JP2013167037A - パイル長を変化できる編機及びパイル長を変化させた編地の製造方法 - Google Patents

パイル長を変化できる編機及びパイル長を変化させた編地の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】互いにパイル長の異なる少なくとも3種類の編み組織を編目一目単位で分布させた編地を編成することができる、パイル長を変化できる編機及びパイル長を変化させた編地の製造方法を提供する。
【解決手段】低パイルシンカー及び高パイルシンカーと、低パイルシンカーの後端側に設けられる低パイル用セレクタージャック及び高パイルシンカーの後端側に設けられる高パイル用セレクタージャックと、編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、低パイル用セレクタージャックに作用を与える第1編成制御と、高パイル用セレクタージャックに作用を与える第2編成制御と、低パイル用セレクタージャック及び高パイル用セレクタージャックのいずれにも作用を与えない第3編成制御とを選択的に実行するアクチュエータと、アクチュエータにより作用を受けたセレクタージャックとそれに接触するシンカーを編針間に向けて押し出すためのカムとを備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、往復運動する編針間にシンカーを出入りさせて複数のシンカーループ長を有するパイル編地を形成する、パイル長を変化できる編機及びパイル長を変化させた編地の製造方法に関する。
従来、靴下丸編機などにおいて、パイル編みを形成するにあたっては、編針間にパイル爪を備えたシンカーを出入りさせ、その出入りの距離によりパイル糸をパイル爪に乗せたり、乗せなかったりして、パイル編みと平編みを形成する技術が知られている。
また、2枚のシンカーを用いて、地糸よりもパイル糸のシンカーループ長を長くした編み組織(以下、「低パイル編み」と称す)、パイル糸のシンカーループ長(以下、「パイル長」とも称す)を低パイル編みよりも更に長くした編み組織(以下、「高パイル編み」と称す)及び地糸とパイル糸とのシンカーループ長が同じ編み組織(以下、「平編み」と称す)を同一の編地内に形成させる技術として、特許文献1が知られている。この技術によれば、同一編み地の中に平編み、低パイル編み、及び高パイル編みの3種類の編み組織を任意のパターンで分布させることができ、低パイル編みの中に高パイル編みを分布させたり、平編みの中に低パイル編みや高パイル編みを分布させたりすることができる。また、平編み組織の代わりに、変化編みとしてのフロート編み組織、タック編み組織、カットボス編み組織が配置されることも行われている。
特許第4502606号公報
上記特許文献1では、同一編み地の中に平編み、低パイル編み、及び高パイル編みの3種類の編み組織を任意のパターンで分布させることができるので、ファッション性や機能を追及した製品に用いることができる。しかしながら、ファッション性や機能性を更に追及した商品に用いるため、平編み、高パイル編み、及び低パイル編みの3種類の編み組織を編目一目(針1本)単位で分布させた編地が求められることもある。上記特許文献1の技術では、2枚のシンカーのうち一方のシンカーのみをアクチュエータで作用させているため、他方のシンカーの動作を編目一目(針1本)単位で正確に作用させることは難しい。
そこで、本発明の主な目的は、互いにパイル長の異なる少なくとも3種類の編み組織を編目一目単位で分布させた編地を編成することができる、パイル長を変化できる編機及びパイル長を変化させた編地の製造方法を提供することにある。
本発明によるパイル長を変化できる編機は、編針を経方向に保持したシリンダと、シリンダの軸方向に直交する円盤状の水平面を備えたシンカーベッドと、シンカーベッドにおいて放射状に配置され、シリンダ中心方向を前方として編針間をシリンダ径方向に前後動する複数のシンカーと、シンカーベッドにおいて放射状に配置され、シンカー後方にシリンダ径方向へ前後動することによりシンカーへ作用する複数のセレクタージャックと、セレクタージャックに作用するアクチュエータと、シンカーベッドの上方に配置され、シンカー及びセレクタージャックに作用するカムが具備されたシンカーベッドを覆う円盤状のシンカーキャップとを有する、パイル長を変化できる編機であって、シリンダ径方向に延在すると共に編針の配列方向に互いに対向して配置され、低パイルを編成する際にパイル糸を保持する低パイル爪が形成された低パイルシンカー及び低パイルよりシンカーループ長の長い高パイルを編成する際にパイル糸を保持する高パイル爪が形成された高パイルシンカーを有するシンカーと、シリンダ径方向に延在すると共に編針の配列方向に互いに対向して配置され、低パイルシンカーの後方に設けられる低パイル用セレクタージャック及び高パイルシンカーの後方に設けられる高パイル用セレクタージャックを有するセレクタージャックと、編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、低パイル用セレクタージャックに作用を与える第1編成制御と、高パイル用セレクタージャックに作用を与える第2編成制御と、低パイル用セレクタージャック及び高パイル用セレクタージャックのいずれにも作用を与えない第3編成制御と、を選択的に実行するアクチュエータと、アクチュエータにより作用を受けたセレクタージャックとそれに接触するシンカーを編針間に向けて押し出すためのカムと、を備え、低パイルシンカー及び高パイルシンカーの少なくとも一方には、編目を編成する際に地糸を保持する小爪が形成され、高パイル爪は、経方向において小爪からの距離が低パイル爪よりも遠い位置に形成され、経方向における低パイル爪と高パイル爪との距離が0.5mm以上2.5mm以下であり、第1編成制御によって低パイルシンカーが押し出された場合には、パイル糸が低パイル爪に保持され、地糸が小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれ、第2編成制御によって高パイルシンカーが押し出された場合には、パイル糸が高パイル爪に保持され、地糸が小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれ、第3編成制御によって低パイルシンカー及び高パイルシンカーが押し出されない場合には、パイル糸及び地糸が共に小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれる。
本発明によるパイル長を変化させた編地の製造方法は、シリンダ径方向に延在すると共に編針の配列方向に互いに対向して配置され、低パイルを編成する際にパイル糸を保持する低パイル爪が形成された低パイルシンカー及び低パイルよりシンカーループ長の長い高パイルを編成する際にパイル糸を保持する高パイル爪が形成された高パイルシンカーを有するシンカーと、シリンダ径方向に延在すると共に編針の配列方向に互いに対向して配置され、低パイルシンカーの後方に設けられる低パイル用セレクタージャック及び高パイルシンカーの後方に設けられる高パイル用セレクタージャックを有するセレクタージャックと、編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、低パイル用セレクタージャック及び高パイル用セレクタージャックに作用を与えることができるアクチュエータと、セレクタージャックとそれに接触するシンカーを編針間に向けて押し出すためのカムと、を備えた編機における、パイル長を変化させた編地の製造方法であって、アクチュエータが、編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、低パイル用セレクタージャックに作用を与える第1編成制御と、高パイル用セレクタージャックに作用を与える第2編成制御制御と、低パイル用セレクタージャック及び高パイル用セレクタージャックのいずれにも作用を与えない第3編成制御とを選択的に実行する第1ステップと、カムが、アクチュエータにより作用を受けたセレクタージャックに作用し、それに接触するシンカーを編針間に向けて押し出す第2ステップと、を含み、第1編成制御によって低パイルシンカーが押し出された場合には、パイル糸が低パイル爪に保持され、地糸が小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれ、第2編成制御によって高パイルシンカーが押し出された場合には、パイル糸が高パイル爪に保持され、地糸が小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれ、第3編成制御によって低パイルシンカー及び高パイルシンカーが押し出されない場合には、パイル糸及び地糸が共に小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれる。
これらの発明によれば、編目組織の違い、すなわち、シンカーループの長さは、“パイル糸及び地糸とシンカーとの接点”から“パイル糸及び地糸と編針との接点”までの距離に対応することになる。よって、パイル糸及び地糸とシンカーとの接点、すなわち、パイル糸及び地糸を、2枚のシンカーのどちらで保持するか、どの爪で保持するかを、各シンカーの前進・後退により選別することで、異なる編目組織(例えば、低パイル編み、高パイル編み、平編み)を編成することが可能となる。そして、低パイルシンカーを前進させる第1編成制御、高パイルシンカーを前進させる第2編成制御、及び低パイルシンカー及び高パイルシンカーの両方を前進させない第3編成制御の3つの制御の全てを、アクチュエータによって選択的に実行することができる。この結果、互いにパイル長の異なる少なくとも3種類の編み組織を編目一目単位で分布させた編地を編成することができる。
また、本発明によるパイル長を変化できる編機では、セレクタージャックには、アクチュエータによって作用が与えられる部分であるセレクターバットが形成されており、セレクターバットは、低パイル用セレクタージャック及び高パイル用セレクタージャックに、延在方向における同じ位置に互いに対向して設けられる、共通部としてのセレクターバットと、低パイル用セレクタージャックに、延在方向において共通部としてのセレクターバットと異なる位置に設けられる、単独部としてのセレクターバットと、を有し、第1編成制御では、単独部としてのセレクターバットに作用を与え、第2編成制御では、共通部としてのセレクターバットに作用を与えるか、又は、共通部としてのセレクターバットと単独部としてのセレクターバットとの両方に作用を与え、第3編成制御では、いずれのセレクターバットにも作用を与えないものとすることができる。
このパイル長を変化できる編機の構成によれば、第2編成制御においてアクチュエータから作用を受ける際、共通部としてのセレクターバットと単独部としてのセレクターバットの双方に作用を与えることにより、低パイル用セレクターバットが受ける衝撃や力が分散される。これにより、低パイル用セレクタージャックに掛かる負担が軽減される。
また、このパイル長を変化できる編機機の構成であれば、第2編成制御において、少なくとも共有部としてのセレクターバットに作用を与えるので、低パイルシンカー及び高パイルシンカーを同時に作用させることになる。これにより、高パイルシンカーにおいて地糸を保持するための小爪を設ける必要がなくなり、高パイルシンカーの構成を簡略化することができる。
また、本発明によるパイル長を変化できる編機では、セレクタージャックは、共通部としてのセレクターバット及び単独部としてのセレクターバットの設けられる位置が互いに異なる複数のセレクタージャックによって周期的に配列され、アクチュエータは、複数のセレクタージャックのそれぞれに設けられた共通部としてのセレクターバット及び単独部としてのセレクターバットに対応して設けられた複数のヘッドを有することができる。
このパイル長を変化できる編機の構成によれば、アクチュエータの応答スピードはそのままで、シリンダの回転スピードを上げることができるので、生産効率を高めることができる。また、シリンダの回転スピードに対するアクチュエータの応答スピードに応じて、適当な数の一対のセレクタージャックを設定することで、編機の稼働の安定化を図ることができる。
また、本発明によるパイル長を変化できる編機では、セレクタージャックには、アクチュエータによって作用が与えられる部分であるセレクターバットが形成されており、セレクターバットは、低パイル用セレクタージャックに設けられる、低パイル用セレクターバットと、高パイル用セレクタージャックに、延在方向において低パイル用セレクターバットと異なる位置に設けられる、高パイル用セレクターバットと、を有し、第1編成制御では、低パイル用セレクターバットに作用を与え、第2編成制御では、高パイル用セレクターバットに作用を与えるか、又は低パイル用セレクターバットと高パイル用セレクターバットとの両方に作用を与え、第3編成制御では、いずれのセレクターバットにも作用を与えないものとすることができる。
この構成であれば、第2編成制御において、低パイル用セレクターバットと高パイル用セレクターバットとの両方に作用を与えることもできる。これにより、高パイルシンカーにおいて地糸を保持するための小爪を設ける必要がなくなり、高パイルシンカーの構成を簡略化することができる。
また、本発明によるパイル長を変化できる編機では、編針の配列方向に沿って配列されるセレクタージャックは、低パイル用セレクターバット及び高パイル用セレクターバットの設けられる位置が互いに異なる複数のセレクタージャックが周期的に配列され、アクチュエータは、複数のセレクタージャックのそれぞれに設けられたセレクターバットに対応して設けられた複数のヘッドを有することができる。
このパイル長を変化できる編機の構成によれば、アクチュエータの応答スピードはそのままで、シリンダの回転スピードを上げることができるので、生産効率を高めることができる。また、シリンダの回転スピードに対するアクチュエータの応答スピードに応じて、適当な数の一対のシンカーを設定することで、編機の稼働を安定させることができる。
また、本発明によるパイル長を変化できる編機では、小爪を低パイルシンカーにのみ形成することができる。
低パイルシンカーと高パイルシンカーとからなる2枚シンカーの構成のパイル長を変化できる編機では、一方のシンカーの爪を利用して編目を編成する場合、他方のシンカーに形成された地糸保持用の爪が一方のシンカーによる編目編成を邪魔するおそれがある。このパイル長を変化できる編機の構成では、低パイルシンカーにのみ小爪が形成されているので、低パイルシンカーを選択時に、高パイルシンカーの爪によって編目を編成する際の不具合が生じるおそれがなくなる。高パイル編みを編成する際には、高パイルシンカーのみを選択するのではなく、低パイルシンカーも同時に選択するようにすれば、低パイルシンカーに形成された小爪を利用して地糸を保持することが可能となる。
また、本発明によるパイル長を変化できる編機では、低パイルシンカー及び低パイル用セレクタージャックと、高パイルシンカー及び高パイル用セレクタージャックとの間には、低パイルシンカー及び低パイル用セレクタージャックと、高パイルシンカー及び高パイル用セレクタージャックとの癒着を防止するための分離部を設けることができる。
このパイル長を変化できる編機によれば、分離部によって高パイルシンカーと低パイルシンカーとが接触することを防止すると共に、高パイル用セレクタージャックと低パイル用セレクタージャックとが接触することを防止することができる。これにより、高パイルシンカーと低パイルシンカーとが互いに癒着することなく、また、高パイル用セレクタージャックと低パイル用セレクタージャックとが互いに癒着することなく、それぞれ単独で動作させることが可能となる。
本発明によるパイル長を変化できる編機では、分離部を、プレート状のセパレータとすることができる。
本発明によるパイル長を変化できる編機では、アクチュエータは、セレクタージャックに対して、当該セレクタージャックの延在方向に直交する主面を有する板状ヘッドの先端部を接触させることで作用を与え、先端部の形状は、先端部の延在方向を左右方向としたときに左右対称に形成することができる。
このパイル長を変化できる編機によれば、編機を上から見たときに、シリンダが反時計回り(左回り)に自転する「正回転」の場合であっても、シリンダが時計回り(右回り)に自転する「逆回転」の場合であっても、セレクターバットに対して同じ作用を与えることができる。この結果、シリンダが、1周分の正回転と、1周分の逆回転とを繰返す、「往復回転運動」を行う場合であっても、通常の回転運動と同様の制御を行うことができる。なお、ここでいう「シリンダ」とは、編機において編針が納められる筒状の部品であり、このシリンダが上下方向の中心線を軸として自転することにより、編針が上下に動き、編地が編成される。
本発明によるパイル長を変化できる編機は、編針を経方向に保持したシリンダと、シリンダの軸方向に直交する円盤状の水平面を備えたシンカーベッドと、シンカーベッドにおいて放射状に配置され、シリンダ中心方向を前方として編針間をシリンダ径方向に前後動する複数のシンカーと、シンカーベッドにおいて放射状に配置され、シンカー後方にシリンダ径方向へ前後動することによりシンカーへ作用する複数のセレクタージャックと、セレクタージャックに作用するアクチュエータと、シンカーベッドの上方に配置され、シンカー及びセレクタージャックに作用するカムが具備されたシンカーベッドを覆う円盤状のシンカーキャップとを有した、パイル長を変化できる編機であって、シリンダ径方向に延在すると共に、編目を編成する際に地糸を保持する小爪と、低パイルを編成する際にパイル糸を保持する低パイル爪と、高パイルを編成する際に経方向において小爪からの距離が低パイル爪よりも遠い位置でパイル糸を保持する高パイル爪と、が形成されたシンカーと、シリンダ径方向に延在すると共にシンカーの後方に設けられ、延在する部分に低パイルを編成する際に作用を受ける部分である低パイル用セレクターバットと、高パイルを編成する際に作用を受ける部分である高パイル用セレクターバットと、が形成されたセレクタージャックと、編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、低パイル用セレクターバットに作用を与える第1編成制御と、高パイル用セレクターバットに作用を与える第2編成制御と、低パイル用セレクターバット及び高パイル用セレクターバットのいずれにも作用を与えない第3編成制御とを選択的に実行するアクチュエータと、アクチュエータにより低パイル用セレクターバットに作用を受けたセレクタージャックと、それに接触するシンカーを編針間に向けて押し出す第1押出部と、アクチュエータにより高パイル用セレクターバットに作用を受けたセレクタージャックと、それに接触するシンカーを編針間に向けて押し出す第2押出部と、を有するカムと、を備え、第1押出部がセレクタージャックを押し出す量と、第2押出部がセレクタージャックを押し出す量とは互いに異なって設定されており、第1編成制御によってシンカーが押し出された場合には、パイル糸が低パイル爪に保持され、地糸が小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれ、第2編成制御によってシンカーが押し出された場合には、パイル糸が高パイル爪に保持され、地糸が小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれ、第3編成制御によってシンカーが押し出されない場合には、パイル糸及び地糸が共に小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれる。
本発明によるパイル長を変化させた編地の製造方法は、シリンダ径方向に延在すると共に、編目を編成する際に地糸を保持する小爪と、低パイルを編成する際にパイル糸を保持する低パイル爪と、高パイルを編成する際に経方向において小爪からの距離が低パイル爪よりも遠い位置でパイル糸を保持する高パイル爪と、が形成されたシンカーと、シリンダ径方向に延在すると共にシンカーの後方に設けられ、延在する部分に低パイルを編成する際に作用を受ける部分である低パイル用セレクターバットと、高パイルを編成する際に作用を受ける部分である高パイル用セレクターバットと、が形成されたセレクタージャックと、編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、低パイル用セレクターバット及び高パイル用セレクターバットに作用を与えることができるアクチュエータと、セレクタージャックとそれに接触するシンカーを編針間に向けて押し出すためのカムと、を備えた編機における、パイル長を変化させた編地の製造方法であって、アクチュエータが、編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、低パイル用セレクターバットに作用を与える第1編成制御と、高パイル用セレクターバットに作用を与える第2編成制御と、低パイル用セレクターバット及び高パイル用セレクターバットのいずれにも作用を与えない第3編成制御とを選択的に実行する第1ステップと、低パイル用セレクターバットがアクチュエータから作用を受けた場合には、カムは、第1押出部でセレクタージャックに作用し、それに接触するシンカーを押し出し、高パイル用セレクターバットがアクチュエータから作用を受けた場合には、第2押出部でセレクタージャックに作用し、それに接触するシンカーで押し出す、第2ステップと、を含み、第1押出部がセレクタージャックを押し出す量と、第2押出部がセレクタージャックを押し出す量とは互いに異なって設定されており、第1編成制御によってシンカーが押し出された場合には、パイル糸が低パイル爪に保持され、地糸が小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれ、第2編成制御によってシンカーが押し出された場合には、パイル糸が高パイル爪に保持され、地糸が小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれ、第3編成制御によってシンカーが押し出されない場合には、パイル糸及び地糸が共に小爪に保持された状態で、パイル糸及び地糸が編針によって引き込まれる。
この発明によれば、編目組織の違い、すなわち、シンカーループの長さは、“パイル糸及び地糸とシンカーとの接点”から“パイル糸及び地糸と編針との接点”までの距離に対応することになる。よって、パイル糸及び地糸とシンカーとの接点、すなわち、パイル糸及び地糸を、シンカーのどの部分で保持するのかを、シンカーの前進後退による移動量を調整することで、異なる編目組織(低パイル編み、高パイル編み、平編み)を編成することが可能となる。そして、シンカーを移動させる第1編成制御、第1編成制御における移動量よりも長くシンカーを移動させる第2編成制御、及びシンカーを移動させない第3編成制御の3つの制御の全てを、アクチュエータによって選択的に実行することができる。この結果、互いにパイル長の異なる少なくとも3種類の編み組織を編目一目単位で分布させた編地を編成することができる。
本発明によれば、互いにパイル長の異なる少なくとも3種類の編み組織を編目一目単位で分布させた編地を編成することができる。
第1実施形態に係る丸編機によって編むことができる編み組織の一例を示す組織図である。 第1実施形態に係る丸編機に含まれる編目編成装置の周辺を示す斜視図である。 低パイルシンカー及び高パイルシンカーの側面図である。 シンカー、セレクタージャック、及びセパレータの配置を示す平面図である。 高パイル用セレクタージャック及び低パイル用セレクタージャックの種類を示す側面図である。 セパレータの側面図である。 編目編成装置においてアクチュエータが配置されている部分の一部断面図及びアクチュエータに含まれるヘッドの正面図である。 シンカーキャップに形成されるカム群の形成位置を示す平面図である。 低パイルシンカーと高パイルシンカーとに形成されるそれぞれの爪の位置の違いを示す説明図である。 平編み、低パイル編み、及び高パイル編みを編成する際のパイル糸及び地糸の保持状態を示す側面図である。 図8のO−A線に沿った断面図及びO−B線に沿った断面図である。 図8のO−C線に沿った断面図及びO−D線に沿った断面図である。 図8のO−E線に沿った断面図及びO−F線に沿った断面図である。 図8のO−G線に沿った断面図である。 図8のO−C線に沿った断面図及びO−D線に沿った断面図である。 図8のO−E線に沿った断面図及びO−F線に沿った断面図である。 図8のO−C線に沿った断面図及びO−D線に沿った断面図である。 図8のO−E線に沿った断面図及びO−F線に沿った断面図である。 第2実施形態に係るシンカー及びセレクタージャックの配置を示す平面図及びシンカーの側面図である。 第2実施形態に用いられるセレクタージャックの種類を示す側面図である。 第2実施形態に係る編目編成装置においてアクチュエータが配置されている部分の一部断面図及びアクチュエータに含まれるヘッドの正面図である。 第2実施形態に係るシンカーキャップに形成されるカム群の形成位置を示す平面図である。 図22のカム群の一部を拡大して示し図であり、段差部の配置を示す図である。 図19中のカム群の一部断面図である。 第2実施形態に係るシンカーに形成される爪の位置の違いを示す説明図である。 第2実施形態の編機において、平編み、低パイル編み、及び高パイル編みを編成する際のパイル糸及び地糸の保持状態を示す側面図である。 図22のO−A線に沿った断面図及びO−B線に沿った断面図である。 図22のO−C線に沿った断面図及びO−D線に沿った断面図である。 図22のO−E線に沿った断面図及びO−F線に沿った断面図である。 図22のO−G線に沿った断面図である。 図22のO−C線に沿った断面図及びO−D線に沿った断面図である。 図22のO−E線に沿った断面図及びO−F線に沿った断面図である。 図22のO−C線に沿った断面図及びO−D線に沿った断面図である。 図22のO−E線に沿った断面図及びO−F線に沿った断面図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととする。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。また、説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
本実施形態では、マルチパイル編機(パイル長を変化できる編機)として、平編み、高パイル編みそして低パイル編みの3種類の編み組織を編目一目単位で分布させた編地を編成することができる丸編機1について説明する。最初に、編み組織について説明する。
図1は、本実施形態の丸編機によって編むことができる編み組織の一例を示す。パイル糸91と地糸92が一緒に編みこまれ、パイル糸91と地糸92のシンカーループの長さが同じ編み組織を平編みPといい、パイル糸91のシンカーループが地糸92よりも長くなった編み組織を低パイル編み(「ショートパイル編み」ともいう)Pといい、低パイル編みPよりも更にシンカーループが長くなった編み組織を高パイル編み(「ロングパイル編み」ともいう)Pという。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る丸編機1について説明する。最初に、丸編機1の構成について、図2〜図8を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る丸編機に含まれる編目編成装置の周辺を示す斜視図である。丸編機1は、図示しない機台に回転自在に支持されている編針シリンダ2と、編針シリンダ2の上部内側に取り付けられたトップシリンダ4と、編針シリンダ2の上部外側に配置された円盤状のシンカーベッド6と、往復運動する編針11間に後述する一対のシンカー20を出し入れすることにより複数の編み組織を編成する編目編成装置10と、を備えている。
編針シリンダ2は、丸編機1において編針11が収容される筒状の部品である。編針シリンダ2の外周面には、編針11を上下方向に摺動自在に配置するための多数の縦溝3が、周方向において等間隔に配置されている。編針シリンダ2における縦溝3の配置密度は、通常円周方向の長さ1インチ当たり5本〜24本である。
トップシリンダ4は、編針シリンダ2と共に回転可能となっており、後段にて詳述する一対のシンカー20を誘導するための複数の水平溝5が、編針シリンダ2の径方向(以下、単に「径方向」とも称す)に沿って形成されている。水平溝5は、上から見たときに、編針シリンダ2における縦溝3間に位置するように形成されている。すなわち、上からみたときに、水平溝5と縦溝3とは周方向において交互に配置されている。
シンカーベッド6は、後段にて詳述する一対のシンカー20、一対のセレクタージャック30及びセパレータ40が収容される筒状の部品である。シンカーベッド6は、編針シリンダ2と共に回転可能となっており、一対のシンカー20、一対のセレクタージャック30及びセパレータ40を径方向に沿って配置するための複数の水平溝7が形成されている。シンカーベッド6に形成される複数の水平溝7と、トップシリンダ4に形成される複数の水平溝5とは同数であり、径方向において同一直線状に配置されている。
編目編成装置10(図7(a)及び図10(a)〜(c)参照)は、一対のシンカー20と、一対のセレクタージャック30と、セパレータ40と、アクチュエータ50と、シンカーキャップ60と、を備えている。一対のシンカー20は、新ループとなるパイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込む際に、パイル糸91及び地糸92を保持する。一対のセレクタージャック30は、一対のシンカー20のそれぞれのシンカーを選択的に押し出すことができる。セパレータ40は、低パイルシンカー21及び低パイル用セレクタージャック31と、高パイルシンカー25及び高パイル用セレクタージャック35との癒着を防止する。アクチュエータ50は、一対のセレクタージャック30のそれぞれのセレクタージャックに選択的に作用を与えることができる。シンカーキャップ60は、アクチュエータ50によって作用が与えられたセレクタージャック30を編針11間方向に押し出すための第1カム62などを含むカム群が形成されている。
図3(a)は低パイルシンカーの側面図、図3(b)は高パイルシンカーの側面図である。一対のシンカー20(以下、単に「シンカー20」とも称す)は、図3(a)に示すような低パイル爪22及び小爪23を有する低パイルシンカー21と、図3(b)に示すような高パイル爪26を有する高パイルシンカー25との2枚の板状部材からなる。低パイル爪22及び高パイル爪26は、編目編成時にパイル糸91を保持する部分であり、小爪23は、少なくとも地糸92を保持する部分である。低パイルシンカー21及び高パイルシンカー25の厚みは、通常0.2mm〜0.8mmであり、鋼材などで形成されている。
図4は、シンカー、セレクタージャック、及びセパレータの配置を示す平面図である。低パイルシンカー21及び高パイルシンカー25(以下、「高低パイルシンカー21,25」とも称す)は、シンカーベッド6に形成される水平溝7に収容される。また、高低パイルシンカー21,25は、図4に示すように、当該出し入れ方向に延在するように配置されると共に、セパレータ40を挟んで互いに対向(並列対向)するように配置される。高低パイルシンカー21,25は、先端21a,25a側が、編針11間に出し入れ可能に設けられる。高低パイルシンカー21,25のそれぞれの後端21b,25bには、後述する第2カム63及び第3カム64より作用を受ける部分であるバット24,28が形成されている。ここで、図4の左右方向と図2におけるシンカーベッド6の径方向とは一致し、図4の左方は、図2の径方向内方と一致する。
一対のセレクタージャック30(以下、単に「セレクタージャック30」とも称す)は、低パイルシンカー21の後端21b側(径方向外側)に配置される低パイル用セレクタージャック31と、高パイルシンカー25の後端25b側(径方向外側)に配置される高パイル用セレクタージャック35との2枚の板状部材からなる。低パイル用セレクタージャック31及び高パイル用セレクタージャック35(以下、「高低パイル用セレクタージャック31,35」とも称す)の厚みは、シンカー20と同様、通常0.2mm〜0.8mmであり、鋼材などで形成されている。
高低パイル用セレクタージャック31,35は、シンカーベッド6に形成される水平溝7に収容され、図4に示すように、出し入れ方向に延在するように配置されると共に、セパレータ40を挟んで互いに対向(並列対向)するように配置される。
図5は、本実施形態に用いられる高パイル用セレクタージャック及び低パイル用セレクタージャックの種類を示す側面図である。図5(a)、(b)、及び(c)は、低パイル用セレクタージャック31を示し、図5(d)、(e)、及び(f)は、高パイル用セレクタージャック35を示している。低パイル用セレクタージャック31は、セレクターバット32を有しており、図5(a)、(b)、及び(c)に示すように、それぞれに2つのセレクターバット32a,32d,32b・32e,32c・32fが形成されている。高パイル用セレクタージャック35は、セレクターバット36を有しており、図5(d)、(e)、及び(f)に示すように、それぞれに1つのセレクターバット36a、36b、36cが形成されている。セレクターバット32,36とは、アクチュエータ50から作用を受ける部分である。
高低パイル用セレクタージャック31,35は、前述のセレクターバット32,36と、径方向内方側に配置される低パイルシンカー21及び高パイルシンカー25を押し出す部分である先端31a,35aと、先端31a,35aとは反対側の後端31b,35bと、後述する第5カム66から作用を受ける部分であるバット34,38を有する。セレクターバット32,36は、高低パイル用セレクタージャック31,35の延在部分下部31c,35cに、下方に凸に形成されている。高低パイル用セレクタージャック31,35の延在部分上部31d,35dには、後述する第1カム62から作用を受けるセレクターボス33,37が形成され、互いに対向している。セレクターボス33,37は、延在部分上部31d,35dから上方に凸に形成されている。
図2に示すシンカーベッド6における1列目の水平溝7(1列目の水平溝701)には、一対のシンカー20と、図5(a)に示す1段目のセレクターバット32a及び4段目のセレクターバット32dが形成された低パイル用セレクタージャック31と、図5(d)に示す4段目のセレクターバット36aが形成された高パイル用セレクタージャック35と、後述するセパレータ40と、が挿入される。
図2に示すシンカーベッド6における2列目の水平溝7(2列目の水平溝702)には、一対のシンカー20と、図5(b)に示す2段目のセレクターバット32b及び5段目のセレクターバット32eが形成された低パイル用セレクタージャック31と、図5(e)に示す5段目のセレクターバット36bが形成された高パイル用セレクタージャック35と、後述するセパレータ40と、が挿入される。
図2に示すシンカーベッド6における3列目の水平溝7(3列目の水平溝703)には、一対のシンカー20と、図5(c)に示す3段目のセレクターバット32c及び6段目のセレクターバット32fが形成された低パイル用セレクタージャック31と、図5(f)に示す6段目のセレクターバット36cが形成された高パイル用セレクタージャック35と、後述するセパレータ40と、が挿入される。
図2に示すシンカーベッド6における4列目の水平溝7(4列目の水平溝704)からは、上記1列目から3列目の説明で述べた構成の組み合わせの繰り返しとなる。ここでは、セレクターバットの段数を3段にした場合を例示するが、編針シリンダ2の回転スピードに対する電子制御の信号によるアクチュエータ50の応答スピードが合致すれば、1段又は2段でもよく、また、4段以上でもよい。
図5(a)に示す低パイル用セレクタージャック31に形成されるセレクターバット32dと図5(d)に示す高パイル用セレクタージャック35に形成されるセレクターバット36aとは、延在方向(径方向)において同じ位置にある。一対のセレクタージャック30として見ると、セレクターバット32dとセレクターバット36aとは互いに対向(並列対向)して配置されるので、共通部としてのセレクターバットと称することができる。図5(b)に示すセレクターバット32e及び図5(e)に示すセレクターバット36b、図5(c)に示すセレクターバット32f及び図5(f)に示すセレクターバット36cについても同様の関係にある。また、図5(a)に示す低パイル用セレクタージャック31に形成されるセレクターバット32aは、図5(d)に示す低パイル用セレクタージャック31との間で、延在方向において同じ位置にあるセレクターバット36は存在しないので、単独部としてのセレクターバットと称することができる。
セパレータ40は、図4に示すように、低パイルシンカー21及び低パイル用セレクタージャック31と、高パイルシンカー25及び高パイル用セレクタージャック35との間に設けられている。セパレータ40は、図6に示すように、高低パイルシンカー21,25の一部の形状に対応する先端部40aと、後端部40b下方には、水平溝7に固定するための固定バット41が形成されている。セパレータ40の厚みは、通常0.15mm〜0.25mmであり、鋼材などでプレート状に形成されている。このセパレータ40が配置されていることにより、低パイルシンカー21及び低パイル用セレクタージャック31と、高パイルシンカー25及び高パイル用セレクタージャック35との癒着が回避される。
図7(a)は、編目編成装置においてアクチュエータが配置されている部分の一部断面図であり、図5(a)に示す低パイル用セレクタージャックと図5(d)に示す高パイル用セレクタージャックとがアクチュエータ上に存在するときの断面図である。アクチュエータ50は、図7(a)に示すように、シンカーベッド6の下方に配置されており、一対のセレクタージャック30にそれぞれ形成されたセレクターバット32、36に選択的に作用を与えることができる。アクチュエータ50は、単独部としてのセレクターバット32a,32b,32c(図5(a)〜(c)参照)のそれぞれに対応して設けられているヘッド51,52,53と、共通部としてのセレクターバット32d・36a,32e・36b,32c・36c(図5(a)〜(f)参照)のそれぞれに対応して設けられているヘッド54,55,56と、を有している。
図7(b)は、アクチュエータのヘッドを径方向内方から見た正面図である。アクチュエータ50のヘッド51〜56は、図7(b)に示すように、矢印F方向(逆回転方向)又は矢印G方向(正回転方向)に移動する高低パイル用セレクタージャック31,35に対して、当該高低パイル用セレクタージャック31,35の延在方向に直交する主面51a〜56aを有する。板状ヘッド51〜56の先端部51b〜56bを、高低パイル用セレクタージャック31,35のセレクターバット32,36に接触させることで作用を与えることができる。
先端部51b〜56bの形状は、先端部51b〜56bの延在方向(図7(b)で示す水平方向)を左右方向としたときに左右対称に形成されている。このため、アクチュエータ50は、丸編機1を上から見たときに、編針シリンダ2が反時計回り(左回り)に自転する「正回転」の場合であっても、編針シリンダ2が時計回り(右回り)に自転する「逆回転」の場合であっても、セレクターバット32,36に対して同様の作用を与えることができる。この結果、編針シリンダ2が、1周分の正回転と、1周分の逆回転とを繰返す、「往復回転運動」を行う場合であっても、通常の回転運動と同様の制御を行うことができる。
図8は、シンカーキャップに形成されるカム群の形成位置を示す平面図である。円盤状のシンカーキャップ60は、シンカーベッド6(図2参照)の上方に配置され、カム群62〜66が形成されたカム形成面61を下方に向け、図示しない機台に回転不能に支持されている。図8では、上方から見たシンカーキャップ60を図示しているが、底面側に配置されたカム群を実線で示している。点線で示すアクチュエータ50は、シンカーキャップ60を上から見たときのアクチュエータ50の配置位置を示している。
上記カム群は、少なくとも、径方向外側に配置された第1カム62と、第1カム62よりも径方向内側に形成され、開環状に配置された第2カム63と、第2カム63よりも径方向内側に形成され、略環状に配置された第3カム64と、径方向において第1カム62と第2カム63との間に配置され、第2カム63の開環部63a近傍に配置された第4カム65と、径方向において第1カム62と第2カム63との間で、第4カム65と隣接して配置されている第5カム66と、を有している。
第1カム62は、高低パイル用セレクタージャック31,35に形成されたセレクターボス33,37の外側に作用する。第2カム63は、高低パイルシンカー21,25に形成されたバット24,28の外側に作用する。第3カム64は、高低パイルシンカー21,25に形成されたバット24,28の内側に作用する。第4カム65は、高低パイル用セレクタージャック31,35に形成されたセレクターボス33,37の上部に作用する。第5カム66は、高低パイル用セレクタージャック31,35に形成されたバット34,38に作用する。
次に、本実施形態の丸編機1が、図1に示すような平編みP、低パイル編みP、及び高パイル編みPを編成できる構成について説明する。図9は、互いに対向して配置される低パイルシンカーと高パイルシンカーとに形成されるそれぞれの爪の位置の違いを示す説明図である。低パイルシンカー21に形成される低パイル爪22及び小爪23と、高パイルシンカー25に形成される高パイル爪26とは、図9に示すように上下方向において形成される位置が異なっており、小爪23と高パイル爪26との距離H2は、小爪23と低パイル爪22との距離H1よりも長い。本実施形態の丸編機1では、この距離差(高低差)を利用して異なる編み組織が編成される。なお、本実施形態における距離差(H2−H1)は、0.5mm〜2.5mmである。
編目編成時のシンカーループ長は、図10(a)〜図10(c)に示すように、“パイル糸91及び地糸92と各爪22,23,26との接点P22,P23,P26”から“パイル糸91及び地糸92と編針11との接点P11”までの距離に応じて編成される。すなわち、編針11が、パイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込む際に、パイル糸91及び地糸92をどの爪(低パイル爪22,小爪23,高パイル爪26)で保持するかによって、編み組織の種類を変えることができる。パイル糸91及び地糸92をどの爪で保持するかは、図10(a)〜図10(c)に示すように、低パイルシンカー21及び高パイルシンカー25を選別的に前進させることで実現することができる。
図10(a)に示すように、編針11に対し、低パイルシンカー21及び高パイルシンカー25を所定位置から動かさない場合(前進させない場合)には、パイル糸91及び地糸92は、共に低パイルシンカー21の小爪23に保持される。このとき、「“パイル糸91と小爪23との接点P23”から“パイル糸91と編針11との接点P11”までの距離D91」と、「“地糸92と小爪23との接点P23”から“地糸92と編針11との接点P11”までの距離D92」とが等しい。したがって、図10(a)に示す状態で、編針11がパイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込むと、パイル糸91のシンカーループ長と地糸92のシンカーループ長とが同じとなる平編みPが編成される。
図10(b)に示すように、編針11に対し、低パイルシンカー21のみを所定位置から編針11のある方向に距離L移動させた場合(前進させた場合)には、パイル糸91は、低パイルシンカー21の低パイル爪22に保持され、地糸92は、低パイルシンカー21の小爪23に保持される。このとき、「“パイル糸91と低パイル爪22との接点P22”から“パイル糸91と編針11との接点P11”までの距離D91」と、「“地糸92と小爪23との接点P23”から“地糸92と編針11との接点P11”までの距離D92」との間に距離H1の差が生じる。したがって、図10(b)に示す状態で、編針11がパイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込むと、パイル糸91のシンカーループ長が地糸92のシンカーループ長よりも長い(長さで表すとH1の2倍)低パイル編みPが編成される。
図10(c)に示すように、編針11に対し、低パイルシンカー21及び高パイルシンカー25の両方を所定位置から編針11方向に距離L移動させた場合(前進させた場合)には、パイル糸91は、高パイルシンカー25の高パイル爪26に保持され、地糸92は、低パイルシンカー21の小爪23に保持される。このとき、「“パイル糸91と高パイル爪26との接点P26”から“パイル糸91と編針11との接点P11”までの距離D91」と、「“地糸92と小爪23との接点P23”から“地糸92と編針11との接点P11”までの距離D92」との間に距離H2の差が生じる。ここで、距離H2は、距離H1よりも長い。したがって、図10(c)に示す状態で、編針11がパイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込むと、パイル糸91のシンカーループ長が地糸92のシンカーループ長よりも長い(長さで表すとH2の2倍)高パイル編みPが編成される。
次に、本実施形態の丸編機1の動作について、一対のシンカー20、一対のセレクタージャック30及びセパレータ40が配置された断面が図示された図11〜図18を用いて説明する。以後、1つの水平溝7の中に配置される、シンカー20(低パイルシンカー21及び高パイルシンカー25)、セレクタージャック30(低パイル用セレクタージャック31及び高パイル用セレクタージャック35)、及びセパレータ40を「シンカーユニット8」とも称す。
シンカーユニット8は、シンカーベッド6と共に回転する。シンカーベッド6は、シンカーキャップ60におけるカム形成面61と対向して配置されている。このため、シンカーユニット8は、上から見たときに、シンカーキャップ60における位置O−A〜O−G(図8参照)を順番に移動する。ここでは、シンカーベッド6の第1段目の水平溝701に収容されるシンカーユニット8(セレクタージャック30は、図5(a)に示す形状の低パイル用セレクタージャック31と図5(d)に示す形状の高パイル用セレクタージャック35とによって構成される)の例を説明する。
(低パイル編成制御(第1編成制御):正回転)
低パイル編みPを編成する際の動作について説明する。図11(a)、図11(b)は、シンカーユニット8が、シンカーキャップ60における位置O−Aに位置するとき、位置O−Bに位置するときの状態をそれぞれ示している。
位置O−Aでは、シンカー20とセレクタージャック30とは互いに離れた状態にある。編針シリンダ2の回転(矢印X)に伴ってシンカーユニット8が位置O−Aから位置O−Bに移動する。このとき、当該編針11と一体に形成された編針バット12がステッチカム80(図2参照)から作用を受けることにより、編針11が上昇する。これにより、新ループとなるパイル糸91(図示せず)及び地糸92(図示せず)が編針11に保持される。シンカーユニット8が位置O−Bに至ると、編針バット12がステッチカム80(図2参照)の作用を受けることにより、パイル糸91及び地糸92を保持した編針11が下降を始める。
位置O−Bでは、シンカー20とセレクタージャック30とは互いに離れた状態にある。このとき、高低パイル用セレクタージャック31,35のセレクターボス33,37は、第1カム62の下方に位置している。したがって、この時点で、第1カム62が、セレクターボス33,37に作用を与えることはない。
図12(c)は、シンカーユニット8が、位置O−Cに位置するときの状態を示している。編針シリンダ2の回転に伴って、シンカーユニット8が位置O−Cに近づいてくる。このとき、高低パイルシンカー21,25のバット24,28の内側が第3カム64から作用を受け、径方向外方押し出される。また、このとき、アクチュエータ50に、図示しない選択信号出力装置からの信号の入力があれば、揺動自在に設けられたヘッド51は、傾斜状態から起立状態に遷移する。なお、図12(c)に示すヘッド51は起立状態を示し、左側に隣接するヘッド52は傾斜状態を示している。
シンカーユニット8が位置O−Cに至ると、低パイル用セレクタージャック31のセレクターバット32aは、起立状態のヘッド51によって作用が与えられる(第1ステップ)。作用が与えられた低パイル用セレクタージャック31は、上方に持ち上げられる。一方、高パイル用セレクタージャック35には、起立状態のヘッド51によって作用を受ける位置にセレクターバット36aが形成されていない。このため、高パイル用セレクタージャック35が、ヘッド51から作用を受けることはない。このとき、第1カム62は、高低パイル用セレクタージャック31,35のセレクターボス33,37の外側に位置している。
図12(d)は、シンカーユニット8が、位置O−Dに位置するときの状態を示している。シンカーユニット8が位置O−Dに至ると、上方に持ち上げられた低パイル用セレクタージャック31のセレクターボス33の外側に第1カム62が係合し、径方向内方に向けて作用が与えられる(第2ステップ)。これにより、低パイル用セレクタージャック31は、径方向内方に向けて押し出される。一方、高パイル用セレクタージャック35は、アクチュエータ50のヘッド51により上方に持ち上げられることはない。このため、高パイル用セレクタージャック35のセレクターボス37の外側が第1カム62と係合することはなく、径方向内方に作用が与えられることもない。これにより、低パイル用セレクタージャック31が、高パイル用セレクタージャック35よりも径方向内方に位置すること(低パイル用セレクタージャック31が前進した状態)になる。
図13(e)は、シンカーユニット8が、位置O−Eに位置するときの状態を示している。シンカーユニット8が位置O−Eに至ると、第1カム62のセレクターボス33への作用により、径方向内方に押し出された低パイル用セレクタージャック31の先端31aが、低パイルシンカー21の後端21bに接触する。これにより、低パイルシンカー21は、径方向内方に向けて押し出される。一方、高パイルシンカー25は、高パイル用セレクタージャック35によって径方向内方に押し出されることはないので、そのままの状態を維持する。これにより、図13(e)に示すように、低パイルシンカー21が、高パイルシンカー25よりも径方向内方に位置すること(低パイルシンカー21が前進した状態)になる。
図13(f)は、シンカーユニット8が、位置O−Fに位置するときの状態を示している。また、シンカーユニット8が、位置O−Dから位置のO−Eに移動する過程では、前述した低パイルシンカー21の動作と同時に、ステッチカム80(図2参照)の作用を受けることにより、編針11が下降する。このとき、低パイルシンカー21は、高パイルシンカー25よりも前進した位置にある。このため、図10(b)に示すように、パイル糸91が低パイルシンカー21の低パイル爪22によって保持され、地糸92が小爪23によって保持された状態となる。そして、シンカーユニット8が位置O−Eから位置O−Fに移動する過程の中で、編針11を更に下降させる。これにより、パイル糸91が低パイルシンカー21の低パイル爪22によって保持され、地糸92が小爪23によって保持された状態で、旧ループとなるパイル糸91と地糸92とに引き込まれ、低パイル編みPが編成される。
シンカーユニット8が、位置O−Eから位置O−Fに移動する過程では、高パイルシンカー25のバット28が、第2カム63により外側から作用を受けることにより、高パイルシンカー25が径方向内方に向けて押し出される。これにより、図13(f)に示すように、径方向における低パイルシンカー21と高パイルシンカー25との位置が同じとなる。
図14は、シンカーユニット8が、位置O−Gに位置するときの状態を示している。シンカーユニット8が、位置O−Fから位置O−Gに移動する過程では、セレクターボス33が第4カム65(図8参照)から作用を受けることにより、低パイル用セレクタージャック31が下に押し下げられ、バット34が第5カム66(図8参照)から作用を受けることにより、低パイル用セレクタージャック31が径方向外方に押し出される。
なお、編針シリンダ2の逆回転(図8の矢印X方向とは反対方向)に伴って、低パイル編みPを編成する際の動作についても、上記と同様である。すなわち、上述した正回転のときと同じ手順が、編針シリンダ2の逆回転において実行される。
(高パイル編成制御(第2編成制御):正回転)
高パイル編みPを編成する際の動作について説明する。なお、位置O−A及び位置O−Bにおけるシンカーユニット8の状態は、低パイル編みPを編成する際の動作と共通するので、ここでは、詳細な説明を省略する。
図15(c)は、シンカーユニット8が、位置O−Cに位置するときの状態を示している。編針シリンダ2の回転に伴ってシンカーユニット8が位置O−Cに近づいてくる。このとき、高低パイルシンカー21,25のバット24,28の内側が第3カム64から作用を受け、径方向外方押し出される。また、このとき、アクチュエータ50に、図示しない選択信号出力装置からの信号の入力があれば、揺動自在に設けられたヘッド51は、傾斜状態から起立状態に遷移する。
シンカーユニット8が、位置O−Cに至ると、低パイル用セレクタージャック31のセレクターバット32aは、起立状態のヘッド51によって作用が与えられる(第1ステップ)。作用が与えられた低パイル用セレクタージャック31は、上方に持ち上げられる。同時に、高パイル用セレクタージャック35のセレクターバット36aは、起立状態のヘッド54によって作用が与えられる。作用が与えられた高パイル用セレクタージャック35も、上方に持ち上げられる。
なお、ヘッド54が、高パイル用セレクタージャック35のセレクターバット36aに作用を与えるときは、径方向において同じ位置に互いに対向して配置される低パイル用セレクタージャック31のセレクターバット32dにも作用を与える。すなわち、共通部としてのセレクターバット36a,32dに同時に作用を与えている。このとき、第1カム62は、高低パイル用セレクタージャック31,35のセレクターボス33,37の外側に位置している。
図15(d)は、シンカーユニット8が、位置O−Dに位置するときの状態を示している。シンカーユニット8が、位置O−Dに至ると、上方に持ち上げられた高低パイル用セレクタージャック31,35のセレクターボス33,37の外側に第1カム62が係合し、径方向内方に向けて作用が与えられる(第2ステップ)。高低パイル用セレクタージャック31,35が、径方向内方に向けて押し出される。これにより、低パイル用セレクタージャック31及び高パイル用セレクタージャック35の両方が前進した状態になる。
図16(e)は、シンカーユニット8が、位置O−Eに位置するときの状態を示している。位置O−Eに至ると、第1カム62のセレクターボス33,37への作用により、径方向内方に押し出された高低パイル用セレクタージャック31,35の先端31a,35aのそれぞれが、高低パイルシンカー21,25の後端21b,25bのそれぞれに接触し、高低パイルシンカー21,25を径方向内方に向けて押し出す。これにより、図16(e)に示すように、低パイルシンカー21及び高パイルシンカー25の両方が前進した状態になる。
また、シンカーユニット8が位置O−Dから位置O−Eに移動する過程では、前述した高低パイルシンカー21,25の動作と同時に、ステッチカム80(図2参照)の作用を受けることによって、編針11が下降する。このとき、高低パイルシンカー21,25の両方が前進した位置にある。このため、図10(c)に示すように、パイル糸91が高パイルシンカー25の高パイル爪26によって保持され、地糸92が小爪23によって保持された状態となる。そして、シンカーユニット8が位置O−Eから位置O−Fに移動する過程の中で、編針11を更に下降させる。これにより、パイル糸91が高パイルシンカー25の高パイル爪26によって保持され、地糸92が小爪23によって保持された状態で、旧ループとなるパイル糸91と地糸92とに引き込まれ、高パイル編みPが編成される。
図16(f)は、シンカーユニット8が、位置O−Fに位置するときの状態を示している。シンカーユニット8が、位置O−Eから位置O−Fに移動する過程では、高低パイルシンカー21,25のバット24,28が、第3カム64により内側から作用を受けることにより、高低パイルシンカー21,25が径方向外方に向けて押し出される。なお、シンカーユニット8が、位置O−Fから位置O−Gに移動する過程については、低パイル編みPを編成する際の動作と共通するので、ここでは、詳細な説明を省略する。
なお、編針シリンダ2の逆回転(図8の矢印X方向とは反対方向)に伴って、高パイル編みPを編成する際の動作についても、上記と同様である。すなわち、上述した正回転のときと同じ手順が、編針シリンダ2の逆回転において実行される。
(平編み編成制御(第3編成制御):正回転)
次に、平編みPを編成する際の動作について説明する。なお、位置O−A及び位置O−Bにおけるシンカーユニット8の状態は、低パイル編みPを編成する際の動作と共通するので、ここでは、詳細な説明を省略する。
図17(c)は、シンカーユニット8が、位置O−Cに位置するときの状態を示している。シンカーユニット8は、編針シリンダ2の回転に伴って、シンカーユニット8が位置O−Cに近づいてくる。このとき、高低パイルシンカー21,25のバット24,28の内側が第3カム64から作用を受け、径方向外方押し出される。また、このとき、アクチュエータ50に、図示しない選択信号出力装置から信号の入力がなければ、揺動自在に設けられたヘッド51〜56は、傾斜状態を維持する。
シンカーユニット8は、この状態で位置O−Cに至ったとしても、低パイル用セレクタージャック31及び高パイル用セレクタージャック35に形成されているセレクターバット32a,36a,32dに作用が与えられることはない(第1ステップ)。このとき、第1カム62は、高低パイル用セレクタージャック31,35のセレクターボス33,37の外側に位置している。
図17(d)は、シンカーユニット8が、位置O−Dに位置するときの状態を示している。シンカーユニット8は、位置O−Dに至っても、高低パイル用セレクタージャック31,35のセレクターボス33,37の外側に第1カム62が係合することはなく、径方向内方に向けて作用が与えられることもない(第2ステップ)。これにより、低パイル用セレクタージャック31及び高パイル用セレクタージャック35の両方が元の状態を維持する。
図18(e)は、シンカーユニット8が、位置O−Eに位置するときの状態を示している。シンカーユニット8は、位置O−Eに至っても、第1カム62がセレクターボス33,37と係合することはなく、高低パイル用セレクタージャック31,35が径方向内方に押し出されることもない。したがって、高低パイルシンカー21,25の後端21b,25bがそれぞれ作用を受けることもない。これにより、図18(e)に示すように、高低パイルシンカー21,25の両方が元の状態を維持する。
また、シンカーユニット8が、位置O−Dから位置O−Eに至る過程では、前述した高低パイルシンカー21,25の動作と同時に、編針11が、ステッチカム80(図2参照)の作用を受けて下降する。このとき、高低パイルシンカー21,25の両方が元の状態を維持している。このため、図10(a)に示すように、パイル糸91が及び地糸92の両方が低パイルシンカー21の小爪23によって保持された状態となる。
図18(f)は、シンカーユニット8が、位置O−Fに位置するときの状態を示している。シンカーユニット8は、位置O−Eから位置O−Fに移動する過程の中で、編針11を更に下降させる。これにより、パイル糸91及び地糸92が低パイルシンカー21の小爪23によって保持された状態で、旧ループとなるパイル糸91と地糸92とに引き込まれ、平編みPが編成される。
シンカーユニット8は、位置O−Eから位置O−Fに移動する過程においても、高低パイルシンカー21,25のバット24,28との内側と、第3カム64の後端とは距離が隔てられているので、第3カム64から作用を受けることもない。なお、シンカーユニット8が位置O−Fから位置O−Gに移動する過程については、低パイル編みPを編成する際の動作と共通するので、ここでは、詳細な説明を省略する。
なお、編針シリンダ2の逆回転(図8の矢印X方向とは反対方向)に伴って、平編みPを編成する際の動作についても、上記と同様である。すなわち、上述した正回転のときと同じ手順が、編針シリンダ2の逆回転において実行される。
以上に記載した、低パイル編みP、高パイル編みP、及び平編みPを編成する一連の動作は、アクチュエータ50によって実現されているので、編目一目(針1本)単位で上記3つの編成制御を選択的に実行することができる。
次に、上記第1実施形態のマルチパイル編機についての効果を説明する。上記第1実施形態の丸編機1の構成によれば、編目組織の違い、すなわち、シンカーループの長さは、“パイル糸91及び地糸92と高低パイルシンカー21,25との接点”から“パイル糸91及び地糸92と編針11との接点”までの距離に対応することになる。よって、パイル糸91及び地糸92と高低パイルシンカー21,25との接点、すなわち、高低パイルシンカー21,25上において、パイル糸91及び地糸92を保持する位置を、高低パイルシンカー21,25の前進・後退により選別することで、異なる編目組織(低パイル編みP、高パイル編みP、平編みP)を編成することが可能となる。そして、低パイルシンカー21を前進させる低パイル編成制御、高パイルシンカー25を前進させる高パイル編成制御、低パイルシンカー21及び高パイルシンカー25の両方を前進させない平編み編成制御を、アクチュエータ50によって選択的に実行することができるので、編目一目単位で、編目組織の異なる編目を分布させた編地を編成することができる。
また、上記第1実施形態の丸編機1の構成によれば、アクチュエータ50によって作用を受ける部分であるセレクターバット32a〜32f,36a〜36cが、径方向に沿って形成されている。これにより、生産効率を向上させたり、稼動状態を安定化させたりするために、セレクターバットを複数段形成する場合であっても、高さ方向への拡大を防止することができる。また、高さ方向への拡大を防止することにより作業性、操作性が低下することを回避することもできる。
上記第1実施形態の丸編機1の構成によれば、低パイルシンカー21が前進した状態においても、また、高パイルシンカー25が前進した状態においても、それぞれの後端21b,25bには高低パイル用セレクタージャック31,35の先端31a,35aが接触した状態となっており、この高低パイル用セレクタージャック31,35の後端31b,35bは、第1カム62によって動きが規制されている。このため、低パイルシンカー21が前進した状態において定位置化を図ることができる。また、同様に、高パイルシンカー25が前進した状態においても定位置化を図ることができる。これにより、編目編成時に不具合が生じる可能性を低減させることができ、丸編機1を安定して稼動させることができる。
また、上記第1実施形態の丸編機1の構成によれば、シンカー20とセレクタージャック30とが別々の構成であり、シンカー20の後方にセレクタージャック30が配置されている構成であると、セレクターバット32に作用を施すアクチュエータ50を配置するスペースを、径方向の外側に確保することができる。すなわち、径方向において、より外側に、アクチュエータ50を配置させやすくなる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係る丸編機(パイル長を変化できる編機)101について説明する。第2実施形態に係る丸編機101が、第1実施形態に係る丸編機1と異なる点は、往復運動する編針11間に後述するシンカー120の出し入れ量を調整することにより複数の編み組織を編成する編目編成装置110の構成である。その他の構成については、上記第1実施形態に係る丸編機1と同じであるので、ここでは詳細な説明は省略する。
編目編成装置110は、シンカー120と、セレクタージャック130と、アクチュエータ150と、シンカーキャップ160と、を備えている。シンカー120は、新ループとなるパイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込む際に、パイル糸91及び地糸92を保持する。セレクタージャック130は、シンカー120を押し出すことができる。アクチュエータ150は、セレクタージャック130に選択的に作用を与えることができる。シンカーキャップ160は、アクチュエータ150によって作用が与えられたセレクタージャック130を編針11間方向に押し出すための第1カム162などを含むカム群が形成されている。
図19(a)は、シンカー及びセレクタージャックの配置を示す平面図である。シンカー120は、シンカーベッド6に形成される水平溝7に収容される。シンカー120は、図19(a)に示すように、出し入れ方向に延在するように配置される。シンカー120は、先端120a側が、編針11間に出し入れ可能に設けられる。シンカー120の後端120bには、後述する第2カム163及び第3カム164より作用を受ける部分であるバット124が形成されている。ここで、図19(a)の左右方向と図2におけるシンカーベッド6の径方向とは一致し、図19(a)の左方は、図2の径方向内方と一致する。
図19(b)はシンカーの側面図である。シンカー120は、図19(b)に示すような低パイル爪122、小爪123、及び高パイル爪126を有しており、板状部材からなる。低パイル爪122及び高パイル爪126は、編目編成時にパイル糸91を保持する部分であり、小爪123は、少なくとも地糸92を保持する部分である。シンカー120の厚みは、通常0.2mm〜1.0mmであり、鋼材などで形成されている。
セレクタージャック130は、シンカーベッド6に形成される水平溝7に収容される。セレクタージャック130は、図19(a)に示すように、出し入れ方向に延在するように配置される。セレクタージャック130は、シンカー120の後端120b側に配置される。セレクタージャック130は、板状部材からなる。セレクタージャック130の厚みは、シンカー120と同様、通常0.2mm〜1.0mmであり、鋼材などで形成されている。
図20は、本実施形態に用いられるセレクタージャックの種類を示す側面図である。セレクタージャック130は、セレクターバット132を有しており、図5(a)、(b)、及び(c)に示すように、それぞれに2つのセレクターバット132a,132d、132b・132e、132c・132fが形成されている。セレクターバット132とは、アクチュエータ150から作用を受ける部分である。なお、セレクターバット132a,132b,132cは、低パイルを編成する際の低パイル用セレクターバットとして機能する。また、セレクターバット132d,132e,132fは、高パイルを編成する際の高パイル用セレクターバットとして機能する。
セレクタージャック130は、前述のセレクターバット132と、径方向内方側に配置されるシンカー20を押し出す部分である先端130aと、先端130aとは反対側の後端130bと、後述する第5カム166から作用を受ける部分であるバット134と有する。セレクターバット132は、セレクタージャック130の延在部分下面130cに、下方に凸に形成されている。セレクタージャック130の延在部分上面130dには、後述する第1カム162から作用を受けるセレクターボス133が形成されている。セレクターボス133は、延在部分上面130dから上方に凸に形成されている。
図2に示すシンカーベッド6における1列目の水平溝7(1列目の水平溝701)には、シンカー120と、図20(a)に示す1段目のセレクターバット132a及び4段目のセレクターバット132dが形成されたセレクタージャック130と、が挿入される。
図2に示すシンカーベッド6における2列目の水平溝7(2列目の水平溝702)には、シンカー120と、図20(b)に示す2段目のセレクターバット132b及び5段目のセレクターバット132eが形成されたセレクタージャック130と、が挿入される。
図2に示すシンカーベッド6における3列目の水平溝7(3列目の水平溝703)には、シンカー120と、図20(c)に示す3段目のセレクターバット132c及び6段目のセレクターバット132fが形成されたセレクタージャック130と、が挿入される。
図2に示すシンカーベッド6における4列目の水平溝7(4列目の水平溝704)からは、上記1列目から3列目の説明で述べた構成の組み合わせの繰り返しとなる。ここでは、セレクターバットの段数を3段にした場合を例示するが、編針シリンダ2の回転スピードに対する電子制御の信号によるアクチュエータ150の応答スピードが合致すれば、1段でもよく、また、4段以上でもよい。
図21(a)は、編目編成装置においてアクチュエータが配置されている部分の一部断面図であり、図21(a)に示すセレクタージャックがアクチュエータ上に存在するときの断面図である。アクチュエータ150は、図21(a)に示すように、シンカーベッド6の下方に配置されており、セレクタージャック130に形成されたセレクターバット132に選択的に作用を与えることができる。アクチュエータ150は、セレクターバット132a,132b,132c,132d,132e,132f(図20(a)〜(c)参照)のそれぞれに対応して設けられているヘッド151,152,153,154,155,156を有している。
図21(b)は、アクチュエータのヘッドを径方向内方から見た正面図である。アクチュエータ150のヘッド151〜156は、図21(b)に示すように、矢印F方向(逆回転方向)又は矢印G方向(正回転方向)に移動するセレクタージャック130に対して、当該セレクタージャック130の延在方向に直交する主面151a〜156aを有する。板状ヘッド151〜156の先端部151b〜156bを、セレクタージャック130のセレクターバット132に接触させることで作用を与えることができる。
先端部151b〜156bの形状は、先端部151b〜156bの延在方向(図21(b)で示す水平方向)を左右方向としたときに左右対称に形成されている。このため、アクチュエータ150は、丸編機101を上から見たときに、編針シリンダ2が反時計回り(左回り)に自転する「正回転」の場合であっても、編針シリンダ2が時計回り(右回り)に自転する「逆回転」の場合であっても、セレクターバット132に対して同様の作用を与えることができる。この結果、編針シリンダ2が、1周分の正回転と、1周分の逆回転とを繰返す、「往復回転運動」を行う場合であっても、通常の回転運動と同様の制御を行うことができる。
図22は、シンカーキャップに形成されるカム群の形成位置を示す平面図である。円盤状のシンカーキャップ160は、シンカーベッド6(図2参照)の上方に配置され、カム群162〜166が形成されたカム形成面161を下方に向け、図示しない機台に回転不能に支持されている。図22では、上方から見たシンカーキャップ160を図示しているが、底面側に配置されたカム群を実線で示している。点線の引き出し線で示すアクチュエータ150は、シンカーキャップ160を上から見たときのアクチュエータ150の配置位置を示している。
上記カム群は、少なくとも、径方向外側に配置された第1カム162と、第1カム162よりも径方向内側に形成され、開環状に配置された第2カム163と、第2カム163よりも径方向内側に形成され、略環状に配置された第3カム164と、径方向において第1カム162と第2カム163との間に配置され、第2カム163の開環部163a近傍に配置された第4カム165と、径方向において第1カム162と第2カム163との間で、第4カム165と隣接して配置されている第5カム166と、を有している。
第1カム162は、セレクタージャック130に形成されたセレクターボス133の外側に作用する。第2カム163は、シンカー120に形成されたバット124の外側に作用する。第3カム164は、シンカー120に形成されたバット124の内側に作用する。第4カム165は、セレクタージャック130に形成されたセレクターボス133の上部に作用する。第5カム166は、セレクタージャック130に形成されたバット134に作用する。
図23は、図22のカム群の一部を拡大して示す図であり、段差部の配置を示す図である。図24(a)及び図24(b)は、第1カムの段差部を示す断面図である。図23及び図24(a),(b)に示すように、第1カム162の前面下端側のコーナー部には、低パイル編み用の段差部(第1押出部)162bが設けられている。段差部162bは、下端において後方側へ窪む面を有している。この段差部162bは、周方向において、アクチュエータ50の前後に設けられている(図22参照)。
図24(a)では、セレクタージャック130のセレクターボス133が、第1カム162の前端部(第2押出部)162aと接触している状態を示している。図24(b)では、セレクタージャック130のセレクターボス133が、第1カム162の段差部162bと接触している状態を示している。セレクターボス133が段差部162bと接触して押し出される場合の押出量L1は、セレクターボス133が前端部162aと接触して押し出される場合の押出量L2と比較して小さくなる。
次に、本実施形態の丸編機101(図2参照)が、図1に示すような平編みP、低パイル編みP、及び高パイル編みPを編成できる構成について説明する。図25は、シンカーに形成される爪の位置の違いを示す説明図である。シンカー120に形成される低パイル爪122、小爪123、及び高パイル爪126とは、図25に示すように上下方向において形成される位置が異なっており、小爪123と高パイル爪126との距離H2は、小爪123と低パイル爪122との距離H1よりも長い。本実施形態の丸編機101では、この距離差(高低差)を利用して異なる編み組織が編成される。なお、本実施形態における距離差(H2−H1)は、0.5mm〜2.5mmである。
編目編成時のシンカーループ長は、図26(a)〜図26(c)に示すように、“パイル糸91及び地糸92と各爪122,123,126との接点P122,P123,P126”から“パイル糸91及び地糸92と編針11との接点P11”までの距離に応じて編成される。すなわち、編針11が、パイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込む際に、パイル糸91及び地糸92をどの爪(低パイル爪122,小爪123,高パイル爪126)で保持するかによって、編み組織の種類を変えることができる。パイル糸91及び地糸92をどの爪で保持するかは、図26(a)〜図26(c)に示すように、シンカー120を選別的に前進させることで実現することができる。
図26(a)に示すように、編針11に対し、シンカー120を所定位置から動かさない場合(前進させない場合)には、パイル糸91及び地糸92は、共にシンカー120の小爪123に保持される。このとき、「“パイル糸91と小爪123との接点P123”から“パイル糸91と編針11との接点P11”までの距離D91」と、「“地糸92と小爪123との接点P123”から“地糸92と編針11との接点P11”までの距離D92」とが等しい。したがって、図26(a)に示す状態で、編針11がパイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込むと、パイル糸91のシンカーループ長と地糸92のシンカーループ長とが同じとなる平編みPが編成される。
図26(b)に示すように、編針11に対し、シンカー120を所定位置(図26(b)で示す二点鎖線の位置)から編針11のある方向に距離L1移動させた場合(距離L1前進させた場合)には、パイル糸91は、シンカー120の低パイル爪122に保持され、地糸92は、シンカー120の小爪123に保持される。このとき、「“パイル糸91と低パイル爪122との接点P122”から“パイル糸91と編針11との接点P11”までの距離D91」と、「“地糸92と小爪123との接点P123”から“地糸92と編針11との接点P11”までの距離D92」との間に距離H1の差が生じる。したがって、図26(b)に示す状態で、編針11がパイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込むと、パイル糸91のシンカーループ長が地糸92のシンカーループ長よりも長い(長さで表すとH1の2倍)低パイル編みPが編成される。
図26(c)に示すように、編針11に対し、シンカー120を所定位置(図26(b)で示す二点鎖線の位置)から編針11方向に距離L2移動させた場合(距離L2前進させた場合)には、パイル糸91は、シンカー120の高パイル爪126に保持され、地糸92は、シンカー120の小爪123に保持される。このとき、「“パイル糸91と高パイル爪126との接点P126”から“パイル糸91と編針11との接点P11”までの距離D91」と、「“地糸92と小爪123との接点P122”から“地糸92と編針11との接点P11”までの距離D92」との間に距離H2の差が生じる。ここで、距離H2は、距離H1よりも長い。したがって、図26(c)に示す状態で、編針11がパイル糸91及び地糸92を旧ループに引き込むと、パイル糸91のシンカーループ長が地糸92のシンカーループ長よりも長い(長さで表すとH2の2倍)高パイル編みPが編成される。
次に、本実施形態の丸編機101の動作について、シンカー120及びセレクタージャック130が配置された断面が図示された図27〜図34を用いて説明する。以後、1つの水平溝7に収容される上述のシンカー120及びセレクタージャック130を、「シンカーユニット108」とも称す。
シンカーユニット108は、シンカーベッド6と共に回転する。シンカーベッド6は、シンカーキャップ160におけるカム形成面161と対向して配置されている。このため、シンカーユニット108は、シンカーキャップ160における位置O−A〜O−G(図22参照)を順番に移動する。ここでは、シンカーベッド6の第1段目の水平溝701に配置されるシンカーユニット108(図20(a)に示す形状のセレクタージャック130)の例を説明する。
(低パイル編成制御(第1編成制御)正回転)
編針シリンダ2の正回転(図22の矢印X方向)に伴って低パイル編みPを編成する際の動作について説明する。図27(a)、図27(b)は、シンカーユニット108が、位置O−Aに位置するとき、位置O−Bに位置するときの状態をそれぞれ示している。
位置O−Aでは、シンカー120とセレクタージャック130とは互いに離れた状態にある。編針シリンダ2の回転(矢印X)に伴ってシンカーユニット108が位置O−Aから位置O−Bに移動する過程において、編針11と一体に形成された編針バット12がステッチカム80(図2参照)の作用を受けることによって、編針11が上昇する。これにより、新ループとなるパイル糸91(図示せず)及び地糸92(図示せず)を編針11に保持させる。シンカーユニット108が位置O−Bに至ると、編針バット12がステッチカム80(図2参照)の作用を受け、パイル糸91及び地糸92を保持した編針11が下降を始める。
位置O−Bでは、シンカー120とセレクタージャック130とは互いに離れた状態にある。このとき、セレクタージャック130のセレクターボス133は、第1カム162の下方に位置している。したがって、この時点で、第1カム162が、セレクターボス133に作用を与えることはない。
図28(c)は、シンカーユニット108が、位置O−Cに位置するときの状態を示している。編針シリンダ2の回転に伴って、シンカーユニット108が位置O−Cに近づいてくる。このとき、シンカー120のバット124の内側が第3カム164から作用を受け、径方向外方押し出される。また、このとき、アクチュエータ150に、図示しない選択信号出力装置からの信号の入力があれば、揺動自在に設けられたヘッド151は、傾斜状態から起立状態に遷移する。なお、図28(c)に示すヘッド151は起立状態を示し、左側に隣接するヘッド152は傾斜状態を示している。
シンカーユニット108が位置O−Cに至ると、セレクタージャック130のセレクターバット132aは、起立状態のヘッド151によって作用が与えられる(第1ステップ)。作用が与えられたセレクタージャック130は、上方に持ち上げられる。このとき、第1カム162は、セレクタージャック130のセレクターボス133の外側に位置している。
図28(d)は、シンカーユニット108が、位置O−Dに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108が位置O−Dに至ると、上方に持ち上げられたセレクタージャック130のセレクターボス133の外側に第1カム162が係合し、径方向内方に向けて作用が与えられる。このとき、セレクタージャック130のセレクターボス133は、第1カム162の段差部162b(図24(b)参照)と接触して径方向内方に押し出される(第2ステップ)。
図29(e)は、シンカーユニット108が、位置O−Eに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108が位置O−Eに至ると、径方向内方に押し出されたセレクタージャック130の先端130aがシンカー120の後端120bに接触し、シンカー120を径方向内方に向けて押し出す。このとき、セレクタージャック130によってシンカー120が押し出される押出量はL1である。この押出量L1は、後段にて説明する押出量L2よりも短い。
図29(f)は、シンカーユニット108が、位置O−Fに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108が、位置O−Dから位置のO−Eに移動する過程では、前述したシンカー120の動作と同時に、編針11が、ステッチカム80(図2参照)の作用を受けて下降する。このとき、シンカー120を所定位置(図26(b)で示す二点鎖線の位置)から編針11のある方向に距離L1前進した位置にある。このため、図26(b)に示すように、パイル糸91がシンカー120の低パイル爪122によって保持され、地糸92が小爪123によって保持された状態となる。そして、シンカーユニット108が、位置O−Eから位置O−Fに移動する過程の中で、編針11を更に下降させる。これにより、パイル糸91がシンカー120の低パイル爪122によって保持され、地糸92が小爪123によって保持された状態で、旧ループとなるパイル糸91と地糸92とに引き込まれ、低パイル編みPが編成される。
シンカーユニット108が、位置O−Eから位置O−Fに移動する過程では、シンカー120のバット124が、第2カム163により外側から作用を受けることにより、シンカー120が径方向内方に向けて押し出される。
図30は、シンカーユニット108が、位置O−Gに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108が、位置O−Fから位置O−Gに移動する過程では、セレクターボス133が第4カム165(図22参照)から作用を受けることにより、セレクタージャック130が下方向に押し下げられ、バット134が第5カム166(図22参照)から作用を受けることにより、セレクタージャック130が径方向外側に押し出され、選択前の位置に戻る。
なお、編針シリンダ2の逆回転(図22の矢印X方向とは反対方向)に伴って、低パイル編みPを編成する際の動作についても、上記と同様である。すなわち、上述した正回転のときと同じ手順が、編針シリンダ2の逆回転において実行される。
(高パイル編成制御(第2編成制御):正回転)
高パイル編みPを編成する際の動作について説明する。なお、位置O−A及び位置O−Bにおけるシンカーユニット108の状態は、低パイル編みPを編成する際の動作と共通するので、ここでは、詳細な説明を省略する。
図31(c)は、シンカーユニット108が、位置O−Cに位置するときの状態を示している。編針シリンダ2の回転に伴ってシンカーユニット108が位置O−Cに近づいてくる。このとき、シンカー120のバット124の内側が第3カム164から作用を受け、径方向外方押し出される。また、このとき、アクチュエータ150に、図示しない選択信号出力装置からの信号の入力があれば、揺動自在に設けられたヘッド154は、傾斜状態から起立状態に遷移する。
シンカーユニット108が、位置O−Cに至ると、セレクタージャック130のセレクターバット132dは、起立状態のヘッド154によって作用が与えられる(第1ステップ)。作用が与えられたセレクタージャック130は、上方に持ち上げられる。
図31(d)は、シンカーユニット108が、位置O−Dに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108が、位置O−Dに至ると、上方に持ち上げられたセレクタージャック130のセレクターボス133の外側に第1カム162が係合し、径方向内方に向けて作用が与えられる。このとき、セレクタージャック130のセレクターボス133は、第1カム162の前端部162a(図24(a)参照)と接触して径方向内方に押し出される(第2ステップ)。
図32(e)は、シンカーユニット108が、位置O−Eに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108が位置O−Eに至ると、径方向内方に押し出されたセレクタージャック130の先端130aが、シンカー120の後端120bに接触し、シンカー120を径方向内方に向けて押し出す。このとき、セレクタージャック130によってシンカー120が押し出される押出量はL2である。この押出量L2は、前述の押出量L1よりも長い。
また、シンカーユニット108が位置O−Dから位置O−Eに移動する過程では、前述したシンカー120の動作と同時に、ステッチカム80(図2参照)の作用を受けることによって、編針11が下降する。このとき、シンカー120を所定位置(図26(c)で示す二点鎖線の位置)から編針11のある方向に距離L2前進した位置にある。このため、図26(c)に示すように、パイル糸91がシンカー120の高パイル爪126によって保持され、地糸92が小爪123によって保持された状態となる。そして、シンカーユニット108が位置O−Eから位置O−Fに移動する過程の中で、編針11を更に下降させる。これにより、パイル糸91がシンカー120の高パイル爪126によって保持され、地糸92が小爪123によって保持された状態で、旧ループとなるパイル糸91と地糸92とに引き込まれ、高パイル編みPが編成される。
図32(f)は、シンカーユニット108が、位置O−Fに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108が、位置O−Eから位置O−Fに移動する過程では、シンカー120のバット124が、第2カム163により外側から作用を受けることにより、シンカー120が径方向内方に向けて押し出される。なお、シンカーユニット108が、位置O−Fから位置O−Gに移動する過程については、低パイル編みPを編成する際の動作と共通するので、ここでは、詳細な説明を省略する。
なお、編針シリンダ2の逆回転(図8の矢印X方向とは反対方向)に伴って、高パイル編みPを編成する際の動作についても、上記と同様である。すなわち、上述した正回転のときと同じ手順が、編針シリンダ2の逆回転において実行される。
(平編み編成制御(第3編成制御):正回転)
次に、平編みPを編成する際の動作について説明する。なお、位置O−A及び位置O−Bにおけるシンカーユニット108の状態は、低パイル編みPを編成する際の動作と共通するので、ここでは、詳細な説明を省略する。
図33(c)は、シンカーユニット108が、位置O−Cに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108は、編針シリンダ2の回転に伴って、シンカーユニット108が位置O−Cに近づいてくる。このとき、シンカー120のバット124の内側が第3カム164から作用を受け、径方向外方押し出される。また、このとき、アクチュエータ150に、図示しない選択信号出力装置から信号の入力がなければ、揺動自在に設けられたヘッド151〜156は、傾斜状態を維持する。
シンカーユニット108は、この状態で位置O−Cに至ったとしても、セレクタージャック130に形成されているセレクターバット132a,132dに作用が与えられることはない。このとき、第1カム162は、セレクタージャック130のセレクターボス133の外側に位置している。
図33(d)は、シンカーユニット108が、位置O−Dに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108は、位置O−Dに至っても、セレクタージャック130のセレクターボス133の外側に第1カム162が係合することはなく、径方向内方に向けて作用が与えられることもない(第1ステップ)。これにより、セレクタージャック130が元の状態を維持する。
図34(e)は、シンカーユニット108が、位置O−Eに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108は、位置O−Eに至っても、第1カム162がセレクターボス133と係合することはなく、セレクタージャック130が径方向内方に押し出されることもない。したがって、シンカー120の後端120bが作用を受けることもない(第2ステップ)。これにより、図34(e)に示すように、シンカー120が元の状態を維持する。
また、シンカーユニット108が、位置O−Dから位置O−Eに至る過程では、前述したシンカー120の動作と同時に、編針11が、ステッチカム80(図2参照)の作用を受けて下降する。このとき、シンカー120は元の状態を維持している。このため、図26(a)に示すように、パイル糸91が及び地糸92の両方がシンカー120の小爪123によって保持された状態となる。
図34(f)は、シンカーユニット108が、位置O−Fに位置するときの状態を示している。シンカーユニット108は、位置O−Eから位置O−Fに移動する過程の中で、編針11を更に下降させる。これにより、パイル糸91及び地糸92がシンカー120の小爪123によって保持された状態で、旧ループとなるパイル糸91と地糸92とに引き込まれ、平編みPが編成される。
シンカーユニット108は、位置O−Eから位置O−Fに移動する過程において、シンカー120のバット124が、第2カム163により外側から作用を受けることにより、シンカー120が径方向内方に向けて押し出される。なお、シンカーユニット108が位置O−Fから位置O−Gに移動する過程については、低パイル編みPを編成する際の動作と共通するので、ここでは、詳細な説明を省略する。
なお、編針シリンダ2の逆回転(図8の矢印X方向とは反対方向)に伴って、平編みPを編成する際の動作についても、上記と同様である。すなわち、上述した正回転のときと同じ手順が、編針シリンダ2の逆回転において実行される。
以上に記載した、低パイル編みP、高パイル編みP、及び平編みPを編成する一連の動作は、アクチュエータ150によって実現されているので、編目一目(針1本)単位で上記3つの編成制御を選択的に実行することができる。
次に、上記第2実施形態の丸編機101についての効果を説明する。上記実施形態の丸編機101の構成によれば、編目組織の違い、すなわち、シンカーループの長さは、“パイル糸91及び地糸92とシンカー120との接点”から“パイル糸91及び地糸92と編針11との接点”までの距離に対応することになる。よって、パイル糸91及び地糸92とシンカー120との接点、すなわち、パイル糸91及び地糸92を、シンカー120のどの部分で保持するのか(低パイル爪122、高パイル爪126、小爪123)を、シンカー120の移動量(L1,L2)を調整することで、異なる編目組織(低パイル編みP、高パイル編みP、平編みP)を編成することが可能となる。そして、シンカー120を距離L1移動させる低パイル編成制御、低パイル編成制御における移動量よりも長くシンカー120を距離L2移動させる高パイル編成制御、及びシンカー120を移動させない平編み編成制御の3つの制御の全てを、アクチュエータ150によって選択的に実行することができる。この結果、編目一目単位で、編目組織の異なる編目を分布させた編地90を編成することができる。
また、上記第2実施形態の丸編機101の構成によれば、アクチュエータ150によって作用を受ける部分であるセレクターバット132a〜132fが、径方向に沿って形成されている。これにより、セレクターバット132の段数を径方向に配置することができる。この結果、丸編機101の生産効率を向上させたり、稼動状態を安定化させたりするために、セレクターバットを複数段形成する場合であっても、高さ方向への拡大を防止することができる。また、高さ方向への拡大を防止することにより作業性、操作性が低下することを回避することもできる。
上記第2実施形態の丸編機101の構成によれば、シンカー120が距離L1前進した状態においても、また、シンカー120が距離L2前進した状態においても、後端120bにセレクタージャック130の先端130aが接触した状態となっており、このセレクタージャック130の後端130bは、第1カム162によって動きが規制されている。このため、シンカー120が距離L1前進した状態において定位置化を図ることができる。また、同様に、シンカー120が距離L2前進した状態においても定位置化を図ることができる。これにより、編目編成時に不具合が生じる可能性を低減させることができ、丸編機101を安定して稼動させることができる。
また、上記第2実施形態の丸編機101の構成によれば、シンカー120とセレクタージャック130とが別々の構成であり、シンカー120の後方にセレクタージャック130が配置されている構成であると、セレクターバット132に作用を施すアクチュエータ150を配置するスペースを、径方向の外側に確保することができる。すなわち、径方向において、より外側に、アクチュエータ150を配置させやすくなる。
以上、本発明の一実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態の丸編機1では、一対のセレクタージャック30に形成されるセレクターバット32,36の一部を、延在方向(径方向)において同じ位置に設ける例、すなわち、共通部としてのセレクターバットを設ける例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、低パイル用セレクタージャック31に専用のセレクターバット32を設け、高パイル用セレクタージャック35にも専用のセレクターバット36を設け、アクチュエータ50は、それぞれ専用のセレクターバット32,36に選択的に作用を与えるようにしてもよい。この場合であっても、選択的に作用を与えられた高低パイル用セレクタージャック31,35によって、高低パイルシンカー21,25を選択的に前進させることができるので、上記実施形態の丸編機1と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態の丸編機1では、高パイル編みPを形成する高パイル編成制御を実行する際に、図15(a)に示すように、共通部としてのセレクターバット32d,36aと単独部としてのセレクターバット32aとの両方に作用を与える例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、共通部としてのセレクターバット32d,36aのみに作用を与えてもよい。
上記第1実施形態の丸編機1では、シンカーベッド6における1列目の水平溝7(1列目701)、2列目の水平溝7(2列目702)、及び3列目の水平溝7(3列目703)のそれぞれに、径方向に異なる位置にセレクターバット32,36が形成された高低パイル用セレクタージャック31,35を配置し、4列目の水平溝7(4列目704)以降は、1列目701〜3列目703を繰り返す例、すなわち、径方向に異なる位置にセレクターバット32,36が形成された3組の高低パイル用セレクタージャック31,35を周期的に配列する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、径方向に異なる位置にセレクターバット32,36が形成された2組の高低パイル用セレクタージャック31,35を周期的に配列してもよいし、同様に、4組以上の高低パイル用セレクタージャック31,35を周期的に配列してもよい。
同様に、上記第2実施形態の丸編機101では、例えば、径方向に異なる位置にセレクターバット132が形成された2組のセレクタージャック130を周期的に配列してもよいし、同様に、4組以上のセレクタージャック130を周期的に配列してもよい。
上記実施形態の丸編機1では、高低パイル用セレクタージャック31,35を配置する際に、図5(a)に示す低パイル用セレクタージャック31と図5(d)に示す高パイル用セレクタージャック35、図5(b)に示す低パイル用セレクタージャック31と図5(e)に示す高パイル用セレクタージャック35、図5(c)に示す低パイル用セレクタージャック31と図5(f)に示す高パイル用セレクタージャック35、をそれぞれ一対とするセレクタージャック30を配置する例を挙げて説明した。そして、例えば、図5(a)に示す低パイル用セレクタージャック31と図5(d)に示す高パイル用セレクタージャック35とからなるセレクタージャック30のそれぞれに、選択的に作用を与える場合のアクチュエータ50の制御は、1段目のセレクターバットに対応するヘッド51と4段目のセレクターバットに対応するヘッド54とを選択的に揺動させることで行われる。
上記の高低パイル用セレクタージャック31,35の組み合わせは自由であり、例えば、図5(a)に示す低パイル用セレクタージャック31と図5(f)に示す高パイル用セレクタージャック35とからなる一対のセレクタージャック30を構成することも可能である。この場合、それぞれのセレクタージャックに、選択的に作用を与える場合のアクチュエータ50の制御は、1段目のセレクターバットに対応するヘッド51と6段目のセレクターバットに対応するヘッド56とを選択的に揺動させることで行われる。
上記実施形態の丸編機1では、シンカーベッド6における水平溝7に、高低パイルシンカー21,25と高低パイル用セレクタージャック31,35とを配置し、低パイルシンカー21と高パイルシンカー25との間、及び低パイル用セレクタージャック31と高パイル用セレクタージャック35との間にセパレータ40を配置する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シンカーベッド6には、編針間11に2つの水平溝を形成し、一方の溝に低パイルシンカー21と低パイル用セレクタージャック31とを配置し、他方の溝に高パイルシンカー25と高パイル用セレクタージャック35とを配置する構成としてもよい。この場合、溝と溝との間の壁が分離部を形成する。このような分離部であっても、上記実施形態の丸編機1と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態では、平編みにおける編成制御を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、変化編みであるフロート編み、タック編み、及びカットボス編みを編成する制御、高パイル編成制御、及び低パイル編成制御を組み合わせることも可能である。また、平編み、フロート編み、タック編み、及びカットボス編みが混在する編み組織を編成する制御、高パイル編成制御、及び低パイル編成制御を組み合わせることも可能である。
上記実施形態では、本発明に係るパイル長を変化できる編機を丸編機1に適用した例を示したが、横編機にも適用することができ、丸編機としては靴下丸編機などに適用することができる。
1,101…丸編機(パイル長を変化できる編機)、2…編針シリンダ(シリンダ)、3…縦溝、6…シンカーベッド、7…水平溝、8,108…シンカーユニット、10,110…編目編成装置、11…編針、20…シンカー、21…低パイルシンカー、22…低パイル爪、23…小爪、24,28…バット、25…高パイルシンカー、26…高パイル爪、30…セレクタージャック、31…低パイル用セレクタージャック、32,36…セレクターバット、33,37…セレクターボス、35…高パイル用セレクタージャック、40…セパレータ、50…アクチュエータ、51〜56…ヘッド、60…シンカーキャップ、62…第1カム(カム)、63…第2カム、64…第3カム、80…ステッチカム、90…編地、91…パイル糸、92…地糸、120…シンカー、122…低パイル爪、123…小爪、124…バット、126…高パイル爪、130…セレクタージャック、132…セレクターバット、133…セレクターボス、150…アクチュエータ、151〜156…ヘッド、160…シンカーキャップ、162…第1カム(カム)、162a…前端部(第2押出部)、162b…段差部(第1押出部)、163…第2カム、164…第3カム。

Claims (12)

  1. 編針を経方向に保持したシリンダと、前記シリンダの軸方向に直交する円盤状の水平面を備えたシンカーベッドと、前記シンカーベッドにおいて放射状に配置され、シリンダ中心方向を前方として編針間をシリンダ径方向に前後動する複数のシンカーと、前記シンカーベッドにおいて放射状に配置され、前記シンカー後方にシリンダ径方向へ前後動することによりシンカーへ作用する複数のセレクタージャックと、前記セレクタージャックに作用するアクチュエータと、前記シンカーベッドの上方に配置され、前記シンカー及び前記セレクタージャックに作用するカムが具備された前記シンカーベッドを覆う円盤状のシンカーキャップとを有する、パイル長を変化できる編機において、
    前記シリンダ径方向に延在すると共に前記編針の配列方向に互いに対向して配置され、低パイルを編成する際にパイル糸を保持する低パイル爪が形成された低パイルシンカー及び前記低パイルよりシンカーループ長の長い高パイルを編成する際にパイル糸を保持する高パイル爪が形成された高パイルシンカーを有する前記シンカーと、
    前記シリンダ径方向に延在すると共に前記編針の配列方向に互いに対向して配置され、前記低パイルシンカーの後方に設けられる低パイル用セレクタージャック及び前記高パイルシンカーの後方に設けられる高パイル用セレクタージャックを有する前記セレクタージャックと、
    前記編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、前記低パイル用セレクタージャックに作用を与える第1編成制御と、前記高パイル用セレクタージャックに作用を与える第2編成制御制御と、前記低パイル用セレクタージャック及び前記高パイル用セレクタージャックのいずれにも作用を与えない第3編成制御とを選択的に実行する前記アクチュエータと、
    前記アクチュエータにより作用を受けた前記セレクタージャックとそれに接触する前記シンカーを前記編針間に向けて押し出すための前記カムと、
    を備え、
    前記低パイルシンカー及び高パイルシンカーの少なくとも一方には、編目を編成する際に地糸を保持する小爪が形成され、前記高パイル爪は、前記経方向において前記小爪からの距離が前記低パイル爪よりも遠い位置に形成され、
    前記経方向における前記低パイル爪と前記高パイル爪との距離が0.5mm以上2.5mm以下であり、
    前記第1編成制御によって前記低パイルシンカーが押し出された場合には、前記パイル糸が前記低パイル爪に保持され、前記地糸が前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれ、
    前記第2編成制御によって前記高パイルシンカーが押し出された場合には、前記パイル糸が前記高パイル爪に保持され、前記地糸が前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれ、
    前記第3編成制御によって前記低パイルシンカー及び前記高パイルシンカーが押し出されない場合には、前記パイル糸及び前記地糸が共に前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれる、パイル長を変化できる編機。
  2. 前記セレクタージャックには、前記アクチュエータによって作用が与えられる部分であるセレクターバットが形成されており、
    前記セレクターバットは、
    前記低パイル用セレクタージャック及び前記高パイル用セレクタージャックに、前記延在方向における同じ位置に互いに対向して設けられる、共通部としてのセレクターバットと、
    前記低パイル用セレクタージャックに、延在方向において前記共通部としてのセレクターバットと異なる位置に設けられる、単独部としてのセレクターバットと、
    を有し、
    前記第1編成制御では、前記単独部としてのセレクターバットに作用を与え、前記第2編成制御では、前記共通部としてのセレクターバットに作用を与えるか、又は、前記共通部としてのセレクターバットと前記単独部としてのセレクターバットとの両方に作用を与え、前記第3編成制御では、いずれの前記セレクターバットにも作用を与えない、
    請求項1に記載のパイル長を変化できる編機。
  3. 前記セレクタージャックは、前記共通部としてのセレクターバット及び前記単独部としてのセレクターバットの設けられる位置が互いに異なる複数のセレクタージャックによって周期的に配列され、
    前記アクチュエータは、前記複数のセレクタージャックのそれぞれに設けられた前記共通部としてのセレクターバット及び前記単独部としてのセレクターバットに対応して設けられた複数のヘッドを有している、
    請求項2に記載のパイル長を変化できる編機。
  4. 前記セレクタージャックには、前記アクチュエータによって作用が与えられる部分であるセレクターバットが形成されており、
    前記セレクターバットは、
    前記低パイル用セレクタージャックに設けられる、低パイル用セレクターバットと、
    前記高パイル用セレクタージャックに、延在方向において前記低パイル用セレクターバットと異なる位置に設けられる、高パイル用セレクターバットと、
    を有し、
    前記第1編成制御では、前記低パイル用セレクターバットに作用を与え、前記第2編成制御では、前記高パイル用セレクターバットに作用を与えるか、又は、前記低パイル用セレクターバットと前記高パイル用セレクターバットとの両方に作用を与え、前記第3編成制御では、いずれの前記セレクターバットにも作用を与えない、
    請求項1に記載のパイル長を変化できる編機。
  5. 前記編針の配列方向に沿って配列される前記セレクタージャックは、前記低パイル用セレクターバット及び前記高パイル用セレクターバットの設けられる位置が互いに異なる複数のセレクタージャックが周期的に配列され、
    前記アクチュエータは、前記複数のセレクタージャックのそれぞれに設けられたセレクターバットに対応して設けられた複数のヘッドを有している、
    請求項4に記載のパイル長を変化できる編機。
  6. 前記小爪は、前記低パイルシンカーにのみ形成されている、
    請求項1〜5の何れか一項に記載のパイル長を変化できる編機。
  7. 前記低パイルシンカー及び低パイル用セレクタージャックと、前記高パイルシンカー及び高パイル用セレクタージャックとの間には、前記低パイルシンカー及び低パイル用セレクタージャックと、前記高パイルシンカー及び高パイル用セレクタージャックとの癒着を防止するための分離部が設けられている、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のパイル長を変化できる編機。
  8. 前記分離部は、プレート状のセパレータである、
    請求項7に記載のパイル長を変化できる編機。
  9. 前記アクチュエータは、前記セレクタージャックに対して、当該セレクタージャックの延在方向に直交する主面を有する板状ヘッドの先端部を接触させることで作用を与え、
    前記先端部の形状は、前記先端部の延在方向を左右方向としたときに左右対称に形成されている、
    請求項1〜8の何れか一項に記載のパイル長を変化できる編機。
  10. シリンダ径方向に延在すると共に編針の配列方向に互いに対向して配置され、低パイルを編成する際にパイル糸を保持する低パイル爪が形成された低パイルシンカー及び前記低パイルよりシンカーループ長の長い高パイルを編成する際にパイル糸を保持する高パイル爪が形成された高パイルシンカーを有するシンカーと、
    前記シリンダ径方向に延在すると共に前記編針の配列方向に互いに対向して配置され、前記低パイルシンカーの後方に設けられる低パイル用セレクタージャック及び前記高パイルシンカーの後方に設けられる高パイル用セレクタージャックを有するセレクタージャックと、
    前記編針により前記パイル糸と地糸とを引き込む場合において、前記低パイル用セレクタージャック及び前記高パイル用セレクタージャックに作用を与えることができるアクチュエータと、
    前記セレクタージャックとそれに接触する前記シンカーを前記編針間に向けて押し出すためのカムと、
    を備えた編機における、パイル長を変化させた編地の製造方法であって、
    前記アクチュエータが、前記編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、前記低パイル用セレクタージャックに作用を与える第1編成制御と、前記高パイル用セレクタージャックに作用を与える第2編成制御制御と、前記低パイル用セレクタージャック及び前記高パイル用セレクタージャックのいずれにも作用を与えない第3編成制御とを選択的に実行する第1ステップと、
    前記カムが、前記アクチュエータにより作用を受けた前記セレクタージャックに作用し、それに接触する前記シンカーを前記編針間に向けて押し出す第2ステップと、
    を含み、
    前記第1編成制御によって前記低パイルシンカーが押し出された場合には、前記パイル糸が前記低パイル爪に保持され、前記地糸が小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれ、
    前記第2編成制御によって前記高パイルシンカーが押し出された場合には、前記パイル糸が前記高パイル爪に保持され、前記地糸が前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれ、
    前記第3編成制御によって前記低パイルシンカー及び前記高パイルシンカーが押し出されない場合には、前記パイル糸及び前記地糸が共に前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれる、パイル長を変化させた編地の製造方法。
  11. 編針を経方向に保持したシリンダと、前記シリンダの軸方向に直交する円盤状の水平面を備えたシンカーベッドと、前記シンカーベッドにおいて放射状に配置され、シリンダ中心方向を前方として編針間をシリンダ径方向に前後動する複数のシンカーと、前記シンカーベッドにおいて放射状に配置され、前記シンカー後方にシリンダ径方向へ前後動することによりシンカーへ作用する複数のセレクタージャックと、前記セレクタージャックに作用するアクチュエータと、前記シンカーベッドの上方に配置され、前記シンカー及び前記セレクタージャックに作用するカムが具備された前記シンカーベッドを覆う円盤状のシンカーキャップとを有した、パイル長を変化できる編機において、
    前記シリンダ径方向に延在すると共に、編目を編成する際に地糸を保持する小爪と、低パイルを編成する際にパイル糸を保持する低パイル爪と、高パイルを編成する際に前記経方向において前記小爪からの距離が前記低パイル爪よりも遠い位置でパイル糸を保持する高パイル爪と、が形成された前記シンカーと、
    前記シリンダ径方向に延在すると共に前記シンカーの後方に設けられ、前記延在する部分に低パイルを編成する際に作用を受ける部分である低パイル用セレクターバットと、高パイルを編成する際に作用を受ける部分である高パイル用セレクターバットと、が形成された前記セレクタージャックと、
    前記編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、前記低パイル用セレクターバットに作用を与える第1編成制御と、前記高パイル用セレクターバットに作用を与える第2編成制御と、前記低パイル用セレクターバット及び前記高パイル用セレクターバットのいずれにも作用を与えない第3編成制御とを選択的に実行する前記アクチュエータと、
    前記アクチュエータにより前記低パイル用セレクターバットに作用を受けた前記セレクタージャックと、それに接触する前記シンカーを前記編針間に向けて押し出す第1押出部と、前記アクチュエータにより前記高パイル用セレクターバットに作用を受けた前記セレクタージャックと、それに接触する前記シンカーを前記編針間に向けて押し出す第2押出部と、を有する前記カムと、
    を備え、
    前記第1押出部が前記セレクタージャックを押し出す量と、前記第2押出部が前記セレクタージャックを押し出す量とは互いに異なって設定されており、
    前記第1編成制御によって前記シンカーが押し出された場合には、前記パイル糸が前記低パイル爪に保持され、前記地糸が前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれ、
    前記第2編成制御によって前記シンカーが押し出された場合には、前記パイル糸が前記高パイル爪に保持され、前記地糸が前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれ、
    前記第3編成制御によって前記シンカーが押し出されない場合には、前記パイル糸及び前記地糸が共に前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれる、パイル長を変化できる編機。
  12. シリンダ径方向に延在すると共に、編目を編成する際に地糸を保持する小爪と、低パイルを編成する際にパイル糸を保持する低パイル爪と、高パイルを編成する際に前記経方向において前記小爪からの距離が前記低パイル爪よりも遠い位置でパイル糸を保持する高パイル爪と、が形成されたシンカーと、
    前記シリンダ径方向に延在すると共に前記シンカーの後方に設けられ、前記延在する部分に低パイルを編成する際に作用を受ける部分である低パイル用セレクターバットと、高パイルを編成する際に作用を受ける部分である高パイル用セレクターバットと、が形成されたセレクタージャックと、
    編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、前記低パイル用セレクターバット及び前記高パイル用セレクターバットに作用を与えることができるアクチュエータと、
    前記セレクタージャックとそれに接触する前記シンカーを前記編針間に向けて押し出すためのカムと、
    を備えた編機における、パイル長を変化させた編地の製造方法であって、
    前記アクチュエータが、前記編針によりパイル糸と地糸とを引き込む場合において、前記低パイル用セレクターバットに作用を与える第1編成制御と、前記高パイル用セレクターバットに作用を与える第2編成制御と、前記低パイル用セレクターバット及び前記高パイル用セレクターバットのいずれにも作用を与えない第3編成制御とを選択的に実行する第1ステップと、
    前記低パイル用セレクターバットが前記アクチュエータから作用を受けた場合には、前記カムは、第1押出部で前記セレクタージャックに作用し、それに接触する前記シンカーを押し出し、前記高パイル用セレクターバットが前記アクチュエータから作用を受けた場合には、第2押出部で前記セレクタージャックに作用し、それに接触する前記シンカーで押し出す、第2ステップと、
    を含み、
    前記第1押出部が前記セレクタージャックを押し出す量と、前記第2押出部が前記セレクタージャックを押し出す量とは互いに異なって設定されており、
    前記第1編成制御によって前記シンカーが押し出された場合には、前記パイル糸が前記低パイル爪に保持され、前記地糸が前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれ、
    前記第2編成制御によって前記シンカーが押し出された場合には、前記パイル糸が前記高パイル爪に保持され、前記地糸が前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれ、
    前記第3編成制御によって前記シンカーが押し出されない場合には、前記パイル糸及び前記地糸が共に前記小爪に保持された状態で、前記パイル糸及び前記地糸が前記編針によって引き込まれる、パイル長を変化させた編地の製造方法。
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