JP2009229830A - 電気泳動表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】防湿特性の高い電気泳動表示装置及び電気泳動表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】表示領域を有する素子基板と、透明基板、当該透明基板上に設けられた電気泳動層及び前記電気泳動層上に設けられた接着層を有し、前記第1基板の前記表示領域に前記接着層を介して貼り合わされた電気泳動シートと、前記電気泳動シートの厚さよりも薄くなるように前記素子基板上のうち平面視で前記電気泳動シートの周りに設けられた防湿部材と、一部分が平面視で透明基板上からはみ出すように前記透明基板上に貼り付けられると共に当該一部分が前記防湿部材に密着されるように設けられ、前記防湿部材との間で前記電気泳動シートを封止する防湿シートとを備える。
【選択図】図5
【解決手段】表示領域を有する素子基板と、透明基板、当該透明基板上に設けられた電気泳動層及び前記電気泳動層上に設けられた接着層を有し、前記第1基板の前記表示領域に前記接着層を介して貼り合わされた電気泳動シートと、前記電気泳動シートの厚さよりも薄くなるように前記素子基板上のうち平面視で前記電気泳動シートの周りに設けられた防湿部材と、一部分が平面視で透明基板上からはみ出すように前記透明基板上に貼り付けられると共に当該一部分が前記防湿部材に密着されるように設けられ、前記防湿部材との間で前記電気泳動シートを封止する防湿シートとを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、電気泳動表示装置の製造方法に関する。
近年、電子ペーパーなどの表示部として、電気泳動表示装置が用いられるようになった。電気泳動表示装置は、液相分散媒に複数の電気泳動粒子が分散された電気泳動分散液を有し、電界を印可することにより、該電気泳動粒子の分布状態が変化して該電気泳動分散液の光学特性が変化することを表示に利用した装置である。電気泳動表示装置の具体的な構成としては、複数の画素電極や駆動素子が形成された素子基板の表示領域に電気泳動シートが貼り付けられ、当該電気泳動シート上に保護基板が貼り合わされた構成が知られている。
電気泳動シートはITOなどの透明電極が蒸着された透明シート上に電気泳動層及び接着層が形成された構成になっている。電気光学層としては、例えば、電気泳動粒子及び当該電気泳動粒子を分散させる液層分散媒が封入されたマイクロカプセルを当該シート一面に敷き詰めた構成が挙げられる。
マイクロカプセルを有する電気泳動表示装置は、当該マイクロカプセルに保持される水分が多すぎても少なすぎても表示特性に悪影響を及ぼしてしまうという問題があった。また、電気泳動層の封止構造が不十分な状態では、電気泳動表示装置の使用環境の温湿度変化によって表示特性が劣化しやすくなってしまうという問題もあった。このため、電気泳動表示装置の周辺からの水分の出入りを極力減らした防湿性の高い封止構造の確立が求められており、防湿性の高さという点では特許文献1に記載されているようにガラスを用いた防湿構造がなど知られていた。
一方、電子ペーパーや電子ブックなどの表示装置のように、電気泳動表示装置を紙のように薄く、軽く、かつ柔軟性を有する態様で用いる場合においては、装置の特性上ガラスを用いた防湿構造を採用することは困難であり、このような場合における封止特性の高い封止構造が求められていた。これに対しては、防湿シートによって電気泳動表示装置を挟み込んだ構成や表示面を覆う基板と素子基板との間に封止材を形成する構成などが提案されていた。
特開2007−72128号公報
しかしながら、防湿シートによって電気泳動表示装置を挟み込んだ構成においては、電気泳動表示装置を挟んでいる防湿シートの界面から水分が浸入する場合があった。また、防湿シートの寸法において電気泳動表示装置を挟むための挟み代を確保する必要があり、電気泳動表示装置の周辺部分(額縁部分)を広げてしまうことになっていた。
また、封止材を形成する構成においては、温度の急激な変化によって封止材と他の部分との間に熱膨張の差が生じてしまい、封止材の剥離などを引き起こす場合があった。また、封止材自体が水分の浸入経路になってしまうという問題もあった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、防湿特性に優れた電気泳動表示装置及び電気泳動表示装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法は、表示領域を有する素子基板と、透明基板、当該透明基板上に設けられた電気泳動層及び前記電気泳動層上に設けられた接着層を有し、前記素子基板の前記表示領域に前記接着層を介して貼り合わされた電気泳動シートと、前記電気泳動シートの厚さよりも薄くなるように前記素子基板上における前記電気泳動シートの周縁部に設けられた防湿部材と、一部分が平面視で透明基板上からはみ出すように前記透明基板上に貼り付けられると共に当該一部分が前記防湿部材に密着されるように設けられ、前記防湿部材との間で前記電気泳動シートを封止する防湿シートとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、素子基板上のうち電気泳動シートの周縁部に設けられた防湿部材が電気泳動シートの厚さよりも薄くなっているため、その分水分の浸入経路を狭くすることができる。加えて、一部分が平面視ではみ出すように透明基板上に貼り付けられる防湿シートのうち当該はみ出した一部分が防湿部材に密着され、防湿部材との間で電気泳動シートを封止するので、額縁部分を特段広くすること無く高い防湿性を確保することができる。これにより、防湿特性に優れた電気泳動表示装置を得ることができる。
上記の電気泳動表示装置は、前記防湿部材は、前記電気泳動シートに密着していることを特徴とする。
本発明によれば、防湿部材が電気泳動シートに密着しているので、高い防湿性を確保することができる。
本発明によれば、防湿部材が電気泳動シートに密着しているので、高い防湿性を確保することができる。
上記の電気泳動表示装置は、前記防湿シートは、前記電気泳動シートに密着していることを特徴とする。
本発明によれば、防湿シートが電気泳動シートに密着しているので、高い防湿性を確保することができる。
本発明によれば、防湿シートが電気泳動シートに密着しているので、高い防湿性を確保することができる。
上記の電気泳動表示装置は、前記防湿シートのうち前記電気泳動シート上の領域に保護基板が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、防湿シートのうち電気泳動シート上の領域に保護基板が設けられていることとしたので、耐衝撃性を高めることができる。また、保護基板による一定の防湿性を確保することもできる。
本発明によれば、防湿シートのうち電気泳動シート上の領域に保護基板が設けられていることとしたので、耐衝撃性を高めることができる。また、保護基板による一定の防湿性を確保することもできる。
本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法は、透明基板上に電気泳動層及び接着層が設けられた電気泳動シートを素子基板の表示領域上に前記接着層を介して貼り合わせる第1工程と、前記電気泳動シートの厚さよりも薄くなるように前記素子基板上のうち平面視で前記電気泳動シートの周りに防湿部材を配置する第2工程と、平面視で一部分がはみ出すように防湿シートを前記透明基板に貼り付ける第3工程と、前記防湿シートの前記一部分を前記防湿部材に密着させる第4工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、透明基板上に電気泳動層及び接着層が設けられた電気泳動シートを素子基板の表示領域上に接着層を介して貼り合わせ、電気泳動シートの厚さよりも薄くなるように素子基板上のうち平面視で電気泳動シートの周りに防湿部材を配置し、平面視で一部分がはみ出すように防湿シートを透明基板に貼り付け、防湿シートの一部分を防湿部材に密着させることとしたので、防湿特性の高い電気泳動表示装置を効率的に製造することができる。
上記の電気泳動表示装置の製造方法は、前記第4工程では、前記防湿シートと前記防湿部材とを接触させ、前記防湿シート、前記防湿部材及び前記電気泳動シートによって囲まれる空間を吸引することを特徴とする。
本発明によれば、防湿シートのはみ出した一部分を防湿部材に密着させる際、防湿シートと防湿部材とを接触させ、防湿シート、防湿部材及び電気泳動シートによって囲まれる空間を吸引することとしたので、防湿シート、防湿部材及び電気泳動シートの間を効率的に密着させることができる。これにより、高い防湿特性を有する電気泳動表示装置を容易に製造することができる。
本発明によれば、防湿シートのはみ出した一部分を防湿部材に密着させる際、防湿シートと防湿部材とを接触させ、防湿シート、防湿部材及び電気泳動シートによって囲まれる空間を吸引することとしたので、防湿シート、防湿部材及び電気泳動シートの間を効率的に密着させることができる。これにより、高い防湿特性を有する電気泳動表示装置を容易に製造することができる。
上記の電気泳動表示装置の製造方法は、前記第4工程では、前記空間の吸引時に前記防湿部材を硬化させることを特徴とする。
本発明によれば、空間の吸引時に防湿部材を硬化させることとしたので、防湿シートと防湿部材とを密着させながら当該防湿部材を硬化させることができる。これにより、防湿シートと防湿部材との間の密着性が向上すると共に、電気泳動表示装置の製造効率を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本実施形態に係る電気泳動表示装置1の概略構成を示す平面図である。図2は図1におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。
図1は本実施形態に係る電気泳動表示装置1の概略構成を示す平面図である。図2は図1におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、電気泳動表示装置1は、素子基板2、電気泳動シート3及び保護基板4を備えており、素子基板2の表面に電気泳動シート3が貼り付けられ、当該電気泳動シート3の表面に保護基板4が配置された構成になっている。
電気泳動表示装置1には静止画や動画等の画像を表示する表示領域5が設けられている。表示領域5内にはマトリクス状に配列された複数の画素が設けられており、画素ごとに表示が行われるようになっている。表示領域5の周囲の領域6は、画像が表示されない非表示領域6となっている。この非表示領域6には画素が設けられておらず、駆動回路素子22及び23、端子24などが設けられている。
素子基板2は、例えば0.5mm程度の厚さの基板20と、当該基板上に形成された画素電極及び素子などを含む駆動層21を有している。基板20としては、例えばガラス基板、石英基板、シリコン基板、ガリウム砒素基板などの無機基板や、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等で構成されるプラスチック基板(樹脂基板)などを用いることができる。駆動層21は基板20のうち表示領域5に対応する領域に形成されている。この駆動層21には各画素に設けられる画素電極25やスイッチング素子26、当該スイッチング素子26に接続される不図示のデータ線及び走査線などが形成されている。平面的な駆動層21の形成領域は、表示領域5と略一致しており、駆動回路素子22及び23はこの駆動層21の周縁部(非表示領域6)に設けられている。当該駆動回路素子22及び23はデータ線や走査線に電気的に接続されており、駆動層21に信号を供給するようになっている。端子24は素子基板2の端部(図中では右端)に複数設けられており、素子基板2上に形成されている図示しない配線によって駆動回路素子22及び23に接続されている。この端子24は、外部回路基板Fに接続されている。
電気泳動シート3は透明基板30、共通電極35、電気泳動層31及び接着層33を有している。
透明基板30は例えば0.2mm程度の厚さを有し電気泳動層31を保持する基板であり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネイト(PC)など光透過性の高い材料からなる矩形の基板である。透明基板30の表面30a側は電気泳動表示装置1の表示面側になっている。
透明基板30は例えば0.2mm程度の厚さを有し電気泳動層31を保持する基板であり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネイト(PC)など光透過性の高い材料からなる矩形の基板である。透明基板30の表面30a側は電気泳動表示装置1の表示面側になっている。
共通電極35は透明基板30の内面30bにはほぼ全面に形成されている。この共通電極35は例えばITOなどの光透過性の高い導電材料で構成されており、上下導通材9によって素子基板2に接続されている。
電気泳動層31は複数のマイクロカプセル32を有している。
マイクロカプセル32は電気泳動分散液が封入された略球状のカプセルであり、各カプセルの直径はほぼ同一(50μm〜100μm)になっている。マイクロカプセル32のカプセル壁膜を形成する材料としては、アラビアガム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物が挙げられる。マイクロカプセル32に封入された電気泳動分散液は、複数の電気泳動粒子と、当該電気泳動粒子を分散させるための液層分散媒とからなる。
マイクロカプセル32は電気泳動分散液が封入された略球状のカプセルであり、各カプセルの直径はほぼ同一(50μm〜100μm)になっている。マイクロカプセル32のカプセル壁膜を形成する材料としては、アラビアガム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物が挙げられる。マイクロカプセル32に封入された電気泳動分散液は、複数の電気泳動粒子と、当該電気泳動粒子を分散させるための液層分散媒とからなる。
液層分散媒としては、水やアルコール系溶媒、各種エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独、またはこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものを用いることができる。
電気泳動粒子としては、液相分散媒中で電位差による電気泳動により移動する性質を有する有機あるいは無機の粒子(高分子あるいはコロイド)を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン等の白色顔料、モノアゾのアゾ系顔料、イソインドリノン等の黄色顔料、モノアゾのアゾ系顔料、キナクリドンレッド等の赤色顔料、フタロシアニンブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等の1種又は2種以上を用いることができる。これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
マイクロカプセル32には、例えば白色顔料である二酸化チタンと黒色顔料であるカーボンブラックとの二種類の電気泳動粒子が封入されており、一方が負に、他方が正に帯電されている。勿論他の電気泳動粒子を用いても構わないし、電気泳動粒子を一種類のみ用い、これを共通電極側、あるいは画素電極側に泳動させることで表示可能となるように構成しても構わない。
接着層33は、バインダを兼ねた熱硬化タイプの接着剤である。接着層33としては、マイクロカプセル32のカプセル壁膜に対する親和性が良好で、共通電極および画素電極に対する接着性に優れ、かつ絶縁性の良い接着剤であることが好ましい。また、熱硬化タイプではあるが、硬化後も弾性がある接着剤が好ましい。
図2に示すように、素子基板2上のうち平面視で電気泳動シート3の周り(周縁部)には防湿部材7が設けられている。この防湿部材7は、電気泳動シート3における側面の露出部分の一部を覆うように配置されている。防湿部材7を構成する材料としては、例えばエポキシ系、アクリル系などの樹脂が挙げられる。エポキシ系防湿材は、熱硬化(例えば80℃)タイプを用いることができる。また、アクリル系樹脂としては、UV硬化性を有する材料や湿度硬化性を有する材料などを用いることができる。
素子基板2の4辺のうち外部回路基板Fが設けられる一辺を除いては、防湿部材7が素子基板2の辺部分まで覆う構成になっている。
素子基板2の4辺のうち外部回路基板Fが設けられる一辺を除いては、防湿部材7が素子基板2の辺部分まで覆う構成になっている。
この防湿部材7の厚さt1は電気泳動シート3の厚さt2に比べて薄くなっている。ここで、厚さとは、素子基板2における電気泳動シート3側の面を基準としたときの当該基板面に垂直な方向の寸法をいうものとする。本実施形態では防湿部材7の上面7aが透明基板30の下面30bよりも素子基板2側に位置しており、防湿部材7が電気泳動層31における側面の一部を覆った状態になっている。
図2に示すように、電気泳動シート3及び防湿部材7の上面側にはこれらを覆うように防湿シート40が設けられている。防湿シート40は0.1mm程度の厚さを有する光透過可能なフィルムであり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレートなどの光透過可能なフィルムの表面に無機バリア層を形成したものなどを用いることができる。具体的には、防湿、透明性に優れたフッ素樹脂や、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(Poly Chloro Tri Furuoro Ethylene),三フッ化エチレン樹脂)などを用いることができる。本実施形態では、PETを基材とした防湿シートである、(株)クレハ製のセレール(登録商標)を用いた。
この防湿シート40は、例えば両面テープや光硬化性接着剤などの光透過性の高い接着層11により電気泳動シート3に貼り付けられている。防湿シート40のうち平面視で電気泳動シート40からはみ出した部分(はみ出し部分)40aは、電気泳動シート3の側面及び防湿部材7に密着している。防湿シート40は、はみ出し部分40aの外周が平面視で防湿部材7の外周に一致するように設けられている。
この防湿シート40は、例えば両面テープや光硬化性接着剤などの光透過性の高い接着層11により電気泳動シート3に貼り付けられている。防湿シート40のうち平面視で電気泳動シート40からはみ出した部分(はみ出し部分)40aは、電気泳動シート3の側面及び防湿部材7に密着している。防湿シート40は、はみ出し部分40aの外周が平面視で防湿部材7の外周に一致するように設けられている。
防湿シート40のうち透明基板30に貼り合わされた領域上には保護基板4が配置されている。保護基板4は光透過性が高く、平坦度が優れ、キズつきにくいアクリル樹脂などが適している。アクリル樹脂のほかには、例えばガラスなどが適している。具体的には、無機ガラスや、クリスタルガラスなどを用いることができる。また、サファイヤガラスや、アクリルガラスであっても良い。
電気泳動層31は素子基板2と透明基板30とで挟持されていると共に保護基板4によって覆われており、さらに周縁部が防湿シート40及び防湿部材7で封止されている。電気泳動層31は水分を嫌うため、このように当該層を覆う構成を採用することにより、電気泳動層への水分の浸入を確実に防止している。
次に、上記のように構成された電気泳動表示装置1の動作を簡単に説明する。
画素電極25と共通電極35との間に共通電極35の電圧が相対的に高くなるように電圧を印加すると、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内のうち画素電極25側に引き寄せられる。一方、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内の共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明基板30側には白色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域5にはこの白色の電気泳動粒子の色(白色)が表示されることとなる。
画素電極25と共通電極35との間に共通電極35の電圧が相対的に高くなるように電圧を印加すると、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内のうち画素電極25側に引き寄せられる。一方、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内の共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明基板30側には白色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域5にはこの白色の電気泳動粒子の色(白色)が表示されることとなる。
逆に、画素電極25と共通電極35との間に画素電極25の電位が相対的に高くなるように電圧を印加すると、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によって画素電極25側に引き寄せられる。一方、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によって共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明基板30側には黒色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域5には黒色の電気泳動粒子の色(黒色)が表示されることとなる。
次に、図3から図8を参照して、上記のように構成された電気泳動表示装置1の製造過程を説明する。
まず、図3に示すように、接着層33を介して電気泳動シート3を素子基板2の表示領域5上に貼り合わせる。電気泳動シート3を貼り合わせた後、図4に示すように、素子基板2上のうち電気泳動シート3の周りに防湿部材7を配置する。当該防湿部材7は、例えばディスペンサなどによって塗布形成し、電気泳動シート3の厚さよりも薄くなるように形成する。
まず、図3に示すように、接着層33を介して電気泳動シート3を素子基板2の表示領域5上に貼り合わせる。電気泳動シート3を貼り合わせた後、図4に示すように、素子基板2上のうち電気泳動シート3の周りに防湿部材7を配置する。当該防湿部材7は、例えばディスペンサなどによって塗布形成し、電気泳動シート3の厚さよりも薄くなるように形成する。
防湿部材7を配置した後、図5に示すように電気泳動シート3の上面に接着層11を形成し、防湿シート40の一部を接着層11に貼り付ける。このとき、防湿シート40の一部分、例えば周辺部分が平面視で透明基板30(接着剤11)からはみ出すように位置合わせをし、防湿シート40の中央部が接着層11に貼り付けられるようにする。このとき平面視で透明基板30からはみ出した部分がはみ出し部分40aとなる。
防湿シート40を貼り付けた後、図6に示すように、防湿シート40のはみ出し部分40aと防湿部材7とを接触させ、当該防湿シート40のはみ出し部分40a、防湿部材7及び電気泳動シート3で囲まれる空間Sを吸引する。このとき、空間Sの外側の領域を0.6hPa程度の圧力にまで減圧し、当該減圧によって空間S内を吸引する。また、吸引を行うのと同じタイミングに防湿部材7を加熱・UV照射して硬化させる。空間Sの吸引と防湿部材7の硬化とを同じタイミングで行うことにより、図7に示すように、はみ出し部分40aと防湿部材7との間が高い密着性で密着することとなる。また、これらの工程を一工程で行うことにより、製造効率が向上することとなる。
その後、図9に示すように、防湿シート40のうち透明基板30に貼り付けられた領域上に、例えば不図示の接着剤などを介して保護基板4を配置する。このようにして、電気泳動表示装置1を製造する。
本実施形態によれば、素子基板2上のうち平面視で電気泳動シート3の周りに設けられた防湿部材7が電気泳動シート3の厚さよりも薄くなっているため、その分水分の浸入経路を狭くすることができる。加えて、防湿シート40のうち平面視で透明基板30からはみ出したはみ出し部分40aが防湿部材7に密着され、防湿部材7との間で電気泳動シート3を封止するので、電気泳動表示装置1の額縁部分を特段広くすること無く高い防湿性を確保することができる。これにより、防湿特性の高い電気泳動表示装置1を得ることができる。
また、本実施形態によれば、防湿部材7及びはみ出し部分40aが電気泳動シート3に密着しているので、高い防湿性を確保することができる。更に、本実施形態によれば、防湿シート40上に保護基板4が設けられていることとしたので、耐衝撃性を高めることができる。また、保護基板4による一定の防湿性を確保することもできる。
また、本実施形態によれば、電気泳動シート3を素子基板2の表示領域5上に貼り合わせ、電気泳動シート3の厚さよりも薄くなるように素子基板2上のうち平面視で電気泳動シート3の周りに防湿部材7を配置し、平面視で一部分がはみ出すように防湿シート40を透明基板30に貼り付け、防湿シート40のはみ出し部分40aを防湿部材7に密着させることとしたので、防湿特性の高い電気泳動表示装置1を効率的に製造することができる。
特に、防湿シート40のはみ出し部分40aを防湿部材7に密着させる際、当該は乱し部分40aと防湿部材7とを接触させ、防湿シート40のはみ出し部分40a、防湿部材7及び電気泳動シート3によって囲まれる空間Sを吸引することとしたので、これらの間を効率的に密着させることができる。これにより、高い防湿特性を有する電気泳動表示装置1を容易に製造することができる。
また、空間Sの吸引時に防湿部材7を硬化させることとしたので、防湿シート40と防湿部材7とを密着させながら当該防湿部材7を硬化させることができる。これにより、防湿シート40と防湿部材7との間の密着性が向上すると共に、電気泳動表示装置1の製造効率を向上させることができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では防湿部材7の上面7aが透明基板30の下面30bよりも素子基板2側に位置しており、防湿部材7が電気泳動層31の一部を覆った構成としたが、これに限られることは無く、例えば防湿部材7が透明基板30の上面30aとした面30bとの間に位置するように、すなわち、防湿部材7が電気泳動層31の全部を覆った状態になる構成であっても構わない。これにより、防湿部材7と防湿シート40との界面が電気泳動層31に接するのを避けることができ、より高い防湿特性を得ることができる。
例えば、上記実施形態では防湿部材7の上面7aが透明基板30の下面30bよりも素子基板2側に位置しており、防湿部材7が電気泳動層31の一部を覆った構成としたが、これに限られることは無く、例えば防湿部材7が透明基板30の上面30aとした面30bとの間に位置するように、すなわち、防湿部材7が電気泳動層31の全部を覆った状態になる構成であっても構わない。これにより、防湿部材7と防湿シート40との界面が電気泳動層31に接するのを避けることができ、より高い防湿特性を得ることができる。
また、例えば図9に示すように、防湿部材7の上面7aが素子基板2の外周へ向けて傾斜している構成であっても構わない。このような構成によれば、防湿シート40を吸引によって防湿部材7及び電気泳動シート3に密着させる際、これらの間の密着性を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、防湿部材7を素子基板2の端部まで覆うように設ける構成であったが、これに限られることは無く、例えば図10に示すように、防湿部材7が素子基板2の端部を空けるように配置され、当該素子基板2の端部を防湿シート40のはみ出し部分40aによって覆う構成としても構わない。このような構成によれば、素子基板2を構成する基板20の上面20aと防湿シート40のはみ出し部40aとが密着すると共にはみ出し部40aで覆われた内側には防湿部材7が配置されることになるため、水分の侵入経路を極力狭くすることが可能となる。
1…電気泳動表示装置 2…素子基板 3…電気泳動シート 4…カバーガラス 5…表示領域 6…非表示領域 7…防湿部材 30…透明基板 31…電気泳動層 32…マイクロカプセル 33…接着層 40…防湿シート 40a…はみ出し部分
Claims (7)
- 表示領域を有する素子基板と、
透明基板、当該透明基板上に設けられた電気泳動層及び前記電気泳動層上に設けられた接着層を有し、前記素子基板の前記表示領域に前記接着層を介して貼り合わされた電気泳動シートと、
前記電気泳動シートの厚さよりも薄くなるように前記素子基板上における前記電気泳動シートの周縁部に設けられた防湿部材と、
一部分が平面視で透明基板上からはみ出すように前記透明基板上に貼り付けられると共に当該一部分が前記防湿部材に密着されるように設けられ、前記防湿部材との間で前記電気泳動シートを封止する防湿シートと
を備えることを特徴とする電気泳動表示装置。 - 前記防湿部材は、前記電気泳動シートに密着している
ことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。 - 前記防湿シートは、前記電気泳動シートに密着している
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気泳動表示装置。 - 前記防湿シートのうち前記電気泳動シート上の領域に保護基板が設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。 - 透明基板上に電気泳動層及び接着層が設けられた電気泳動シートを素子基板の表示領域上に前記接着層を介して貼り合わせる第1工程と、
前記電気泳動シートの厚さよりも薄くなるように前記素子基板上のうち平面視で前記電気泳動シートの周りに防湿部材を配置する第2工程と、
平面視で一部分がはみ出すように防湿シートを前記透明基板に貼り付ける第3工程と、
前記防湿シートの前記一部分を前記防湿部材に密着させる第4工程と
を備えることを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記第4工程では、前記防湿シートと前記防湿部材とを接触させ、前記防湿シート、前記防湿部材及び前記電気泳動シートによって囲まれる空間を吸引する
ことを特徴とする請求項5に記載の電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記第4工程では、前記空間の吸引時に前記防湿部材を硬化させる
ことを特徴とする請求項6に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
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JP2008075436A JP2009229830A (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | 電気泳動表示装置の製造方法 |
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JP2008075436A JP2009229830A (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | 電気泳動表示装置の製造方法 |
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-
2008
- 2008-03-24 JP JP2008075436A patent/JP2009229830A/ja active Pending
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