われており、さらに周縁部が封止材7で封止されている。電気泳動層31は水分を嫌うため、このように当該層を覆う構成を採用することにより、電気泳動層への水分の浸入を確実に防止している。
次に、上記のように構成された電気泳動表示装置1の動作を簡単に説明する。
画素電極25と共通電極35との間に共通電極35の電圧が相対的に高くなるように電圧を印加すると、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内のうち画素電極25側に引き寄せられる。一方、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内の共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明基板30側には白色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域5にはこの白色の電気泳動粒子の色(白色)が表示されることとなる。
画素電極25と共通電極35との間に共通電極35の電圧が相対的に高くなるように電圧を印加すると、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内のうち画素電極25側に引き寄せられる。一方、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内の共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明基板30側には白色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域5にはこの白色の電気泳動粒子の色(白色)が表示されることとなる。
逆に、画素電極25と共通電極35との間に画素電極25の電位が相対的に高くなるように電圧を印加すると、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によって画素電極25側に引き寄せられる。一方、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によって共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明基板30側には黒色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域5には黒色の電気泳動粒子の色(黒色)が表示されることとなる。
次に、図3から図9を参照して、上記のように構成された電気泳動表示装置1の製造過程を説明する。
まず、仮接着剤61を介して防湿シート60を支持基板(支持部材)62に貼り付ける。この防湿シート60としては、上記電気泳動表示装置1に用いられる際の寸法よりも大きい寸法、好ましくは素子基板2よりも大きい寸法のものを用意する。仮接着剤61は、例えば加熱やUV照射により接着力が弱められる材料や粘着力の弱い材料などによって構成されることが好ましい。具体的には、例えばポリエステル系樹脂などのフィルムの両面に上記の接着材料の層を形成した構成などが挙げられる。支持基板62は防湿シート60よりも高い剛性を有し、防湿シートの貼り付け時にヨレが生じない程度の強度を有すると共に他部材に貼り付けることができる程度の柔軟性を有する材料によって構成されていることが好ましい。このような材料として、例えばアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂などの有機プラスチックなどが挙げられる。
まず、仮接着剤61を介して防湿シート60を支持基板(支持部材)62に貼り付ける。この防湿シート60としては、上記電気泳動表示装置1に用いられる際の寸法よりも大きい寸法、好ましくは素子基板2よりも大きい寸法のものを用意する。仮接着剤61は、例えば加熱やUV照射により接着力が弱められる材料や粘着力の弱い材料などによって構成されることが好ましい。具体的には、例えばポリエステル系樹脂などのフィルムの両面に上記の接着材料の層を形成した構成などが挙げられる。支持基板62は防湿シート60よりも高い剛性を有し、防湿シートの貼り付け時にヨレが生じない程度の強度を有すると共に他部材に貼り付けることができる程度の柔軟性を有する材料によって構成されていることが好ましい。このような材料として、例えばアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂などの有機プラスチックなどが挙げられる。
次に、図4に示すように、接着層33を介して電気泳動シート3を素子基板2の表示領域5上に貼り合わせる。電気泳動シート3を貼り合わせた後、図5に示すように電気泳動シート3の上面に接着層11を形成し、支持基板62によって防湿シート60の全面を支持した状態で、当該防湿シート60を接着層11に貼り付ける。防湿シート60の貼り付ける際には、平面視で素子基板2が防湿シート60の領域内に含まれるように位置合わせをする。
防湿シート60が貼り付けられた状態においては、平面視で防湿シート60の周縁部が電気泳動シート3及び素子基板2に対してはみ出した状態になる。防湿シート60の当該周縁部は、支持基板62によって支持されているためヨレの無い状態を保持することとなる。また、本実施形態では、防湿シート60の全面が支持基板62によって支持された状態になっているため、防湿シート60の全面に亘ってヨレの無い状態が保持されることとなる。
防湿シート60を貼り付けた後、図6に示すように、素子基板2と防湿シート60との間に、電気泳動層31の周縁部の露出部分を塞ぐように封止材7を形成する。封止材7は防湿シート60、透明基板30及び素子基板2に接するように充填し、これら各部材によって電気泳動層31を封止する。防湿シート60が支持基板62によってヨレの無いように支持されているため、封止材7に対して隙間無く密着することとなる。封止材7と防湿シート60との間を密着させた後、封止材7を硬化させる。
封止材7の形成後、図7に示すように、仮接着剤61に対して加熱やUV照射などを行うことにより当該仮接着剤61の接着力を弱め、防湿シート60から当該仮接着剤61ごと支持基板62を剥離する。支持基板62及び仮接着剤61を剥離することによって、防湿シート60の支持状態が解除されることになる。防湿シート60との間で隙間無く密着した状態で封止材7を硬化させたため、支持基板62を剥離した後も、当該防湿シート60と封止材7との間は隙間無く密着した状態を保持することとなる。
支持基板62を剥離した後、図8に示すように、防湿シート60の周縁部のうち封止材7に対してはみ出している領域を切断などによって除去する。その後、防湿シート60上に不図示の透明な接着層を形成し、図9に示すように、防湿シート60上にカバーガラス4を貼り付ける。このようにして、電気泳動表示装置1を製造する。
本実施形態によれば、防湿フィルム60を電気泳動シート3上に貼り付ける際に、防湿フィルム60のうち少なくとも封止材7に接する領域を支持基板62によって支持した状態で防湿フィルム60を貼り付けることとしたので、封止材7に接する領域において防湿フィルム60のヨレなどによって隙間が生じるのを防止することができ、密着性を向上させることができる。これにより、防湿性が高く、環境の変化に対して信頼性の高い電気泳動表示装置1を製造することができる。
加えて、本実施形態では、支持基板62によって防湿フィルム60の全面を支持した状態で防湿フィルム60を貼り付けることとしたので、封止材7に接する部分のみならず防湿フィルム60全面においてヨレを防ぐことができる。これにより、例えば防湿フィルム60と電気泳動シート3(接着層11)との間や防湿フィルム60とカバーガラス4との間についても隙間の無い状態にすることができる。これにより、電気泳動表示装置1の防湿性を一層高めることができる。
また、本実施形態では、防湿フィルム60を貼り付ける際に、透明基板30側に防湿フィルム60を貼り付けることとしたので、透明基板30側における防湿性を一層高めることができる。透明基板30は素子基板2に比べて厚さが薄く、より水分を透過しやすい構成であるため、透明基板30側に防湿フィルム60を貼り付けることで当該水分を透過しやすい構成を補うことができる。これにより、電気泳動表示装置1の防湿性の向上に資することとなる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、防湿フィルム60上に接着層のみを介してカバーガラス4を配置する構成としたが、これに限られることは無く、例えば図10に示すように、防湿フィルム60上に衝撃緩和層64を配置し、当該衝撃緩和層64を介してカバーガラス4を配置する構成としても構わない。衝撃緩和剤64を構成する材料としては、アクリル系やシリコン系などの樹脂を用いることができる。これにより、透明基板30側の耐衝撃性を高めることができる。また、衝撃緩和層64が防湿層として機能することにもなるため、防湿性を一層高めることにもなる。
上記実施形態では、防湿フィルム60上に接着層のみを介してカバーガラス4を配置する構成としたが、これに限られることは無く、例えば図10に示すように、防湿フィルム60上に衝撃緩和層64を配置し、当該衝撃緩和層64を介してカバーガラス4を配置する構成としても構わない。衝撃緩和剤64を構成する材料としては、アクリル系やシリコン系などの樹脂を用いることができる。これにより、透明基板30側の耐衝撃性を高めることができる。また、衝撃緩和層64が防湿層として機能することにもなるため、防湿性を一層高めることにもなる。
また、上記実施形態では、防湿フィルム60を電気泳動表示装置1の透明基板30側に貼り付ける構成としたが、これに限られることは無く、例えば図11〜図13に示すように、電気泳動表示装置の透明基板30側と素子基板2側の両側に防湿フィルム60を貼り付ける構成としても構わない。図11〜図13は、電気泳動表示装置1の製造過程を示す図であり、それぞれ上記実施形態の図5〜図7に対応している。
図11に示すように、透明基板30側に接着層11上に支持基板62によって支持された防湿フィルム60を貼り付けると共に、素子基板2の外側(裏面)にも不図示の接着層を形成し、当該接着層上に同様の構成の防湿フィルム60、すなわち支持基板62によって支持された防湿フィルム60を貼り付ける。
その後、図12に示すように、防湿フィルム60で挟まれた部分に封止材7を形成する。封止材7は、電気泳動層31の露出部分を覆うと共に透明基板30、素子基板2、両面の防湿フィルム60に接するように形成する。上記実施形態の構成に比べて封止材7の図中左右方向の寸法が大きくなると共に、素子基板2の一部をも封止することになるため、防湿性が向上することになる。
封止材7の形成後、図13に示すように、両側の仮接着剤61に対して加熱やUV照射などを行うことによって仮接着剤61ごと支持基板62を剥離する。その後、上記実施形態と同様に防湿フィルム60の周縁部を切断により除去し、透明基板3側の防湿フィルム60上にカバーガラス4を配置する。このように製造することにより、防湿性のより高い電気泳動表示装置を製造することができる。
また、上記実施形態においては、防湿フィルム60を支持基板62によって支持する構成としたが、これに限られることは無く、例えば防湿フィルム60をカバーガラス4によって支持する構成としても構わない。この構成によれば、防湿フィルム60とカバーガラス4とが一体的に構成されているので、それぞれを別工程で配置する必要が無く、工程数の削減が可能になる。
また、上記実施形態においては、防湿フィルム60の全面を支持基板62によって支持する構成としたが、これに限られることは無く、例えば防湿フィルム60のうち封止材7に接する部分が選択的に支持基板62によって支持されている構成としても構わない。
1…電気泳動表示装置 2…素子基板 3…電気泳動シート 4…カバーガラス 5…表示領域 6…非表示領域 30…透明基板 31…電気泳動層 32…マイクロカプセル 33…接着層 60…防湿フィルム 61…仮接着剤 62…支持基板 64…衝撃緩和層
Claims (6)
- 透明基板上に電気泳動層及び接着層が設けられた電気泳動シートを素子基板の表示領域上に前記接着層を介して貼り合わせる工程と、
前記透明基板の表面及び前記素子基板の表面のうち少なくとも一方に防湿フィルムを貼り付ける工程と、
前記電気泳動層の周縁部における露出部分を覆うと共に前記透明基板、前記素子基板及び前記防湿フィルムに接するように封止材を形成する工程と、
を備え、
前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記防湿フィルムのうち少なくとも前記封止材に接する領域を前記防湿フィルムよりも剛性のある支持部材によって支持した状態で前記防湿フィルムを貼り付ける
ことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記支持部材によって前記防湿フィルムの全面を支持した状態で前記防湿フィルムを貼り付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記透明基板の表面に前記防湿フィルムを貼り付ける
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記防湿フィルムを貼り付ける工程では、前記透明基板の表面及び前記素子基板の表面の両面に前記防湿フィルムを貼り付ける
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記封止材を形成した後、前記支持部材による前記防湿フィルムの支持を解除し、
前記防湿フィルムの支持を解除した後、前記透明基板の表面側に貼り付けられた前記防湿フィルム上に保護基板を配置する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記防湿フィルムの支持を解除した後、前記防湿フィルムの表面に衝撃緩和層を形成し、当該衝撃緩和層上に前記保護基板を形成する
ことを特徴とする請求項5に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
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