JP2013163882A - 手袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴムまたは樹脂のコーティング材との接着性が良好で、耐久性に優れ、さらに手によくフィットして作業効率がよい手袋を提供する。
【解決手段】本願の手袋は、ゴム又は樹脂材から形成される手袋形状の第1層と、第1編成層の外側に配設され、かつ、手袋形状の第2層と、第1層と第2層の間に配設され、かつ、手袋形状になるように編み込まれて形成された編成層と、を有し、第2層はゴム又は樹脂材によって形成され、編成層は、芯糸と、原糸の特性として、JIS L 1013 8.5に準じて測定した引張強さが1.75N/tex以上の高強力繊維よりなる鞘糸と、を有し、編成層は、芯糸の周囲に鞘糸が巻回した状態の被覆糸を編み込むことで形成され、鞘糸は、かさ高度が40cm/g以上、かさ高圧縮弾性率が80%以上、及び、伸縮伸長率が20%以上、の条件を同時に満たす捲縮糸である。
【選択図】図3

Description

本発明は、ゴムまたは樹脂のコーティング材が被着された手袋に関する。
衣料や産業資材として広く用いられているナイロンやポリエステル繊維などの汎用熱可塑性合成繊維は、約250℃前後で溶融し、また限界酸素指数は約20前後であり、空気中でよく燃焼する。従ってこれらの汎用熱可塑性合成繊維は、炎や高熱に曝される危険の大きい場面で使用される衣料製品、例えば消防服、自動車レース用のレーシングスーツ、製鉄用作業服または溶接用作業服、手袋などの防護用の繊維素材として適しているとはいえない。
アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維またはポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などの耐熱高機能フィラメント糸は、約250℃程度では溶融せず、その分解温度が400℃以上と高温である。また限界酸素指数は約25以上であって、空気中では熱源である炎を近づけると燃焼するが、炎を遠ざけると燃焼が続かなくなる。
このように、耐熱高機能フィラメント糸は耐熱性および難燃性に優れた素材である。それゆえに、例えば耐熱高機能フィラメント糸であるアラミド繊維は炎や高熱に曝される危険の大きい場面での衣料製品、例えば消防服、自動車レース用のレーシングスーツ、製鉄用作業服または溶接用作業服、手袋などの防護衣料として好んで用いられている。中でも、耐熱性とともに高強度特性をも併せ持ったパラ系アラミド繊維は、引裂き強さと耐熱性を要するスポーツ衣料や作業服、ロープ、タイヤコードなどに利用されており、また刃物によって切れにくいことから創傷防止のための作業用手袋などにも利用されている。
パラ系アラミド繊維は、ポリパラフェニレンテレフタールアミド(PPTA)繊維が良く知られており、例えば米国特許第3,767,756号明細書、特公昭56−128312号公報にPPTA繊維の製造方法が開示されている。一方、メタ系アラミド繊維は、パラ系アラミド繊維のように耐切創性や、高い引っ張り強さはないが、その耐熱性を特長として消防服や断熱フィルター、耐熱収塵フィルター、電気絶縁材料などに用いられている。
従来、これら耐熱高機能フィラメント糸を用いて衣料製品などの繊維製品を製造する際には、伸縮性のないフィラメント糸や紡績糸などの形態で該繊維が利用されているにすぎなかった。しかし、フィラメント糸や紡績糸などの伸縮性のない糸条を布地に加工し、消防服、レーシングスーツまたは作業服などの衣料製品を製造しても、該衣料製品の伸縮性が劣っているため、該衣料製品を着用した場合に、着心地が悪く、また活動しにくいという難点があった。また、同様に伸縮性の無い糸条から作られた従来の作業用手袋は着用感が悪く、作業効率を低下させる原因となっていた。
かかる市場の要求に鑑みて、耐熱高機能フィラメント糸に捲縮を付与する方法についての研究、提案が多数なされている。例えば、パラ系アラミド繊維などの高弾性率繊維に低弾性率繊維を混合して押込み法により捲縮を付与する方法(特許文献1)、アラミド繊維をその分解開始温度以上、分解温度未満(メタ系アラミド繊維の場合390℃以上460℃未満)に加熱した非接触ヒーターを用い仮撚り捲縮加工した後、弛緩熱処理することにより捲縮を付与する方法(特許文献2)、パラ系アラミド繊維などの耐熱高機能繊維糸条に撚りを加えた後、130〜250℃での水熱処理または140〜390℃での乾熱処理により熱セットを行い、次いで撚りの解撚を行う方法(特許文献3)などが公知である。
また、パラ系アラミド繊維の紡績糸あるいは捲縮糸をストレッチ性のある弾性繊維の周りに捲回してなる被覆糸を用いて、織編物を構成することにより、耐燃焼性、耐熱性、ストレッチ性に優れる防護用手袋などが得られることも報告されている(特許文献4〜6)。
特許文献5、6は、伸縮復元率が4〜80%の範囲内にあるパラ系アラミド繊維の捲縮糸を開示している。具体的には、特許文献5には、撚りを加えた糸に、130〜250℃の高温高圧水蒸気または高温高圧水処理(いわゆる湿熱処理)、または、空気中で加熱する乾熱処理を施して、撚りをセットした後、撚りの固定された撚り糸を、前記と反対方向に解撚することによって捲縮糸が得られることが記載されている。そして、実施例1では、撚りを加えたパラ系アラミド繊維に、200℃の飽和水蒸気処理を15分間行って撚りをセットした後、解撚することにより、伸縮伸長率が29.0%、伸縮復元率が8.2%の捲縮糸を得ており、実施例4では、撚りを加えたパラ系アラミド繊維に、100℃の乾熱処理を30分間行って撚りをセットした後、解撚することにより、伸縮伸長率が29.0%、伸縮復元率が8.0%の捲縮糸を得ている。
そして、特許文献6には、弾性繊維の周りに、特許文献5の実施例1で得られたパラ系アラミド繊維の捲縮糸を、捲回してなる被覆糸を用いて編みあげた手袋に、ウレタン樹脂をコーティングしたグローブは、伸縮性があって手に良くフィットし、作業がしやすいものであったことが記載されている。
しかし、防護用手袋などでは甲部側および掌部側の少なくとも一部に、ゴムまたは樹脂のコーティング材を被着させ、防水性や補強を施しているが、特許文献6で得られる防護用手袋は、コーティング材と手袋素材との接着性が悪いため、手袋を使用しているうちにコーティング材が剥がれてしまい、耐久性のよい手袋を得ることができない問題点があった。
一方、コーティングの接着性や耐久性を向上させる目的でコーティング材の付着量を増大させると、手袋のフィット性、着用時の作業性が悪くなるとともに、コーティング材が高強力繊維を強固に拘束することによって、単繊維の自由度が低下し、それに起因して耐切創性が低下するという問題があった。
特開平1−192839号公報 特開平6−280120号公報 特開2001−248027号公報 特開2004−11060号公報 特開2003−193345号公報 特開2003−193314号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、ゴムまたは樹脂のコーティング材との接着性が良好で、耐久性に優れ、さらに手によくフィットして作業効率がよい手袋を提供せんとするものである。
上述した課題は、本願請求項1に記載された手袋によって解決する。本願請求項1に係る手袋は、ゴム又は樹脂材から形成される手袋形状の第1層と、前記第1編成層の外側に配設され、かつ、手袋形状の第2層と、前記第1層と前記第2層の間に配設され、かつ、手袋形状になるように編み込まれて形成された編成層と、を有し、前記第2層はゴム又は樹脂材によって形成され、前記編成層は、芯糸と、原糸の特性として、JIS L 1013 8.5に準じて測定した引張強さが1.75N/tex以上の高強力繊維よりなる鞘糸と、を有し、前記編成層は、前記芯糸の周囲に前記鞘糸が巻回した状態の被覆糸を編み込むことで形成され、前記鞘糸は、かさ高度が40cm/g以上、かさ高圧縮弾性率が80%以上、及び、伸縮伸長率が20%以上、の条件を同時に満たす捲縮糸である。
好適には、鞘糸のかさ高度が、40〜80cm/gである。(請求項2)
好適には、鞘糸のかさ高圧縮弾性率が、80〜95%である。(請求項3)
好適には、鞘糸の伸縮伸長率が、20〜70%である。(請求項4)
好適には、前記捲縮糸の強度保持率が、25%以上である。(請求項5)
好適には、鞘糸が、パラ系アラミド繊維の捲縮糸である。(請求項6)
好適には、パラ系アラミド繊維の捲縮糸が、高強力繊維に撚りを加えた後、ヒーター温度470〜550℃の温度下での乾熱処理により、熱セットを行い、次いで前記撚りの解撚を行うことにより得られる。(請求項7)
好適には、芯糸が、弾性繊維である。(請求項8)
好適には、被覆糸は、芯糸のドラフト倍率が1.5〜5.0であり、鞘糸のカバーリングの撚り係数(K)が500〜5,000である。
(但し、Tはカバーリングの撚り数(回/m)を表し、Dは繊度(tex)を表す。)(請求項9)
好適には、前記第2層が、天然ゴムラテックスである。(請求項10)
好適には、前記天然ゴムラテックスが、浸漬成形法により形成されたものである。(請求項11)
好適には、前記編成層は、被覆糸の編み込み密度を、作業時に刃物が接触する可能性の高い部分を他の部分よりも高く形成している。(請求項12)
好適には、前記被覆糸の編み込み密度が高い部分は、少なくとも、指先部分である。(請求項13)
好適には、前記編成層の色は、前記第2層の色とは異ならせて形成されている。(請求項14)
好適には、前記1層の色は、前記第2層及び前記編成層の色とは異ならせて形成されている。(請求項15)
本発明の手袋は、従来では得られなかった、かさ高性と伸縮性を有する捲縮糸を鞘糸として用いた被覆糸で編成しているため、ボリューム感があり、しかも、鞘糸の空隙のなかにゴムまたは樹脂のコーティング材が適度に侵入し固着するので、コーティング材の接着性に優れ、長期間の使用によるコーティング材の剥離が生じにくい。手袋のフィット性や着用時の作業性もよい。また、単繊維の自由度低下に起因する耐切創性低下の問題が生じ難い。
本発明で用いる被覆糸の一例を示す概略側面図である。 本発明で用いる被覆糸の製造方法の一例を示す概略模式図である。 本発明に係る手袋を示す概略図である。
以下、本発明の手袋(図3参照)について詳細を説明する。
本発明の手袋の編成に用いられる被覆糸において、芯糸としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、レーヨン繊維、ポリビニルアルコール系繊維などの汎用繊維の他、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリケトン繊維などの耐熱・高強力繊維、金属繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、弾性繊維などを用いることができる。これらの繊維はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記繊維のうち、かかる被覆糸における芯糸としては、被覆糸に伸縮性が付与される点より、伸縮性のある弾性繊維が好ましく用いられる。弾性繊維としては、高い伸縮性をもつポリウレタン系弾性繊維が好ましい。かかるポリウレタン系弾性繊維は、その断面形状は特に限定されるものではなく、円形であっても扁平であってもよく、またその繊維は、モノフィラメントであっても溶着されたマルチフィラメントであってもよい。
かかる弾性繊維の繊度としては、11〜940dtexの範囲が好ましく、22〜350dtexの範囲がより好ましい。11dtex以上あればカバーリングおよび手袋編成工程で糸切れの原因となることがなく、手袋における着用時のフィット性にも優れたものとなり、940dtex以下であれば、手袋編機のゲージ数に合わなくなることがない。また、破断伸度は300%以上であることが好ましく、300%未満であると手袋を形成した時に十分な伸縮性を得ることができなくなる恐れがある。
本発明の手袋の編成に用いられる被覆糸において、鞘糸は、原糸の特性として、JIS L 1013 8.5に準じて測定した引張強さが1.75N/tex以上の繊維を捲縮加工した捲縮糸が用いられる。かかる引張強さが1.75N/tex未満の場合は、被覆糸に高度の耐屈曲性と耐摩耗性を付与することができなくなり、防護用手袋の編成には不向きなものとなる。好ましくは1.75〜3.5N/tex程度である。
上記の鞘糸を構成する素材としては、引張強さおよび耐摩耗性の点から、パラ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリケトン繊維、ポリアミドイミド繊維、LCP(液晶ポリマー)繊維などの耐熱・高強力繊維を用いることが好ましい。これらの素材のなかでも、耐熱性、難燃性とともに、高強度特性および耐切創性に優れている点から、パラ系アラミド繊維が好ましい。
ここで、パラ系アラミド繊維としては、ポリパラフェニレンテレフタールアミド繊維(東レ・デュポン社製、商品名「ケブラー」)、コポリパラフェニレン−3,4'−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ社製、商品名「テクノーラ」)などがある。この中でも、特に、高強度、高弾性率で、耐切創性および耐熱性に優れている点から、ポリパラフェニレンテレフタールアミド繊維(東レ・デュポン社製、商品名「ケブラー」)が好ましい。
また、全芳香族ポリエステル繊維としては、クラレ社製、商品名「ベクトラン」などがあり、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維としては、東洋紡社製、商品名「ザイロン」などがある。ポリケトン繊維としては、旭化成せんい社製、商品名「サイバロン」、ポリエーテルケトン(PEK)繊維、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維などがある。ポリアミドイミド繊維としては、ローヌプーラン社製、商品名「ケルメル」などがある。
本発明の手袋を編成する被覆糸に用いられる鞘糸は、原糸が上記の引張強さ特性を有する高強力繊維を捲縮加工して得られる捲縮糸であり、次の(1)〜(3)の特性を同時に満たすものである。90℃20分間の温水処理は、撚りを固定するために行う。
(1)90℃20分間の温水処理後における、JIS L 1013 8.16 A法に準じて測定したかさ高度が40cm/g以上
(2)90℃20分間の温水処理後における、JIS L 1013 8.16 A法に準じて測定したかさ高圧縮弾性率が80%以上
(3)JIS L 1013 8.11 A法に準じて測定した伸縮伸長率が20%以上
被覆糸を構成する鞘糸が上記(1)〜(3)の条件を同時に満たしているため、繊維とコーティング材との接着性が良好で、長期間使用してもコーティング材が剥離し難い、ボリューム感のある手袋を得ることができる。上記の(1)または(2)のうち、いずれか一つでも満たさない場合は、コーティング材が手袋を構成する繊維空間へ適度に侵入しないので、手袋のコーティング層と繊維層とのはく離強度が不十分となる。また、上記(3)の伸縮伸長率を満たさない場合は、手袋の装着感に劣るものとなる。上記(1)のかさ高度は、90℃温水処理前の値に比べて5%以上、好ましくは15%以上、高い値であることが望ましく、かかる条件を満たすことにより、ボリューム感と装着感がより優れた手袋を得ることができる。
高強力繊維からなる糸条は、毛羽や埃が発生しにくいフィラメント糸が採用される。
本発明において、鞘糸となる捲縮糸は、アラミド繊維などの高強力繊維からなる糸条に撚りを加える加撚工程と、次いで高温高圧水蒸気や高温高圧水を用いない加熱処理、すなわち乾熱処理工程と、さらに前記撚りを解く解撚工程と、を実施することにより製造される。製造方法としては、連続式仮撚加工法またはバッチ(非連続)式製造方法が挙げられる。より好ましいのは、捲縮糸のかさ高性の点、すなわちかさ高度およびかさ高圧縮弾性率の高い捲縮糸が得られる点、および、捲縮糸の繊維がバラけている点、すなわち解撚状態が良い点より、連続式仮撚加工法である。
より具体的に、連続式仮撚加工法を用いた製造方法について述べる。
この仮撚加工法においては、送り出しローラーによって供給糸条チーズから引き出された糸は、ヒーター、仮撚り装置、巻き取りローラーを経て、巻き取りボビンに巻き上げられる。仮撚り装置には、例えば仮撚りスピンドルではスピナーを装着でき、該スピナーのピンに糸を巻いて装着し、スピンドルを回転させると、送り出しローラーと仮撚りスピンドルの間の糸は、例えばS撚りが加えられ(加撚工程)、この撚りが加えられている糸をヒーターで熱セット(乾熱処理)し、仮撚りスピンドルと巻き取りローラーの間では前記と反対の例えばZ撚りが加えられることによって撚りが解かれ(解撚工程)て、捲縮糸となる。仮撚り装置と巻き取りローラーの間は冷却ゾーンであり、空気冷却に任せるのが好ましい。仮撚りを与える方法には上述の仮撚りスピンドルのほか、糸を高速回転する円筒の内壁や円盤の外周あるいは高速走行するベルトの表面と接触させ、摩擦によって仮撚りを与える方法、すなわちニップベルトやフリクションディスクなどが用いられる。
該仮撚加工法において、仮撚りスピンドルによる仮撚り数は、糸を適度に捲縮させるとともに撚りをかけすぎることによる繊維の切断を防ぐため、下記式(1)で表わされる撚り係数(K)の値が約5,000〜11,000程度、好ましくは約6,000〜9,000程度であるのが好適である。
=t×D1/2 (1)
〔但し、tは仮撚り数(回/m)を表し、Dは繊度(tex)を表す。〕
仮撚りスピンドルで撚りを加える場合には、1本ピン、2本ピン、4本ピンのスピナーを用いることができる。
乾熱処理における熱セットの温度条件は、捲縮糸が所望のかさ高性と伸縮性を有するようにするためには高温処理が好適であり、原料繊維の分解開始温度付近とすることが好ましい。好ましい温度条件は、原料繊維によって異なるが、糸が通過するヒーター内部の雰囲気温度、すなわちヒーター温度を約400〜700℃にし、より好ましくは500〜600℃にする。パラ系アラミド繊維の場合は、470〜550℃にすることが好ましい。
乾熱処理におけるヒーターは、接触ヒーターでも、非接触ヒーターでもよく、公知の手段によって行われてよい。加熱時間は、繊維の種類、糸条の太さまたは加熱温度などにより異なるため一概には言えないが、通常は0.005〜1秒程度が望ましい。好ましくは約0.01〜0.1秒程度の範囲である。
乾熱処理は、加圧下、減圧下、常圧下のいずれで行われてもよいが、通常の連続式仮撚加工では常圧下で行われるのが好ましい。
上記の仮撚加工法による製造方法において、パラ系アラミド繊維の捲縮糸を製造する場合は、仮撚り加工前のパラ系アラミド繊維として、水分率が好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、特に好ましくは1〜10%のものを使用するのが望ましい。この場合、上記式(1)において、Dは水分を含む繊度(tex)を表す。撚りを加える前の水分率が20%を超えると、乾熱処理において熱が糸へ効率よく伝わらなくなり熱セット効果が得られないために良好な捲縮糸になり難く、一方、撚りを加える前の水分率が1%未満であると、糸道ガイドなどの擦れにより糸がフィブリル化を起こす恐れがある。
仮撚加工法においては、高強力繊維の強度の低下がないことの目安として、捲縮糸の強度保持率が25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上であることが好適である。強度保持率は下記式から算出できる。
強度保持率(%)={捲縮糸の強度(N/tex)/高強力繊維の原糸の強度(N/tex)}×100
本発明の手袋は、以上のように製造されて得られた捲縮糸の90℃20分間の温水処理後における、JIS L 1013 8.16 A法に準じて測定したかさ高度が、40cm/g以上であり、好ましくは40〜80cm/g、より好ましくは45〜70cm/gである捲縮糸を鞘糸として用いる。また、この鞘糸の同法に準じて測定したかさ高圧縮弾性率は、80%以上であり、好ましくは80〜95%、より好ましくは85〜90%である。
前記かさ高度が40cm/g未満の場合、および/または、前記かさ高圧縮弾性率が80%未満の場合は、コーティング材との接着性が悪くなる。一方、前記かさ高度が80cm/gを超える場合、および/または、前記かさ高圧縮弾性率が95%を超える場合は、コーティング材の繊維空間への侵入が過剰となり手袋の着用感や耐切創性が低下する恐れがある。特に本発明では、捲縮糸製造時の熱セット温度を高くすることにより、仮撚り糸の解撚状態が良好となり、捲縮糸のかさ高圧縮弾性率が向上し、それにより樹脂が繊維間に入り込むことで接着性が向上する。
また高強力繊維の捲縮糸は、JIS L 1013 8.11 A法に準じて測定した伸縮伸長率が20%以上であり、より好ましくは20〜70%である。伸縮伸長率が20%未満では、手袋の表面をゴムまたは樹脂でコーティングした際のコーティング材の接着性が悪く、一方、70%を超えると芯糸、特に弾性繊維との調和が悪く、被覆糸の外観に凹凸が発生するため、手袋の表面にコーティングしたゴムまたは樹脂の浮きなどが生じやすくなり、作業性の悪い手袋となる。
かかる高強力繊維よりなる鞘糸の繊度、フィラメント数は、用途目的に応じ、表面外観、耐熱性、伸縮性、風合いなどを考慮して適宜選択すればよい。鞘糸の繊度は、用途目的に応じて20〜1600dtexの範囲が好ましい。
さらに鞘糸の単繊維繊度は、用途に応じて0.1〜10dtexの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.4〜5dtexの範囲である。0.1dtex未満では、製糸効率が低くコストアップとなり、10dtexを超えると、剛性が高く、柔軟性の求められる手袋には向かない。
本発明で用いる被覆糸は、優れた伸縮性を得る観点から鞘糸が芯糸の回りを一重に被覆したものであってもよく、また、優れた被覆性を得る観点から鞘糸が芯糸の回りを二重に被覆したものであってもよい。この二重被覆した糸において、一重めの被覆を下撚り糸、二重めの被覆を上撚り糸という。二重に被覆する場合、トルクを打ち消すため、上撚り糸のカバーリングの撚り方向は、下撚り糸のカバーリングの撚り方向の逆方向にかけるのが好ましい。図1は、被覆糸の一例を示す一重被覆した糸の概略側面図である。該被覆糸Aは、芯糸1の周りが鞘糸2によって一重に巻回被覆されている。
次に、本発明の被覆糸の製造方法について説明する。図2は本発明の被覆糸の製造方法の一例を示す概略模式図である。
本発明においては、芯糸に弾性繊維を用いる。好ましくはポリウレタン系弾性繊維を芯糸として用い、その上から好ましくは前記高強力繊維の捲縮糸を鞘糸として被覆するものである。
二重被覆は、上撚り糸、下撚り糸のいずれか、またはその両方に前記高強力繊維の捲縮糸を鞘糸として被覆するものである。上撚り糸、下撚り糸のいずれかに前記高強力繊維の捲縮糸を鞘糸として用いる場合、もう一方の鞘糸は、高強力繊維以外の公知繊維のフィラメント、例えばポリエステル、ナイロン繊維などを使用することができる。
被覆の際には市販のカバーリング機などが好ましく用いられる。
図2は二重被覆の例であり、図2において、芯糸1として使用するポリウレタン系弾性繊維は転がし給糸ローラー3により積極送りされ、フィードローラー4との間でプレドラフトし、次いでフィードローラー4とデリベリローラー11の間でさらにドラフトする。この場合のドラフトの倍率は、全体すなわち給糸ローラー3からデリベリローラー11の間のドラフトを指す。
鞘糸2は、市販の高速ワインダーにより、Hボビン9に巻き取られた後、図2のように下段スピンドル5および上段スピンドル7に設置され、スピンドルを回転させることによって芯糸に巻き付けられ、被覆糸Aを形成する。
得られた被覆糸Aは、テイクアップローラー13によりチーズ14に巻き取られる。
なお、一重被覆糸を製造する際には、上段スピンドル7または下段スピンドル5のいずれか一方にHボビン9を1本設置して、スピンドルを回転させることによって芯糸1に鞘糸2を巻き付ける。
鞘糸を芯糸に被覆する際、鞘糸のカバーリングの撚り数は、鞘糸の繊度により適宜選択する。鞘糸を芯糸に被覆する際、芯糸のドラフトの倍率は、1.5〜5.0程度、好ましくは2.0〜4.0であるのが好適である。1.5未満であるとカバーリング工程の鞘糸が被覆しにくくなり、5.0を越えるとカバーリング工程において糸切れしやすくなり、生産性が悪くなる。
また、下記式(2)で表される撚り係数(K)の値が約500〜5,000程度、好ましくは約1,000〜3,000程度である。撚り係数が500未満であると、被覆糸において芯糸に対する鞘糸の被覆状態が悪くなり、手袋にした際、芯糸が剥き出しとなり手袋表面の品位が悪くなるとともに、耐切創性やコーティング樹脂との接着性等の特性も悪くなる。5,000を越えると、カバーリング工程において糸切れ等が発生しやすくなり、工程通過性が悪くなるとともに、鞘糸が締め付けられるため、鞘糸が本来有しているかさ高性が被覆糸に反映されなくなる。上記加撚は、一重被覆、二重被覆のいずれを用いてもよく、特に限定されるものではない。
=T×D1/2 (2)
〔但し、Tはカバーリングの撚り数(回/m)を表し、Dは繊度(tex)を表す。〕
また、二重に被覆する場合、トルクを打ち消すため、上撚り糸のカバーリングの撚り方向は、下撚り糸のカバーリングの撚り方向の逆方向にかけるのが好ましい。
特にポリウレタン系弾性繊維の場合、被覆糸の表面にポリウレタン系弾性繊維が露出すると、溶剤系のコーティング材を用いた際に、膨潤・溶解などで芯糸物性が劣化する。さらにポリウレタン系弾性繊維は、耐熱性に劣るため、手袋使用時においてポリウレタン系弾性繊維が早期に熱劣化し分解してしまうため、コーティング材との接着が低下し、コーティング材が剥離する要因ともなる。
また手袋は、その使用時にも表面のコーティング材を剥がす力が加わる。そのため芯糸に対する鞘糸の巻回数が多すぎると、鞘糸が有しているかさ高性が被覆糸に反映されず、鞘糸の隙間にコーティング材が侵入しにくくなることで、コーティング材が被覆糸に接着しなくなる。被覆糸とコーティング材との接着が低いと手袋の表面からコーティング材が剥離し、手袋が補強されずに破れることで耐久性が低下する。
本発明では、上記の被覆糸を編成層107に編成して、手袋を作製する。編成層107は、市販のコンピューター手袋編機SFGやSTJ(株式会社島精機製作所製)が便宜に採用される。
前記コーティング材としては、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ラテックス、合成ゴムまたは天然ゴムなどが用いられる。本願では特に天然ゴムラテックスを用いているが、これに限る趣旨ではない。
天然ゴムラテックスによるコーティングは、浸漬成形法により形成される。すなわち、作製した手袋を手型などに装着し、該手袋に天然ゴムラテックスのコーティング材を含浸させた後、乾燥・加硫することにより形成される。或いは、該手袋にゴムまたは樹脂を貼り合わせ接着させることにより、手袋の表面にコーティング材を被着させる。これにより、耐熱性、耐切創性などの特性に加え、耐摩耗性、防水性などを併せ持ち、物をつかんだとき滑りにくい手袋を作製することができる。
コーティング材は、手袋表面の少なくとも一部に被着させればよい。掌部側の略全面および指先部に被着させても、甲部側も含めた全面に被着させてもよく、或いは、指部だけに被着させても、所定の指先だけに被着させてもよく、その他の形態であってもよい。
以下実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
各物性などの評価方法は、次の方法に依拠した。
[繊度]
JIS L 1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法8.3 B法(簡便法)により測定した。
[引張強さ]
JIS L 1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法8.5により引張強さを測定した。
[伸縮性]
JIS L 1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法8.11.A法により伸縮伸長率を測定した。測定前の前処理として、測定試料をかせ状にしてガーゼに包んだまま、90℃20分間の温水処理を行い、室温で自然乾燥させた。
[かさ高性]
測定前の前処理として、測定試料をかせ状にしてガーゼに包んだまま、90℃20分間の温水処理を行い、室温で自然乾燥させたのちに標準状態としたものを、JIS L 1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法 8.16.A法によりかさ高度(cm/g)、および、かさ高圧縮弾性率(%)を測定した。
[切創抵抗(切れ難さCut resistance )]
JIS T 8052:2005 防護服−機械的特性−鋭利物に対する切創抵抗性試験方法により測定した。
[コーティング材の接着性]
手袋のコート部分から試験片を採取して、JIS K 6404−6:1999 ゴム引布・プラスチック引布試験方法−第6部:もみ試験によって、荷重0.5kgにて、もみ回数500回の処理を行い、目視判定でコーティング部分の剥離が見られなかったものを合格とし、それ以外を不合格とした。なお試験片の方向はタテ方向のみとした。
[手袋の着用評価]
5名の被験者による着用試験を実施した。EN 420:2003 Protective gloves ?General requirements and test methodsの5.2によって被験者全員がデクステリティ(Dexterity)にレベル5の性能評価を与え、かつ、官能評価で5名中3名以上が「着用感良好」と評したものを合格とし、それ以外を不合格とした。
[実施例1]
総繊度440dtex、単繊維繊度1.7dtex、フィラメント本数267本、引張強さ2.03N/tex、水分率7%のポリパラフェニレンテレフタールアミド繊維(以下PPTAと記す)(東レ・デュポン(株)製、商品名「ケブラー」(登録商標))のフィラメント糸条を用いて、仮撚り加工速度:60m/min、仮撚り加工温度(乾熱):500℃、仮撚り数t:1150回/m、仮撚り加撚方向:S方向、スピンドル回転数:69000rpmの加工条件にて連続仮撚り加工を行い、強度保持率が40%のPPTAフィラメントの捲縮糸(撚り係数(K)=7628)を得た。得られた捲縮糸の捲縮特性を表1に示す。
図2に示されるカバーリング工程を使用して、繊度117dtex、破断伸度530%のポリウレタン系弾性繊維(東レ・オペロンテックス(株)製、商品名「ライクラ」(登録商標))からなる芯糸に、鞘糸の下撚り糸として、156dtexのナイロン繊維製ウーリー加工糸(加撚方向:Z撚り)をらせん状に巻き付け、さらに鞘糸の上撚り糸として、前記で得られたパラ系アラミド繊維の捲縮糸をナイロン繊維製ウーリー加工糸と反対方向にらせん状に巻き付けて、以下の加工条件にて被覆糸を得た。
スピンドル回転数:5000rpm
芯糸のドラフト:3.0倍
鞘糸下撚り糸のカバーリング撚り数Tとその撚り方向:700回/m、Z方向、撚り係数(K)=2764
鞘糸上撚り糸のカバーリング撚り数Tとその撚り方向:300回/m、S方向、撚り係数(K)=1990
得られた被覆糸を1本、13ゲージタイプの手袋編み機(株式会社島精機製作所)に供給して、重さ18g/枚、掌部の目付360g/mの手袋を編みあげた。この手袋は、ソフトでボリューム感豊かな風合いを有し、伸縮性に富み装着感がよく、耐燃焼性、耐熱性に優れ、かつ刃物で切れにくい(切創力:6.5N)ものであった。
コーティング材として、DMFに溶解した湿式多孔層成膜性ウレタン樹脂であるDIC(株)製 クリスボンMP105を、DMFで濃度11%に希釈して用いた。前記の編みあげた手袋を、手型に被せた状態で、上記のウレタン溶液に浸漬し、引き上げた。次に、50℃の温水に60分間浸漬し、樹脂液の溶剤DMFを水で置換した。その後、水から引き上げて、乾燥し、手型から外すことで、重さ21g/枚、掌部の樹脂付着量105g/mの、片面にコーティング材を被着させた背抜き手袋を作製した。
この手袋は、コーティング材の接着性が良好であり、グリップ(滑り止め)性に優れるため、自動車やアルミ建材の塗装作業などに用いる安全性の高い作業手袋として適したものであった。
[実施例2]
総繊度440dtex、単繊維繊度3.3dtex、フィラメント本数134本、引張強さ2.03N/tex、水分率7%のPPTAフィラメント糸条を用いたほかは、実施例1とまったく同様の方法で手袋を作製した。この時に得られた捲縮糸の強度保持率は38%であった。得られた捲縮糸の捲縮特性を表1に示す。
得られた手袋は、重さ18.5g/枚、掌部の目付350g/mであり、ソフトでボリューム感豊かな風合いを有し、伸縮性に富み装着感がよく、耐燃焼性、耐熱性に優れ、かつ刃物で切れにくい(切創力:8.4N)ものであった。
また、実施例1と同様の方法でウレタン樹脂をコーティングした手袋は、重さ21.5g/枚、掌部の樹脂付着量115g/mの、片面にコーティング材を被着させた背抜き手袋であり、コーティング材の接着性が良好で、グリップ(滑り止め)性に優れるため、自動車やアルミ建材の塗装作業などに用いる安全性の高い作業手袋として適したものであった。
[比較例1]
後述する捲縮糸の加工法を用いたほかは、実施例1と同様の方法で手袋を作製した。
実施例1と同じPPTAのフィラメント糸条を用いて、この糸条に加撚工程となるダブルツイスターで、S撚りを加え、撚り数t;1170(回/m)の撚り糸を得た。このときの撚り係数(K)は7760で、下記式で計算される。
=t×D1/2
〔但し、tは加撚工程の撚り数(回/m)を表し、Dは繊度(tex)を表す。〕
得られた撚り糸を湿熱処理工程となる飽和水蒸気処理設備に入れ、200℃の飽和水蒸気処理(湿熱)を15分間行い、撚り止めセットを行った。冷却後、解撚工程となるダブルツイスターで逆撚りをかけて撚り数をほぼ0まで解撚し、強度保持率が36%のPPTAフィラメント糸条の捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の捲縮特性を表1に示す。
得られた手袋は、重さ18g/枚、掌部の目付340g/mであり、耐燃焼性、耐熱性に優れ、かつ刃物で切れにくい(切創力:6.0N)ものであったが、ソフト、ボリューム感の風合いや伸縮性に欠け、装着感が劣るものであった。
また、実施例1と同様にコーティングして得られた手袋は、重さ23g/枚、掌部の樹脂付着量130g/mの、片面にコーティング材を被着させた背抜き手袋であり、コーティング材の接着性が悪く、コーティング材が剥離しやすいものであった。
[実施例3]
実施例1で使用したものと同じ総繊度440dtex、単繊維繊度1.7dtex、フィラメント本数134本、引張強さ2.03N/tex、水分率7%のPPTAフィラメント糸条を用い、仮撚り加工温度(乾熱)を470℃とする以外は、実施例1と同様の加工条件にて連続仮撚り加工を行い、PPTAフィラメントの捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の捲縮特性を表1に示す
得られた手袋は、重さ18g/枚、掌部の目付356g/mであり、ソフトでボリューム感豊かな風合いを有し、伸縮性に富み装着感がよく、耐燃焼性、耐熱性に優れ、かつ刃物で切れにくい(切創力:6.4N)ものであった。
また、実施例1と同様の方法により、重さ21.5g/枚、掌部の樹脂付着量110g/mの、片面にコーティング材を被着させた背抜き手袋を作製した。得られた手袋は、コーティング材の接着性が良好で、グリップ(滑り止め)性に優れるため、自動車やアルミ建材の塗装作業などに用いる安全性の高い作業手袋として適したものであった。
[比較例2]
実施例1で使用したものと同じ総繊度440dtex、単繊維繊度1.7dtex、フィラメント本数134本、引張強さ2.03N/tex、水分率7%のPPTAフィラメント糸条を用い、仮撚り加工温度(乾熱)を350℃とする以外は、実施例1と同様の加工条件にて通常の仮撚り加工を行い、PPTAフィラメントの捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の捲縮特性を表1に示す
得られた手袋は、重さ17.5g/枚、掌部の目付340g/mであり、耐燃焼性、耐熱性に優れるものであったが、刃物でやや切れやすく(切創力:5.2N)、ソフト、ボリューム感の風合いや伸縮性に欠け、装着感が劣るものであった。
また、実施例1と同様にコーティングして得られた手袋は、重さ21g/枚、掌部の樹脂付着量130g/mの、片面にコーティング材を被着させた背抜き手袋であり、コーティング材の接着性が悪く、コーティング材が剥離しやすいものであった。
Figure 2013163882
被覆糸の構成と手袋特性の評価結果を表2にまとめて示す。
Figure 2013163882
上述の実施例1乃至3は、特に本願手袋の編成層107に関連する実施例であった。次に、手袋全体の実施に係る実施例として、実施例4を説明する。
[実施例4]
図3は本願に係る手袋101を示し、図3(a)は掌側、図3(b)は手の甲側からみた図である。また、図3(c)は、図3(a)のC−C断面図である。
本願発明に係る手袋101は3層からなる。すなわち、ゴム又は樹脂材から形成される手袋形状の第1層103、この第1層103の外側に、同じくゴム又は樹脂材からなる第2層105と、第1層103と第2層105の間に配設され、かつ、手袋形状になるように編み込まれて形成された編成層107である。なお、第1層103と第2層105は絶縁性を有する材料から形成されている。
編成層107は3、芯糸1と鞘糸2からなる。鞘糸2は、その原糸の特性として、JIS L 1013 8.5に準じて測定した引張強さが1.75N/tex以上の高強力繊維よりなる。編成層107は、芯糸の周囲にこの鞘糸2が巻回した状態の被覆糸Aを編み込むことで形成される。鞘糸2は、かさ高度が40cm/g以上、かさ高圧縮弾性率が80%以上、及び、伸縮伸長率が20%以上、の条件を同時に満たす捲縮糸である。
つまり、図1及び図2において説明した被覆糸Aを用いている。
以上のように構成することによって、ゴムまたは樹脂のコーティング材と繊維層を良好に接着させることができる。また、耐切創性を確保しつつも手にフィットする手袋であるので、特に精密な作業等を効率的に行うことができる。
また、第1層103の外部側に被覆糸Aが設けられることから、ユーザに被覆糸Aの存在による、不快感を与えることが無い手袋を提供することが可能となる。つまり、ユーザの手が当接する側、若しくは、第1層103内に被覆糸A(実施例1の場合も含む)が存在すると、ユーザはこの被覆糸Aが存在することによる不快感が生ずるが、本実施形態のように構成することからこれを低減することができる。
また、絶縁性を有する第1層103及び第2層105を有することから、より確実に、絶縁機能を発揮させることができる。
また、編成層107つまり被覆糸Aが存在することから、絶縁機能に加え、高い耐切創性も発揮させることが可能となる。
これら3層の作成方法として、まず、天然ゴムラテックス中に金属等の手型を浸積して引き上げる。型表面に形成したゴム膜である第1層103に、別途編成された手袋形状の編成層107を被せる。この状態で、再度天然ゴムラテックス中に浸積して引き上げることによって、最外層に第2層105がコーティングされる。3層全て形成された後、第1層103と第2層105を同時に加硫し、乾燥させることによって形成することができる。
このように、形成したことから、例えば、実施例1の方法よりも編成層107の位置を任意の位置に設定できる。つまり、第1層103の厚さを決めればその外側に編成層107が位置することになるので、編成層107がユーザの手に当接することが確実に避けることも可能となる。編成層107がユーザに当接した場合には、ユーザは不快に感ずるし、直接当接しなくても、第1層103があまりに薄いと同じく不快に感ずるからである。
本実施形態は、実施例1の場合ではユーザに編成層107(被覆糸A)が当接することを確実に防ぐことによってユーザの使用感の向上を図ることができる。さらに、ユーザが不快を感じない厚さに第1層103をすることが可能であり、これによって、ユーザの使用感の向上を図ることができる。
また、編成層107を第1層103と第2層105の間に確実に位置させることが可能となる。
上述の構造は、手袋全体に渡って均一な構造をとることができるが、好適には、編成層107は、被覆糸の編み込み密度を、作業時に刃物が接触する可能性の高い部分を他の部分よりも高く形成する。被覆糸の編み込み密度が高い部分の例として、指先部分等が考えられる。手袋101の用途によっては、親指と人差し指の間部分や、手の甲の上部から四指の根元に到る範囲等でもよい。
また、編成層107を第1層103に被せるときに、編成層107を上述の範囲等に部分的に寄せ集めることによって、同様の効果を得ることも可能である。
このように構成することによって、手袋全体の柔軟性やフィット性を維持しつつ、部分的には耐切断性を向上させることができる。
また、編成層107の色を第2層105の色とは異なる色とすると好適である。この場合、最も摩耗しやすい第2層105の摩耗状態を一見して知ることができる。つまり、第2層105が摩耗して薄くなると、編成層107の色が透けて見えたり、小さな切創部分などがあれば編成層107の3の色がそのまま見えることとなる。従って、より早い段階でユーザは手袋101の破損等を発見することができる。さらに、第1層103の色を第2層105及び編成層107の色とは異なる色としてもよい。
これによって、ユーザは、手袋101の対切削性の低下、若しくは、絶縁性が低下していることを早期に発見することが可能となる。
本発明の手袋101は、漁業、農業、食品産業、医療、電力、通信、鉄道及び自動車分野などにおける作業用手袋として、或いはスポーツ用手袋として有用である。もっとも、このような使用方法に限定する趣旨ではなく、耐切削性、絶縁性の少なくともいずれか一方を必要とする用途であればどのような用途についても、本発明の手袋101は使用可能である。
A:被覆糸
1:芯糸
2:鞘糸
3:転がし給糸ローラー
4:フィードローラー
5:下段スピンドル
6:下段ベルト
7:上段スピンドル
8:上段ベルト
9:Hボビン
10:スネルガイド
11:デリベリローラー
12:ガイドバー
13:テイクアップローラー
14:チーズ
101:手袋
103:第1層
105:第2層
107:編成層

Claims (15)

  1. ゴム又は樹脂材から形成される手袋形状の第1層と、
    前記第1編成層の外側に配設され、かつ、手袋形状の第2層と、
    前記第1層と前記第2層の間に配設され、かつ、手袋形状になるように編み込まれて形成された編成層と、を有し、
    前記第2層はゴム又は樹脂材によって形成され、
    前記編成層は、
    芯糸と、
    原糸の特性として、JIS L 1013 8.5に準じて測定した引張強さが1.75N/tex以上の高強力繊維よりなる鞘糸と、を有し、
    前記編成層は、前記芯糸の周囲に前記鞘糸が巻回した状態の被覆糸を編み込むことで形成され、
    前記鞘糸は、かさ高度が40cm/g以上、かさ高圧縮弾性率が80%以上、及び、伸縮伸長率が20%以上、の条件を同時に満たす捲縮糸である
    手袋。
  2. 鞘糸のかさ高度が、40〜80cm/gである
    請求項1に記載の手袋。
  3. 鞘糸のかさ高圧縮弾性率が、80〜95%である
    請求項1又は2に記載の手袋。
  4. 鞘糸の伸縮伸長率が、20〜70%である
    請求項1〜3のいずれかに記載の手袋。
  5. 前記捲縮糸の強度保持率が、25%以上である
    請求項1〜4のいずれかに記載の手袋。
  6. 鞘糸が、パラ系アラミド繊維の捲縮糸である
    請求項1〜5のいずれかに記載の手袋。
  7. パラ系アラミド繊維の捲縮糸が、高強力繊維に撚りを加えた後、ヒーター温度470〜550℃の温度下での乾熱処理により、熱セットを行い、次いで前記撚りの解撚を行うことにより得られる
    請求項6に記載の手袋。
  8. 芯糸が、弾性繊維である
    請求項1〜7のいずれかに記載の手袋。
  9. 被覆糸は、芯糸のドラフト倍率が1.5〜5.0であり、鞘糸のカバーリングの撚り係数(K)が500〜5,000である
    請求項1〜8のいずれかに記載の手袋。
    =T×D1/2
    (但し、Tはカバーリングの撚り数(回/m)を表し、Dは繊度(tex)を表す。)
  10. 前記第2層が、天然ゴムラテックスである
    請求項1〜9のいずれかに記載の手袋。
  11. 前記天然ゴムラテックスが、浸漬成形法により形成されたものである
    請求項10に記載の手袋。
  12. 前記編成層は、
    被覆糸の編み込み密度を、作業時に刃物が接触する可能性の高い部分を他の部分よりも高く形成している
    請求項1〜11のいずれかに記載の手袋。
  13. 前記被覆糸の編み込み密度が高い部分は、少なくとも、指先部分である
    請求項12に記載の手袋。
  14. 前記編成層の色は、前記第2層の色とは異ならせて形成されている
    請求項1〜13に記載の手袋。
  15. 前記1層の色は、前記第2層及び前記編成層の色とは異ならせて形成されている
    請求項1〜14に記載の手袋。
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