JP2013164782A - 警報システム - Google Patents

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Abstract

【課題】無線式住警器警報器と小型化された無線式温度測定チップとの連携により書きや熱源使用機器或いはそれらの設置場所の局所温度をスポット的に測定して異状を検知して警報する。
【解決手段】温度測定チップ10−1〜10−8はストーブ12やくず入れ14などの火源となることが予想される機器や場所に設置し、温度検出素子の検出信号に基づいて温度を取得し、この温度異状を検知した場合に移報アダプタ200へ温度異状検知信号を送信する。移報アダプタ200は温度測定チップ10−1〜10−8から温度異状検知信号を受信した場合に警報器100−1へ温度異状移報信号を出力する。警報器100−1は、センサ部で火災を検知した場合に火災警報を出力し、また移報アダプタ200から温度異状移報信号を受信した場合に、温度異状警報を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、監視領域内の、火災発生源となり得る機器や局所等の温度をスポット的に観測して、火災等の異状を検知して警報する警報システムに関する。
従来、住宅等における火災などの異状を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
例えばこのような住警器にあっては、電池電源で動作し、住警器内に火災を検知するセンサ部と火災を警報する警報部とを一体に備え、センサ部の検出信号に基づき火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報音を出力するようにしており、所謂自動火災報知設備のような受信機等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報報知ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報音を出力させる無線連動型の住警器も実用化され、普及している。
特開2007−094719号公報 実用新案登録第3143139号公報 特開2009−140236号公報
火災が発生する場所の多くは各種ストーブ、ガスコンロ等の火気を使用している場所、喫煙などで火気を使用する場所、くず入れ等であり、放火の場合にはゴミの集積場所等である。このような場所で発生する火災を早期に発見するためには、これらの場所は又はその近傍に住警器を設置すればよいが、現在の住警器やその他の火災警報器は、例えば所定の監視領域全体を見渡せる天井面や壁面上部に設置されており、この監視領域の中の更に局所に場所を絞りスポット的に火災を監視するようにはなっていない。
これを解決するために住警器を局所毎に配置することは、住警器の設置台数が増加することになり合理的でない。
スポット的に火災を監視する別の方法としては、例えば監視したい局所に温度センサを設置し、別に設けた受信装置等でこの温度センサからの情報(信号)に基づき火災を検知して、音響警報や表示による報知を行うようにすれば良い。しかしこの場合、局所の監視は可能になるが、それ以外の領域で発生する火災の監視が困難になってしまう。また、1台の住警器でカバーしていた所定の監視領域が細分化された複数の局所に温度センサを配置した結果所定の監視領域全体をカバーできているかどうか、確認が困難である。
一方の住警器は、所定の監視領域内の特定装置や特定局所で発生した火災を検知するまで、例えば設置壁面や天井面まで熱気流(或いはそれに運ばれてくる煙粒子等)が到達し、これを検出して火災を検知しており、このため実際に火災が発生してから(火源が発現してから)火災検知に至るまでにはある程度の時間を要する。従って住警器の設置場所と火源との位置関係その他の条件によって、必ずしも高感度(短時間)で火災を検知できない場合が予想される。
また住警器は、予め設定された監視領域外の火災を検知することはできないので、監視領域外の場所で火災を監視したい場合には、その場所が監視領域に比べて狭い範囲の局所であったとしても、別の住警器を設けざるを得ないが、これは例えばコスト面で必ずしも適切でない。
本発明は、上記問題点を解決すると共に、警報システムにおいてこれまでにない利便性を実現すべく、住警器と小型化された無線式温度測定チップとの連携により、住警器の機能を補強、補完して、住警器の監視領域の内外で、火災発生源となることが予想される特定機器等や局所の温度をスポット的に観測して火災等の異状を検知して警報する警報システムを提供することを目的とする。
(警報システム)
本発明は、警報システムに於いて、
観測点の温度を観測して観測結果に基づく温度から温度異状を検知した場合に温度異状検知報信号を送信する温度測定チップと、
温度測定チップから温度異状検知信号を受信した場合に温度異状移報信号を出力する移報アダプタと、
監視領域の異状を検知した場合に異状警報を出力するものであって、移報アダプタから温度異状移報信号を受信した場合に、温度異状警報を出力する警報器と、
を備えたことを特徴とする。
(温度測定チップ)
温度測定チップは、
温度に応じた状態を検出し、温度検出信号として出力する温度検出素子と、
移報アダプタとの間で信号を送受信する通信部と、
温度検出素子からの温度検出信号に基づき温度を取得し、当該温度から温度異状を検知した場合に温度異状検知信号を通信部から移報アダプタへ送信させる温度監視制御部と、
を備える。
(移報アダプタ)
移報アダプタは、
温度測定チップから信号を受信する通信部と、
警報器へ移報信号を送信する移報送信部と、
通信部により温度測定チップから温度異状検知信号を受信した場合に、移報送信部から警報器へ温度異状移報信号を出力させる移報制御部と、
を備える。
(連動型の警報器)
警報器は、
監視領域の状態を検出し、検出信号して出力するセンサ部と、
移報アダプタから移報信号を受信する移報受信部と、
他の警報器との間で連動信号を送受信する連動通信部と、
センサ部からの検出信号に基づき異状を検知した場合に、連動元を示す異状警報を出力すると共に連動通信部により他の警報器に異状連動信号を送信して連動先を示す異状警報を出力させ、他の警報器から異状連動信号を受信した場合に連動先を示す異状警報を出力させ、一方、移報受信部により移報アダプタから温度異状移報信号を受信した場合に、連動元を示す温度異状警報を出力すると共に連動通信部により他の警報器へ温度異状連動信号を送信して温度異状警報を出力させ、他の警報器から温度異状連動信号を受信した場合に連動先を示す温度異状警報を出力させる警報制御部と、
を備える。
(スタンドアロン型の警報器)
警報器は、
監視領域の状態を検出し、検出信号として出力するセンサ部と、
移報アダプタからの信号を受信する移報受信部と、
センサ部からの検出信号に基づき異状を検知した場合に異状警報を出力し、一方、移報受信部により移報アダプタから温度異状移報信号を受信した場合に、温度異状警報を出力する警報制御部と、
を備える。
(基本的な効果)
本発明によれば、各種ストーブ、ガスコンロ等の火気使用機器やその設置場所、喫煙などで火気を使用する場所(例えば寝タバコをするベッドや寝室)、更にはくず入れ等に、警報部を持たないことで小型化且つ軽量化した温度測定チップを配置しておくことで、火源となる可能性の高い機器やその設置場所等の局所の温度をスポット的に測定(観測)し、これに基づき温度の異状、例えば所定閾値温度以上となる過熱を検知した場合或いは所定変化率以上となる温度変化を検知した場合には移報アダプタへ温度異状検知信号を送信し、移報アダプタはこれを受信して警報器へ温度異状移報信号を送信して警報器から温度異状警報を出力させ、利用者は、発火(火災)に至る前の早い段階での警報報知により温度異状を知って適切に対処することが可能となる。
(温度測定チップの小型化等による効果)
また、本発明による温度測定チップは警報部を設けないことに伴い小型化、低消費電力化が可能になる。また、従来の警報部を設けた住警器と比較して充分に低いコストで提供することが可能となり、連動型の住警器を用いた警報システムに、本発明による温度測定チップと移報アダプタを追加設置することで、簡単に、警報システムによる監視機能を拡張強化することを可能とする。
(温度測定チップで異状を検知する効果)
また、温度測定チップは設置場所やその周辺局所の温度をスポット的に取得して異状を検知した場合に移報アダプタへ温度異状検知信号を送信しているため、移報アダプタ側で測定温度から異状を検知する処理が不要となり、移報アダプタ側の構成及び機能を簡単にし、これによって消費電力を抑えることができ、またコスト的にもより安価に実現できる。
(連動型の警報システムからみた効果)
一方、火災などの異状を検知して警報する例えば連動型の警報システムにあっては、温度測定チップを配置してスポット的に温度異状を監視し、火災等の異状警報だけでなく、局所の温度異状警報も連動するという新たな機能を追加することができ、このような監視機能の拡張により警報システムとしての利便性を向上し、警報システムの普及拡大効果も期待できる。
(温度測定チップの屋外設置による効果)
また温度測定チップを適宜の場所に設置することで、例えば屋外ゴミ集積場所や物置等への放火に対しても火災が拡大する前の早い段階で警報報知し、利用者は温度異状を知って適切に対処することが可能となる。
本発明による警報システムの概略構成を示した説明図 温度測定チップの外観及び構造を示した説明図 温度測定チップの概略構成を示したブロック図 移報アダプタの概略構成を示したブロック図 連動型の住警器の概略を示したブロック図 スタンドアロン型の住警器の概略構成を示したブロック図 温度測定チップの他の実施形態を示した説明図 温度測定チップの他の実施形態を示した説明図 温度測定チップの他の実施形態を示した説明図 温度測定チップの他の実施形態を示した説明図
[警報システムの構成]
(温度測定チップと住警器の配置)
図1は本発明による警報システムの概略構成を示した説明図である。
図1の例にあっては、住宅11の台所、居間、子供部屋、主寝室、階段室のそれぞれの監視領域に対応して、火災を検知して連動警報する連動型の住警器(住宅用火災警報器)100−1〜100−5を設置している。以下、住警器100−1〜100−5をそれぞれ区別せず総称する場合は住警器100という。
また火災が発生する可能性が相対的に高いと考えられる、例えば火気や熱源(以下、「火気」という)使用場所または火気使用機器等に温度測定チップ10−1〜10−8を配置している。温度測定チップ10−1〜10−8は、設置場所の局所(観測点)温度を取得し、当該温度の異状を検知した場合に温度異状検知信号を送信する。以下、温度測定チップ10−1〜10−8をそれぞれ区別せず総称する場合は温度測定チップ10という。
ここで温度測定チップ10−1〜10−8が取得する温度は、温度検出素子の検出信号に基づいて取得した温度を示す指標となる温度情報であり、以下、これを「温度」或いは「測定温度」という。
また例えば住警器100−1に移報アダプタ200を移報信号線で有線接続している。もちろん有線に限らず、無線としても良く、この場合は設置が簡単で自由度も増す。以下では有線接続を例にとって説明する。
移報アダプタ200は温度測定チップ10−1〜10−8からの温度異状検知信号を受信した場合に、移報信号線を介して警報器100−1へ温度異状移報信号を出力する。
住宅11における火気使用場所または火気使用機器として、例えば台所のガスコンロ13の周辺、台所、居間及び子供部屋に設置しているストーブ12やくず入れ14、主寝室のベッド15、台所の屋外に設置している物入れ16を例にとっている。
そこで本実施形態では台所、居間及び子供部屋のストーブ12に温度測定チップ10−1,10−4,10−6を設置し、台所のガスコンロ12の近くに温度測定チップ10−2を配置し、居間及び子供部屋のくず入れ14に温度測定チップ10−3,10−7を設置し、主寝室のベッド15の近くに温度測定チップ10−5を設置し、更に屋外の物入れ16に温度測定チップ10−8を設置している。
[温度測定チップの構成]
(温度測定チップの外観・構造)
図2は図1に設けた温度測定チップの外観を示した説明図であり、図2(A)に平面を、図2(B)に内部構造の断面を、図2(C)に底面を示している。
図2において、温度測定チップ10は例えば合成樹脂で成型され、一端(図2(B)の図示下方)に開口した円盤状のカバー18と、カバー18の開口側に装着されたベース20で筐体を構成し、筐体の内部に回路基板22を収納している。
回路基板22とベース20の間には釦電池24を収納し、釦電池24の正極には正極端子金具32を接触し、釦電池24の負極には負極端子金具30を接触している。
釦電池24はベース20の開口穴に対する電池蓋26の装着で固定している。電池蓋26は外周の相対した2箇所にL字形の嵌合突起を形成し、ベース20の開口に形成した嵌合切欠に嵌合突起を嵌め入れて回すことでロックする。電池蓋26には釦電池24を着脱する際の回動操作のため硬貨等を嵌合する嵌合溝28を形成している。
回路基板22の図示上側面には制御チップ38と無線通信チップ40を実装し、更にカバー18に形成したスリット(開口)42の内側には、外気が通流する位置に温度検出素子36を実装している。温度検出素子36としては観測点(感熱部)の温度に応じて例えば抵抗値が変化するサーミスタなどの適宜の温度検出素子を使用する。
また回路基板22にはLED46を実装し、これに相対してカバー18側に透明樹脂などを用いた表示窓44を配置している。
ベース20の外側表面外周部には取付シート34を設ける。取付シート34はマグネットシートまたは粘着シートなどであり、監視対象とする機器や場所の取付面に簡単に取り付け配置することができる。なお、取付手段および方法は任意であり、取付シート34以外に、フックやクリップ、紐などの適宜の手段を必要に応じて設けることができる。
(温度測定チップの機能構成)
図3は温度測定チップの機能構成の概略を示したブロック図である。
温度測定チップ10は、温度検出素子36、温度監視制御部48、アンテナ52を接続した通信部50を備え、図2に示した釦電池24による電源供給を受けて動作する。温度監視制御部48は図2の制御チップ38に対応し、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路またはワイヤードロジック回路等を使用する。
通信部50は図2の無線通信チップ40に対応し、移報アダプタ200との間で所定の第1無線通信プロトコルに従って信号を送受信する。第1無線通信プロトコルとしては、例えばRFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」の略)に割当てられた900MHzの周波数、即ち950〜957MHzを使用したセンサネットワーク用の近距離無線通信プロトコル等を使用する。
温度検出素子36は前述したように例えばサーミスタを使用し、この場合温度による抵抗値の変化に対応した電圧検出信号を温度測定制御部48へ出力する。
また温度監視制御部48は、温度検出素子36からの検出信号に基づき所定周期毎に温度を取得し、取得した温度が閾値温度Tth、例えばTth=65℃以上の場合に温度異状(過熱)を検知し、通信部50から移報アダプタ200へ温度異状検知信号を出力させる制御を行う。温度異状は、複数回に亘り取得した温度から温度変化率を求め、この温度変化率(上昇率)が予め定めた変化率の閾値以上となった場合に検知するようにしても良い。その他、温度に基づき各種演算等により温度異状を検知するようにして良い。
また温度監視制御部48は、温度異状検知信号の送信中に、温度検出素子36からの検出信号に基づいて取得した測定温度が閾値温度Tth=65℃を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、温度異状の復旧を検知し、通信部50から移報アダプタ200へ復旧信号を出力させる制御を行う。
なお、温度監視制御部48は測定温度が閾値温度Tth=65℃以上の場合に温度異状(過熱)を検知して温度異状検知信号を出力した後に、閾値温度Tthより高い所定の第2閾値温度Tth2、例えばTth2=75℃以上となった場合に第2の温度異状(例えば発火の危険性)を検知し、通信部50から移報アダプタ200へ第2の温度異状検知信号として例えば、より緊急性の高い温度異状検知信号である温度異状緊急検知信号を出力させる制御を行うようにしても良い。
また、閾値温度Tthは必要に応じて適宜に定めるが、室内最高温度を超える温度に設定する。この場合、室内最高温度は季節により異なることから、例えば季節に応じて異なる閾値温度を設定しても良い。また、火気使用機器等に取り付ける場合には、通常使用運転時の最高温度を超える温度に設定する。一方では勿論、閾値温度は火災が発生する温度(発火温度)よりも低い温度に設定することは言うまでもない。
[移報アダプタ]
図4は移報アダプタ200の概略構成を示したブロック図である。
図4において、移報アダプタ200は、移報制御部202、アンテナ206を接続した通信部204、移報送信部208を備え、図示しない電池電源により動作する。
移報制御部202は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路またはワイヤードロジック回路等を使用する。
通信部204は、移報制御部202の指示を受け、温度測定チップ10との間で第1無線通信プロトコルに従って信号を送受信する。この信号は、送信元を示す送信元符号、監視グループを示すグループ符号、温度異状などの事象符号を適宜含む形式とする。前述の温度異状検知信号はこの信号に該当する。移報アダプタ200は温度測定チップ10との間で、第1無線通信プロトコルに従って信号を送受信する監視グループを形成する。なお、通信部204の第1無線通信プロトコルは図3の温度測定チップ10に設けた通信部50と同様である。
移報送信部208は移報信号線により警報器100−1に接続し、移報制御部202の指示を受け、温度異状移報信号や温度異状の復旧移報信号を警報器100−1へ送信する。先述の通りこの送信は無線としても良く、この場合警報器100−1へ送信するようにしても、警報器100−1〜100―5へ送信するようにしてもよい。この無線通信プロトコルは、住警器間を連動させるための無線通信プロトコルである第2無線通信プロトコル(後述)を使用しても良い。
移報制御部202は、通信部204を介して温度測定チップ10から送信された温度異状検知信号の有効受信を検知した場合、移報送信部208から住警器100−1へ温度異状移報信号を出力させる制御を行う。
また移報制御部202は、温度異状移報信号を出力した後に、通信部204を介して温度測定チップ10−1から送信された復旧信号の有効受信を検知した場合、移報送信部208から住警器100−1へ復旧移報信号を出力させる制御を行う。
なお、移報制御部202は、温度測定チップ10から火災の危険性の検知に基づく温度異状緊急検知信号(第2の温度異状検知信号)の有効受信を検知した場合、移報送信部208から住警器100−1へ温度異状緊急移報信号(第2の温度異状移報信号)を出力させる制御を行う。
[連動型の住警器の構成]
図5は連動型の住警器100−1の概略構成を示したブロック図である。なお、図4は住警器100−1を例にとるが、他の住警器100−2〜100−5も同様である。
図5において、住警器100−1は、警報制御部102、アンテナ106を接続した連動通信部104、移報受信部108、センサ部112、報知部114、操作部116を備え、図示しない電池電源により動作する。
警報制御部102は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路またはワイヤードロジック回路等を使用する。
連動通信部104は、警報制御部102の指示を受け、他の住警器100−2〜100−5との間で所定の第2無線通信プロトコルに従って連動信号を送受信する。連動信号は、各住警器10に固有の識別子として割り当てられ、信号を送信する際に送信元を示す符号としても使用される送信元符号、自己が属する連動グループを示すグループ符号、火災などの事象を示す事象符号を含む形式とする。住警器100−1は住警器100−2〜100−5との間で第2無線通信プロトコルに従って信号を送受信する連動グループを形成し、グループ符号はこのグループ固有の符号とする。グループ符号を使用することで、隣接する他のグループとの間で連動信号が混信することを避けることができる。
第2無線通信プロトコルによる送受信は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。
移報受信部108は移報信号線により移報アダプタ200と接続し、温度異状移報信号や復旧移報信号等を受信して警報制御部102へ出力する。
センサ部112は、例えば散乱光式の煙検出機構によって煙を検出して煙濃度に応じた煙検出信号を出力する。警報制御部102はこれに基づき火災を検知する。もちろん、他の素子により他の物理現象を検出し、これに基づき火災を検知するようにしても良い。
報知部114は、例えばスピーカ、LED及びそれぞれの駆動回路を備え、必要に応じて警報制御部102の指示によりスピーカから警報音を出力すると共にLEDにより警報表示を行う。操作部112は警報音及び又は警報表示を停止するための操作を受け付ける警報停止スイッチを備える。
警報制御部102は、自己のセンサ部112からの煙検出信号又は他の住警器からの火災連動信号受信に基づき火災を検知して警報する警報制御機能と、移報アダプタ200からの温度異状移報信号の受信を検知して警報する警報制御機能を備え、それぞれ次の(A)(B)ようになる。
(A 自己の煙検出又は他の住警器からの火災連動信号受信に基づく警報制御機能)
警報制御部102は、センサ部112からの煙検出信号に基づき火災を検知した場合に、報知部110から連動元を示す火災警報音を出力させると共に連動元を示す火災警報表示を行わせる制御を行い、更に、異状連動信号である火災連動信号を連動通信部104から他の住警器100−2〜100−5へ送信させる制御を行い、当該火災連動信号を有効受信した他の住警器100−2〜100−5で連動先を示す火災警報音出力と警報表示を行わせる。
また警報制御部102は、連動通信部104により他の住警器100−2〜100−5のいずれかが送信した火災連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部114から連動先を示す火災警報音を出力させると共に連動先を示す警報表示を行わせる制御を行う。
また警報制御部102は、火災警報の出力中に火災復旧(火災検知状態が解消したこと)又は警報停止操作を検知した場合、報知部114からの連動元を示す火災警報音出力と警報表示を停止させる制御を行うと共に、火災復旧連動信号又は警報停止連動信号を連動通信部104のから他の住警器100−2〜100−5へ送信させる制御を行い、当該火災復旧連動信号又は警報停止連動信号を有効受信した他の住警器100−2〜100−5で連動先を示す火災警報音出力と警報表示を停止させる。
また警報制御部102は、連動通信部104により他の住警器100−2〜100−5のいずれかが送信した火災復旧連動信号又は警報停止連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部114からの連動先を示す火災警報音を停止させると共に連動先を示す警報表示を停止させる制御を行う。
なお、「信号の有効受信を検知」とは、受信した連動信号に含まれる、グループ符号が、受信装置である自己のメモリに予め登録したグループ符号に一致して自己に宛てた連動信号と認識し、更に、信号内容としても異状が無いことを認識したことを意味する。この点は、温度測定チップ10との間で送受信する信号も同様である。(移報信号線を介して移報受信部108で受信する場合の温度異状移報信号等については、グループ符号の照合を省略することができる。)以下、このような有効受信を含め、単に受信ということがある。
(B 移報アダプタ200からの温度異状移報信号受信に基づく警報制御機能)
また警報制御部102は、移報信号線及び移報受信部108を介して移報アダプタ200から送られた温度異状移報信号の有効受信を検知した場合、報知部114から連動元を示す温度異状(過熱)警報を出力させる制御を行う。この温度異状警報としては台所のストーブ12に配置した温度測定チップ10−1の温度から温度異状を検知した場合を例にとると、「ピーピー 台所のストーブが過熱しています 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し報知出力させると共にLEDを例えば点灯させる。
即ち、温度測定チップ10から移報アダプタ200へ送られる温度測定信号には送信元の温度チップを特定するための符号(送信元符号)が含まれており、移報アダプタ200から住警器100−1へ送られる温度異状移報信号にも、温度異状検知の元となった温度測定信号を送信した温度チップのそれが含まれている。そして、各温度チップを特定する符号と温度異状警報の音声メッセージ内容とは、住警器100−1のメモリ内で関連付けられている。このため、上記のように温度異状が発生した温度チップを認識し、これに対応して、温度異常警報の音声メッセージは例えばその設置場所を含めた内容とすることができる。
また、警報制御部102は、報知部114から温度異状警報を報知出力させた場合、連動通信部104から第2無線通信プロトコルに従った温度異状連動信号を他の住警器100−2〜100−5へ送信させる制御を行い、当該温度異状連動信号を有効受信した他の住警器100−2〜100−5で連動先を示す温度異状警報を報知出力させる。
また警報制御部102は、このような温度異状警報の出力中に、移報受信部108を介して移報アダプタ200から当該温度チップ温度異状が復旧した旨の復旧移報信号の有効受信を検知した場合、報知部114からの温度異状警報出力を停止させる制御を行うと共に、復旧連動信号を連動通信部104のから他の住警器100−2〜100−5へ送信させる制御を行い、当該復旧連動信号を有効受信した他の住警器100−2〜100−5で連動先を示す温度異状警報出力を停止させる。
なお、警報制御部102は移報受信部108を介して移報アダプタ200からの発火の危険性(第2の温度異状)の検知に基づく温度異状緊急移報信号(第2の温度異状移報信号)の有効受信を検知した場合、報知部114から温度異状緊急警報(第2の温度異状警報)として例えば「ピーピー 台所のストーブが発火する恐れがあります 至急確認してください」といった音声メッセージをスピースから繰り返し報知出力させると共にLEDを例えば点灯表示させる制御を行うようにしても良い。このときの他の住警器100−2〜100−5での連動警報、復旧の処理動作については、温度異状(過熱)の場合と略同様なので説明を省略する。また、温度異状警報、第2の温度異常警報の出力は、操作部116の警報停止スイッチの操作を受けて適宜に停止するようにすることができる。
[警報システムの動作]
次に図1の警報システムの動作を説明する。なお、信号の送受信における第1無線通信プロトコル及び第2無線通信プロトコルの別は説明を省略する。
住宅11に設置した温度測定チップ10は、それぞれを設置している機器や場所の温度を所定周期毎に取得し、例えば台所のストーブ12に配置した温度測定チップ10−1を例にとると、測定温度が閾値温度Tth=65℃以上の場合、温度異状の一例として過熱を検知し、温度異状検知信号を移報アダプタ200へ送信し、これを受信した移報アダプタ200は住警器100−1へ温度異状移報信号を送信する。
移報アダプタ200からの温度異状移報信号を受信した住警器100−1は、報知部114から連動元を示す温度異状警報を報知出力すると共に、温度異状連動信号を他の住警器100−2〜100−5へ送信し、これらの報知部から連動先を示す温度異状警報を報知出力させる。この場合の住警器100−1から他の住警器100−2〜100−5へ温度異状連動信号を送信する経路は、図1に示した送信経路1bに示すようになる。なお、温度異状連動信号の送信経路1bは住警器100−2〜100−5で適宜中継して送信する(住警器が信号の中継装置として動作する)場合も含むが、図示を省略している。
このように住警器100により温度異状警報が出力された場合、住宅11に在宅者がある場合は、その者が警報メッセージの内容から例えば台所のストーブ12の過熱を知り、例えば電気ストーブであれば電源を切る等して対処し、更に温度が上昇して発火に至る事態を未然に防止することができる。
[スタンドアロン型の住警器の構成]
図6はスタンドアロン型の住警器300の概略構成を示したブロック図である。
図6において、スタンドアロン型の住警器300は、警報制御部302、移報受信部108、センサ部112、報知部114、操作部116を備え、図示しない電池電源により動作する。
即ち、スタンドアロン型の住警器300の移報受信部、センサ部、報知部、操作部は、図5に示した連動型の住警器100−1のそれらと基本的に同様である。
警報制御部302は、図5の連動型の住警器100−1における警報制御部102から住警器間の連動に係る制御機能を除いたものである。
このようなスタンドアロン型の住警器300にあっても、移報回路部108に、図4に示した移報アダプタ200を移報信号線により接続することで、移報アダプタ200から温度異状移報信号を受信した場合に温度異状警報を報知出力し、例えば電気ストーブ12の過熱を知って電源を切る等して対処でき、これにより更に温度が上昇して発火に至る事態を未然に防止することができる。ここでも、先に説明したと同様、移報信号線による通信を無線通信とすることができる。この場合、住警器300には、移報アダプタ200からの無線による温度異状移報信号等を受信するための通信部を設ける必要がある。
[温度測定チップの他の実施形態]
図7は本発明における温度測定チップの他の実施形態を示した説明図である。本実施形態にあっては、温度測定チップ10のカバー18の上部に突出してかご状の保護枠64を形成し、筐体内の回路基板22にリード端子を接続固定した温度検出素子36(例えばサーミスタ)を保護枠64で囲んだ空間の内部に配置し、温度検出素子36を外気に晒し、外部からの衝撃等から保護しつつ、設置空間の温度を効率的に測定できるようにしている。
なお、温度測定チップ10を配置した空間の温度を効率良く測定するには、例えばカバー18の外部に集熱板を配置し、そこに温度検出素子36を設けるようにしても良い。
図8は本発明における温度測定チップの他の実施形態を断面構造で示した説明図である。本実施形態にあっては、ベース20側に温度検出素子36を設けている。ベース20に、熱伝導率の高い金属を使用した伝熱部材66を外部に接触面を露出して配置し、伝熱部材66の内側に形成した凹部に、回路基板22にリード端子を接続固定した温度検出素子36を収納し、温度検出素子36が伝熱部材66に熱的に接触した状態で接着剤68などを用い固定している。
また伝熱部材66を配置したベース20の外側面に磁石シートや粘着シートなどを用いた取付シート34を設けている。それ以外の構造は図2の実施形態と基本的に同じになる。
このような図8の実施形態によれば、監視対象とする機器や場所に温度測定チップ10を配置する際に、ベース20に設けた伝熱部材66が監視対象に直接接触してその熱を効率良く温度検出素子36に伝えることでき、温度検出感度を高めることができる。
図9は本発明における温度測定チップの他の実施形態を示した説明図である。本実施形態にあっては、カバー18の側面から信号線70を引き出し、信号線70の先端な温度検出素子36を設け、温度検出素子36には取付パッド72を設けている。取付パッド72としては、取付シート34同様に粘着シートなどが使用できる。ベース20の外側面には取付シート34を設けている。それ以外の構造は図2の実施形態と基本的に同じになる。
このような図9の実施形態によれば、温度測定チップ10から離れた場所に取付パッド72を用いて温度検出素子36を取付けて温度を取得することができ、監視対象とする機器や場所の状況に見合った適切な配置を可能とする。
図10は本発明における温度測定チップの他の実施形態を示した説明図である。本実施形態にあっては、カバー18の側面から信号線70を引き出した点は図8の実施形態と同じであるが、信号線62の末端に、先鋭端を有するプローブ74を設け、プローブ74の先端乃武に温度検出素子36を設けている。それ以外の構造は図2の実施形態と基本的に同じになる。
このような図10の実施形態によれば、温度測定チップ10から離れた場所にプローブ74を差し込むことで温度検出素子36を位置させ、例えば監視対象の内部の温度を取得することができ、監視対象とする機器や場所の状況に見合った適切な配置を可能とする。
[本発明の変形例]
(連動型の警報システム)
上記の実施形態における連動型の警報システムは、グループ内の警報器(上記実施例の住警器)同士の連動について親警報器(親器)と子警報器(子器)を設ける所謂親子式のシステムであっても良く、移報アダプタ200を接続する警報器も、親器であっても子器であっても良い。要するに、移報アダプタを介し、温度チップの取得温度に基づく温度異状移報信号又は第2の温度移報異常信号を受信して、同警報システム内の警報器で報知(警報出力)できるものであればどのよう方式であっても良い。
なお、連動型警報器を用いた連動型警報システムにあっては、各温度異状について各警報器から各温度異状警報を出力するものではなく、1台或いは一部の複数台の警報器から出力するものとしても良い。1台のみから出力する場合には、警報器はスタンドアロン型のものを用いることもできる。複数台の警報器で連動して出力する場合には、これら警報器のうち移報アダプタに接続されているものは、温度異状移報信号又は第2の温度異状移報信号を受信すると連動元として動作し、対応する温度異状警報を出力すると共に、連動先の他の警報器へ温度異状連動信号を送信し、また連動先の他の警報器は、連動元の警報器から、移報アダプタの温度異状移報信号に基づく温度異状連動信号、又は、移報アダプタの第2の温度異状移報信号に基づく第2の温度異状連動信号を受信した場合に、対応する温度異状警報を出力するようにすれば良い。
ここで、移報アダプタからの温度異状移報信号に基づく温度異状警報は警報器同士で連動せず、移報アダプタからの第2の温度異状移報信号に基づく第2の温度異状警報は警報器同士で連動するようにしても良い。このようにすれば、比較的危険性の低い例えば過熱の温度異状は警報器同士で警報連動せず、より危険性の高い例えば発火の危険性を示す温度異状が警報器同士で連動警報されることになり、例えば誤報時の混乱を低減することができる。
(警報器)
また、上記の実施形態における警報システムは、異状として火災を検知して警報する住警器の連動システムを例にとるものであったが、住警器以外の火災警報器、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器、地震警報器(緊急地震放送受信機など)、その他任意の警報器を配置した警報システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。更に、これらの警報器に加え適宜の中継装置や受信装置を含むシステムにも適用できる。
(通信形態)
また、連動型の警報器の相互間及び温度測定チップと移報アダプタの間の通信は無線によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
(住宅以外の用途)
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の温度異状の監視にも適用できる。
(その他)
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10,10−1〜10−8:温度測定チップ
36:温度検出素子
48:温度監視制御部
50,204:通信部
100,300:住警器
102,302:警報制御部
104:連動通信部
108:移報受信部
112:センサ部
114:報知部
116:操作部
200:移報アダプタ
202:移報制御部
204:移報送信部

Claims (5)

  1. 観測点の温度を観測して観測結果に基づく温度から温度異状を検知した場合に温度異状検知報信号を送信する温度測定チップと、
    前記温度測定チップから前記温度異状検知信号を受信した場合に温度異状移報信号を出力する移報アダプタと、
    監視領域の異状を検知した場合に異状警報を出力するものであって、前記移報アダプタから温度異状移報信号を受信した場合に、温度異状警報を出力する警報器と、
    を備えたことを特徴とする警報システム。
  2. 請求項1記載の警報システムに於いて、
    前記温度測定チップは、
    温度に応じた状態を検出し、温度検出信号として出力する温度検出素子と、
    前記移報アダプタとの間で信号を送受信する通信部と、
    前記温度検出素子からの温度検出信号に基づき温度を取得し、当該温度から温度異状を検知した場合に温度異状検知信号を前記通信部から前記移報アダプタへ送信させる温度監視制御部と、
    を備えたことを特徴とする警報システム。
  3. 請求項1記載の警報システムに於いて、
    前記移報アダプタは、
    前記温度測定チップから信号を受信する通信部と、
    前記警報器へ移報信号を送信する移報送信部と、
    前記通信部により前記温度測定チップから温度異状検知信号を受信した場合に、前記移報送信部から前記警報器へ温度異状移報信号を出力させる移報制御部と、
    を備えたことを特徴とする警報システム。
  4. 請求項1記載の警報システムに於いて、
    前記警報器は、
    監視領域の状態を検出し、検出信号して出力するセンサ部と、
    前記移報アダプタから移報信号を受信する移報受信部と、
    他の警報器との間で連動信号を送受信する連動通信部と、
    前記センサ部からの検出信号に基づき異状を検知した場合に、連動元を示す異状警報を出力すると共に前記連動通信部により他の警報器に異状連動信号を送信して連動先を示す異状警報を出力させ、他の警報器から異状連動信号を受信した場合に連動先を示す異状警報を出力させ、一方、前記移報受信部により前記移報アダプタから温度異状移報信号を受信した場合に、連動元を示す温度異状警報を出力すると共に前記連動通信部により他の警報器へ温度異状連動信号を送信して温度異状警報を出力させ、他の警報器から温度異状連動信号を受信した場合に連動先を示す温度異状警報を出力させる警報制御部と、
    を備えたことを特徴とする警報システム。
  5. 請求項1記載の警報システムに於いて、
    前記警報器は、
    監視領域の状態を検出し、検出信号として出力するセンサ部と、
    前記移報アダプタからの信号を受信する移報受信部と、
    前記センサ部からの検出信号に基づき異状を検知した場合に異状警報を出力し、一方、前記移報受信部により前記移報アダプタから温度異状移報信号を受信した場合に、温度異状警報を出力する警報制御部と、
    を備えたことを特徴とする警報システム。
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