JP2013166378A - 複合成形品用射出成形機の型締装置およびその作動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1の盤と第2の盤との間に、両面に中間金型が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸を中心に回転する回転盤が設けられ、型閉されて複数のキャビティが形成される複合成形品用射出成形機の型締装置における盤の熱膨張を調整する。
【解決手段】 第1の金型19が取付けられる第1の盤20と第2の金型15が取付けられる第2の盤16との間に、両面に中間金型38,39が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸36a,36bを中心に回転する回転盤37が設けられ、前記第1の金型19と中間金型38,39、前記第2の金型15と中間金型38,39とがそれぞれ型閉されてキャビティが形成される複合成形品用射出成形機11の型締装置12において、前記回転盤37には盤の熱膨張を調整する冷却媒体通路53,54が設けられ、前記第1の金型19と前記第2の金型15の少なくとも一方の金型にはホットランナが設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、第1の金型が取付けられる第1の盤と第2の金型が取付けられる第2の盤との間に、両面に中間金型が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸を中心に回転する回転盤が設けられ、前記第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型とが型閉されてそれぞれキャビティが形成される複合成形品用射出成形機の型締装置およびその作動方法に関するものである。
第1の金型が取付けられる第1の盤と第2の金型が取付けられる第2の盤との間に、両面に中間金型が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸を中心に回転する回転盤が設けられ、前記第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型とが型閉されてそれぞれキャビティが形成される複合成形品用射出成形機の型締装置としては、特許文献1、特許文献2に記載されたものが知られている。特許文献1は、固定盤に対して中間金型を回転可能に設けた回転盤と可動盤がそれぞれ移動可能に設けられたものであり、特許文献2は、中央に中間金型を回転可能に設けた固定盤が配置され、その両側に可動盤が配置されたものである。
一般的に射出成形機においては、前記型締装置の成形金型のキャビティには射出装置から溶融樹脂が射出充填されるので成形金型の温度が上昇する。成形金型は、成形品を冷却するために最適な温度に温調されているが、その温度は樹脂の種類によって相違するものの常温よりもかなり高温となっている。そのため射出成形機の成形時には、成形開始時よりも成形回数を重ねるにつれて金型温度や金型が取付けられる盤の温度が上昇するという問題があった。なお一般的な射出成形機において、固定盤を冷却するという技術は、特許文献3に示される通り公知である。
特公平3−51207号公報(特許請求の範囲、第1図) 特開平6−254906号公報(請求項1、図1) 実開昭60−141221号公報(実用新案登録請求の範囲、第2図)
従来の一般的な射出成形機では成形回数を重ねた際に、固定盤と可動盤の温度上昇に伴って固定盤と可動盤とが熱膨張しても型締装置全体が上方に伸びるためにさほど大きな問題にはならなかった。ところが特許文献1、特許文献2に示されるタイプの型締装置においては、固定盤には固定金型、可動盤には可動金型が取付けられ、盤の片面側から金型の温度が伝熱され固定盤および可動盤の温度が上昇されるのに対して、回転盤は、盤の両面側から金型の温度が伝熱されることになる。そのため固定盤や可動盤の温度と比較して回転盤の温度の方が上昇しやすいという問題があった。そしてそれぞれの盤は温度上昇に伴って熱膨張するため、成形当初と比較して成形回数を重ねるにつれて固定金型と中間金型、中間金型と可動金型の嵌合にずれが生じるという問題があった。そして前記の成形金型の嵌合時のずれは、金型に負荷がかかることによる金型寿命の低下や、成形金型のかじりの発生につながる可能性が強い。または精密な複合成形品においては、複合成形品に許容以上の誤差が生じる場合があった。
本発明では上記の問題を鑑みて、第1の金型が取付けられる第1の盤と第2の金型が取付けられる第2の盤との間に、両面に中間金型が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸を中心に回転する回転盤が設けられ、前記第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型とが型閉されてそれぞれキャビティが形成される複合成形品用射出成形機の型締装置において、前記第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型の嵌合を常に良好に行うことに配慮した複合成形品用射出成形機の型締装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の複合成形品用射出成形機の型締装置は、第1の金型が取付けられる第1の盤と第2の金型が取付けられる第2の盤との間に、両面に中間金型が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸を中心に回転する回転盤が設けられ、前記第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型とが型閉されてそれぞれキャビティが形成される複合成形品用射出成形機の型締装置において、前記回転盤には盤の熱膨張を調整する冷却媒体通路が設けられ、前記第1の金型と前記第2の金型の少なくとも一方の金型にはホットランナが設けられたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の複合成形品用射出成形機の型締装置は、請求項1において、前記回転盤のみに冷却媒体通路が設けられたことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の複合成形品の複合成形品用射出成形機の作動方法は、第1の金型が取付けられる第1の盤と第2の金型が取付けられる第2の盤との間に、両面に中間金型が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸を中心に回転する回転盤が設けられ、前記第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型とが型閉されてそれぞれキャビティが形成される複合成形品用射出成形機の作動方法において、前記回転盤には盤の熱膨張を調整する冷却媒体通路が設けられ、前記第1の金型と前記第2の金型の少なくとも一方の金型にはホットランナが設けられたことを特徴とする
本発明の複合成形品用射出成形機の型締装置は、第1の金型が取付けられる第1の盤と第2の金型が取付けられる第2の盤との間に、両面に中間金型が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸を中心に回転する回転盤が設けられ、前記第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型とが型閉されてそれぞれキャビティが形成される複合成形品用射出成形機の型締装置において、前記回転盤には盤の熱膨張を調整する冷却媒体通路が設けられ、前記第1の金型と前記第2の金型の少なくとも一方の金型にはホットランナが設けられているので、第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型の嵌合を常に良好に行うこととができる。
図1は、本実施形態の複合成形品用射出成形機の型締装置の型開時の概略平面図である。 図2は、本実施形態の複合成形品用射出成形機の型締装置の回転盤の正面図である。
本発明の実施形態の複合成形品用射出成形機11について、図1、図2を参照して説明する。複合成形品用射出成形機11は、複数の樹脂材料から複合成形品を成形する成形機であって、型締装置12とその両側に設けられた第1の射出装置13と第2の射出装置14から基本的な部分が構成される。射出成形機11の型締装置12は、第1の金型である固定金型19が取付けられる第1の盤である固定盤20と、第2の金型である可動金型15が取付けられる第2の盤である可動盤16との間に、両面に中間金型(第1の中間金型38と第2の中間金型39)が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸36a,36bを中心に回転する回転盤37が設けられ、前記固定金型19と第1の中間金型38(または第2の中間金型39)、前記可動金型16と第2の中間金型39(または第1の中間金型38)とが型閉されてそれぞれキャビティが形成されるようになっている。
固定盤20の四隅近傍にはそれぞれ型締シリンダ23(図1の概略図では1個の型締シリンダ23のみ断面を記載)が設けられ、型締シリンダ23のラムがタイバ24を兼ねている。型締シリンダ23は双方向作動型のシリンダからなり、固定盤20内のタイバ24の側に大面積の型締用油室25が設けられるとともに、反タイバ側(第2の射出装置側)には小面積の強力型開用油室26が設けられている。また型締シリンダ23には毎サイクルの型締と強力型開によって変更されるタイバ24の位置を、補正するための調整手段27が設けられている。なお各型締シリンダ23は、図示しないサーボバルブ等により個別に制御されるようにすることが望ましい。前記の場合、固定盤20と各ラムの間または固定盤20の四隅と可動盤16の四隅の間には位置を検出する位置センサ(図示せず)がそれぞれ設けられ、各タイバ24の相対的な位置関係を検出および制御することにより一方の固定盤20に対して他方の可動盤16が平行制御される。また固定盤20の可動盤側の面は金型取付面となっており、固定金型19がボルトまたは他の取付機構により取付けられるようになっている。そして固定金型19には複合成形品の大面積の主要部を2次成形により成形するためのキャビティ形成面21と前記キャビティ形成面21に連通される樹脂通路22が設けられている。なお本実施形態では、固定盤20には固定盤20の熱膨張を調整する調整機構としての冷却媒体通路は設けられていないが冷却媒体通路を設けるようにしてもよく、金型取付面側に断熱板を取付け断熱板の表面が金型取付面となるようにしてもよい。
そして固定盤20から可動盤16側に向けて平行に設けられた四本のタイバ24の他方側の部分には、ハーフナット28が係止される複数の凹溝からなる係止部29が型開閉方向の所定長さにわたって設けられている。そしてタイバ24は前記可動盤16の四隅近傍に挿通され、可動盤16はタイバ24にガイドされつつベース上の直動ガイド上を型開閉方向に移動されるようになっている。また前記ハーフナット28は、可動盤16の反固定盤側の面のタイバ24が挿通された部分の周囲に配設され、タイバ24の係止部29に対して係合位置と離脱位置の間で往復移動可能に設けられている。可動盤16の固定盤側の面は金型取付面となっており、可動金型15がボルトまたは他の取付機構により取付けられるようになっている。そして可動金型15には複合成形品の小面積の外枠部を1次成形により成形するためのキャビティ形成面17と前記キャビティ形成面17に連通される樹脂通路18が設けられている。従って可動金型15のキャビティ形成面17と固定金型19のキャビティ形成面21は形状が相違している。なお本実施形態では、可動盤16には可動盤16の熱膨張を調整する調整機構としての冷却媒体通路は設けられていないが冷却媒体通路を設けるようにしてもよく、金型取付面側に断熱板を取付け断熱板の表面が金型取付面となるようにしてもよい。
次に射出成形機11の型移動機構30,42について説明する。まず型移動機構30について説明すると、固定盤20(またはベース上)に設けられた支持部にはサーボモータ31が固定されるとともにボールネジ32が前記サーボモータ31により回転可能に軸支されている。そしてボールネジ32は、前記サーボモータ31の駆動軸と直接またはベルトを介して接続されている。また可動盤16にはボールネジナット33の支持部が設けられ、前記ボールネジナット33には前記ボールネジ32が挿通されている。またサーボモータ31は、内蔵するロータリエンコーダ31aにより可動金型15および可動盤16の移動制御および位置検出が可能である。なお図1の概略図では第1の型移動機構30は省略して1基のみが記載されているが、固定盤20の側面の低位置と可動盤16の側面の低位置、および固定盤の側面の高位置と可動盤の側面の高位置にそれぞれ第1の型移動機構30が設けられている。
次に中間盤35、回転盤37、第1の中間金型38、および第2の中間金型39について説明する。固定金型19が取付けられる固定盤20と可動金型15が取付けられる可動盤16との間には、中間盤35が型開閉方向に移動自在に配設されている。図1に示されるように中間盤35は、一定の厚みを有する盤体であり、中央部に開口部を有する額縁形状をしている。そして中間盤35の四隅近傍にはそれぞれタイバ24が挿通されている。中間盤35のうち上2本のタイバ24,24が挿通される上部梁部材35aの中央部分には貫通孔が設けられ、前記貫通孔には上側の回転軸36aが挿通されている。そして回転軸36aは、前記貫通孔に設けられた図示しないラジアルベアリング等により回転自在に軸支されている。また下2本のタイバ24,24が挿通される下部梁部材35bの中央部分の間には凹部が設けられ、前記凹部にも下側の回転軸36bが設けられている。中間盤35のうち下2本のタイバ24,24が挿通される下部梁部材35bの中央部分には凹部が設けられ、前記凹部には図示しないスラストベアリング等により自重が支承され回転軸36bが回転自在に保持されている。前記回転軸36a,36bは、上下方向(型開閉方向に直交する方向)の同軸上に設けられる。そして回転盤37等が熱膨張により伸長した際は、上部梁部材35aに対して、回転軸36aが軸方向に位置変更可能となっている。このため回転盤37が熱膨張しても上方のタイバ24、24に対して、上方向の応力が及ばない構造となっている。
そして中間盤35の前記回転軸36a,36bには回転盤37が固定されている。そして回転盤37は、回転軸36a,36bの軸芯を中心に回転軸36a,36bと共に回転されるようになっている。従って回転盤37は、回転軸36a,36b以外の部分では中間盤35と非接触に設けられる。回転盤37は所定の厚みを有する四角形の盤体であり、盤面の厚みは、固定盤20および可動盤16の最大厚みよりも薄く形成されている。そして回転盤37の両面の金型取付面37a,37bには、それぞれ第1の中間金型38と第2の中間金型39が取付けられるようになっている。なお型締装置12の前記可動盤16、固定盤20、および回転盤37等は鉄(鋳鉄)から形成されている。
次に回転盤37の熱膨張を調整する調整機構51について説明する。回転盤37の両面の金型取付面37a,37bには中間金型38,39がそれぞれ取付けられるので、回転盤37には両側の中間金型38,39からの熱が伝達される。また上記したように回転盤37は、固定盤20や可動盤16と比較して板厚が薄く容積も小さい。そのため回転盤37の熱膨張を調整する調整機構51を施していない場合には、固定盤20や可動盤17よりも温度が上昇しやすい。そこで図2に示されるように回転盤37には、盤の熱膨張を調整する調整機構51として、回転盤37の熱膨張を小さくするための冷却機構52が設けられている。即ち回転盤37の両側の金型取付面37a,37bとそれぞれ略並行して(取付面37a,37bと完全に平行な場合と金型取付面37a,37bに対して僅かに平行でない場合(例えば10°以内)を含む)2系統の冷却媒体通路53,54が盤内に設けられている。また型締装置12の外部には、冷却機構52の冷却媒体通路53,54へ冷却媒体を送る供給装置55が設けられている。本実施形態では、供給装置55は、ON、OFFのみ可能で、常温の水道水を冷却媒体として供給可能なポンプが用いられるが、温度制御可能なものでもよい。
また回転盤37に温度センサを設け、回転盤37の温度を検出して冷却媒体通路53,54に送る冷却媒体の供給をON、OFFしたり、冷却媒体の温度を変更するようにしてもよい。または固定盤20、可動盤16、回転盤37の温度をそれぞれ測定し、各盤の少なくとも一つの温度コントロールをするようにしてもよい。
そして前記供給装置55からの2本の供給側管路56が、回転盤37の下面37dにおける回転軸36bの近傍に設けられた冷却媒体通路53,54の入口57にそれぞれ接続されている。そして冷却媒体通路53,54は、それぞれ回転盤内の、両側の側面37cの近傍を経由するように屈曲して水平水路54aが2往復半するように形成されている。そして冷却媒体通路53,54は、上部寄りの側面37cで一旦、回転盤37の外部に出て外部の管路58を介して下部寄りの側面37cで再び回転盤内に導入されて回転盤37の下面37dにおける回転軸36bの近傍(開口部57と反対側の近傍)に形成された出口59へ接続されている。そして前記出口59から排出側管路60を経て供給装置55に接続されている。前記の冷却媒体通路53,54の供給側管路56、排出側管路60は、中間金型38,39の冷却を行う図示しない管路とまとめて可撓性の保護部材に収められている。従って回転盤37の冷却機構は盤面に設けたものでもよい。また回転盤37の両面に冷却媒体通路が形成された冷却ブロックを固定したものも回転盤37に冷却機構52が形成されたものに含まれる。
なお冷却媒体通路53,54の構造は、入口57、出口59から管路56,60を外した場合に冷却媒体が回転盤外に落下する構造が望ましく、その点では水平または水平に近い傾斜の流路を両側間で往復させたものが望ましい。しかし回転盤37が略均等に冷却されるものであれば、図1、図2のものに限定されず、冷却媒体通路の系統数も2系統に限定されない。また冷却媒体通路53,54は、エジェクタの突出ピンが通過する貫通孔等の部分を避けて両側の回転盤内に同様に形成されるが、例えば冷却媒体通路53と冷却媒体通路54で入口側と出口側が異なるようにしてもよい。更には本実施形態では、成形時に回転盤37が180°回転後に、反対方向に180°反転するように作動されるので、冷却媒体通路53,54の入口57と出口59が回転盤37の下面37dに直接設けられるが、回転盤37が同方向に継続して回転するタイプでは、回転盤37への冷却媒体通路と中間金型38,39への冷却媒体通路は、回転軸36aまたは回転軸36b内を介して接続される。
また回転盤37の両面には断熱板61,62が貼付けられており前記断熱板61,62の表面が金型取付面37a,37bとなっている。そして中間金型38,39から回転盤37への伝熱がなるべく防止されるようになっている。なお断熱板は、中間金型38,39の盤取付面の側に設けてもよく、中間金型38,39と回転盤37の少なくとも一方の面に設けられればよい。また同様に固定盤20、固定金型19、可動盤16、および可動金型15にも断熱板を設けてもよい。なお断熱板61,62等を取付けることは好ましいが、必須ではない。
それぞれの中間金型38,39のキャビティ形成面は同一形状をしており、1次成形の際に1次キャビティを形成するキャビティ形成面34aと、2次成形の際に2次キャビティを形成するキャビティ形成面34bがそれぞれ形成されている。また前記第1の中間金型38と第2の中間金型39には、それぞれ成形終了した複合成形品を突出すための図示しないエジェクタ機構が内蔵されている。そして第1の中間金型38が可動金型15と型閉されて1次成形用の1次キャビティが形成されている際は、第2の中間金型39が固定金型19と型閉されて2次成形用の2次キャビティが形成され、その後に一度型開され、回転盤37が180°回転(反転)されて再び型閉されると、第1の中間金型38が固定金型19と型閉されて2次成形用の2次キャビティが形成され、第2の中間金型39が可動金型15と型閉されて1次成形用の1次キャビティが形成されるようになっている。
そして中間盤35の上部梁部材35aの中央部の上部には回転軸36a,36bと回転盤37を回転させるためのサーボモータ40が配置されている。そしてサーボモータ40の駆動軸と回転軸36aはベルトまたは減速機等を介して接続され、サーボモータ40の回転により回転角度が制御されて回転盤36a等が回転されるようになっている。また中間盤35には、それぞれ回転盤37を位置決め固定するための位置決めピン41が少なくとも1箇所に設けられている。位置決めピン41は油圧シリンダとそのシリンダロッドが先細のテーパー形状をしたピンからなる。また回転盤37には回転盤37が固定盤等と正対した際に前記位置決めピン41を挿入可能な位置に位置決め用の穴が設けられている。そして前記位置決めピン41を突出させ位置決め用の穴に挿入することにより回転盤37が回転不能に位置固定されるようになっている。なおこの位置決ピンと位置決め用の穴の関係も、回転盤37の熱膨張が冷却機構52により抑制されることにより常時好ましい関係を維持できる。
次に第2の型移動機構42である中間盤35の型移動機構について説明する。中間盤35と可動盤16の間には、中間盤35、回転盤37、および中間金型38,39を移動制御するとともに中間盤35等の位置を可動盤16に対して固定的に保持可能な第2の型移動機構42が備えられている。図1等の概略図では第2の型移動機構42は省略して1基のみが記載されているが、少なくとも2基以上、更に好ましくは両側に2基づつ合計4基が配設される。第2の型移動機構42については、可動盤16の四隅近傍の位置に支持部が外側に向けて固定され、前記支持部にサーボモータ43が固定され、前記サーボモータ43の駆動軸とボールネジ44が直接またはベルトを介して接続されている。前記サーボモータ43は、内蔵するロータリエンコーダ43aにより中間盤35の移動制御および位置検出が可能であり、またサーボモータ43をサーボロックすることにより、回転盤37を可動盤16に対して固定的に位置保持できる。
またボールネジナット33が取付けられる中間盤35の両側にそれぞれ設けられた支持部には、それぞれボールネジナット45が固定され、前記ボールネジナット45には前記ボールネジ44が挿通されている。なお第2の型移動機構42である中間盤35の型移動機構は、固定盤20と中間盤35の間に設けてもよい。
次に射出装置について説明する。可動盤16の側方には第1の射出装置13が設けられている。本実施形態では第1の射出装置13は、可動盤16の型開閉移動とともに全体が移動可能に設けられ、更に可動金型15に対して進退移動されるようになっている。また第2の射出装置14は、ベース上に設けられ、固定金型19に対して進退可能となっている。
次に複合成形品用射出成形機11の型締装置の作動方法について説明する。図1に示される型締装置12は、可動金型15が取付けられた可動盤16と、中間金型38,39がそれぞれの面に取付けられた回転盤37が型開完了位置にある。そして成形が完了した複合成形品が取出され、回転盤37と中間金型38,39が回転された後の状態である。この状態から第1の型移動機構30のサーボモータ31と中間盤35の第2の型移動機構42のサーボモータ43を駆動させて固定金型19と中間金型39、中間金型38と可動金型15の型閉を行う。そして第1の中間金型38および可動金型15と、固定金型19および第2の中間金型39との型閉が完了すると位置決めピン41が抜かれるとともに、ハーフナット28がタイバ24の係止部29に係合される。そして型締シリンダ23の型締用油室25に作動油が供給されて型締が行われる。そして型締完了確認後に、第1の射出装置13から可動金型15と第1の中間金型38の間に形成された外枠部を成形するための1次キャビティに射出を行い1次成形を行う。本実施形態では1次成形は、一般的な射出成形で行われる。
次に固定金型19と第2の中間金型39の間に形成された主要部を成形するための2次キャビティ(一部は1次成形品によって形成される)で1次成形とは別のタイミングで2次成形を行う。複合成形品の主要部は、外枠部と比較して大面積であって板厚が薄いので2次成形では、射出圧縮成形により成形がなされる。射出圧縮成形では、第2の射出装置14から前記2次キャビティに射出が行われると樹脂圧により2次キャビティの容積は一旦増大されるが、4個の型締シリンダ23をサーボバルブ等により個別に制御し2次キャビティ内の溶融樹脂の圧縮成形を行う。なお1次成形、2次成形ともに、成形方法は限定されず、固定金型21と中間金型38,39の間で複合成形品の主要部を1次成形により成形するようにしてもよい。
そして主要部が射出圧縮成形により2次成形され、その冷却が完了すると次に型開に移行する。その際は中間盤35の第2の型移動機構42のサーボモータ43をサーボロックしておくことにより、可動盤16と中間盤35の間を固定的に保持し可動金型15と第1の中間金型38の間の1次キャビティが開かないようにして、固定金型19に対して第2の中間金型39を移動させて第2の中間金型39を型開する。そして第2の中間金型39のエジェクタ機構を作動させて複合成形品の突出が行われる。その後にサーボモータ43のサーボロックを解除して第1の中間金型38と可動金型15の間を型開する。
そして可動盤16が型開完了位置に到達すると、中間盤35の上部梁部材35aに設けられた回転盤回転用のサーボモータ40を駆動させ、回転盤37と共に、1次成形品が残留した第1の中間金型38と2次成形が完了し複合成形品が残留した第2の中間金型39を180°回転(反転)させる。なお中間金型38,39の回転は、一方方向のみに回転させるものでもよく、反転させるものでもよい。
そして再び第1の型移動機構30により可動盤16を固定盤20に向けて移動させるとともに、第2の型移動機構42により可動盤16と中間盤35との間も型閉される方向へ移動させて再び型閉を行い、型閉完了後には型締を行って再び1次成形と2次成形が行われる。次の成形では固定金型19と第1の中間金型38が型閉されて1次キャビティが形成され、第2の中間金型39と可動金型15が型閉されて一部は1次成形品で形成された2次キャビティが形成される。
この複合成形品用射出成形機11の作動方法において、1次成形、2次成形を共にポリカーボネートを使用した例では、溶融樹脂の温度(加熱筒前部温度)は、240〜330℃程度であり、成形金型の冷却媒体通路へ送られる冷却媒体の温度は、固定金型19、中間金型38,39、および可動金型15ともに80〜120℃程度である(金型毎にまたは金型の部分毎に温度が相違する場合あり)。そして回転盤37の冷却媒体通路53,54に対しては常温の冷却水が供給されており、回転盤37の金型取付面側の両面には断熱板61,62が設けられている。従って中間金型38,39から回転盤37への伝熱がかなりの部分防止され、回転盤自体も冷却されていることから、成形サイクルを重ねるにつれて、回転盤37と回転軸36a,36bが温度上昇に伴って大幅に熱膨張し、金型間の嵌合に影響を及ぼすことはない。また回転盤37と回転軸36a,36bがごく僅かに熱膨張したとしても、回転軸36aが中間盤35の上部枠部材35aに対して位置変更可能に設けられているのでタイバ24や図示しないベアリング等に異常な負荷がかかることはない。
なお本発明の別の実施形態としては、回転盤37を冷却する以外に、固定盤20や可動盤16を回転盤37と略同温となるように温度調整機構により加熱して熱膨張の程度を合わせるようにしてもよく、固定盤20、回転盤37、可動盤16の全ての盤の温度を調整するようにしてもよい。そして成形時に前記第1の盤である固定盤20と第2の盤である可動盤16の組合せ(両方)、おおび回転盤37の少なくとも一方の盤の熱膨張を調整することにより中間金型38,39を含めた成形金型を型合わせする際の両金型の高さや幅方向のズレ(芯ズレ)を防止するという目的を達成することができる。
また本発明の型締装置は、上記の実施形態に限定されず次のようなものでもよい。中間盤については、上方の2本のタイバに挿通される上部枠部材と下方の2本のタイバに挿通される下部枠部材が別個に設けられたものでもよい。その場合、下部枠部材に設けられたスラストベアリングまたはローラベアリングにより回転盤の回転軸が軸支されて回転盤等の自重が支えられ、上部横枠部材に設けられたラジアルベアリング側に回転盤および回転軸の熱膨張が逃がされる構造となる。そのため図1の実施例と同様に、回転盤および回転軸の熱膨張が上方のタイバに上方向の応力を与えない構造となる。
また複合成形品用射出成形機の型締装置は、ベッド上に設けられた回転プレート上に回転盤が載置されたものでもよい。前記のケースにおいては、上方のタイバが挿通される上部枠部材に、回転盤の回転軸が軸支されるようにしてもよく、回転プレート上のみに回転盤が固定されたものでもよい。更にまた型締装置の配置としては、中央に固定盤が設けられ、固定盤に上下方向に設けられた回転軸に回転盤が設けられたものでもよい。その場合は、回転盤の両側に第1の盤である可動盤と第2の盤である可動盤がそれぞれ配置される。更には前記においてそれぞれの可動盤の外側にも固定盤が設けられたものでもよい。また回転盤の金型取付面は2面に限定されず4面や6面でもよい。更には回転盤の枚数も1枚に限定されない。更にまた第1の盤等の金型取付面に取付けられる金型の個数やキャビティの数も1個に限定されない。または図1の実施形態を含めた全ての型締装置において、金型交換時に、回転プレートの上に載置される回転盤と中間金型とを固定した状態で同時に交換されるものでもよい。更には射出装置の数や配置関係についても限定されない。
そして本発明は対策を施さないと回転盤の温度が他の盤に比べて上昇しがちである次のような条件において特に有効に用いられる。少なくとも一方のキャビティで成形に用いられる樹脂材料が、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニン・サルファルドといった金型冷却用の冷却媒体の温度が80℃以上の熱可塑性樹脂材料である場合。少なくとも一方のキャビティで成形に用いられる樹脂材料が、熱硬化性樹脂の場合。少なくとも一方の金型にホットランナを用いる場合。少なくとも一方の金型を射出前に金型を加熱媒体またはヒータにより加熱した後、射出充填後に冷却する加熱冷却システムを用いる場合。
本発明の射出成形機により成形される成形品は、樹脂成形のみならず金属成形やその他の成形材料により成形を行うものでもよい。
11 複合成形品用射出成形機
12 型締装置
15 可動金型
16 可動盤
19 固定金型
20 固定盤
23 型締シリンダ
30 第1の型移動機構
31,40,43 サーボモータ
32,44 ボールネジ
33,45,65,86 ボールネジナット
35 中間盤
36 回転軸
37 回転盤
37a,37b 金型取付面
38 第1の中間金型
39 第2の中間金型
42 第2の型移動機構
51 調整機構
52 冷却機構
53,54 冷却媒体通路
55 供給装置
61,62 断熱板

Claims (3)

  1. 第1の金型が取付けられる第1の盤と第2の金型が取付けられる第2の盤との間に、両面に中間金型が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸を中心に回転する回転盤が設けられ、前記第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型とが型閉されてそれぞれキャビティが形成される複合成形品用射出成形機の型締装置において、
    前記回転盤には盤の熱膨張を調整する冷却媒体通路が設けられ、
    前記第1の金型と前記第2の金型の少なくとも一方の金型にはホットランナが設けられたことを特徴とする複合成形品用射出成形機の型締装置。
  2. 前記回転盤のみに冷却媒体通路が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の複合成形品用射出成形機の型締装置。
  3. 第1の金型が取付けられる第1の盤と第2の金型が取付けられる第2の盤との間に、両面に中間金型が取付けられ型開閉方向と直交する方向の回転軸を中心に回転する回転盤が設けられ、前記第1の金型と中間金型、前記第2の金型と中間金型とが型閉されてそれぞれキャビティが形成される複合成形品用射出成形機の作動方法において、
    前記回転盤には盤の熱膨張を調整する冷却媒体通路が設けられ、
    前記第1の金型と前記第2の金型の少なくとも一方の金型にはホットランナが設けられたことを特徴とする複合成形品用射出成形機の作動方法。

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